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技術 アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む、筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による抗疲労用組成物

出願人 三基商事株式会社
発明者 森雄一郎山元宏貴北野美佐子小山泰史桐山晃平綱達也塩本理沙川路美由紀中川雅史
出願日 2018年9月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-166895
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-040884
状態 未査定
技術分野 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 食品の着色及び栄養改善 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 経済損失 研究業績 運動機能向上 イソプラスタン 液体クロマトグラフシステム 実態調査 脂質代謝関連遺伝子 デスクワーク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (8)

課題

解決手段

アーティチョーク葉抽出物を含む抗疲労用組成物、及びシナロピクリンを含む抗疲労用組成物。

概要

背景

1999年の厚生省疲労調査研究班の疫学調査によって、我が国で疲労を自覚している人の割合は、就労人口の約6割(約4700万人)であり、その半数を超える人(約2900万人)が半年以上の慢性的疲れに悩まされていることが報告された(非特許文献1)。さらに2002年の厚生労働省実施の労働者健康状況調査では、普段の仕事に疲れを感じるとする労働者の割合が約7割にのぼると報告された(非特許文献2)。

疲労や疲労感に起因した疾患の発症も知られており、疲労や疲労感に対策を講じることは、労働者の労働環境からの離脱を防ぐことや国民医療費の削減などの経済損失の軽減に資するものと期待されている。こうした背景から、科学根拠に基づいた抗疲労用組成物が開発されることの社会的意義は非常に大きい。

概要

アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む抗疲労用組成物を提供すること。 アーティチョーク葉抽出物を含む抗疲労用組成物、及びシナロピクリンを含む抗疲労用組成物。なし

目的

本発明は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む抗疲労用組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

アーティチョーク葉抽出物を対象の体重1kgあたり1日に固形成分に換算して1〜40mg投与される量で含有する、請求項1記載の組成物

請求項3

アーティチョーク葉抽出物が、前記抽出物の重量あたりシナロピクリンを0.1〜10wt%で含有し、シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg投与される、請求項1又は2記載の組成物。

請求項4

経口投与形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。

請求項5

筋肉細胞におけるエネルギー代謝活性化による、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。

請求項6

シナロピクリンを含む、抗疲労用組成物。

請求項7

シナロピクリンが、対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg投与される量である、請求項6記載の組成物。

請求項8

経口投与形態である、請求項6又は7に記載の組成物。

請求項9

筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による、請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む抗疲労用組成物に関する。本発明は、さらに、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む、筋肉細胞におけるエネルギー代謝活性化による抗疲労用組成物に関する。

背景技術

0002

1999年の厚生省疲労調査研究班の疫学調査によって、我が国で疲労を自覚している人の割合は、就労人口の約6割(約4700万人)であり、その半数を超える人(約2900万人)が半年以上の慢性的疲れに悩まされていることが報告された(非特許文献1)。さらに2002年の厚生労働省実施の労働者健康状況調査では、普段の仕事に疲れを感じるとする労働者の割合が約7割にのぼると報告された(非特許文献2)。

0003

疲労や疲労感に起因した疾患の発症も知られており、疲労や疲労感に対策を講じることは、労働者の労働環境からの離脱を防ぐことや国民医療費の削減などの経済損失の軽減に資するものと期待されている。こうした背景から、科学根拠に基づいた抗疲労用組成物が開発されることの社会的意義は非常に大きい。

先行技術

0004

木谷照夫、疲労の実態調査と健康づくりのための疲労回復法に関する研究(厚労省)平成11年度研究業績報告.2000
厚生労働省、平成14年労働者健康状況調査、厚生労働省統計情報2003

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む抗疲労用組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、アーティチョーク葉抽出物に安静時若しくは平常時の疲労感、及び/又は運動負荷後の疲労感を改善又は軽減する効果を有することを見出し、本発明を成した。具体的には、本発明は、以下に記載の抗疲労用組成物を提供する:
[項1] アーティチョーク葉抽出物を含む、抗疲労用組成物;
[項2] アーティチョーク葉抽出物を対象の体重1kgあたり1日に固形成分に換算して1〜40mg投与される量で含有する、項1記載の組成物
[項3] アーティチョーク葉抽出物が、前記抽出物の重量あたりシナロピクリンを0.1〜10wt%で含有し、シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg投与される、項1又は項2記載の組成物;
[項4]経口投与形態である、項1〜項3のいずれかに記載の組成物;
[項5] 1日に1回摂取される、項4に記載の組成物;
[項6]筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による、項1〜5のいずれかに記載の組成物;
[項7] 安静時若しくは平常時又は運動後の抗疲労用組成物である、項6に記載の組成物;
[項8]運動機能向上による、項1〜7のいずれかに記載の組成物;
[項9] 運動後の抗疲労用組成物である、項8に記載の組成物;
[項10] シナロピクリンを含む、抗疲労用組成物;
[項11] シナロピクリンが、対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg投与される量である、項10記載の組成物;
[項12] 経口投与形態である、項10又は項11に記載の組成物;
[項13] 1日に1回摂取される、項12に記載の組成物;
[項14] 筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による、項10〜13のいずれかに記載の組成物;
[項15] 安静時若しくは平常時又は運動後の抗疲労用組成物である、項14に記載の組成物;
[項16] 運動機能向上による、項10〜15のいずれかに記載の組成物;
[項17] 運動後の抗疲労用組成物である、項16に記載の組成物;
[項18] アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを配合することを含む、抗疲労用組成物の製造方法。

発明の効果

0007

本発明によって、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを含む抗疲労用組成物が提供される。

図面の簡単な説明

0008

アーティチョーク葉抽出物によるミトコンドリアデヒドロゲナーゼ活性に対する影響を示す棒グラフ縦軸は、アーティチョーク葉抽出物を添加しない陰性対照(−)のミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性を100%とした場合の相対的なミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性[%]を示し、横軸は、アーティチョーク葉抽出物の添加濃度[μg/mL]を示す。
各種溶媒で抽出したアーティチョーク葉抽出物によるミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、アーティチョーク葉抽出物を添加しない陰性対照(−)のミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性を100%とした場合の相対的なミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性[%]を示し、横軸は、アーティチョーク葉の各種溶媒で抽出した抽出物を示す。各抽出物には、アーティチョーク葉抽出物300μg/mLに相当する濃度のアーティチョークを含めた。
液体クロマトグラフィーにより分取したアーティチョーク葉酢酸エチル抽出物の各画分による、ミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、アーティチョーク葉抽出物を添加しない陰性対照(−)のミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性を100%とした場合の相対的なミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性[%]を示し、横軸は、液体クロマトグラフィーにより分取したアーティチョーク葉酢酸エチル抽出物の各画分を示す。各画分には、アーティチョーク葉酢酸エチル抽出物12μg/mLに相当する濃度のアーティチョークを含めた。
アーティチョーク葉抽出物による脂質代謝関連遺伝子カルニチンパルミトイル基転移酵素1A(CPT1A)」の遺伝子発現に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、アーティチョーク葉抽出物を添加しない陰性対照(−)のCPT1A遺伝子発現量を1とした場合の相対的な遺伝子発現レベルを示し、横軸は、アーティチョーク葉抽出物の添加濃度[μg/mL]を示す。
アーティチョーク葉抽出物によるグルコースの取り込み促進に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、アーティチョーク葉抽出物を添加しない陰性対照(−)での細胞による2デオキシグルコース(2DG)の取り込み量[μM]を示し、横軸は、アーティチョーク葉抽出物(AC)の添加濃度[μg/mL]を示す。
アーティチョーク葉抽出物による安静時の疲労感に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、ビジュアルアナログスケール(VAS)評価を示し、横軸は、安静時の疲労感の各項目を示す。各項目における棒は、VAS計測した時期(アーティチョーク葉抽出物の摂取開始後の週数)を示す。
アーティチョーク葉抽出物による運動負荷後の疲労感に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、VAS評価を示し、横軸は、安静時の疲労感の各項目を示す。各項目における棒は、VAS計測した時期(アーティチョーク葉抽出物の摂取開始後の週数)を示す。
アーティチョーク葉抽出物による抗酸化作用に対する影響を示す棒グラフ。縦軸は、8−イソプラスタン濃度[pg/mg]を示し、横軸は、VAS計測した時期(アーティチョーク葉抽出物の摂取開始後の週数)を示す。

実施例

0009

「アーティチョーク」(学名:Cynara scolymus、和名:チョウセンアザミ)は、キク科チョウセンアザミ属の多年草である。

0010

本明細書において「アーティチョーク葉抽出物」は、アーティチョークの葉から得られた抽出物を意味する。アーティチョーク葉抽出物は、限定するものではないが、公知の抽出方法によって調製することができ、又は商業的に入手することができる。アーティチョーク葉の抽出は、例えば、アーティチョーク葉を溶媒に浸漬した後に、ホモジナイズすること、加熱すること、室温で長時間溶媒に浸すこと、振とうすること、超音波をかけること、加圧することのいずれか又はこれらの組合せにより行うことができる。この例において、アーティチョーク葉を、そのまま用いてもよいし、細かく破砕した破砕物を用いてもよい。

0011

アーティチョーク葉抽出物としては、限定するものではないが、有機溶媒抽出物水抽出物又はアルコール抽出物が挙げられる。アーティチョーク葉有機溶媒抽出物は、限定するものではないが、アセトンフェノール酢酸エチルジエチルエーテルアセトニトリルなどの有機溶媒を用いて、常法に従ってアーティチョーク葉から抽出することができる。アーティチョーク葉水抽出物は、限定するものではないが、水を用いて常法に従ってアーティチョーク葉から抽出することができる。アーティチョーク葉アルコール抽出物は、限定するものではないが、メタノールエタノールプロピレングリコールグリセリンなどのアルコールを用いて、アーティチョーク葉から常法に従って抽出することができる。アーティチョーク葉抽出物は、例えば、アセトン抽出物である。他の例において、アーティチョーク葉抽出物は、水抽出物である。他の例において、アーティチョーク葉抽出物は、エタノール抽出物である。他の例において、アーティチョーク葉抽出物は、各種の溶媒で抽出された抽出物の混合物である。アーティチョーク葉抽出物は、さらに常法に従って、分離精製されてもよい。分離精製の方法としては、限定するものではないが、液体クロマトグラフィーが挙げられる。

0012

アーティチョーク葉抽出物の形態としては、限定するものではないが、液状、固形状が挙げられる。アーティチョーク葉抽出物の形態は、例えば、固形状である。固形状のアーティチョーク葉抽出物は、限定するものではないが、液状のアーティチョーク葉抽出物を凍結乾燥法により調製することができる。本明細書において、固形成分に換算したアーティチョーク葉抽出物の重量は、凍結乾燥法により調製された固形状のアーティチョーク葉抽出物の重量を意味する。

0013

アーティチョーク葉抽出物中のシナロピクリンの含有量は、常法により、例えば液体クロマトグラフィー(例えばHPLC)により測定することができる。

0014

本明細書において「シナロピクリン」は、分子式C19H22O6のセスキテルペン類化合物であり、核因子NFkBならびにTNF−αとの相互作用による抗炎症作用を有することが知られている。シナロピクリンは、限定するものではないが、公知の化学合成方法によって調製することができ、植物から抽出して調製することができ、又は商業的に入手できる。シナロピクリンの抽出方法としては、例えば特開2006−206532に記載の方法を用いることができる。

0015

シナロピクリンを抽出可能な植物としては、限定するものではないが、アーティチョーク、カルドン(Cynara cardunculus)、ヤグルマギク(Centaurea americana)、Tricholepis glaberrima、Amberboa divaricata、Saussurea salicifoliaが挙げられる。シナロピクリンを抽出できる植物体としては、限定するものではないが、葉、花、、枝、根茎及び種子のいずれか又はこれらの組合せが挙げられる。シナロピクリンを抽出する植物体は、例えば、葉、又は葉と花などの組合せである。

0016

本明細書において「抗疲労」は、対象における疲労又は疲労感が改善又は軽減されることを意味する。抗疲労は、本明細書に記載の抗疲労用組成物が投与される前と比べて、前記組成物が投与された後(例えば、摂取開始後、毎日摂取し続けて4週目)に、対象における疲労又は疲労感が改善又は軽減されることが指標とされる。疲労又は疲労感は、例えば、後述の実施例に記載のように、ビジュアルアナログスケール(Visual Analogue Scale:VAS)を用いて評価される。1つの実施形態において、疲労又は抗疲労感の改善又は軽減は、VASにおける数値(cm)の減少によって評価される。

0017

抗疲労は、限定するものではないが、安静時若しくは平常時の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び/又は「体の軽快さ」の改善又は軽減、並びに/或いは、運動後の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び/又は「呼吸乱れ」の改善又は軽減が挙げられる。抗疲労は、例えば、安静時若しくは平常時の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せである。他の例において、抗疲労は、運動後の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せである。他の例において、抗疲労は、安静時若しくは平常時の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せと、運動後の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せと、の組合せである。

0018

他の例において、抗疲労は、安静時若しくは平常時の「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せと、運動後の「疲れの感覚」及び「身体的疲労感」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せと、の組合せである。他の例において、抗疲労は、安静時若しくは平常時の「身体的疲労感」の改善又は軽減及び運動後の「身体的疲労感」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せである。他の例において、抗疲労は、安静時若しくは平常時の「体の軽快さ」の改善又は軽減及び運動後の「呼吸の乱れ」の改善又は軽減のいずれか又はそれらの組合せである。

0019

本明細書において「筋肉細胞」は、筋肉を構成する細胞を意味する。筋肉は、形態学的に、横紋筋骨格筋及び心筋)、及び平滑筋内臓筋)に分類され、機能的には、随意筋(骨格筋)及び不随意筋(内臓筋及び心筋)に分類される。筋肉細胞は、限定するものではないが、骨格筋を構成する細胞(筋管細胞)、心筋を構成する細胞(心筋細胞)、及び内臓筋を構成する細胞が挙げられる。筋肉細胞は、例えば、筋管細胞である。

0020

本明細書において「筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化」は、限定するものではないが、筋肉細胞におけるミトコンドリアTCA回路クエン酸回路)の活性化、筋肉細胞における脂質代謝関連遺伝子発現亢進、及び筋肉細胞におけるグルコース取り込みの促進のいずれか又はこれらの組合せが挙げられる。

0021

本明細書において「運動時」は、体を動かしている時を意味する。運動時は、限定するものではないが、スポーツなどの運動を行っている時、及び日常生活で身体的な負荷のかかる労働をしている時などが挙げられる。本明細書において「運動後」は、体を動かした一定期間後を意味する。運動後は、限定するものではないが、スポーツなどの運動を行った直後若しくは数分後、又は日常生活で身体的な負荷のかかる労働をした直後若しくは数分後などが挙げられる。本明細書において「安静時」若しくは「平常時」は、特にスポーツなどの運動若しくは肉体労働を行っていない普段どおりの時期若しくは状態を意味する。安静時若しくは平常時は、限定するものではないが、日常デスクワークをしている時若しくは状態、読書をしている時若しくは状態などが挙げられる。

0022

本発明において「対象」は、疲労若しくは疲労感の改善又は軽減の必要性のある動物を意味する。対象としては、限定するものではないが、家畜動物伴侶動物ペット)、霊長類が挙げられる。家畜動物としては、限定するものではないが、ウシブタヒツジが挙げられる。伴侶動物としては、限定するものではないが、イヌネコウサギが挙げられる。霊長類としては、限定するものではないが、サルチンパンジー、ヒトが挙げられる。対象は、好ましくは霊長類であり、より好ましくはヒトである。

0023

抗疲労用組成物がアーティチョーク葉抽出物又は天然植物由来のシナロピクリンを含む場合、天然物由来の抽出物又は天然物由来のシナロピクリンにより調製されるため、対象にとって安全であり、好ましい。

0024

抗疲労用組成物は、限定するものではないが、シナロピクリンを含有するアーティチョーク葉組成物を含む。1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、抗疲労成分として、アーティチョーク葉抽出物のみを含む。

0025

抗疲労用組成物は、限定するものではないが、シナロピクリンを含有するアーティチョーク葉抽出物に加えて、薬学上許容される担体を含む。そのような抗疲労用組成物は、シナロピクリンを含有するアーティチョーク葉抽出物と薬学上許容される担体とを、常法に従って、合することで製造される。

0026

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、シナロピクリンを含む。1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、抗疲労成分として、シナロピクリンのみを含む。抗疲労用組成物は、限定するものではないが、シナロピクリンに加えて、薬学上許容される担体を含む。そのような抗疲労用組成物は、シナロピクリンと薬学上許容される担体とを、常法に従って、合することで製造される。

0027

本明細書において「薬学上許容される担体」は、適用される対象に対して不都合な作用をもたらさない担体を意味する。薬学上許容される担体としては、限定するものではないが、賦形剤結合剤希釈剤添加剤香料緩衝剤増粘剤着色剤、安定剤、乳化剤分散剤懸濁剤防腐剤が挙げられる。薬学上許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウムステアリン酸マグネシウムタルク砂糖ラクトースペクチンデキストリン澱粉ゼラチントラガントメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロース低融点ワックスカカオバターが挙げられる。

0028

抗疲労用組成物の投与形態は、限定するものではないが、経口投与形態又は非経口投与形態であり、好ましくは経口投与形態である。経口投与形態としては、限定するものではないが、顆粒剤散剤錠剤糖衣錠を含む)、丸剤カプセル剤シロップ剤乳剤、懸濁剤が挙げられる。非経口投与形態としては、限定するものではないが、外用剤(例えば、経鼻投与剤経皮剤)、坐剤が挙げられる。経鼻投与剤としては、限定するものではないが、エマルション剤が挙げられる。経皮剤としては、限定するものではないが、クリームジェルローション貼付剤が挙げられる。抗疲労用組成物は、例えば、経口投与形態であり、例えば、カプセル剤である。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。

0029

抗疲労用組成物は、限定するものではないが、医薬品、サプリメント特定保健用食品栄養機能食品、又は機能性表示食品である。

0030

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、アーティチョーク葉抽出物が体重50kgの対象に対して1日あたり固形成分に換算した50〜2000mg、好ましくは100〜1000mg、より好ましくは200〜500mg投与されるように配合される。

0031

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、アーティチョーク葉抽出物が対象の体重1kgあたり1日に固形成分に換算した1〜40mg、好ましくは2〜20mg、より好ましくは4〜10mg投与されるように配合される。

0032

1つの実施形態において、アーティチョーク葉抽出物は、前記抽出物の重量あたり、シナロピクリンを0.1〜10wt%、好ましくは0.5〜5wt%、より好ましくは0.75〜2.5wt%、さらに好ましくは1wt%含有し、該シナロピクリンが体重50kgの対象に対して1日あたり0.5〜20mg、好ましくは1〜10mg、より好ましくは2〜5mg、或いは、シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg、好ましくは20〜200μg、より好ましくは40〜100μg投与される、或いは、該シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg、好ましくは20〜200μg、より好ましくは40〜100μg投与される。

0033

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、シナロピクリンが体重50kgの対象に対して1日あたり0.5〜20mg、好ましくは1〜10mg、より好ましくは2〜5mg投与されるように配合される。

0034

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg、好ましくは20〜200μg、より好ましくは40〜100μg投与されるように配合される。

0035

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、カプセル剤などの経口投与形態である。カプセル剤は、限定するものではないが、シナロピクリンが体重50kgの対象に1日あたり0.5〜20mg、好ましくは1〜10mg、より好ましくは2〜5mg摂取されるように配合される、或いは、シナロピクリンが対象の体重1kgあたり1日に10〜400μg、好ましくは20〜200μg、より好ましくは40〜100μg摂取されるように配合される。

0036

シナロピクリンの1日あたりの投与量、又はアーティチョーク葉抽出物の1日あたりの投与量は、1回で投与されてもよく、又は複数回に分けて投与されてもよい。好ましくは、シナロピクリンの1日当たりの投与量、又はアーティチョーク葉抽出物の投与量は、1日1回で投与される。

0037

1つの実施形態において、抗疲労用組成物の製造のための、アーティチョーク葉抽出物の使用又はシナロピクリンの使用が提供される。本明細書中に記載のアーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリン、或いは抗疲労用組成物等に対する特徴は、この実施形態における、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリン、或いは抗疲労用組成物等にも適用される。他の態様は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンを配合する工程を含む、抗疲労用組成物の製造方法を提供する。1つの実施形態において、配合工程は、薬学上許容される担体を配合することをさらに含む。

0038

1つの実施形態において、抗疲労用組成物は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンに加えて、動物飼料原料を含む。そのような抗疲労用組成物は、アーティチョーク葉抽出物又はシナロピクリンと動物飼料原料とを、常法に従って、合することにより製造される。本明細書において「動物飼料原料」は、摂食する動物が摂食可能な成分又は前記成分を含む組成物を意味する。動物飼料原料は、限定するものではないが、肉、ダイズなどのタンパク源穀物類などの炭水化物源野菜ビタミン類ミネラル類が挙げられる。

0039

抗疲労用組成物に対する表示としては、限定するものではないが、抗疲労;疲労が改善又は軽減される;安静時若しくは平常時又は運動時若しくは運動後の疲労又は疲労感が改善又は軽減される;疲れの感覚及び/又は身体的疲労感が軽減される又は改善する;体の軽快さが向上する及び/又は改善する;呼吸が安定する及び/又は乱れにくい、或いは、これらの組合せが挙げられる。他の例において、抗疲労用組成物に対する表示としては、限定するものではないが、筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による抗疲労;筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による安静時若しくは平常時の抗疲労;筋肉細胞におけるエネルギー代謝の活性化による運動後の抗疲労;運動機能向上による運動後の抗疲労、或いは、これらの組合せが挙げられる。

0040

以下に、本発明の好ましい実施形態を説明するが、それらの説明は例示であって制限的なものではなく、添付する特許請求の範囲に記載の発明をいかようにも限定するものではない。
[実施例]

0041

製造例1:アーティチョーク葉アセトン抽出物の調製
アーティチョーク乾燥葉(100g)を1500mLの70%アセトン中でホモジナイズし(10000rpm、5分)、吸引濾過により残渣(1)と濾液(1)を得た。残渣(1)を、1000mLの70%アセトン中でさらにホモジナイズし(10000rpm、5分)、吸引濾過により残渣(2)と濾液(2)を得た。濾液(1)と濾液(2)とを混合し、その混合液を40℃にて減圧濃縮した。その濃縮物凍結乾燥して、アーティチョーク葉アセトン抽出物(28.2g)を得た。得られたアーティチョーク葉アセトン抽出物中のシナロピクリン含有量(wt%)を測定するために、液体クロマトグラフィーを行った。液体クロマトグラフィーの条件は、以下のとおりであった:
ステム: LC−2010AHT(SHIMAZU)
カラム: Capcell PAK C18(SHISEIDO
温度: 40℃
流速: 1.0 mL/min
移動相: 水:アセトニトリル=72:28
検出波長: 210nm
標準品: シナロピクリン(Phytolab GmbH&Co.KG)
アーティチョーク葉アセトン抽出物は、前記抽出物の重量あたりシナロピクリンを約1.2wt%含有した。

0042

製造例2:アーティチョーク葉水抽出物の調製
アーティチョーク乾燥葉(100g)を3000mLの水に浸漬し、80〜90℃で1時間抽出した後、吸引濾過により濾液を得た。その濾液を40℃にて減圧濃縮し、固形分10%の濃縮液710gを得た。その濃縮液の一部(100g)にデキストリン(パイデックス#1:化学工業株式会社)40gを混合し、その混合物を凍結乾燥して、アーティチョーク葉水抽出物(50g)を得た。
得られたアーティチョーク葉アセトン抽出物中のシナロピクリン含有量(wt%)を、上記同様、液体クロマトグラフィーにより測定した。アーティチョーク葉水抽出物は、前記抽出物の重量あたりシナロピクリンを約1.0wt%含有した。

0043

実施例1:アーティチョーク葉抽出物によるミトコンドリアにおける代謝活性の亢進
ラット骨格筋由来のL6細胞株を筋管細胞に分化させるために、L6細胞株を24wellプレート播種し、前記細胞を10%ウシ血清含有Minimum Essential Medium Alpha(MEMα)培地中、37℃、5%CO2にてサブコンフレントになるまで培養した。次いで、培地を2%ウシ血清含有MEMαに交換して、細胞培養をさらに7日間継続し、筋管細胞に分化させた。得られた筋管細胞を実施例1の被験細胞とした。

0044

アーティチョーク葉抽出物によってミトコンドリアにおける代謝活性が変化するかを調べるために、ミトコンドリアTCA回路(クエン酸回路)の総デヒドロゲナーゼ活性を測定した。被験細胞の培養液に、試験物質として0.2v/v%ジメチルスルホキシドDMSO)中のアーティチョーク葉アセトン抽出物(製造例1)を200μg/mL、400μg/mLとなるように添加し、細胞培養を24時間行った。培養後に、細胞数測定試薬(WST−8:キシダ化学株式会社)を用いて、ミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性を測定した(n=3)。
アーティチョーク葉抽出物を含まない0.2v/v%DMSOを培養液に添加した被験細胞を、陰性対照とした。陰性対照のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性を同様に測定した(n=3)。

0045

陰性対照のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性に対する、各試験での総デヒドロゲナーゼ活性の相対値(%)を算出した。各試験のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性の平均値標準偏差を算出した(表1)。

0046

被験物質を添加していない陰性対照のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性と比べて、被験物質200μg/mLを添加した場合、その相対活性値は平均で129%(=[被験物質添加(+)時のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性]/[被験物質非添加(−)時のミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性]×100)にまで上昇した。この結果は、アーティチョーク葉抽出物(被験物質)の添加によって、ミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性が上昇することを示す(表1、図1)。

0047

また、被験物質添加によるミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性(相対値)の上昇は、その添加量を200μg/mLから400μg/mLに増加させたところ、129%から134%に上昇した。この結果は、筋管細胞におけるミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性が、アーティチョーク葉抽出物(被験物質)の濃度に依存して上昇することを示す(表1、図1)。

0048

実施例2:アーティチョーク葉抽出物中の有効成分分析
実施例1で示された、アーティチョーク葉抽出物によるミトコンドリアにおける代謝活性の亢進作用がアーティチョーク葉抽出物中のいずれの成分によりもたらされたかを調べた。

0049

アーティチョーク葉抽出物(製造例1)を20倍量の水に浸漬して、分析対象物質を水中に抽出した。得られた水溶液当量ヘキサンを用いて液液抽出を5回行い、水層(1)とヘキサン層を得た。得られたヘキサン層を40℃にて減圧濃縮し、窒素ガス乾固させ、ヘキサン抽出物(3.3%)を得た。
次いで、上記ヘキサン抽出処理後の水層(1)と当量の酢酸エチルを用いて液液抽出を5回行い、水層(2)と酢酸エチル層とを得た。得られた酢酸エチル層を40℃にて減圧濃縮し、窒素ガスで乾固させ、酢酸エチル抽出物(4.0%)を得た。
前記酢酸エチル抽出処理後の水層(2)を40℃にて減圧濃縮し、凍結乾燥させて、水抽出物(86.4%)を得た。

0050

前記抽出物について、実施例1と実質的に同じ方法で、ミトコンドリアTCA回路(クエン酸回路)の総デヒドロゲナーゼ活性を測定した(図2)。実施例1と同様、アーティチョーク葉抽出物によって、ミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性が上昇した(図2:陰性対照(−)対アーティチョーク葉抽出物)。そのアーティチョーク葉抽出物中の分析対象物質をヘキサン、酢酸エチル、及び水に分配した前記抽出物によるミトコンドリア総デヒドロゲナーゼ活性の結果は、酢酸エチル抽出物に、他の抽出物に比して強い総デヒドロゲナーゼ活性が見出された(図2)。

0051

前記酢酸エチル抽出物中の分析対象物質を特定するために、液体クロマトグラフィーを行った。液体クロマトグラフィーの条件は以下のとおりであった:
HPLC条件
システム: 717 plus Auto sampler(Waters)
カラム: DevelosilODS−HG−5 10×250mm
(NOMURA CHEMICAL)
温度: 40℃
流速: 5.0 mL/min
移動相: (A)0.1%ギ酸、(B)アセトン
勾配: 0min(A)90% → 70min(A)50%

0052

前記酢酸エチル抽出物25mgをメタノール500mLに溶解し、そのメタノール溶液200μLを前記液体クロマトグラフシステムインジェクトした。前記HPLC条件にて分取された8画分(画分No.1〜画分No.8)を、40℃で減圧乾固した。各画分の収率を以下の表に示す:

0053

調製した各画分について、実施例1と実質的に同じ方法で、ミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性を測定した。測定結果を、各画の収率からアーティチョーク葉抽出物12μg/mL相当に換算した(図3)。図3から理解されるように、画分No.7に、強いミトコンドリアTCA回路の総デヒドロゲナーゼ活性が見られた。

0054

画分No.7、及びシナロピクリン標準品(Phytolab GmbH & Co. KG)について、HPLC分析及びLC−MS分析を行った。HPLC分析の結果、画分No.7の分析対象物質とシナロピクリンとのUVスペクトル及びリテンションタイムが一致した。また、LC−MS分析の結果、画分No.7の分析対象物質とシナロピクリンとの分子量が一致した。これらの結果は、アーティチョーク葉抽出物中の分析対象物質がシナロピクリンであることを示す。

0055

実施例3:アーティチョーク葉抽出物による脂質代謝関連遺伝子発現の亢進
実施例1と同様にして、ラット骨格筋由来のL6細胞株を筋管細胞に分化させ、得られた被験細胞を実施例3の被験細胞とした。
アーティチョーク葉抽出物によって筋管細胞における脂質代謝が変化するかを調べるために、脂質代謝関連遺伝子であるカルニチンパルミトイル基転移酵素1A(CPT1A)の発現量を測定した。被験細胞の培養液に、0.1v/v%DMSO中の試験物質アーティチョーク葉抽出物(製造例1)を200μg/mLとなるように添加し、細胞を24時間培養した。細胞培養後に、被験細胞からRNAを抽出し、cDNAを作成した。遺伝子発現量を測定する際に用いたプライマーを表3に示す。

0056

得られたcDNAから、Power SYBR Green Master Mix(Applied Biosystems)及びStepOne Real−timePCRsystem(Applied Biosystems)を用いて定量PCRを行った(n=4)。CPT1Aの発現量は、18Sの発現量を内部標準として補正し、陰性対照の発現量を1とした相対値で表した(表4)。

0057

被験物質を添加していない陰性対照の脂質代謝関連遺伝子CPT1Aの発現量と比べて、被験物質200μg/mLを添加した場合、その相対発現量は平均で1.79(=[被験物質添加(+)時のCPT1A発現量]/[被験物質非添加(−)時の発現量CPT1A])にまで上昇した。この結果は、アーティチョーク葉抽出物(被験物質)の添加によって、筋管細胞における脂質代謝関連遺伝子の発現が増大することを示す(表4、図4)。

0058

実施例4:アーティチョーク葉抽出物によるグルコース取り込みの促進
マウス骨格筋由来のC2C12細胞株を筋管細胞に分化させるために、C2C12細胞株を12wellプレートに播種し、10%ウシ血清を含むDulbecco’s Modified Eagle’s medium(DMEM)培地中、37℃、5%CO2にてサブコンフレントになるまで培養した。培地を2%ウシ血清含有DMEMに交換して、細胞培養をさらに5日間継続し、筋管細胞に分化させた。

0059

アーティチョーク葉抽出物によって筋管細胞による糖の取り込みが変化するかを調べるために、グルコース取り込み量を測定した。被験細胞の培養液に、試験物質として0.1v/v%DMSO中のアーティチョーク葉アセトン抽出物(製造例1)を100μg/mLとなるように添加し、細胞培養を4時間行った。培養後に、被験細胞をKrebs‐Ringer‐phosphate‐Hepes(KRPH)で洗浄し、1mMの2デオキシグルコース(2DG)を含むKRPH緩衝液中で20分間培養した。培養後の被験細胞をKRPH緩衝液で2回洗浄し、被験細胞を1.2mlの10mM Tris−HCl緩衝液中に回収した。

0060

回収した被験細胞に対して超音波処理(5分)を施して、細胞を破砕した。細胞破砕液を80℃で15分間熱処理した後、13,000rpmで20分間遠心分離を行った。遠心分離後のサンプ上清を回収し、測定試料とした。測定試料中の2DG濃度を、2−デオキシグルコース(2DG)代謝速度測定キットコスモバイオ株式会社)を用いて測定した(n=3)。2DG濃度は、キットに添付された使用説明書に従って測定した。
測定結果の平均値、標準偏差を算出した(表5)。

0061

被験物質を添加していない陰性対照(−)の2DGの取り込み量は平均で6.51[μM]であり、被験物質100μg/mLを添加した場合の2DG代謝速度は平均で10.03[μM]であった。この結果は、アーティチョーク葉抽出物(被験物質)の添加によって、筋管細胞による糖(2DG)の取り込み量が上昇することを示す(表5、図5)。

0062

実施例5:アーティチョーク葉抽出物による抗疲労作用
モニタリング
安静時の疲労感、及び運動後の疲労感におけるアーティチョーク葉抽出物の抗疲労作用の有無を調べるために、モニタリング試験を行った。
被験者12名(男性7名、女性5名)は、4週間毎日アーティチョーク葉抽出物(製造例2)を含有するカプセル剤を1日1回2カプセル(アーティチョーク葉抽出物300mg相当量)を摂取するよう依頼された。カプセル剤は、1日のうち任意の時間帯に摂取された。

0063

[安静時の疲労感]
被験者は、当該モニタリングの開始時(0週目)、開始後1週目、及び開始後4週目に、さらにモニタリング終了後の観察(後期観察)のためにモニタリング終了後1週目(モニタリングの開始後5週目)に安静時の疲労感が評価された。安静時の疲労感の評価は、評価時直近1週間の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」の3項目について、ビジュアルアナログスケール(Visual Analogue Scale:VAS)を用いて評価した。

0064

VASは、白紙に10cmの線を引き、その10cm線の左端に各項目に対応する感覚のうち最良の感覚が示され、その10cm線の右端に各項目に対応する状態のうち最悪の感覚が示されており、被験者は、各項目について自らの感覚に近い場所に線を引くことによって行われる。安静時の疲労感の評価に用いたVASによるアンケート項目の内容を示す(表6)。

0065

VASでは、被験者が引いた線の位置が10cmの線の左端から何cmの位置にあるかを計測し、その数値(cm)が各アンケート項目における評価となる。即ち、VASでの評価が5cmである場合、その被験者はアンケート項目に対して最良の感覚と最悪の感覚の中間の感覚を覚えていること示す。本モニタリングにおけるアンケート項目「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」の平均値、及び標準偏差を算出した(表7)。各アンケート項目に対する有意差検定P値)はウィルコクソン順位和検定により行った。

0066

アーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取後、1週目、4週目へと時が経過するにつれて「疲れの感覚」に関するVAS評価が低減した(表7、図6)。これは「疲れの感覚」が時間の経過と共に、最良の感覚の方に近づいていること、即ち「疲れの感覚」が該カプセル剤の摂取を継続することで改善していることを示す。また、該カプセル剤摂取後4週で、該カプセル剤摂取時と比べて、有意に「疲れの感覚」が改善した(図6「疲れの感覚」P<0.05)。加えて、後期観察では「疲れの感覚」が該カプセル剤摂取開始後4週と比べて増大傾向にあることが観察された(表7、図6)。これは、該カプセル剤の摂取を止めることで、「疲れの感覚」が最悪の感覚に近づいていること、即ち「疲れの感覚」が悪化傾向にあることを示す。

0067

同様に、アーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取後、1週目、4週目へと時が経過するにつれて、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」に関するVAS評価が低減した(表7、図6)。これらは「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が該カプセル剤の摂取を継続することで改善していることを示す。また、該カプセル剤摂取後4週で、該カプセル剤摂取時と比べて、有意に「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が改善した(図6「身体的疲労感」P<0.05、「体の軽快さ」P<0.01)。加えて、後期観察では「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が該カプセル剤摂取開始後4週と比べて増大したことが観察された(図6「身体的疲労感」P<0.05、「体の軽快さ」P<0.01)。これは、該カプセル剤の摂取を止めることで、「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が最悪の感覚に近づいていること、即ち「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が悪化したことを示す。

0068

これらの結果は、アーティチョーク葉抽出物に安静時の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」、及び「体の軽快さ」を改善させる作用があることを示している。毎日1日1回のアーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取によって、1週間を通じての安静時の疲労感(「疲れの感覚」、「身体的疲労感」、及び「体の軽快さ」)に改善が見られたことは、該カプセル剤摂取後の数時間の範囲の効果ではなく、約1日持続する効果であると推測される。

0069

運動負荷試験
被験者は、当該モニタリングの間、週に一回、87段の階段を昇るよう依頼された。各被験者が87段の階段を昇るのに要した時間を測定した。各被験者は、87段の階段を昇り終えた後に、運動負荷後の疲労感が評価された。運動負荷後の疲労感の評価では、運動負荷後の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」の3項目についてVASを用いて評価した。運動負荷後の疲労感の評価に用いたVASによるアンケート項目の内容を示す(表8)。

0070

0071

各アンケート項目「疲れの感覚」、「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」の平均値、及び標準偏差を算出した(表9)。各アンケート項目に対する有意差検定(P値)はウィルコクソン順位和検定により行った。

0072

アーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取後、1週目、4週目へと時が経過するにつれて「疲れの感覚」に関するVAS評価が低減した(表9、図7)。これは「疲れの感覚」が時間の経過と共に、最良の感覚の方に近づいていること、即ち「疲れの感覚」が該カプセル剤の摂取を継続することで改善していることを示す。また、該カプセル剤摂取後4週で、該カプセル剤摂取時と比べて、有意に「疲れの感覚」が改善した(図7「疲れの感覚」P<0.05)。
加えて、後期観察では「疲れの感覚」が該カプセル剤摂取開始後4週と比べて増大したことが観察された(表9、図7)。これは、該カプセル剤の摂取を止めることで、「疲れの感覚」が最悪の感覚に近づいていること、即ち「疲れの感覚」が悪化したことを示す。

0073

同様に、アーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取後、1週目、4週目へと時が経過するにつれて、「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」に関するVAS評価が低減した(表9、図7)。これらは「身体的疲労感」及び「体の軽快さ」が該カプセル剤の摂取を継続することで改善していることを示す。「身体的疲労感」及び「呼吸の乱れ」については、該カプセル剤摂取後1週で、該カプセル剤摂取時と比べて、有意な改善が観察された(図7「身体的疲労感」P<0.05、「呼吸の乱れ」P<0.05)。

0074

加えて、後期観察では、「身体的疲労感」が該カプセル剤摂取開始後4週と比べて増大したこと及び「呼吸の乱れ」が増大傾向にあることが観察された(表9、図7)。これらは、該カプセル剤の摂取を止めることで、「身体的疲労感」及び「呼吸の疲れ」が最悪の感覚に近づいていること、即ち「身体的疲労感」が悪化したこと及び「呼吸の乱れ」が悪化傾向にあることを示す。

0075

これらの結果は、アーティチョーク葉抽出物に運動負荷後の「疲れの感覚」、「身体的疲労感」、及び「呼吸の乱れ」を改善させる作用があることを示している。アーティチョーク葉抽出物カプセル剤によって、運動負荷後の疲労感(「疲れの感覚」、「身体的疲労感」、及び「呼吸の乱れ」)に改善が見られたことは、アーティチョーク葉抽出物による、筋管細胞におけるエネルギー代謝の活性化(実施例1〜4)によって運動機能が向上したためと推測される。

0076

実施例6:アーティチョーク葉抽出物による抗酸化作用
疲労又は疲労感に、酸化ストレスが関係することが広く知られている(例えば、Jpn Pharmacol Ther(薬理治療)vol.37 no.3(2009)255〜263頁)。クロロゲン酸がアーティチョーク葉抽出物中に含まれることは公知である(Biol. Pharm. Bull. 33(2)233−229(2010))。1日に複数回のクロロゲン酸(15〜325mg/回)を摂取することによって、抗酸化作用が奏されることは公知である(J.Agric.Food Chem.2002 Oct 9;50(21):6211−6))。
これらの技術背景から、実施例5で実証された「アーティチョーク葉抽出物による抗疲労作用」が、アーティチョーク葉抽出物中のクロロゲン酸の抗酸化作用によるものである可能性が考えられた。そこで、実施例5で摂取されたアーティチョーク葉抽出物含有カプセル剤による抗酸化作用(酸化ストレスに対する作用)を評価した。

0077

製造例1、2で得られたアーティチョーク葉アセトン抽出物中のクロロゲン酸含有量(wt%)を測定するために、液体クロマトグラフィーを行った。液体クロマトグラフィーの条件は、以下のとおりであった:
システム: ACQUITY UPLC(Waters)
カラム: ACQUITY UPLC BEH C18(Waters)
温度: 40℃
流速: 0.4mL/min
移動相: (A)0.2Mリン酸
(B)0.05Mリン酸水素アンモニウム:アセトニトリル=20:80
勾配: 0min(A)97% → 8min(A)50%、(B)50%
検出波長: 280nm
標準品: クロロゲン酸(TGI

0078

アーティチョーク葉アセトン抽出物(製造例1)は、抽出物の重量あたりクロロゲン酸を0.55wt%含有した。アーティチョーク水抽出物(製造例2)は、抽出物の重量あたりクロロゲン酸を0.48wt%含有した。
本実施例で摂取されたクロロゲン酸量は、概要、1日あたり1.35mg(=アーティチョーク葉抽出物300[mg]×クロロゲン酸含有量0.45[wt%])であった。

0079

抗酸化作用に対するアーティチョーク葉抽出物の評価には、実施例5に参加した被験者のうち、合意の得られた被験者6名(全員男性)に対して行った。抗酸化作用の評価は、尿中の酸化ストレスマーカーである8−イソプラスタン濃度を、当該モニタリングの開始時(0週目)、開始後1週目、及び開始後4週目に測定することで評価した(図8)。

0080

8−イソプラスタンは、リン脂質酸化により形成されるプロスタグランジン様の化合物であり、酸化ストレスマーカーとして利用されている。8−イソプラスタン濃度は、8−イソプラスタンELISAキット(コスモ・バイオ株式会社)を用いて測定した。測定試料として、起床後の初尿を用いた。8−イソプラスタン濃度は、同じ初尿試料中クレアチニン濃度を用いて補正された。8−イソプラスタン濃度(測定値)が高いほど酸化ストレス度が高いことを示す。

0081

図8から理解されるように、アーティチョーク葉抽出物カプセル剤の摂取0週目、1週目、4週目をそれぞれ比較しても、8−イソプラスタン濃度に変化は観察されなかった。これは、摂取されたアーティチョーク葉抽出物カプセル剤が、酸化ストレスに有意な影響を及ぼさないことを示す。

0082

上記のとおり、本実施例で摂取されたクロロゲン酸量は1.35mg/日であった。クロロゲン酸による抗酸化作用は、その摂取量が15〜325mg/回/日の場合に奏されることが知られている(J.Agric.Food Chem.2002 Oct 9;50(21):6211−6)。本実施例で有意な抗酸化作用が示されなかった結果は、摂取されたクロロゲン酸量(1.35mg/量)が抗酸化作用を示す量ではなかったことが要因と考えられた。

0083

実施例5、実施例6の結果を併せて考慮すれば、アーティチョーク葉抽出物による抗疲労作用は、アーティチョーク葉抽出物による酸化ストレスに対する作用によるものではないことが示唆され、実施例1〜4の結果も併せて考慮すれば、アーティチョーク葉抽出物による抗疲労作用は、アーティチョーク葉抽出物中の生理活性成分シナロピクリンによりもたらされるものであると考えられた。

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