図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

解決手段

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物であって、該非ヒト哺乳動物のT細胞が前記T細胞受容体を含む、前記遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

概要

背景

発明の背景
脊椎動物適応可能な免疫系は、宿主感染症から守る。T細胞は、T細胞受容体(「TCR」)を介して抗原を認識することによって、免疫応答における中心的オーガナイザ役割を担う。T細胞の特異性は、そのTCRの配列に依存する。この受容体のための遺伝子テンプレートは、胸腺内でのT細胞成長中に、各々のTCRに特有抗原特異性を付与するV(D)J DNA再編成プロセスによって形成される。TCRは、T細胞機能成長および生存に重要な役割を担う。抗原受容体の発生を妨害する遺伝障害は、T細胞成長を妨げ、免疫不全を生じる。免疫応答を組織する上でのT細胞の重要性を考慮すると、特定の抗原特異性を有するT細胞を生成できることが望ましい。

ウイルスまたは自己抗原に対する免疫応答の研究方法の一つは、TCR遺伝子導入マウス(TCR‐Tg)を用いることによる(Bluthmann et al., 「T‐cell‐specific Deletion of T‐cell Receptor Transgenes Allows Functional Rearrangement of Endogenous Alpha‐ and Beta‐genes,」 Nature334:156‐9(1988)(非特許文献1);Lafaille, 「T‐cell Receptor Transgenic Mice in the Study of Autoimmune Diseases,」 Journal of Autoimmunity22:95‐106(2004)(非特許文献2))。これらのマウスは、マウス内のすべてのT細胞が、単一抗原を認識する単一TCRを発現するように形成される。少なくとも30異種のTCR‐Tgマウスが作製されている。種々のTCR‐TgマウスからのT細胞によって認識される抗原は、インフルエンザウイルス等の病原体によって発現されるタンパク質由来するペプチド、または、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)等の、自己免疫疾患に関わる自己タンパク質に由来するペプチドである。このことは、病原体に対する免疫応答の研究への、あるいは自己免疫疾患のモデル化への、TCR‐Tg T細胞の使用を可能にする。

最も一般的に用いられる抗原特異性TCRマウスは、ニワトリオバルブミン(OVA)からのエピトープ識別する。特に、OT‐IおよびOT‐IIマウスは、各々、MHCクラスIおよびMHCクラスIIによって提示されるOVAのエピトープを識別する。これらのマウスは、T細胞応答を研究するために、また、自己免疫疾患をモデル化するために使用されてきた。

TCR‐Tgマウスは、免疫学の特定の態様を研究するための非常に貴重リソースではあるが、既存のTCR‐Tgモデルのすべてには、特定のタイプの用途への使用を排除する複数の重要な制限がある。特に、既存TCR‐Tgマウスはいずれも、流動細胞計測法蛍光顕微鏡法または生細胞撮像によって視覚化可能な抗原に対する免疫応答の研究には使用できない。

FP特異性T細胞(αGFP)マウスの作製は、一般的に使用され容易にモニター可能な蛍光レポーターを標的とする抗原特異性T細胞モデルを提供することによって、免疫学者のツール・ボックスにおける重要な欠損を解決し得る。緑色蛍光タンパク質(「GFP」)は、細胞内に存在し、単細胞解像度でも生細胞撮像によって容易に検出可能であり、また、特異な組織、細胞種または細胞状態でGFPが発現される1,000種を超える異なる遺伝子導入マウスが生成されているため、理想的なモデル抗原である。(Schmidt et al., 「BAC Transgenic Mice and the GENSAT Database of Engineered Mouse Strains,」 Cold Spring Harbor Protocols(2013)(非特許文献3))。さらに、GFPを発現させるように設計された癌細胞系、ウイルス、および他の病原体が多数存在する。GFPに基づく試薬および動物モデル豊富に存在することは、αGFPマウスを、特定の細胞種の能力を提示する抗原を理解しようとすることから、宿主病原体相互作用特徴づけるウイルス学者まで、多種多様な研究をしている多くの研究室に適切なものとする。

本発明は、当該技術分野におけるこれらの、および他の欠点を克服することを目的とする。

概要

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体を有する遺伝子導入動物作製方法の提供。蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物であって、該非ヒト哺乳動物のT細胞が前記T細胞受容体を含む、前記遺伝子導入非ヒト哺乳動物。なし

目的

GFP特異性T細胞(αGFP)マウスの作製は、一般的に使用され容易にモニター可能な蛍光レポーターを標的とする抗原特異性T細胞モデルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物であって、該非ヒト哺乳動物のT細胞が前記T細胞受容体を含む、前記遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項2

歯動物である、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項3

前記齧歯動物がマウスである、請求項2に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項4

前記蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質のいずれかである、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項5

前記蛍光タンパク質が配列番号:5を含む、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項6

前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号:1、配列番号:3、および配列番号:1と配列番号:3の両方からなる群より選択されたポリヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項7

前記T細胞受容体が、配列番号:2、配列番号:4、および配列番号:2と配列番号:4の両方からなる群より選択されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項8

前記T細胞受容体が、主要組織適合複合体MHC)IまたはIIに装填される蛍光タンパク質に特異的である、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物。

請求項9

請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物からの単離T細胞。

請求項10

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含む、単離T細胞。

請求項11

前記蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質のいずれかである、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項12

前記蛍光タンパク質が配列番号:5を含む、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項13

前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号:1、配列番号:3、および配列番号:1と配列番号:3の両方からなる群より選択されたポリヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項14

前記T細胞受容体が、配列番号:2、配列番号:4、および配列番号:2と配列番号:4の両方からなる群より選択されたアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項15

前記T細胞受容体が、主要組織適合複合体(MHC)IまたはIIに装填される蛍光タンパク質に特異的である、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項16

哺乳動物細胞である、請求項10に記載の単離T細胞。

請求項17

ネズミ細胞である、請求項16に記載の単離T細胞。

請求項18

遺伝子導入非ヒト哺乳動物の作製方法であって、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を、遺伝子導入を生み出すために非ヒト哺乳動物胚へ導入する工程、前記遺伝子導入胚を疑似妊娠非ヒト哺乳動物へ移植する工程、前記遺伝子導入胚を成熟させる工程、および前記ポリヌクレオチドを含む少なくとも1匹の遺伝子導入仔を単離する工程を含む、前記方法。

請求項19

前記ポリヌクレオチドが、T細胞の少なくとも前駆細胞発現される、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記前駆細胞が幹細胞である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記T細胞が、成熟ヘルパーT細胞または成熟細胞傷害性T細胞である、請求項19に記載の方法。

請求項22

前記胚が受精卵または分割球であり、前記ポリヌクレオチドの前記受精卵への導入が微量注入法によって実行され、前記ポリヌクレオチドの前記分割球への導入がレトロウイルス感染による、請求項18に記載の方法。

請求項23

非ヒト哺乳動物の作製方法であって、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を提供する工程、再構成細胞の形成に適切な条件下で、前記非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を除核卵母細胞へ挿入する工程、胚を形成するよう前記再構成細胞を活性化させる工程、2細胞発育段階を超えるまで前記胚を培養する工程、および前記胚が、非ヒト哺乳動物へ発育可能なキメラ胎仔成長するよう、前記培養胚を宿主哺乳動物移入する工程を含む、前記方法。

請求項24

前記非ヒト哺乳動物が齧歯動物である、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記齧歯動物がマウスである、請求項24に記載の方法。

請求項26

非ヒト哺乳動物における細胞の枯渇方法であって、一つまたは複数の細胞種標的タンパク質を発現する非ヒト哺乳動物を提供する工程、および該標的タンパク質に対して特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含み、前記非ヒト哺乳動物における前記一つまたは複数の細胞種を枯渇させるために前記一つまたは複数の細胞種を攻撃する単離T細胞を、該非ヒト哺乳動物へ導入する工程を含む、前記方法。

請求項27

前記非ヒト哺乳動物が齧歯動物である、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記齧歯動物がマウスである、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記標的タンパク質が蛍光タンパク質であり、前記ポリヌクレオチド配列が、該蛍光タンパク質に対して抗原特異的であるT細胞受容体をコードする、請求項26に記載の方法。

請求項30

前記蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質のいずれかである、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記蛍光タンパク質が配列番号:5を含む、請求項30に記載の方法。

請求項32

作用因子に対するT細胞応答特徴づけ方法であって、請求項1に記載の遺伝子導入非ヒト哺乳動物を提供する工程、ワクチンウイルス病原体移植細胞、および癌細胞系からなる群より選択され、蛍光タンパク質および/または蛍光タンパク質コード化配列を含む作用因子を、前記遺伝子導入非ヒト哺乳動物へ導入する工程、ならびに前記遺伝子導入非ヒト哺乳動物における前記T細胞応答を特徴づけるために、蛍光タンパク質に特異的な前記T細胞受容体と前記作用因子との間の相互作用モニターする工程を含む、前記方法。

請求項33

前記非ヒト哺乳動物が齧歯動物である、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記齧歯動物がマウスである、請求項33に記載の方法。

請求項35

前記蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質のいずれかである、請求項32に記載の方法。

請求項36

前記蛍光タンパク質が配列番号:5を含む、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号:1、配列番号:3、および配列番号:1と配列番号:3の両方からなる群より選択されたポリヌクレオチド配列を含む、請求項32に記載の方法。

請求項38

前記T細胞受容体が、配列番号:2、配列番号:4、および配列番号:2と配列番号:4の両方からなる群より選択されたアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の方法。

請求項39

前記T細胞受容体が、主要組織適合複合体(MHC)IまたはIIに装填される蛍光タンパク質に特異的である、請求項32に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、2013年9月12日に出願の米国仮特許出願第61/877,120号の利益を主張し、その開示の全文が、参照により本文に援用される。

0002

本発明は、国立衛生研究所から受けた補助金番号0255‐2981の下、政府支援によってなされた。政府は、本発明におけるある特定の権利を有する。

0003

発明の分野
本発明は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体遺伝子導入動物、それらの作製方法、単離T細胞、および、それらの使用方法に関する。

背景技術

0004

発明の背景
脊椎動物適応可能な免疫系は、宿主感染症から守る。T細胞は、T細胞受容体(「TCR」)を介して抗原を認識することによって、免疫応答における中心的オーガナイザ役割を担う。T細胞の特異性は、そのTCRの配列に依存する。この受容体のための遺伝子テンプレートは、胸腺内でのT細胞成長中に、各々のTCRに特有抗原特異性を付与するV(D)J DNA再編成プロセスによって形成される。TCRは、T細胞機能成長および生存に重要な役割を担う。抗原受容体の発生を妨害する遺伝障害は、T細胞成長を妨げ、免疫不全を生じる。免疫応答を組織する上でのT細胞の重要性を考慮すると、特定の抗原特異性を有するT細胞を生成できることが望ましい。

0005

ウイルスまたは自己抗原に対する免疫応答の研究方法の一つは、TCR遺伝子導入マウス(TCR‐Tg)を用いることによる(Bluthmann et al., 「T‐cell‐specific Deletion of T‐cell Receptor Transgenes Allows Functional Rearrangement of Endogenous Alpha‐ and Beta‐genes,」 Nature334:156‐9(1988)(非特許文献1);Lafaille, 「T‐cell Receptor Transgenic Mice in the Study of Autoimmune Diseases,」 Journal of Autoimmunity22:95‐106(2004)(非特許文献2))。これらのマウスは、マウス内のすべてのT細胞が、単一抗原を認識する単一TCRを発現するように形成される。少なくとも30異種のTCR‐Tgマウスが作製されている。種々のTCR‐TgマウスからのT細胞によって認識される抗原は、インフルエンザウイルス等の病原体によって発現されるタンパク質由来するペプチド、または、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)等の、自己免疫疾患に関わる自己タンパク質に由来するペプチドである。このことは、病原体に対する免疫応答の研究への、あるいは自己免疫疾患のモデル化への、TCR‐Tg T細胞の使用を可能にする。

0006

最も一般的に用いられる抗原特異性TCRマウスは、ニワトリオバルブミン(OVA)からのエピトープ識別する。特に、OT‐IおよびOT‐IIマウスは、各々、MHCクラスIおよびMHCクラスIIによって提示されるOVAのエピトープを識別する。これらのマウスは、T細胞応答を研究するために、また、自己免疫疾患をモデル化するために使用されてきた。

0007

TCR‐Tgマウスは、免疫学の特定の態様を研究するための非常に貴重リソースではあるが、既存のTCR‐Tgモデルのすべてには、特定のタイプの用途への使用を排除する複数の重要な制限がある。特に、既存TCR‐Tgマウスはいずれも、流動細胞計測法蛍光顕微鏡法または生細胞撮像によって視覚化可能な抗原に対する免疫応答の研究には使用できない。

0008

FP特異性T細胞(αGFP)マウスの作製は、一般的に使用され容易にモニター可能な蛍光レポーターを標的とする抗原特異性T細胞モデルを提供することによって、免疫学者のツール・ボックスにおける重要な欠損を解決し得る。緑色蛍光タンパク質(「GFP」)は、細胞内に存在し、単細胞解像度でも生細胞撮像によって容易に検出可能であり、また、特異な組織、細胞種または細胞状態でGFPが発現される1,000種を超える異なる遺伝子導入マウスが生成されているため、理想的なモデル抗原である。(Schmidt et al., 「BAC Transgenic Mice and the GENSAT Database of Engineered Mouse Strains,」 Cold Spring Harbor Protocols(2013)(非特許文献3))。さらに、GFPを発現させるように設計された癌細胞系、ウイルス、および他の病原体が多数存在する。GFPに基づく試薬および動物モデル豊富に存在することは、αGFPマウスを、特定の細胞種の能力を提示する抗原を理解しようとすることから、宿主病原体相互作用特徴づけるウイルス学者まで、多種多様な研究をしている多くの研究室に適切なものとする。

0009

本発明は、当該技術分野におけるこれらの、および他の欠点を克服することを目的とする。

先行技術

0010

Bluthmann et al., 「T‐cell‐specific Deletion of T‐cell Receptor Transgenes Allows Functional Rearrangement of Endogenous Alpha‐ and Beta‐genes,」 Nature334:156‐9(1988)
Lafaille, 「T‐cell Receptor Transgenic Mice in the Study of Autoimmune Diseases,」 Journal of Autoimmunity22:95‐106(2004)
Schmidt et al., 「BAC Transgenic Mice and the GENSAT Database of Engineered Mouse Strains,」 Cold Spring Harbor Protocols(2013)

0011

本発明の第一の態様は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物に関する。この場合の非ヒト哺乳動物のT細胞は、そのT細胞受容体を含む。

0012

本発明の第二の態様は、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物からの単離T細胞に関する。

0013

本発明の第三の態様は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含む単離T細胞に関する。

0014

本発明の第四の態様は、遺伝子導入非ヒト哺乳動物の作製方法に関する。この方法は、発現構築物を非ヒト哺乳動物へ導入し、遺伝子導入胚を発生させることを伴う。前記発現構築物は、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む。この方法は、また、遺伝子導入胚を疑似妊娠非ヒト哺乳動物へ移植すること、遺伝子導入胚を成熟させること、および、そのポリヌクレオチドを含む少なくとも1匹の遺伝子導入仔を単離することを伴う。

0015

本発明の第五の態様は、非ヒト哺乳動物の作製方法に関する。この方法は、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を提供すること、再構成細胞の形成に適切な条件下で非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を除核卵母細胞へ挿入すること、胚を形成するよう再構成細胞を活性化させること、2細胞発育段階を超えるまで胚を培養すること、および、胚が、非ヒト哺乳動物へ発育可能なキメラ胎仔へ成長するよう、培養胚を宿主哺乳動物移入することを伴う。

0016

本発明の第六の態様は、非ヒト哺乳動物における細胞の枯渇方法に関する。この方法は、一つ以上の細胞種で標的タンパク質を発現する非ヒト哺乳動物を提供すること、および、非ヒト哺乳動物へ、標的タンパク質に対して特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含む単離T細胞を導入することを伴う。この場合の単離T細胞は、非ヒト哺乳動物における一つ以上の細胞種を枯渇させるために、その一つ以上の細胞種を攻撃する。

0017

本発明の第七の態様は、作用因子に対するT細胞応答の特徴づけ方法に関する。この方法は、本発明による遺伝子導入非ヒト哺乳動物を提供すること、遺伝子導入非ヒト哺乳動物へ、ワクチン、ウイルス、病原体、移植細胞および癌細胞系からなる群から選択された作用因子を導入することを伴う。この場合の作用因子は、蛍光タンパク質および/または蛍光タンパク質コード化配列を含む。この方法は、また、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体と、遺伝子導入非ヒト哺乳動物におけるT細胞応答を特徴づける作用因子との間の相互作用をモニターすることを伴う。

0018

本発明は、既存のTCR‐Tgマウスの限界を克服し、新しい抗原特異性TCRモデルに関する。特に、緑色蛍光タンパク質を識別するGFP特異性TCRマウスが生成されてきたため、本発明は、感染症および癌を治療または予防するのに用いるワクチンの最適化のために、あるいは免疫寛容を誘発するために有用である。比類なく、本発明は、GFPおよび他の蛍光タンパク質をコードする多くのワクチン、ウイルスおよび癌細胞系に対するT細胞応答の研究を可能にする。

0019

加えて、本発明は、以前不可能であった様式での、組織および器官における自己免疫疾患のモデル化方法を提供する。例えば、本発明は、特に特定の細胞種または組織においてGFPおよび他の蛍光タンパク質を発現する何百種類ものマウスを利用する。本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、これら細胞種によって提示される抗原に対してT細胞がどのように応答するのかを研究するために使用できる。

0020

さらに、本発明は、GFP発現腫瘍細胞を用いることにより、異なる癌および転移に対するT細胞応答の特徴づけを可能にする。

0021

さらに、本発明は、細胞の機能を研究する目的で、マウスにおける所望の細胞を枯渇させるための新規な方法を提供する。GFP特異性T細胞は、特定の細胞種においてGFPを発現するマウスへ注入でき、これらT細胞は、それら細胞を特定して殺す。それら細胞を枯渇させることによって、この方法は、同種細胞の役割を理解するために研究できる「機能欠失(loss-of-function)」表現型を提供する。

0022

加えて、本発明は、ウイルス感染細胞を含む特定の細胞種の抗原特異性T細胞媒介死滅に関する生細胞撮像および生体内顕微鏡分析の実行を可能にする。

0023

本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、T細胞が蛍光タンパク質のエピトープを識別する最初の抗原特異性TCRマウスである。本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、蛍光タンパク質に対する免疫応答を研究するために使用できる。したがって、以前不可能であった文脈での免疫応答研究のために、何千ものGFP(および他の蛍光タンパク質)遺伝子導入マウス、GFP(および他の蛍光タンパク質)発現腫瘍細胞株、およびGFP(および他の蛍光タンパク質)発現病原体を利用できる。本発明の技術のもう一つの適用においては、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、非ヒト哺乳動物における稀な細胞種の枯渇方法として使用できる。

図面の簡単な説明

0024

体細胞核移植(「SCNT」)によって発生させた樹立αGFPマウスにおけるGFP特異性CD8+T細胞の検出を表す一対のグラフである。細胞は、樹立αGFPマウスのリンパ節から採集した。細胞は、CD8および抗H‐2Kd‐GFP200‐208ペンタマーのために染色した。代表的なFACSは、14匹の樹立マウスすべてに表れている。これらは、樹立マウスであるため、キメラであることに注意すべきである。
マウスにおけるGFP特異性T細胞受容体α鎖cDNA配列(配列番号:1)である。配列番号:1のヌクレオチド1〜476は、trav7‐4ドメインであり、配列番号:1のヌクレオチド479〜537は、traj30ドメインであり、ヌクレオチド477〜478は超可変領域である。配列番号:1のヌクレオチド141〜950は、コード領域である。
マウスにおけるGFP特異性T細胞受容体α鎖のアミノ酸配列(配列番号:2)である。
マウスにおけるGFP特異性T細胞受容体β鎖のcDNA配列(配列番号:3)である。配列番号:3のヌクレオチド1〜343は、trbv2(Vb4)ドメインであり、配列番号:3のヌクレオチド354〜403は、Trbj1.6ドメインであり、配列番号:3のヌクレオチド404〜924は、Trbc1ドメインであり、ヌクレオチド344〜353は超可変領域である。配列番号:3のヌクレオチド1〜924は、コード領域である。
マウスにおけるGFP特異性T細胞受容体β鎖のアミノ酸配列(配列番号:4)である。
マウスにおけるGFP特異性T細胞受容体β鎖のアミノ酸配列(配列番号:4)である。
αGFP T細胞の移入が、GFP発現脾細胞を急速に殺すことを示す。対照T細胞のeFluor670標識αGFP CD8+が、脾細胞のサブセット内でGFPを発現するマウス内へ移入された。図6Aに示すように、5日後、GFPに関して、蛍光顕微鏡法(右パネル)およびFACS(左パネル)によって脾臓分析した。図6Bは、eFluor670希釈のFACS分析によって測定したT細胞増殖を表す。養子移入でαGFP T細胞のみが増殖したことに注目すべきである。
αGFPCD8+T細胞の移入が、マウス・インシュリン・プロモーターGFP(MIP‐GFP)マウスに糖尿病を誘発することを表す。B10D2のバックグラウンド(n=4/群)で、野生型マウスまたはαGFPマウスからMIP‐GFPマウスへ、3x106のT細胞が移入された。図7Aに示す血糖値は、T細胞注入前と注入6日後に測定した。250mg/dlを超えるグルコース・レベルを基準にすると、αGFP T細胞を受けたすべてのマウスが糖尿病であった。図7Bでは、6日後のマウスから膵臓を採集し、β細胞を記録するためにGFPを用いて、ルーチン組織学的分析および蛍光顕微鏡法により、β細胞の存在を査定した。マウスは、また、DAPIを用いてCD8+T細胞および核が分かるように染色した。画像は、群につき4匹のマウスの代表的なものである。αGFP T細胞を受けたMIP‐GFPマウスでは、全くGFP陽性細胞が膵臓内に検出されなかった。

0025

発明の詳細な説明
本発明は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物に関する。この場合の非ヒト哺乳動物のT細胞は、そのT細胞受容体を含む。

0026

一つの実施形態によれば、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、マウスまたはネズミ等の齧歯動物である。遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、他種の哺乳動物を含んでもよい。遺伝子導入プロシージャは、例えば、ヒツジヤギブタイヌネコサルチンパンジーハムスターウサギウシおよびモルモットを含む種々の非ネズミ哺乳動物で成功している(例えば、参照により本文に全文を援用するKim et al., 「Development of a Positive Method for Male Stem‐cell Mediated Gene‐transfer in Mouse and Pig,」 Mol.Reprod.Dev.46(4):515‐526(1997);Houdebine, 「The Production of Pharmaceutical Proteins from the Milk of Transgenic Animals,」 Reprod.Nutr.Dev.35(6):609‐617(1995);Petters, 「Transgenic Livestock as Genetic Models of Human Disease,」 Reprod.Fertil.Dev.6(5):643‐645(1994);Schnieke et al., 「Human Factor IX Transgenic Sheep Produced by Transfer of Nuclei from Transfected Fetal Fibroblasts,」 Science278(5346):2130‐2133(1997);Amoah&Gelaye, 「Biotechnology Advances in Goat Reproduction,」 J.AnimalScience75(2):578‐585(1997)を参照)。

0027

より詳細に下記に考察するように、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、形質移入電気穿孔法微量注入法胚性幹細胞における標的遺伝子組み換え、ならびに組み換えウイルスおよびレトロウイルス感染を含む種々の異なる方法によって生成できる(例えば、参照により本文に全文を援用するLeder et al.への米国特許第4,736,866号;Beaudet et al.への米国特許第5,602,307号;Mullins et al., 「Transgenesis in Nonmurine Species,」 Hypertension22(4):630‐633(1993);Brenin et al., 「Transgenic Technology:An Overview of Approaches Useful in Surgical Research,」 Surg.Oncol.6(2)99‐110(1997);Methodsin Molecular Biology,vol.62:Recombinant Gene Expression Protocols,R.Tuan(ed.)Humana Press,Inc.,Totowa,N.J.(1997);Robinson et al.への米国特許第5,489,743号;Beaudet et al.への米国特許第5,602,307号およびLois et al., 「Germline Transmission and Tissue‐Specific Expression of Transgenes Delivered by Lentiviral Vectors,」 Science295(5556):868‐872(2002)を参照)。

0028

一つの実施形態によれば、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを含む。言い換えると、遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、そのゲノムを介して、蛍光タンパク質に特異的な(例えば、抗原特異的)T細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を発現する。したがって、遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、所望のT細胞受容体を発現するリンパ細胞を含む。哺乳動物は、実質的にすべてのリンパ細胞が所望の抗原特異性T細胞受容体を発現するように生み出されてもよい。したがって、遺伝子導入哺乳動物は、非ヒト胚性幹細胞に、所望の抗原特異性T細胞受容体をコードする抗原特異性ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド送達系を接触させることを含む方法によって生み出されてもよい。一つの実施形態におけるポリヌクレオチド送達系は、レンチウイルスベクター等のレトロウイルス・ベクターを含む。

0029

代替的に、遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、リンパ細胞の亜集団のみが所望の抗原特異性T細胞受容体を発現するような様式で生み出されてもよい。この実施形態によれば、この亜集団の細胞は、独特な抗原特異性を有し、免疫応答を誘発可能な他の抗原特異性ポリペチドを全く発現しない。特に、それらリンパ細胞は、他のT細胞受容体を発現してはならない。そのような非ヒト哺乳動物は、造血幹細胞に、所望の抗原特異性ポリペプチドをコードする抗原特異性ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド送達系を接触させることによって生み出されてもよい。それら造血幹細胞は、それから、独特な抗原特異性を有するリンパ細胞へ成長する非ヒト哺乳動物へ移入される。

0030

本文の用語「特性」は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体に関して用いられる場合、一つの実施形態によれば、T細胞受容体が、分子間のバックグラウンド相互作用よりも高い結合親和性で蛍光タンパク質と差別的に結合することを意味する。例えば、本発明の文脈における「バックグラウンド相互作用」は、親和性が、10E‐4 MのKDよりも低い相互作用である。したがって、一つの実施形態によれば、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体は、約10E‐5 MのKDよりも高い親和性を有する蛍光タンパク質に結合する。

0031

もう一つの実施形態によれば、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体は、T細胞受容体が、非蛍光タンパク質または非蛍光タンパク発現細胞に対する場合に比べ、より頻繁に、より急速に、より長期間および/または、より高い親和性で、蛍光タンパク質または蛍光タンパク発現細胞に反応する、あるいは関わることを意味する。例えば、蛍光タンパク質に特異的に結合するT細胞受容体は、他の非蛍光タンパク質に結合するのに比べ、より高い親和性、結合活性を有して、より容易におよび/またはより長期間、その蛍光タンパク質に結合する。

0032

一つの実施形態によれば、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体は、蛍光タンパク発現細胞を殺す能力を有してもよい。もう一つの実施形態においては、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体は、蛍光タンパク発現細胞を殺す能力を有するが、非蛍光タンパク発現細胞を殺す能力を欠いてもよい。

0033

一つの実施形態によれば、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体は、本文に説明の蛍光タンパク質の特定の結合部位、すなわちエピトープで、蛍光タンパク質に結合してもよい。

0034

本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物におけるT細胞受容体は、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質に対して特異的である。蛍光タンパク質は、天然に存在するタンパク質、あるいは天然に存在する蛍光タンパク質の誘導体等の改変タンパク質であってもよい。模範的な蛍光タンパク質は、限定せずに、GFP等のオワンクラゲ由来のタンパク質、高感度緑色蛍光タンパク質(「eGFP」)および黄色蛍光タンパク質(「YFP」)を含む。

0035

緑色蛍光タンパク質は、オワンクラゲによって生成される天然蛍光タンパク質である。天然タンパク質内のいくつかのアミノ酸残基は、ポリペプチドが、内筒の軸に沿って延在するαヘリックスが通る11鎖βバレル構造へ折り畳まれるとき、蛍光体自然発生的に形成する。広い種類のタンパク質に対してN末端およびC末端融合を許容するので、GFPは、主として蛍光タンパク質タグとして、すなわち、GFPのキメラタンパク質を他のタンパク質にリンクさせるために使用されてきた。そのリンクにおいて、GFPは、それが融合するタンパク質が、いつ、どこに、どれだけの量存在するのかを明らかにする指標として機能する。GFPは、この能力があるために、細菌、酵母粘菌、植物、ショウジョウバエゼブラフィッシュ内で、および哺乳動物細胞内で発現させられている。

0036

それが単離されたクラゲにおいては、GFPは、生物発光タンパク質エクオリンとの生理的相互作用に関わり、エネルギー移動を介して、その青色光吸収を緑色光放射転換する。GFPの大部分の応用例では、この二重要素構成再現されず、光学計測機器を介したGFPまたはその誘導体の励起が行われる。

0037

本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物のT細胞受容体が特異的な蛍光タンパク質は、以下の修飾の一つ以上を含むものである。循環配列(参照により全文が本文に援用されるBaird et al., 「Circular Permutation and Receptor Insertion Within Green Fluorescent Proteins,」 Proc.Natl.Acad.Sci.USA96:11241‐11246(1999))、分裂(参照により全文が本文に援用されるZhang et al., 「Combinatorial Marking of Cells and Organelles with Reconstituted Fluorescent Proteins,」 Cell 119:137‐144(2004))、増強折畳み(参照により全文が本文に援用されるPedelacq et al., 「Engineering and Characterization of a Superfolder Green Fluorescent Protein,」 Nat.Biotechnol.24:79‐88(2006))、または他の修飾(参照により全文が本文に援用されるZhang et al., 「Creating New Fluorescent Probes for Cell Biology,」 Nat.Rev.Mol.CellBiol.3:906‐918(2002))。

0038

本発明に適切な蛍光タンパク質(およびそれらのコード化核酸)の具体的な非限定例は、限定せずに、GenBank受託番号AB195239、AY013821、AY013824、AY013825、AY013826、AY013827、AF435427、AF435428、AF435429、AF435430、AF435431、AF435433、DQ525025、X83959、X83960、X96418、BD136947、BD136948、BD136949、U73901、AF302837、AF183395、AF058694、U50963、L29345、M62653およびM62654として報告されたものを含む。

0039

一つの実施形態における蛍光タンパク質は、アミノ酸ドメインHYLSTQSAL(配列番号:5)を含む蛍光タンパク質である。

0040

もう一つの実施形態においては、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号:1(図2)、配列番号:3(図4)、または配列番号:1と配列番号:3の組み合わせのポリヌクレオチド配列を含む。配列番号:1および配列番号:3に記載のポリヌクレオチド配列は、模範的なものである。蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードする他のポリヌクレオチド配列も使用可能である。例えば、抗原特異性T細胞受容体に類似し、それをコードするポリヌクレオチド配列も使用可能である。そのような配列は、配列番号:1および配列番号:3に少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%一致してもよい。マウスではない非ヒト哺乳動物種を用いる場合、ポリヌクレオチド配列は、典型的に、その種本来のT細胞受容体コード化配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%一致する。

0041

当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかであるが、各々のT細胞受容体遺伝子内には、「C領域」があり、その部分が、受容体の定常ドメインに対してコード化する。この領域は、蛍光タンパク質の特異性に直接的に関連しない。すべての他のドメイン(V領域、J領域、超可変領域)は可変であり、蛍光タンパク質に対する特異性を提供するのは、それらの特定の組み換えである。したがって、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト哺乳動物を生成するように、多数のポリヌクレオチド配列が設計されてもよい。この場合の非ヒト哺乳動物のT細胞は、そのT細胞受容体を含む。

0042

もう一つの実施形態における抗原特異性T細胞受容体は、配列番号:2(図3)、配列番号:4(図5AおよびB)、または配列番号:2と配列番号:4の組み合わせのアミノ酸配列を含む。配列番号:2および配列番号:4の抗原特異性T細胞受容体配列は模範的なものであり、本発明は、これらの配列のみを含む遺伝子導入非ヒト哺乳動物に限定されない。例えば、配列番号:2および配列番号:4に類似のアミノ酸配列も使用可能である。そのような配列は、配列番号:2および配列番号:4に少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%一致してもよい。もう一度言うが、マウスではない非ヒト哺乳動物種を用いる場合、抗原特異性T細胞受容体は、典型的に、その種本来のT細胞受容体と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%一致する。

0043

一つの実施形態によれば、T細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列は、主要組織適合複合体MHC)IまたはII内に装填された蛍光タンパク質に対して特異的である。

0044

本発明のもう一つの態様は、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物からの単離T細胞に関する。

0045

一つの実施形態によれば、本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物からの単離T細胞は、精製T細胞である。本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物からの単離精製T細胞は、当該技術分野の通常の知識を有する者に既知であり利用される複数の方法によって取得できる。一つの実施形態における単離T細胞は、(例えば、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%純粋な)精製形態にある。

0046

本発明の更なる態様は、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含む単離T細胞に関する。

0047

選択発現系内へ、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列(すなわち、核酸分子)を導入することは、従来の組み換え技術を用いて実行できる。通常、これは、分子が異種である(すなわち、通常存在しない)発現系内へポリヌクレオチド配列を挿入することを伴う。非ヒト哺乳動物宿主への特定の外来または生来の遺伝子の導入は、遺伝子配列を適切な発現構築物またはベクターへ最初に導入することによって促進される。本文の用語「構築物」または「ベクター」は、プラスミドバクテリオファージトランスポゾンコスミド染色体、ウイルス、ウィリオン等の任意の遺伝因子を意味する。これは、適切な制御因子との関わりで複製が可能で、また、細胞間での遺伝子配列の転送が可能である。したがって、この用語は、クローン化ベクターおよび発現ベクター、また、ウイルス・ベクターをも含む。異種核酸分子は、正しいセンス(5'→3')配向および適切な解読枠で発現構築物またはベクターへ挿入される。ベクターは、挿入されたT細胞受容体コード化配列の転写および翻訳に必要な因子を含んでいる。

0048

参照により全文が本文に援用されるCohenおよびBoyerへの米国特許第4,237,224号は、制限酵素切断とDNAリガーゼでの連結を用いることによる組み換えプラスミドの形態での発現系の生成を説明する。これらの組み換えプラスミドは、それから、形質転換によって導入され、組織培養で増殖させた原核生物および真核細胞を含む単細胞培養物内で複製される。

0049

組み換え遺伝子は、また、ウイルスへ導入してもよい。それらのウイルスは、ワクシニアウイルスアデノウイルス、およびレトロウイルス(レンチウイルスを含む)を含む。組み換えウイルスは、ウイルスに感染させた細胞内へのプラスミドの形質移入によって生成可能である。

0050

適切なベクターは、以下のウイルス・ベクターを含むが、これらに限定されるものではない。例えば、ラムダベクター系gt11、gt WES.tB、シャロン4、および、pBR322、pBR325、pACYC177、pACYC184、pUC8、pUC9、pUC18、pUC19、pLG339、pR290、pKC37、pKC101、SV40、pBluescript IISK+/−またはKS+/−等のプラスミド・ベクター(参照により全文が本文に援用されるStratagene Cloning Systems Catalog(1993)from Stratagene,La Jolla,Calif.を参照)、pQE、pIH821、pGEX、pFastBacシリーズインビトロジェン)、pETシリーズ(参照により全文が本文に援用されるF.W.Studier et.al., 「Use of T7 RNA Polymerase to Direct Expression of Cloned Genes,」 Gene Expression Technology,185(1990)を参照)、および、それらの任意の誘導体。組み換え分子は、形質転換、特に形質導入接合可動化または電気穿孔を介して細胞内へ導入できる。DNA配列は、参照により全文が本文に援用されるSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Springs Laboratory, Cold Springs Harbor,N.Y.(1989)に説明のように、当該技術分野における標準クローン化プロシージャを用いてベクター内へクローン化される。

0051

細胞内でT細胞受容体コード化配列を発現させるために、種々の宿主ベクター系が利用されてもよい。第一に、ベクター系には、使用宿主細胞との互換性がなければならない。宿主ベクター系は、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。バクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNAで形質転換させた細菌。酵母ベクターを含む酵母等の微生物。(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等の)ウイルスに感染させた哺乳動物細胞系。ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系。および細菌に感染させた植物細胞。これらベクターの発現因子は、強度および特異性が異なる。利用宿主ベクター系に応じて、多数の適切な転写および翻訳因子のいずれか一つを使用できる。

0052

異なる遺伝子信号および処理イベントが、多くのレベルの遺伝子発現を制御する(例えば、DNA転写およびメッセンジャーRNA(「mRNA」)翻訳)。DNAの転写は、RNAポリメラーゼの結合を指示し、それによりmRNA合成を促進するDNA配列であるプロモーターの存在に依存している。真核プロモーターのDNA配列は、原核プロモーターのものとは異なる。さらに、真核プロモーターおよび付随遺伝子信号は、原核生物系内では認識されない、あるいは原核生物系内では機能しない可能性があり、さらに、原核プロモーターは、真核細胞内では認識されず機能しない。

0053

同様に、原核生物におけるmRNAの翻訳は、真核生物のものとは異なる相応な原核信号の存在に依存する。原核生物におけるmRNAの効率的な翻訳は、mRNA上に、シャインダルガーノ(「SD」)配列と呼ばれるリボソーム結合部位を必要とする。この配列は、そのタンパク質のアミノ末端メチオニンをコードする開始コドン、通常AUG、の前に位置するmRNAの短いヌクレオチド配列である。SD配列は、16SrRNAリボソームRNA)の3'‐末端相補的であり、リボソームの適切な位置決めを許容するために、おそらく、rRNAとの二本鎖形成によってmRNAのリボソームへの結合を促進する。遺伝子発現の最大化概説に関しては、参照により全文が本文に援用されるRoberts and Lauer, Methodsin Enzymology68:473(1979)を参照。

0054

プロモーターは、それらの「強度」(すなわち、転写促進能力)が異なる。クローン遺伝子を発現させるためには、高レベルの転写、それによる遺伝子の発現を得るよう、強力なプロモーターを使用することが望ましい。利用宿主細胞系に応じて、多数の適切なプロモーターのいずれか一つを使用してもよい。例えば、大腸菌、そのバクテリオファージまたはプラスミドにおけるクローン化の際は、例えば、PHプロモーター、T7ファージ・プロモーター、ラック・プロモーター、trpプロモーター、recAプロモーター、リボソームRNAプロモーター、限定せずにlacUV5、ompF、bla、lppを含むコリファージ・ラムダ等のPRおよびPLプロモーターなどのプロモーターが、近接DNAセグメントの高レベルの転写を指令するために使用されてもよい。加えて、組み換えDNAあるいは他の合成DNA技術によって生成したハイブリッドtrp‐lacUV5(tac)プロモーターまたは他の大腸菌プロモーターが、挿入遺伝子の転写を提供するために使用されてもよい。

0055

特に誘発されない限りプロモーターの活性を阻止する細菌宿主細胞株および発現ベクターが選択されてもよい。ある特定のオペロンでは、挿入DNAの効率的な転写のために特異的な誘導因子の添加が必要である。例えば、ラック・オペロンは、ラクトースまたはIPTG(イソプロピルチオ‐ベータ‐D‐ガラクトシド)の添加によって誘発される。trp、pro等の種々の他のオペロンは、異なる制御下にある。

0056

特異的な開始信号も、原核細胞内の効率的な遺伝子転写および翻訳に必要である。これら転写および翻訳開始信号は、各々、遺伝子特異的メッセンジャーRNAおよび合成タンパク質の量によって測定される「強度」が異なってもよい。プロモーターを含むDNA発現ベクターは、種々の「強力な」転写および/または翻訳開始信号のいずれの組み合わせを含んでもよい。例えば、大腸菌の効率的な翻訳は、リボソーム結合部位を提供するための開始コドン(ATG)に対して約7〜9塩基5'側のシャイン・ダルガーノ(SD)配列を必要とする。したがって、宿主細胞リボソームによって利用可能な、いずれのSD‐ATG組み合わせを使用してもよい。そのような組み合わせは、cro遺伝子またはコリファージ・ラムダのN遺伝子からの、あるいは大腸菌トリプトファンE、D、C、BまたはA遺伝子からのSD‐ATG組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。加えて、組み換えDNAによって、あるいは合成ヌクレオチドの組み込みを伴う他の技術によって生成されたいずれのSD‐ATG組み合わせを使用してもよい。

0057

利用ベクター系および宿主に応じて、構成的で、誘導可能で抑制可能なプロモーターならびに最小5'プロモーター因子を含む適切な転写および/または翻訳因子をいくつでも使用してもよい。

0058

当該技術分野において既知である標準クローン化プロシージャ、例えば、参照により全文が本文に援用されるSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(2001)に説明のものを用いて核酸構築物を調製するために、T細胞受容体コード化核酸、選択プロモーター分子、適切な3'制御領域および、必要に応じて、レポーター遺伝子が、選択ベクター発現系へ組み入れられる。

0059

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードする核酸分子が、センス(すなわち、5'→3')方向でベクターへ挿入されるので、開放解読枠は、選択プロモーター制御下での蛍光タンパク質に特異的なコード化T細胞受容体の発現のために、適切に配向される。核酸構築物を調製するために、適切なプロモーターの制御下で、単一または複数の核酸が、適切なベクター内へこのように結合されてもよい。

0060

蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードする単離核酸分子が発現ベクターへ挿入されると、宿主細胞への組み入れの準備が整う。組み換え分子は、形質転換、特に形質導入、接合、リポフェクション原形質体融合、可動化、粒子衝撃または電気穿孔を介して細胞へ導入できる。DNA配列は、当該技術分野において既知である標準クローン化プロシージャ、例えば、参照により全文が本文に援用されるSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Springs Laboratory,Cold Springs Harbor,N.Y.(1989)に説明のものを用いて宿主細胞内へ組み込まれる。適切な宿主は、細菌、ウイルス、酵母、真菌非ヒト哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞などを含むが、これらに限定されるものではない。

0061

典型的に、形質転換細胞のみの選択成長に有用な抗生物質あるいは他の化合物が、培地補充物として追加される。使用すべき化合物は、宿主細胞の形質転換に用いたプラスミド内に存在する選択可能なマーカー因子に応じて決定される。適切な遺伝子は、ゲンタマイシン、G418、ハイグロマイシンピューロマイシンストレプトマイシンスペクチノマイシンテトラサイクリンクロラムフェニコールなどに耐性を与えるものである。同様に、識別可能な化合物の生成を提供する酵素をコードする「レポーター遺伝子」、または、遺伝子送達の結果に関わる関連情報を示す他のマーカーが適切である。例えば、異種遺伝子の存在が視覚的に確認できるような、種々の発光性または蛍光性レポーター遺伝子も適切である。

0062

本発明のもう一つの態様は、遺伝子導入非ヒト哺乳動物の作製方法に関する。この方法は、遺伝子導入胚を生み出すために、発現構築物を非ヒト哺乳動物胚へ導入することを伴う。この発現構築物は、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む。方法は、また、遺伝子導入胚を疑似妊娠非ヒト哺乳動物へ移植すること、遺伝子導入胚を成熟させること、および、前記ポリヌクレオチドを含む少なくとも1匹の遺伝子導入仔を単離することを伴う。

0063

この方法では、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列が、当該技術分野技術者に周知の標準的な方法によって、遺伝子導入非ヒト哺乳動物のゲノム内へ統合可能である。遺伝子導入動物の樹立系を生み出すための動物への導入遺伝子の導入には、当該技術分野において既知である種々の技術のいずれを使用することもできる(例えば、参照により全文が本文に援用されるHogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1986;Hogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1994;およびLazzariniへの米国特許第5,602,299号;Krimpenfortへの米国特許第5,175,384号;Ginsburgへの米国特許第6,066,778号;およびSato et alへの米国特許第6,037,521号を参照)。そのような技術は、前核微量注入法(参照によって全文が本文へ援用されるWagner et al.への米国特許第4,873,191号)、生殖細胞系へのレトロウイルス媒介遺伝子導入(参照により全文が本文に援用されるVan der Putten et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:6148‐6152(1985))、胚性幹細胞における標的遺伝子導入(参照により全文が本文に援用されるThompson et al.,Cell 56:313‐321(1989))、胚の電気穿孔(参照により全文が本文に援用されるLo et al.,Mol.Cell.Biol.3:1803‐1814(1983))、および、精子媒介遺伝子導入(参照により全文が本文に援用されるLavitrano et al.,Cell 57:717‐723(1989))を含むが、これらに限定されるものではない。

0064

例えば、遺伝子導入動物を生み出すための遺伝子導入には、種々の発育段階にある胚細胞が使用できる。胚細胞の成長段階に応じて、異なる方法が使用される。受精卵は、微量注入法に対しての優れた標的であり、受精卵への微量注入方法は周知である(参照により全文が本文に援用されるWagner et al.への米国特許第4,873,191号を参照)。マウスでは、オス前核は、1〜2ピコリットル(pl)のDNA溶液の再現可能な注入を許容する直径約20マイクロメートルのサイズに達する。遺伝子導入の標的としての受精卵の使用には、ほとんどのケースで、注入DNAが第一卵割の前に宿主ゲノムに組み入れられるという利点がある(参照により全文が本文に援用されるBrinster et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:4438‐4442(1985))。結果として、遺伝子導入非ヒト動物のすべての細胞が、統合導入遺伝子を担持することになる。これは、生殖細胞の50%が導入遺伝子を保持することになるため、概して、樹立系の仔への導入遺伝子の効率的な伝達にも反映される。

0065

本発明の遺伝子導入動物は、胚性(「ES」)細胞への標的ベクターの導入によって生み出すこともできる。ES細胞は、適切な条件下で、着床前胚をインヴィトロで培養することにより得られる。(参照により全文が本文に援用されるEvans et al.,Nature292:154‐156(1981);Bradley et al.,Nature309:255‐258(1984);Gossler et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:9065‐9069(1986);および Robertson et al.,Nature322:445‐448(1986))。導入遺伝子は、当該技術分野において既知である種々の方法を用いて、DNA感染により効率的にES細胞へ導入できる。それら方法は、電気穿孔、リン酸カルシウム共沈プロトプラストまたはスフェロプラスト融合、リポフェクションとDEAEデキストラン媒介形質移入を含む。導入遺伝子は、また、レトロウイルス媒介形質導入または微量注入法によってもES細胞へ導入できる。そのような形質移入ES細胞は、胞胚段階の胚の胞胚腔へ導入された後、胚にコロニーを形成可能であり、その結果として生じるキメラ動物の生殖細胞系に寄与する(参照により全文が本文に援用されるJaenisch,Science240:1468‐1474(1988)を参照)。胞胚腔への形質移入ES細胞の導入前に、形質移入ES細胞は、導入遺伝子を統合したES細胞を富化させるために、種々の選択プロトコルに、導入遺伝子がそのような選択手段を提供するなら、曝してもよい。代替的に、導入遺伝子を統合したES細胞についてスクリーニングを行うために、PCRを使用してもよい。この技術は、胞胚腔への移入前の適切な選択条件下で、形質移入ES細胞の成長を不要にする。

0066

加えて、導入遺伝子を非ヒト哺乳動物へ導入するために、レトロウイルス感染も使用できる。発育中の非ヒト胚は、胞胚段階へインヴィトロで培養できる。この間に、分割球が、レトロウイルス感染の標的となってもよい(参照により全文が本文に援用されるJanenich,Proc.Natl.Acad.Sci.USA73:1260‐1264(1976))。導入遺伝子の導入に用いられるウイルス・ベクター系は、典型的に、導入遺伝子を担持している複製能欠失型レトロウイルスである(参照により全文が本文に援用されるJahner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:6927‐6931(1985);Van der Putten et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:6148‐6152(1985))。形質移入は、ウイルス産生細胞単層上に分割球を培養することによって、容易に、および効率的に達成できる。代替的に、後期段階で感染を実行してもよい。当該技術分野において既知である遺伝子導入動物を生み出すためにレトロウイルスまたはレトロウイルス・ベクターを用いる追加の手段は、レトロウイルス粒子、あるいは受精卵または初期胚囲卵腔へレトロウイルスを生じるマイトマイシンC処置細胞の微量注入法を伴う(参照により全文が本文に援用されるOnionsに対するPCT公開第WO90/08832号を参照)。

0067

本発明は、すべての細胞内に導入遺伝子を担持する遺伝子導入非ヒト哺乳動物、および、すべての細胞にではなく、いくつかに導入遺伝子を担持する動物を提供する。すなわち、導入遺伝子の発現は、導入遺伝子の上流に配置された細胞特異性プロモーターおよび/またはエンハンサー因子によって制御される。遺伝子導入非ヒト哺乳動物における導入遺伝子発現を駆動するのに適切な発現またはクローン化構築物は、当該技術分野において周知である。発現構築物の他の構成要素は、転写産物スプライシングされることを保証するために、強力なポリアデニル化部位、適切な制限エンドヌクレアーゼ部位およびイントロンを含む。

0068

上記に考察したように、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチドは、いずれの非ヒト哺乳動物へ挿入されてもよい。一つの実施形態における動物は、齧歯動物、例えば、マウスである。遺伝子導入モデルの生成に一般的に使用されるマウスの適切な株は、限定せずに、CD‐1(登録商標ヌードマウス、NU/NUマウス、BALB/Cヌードマウス、BALB/Cマウス、NIH‐IIIマウス、SCID(登録商標)マウス、非近交系SCID(登録商標)マウス、SCIDベージュ・マウス、C3Hマウス、C57BL/6マウス、DBA/2マウス、FVBマウス、CB17マウス、129マウス、SJLマウス、B6C3F1マウス、BDF1マウス、CDF1マウス、CB6F1マウス、CF‐1マウス、スイスウェブスター・マウス、SKH1マウス、PGPマウスおよびB6SJLマウスを含む。

0069

遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、表現型、例えば、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体を有するT細胞を含む動物を選択するために、スクリーニングされて評価される。導入遺伝子の統合が行われたことを検証するために動物細胞を分析するのに、蛍光検出または、例えばサザンブロット分析あるいはPCR技術を用いて、初期スクリーニングを実行してもよい。遺伝子導入動物の細胞内導入遺伝子のmRNA発現レベルは、限定せずに、蛍光検出、動物から採取した組織試料ノーザンブロット解析原位置ハイブリッド形成分析、および逆転写酵素PCR(rt‐PCR)を含む技術を用いて査定することもできる。

0070

本発明のこの方法を実行する際に、遺伝子導入胚は、疑似妊娠非ヒト哺乳動物へ移植される。胚は、微量注入法による導入遺伝子の導入のための最高の標的である。遺伝子導入の標的としての胚の利用には、ほとんどのケースにおいて、注入DNAが第一卵割前に宿主遺伝子へ組み入れられるという主要な利点がある(参照により全文が本文に援用されるBrinster et al., 「Factors Affecting the Efficiency of Introducing Foreign DNA into Mice by Microinjecting Eggs,」 Proc.Nat'l Acad.Sci.USA82:4438‐4442(1985))。結果として、遺伝子導入非ヒト哺乳動物のすべての細胞が、統合導入遺伝子を担持することになる。このことは、また、概して、生殖細胞の50%が導入遺伝子を保持することになるため、樹立系の仔への導入遺伝子の効率的な伝達に反映される。

0071

遺伝子導入非ヒト哺乳動物(例えば、マウス)を生み出すために利用可能な一つの手段は、以下の通りである。メスマウスを掛け合わせ、その結果として生じた受精卵を、輸卵管から解剖学的に摘出する。は、M2培養液等の適切な培養液中に保存する(参照により全文が本文に援用されるHogan et al., 「Manipulating the Mouse Embryo,A Laboratory Manual,」 Cold Spring Harbor Laboratory(1986))。遺伝子、ミニ遺伝子または組み換え基質をコードするDNAまたはcDNAは、(プラスミド等の)ベクターから、当該技術分野における周知の方法によって精製する。導入遺伝子の発現を調整する実験的な手段を提供するために、DNAのコード領域に誘導可能なプロモーターを融合させてもよい。代替的に、あるいは追加的に、組織特異性調節因子を、導入遺伝子の組織特異性発現を許容するようコード領域に融合させてもよい。適切な緩衝溶液中のDNAを、(ピペット牽引具を用いて毛管から形成されてもよい)微量注入針へ入れ、注入を受ける卵を、陥没スライドへ入れる。針を卵の前核へ挿入し、DNA溶液を注入する。それから、注入卵を、疑似妊娠非ヒト哺乳動物(例えば、実際には妊娠していないが、妊娠を維持するよう適切なホルモン刺激されるマウス)の輸卵管へ移入する。この場合、卵は、子宮へ進み、着床し、成熟する。この前核DNA微量注入は、遺伝子導入の典型的な方法であり、参照により全文が本文に援用されるBrem,Transgenic Animals pp.745‐832(1993); および Hammer et al., 「Production of Transgenic Rabbits,Sheep and Pigs by Microinjection,」 Nature315:680‐683(1985)に説明されている。マウスに用いるDNA微量注入の基本的な方法は、参照によって全文が本文へ援用されるRulicke et al., 「Germline Transformation of Mammals by Pronuclear Microinjection,」 Experimental Physiology85:589‐601(2000)に説明されている。しかし、この方法を利用する際には、種に特異的な、いくつかの修飾が必要である。例えば、胚の回収における微量注入プロセスとレシピエントへの注入胚の移入は、修飾を必要とすることもあり得る(参照により全文が本文に援用されるBrem,Transgenic Animals pp.745‐832(1993))。DNA微量注入は、DNAを卵細胞へ挿入するための唯一の方法ではなく、ここでは、模範的な目的でのみ使用される。

0072

発現構築物の導入ステップは、以下のものを含むがこれらに限らない、当該技術分野において周知の複数の方法によって実行されてもよい。(i)受精卵の前核への遺伝子の微量注入。(ii)レトロウイルスによるDNA移入。(iii)予め外来性DNAに曝した胚性幹細胞および/または胚生殖細胞の胞胚腔内への注入。(iv)体外受精中の精子媒介外来性DNA移入。(v)細胞および胚へのリポソーム媒介DNA移入。(vi)精子、卵子または胚へのDNA電気穿孔。(vii)遺伝子銃。および(viii)体細胞または胚細胞での核移入。これらは、参照により全文が本文に援用されるWheeler et al., 「Transgenic Technology and Applications in Swine,」 Theriogenology56:1345‐1370(2001);Wolf et al., 「Transgenic Technology in Farm Animals‐Progress and Perspectives,」 Exp Physiol.85.6:615‐625(2000)に説明がある。

0073

一つの実施形態における核酸構築物は、核酸構築物を含むウイルスで胚を感染させることによって、胚へ導入できる。細胞、例えば、卵母細胞または胚細胞あるいは1細胞胚へ、関心の導入遺伝子を送達するために、組み換えレトロウイルスが使用されてもよい。これにより、導入遺伝子および関連遺伝因子は、プロウイルスとして宿主細胞のゲノムへ統合される。細胞は、それから、遺伝子導入動物へと成長させてもよい。発育中の非ヒト哺乳動物胚は、インヴィトロで胞胚段階へと培養可能である。この間の分割球が、レトロウイルス感染の標的であってもよい(参照により全文が本文に援用されるJaenich, 「Germ Line Integration and Mendelian Transmission of the Exogenous Moloney Leukemia Virus,」 Proc Nat'l Acad SciUSA73:1260‐1264(1976))。分割球の効率的な感染は、透明帯を取り除く酵素処理によって得られる(参照によって全文が本文へ援用されるHogan, et al.,Manipulating the Mouse Embryo(1986))。導入遺伝子の導入に用いられるウイルス・ベクター系は、典型的に、導入遺伝子を担持する複製能欠失型レトロウイルスである(参照により全文が本文に援用されるJahner et al., 「Insertion of the Bacterial gptGene into the Germ Line of Mice by Retroviral Infection,」 Proc.Nat'l Acad. Sci.USA82:6927‐6931(1985);Van der Putten et al., 「Efficient Insertion of Genes into the Mouse Germ Line via Retroviral Vectors,」 Proc.Nat'lAcad.Sci.USA82:6148‐6152(1985))。形質移入は、ウイルス産生細胞の単層上に分割球を培養することによって、容易におよび効率的に得られる(参照により全文が本文に援用されるVan der Putten et al., 「Efficient Insertion of Genes into the Mouse Germ Line via Retroviral Vectors,」 Proc.Nat'l Acad.Sci.USA82:6148‐6152(1985);Stewart et al., 「Expression of Retroviral Vectors in Transgenic Mice Obtained by Embryo Infection,」EMBOJ.6:383‐388(1987))。代替的に、感染は後期段階で実行してもよい。ウイルスまたはウイルス産生細胞は、胞胚腔へ注入できる(参照により全文が本文に援用されるJahner et al., 「Denovo Methylation and Expression of Retroviral Genomes during Mouse Embryogenesis,」 Nature298:623‐628(1982))。

0074

もう一つの実施形態における核酸構築物は、核酸構築物を含む胚性幹細胞を胚へ導入することによって、胚へ導入できる。導入遺伝子を導入するために、種々の発育段階の胚性幹(「ES」)細胞が使用できる。胚的細胞の成長段階に応じて、異なる方法が使用される。ES細胞は、インヴィトロで培養された着床前の胚から採取し、胚へ融合させてもよい(参照により全文が本文に援用されるEvans et al., 「Establishment in Culture of Pluripotential Cells from Mouse Embryos,」 Nature292:154‐156(1981);Gossler et al., 「Transgenesis by Means of Blastocyst‐derived Embryonic Stem Cell Lines,」 Proc.Nat'l Acad.Sci.USA83:9065‐9069(1986))。導入遺伝子は、DNA感染によって、または、レトロウイルス媒介形質導入によって、ES細胞へ効率的に導入できる。そのような形質転換ES細胞は、その後、非ヒト哺乳動物からの胞胚と組み合わせてもよい。ES細胞は、その後、胚にコロニーを形成し、結果として生まれるキメラ動物の生殖細胞系に寄与する(参照により全文が本文に援用されるJaenisch, 「Transgenic Animals,」 Science240:1468‐1474(1988))。例えば、利用可能な一つの方法は、8細胞段階胚への、同系交配または異系交配のES細胞のレーザー支援注入である(参照により全文が本文に援用されるPoueymirou et al., 「F0 Generation Mice Fully Derived from Gene‐targeted Embryonic Stem Cells Allowing Immediate Phenotypic Analyses,」 Nat.Biotech.25:91‐99(2007))。この方法は、完全にES細胞由来で健康なF0世代マウスを効率的に生み出し、100%の生殖細胞系伝達を示し、即時の表現型分析を可能とするため、遺伝子機能割当てを加速度的に促進する。

0075

導入遺伝子を担持する動物は、遺伝子導入構築物に含まれるレポーター遺伝子を担持する動物を識別することによって、選択されてもよい。そのような識別は、その遺伝子から発現したタンパク質をスクリーニングすることによって実行されてもよい。例えば、発現タンパク質に特異的な抗体を用いて。抗体には、検出を容易にするために化学的な、または放射性タグ付けを行ってもよい。識別ステップも、その遺伝子から生じる表現型(例えば、蛍光)をスクリーニングすることによって実行してもよい。そのような識別は、さらに、その遺伝子、核酸ハイブリッド形成技術を利用してその遺伝子から形成された遺伝子産物またはRNA分子を直接スクリーニングすることによって実行されてもよい。

0076

一つの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、T細胞の少なくとも前駆細胞において発現される。

0077

もう一つの実施形態においては、前駆細胞は幹細胞である。

0078

さらにもう一つの実施形態では、T細胞は、成熟ヘルパーT細胞または成熟細胞傷害性T細胞である。

0079

本発明のこの方法を実行する際の胚は、受精卵または分割球であり、受精卵へのポリヌクレオチドの導入は、微量注入法によって実行され、分割球へのポリヌクレオチドの導入は、レトロウイルス感染による。

0080

本発明の更なる態様は、非ヒト哺乳動物の作製方法に関する。この方法は、プロモーターと機能し得るように連結された蛍光タンパク質に特異的であるT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を提供すること、再構成細胞の形成に適切な条件下で非ヒト哺乳動物体細胞または細胞核を除核卵母細胞へ挿入すること、再構成細胞を活性化すること、2細胞発育段階を超えるまで胚を培養すること、および、胚が、非ヒト哺乳動物へ発育可能なキメラ胎仔へ成長するよう、培養胚を宿主哺乳動物へ移入することを伴う。

0081

遺伝子導入非ヒト哺乳動物を作製するための体細胞細胞核移入は周知である(例えば、参照により全文が本文に援用されるCibelli et al., 「Bovine Chimeric Offspring Produced By Transgenic Embryonic Stem Cells Generated From Somatic Cell Nuclear Transfer Embryos,」 Theriogenology49:236(1998);Baguisi et al., 「Production of Goats by Somatic Cell Nuclear Transfer,」 Nature Biotechnology17:456‐461(1999);Polejaeva et al., 「New Advances In Somatic Cell Nuclear Transfer:Application In Transgenesis,」 Theriogenology53:117‐126(2000)を参照)。

0082

本発明のもう一つの態様は、非ヒト哺乳動物における細胞の枯渇方法に関する。この方法は、一つ以上の細胞種で標的タンパク質を発現する非ヒト哺乳動物を提供すること、および、標的タンパク質に対して特異的なT細胞受容体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現構築物を含む単離T細胞を非ヒト哺乳動物に導入することを伴う。この場合の単離T細胞は、非ヒト哺乳動物における一つ以上の細胞種を枯渇させるために、一つ以上の細胞種を攻撃する。

0083

本発明のこの方法を実行する際の標的タンパク質は、一つの実施形態によれば、本文で説明するような蛍光タンパク質であり、ポリヌクレオチド配列が、蛍光タンパク質に対して抗原特異的であるT細胞受容体をコードする。

0084

一つの実施形態によれば、本発明のこの態様の方法を実行する際の非ヒト哺乳動物の一つ以上の細胞種は、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%枯渇する。

0085

本発明の更なる態様は、作用因子に対するT細胞応答の特徴づけ方法に関する。この方法は、本発明による遺伝子導入非ヒト哺乳動物を提供すること、ワクチン、ウイルス、病原体、移植細胞および癌細胞系からなる群より選択された作用因子を、遺伝子導入非ヒト哺乳動物へ導入することを伴う。この場合の作用因子は、蛍光タンパク質および/または蛍光タンパク質コード化配列を含む。この方法は、また、遺伝子導入非ヒト哺乳動物におけるT細胞応答を特徴づけるために、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体と作用因子との間の相互作用をモニターすることを伴う。

0086

本発明のこの方法の実行においては、蛍光タンパク質に特異的なT細胞受容体と作用因子との間の相互作用のモニタリングは、蛍光の位置および濃度、あるいは蛍光の位置および/または濃度の変化を検出することによって実行できる。蛍光は、目視によって検出できる。代替的に、蛍光検出は、分光光度計、あるいはカメラまたは光電増倍管に接続させた顕微鏡または巨視ステムで実行してもよい。適切な測定器の使用と関連して、時空的情報(機能的細胞内撮像)を得るための、生体系におけるリアルタイムでの光学読み取りが可能である。

0087

本発明のこれらの態様は、さらに、以下の実施例により例示する。

0088

以下の実施例は、本発明の実施形態を例示するために提供するが、その範囲を限定する意図は決してない。

0089

MHCクラスI制限GFP特異性T細胞受容体(αGFP)マウスの生成
GFP特異性TCRマウスを創出するために、体細胞核移植(SCNT)アプローチを使用した。BALB/cxC57BL/6F1(B6CF1)マウスを、GFPコード化DNAベクター接種した。BALB/cxC57BL/6交雑種を用いることにより、H‐2Kd対立遺伝子上のGFPを識別するGFP特異性T細胞を誘発させることが可能だった。BALB/cマウス、NODマウスおよびNOD/SCIDマウスのすべてがH‐2Kd対立遺伝子を有するため、H‐2Kd対立遺伝子は、抗原特異性TCRマウスの最も多様な利用を可能にする。H‐2KdハプロタイプのC57BL/6マウスについては、複数の共通遺伝子系統が存在する。最も顕著なものが、B10.D2マウスおよびB6.D2マウスである。このことは、GFPを発現するものを含むC57BL/6マウスのいずれもが、B10.D2またはB6.D2マウスと交配可能であり、すべてのF1後代がH‐2Kd対立遺伝子を有することを意味する。H‐2Kd上に提示されるGFPの免疫優性エピトープが既知であり(GFP200‐208)、このことは、GFP特異性T細胞のテトラマー/ペンタマー染色による測定検出を可能にする(図1)。

0090

GFP接種の2週後、GFP200‐208‐H‐2Kdペンタマー+CD8+T細胞を、脾臓から99%を超える純度へFACS分類した。GFP特異性T細胞の核を除核卵母細胞へ移すことによって、SCNTを実行した。SCNTから生じたESCを拡大し、細胞が、再編成されたTCRを担持することを確認した。GFP‐TCR ESCを胚細胞へ注入し、その胚を疑似妊娠雌へ移した。15匹の樹立仔が生まれた。それらすべては、毛色に基づくキメラ現象の明白な証拠を示した。以降の分析によって、各マウスで、T細胞の少なくとも30%が、GFP200‐208‐H‐2Kdペンタマーに対して特異的であることが分かった(図1)。また、PCR分析によって、再編成TCRが、Vα1‐J30およびVβ4‐D1‐J1.6‐C1であることが明らかになった(図2〜4は、αおよびβ鎖のcDNAおよびアミノ酸配列を提供する)。

0091

脾臓でGFPを発現するマウスへのαGFP T細胞の移入は、GFP+脾細胞の死滅を誘発する。
T細胞のGFP特異性死滅能力は、αGFPマウスから特徴づけられた。CD8+T細胞を、αGFPマウスまたは対照マウス(B10D2)から単離し、eFluor670色素で標識し、正常なB10D2マウス、または少数の脾細胞でGFPを発現するマウスへ移入した。マウスにGFPを接種し、その5日後に脾臓を採集し、GFP+細胞の頻度を、蛍光顕微鏡法およびFACSによって記録した(図6A)。αGFP T細胞を受けたマウスでは、GFP+細胞は、実質的に検知不可能であった。このことは、αGFP T細胞が、GFP発現脾細胞を死滅させたことを示す。重要なことに、GFP発現マウスへ移入されたαGFP T細胞では、eFluor670色素が完全に希釈された(図6B)が、αGFP T細胞が移入された野生型マウスでは、色素希釈は全くなかった。GFP発現マウスへ移入された野生型CD8+T細胞でも色素希釈は全くなかった。したがって、データは、αGFP T細胞がGFPの存在に応じて増殖し、GFP発現細胞を殺すことを例証している。

0092

MIP‐GFPマウスへのαGFP T細胞の移入は、GFP発現β細胞およびT1Dの死滅を誘発する。
次に、αGFP T細胞が、インシュリン生成β細胞に特異的にGFPを発現するマウス(MIP‐GFPマウス)で、β細胞死滅および糖尿病を誘発させるために使用できるかどうかを判定した。CD8+T細胞を、αGFPマウスまたはB10D2対照から採集し、3x106αGFP T細胞を、MIP‐GFPマウスへ移入した。その次の日に、マウスをGFPに対して免疫化した。際立って、6日以内に、GFP特異性T細胞を注入した4匹のマウスはすべて、250mg/dlを超えるグルコース・レベルを有した。このことは、インシュリン・レベルの降下を示す(図7A)。代わって、対照T細胞を受けたMIP‐GFPマウスのすべては、すべての判定で、正常血糖であった。

0093

6日目に、すべてのマウスを殺生し、GFP陽性細胞を計数することによって、β細胞質量を査定した。GFP特異性T細胞を受けGFPで接種を受けたマウスにおいては、GFP陽性細胞は全く発見されなかった。これに対して、対照T細胞を受けたマウスでは、T細胞潜入は全く見られず、GFP発現島の頻度は、無処置のMIP‐GFPマウスに類似していた(図7B)。これらの結果は、明らかに、αGFP T細胞が、MIP‐GFPマウスへ移入可能であり、GFP発現β細胞を殺し、糖尿病を誘発することを例証している。これは、T1Dの新しい誘導可能な抗原特異性モデルを表す。注釈として、これは、標的島状抗原が視覚化可能な、C57BL/6に基づくT1Dの唯一のモデルで且つ糖尿病の唯一のモデルである。

0094

実施例1〜3に対する考察
一般的に用いられるレポーター遺伝子、緑色蛍光タンパク質(GFP)を認識する最初の抗原特異性TCRマウスが発明された。線虫内のレポーターとしての最初の適用(参照により全文が本文に援用されるChalfie et al., 「Green Fluorescent Protein as a Marker for Gene Expression,」 Science263:802‐805(1994))以来、GFPは、何千もの異なる応用および動物モデルへ用いられるようになり、免疫学者、腫瘍生物学者およびウイルス学者には非常に貴重な技術になっている(参照により全文が本文に援用されるChudakov et al., 「Fluorescent Proteins and their Applications In Imaging Living Cells and Tissues,」 Physiol. Rev.90:1103‐1163(2010))。しかし、GFPは、モデル免疫抗原としては使用されていなかった。以前には想定不可能であったがαGFPマウスで可能になる多くのタイプの研究がある。以下のものは、特に注目に値する。(1)蛍光撮像技術(流動細胞計測法、顕微鏡観察法など)を用いて、抗原を視覚化する能力、および抗原を含む細胞の除去。(2)GFP発現ウイルスおよびGFPマウスを含む既存のGFP試薬の利用性。(3)自己免疫応答をモデル化するための、実質的にどの細胞種においても抗原特異性免疫応答を誘発させる効力。(4)異なるGFP発現病原体および病原体変異体に対する免疫応答を研究できる可能性。および(5)抗原特異性T細胞応答の生細胞撮像研究のために、抗原を視覚化する、また、抗原を提示する細胞をマークする効力。

0095

例えば、免疫学には、T細胞が、抗原を提示している特定の標的細胞とどのように相互作用するのかという主要な疑問がある。異なる細胞種でGFPを発現する何百ものマウス・モデルが存在する(ジャソン実験室(バーハーバー、ME)は、400種類を超えるGFP発現株を販売している)ので、マウスからαGFP T細胞を採集し、GFP発現マウスの一つにそれらを移入し、T細胞に何が起こるのか(例えば、それらは活性化されるのか?除去されるのか、あるいは不活化されるのか?)、および細胞に何が起こるのか(それらは死滅するのか?)を判定できる。標的細胞がGFPを発現するという事実は、それらの査定を特に容易にする。多くの異なるマウスへαGFP細胞を移入できる利点により、免疫学者は、耐性および免疫性を促進する細胞を発見することが可能となり、免疫性または耐性を誘発するための、これらの細胞を標的とするワクチンの開発も可能となる。

0096

免疫応答を研究することに加えて、αGFPマウスは、機能欠失研究のための細胞特異性削除の手段として使用できることも提案される。つまり、αGFP T細胞は、機能が未知あるいは完全に分かっていない特定の細胞種内でGFPを発現するマウスへ移入できる。このことは、GFP発現細胞を殺すことになるので、特定の細胞の死滅による結果を理解するための、マウス表現型の査定が可能である。

実施例

0097

(添付の請求項、要約および図面を含む)本文で説明した特徴のすべて、および/または開示のいずれの方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが互いに相容れない組み合わせを除き、上記態様とどのように組み合わせてもよい。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ