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技術 感圧接着物品

出願人 共同印刷株式会社
発明者 関根元大関崇史
出願日 2018年9月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-166692
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-040214
状態 未査定
技術分野 クレジットカード等
主要キーワード 直接接触領域 複写原紙 油性ニス 意匠情報 水性ニス 印刷層形成面 不変情報 インキ面積率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

開封時の剥離及び開封後の擦過による記載情報の損傷が低減された感圧接着物品を提供すること。

解決手段

基材層10、印刷層20、及び透明接着剤層30をこの順に有する感圧接着物品100であって、印刷層20は、インクジェット用インキから構成されるパターン形成領域21を有し、パターン形成領域21は、感圧接着物品100を透明接着剤層30の側から観察したときに基材層10の地の部分22との対比によって認識可能なパターンを形成しており、インキが存在して透明接着剤層30がインキと接触するインキ存在部21aと、インキが存在せずに透明接着剤層30が基材層10と接触するインキ不在部21bとを有し、パターン形成領域21のインキ存在部21aにおける内接円最大直径が500μm以下であり、かつインキ存在部21aがパターン形成領域21の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が80%未満である、感圧接着物品。

概要

背景

配送途中の情報秘匿を目的とする圧着ハガキが知られている。圧着ハガキは、個人情報等の情報を記載した記載面を内側にして折り畳んだ状態で、接着剤によって接着圧着)されており、配送された圧着ハガキの接着面を開くことにより、記載情報を確認することができる。

特許文献1には、シート基材の一面側に感圧接着剤を設け、この感圧接着剤上に印刷を施した隠蔽シートが記載されている。特許文献1では、この隠蔽シートによると、記載情報を損傷することなく、シート剥離ができると説明されている。

特許文献2には、基材の一方の面に感圧接着剤が塗布されており、基材の感圧接着剤が塗布されていない側の面にインクジェットインキ印刷層を形成し、このインクジェットインキ印刷層の外側に透明ニスを塗布した感圧接着製品が記載されている。特許文献2では、この感圧接着製品を巻き取ったときに、インクジェットインキが感圧接着剤側に転写することが防止できると説明されている。

概要

開封時の剥離及び開封後の擦過による記載情報の損傷が低減された感圧接着物品を提供すること。基材層10、印刷層20、及び透明接着剤層30をこの順に有する感圧接着物品100であって、印刷層20は、インクジェット用インキから構成されるパターン形成領域21を有し、パターン形成領域21は、感圧接着物品100を透明接着剤層30の側から観察したときに基材層10の地の部分22との対比によって認識可能なパターンを形成しており、インキが存在して透明接着剤層30がインキと接触するインキ存在部21aと、インキが存在せずに透明接着剤層30が基材層10と接触するインキ不在部21bとを有し、パターン形成領域21のインキ存在部21aにおける内接円最大直径が500μm以下であり、かつインキ存在部21aがパターン形成領域21の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が80%未満である、感圧接着物品。

目的

本発明の目的は、情報記載面を内側にして折り畳んだ状態で接着して記載情報を秘匿し、かつ、接着面を開封して記載情報を確認することができるとともに、開封時の剥離及び開封後の擦過による記載情報の損傷が低減された、感圧接着物品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

基材層印刷層、及び透明接着剤層をこの順に有する感圧接着物品であって、前記印刷層は、インクジェット用インキから構成されているパターン形成領域を有し、前記パターン形成領域は、前記感圧接着物品を前記透明接着剤層側から観察したときに、前記基材層の地の部分との対比によって認識可能なパターンを形成しており、前記パターン形成領域は、インキが存在して前記透明接着剤層が前記インキと接触しているインキ存在部と、インキが存在せずに前記透明接着剤層が前記基材層と接触しているインキ不在部とを有し、前記パターン形成領域の前記インキ存在部における内接円最大直径が500μm以下であり、かつ、前記インキ存在部が前記パターン形成領域の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が、80%未満である、感圧接着物品。

請求項2

前記インキ不在部が前記パターン形成領域中にランダムに存在する、請求項1に記載の感圧接着物品。

請求項3

前記インキ不在部が前記パターン形成領域中に規則的に存在する、請求項1に記載の感圧接着物品。

請求項4

前記認識可能なパターンが文字情報を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

請求項5

前記認識可能なパターンが一次元コード又は二次元コードを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

請求項6

前記インキ面積率が20%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

請求項7

前記透明接着剤層がUVニスから構成される層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

請求項8

圧着ハガキである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

技術分野

0001

本発明は、感圧接着物品に関する。

背景技術

0002

配送途中の情報秘匿を目的とする圧着ハガキが知られている。圧着ハガキは、個人情報等の情報を記載した記載面を内側にして折り畳んだ状態で、接着剤によって接着圧着)されており、配送された圧着ハガキの接着面を開くことにより、記載情報を確認することができる。

0003

特許文献1には、シート基材の一面側に感圧接着剤を設け、この感圧接着剤上に印刷を施した隠蔽シートが記載されている。特許文献1では、この隠蔽シートによると、記載情報を損傷することなく、シート剥離ができると説明されている。

0004

特許文献2には、基材の一方の面に感圧接着剤が塗布されており、基材の感圧接着剤が塗布されていない側の面にインクジェットインキ印刷層を形成し、このインクジェットインキ印刷層の外側に透明ニスを塗布した感圧接着製品が記載されている。特許文献2では、この感圧接着製品を巻き取ったときに、インクジェットインキが感圧接着剤側に転写することが防止できると説明されている。

先行技術

0005

実開平5−93862号公報
特開2016−13705号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、情報記載面を内側にして折り畳んだ状態で接着して記載情報を秘匿し、かつ、接着面を開封して記載情報を確認することができるとともに、開封時の剥離及び開封後の擦過による記載情報の損傷が低減された、感圧接着物品を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は以下のとおりである。

0008

《態様1》
基材層、印刷層、及び透明接着剤層をこの順に有する感圧接着物品であって、
上記印刷層は、インクジェット用インキから構成されているパターン形成領域を有し、
上記パターン形成領域は、上記感圧接着物品を上記透明接着剤層側から観察したときに、上記基材層の地の部分との対比によって認識可能なパターンを形成しており、
上記パターン形成領域は、インキが存在して上記透明接着剤層が上記インキと接触しているインキ存在部と、インキが存在せずに上記透明接着剤層が上記基材層と接触しているインキ不在部とを有し、
上記パターン形成領域の上記インキ存在部における内接円最大直径が500μm以下であり、かつ、
上記インキ存在部が上記パターン形成領域の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が、80%未満である、
感圧接着物品。
《態様2》
上記インキ不在部が上記パターン形成領域中にランダムに存在する、態様1に記載の感圧接着物品。
《態様3》
上記インキ不在部が上記パターン形成領域中に規則的に存在する、態様1に記載の感圧接着物品。
《態様4》
上記認識可能なパターンが文字情報を含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の感圧接着物品。
《態様5》
上記認識可能なパターンが一次元コード又は二次元コードを含む、態様1〜4のいずれか一項に記載の感圧接着物品。
《態様6》
上記インキ面積率が20%以上である、態様1〜5のいずれか一項に記載の感圧接着物品。
《態様7》
上記透明接着剤層がUVニスから構成される層である、態様1〜6のいずれか一項に記載の感圧接着物品。
《態様8》
圧着ハガキである、態様1〜7のいずれか一項に記載の感圧接着物品。

発明の効果

0009

本発明によると、情報記載面を内側にして折り畳んだ状態で接着して記載情報を秘匿し、かつ、接着面を開封して記載情報を確認することができるとともに、開封時の剥離及び開封後の擦過による記載情報の損傷が低減された、感圧接着物品が提供される。本発明の感圧接着物品は、情報秘匿のために接着後、濡れた状態で剥離して開封した場合でも、記載情報の損傷が低減されたものである。

図面の簡単な説明

0010

図1(a)は、本発明の感圧接着物品の構成を説明するための概略断面図である。図1(b)は、本発明の感圧接着物品の透明接着層を相対させて圧着した様子を示す概略断面図である。図1(c)は、図1(b)の圧着した感圧接着物品を開封する様子を示した概略断面図である。
図2(a)は、従来技術の感圧接着物品の構成を説明するための概略断面図である。図2(b)は、従来技術の感圧接着物品の透明接着層を相対させて圧着した様子を示す概略断面図である。図2(c)は、図2(b)の圧着した感圧接着物品を開封する様子を示した概略断面図である。
図3(a)は、本発明の感圧接着物品の構成を説明するための概略斜視図である。図3(b)は、図3(a)の感圧接着物品の一部領域の拡大図である。図3(c)は、図3(b)の一部領域の更なる拡大図である。
図4は、パターン形成領域におけるインキ存在部及びインキ不在部の構成の一例を示す模式図である。
図5は、パターン形成領域におけるインキ存在部及びインキ不在部の構成の別の一例を示す模式図である。
図6は、実施例及び比較例における読み取り試験に用いたインキ面積率45%及び30%のパターンを示す図である。

0011

《感圧接着物品》
本発明の感圧接着物品は、
基材層、印刷層、及び透明接着剤層をこの順に有する感圧接着物品であって、
印刷層は、インクジェット用インキから構成されているパターン形成領域を有し、
このパターン形成領域は、感圧接着物品を透明接着剤層側から観察したときに、基材層の地の部分との対比によって認識可能なパターンを形成しており、
また、このパターン形成領域は、インキが存在して透明接着剤層がインキと接触しているインキ存在部と、インキが存在せずに透明接着剤層が基材層と接触しているインキ不在部とを有し、
パターン形成領域のインキ存在部における内接円の最大直径が500μm以下であり、かつ、
インキ存在部がパターン形成領域の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が、80%未満である。

0012

このような構成の感圧接着物品は、印刷層のパターン形成領域によって形成される情報パターンを内側にして折り畳んで透明接着剤層を圧着して接着した後、接着面を開封した場合でも、パターン形成領域における透明接着剤層の欠落が抑制されている。したがって、開封時及び開封後の双方で、印刷層が透明接着剤層で保護されているため、情報記載面が擦過等された場合でも、記載情報の損傷を低減することができる。

0013

本明細書では、基材層上に印刷で形成された部分につき、感圧接着物品をその積層方向に垂直な面から観察して、感圧接着物品の層構成を考えるときには「印刷層」の語を用いる。一方、基材層上に印刷で形成された部分のうちのインクジェット用インキから構成される部分に着目し、感圧接着物品を透明接着剤層の側から観察してインクジェット用インキから構成されたパターンを考えるときには「パターン形成領域」の語を用いる。

0014

〈感圧接着物品の構成及び機能〉
本発明の感圧接着物品の構成及び機能について、図面を参照しつつ説明する。

0015

図2に、従来技術(例えば特許文献2)の感圧接着物品の構成及び機能を説明するための概略断面図を示した。図2(a)の感圧接着物品は、基材層(40)、印刷層(50)、及び透明接着剤層(60)をこの順に有する感圧接着物品(200)である。この感圧接着物品(200)を透明接着剤層(60)の側から観察したときに、印刷層(50)は、基材層(40)の地の部分(52)との対比によって認識可能なパターンを形成するパターン形成領域(51)を形成している。このパターン形成領域(51)は、例えばインクジェット用インキから構成されている。図2(a)の感圧接着物品(200)では、パターン形成領域(51)の全領域において、透明接着剤層(60)はインキ(インクジェット用インキ)と接触している。

0016

図2(b)に、2枚の感圧接着物品(200)の透明接着剤層(60)同士が相対するように積層して、パターン形成領域(51)によって形成される情報パターンを秘匿した状態を示した。

0017

図2(c)に、2枚の感圧接着物品(200)を剥離するときの様子を示した。図2(c)には、パターン形成領域(51)上に形成された透明接着剤層(60)の一部が、相対積層された上側の透明接着剤層との接着を維持したまま剥離して欠落し、パターン形成領域(51)の一部が外部環境に直接露出している様子が示されている。

0018

図1に、本発明の感圧接着物品の構成及び機能を説明するための概略断面図を示した。図1(a)の感圧接着物品は、基材層(10)、印刷層(20)、及び透明接着剤層(30)をこの順に有する感圧接着物品(100)である。この感圧接着物品(100)を透明接着剤層(30)の側から観察したときに、印刷層(20)は、基材層の地の部分(22)との対比によって認識可能なパターンを形成するパターン形成領域(21)を有している。このパターン形成領域(21)は、インクジェット用インキから構成されており、インキが存在するインキ存在部(21a)と、インキが存在しないインキ不在部(21b)とを有する。インキ存在部(21a)では、透明接着剤層(30)はインキ(インクジェット用インキ)と接触しているが、インキ不在部(21b)では、透明接着剤層(30)は基材層(10)と直接接触している。

0019

図1(b)に、2枚の感圧接着物品(100)を、透明接着剤層(30)同士が相対するように積層して、パターン形成領域(21)によって形成される情報パターンを秘匿した状態を示した。

0020

図1(c)に、2枚の感圧接着物品(100)を剥離するときの様子を示した。図1(c)では、一旦接着した2枚の感圧接着物品(100)を剥離するときに、パターン形成領域(21)上に形成された透明接着剤層(30)が上側の透明接着剤層とともに剥離して欠落する現象は起こらずに、透明接着剤層(30)によるパターン形成領域(21)の保護が維持されている様子が示されている。

0021

このような本発明の機能が発現する理由は定かではないが、本発明者らは、パターン形成領域を構成するインクジェット用インキと透明接着剤層との間の接着力が、基材層と透明接着剤層との間の接着力に比べて弱いことに起因すると推察している。すなわち、従来技術の感圧接着物品では、2枚の感圧接着物品を透明接着剤層同士が相対するように積層したときに、透明接着剤層のうち、インクジェット印刷の領域上に形成された部分では、上側の透明接着剤層との接着力に比べて、下層の印刷領域との接着力が弱いと考えられる。したがって、積層後に再剥離されたとき、インクジェット印刷領域上の透明接着剤層は、上側の透明接着剤層との強い接着力によって印刷層から引き剥がされ、剥離して欠落すると考えられる。

0022

これに対して本発明の感圧接着物品では、印刷層のうちの、インクジェット印刷の領域上でも、透明接着剤層と基材層とが直接接する領域が確保されている。そのため、透明接着剤層と基材層との直接接触領域において、両者間の強い接着力が発現される。このことにより、積層後に再剥離されたときに透明接着剤層が印刷層から引き剥がされることがなく、透明接着剤層の剥離及び欠落が抑制されると考えられる。

0023

〈感圧接着物品の構成要件の説明〉
図3(a)〜(c)に、本発明の感圧接着物品における、印刷層と、パターン形成領域と、基材層の地の部分と、インキ存在部と、インキ不在部と、内接円との関係を説明するための概略図を示した。

0024

(印刷層及びパターン形成領域)
図3(a)の感圧接着物品(100)では、基材層(10)上に印刷層(20)が形成されている。図3(a)の感圧接着物品(100)を、透明接着剤層(30)の側(矢印の方向)から観察したときに、印刷層(20)は、インクジェット用インクから構成されているパターン形成領域(21)を有している。パターン形成領域(21)は、基材層(10)の地の部分(22)との対比によって認識可能なパターンを形成しており、観察者は「ABCDE」という英文字から成る文字情報を目視により認識することができる。

0025

パターン形成領域(21)が形成するパターンを認識可能とするために、パターン形成領域(21)を構成するインクジェット用インキと基材層(10)とは、明度彩度、及び色相のうちの少なくとも1種が異なっていてよく、特に明度が異なっていてよい。例えば、白色の基材層(10)上に、暗色(例えば、黒、青、赤等)のインキでパターンを形成する場合、黒色の基材層(10)上に明色(例えば、白、黄等)のインキでパターンを形成する場合等は、パターン形成領域(21)のインキと基材層(10)との明度差が大きく、認識性が高い。ここで、「認識性」とは、目視による、又は読み取り機を用いる光学的な手段による、認識のし易さの程度をいう。

0026

パターン形成領域(21)が形成するパターンは、文字情報、一次元コード、二次元コード、意匠情報等から選ばれる1種以上を含んでいてよい。文字情報は、例えば、アラビア数字ローマ数字日本語文字漢字ひらがな、かたかな)、アルファベット、ギリシャ文字、その他の各国語を構成する文字等であってよい。一次元コードは、例えば、UPC−A、Code 39、Code 128、Codabar、Pharmacode等のバーコードであってよい。二次元コードは、例えば、QRコード登録商標)、FullScanCode(登録商標)、SPコード、CPコード、DataMatrix、カードe、カメレオンコード(登録商標)、PDF417等であってよい。意匠情報は、任意のイラスト写真等であってよい。

0027

なお、印刷層が形成するパターンとしては、例えば圧着ハガキ各葉で内容の異なる可変情報(例えば、クレジットカード利用履歴預金残高等の個人情報等)と、圧着ハガキ全葉で内容が同一の不変情報(例えば、企業名等の一般情報意匠絵柄等)とが考えられる。このとき、不変情報を例えばオフセット印刷等によって形成し、可変情報のみをインクジェット印刷によって形成することが行われている。このような場合、本発明の感圧接着物品では、インクジェット用インキから構成される可変情報の領域が、本発明所定のパターン形成領域の要件を満たせばよい。

0028

インク存在部及びインク不在部)
図3(b)は、図3(a)のパターン形成領域(21)が形成しているパターンのうちの「E」字の左下の折れ曲がり部分の拡大図である。図3(b)を見ると、の基材層(10)の地の部分(22)とパターン形成領域(21)との関係が理解される。すなわち、本明細書における「パターン形成領域」とは、「地」の部分とは異なる色調で形成され、目視又は光学的手段において例えば「線」、「点」、「面」等として認識される着色領域のみを意味する。例えば図3の「E」字の場合、本明細書における「パターン形成領域」は、「E」の1本の縦線及び3本の横線を形成する着色領域のみを含み、地の部分は含まない。なお、上記における「色調」及び「着色」の概念には、無彩色が含まれる。

0029

図3(c)は、図3(b)に示したパターン形成領域(21)のうち、「E」字の一番下の横棒の一部を示した拡大図である。図3(c)を見ると、パターン形成領域(21)は、基材層(10)上にインキが存在しているインキ存在部(21a)と、インキが存在していないインキ不在部(21b)とから構成されていることが理解される。インキ不在部(21b)は、後述するように小さいサイズであってよい。したがってパターン形成領域(21)中にインキ不在部(21b)が存在し、その部分では基材層(10)の地の部分(22)が見えているにもかかわらず、観察者には、パターン形成領域(21)全体が基材層(10)の地の部分(22)とは異なった色調であるように認識されてよい。例えば、基材層(10)が白色、印刷層(20)を構成するインキが黒色である場合、パターン形成領域(21)を微視的にみると、黒色のインキ存在部(21a)と白色のインキ不在部(21b)とから構成されているが、これを肉眼で観察するときには、白色の基材層(10)上に全体が灰色のパターン形成領域(21)が形成されているように認識されてよい。

0030

インキ不在部(21b)は、パターン形成領域(21)中に、ランダムに存在してもよいし、規則的に存在していてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。また、インキ不在部(21b)は、パターン形成領域(21)中で、周囲が閉じられた独立の領域として存在していてもよいし、線状に連なって存在していてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。インキ不在部(21b)が線状に連なって存在していているとき、インキ不在部(21b)の線は途中で分岐していてもよい。

0031

図4及び5に、パターン形成領域(21)におけるインキ存在部(21a)及びインキ不在部(21b)の構成の一例を示した。

0032

図4のパターン形成領域(21)では、インキ存在部(21a)のマトリクス中に、矩形のインキ不在部(21b)が、周囲が閉じられた独立の領域としてランダムに分散して存在している。インキ不在部(21b)の矩形は、一部が重なり合って「L」字形、「凸」字形等を形成していてもよい。

0033

図5のパターン形成領域(21)では、インキ存在部(21a)とインキ不在部(21b)とがそれぞれ分岐した曲線を形成しており、これらが相互に入り組んだ構成を有する。インキ存在部(21a)及びインキ不在部(21b)は、それぞれ、パターン形成領域(21)中で、全部が連続する曲線であってもよいし、連続する曲線と周囲が閉じられた独立の領域とを有していてもよい。図5のパターン形成領域(21)では、部分的に、周囲が閉じられた独立の領域としてのインキ存在部(21a’)を有する。

0034

図3(c)には、インキ存在部(21a)における内接円(25)の例を示した。本発明の感圧接着物品では、インキ存在部における内接円の最大直径は、500μm以下である。インキ存在部(21a)の内接円(25)は、インキ存在部(21a)の任意の点において多数存在し得る。本明細書中、「インキ存在部における内接円の最大直径が500μm以下である」とは、インキ存在部(21a)中に多数存在する内接円(25)のうち、最大のものの直径が500μm以下であることを示す。これは、透明接着剤層(30)とインキ(特にインクジェット用インキ)との接着力が比較的弱いことに鑑みて、透明接着剤層(30)がインキ存在部(21a)と接触する領域の範囲(広がり)を制限することにより、透明接着剤層の剥離及び欠落を抑制するための要件である。

0035

内接円(25)の最大直径は、透明接着剤層の剥離及び欠落をより効果的に抑制するとの観点から、500μm以下であり、400μm以下、300μm以下、200μm以下、175μm以下、150μm以下、又は125μm以下であってよい。一方で、内接円(25)の最大直径は過度に小さい必要はなく、パターン形成領域(21)の形成に使用するプリンタ解像度に応じて、上記の範囲で適宜に設定されてよい。内接円(25)の最大直径は、例えば、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上であってよい。

0036

同様に、インキ不在部(21b)でも内接円(図示せず)が考えられる。インキ不在部(21b)の内接円の最大直径は、パターン形成領域(21)の認識性を確保するとの観点から、例えば、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、175μm以下、150μm以下、又は125μm以下であってよい。一方で、透明接着剤層(30)と基材層(10)とが直接接触し得るインキ不在部(21b)のサイズを確保して、透明接着剤層(30)の剥離及び欠落を抑制する観点から、インキ不在部(21b)の内接円の最大直径は例えば、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上であってよい。

0037

(インキ面積率)
本発明の感圧接着物品では、インキ存在部が上記パターン形成領域の面積に占める割合として定義されるインキ面積率が80%未満である。このインキ面積率が80%未満であることによって、透明接着剤層が基材層と直接接し得るインキ不在部の総面積を有意に高くして、透明接着剤層の接着力を高めることができ、これにより、積層後に再剥離されたときの透明接着剤層の剥離及び欠落を抑制することができる。

0038

透明接着剤層の剥離及び欠落を効果的に抑制する観点から、インキ面積率は、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、又は50%以下であってよい。一方で、インキ面積率が低いと、インキ不在部の割合が多くなって基材層が直接観察される領域の面積割合が多くなる。その結果、観察者が認識するパターン形成領域の明度、彩度、及び色相が基材層に近づいて、パターン形成領域によって形成されるパターンの認識性が低下する。したがって、パターンの認識性を高くする観点からは、インキ面積率は20%以上であってよい。

0039

インキ面積率の下限は、認識対象のパターンの種類及びサイズに応じて、当業者によって適宜に設定されてよい。例えば、ゴシック体、11ポイントのアラビア数字では、インキ面積率は、20%以上、25%以上、又は30%以上であってよい。サイズ15mm×15mmのQRコード、バージョン3では、インキ面積率は、25%超、30%以上、又は35%以上であってよい。GS1−128シンボルでは、インキ面積率は、55%超、又は60%以上であってよい。

0040

〈感圧接着物品の各層の構成材料
以下、本発明の感圧接着物品の各層を構成する材料等について、順に説明する。

0041

(基材層)
基材層は、感圧接着物品の用途に応じて適宜に選択されてよい。本発明の感圧接着物品は、透明接着剤層同士が相対するように2枚を積層して、印刷層のパターン形成領域が形成する情報パターンを秘匿する目的で用いられる。したがって、本発明における基材層は、情報を秘匿できる程度の不透明性を有していてよい。基材層は、例えば、微塗工紙、塗工紙、特殊印刷用紙、情報用紙等の紙であってよい。微塗工紙は、例えば、中質紙等に20g/m2程度の塗料を塗工した紙等であってよい。塗工紙は、例えば、アート紙、コート紙、軽量コート紙キャストコート紙エンボス紙等であってよい。特殊印刷用紙は、例えば、色上質紙官製はがき用紙等であってよい。情報用紙は、例えば、複写原紙フォーム用紙PPC用紙等であってよい。

0042

基材層が紙である場合、その厚みは、四六全判紙(1,091mm×788mm)1,000枚当たりの質量として、例えば、50kg/1,000枚以上、70kg/1,000枚以上、80kg/1,000枚以上、100kg/1,000枚以上、又は150kg/1,000枚以上であってよく、例えば、300kg/1,000枚以下、250kg/1,000枚以下、230kg/1,000枚以下、200kg/1,000枚以下、又は180kg/1,000枚以下であってよい。

0043

(印刷層)
印刷層は、一般的な印刷方法によって印刷された層であってよい。印刷に使用するインキは、一般的な印刷用インキの中から、採用する印刷方法に応じて適宜に選択されてよい。インキは、例えば、インクジェット用インキ、グラビア用インキ、オフセット用インキ、フレキソ用インキ、シルクスクリーン用インキ等であってよい。

0044

本発明者らは、これらのうちのインクジェット用インキは、透明接着剤層との間の接着力が弱いことを見出した。したがって、印刷層のうち、インクジェット用インキから構成されるパターン形成領域について本発明を適用すれば、本発明の優れた効果が最大限に発揮される。

0045

印刷層のうちのパターン形成領域以外の領域は、インクジェット用インキ以外の任意のインキから成っていてよい。印刷層のうちのパターン形成領域以外の領域は、インキ存在部とインキ不在部とを有していてもよいし、インキ存在部のみから形成されていてもよい。

0046

(透明接着剤層)
透明接着剤層は、圧着性を有する透明ニスから構成される層であってよい。透明ニスは、例えば、油性ニス水性ニス、UVニス等であってよいが、UVニスから構成される層であることが好ましい。UVニスは、樹脂成分、添加剤、及び溶剤を含んでいてよい。UVニスの樹脂成分は、例えば、アクリレートモノマーアクリレートオリゴマーアクリル樹脂等であってよく、添加剤は、例えば、ワックス等であってよく、溶剤は、例えば、酢酸エチルイソプロパノール等であってよい。

0047

本発明の感圧接着物品における透明接着剤層の厚みは、印刷層を保護し、かつパターン形成領域が形成するパターンの認識性を阻害しない範囲で適宜に設定されてよく、例えば、1μm以上10μm以下の範囲であってよく、2μm以上6μm以下の範囲が好ましい。

0048

《感圧接着物品の製造方法》
本発明の感圧接着物品は、例えば以下の各工程:
基材層を準備すること、
基材層上に印刷層を形成すること、及び
印刷層上に透明接着剤層を形成すること
を含む、感圧接着物品の製造方法であって、
印刷層の形成が、本発明所定の要件を満たすパターン形成領域を形成することを含む方法で行われることにより、製造されてよい。

0049

基材層は、得られる感圧接着物品における所望の基材層の種類に応じて、上記した材料の中から適宜に選択されてよい。

0050

印刷層は、基材層上に、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷フレキソ印刷シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、レタープレス印刷(樹脂凸版印刷)等の適宜の印刷方法により、形成されてよい。ただし、インクジェット用インキから構成されるパターン形成領域については、本発明所定の要件を満たすインキ存在部とインキ不在部とを有するものとなるように、インクジェット印刷によって形成されてよい。なお、上記したとおり、印刷層が形成するパターンとしては、可変情報と不変情報とが考えられる。このうちの不変情報を例えばオフセット印刷等によって印刷し、可変情報を例えばインクジェット印刷によって、本発明所定のパターン形成領域の要件を満たすように印刷することも、本発明の好適な態様である。

0051

パターン形成領域におけるインキ存在部とインキ不在部との分配は、適当なソフトウェアを用いる計算によって行われてよい。インキ面積率、及びインキ存在部における内接円の最大直径が所定の値となるように、例えば、インキ存在部とインキ不在部とをランダムに分配する方法、適当な明度のグレースケール二値化する方法等によってよい。

0052

次いで、印刷層上に公知の方法によって所望の透明接着剤層を形成することにより、本発明の感圧接着物品を得ることができる。

0053

《感圧接着物品の適用》
本発明の感圧接着物品は、透明接着剤層同士を対向させて圧着した後に、再剥離した後にも、印刷層上の透明接着剤層が剥離して欠落することが抑制されている。そのため、本発明の感圧接着物品は、印刷層のパターン形成領域が形成する情報パターンを、一時的に秘匿する目的に好適に使用することができる。

0054

本発明の感圧接着物品は、例えば、圧着ハガキ、郵便物個人情報記載面貼付される「個人情報保護シート」等の用途に好適であり、特に圧着ハガキに適する。

0055

《実施例1》
基材層としてサイズ148mm×200mmの大王製紙(株)製「ブライトコートマットDM」を用い、この基材層上に、解像度600ドットインチインクジェットプリンタを用いて黒色インキコダック(同)製、「Kodak PROSPERPress Density Black ink」)を印刷して印刷層を形成した。この印刷層は、黒色のインクジェット用インキから構成され、かつ、下記のパターンを形成するパターン形成領域を有する。
(接着層剥離試験試料
サイズ10mm×10mmの正方形状パターン
(読み取り試験試料)
一次元コード:GS1−128シンボル
二次元コード:QRコード、バージョン3、サイズ15mm×15mm
アラビア数字:ゴシック体、11ポイント

0056

印刷層のパターン形成領域は、インキ存在部と、パターン形成領域中にランダムに存在するインキ不在部とから構成されており、各パターンについてインキ面積率が10〜100%の範囲で変更された複数の読み取り試料を有するものとした。インキ面積率の調節は、市販のイラスト作成ソフトを用いて、パターン形成領域中のインキ存在部及びインキ不在部の配置をランダムに設定することにより、行った。ここで設定されたインキ存在部及びインキ不在部の構成は、インキ存在部の内接円の最大直径を125μmとし、インキ面積率を各所定値に設定した他は、図3に示した構成のものとした。

0057

パターンごとに得られたインキ面積率の異なる読み取り試験試料につき、以下の方法により、読み取り試験を行い、評価した。評価結果は表1に示した。
次元バーコート及び二次元コード:(株)デンソーウェーブ製のコードリーダーハンディターミナルHT−845QW」を用い、読み取り可否を調べた。
アラビア数字:観察者に、インキ面積率の異なる複数の読み取り試料を一度に提示し、目視で読み取り可能な最小のインキ面積率の値を聴取した。観察者の数は24人とし、読み取り可能と回答した観察者の割合をインキ面積率ごとに調べた。

0058

インキ面積率45%及び30%のときの、一次元コード、二次元コード、及びアラビア数字それぞれの読み取り試験試料を、図6に示す。

0059

また、基材層の印刷層形成面の全面上に、(株)T&K TOKA製のUV圧着ニス「FY−5」を塗布することにより、透明接着層を形成した。その後、基材層の200mmの辺の中央から、透明接着層が内側になるように折り返して圧着し、圧着ハガキ形状とした。圧着面を剥離して開き、正方形状パターン上の透明接着層の剥がれの有無を、目視にて調べた。評価結果は表1に合わせて示した。

0060

0061

表1に見られるとおり、印刷層のパターン形成領域におけるインキ面積率が80%未満のとき、インクジェット用インキから構成される正方形状パターンの領域でも透明接着剤層の剥離は見られず、高い接着強度を示した。これは、インキ面積率が80%未満であれば、インキ不在部における基材層と透明接着剤層との接着面積が十分に大きくなって、透明接着剤層の剥離が効果的に抑制されたためと考えられる。

0062

一方で、パターンの読み取り可否は、パターンの種類及び読み込み方法によって異なった結果を得た。すなわち、「BHT−845QW」を用いた読み取りでは、一次元コード(GS1−128シンボル)はインキ面積率60%以上で読み取り可能であり、二次元コード(QRコード、バージョン3、サイズ15mm×15mm)はインキ面積率30%以上で読み取り可能であった。また、目視によるアラビア数字(ゴシック体、11ポイント)の読み取りでは、インキ面積率20%及び25%であっても75%の観察者が読み取り可能と判断し、インキ面積率30%以上では、すべての観察者が読み取り可能と判断した。

実施例

0063

以上のことから、印刷層上の透明接着剤層の剥離を抑制するには、インクジェット用インキから構成されるパターン形成領域のインキ面積率を80%未満とすることが推奨され、一方、パターンを読み取り可能にするためのパターン形成領域のインキ面積率は、パターンの種類及び読み込み方法によって異なり、所望のパターン種及び想定される読み取り方法に応じて、当業者によって適宜に設定されてよいことが分かった。

0064

10、40基材層
20、50印刷層
21、51パターン形成領域
21a、21a’インキ存在部
21b インキ不在部
30、60 透明接着剤層
100、200感圧接着物品

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