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技術 炭素系吸着材を洗浄及び/又は再生可能とする排出物制御システム及び使用方法

出願人 ケミカルアンドメタルテクノロジーズリミテッドライアビリティカンパニー
発明者 ステュラーハルステュラーローリウォルワースヴァンティードラモンドスコット
出願日 2019年7月23日 (1年5ヶ月経過) 出願番号 2019-135260
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-040060
状態 未査定
技術分野 固体収着剤及びろ過助剤 廃ガス処理
主要キーワード 排出フロー 噴射設備 拡径室 障害要素 収集箇所 廃棄プロセス 混合組み合わせ 一次気体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

排出物から汚染物質を除去する、有効な排出物制御方法の提供。

解決手段

炭素系吸着剤洗浄、調整、及び/又は再生するシステム及び方法が開示され、化学的洗浄プロセスが吸着剤から汚染物質を分離するのに用いられる。汚染物質は、廃棄、または工業用リサイクル可能である。洗浄及び/又は再生された炭素系吸着剤は、リサイクルされて逆ベンチュリ型流動床装置内に戻され、後で用いられる。消耗した炭素系吸着剤は、送り出されて適切に廃棄可能である。炭素系吸着剤は活性炭吸着剤及びバイオ炭吸着剤を含むが、これらに限られない。吸着剤をシステム中で汚染された排出物に曝される前に処理して、吸着剤の外表面の多孔性を向上及び増加させても良い。

概要

背景

セクションは、必ずしも先行する技術ではない本願開示事項に関連する背景技術情報を提示するものである。

数多くの経済部門産業は、一種類以上の排出物を出す。このような排出物は、一方は気体状、他方は非気体状である二つの基本的なグループに分割可能である。気体グループ中の排出物と非気体グループの排出物とは、しばしば有害汚染物質を含む。気体グループ中の排出物は、石炭燃焼プラント又は天然ガス燃焼設備によって発生する排気ガスであっても良い。非気体グループ中の排出物は、液体状、スラッジ状またはスラリー状物質であっても良い。排出物中の有害汚染物質のレベル許容可限度に達し、及び/又は許容可能限度を超える場合、この汚染物質を中和し、捕捉し、収集し、除去し、廃棄し、及び/又は何らかの手段で適切に封止しなくてはならない。

多くの産業は、それぞれの方法のいくつかの側面を達成するための手段として燃料燃焼することに依拠する。例えば、第一の例として、製鋼所では、金属成形、押し出しおよびその他金属鋳造工程中で、金属を燃やし及び/又は溶解する。この金属産業内で用いられる方法は、粉末金属蒸気及びイオン化金属として放出する操作を含む。環境、植物、動物及び/又は人間に対する有害汚染物質が金属蒸気を介して空気中に放出される。程度の差はあっても、この金属蒸気及び/又は金属蒸気化合物中の有害汚染物質は、収集して、適切に廃棄しなくてはならない。第二の例として、金、銀及び白金等の貴金属採掘業では、重金属汚染物質を含む金属、金属蒸気排出物、及び粉末をも発生させるが、これらは捕捉、収集し、適切に廃棄されなければ有害であると考えられる。第三の例として、天然ガスを燃焼させる産業では、高いレベルの汚染物質をしばしば含む排出物が発生するが、これらは捕捉、収集し、適切に廃棄されなければ有害であると考えられる。第四の例として、発電機を回転させるボイラー蒸気を発生させる燃焼可能な消耗品として石炭を用いるエネルギー生産者は、環境、植物、動物及び人間に対して危険と考えられる金属蒸気及び金属化合物を含む排出物を相当な量発生させる。他の有害汚染物質中、金属蒸気排出物は、しばしば水銀(Hg)を含む。

地球規模ジェット気流パターンのため、空中の金属蒸気排出物は、一つの国から運ばれて、他の国に堆積する可能性がある。例えば、中国及び/又はインドで発生した水銀排出物の多くが、実際にアメリカ及び/又はその間の海水中に堆積することとなる可能性がある。同様に、アメリカで発生した水銀を含む排出物の多くが、実際にヨーロッパ及び/又はその間の海中に堆積する可能性がある。この循環を完全なものとする形で、ヨーロッパで発生した水銀を含む排出物は、実際に中国及び/又はインドに堆積する可能性がある。したがって、産業の過程で発生する排出物中の水銀及びその他の有害汚染物質は、地球的規模で解決する努力を要する地球的規模の意味を有する地球的課題である。

このような排出物を発生させるものに対し、国内及び国際規制規則、制限、手数料監視、及び多くの、改訂中の、より厳しい内容の法律が提案され、及び/又は実施される。例えば、金属蒸気排出物中で最も有害かつ規制対象とされる汚染物質の一つが水銀である。人間による産業過程により、水銀の蓄積及び/又は水銀沈殿物が、天然に存在するレベルを遙かに超えて増加している。地球レベルで見ると、人間の活動により放出された水銀の総量は、1年あたり1960メートルトンであると推定される。この数字は、2010年に分析されたデータから算出されたものである。全世界的に見たとき、この特定種類の排出物に最も大きく寄与しているのは、石炭燃焼(24%)及び金採掘(37%)活動である。アメリカでは、石炭燃焼が、金採掘活動よりも高い排出物割合を占める。

動物及び人間にとって、水銀にさらされることによる主要な問題は、水銀が生体蓄積物質であるということである。したがって、又はその他の動物によって摂取された任意の量の水銀は当該動物中に残留し(すなわち蓄積し)、人間に、または前者が後者によって摂取された場合には、他の動物に移動する。さらに、水銀は、摂取したホストの体から排出されることはない。食物連鎖の中で、最も長寿命な、及び/又は多量の他の動物を補食するより大きな捕食者が、最も過剰な水銀蓄積を負う危険が高い。水銀を含む動物(特に魚)を食べる人間は、神経系疾患及び/又は生殖上の問題を含む、広範囲のよく知られた医学上の問題にさらされる。

水銀排出物には主に以下の三種類がある。人為的放出、再放出、及び天然放出。人為的放出は、その多くが産業活動の産物である。人為的放出源は、工業用石炭燃焼プラント、天然ガス燃焼設備、セメント生産プラント石油精製設備塩素アルカリ工業、塩化ビニル工業、採掘事業及び精錬事業などである。再放出は、土に堆積した水銀が、洪水または森林火災によって再びまき散らされた場合に生じる。土に吸収された、及び/又は土に堆積した水銀は、雨水による流出及び/又は洪水により、再び水に放出される。土の浸食がこの問題に寄与する。自然発生放火故意森林破壊のための火災のいずれかを問わず、森林火災により、水銀が空気及び/又は水源に再放出され、他の場所に堆積する。天然放出は、火山及び地熱口(geothermal vents)を含む。大気に放出される全水銀のおよそ半分は、火山及び地熱口などの天然の事象からのものであると推定される。

上述のように、石炭燃焼プラントにより、毎年、大量の水銀その他の汚染物質が環境中に放出される。したがって、石炭燃焼プラントにより発生する燃焼排ガス排出物中の有害汚染物質の量を低減させる数多くの努力が現在行われている。アメリカ国内の多くの石炭燃焼プラントには、水銀などの有害元素を捕捉し、封止し、及び/又は再生する排出物制御システムが設けられる。石炭燃焼プラントにおいては、石炭が水を沸かし、水を蒸気に変え、発電機を駆動するために燃やされる。石炭燃焼による燃焼排ガス排出物は、しばしば導管システムを通って流体気体脱ユニット(fluid gas desulfurization unit)及び/又は噴射乾燥機システムに送られ、燃焼排ガスからある程度の排出物と、二酸化硫黄(SO2)及び塩化水素(HCl)等の有害ガスが除去される。その後、通常の導管システムにより、燃焼排ガスの流れが湿式/乾式気体洗浄装置に送られ、ここでより多くの二酸化硫黄、塩化水素及びフライアッシュが除去される。燃焼排ガス流は、バグハウスを通り、家庭用掃除機用袋と同じように、燃焼排ガス中空気流から粒子が分離される。燃焼排ガスは、空気流を通すが、空気流中で移動する、より大きな粒子を通さない空隙率を有するフィルタ状袋を通過する。このフィルタ袋の表面を揺さぶり、及び/又は洗浄することで、捕集された粒子を収集し、廃棄可能となるようにする。一般に、これらの堆積物はそれ自体として有害排出物であり、廃棄されなくてはならない。この種の排出物制御システムを通過した燃焼排ガスの残りは、高い煙突を通り、大気に放出される。

この種の排出物制御システムの問題点は、これが金属蒸気及び蒸気状の金属化合物中に含まれる水銀などの重金属を捕捉及び/又は収集するのには実際上有効ではないということである。石炭燃焼システムが比較的高い略華氏1500℃で石炭を燃やすことから、水銀はナノサイズの粒子に変わり、最も有効なフィルタシステムをも通過可能である。結果として、空気によって運ばれる大量の水銀及びその他の有害汚染物質が大気に放出されることになる。

水銀を石炭燃焼システム及び/又はその他の排出源から捕捉・収集するため、この課題に対応するいくつかの公知のシステムが開発されている。これらは三つのカテゴリーの一つに該当する。

第一のカテゴリーは、燃焼排ガス流中吸着剤を噴射することで水銀を捕捉する一群の方法及び/又はシステムである。貴金属の他、最も一般的な吸着剤材料活性炭及び/又はバイオ炭である。活性炭はしばしば臭素によってハロゲン化される。バイオ炭は、炭素に富んだ木炭である。燃焼排ガス中に吸着剤を噴射することで、以下の通常型排出物制御装置の一つ及び/又は組み合わせの中での汚染物質の捕捉が促進される。静電式集塵装置流動式気体脱硫システム(fluidized gas desulfurization system)、洗浄機システム、又は繊維フィルタシステム。これらのシステムには、石炭燃焼後に排出物制御システムの様々なポイントで活性炭を噴射することを必要とするいくつかのヴァリエーションがある。第一のカテゴリーの例示的方法及び/又はシステムのいくつかは、アメリカ特許番号7,578,869、7,575,629、7,494,632、7,306,774、7,850,764、7,704,920、7,141,091、6,905,534、6,712,878、6,695,894、6,558,454、6,451,094、6,136,072、7,618,603、7,494,632、8,747,676、8,241,398、8,728,974、8,728,217、8,721,777、8,685,351、および8,029,600に開示される。

第二のカテゴリーは、石炭燃料中の水銀レベルを低減するため、燃焼前に石炭燃料に前処理を施す方法及び/又はシステム群である。この第二のカテゴリーの例示的方法及び/又はシステムのいくつかは、アメリカ特許番号7540384、7275644、8651282、8523963、8579999、8062410、及び7987613に記載される。これらの例示的特許に記載される全ての方法及び/又はシステムは、大量の使用不能な石炭を生じるが、これも有害廃棄物と考えられる。結果として、公知の解決方法の第二カテゴリーの方法及び/又はシステムは、非効率であり、実施するのには高価である。さらに、石炭の前処理には、しばしば大規模な資本物理的空間が必要であり、必要な設備を有する多くの既存の排出物制御システムを改変するのは実用的でない。

第三のカテゴリーは、活性炭噴射システム上流の排出物制御設備触媒を噴射する一群の方法及び/又はシステムである。これらの方法及び/又はシステム中の触媒は、水銀をイオン化して、燃焼排ガスから水銀を収集し除去するのを容易とする。しかし、このような方法及び/又はシステムの効率は低く、操業費用が高くなり、この公知の解決方法の第三カテゴリーの方法及び/又はシステムは費用効率が高くない。この第三カテゴリーの例は、アメリカ特許番号8480791、8241398、7753992、および7731781に記載される。これらの例に加え、アメリカ特許番号7214254は、マイクロ波流動床反応器とを用いて高価な吸着剤材料を再生する方法及び装置を開示する。この方法では、吸着剤から選択的に水銀を蒸発させ、この時点で水銀を特殊なフィルタで捕捉し、または濃縮して収集可能とする。電子レンジを利用することから、この方法は大規模な商用用途には実用的でなく、したがって、高価な吸着剤を再生するためだけに有用である。別の例がアメリカ特許出願番号2006/0120935に示され、この中ではいくつかの基板材料の一つを用いて、燃焼排ガスが排出物制御設備を通過する際に水銀に親和力を付与して燃焼排ガスから水銀を除去する方法が開示される。この方法も、大規模な商用用途には実用的でない。したがって、現行の排出物制御システム及び方法は、一般に有害汚染物質を気体排出物から非気体排出物に移動することによって動作し、これにより別の排出物管理問題を生じる。

数多くの法律及び規則が金属蒸気排出物に焦点を当てる一方、スラリー及び/又はスラリー状排出物、スラッジ及び/又はスラッジ状排出物、液体及び/又は液体状排出物、及び他の種類の排出物などの他形態の有害汚染物質を含む排出物も看過すべきではない。挙げられた全ての種類の排出物も、含まれる有害汚染物質を中和し、捕捉し、収集し、除去し、廃棄し、及び/又は適切に何らかの手段で封止可能とする処理を必要とする可能性がある。歴史的に、最も費用効率が高く、かつ最も広く用いられた有害汚染物質除去処理では、(何らかの形態の)活性炭が用いられ、この中を排出物が通過するものとされる。したがって、アメリカ国内での活性炭の需要は、毎年10億ポンドを超え、2017年まで毎年増大し、産業界に1から1.50ドル/ポンドを超える費用を生じることが予測される。これは、毎年略10億ドルに等しい。予測される活性炭需要増大の大部分は、公共事業及び製造業者に石炭燃焼プラントをより厳しい要件に従うよう更新することを要求するEPAが公布した規則の実施に影響されるものである。

より厳しくなる気体排出物規制に加え、EPAは、2016年までに完全に準拠されなくてはならない水質汚染防止法を通じて非気体排出物についてもより厳しい規制を加えている。全ての種類の排出物について強化された複合規制は、各種の異なる産業により生成される複数の種類の排出物を対象とするものである。電力事業者など、燃料を燃やして電力を発生させる事業者は、有害汚染物質を含む一次気体排出物を発生させる。工業規格に従って、これらの気体排出物は、十分な量の有害汚染物質を捕捉して気体排出物の汚染物質を許容限度以下にするために活性炭にさらされる。この燃料を燃やすことにより生じる気体排出物から有害汚染物質を除去する工程により、有害汚染物質を含む液体状又はスラリー状物質である二次非気体排出物が生じる。この二次非気体排出物中の有害汚染物質も捕捉され、及び/又は適切に封止されて、この有害汚染物質の環境中への放出を防止しなくてはならない。一次気体排出物及び二次非気体排出物の双方とも、環境基準遵守するため、十分な有害汚染物質を適切に捕捉し、及び/又は再生し、及び/又は封止するための手段を必要とする。二次非気体排出物から有害汚染物質を除去可能な公知の方法にかかる産業上のコストは、ほとんど法外なものであり、いくつかの産業では、コストを消費者に添加できなければ設備を閉鎖することを余儀なくされる。

いくつかの実務によれば、高いレベルの汚染物質を含有することから有害と考えられる非気体排出物は、池、山(piles)又は乾燥床中に長期間処分され収容される。このような実務では有害汚染物質が隔離される一方、高額な費用を要し、有害汚染物質それ自体を中和することなく土地消費することになり、結果として収容地において環境問題を引き起こす可能性がある。非気体排出物の一例はフライアッシュであり、これは石炭を燃やすことによる自然発生物である。フライアッシュは、組成としては火山灰と基本的に同一である。フライアッシュは、微量濃度(すなわち微量)の多種の重金属及びその他公知の有害及び有毒汚染物質(例えば、水銀、ベリリウムカドミウムバリウムクロム、銅、鉛、モリブデンニッケルラジウムセレントリウムウランバナジウム亜鉛)を含むある推計によれば、アメリカで燃やされる石炭の10%が、燃焼不能な材料からなり、これが灰となる。したがって、石炭灰中の有害微量元素の濃度は、元の石炭中のこれらの元素の濃度よりも10倍高い。

フライアッシュはポゾラン材料と考えられ、炭酸カルシウムと混合したとき、水とその他の化合物と凝集して、道路空港滑走路及び橋に適するコンクリート混合物を生成するセメント材料が形成されることから、コンクリートの製造時に長い間用いられてきた。石炭燃焼プラントで生成されるフライアッシュは、燃焼排ガスとともに上昇する超微粒子からなる煙道灰である。上昇しない灰は、しばしばボトムアッシュと呼ばれる。初期の石炭燃焼プラントでは、フライアッシュは単に大気中に放出されるのみであった。近年、環境規制により、排出物制御機構を設置してフライアッシュが大気に放出されるのを防止する必要が生じている。多くのプラントでは、静電式集塵装置を用いることで、フライアッシュが煙突に到達して大気に出て行く前にフライアッシュを捕捉する。通常、ボトムアッシュは捕捉されたフライアッシュと混合されて、石炭灰として知られるものを形成する。通常、フライアッシュはボトムアッシュよりも高いレベルの有害汚染物質を含み、これにより、ボトムアッシュとフライアッシュとを混合することで、非気体排出物の多くの基準に準拠した比例したレベルの有害汚染物質が生じることとなる。しかし、将来の基準では、フライアッシュが有害物質再定義される可能性がある。フライアッシュが有害物質と再定義された場合には、フライアッシュをセメント、アスファルトの製造及びその他の広く用いられる用途に用いることは出来なくなる。ある研究によれば、フライアッシュをコンクリート製造に用いることが禁止されれば、アメリカ単独で、1年あたり50億ドルを超えるコスト増大が見込まれる。このコスト増大は、フライアッシュに代えてより高価な別の材料を用いることの直接的結果である。加えて、その固有物理的特性のため、セメントの添加物としてのフライアッシュに直接置き換えられる適切な他の公知の物質はない。

報告書によれば、アメリカ国内で、毎年1億3000万トンを超えるフライアッシュが、450を超える石炭火力発電所において生じている。ある報告書では、フライアッシュの40%のみが再利用されるものと推定され、これは5200万トン/年のフライアッシュが再利用されるが、7800万トン/年がスラリー池及び山にそのまま貯留されることを示す。フライアッシュは、通常湿ったスラリー池の中に貯留されて、飛散粒子が空気に運ばれて、汚染物質が大量貯蔵地から出て大気又は周辺環境に運ばれるのを低減する。大量貯蔵フライアッシュが空気に運ばれて放出されるのに加え、フライアッシュを長期間収容するのに必要な収容システムに破損及び/又は故障が生じる恐れもある。テネシー州で2008年に起こった有名な破損の例では、湿った貯留フライアッシュ池の堤防崩壊し、540万立方ヤードのフライアッシュが溢れ出た。この溢れ出たフライアッシュは、いくつかの家を破壊し、付近の河を汚染した。洗浄コストは、本願出願時には未確定であり、12億ドルを超える可能性もある。

別の例として、非気体排出物が通常の石炭燃焼設備の排水発生システム副産物として見られることもある。通常の排水発生システムでは、ボイラー及び水冷却工程から大量の水がもたらされる。これらの大量の排水は、比較的低いレベルの汚染物質を含み、より高いレベルの汚染物質を含む他の排水流希釈するのに用いられる。通常洗浄装置から排出される汚染された排水流は、ボイラー及び/又は冷却水工程からの大量の排水によって希釈され、その後大型の連続混合槽中石灰によって処理されて石こうを形成し、その後、沈殿池に圧送される。この工程中、一定量の水銀及び他の重金属が石こうに取り込まれ、ウォールボード及びセメントに用いられるよう安定化される。この石こうは、一般に非浸出性と考えられ、汚染とは考えられない。しかし、沈殿池からの水は、通常排水溝に排出される。現行の規制では、この今も行われている排出が許容されるが、来るべき規制では、特定の汚染物質及び/又は特定のレベルのこれらの汚染物質が、有害な汚染とされなくてはならないことが提案される。

水銀と重金属とを非気体産業廃水流から除去することに関して、有害汚染物質を低い残留レベルとなるように低減するため、炭酸塩リン酸塩又は硫黄がしばしば用いられる。水銀と他の有害汚染物質とを産業排水流から除去する公知の方法の一つは、化学的沈殿反応である。別の公知の方法は、イオン交換を用いる。化学的沈殿反応とイオン交換法による主要な問題の一つは、汚染物質の量が多い場合(例えば、フライアッシュスラリー排出物を処理する場合)、これらの方法は、より厳しくなる非気体排出物についてのEPA規則に十分に準拠できないということである。

汚染された非気体排出物の別の排出源は、海洋船舶廃水及び/又はバラスト水の排出である。貨物船およびタンカーなどの商用船舶は、廃水及びバラスト水の双方を排出する。娯楽用クルージンも、での停泊中に処理すべき廃水を生じる。さらに、用および防衛用船舶も相当量の廃水を生じる。

別の多量の廃水が、海上掘削作業により生じる。海上掘削装置施設内での廃水処理は、廃水を上に搬送して処理するのに比べて非常に安価である。したがって、海への排出前に海上の廃水を効率的にろ過することが、適切かつ認容可能なエコロジー要件を維持するのに必要である。事実上全ての汚染排出物は、排出物中の汚染物質の種類及び/又は濃度において異なる。したがって、全ての考えられる汚染排出物のために最適化された適切な吸着剤について、汎用的な(one−size−fits−all)アプローチは不可能である。排出物中に含まれる具体的な汚染物質に基づき有効な排出物制御を最適化するための、ある用途に特有な吸着剤ソリューションを考える必要がある。使用中に、排出物中に含まれる汚染物質のレベル及び/又は種類の変化に対応して用いられる吸着剤(sorbent application)を調整可能とすることも必要となる。

二次非気体排出物を処理するため、異なる商品名で販売される各種の公知の商業排出物制御方法及びシステムもある。商品名Blue PROとして知られる処理方法は、共沈及び吸着を利用して二次非気体排出物から水銀を除去する反応濾過方法である。商品名MERSORB−LWとして知られる別の処理方法では、粉末状石炭系吸着剤を用いて共沈殿及び吸着によって二次非気体排出物から水銀を除去する。Chloralkali Electrolysis Wastewaterとして知られる別の処理方法では、塩素を電解生成する際に二次非気体排出物から水銀を除去する。別の処理方法では、吸収動態肥料排水に由来する活性炭とを用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。別の処理方法では、ポリエチレンイミンによって改質された多孔質セルロース単体を吸着剤として用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。別の処理方法では、酵素還元中に微生物を用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。商品名MerCURxEとして知られるさらに別の処理方法では、化学的沈殿反応を用いて、汚染された液体状非気体排出物を処理する。

いくつかの排出物制御システムにおいて見られる処理方法は、汚染物質を排出物から除去する代わりに希釈することである。結果として、排出物中の汚染物質のPPMレベルが許容可能レベルを超えた場合、この汚染物質を除去してレベルを低下させるよりも、追加の非汚染物質が排出物に添加され、認容される汚染物質の実際の量は変わらないままであるものの、得られるPPMレベルを認容可能なレベルに低下させる。汚染物質のPPMレベルを低下させるのみならず、排出物から汚染物質を除去する有効な排出物制御方法を提供することでこの希釈実務を克服することが切望される。

概要

排出物から汚染物質を除去する、有効な排出物制御方法の提供。炭素系吸着剤を洗浄、調整、及び/又は再生するシステム及び方法が開示され、化学的洗浄プロセスが吸着剤から汚染物質を分離するのに用いられる。汚染物質は、廃棄、または工業用にリサイクル可能である。洗浄及び/又は再生された炭素系吸着剤は、リサイクルされて逆ベンチュリ型流動床装置内に戻され、後で用いられる。消耗した炭素系吸着剤は、送り出されて適切に廃棄可能である。炭素系吸着剤は活性炭吸着剤及びバイオ炭吸着剤を含むが、これらに限られない。吸着剤をシステム中で汚染された排出物に曝される前に処理して、吸着剤の外表面の多孔性を向上及び増加させても良い。A

目的

したがって、産業の過程で発生する排出物中の水銀及びその他の有害汚染物質は、地球的規模で解決する努力を要する地球的規模の意味を有する地球的課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

排出物から汚染物質を除去する流動床装置を備える排出物制御システムであって、逆ベンチュリ形状を有し、前記排出物が所定の入口流速で流入する入口部と、前記排出物を所定の出口流速で排出する出口部と、前記入口部と前記出口部との間に配置され前記排出物中の前記汚染物質を捕捉する拡径部とを備える筐体を備え、前記筐体の前記入口部、前記出口部、および前記拡径部は、互いに流体を介して連通し、反応物質塊が前記筐体の前記拡径部内に配置され、前記反応物質塊は、前記排出物と接触するよう配置される反応外表面を有し、炭素系吸着剤を含有し、前記流動床装置の前記筐体と流体を介して連通して配置される少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムを有し、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記炭素系吸着剤が前記排出物に曝された後に、前記汚染物質を前記炭素系吸着剤から分離する溶媒を含むことを特徴とする排出物制御システム。

請求項2

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記流動床装置の前記筐体の内部にあることを特徴とする排出物制御システム。

請求項3

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記流動床装置の前記筐体の外部にあることを特徴とする排出物制御システム。

請求項4

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、汚染された吸着剤が前記流動床装置の前記筐体から流入する流入ポートと、洗浄及び再生ステーションと、吸着剤廃棄ステーションと、汚染物質廃棄ステーションと、大量再充填ステーションと、洗浄された吸着剤を前記流動床装置の前記筐体に戻す戻りポートとを備えることを特徴とする排出物制御システム。

請求項5

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記溶媒は、メチルエチルケトン塩化メチレン、及びメタノールの少なくともいずれかを含むことを特徴とする排出物制御システム。

請求項6

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記溶媒を、125℃から145℃の最適有効温度範囲内の温度に加熱可能であることを特徴とする排出物制御システム。

請求項7

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記溶媒を、常温より少なくとも5℃高い温度から210℃以下の温度に加熱可能であることを特徴とする排出物制御システム。

請求項8

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記炭素系吸着剤をリンスして前記炭素系吸着剤を汚染物質を含む前記溶媒から分離する水を含むことを特徴とする排出物制御システム。

請求項9

請求項8に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記水を63℃から83℃の最適有効温度範囲内の温度に加熱可能であることを特徴とする排出物制御システム。

請求項10

請求項8に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、常温より少なくとも5℃高く98℃以下の温度に前記水を加熱可能であることを特徴とする排出物制御システム。

請求項11

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、炉燃焼ステーションを備えないことを特徴とする排出物制御システム。

請求項12

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムは、前記炭素系吸着剤の洗浄及び再生中二酸化炭素を排出しないことを特徴とする排出物制御システム。

請求項13

請求項1に記載の排出物制御システムにおいて、前記炭素系吸着剤は、活性炭及びバイオ炭の少なくともいずれかを含むことを特徴とする排出物制御システム。

請求項14

排出物から汚染物質を除去する流動床装置を備える排出物制御システムであって、逆ベンチュリ形状を有し、前記排出物が所定の入口流速で流入する入口部と、前記排出物を所定の出口流速で排出する出口部と、前記入口部と前記出口部との間に配置され前記排出物中の前記汚染物質を捕捉する拡径部とを備える筐体を備え、前記筐体の前記入口部、前記出口部、および前記拡径部は、互いに流体を介して連通し、反応物質塊が前記筐体の前記拡径部内に配置され、前記反応物質塊は、前記排出物と接触するよう配置される反応外表面を有し、炭素系吸着剤を含有し、前記炭素系吸着剤が前記排出物に曝される前に前記炭素系吸着剤を処理する溶媒を含む少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムを備えることを特徴とする排出物制御システム。

請求項15

請求項14に記載の排出物制御システムにおいて、前記溶媒は、前記炭素系吸着剤と化学的相互作用し、前記反応物質塊の前記反応外表面の多孔性を向上させることを特徴とする排出物制御システム。

請求項16

排出物から汚染物質を除去する排出物制御方法であって、プレフィルタ吸着剤を収容する少なくとも一つのプレフィルタを通して前記排出物を送り、前記排出物を、前記少なくとも一つのプレフィルタから離れる方向に、前記排出物に含まれる前記汚染物質と化学的に結合する反応物質を含む逆ベンチュリ型流動床装置を有する処理システム内に送り、前記逆ベンチュリ型流動床装置内で炭素系吸着剤を前記反応物質として選択し、前記逆ベンチュリ型流動床装置内に収容された前記反応物質内に前記汚染物質を捕捉し、前記炭素系吸着剤を洗浄及び調整する溶媒を含む少なくとも一つの吸着剤処理サブシステムを通して前記炭素系吸着剤を送ることを特徴とする排出物制御方法。

請求項17

請求項16に記載の方法であって、さらに前記吸着剤処理サブシステム内の前記溶媒を加熱し、加熱された前記溶媒を前記炭素系吸着剤上に噴射して前記炭素系吸着剤を洗浄及び調整することを特徴とする方法。

請求項18

請求項17に記載の方法において、前記溶媒は、125℃から145℃の最適有効温度範囲内の温度に加熱されることを特徴とする方法。

請求項19

請求項17に記載の方法において、前記溶媒は、常温より少なくとも5℃高くかつ210℃以下の温度に加熱されることを特徴とする方法。

請求項20

請求項17に記載の方法であって、さらに加熱された前記溶媒を、少なくとも45分間、前記吸着剤処理サブシステム内で再循環させることを特徴とする方法。

請求項21

請求項16に記載の方法であって、さらに前記炭素系吸着剤を前記吸着剤処理サブシステム内で水によりリンスして前記炭素系吸着剤を洗浄することを特徴とする方法。

請求項22

請求項21に記載の方法であって、さらに前記水を、前記吸着剤処理サブシステム内で、63℃から83℃の最適有効温度範囲内の温度に加熱することを特徴とする方法。

請求項23

請求項21に記載の方法であって、さらに前記水を、前記吸着剤処理サブシステム内で常温より少なくとも5℃高くかつ98℃以下の温度に加熱することを特徴とする方法。

請求項24

請求項16に記載のサブシステムであって、さらに洗浄された炭素系吸着剤を消耗した炭素系吸着剤から分離し、前記消耗した炭素系吸着剤を廃棄し、前記洗浄された吸着剤を前記逆ベンチュリ型流動床装置に戻すことを特徴とするサブシステム。

請求項25

請求項24に記載の方法であって、さらに前記消耗した炭素系吸着剤を新たな炭素系吸着剤と交換し、前記新たな炭素系吸着剤を前記逆ベンチュリ型流動床装置に送ることを特徴とする方法。

請求項26

請求項16に記載のサブシステムであって、さらに蒸留プロセスにより前記汚染物質を前記溶媒から分離し、前記溶媒をリサイクルすることを特徴とするサブシステム。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2014年7月25日出願のアメリカ仮出願番号62/029,044および2015年3月16日出願のアメリカ仮出願番号62/133,791の優先権を主張する2015年7月24日出願のアメリカ特許出願番号14/808,563の一部継続出願である、2017年5月26日出願のアメリカ特許出願番号15/606,704の一部継続出願である。上記出願の開示事項全体が本明細書中に援用される。

0002

本願開示は、広く産業排出物制御システム及び方法、及びこのようなシステムに用いられる装置、及び気体及び非気体排出物から汚染物質を除去する方法に関する。

背景技術

0003

セクションは、必ずしも先行する技術ではない本願開示事項に関連する背景技術情報を提示するものである。

0004

数多くの経済部門産業は、一種類以上の排出物を出す。このような排出物は、一方は気体状、他方は非気体状である二つの基本的なグループに分割可能である。気体グループ中の排出物と非気体グループの排出物とは、しばしば有害汚染物質を含む。気体グループ中の排出物は、石炭燃焼プラント又は天然ガス燃焼設備によって発生する排気ガスであっても良い。非気体グループ中の排出物は、液体状、スラッジ状またはスラリー状物質であっても良い。排出物中の有害汚染物質のレベル許容可限度に達し、及び/又は許容可能限度を超える場合、この汚染物質を中和し、捕捉し、収集し、除去し、廃棄し、及び/又は何らかの手段で適切に封止しなくてはならない。

0005

多くの産業は、それぞれの方法のいくつかの側面を達成するための手段として燃料燃焼することに依拠する。例えば、第一の例として、製鋼所では、金属成形、押し出しおよびその他金属鋳造工程中で、金属を燃やし及び/又は溶解する。この金属産業内で用いられる方法は、粉末金属蒸気及びイオン化金属として放出する操作を含む。環境、植物、動物及び/又は人間に対する有害汚染物質が金属蒸気を介して空気中に放出される。程度の差はあっても、この金属蒸気及び/又は金属蒸気化合物中の有害汚染物質は、収集して、適切に廃棄しなくてはならない。第二の例として、金、銀及び白金等の貴金属採掘業では、重金属汚染物質を含む金属、金属蒸気排出物、及び粉末をも発生させるが、これらは捕捉、収集し、適切に廃棄されなければ有害であると考えられる。第三の例として、天然ガスを燃焼させる産業では、高いレベルの汚染物質をしばしば含む排出物が発生するが、これらは捕捉、収集し、適切に廃棄されなければ有害であると考えられる。第四の例として、発電機を回転させるボイラー蒸気を発生させる燃焼可能な消耗品として石炭を用いるエネルギー生産者は、環境、植物、動物及び人間に対して危険と考えられる金属蒸気及び金属化合物を含む排出物を相当な量発生させる。他の有害汚染物質中、金属蒸気排出物は、しばしば水銀(Hg)を含む。

0006

地球規模ジェット気流パターンのため、空中の金属蒸気排出物は、一つの国から運ばれて、他の国に堆積する可能性がある。例えば、中国及び/又はインドで発生した水銀排出物の多くが、実際にアメリカ及び/又はその間の海水中に堆積することとなる可能性がある。同様に、アメリカで発生した水銀を含む排出物の多くが、実際にヨーロッパ及び/又はその間の海中に堆積する可能性がある。この循環を完全なものとする形で、ヨーロッパで発生した水銀を含む排出物は、実際に中国及び/又はインドに堆積する可能性がある。したがって、産業の過程で発生する排出物中の水銀及びその他の有害汚染物質は、地球的規模で解決する努力を要する地球的規模の意味を有する地球的課題である。

0007

このような排出物を発生させるものに対し、国内及び国際規制規則、制限、手数料監視、及び多くの、改訂中の、より厳しい内容の法律が提案され、及び/又は実施される。例えば、金属蒸気排出物中で最も有害かつ規制対象とされる汚染物質の一つが水銀である。人間による産業過程により、水銀の蓄積及び/又は水銀沈殿物が、天然に存在するレベルを遙かに超えて増加している。地球レベルで見ると、人間の活動により放出された水銀の総量は、1年あたり1960メートルトンであると推定される。この数字は、2010年に分析されたデータから算出されたものである。全世界的に見たとき、この特定種類の排出物に最も大きく寄与しているのは、石炭燃焼(24%)及び金採掘(37%)活動である。アメリカでは、石炭燃焼が、金採掘活動よりも高い排出物割合を占める。

0008

動物及び人間にとって、水銀にさらされることによる主要な問題は、水銀が生体蓄積物質であるということである。したがって、又はその他の動物によって摂取された任意の量の水銀は当該動物中に残留し(すなわち蓄積し)、人間に、または前者が後者によって摂取された場合には、他の動物に移動する。さらに、水銀は、摂取したホストの体から排出されることはない。食物連鎖の中で、最も長寿命な、及び/又は多量の他の動物を補食するより大きな捕食者が、最も過剰な水銀蓄積を負う危険が高い。水銀を含む動物(特に魚)を食べる人間は、神経系疾患及び/又は生殖上の問題を含む、広範囲のよく知られた医学上の問題にさらされる。

0009

水銀排出物には主に以下の三種類がある。人為的放出、再放出、及び天然放出。人為的放出は、その多くが産業活動の産物である。人為的放出源は、工業用石炭燃焼プラント、天然ガス燃焼設備、セメント生産プラント石油精製設備塩素アルカリ工業、塩化ビニル工業、採掘事業及び精錬事業などである。再放出は、土に堆積した水銀が、洪水または森林火災によって再びまき散らされた場合に生じる。土に吸収された、及び/又は土に堆積した水銀は、雨水による流出及び/又は洪水により、再び水に放出される。土の浸食がこの問題に寄与する。自然発生放火故意森林破壊のための火災のいずれかを問わず、森林火災により、水銀が空気及び/又は水源に再放出され、他の場所に堆積する。天然放出は、火山及び地熱口(geothermal vents)を含む。大気に放出される全水銀のおよそ半分は、火山及び地熱口などの天然の事象からのものであると推定される。

0010

上述のように、石炭燃焼プラントにより、毎年、大量の水銀その他の汚染物質が環境中に放出される。したがって、石炭燃焼プラントにより発生する燃焼排ガス排出物中の有害汚染物質の量を低減させる数多くの努力が現在行われている。アメリカ国内の多くの石炭燃焼プラントには、水銀などの有害元素を捕捉し、封止し、及び/又は再生する排出物制御システムが設けられる。石炭燃焼プラントにおいては、石炭が水を沸かし、水を蒸気に変え、発電機を駆動するために燃やされる。石炭燃焼による燃焼排ガス排出物は、しばしば導管システムを通って流体気体脱ユニット(fluid gas desulfurization unit)及び/又は噴射乾燥機システムに送られ、燃焼排ガスからある程度の排出物と、二酸化硫黄(SO2)及び塩化水素(HCl)等の有害ガスが除去される。その後、通常の導管システムにより、燃焼排ガスの流れが湿式/乾式気体洗浄装置に送られ、ここでより多くの二酸化硫黄、塩化水素及びフライアッシュが除去される。燃焼排ガス流は、バグハウスを通り、家庭用掃除機用袋と同じように、燃焼排ガス中空気流から粒子が分離される。燃焼排ガスは、空気流を通すが、空気流中で移動する、より大きな粒子を通さない空隙率を有するフィルタ状袋を通過する。このフィルタ袋の表面を揺さぶり、及び/又は洗浄することで、捕集された粒子を収集し、廃棄可能となるようにする。一般に、これらの堆積物はそれ自体として有害排出物であり、廃棄されなくてはならない。この種の排出物制御システムを通過した燃焼排ガスの残りは、高い煙突を通り、大気に放出される。

0011

この種の排出物制御システムの問題点は、これが金属蒸気及び蒸気状の金属化合物中に含まれる水銀などの重金属を捕捉及び/又は収集するのには実際上有効ではないということである。石炭燃焼システムが比較的高い略華氏1500℃で石炭を燃やすことから、水銀はナノサイズの粒子に変わり、最も有効なフィルタシステムをも通過可能である。結果として、空気によって運ばれる大量の水銀及びその他の有害汚染物質が大気に放出されることになる。

0012

水銀を石炭燃焼システム及び/又はその他の排出源から捕捉・収集するため、この課題に対応するいくつかの公知のシステムが開発されている。これらは三つのカテゴリーの一つに該当する。

0013

第一のカテゴリーは、燃焼排ガス流中吸着剤を噴射することで水銀を捕捉する一群の方法及び/又はシステムである。貴金属の他、最も一般的な吸着剤材料活性炭及び/又はバイオ炭である。活性炭はしばしば臭素によってハロゲン化される。バイオ炭は、炭素に富んだ木炭である。燃焼排ガス中に吸着剤を噴射することで、以下の通常型排出物制御装置の一つ及び/又は組み合わせの中での汚染物質の捕捉が促進される。静電式集塵装置流動式気体脱硫システム(fluidized gas desulfurization system)、洗浄機システム、又は繊維フィルタシステム。これらのシステムには、石炭燃焼後に排出物制御システムの様々なポイントで活性炭を噴射することを必要とするいくつかのヴァリエーションがある。第一のカテゴリーの例示的方法及び/又はシステムのいくつかは、アメリカ特許番号7,578,869、7,575,629、7,494,632、7,306,774、7,850,764、7,704,920、7,141,091、6,905,534、6,712,878、6,695,894、6,558,454、6,451,094、6,136,072、7,618,603、7,494,632、8,747,676、8,241,398、8,728,974、8,728,217、8,721,777、8,685,351、および8,029,600に開示される。

0014

第二のカテゴリーは、石炭燃料中の水銀レベルを低減するため、燃焼前に石炭燃料に前処理を施す方法及び/又はシステム群である。この第二のカテゴリーの例示的方法及び/又はシステムのいくつかは、アメリカ特許番号7540384、7275644、8651282、8523963、8579999、8062410、及び7987613に記載される。これらの例示的特許に記載される全ての方法及び/又はシステムは、大量の使用不能な石炭を生じるが、これも有害廃棄物と考えられる。結果として、公知の解決方法の第二カテゴリーの方法及び/又はシステムは、非効率であり、実施するのには高価である。さらに、石炭の前処理には、しばしば大規模な資本物理的空間が必要であり、必要な設備を有する多くの既存の排出物制御システムを改変するのは実用的でない。

0015

第三のカテゴリーは、活性炭噴射システム上流の排出物制御設備触媒を噴射する一群の方法及び/又はシステムである。これらの方法及び/又はシステム中の触媒は、水銀をイオン化して、燃焼排ガスから水銀を収集し除去するのを容易とする。しかし、このような方法及び/又はシステムの効率は低く、操業費用が高くなり、この公知の解決方法の第三カテゴリーの方法及び/又はシステムは費用効率が高くない。この第三カテゴリーの例は、アメリカ特許番号8480791、8241398、7753992、および7731781に記載される。これらの例に加え、アメリカ特許番号7214254は、マイクロ波流動床反応器とを用いて高価な吸着剤材料を再生する方法及び装置を開示する。この方法では、吸着剤から選択的に水銀を蒸発させ、この時点で水銀を特殊なフィルタで捕捉し、または濃縮して収集可能とする。電子レンジを利用することから、この方法は大規模な商用用途には実用的でなく、したがって、高価な吸着剤を再生するためだけに有用である。別の例がアメリカ特許出願番号2006/0120935に示され、この中ではいくつかの基板材料の一つを用いて、燃焼排ガスが排出物制御設備を通過する際に水銀に親和力を付与して燃焼排ガスから水銀を除去する方法が開示される。この方法も、大規模な商用用途には実用的でない。したがって、現行の排出物制御システム及び方法は、一般に有害汚染物質を気体排出物から非気体排出物に移動することによって動作し、これにより別の排出物管理問題を生じる。

0016

数多くの法律及び規則が金属蒸気排出物に焦点を当てる一方、スラリー及び/又はスラリー状排出物、スラッジ及び/又はスラッジ状排出物、液体及び/又は液体状排出物、及び他の種類の排出物などの他形態の有害汚染物質を含む排出物も看過すべきではない。挙げられた全ての種類の排出物も、含まれる有害汚染物質を中和し、捕捉し、収集し、除去し、廃棄し、及び/又は適切に何らかの手段で封止可能とする処理を必要とする可能性がある。歴史的に、最も費用効率が高く、かつ最も広く用いられた有害汚染物質除去処理では、(何らかの形態の)活性炭が用いられ、この中を排出物が通過するものとされる。したがって、アメリカ国内での活性炭の需要は、毎年10億ポンドを超え、2017年まで毎年増大し、産業界に1から1.50ドル/ポンドを超える費用を生じることが予測される。これは、毎年略10億ドルに等しい。予測される活性炭需要増大の大部分は、公共事業及び製造業者に石炭燃焼プラントをより厳しい要件に従うよう更新することを要求するEPAが公布した規則の実施に影響されるものである。

0017

より厳しくなる気体排出物規制に加え、EPAは、2016年までに完全に準拠されなくてはならない水質汚染防止法を通じて非気体排出物についてもより厳しい規制を加えている。全ての種類の排出物について強化された複合規制は、各種の異なる産業により生成される複数の種類の排出物を対象とするものである。電力事業者など、燃料を燃やして電力を発生させる事業者は、有害汚染物質を含む一次気体排出物を発生させる。工業規格に従って、これらの気体排出物は、十分な量の有害汚染物質を捕捉して気体排出物の汚染物質を許容限度以下にするために活性炭にさらされる。この燃料を燃やすことにより生じる気体排出物から有害汚染物質を除去する工程により、有害汚染物質を含む液体状又はスラリー状物質である二次非気体排出物が生じる。この二次非気体排出物中の有害汚染物質も捕捉され、及び/又は適切に封止されて、この有害汚染物質の環境中への放出を防止しなくてはならない。一次気体排出物及び二次非気体排出物の双方とも、環境基準遵守するため、十分な有害汚染物質を適切に捕捉し、及び/又は再生し、及び/又は封止するための手段を必要とする。二次非気体排出物から有害汚染物質を除去可能な公知の方法にかかる産業上のコストは、ほとんど法外なものであり、いくつかの産業では、コストを消費者に添加できなければ設備を閉鎖することを余儀なくされる。

0018

いくつかの実務によれば、高いレベルの汚染物質を含有することから有害と考えられる非気体排出物は、池、山(piles)又は乾燥床中に長期間処分され収容される。このような実務では有害汚染物質が隔離される一方、高額な費用を要し、有害汚染物質それ自体を中和することなく土地消費することになり、結果として収容地において環境問題を引き起こす可能性がある。非気体排出物の一例はフライアッシュであり、これは石炭を燃やすことによる自然発生物である。フライアッシュは、組成としては火山灰と基本的に同一である。フライアッシュは、微量濃度(すなわち微量)の多種の重金属及びその他公知の有害及び有毒汚染物質(例えば、水銀、ベリリウムカドミウムバリウムクロム、銅、鉛、モリブデンニッケルラジウムセレントリウムウランバナジウム亜鉛)を含むある推計によれば、アメリカで燃やされる石炭の10%が、燃焼不能な材料からなり、これが灰となる。したがって、石炭灰中の有害微量元素の濃度は、元の石炭中のこれらの元素の濃度よりも10倍高い。

0019

フライアッシュはポゾラン材料と考えられ、炭酸カルシウムと混合したとき、水とその他の化合物と凝集して、道路空港滑走路及び橋に適するコンクリート混合物を生成するセメント材料が形成されることから、コンクリートの製造時に長い間用いられてきた。石炭燃焼プラントで生成されるフライアッシュは、燃焼排ガスとともに上昇する超微粒子からなる煙道灰である。上昇しない灰は、しばしばボトムアッシュと呼ばれる。初期の石炭燃焼プラントでは、フライアッシュは単に大気中に放出されるのみであった。近年、環境規制により、排出物制御機構を設置してフライアッシュが大気に放出されるのを防止する必要が生じている。多くのプラントでは、静電式集塵装置を用いることで、フライアッシュが煙突に到達して大気に出て行く前にフライアッシュを捕捉する。通常、ボトムアッシュは捕捉されたフライアッシュと混合されて、石炭灰として知られるものを形成する。通常、フライアッシュはボトムアッシュよりも高いレベルの有害汚染物質を含み、これにより、ボトムアッシュとフライアッシュとを混合することで、非気体排出物の多くの基準に準拠した比例したレベルの有害汚染物質が生じることとなる。しかし、将来の基準では、フライアッシュが有害物質再定義される可能性がある。フライアッシュが有害物質と再定義された場合には、フライアッシュをセメント、アスファルトの製造及びその他の広く用いられる用途に用いることは出来なくなる。ある研究によれば、フライアッシュをコンクリート製造に用いることが禁止されれば、アメリカ単独で、1年あたり50億ドルを超えるコスト増大が見込まれる。このコスト増大は、フライアッシュに代えてより高価な別の材料を用いることの直接的結果である。加えて、その固有物理的特性のため、セメントの添加物としてのフライアッシュに直接置き換えられる適切な他の公知の物質はない。

0020

報告書によれば、アメリカ国内で、毎年1億3000万トンを超えるフライアッシュが、450を超える石炭火力発電所において生じている。ある報告書では、フライアッシュの40%のみが再利用されるものと推定され、これは5200万トン/年のフライアッシュが再利用されるが、7800万トン/年がスラリー池及び山にそのまま貯留されることを示す。フライアッシュは、通常湿ったスラリー池の中に貯留されて、飛散粒子が空気に運ばれて、汚染物質が大量貯蔵地から出て大気又は周辺環境に運ばれるのを低減する。大量貯蔵フライアッシュが空気に運ばれて放出されるのに加え、フライアッシュを長期間収容するのに必要な収容システムに破損及び/又は故障が生じる恐れもある。テネシー州で2008年に起こった有名な破損の例では、湿った貯留フライアッシュ池の堤防崩壊し、540万立方ヤードのフライアッシュが溢れ出た。この溢れ出たフライアッシュは、いくつかの家を破壊し、付近の河を汚染した。洗浄コストは、本願出願時には未確定であり、12億ドルを超える可能性もある。

0021

別の例として、非気体排出物が通常の石炭燃焼設備の排水発生システム副産物として見られることもある。通常の排水発生システムでは、ボイラー及び水冷却工程から大量の水がもたらされる。これらの大量の排水は、比較的低いレベルの汚染物質を含み、より高いレベルの汚染物質を含む他の排水流希釈するのに用いられる。通常洗浄装置から排出される汚染された排水流は、ボイラー及び/又は冷却水工程からの大量の排水によって希釈され、その後大型の連続混合槽中石灰によって処理されて石こうを形成し、その後、沈殿池に圧送される。この工程中、一定量の水銀及び他の重金属が石こうに取り込まれ、ウォールボード及びセメントに用いられるよう安定化される。この石こうは、一般に非浸出性と考えられ、汚染とは考えられない。しかし、沈殿池からの水は、通常排水溝に排出される。現行の規制では、この今も行われている排出が許容されるが、来るべき規制では、特定の汚染物質及び/又は特定のレベルのこれらの汚染物質が、有害な汚染とされなくてはならないことが提案される。

0022

水銀と重金属とを非気体産業廃水流から除去することに関して、有害汚染物質を低い残留レベルとなるように低減するため、炭酸塩リン酸塩又は硫黄がしばしば用いられる。水銀と他の有害汚染物質とを産業排水流から除去する公知の方法の一つは、化学的沈殿反応である。別の公知の方法は、イオン交換を用いる。化学的沈殿反応とイオン交換法による主要な問題の一つは、汚染物質の量が多い場合(例えば、フライアッシュスラリー排出物を処理する場合)、これらの方法は、より厳しくなる非気体排出物についてのEPA規則に十分に準拠できないということである。

0023

汚染された非気体排出物の別の排出源は、海洋船舶廃水及び/又はバラスト水の排出である。貨物船およびタンカーなどの商用船舶は、廃水及びバラスト水の双方を排出する。娯楽用クルージンも、での停泊中に処理すべき廃水を生じる。さらに、用および防衛用船舶も相当量の廃水を生じる。

0024

別の多量の廃水が、海上掘削作業により生じる。海上掘削装置施設内での廃水処理は、廃水を上に搬送して処理するのに比べて非常に安価である。したがって、海への排出前に海上の廃水を効率的にろ過することが、適切かつ認容可能なエコロジー要件を維持するのに必要である。事実上全ての汚染排出物は、排出物中の汚染物質の種類及び/又は濃度において異なる。したがって、全ての考えられる汚染排出物のために最適化された適切な吸着剤について、汎用的な(one−size−fits−all)アプローチは不可能である。排出物中に含まれる具体的な汚染物質に基づき有効な排出物制御を最適化するための、ある用途に特有な吸着剤ソリューションを考える必要がある。使用中に、排出物中に含まれる汚染物質のレベル及び/又は種類の変化に対応して用いられる吸着剤(sorbent application)を調整可能とすることも必要となる。

0025

二次非気体排出物を処理するため、異なる商品名で販売される各種の公知の商業排出物制御方法及びシステムもある。商品名Blue PROとして知られる処理方法は、共沈及び吸着を利用して二次非気体排出物から水銀を除去する反応濾過方法である。商品名MERSORB−LWとして知られる別の処理方法では、粉末状石炭系吸着剤を用いて共沈殿及び吸着によって二次非気体排出物から水銀を除去する。Chloralkali Electrolysis Wastewaterとして知られる別の処理方法では、塩素を電解生成する際に二次非気体排出物から水銀を除去する。別の処理方法では、吸収動態肥料排水に由来する活性炭とを用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。別の処理方法では、ポリエチレンイミンによって改質された多孔質セルロース単体を吸着剤として用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。別の処理方法では、酵素還元中に微生物を用いて水銀を二次非気体排出物から除去する。商品名MerCURxEとして知られるさらに別の処理方法では、化学的沈殿反応を用いて、汚染された液体状非気体排出物を処理する。

0026

いくつかの排出物制御システムにおいて見られる処理方法は、汚染物質を排出物から除去する代わりに希釈することである。結果として、排出物中の汚染物質のPPMレベルが許容可能レベルを超えた場合、この汚染物質を除去してレベルを低下させるよりも、追加の非汚染物質が排出物に添加され、認容される汚染物質の実際の量は変わらないままであるものの、得られるPPMレベルを認容可能なレベルに低下させる。汚染物質のPPMレベルを低下させるのみならず、排出物から汚染物質を除去する有効な排出物制御方法を提供することでこの希釈実務を克服することが切望される。

0027

本セクションは、開示事項の概括的要約を示すものであり、その全体の範囲ないし全ての特徴を包括的に開示するものではない。

0028

本願開示の一側面において、排出物から汚染物質を除去する装置が開示される。この装置は、逆ベンチュリ形状の筐体を備える。この筐体は、排出物が所定の入口流速で流入する入口部と、排出物を所定の出口流速で排出する出口部と、筐体の入口部と出口部との間に配置され排出物中の汚染物質を捕捉する拡径部とを備える。筐体の入口部、出口部、および拡径部は、互いに流体を介して連通するよう配置される。加えて、筐体の入口部は入口部断面積を有し、筐体の出口部は出口部断面積を有し、筐体の拡径部は拡径部断面積を有する。筐体の逆ベンチュリ形状によれば、拡径部断面積は、入口部断面積及び出口部断面積よりも大きい。この筐体の形状により、筐体の拡径部に流入する排出物は減速して、筐体の入口部及び出口部を通過する速度に対してより低速で筐体の拡径部を通過する。排出物の流れが筐体の拡径部で減速することから、筐体の拡径部中での排出物の滞留時間が増加する。

0029

この装置は、筐体の拡径部内に配置される一種以上の炭素系吸着剤を含む反応物質塊をも有する。この反応物質塊は、排出物と接触するよう配置される反応外表面を有する。さらに、この反応物質塊は反応外表面にアマルガム形成金属を含む。反応物質塊中のアマルガム形成金属は、筐体の拡径部を通って反応物質塊の反応外表面に達する排出物中の汚染物質の少なくとも一部と化学的に結合する。一つ以上の吸着剤処理サブシステムが筐体と流体を介して連通するよう配置される。各吸着剤処理サブシステムには、吸着剤排出ポートを介して筐体から炭素系吸着剤が取り込まれ、吸着剤戻りポートを介して洗浄された炭素系吸着剤が筐体に戻される。この吸着剤処理サブシステムは、洗浄された炭素系吸着剤が流動床装置の筐体に戻される前の洗浄及び調整工程中に汚染物質を炭素系吸着剤から分離する溶媒を含む。

0030

本願開示の別の側面において、排出物から汚染物質を除去するための排出物制御方法が開示される。この方法は、排出物をプレフィルタ吸着剤を収容する一つ以上のプレフィルタを通して送り、排出物をプレフィルタから離れる方向かつ処理システム内に送る工程を含む。この処理システムは、排出物に含まれる汚染物質と化学的に結合する反応物質を収容する逆ベンチュリ型流動床装置を含む。逆ベンチュリ型流動床装置内の反応物質は、炭素系吸着剤の群から選択される。限定的でない例として、前記逆ベンチュリ型流動床装置内の炭素系吸着剤は、活性炭及び/又はバイオ炭であって良い。この方法はさらに、逆ベンチュリ型流動床装置中に収容された反応物質中の汚染物質を捕捉し、炭素系吸着剤を一つ以上の吸着剤処理サブシステムを通して送る工程を含む。この吸着剤処理サブシステムは、炭素系吸着剤が逆ベンチュリ型流動床装置に戻される前に、炭素系吸着剤を洗浄及び調整する溶媒を収容する。

0031

逆ベンチュリ型流動床装置から汚染された排出物を除去するのに用いられる炭素系吸着剤の最適な動作状態を維持することは重要である。したがって、炭素系吸着剤は逆ベンチュリ型流動床装置から吸着剤処理サブシステムに送られる。吸着剤処理サブシステムは、炭素系吸着剤を逆ベンチュリ型流動床装置に戻す前に、炭素系吸着剤を最適な状態に洗浄、調整、及び/又は再生するよう設計される。吸着剤処理サブシステムは、消耗し損耗した吸着剤を洗浄及び/又は再生可能な他の炭素系吸着剤から分離して、送り廃棄するようにも設計される。吸着剤処理サブシステムは、さらに捕捉された汚染物質を炭素系吸着剤から分離して、各種産業で再利用し、または可能なリサイクル選択肢がない場合には、適切に処分するように設計される。吸着剤処理サブシステムは、さらに廃棄するため分離された炭素系吸着剤及び/又は汚染された排出物から汚染物質を除去する通常動作中に消費された炭素系吸着剤を補充及び/又は交換するように設計される。吸着剤処理サブシステムは、汚染された排出物に曝される前に炭素系吸着剤を調整するようにも設計される。本願開示のこの側面によれば、吸着剤処理サブシステム内の溶媒により、炭素系吸着剤の外表面の多孔性が増大し、逆ベンチュリ型流動床装置を通過する排出物中の汚染物質と結合する能力が向上する。

0032

大幅な省力化という利点に加え、本願の装置及び方法は、公知の排出物制御システム及び方法と比べて、気体及び非気体排出物から有害汚染物質を除去するのにより効果的である。これらの改良点は、産業界に予測される規制要件合致し、及び/又はそれを上回ることを可能とするに十分なほど大幅なものであるが、これは現状の技術では経済的に実現不可能である。したがって、本願の装置及び方法は、規制により、フライアッシュが有害物質として再分類された場合でも、フライアッシュを継続して使用可能とする能力を有し、これにより建設産業、商用発電産業及びその他の非気体の灰状副産物を生成する産業において、大幅なコスト増加を防止可能である。

0033

逆ベンチュリ型流動床装置は、排出物が装置内に収容された特殊な吸着剤を通過する際に、排出物が最適な拘束滞留時間を得るように、特定の長さ/径の比率を有するように具体的な大きさとされても良い。試行錯誤により、流動床装置の筐体の最適な長さ/径の比率は2.9:1から9.8:1の間であり、例えば好ましくは4.4:1であることが判明している。したがって、例示的な好ましい実施形態において。径は4.5フィートであり、長さは19.8フィートであり、長さ/径の比率は4.4:1となる。

0034

例示的逆ベンチュリ型流動床装置の別の特徴は、筐体外の両端部から見たとき、略円形の外側に突出する凸状端を有することである。このような形で構成された流動床装置を有するシステムの例をテストしたところ、排出物のフローが、キャビテーション乱流が最小化された形でランダムに自らの側に逆流し、密接な接触が最大化されるため、滞留時間(排出物が吸着剤と接触している時間)が最大化されることが実証されている。略円形の外側に突出する凸状端により、流動床装置の双方の端部において比較的スムース戻りフローが得られ、排出物のキャビテーション乱流が最小化される。フィルタを通るキャビテーションを伴う乱流により、フローが妨げられ、及び/又は乱されることが知られている。流動床装置内での滞留時間を延長することは、最適化された形で排出物の汚染物質を捕捉し、排出物から汚染物質を除去するために望ましい。しかし、滞留時間の延長は、フローがキャビテーションを伴う乱流である場合には最適化されない。各種バッフル及び/又は特定用途に応じたフロー制限障害物を流動床装置の筐体に設けても良い。

0035

本願開示の別の側面において、例示的汚染物質除去システムは、再構成可能なセグメントからなるコンポーネントを備える。各システムコンポーネントは、用途に特有の要件にしたがって、隔離され、バイパスされ、一体化され、及び/又は再構成されても良い。例示的排出物制御システムはさらに一つ以上の反応性吸着剤の塊を含むプレフィルタ及び/又はポストフィルタを備えても良い。用途に特有の必要性に応じて、複数のプレフィルタ及びポストフィルタは、流動床装置に対し、平行または直列に接続される。

0036

工業用途からの排出物汚染物質としては、Hg(水銀)、As(砒素)、Ba(バリウム)、Cd(カドミウム)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Pb(鉛)、Sn(tin)、P(リン)、NO2(二酸化窒素)、NO3(硝酸塩)、NH3(アンモニア)が挙げられる。このように長いリストにわたる汚染物質があることで、汎用(one−size−fits−all)排出物制御ソリューションを設けることは不可能となる。さらに、気体排出物中の一種類の汚染物質に機能する排出物制御ソリューションは、非気体排出物中の同じ汚染物質には有効でない可能性があり、逆のこともあり得る。

0037

国際規制基準連邦規制基準、州規制基準、並びに地方の規制基準により、気体及び/又は非気体排出物中の各汚染物質の各種の許容可能ppmレベルが定められる。これら規制基準の多くは、汚染物質が気体排出物中にあるのか非気体排出物中にあるのかに応じて異なる汚染物質の許容可能レベルを設定する。

0038

汚染排出物のテストは、抜き取り検査、及び/又は連続インラインモニタリング装置を用いて排出物に含まれる汚染物質の種類及びレベルを判定するものでも良い。テスト結果に応じて、汚染された排出物の導入先となる具体的なプレフィルタ及び/又はポストフィルタを選択しても良い。各プレフィルタ及び/又はポストフィルタには、広範囲の処理オプションとしての排出物に含まれる特定の汚染物質を対象とする特定の反応性吸着剤の塊が収納される。

0039

排出物に含まれる汚染物質の種類及び/又はレベルは、排出物の排出中に変化及び/又は変動する。汚染物質を頻繁に監視及び/又は連続的にインラインで監視することで、排出物フロー中の任意の時点で排出物中に含まれる特定の汚染物質に最も適合する具体的なプレフィルタ及び/又はポストフィルタの選択を調整可能となる。

0040

本願開示は、気体及び非気体排出物に含まれる具体的な種類の汚染物質と、対応する汚染物質の捕捉及び除去に有効な具体的な反応性吸着剤とを対応させた広範囲にわたる表を含む。この表は、具体的な反応性吸着剤が具体的な捕捉汚染物質から分離して汚染物質をリサイクルまたは廃棄可能かを対応付け、並びに吸着剤が排出物制御システムで再生及び再利用可能かを示す。

0041

特定用途のために恒久的に設置されるシステムに加え、本願のシステムは、移送可能なシステムとして構成されても良い。移送可能なシステムの例としては、これらに限られないが、トラック搭載型システム荷船搭載システムトレーラ搭載システム、及び鉄道搭載システムがある。移送可能なシステムは、一時的な排出物用のバイパスを設けることで、現場構築されたシステムにバイパスを設け、恒久的な現場構築システム補修点検及び/又は修理可能とするのに有用である。移送可能なシステムは、汚染された排出物の流量が恒久的な現場構築設備の能力を超えたときに、恒久的な現場構築設備に余剰のフィルタ能力を与えるのにも有用である。

0042

本明細書に記載される特殊な吸着剤を、開示される装置及び方法とともに用いることで、数多くの利点がある。一般に、炭素系吸着剤は、公知の排出物制御システム及び方法を用いては実現し得なかった効率で、開示される排出物装置の水銀及び他の有害物質を捕捉し、収容し、及び/又はリサイクルする能力を向上させる。本明細書に開示される炭素系吸着剤の別の重要な利点は、炭素系吸着剤は気体及び非気体排出物の双方に利用可能であり、したがって、気体排出物を処理するのに用いられた主要な排出物制御プロセスから生じた二次的排出物を含む汚染された非気体排出物を処理する際の公知の方法の多くの問題点を克服することである。加えて、本明細書に記載される炭素系吸着剤は、主要な気体排出物処理プロセスの副産物として生じる非気体排出物を二次的処理する必要なしに、気体排出物を十分有効に処理する優れた能力を発揮する。本明細書に開示される炭素系吸着剤は、再利用可能な点でも有益である。再生プロセスを通じて、吸着剤処理サブシステム中の溶媒により炭素系吸着剤中のアマルガム形成金属と化学的に結合する有害汚染物質が分離し(すなわち、除去され)、炭素系吸着剤の気体及び/又は非気体排出物空汚染物質を除去する能力が復活する。

0043

他の適用可能分野は、本明細書中の記載から明らかとなるであろう。この要約中の記載および具体例は、説明目的のみでなされたものであり、本願開示事項の範囲を限定することを意図しない。

図面の簡単な説明

0044

この要約中の記載および具体例は、説明目的のみでなされたものであり、本願開示事項の範囲を限定することを意図しない。

0045

本発明のその他の利点は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を参照することにより、容易に理解されるであろう。これらの図面は以下を示す。

0046

石炭火力発電所の公知の構成を示す模式図。
図1に示されるタイプの石炭火力発電所によって生成される排出物から汚染物質を除去するのに用いられる排出物制御システムの公知の構成を示す模式図。
図2に示され、本願開示にしたがって構成された例示的逆ベンチュリ装置を追加することによって変形された排出物制御システムの模式図。
本願開示にしたがって構成された、入口部と、拡径部と、出口部とを有する筐体を有する例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
図4Aに示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の入口部の正面断面図。
図4Aに示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の拡径部の正面断面図。
図4Aに示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の出口部の正面断面図。
本願開示にしたがって構成された、一連交互配置バッフルが筐体の拡径部中に配置されて、排出物の蛇行流路を形成する別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、らせん状バッフルが筐体の拡径部中に配置されて、排出物のらせん状流路を形成する別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
図6Aに示される例示的逆ベンチュリ装置のらせん状バッフルの正面斜視図。
本願開示にしたがって構成された、複数の離隔配置されたバッフルが筐体の拡径部中に配置された別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
図7Aに示される例示的逆ベンチュリ装置の、線A−Aに沿った断面を示す正面断面図であって、バッフルの一つのオリフィスが示される。
本願開示にしたがって構成された、複数の破片が筐体の拡径部中に配置された別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、複数のもつれ糸が筐体の拡径部中に配置されて、毛糸状体を形成する別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、フィルタ素子が筐体の拡径部中に配置された別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、筐体の拡径部が複数のバッフルと、隣接するバッフル間に配置された複数の各種サイズの破片とを収容する別の例示的逆ベンチュリ装置の側面断面図。
図11に示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の拡径部に収容されるサイズの破片の一例を示す正面図。
図11に示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の拡径部に収容されるサイズの破片の別の例を示す正面図。
図11に示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の拡径部に収容されるサイズの破片の別の例を示す正面図。
図11に示される例示的逆ベンチュリ装置の筐体の拡径部に収容されるサイズの破片の別の例を示す正面図。
他のピースと組み合わせて図8及び図11に示される例示的逆ベンチュリ装置に示される破片と置き換えて利用可能な遊離材料のアスタリスク形状を有するピースの一例を示す正面図。
他の結晶フレークと組み合わせて図8及び図11に示される例示的逆ベンチュリ装置に示される破片と置き換えて利用可能な結晶フレークの一例を示す正面図。
他のワイヤコイルと組み合わせて図8及び図11に示される例示的逆ベンチュリ装置に示される破片と置き換えて利用可能なワイヤコイルの一例を示す正面図。
本願開示にしたがって構成された、直列に連結された二つの分離された拡径部を有する別の例示的逆ベンチュリ装置を示す側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、平行に連結された二つの分離された拡径部を有する別の例示的逆ベンチュリ装置を示す側面断面図。
本願開示にしたがって構成された、別の例示的逆ベンチュリ装置を示す側面断面図。
気体排出物から汚染物質を除去する公知の方法を示すブロックフロー図。
図17に示される気体排出物から汚染物質を除去する方法において、第一導入ポイントにおいて吸着剤を気体排出物中に噴射し、その後、気体排出物を逆ベンチュリ装置に通す工程を追加して改変した方法を示すブロック図。
図17に示される気体排出物から汚染物質を除去する方法において、第二導入ポイントにおいて吸着剤を気体排出物中に噴射し、その後、気体排出物を逆ベンチュリ装置に通す工程を追加して改変した方法を示すブロック図。
非気体排出物から汚染物質を除去する公知の方法であって、非気体排出物を沈殿池に沈殿させることを要する方法を示すブロック図。
図19に示される非気体排出物から汚染物質を除去する公知の方法において、沈殿池から抽出された非気体排出物の一部を吸着剤で処理する工程を加えて改変した方法を示すブロック図。
排出物から公知の排出物制御システムによって除去された汚染物質の割合と、本願で開示された装置及び方法によって排出物から除去された汚染物質の割合とを示すグラフ
逆ベンチュリ型流動床装置を用いて汚染物質を気体排出物から除去し、気体排出物から汚染物質を分離する反応物質を洗浄する例示的方法を示すブロックフロー図。
逆ベンチュリ型流動床装置を用いて汚染物質を非気体排出物から除去し、非気体排出物から汚染物質を分離する反応物質を洗浄する例示的方法を示すブロックフロー図。
例示的逆ベンチュリ型流動床装置を通る延長された非乱流排出物フロー、および汚染物質を排出物から分離する吸着剤を洗浄しリサイクルする例示的方法工程を示すフロー図。
移送可能な架台デッキに載置された傾斜機構を有する逆ベンチュリ型流動床装置を用いた例示的方法において、気体排出物から汚染物質を除去するため、逆ベンチュリ型流動床装置の筐体が架台デッキに対して平行に配置されたものを示すブロックフロー図。
移送可能な架台デッキに載置された傾斜機構を有する逆ベンチュリ型流動床装置を用いた例示的方法において、非気体排出物から汚染物質を除去するため、逆ベンチュリ型流動床装置の筐体が架台デッキに対して横断する向きに配置されたものを示すブロックフロー図。
具体的な種類の汚染物質と、気体および非気体排出物について活性炭およびゼオライト吸着剤と比較したときの開示されるCZTS合金吸着剤の有効性とを対照した表。
気体および非気体排出物用の他の具体的な種類の吸着剤と比べた具体的なCZTS合金吸着剤を示す模式図。
先行技術の吸着剤と、これら吸着剤の気体および非気体排出物中の汚染物質からの分離能力および再利用能力を示す表。
開示される広域スペクトルCZTS合金吸着剤と、これら吸着剤の気体および非気体排出物中の汚染物質からの分離能力および再利用能力を示す表。
汚染された気体排出物を、気体排出物中に含まれる汚染物質の種類及び/またはレベルに合致する具体的な有効吸着剤を含む異なるフィルタを通して送る方法を示すブロック図。
汚染された非気体排出物を、非気体排出物中に含まれる汚染物質の種類及び/またはレベルに合致する具体的な有効吸着剤を含む異なるフィルタを通して送る方法を示すブロック図。
例示的逆ベンチュリ型流動床装置を通る延長された非乱流排出物のフロー、およびCZTS吸着剤、CZTS合金吸着剤、及び/又は炭素系吸着剤用の一連の吸着剤リサイクルサブシステムにより汚染物質を排出物から分離する吸着剤を洗浄しリサイクルする例示的方法工程を示すフロー図。
汚染された炭素系吸着剤を、汚染物質を炭素系吸着剤から分離して炭素系吸着剤と消耗/汚染された副産物とを適切に廃棄、リサイクル、再利用及び/又は交換可能とする吸着剤処理サブシステムを通して送る方法を示すブロック図。

実施例

0047

図面を参照して工業排出物から汚染物質を除去する装置及び方法を説明するが、図面を通じて同じ符号は対応する要素を示す。

0048

例示的実施形態を、添付図面を参照してより十分に説明する。例示的実施形態を挙げて、本開示事項を十全なものとし、当業者にその範囲を十分に伝えるようにしている。本願開示の実施形態の十全な理解を提供するため、具体的な構成要素、素子及び方法の例など、数多くの具体的詳細を記載している。当業者にとって、具体的な詳細を用いる必要はなく、例示的実施形態は多くの異なる形態で実装可能であり、また本願開示を限定するものと解釈すべきでないことは明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知の方法、公知の素子構造及び公知の技術は、詳細に記載されない。

0049

本明細書中で用いられる用語は、具体的な例示的実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用される際、単数形は、明示されていない限り複数形も含むことを意図する。用語「備える」、「備えて」、「含んで」および「有して」は包括的であり、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は部品の存在を特定する。しかし、1以上の特徴、整数、工程、操作、要素、部品及び/又は群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で記載される方法工程、プロセスおよび操作は、実行順序として詳細に特定されない限り、必ずしも記載または図示された特定の順序で実行を要するものと解釈されるべきではない。追加工程または代替工程が用いられてもよいことも当然である。

0050

要素または層が、他の要素または層「上に」ある、「に係合」、「に接続」または「に連結」すると記される場合、この要素または層は直接に他の要素または層上にあるか、係合、接続、または連結してもよい。または、介在要素または層があってもよい。一方、要素が、他の要素または層の「直接上に」ある、「に直接係合」、「に直接接続」または「に直接連結」すると記される場合、介在要素または層は存在しなくてよい。要素同士の関係を説明するのに使用される他の文言(例えば、「の間に」と「直接の間に」、「隣接して」と「直接隣接して」など)は、同様に解釈されるべきである。本明細書で用いられる際、用語「及び/又は」は1以上の関連づけられたリスト項目の全ての組み合わせを含む。

0051

第一、第二、第三等の用語が各種要素、部品、領域、層及び/又は部位を説明するために本明細書で使用されるが、これらの要素、部品、領域、層及び/又は切断面はこれらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、ある要素、部品、領域、層及び/又は切断面を他の領域、層または切断面から区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書で使用される際の「第一」「第二」のような用語および他の数に関する用語は、文脈で明示されない限り、配列または順序を意味しない。したがって、下記で論じられる第一要素、部品、領域、層及び/又は切断面は、実施例の教示から逸脱することなく第二要素、部品、領域、層及び/又は切断面と称されることも可能である。

0052

インナー」、「アウター」、「真下に」、「下に」、「下側の」「上に」、「上部に」等のような空間的に相対的な用語が、図示する際、ある要素または特徴と他の要素または特徴との関係の記載を容易にするために、本明細書で使われてもよい。空間的に相対的な用語は、図示される向きに加えて、使用時または操作時における装置の異なる向きを包含するものとしてもよい。例えば、図の装置がひっくり返ると、他の要素または特徴の「下に」または「真下に」と記載される要素は、他の要素または特徴の「上に」置かれるだろう。このように、例示の用語「下に」は上と下両方への向きを包含することが可能である。装置は他方向に向いてもよく(90度回転または他の向きに)、本明細書で使用される空間関連の記述はそのように解釈される。

0053

本明細書で用いられる「導管」という用語は、液体及び/又は液体状排出物及び気体及び/又は気体排出物を運ぶのに通常利用可能な全てのパイプの記載をカバーすることを意図するものである。排出物の種類に関わらず、排出物の実際の運搬方法に関して、何ら優先的取り扱いをし、または暗示するものではない。本明細書で用いられる「常温(ambient temperature)」という用語は、周辺環境の温度(例えば、標準温度及び圧力「STP」)を示す。加えて、「汚染物質contaminate(s)」および「汚染物質contaminant(s)」という用語は、本願開示中で交換可能に用いられる。

0054

図1を参照して、通常の石炭火力発電所100の模式図が示される。この石炭火力発電所100は、一種以上の石炭燃料2を燃やして電力7を発生させる工業設備である流動床反応器1を有する。この電力7は、その後、電線8を介して配電網分配されても良い。流動床反応器1内での燃焼は、空気3、火4、及び石炭燃料2によって行われる。この燃焼プロセスは、水を加熱して蒸気5を発生させるのに用いられる。この蒸気は、その後発電機6を回して、電力7を発生させるのに用いられる。燃焼プロセスからの気体排出物10は、煙突9を通って環境中に放出される。石炭火力発電所100に何ら排出物制御システムが設けられない場合(図1)、この排出物10は、フライアッシュ、水銀(Hg)、金属蒸気、二酸化硫黄(SO2)、塩化水素(HCl)及びその他の有害ガスなどの多くの有害汚染物質を含む。

0055

図2を参照して、通常の排出物制御システム202を有する改良型石炭火力発電所200の模式図が示される。この排出物制御システム202により、気体排出物10中の有害汚染物質の一部が捕捉、収集される。この排出物制御システム202は、燃焼反応が起こる流動床反応器1からの気体排出物10を、気体排出物10から二酸化硫黄及びフライアッシュ汚染物質の一部を除去する湿式/乾式気体洗浄装置11に搬送する。気体排出物10を湿式/乾式気体洗浄装置11に搬送するのに代えて、あるいはそれに加えて、この排出物制御システム202は気体排出物10を、二酸化硫黄、有害ガス及びその他の汚染物質の一部が捕捉・収集される噴射乾燥機12に搬送しても良い。この排出物は、フィルタバッグを用いて気体排出物10の流れから粒子を除去する繊維フィルタユニット13(すなわちバグハウス)を通過させても良い。このシステムは、気体排出物10が煙突9を通って周囲の大気(すなわち環境)に放出される前に、気体排出物10から多くの汚染物質を収集し除去する。図2に示される通常の排出物制御システム202の問題点は、金属蒸気排出物に含まれる水銀などのナノサイズの汚染物質が、排出物制御システム202の湿式/乾式気体洗浄装置11、噴射乾燥機12、及び繊維フィルタユニット13を容易に通過することである。

0056

図3を参照して、図2に示される排出物制御システム202に加えて、吸着剤噴射機14と逆ベンチュリ装置15とを有する改良型石炭火力発電所300の模式図が示される。吸着剤噴射機14は、吸着剤を気体排出物10に添加するよう動作し、逆ベンチュリ装置15の上流に配置されても良い。より具体的に、図3に示される例では、吸着剤噴射機は噴射乾燥機12と繊維フィルタユニット13との間に配置される。逆ベンチュリ装置15を異なる位置に配置することも可能だが、図3では、逆ベンチュリ装置は繊維フィルタユニット13と煙突9との間に配置される。この配置の主要な利点の一つは、既存の設備に逆ベンチュリ装置15を設置可能であり、「既存変更許可(Modification to Existing Permit)」を申請するのみで足り、完全に新規の排出物制御システムを申請するのに比べて時間と費用の双方を節約できることである。動作時、気体排出物10は繊維フィルタユニット13から逆ベンチュリ装置15に送られる。以下により詳細に説明するように、この逆ベンチュリ装置15には、水銀、重金属、ナノサイズ粒子及びその他の汚染物質の相当量を収集し、捕捉するのに適する内部構造が設置される。したがって、煙突9を出て行く気体排出物10は、実質上全ての有害汚染物質が取り除かれている。

0057

図4A図4Dに示されるように、逆ベンチュリ装置15は、逆ベンチュリ形状である筐体16を有する。なお、ベンチュリは、まずより大きな断面からより小さな断面に縮径し、その後より小さな断面からより大きな断面に拡大する導管として一般に説明される。したがって、本願明細書で用いられる「逆ベンチュリ」との用語は、その逆、すなわち、まずより小さな断面からより大きな断面に拡大し、その後より大きな断面からより小さな断面に縮径する導管を意味する。具体的に、開示される逆ベンチュリ装置15の筐体16は中心軸17に沿って延び、入口部18、拡径部19、および出口部20を有する。この筐体16の入口部18は、気体排出物10が、流入速度V1及び圧力P1で特徴づけられる所定の入口流速で流入するような大きさとされる。この筐体16の出口部20は、気体排出物10が、出口速度V3及び圧力P3で特徴づけられる所定の出口流速で流出するような大きさとされる。この拡径部19は、筐体16の入口部18と出口部20との間に配置され、内部に気体排出物10中の汚染物質を捕捉する拡径室21を形成する。この筐体16の拡径部19は、中心軸17とおよそ対向する内面68を有する。筐体16の入口部18、拡径部19、及び出口部20は、中心軸17に沿って、筐体16の入口部18、拡径部19、及び出口部20が互いに流体を介して連通するように順に配置される。すなわち、筐体16の入口部18、拡径部19、及び出口部20は、合わせて中心軸17に沿って延びる導管を形成する。

0058

筐体16の入口部18は、中心軸17を横断する入口部断面積A1を有し、筐体16の出口部20は、中心軸17を横断する出口部断面積A3を有する。所定の入口流速が所定の出口部流速と等しく(すなわち同一と)なるよう、入口部断面積A1は出口部断面積A3と等しく(すなわち同一と)されても良い。あるいは、所定の入口流速が所定の出口部流速と異なる(すなわち、より小さくまたはより大きくなる)よう、入口部断面積A1と出口部断面積A3とは異なって(すなわち、より小さくまたはより大きくて)も良い。本明細書で用いられる「流速」という用語は、排出物の体積流量を示す。

0059

筐体16の拡径部19は、中心軸17を横断し、入口部断面積A1及び出口部断面積A3よりも大きな拡径部断面積A2を有する。したがって、この拡径部19は、筐体16の拡径部19内の気体排出物10の流速V2が、筐体16の入口部18内の気体排出物10の流速V1よりも小さく、かつ筐体16の出口部20内の気体排出物10の流速V3よりも小さくなるような大きさとされる。このように流速が低下することで、筐体16の拡径部19内での気体排出物10の滞留時間が増加する。なお、本明細書中で用いられる「滞留時間」という用語は、気体排出物10内の分子が筐体16の拡径部19を通過するのに必要な時間の平均を意味する。すなわち、筐体16の拡径部19の「滞留時間」とは、拡径室21内の全ての排出物が更新されるのに要する時間と等しい。また、本明細書中で用いられる「断面積」との用語は、筐体16の厚みの変化に関わりなく同一である、内部断面積(すなわち、筐体16内部の空間)を意味する。したがって、拡径部断面積A2は、拡径室21の大きさを反映し、内面68によって区画される。

0060

筐体16の形状により、筐体16の入口部18を通過する気体排出物10の内圧P1と、筐体16の出口部20を通過する気体排出物10の内圧P3とは、筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の内圧P2よりも大きい。筐体16の拡径部19内での気体排出物10の流速V2が筐体16の入口部18での気体排出物10の流速V1よりも小さく、かつ筐体16の出口部20の気体排出物10の流速V3よりも小さいという事実と合わせ、この圧力差によって気体排出物10が筐体16の拡径部19に滞留することになる。上述の圧力及び速度差の結果、及び気体排出物10が自然に膨脹して拡径室21の全体積を占めることになることから、筐体16の拡径部19内の気体排出物10には膨脹力が加えられることになる。この事実と層流空気力学(pneumatic dynamics)及び気体挙動物理学(gas behavior physics)による効果との組み合わせにより、生じた滞留時間の増加によって逆ベンチュリ装置15の、気体排出物10から効率的に汚染物質を捕捉し、これにより除去する能力が向上する。

0061

筐体16は、各種の異なる形状及び構造とされても良い。限定的でない例として、図4A図4Dに示される筐体16の入口部18、拡径部19、および出口部20は、全て円形断面積A1、A2、A3を有する。これに代え、筐体16の入口部18、拡径部19及び出口部20の一つ以上の断面積A1、A2、A3は、非円形状であっても良く、円形及び非円形の断面の各種組み合わせが可能であり、本願開示の範囲内であると考えられる。いくつかの構造では、筐体16の拡径部19は、発散端部22と収束端部23とを有しても良い。これらの構造によれば、筐体16の拡径部19は、入口部断面積A1から発散端部22での拡径部断面積A2にかけ外側に向けてテーパ形状とされる。すなわち、筐体16の拡径部19の断面は、発散端部22において、筐体16の入口部18から離れる方向に移動するにつれて大きくなる。これに対し、筐体16の拡径部19は、収束端部23において、拡径部断面積A2から出口部断面積A3に徐々に内向きにテーパ形状とされる。すなわち、筐体16の拡径部19の断面は、収束端部23において、筐体16の出口部20に向かう方向に移動するにつれて小さくなる。したがって、筐体16の拡径部19内の気体排出物10は、およそ発散端部22から収束端部23に流れる。筐体16の入口部18、拡径部19、及び出口部20が全て円形断面積A1、A2、A3を有する実施形態では、筐体16の発散端部及び収束端部22、23は、およそ円錐形状であっても良い。上記に関わらず、筐体16の拡径部19の発散及び収束端部22、23は別の形状とされても良い。限定的でない例として、発散及び収束端部22、23は、逆ベンチュリ装置15の筐体16を通過する気体排出物10の流れに重大な悪影響が及ばないようにしつつ、より製造しやすくするため、多角形とされても良い。別の代替構成では、筐体16の拡径部19は、入口部18と発散端部22との間及び収束端部23と出口部20との間で比較的急激に変化が起こるソーセージに似た形状を有しても良い。急激な変化よりもスムースな変化が好ましいのは、気体排出物10の層流の挙動がより好ましいからであると推定される。しかし、急激な変化に際しての気体排出物10の層流へのわずかな外乱は、絶対的な問題とは考えられず、むしろ滞留時間の増加が必要でない領域においては、より良い流れを生じさせる可能性もある。

0062

引きつづき図4A図4Dを、またさらに図5図11を参照すると、反応物質塊24が筐体16の拡径部19内に配置される。この反応物質塊24は、気体排出物10と接触するよう配置される反応外表面25を有する。加えて、この反応物質塊24は、筐体16の拡径部19を通って反応物質塊24の反応外表面25に達する気体排出物10中の汚染物質の少なくとも一部と化学的に結合するアマルガム形成金属をその反応外表面25に含有する。このようにして、反応物質塊24の反応外表面25に結合された汚染物質は、筐体16の拡径部19内に捕捉されたままとなり、したがって筐体16の拡径部19から流出して筐体16の出口部20に流入する気体排出物10の流れから除去される。本明細書中で用いられる「アマルガム形成金属」という用語は、気体排出物10中の汚染物質の一種以上と化合物を形成可能な金属群から選択される材料を意味する。限定的でない例として、このアマルガム形成金属は亜鉛であり、気体排出物10中の汚染物質は水銀であっても良く、これにより気体排出物10が反応物質塊24の反応外表面25と接触する際に、亜鉛と水銀とのアマルガムが形成されても良い。

0063

筐体16の拡径部19は、反応物質塊24中のアマルガム形成金属が気体排出物10中の汚染物質と化学的に結合するための十分に長い滞留時間を確保しつつ、所定の入口流速の気体排出物10を収容可能な大きさとされなくてはならない。したがって、このバランス達成のため、拡径部断面積A2は、1秒から2.5秒の範囲の滞留時間を実現するよう、3平方フィートから330平方フィートの範囲とされても良い。この特定の滞留時間は、気体排出物10中の汚染物質が反応物質塊24中のアマルガム形成金属と化学的に結合するのに十分な時間を確保するのに必要である。このように、拡径部断面積A2の範囲は、1メガワット(MW)から6000メガワット(MW)の範囲の出力を有する石炭火力発電所100において、この滞留時間を実現するよう算出された。化学分野で公知なように、アマルガム形成金属は、各種の異なる金属であって良い。制限的でない例として、このアマルガム形成金属は亜鉛、鉄及びアルミニウムからなる群から選択されても良い。筐体16は、反応物質塊24とは異なる材質からなる。制限的でない例として、筐体16は鋼鉄プラスチックまたはグラスファイバからなっても良い。

0064

反応物質塊24は、各種の異なる、制限されない構造を有しても良い。図4Aでは、反応物質塊24は、筐体16の内面68を被覆するものとして示される。あるいは、図5図11に示されるように、反応物質塊24は、筐体16の拡径部19内に配置される一つ以上の障害要素26a−26jを形成しても良い。これらの障害要素26a−26jは、それ自体として筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の曲折流路27を形成する。したがって、障害要素26a−26jは、筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の滞留時間を増加させる。下記のいくつかの実施形態では、筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の流れを完全に分断することから、形成される曲折流路27は完全にランダムなものとされ、これにより、気体排出物10中の汚染物質と、反応物質塊24中のアマルガム形成金属との間の化学反応の機会が大幅に増加することとなる。

0065

図5図11に示される構造のそれぞれの障害要素26a−26jは、大きな表面積を有し、これにより反応物質塊24の反応外表面25が大きくなる。これは、反応物質塊24の反応外表面25中のアマルガム形成金属と気体排出物10中の汚染物質との化学反応によって、汚染物質を筐体16の拡径部19に捕集し、捕捉し及び/又は収集可能として、気体排出物10から汚染物質が除去されることから有利である。したがって、筐体16の拡径部19によって拡径室21を通過する気体排出物10から除去可能な汚染物質の量は、筐体16の拡径部19中の反応物質塊24の反応外表面25の大きさに比例する。加えて、障害要素26a−26jの複雑な表面形状及び/又は組織により、汚染物質の捕捉が汚染物質とアマルガム形成金属との間の化学反応の結果であるか否かによらず、汚染物質を物理的に捕捉するのを容易にする追加の表面領域が得られる。

0066

再び図3を参照すると、吸着剤噴射機14によって排出物に添加される吸着剤は、アマルガム形成金属を含む。吸着剤中のアマルガム形成金属は、気体排出物10が筐体16の拡径部19に流入する前に気体排出物10中の少なくとも一部の汚染物質と化学的に結合する。吸着剤は数多くの異なる組成を有しても良いものの、吸着剤は、例えば亜鉛(Zn)粉末又は、銅・亜鉛・錫・硫黄(CZTS)化合物であっても良い。気体排出物10が筐体16の拡径部19に流入する前に吸着剤が気体排出物10中の少なくとも一部の汚染物質と化学的に結合することから、この吸着剤により、反応物質塊24による気体排出物10からの汚染物質除去が促進される。

0067

図5に示されるように、障害要素26a−26jは、筐体16の拡径部19の内面68から延出する一連の交互配置バッフル26aとして設けられる。この一連の交互配置バッフル26aは中心軸17を横断し、曲折流路27を蛇行形状とする。この曲折流路27の蛇行形状により、気体排出物10の筐体16の拡径部19内の滞留時間が増加し、これにより一連の交互配置バッフル26aを形成する反応物質塊24による気体排出物10中の汚染物質の捕捉及び除去が促進される。一つの例では、この一連の交互配置バッフル26aは亜鉛からなる。別の例では、この一連の交互配置バッフル26aは亜鉛によって被覆される亜鉛以外の材質からなる。交互配置バッフル26aの配置は、中心軸17の長手方向に沿って等間隔又は対称である必要はない。というのは、いくつかの用途では、隣接するバッフル26a間により広い空間がある方が好ましく、他の用途では、隣接するバッフル26a間により狭い空間がある方が好ましいからである。また、この一連の交互配置バッフル26aは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。

0068

図6A及び図6Bに示されるように、少なくとも一つの障害要素26a−26jは、らせん状バッフル26bとされても良い。このらせん状バッフル26bは中心軸17に沿い、また中心軸17を中心として筐体16の拡径部19内でらせん状に延びる。したがって、らせん状バッフル26bにより、曲折流路27がらせん形状となる。この曲折流路27のらせん形状により、気体排出物10の筐体16の拡径部19内の滞留時間が増加し、これによりらせん状バッフル26bを形成する反応物質塊24による気体排出物10中の汚染物質の捕捉及び除去が促進される。一つの例では、このらせん状バッフル26bは亜鉛からなる。別の例では、このらせん状バッフル26bは亜鉛によって被覆される亜鉛以外の材質からなる。さらに別の例では、このらせん状バッフル26bは、中心軸17を中心として筐体16の拡径部19内で回転するよう、機械的に駆動される。このらせん状バッフル26bを回転させることで、筐体16の拡径部19を通る気体排出物の流れを、らせん状バッフルの回転方向に応じて人為的に加速または減速可能となる。このらせん状バッフル26bは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。

0069

図7A及び図7Bに示されるように、少なくとも一つの障害要素26a−26jは、複数のバッフル26cである。それぞれのバッフル26cは、筐体16の拡径部19の内面68から筐体16の拡径部19を横断して延びる。このバッフル26cは中心軸17に沿って互いに離隔され、各バッフル26cは、バッフル26cを通過する気体排出物10の流れを許容するオリフィス28を有する。当然ながら、単一のバッフル26cのみを有する構成を含め、任意の数のバッフル26cが設けられて良い。各バッフル26c中のオリフィス28の大きさ、形状、及び数は変更可能である。例えば、バッフル26cはスクリーン状とされ、オリフィス28がスクリーンの十字線の間に設けられて良い。このバッフル26c中のオリフィス28により、筐体16の拡径部19内の気体排出物10の流れが制限され、筐体16の拡径部19内の気体排出物10の滞留時間が増加する。これにより、バッフル26cを形成する反応物質塊24による気体排出物10からの汚染物質の捕捉及び除去が促進される。一つの例では、このバッフル26cは亜鉛からなる。別の例では、このバッフル26cは亜鉛によって被覆される亜鉛以外の材質からなる。このバッフル26cは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。さらに別の例では、バッフル26cの一つのオリフィス28の大きさは、隣接するバッフル26cのオリフィス28の大きさと異なる。異なるバッフル26cに異なる大きさのオリフィス28を用いることで、気体排出物10の流れが加速及び/又は制限され、バッフル26c内の反応物質塊による気体排出物10中の汚染物質の捕捉及び除去が促進される。同様に、このバッフル26cは拡径室21内で等間隔で離隔配置される必要は無く、またバッフル26cの一つのオリフィス28は隣接するバッフル26cのオリフィス28と同じ大きさ、形状または位置である必要はない。これらオリフィス28の大きさ、形状及び位置を一つのバッフル26cから別のバッフル26cについて異なるものとすることにより、かつバッフル26cの間隔を異なるものとすることにより、筐体16の拡径部19内の気体排出物10の滞留時間を増加させて、反応物質塊24に沿った物理的及び化学的捕捉及び収集箇所との接触増大を促進可能である。

0070

図8図11に示される別の構成では、少なくとも一つの障害要素26a−26jは筐体16それ自体に固定されなくても良く、その代わりに筐体16の拡径部19内部に自由に配置されても良い。このような構成では、少なくとも一つの障害要素26a−26jは、各種形態の障害媒体26d−26jを含んで良い。障害要素26a−26cと同様、障害媒体26d−26jは、亜鉛からなるものでも、亜鉛によって被覆される亜鉛以外の材質からなるものであっても良い。亜鉛は容易に溶解して、通常の成形方法、失ろう方法、遠心法などを用いて複雑な形状を鋳造可能である。他の形成方法としては、切削、押し出し、焼結スタンピング熱間鍛造及び成形レーザ切断などがある。あるいは、鋼鉄を用いて原型を作り、その後に、表面カバーとして亜鉛で被覆またはメッキしても良い。この障害媒体26d−26jは、拡径室21全体を完全に充填、拡径室21を部分的に充填または図7A及び図7Bに関連して前述されたバッフル26cの間を充填するのに使用可能である。

0071

図8は、少なくとも一つの障害要素26a−26jが筐体16の拡径部19内に収容される複数の破片26dである構成を示す。この構成によれば、気体排出物10は、気体排出物10が筐体16の入口部18から出口部20に向けて筐体16の拡径部19を移動する際に、隣接する破片26dとの間の空間を通過する。このために、これらの複数の破片26dは、破片26dが筐体16の拡径部19内にゆるく詰められるように、不定形となっていても良い。限定的でない例として、この複数の破片26dは、モジイ亜鉛(mossy zinc)からなっても良い。モジイ亜鉛は、ポップコーン形状の亜鉛構造であって、溶融亜鉛を水などの冷却液浸すことによって製造される。得られる溶融亜鉛の滴が固化して、極めて大きな表面積/体積比を有する比較的小さな球状構造となる。加えて、得られる構造の表面積は、苔状表面組織を有する。これらの構造は、特定用途のための大きさに製造可能である。鋼鉄を加工することで、モジイ亜鉛に類似する鋼鉄版の複合球状構造を製造可能であり、これは亜鉛によって被覆されても良い。

0072

図8中のこれらの複数の破片26dがゆるく充填されることで、曲折流路27がランダムな形状となり、これにより、気体排出物10の筐体16の拡径部19内の滞留時間が増加する。これにより、複数の破片26dを形成する反応物質塊24による気体排出物10からの汚染物質の捕捉及び除去が促進される。図8中のこの複数の破片26dは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。

0073

図9に示される別の構成では、少なくとも一つの障害要素26a−26jが筐体16の拡径部19内に収容される複数のもつれ糸26eである。この複数のもつれ糸26eは、筐体16の拡径部19内で、毛糸状体を形成する。考えられる構成の一つでは、この複数のもつれ糸26eは、スチールウールのように折りたたまれ、丸められて非常に大きな表面積を有する塊を形成する。このもつれ糸26eそれ自体は、同じ組成、厚み及び長さであっても良く、あるいは異なる組成、厚み及び/又は長さの組み合わせであっても良い。一例では、これらの複数のもつれ糸26eは亜鉛ワイヤからなり、ランダムにもつれて亜鉛ウールを形成する。この亜鉛ウールは、様々なレベルの密度及び/又は大きさのワイヤから製造可能であり、特定の流れ制限能力を付与することができる。別の例では、これらの複数のもつれ糸26eはスチールワイヤからなり、ランダムにもつれてスチールウールを形成する。このスチールウールは亜鉛で被覆されても良い。図9中のこれらの複数のもつれ糸26eがゆるく充填されることで、曲折流路27がランダムな形状となり、これにより、筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の滞留時間が増加する。これにより、もつれ糸26eを形成する反応物質塊24による気体排出物10内の汚染物質の捕捉及び除去が促進される。これらの複数のもつれ糸26eは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。

0074

図10を参照して、少なくとも一つの障害要素26a−26jが、フィルタ素子26fである別の構成が示される。このフィルタ素子26fは中心軸17に対して、筐体16の拡径部19を横切って延びる。このフィルタ素子26fは多孔質であり、フィルタ素子26f中の孔により、気体排出物10が筐体16の入口部18から出口部20に向けて筐体16の拡径部19を流れる際に、フィルタ素子26fを通過可能とされる。焼結金属からなっても良いフィルタ素子26fのこの構成により、曲折流路27がランダムな形状となり、これにより筐体16の拡径部19を通過する気体排出物10の滞留時間が増加する。これにより、フィルタ素子26fを形成する反応物質塊24による気体排出物10内の汚染物質の捕捉及び除去が促進される。フィルタ素子26fの焼結金属は、亜鉛、または亜鉛によって被覆された非亜鉛材料からなるのが好ましい。このフィルタ素子26fは、逆ベンチュリ装置15の動作中に飽和した場合には、必要に応じて交換及び/又は洗浄されても良い。

0075

図11を参照して、図7A及び図7Bに示される複数のバッフル26cと、異なる大きさを有し図8に示される複数の破片26dに類似する複数の破片26g−26jとの組み合わせとして、少なくとも一つの障害要素26a−26jが示される。この別の構成によれば、これら複数のバッフル26cと複数の破片26g−26jは、筐体16の拡径部19内に配置される。図7A及び図7Bと同様、図11に示される複数のバッフル26cは、筐体16の拡径部19の内面68から筐体16の拡径部19を横断して延びる。さらに、これらの複数のバッフル26cは、バッフル26cが拡径室21を複数の区画に分割するよう、互いに中心軸17に沿って離隔配置される。各バッフル26cのオリフィス28により、気体排出物10の流れがバッフル26cを通過可能となる。複数の破片26g−26jは、隣接するバッフル26cの間に配置される(すなわち、拡径室21の複数の区画内に配置される)。

0076

図11及び図12A図12Dに示されるように、複数の破片26g−26jにより反応物質塊24が形成される。これら複数の破片26g−26jは、異なる大きさとされ、同じ大きさのものとグループとされ(すなわち、破片26g、26h、26i、及び26jは別のグループにされ)、別の大きさの破片とはバッフル26cによって分離されても良い。例えば、破片26g−26jのグループは、破片26g−26jの大きさが筐体16の入口部18から遠ざかり、筐体16の出口部20に近づくにつれて小さくなるように配置されても良い。すなわち、各グループの破片26g−26jの大きさを徐々に変え、気体排出物10の筐体16の拡径部19内での全体の流れ方向に小さくなるものとしても良い。一つの例では、この破片26g−26jは亜鉛からなる。例えば、破片26g−26jは、溶融亜鉛を冷却液中滴下して、非常に大きな表面積と、ランダムな苔状組織とを有するポップコーン形状の構造を作ることによって形成可能である。別の例では、異なる大きさの破片26g−26jが、一緒に混合されて、大きさに基づき分離されないものとしても良い。

0077

図13A図13Cには、いくつかの別の形状の障害要素26k−26mが非圧縮材として示され、これは図8及び図11に示される破片26d及び26g−26jに加えて、又はこれに代えて用いることができる。図13Aは、障害物26kが反応物質塊24を形成し、子供のおもちゃである「Jacks」に似たアスタリスク形状を有する例を示す。図13Bは、別の形状の障害要素26k−26mが、反応物質塊24を形成し、図8及び図11に示される筐体16及び26g−26jと同様、拡径部19中に配置されてもよい複数の結晶フレーク261(一つのみ示す)である例を示す。この結晶フレーク261は、雪片に類似の形状を有する。図13Cは、別の形状の障害要素26k−26mが、複数のワイヤコイル26m(一つのみ示す)であり、反応物質塊24を形成し、図8及び図11に示される筐体16及び26g−26jと同様、拡径部19中に配置されてもよい例を示す。障害物26kと複数の結晶フレーク261とは、亜鉛、又は(これらに限られないが)失ろう鍛造(lost wax forging)、及び3Dプリンティングなどを用いて亜鉛によって被覆された非亜鉛材料からなっても良い。これら複数のワイヤコイル26mは、例えば、亜鉛ワイヤをばねのように心棒コア巻き付け、その後に巻き付けられたワイヤのコイル全体に心棒コアの全長に沿って切り込みを入れることで、個々のコイルのリングを得ることによって作られても良い。この別形状の障害要素26k−26mは、拡径室21に完全に充填されても充填されなくても良い。

0078

上述の各種障害要素26a−26kを混ぜて各種の組み合わせを構成しても良い。この混合組み合わせの例は、図5図6A図6B図7A及び図7Bに示される一つ以上のバッフル26a−26cと、図8及び図11に示される複数の破片26d及び26g−26jとを組み合わせることを含む。別の混合組み合わせの例は、図9に示される複数のもつれ糸26eと、図8及び図11に示される複数の破片26d及び26g−26jとを組み合わせることを含む。上述の各種障害要素26a−26kと活性炭などの他のフィルタ要素とを組み合わせる別の構成も可能である。活性炭は、スポンジのように、表面接触によって汚染物質を収集する。したがって、限られた量の活性炭を筐体16の拡径部19に導入して上述の各種障害要素26a−26kとともに作用させても良い。好ましくは、この障害要素26a−26kは、活性炭が拡径室21全体にわたり比較的静的に(relatively statically)配置されるよう、活性炭を筐体16の拡径部19内に保持する。この構成は、活性炭を気体排出物10の流れの中に放出する通常の排出物制御システムと反対である。活性炭が気体排出物とともに自由に流動しないことから、より効率的に活性炭を使用することが可能となる。当業者は、開示された逆ベンチュリ装置15の例が単に例示的なものであり、本願明細書に開示されたいくつかの例を超える数多くの組み合わせが可能かつ特定の用途に対応するのに望ましいことを容易に了解するであろう。

0079

図14を参照して、導管38によって直列に接続される二つの拡径部19、19’を備える別の例示的逆ベンチュリ装置15’が示される。筐体16の一方の拡径部19は、筐体16の入口部18と導管38との間に延び、他方の拡径部19’は導管38と筐体16の出口部20との間に延びる。したがって、気体排出物10の曲折流路27は延伸される。この構成によれば、気体排出物10は、拡径部19から導管38を通って拡径部19’に送られ、拡径部19’でさらなる汚染物質が収集及び/又は捕捉される。本願開示事項は、一つないし二つの拡径部19、19’のみを直列に用いることに限られない。というのは、大規模な排出物及び/又は高レベルの汚染物質を伴ういくつかの用途では、数多くの拡径部を直列に接続する必要がある可能性があるからである。

0080

図15を参照して、並列に接続される二つの拡径部19、19’’を備える別の例示的逆ベンチュリ装置15’’が示される。スリウェイインレットバルブ39が、気体排出物10の流れを制御し、気体排出物10を導管41または導管42に流入させる。スリーウェイアウトレットバルブ40は、導管41から導管42へと直接逆流させることなく、または導管42から導管41へ直接逆流させることなく、気体排出物10を導管41または導管42から流出させる。気体排出物10は、気体排出物10が導管41から送られると、入口部18から拡径部19に流入し、出口部20から流出する。気体排出物10は、気体排出物10が導管42から送られると、入口部18’’から拡径部19’’に流入し、出口部20’’から流出する。図15に示されるこの逆ベンチュリ装置15’’の利点の一つは、拡径部19、19’’の他の一方が稼働を維持できることから、拡径部19、19’’の一方にメンテナンス、修理または掃除が必要となった場合、これを離隔し、システム全体をシャットダウンすることなくオフラインとすることができることである。

0081

時間が経つと、反応物質塊24の反応外表面25上に生じる化学反応及び/又は汚染物質の物理的捕捉により、反応物質塊24が飽和点に達し、逆ベンチュリ装置15の効率が低下する可能性がある。したがって、図15に示される構成では、筐体16の拡径部19、19’’内の反応物質塊24を取り外し、交換及び/又は洗浄することで、完全にシャットダウンすることなく、逆ベンチュリ装置を飽和前の効率に回復することが可能となる。

0082

飽和した反応物質塊から汚染物質を取り除く工程は、具体的な汚染物質の種類、及び使われたアマルガム形成金属の種類に依存する。筐体16の拡径部19、19’’内部に配置された拡径室21、21’’へのアクセスは、用いられる障害物の種類に応じたものとなる。比較的小さな、非圧縮の障害物が用いられる場合、注入及び/又は流出(pouring and/or draining)型のアクセスが必要となる。障害物が比較的大きなブロック、プレート、バッフルまたはアセンブリである場合、適切な持ち上げ及び取り扱い方法及びアクセス(lifting and handling methodsand access)が必要となる。

0083

さらに図15を参照して、逆ベンチュリ装置15は、筐体16の拡径部19、19’’と流体を介して連通する一つ以上のスプレーノズル81を有しても良い。このスプレーノズル81は、筐体16の拡径部19、19’’内の反応物質塊24上に脱酸素酸を噴射する位置に配置される。動作時、この脱酸素酸は、反応物質塊24を活性化させるため、反応物質塊24から汚染物質を洗い流す。あるいは、ドレイン82を筐体16の拡径部19、19’’と流体を介して連通させ、使われた脱酸素酸及び汚染物質を筐体16の拡径部19、19’’から搬出しても良い。飽和した亜鉛は、それが鋼鉄上に被覆されたものであっても、固形亜鉛の構造体であっても、リサイクルして再利用可能である点で好ましい。したがって、障害物中に用いられる材料は、再利用可能である。加えて、捕捉される汚染物質の多くは、特に水銀などの重金属は、照明及び塩素製造に再利用可能である。

0084

図16を参照すると、拡径室45が入口導管43及び出口導管44の体積と比較して大幅に大きな体積を有する別の例示的逆ベンチュリ装置15が示される。この拡径部46は、拡径部46を流れる気体排出物のための拡大された曲折流路77を提供するため、円形、四角形三角形楕円形、または所望の数多くの形状の事実上任意の一つであって良い(矩形形状が示される)。

0085

図17を参照して、通常の気体排出物制御システムのブロック図が示される。気体排出物は炉47から静電式集塵装置(ESP)48、流動化気体脱硫(FGD)ユニット49、及び繊維フィルタ(FF)ユニット50に導入され、その後に煙突51を介して大気に放出される。汚染物質の第一濃縮物52が、ESP48において気体排出物から除去される。同様に、汚染物質の第二濃縮物53が、FGDユニット49において気体排出物から除去される。FGDユニット49によって生み出される第二濃縮物53は、しばしば水銀及びその他の重金属を含み、通常、排水中に流れ込む。汚染物質の第三濃縮物54は、FFユニット50において気体排出物から除去される。

0086

図18A及び図18Bを参照すると、図17のブロック図とは、吸着剤噴射ポイントが導入され、気体排出物が上述の逆ベンチュリ装置15を通過する追加の工程が設けられた点で変形されている。図18Aでは、第一吸着剤導入ポイント55が、炉47とESP48との間に示される。これに代え、図18Bでは、第二吸着剤導入ポイント56がFGDユニット49とFFユニット50との間に示される。いずれのオプションが吸着剤にとって最も好ましいと見なされるかは、プラントの既存の構造及び状態に依存する。図18A及び図18Bに示される二つのオプション以外にも、吸着剤を導入可能な導入ポイントないし導入ポイントの組み合わせは数多くあり、したがってこれら二つのオプションは、例示的目的で示される。図18A及び図18B中の逆ベンチュリ装置15は、FFユニット50の後段かつ煙突51の前段に配置される。この逆ベンチュリ装置15は、各種用途に適したものとして、上述の例のいずれに準拠して構成されても良い。最終的に、逆ベンチュリ装置15を出てから煙突51を通じて大気に放出される最終気体排出物は、現状及び将来のEPA排出物規則及び規制に合致し、上回ることができるであろう。

0087

図18A及び図18Bに示される方法は、炉47内で燃料を燃やして汚染物質を含む気体排出物を発生させ、この炉47からの気体排出物をESP48に流入させ、ESP48を使って気体排出物中の第一部分粒子状汚染物質を除去する工程を含む。ESP48を用いて気体排出物中の第一部分粒子状汚染物質を除去する工程により、ESP48によって気体排出物から除去される粒子状汚染物質の第一部分を含む第一濃縮物52が形成される。稼働時、ESP48は印加された静電電荷を用いて気体排出物から微細汚染物質粒子を除去する。この方法は、ESP48からの気体排出物をFGDユニット49に導入し、FGDユニット49を用いて気体排出物中の二酸化硫黄汚染物質を除去する工程をも含む。FGDユニット49を用いて気体排出物中の二酸化硫黄汚染物質を除去する工程により、FGDユニット49によって気体排出物から除去された二酸化硫黄汚染物質を含む第二濃縮物53が形成される。この方法は、さらにFGDユニット49からの気体排出物をFFユニット50(すなわちバグハウス)に導入して、FFユニット50を用いて気体排出物中の粒子状汚染物質の第二部分を除去する工程を含む。このFFユニット50を用いて気体排出物中の粒子状汚染物質の第二部分を除去する工程により、FFユニット50によって気体排出物から除去される粒子状汚染物質の第二部分を含む第三濃縮物54が形成される。稼働時、気体排出物がFFユニット50の一つ以上の繊維フィルタ(図示せず)を通過する際に、気体排出物から汚染粒子が除去される。

0088

本願開示によれば、この方法は、さらにFFユニット50からの気体排出物を逆ベンチュリ装置15に送り、逆ベンチュリ装置15を用いて気体排出物中の重金属汚染物質を除去する工程を含む。逆ベンチュリ装置15を用いて気体排出物中の重金属汚染物質を除去する工程により、気体排出物は逆ベンチュリ装置15内に配置された反応物質塊を通過する(すなわち、上を流れる)。反応物質塊内のアマルガム形成金属が気体排出物中の重金属汚染物質と化学的に結合する。したがって、重金属汚染物質が反応物質塊中のアマルガム形成金属と結合する際に、反応物質塊によって逆ベンチュリ装置15中の重金属汚染物質が捕捉される。この方法では、さらに逆ベンチュリ装置15からの気体排出物を、気体排出物を周囲の大気に放出する煙突51に送る。逆ベンチュリ装置15は、比較的小さな専有面積を有し、既存のシステムの排出物制御装置48、49、50と、大気への煙突51との間に容易に調和して据え付け可能なものである点で好ましい。

0089

この方法は、吸着剤を気体排出物に噴射する工程を含んでも良い。この工程によれば、図18Aに示されるように、吸着剤は炉47とESP48との間に配置された第一吸着剤導入ポイント55において気体排出物に噴射されても良い。あるいは、図18Bに示されるように、吸着剤はFGDユニット49とFFユニット50との間に配置された第二吸着剤導入ポイント56において気体排出物に噴射されても良い。吸着剤はアマルガム形成金属を含み、気体排出物が逆ベンチュリ装置15に流入する前に、気体排出物中の重金属汚染物質の少なくとも一部と結合する。吸着剤を第一吸着剤導入ポイント55または第二吸着剤導入ポイント56において気体排出物内に噴射することによって、より多くの水銀、重金属、及び酸ガスを、以前には実現不可能なレベルでFFユニット50内で収集可能である。上述のように、アマルガム形成金属は、亜鉛、鉄、及びアルミニウムからなる群から選択されて良く、吸着剤は、例えばCZTS化合物であっても良い。吸着剤は、有害汚染物質を収集及びリサイクル可能なように、再生・活性化可能である。

0090

図19を参照して、通常の非気体排出物制御システムのブロック図が示される。液体及び/又は液体状排出物は、沈殿池61に送られる前に、流動化気体脱硫(FGD)ユニット59から、及び/又は、湿式気体洗浄ユニット58から、石灰処理ユニット60に送られる。適切な時間経過後、この非気体排出物は、沈殿池61から乾燥廃棄64の準備用処理システム又は脱水システム62中に送られる。乾燥廃棄64の処理を通って送られた非気体排出物は、廃棄場65内で廃棄準備される。場合により、再循環システムを備える脱水システム62を通って送られた非気体排出物は、例えば、石こう及び/又はセメント製造を含んでも良い二次工業工程63内で用いられるよう準備される。沈殿池61から脱水システム62または乾燥廃棄64用の処理に送られなかった非気体排出物は、排水溝66から排出されるよう送られる。この排水溝66に放出された最終の非気体排出物は、今後何年かした後に規制されるであろう程には規制されていない。提案されるEPAの水排出物規則及び規制は、現状排水溝に放出可能な排出物と比較して極めて制限が厳しい。汚染された液体排出物を排水溝に排出する必要のある産業は、現状の排出物制御技術を有するものの、これは来るべきEPA規制を満たし及び/又は遵守する可能性が実質的にない。

0091

図20を参照すると、図19のブロック図は、上述の吸着剤を含む一つ以上の処理槽67によって変形される。沈殿池61から非気体排出物が送られた後、これらが排水溝66に排出される前に処理槽67が配置される。図20に示される方法は、汚染物質を含む非気体排出物を収集し、この非気体排出物をFGDユニット59及び/又は湿式気体洗浄装置58に通して非気体排出物中の汚染物質の一部を除去し、このFGDユニット59及び/又は湿式気体洗浄装置58からの非気体排出物を石灰処理ユニット60に送り、かつこの非気体排出物に石灰処理ユニット60を通過させて、クラーク法によりこの非気体排出物を軟化させる工程を含む。稼働時、石灰処理ユニット60は、非気体排出物から沈殿により特定のイオン(例えば、カルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg))を除去する。この方法は、石灰処理ユニット60からの非気体排出物を沈殿池61に送り、非気体排出物中の汚染物質の一部を沈殿させて除去し、沈殿池61中の非気体排出物の第一部分を脱水し、脱水された副産物を二次工業工程63で使用し、沈殿池61からの非気体排出物の第二部分を除去して、この非気体排出物の第二部分に乾燥廃棄処理64を加える工程をも含む。沈殿池中の非気体排出物の第一部分を脱水し、脱水された副産物を二次工業工程63中で利用する工程においては、脱水工程は非気体排出物の第一部分を再循環する工程を含んでも良く、二次工業工程63は、例えば石こう又はセメントの製造工程を含んでも良い。沈殿池61からの非気体排出物の第二部分を除去し、この非気体排出物の第二部分に乾燥廃棄処理64を加える工程においては、乾燥廃棄処理64は非気体排出物の第二部分を廃棄場65中に堆積させる工程を含んでも良い。

0092

本願開示において、この方法はさらに沈殿池61中の非気体排出物の第三部分を、開示された吸着剤を含む処理槽67に送る工程を含む。この吸着剤は、非気体排出物の第三部分内の重金属汚染物質と結合するアマルガム形成金属を含む。したがって、この吸着剤は、重金属汚染物質が吸着剤と結合し、非気体排出物から沈殿/析出する際に、処理槽67中の重金属汚染物質を捕捉する。この方法では、その後、非気体排出物を処理槽67から排水溝66に送って排出しても良い。処理槽67は、非気体排出物(すなわち、排水流)が処理槽67から連続して流出可能なように設計されても良い。

0093

本願開示の吸着剤に関し、いくつかの例示的実施形態が開示される。これらの例示的実施形態は、単なる例にすぎず、このテーマの可能な変形を網羅したリストを示すものではない。

0094

上述のように、例示的吸着剤の一つは、元素亜鉛粉末である。亜鉛粉末は、亜鉛元素からなる。亜鉛は、粉末として、または粒体として用いられて良い。高温下で、何らかの気体排出物に用いる亜鉛粉末及び/又は粒体の有効寿命を延ばし、事前酸化を低減及び/又は防止するのに用いられる方法の一つは、この粒体及び/又は粉末をスルファミン酸クエン酸及び他の有機酸などの固体の酸と混合し、または固体の酸で被覆することである。この粉末/酸混合物は、気体排出物(例えば、燃焼排ガス流)に噴射され、及び/又は逆ベンチュリ装置15の適切な実施形態中に配置されても良い。

0095

亜鉛粉末の最適粒径は、0.5ナノメートルから7,500ミクロンの範囲である。加えて、異なる大きさの粒径範囲を有する粉末混合物が、特に粒径範囲が0.5ナノメートルから7,500ミクロンである場合に有利であることが判明している。同様に、亜鉛粒体の最適粒径は、7,500ミクロンから3.0インチの範囲である。加えて、異なる大きさの粒径範囲を有する粒体混合物が、特に粒径範囲が7,500ミクロンから3.0インチである場合に有利であることが判明している。

0096

別の例示的実施形態では、この吸着剤は、分子式Cu2ZnSnS4であるCZTSである。CZTSは、他の相の銅、亜鉛、錫及び硫黄からなっても良く、これも有利である。CZTS及び/又は関連する相の銅、亜鉛、錫及び硫黄は、化学量論的な比率で混合され、その後に機械化学配合を粉砕器(mill)中で行っても良い。さらに、このCZTSは、同じ割合のベントナイト又はゼオライトなどの粘土、及び水酸化カルシウム(CaOH)のいずれかと混合されても良い。CZTS粉末の最適粒径は、0.5ナノメートルから7,500ミクロンの範囲である。試験及び開発中に、異なる大きさの粒径範囲を有するCZTS粉末混合物が、特に粒径範囲が0.5ナノメートルから7,500ミクロンである場合に有利であることが判明している。特殊なCZTS粒体が好ましい用途では、最適な粒径は、7500ミクロンから3.0インチの範囲であることが判明している。加えて、異なる大きさの粒径範囲を有するCZTS粒体混合物が、特に粒径範囲が7,500ミクロンから3.0インチである場合に有利であることが判明している。

0097

大部分の汚染物質について、CZTSは、上述の範囲内で最も小さな粒径で、金属相のCZTSが多量に存在する場合に最も効率的である。なお、CZTSの製造時に、銅、亜鉛、錫及び硫黄がCZTSに完全に変換されることはなく、各相(例えば、ダンバ鉱(CuZn2)及び硫化錫(SnS))の混合物となる。

0098

CZTSの例示的な製造方法の一つでは、銅、亜鉛、錫、及び硫黄が粉砕器に特に順序を問わずに追加される。粉砕工程は、ボールミルまたは何らかの種類の摩擦粉砕器を用いて、あるいは、順次用いて所望の粒径を得る粉砕装置の組み合わせにより達成される。例示的粒径は、325標準メッシュスクリーンから100標準メッシュスクリーンの範囲である(1標準メッシュスクリーン=7500ミクロン)。得られる粒子は、さらに所定のモル比である銅:亜鉛:錫:硫黄=1.7:1.2:1.0:4.0に計量される。メッシュサイズとモル比とを確認した後、これらの粒子は粉砕されて、CZTS及びその他の相に機械化学配合される。粉砕時間は、具体的用途に応じて最適な特性を示すよう制御される。なお、粉砕工程は、不活性ガス雰囲気中で行われる、グリコールエーテルエチレングリコール、アンモニアまたはその他のアルコールなどの適切な溶媒を添加した湿式粉砕工程または不活性ガス雰囲気中で行われる乾式粉砕工程を用いて行うことができる。

0099

粉砕工程中、粒径分析機、SEM、XRDを用いて粒径を判定し、またはラマン法を用いて相変態比率を判定するため、断続的にサンプリングが行われる。粉砕器のボール径は重要であり、試験により、ボール粒子重量比(ball−to−powder weight ratio)(電荷比)が少なくとも5:1である場合に最適化されることが示されている。粉砕ボールは、鋼鉄、セラミックスジルコニアまたはその他の最終製品を汚染することなく、サイズ及び/又は相変換を実現する材料からなるのが最も好ましい。湿式粉砕を採用する場合、CZTSは乾燥される。その後、CZTSは、ベントナイトまたはゼオライト、及び水酸化カルシウムを均等に混合するため、リボンブレンダー、V−ブレンダーまたはその他の適切なミキサを用いて混合される。

0100

上述の方法によれば、吸着剤は、温度がおよそ華氏750℃以下の気体排出物中に導入される。この吸着剤は、これらに限られないが、噴射、流動床、被覆フィルタ及び捕捉などのいくつかの方法のいずれかによって気体排出物中に導入される。導入方法は、プラント中の既存の排出物制御システムに基づき、設置を容易とするよう選択可能である。便宜な方法の一つは、CZTSを活性炭の代わりに気体排出物中に噴射することであり、同じ噴射設備を変形し、または変形せずに利用可能である。

0101

いくつかの用途では、有効に汚染物質を除去するためCZTSをベントナイトと混合する場合に、気体排出物の処理が最適化される。あるいは、非気体排出物の処理は、CZTSがゼオライトと混合される場合に最適化される。CZTSと混合される特定の材料に加え、混合物の比率は、最適な汚染物質除去能力を提供するために用途に特化されたものであっても良い。

0102

図18A及び図18Bに示されるように、CZTSを気体排出物処理に用いる場合、繊維フィルタユニット50をCZTS導入ポイント55、56の下流に配置して、繊維フィルタユニット50によって吸着剤粒子を捕捉し、気体排出物と吸着剤との間の接触時間を増加させる。繊維フィルタユニット50の繊維フィルタ(すなわちバグ)上に吸着剤を沈着させることで、気体排出物と吸着剤との間でより長時間接触可能となり、また吸着剤を収集してその後に再生することができる。吸着剤の粒径が小さいことで、風によって塵が運ばれるように、吸着剤を気体排出物の流れに沿って送ることが可能となる。吸着剤が気体排出物の流れの中で運ばれる期間中、吸着剤は気体排出物の流れ中で移動する汚染物質と接触し、これにより汚染物質が吸着剤と化学的に反応し結合することになる。繊維フィルタユニット50に到達すると、気体排出物は繊維フィルタユニット50中のフィルタを引きつづき通過する一方、結合した吸着剤と汚染物質の粒子は、大きすぎるため、フィルタを通過できない。CZTS粒子が10ミクロン以下である場合、繊維フィルタユニット50中のフィルタを予めより大きなCZTS粒子、活性炭、タルク、石灰その他の適切な物質で被覆して、より小さなCZTS粒子がフィルタを通過しないようにする必要がある可能性がある。あるいは、より小さなミクロンサイズのフィルタを繊維フィルタユニット50に用いても良い。

0103

非気体排出物用の他の用途では、CZTSは図20に示される処理槽67に導入されても良い。この構成では、CZTSは処理槽67に導入されて一定時間よく攪拌されるのが好ましく、その後、排出前に、非気体排出物(例えば廃水)にpH調整、凝集、及び濾過が加えられる。その後、処理槽67中のCZTSには、汚染物質をCZTSから除去する再生工程が加えられても良い。使用済みCZTSは、水銀をCZTSから濾過することにより、または真空蒸溜によって再生可能である。得られた汚染物質は、その後に他の産業で利用可能である。CZTSにより、非気体排出物内の硝酸塩及び窒化物レベルを低減可能であるという利点も得られる。

0104

EPAによって定立された、2016年に施行される排水規制は、空気についてのものよりもはるかに厳しい。ナノグラムリットル(ng/L)、マイクログラム/リットル(μg/L)、及び/またはグラム/Lの単位で挙げられた現行のEPA規制のいくつかを挙げると以下の通り。水銀119ng/l;砒素(As)8μg/l;セレン(Se)10μg/l;二酸化窒素(NO2)及び硝酸塩(NO3)0.13g/l。鉛(Pb)及びカドミウム(Cd)などの他の重金属も、EPA規制レベル案に含まれる。既存プラントの多くでは、許容可能な排出規制を超える汚染レベルの排水が滞水池及び/又は他の種類の何らかのスラッジ貯水槽に送られる。CZTSは、滞水池内で、本願明細書に開示される非気体排出物を処理するのと同じ方法で固体を処理可能である。重金属のイオン形態、スラッジ組成及び/又はpHに応じて、CZTSの滞水池中の接触時間は適切に調整可能である。十分なpH調整、凝集、及びその後の濾過により、通常の排出、廃棄及び/又は他産業での利用が可能となるが、これらのいずれも以前には不可能であったものである。

0105

なお、本明細書に開示される吸着剤は、当業種で現在用いられる活性炭を含め、遊離炭素を何ら含まない。結果として、開示される方法の副産物として生成される金属硫化物のいずれも濾過されない。したがって、これらの副産物は、石こうウォールボード及びセメント用途において、工業的価値が高い。EPAの金属硫化物濾過試験は公知であり、これらの製品への使用は良く立証されている。

0106

一例では、活性炭は繊維フィルタユニット50のフィルタ中に埋め込まれる。この活性炭は、気体排出物の流れに自由に漏出することはない。別の形の活性炭の限定的な使用としては、活性炭で結晶形態のCZTSを被覆し、1.0ナノメートル以下の厚みの炭素薄膜を有するCZTSを製造することも可能である。これにより、極めて小さな水銀の金属蒸気粒子の捕捉が促進される。同様に、結晶状のCZTSをナノメートル状のゼオライト薄膜またはその他の被覆材で被覆し、特定用途のための特定の有害汚染物質を対象とすることも可能である。図33に示される別の構成では、逆ベンチュリ型流動床装置は、CZTS吸着剤、CZTS合金吸着剤、及び/又は炭素系吸着剤用の一連の吸着剤処理サブシステムとしての吸着剤を洗浄しリサイクルするための設備を備える。

0107

図21を参照して、排出物から公知の排出物制御システムによって除去された汚染物質の割合と、本願で開示された逆ベンチュリ装置および方法によって除去された汚染物質の割合とがグラフによって示される。EPAによって、現在、90%の汚染物質レベル78が気体排出物について定められる。既存の排出物制御システム79は、有害汚染物質の88%から90%を除去するのに有効である。しかし、EPAは数年にわたって必要な最低汚染物質除去割合を引き上げており、既存の排出物制御システムの多くがこの要件を満たすことができず、また多くの他の既存の排出物制御システムは、現行の技術の下で利用可能な最大除去能力において稼働する際に要件を満たすことができるのみである。

0108

さらに図21を参照すると、例示的排出物制御システム80は、本願明細書に開示される逆ベンチュリ装置、吸着剤及び/又は方法に基づく新たな排出物制御システム、又は本願明細書に開示される逆ベンチュリ装置、吸着剤及び/又は方法を含むことで変形及び補強された既存の排出物制御システムのいずれかであって良い。試験により、この例示的排出物制御システム80は、現行のEPA規制レベルを遙かに上回る有害汚染物質の少なくとも98%を除去することが可能であり、有効であることが確認されている。

0109

図22及び図24に示される例示的な排出物制御方法では、汚染気体源150が、一つ以上のプレ流動床フィルタ151を介してシステムに導入され、流動床152、一つ以上のポスト流動床フィルタ153を通り、システム排出部154を経て、環境的に制御された形で気体排出物を煙突155を通して排出する。なお、汚染気体源150を最初に一つ以上のプレ流動床フィルタ151を通すことは必ずしも必要ではない。しかし、特定の用途に応じて、一つ以上のプレ流動床フィルタ151が必要となる場合もある。

0110

流動床152は逆ベンチュリ形状を有し、具体的な長さLと径Dとの比が、最小2.9:1、最大9.8:1とされている。この比率は、汚染気体源150が、反応物質164などの特殊な吸着剤が充填された流動床152中により長く滞留するために最適化されたものである。反応物質164は、銅、亜鉛、錫、硫黄(CZTS)化合物及び/又はその合金からなる吸着剤である。流動床152の長さLの径Dに対する好ましい比率の例は、4.4:1であり、これは試行錯誤を通じて決定される。

0111

好ましくは、流動床152は、略円形の断面を有する。図24には示されないが、本願明細書に開示される一つ以上の各種バッフル及び/又は特定用途のフロー制限障害物を流動床152が備えても良い。流動床152は、略外側に延びる凸状端168および169を有し、反応物質164を通る乱流を最小限にしつつ、滞留時間の延長を促進する。汚染気体源150のフローが流入ポート165で流動床152に流入する際、反応物質164との密接な接触が開始され、ランダムな非乱流166が生じる。ランダムな非乱流166は、略外側に延びる凸状端168および169により自らの側に逆流し、これにより非乱流166が出口ポート167から流動床152を出る前の流動床152内での滞留時間が延長される。非乱流166を促進する反応物質164は、汚染気体源150のランダムな曲折流路を形成する。なお、流動床152の長さLは、凸状端168および169の長さを含まない。

0112

流動床152は、吸着剤洗浄ステーション156につながる側面流出孔170を有する。吸着剤洗浄ステーション156は、消耗した吸着剤157をシステムから除去して廃棄することが可能である。加えて、反応物質164により汚染気体源150から捕捉され、吸着剤洗浄ステーション156で反応物質164から分離された汚染物質158は廃棄及び/又はリサイクル可能である。吸着剤洗浄ステーション156は、洗浄された反応物質164を吸着剤戻りポート159を介して流動床152に戻す。大量再充填吸着剤容器168により、必要に応じて除去・消耗した吸着剤157と置き換えるための補充分の反応物質164が供給される。システム排出部154からは、排気用煙突155から環境的に制御された形で排出される気体排出物が得られる。捕捉された廃棄物160をさらに排出する機構を、追加吸着剤処理サブシステム(図33)として設けても良い。

0113

図23及び図24に示される例示的な排出物制御方法では、汚染非気体源161が、一つ以上のプレ流動床フィルタ151を介してシステムに導入され、流動床152、一つ以上のポスト流動床フィルタ153を通り、システム排出部154を経て、環境的に制御された放出162によって非気体排出物が排出される。なお、汚染非気体源161を最初に一つ以上のプレ流動床フィルタ151を通すことは必ずしも必要ではない。しかし、特定の用途に応じて、一つ以上のプレ流動床フィルタ151が必要となる場合もある。

0114

流動床152は逆ベンチュリ形状を有し、具体的な長さLと径Dとの比が、最小2.9:1、最大9.8:1とされている。この比率は、汚染非気体源161が、反応物質164などの特殊な吸着剤が充填された流動床152中により長く滞留するために最適化されたものである。反応物質164は、銅、亜鉛、錫、硫黄(CZTS)化合物及び/又はその合金からなる吸着剤である。流動床152の長さLの径Dに対する好ましい比率の例は、4.4:1であり、これは試行錯誤を通じて決定される。

0115

流動床152は、略外側に延びる凸状端168および169を有し、反応物質164を通る乱流を最小限にしつつ、滞留時間の延長を促進するのが好ましい。汚染非気体源161のフローが流入ポート165で流動床152に流入する際、反応物質164との密接な接触が開始され、ランダムな非乱流166が生じる。ランダムな非乱流166は、略外側に延びる凸状端168および169により自らの側に逆流し、これにより出口ポート167から流動床152を出る前の流動床152内での滞留時間が延長される。非乱流166を促進する反応物質164は、汚染非気体源161のランダムな曲折流路を形成する。なお、流動床152の長さLは、凸状端168および169の長さを含まない。

0116

好ましくは、流動床152は、略円形の断面を有する。図24には示されないが、本願明細書に開示される一つ以上の各種バッフル及び/又は他の特定用途のフロー制限障害物を流動床152が備えても良い。流動床152は、吸着剤洗浄ステーション156につながる側面流出孔170を有する。吸着剤洗浄ステーション156は、消耗した吸着剤157をシステムから除去して廃棄することが可能である。加えて、反応物質164により汚染非気体源161から捕捉され、吸着剤洗浄ステーション156で反応物質164から分離された汚染物質158は廃棄及び/又はリサイクル可能である。吸着剤洗浄ステーション156は、洗浄された反応物質164を吸着剤戻りポート159を介して流動床152に戻す。大量再充填吸着剤容器168により、必要に応じて除去・消耗した吸着剤157と置き換えるための補充分の反応物質164が供給される。システム排出部154からは、環境的に制御された放出162によって排出される非気体排出物が得られる。捕捉された廃棄物163の追加排出部も設けられる。

0117

図25は、気体排出物250を一つ以上のプレフィルタ251、流動床253、一つ以上のポストフィルタ255、システム排出部256を通過させ、最終的に排気煙突257から、及び/又は排出物廃棄プロセス262を通じて制御して排出された気体排出物として排出する例示的方法を示す。流動床253は、長手面290によって二等分される。流入ポートP3および出口ポートP4は、流動床253が長手面290と揃った際に気体排出物が流入し、排出されるように構成される。流動床253内部の障害物(図示せず)により、気体排出物が流入ポートP3を通って流入し、出口ポートP4を通って排出される際に特に適した、好適な曲折した流路が形成される。流入ポートP3および出口ポートP4は、流動床253の長手面290の上方に配置される。

0118

図25に示されるように、流動床253はトラック254上に搭載可能であり、回転軸252を中心として流動床253を傾斜させるように構成される。気体排出物が流動床253中で処理される際、流動床253の長手面290は、略水平である。吸着剤洗浄ステーション258は、流動床253の流出孔P5と流体を介して連通し、吸着剤洗浄ステーション258において、吸着剤によって捕捉された汚染粒子が除去される。除去された汚染物質は、ステーション261によってリサイクルされ、または廃棄可能である。消耗した吸着剤は、ステーション259によって廃棄され、洗浄された吸着剤はリサイクルされて、吸着剤戻りポート260から戻りポートP6を通じて流動床253に戻される。

0119

図26には、汚染された非気体排出物295を、一つ以上のプレフィルタ251、流動床253、一つ以上のポストフィルタ255、システム排出部256を通過させ、最終的に環境的に制御された非気体排出273として、及び/又は排出物廃棄プロセス274を経由して排出する例示的方法が示される。流入ポートP2および出口ポートP1は、非気体排出物が流入し、排出されるように構成される。流動床253内部の障害物(図示せず)により、非気体排出物が流入ポートP2および出口ポートP1を通って導入される際に特に適した、好適な曲折した流路が形成される。流入ポートP2および出口ポートP1は、流動床253の長手面290によって二等分される(すなわち、流動床253の長手面290と揃って配置される)。

0120

非気体排出物が流動床253中で処理される際、流動床253の長手面290は、略垂直である。吸着剤洗浄ステーション258は、流動床253の流出孔P5と流体を介して連通し、吸着剤洗浄ステーション258において、吸着剤によって捕捉された汚染粒子が除去される。除去された汚染物質は、ステーション261によってリサイクルされ、または廃棄可能である。消耗した吸着剤は、ステーション259によって廃棄され、洗浄された吸着剤はリサイクルされて、吸着剤戻りポート260から戻りポートP6を通じて流動床253に戻される。

0121

図27には、開示される好適な反応性CZTS合金吸着剤341と、活性炭342およびゼオライト343を含むその他の吸着剤とを比較した表が示される。汚染物質367は、窒素368、リン酸塩369、重金属370、硫黄371、水銀372、およびセレン酸塩373を含む主要な種類が挙げられる。汚染物質367は、さらに気体排出物344、346、および348を非気体排出物345、347、および349と比較して表にした各吸着剤とともにリスト化される。

0122

反応性CZTS合金吸着剤341は、気体排出物344及び/又は非気体排出物345中の汚染物質367の捕捉及び除去にあたって有効であることがテストによって確認される。これに対し、活性炭342は、気体排出物346及び/又は非気体排出物347 中の汚染物質367の捕捉及び除去にあたって有効ではない。同様に、ゼオライト343は、気体排出物348及び/又は非気体排出物349中の汚染物質367の捕捉及び除去にあたって有効ではない。

0123

図28に、本願開示の反応性CZTS合金吸着剤351及び腐食剤350、酸化第二鉄355、およびゼオライト356を含むその他の吸着剤を含む吸着剤の拡張リストが示される。反応性CZTS合金吸着剤351は、硫黄CZTS合金352、セレン酸塩CZTS合金353、および酸化第一鉄CZTS合金354を含む。CZTS合金吸着剤351は、下記汚染物群の全てと効果的に反応する。セレン酸塩357、完全イオン化硫黄358、完全イオン化窒素359、および完全イオン化リン酸塩360。反応性CZTS合金吸着剤351は、これら汚染物質を、気体および非気体排出物双方から捕捉し除去可能である。

0124

これに対し、腐食剤350は、完全イオン化硫黄358に対してのみ効果的である。酸化第二鉄355は、セレン酸塩357に対してのみ効果的であり、完全窒素359および完全イオン化リン酸塩360とは非常に遅い反応特性を有(し、かつ非気体排出物のみに作用)する。ゼオライト356は、完全イオン化窒素359および完全イオン化リン酸塩360に対してのみ効果的である。したがって、腐食剤350、酸化第二鉄355、およびゼオライト356等の公知の吸着剤は、本明細書に開示される反応性CZTS合金吸着剤351の広範囲な特性と比べて、限定的な効果特性しか有しない。公知の吸着剤が一定レベルの有効性を持つ場合でも、これらは全て本明細書に開示される反応性CZTS合金吸着剤351の有効レベルよりも低い。

0125

図29において、表364は、窒素368、リン369、重金属370、硫黄371、水銀372、およびセレン酸塩373を含む汚染物質367を捕捉し除去する排出物制御システムに用いられた後に後処理される先行技術の吸着剤365の能力を示す。気体排出物374及び/又は非気体排出物375中の先行技術の吸着剤から汚染物質367を分離する能力は非常に低く、気体排出物374中の窒素368を除いて事実上存在しない。同様に、表364は、汚染物質367の分離後の先行技術の吸着剤366を再利用することも、窒素368を含む気体排出物376を除いて事実上できないことを示す。

0126

図30において、表378は、窒素368、リン369、重金属370、硫黄371、水銀372、およびセレン酸塩373を含む汚染物質367を捕捉し除去する排出物制御システムに用いられた後に後処理される本明細書開示の反応性CZTS合金吸着剤339の能力を示す。気体排出物374及び/又は非気体排出物375中の汚染物質367を開示される反応性CZTS合金吸着剤339から分離できることは特に有利である。というのは、これは汚染物質367がより容易に廃棄またはリサイクル可能であることを意味し、また反応性CZTS合金吸着剤339が排出物制御システム(表378に示す)で再利用可能であるからである。具体的に、表378は、本明細書開示の反応性CZTS合金吸着剤340が気体排出物376および非気体排出物377中の汚染物質367から分離された後に再利用できることを示す。

0127

図31において、ブロック図により気体排出物250から汚染物質を除去するシステムおよび方法が示される。気体排出物250は、工程379においてモニターおよび分析され、気体排出物250中の汚染物質の種類およびレベルが判定される。モニタリングは、定期的な間隔で行われるシステマティックな断続的抜き取り検査、または連続的インラインモニタリングおよび分析であって良い。工程379によって判定された気体排出物250中に存在する汚染物質の種類及び/またはレベルに基づき、排出物のフローは、気体排出物250が適切なプレフィルタ381、382、383、及び/又は384にさらに導かれるように、プレフィルタ流入マニホルド380を通して送られる。適切なプレフィルタ381、382、383、及び/又は384は、図28に示される選択方法により選択される。

0128

図31に示されるプレフィルタには、図28に示される反応性CZTS合金吸着剤351が充填される。例えば、プレフィルタ381には図28に示される硫黄のCZTS合金352が充填される。プレフィルタ382には図28に示されるセレン酸塩のCZTS合金353が充填される。プレフィルタ383には図28に示される酸化第一鉄のCZTS合金354が充填される。プレフィルタ384にはCZTS合金吸着剤352、353及び/又は354の組み合わせが充填される。気体排出物250に含まれる具体的なレベル及び/又は種類の汚染物質を効果的に処理するよう組み合わされた、それぞれ異なる組み合わせのCZTS合金吸着剤352、353、及び/又は354が充填された追加のプレフィルタをプレフィルタ流入マニホルド380に追加しても良い。

0129

汚染された気体排出物250が適切なプレフィルタを通して送られた後、プレフィルタ流出マニホルド385は、排出物を流動床253に送る。気体排出物250については、流動床253の筐体は、架台271と略平行な向きに配置される。汚染物質は工程258で吸着剤から分離され、吸着剤戻りポート260を通って流動床253に戻される。

0130

気体排出物250が流動床253を出た後、ポストフィルタモニタリング工程386により気体排出物250に残存する汚染物質の新たなレベル及び/又は種類が判定され、気体排出物250がポストフィルタ流入マニホルド387を通して導かれる。適切なポストフィルタ388、389、390、及び/又は391は、図28に示される選択方法により選択される。図31に示されるポストフィルタには、図28に示される反応性CZTS合金吸着剤351が充填される。例えば、ポストフィルタ388には図28に示される硫黄のCZTS合金352が充填される。ポストフィルタ389には図28に示されるセレン酸塩のCZTS合金353が充填される。ポストフィルタ390には図28に示される酸化第一鉄のCZTS合金354が充填される。ポストフィルタ391にはCZTS合金吸着剤352、353及び/又は354の組み合わせが充填される。ポストフィルタ流出マニホルド392は、気体排出物250を気体システム排出部256aに送る。気体システム排出部256aでは、気体排出物250の一部が制御された気体排出煙突257から排出され、気体排出物250の一部が適切な廃棄物処理工程262により排出される。

0131

気体排出物250に含まれる具体的なレベル及び/又は種類の汚染物質を効果的に処理するよう組み合わされた、それぞれ異なる組み合わせのCZTS合金吸着剤352、353、及び/又は354が充填された追加のポストフィルタをポストフィルタ流入マニホルド387に追加しても良い。

0132

全てのプレフィルタ381、382、383、384およびポストフィルタ388、389、390、391には、吸着剤洗浄工程258および吸着剤戻りポート260を介して別々に送られる。工程258は、CZTS合金吸着剤351からの汚染物質を分離して、汚染物質をリサイクル及び/又は適切に回収可能として廃棄261する工程を含む。一切の消耗したCZTS合金吸着剤351は、廃棄工程259を通じて廃棄可能である。工程258後に、各具体的なプレフィルタ381、382、383、384及び/又はポストフィルタ388、389、390、391を特定のCZTS合金吸着剤351に交換しても良い。吸着剤洗浄工程258からプレフィルタ381、382、383、384及び/又はポストフィルタ388、389、390、391に、およびプレフィルタ381、382、383、384及び/又はポストフィルタ388、389、390、391から吸着剤洗浄工程258に吸着剤を送るための具体的な経路図及び/又は回路図は示されない。

0133

図32において、ブロック図により非気体排出物295から汚染物質を除去するシステムおよび方法が示される。非気体排出物295は、工程379においてモニターおよび分析され、非気体排出物295中の汚染物質の種類およびレベルが判定される。モニタリングは、定期的な間隔で行われるシステマティックな断続的抜き取り検査、及び/又は連続的インラインモニタリングおよび分析であって良い。工程379によって判定された非気体排出物295中に存在する汚染物質の種類及び/またはレベルに基づき、排出物のフローは、非気体排出物295が適切なプレフィルタ381、382、383、及び/又は384を通してさらに送られるように、プレフィルタ流入マニホルド380を通して送られる。適切なプレフィルタ381、382、383、及び/又は384は、図28に示される選択方法により選択される。

0134

図32に示されるプレフィルタには、図28に示される反応性CZTS合金吸着剤が充填される。例えば、プレフィルタ381には図28に示される硫黄のCZTS合金352が充填される。プレフィルタ382には図28に示されるセレン酸塩のCZTS合金353が充填される。プレフィルタ383には図28に示される酸化第一鉄のCZTS合金354が充填される。プレフィルタ384にはCZTS合金吸着剤352、353及び/又は354の組み合わせが充填される。非気体排出物295に含まれる具体的なレベル及び/又は種類の汚染物質を効果的に処理するよう組み合わされた、それぞれ異なる組み合わせのCZTS合金吸着剤352、353、及び/又は354が充填された追加のプレフィルタをプレフィルタ流入マニホルド380に追加しても良い。

0135

汚染された非気体排出物295が適切なプレフィルタを通して送られた後、プレフィルタ流出マニホルド385は、排出物を流動床253に送る。非気体排出物295については、流動床253の筐体は、架台271と略垂直な向きに配置される。汚染物質は工程258で吸着剤から分離され、吸着剤戻りポート260を通って流動床253に戻される。

0136

非気体排出物295が流動床253を出た後、ポストフィルタモニタリング工程386により非気体排出物295に残存する汚染物質の新たなレベル及び/又は種類が判定され、非気体排出物295がポストフィルタ流入マニホルド387を通って送られる。適切なポストフィルタ388、389、390、及び/又は391は、図28に示される選択方法により選択される。図32に示されるポストフィルタには、図28に示される反応性CZTS合金吸着剤351が充填される。例えば、ポストフィルタ388には図28に示される硫黄のCZTS合金352が充填される。ポストフィルタ389には図28に示されるセレン酸塩のCZTS合金353が充填される。ポストフィルタ390には図28に示される酸化第一鉄のCZTS合金354が充填される。ポストフィルタ391にはCZTS合金吸着剤352、353及び/又は354の組み合わせが充填される。ポストフィルタ流出マニホルド392は、非気体排出物295を非気体システム排出部256bに送る。非気体システム排出部256bでは、非気体排出物295の一部が環境的に制御された非気体排出273として排出され、非気体排出物295の一部が適切な廃棄物処理工程262により排出される。非気体排出物295に含まれる具体的なレベル及び/又は種類の汚染物質を効果的に処理するよう組み合わされた、それぞれ異なる組み合わせのCZTS合金吸着剤352、353、及び/又は354が充填された追加のポストフィルタをポストフィルタ流入マニホルド387に追加しても良い。

0137

全てのプレフィルタ381、382、383、384およびポストフィルタ388、389、390、391には、吸着剤洗浄工程258および吸着剤戻りポート260を介して別々に送られる。工程258は、CZTS合金吸着剤351からの汚染物質を分離して、汚染物質をリサイクル及び/又は適切に回収可能として廃棄261する工程を含む。一切の消耗したCZTS合金吸着剤351は、廃棄工程259を通じて廃棄可能である。工程258後に、各具体的なプレフィルタ381、382、383、384及び/又はポストフィルタ388、389、390、391を特定のCZTS合金吸着剤351に交換しても良い。吸着剤洗浄工程258からプレフィルタ381、382、383、384及び/又はポストフィルタ388、389、390、391に、およびプレフィルタ388、389、390、391及び/又はポストフィルタ388、389、390、391から吸着剤洗浄工程258に吸着剤を送るための具体的な経路図及び/又は回路図は示されない。

0138

図33には、例示的な排出物制御システムが示される。汚染された排出物は、流入ポート165を介して流動床152に導入される。なお、特定の用途での必要性に応じて、排出物は最初に一つ以上のプレ流動床フィルタ151(図22及び図23)を通過しても良い。

0139

流動床152は逆ベンチュリ形状を有する筐体16を有し、その具体的な長さLと径Dとの比が、最小2.9:1、最大9.8:1の間とされている。この比率は、汚染された排出物が、一種以上の吸着剤を含む特殊な反応物質164が充填された流動床152中により長く滞留するために最適化されたものである。流動床152の長さLの径Dに対する好ましい比率の例は、4.4:1であり、これは試行錯誤を通じて決定される。特定の用途での必要性に応じて、一つ以上の例示的流動床152を直列または平行に連結しても良い。

0140

好ましくは、流動床152は、略円形の断面を有する。図33には示されないが、本願明細書に開示される一つ以上の各種バッフル及び/又は特定用途のフロー制限障害物を流動床152が備えても良い。流動床152は、略外側に延びる凸状端168、169を有し、反応物質164を通る乱流を最小限にしつつ、滞留時間の延長を促進する。汚染された排出物のフローが流入ポート165で流動床152に流入する際、反応物質164との密接な接触が開始され、ランダムな非乱流166が生じる。ランダムな非乱流166は、略外側に延びる凸状端168、169により自らの側に逆流し、これにより非乱流166が出口ポート167から流動床152を出る前の流動床152内での滞留時間が延長される。非乱流166を促進する反応物質164は、汚染された排出物のランダムな曲折流路を形成する。なお、流動床152の長さLは、凸状端168、169の長さを含まない。

0141

流動床152は、動作パラメータについてのデータ、状態およびフィードバックを提供する少なくとも一つのモニタリングセンサステーション421(すなわち、第一モニタリングセンサ)を備える。モニタリングセンサステーション421は、排出フローレベル、圧力、速度、温度、及びその他多くの排出物制御システムに関する関連パラメータを監視するよう構成される。フィードバック情報に基づき、この装置によりいくつかの自動調整が行われるが、他のプロセス及び/又はシステムパラメータ手動調整を要する可能性がある。モニタリングセンサステーション421は、流動床152内部の吸着剤の効率についての情報を提供し、いつ吸着剤を洗浄し、及び/又は再生するかの判断を補助する。

0142

本願開示の例示的実施形態において、流動床152は、それぞれ吸着剤処理サブシステム400、401、402につながる少なくとも一つの側面流出孔403、409、415を有する。図33に示される吸着剤処理サブシステム400、401、402は流動床152の外部に配置されるが、これに代えて流動床152の内部に設置されても良い。

0143

流動床152は、動作パラメータについてのデータ、状態およびフィードバックを提供する少なくとも一つのクローズドループ吸着剤出口ポートモニタリングセンサステーション422及び少なくとも一つのクローズドループ吸着剤戻りポートモニタリングセンサステーション423を備える。モニタリングセンサステーション422は、排出フローレベル、圧力、速度、温度、及びその他多くの排出物制御システムに関する関連パラメータを監視するよう構成される。フィードバック情報に基づき、プログラマブルな装置によりいくつかの自動調整が行われるが、他のプロセス及び/又はシステムパラメータは手動調整を要する可能性がある。モニタリングセンサ423は、吸着剤が出口ポート403、409、または415の一つを通過する際、およびサブシステム400、401、または402に流入する際、吸着剤の状態を識別する。モニタリングセンサステーション423は、排出フローレベル、圧力、速度、温度、及びその他多くの排出物制御システムに関する関連パラメータを監視するよう構成される。

0144

フィードバック情報に基づき、プログラマブルな装置によりいくつかの自動調整が行われるが、他のプロセス及び/又はシステムパラメータは手動調整を要する可能性がある。モニタリングセンサ423は、洗浄及び/又は再生後に吸着剤がサブシステム400、401、または402の戻りポート407、414、または420の一つを通過する際、吸着剤の状態を識別する。モニタリングセンサステーション424(すなわち第二モニタリングセンサ)は、排出フローレベル、圧力、速度、温度、及びその他多くの排出物制御システムに関する関連パラメータを監視するよう構成される。フィードバック情報に基づき、プログラマブルな装置によりいくつかの自動調整が行われるが、他のプロセス及び/又はシステムパラメータは手動調整を要する可能性がある。モニタリングセンサ424は、洗浄及び/又は再生工程が行われるとき、吸着剤がサブシステム400、401、または402内の各ステーション404、410、または416で処理される際、吸着剤の状態及び最終的な体積を監視する。モニタリングセンサ421、422、423、424は、互いに協働して処理条件及び/又はパラメータ調整を行い、排出物制御システム内の各ステーションでの一貫性及び最適な吸着剤の効率を達成・維持する。サブシステム400、401、402内の吸着剤を監視することで、各ステーション408、413、および419が、いつ、およびどの程度の量の補充吸着剤を必要とするかが判定される。

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