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技術 記録媒体、記録装置の着弾ずれ量取得方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 保井勝至
出願日 2018年9月10日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-168517
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-040262
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 繰出ローラー 貼合紙 端数処理 光照射ユニット フラットヘッドスキャナー インク用ノズル列 サンドマット 明度測定
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

透明インク印刷されたテストパターンを、既存のイメージスキャナーを用いて検出するための技術を提供する。

解決手段

透明インクを吐出する吐出部を備える記録装置着弾ずれ量の取得に用いられるテストパターンが記録された記録媒体は、前記記録媒体の表面に対して入射角45度となる光を照射し、前記透明インクで記録された前記テストパターンからの反射光明度と、前記記録媒体からの反射光の明度とを、前記表面に垂直な位置で測定した場合に、互いの明度の差が、前記記録媒体の種類に応じて定めた値以上である。

概要

背景

プリンターのような記録装置では、CMYK等の有色インクのほか、透明インクが用いられることがある。記録装置では、各色を吐出するヘッド取付け位置に誤差が発生すると、吐出された色ごとでインクの着弾ずれが発生する場合がある。そのため、各色のインクの着弾ずれを検出し、ずれ量に合わせてインクの着弾位置を補正するレジストレーション調整(以下、「レジ調整」とも呼ぶ)が行われる場合がある。

透明インクは、有色インクと同様、吐出ヘッドノズルから吐出されて記録媒体に着弾する。したがって、透明インクも、有色インクと同様にレジ調整が行われることが好ましい。しかし、透明インクは、反射光輝度が低いため着弾ずれを検出することが難しい。たとえば、特許文献1では、透明インクを印刷したテストパターン照射した正反射光受光する測定装置によって透明インクの着弾位置を検出し、レジ調整を行う技術が記載されている。

概要

透明インクで印刷されたテストパターンを、既存のイメージスキャナーを用いて検出するための技術を提供する。透明インクを吐出する吐出部を備える記録装置の着弾ずれ量の取得に用いられるテストパターンが記録された記録媒体は、前記記録媒体の表面に対して入射角45度となる光を照射し、前記透明インクで記録された前記テストパターンからの反射光の明度と、前記記録媒体からの反射光の明度とを、前記表面に垂直な位置で測定した場合に、互いの明度の差が、前記記録媒体の種類に応じて定めた値以上である。

目的

そのため、透明インクで印刷されたテストパターンを、既存のイメージスキャナーを用いて検出するための技術が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

透明インク吐出する吐出部を備える記録装置着弾ずれ量の取得に用いられるテストパターンが記録された記録媒体であって、前記記録媒体の表面に対して入射角45度となる光を照射し、前記透明インクで記録された前記テストパターンからの反射光明度と、前記記録媒体からの反射光の明度とを、前記表面に垂直な位置で測定した場合に、互いの明度の差が、前記記録媒体の種類に応じて定めた値以上である、記録媒体。

請求項2

前記テストパターンからの反射光の明度および前記記録媒体からの反射光の明度は、Lab色空間で定義される明度である、請求項1に記載の記録媒体。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の記録媒体であって、前記テストパターンからの反射光の前記明度をL1とし、前記記録媒体からの反射光の前記明度をL2とし、前記明度の差を、対数関数LogL1と対数関数LogL2との差の絶対値としたとき、前記定めた値は0.007である、記録媒体。

請求項4

有色インクを吐出する第一吐出部と、透明インクを吐出する第二吐出部とを備える記録装置の着弾ずれ量取得方法であって、蒸着フィルムまたはホイル紙のいずれか一方からなる記録媒体に、前記有色インクによる第一パターンと前記透明インクによる第二パターンとを、重ねて記録してテストパターンを形成し、前記記録媒体に光を照射し、前記テストパターンからの反射光を受光して前記テストパターンを検出し、検出された前記テストパターンの相対位置から着弾ずれ量を検出する、記録装置の着弾ずれ量取得方法。

請求項5

前記記録媒体が前記蒸着フィルムである場合の前記蒸着フィルムは、サンドマット加工または練り込み加工されたものである、請求項4に記載の記録装置の着弾ずれ量取得方法。

技術分野

0001

本発明は、記録媒体および記録装置着弾ずれ量取得方法に関する。

背景技術

0002

プリンターのような記録装置では、CMYK等の有色インクのほか、透明インクが用いられることがある。記録装置では、各色を吐出するヘッド取付け位置に誤差が発生すると、吐出された色ごとでインクの着弾ずれが発生する場合がある。そのため、各色のインクの着弾ずれを検出し、ずれ量に合わせてインクの着弾位置を補正するレジストレーション調整(以下、「レジ調整」とも呼ぶ)が行われる場合がある。

0003

透明インクは、有色インクと同様、吐出ヘッドノズルから吐出されて記録媒体に着弾する。したがって、透明インクも、有色インクと同様にレジ調整が行われることが好ましい。しかし、透明インクは、反射光輝度が低いため着弾ずれを検出することが難しい。たとえば、特許文献1では、透明インクを印刷したテストパターン照射した正反射光受光する測定装置によって透明インクの着弾位置を検出し、レジ調整を行う技術が記載されている。

先行技術

0004

特開2012−35446号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来の技術では、例えば、画像取得に正反射光を受光しないタイプの既存のイメージスキャナーでは、透明インクを印刷したテストパターンを検出することができず、レジ調整用の測定装置として用いることができない。そのため、透明インクで印刷されたテストパターンを、既存のイメージスキャナーを用いて検出するための技術が望まれていた。

課題を解決するための手段

0006

本開示の一形態によれば、透明インクを吐出する吐出部を備える記録装置の着弾ずれ量の取得に用いられるテストパターンが記録された記録媒体が提供される。この記録媒体は、前記記録媒体の表面に対して入射角45度となる光を照射し、前記透明インクで記録された前記テストパターンからの反射光の明度と、前記記録媒体からの反射光の明度とを、前記表面に垂直な位置で測定した場合に、互いの明度の差が、前記記録媒体の種類に応じて定めた値以上である。

図面の簡単な説明

0007

一実施形態としての印刷装置概略構成を模式的に例示する模式図。
印刷ヘッドにおけるノズル列光照射器の配列を示す説明図。
印刷装置の機能を示すブロック図。
撮像部を模式的に表す説明図。
印刷媒体ごとの反射光の明度差試験結果を表すグラフ
印刷装置の制御部が実行する補正処理を示すフローチャート
インクの着弾ずれ量を検出するためのテストパターンの正面図。
制御部が実行する着弾ずれ量取得処理のフローチャート。

実施例

0008

A.第1実施形態:
図1は、一実施形態としての印刷装置100の概略構成を模式的に例示する模式図である。印刷装置100は、ロール状に巻き取られた長尺状の印刷媒体Shを、プロセス部300の回転ドラム30の外周に巻付けた状態で印刷を行なうインクジェットプリンターである。この印刷装置100は、印刷媒体Shを繰り出す繰出部200と、インクを吐出して印刷を行なうプロセス部300と、印刷済みの印刷媒体Sh上のインクを乾燥させて巻き取る巻取部400とをハウジング110の内部空間に備える。本実施形態において、巻取部400には、外付けオプションユニットとして装着可能な光照射ユニット80が接続されている。

0009

まず、印刷媒体Shの搬送について説明する。印刷に先立って、繰出ローラー21にロール状に巻き取られた印刷媒体Shが、繰出軸20に取り付けられる。印刷媒体Shとしては、紙系の印刷媒体とフィルム系の印刷媒体を使用可能である。例えば、紙系の印刷媒体には上質紙キャスト紙アート紙、コート紙等があり、フィルム系の印刷媒体には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。本実施形態では、これら印刷媒体Shの他、後述する着弾ずれ量を確認するための試験用印刷媒体Tsも印刷に用いられる。

0010

繰出軸20の回転により繰り出された印刷媒体Shは、ローラー22により搬送方向を変え、更に搬送ローラー23によりプロセス部300に搬送される。プロセス部300に搬送された印刷媒体Shは、回転ドラム30の外周に接して設けられたローラー31により、回転ドラム30の外周に密着され、回転ドラム30の外周に巻付けられた状態で、回転ドラム30の回転と共に搬送される。印刷媒体Shは、回転ドラム30の外周約3/4に亘って搬送された後、分離ローラー32により回転ドラム30から分離され、巻取部400に搬送される。

0011

印刷媒体Shは、巻取部400の搬送ローラー43により更に搬送され、ローラー44により搬送方向を変えられる。本実施形態において、印刷媒体Shは、光照射ユニット80のローラー82により、更に搬送方向を変えられて、光照射ユニット80内へ導かれる。光照射ユニット80は、更に、第3光照射器81と、印刷媒体Shを搬送するための複数のローラー83,84,85とを含んでいる。光照射ユニット80から複数のローラー83,84,85を介して送り出された印刷媒体Shは、巻取軸40により回転される巻取ローラー41に巻取られる。光照射ユニット80を備えない場合には、印刷媒体Shは、ローラー44により搬送方向を変えられた後、そのまま巻取ローラー41に巻き取るようにしてもよい。

0012

上記の様に搬送される印刷媒体Shの表面に、プロセス部300で、印刷ヘッド130によりインクが吐出される。具体的には、プロセス部300は、繰出部200から繰り出された印刷媒体Shを回転ドラム30で支持しつつ、回転ドラム30の外周面に沿って配置された印刷ヘッド130から複数のインクを吐出して印刷媒体Shに画像を印刷する。印刷媒体Shは、分離ローラー32と回転ドラム30に支持されて搬送方向Dsに沿って搬送される。

0013

図2は、印刷ヘッド130におけるノズル列36と光照射器37,38の配列を示す説明図である。より具体的には、図2は、印刷ヘッド130のノズル列36を回転ドラム30側から見た下面図である。ここでは、図示の便宜上、各ノズル列36のノズル数を実際よりも少ない数で示されている。本実施形態において、各ノズル列36はそれぞれ一つのヘッドによって構成される。各ノズル列36の各ノズルは、回転ドラム30の軸方向に沿って配置される。印刷ヘッド130としては、例えば、圧電素子などの駆動素子の変形に伴って振動板を撓ませることによってインク室に収容されたインクをノズル孔から吐出させるタイプのインクジェット印刷ヘッドを使用可能である。

0014

印刷ヘッド130は、複数のノズル列36W,36C,36M,36K,36Y,36Opを有する。これらのノズル列36W,36C,36M,36K,36Y,36Opは、白色インクW、シアンインクC、マゼンタインクM、ブラックインクK、イエローインクY、及び透明インクOpをそれぞれ吐出する。透明インクOpは、無色透明印刷物に光沢を与えるために使用される。透明インクOpは、有色インクの印刷の前処理に利用されるものであってもよい。なお、シアンインクC、マゼンタインクM、ブラックインクK、イエローインクYを総称する場合、「有色インク」と呼ぶ。これら6種類のインクのノズル列を区別する必要が無い場合には、「ノズル列36」と呼ぶ。複数のノズル列36は、回転ドラム30の外周面に沿って上述の順番に配置されており、所定のギャップを空けて印刷媒体Shの表面に対向する。複数のノズル列36がそれぞれインクを吐出すると、印刷媒体Shにインクが着弾してインクドットが形成され、カラー画像が印刷される。

0015

ノズル列36で使用するインクとしては、光を照射することで硬化する光硬化性インクが用いられる。本実施形態では、紫外線で硬化するUVインクを使用する。印刷ヘッド130は、印刷媒体Sh上に吐出されたインクを硬化させるために、第1光照射器37と、第2光照射器38とを有する。第1光照射器37および第2光照射器38は、回転ドラム30上の印刷媒体Shに向かって紫外線を照射する。第2光照射器38は、第1光照射器37よりも照射される光量が多くなるように設定されている。

0016

第1光照射器37は、印刷媒体Shの送り方向Dsに沿って見たとき、シアンインクCとマゼンタインクMとブラックインクKを吐出するノズル列36C,36M,36Kの下流側の直後に配置されている。第2光照射器38は、白色インクWとイエローインクYと透明インクOpを吐出するノズル列36W,36Y,36Opの下流側の直後に配置されている。一般に、光硬化性インクは、照射される光量が多いほど早く硬化する。ノズル列36W,36Opの下流側の直後に第1光照射器37よりも光量の多い第2光照射器38を配置して、白色インクWと透明インクOpを重ねて印刷しても、下層のインクが充分に硬化するようにしている。また、ノズル列36C,36M,36Kの下流側の直後に第1光照射器37を配置させて、インク同士のにじみを防止する程度の仮の硬化をさせている。ノズル列36Yの下流側の直後に第2光照射器38を配置させて、印刷媒体Sh上にシアンインクCとマゼンタインクMとブラックインクKとイエローインクYが揃うことになる段階で全てのインクを硬化させている。但し、各ノズル列36の下流側の直後に2種類の光照射器37,38のいずれを配置するかは、インクの特性に応じて任意に変更可能である。また、これらの2種類の光照射器37,38を用いる代わりに、同一の光照射器を各ノズル列36の下流側の直後に配置するようにしてもよい。更に、いくつかのノズル列36の下流側の直後に設けられた光照射器を省略することも可能である。但し、各インクをある程度早く硬化させてドットを安定化するためには、個々のノズル列36の下流側の直後に光照射器を設けることが好ましい。

0017

透明インクOpを吐出するノズル列36Opの下流側の直後に配置された第2光照射器38の更に下流側には、上述した光照射ユニット80の第3光照射器81が配置される。第3光照射器81は、印刷ヘッド130によって印刷された印刷物に光照射を追加することによって、インクを更に確実に硬化させる。但し、第3光照射器81は省略可能である。

0018

図3は、印刷装置100の機能を示すブロック図である。印刷装置100とホストコンピューター500と撮像部60によって印刷システムが構成されている。印刷装置100は、ホストコンピューター500のプリンタードライバー510から供給される印刷データを用いて、印刷媒体Shへの印刷を実行する。印刷装置100は、印刷ヘッド130と光照射器37,38,81の他に、制御部120と、走査駆動部140と、着弾ずれ補正部150とを有している。撮像部60の詳細については後述する。

0019

制御部120は、CPU24とメモリー26とによって構成され、印刷装置100の全体の制御を統括する。メモリー26は、印刷処理や、CPU24によって実行される走査駆動部140および着弾ずれ補正部150の各機能を実現するためのプログラムを記憶する。走査駆動部140は、図1に示した回転ドラム30やローラーを駆動することによって、印刷媒体Shを紙送り方向Dsに沿って駆動する駆動機構である。着弾ずれ補正部150は、印刷ヘッド130のノズル列36に後述する着弾ずれがある場合に、透明インクのノズル列36Opと有色インクのノズル列との着弾ずれ量を補正する機能を備える。

0020

図4は、撮像部60を模式的に表す説明図である。撮像部60は、試験用印刷媒体Ts上のテストパターン画像の取得に用いられるフラットヘッドスキャナーである。試験用印刷媒体Tsとは、後述する着弾ずれ量の取得に使用される印刷媒体である。撮像部60は、原稿を載置するガラス板Gsと、発光部63と、受光部64と、搬送機構65とを有する。発光部63は、可視光を発するLED光源と、レンズおよび絞りとを有し、ガラス板Gs上に載置される試験用印刷媒体Tsに入射角θ=45度の平行光Laを照射する。受光部64は、試験用印刷媒体Tsの表面からの反射光を検出するイメージセンサーである。受光部64は、試験用印刷媒体Tsの表面に対する法線の位置を角度0度としたとき、角度0度の反射光Lbを受光して試験用印刷媒体Tsの画像を取得する。発光部63は、入射角θ=45度で照射しているので、受光部64は、正反射光を受光しない。本実施形態の撮像部60は、印刷装置100とは別体であるが、印刷装置100と一体であってもよい。撮像部60によって取得された画像情報は、制御部120に送信される。

0021

次に、図5を用いて、本実施形態のインクの着弾ずれ量の検出に用いられる明度と印刷媒体との関係について説明する。図5は、印刷媒体のサンプルごとの反射光の明度差の試験結果を表すグラフである。反射光の明度の取得には、試験用の明度測定器を用いた。明度とは、CIELab色空間で定義される明度成分をいう。印刷媒体のサンプルの表面の一部には、透明インクによる測定用のべた領域が形成されている。明度測定器は、撮像部60による画像取得方法と同様に、印刷媒体のサンプルの表面に入射角45度の入射光を照射し、透明インクを有さない印刷媒体の表面および透明インクのべた領域からのそれぞれの反射光の明度を検出する。

0022

印刷媒体のサンプルには、PPフィルムホイル紙、練り込み加工された蒸着フィルムサンドマット加工された蒸着フィルム、の4種類のサンプルを用いた。ホイル紙とは、パルプ紙アルミホイルを貼り合わした貼合紙である。アルミ真空蒸着させた用紙であってもよい。蒸着フィルムとは、ポリエステルポリプロピレンナイロンなどのプラスチックフィルムの表面に、アルミニウム酸化珪素アルミナなどの金属の薄膜真空蒸着法によって形成したものをいう。練り込み加工とは、フィルムに練り込みマット剤を練り込む加工をいう。サンドマット加工とは、フィルムの表面に、サンドブラスト法によって凹凸をつける加工である。

0023

明度差とは、透明インクによるべた領域からの反射光の明度を明度L1とし、透明インクが吐出されていない印刷媒体の各サンプルの表面からの反射光の明度を明度L2としたとき、明度L1の対数関数LogL1と、明度L2の対数関数LogL2との差の計算値であり、この計算値の絶対値のことを表す。なお、対数関数Logとは、ネイピア数eを底とする自然対数であり、ネイピア数eの記載は省略されている。この明度差が大きいということは、印刷媒体上の透明インクの視認性が高いことを意味する。

0024

試験結果によれば、PPフィルムでの明度差が約0.002である。練り込み加工された蒸着フィルムでは約0.007、ホイル紙では約0.016である。サンドマット加工された蒸着フィルムの明度差は、約0.253であり最も明度差が大きい。なお、これら明度差の結果は、小数点第4位以下を切り上げる端数処理を行った結果である。このように、印刷媒体の各サンプルでの明度差は、いずれも0.002以上であり、例えば、普通紙での明度差よりも大きい。したがって、イメージスキャナーである撮像部60の画像検出に対応する角度0度での反射光の受光において、普通紙での透明インクの画像検出よりも、印刷媒体の各サンプルでの透明インクの方が画像検出しやすい。また、0.005以上の明度差を示す印刷媒体のサンプルは、透明インクの画像検出に対して特に有効であった。ホイル紙、練り込み加工された蒸着フィルム、サンドマット加工された蒸着フィルムは、いずれも0.007以上であり、PPフィルムよりもさらに明度差が大きい。本実施形態において、着弾ずれ量の取得には、試験用印刷媒体Tsとして、試験結果で最も明度差が大きいサンドマット加工された蒸着フィルムを用いる。

0025

次に、図6から図8を用いて、このサンドマット加工された蒸着フィルムを利用した補正処理について説明する。図6は、印刷装置100の制御部120が実行する補正処理を示すフローチャートである。制御部120による各種制御は、メモリー26に記憶された各機能に対応するプログラムを読み込んだCPU24によって実行される。補正処理は、透明インクの着弾ずれを補正するための処理である。補正処理は、例えば、使用者による印刷装置100の操作による印刷処理の開始直後に実行される。補正処理には、試験用印刷媒体Tsと、第一パターンPt1および第二パターンPt2を含むテストパターン50とが用いられる。

0026

本実施形態の補正処理では、ノズル列36の各色のプリントヘッド間のインクの着弾ずれを補正する制御が実行される。本実施形態の印刷装置100では、はじめに、ノズル列36のうち、透明インク用ノズル列36Opを除く有色インク用ノズル列間のインクの着弾位置のずれを調整する。その後に透明インク用ノズル列36Opと、ブラック用ノズル列36Kとを用いて、透明インク用ノズル列36Opのインクの着弾位置のずれを調整する。この調整に用いられるノズル列は、ブラック用ノズル列36Kには限定されず、他の種類のインクに対応するノズル列が用いられてもよい。印刷装置100による着弾ずれ量の検出には、上述したサンドマット加工された蒸着フィルムが試験用印刷媒体Tsとして用いられる。また、透明インク用ノズル列36Opと有色インク用プリントヘッドとのインクの着弾位置のずれを検出するためのテストパターン50が蒸着フィルム上に形成される。

0027

次に、テストパターン50について説明する。図7は、試験用印刷媒体Tsに形成されたインクの着弾ずれ量を検出するためのテストパターン50の正面図を表している。インクの着弾ずれ量とは、有色インクの着弾位置に対する透明インクでの着弾位置のずれ量のことを表す。テストパターン50は、ブラックインクで形成される第一パターンPt1と、透明インクで形成される第二パターンPt2とによって構成される。第一パターンPt1は、2本の罫線で構成される複数の罫線対Lpで構成される。第二パターンPt2は、複数の罫線Lnからなる。罫線Lnの短手方向の幅は、第一パターンPt1の罫線対Lpの間隙の幅と同程度の幅で形成される。図6に示された「0.0」〜「4.5」の数値は、検出されるインクの着弾ずれ量を示している。数値の単位や上限は、測定する着弾ずれ量に応じて適宜に設定される。本実施形態では、この数値の単位はドットであり、数値1.0は、ノズル1ドット分のずれ量を表す。図6の例では、ずれ量「0.0」に対応する罫線Ln0が、ずれ量「0」に対応する第一パターンPt1の罫線対Lpの間隙に配置された状態が示されている。つまり、図6では、第一パターンPt1と第二パターンPt2とのインクの着弾ずれが発生していない状態が例として示されている。なお、図6に示されるように、第一パターンPt1の罫線対Lpと、第二パターンPt2の罫線Lnとの各線の向きは、搬送方向Dsに垂直となるように配置される。これにより、インクの着弾ずれは、搬送方向Dsに沿ったインクの着弾ずれを検出することができる。

0028

他方、第二パターンPt2の罫線Lnの配置される互いの間隔は、図6に示された「0.0」〜「4.5」の数値に対応する着弾ずれ量を検出できるようにするために、段階的にずらして形成されている。この段階的なずれ量は、測定するずれ量に応じて任意に設定可能である。例えば、罫線Lnが「1.0」に対応する罫線対Lpの間隙に配される場合には、ずれ量は「1.0」である。このように、テストパターン50では、罫線対Lpの間隙に罫線Lnが配置された箇所に対応する数値が着弾ずれ量として検出される。図中には「0.0」〜「4.5」が表示されているが、マイナス方向のずれ量が測定できるように0以下のずれ量を測定するためのテストパターン50が形成されてもよく、上限は4.5以上であってもよい。

0029

図6戻り、ステップS110において、制御部120は、有色インク用プリントヘッドとしてブラックインク用のノズル列36Kを制御して、試験用印刷媒体Ts上に、第一パターンPt1を形成する。ステップS120において、制御部120は、透明インク用のノズル列36Opを制御して、第一パターンPt1が形成された試験用印刷媒体Ts上に、第二パターンPt2を重ねて印刷してテストパターン50の印刷を完了する。ステップS140において、制御部120は、着弾ずれ補正部150によって着弾ずれ量を取得する。

0030

図8は、ステップS140で制御部120が実行する着弾ずれ量取得処理のフローチャートである。着弾ずれ量取得処理は、テストパターン50から透明インクと有色インクとの着弾ずれ量を取得するための処理である。ステップS142において、撮像部60によってテストパターン50の画像が取得される。取得されたテストパターン50の画像は制御部120に送信される。

0031

ステップS144において、着弾ずれ補正部150は、撮像部60によって取得された画像から明度データを取得する。上述したサンドマット加工された蒸着フィルム上にテストパターン50が形成されることにより、試験用印刷媒体Tsと第二パターンPt2との明度差は大きくなる。そのため、着弾ずれ補正部150は、明度データから第二パターンPt2の位置を認識でき、第一パターンPt1と第二パターンPt2との位置関係を認識することができる。ステップS146において、着弾ずれ補正部150は、テストパターン50の明度データを読み込んで、第一パターンPt1の罫線対Lpの間隙に配置された第二パターンPt2の罫線Lnの位置を取得する。ステップS148において、着弾ずれ補正部150は、この取得した罫線Lnの位置から、その罫線Lnに対応する着弾ずれ量を取得してメモリー26に記録する。

0032

図6に戻り、ステップS150において、着弾ずれ補正部150は、取得した着弾位置ずれ量から各ノズル列36に対応する補正値を算出する。算出した補正値は、メモリー26に不揮発的に記憶される。この算出した補正値を用いて、インクの着弾位置を補正するレジ調整を実行することができる。このレジ調整は、人によって手動で行われてもよく、印刷装置100による制御によって自動で実行されてもよい。

0033

以上のように、試験用印刷媒体Tsとしてサンドマット加工された蒸着フィルムを用いることにより、記録媒体の表面に垂直である角度0度の位置で、試験用印刷媒体Tsからの反射光の明度と、テストパターン50からの反射光の明度とを測定した場合に、例えば、0.002以上といった、普通紙で得られる値以上の明度の差が得られる。そのため、正反射光を受光せず記録媒体の表面に垂直な位置で反射光を受光するタイプの撮像部60であっても、試験用印刷媒体Tsを用いることにより透明インクの位置を認識できる。これにより、着弾ずれ量の検出を撮像部60によって自動化し、補正値の算出を高速化することができる。

0034

B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態において、テストパターン50は、プリントヘッド間の紙送り方向Dsの着弾ずれを計測するために用いられる。これに対して、テストパターンは、紙送り方向Dsの着弾ずれの計測の目的には限定されない。例えば、テストパターン50を90度回転させたテストパターンを採用することによって、紙送り方向Dsに垂直な向きの着弾ずれの計測を目的としてもよい。また、テストパターンには、有色インクと透明インクとの相対的な着弾ずれ量を測定する種々のテストパターンが採用できる。

0035

(B2)上記実施形態では、有色インクの吐出は透明インクの吐出の後に実行される。これに対して、透明インクの吐出は、有色インクの吐出の前に実行される態様であってもよい。この形態において、有色インクの第一パターンPt1と透明インクの第二パターンPt2とは重ねて印刷される。

0036

(B3)上記実施形態の印刷装置100では、印刷ヘッド130の各ノズル列36W,36C,36M,36K,36Y,36Opは、一つのヘッドで構成される。これに対して、各ノズル列がそれぞれ複数のヘッドやヘッドチップを備える態様であってもよい。この場合に、各ヘッドやヘッドチップによって形成された着弾ずれ検出用のテストパターンを用いて、複数のヘッド間やヘッドチップ間の透明インクの着弾ずれ量が検出される態様であってもよい。

0037

(B4)上記実施形態の印刷装置100では、試験用印刷媒体Tsを用いた補正値の検出とメモリー26への記憶が行われる事を説明した。これに対して、印刷装置は、更に、補正処理による補正後の印刷データに基づいて、着弾ずれを補正したドット形成処理を実行してもよい。このような態様においては、ハーフトーン処理によって得られた印刷用のドットデータを、ステップS150でメモリー26に記録させた補正値分だけ調整し、補正後のドットデータを用いてインクドットを形成する。ドット形成処理には、印刷媒体Shが用いられるが、試験用印刷媒体Tsから印刷媒体Shへの切り替えは自動で行われてもよいし、手動で行われてもよい。この形態の印刷装置によれば、透明インクの着弾ずれを撮像部によって効率よく補正し、高い画質の記録を行うことができる。

0038

(B5)上記実施形態の印刷装置100では、着弾ずれ補正部150が検出する明度として、CIELab色空間で定義される明度成分が用いられる。これに対して、明度は、YUVやYCb(Pb)Cr(Pr)成分で表される色空間の輝度信号Yが用いられてもよいし、白から黒までの色の明るさの連続的な変化に数字割り当てて設定してもよい。

0039

(B6)上記実施形態の印刷装置100では、明度L1の対数関数LogL1と、明度L2の対数関数LogL2との差の計算値の絶対値を明度差として用いた例を示した。これに対して、明度差は、対数関数による計算値に限定されず、上述したCIELab色空間で定義される明度Lのほか、YUVやYCb(Pb)Cr(Pr)成分で表される種々の明度の値の差の計算値であるほか、種々の差の計算値が用いられてもよい。また、明度差は絶対値には限定されず相対値であってもよい。

0040

(B7)上記実施形態の印刷装置100では、試験用印刷媒体Tsとしてサンドマット加工された蒸着フィルムが用いられる。これに対して、試験用印刷媒体Tsには、ホイル紙、練り込み加工された蒸着フィルムが用いられてもよい。

0041

C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

0042

(1)本開示の一形態によれば、透明インクを吐出する吐出部を備える記録装置の着弾ずれ量の取得に用いられるテストパターンが記録された記録媒体が提供される。この記録媒体は、前記記録媒体の表面に対して入射角45度となる光を照射し、前記透明インクで記録された前記テストパターンからの反射光の明度と、前記記録媒体からの反射光の明度とを、前記表面に垂直な位置で測定した場合に、互いの明度の差が、前記記録媒体の種類に応じて定めた値以上である。この形態の記録媒体によれば、記録媒体の表面に垂直な位置で、記録媒体からの反射光の明度と、記録媒体上のテストパターンからの反射光の明度とを測定した場合に、記録媒体の種類に応じて定めた値以上の明度の差が得られる。そのため、正反射光を受光しないタイプの既存のイメージスキャナーを用いて、記録媒体上の透明インクの位置を認識できる。これにより、着弾ずれ量の検出をイメージスキャナーによって自動化し、補正値の算出を高速化することができる。

0043

(2)上記形態の記録媒体は、前記テストパターンからの反射光の明度および前記記録媒体からの反射光の明度は、Lab色空間で定義される明度であってもよい。この形態の記録媒体によれば、既存のイメージスキャナーで透明インクの位置を認識できる記録媒体であるか否かを、既知規格によって定められた明度を用いて識別することができる。

0044

(3)上記形態の記録媒体は、前記テストパターンからの反射光の前記明度をL1とし、前記記録媒体からの反射光の前記明度をL2とし、前記明度の差を、対数関数LogL1と対数関数LogL2との差の絶対値としたとき、前記定めた値は0.007であってもよい。この形態の記録媒体には、例えば、ホイル紙、練り込み加工された蒸着フィルム、サンドマット加工された蒸着フィルムが含まれる。これらの記録媒体を用いることによって、既存のイメージスキャナーで記録媒体上の透明インクの位置を認識できる。

0045

(4)本開示の他の形態によれば、有色インクを吐出する第一吐出部と、透明インクを吐出する第二吐出部とを備える記録装置の着弾ずれ量取得方法が提供される。この記録装置の着弾ずれ量取得方法は、蒸着フィルムまたはホイル紙のいずれか一方からなる記録媒体に、前記有色インクによる第一パターンと前記透明インクによる第二パターンとを、重ねて記録してテストパターンを形成し、前記記録媒体に光を照射し、前記テストパターンからの反射光を受光して前記テストパターンを検出し、検出された前記テストパターンの相対位置から着弾ずれ量を検出する。

0046

(5)上記形態の記録装置の着弾ずれ量取得方法は、前記記録媒体が前記蒸着フィルムである場合の前記蒸着フィルムは、サンドマット加工または練り込み加工されたものである。この形態の記録装置の着弾ずれ量取得方法によれば、明度差のより大きい記録媒体を用いて着弾ずれ量を検出することができる。

0047

本開示は、記録装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、記録装置の製造方法、記録装置の制御方法記録方法符号化装置と記録装置とを備える記録システム、かかる装置、方法およびシステムを実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。

0048

20…繰出軸、21…繰出ローラー、22…ローラー、23…搬送ローラー、24…CPU、26…メモリー、30…回転ドラム、31…ローラー、32…分離ローラー、36…ノズル列、37…第1光照射器、38…第2光照射器、40…巻取軸、41…巻取ローラー、43…搬送ローラー、44…ローラー、50…テストパターン、60…撮像部、63…発光部、64…受光部、65…搬送機構、80…光照射ユニット、81…第3光照射器、82…ローラー、83…ローラー、100…印刷装置、110…ハウジング、120…制御部、130…印刷ヘッド、140…走査駆動部、150…補正部、200…繰出部、300…プロセス部、400…巻取部、500…ホストコンピューター、510…プリンタードライバー、Gs…ガラス板、Pt1…第一パターン、Pt2…第二パターン、Sh…印刷媒体、Ts…試験用印刷媒体

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