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技術 プリーツフィルタ

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 小森大輔加藤港足立知弘
出願日 2018年9月7日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-167413
公開日 2020年3月19日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-039999
状態 未査定
技術分野 換気1 ガス中の分散粒子の濾過 濾過材 静電分離
主要キーワード ニオイ成分 接着バインダー 圧力損失増大 遠心送風ファン フィルタろ材 活性炭顆粒 アルデヒド類化合物 天然繊維材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (8)

課題

化学反応性が低いVOCの除去性能を長期間にわたり高めることができるプリーツフィルタを提供することを目的とする。

解決手段

アミン薬剤を有した層19と金属化合物触媒を有した層21と集塵層20の三層を一体化させたプリーツフィルタにおいて、気流上流側からアミン系薬剤を有した層19、集塵層20、金属化合物触媒を有した層21の順番になるように積層したことで、気流の上流側でアルカリ性物質と粒状物質を除去できるので、金属化合物触媒を有した層21には、ベンゼントルエンなど、化学反応性の低いVOCのみを流入させることができ、金属化合物触媒25への処理量負荷を低減させ、長期間性能を高めることができる。

概要

背景

VOC(Volatile Organic Compouds)は、大気中の光化学反応より、光化学スモッグを引き起こす原因物質の一つとされている。低濃度であっても健康障害を起こすため、住宅内において、壁紙や家具等から放出したVOCは、室内汚染物質として除去されることが望まれている。

従来、空気浄化フィルタ101では、活性炭層102と薬剤層103を積層し、吸着性能を高めることが知られている。また、プリーツ化することで処理面風速を低くすることができるので、少量の薬剤量において、吸着性能を確保していた(例えば、特許文献1を参照)。

概要

化学反応性が低いVOCの除去性能を長期間にわたり高めることができるプリーツフィルタを提供することを目的とする。アミン系薬剤を有した層19と金属化合物触媒を有した層21と集塵層20の三層を一体化させたプリーツフィルタにおいて、気流上流側からアミン系薬剤を有した層19、集塵層20、金属化合物触媒を有した層21の順番になるように積層したことで、気流の上流側でアルカリ性物質と粒状物質を除去できるので、金属化合物触媒を有した層21には、ベンゼントルエンなど、化学反応性の低いVOCのみを流入させることができ、金属化合物触媒25への処理量負荷を低減させ、長期間性能を高めることができる。

目的

低濃度であっても健康障害を起こすため、住宅内において、壁紙や家具等から放出したVOCは、室内汚染物質として除去されることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アミン薬剤を有した層と金属化合物触媒を有した層と集塵層の三層を一体化させたプリーツフィルタにおいて、気流上流側から前記アミン系薬剤を有した層、集塵層、金属化合物触媒を有した層の順番になるように積層したプリーツフィルタ。

請求項2

集塵層の繊維が、疎水性高分子で構成されている請求項1に記載のプリーツフィルタ。

請求項3

集塵層の繊維が、ポリプロピレンで構成されている請求項2記載のプリーツフィルタ。

請求項4

集塵層の繊維が帯電している請求項1から3のいずれか一つに記載のプリーツフィルタ。

技術分野

0001

本発明は、空気清浄装置内装して、空気の浄化を行う空気浄化フィルタに関する。

背景技術

0002

VOC(Volatile Organic Compouds)は、大気中の光化学反応より、光化学スモッグを引き起こす原因物質の一つとされている。低濃度であっても健康障害を起こすため、住宅内において、壁紙や家具等から放出したVOCは、室内汚染物質として除去されることが望まれている。

0003

従来、空気浄化フィルタ101では、活性炭層102と薬剤層103を積層し、吸着性能を高めることが知られている。また、プリーツ化することで処理面風速を低くすることができるので、少量の薬剤量において、吸着性能を確保していた(例えば、特許文献1を参照)。

先行技術

0004

特開2007−38091号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このような従来の空気浄化フィルタでは、吸着性能を高める構造において、活性炭顆粒物をシートで挟み込んでいた。したがってフィルタ圧力損失を低くするために、活性炭顆粒物を多量に備えることはできないものであった。

0006

すなわち、活性炭の量が足らないために吸着性能を高性能で維持することができず、また限られた活性炭量の中で不特定多数物質吸着してしまうので、性能が著しく低下するという問題が発生していた。活性炭顆粒物では、VOCの除去性能が低いため、実用的でないという課題を有していた。

0007

VOCの除去性能を高めようとすると、ろ材厚みが厚くなるため、プリーツフィルタとした場合に、プリーツピッチ間隔が広くなってしまい、通風路内において、ろ材面積が減少してしまう。そのため、面風速が高くなり、除去性能が低くなってしまう。

0008

そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、長期間に渡りVOCの除去性能を維持することができるプリーツフィルタを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

まず、触媒を用いてVOCを除去することを検討したところ、VOCを除去する触媒は、VOC以外の物質も吸着してしまったり、VOC以外の物質にも反応してしまったりすることがあることが解った。すなわち、VOCと呼ばれる物質のなかで、化学反応性が低いベンゼントルエンを代表とする物質の除去性能や耐久性を向上することが困難であることが判明した。なぜなら、化学反応性が低いVOC以外にも発がん性の高い物質として疑いのもたれているホルムアルデヒドは、化学反応性が高く、化学反応性が低いVOCと触媒との反応に競合してしまうからである。

0010

そして、上記目的を達成するために、本発明に係るプリーツフィルタは、アミン系薬剤を有した層と、金属化合物触媒を有した層と、集塵層の三層を一体化させた空気浄化フィルタにおいて、気流上流側から前記アミン系薬剤を有した層、集塵層、金属化合物触媒を有した層の順番になるように積層したものであり、これにより所期の目的を達成するものである。

発明の効果

0011

本発明によれば、プリーツフィルタは、アミン系薬剤を有した層と、金属化合物触媒を有した層と、集塵層の三層を一体化させた空気浄化フィルタにおいて、気流の上流側から前記アミン系薬剤を有した層、集塵層、金属化合物触媒を有した層の順番になるように積層することにより、一般的に化学反応性が乏しいベンゼンやトルエンなどの対象物質のみを金属化合物触媒を有した層へ導き、面風速を低く設定することで、金属化合物触媒を有した層での除去性能を長期間高く持続できるフィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態1の空気清浄装置の設置状態を示す斜視図
同空気清浄装置の断面図
エアフィルタの斜視図
同エアフィルタに使用するプリーツ状ろ材を示す図
同フィルタろ材の積層構造を示す図
同フィルタろ材を拡大した概略断面図
従来のエアフィルタの概略断面図

実施例

0013

本発明の請求項1に係るプリーツフィルタは、アミン系薬剤を有した層と、金属化合物触媒を有した層と、集塵層の三層を一体化させたプリーツフィルタにおいて、気流の上流側から前記アミン系薬剤を有した層、集塵層、金属化合物触媒を有した層の順番になるように積層したものである。

0014

これにより、金属化合物触媒を有した層に対して、アミン系薬剤を含有した層が上流側に存在するため、アミン基と反応するホルムアルデヒドや体臭の原因となるノネナールなど、アルデヒド臭気のアルカリ性物質は、アミン系薬剤のクーロン力で除去される。また、集塵層が金属化合物触媒を有した層よりも上流側に存在するため、粒子状物質が除去される。

0015

つまり、上流側でアルカリ性物質と粒状物質を除去できるので、金属化合物触媒を有した層には、ベンゼンやトルエンなど、化学反応性の低いVOCのみを流入させることができ、金属化合物触媒への処理量負荷を低減させ、長期間性能を高めることができる。さらに、アミン系薬剤と金属化合物触媒が集塵層により隔離されているので、アミン系薬剤と金属化合物触媒が反応し、双方の活性を失うことを防ぐことが出来る。

0016

また、請求項2に係るプリーツフィルタは、集塵層の繊維が、疎水性高分子で構成されているものである。

0017

これにより、物理吸着しやすい疎水性粒子物質の一部が集塵層の繊維に吸着するため、金属化合物触媒の表面に物理吸着する量を減らすことで長期化性能維持が可能である。

0018

つまり、疎水性高分子で構成することで集塵層を疎水性とすることで、極めて高濃度の化学反応性が低いVOCが流入したときには、集塵層が一部を物理吸着し、下流側の金属化合物触媒に対する負荷を減らすことができる。

0019

また、請求項3に係るプリーツフィルタは、集塵層の繊維が、ポリプロピレンで構成されているものである。

0020

これにより、集塵層の繊維をポリプロピレンで構成することで、集塵層を疎水性とすることができ、極めて高濃度の化学反応性が低いVOCが流入したときには、集塵層が一部を物理吸着し、下流側の金属化合物触媒への負荷を減らすことができる。

0021

また、請求項4に係るプリーツフィルタは、集塵層の繊維が帯電しているものである。

0022

これにより、集塵層において帯電している繊維が粒子の物理吸着に寄与することとなるので、下流側の金属化合物触媒の表面に物理吸着する粒子物質の量を減らすことで性能維持が可能である。

0023

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

0024

(実施の形態1)
VOC(Volatile Organic Compouds)と呼ばれる物質には、たくさんの種類の物質がある。

0025

そのなかで、ベンゼンやトルエンは、通常建屋内において壁紙4などの内装材接着剤あるいは家具5、タバコの煙などから発生することがある。空気よりも比重が重いため、室内2で床3付近に濃度が高い状態で存在している。また、ベンゼンやトルエンのようなVOCは、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのようなカルボニル基を持った物質に比べて、化学反応性が低い物質である。

0026

本実施の形態1に示す空気清浄装置1は、ベンゼンやトルエンのような化学反応性が低いVOCも除去できるものである。図1に示すように、室内2の床3の上に設置され、空気清浄運転を行うものである。

0027

図2に示すように、空気清浄装置1は、本体ケース6内に送風手段7とエアフィルタ8とを備えている。本体ケース6は、略縦長箱形状である。この本体ケース6の前面には、中央部のパネルを縁部において包囲する略四角形状の吸気口9を設けている。また、本体ケース6の天面部には、略四角形状の排気口10を備えている。

0028

送風手段7は、本体ケース6の吸気口9と、排気口10との間の風路に設けられている。また、送風手段7は、スクロール形状ケーシング11と、このケーシング11内に設けられた遠心送風ファンである羽根12と、この羽根12を回転させる電動機13とから形成している。

0029

エアフィルタ8は、本体ケース6の吸気口9の内側に位置している。送風手段7によって、吸気口9から本体ケース6内に室内の空気が吸気されると、室内の空気は、エアフィルタ8を通過して、排気口10へと送風されるものである。つまり、室内のVOCを含む空気をエアフィルタ8で清浄して、その後室内へ送風するものである。

0030

通風時の面風速を下げて除去性能を向上させるためと、各種繊維量および薬剤の含有量を確保し耐久性を向上させるために、図5に示すシート状ろ材18は、エアフィルタ8において、空気の通過面積を広くした方が良い。そこで、図3に示すエアフィルタ8は、シート状ろ材18をプリーツ化したプリーツ状ろ材14を備えている。すなわち、プリーツ状ろ材14と、プリーツ状ろ材14の外周に設けた枠形状の形状保持部15とから形成している。形状保持部15は、プリーツ状ろ材14をプリーツ形状に保持するためのものである。形状保持部15は、ロの字形状の枠部16と、この枠部16とプリーツ状ろ材14との間に設けた接着部材17とから構成している。つまり、枠部16は、プリーツ状ろ材14の周縁で、接着部材17によって、プリーツ状ろ材14を枠部16に固定している。

0031

プリーツ化の方法については、特に限定はしない。一例をあげると、シート状ろ材18を折り曲げ機(図示せず)を用いて、山折りと谷折りを交互に折っていくことで、プリーツ形状に成形すれば良い。シート状ろ材18の断面形状において、凸になる部分を山部28とし、凹になる部分を谷部29とすると、山部28と谷部29が交互に折りたたまれている。折りたたまれた形状は蛇腹形状である。プリーツ形状に成形したプリーツ状ろ材14は、接着部材17を用いて、枠部16に固定されている。

0032

接着部材17を用いた固定では、例えば、ホットメルト樹脂や各種の接着剤を用いて、プリーツの頂点のみをつなぎとめるなどの方法を用いることができる。プリーツ状ろ材14の表面積を確保しつつ、形状を固定することができる。

0033

プリーツ化におけるピッチ23の設定は、使用するシート状ろ材18の面積に大きく影響する。ピッチ23を狭くしてシート状ろ材18面積を大きくすることで通過面風速を下げて、除去性能の向上ができる。また、ピッチ23を狭くすることによって、アミン系薬剤24や金属化合物触媒25の存在量も増すことができるので、長期間高性能を維持することができる。

0034

プリーツ加工する前のシート状ろ材18は、図5図6に示すように、通風方向上流側からアミン系薬剤を有した層19と、粒子状物質を捕集する集塵層20と、金属化合物触媒を有した層21を備えている。アミン系薬剤を有した層19と、集塵層20と、金属化合物触媒を有した層21は、それぞれ界面において、接着剤22などで貼り合わされている。

0035

接着の方法には、特別な制限は無い。例えば、アミン系薬剤を有した層19と、粒子状物質を捕集する集塵層20とを貼り合わせた後に、集塵層20に金属化合物触媒を有した層21を貼り合わせることが可能である。また、接着剤22を塗布したアミン系薬剤を有した層19と金属化合物触媒を有した層21を同時に、集塵層20の両側から圧着して、張り合わせても良い。

0036

接着剤22の種類については、特に限定はしない。例えば、ホットメルトパウダーなどの樹脂接着剤熱溶融性樹脂繊維が挙げられる。ホットメルトやパウダーなどの樹脂接着剤などを用いた場合には、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21に、熱溶融した接着剤22を塗布し、固まる前に集塵層20に貼り付けて乾燥させることでシート状ろ材18を作製することができる。

0037

好ましくは、溶融した接着剤22での接着が良い。溶融した接着剤22は、パウダー状の樹脂接着剤に比べて塗布濃度を薄く均一にできるので、シート状ろ材18の剥がれを防止することができる。さらに、局所的な接着剤22の塊による通気量の低下(圧力損失の増大)を防ぐことができるからである。

0038

また、シート状ろ材18の厚みを0.74mm以下にすることで、プリーツ加工の際の構造圧損を下げることが出来る。一例として、エアフィルタ8の幅454mm、高さ273mm、厚みが43.5mmのシート状ろ材18をピッチ3.5mmでプリーツ加工をした際、所定の風量における圧力損失を比較した。圧力損失は、シート状ろ材18の厚み0.74mmでは、72Paになるのに対して、同シート状ろ材18の厚み0.94mmでは、159Pa、同シート状ろ材18の厚み1.00mmでは、160Paまで増大した。

0039

当然ながら、集塵層20では、厚みを薄くしていくと、繊維量が減少し集塵効率が低下する。一方、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21では、厚みを薄くしていくと、薬剤量が低下するので除去性能が低下する。つまり、シート状ろ材18は、除去性能を考慮するならば、できるだけ厚くすることが好ましい。この場合、圧力損失が急激に増大する厚みよりも薄く構成すると良い。前記例示では、シート状ろ材18の厚み0.74mm近傍(0.94mm未満)がよい。

0040

集塵層20には、一般的な樹脂材料天然繊維材料を用いることができる。例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメタクリル酸ポリメタクリル酸メチルポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリ塩化ビニルPVC)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリアミドポリイミドポリアミドイミドアラミド、ポリイミドベンザゾールポリグリコール酸PGA)、ポリ乳酸PLA)、ポリウレタン(PU)、セルロース化合物ポリペプチドナイロンなど、あるいはこれらの混合物といったものが挙げられる。

0041

原理的に見て、集塵層20を構成する繊維の平均繊維径は、より細い繊維を用いた方が低圧損化を見込める。一般的に、100nm以上3000nm以下の繊維で構成することが好ましい。繊維径が3000nmより太くすると、粒子物質を捕集する際に集塵層繊維の空孔が大きくなり粒子物質が集塵層20を抜けやすくなり、捕集性能が低下するため、好ましくない。一方、繊維径が100nmより細くすると、繊維破損や毛羽立ちが起こりやすくなるため、好ましくない。

0042

図6に示すアミン系薬剤を有した層19を形成するアミン系薬剤担持繊維26や金属化合物触媒を有した層21を形成する金属化合物触媒担持繊維27については、特別な制限は無い。例えば、ガラス繊維パルプ繊維、樹脂繊維、炭素繊維および無機繊維の少なくとも1つを含む繊維によって形成されている。また、アミン系薬剤担持繊維26と金属化合物触媒担持繊維27の製造方法は、特に限定されない。スパンボンド法、乾式または湿式抄紙法メルトブローン法、スパンボンド法、エアレイド法サーマルボンド法などの手法が挙げられる。

0043

薬剤担持繊維の平均繊維径は、10〜50μmであることが好ましい。

0044

平均繊維径が10μm未満であると、繊維の強度が低く、補強材としての強度が不十分となる。また、平均繊維径が小さくなると、アミン系薬剤24や金属化合物触媒25の添着量が低下し除去性能が低下する。加えて、繊維の表面よりも繊維間の空隙に、アミン系薬剤24や金属化合物触媒25が多く存在するようになるので、吸着剤が脱離しやすくなることなどの問題が生じる。一方、50μmを越えると、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の剛性が高くなること、層の厚みが大きくなることから、プリーツ加工による構造的な圧力損失が大きくなるので、好ましくない。

0045

アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の目付量は、50〜100g/m2であることが好ましい。

0046

目付量が50g/m2未満であると、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の剛軟度が低下することにより、プリーツ加工の生産性の低下やフィルタ形状の維持が困難になる。100g/m2を越えると、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の圧力損失が大きくなるので、エアフィルタ8の圧力損失が大きくなるという点で好ましくない。

0047

また、アミン系薬剤担持繊維26と金属化合物触媒担持繊維27は、同一の繊維を用いても良い。より好ましくは、アミン系薬剤担持繊維26の繊維径を金属化合物触媒担持繊維27の繊維径に比べて大きくした方が良い。これにより、実使用時に粗大粒子がエアフィルタ8に流入した際に、アミン系薬剤を有した層でも一部の物理捕集効果が表れる。この際のアミン系薬剤を有した層19では、経時的に生じる急激な圧力損失の増大を抑制することが出来る。

0048

アミン系薬剤を有した層19に含有させたアミン系薬剤24は、少なくとも成分の一部にアミン系化合物を含んだものである。例えば、アミン化合物とホルムアルデヒドは、次のような不可逆化学反応を生じることが知られている。

0049

例えば、
R−ΝH2+HCHO
→R−N=CH2+H2O(shiff塩基
2H2NCONH2(尿素)+HCHO
NN2CONHCH2NHCONH2(ジメチロール尿素
NH2−NH2(ヒドラジン)+2HCΗO
→CΗ2=N−N=CΗ2
などのように反応する。

0050

これらの反応は、ガス成分にアルデヒド基を含む場合に起こる。すなわち、アミン系薬剤24は、ホルムアルデヒド以外に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノネナールなどのアルデヒド類化合物とも反応性を持つ。一般的に、アルデヒド類は不快な臭気物質であり、上記反応によりアルデヒド類を対象とした脱臭の用途に適用可能である。また、上記の反応は化学反応を伴うため化学吸着と呼ばれ、活性炭などの物理吸着とは区別される。化学吸着の場合、吸着したアルデヒド類が再放出されることがないため、安定的にアルデヒド類の除去を行える利点がある。

0051

金属化合物触媒を有した層21に含有させた金属化合物触媒25は、トルエンやベンゼンなどの化学反応性が低いVOCを化学吸着する薬剤、もしくは、化学反応性が低いVOCを酸化分解する金属化合物触媒を含んだものである。金属化合物触媒による酸化分解は、完全酸化することで次のような不可逆的な化学反応が生じることが知られている。

0052

例えば、
C7H8+8O2 → 7CO2+4H2O
C6H6+15/2O2 → 6CO2+3H2O
例えば、金属化合物触媒に用いる金属化合物は、白金酸化チタンパラジウムイリジウム酸化マンガン、酸酸化セリウムルテニウムおよび金などが用いられる。上記金属化合物触媒は、そのまま金属化合物触媒担持繊維27に固定化させても良い。また、比表面積の大きな担持体上に接着バインダーで固定化して用いると、反応性を高めて、除去性能を向上させることができる。担持体には、活性炭、活性炭素繊維ゼオライトシリカなどを用いることができる。接着バインダーは、特に制限が無い。一例として、接着バインダーには、アクリル系の樹脂接着剤、エステル系の樹脂接着剤、オレフィン系の樹脂接着剤などを用いることができる。バインダーと金属化合物触媒を含有している液体に粒状の担持体を浸漬させることで、担持体上への金属化合物触媒を固定することが可能である。

0053

トルエンやベンゼン等の化学反応性が低いVOCは、VOCの中でも化学吸着での脱臭効果が低く、物理吸着では一度は吸着するが再放出して、再度下流側に漏洩させるリスクが存在する。金属化合物を用いた酸化分解反応では、金属化合物自体の性質が変化することが無いので、化学反応性が低いVOCを安定的に分解除去できるという利点がある。

0054

アミン系薬剤24をアミン系薬剤担持繊維26や金属化合物触媒25を金属化合物触媒担持繊維27に保持させる手段としては、繊維紡糸時や繊維への樹脂等のコーティング時に、アミン系薬剤24や金属化合物触媒25を紡糸液コーティング液に含有させておく方法や、アミン系薬剤24や金属化合物触媒25を溶液に溶解・分散させ、少量の界面活性剤およびバインダーを加えた後、この液体に繊維不織布を浸漬させて含浸する方法、薬液にしてスプレーする方法、溶体刷毛ローラーで塗布する方法等が挙げられる。好ましくは、繊維不織布にアミン系薬剤24や金属化合物触媒25を含浸または塗布させる手法を用いることで、繊維表面全体広範囲にわたって、多量に含有される状態とすることができるため、除去性能向上できる。

0055

薬剤担持繊維不織布へのアミン系薬剤や金属化合物触媒25の添着量は、10g/m2から50g/m2である。なぜなら、添着量が10g/m2よりも少ないと除去性能が低くなり、50g/m2よりも多くなると粉落ちによる性能低下や薬剤担持繊維の空隙を埋めることによる圧力損失増大を招くためである。

0056

アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21と集塵層20は、シート状ろ材18として張り合わせる前の状態において、圧力損失を以下のようにしている。すなわち、流速5.3cm/Secにおいて、集塵層20の圧力損失は、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の圧力損失に対して2倍以上としている。一例を挙げると、流速5.3cm/sで空気を流したときに、集塵層20の圧力損失は20Pa、アミン系薬剤を有した層19や金属化合物触媒を有した層21の圧力損失は10Pa程度とすることが良い。

0057

上記構成によれば、空気清浄装置1を動作させると、送風手段7により吸気口9から排気口10に通風される。この時、室内2の粒子状物質やアンモニアなどのニオイ成分、VOCなどの有害物質は、送風手段7手前にあるエアフィルタ8を通過する。室内2の空気には、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのような化学反応性が高い(反応性の高い官能基(カルボニル基)を持った)物質とベンゼンやトルエンのような化学反応性が低い物質が含まれている。本実施の形態のエアフィルタ8では、これらに対して、除去性能を向上させることができる。

0058

つまり、エアフィルタ8は、粒子状物質を主に捕集する集塵層20と、ニオイ成分や化学反応性の高いホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの臭気物質を除去するアミン系薬剤を有した層19と、ベンゼンやトルエンなど化学反応性の低いVOCである疎水性の有害物質を除去する金属化合物触媒を有した層21とがプリーツ化された構成を有している。プリーツ化によって、通風時の面風速が下がることで粒子状物質、ホルムアルデヒドなどの臭気物質または化学反応性が高い物質、化学反応性が低いVOCである疎水性有害物質の除去性能をそれぞれ向上させることができる。

0059

本実施の形態のエアフィルタ8は、アミン系薬剤を有した層19と金属化合物触媒を有した層21と集塵層20の三層を備えている。気流の上流側からアミン系薬剤を有した層19、集塵層20、金属化合物触媒を有した層21の順番になるように積層して、さらに、プリーツ化してエアフィルタ8を作製したことで以下効果を有する。

0060

エアフィルタ8に流入した空気は、まず、上流側のアミン系薬剤を有した層19を通過する。アミン系薬剤を有した層19では、ホルムアルデヒドを始めとしたアルデヒド類の臭気物質や酸性の臭気物質、またアンモニア系の臭気物質を化学吸着で除去することができる。

0061

アミン系薬剤を有した層19を通過した空気は、集塵層20で粒子状物質やタバコ煙調理煙に含まれる油分を吸着する。この際に、集塵層20を形成している繊維が疎水性高分子(極性基を有していない構造式、例えば、ポリプロピレン(PP))で構成されていると、疎水性物質の物理吸着を促進することができ、捕集性能が向上する。

0062

また、繊維形成時に極性を有する添加剤を含ませることで、局所的な極性部分を形成することができるので、極性物質の物理吸着を促進させることもできる。また、集塵層20の繊維が帯電していると、粒子状物質などの除去性能を向上させることができるので、高い集塵効果を実現できる。

0063

上記2層、すなわちアミン系薬剤を有した層19と集塵層20の作用により、触媒の被毒を引き起こす物質をおおよそ取り除くことが出来る。集塵層20を通過した空気は金属化合物触媒を有した層21を通過する。この段階では汚染物質は、硫黄系の臭気物質もしくは化学反応性が低いVOCなどの疎水性の炭化水素物質となる。したがって、下流側の金属化合物触媒25では、対象物質が限定的になるので、金属化合物触媒25による吸着の活性を長期間、高い性能で持続させることが出来る。つまり、下流側の金属化合物触媒25では、対象以外の物質を物理吸着して活性を失うことを防ぐことが出来る。

0064

また、アミン系薬剤を有した層19を集塵層20よりも上流に配置することで、粗大な粒子状物質は物理衝突でアミン系薬剤を有した層19の繊維に留まらせることができるので、集塵層20への負担を減らすことができ、長期間に渡り低圧力損失を維持させることもできる。

0065

また、アミン系薬剤を有した層19と金属化合物触媒を有した層21が集塵層20を挟んで隔てられているため、アミン系薬剤24の高い活性作用が、金属化合物触媒25との反応を起こし、金属化合物触媒25が活性を失うことを防ぐ効果も有する。

0066

また、単位体積あたりの集塵層20を構成する繊維占有体積が、金属化合物触媒を有した層21を構成する繊維占有体積の10倍以上であると、集塵層20を通過した際に繊維間の細孔を小さくできる。したがって、集塵層20と金属化合物触媒を有した層21で通過速度が異なり(集塵層20内部での風速が金属化合物触媒を有した層21内の風速に比べて速い)、特に界面において速度差が生じて乱流が発生する。金属化合物触媒を有した層21内部での乱流は、金属化合物触媒25と化学反応性が低いVOCとの衝突確率を上げることができる。また、流入する化学反応性が低いVOCの濃度に偏りが発生した場合でも、集塵層20は繊維量が多く、集塵層内部で化学反応性が低いVOCが拡散し濃度を均一することができる。その結果、化学反応性が低いVOCが金属化合物触媒を有した層21に均一に流入するので、金属化合物触媒25が局所的に劣化することを防ぎ、長期間高い性能を維持させることが出来る。

0067

本発明にかかるエアフィルタは、アミン系薬剤を有した層と金属化合物触媒を有した層と集塵層の三層を一体化させたプリーツフィルタにおいて、気流の上流側からアミン系薬剤を有した層、集塵層、金属化合物触媒を有した層の順番になるように積層したプリーツフィルタであり、化学反応性が低いVOCなどの疎水性炭素物質の吸着を長期間、高い性能を持続させることができるものであり、当該エアフィルタを搭載した空気清浄機や同様の機能が必要な換気装置等にも適用することができる。

0068

1空気清浄装置
2 室内
3 床
4 壁紙
5家具
6 本体ケース
7送風手段
8エアフィルタ
9吸気口
10排気口
11ケーシング
12羽根
13電動機
14プリーツ状ろ材
15形状保持部
16 枠部
17接着部材
18シート状ろ材
19アミン系薬剤を有した層
20集塵層
21金属化合物触媒を有した層
22接着剤
23ピッチ
24 アミン系薬剤
25 金属化合物触媒
26 アミン系薬剤担持繊維
27 金属化合物触媒担持繊維
28 山部
29 谷部
101空気浄化フィルタ
102活性炭層
103 薬剤層

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