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技術 射出成形品の製造方法、および金型構造

出願人 株式会社デンソー
発明者 樋口徹市川正人荒井毅長谷部潤川村惇村田知厳
出願日 2018年9月11日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-169487
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-040293
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 低温樹脂 常時温度 バルブ流路 高温樹脂 樹脂分解温度 低温流路 昇温ヒータ 樹脂変色
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (12)

課題

成形サイクルを短縮可能な射出成形品の製造方法、および金型構造を提供する。

解決手段

射出工程において、金型40のキャビティ43に連続して順に接続された第1流路71および第2流路72から当該キャビティ43に溶融樹脂注入される。1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のスキン層21を形成することになる第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に注入される。また、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のコア層22を形成することになる第2流路72の流動可能限界付近低温樹脂92が後行してキャビティ43に注入される。射出完了時に第1流路71に残留した低温樹脂92は次サイクルまでに昇温され高温樹脂91となり連続成形が可能となる。

概要

背景

従来、射出成形品を製造するにあたって、例えば特許文献1に記載されたように複数の供給源から供給される複数ショット溶融樹脂を順次的にキャビティ注入する製造方法が知られている。

概要

成形サイクルを短縮可能な射出成形品の製造方法、および金型構造を提供する。射出工程において、金型40のキャビティ43に連続して順に接続された第1流路71および第2流路72から当該キャビティ43に溶融樹脂が注入される。1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のスキン層21を形成することになる第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に注入される。また、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のコア層22を形成することになる第2流路72の流動可能限界付近低温樹脂92が後行してキャビティ43に注入される。射出完了時に第1流路71に残留した低温樹脂92は次サイクルまでに昇温され高温樹脂91となり連続成形が可能となる。

目的

特表2010−505665号






近年、射出成形品の製造において成形サイクルの更なる短縮が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

金型(40)のキャビティ(43)に溶融樹脂注入される射出工程において、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品(20)のスキン層(21)を形成することになる所定の高温の溶融樹脂(91)が先行して前記キャビティに注入され、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に前記射出成形品のコア層(22)を形成することになる流動可能限界付近の所定の低温の溶融樹脂(92)が後行して前記キャビティに注入される、射出成形品の製造方法。

請求項2

前記射出工程では、溶融樹脂供給源から1ショット分の溶融樹脂が第2流路および第1流路に順に送り出されることで、前記第1流路で昇温された前記高温の溶融樹脂が先行して前記キャビティに押し出され、前記第2流路で保温された前記低温の溶融樹脂が後行して前記キャビティに押し出される請求項1に記載の射出成形品の製造方法。

請求項3

前記射出工程の前工程であって、前記金型が閉じられる型閉じ工程と、前記射出工程の後工程であって、前記キャビティに注入された樹脂が冷却される冷却工程と、前記冷却工程の後に前記金型が開かれて前記射出成形品が取り出される型開き工程と、を含み、前記冷却工程、前記型開き工程および前記型閉じ工程のうち1つの工程、または複数の工程では、前記キャビティの直前に位置する流路の溶融樹脂が前記高温に昇温される請求項1または2に記載の射出成形品の製造方法。

請求項4

前記射出工程では、溶融樹脂供給源から1ショット分の溶融樹脂が成形機から供給され、前記溶融樹脂供給減である射出成形機ノズル部またはその近傍にて昇温された前記高温の溶融樹脂が先行して前記キャビティに押し出され、シリンダ内で保温された比較的低温の溶融樹脂が後行して前記キャビティに押し出される請求項1に記載の射出成形品の製造方法。

請求項5

金型のキャビティの直前に位置する第1流路を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のスキン層を形成することになる注入初期の溶融樹脂を所定の高温に昇温可能な高温流路部(75)と、前記第1流路に接続された第2流路を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のコア層を形成することになる注入初期以降の溶融樹脂を流動可能限界付近の所定の低温に保温可能な低温流路部(76)と、を備える金型構造

請求項6

1ショット分の溶融樹脂を前記第2流路および前記第1流路に順に送り出すことで、前記第1流路の前記高温の溶融樹脂を先行して前記キャビティに押し出し、前記第2流路の前記低温の溶融樹脂を後行して前記キャビティに押し出す溶融樹脂供給源(32)、をさらに備える請求項5に記載の金型構造。

請求項7

前記高温流路部は、前記キャビティに充填された樹脂の冷却時間と、前記金型が開かれて前記射出成形品が取り出される時間と、前記金型が閉じられる時間とを足した所定時間以内で、前記低温の溶融樹脂を前記高温に昇温可能である請求項5または6に記載の金型構造。

請求項8

前記低温流路部は保温マニホルド(52)を含み、前記高温流路部は昇温マニホルド(53)を含む請求項5〜7のいずれか一項に記載の金型構造。

請求項9

前記昇温マニホルドと前記保温マニホルドとの間には、前記昇温マニホルドから前記保温マニホルドへの熱伝達を抑制する伝熱抑制部(82)が設けられている請求項8に記載の金型構造。

技術分野

0001

本発明は、射出成形品の製造方法、および金型構造に関する。

背景技術

0002

従来、射出成形品を製造するにあたって、例えば特許文献1に記載されたように複数の供給源から供給される複数ショット溶融樹脂を順次的にキャビティ注入する製造方法が知られている。

先行技術

0003

特表2010−505665号

発明が解決しようとする課題

0004

近年、射出成形品の製造において成形サイクルの更なる短縮が望まれている。この点において、特許文献1に開示された装置は成形サイクルを十分に短縮することができず、改善の余地がある。

0005

本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形サイクルを短縮可能な射出成形品の製造方法、および金型構造を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の射出成形品の製造方法は、金型のキャビティに溶融樹脂が注入される射出工程において、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のスキン層を形成することになる所定の高温の溶融樹脂が先行してキャビティに注入され、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のコア層を形成することになる流動可能限界付近の所定の低温の溶融樹脂が後行してキャビティに注入される。

0007

本発明の金型構造は、低温樹脂保持する流路(以下、低温流路部)と、低温樹脂を昇温させる流路(以下、高温流路部)とを備える。高温流路部は、金型のキャビティの直前に位置する第1流路を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のスキン層を形成することになる注入初期の溶融樹脂を所定の高温に昇温可能である。低温流路部は、第1流路に接続された第2流路を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に射出成形品のコア層を形成することになる注入初期以降の溶融樹脂を流動可能限界付近の所定の低温に保温可能である。

0008

上述の製造方法および金型構造によれば、射出成形品のコア層を形成することになる溶融樹脂が流動可能限界付近の低温に設定することで、キャビティ注入後の樹脂固化時間を短縮することができる。そのため、成形サイクルを短縮可能である。また、射出成形品のスキン層を形成することになる溶融樹脂が比較的に高温に設定し溶融粘度を低くすることで、射出成形品の外観不良の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

第1実施形態の金型構造をもつ射出成形機を示す全体図である。
第1実施形態の金型の断面図である。
第1実施形態の金型の断面図であって、流路に溶融樹脂が供給された状態を示す図である。
第1実施形態の金型の断面図であって、キャビティに溶融樹脂が充填された状態を示す図である。
第1実施形態の金型の断面図であって、キャビティの樹脂が固化した状態を示す図である。
第1実施形態の金型の断面図であって、金型が開かれた状態を示す図である。
射出工程における溶融樹脂の充填挙動を説明する模式図であって、充填初期を示す図である。
射出工程における溶融樹脂の充填挙動を説明する模式図であって、充填中期を示す図である。
射出工程における溶融樹脂の充填挙動を説明する模式図であって、充填完了状態を示す図である。
冷却工程におけるキャビティ内の樹脂の温度変化を示す図である。
第2実施形態の金型の断面図である。

実施例

0010

以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。

0011

[第1実施形態]
図1に示す射出成形機10は、射出成形により成形品を製造する機械である。射出成形とは、加熱溶融させた材料を金型40内に射出注入し、冷却して固化させる事によって、成形品(すなわち射出成形品)を得る方法である。

0012

射出成形機10は、型締部31および射出部32を備える。射出部32は、樹脂材料を加熱溶融させて金型40内に射出する。射出部32は溶融樹脂供給源を含む。射出部32は、樹脂が金型40内を流動しているときは射出速度を制御し、樹脂が金型40内に充填された後は圧力を制御する。型締部31は、金型40の開閉、および、成形品の取り出し等を行う。金型40は、固定型41および可動型42を有しており、型締部31に設置される。

0013

図2に示すように、固定型41と可動型42との間には空間すなわちキャビティ43が区画形成される。このキャビティ43に充填されて固化した樹脂が成形品になる。可動型42は、固定型41に対して接近および離間可能に設けられる。金型40は、可動型42が固定型41に接近した型閉じ状態と、可動型42が固定型41から離間した型開き状態との間で開閉動作可能である。図2では金型40は型閉じ状態である。

0014

固定型41は、射出部32側に位置する取付板44と、可動型42との間にキャビティ43を形成するプレート45と、取付板44とプレート45との間に挟持されたスペーサブロック46と、取付板44からプレート45までにわたって設けられたホットランナユニット47とを有している。なお、ホットランナユニット47以外の構成については、適宜他の公知の構成を採用し得る。

0015

ホットランナユニット47は、射出部32のノズル33からキャビティ43に至るまでの流路を構成するとともに、その流路内の樹脂を溶融状態に保つものである。本実施形態では、ホットランナユニット47は、スプル51と、保温マニホルド52と、昇温マニホルド53と、ゲート54とを有する。

0016

スプル51は、取付板44に設けられており、ノズル33に接続される。スプル51はスプル流路55を有する。スプル51にはスプルヒータ56が設けられている。保温マニホルド52は、取付板44とプレート45との間に配置されており、スプル51に接続されている。保温マニホルド52は保温流路57を有する。保温マニホルド52には保温ヒータ58が設けられている。

0017

射出部32から射出される溶融樹脂は、所定の低温TLの樹脂である。以下、低温TLの溶融樹脂を低温樹脂92と記載する。スプルヒータ56および保温ヒータ58の設定温度は低温TLまたはその付近に設定される。スプル51および保温マニホルド52は、射出部32から射出された低温樹脂92を低温TLに保温する。低温TLは、流動可能限界温度付近の温度であり、通常の射出成形時においてキャビティに注入される溶融樹脂の温度TN(以下、通常時温度TN)よりも低い。

0018

昇温マニホルド53は、取付板44とプレート45との間に配置されており、保温マニホルド52に接続されている。昇温マニホルド53は昇温流路59を有する。昇温マニホルド53には昇温ヒータ61が設けられている。ゲート54は、バルブゲートであって、プレート45に設けられたバルブボディ62と、バルブピン63と、バルブピン63を駆動する駆動部64とを有する。バルブボディ62は、昇温マニホルド53に接続されており、バルブ流路65を有する。バルブピン63は、バルブ流路65のキャビティ43との接続口を開閉可能である。バルブボディ62にはバルブヒータ66が設けられている。

0019

昇温ヒータ61およびバルブヒータ66の設定温度は、低温TLよりも高い所定の高温THに設定される。昇温ヒータ61およびバルブヒータ66は、昇温流路59およびバルブ流路65に留まる溶融樹脂を高温THに昇温する。高温THは、通常成形温度TNよりも高く、樹脂変色温度や樹脂分解温度よりも低い。以下、高温THに昇温された溶融樹脂を高温樹脂91と記載する。図3以降において、高温樹脂91と低温樹脂92との区別のために双方のハッチングを変えているが、当然のことながら高温樹脂91と低温樹脂92は同じ樹脂である。

0020

昇温流路59およびバルブ流路65は、キャビティ43の直前に位置する第1流路71を構成している。昇温マニホルド53およびゲート54は、高温流路部75を構成している。図3に示すように、高温流路部75は、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品のスキン層(すなわち表層部)を形成することになる注入初期の溶融樹脂を高温THに昇温可能である。このとき、高温樹脂91の容量は 1ショット容量×6/最大肉厚×スキン層厚さ 以上が望ましい。またスキン層厚さは、樹脂材料種類および温度、充填時間により変化するので適宜設定される。

0021

スプル流路55および保温流路57は、第1流路71に接続された第2流路72を構成している。スプル51および保温マニホルド52は、低温流路部76を構成している。低温流路部76の一部は、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品のコア層(すなわち内部)を形成することになる注入初期以降の溶融樹脂を低温TLに保温可能である。

0022

射出部32(図1参照)は、図3および図4に示すように、ノズル33から1ショット分の溶融樹脂を第2流路72および第1流路71に順に送り出すことで、第1流路71の高温樹脂91を先行してキャビティ43に押し出し、第2流路72の低温樹脂92を後行してキャビティ43に押し出す図5に示すように、キャビティ43に充填されて固化した樹脂が成形品20になる。

0023

高温流路部75は、図4に示すようにキャビティ43に樹脂が充填されてから図5に示すように樹脂が冷却されて固化するまでの冷却時間と、図6に示すように金型40が開かれて成形品20が取り出される型開き時間と、図3に示すように金型40が閉じられる型閉じ時間とを足した所定時間以内で、低温樹脂92を高温THに昇温可能である。本実施形態では、例えば冷却時間および型開き時間の間に低温樹脂92が高温THに昇温される。

0024

昇温マニホルド53は、接続部材81を介して保温マニホルド52に接続されている。昇温マニホルド53と保温マニホルド52との間には、接続部材81以外の箇所に空隙82が設けられている。空隙82は、昇温マニホルド53と保温マニホルド52との間の熱伝達を抑制している。つまり、空隙82は伝熱抑制部である。

0025

次に、射出成形機10による成形品の製造方法について説明する。射出成形機10は、以下の工程(1)〜(4)を繰り返して成形品を製造する。この製造方法における成形品の成形サイクルは、工程(1)が開始してから工程(4)が終了するまでである。

0026

(1)型閉じ工程
型閉じ工程では、図3に示すように金型40が閉じられる。この型閉じ工程の開始時、前回の成形サイクルにおいて第2流路72に残された低温樹脂92および第1流路71に残された高温樹脂91がそのまま存在するものとする。

0027

(2)射出工程
射出工程では、図4に示すように、キャビティ43に連続して順に接続された第1流路71および第2流路72から当該キャビティ43に溶融樹脂が注入される。このとき、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のスキン層21(図6参照)を形成することになる第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に注入される。そして、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のコア層22(図6参照)を形成することになる第2流路72の低温樹脂92が後行してキャビティ43に注入される。

0028

射出工程では、ノズル33から1ショット分の溶融樹脂が第2流路72および第1流路71に順に送り出されることで、第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に押し出され、第2流路72の低温樹脂92が後行してキャビティ43に押し出される。言い換えれば、射出工程では、ノズル33から射出される低温樹脂92に押し出されるようにして、バルブ流路65および昇温流路59に位置する高温樹脂91と、保温流路57およびスプル流路55に位置する低温樹脂92とがその順番でキャビティ43に充填される。

0029

射出工程における溶融樹脂の充填挙動はファウンテンフローと呼ばれる流動先端肉厚中央付近から湧き出すように流れていく挙動をすることが公知である。この充填挙動について模式図に基づき説明する。先ず図7に示すように高温樹脂91が先行してキャビティ43に流れ込む。次に図8に示すように、後行の低温樹脂92が先行の高温樹脂91を押しながらキャビティ43の中心部を移動する。高温樹脂91は低温樹脂92に押されてキャビティ43の外周部(すなわち転写面近傍)に移動する。最終的に図9に示すように、キャビティ43に充填された樹脂のうち、高温樹脂91がスキン層21を形成し、低温樹脂92がコア層22を形成する。

0030

(3)冷却工程(次ショット用の高温樹脂昇温)
冷却工程では、図5に示すようにゲート54が閉じられ、キャビティ43に充填された樹脂が冷却されると同時に、次回先行して押し出される樹脂の高温THへの昇温が行われる。次回先行して押し出される樹脂とは、射出工程終了時においてバルブ流路65および昇温流路59に位置する低温樹脂92のことである。

0031

冷却工程におけるキャビティ43内の樹脂の温度変化について、比較形態との比較により説明する。比較形態では、キャビティに充填される溶融樹脂の温度は全て通常時温度TNである。図10に示すように、比較形態では、冷却開始時刻t0から程なくしてスキン層の温度Ts−1が取出可能温度TR以下になる。取出可能温度TRは、金型から成形品を取り出し可能な温度であって、例えば融点温度付近である。そして、コア層の最深部の温度Tc−1は、時刻t0から固化時間T1が経過した時刻t2において取出可能温度TR以下になる。

0032

これに対して、第1実施形態では、時刻t0から程なくしてスキン層の温度Ts−2が取出可能温度TR以下になる。そして、コア層の最深部の温度Tc−2は、比較形態の温度Tc−1と比べて初期温度が低く設定されているので、固化時間T1よりも短い固化時間T2が経過した時刻t1において取出可能温度TR以下になる。第1実施形態では、比較形態と比べて固化時間T1と固化時間T2との差(T1−T2)の分だけ冷却工程の時間を短縮することができる。なお、上記の時間差(T1−T2)は、成形品の形状や使用する樹脂材料等に応じて変化する。

0033

(4)型開き工程(次ショット用の高温樹脂昇温)
型開き工程では、図6に示すように金型40が開かれ、成形品20が取り出される。この工程では、次回先行して押し出される樹脂の高温THへの昇温が継続して行われる。

0034

(効果)
以上説明したように、第1実施形態では、射出工程において、金型40のキャビティ43に連続して順に接続された第1流路71および第2流路72から当該キャビティ43に溶融樹脂が注入される。1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のスキン層21を形成することになる第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に注入される。また、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のコア層22を形成することになる第2流路72の流動可能限界付近の低温樹脂92が後行してキャビティ43に注入される。

0035

このような製造方法によれば、成形品20のコア層22を形成することになる溶融樹脂が流動可能限界付近の低温TLとされることから、キャビティ注入後の樹脂の固化時間を短縮することができる。そのため、成形サイクルを短縮可能である。また、成形品20のスキン層21を形成することになる溶融樹脂が比較的に高温THとされることから、成形品20の外観不良の発生を抑制することができる。

0036

また、第1実施形態では、射出工程では、射出部32から1ショット分の溶融樹脂が第2流路72および第1流路71に順に送り出されることで、第1流路71の高温樹脂91が先行してキャビティ43に押し出され、第2流路72の低温樹脂92が後行してキャビティ43に押し出される。これにより、流路および供給源の切り換え等を行わずとも、1ショットの射出により高温樹脂91および低温樹脂92を順にキャビティ43に注入することができるので、成形サイクルを短縮可能である。

0037

また、第1実施形態では、製造方法は、射出工程の前工程であって、金型40が閉じられる型閉じ工程と、射出工程の後工程であって、キャビティ43に注入された樹脂が冷却される冷却工程と、冷却工程の後に金型40が開かれて成形品20が取り出される型開き工程とを含む。冷却工程および型開き工程では、キャビティ43の直前に位置する流路、すなわち第1流路71の溶融樹脂が高温THに昇温される。そのため、次回キャビティ43へ先行して注入される樹脂を高温THに昇温するための工程を新たに設けずとも、既存の工程内同時並行して高温樹脂91を準備することができる。

0038

また、第1実施形態では、成形金型固定側金型41は、高温流路部75および低温流路部76を備える。高温流路部75は、金型40のキャビティ43の直前に位置する第1流路71を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のスキン層21を形成することになる注入初期の溶融樹脂を高温THに昇温可能である。低温流路部76は、第1流路71に接続された第2流路72を有し、1ショット分の溶融樹脂のうち、後に成形品20のコア層22を形成することになる注入初期以降の溶融樹脂を流動可能限界付近の低温TLに保温可能である。

0039

このような射出成形機10によれば、成形品20のコア層22を形成することになる溶融樹脂が流動可能限界付近の低温TLとされることから、キャビティ注入後の樹脂の固化時間を短縮することができる。そのため、成形サイクルを短縮可能である。また、成形品20のスキン層21を形成することになる溶融樹脂が比較的に高温THとされることから、成形品20の外観不良の発生を抑制することができる。

0040

また、第1実施形態では、射出成形機10は、溶融樹脂供給源としての射出部32を備える。溶融樹脂供給源は、1ショット分の溶融樹脂を第2流路72および第1流路71に順に送り出すことで、第1流路71の高温樹脂91を先行してキャビティ43に押し出し、第2流路72の低温樹脂92を後行してキャビティ43に押し出す。これにより、流路および供給源の切り換え等を行わずとも、1ショットの射出により高温樹脂91および低温樹脂92を順にキャビティ43に注入することができるので、成形サイクルを短縮可能である。

0041

また、第1実施形態では、高温流路部75は、キャビティ43に充填された樹脂の冷却時間と、金型40が開かれて成形品20が取り出される時間と、金型40が閉じられる時間とを足した所定時間以内で、低温樹脂92を高温THに昇温可能である。そのため、次回キャビティ43へ先行して注入される樹脂を高温THに昇温するための待機時間を新たに設けずとも、既存の作動時間内で同時並行して高温樹脂91を準備することができる。

0042

また、第1実施形態では、低温流路部76は保温マニホルド52を含む。高温流路部75は昇温マニホルド53を含む。そのため、次回キャビティ43へ注入される高温樹脂91および低温樹脂92をホットランナユニット47内で準備することができる。また、例えば射出部32と成形品20とのレイアウトの関係等に応じてホットランナユニット47を好適に配置することができ、設計自由度が向上する。

0043

また、第1実施形態では、昇温マニホルド53と保温マニホルド52との間には、昇温マニホルド53から保温マニホルド52への熱伝達を抑制する伝熱抑制部としての空隙82が設けられている。これにより、高温樹脂91と低温樹脂92との温度差を保つことができる。

0044

[第2実施形態]
第2実施形態では、図11に示すように、高温流路部75はスプル51であり、また、第1流路71はスプル流路55である。低温流路部76は射出部32であり、また、第2流路72は、ノズル33およびそれに接続された射出部32内の流路である。第2実施形態は、上記以外の構成が第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態によれば、金型40が小さくなり、装置を小型化することができる。

0045

[他の実施形態]
他の実施形態では、冷却工程、型開き工程および型閉じ工程のうち1つの工程、または全ての工程で、次回先行して押し出される樹脂の高温への昇温が行われてもよい。また、冷却時間、型開き時間および型閉じ時間のうち1つの作動時間、または全ての作動時間で、次回先行して押し出される樹脂の高温への昇温が行われてもよい。

0046

他の実施形態では、伝達抑制部は、空隙に限らず、断熱材などから構成されてもよい。

0047

本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。

0048

10:射出成形機、 20:射出成形品、 21:スキン層、 22:コア層
40:金型、 43:キャビティ
71:第1流路、 72:第2流路、 75:高温流路部、
91:高温樹脂(高温の溶融樹脂)、 92:低温樹脂(低温の溶融樹脂)

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  • 信越化学工業株式会社の「 タイヤ成型用離型剤組成物およびタイヤ成型用ブラダー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】一度離型剤を塗布した後、再度離型剤を塗布することなく、従来よりも大幅に多く繰り返し連続してタイヤの成型加硫が可能となる、離型性に優れたタイヤ成型用離型剤組成物を提供する。【解決手段】(A)1分... 詳細

  • アズビル株式会社の「 金型」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】異物を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる金型を提供する。【解決手段】固定側金型10と、固定側金型10に対して進退可能に設けられる可動側金型20と、固定側金型10及び可動側金型2... 詳細

  • 株式会社ブリヂストンの「 ベントホール清掃装置及びベントホール清掃方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】タイヤ加硫用モールドのベントホールを清掃する際に、ベントホールに挿入する清掃工具が折れるのを防止する。【解決手段】ベントホール清掃装置100は、タイヤ加硫用モールド1の姿勢を検出するモールド検... 詳細

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