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技術 非シアル化抗炎症ペプチド

出願人 ザロックフェラーユニバーシティー
発明者 ラヴェッチ,ジェフリー,ヴイ.ピンセティック,アンドリュー
出願日 2019年11月22日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-211501
公開日 2020年3月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-039357
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 微生物による化合物の製造 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード コロイド状酸化ケイ素 乾燥コーン 乾燥重 皮膚用製品 シアル酸修飾 抗炎症治療薬 評価ソフトウェア ルンド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

本発明は抗炎症剤組成物、および炎症性疾患治療するための方法を提供する。

解決手段

IgGFc領域に対して少なくとも75%相同改変配列を含む単離されたポリペプチドであって、前記改変配列はシアル化されておらず、前記ポリペプチドは親ポリペプチドのものよりも高い抗炎症活性を有する、単離されたポリペプチド。および、抗炎症活性を有するポリペプチドを作製する方法。ポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸投与することを含む、炎症性疾患を治療する方法。

概要

背景

背景
自己免疫疾患を含む炎症性疾患は、白血球の異常な活性化およびその後の身体の患部
の移動を伴う疾患である。これらの症状は、世界中の何百万人もの人々の生活に影響を与
える広範囲病気包含する。様々な治療法現在利用可能であるが、多くはかなりの副
作用を持っているか、または全ての症状を緩和するほど十分に有効ではない。したがって
、炎症性疾患を治療するための抗炎症剤に対する要求、およびそのような薬剤を同定し評
価する方法に対する要求が存在する。

免疫グロブリンGIgG)は、そのFc断片によって媒介される相互作用を介して炎
症促進および抗炎症活性(pro− and anti−inflammatory a
ctivities)の両方を媒介すると、長い期間認識されている。Fc−FcyR相
互作用は免疫複合体および細胞毒性抗体の炎症促進性特性の原因であるが、静脈ガンマ
グロブリン(IVIG)およびそのFc断片は抗炎症性であり、炎症性疾患を抑制するた
めに広く使用される。IgGのグリコシル化がIgGの細胞毒性および炎症性能力の調節
に重要であることが提案されている。例えば、IVIGの抗炎症活性は、Fc断片および
その結合グリカンの特性であり、端末α.2,6シアル酸結合を必要とし、免疫抑制のた
めには特定のポリペプチド骨格グリカン構造とが複合的に要求されることを示している
アンニーら,2008,Science 320:373−376、およびWO20
07/117505)。

しかしながら、IVIG中のIgGの小規模集団のみが、α2,6シアル酸で終端
グリカン(sFc)および抗炎症活性を有する。その結果、様々な臨床状況において自
己抗体によって引き起こされる炎症の抑制のためには、シアル化IgGを強化するために
高用量(l〜2g/kg)でIVIGを投与するか、そうでなかったらIgGのシアル化
を高めなければならない(米国出願第20080206246、および20090004
179、ならびにニマージャーン(Nimmerjahn)ら Annu Rev Im
munol 26,513−533(2008))。

本発明はシアル化されていない抗炎症ペプチドを同定することにより、上記の要求に取
り組み、応える。

概要

本発明は抗炎症剤、組成物、および炎症性疾患を治療するための方法を提供する。IgGFc領域に対して少なくとも75%相同改変配列を含む単離されたポリペプチドであって、前記改変配列はシアル化されておらず、前記ポリペプチドは親ポリペプチドのものよりも高い抗炎症活性を有する、単離されたポリペプチド。および、抗炎症活性を有するポリペプチドを作製する方法。ポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸を投与することを含む、炎症性疾患を治療する方法。なし

目的

この方法は、とりわけ、IgGFc領域の配列を有する親ポリペプチド、または
親ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

IgGFc領域に対して少なくとも75%相同改変配列を含む単離されたポリペプチドであって、前記改変配列はシアル化されておらず、前記ポリペプチドは親ポリペプチドのものよりも高い抗炎症活性を有する、単離されたポリペプチド。

請求項2

前記親ポリペプチドが前記IgGFc領域を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。

請求項3

前記IgGFc領域が配列番号:1の配列を含む、請求項1または2に記載の単離されたポリペプチド。

請求項4

前記単離されたポリペプチドがDC−SIGNに結合する能力を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。

請求項5

前記単離されたポリペプチドがhFcγRIIAまたはRIIBに結合する能力を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。

請求項6

前記単離されたポリペプチドが2×10−5M以下のKD(すなわち、5.0×104M−1以上のKA)でhFcγRIIAまたはRIIBに結合する能力を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。

請求項7

前記改変配列がFA241変異を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。

請求項8

前記改変配列が配列番号:2と少なくとも75%相同である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。

請求項9

前記改変配列が配列番号:2と少なくとも80%相同である、請求項8に記載の単離されたポリペプチド。

請求項10

前記改変配列が配列番号:2と少なくとも90%相同である、請求項9に記載の単離されたポリペプチド。

請求項11

前記改変配列が配列番号:2と少なくとも95%相同である、請求項10に記載の単離されたポリペプチド。

請求項12

前記改変配列が配列番号:2と少なくとも99%相同である、請求項11に記載の単離されたポリペプチド。

請求項13

前記改変配列が配列番号:2を含む、請求項12に記載の単離されたポリペプチド。

請求項14

前記改変配列が本質的に配列番号:2からなる、請求項9に記載の単離されたポリペプチド。

請求項15

抗炎症活性を有するポリペプチドを作製する方法であって、IgGFc領域の配列を有する親ポリペプチド、または前記親ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を提供する工程;および改変ポリペプチドを得るために、前記改変ポリペプチドがシアル化されておらず且つ前記IgGFc領域のシアル化形態の構造を模倣するように、前記親ポリペプチドを改変する工程を含む、前記方法。

請求項16

前記改変する工程が、前記改変ポリペプチドをコードする第2の核酸を得るために前記第1の核酸配列を改変することによって行われる、請求項15に記載の方法。

請求項17

請求項15または16に記載の方法によって作製されたポリペプチド。

請求項18

請求項1〜14および17のいずれかに記載の前記ポリペプチドをコードする配列を含む、単離された核酸。

請求項19

請求項18に記載の核酸を含む発現ベクター

請求項20

請求項18に記載の核酸を含む宿主細胞

請求項21

前記核酸によってコードされるポリペプチドの発現を可能にする条件下で培地中で請求項20に記載の前記宿主細胞を培養すること、および前記培養した細胞または前記細胞の前記培地から前記ポリペプチドを精製することを含む、ポリペプチドを製造する方法。

請求項22

(i)請求項1〜14および17のいずれかに記載の前記ポリペプチドまたは請求項18に記載の核酸、ならびに(ii)薬学的に許容される担体、を含む医薬製剤

請求項23

請求項1〜14および17のいずれかに記載のポリペプチドまたは前記ポリペプチドをコードする核酸の治療上の有効量を、それを必要とする被験体投与することを含む、炎症性疾患を治療する方法。

請求項24

本明細書に実質的に示されおよび記載される、単離されたポリペプチド、核酸、発現ベクター、宿主細胞、または組成物

請求項25

本明細書に実質的に示されおよび記載される、炎症性疾患を治療するための方法。

請求項26

炎症性疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1〜14および17のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項18に記載の核酸の使用。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2011年12月19日に出願された米国仮出願第61/577,361号
優先権を主張する。前記出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0002

政府権利
本明細書に開示された発明は、少なくとも一部は、国立衛生研究所からの助成金番号N
IHAI035875の下で政府の支援を受けて完成された。従って、米国政府は本発
明において一定の権利を有する。

0003

発明の分野
本発明は、抗炎症剤組成物、および炎症性疾患治療するための方法に関する。

背景技術

0004

背景
自己免疫疾患を含む炎症性疾患は、白血球の異常な活性化およびその後の身体の患部
の移動を伴う疾患である。これらの症状は、世界中の何百万人もの人々の生活に影響を与
える広範囲病気包含する。様々な治療法現在利用可能であるが、多くはかなりの副
作用を持っているか、または全ての症状を緩和するほど十分に有効ではない。したがって
、炎症性疾患を治療するための抗炎症剤に対する要求、およびそのような薬剤を同定し評
価する方法に対する要求が存在する。

0005

免疫グロブリンGIgG)は、そのFc断片によって媒介される相互作用を介して炎
症促進および抗炎症活性(pro− and anti−inflammatory a
ctivities)の両方を媒介すると、長い期間認識されている。Fc−FcyR相
互作用は免疫複合体および細胞毒性抗体の炎症促進性特性の原因であるが、静脈ガンマ
グロブリン(IVIG)およびそのFc断片は抗炎症性であり、炎症性疾患を抑制するた
めに広く使用される。IgGのグリコシル化がIgGの細胞毒性および炎症性能力の調節
に重要であることが提案されている。例えば、IVIGの抗炎症活性は、Fc断片および
その結合グリカンの特性であり、端末α.2,6シアル酸結合を必要とし、免疫抑制のた
めには特定のポリペプチド骨格グリカン構造とが複合的に要求されることを示している
アンニーら,2008,Science 320:373−376、およびWO20
07/117505)。

0006

しかしながら、IVIG中のIgGの小規模集団のみが、α2,6シアル酸で終端
グリカン(sFc)および抗炎症活性を有する。その結果、様々な臨床状況において自
己抗体によって引き起こされる炎症の抑制のためには、シアル化IgGを強化するために
高用量(l〜2g/kg)でIVIGを投与するか、そうでなかったらIgGのシアル化
を高めなければならない(米国出願第20080206246、および20090004
179、ならびにニマージャーン(Nimmerjahn)ら Annu Rev Im
munol 26,513−533(2008))。

0007

本発明はシアル化されていない抗炎症ペプチドを同定することにより、上記の要求に取
り組み、応える。

0008

概要
本発明は、炎症性疾患、例えば、自己免疫疾患を治療するためのポリペプチドおよび抗
体のような薬剤、および方法に関する。

0009

従って、本発明の一態様は、IgGFc領域と少なくとも75%(例えば、70%、
80%、85%、90%、95%、99%、および100%を包括した、例えば、75%
および100%間の任意の数字相同改変(modified)配列を含む単離された
ポリペプチドを特徴とする。改変配列はシアル化されておらず、ポリペプチドは元(pa
rent)ポリペプチドのものよりも高い抗炎症活性を有する。親ポリペプチドは、以下
に示す配列番号:1の配列のようなIgG Fc領域を含み得る。いくつかの実施形態で
は、ポリペプチドは、DC−SIGNと結合する能力を有し、およびhFcγRIIAま
たはRIIBに結合する能力を有する。一実施形態では、単離されたポリペプチドは、2
×10−5M以下のKD(すなわち、5.0×104M−1以上のKA)でhFcγRI
IAまたはRIIBに結合する能力を有する。好ましくは、改変配列は、FA241変異
を有する。改変配列は、配列番号:2と少なくとも75%(例えば、70%、80%、8
5%、90%、95%、99%、および100%を包括した、例えば、75%および10
0%間の任意の数字)相同であり得る。いくつかの例において、改変配列は配列番号:2
を含む、または本質的に配列番号:2からなる。

0010

別の態様において、本発明は、抗炎症活性を有するポリペプチドを作製する方法を提供
する。この方法は、とりわけ、IgGFc領域の配列を有する親ポリペプチド、または
親ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を提供する工程;および改変ポリペプチド
得るために、改変ポリペプチドがシアル化されておらず且つIgG Fc領域のシアル化
形態の構造を模倣する(mimics)ように、親ポリペプチドを改変する工程を含む。
改変する工程は、改変ポリペプチドをコードする第2の核酸を得るために、第1の核酸配
列を改変することによって行われ得る。本発明はまた、直前に記載した方法により作製さ
れたポリペプチドを提供する。

0011

第三の態様において、本発明は、上記ポリペプチドをコードする配列を含む、単離され
た核酸;当該核酸を含む発現ベクター;および当該核酸を含む宿主細胞を特徴とする。本
発明はまた、ポリペプチドを製造する方法を特徴とする。当該方法は、核酸によってコー
ドされるポリペプチドの発現を可能にする条件下で培地中で宿主細胞を培養すること、お
よび培養した細胞または細胞の培地からポリペプチドを精製することを含む。

0012

第四の態様において、本発明は、(i)上記のポリペプチドまたは核酸、および(ii
薬学的に許容される担体、を含む医薬製剤を特徴とする。

0013

第五の態様において、本発明は、炎症性疾患を治療する方法を提供する。当該方法は、
上記のポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸の治療上の有効量を、それを必
要とする被験体に投与することを含む。また、炎症性疾患を治療するための医薬の製造に
おける、ポリペプチドまたは核酸の使用が提供される。本発明はまた、本明細書に実質的
に示されおよび記載される、単離されたポリペプチド、核酸、発現ベクター、宿主細胞、
組成物、または炎症性疾患を治療するための方法を特徴とする。

0014

本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。他の特徴、物(
object)、および本発明の利点は、明細書および特許請求の範囲から明らかであろ
う。

図面の簡単な説明

0015

図1a−cは、α2,6−結合シアル酸が、DC−SIGN結合活性組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図1a−cは、α2,6−結合シアル酸が、DC−SIGN結合活性を組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図1a−cは、α2,6−結合シアル酸が、DC−SIGN結合活性を組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図2a−bは、Fc−グリカン相互作用を妨害することで、DC−SIGN結合活性を組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図2a−bは、Fc−グリカン相互作用を妨害することで、DC−SIGN結合活性を組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図2a−bは、Fc−グリカン相互作用を妨害することで、DC−SIGN結合活性を組換えヒトIgG1 Fcに与えたことを示す、図および写真である。
図3は、hIgG1 FcでのFA241変異が、α2,6 sFcの抗炎症活性を再現することを示す、セットとしての図である。
図4a−dは、FA241抗炎症活性のための特徴的要件を示す図である。
図5は、FA241変異がFcγ受容体結合を増加させたことを示す図のセットである。
図5は、FA241変異がFcγ受容体結合を増加させたことを示す図のセットである。
図5は、FA241変異がFcγ受容体結合を増加させたことを示す図のセットである。
図6a−bは、骨髄由来マクロファージにおけるFA241によるIL−33mRNA誘導を示す写真である。

0016

詳細な説明
本発明は、少なくとも部分的には、非シアル化IgGFc変異体(variants
)が抗炎症活性を付与し、抗炎症性メディエーターとして2,6シアル化Fcの効果を模
倣するという予想外発見に基づく。

0017

IgGおよびFcシアル化
IgGは、主要な血清免疫グロブリンである。2つの同一の重鎖および2つの軽鎖から
なる糖タンパク質であり、可変および定常ドメイン順番に構成される。IgGは、その
2つの重鎖のそれぞれの上のCH2ドメイン内のAsn297において単一のN−結合グ
リカンを含む。共有結合した複合糖質は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)お
よびマンノース(man)を含むコア、二分岐ペンタ多糖で構成されている。フコース
、分岐したGlcNAc、ガラクトース(gal)および可変的に見出される末端シアル
酸(sa)部分の存在により、コア糖質構造のさらなる改変が血清抗体で観察される。4
0を超える異なる糖型が、このように、この単一のグリコシル化部位に共有結合されてい
ることが検出されている(フジイら,J.Biol.Chem. 265,6009,1
990)。IgGのグリコシル化は、2つの重鎖の開いたコンフォメーションを維持する
ことによって、すべてのFcyRへの結合に必須であることが示されている。ジェフリー
ズ(Jefferis)とルンド(Lund),Immune.1 Lett. 82,
57(2002)、ソンダーマン(Sondermann)ら,J.Mol.Biol
. 309,737(2001)。FcyR結合のためのこのIgGグリコシル化は、脱
グリコシル化IgG抗体が、ADCC食作用(phagocytosis)および炎症
性メディエーターの放出などのインビボにおいて誘発される炎症反応を媒介することがで
きないことについての主要因であると考えられている。ニマージャーン(Nimmerj
ahn)とラヴェッチ(Ravetch), Immunity 24,19(2006
)。IgGの個々の糖型は炎症反応を調節することに寄与し得るというさらなる所見が、
フコースを含むまたは欠くIgG抗体について報告された個々のFcyRに対する変化し
た親和性、および細胞毒性に対するそれらの結果的な影響によって、示唆されている。シ
ールズ(Shields)ら,J.Biol.Chem. 277,26733(200
2)、 ニマージャーン(Nimmerjahn)とラヴェッチ(Ravetch),
Science 310,1510(2005)。自己免疫状態とIgG抗体の特定のグ
リコシルパターンとの間の関連性が、IgG抗体の減少したガラクトシル化およびシア
ル化が報告されている関節リウマチおよびいくつかの自己免疫血管炎(vasculit
ies)を有する患者において、観察されている。パレク(Parekh)ら,Natu
re 316,452(1985)、 ラーデマッヘル(Rademacher)ら,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 91,6123(1994)、マツ
トら,128,621(2000)、 ホランド(Holland)ら,Biochim
.Biophys.Acta,12月27日。IgG糖型の多様性はまた、加齢および免
疫化の際に関連することが報告されているが、これらの変化のインビボでの重要性究明
されていない。シカタら,Glycoconj.J.15,683(1998)、ラス
トラ(Lastra)ら,Autoimmunity 28,25(1998)。

0018

本明細書に開示されるように、特定の非シアル化IgGFc変異体も、驚くべきこと
に抗炎症活性を与える。FA241変異体を含むこのような変異体は、シアル化Fcの構
造的および生物学的特性を模倣することにより、シアル化を必要とせずに、抗炎症治療薬
として開発され得る分子のより大きな属(genus)内の種(species)を表す

0019

ポリペプチドおよび核酸
ポリペプチド
本明細書に開示されるように、本発明は、上記のAsn297でのα2,6結合を介し
てガラクトース部分に接続された末端シアル酸を有する多糖鎖を欠く、ヒトIgGFc
の変異体の配列を有する単離されたポリペプチドを提供する。このような非シアル化Ig
GFc変異体は、天然に存在する抗体に由来するか、または細胞株において発現されて
もよい。

0020

一実施形態において、Fc領域はhIgG1アミノ酸配列の1つ以上の置換を含む。こ
れに限定されるものではないが、典型的なIgG1 Fc領域は以下のように提供される

0021

0022

0023

0024

用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書においてはポ
リマー中のアミノ酸残基の配置(arrangement)を説明するために交換可能に
使用される。ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、天然に存在する標準的な2
0個のアミノ酸に加えて、希少アミノ酸および合成アミノ酸類似体から構成され得る。そ
れらは長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)に関わらず、アミ
ノ酸の任意の鎖であり得る。「本発明の」ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は
、DC−SIGN、FcγRIIAおよびFcγRIIBに結合する特定のドメインまた
は部分を有する、組換え的にまたは合成的に産生された型(versions)を含む。
この用語はまた、追加されたアミノ末端メチオニン原核細胞における発現に有用)を有
するポリペプチドを包含する。

0025

「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、それが天然において結合されている
他のタンパク質、脂質、および核酸から分離されているポリペプチドまたはタンパク質を
指す。ポリペプチド/タンパク質は、精製された調製物乾燥重量で少なくとも10%(
すなわち、10%〜100%の間の任意のパーセンテージ、例えば20%、30%、40
%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、および99%)を構成
することができる。純度は任意の適切な標準的方法により、例えば、カラムクロマトグラ
フィーポリアクリルアミドゲル電気泳動またはHPLC分析によって、測定され得る。
本発明に記載の単離されたポリペプチド/タンパク質は、天然源から精製され、組換えD
NA技術または化学的方法によって生産され得る。IgGFcの機能的等価物は、Ig
Fcポリペプチド誘導体を意味し、例えば、1つ以上の点変異、挿入、欠失(del
etions)、切断(truncations)、融合タンパク質、またはそれらの組
み合わせを有するタンパク質である。これは、IgG Fcの活性、すなわち、それぞれ
の受容体に結合しそれぞれの細胞応答を誘発する能力を、実質的に保持する。単離された
ポリペプチドは、配列番号:2を含み得る。一般的に、機能的等価物は、配列番号:2と
少なくとも75%(例えば、70%、80%、85%、90%、95%、および99%を
包括した、例えば、75%および100%間の任意の数字)相同である。

0026

2つのアミノ酸配列のまたは2つの核酸の「相同性パーセント」は、カーリン(Kar
lin)およびアルトシュル(Altschul) Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 90:5873−77,1993において修正された、カーリン(Kar
lin)およびアルトシュル(Altschul) Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 87:2264−68,1990のアルゴリズムを用いて決定される。こ
のようなアルゴリズムは、アルトシュル(Altschul)ら J.Mol.Biol
. 215:403−10,1990のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バ
ージョン2.0)に組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、本発明の核酸分
子に相同なヌクレオチド配列を得るためには、NBLASTプログラム、スコア=100
ワード長−12によって行われ得る。BLASTタンパク質検索は、本発明のタンパク
質分子に相同なアミノ酸配列を得るためには、XBLASTプログラム、スコア=50、
ワード長=3によって行われ得る。2つの配列間にギャップが存在する場合は、アルトシ
ュル(Altschul)ら, Nucleic AcidsRes.25(17):
3389−3402,1997に記載されるようにGapped BLASTが利用され
得る。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれ
のプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)の初期設定パラメーターが使
用され得る。

0027

本明細書に記載のポリペプチドのアミノ酸組成は、それぞれの受容体に結合しそれぞれ
の細胞応答を誘発するポリペプチドの能力を破壊することなく、変化してもよい。例えば
、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含むことができる。「保存的アミノ酸置換」は、アミ
酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されたものである。類似の側鎖を有す
るアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において明らかにされている。これらのファ
ミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジンアルギニンヒスチジン)、
酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリ
ン、アスパラギングルタミンセリンスレオニンチロシンシステイン)、非極性
側鎖(例えば、アラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラ
ン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ−分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、
イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニントリプトファ
ン、ヒスチジン)を含む。従って、例えば配列番号:2において予測される非必須アミノ
酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。ある
いは、変異は、飽和突然変異誘発などによって配列の全てまたは一部に沿ってランダム
導入されることができ、結果として生じる変異体は、実施例において後述するような活性
を保持する変異体を同定するために、それぞれの受容体に結合しそれぞれの細胞応答を誘
発する能力についてスクリーニングされることができる。

0028

本発明に記載されるようなポリペプチドは、組換えポリペプチドとして得られ得る。組
換えポリペプチドを調製するため、それ(例えば、FA241、配列番号:2)をコード
する核酸は、例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6×Hisエ
ピトープタグまたはM13遺伝子3タンパク質のような融合パートナーをコードする別の
核酸に連結され得る。結果として得られる融合核酸は、当技術分野で公知の方法により単
離され得る融合タンパク質を、適切な宿主細胞中で発現する。単離された融合タンパク質
は、融合パートナーを除去し本発明の組換えポリペプチドを得るために、例えば酵素消化
により、さらに処置され得る。

0029

核酸
本発明の別の態様は、上述のポリペプチドまたはタンパク質をコードする配列を含む単
離された核酸を特徴とする。核酸は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA
)、RNA分子(例えば、mRNA)、またはDNAもしくはRNAの類似体(anal
og)を指す。DNAまたはRNA類似体は、ヌクレオチド類似体から合成され得る。核
酸分子一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。「単離され
た核酸」は、天然に存在する核酸のいずれのものまたは天然に存在するゲノム核酸のいず
れの断片とも相同ではない構造の、核酸を意味する。従って、この用語は、例えば、(a
)DNAは、天然に存在するゲノムDNA分子の一部の配列を有するが、天然に存在する
生物のゲノム中の分子のその部分に隣接する(flank)コード配列の両方によって、
隣接されていない;(b)結果として得られる分子がいずれの天然に存在するベクター
たはゲノムDNAとも相同でないような方法で、ベクター中または原核生物もしくは真核
生物のゲノムDNAに組み込まれた核酸;(c)cDNA、ゲノム断片ポリメラーゼ
鎖反応(PCR)によって生成された断片または制限断片などの、分離された(sepa
rate)分子;および(d)ハイブリッド遺伝子、すなわち融合タンパク質をコードす
る遺伝子、の一部である組換えヌクレオチド配列である。上記の核酸は、本発明の融合タ
ンパク質を発現するために使用され得る。この目的のためには、発現ベクターを作り出す
ため、適切な調節配列に作動的に核酸を連結することができる。

0030

ベクターは、それに連結された別の核酸を輸送できる核酸分子を指す。ベクターは、自
己複製が可能であるか、または宿主DNAへ統合(integrate)できる。ベクタ
ーとしては、プラスミドコスミド、またはウイルスベクターが挙げられる。ベクターは
、宿主細胞において核酸の発現に適した形態で核酸を含む。好ましくは、ベクターは、発
現されるべき核酸配列に作動的に連結された、1以上の調節配列を含む。

0031

「調節配列」は、プロモーターエンハンサー、および他の発現調節因子(例えば、ポ
リアデニル化シグナル)を含む。調節配列は、ヌクレオチド配列の恒常的発現を導くもの
、ならびに組織特異的調節および/または誘導性配列を含むものである。発現ベクターの
設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質またはRNAの発現レベル
どのような因子に依存し得る。発現ベクターは、本発明のポリペプチドを産生する宿主細
胞に導入され得る。プロモーターは、DNAに結合してRNA合成を開始するようにRN
Aポリメラーゼを導くDNA配列として定義される。強力なプロモーターは、mRNAを
高頻度で開始させるものである。

0032

上記の任意のポリヌクレオチド、または同じ意図の目的のために当業者利用可能な生
物学的に等価なポリヌクレオチドは、適切な発現ベクターに挿入され、この受容体を発現
する「組換えDNA分子」を形成するように他のDNA分子と連結されてもよい。これら
のベクターは、DNAまたはRNAから構成されてもよく;ほとんどのクローニング目的
DNAベクターは好ましい。典型的なベクターは、プラスミド、改変ウイルスバク
リオファージおよびコスミド、酵母人工染色体、ならびにエピソーム性のまたは統合DN
Aの他の形態を含む。これは、特定使用のための適切なベクターを決定するための、当業
者にとっての知識の範囲内である。

0033

様々な哺乳類発現ベクターが、哺乳類細胞中で上記のIgGFcを発現するために使
用されてもよい。上述したように、発現ベクターは、適切な宿主中において、クローニン
グされたDNAの転写およびそれらのmRNAの翻訳に必要なDNA配列であり得る。そ
のようなベクターは、細菌、藍藻類植物細胞昆虫細胞および動物細胞のような様々な
宿主において真核生物DNAを発現するために使用され得る。特別に設計されたベクター
は、細菌−酵母または細菌−動物細胞のような宿主間のDNAの往復を可能にする。適切
構築された発現ベクターは:宿主細胞中での自己複製のための複製起点選択マーカー
、有用な制限酵素部位の限られた数、高コピー数の能力、および活性プロモーターを含む
はずである。発現ベクターは、特に限定されないが、クローニングベクター、改変クロー
ニングベクター、特別に設計されたプラスミドまたはウイルスを含んでも良い。好適であ
り得る市販の哺乳類発現ベクターは、限定されないが、pcDNA3.neo(インビト
ロジェン社)、pcDNA3.1(インビトロジェン)、pCI−neo(プロメガ)、
pLITMUS28、pLITMUS29、pLITMUS38およびpLITMUS3
9(ニューイングランドバイオラボ)、pcDNAI、pcDNAIamp(インビトロ
ジェン)、pcDNA3(インビトロジェン)、pMC1neo(ストラタジーン)、p
XT1(ストラタジーン)、pSG5(ストラタジーン)、EBO−pSV2−neo(
ATCC37593) pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、pdBP
V−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATC
C 37199)、pRSVneo(ATCC 37198)、pSV2−dhfr(A
TCC 37146)、pUCTag(ATCC 37460)、ならびにIZD35(
ATCC 37565)が挙げられる。

0034

上記の核酸を含有する宿主細胞もまた、本発明の範囲内である。例としては、E.co
li細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞、ま
たは哺乳類細胞が挙げられる。例えば、ゲッデル(Goeddel),(1990)Ge
ne Expression Technology: Methodsin Enz
ymology 185,アカミックプレスサンディエゴ,カリフォルニア州を
参照。本発明のポリペプチドを製造するため、本発明の核酸によってコードされるポリ
プチドの発現を可能にする条件下で培地中で宿主細胞を培養し、培養した細胞または細胞
の培地からポリペプチドを精製することができる。あるいは、本発明の核酸は、例えば、
T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻
訳され得る。

0035

天然に存在するIgGFc、遺伝子操作されたIgG Fc、および化学的に合成さ
れたIgG Fcは全て、本明細書に開示された発明を実施するために使用され得る。組
換えDNA技術によって得られたIgG Fcは、[FA241]配列番号:2)と同じ
アミノ酸配列またはその機能的等価物を有していてもよい。用語「IgG Fc」はまた
、化学的に改変された型を含む。化学的に改変されたIgG Fcの例としては、コン
ォメーション変化を受けたIgG Fc、糖鎖の付加または欠失、およびポリエチレン
リコールなどの化合物が結合されているIgG Fcが挙げられる。

0036

このようにして作られたポリペプチド/タンパク質の有効性を、以下に説明するように
トランスジェニックマウスなどの動物モデルを用いて、検証することができる。インビ
ボでのIL−33好塩基球の発現やエフェクターマクロファージ上のFcγRIIB受容
体の発現における任意の統計的に有意な増加は、ポリペプチド/タンパク質が後述する疾
患を治療するための候補であることを示す。一実施形態では、上述のアッセイは、DC−
SIGNタンパク質またはDC−SIGN(+)細胞への結合の測定に基づいてもよい。
本技術は、DC−SIGNまたはDC−SIGN(+)細胞への化合物の能力、および例
えばIL−33などのDC−SINGパスウェイによって調節される遺伝子の発現におけ
る関連した変化を測定することに適した、当業者が利用可能な様々な技術に富んでいる。
当業者は、過度実験なしにこれらの様々な研究ツールを組み合わせ、適合させることが
できるであろう。精製され、標準的方法または下記実施例に記載のアッセイおよび方法に
従って試験された後、非シアル化IgGFc変異体は、炎症性疾患を治療するための医
薬組成物に含有させられることもできる。

0037

本明細書で使用される「抗体」は、最も広い意味で用いられ、具体的には、モノクロ
ナル抗体全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体多重特異性抗体(例
えば、二重特異性抗体)および抗体断片を、それらが所望の生物学的活性を示す限り含む

0038

本明細書で使用される「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部を含んでもよく、一般
的には、インタクトな抗体の抗原結合もしくは可変領域またはFcR結合能力を保持する
抗体のFc領域を含む。抗体断片の例としては、線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体
断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。抗体断片は、好ましくは、少なくとも
ヒンジの部分、および任意にIgG重鎖のCH1領域を保有する。より好ましくは、抗体
断片は、IgG重鎖の定常領域全体を保有し、およびIgG軽鎖を含む。

0039

本明細書で使用される用語「Fc断片」または「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖
C末端領域を定義するために使用される。「Fc領域」は、天然配列Fc領域または変異
型Fc領域であってもよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化してもよいが、
ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常は、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro
230から、そのカルボキシル末端伸長すると定義される。

0040

「天然配列Fc領域」は、自然界に見出されるFc領域のアミノ酸配列と相同なアミノ
酸配列を含む。当業者によって理解されるように、「変異型Fc領域」は、少なくとも1
つの「アミノ酸改変」によって天然配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。
好ましくは、変異型Fc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比
較して少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば約1個〜約10個のアミノ酸置換、好まし
くは天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域において約1個〜約5個のアミノ
酸置換を有する。本明細書における変異型Fc領域は、好ましくは、天然配列Fc領域お
よび/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約75または80%の相同性を有し
、より好ましくはそれらと少なくとも約90%の相同性を有し、より好ましくはそれらと
少なくとも約95%の相同性を有し、さらにより好ましくはそれらと少なくとも約99%
の相同性を有する。

0041

用語「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に対して結合する受容体を記
述するために使用される。本発明の一実施形態では、FcRは天然配列ヒトFcRである
。別の実施形態において、ヒトFcRを含むFcRは、IgG抗体に結合し(ガンマ受容
体)、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスを含み、これらの受
容体対立遺伝子変異体および選択的スプライシング型を含む。FcγRII受容体は、
その細胞質ドメインが主に異なる類似のアミノ酸配列を有するFcγRIIA(「活性化
(activating)受容体」)およびFcγRIIB(「抑制性(inhibit
ing)受容体」)を含む。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫
受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含む。抑制性受容体FcγRIIB
は、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベース抑制性モチーフ(ITIM)を含む
。(ダロン(Daron),Annu Rev Immunol,15,203−234
(1997)の総論を参照;FcRは、ラヴェッチ(Ravetch)とキネット(Ki
net),Annu Rev Immunol,9,457−92(1991);カペル
(Capel)ら,Immunomethods,4,25−34(1994)、および
ハース(de Haas)ら,J Lab Clin Med,126,330−41
(1995)、ニマージャーン(Nimmerjahn)とラヴェッチ(Ravetch
)2006,Ravetch Fc Receptors in Fundementa
l Immunology,ウィリアムポール編集第5版、にまとめられており、これら
各々は参照により本明細書に組み込まれる)。

0042

用語「天然(native)」または「親(parent)」は、Fcアミノ酸配列を
含む非改変ポリペプチドを指す。親ポリペプチドは、天然配列Fc領域または既存のアミ
ノ酸配列改変(例えば、付加、欠失および/または置換のような)がされたFc領域を含
んでもよい。

0043

組成物
適切な担体および非シアル化IgGFc変異体のような上記の薬剤の1つ以上を含有
する組成物は、本発明の範囲内である。組成物は、薬学的に許容される担体を含有する医
薬組成物、または化粧品として許容される担体を含有する化粧品組成物であり得る。

0044

用語「医薬組成物」は、活性薬剤と不活性または活性な担体との組み合わせを指し、組
成物をインビボまたはエキソビボでの診断または治療用途に特に適したものにする。「薬
学的に許容される担体」は、被験体へまたは被験体上へ投与された後、望ましくない生理
学的効果を生じさせない。医薬組成物中の担体は、活性成分適合性であり、それを安定
化することが可能であり得るという意味においても「許容され」なければならない。1つ
以上の可溶化剤が、活性化合物デリバリーのための薬学的担体として利用され得る。薬
学的に許容される担体の例としては、剤形として使用可能な組成物を得るための、生体
合性のビヒクルアジュバント添加剤、および希釈剤が挙げられるが、これらに限定さ
れない。他の担体の例としては、コロイド状酸化ケイ素ステアリン酸マグネシウム、セ
ルロース、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。

0045

上記の組成物は、上述の形態のいずれかにおいても、炎症により特徴付けられる疾患を
治療するために使用され得る。有効量は、治療される被験体に治療効果を与えるのに必要
とされる活性化合物/薬剤の量を指す。当業者によって認識されるように、有効用量は、
治療される疾患の種類、投与の経路賦形剤の使用、および他の治療処置との併用の可能
性に依存して、異なるであろう。

0046

本発明の医薬組成物は、非経口、経口、経鼻、経直腸局所または口腔で投与され得る
。本明細書で使用する用語「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈
滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内または頭蓋内注射、ならびに任意の適切な注入技術
を指す。

0047

無菌の注射可能な組成物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の溶液
または懸濁液であり得る。このような溶液としては、これらに限定されないが、1,3−
ブタンジオールマンニトール、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液
挙げられる。さらに、固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来用いられている(例えば
、合成モノ−またはジ−グリセリド)。脂肪酸、これらに限定されないが、オレイン酸
よびそのグリセリド誘導体などは、これらに限定されないが、オリーブ油もしくはヒマシ
油のような天然の薬学的に許容される油、それらのポリオキシエチル化型として、注射剤
の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤、もし
くは、限定されないがカルボキシメチルセルロースのような分散剤、または類似の分散薬
剤を含み得る。これらに限定されないが、TWEENSもしくはSPANSのようなその
他の一般的に使用される界面活性剤、または薬学的に許容される固体液体もしくは他の
剤形の製造に一般的に使用される他の同様の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ増強
剤もまた、製剤化の目的のために使用され得る。

0048

経口投与のための組成物は、カプセル錠剤乳化物および水性懸濁液、分散液ならび
に溶液を含む任意の経口的に許容される剤形であり得る。錠剤の場合、通常使用される担
体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられるが、これらに限定されない。
限定されないが、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤もまた典型的に添加される。
カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーン
スターチが挙げられるが、これらに限定されない。水性懸濁液または乳化物が経口投与さ
れる場合、活性成分は、乳化剤または懸濁化剤と組み合わされて、油相に懸濁されるかま
たは溶解され得る。所望であれば、ある種の甘味料香味料、または着色剤が添加され得
る。

0049

記載された発明に係る局所投与のための医薬組成物は、溶液、軟膏クリーム、懸濁液
ローション粉末ペーストゲルスプレーエアロゾルまたは油として製剤化され
得る。代替的には、局所製剤は、活性成分(複数可)を含浸させたパッチまたは包帯の形
態であり得、1つ以上の賦形剤または希釈剤を任意に含み得る。いくつかの好ましい実施
形態では、局所製剤は、皮膚または他の患部を通って活性薬剤(複数可)の吸収または浸
透を高めるであろう物質を含む。局所用組成物は、これらに限定されないが、湿疹、にき
び、酒さ乾癬接触性皮膚炎およびツタウルシに対する反応を含む、皮膚の炎症性疾患
を治療するのに有用である。

0050

局所用組成物は、皮膚への塗布に適した皮膚科学的に許容される担体の安全かつ有効量
を含む。「化粧品として許容される」または「皮膚科学的に許容される」組成物または成
分は、過度の毒性、不適合性不安定性アレルギー反応などを伴わずにヒトの皮膚と接
触して使用するのに好適である組成物または成分を意味する。担体は、活性薬剤および任
意成分が、適切な濃度(複数可)で皮膚にデリバリーされることを可能する。担体はそれ
ゆえ、選択された標的上に適切な濃度で活性物質が塗布され、均一に広げられていること
を確保するための、希釈剤、分散剤、溶媒などとして作用することができる。担体は、固
体、半固体、または液体であり得る。担体は、ローション、クリームまたはゲルの形態、
特に、活性物質が沈降することを防止するのに十分な厚さまたは降伏点を有するものであ
り得る。担体は不活性であるか、または皮膚科学的利点を有することがある。また、本明
細書に記載された活性成分と物理的および化学的に適合可能であるべきであり、安定性
有効性または組成物に関連する他の使用利点を、過度に損なうべきではない。局所用組成
物は、溶液、エアロゾル、クリーム、ゲル、パッチ、軟膏、ローションまたは泡状を含む
、局所または経皮塗布のために当技術分野で公知の形態の化粧品または皮膚用製品であっ
てもよい。

0051

治療方法
記載された発明は、被験体における炎症性疾患を治療するための方法を提供する。用語
「炎症性疾患」は、自己免疫疾患などの異常なまたは望ましくない炎症により特徴づけ
れる疾患を指す。自己免疫疾患は、非活性化条件下での免疫細胞慢性的活性化によって
特徴付けられる疾患である。例としては、乾癬、炎症性腸疾患(例えば、クローン病およ
潰瘍性大腸炎)、関節リウマチ、乾癬性関節炎多発性硬化症狼瘡I型糖尿病、原
発性胆汁性肝硬変、および移植が挙げられる。

0052

本発明の方法によって治療することができる炎症性疾患の他の例としては、喘息心筋
梗塞、脳卒中、炎症性皮膚疾患(例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎アレルギー
接触皮膚炎蕁麻疹壊死性血管炎、皮膚血管炎、過敏性血管炎、好酸球筋炎、多発
性筋炎、皮膚筋炎および好酸球性筋膜炎)、急性呼吸窮迫症候群劇症肝炎、過敏性
患(例えば、過敏性肺炎、好酸球性肺炎遅延型過敏症間質性肺疾患(ILD)、特発
肺線維症、および関節リウマチに関連したILD)、ならびにアレルギー性鼻炎が挙げ
られる。追加の例としてはまた、重症筋無力若年発症糖尿病糸球体腎炎自己免疫性
甲状腺炎強直性脊椎炎全身性硬化症急性および慢性炎症性疾患(例えば、全身性
フィラキシーまたは過敏性反応薬物アレルギー、虫刺されアレルギー、同種移植片
絶、および移植片対宿主病)、ならびにシェーグレン症候群が挙げられる。

0053

「被験体」は、ヒトおよび非ヒト動物を指す。非ヒト動物としては、すべての脊椎動物
、例えば、非ヒト哺乳動物非ヒト霊長類(特に高等霊長類)、イヌげっ歯類(例えば
マウスまたはラット)、モルモットネコおよびウサギのような哺乳動物、ならびに
類、両生類爬虫類などのような非哺乳類が挙げられる。一実施形態では、被験体はヒト
である。別の実施形態においては、被験体は、実験的な、非ヒト動物または疾患モデル
して適した動物である。

0054

炎症性疾患のために治療されるべき被験体は、疾患を診断するための標準的な技術によ
って同定され得る。任意に、被験体は、1つ以上のサイトカインまたは細胞のレベルまた
はパーセンテージについて、被験体から得た試験試料が本分野で公知の方法によって調べ
られてもよい。レベルまたはパーセンテージが閾値(正常被験体から得られる)以下であ
る場合、被験体は、本明細書に記載の治療のための候補である。阻害または治療を確認す
るために、治療後の被験体における1つ以上の上記サイトカインまたは細胞のレベルまた
はパーセンテージを評価および/または確認することができる。

0055

「治療すること」または「治療」は、疾患、疾患に続発する病状、または疾患にかかり
やすい素因治癒し、緩和し、軽減し、取り除き、その発症遅延させ、予防し、または
改善する目的での、疾患を有する被験体への化合物または薬剤の投与を意味する。

0056

「有効量」または「治療上の有効量」とは、治療される被験体において医学的に望まし
い結果を生じることができる化合物または薬剤の量を指す。治療方法は、インビボまたは
エキソビボにおいて、単独でまたは他の薬剤もしくは治療法と組み合わせて行われ得る。
治療上の有効量は、1回以上の投与、塗布または投薬で投与されることができ、特定の製
剤または投与経路に限定されることを意図してはいない。

0057

薬剤は、インビボまたはエキソビボにおいて、単独で、または、他の薬剤または治療法
と組み合わせた同時投与、すなわちカクテル療法で投与され得る。本明細書で使用される
場合、用語「同時投与(co−administration)」または「同時投与され
た(co−administered)」は、少なくとも2つの薬剤または治療法の被験
体への投与を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の薬剤/治療法の同時投与は同時
である。他の実施形態では、第二の薬剤/治療法の前に、第一の薬剤/治療法が投与され
る。当業者は、使用される様々な薬剤/治療法の、製剤および/または投与経路が異なっ
てもよいことを理解する。

0058

インビボでのアプローチにおいて、化合物または薬剤は、被験体に投与される。一般に
、化合物または薬剤は、薬学的に許容される担体(例えば、制限されるものではないが、
生理的食塩水など)中に懸濁され、経口でもしくは静脈内点滴によって投与され、または
皮下、筋肉内、髄腔内、腹腔内、直腸内、内、鼻腔内、胃内気管内もしくは肺内に注
射されもしくは移植される。

0059

必要な用量は、投与経路の選択;製剤の性質;患者の病気の性質;被験体の大きさ、体
重、表面積年齢、および性別;他の薬剤が投与されていること;ならびに担当医の判断
に依存する。適切な投与量は0.01〜100mg/kgの範囲である。必要とされる用
量の変動は、利用可能な化合物/薬剤および投与の様々な経路の異なる効率の種々の観点
から予想される。例えば、経口投与は、静脈内注射による投与よりも、高い用量を必要と
すると予想される。当技術分野でよく理解されているように、これらの用量レベルの変動
は、最適化のための標準的経験的ルーチンを用いて調整され得る。適切なデリバリービヒ
クル中への化合物のカプセル化(例えば、ポリマー微粒子または埋め込み型装置)は、特
に経口デリバリーのためには、デリバリーの効率を高めることができる。

0060

実施例1:方法および材料
この実施例では、実施例2〜7に用いられる一般的な方法および材料について説明する

0061

マウス
野生型C57BL/6マウスは、ジャクソン研究所(Jackson Laborat
ories)から購入された。SIGNR1−/−マウスは、A.マッケンジー(McK
enzie)によって提供された。CD11c−DC−SIGN+トランスジェニック
ウスは、T.スパーワッセル(Sparwasser)によって提供された。SIGNR
1−/−バックグラウンドでのhDC−SIGN BACトランスジェニックマウスは、
以前に説明したように発明者らの研究室で作り出された。KRN TCR C57BL/
6マウス(D.マティス(Mathis)およびC.ベノア(Benoist)からの贈
り物)は、K/BxNマウスを作り出すために、NODマウスと交配させられた。K/B
xNマウス(6〜12週齢)からの血液が採取され、関節炎抗体を含む血清一緒にプー
ルされた。ナイーブマウス(8〜12週齢)への静脈内注射による200μL K/Bx
N血清の受動輸送は、関節炎を誘導した。炎症は、各脚について0〜3でスコア化され、
マウス個体あたりの総臨床スコアために一緒に加算された。

0062

組換えFcの調製
IDEC−114、全長ヒトIgG1モノクローナル抗体の組換え源は、Fabおよび
Fc断片を切断するため、37℃で一晩パパインにより消化された。消化後、反応は、2
.5mg/mLヨードアセトアミド添加によって停止させられた。未消化の抗体から切断
された断片を分離するため、試料は、HiPrep26/60 S−200HRサイズ排
カラムGEヘルスケア)を通過させられた。Fc断片は、その後、プロテインGアガ
ロースビーズで精製された。試料純度は、SDS−ポリアクリルアミドゲルクーマシー
ブリリアントブルー染色により確認された。あるいは、組換えFcは、293T細胞への
ヒトIgG1 Fc発現プラスミド一過性発現によって産出され、続けて上清画分の硫
アンモニウム沈殿およびプロテインG精製が行われた。ヒトIgG1のFc領域をコー
ドする遺伝子配列は、標準PCRプロトコルによって4−4−20IgG1から増幅され
、pSecTag2(インビトロジェン)にライゲーションされた。点突然変異が標準的
部位特異的突然変異誘発技術によってFcコード配列に導入され、DNAシーケンシン
グにより確認された。241位におけるPheからAlaへの置換(FA241)のため
PCRプライマー

0063

0064

および

0065

0066

であった。

0067

タンパク質発現および純度は、抗ヒトFc抗体による免疫ブロッティングおよび/また
はSDS−ポリアクリルアミドゲルのクーマシーブリリアントブルー染色により確認され
た。

0068

二段階インビトロシアル化反応
精製後、10〜50mg/mLFc断片は、ガラクトシル化反応緩衝液(50mM
MOPS、pH7.2;20mM MnCl2)にバッファー交換され、50mg UD
P−ガラクトースおよび0.75Uβ1,4−ガラクトース転移酵素と共に37℃で一
インキュベートされた。ガラクトシル化は、末端ガラクトース残基を認識するため、E
CLを用いたレクチンブロットによって確認された。ガラクトシル化Fcは次に、シアル
化反応緩衝液(100mM MOPS、0.2mg/mLBSA、0.5%TRITO
N X−100、pH7.4)にバッファー交換され、50mg CMP−シアル酸およ
び0.75U α2,6−シアル酸転移酵素と共に37℃で一晩インキュベートされた。
シアル化は、α2−6結合を有する末端シアル酸残基を認識するSNAを用いたレクチン
ブロットによって確認された。

0069

骨髄由来マクロファージの適合移植
骨髄細胞がDC−SIGNtgまたはSIGNR1−/−マウスの脛骨および大腿骨
ら流出され、10%FBS、1%ペニシリンストレプトマイシン、IL−3(5ng/
mL、ペプロテック)およびM−CSF(5ng/mL、ペプロテック)が補充されたR
PMI1640増殖培地で、非組織培養処理された10−cmプレート中に播種された。
37℃での一晩インキュベーション後、非接着細胞回収され、IL−3/M−CSF補
充RPMI増殖培地を入れた非組織培養処理された10−cmプレートに移され、37℃
で5〜7日間培養された。成熟したマクロファージはトリプシン処理され、6−ウェル
レートに2×106細胞/ウェルの密度で播種され、一晩付着させられた。翌日、マクロ
ファージは、表示された(indicated)組換えFc調製物と共に、37℃で30
分間パルスされた(pulsed)。細胞は回収され、冷PBS洗浄され、1×106
細胞が野生型C57BL/6マウスへ静脈内投与された。注射一時間後、レシピエント
ウスは、K/BxN血清を負荷された(challenged)。

0070

可溶性ヒトDC−SIGNの発現および精製
ヒトDC−SIGNの細胞外ドメイン(ECD)のcDNA配列を含むプラスミドは、
K.ドリカマー(Drickamer)によって提供された。DC−SIGN ECD
をコードする配列は、標準的なPCR技術によりN末端strepタグを導入するために
改変され、pET28b(+)にライゲーションされた。pET28b−strepDC
SIGNは大腸菌株BL21/DE3に形質転換され、細菌培養物がOD600 0.7
〜0.8に達するまで、37℃で3LのTB増殖培地中で増殖させられた。タンパク質発
現が100mg/LのIPTGの添加によって誘導され、培養物は37℃で3.5時間イ
ンキュベートされた。細菌は、4℃で10分間4000xgの遠心分離によってペレット
化された。細菌ペレットは、10mMトリス−HCl、pH7.8の中に再懸濁され、超
音波処理により溶解させられた。封入体は、4℃で15分間10,000xgの遠心分離
によってペレット化され、100mLの6Mグアニジン−HCl;100mMトリス−H
Cl、pH7.8;0.2%TRITON X−100に溶解させられた。粒子状物質
4℃で30分間20,000xgの遠心分離によって除去され、上清画分は250mM
NaCl;25mMトリス−HCl、pH7.8;25mM CaCl2に対して透析
れた。透析後、不溶性沈殿物が4℃で30分間20,000xgの遠心分離によって除
去され、上清画分は、strepタグ化DC−SIGN ECDをプルダウンするために
strep−tactin樹脂(ノバジェン)に適用された。結合したタンパク質は、製
造業者(ノバジェン)によって供給される溶出緩衝液で樹脂から溶出させられた。画分は
SDS−PAGEによって分析され、陽性画分は混合され、活性受容体を選択するために
マンノース−アガロースカラム上にロードされた。DC−SIGN ECDは、250m
M NaCl;25mMトリス−HCl、pH7.8;5mMEDTAで溶出された。
画分は、SDS−PAGEにより分析された。

0071

表面プラズモン共鳴
溶性hDC−SIGNまたはhFcγRへの種々の組換えFc調製物の相互作用を測
定するため、定常状態親和性測定(steady−state affinity me
asurements)が、ビアコアT100センサーで記録された。NaOAc pH
5.0中で20〜50μg/mLに希釈された受容体は、標準的なアミンカップリング
より、高密度(2000RU)でCM5チップ上に固定化された。hDC−SIGNの相
互作用については、インジェクションは、pH9.0に調整され2mM CaCl2およ
び500mM NaClが補充された市販のHBS−P+緩衝液により、20μL/分の
流速で行われた。hFcγR相互作用については、インジェクションは、市販のHBS−
EP+緩衝液により、20μL/分の流速で行われた。表面は、50mM NaOHの短
いパルスにより再生された。Kd値は、ビアコア評価(Biacore Evaluat
ion)ソフトウェアを用いて対照フローセルへのバックグラウンド結合を差し引いた後
に算出された。

0072

RT−PCR
総RNAは、RNeasyミニキットキアゲン)を用いて骨髄由来マクロファージか
ら抽出された。1μgの総RNAが、OneStep RT−PCRキット(キアゲン)
を用いたRT−PCRによりIL−33mRNA発現を分析するために、用いられた。
APDHの発現が、ローディングコントロールとしての役割を果たした。mIL−33
についてのPCRプライマーは、5’−gaagatcccaacagaagacc−3
’(配列番号:6)および5’−ttccggaggcgagacgtcac−3’(配
列番号:7);であり、ならびに、mGAPDHについてのPCRプライマーは、5’−
gccgcctggagaaacctgc−3’(配列番号:8)および5’−tgag
gtccaccaccctgttg−3’(配列番号:9)であった。PCR条件は、9
4℃、30秒間;55℃、30秒間、;72℃、60秒間×35サイクル(IL−33)
または25サイクル(GAPDH)であった。

0073

実施例2: α2,6−結合シアル酸は、組換えヒトIgG1 FcにDC−SIGN
結合活性を与えた
IVIG調製物中の抗体の少数集団(minor population)が、自己
体により誘導される炎症を抑制する。これらの抗体はFcグリカン上に末端α2,6−結
合シアル酸を含み、辺縁帯マクロファージ上のSIGNR1、またはそのヒト相同分子種
、骨髄細胞上のDC−SIGNに結合することによって、抗炎症反応を媒介する。

0074

DC−SIGNに対するsFcの相互作用を研究するため、DC−SIGNの細胞外
メイン(DC−SIGN ECD)の可溶性形態が細菌から精製され、CM5チップ上に
固定化された。sFcは、全長IDEC−114抗体から調製され、インビトロでシアル
化され(図1b)、DC−SIGNが接合された(conjugated)表面に特異的
に結合された(図1a)。定常状態親和性測定が実施され、この相互作用のKD値は〜1
.3×l0−6Mと計算された(図1c)。対照的に、IDEC−114 Fcの非シア
ル化(asialylated)糖型はDC−SIGNへの結合活性を示さず、DC−S
IGN結合部位露出するためのFc骨格上のコンフォメーション変化を、このシアル化
が誘導することを、示唆している。

0075

図1aに示されるように、組換えα2,6−sFcが可溶性DC−SIGNに結合する
ことが、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されて見出された。Fcは、全長ヒ
モノクローナルIgG1抗体(IDEC−114)のパパイン切断により調製され、続
けてインビトロでガラクトシル化およびシアル化反応がされた。実施例1で説明されたよ
うに、固定化DC−SIGNに結合する抗体についてのSPRセンサーグラムが、hIg
G1 Fcのシアル化およびガラクトシル化糖型について示されている。DC−SIGN
ECD上を流れるFc濃度は、3〜0.8μΜの範囲であることが見出された。図1b
に示されるように、SNAによるレクチンブロットは、Fc上で2,6−結合を有するシ
アル酸の接続を確認した(上部パネル);クーマシー染色されたローディングコントロ
ルは、下部パネルに示された。DC−SIGNに対するsFcの結合の定常状態KD測定
は(aに示されるように。)、ビアコア評価ソフトウェアによって算出された。

0076

実施例3 Fc−グリカン相互作用を破壊する変異は、組換えヒトIgG1 FcにD
C−SIGN結合活性を与えた
Asn297に接続するコアオリゴ糖は、Fcのアミノ酸骨格と広範な非共有結合相互
作用を形成する。コアグリカンに接続した異なる糖残基によってもたらされるFcのコン
フォメーション変化は、これらのタンパク質−糖質相互作用によって媒介される。Fc骨
格とグリカン残基との重要な接触点を無効にするアラニン置換は、DC−SIGN結合活
性を授けるように見える。

0077

図2Aに示されるように、FA241およびFA243変異は、インビトロ酵素処理
ずにDC−SIGN結合活性を呈する。見かけのKD値は、FA241についての6×1
0−7Mから、FA243についての3×10−7Mの範囲である。以前の報告では、哺
乳類細胞で発現された場合、これらの変異は、おそらくグリカンが糖転移酵素にさらに接
近しやすくすることにより、抗体のシアル化を高めることを示している。これを検証する
ため、DC−SIGNへのFA241およびFA243の結合が一過性に発現したタンパ
ク質の増加したシアル化によるものであるかどうかを測定するため、レクチンブロットが
実施された。図2Bに示されるように、SNAブロットは精製されたFA241およびF
A243中に末端シアル酸残基を検出せず、このことはDC−SIGN相互作用がシアル
酸修飾とは無関係であったことを示す。

0078

より具体的には、IgG1 Fcのアミノ酸骨格に沿ってF241、F243、D26
5、およびR301残基は、オリゴ糖残基との非共有相互作用を破壊するためにアラニン
に置換された。Fcが発現させられ、293T細胞から精製され、上述のように表面プラ
ズモン共鳴によってDC−SIGN結合活性について分析された。変異FA241または
FA243を備えるFcは、sFcについての親和性測定と比較して、DC−SIGNに
対する増加した親和性を呈すことが見出された(図1a)。ECL(図1b、中央パネル
)およびSNA(上部パネル)を用いたレクチンブロットが、293T細胞から精製され
たFc上の末端糖部分を測定するために実施された。シアル化Fcの陽性対照として、図
1aに説明されているようにFA241がインビトロでシアル化された。クーマシー染色
されたローディングコントロールが、図1bの下部パネルに示されている。

0079

実施例4 hIgG1 FcにおけるFA241変異は、α2,6sFcの抗炎症活性
を反復した(recapitulated)
FA241およびFA243変異がsFcのDC−SIGN結合活性を模倣するのであ
れば、これらの変異がインビボでのsFcの抗炎症活性を再現できるのか調べるため、ア
セイが実施された。年齢および性別が一致させられたSIGNR1−/−とhDC−S
IGN+/SIGNR1−/−マウスは、関節炎K/BxN血清で負荷され、0.033
g/kgの有効用量でsFc、FA241、またはFA243で治療された。これまでの
知見と一致して、sFcはDC−SIGN+マウスの足底腫れることを抑制したが、S
IGNR1−/−では抑制されなかった。同様に、FA241は、hDC−SIGN+/
SIGNR1−/−マウスにおいてsFcのそれに匹敵する抗炎症活性を示した。FA2
43が投与されたマウスは、関節炎の低下を示さなかった。これらの知見は、F241A
変異(FA241)を有する組換えFcが、シアル酸修飾無しで、sFcのDC−SIG
N結合および抗炎症活性を再現することを示唆している。

0080

図3に示しているように、hDC−SIGN+/SIGNR1−/−(白四角)および
SIGNR1−/−マウス(黒四角)は、静脈内注射により0.7mg/マウスのsFc
、FA241またはFA243が投与された。マウスは、続いて、1時間後にK/BxN
血清で負荷された。足底の腫れは、数日間にわたって観察され、スコア化された。既報の
通り、sFcの抗炎症作用は、DC−SIGN−依存的(左パネル)である。FA241
もまた、K/BxNで負荷されたマウスにおいて、DC−SIGN−依存的に関節炎を抑
制した。FA243は、6日目において測定の腫れを有意に減少させなかった。群あたり
4−5匹のマウスの臨床スコアの平均およびSEMは、6日目にプロットされた。

0081

実施例5FA241抗炎症活性についての必要条件の特徴づけ
FA241の抗炎症活性についての決定要因を特定するため、CD11c.DC−SI
GN+およびSIGNR1−/−マウスからの骨髄由来マクロファージ(ΒΜΜΦ)はF
A241または他のFc調製物で刺激され、K/BxN血清で負荷されたWT C57B
L/6レシピエントマウスに移植された。

0082

つまり、CD11c.DC−SIGN+およびSIGNR1−/−マウスからの骨髄
来マクロファージは、IL−3(5ng/mL)およびM−CSF(5ng/mL)中で
5〜7日間培養された。図4に示されるように、DC−SIGN+ΒΜΜΦは、0.5m
g/mLの表示されたFc調製物の非シアル化(黒棒)またはシアル化(白棒)糖型と共
にパルスされた。Fc−処置ΒΜΜΦは、WT C57BL/6レシピエントマウスに移
植され、続けてK/BxN負荷が行われた。図4bに示されるように、SIGNR1−/
−(黒棒)およびDC−SIGN+(白棒)ΒΜΜΦは、0.5mg/mLの表示された
Fc調製物と共にパルスされ、WT C57BL/6レシピエントマウスに移植され、続
けてK/BxN負荷が行われた。同様に、DC−SIGN+ΒΜΜΦは、0.5mg/m
LのFA241もしくは脱グリコシル化FA241(図4c、白棒)またはPBS(図4
c、黒棒)のいずれかと共にパルスされ、WT C57BL/6レシピエントマウスに移
植され、続けてK/BxN負荷が行われた。FA241はPNGアーゼFにより脱グリコ
シル化され、グリカン除去はレクチンブロッティングにより確認された。DC−SIGN
+ΒΜΜΦは、表示されたFc調製物またはPBS(図4d、黒丸)と共にパルスされ、
WT C57BL/6レシピエントマウスに移植され、続けてK/BxN負荷が行われた
。全ての場合において、足底の腫れは、数日間にわたって観察され、スコア化された。群
あたり4〜5匹のマウスの臨床スコアの平均およびSEMがプロットされる。*P<0.
05、分散分析ANOVA)によって決定され、続けてテューキーポストホックテスト
が行われた。

0083

図4Aに示されるように、非シアル化またはシアル化FA241調製物は、sFcと比
べて、関節炎を抑制することに同様に有効であった。しかしながら、非シアル化WT F
cでパルスされたDC−SIGN+ΒΜΜΦが、レシピエントマウスへ保護(prote
ction)を移植(transfer)しなかったことから、WT Fc調製物はα2
,6−結合シアル酸を必要とした。図3に示された結果と一致し、sFcおよびFA24
1の両方ともに、保護を移植するためにはΒΜΜΦ上でのDC−SIGN発現を必要とし
た(図4B)。FA241は保護を移植するためにシアル酸を必要としないが、PNGア
ーゼFによる脱グリコシル化がFA241の抗炎症性を無効化したことは(図4C)、F
cグリカンが依然として必要であることを示唆している。さらに、観察された抗炎症活性
がF241A変異に特異的であることを示すため、DC−SIGN+ΒΜΜΦは、高めら
れたDC−SIGN結合を付与しない代替的変異を有するFcと共に、パルスされた。F
A241刺激されたΒΜΜΦのみが、K/BxN負荷されたレシピエントマウスを保護し
た。

0084

実施例6FA241変異はFcγ受容体結合を増強した
241位でのアラニン置換がFcにおいてコンフォメーション変化を誘導するのであれ
ば、おそらくヒトFcγ受容体に対する親和性が変更される。シアル化がFcγRに対す
るIgGの親和性を減少させ、結果として、インビボでのADCC活性減弱させること
が、以前に報告された。

0085

組換えIgG1 Fcの可溶性FcγRへの結合は、表面プラズモン共鳴(SPR)に
よって測定された。Fcは、上述した方法で調製された。固定化hFcγRIIA131
RおよびhFcγRIIBに対して抗体が結合することについてのSPRセンサーグラム
が、WT hIgG1 Fcの非シアル化およびシアル化糖型について、ならびに非シア
ル化FA241 Fcについて、図5に示されている。

0086

図5に示されるように、WT Fcの非シアル化糖型が、〜2−3×10−5Mの観測
されたKD値でhFcγRIIAおよびRIIBに結合した。sFcはしかしながら、h
FcγRIIAまたはRIIBのいずれかにも結合しないようであった。驚くべきことに
、FA241は、一桁分強い親和性(KD=〜2×10−6M)でhFcγRIIAとR
IIBの両方に結合すると思われる。

0087

実施例7FA241による、骨髄由来マクロファージにおけるIL−33mRNA
誘導
sFcは、制御性(regulatory)マクロファージ上のFcγRIIBをアッ
プレギュレートするために、FcεRI+白血球集団、おそらく好塩基球からのIL−4
分泌を必要とするTH2−依存性の抗炎症パスウェイを、誘導する。インビボまたはイン
ビトロにおいて、IL−33の投与は、好塩基球を刺激してIL−4の蓄えを放出させる
。IL−33mRNA発現は、sFcまたはIVIGによって処理されたWT C57
BL/6マウスの脾臓中でアップレギュレートされるが、SIGNR1−/−マウスでは
されない。これは、sFcがSIGNR1+またはDC−SIGN+細胞においてIL−
33発現を誘導する可能性を示唆している。この実施例においては、アッセイが実施され
、FA241によってDC−SIGN+ΒΜΜΦを刺激すると、IL−33発現をアップ
レギュレートすると思われることを示す。

0088

より具体的には、CD11c.DC−SIGN+およびSIGNR1−/−マウスから
の骨髄由来マクロファージは、上述の方法で培養された。ΒΜΜΦは、無血清RPMI培
地中で12−ウェルプレートに播種され、37℃で一晩接着させられた。翌日、細胞は、
37℃で1時間(図6a)または4時間(図6b)、無血清RPMI培地中の0.5mg
/mLの表示されたFcと共にパルスされた。mRNAが特定の時点で細胞から採取され
、1μg総RNAがIL−33 mRNAのRT−PCR増幅のために使用された(上部
パネル)。GAPDH増幅が、ローディングコントロールとしての役割を果たした(下部
パネル)。DA265 Fcおよびヒトシアル酸転移酵素(ST6Gal1)を共発現
るプラスミドは、高度にシアル化された組換えFc(ST6−DA265)を生産する2
93T細胞に形質転換された。

0089

図6に示されるように、FA241によってDC−SIGN+ΒΜΜΦを刺激すると、
IL−33発現をアップレギュレートするように思われる。DC−SIGN+ΒΜΜΦと
比べてIL−33の基底発現レベルがより大きいにもかかわらず、SIGNR1−/−Β
ΜΜΦは、FA241処理に応答してIL−33mRNA発現をダウンレギュレート
た。

実施例

0090

好ましい実施形態の上記実施例および説明は、特許請求の範囲によって定義される本発
明を限定するものというより、例示するものとして解釈されるべきである。本明細書で引
用された全ての刊行物は、その全体が本明細書中に参照によって組込まれる。容易に理解
されるように、上述した特徴の多数の変形および組み合わせは、特許請求の範囲に記載の
本発明から逸脱することなく利用されることができる。そのような変形は、本発明の範囲
からの逸脱とはみなされず、全てのそのような変形は、以下の特許請求の範囲内に含まれ
ることが意図される。

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