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図面 (11)

課題

解決手段

少なくとも4種の自己凝集する融合タンパク質を含むナノ粒子であって、各融合タンパク質が、感染性病原体由来タンパク質免疫原性部分に接続された自己凝集する単量体サブユニットタンパク質を含むものであり、それぞれの種類の自己凝集する融合タンパク質中の免疫原性部分が、他の種類の自己凝集する融合タンパク質中の免疫原性部分とは、少なくとも1つのアミノ酸残基で異なっており、ナノ粒子中のすべての免疫原性部分が、同じ分類学上の科の感染性病原体由来の対応するタンパク質に由来するものであり、ナノ粒子が、その表面上に該少なくとも4種の自己凝集する融合タンパク質の免疫原性部分を呈示するものである、ナノ粒子。

概要

背景

インフルエンザウイルスに対するワクチン接種によって誘導される防御免疫応答は、主
に、宿主細胞受容体ウイルスとの相互作用の原因となるウイルス表面上の糖タンパク質
である、ウイルスの赤血球凝集素HAタンパク質を対象とする。ウイルス表面上のH
Aタンパク質は、酵素により切断されてアミノ末端HA1およびカルボキシ末端HA2ポ
ペプチドを生じる赤血球凝集素タンパク質単量体三量体である。球状頭部は、排他
に、HA1ポリペプチドの主要部分からなる一方、赤血球凝集素タンパク質をウイルスの
脂質エンベロープ中に繋留するステム部は、HA2と、HA1の一部とで構成される。赤
血球凝集素タンパク質の球状頭部は、以下の2個のドメインを含む:シアル酸結合部位
含むほぼ148アミノ酸残基ドメインである受容体結合ドメインRBD)と、RBD直
下のより小型のほぼ75アミノ酸残基領域である痕跡的なエステラーゼドメイン。2,6
−シアル酸認識部位に隣接するRBDの上部は、A/サウスカロライナ/1/1918(
1918 SC)およびA/カリフォルニア/04/2009(2009 CA)パン
ミック系統の間で95%保存された、三量体当たり6000Å2を超える大型の領域(ア
ミノ酸131〜143、170〜182、205〜215および257〜262、191
ナンバリング)(本明細書において、RBD−A領域と称される)を含む。球状頭部は
免疫優性エピトープを含む数個抗原性部位を含む。例として、Sa、Sb、Ca1、
Ca2およびCb抗原性部位が挙げられる(例えば、非特許文献1を参照)。RBD−A
領域は、Sa抗原性部位と、Sb抗原性部位の一部とを含む。

インフルエンザに対する抗体は、保存されたシアル酸結合部位を囲むHAの球状頭部に
おける可変抗原性部位を標的とすることが多いため、抗原性的に近縁のウイルスのみを中
和する。HA頭部の可変性は、インフルエンザウイルスの一定の抗原性ドリフトによるも
のであり、インフルエンザの季節性風土性の原因となる。対照的に、ウイルスゲノムの遺
子セグメントは、宿主種における再集合抗原シフト)を起こし、パンデミックとなり
得る変更された抗原性を有する新たなウイルスを生じ得る[非特許文献2]。現在まで毎
年、インフルエンザワクチンは、次回の循環ウイルスのために予測されるHAおよびノイ
ラミニダーゼ(NA)を反映するように更新されている。

インフルエンザのための現在のワクチン戦略は、化学的不活性化されたインフルエン
ザウイルスまたは弱毒生インフルエンザウイルスのいずれかを使用する。どちらのワク
ンも、一般に、発育鶏卵において産生され、このことは、時間のかかるプロセスおよび限
定された産生能力による主要な製造上の限定を提示する。現在のワクチンの別のより重大
な意味を持つ限定は、その高度に系統特異的な有効性である。これらの課題は、2009
年のH1N1パンデミックの出現の際に顕著に明らかになり、これにより、これらの限定
を克服することができる新たなワクチンプラットフォームの必要性を検証することになっ
た。ウイルス様粒子(Virus−like particule)は、斯かる代替アプ
ローチの1つを表し、現在、臨床治験において評価されている[非特許文献3;非特許文
献4]。発育鶏卵の代わりに、HA、NAおよびマトリックスタンパク質1(M1)を備
えるVLPは、哺乳類または昆虫細胞発現系において大量産生され得る[非特許文献5]
。このアプローチの利点は、その粒子状多価性質と、感染性ビリオン忠実模倣する適
切にフォールドされたHAタンパク質の真正呈示である。対照的に、その集合の性質に
より、被包されたVLPは、小型のただし限られた宿主細胞構成成分を含有し、このプラ
トフォームの反復使用後の潜在的な安全性、免疫原性課題を提示し得る[非特許文献6
]。さらに、VLPによって誘導される免疫は、現在のワクチンによって誘導される免疫
と基本的に同じであるため、ワクチンに誘導される防御免疫効力および幅の両方を改善
する可能性が低い。VLPに加えて、組換えHAタンパク質もヒトにおいて評価されてき
た[非特許文献7;非特許文献8]が、防御中和抗体力価を誘導する能力は限定されてい
る。これらの治験において使用された組換えHAタンパク質は、昆虫細胞において産生さ
れており、ネイティブな三量体を優先的に形成しない可能性がある[非特許文献9]。

近年、インフルエンザウイルスに対する広範な中和抗体の全く新たなクラスが単離され
た。抗体の1クラスは、高度に保存されたHAステム部を認識し[非特許文献10;非特
許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特
許文献16]、抗体の別のクラスは、可変HA頭部におけるRBDのシアル酸結合部位を
正確に認識する[非特許文献17;非特許文献18]。系統特異的抗体とは異なり、これ
らの抗体は、複数の抗原性的に別個のウイルスを中和することができ、したがって、斯か
る抗体の誘導は、次世代ユニバーサルワクチンの焦点であった[非特許文献19]。しか
し、ワクチン接種によって、このような異種中和プロファイルを有するこのような抗体を
頑強に誘発することは、困難であった[非特許文献20;非特許文献21;非特許文献2
2]。

従来のインフルエンザワクチンに対するいくつかの代替にもかかわらず、過去数十年
バイオテクノロジーにおける進歩が、生物学的材料遺伝子操作新規ワクチンプラッ
トフォームの生成に活用されることを可能にした。ほぼ全ての生命体に存在する鉄貯蔵
ンパク質であるフェリチンは、多数の潜在的な生化学的/生物医学的目的のために大規模
に研究および遺伝子操作された一例であり[特許文献1;非特許文献23;特許文献2;
非特許文献24]、外因性エピトープペプチドを呈示するための潜在的ワクチンプラット
フォームを含む[特許文献3;非特許文献25]。その自己集合、ならびに一価形態より
も強いB細胞応答を誘導し、T細胞非依存性抗体応答を誘導する抗原多価提示のため、ワ
クチンプラットフォームとしてのその使用は、特に興味深い[非特許文献26;非特許文
献27]。さらに、432対称性を有する八面体ケージへと集合する24個のサブユニッ
トからなるフェリチンの分子構造は、その表面に多量体抗原を呈示する潜在力を有する。

概要

インフルエンザウイルス等、広範囲感染性病原体に対する免疫応答を誘発するナノ粒子に基づくワクチンの提供。少なくとも4種の自己凝集する融合タンパク質を含むナノ粒子であって、各融合タンパク質が、感染性病原体由来のタンパク質の免疫原性部分に接続された自己凝集する単量体サブユニットタンパク質を含むものであり、それぞれの種類の自己凝集する融合タンパク質中の免疫原性部分が、他の種類の自己凝集する融合タンパク質中の免疫原性部分とは、少なくとも1つのアミノ酸残基で異なっており、ナノ粒子中のすべての免疫原性部分が、同じ分類学上の科の感染性病原体由来の対応するタンパク質に由来するものであり、ナノ粒子が、その表面上に該少なくとも4種の自己凝集する融合タンパク質の免疫原性部分を呈示するものである、ナノ粒子。なし

目的

イワホリ、ケイ(Iwahori, K.)米国特許第2009/0233377号(2009)
イトウ、エムら(Naitou, M. et al.)、米国特許出願公開第2011/0038025号(2011)
カーター、ディー・シーら(Carter, D.C. et al.)、米国特許出願公開第2006/0251679号(2006)




ケイトンエー・ジェイら(Caton AJ et al.)、1982, Cell 31, 417−427
サロモン、アールら(Salomon, R. et al.)、Cell 136, 402−410 (2009)
ロルダオ、エーら(Roldao, A. et al.)、Expert Rev Vaccines 9, 1149−1176 (2010)
シェリダン、シー(Sheridan, C.)Nat Biotechnol 27, 489−491 (2009)
ハイネス、ジェイ・アール(Haynes, J.R.)Expert Rev Vaccines 8, 435−445 (2009)
ウー、シー・ワイら(Wu, C.Y. et al.)、PLoS One 5, e9784 (2010)
トリーナー、ジェイ・ジェイら(Treanor, J.J. et al.)、Vaccine 19, 1732−1737 (2001)
トリーナー、ジェイ・ジェイ(Treanor, J.J.)JAMA 297, 1577−1582 (2007)
スティーブンズ、ジェイ(Stevens, J.)Science 303, 1866−1870 (2004)
コルチ、ディーら(Corti, D. et al.)、J Clin Invest 120, 1663−1673 (2010)
キアート、ディー・シーら(Ekiert, D.C. et al.)、Science 324, 246−251 (2009)
カシャップ、エー・ケイら(Kashyap, A.K. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 105, 5986−5991 (2008)
オクノ、ワイら(Okuno, Y. et al.)、J Virol 67, 2552−2558 (1993)
スイ、ジェイら(Sui, J. et al.)、Nat Struct Mol Biol 16, 265−273 (2009)
エキアート、ディー・シーら(Ekiert, D.C. et al.)、Science 333, 843−850 (2011)
コルチ、ディーら(Corti, D.)、Science 333, 850−856 (2011)
ホイトル、ジェイ・アールら(Whittle, J.R. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 108, 14216−14221 (2011)
クラウス、ジェイ・シーら(Krause, J.C. et al.)、J Virol 85, 10905−10908 (2011)
ナベル、ジー・ジェイら(Nabel, G.J. et al.)、Nat Med 16, 1389−1391 (2010)
スティール、ジェイら(Steel, J. et al.)、MBio 1, e0018 (2010)
ワン、ティー・ティーら(Wang, T.T. et al.)、PLoS Pathog 6, e1000796 (2010)
ウェイ、シー・ジェイら(Wei, C.J. et al.)、Science 329, 1060−1064 (2010)
メルドラムエフ・シーら(Meldrum, F.C. et al.)、Science 257, 522−523 (1992)
マシタ、アイ(Yamashita, I.)Biochim Biophys Acta 1800, 846−857 (2010)
リー、シー・キューら(Li, C.Q. et al.)、Industrial Biotechnol 2, 143−147 (2006)
バッハマン、エム・エフら(Bachmann, M.F. et al.)、Annu Rev Immunol 15, 235−270 (1997)
ディンティス、エイチ・エムら(Dintzis, H.M. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 73, 3671−3675 (1976)






依然として、インフルエンザウイルスに対する頑強な防御を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

融合タンパク質を備えるナノ粒子であって、前記ナノ粒子の表面が、少なくとも2つの感染性病原体由来の対応するタンパク質免疫原性部分呈示し、前記少なくとも2つの感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応する分類群に由来するナノ粒子。

請求項2

各融合タンパク質が、感染性病原体由来のタンパク質の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少なくとも一部分を備える、請求項1に記載のナノ粒子。

請求項3

第1の融合タンパク質および第2の融合タンパク質を備えるナノ粒子であって、各融合タンパク質が、感染性病原体由来のタンパク質の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少なくとも一部分を備え、前記第1の融合タンパク質の前記免疫原性部分が、第1の感染性病原体由来のタンパク質に由来し、前記第2の融合タンパク質の前記免疫原性部分が、第2の感染性病原体由来のタンパク質に由来し、前記第1および第2の感染性病原体由来の前記タンパク質が、対応するタンパク質であり、前記第1および第2の感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応する分類群に由来するナノ粒子。

請求項4

前記対応する分類群が、属、型、亜型または種である、請求項1、2または3に記載のナノ粒子。

請求項5

前記単量体サブユニットが、単量体フェリチンサブユニットタンパク質、単量体エンカプスリンタンパク質、単量体03−33タンパク質、単量体SORタンパク質、単量体LSタンパク質、単量体PDCタンパク質、およびチクングニアウイルス構造ポリタンパク質からなる群から選択される、請求項2または3に記載のナノ粒子。

請求項6

前記感染性病原体が、ウイルスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子。

請求項7

前記感染性病原体が、インフルエンザウイルスである、請求項6に記載のナノ粒子。

請求項8

前記対応するタンパク質が、インフルエンザ赤血球凝集素HA)タンパク質である、請求項7に記載のナノ粒子。

請求項9

前記ナノ粒子が、前記少なくとも2つの感染性病原体の前記分類学上の科由来の少なくとも第3の感染性病原体に対する広範な中和抗体の産生を誘発し、前記第3の感染性病原体が、前記免疫原性部分が得られた前記少なくとも2つの感染性病原体の分類群とは異なる分類群に由来する、請求項1に記載のナノ粒子。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載のナノ粒子を産生するための方法であって、前記融合タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸分子細胞に導入する工程と、前記コードされたタンパク質の発現およびナノ粒子の形成に適した条件下で、前記細胞をインキュベートする工程とを備える方法。

請求項11

同じ分類学上の科由来の感染性病原体に対し個体をワクチン接種するための医薬の調製における、請求項1〜9のいずれか1項に記載のナノ粒子または請求項10に記載の方法に従って産生されたナノ粒子の使用。

請求項12

列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号133、配列番号136、配列番号139、配列番号142、配列番号145、配列番号148、配列番号151、配列番号154、配列番号157、配列番号160、配列番号163、配列番号166、配列番号169、配列番号172、配列番号175、配列番号178、配列番号181、配列番号184、配列番号187および配列番号190からなる群から選択される配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を備える融合タンパク質。

請求項13

請求項12に記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分子。

技術分野

0001

本発明は、新規な多価ナノ粒子に基づくワクチンに関する。

背景技術

0002

インフルエンザウイルスに対するワクチン接種によって誘導される防御免疫応答は、主
に、宿主細胞受容体ウイルスとの相互作用の原因となるウイルス表面上の糖タンパク質
である、ウイルスの赤血球凝集素HAタンパク質を対象とする。ウイルス表面上のH
Aタンパク質は、酵素により切断されてアミノ末端HA1およびカルボキシ末端HA2ポ
ペプチドを生じる赤血球凝集素タンパク質単量体三量体である。球状頭部は、排他
に、HA1ポリペプチドの主要部分からなる一方、赤血球凝集素タンパク質をウイルスの
脂質エンベロープ中に繋留するステム部は、HA2と、HA1の一部とで構成される。赤
血球凝集素タンパク質の球状頭部は、以下の2個のドメインを含む:シアル酸結合部位
含むほぼ148アミノ酸残基ドメインである受容体結合ドメインRBD)と、RBD直
下のより小型のほぼ75アミノ酸残基領域である痕跡的なエステラーゼドメイン。2,6
−シアル酸認識部位に隣接するRBDの上部は、A/サウスカロライナ/1/1918(
1918 SC)およびA/カリフォルニア/04/2009(2009 CA)パン
ミック系統の間で95%保存された、三量体当たり6000Å2を超える大型の領域(ア
ミノ酸131〜143、170〜182、205〜215および257〜262、191
ナンバリング)(本明細書において、RBD−A領域と称される)を含む。球状頭部は
免疫優性エピトープを含む数個抗原性部位を含む。例として、Sa、Sb、Ca1、
Ca2およびCb抗原性部位が挙げられる(例えば、非特許文献1を参照)。RBD−A
領域は、Sa抗原性部位と、Sb抗原性部位の一部とを含む。

0003

インフルエンザに対する抗体は、保存されたシアル酸結合部位を囲むHAの球状頭部に
おける可変抗原性部位を標的とすることが多いため、抗原性的に近縁のウイルスのみを中
和する。HA頭部の可変性は、インフルエンザウイルスの一定の抗原性ドリフトによるも
のであり、インフルエンザの季節性風土性の原因となる。対照的に、ウイルスゲノムの遺
子セグメントは、宿主種における再集合抗原シフト)を起こし、パンデミックとなり
得る変更された抗原性を有する新たなウイルスを生じ得る[非特許文献2]。現在まで毎
年、インフルエンザワクチンは、次回の循環ウイルスのために予測されるHAおよびノイ
ラミニダーゼ(NA)を反映するように更新されている。

0004

インフルエンザのための現在のワクチン戦略は、化学的不活性化されたインフルエン
ザウイルスまたは弱毒生インフルエンザウイルスのいずれかを使用する。どちらのワク
ンも、一般に、発育鶏卵において産生され、このことは、時間のかかるプロセスおよび限
定された産生能力による主要な製造上の限定を提示する。現在のワクチンの別のより重大
な意味を持つ限定は、その高度に系統特異的な有効性である。これらの課題は、2009
年のH1N1パンデミックの出現の際に顕著に明らかになり、これにより、これらの限定
を克服することができる新たなワクチンプラットフォームの必要性を検証することになっ
た。ウイルス様粒子(Virus−like particule)は、斯かる代替アプ
ローチの1つを表し、現在、臨床治験において評価されている[非特許文献3;非特許文
献4]。発育鶏卵の代わりに、HA、NAおよびマトリックスタンパク質1(M1)を備
えるVLPは、哺乳類または昆虫細胞発現系において大量産生され得る[非特許文献5]
。このアプローチの利点は、その粒子状多価性質と、感染性ビリオン忠実模倣する適
切にフォールドされたHAタンパク質の真正呈示である。対照的に、その集合の性質に
より、被包されたVLPは、小型のただし限られた宿主細胞構成成分を含有し、このプラ
トフォームの反復使用後の潜在的な安全性、免疫原性課題を提示し得る[非特許文献6
]。さらに、VLPによって誘導される免疫は、現在のワクチンによって誘導される免疫
と基本的に同じであるため、ワクチンに誘導される防御免疫効力および幅の両方を改善
する可能性が低い。VLPに加えて、組換えHAタンパク質もヒトにおいて評価されてき
た[非特許文献7;非特許文献8]が、防御中和抗体力価を誘導する能力は限定されてい
る。これらの治験において使用された組換えHAタンパク質は、昆虫細胞において産生さ
れており、ネイティブな三量体を優先的に形成しない可能性がある[非特許文献9]。

0005

近年、インフルエンザウイルスに対する広範な中和抗体の全く新たなクラスが単離され
た。抗体の1クラスは、高度に保存されたHAステム部を認識し[非特許文献10;非特
許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特
許文献16]、抗体の別のクラスは、可変HA頭部におけるRBDのシアル酸結合部位を
正確に認識する[非特許文献17;非特許文献18]。系統特異的抗体とは異なり、これ
らの抗体は、複数の抗原性的に別個のウイルスを中和することができ、したがって、斯か
る抗体の誘導は、次世代ユニバーサルワクチンの焦点であった[非特許文献19]。しか
し、ワクチン接種によって、このような異種中和プロファイルを有するこのような抗体を
頑強に誘発することは、困難であった[非特許文献20;非特許文献21;非特許文献2
2]。

0006

従来のインフルエンザワクチンに対するいくつかの代替にもかかわらず、過去数十年
バイオテクノロジーにおける進歩が、生物学的材料遺伝子操作が新規ワクチンプラッ
トフォームの生成に活用されることを可能にした。ほぼ全ての生命体に存在する鉄貯蔵
ンパク質であるフェリチンは、多数の潜在的な生化学的/生物医学的目的のために大規模
に研究および遺伝子操作された一例であり[特許文献1;非特許文献23;特許文献2;
非特許文献24]、外因性エピトープペプチドを呈示するための潜在的ワクチンプラット
フォームを含む[特許文献3;非特許文献25]。その自己集合、ならびに一価形態より
も強いB細胞応答を誘導し、T細胞非依存性抗体応答を誘導する抗原多価提示のため、ワ
クチンプラットフォームとしてのその使用は、特に興味深い[非特許文献26;非特許文
献27]。さらに、432対称性を有する八面体ケージへと集合する24個のサブユニッ
トからなるフェリチンの分子構造は、その表面に多量体抗原を呈示する潜在力を有する。

0007

イワホリ、ケイ(Iwahori, K.)米国特許第2009/0233377号(2009)
イトウ、エムら(Naitou, M. et al.)、米国特許出願公開第2011/0038025号(2011)
カーター、ディー・シーら(Carter, D.C. et al.)、米国特許出願公開第2006/0251679号(2006)

先行技術

0008

ケイトンエー・ジェイら(Caton AJ et al.)、1982, Cell 31, 417−427
サロモン、アールら(Salomon, R. et al.)、Cell 136, 402−410 (2009)
ロルダオ、エーら(Roldao, A. et al.)、Expert Rev Vaccines 9, 1149−1176 (2010)
シェリダン、シー(Sheridan, C.)Nat Biotechnol 27, 489−491 (2009)
ハイネス、ジェイ・アール(Haynes, J.R.)Expert Rev Vaccines 8, 435−445 (2009)
ウー、シー・ワイら(Wu, C.Y. et al.)、PLoS One 5, e9784 (2010)
トリーナー、ジェイ・ジェイら(Treanor, J.J. et al.)、Vaccine 19, 1732−1737 (2001)
トリーナー、ジェイ・ジェイ(Treanor, J.J.)JAMA 297, 1577−1582 (2007)
スティーブンズ、ジェイ(Stevens, J.)Science 303, 1866−1870 (2004)
コルチ、ディーら(Corti, D. et al.)、J Clin Invest 120, 1663−1673 (2010)
キアート、ディー・シーら(Ekiert, D.C. et al.)、Science 324, 246−251 (2009)
カシャップ、エー・ケイら(Kashyap, A.K. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 105, 5986−5991 (2008)
オクノ、ワイら(Okuno, Y. et al.)、J Virol 67, 2552−2558 (1993)
スイ、ジェイら(Sui, J. et al.)、Nat Struct Mol Biol 16, 265−273 (2009)
エキアート、ディー・シーら(Ekiert, D.C. et al.)、Science 333, 843−850 (2011)
コルチ、ディーら(Corti, D.)、Science 333, 850−856 (2011)
ホイトル、ジェイ・アールら(Whittle, J.R. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 108, 14216−14221 (2011)
クラウス、ジェイ・シーら(Krause, J.C. et al.)、J Virol 85, 10905−10908 (2011)
ナベル、ジー・ジェイら(Nabel, G.J. et al.)、Nat Med 16, 1389−1391 (2010)
スティール、ジェイら(Steel, J. et al.)、MBio 1, e0018 (2010)
ワン、ティー・ティーら(Wang, T.T. et al.)、PLoS Pathog 6, e1000796 (2010)
ウェイ、シー・ジェイら(Wei, C.J. et al.)、Science 329, 1060−1064 (2010)
メルドラムエフ・シーら(Meldrum, F.C. et al.)、Science 257, 522−523 (1992)
マシタ、アイ(Yamashita, I.)Biochim Biophys Acta 1800, 846−857 (2010)
リー、シー・キューら(Li, C.Q. et al.)、Industrial Biotechnol 2, 143−147 (2006)
バッハマン、エム・エフら(Bachmann, M.F. et al.)、Annu Rev Immunol 15, 235−270 (1997)
ディンティス、エイチ・エムら(Dintzis, H.M. et al.)、Proc Natl Acad Sci USA 73, 3671−3675 (1976)

発明が解決しようとする課題

0009

依然として、インフルエンザウイルスに対する頑強な防御を提供する有効なインフルエ
ンザワクチンの必要がある。特に、依然として、広範に中和免疫応答を誘発し、これによ
り、将来の進化する季節性およびパンデミックインフルエンザウイルス系統を含むインフ
ルエンザウイルスの異種系統から個体を防御するインフルエンザワクチンの必要がある。
本発明は、容易に製造される、強力な、広範に中和インフルエンザ抗体を誘発する、新規
の多価ナノ粒子に基づくインフルエンザワクチンを提供することにより、このような必要
を満たす。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、容易に製造される、強力な、インフルエンザウイルス、HIVおよびヒトパ
ピローマウイルス等、感染性病原体に対する中和抗体を広範に誘発する、新規のナノ粒子
に基づくワクチンを提供する。特に、本発明は、その表面が感染性病原体由来タンパク
質の免疫原性部分の不均一集団を呈示する、新規ナノ粒子(np)を提供する。斯かるナ
粒子は、融合タンパク質を備え、この融合タンパク質のそれぞれは、感染性病原体由来
のタンパク質の1個または複数の免疫原性部分に接続されたフェリチンの単量体サブユニ
ットを備える。斯かるナノ粒子は、個体に投与されると、広範囲の感染性病原体由来のタ
ンパク質に対する免疫応答を誘発する。

0011

一実施形態において、本発明は、融合タンパク質を備えるナノ粒子であって、ナノ粒子
の表面が、少なくとも2つの感染性病原体由来の対応するタンパク質の免疫原性部分を呈
示し、少なくとも2つの感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応する分類群
由来するナノ粒子である。本発明のある特定の態様において、融合タンパク質は、感染性
病原体由来のタンパク質の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された自己集合する単量
サブユニットの少なくとも一部分を備える。

0012

一実施形態において、本発明は、少なくとも第1の融合タンパク質および第2の融合タ
ンパク質を備えるナノ粒子であって、各融合タンパク質が、感染性病原体由来のタンパク
質の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少な
くとも一部分を備え、第1の融合タンパク質の免疫原性部分が、第1の感染性病原体由来
のタンパク質に由来し、第2の融合タンパク質の免疫原性部分が、第2の感染性病原体由
来のタンパク質に由来し、第1および第2の感染性病原体由来のタンパク質が、対応する
タンパク質であり、第1および第2の感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応
する分類群に由来するナノ粒子である。

0013

上述の実施形態において、対応する分類群は、属、型、亜型、種または系統であってよ
い。ある特定の態様において、単量体サブユニットは、単量体フェリチンサブユニットタ
ンパク質、単量体エンカプスリン(encapsulin)タンパク質、単量体03−3
3タンパク質、単量体SORタンパク質、単量体LSタンパク質、単量体PDCタンパク
質またはチクングニアウイルス構造ポリタンパク質であってよい。ある特定の態様におい
て、感染性病原体は、ウイルスである。ある特定の態様において、感染性病原体は、例え
ば、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、フラビウイルス(例え
ば、肝炎ウイルスデングウイルス等)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ライノウ
イルス、コロナウイルスエンテロウイルスポリオーマウイルス呼吸器多核体(re
spiratory synctial)ウイルス(RSV)、ヒトメタニューモウイル
ス、エボラウイルスマールブルグウイルスアルファウイルス(例えば、チクングニア
ウイルス、ロスリバーウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、マヤロ(
Mayaro)ウイルス等)、ブタ流行性下痢、ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルスおよび
口蹄疫ウイルスであってよい。

0014

一実施形態において、上述の実施形態のナノ粒子は、感染性病原体由来のタンパク質の
少なくとも1個の免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少なくと
も一部分を備える融合タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸分子を細胞に導入し
、コードされたタンパク質の発現に適した条件下で細胞をインキュベートしてナノ粒子を
形成させることにより、産生され得る。ある特定の実施形態において、斯かる方法は、ナ
ノ粒子のさらなる精製および/または単離を備えることができる。

0015

本発明の一実施形態において、上に記す実施形態のナノ粒子は、感染性病原体から個体
を防御するための医薬の調製に使用される。斯かる実施形態において、ナノ粒子は、それ
に対して個体が防御されている感染性病原体と同じ分類学上の科における感染性病原体に
由来するタンパク質の免疫原性部分を備える。ある特定の実施形態において、医薬は、個
体のワクチン接種に使用される。

0016

本発明の一実施形態は、感染性病原体に対する防御免疫応答を誘発する方法であって、
本発明の実施形態のナノ粒子または本発明の実施形態のナノ粒子を備える組成物もしくは
医薬を個体に投与する工程を備え、ナノ粒子が、それに対して防御免疫応答が誘発されて
いる感染性病原体と同じ分類学上の科における感染性病原体に由来するタンパク質の免疫
原性部分を備える方法である。

0017

本発明の一実施形態は、感染性病原体に対する中和抗体を誘発する方法であって、本発
明の実施形態のナノ粒子または本発明の実施形態のナノ粒子を備える組成物もしくは医薬
を個体に投与する工程を備え、ナノ粒子が、それに対する中和抗体が望まれる感染性病原
体と同じ分類学上の科における感染性病原体に由来するタンパク質の免疫原性部分を備え
る方法である。

0018

一実施形態において、本発明は、自己集合する融合タンパク質を備えるナノ粒子であり
、本実施形態において、ナノ粒子は、その表面に、インフルエンザウイルスの1つまたは
複数の型、群、亜型および/または系統由来のHAタンパク質由来の免疫原性部分の不均
一集団を呈示する。

0019

別の実施形態において、本発明は、融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であ
り、本実施形態において、不均一集団が、融合タンパク質の少なくとも2つの異なる種を
備えるように、また、融合タンパク質の2つの種の間の差が、少なくとも部分的には、イ
ンフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免疫原性部分における配列差によるものであ
るように、各融合タンパク質は、インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質由来の
少なくとも1個の免疫原性部分に接続された、ナノ粒子へと自己集合することができる単
量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部分を備える。

0020

さらに別の実施形態において、本発明は、融合タンパク質の少なくとも2つの種を備え
るナノ粒子であり、本実施形態において、融合タンパク質の種が、少なくとも部分的には
、インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質由来の免疫原性部分の配列の差により
互いに異なるように、各融合タンパク質は、インフルエンザウイルスHAタンパク質由来
の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された、ナノ粒子へと自己集合することができる
単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部分を備える。

0021

また別の実施形態において、本発明は、少なくとも融合タンパク質の第1の種および融
合タンパク質の第2の種を備えるナノ粒子であり、本実施形態において、融合タンパク質
の種が、少なくとも部分的には、インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質由来の
免疫原性部分の配列の差により互いに異なるように、融合タンパク質は、インフルエンザ
ウイルス赤血球凝集素タンパク質由来の少なくとも1個の免疫原性部分に接続された、ナ
ノ粒子へと自己集合することができる単量体サブユニットタンパク質の少なくとも一部分
を備える。

0022

上述の実施形態において、融合タンパク質の異なる種は、オルトミクソウイルス科内の
異なる分類群におけるインフルエンザウイルスのHAタンパク質由来の免疫原性部分を含
有する。

0023

上述の実施形態において、フェリチンに基づくナノ粒子は、24個のサブユニットから
なっていてもよい八面体を形成することができる。さらに、インフルエンザHAタンパク
質の免疫原性部分は、約50Å〜約100Åの範囲内のスペーシング範囲でナノ粒子の表
面に呈示され得る。その上、単量体サブユニットタンパク質は、単量体フェリチンサブユ
ニットタンパク質、単量体エンカプスリンタンパク質、単量体03−33タンパク質、単
量体SORタンパク質、単量体LSタンパク質、単量体PDCタンパク質およびチクング
ニアウイルスエンベロープタンパク質から選択され得る。単量体フェリチンサブユニット
タンパク質は、細菌フェリチン、植物フェリチン、藻類フェリチン、昆虫フェリチン、真
菌フェリチンおよび哺乳類フェリチンから選択され得、好まれる実施形態において、ヘリ
コバクターピロリ(Helicobacter pylori)フェリチンタンパク質
の単量体サブユニット、大腸菌(Escherichia coli)フェリチンタンパ
ク質の単量体サブユニットおよびウシガエルフェリチンタンパク質の単量体サブユニット
から選択される。また別の好まれる実施形態において、単量体フェリチンサブユニットタ
ンパク質は、ヘリコバクター・ピロリフェリチンタンパク質および大腸菌フェリチンタン
パク質から選択されるフェリチンタンパク質の少なくとも一部分に接続されたウシガエル
フェリチンタンパク質の少なくとも一部分を備えるハイブリッドタンパク質であってよい

0024

本発明の実施形態の一態様において、単量体サブユニットタンパク質は、単量体フェリ
チンサブユニットタンパク質、単量体エンカプスリンタンパク質、単量体03−33タン
パク質、単量体SORタンパク質、単量体LSタンパク質、単量体PDCタンパク質およ
びチクングニアウイルスエンベロープタンパク質から選択されるタンパク質由来の少なく
とも25個の連続したアミノ酸を備えることができる。

0025

本発明の実施形態のまた別の態様において、単量体サブユニットタンパク質は、配列番
号64、配列番号67、配列番号70、配列番号73、配列番号76、配列番号79、配
列番号82、配列番号85、配列番号88、配列番号91および配列番号94から選択さ
れる配列から選択されるアミノ酸配列由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸を備え
ることができる。あるいは、単量体サブユニットタンパク質は、配列番号64、配列番号
67、配列番号70、配列番号73、配列番号76、配列番号79、配列番号82、配列
番号85、配列番号88、配列番号91および配列番号94から選択されるアミノ酸配列
と少なくとも約80%同一のアミノ酸配列を備えることができる。また、単量体サブユニ
ットタンパク質は、配列番号64、配列番号67、配列番号70、配列番号73、配列番
号76、配列番号79、配列番号82、配列番号85、配列番号88、配列番号91およ
び配列番号94から選択されるアミノ酸配列を備えることができる。

0026

本発明の実施形態の一態様において、HAタンパク質は、A/ニューカレドニア/20
/1999(H1N1)、A/カリフォルニア/04/2009(H1N1)、A/シン
ポール/1/1957(H2N2)、A/香/1/1968(H3N2)、A/ブリ
ベン/10/2007(H3N2)、A/インドシア/05/2005(H5N1)
、B/フロリダ/4/2006(インフルエンザB)、A/パース/16/2009(H
3N2)、A/ブリスベン/59/2007(H1N1)、B/ブリスベン/60/20
08(インフルエンザB)、A/ウィルソンスミス(Wilson−Smith)/3
3(H1N1)、A/天津/78/77(H1N1)、A/テキサス/36/91(H1
N1)、A/シンガポール/6/86(H1N1)、A/メンフィス/39/83(H1
N1)、A/マレーシア/54(H1N1)、A/アイオワ/43(H1N1)、A/香
港/117/77(H1N1)、A/フォート・モンマス(Fort Monmouth
)/1/47(H1N1)、A/ブリスベン/59/07(H1N1)、A/ベイラー
4052/81(H1N1)、A/アルバニー/4835/48(H1N1)、A/香港
/156/97(H5N1)、A/カササギ(common magpie)/香港/5
052/07(H5N1)、A/ニワトリシャンシー(Shanxi)/2/06(H
5N1)、A/烏骨鶏(silky checken)/香港/SF189/01(H5
N1)、A/ニワトリ/河/16/04(H5N1)、A/ビクトリア/361/11
(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/12(インフルエンザB)、B/ブリスベン
/60/08(インフルエンザB)およびA/テキサス/50/12(H3N2)から選
択されるウイルスに由来し得る。

0027

本発明の実施形態のさらに別の態様において、HAタンパク質は、A/ニューカレドニ
ア/20/1999(H1N1)、A/カリフォルニア/04/2009(H1N1)、
A/シンガポール/1/1957(H2N2)、A/香港/1/1968(H3N2)、
A/ブリスベン/10/2007(H3N2)、A/インドネシア/05/2005(H
5N1)、B/フロリダ/4/2006(インフルエンザB)、A/パース/16/20
09(H3N2)、A/ブリスベン/59/2007(H1N1)、B/ブリスベン/6
0/2008(インフルエンザB)、A/ウィルソン・スミス/33(H1N1)、A/
天津/78/77(H1N1)、A/テキサス/36/91(H1N1)、A/シンガポ
ール/6/86(H1N1)、A/メンフィス/39/83(H1N1)、A/マレーシ
ア/54(H1N1)、A/アイオワ/43(H1N1)、A/香港/117/77(H
1N1)、A/フォート・モンマス/1/47(H1N1)、A/ブリスベン/59/0
7(H1N1)、A/ベイラー/4052/81(H1N1)、A/アルバニー/483
5/48(H1N1)、A/香港/156/97(H5N1)、A/カササギ/香港/5
052/07(H5N1)、A/ニワトリ/シャンシー/2/06(H5N1)、A/烏
骨鶏/香港/SF189/01(H5N1)、A/ニワトリ/河南/16/04(H5N
1)、A/ビクトリア/361/11(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/12(
インフルエンザB)、B/ブリスベン/60/08(インフルエンザB)およびA/テキ
サス/50/12(H3N2)からなる群から選択されるインフルエンザウイルスの赤血
凝集素タンパク質由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸を備えることができる。

0028

本発明の実施形態のさらに別の態様において、HAタンパク質は、配列番号1〜62か
ら選択される配列由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸を備えることができる。H
Aタンパク質は、配列番号1〜62から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約80%同
一のアミノ酸配列を備えることができる。また、赤血球凝集素タンパク質は、配列番号1
〜62から選択されるアミノ酸配列を備えることができる。

0029

本発明の実施形態のまた別の態様において、HAタンパク質は、配列番号1〜62から
選択されるアミノ酸配列を備えるタンパク質に対する免疫応答を誘発することができる場
合がある。

0030

本発明の実施形態の別の態様において、免疫原性部分は、インフルエンザHAタンパク
質の受容体結合ドメインを備えることができる。さらに、免疫原性部分は、配列番号1〜
62から選択される配列のアミノ酸残基56〜264から選択され得る。

0031

本発明の実施形態のさらに別の態様において、融合タンパク質の少なくとも2つの種は
、インフルエンザウイルスの2つの異なる系統由来のHAタンパク質から得られる免疫原
性部分を備えることができる。また、融合タンパク質の少なくとも2つの種は、インフル
エンザウイルスの2つの異なる亜型由来のHAタンパク質から得られる免疫原性部分を備
えることができる。

0032

本発明の実施形態のまた別の態様において、融合タンパク質の少なくとも1つの種は、
リンカー配列を備えることができる。
本発明の実施形態の別の態様において、ナノ粒子は、インフルエンザHAタンパク質の
RBD領域に対する免疫応答を誘発することができる。一態様において、ナノ粒子は、H
A免疫原性部分が得られたインフルエンザウイルスの系統に対し異種であるインフルエン
ザウイルス系統に対する免疫応答を誘発することができる。また別の態様において、ナノ
粒子は、赤血球凝集素タンパク質が得られたインフルエンザウイルスとは抗原性的に相違
するインフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発することができる。

0033

本発明の実施形態のまた別の態様において、不均一集団は、融合タンパク質の2〜60
の間の種を備えることができる。本発明の実施形態のまた別の態様において、不均一集団
は、融合タンパク質の2〜240の間の種を備えることができる。

0034

本発明の別の実施形態は、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号
106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号
121、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号133、配列番号
136、配列番号139、配列番号142、配列番号145、配列番号148、配列番号
151、配列番号154、配列番号157、配列番号160、配列番号163、配列番号
166、配列番号169、配列番号172、配列番号175、配列番号178、配列番号
181、配列番号184、配列番号187および配列番号190から選択される配列と少
なくとも80%同一のアミノ酸配列を備える融合タンパク質である。融合タンパク質は、
配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配
列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配
列番号127、配列番号130、配列番号133、配列番号136、配列番号139、配
列番号142、配列番号145、配列番号148、配列番号151、配列番号154、配
列番号157、配列番号160、配列番号163、配列番号166、配列番号169、配
列番号172、配列番号175、配列番号178、配列番号181、配列番号184、配
列番号187および配列番号190から選択されるアミノ酸配列を備えることもできる。

0035

さらなる実施形態は、上述の融合タンパク質のいずれかをコードする核酸分子である。
本実施形態において、核酸配列は、配列番号96、配列番号99、配列番号102、配列
番号105、配列番号108、配列番号111、配列番号114、配列番号117、配列
番号120、配列番号123、配列番号126、配列番号129、配列番号132、配列
番号135、配列番号138、配列番号141、配列番号144、配列番号147、配列
番号150、配列番号153、配列番号156、配列番号159、配列番号162、配列
番号165、配列番号168、配列番号171、配列番号174、配列番号177、配列
番号180、配列番号183、配列番号186および配列番号189から選択される配列
と少なくとも80%同一であってよい。また別の態様において、核酸配列は、配列番号9
6、配列番号99、配列番号102、配列番号105、配列番号108、配列番号111
、配列番号114、配列番号117、配列番号120、配列番号123、配列番号126
、配列番号129、配列番号132、配列番号135、配列番号138、配列番号141
、配列番号144、配列番号147、配列番号150、配列番号153、配列番号156
、配列番号159、配列番号162、配列番号165、配列番号168、配列番号171
、配列番号174、配列番号177、配列番号180、配列番号183、配列番号186
および配列番号189から選択される配列を備えることができる。さらに、本実施形態に
おいて、プラスミドは、上述の核酸分子のいずれかの核酸分子を備えることができる。

0036

本発明の別の実施形態は、上述のナノ粒子のいずれかのナノ粒子を産生するための方法
であって、融合タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸分子を導入する工程であっ
て、各融合タンパク質が、インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質由来の少なく
とも1個の免疫原性部分に接続された、ナノ粒子へと自己集合することができる単量体サ
ブユニットタンパク質の少なくとも一部分を備えることができる工程と、コードされたタ
ンパク質の発現およびナノ粒子の形成に適した条件下で細胞をインキュベートする工程と
を備える方法である。本実施形態のさらなる態様は、細胞からナノ粒子を単離する工程を
備えることができる。

0037

本発明の別の実施形態は、インフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する方法で
あって、上述のナノ粒子を個体に投与する工程を備える方法である。
本発明の別の実施形態は、上述のナノ粒子を個体に投与する工程を備えることができる
ような、インフルエンザウイルスに対して個体にワクチン接種する方法である。したがっ
て、本発明の別の実施形態は、本発明のナノ粒子を備える免疫原性組成物である。本発明
の別の実施形態は、インフルエンザウイルスに対する個体のワクチン接種または免疫応答
の誘発(electing)における使用のための医薬であって、本発明のナノ粒子を備
える医薬である。

0038

本発明のさらなる実施形態は、キットである。キットは、上述のナノ粒子、斯かるナノ
粒子、上述の融合タンパク質および/または核酸分子を備える組成物および医薬を備える
ことができる。

図面の簡単な説明

0039

粒子状免疫原における超自然的不均一抗原アレイによる免疫惹起理論モデルの図。(左のイメージ天然均一抗原アレイにおける免疫惹起。粒子状均一抗原は、抗原性的に同一のサブユニットによって構築され、これにより、免疫系に対し抗原性的に均一な抗原を呈示する。均一アレイに呈示されている抗原に特異的なB細胞受容体(BCR)を持つB細胞は、「マッチした」抗原性刺激遭遇した後に強く刺激される(左中央)。より広範な特異性を有するより多くのBCRを持つB細胞も、均一抗原アレイによって刺激されるが、おそらく、抗原に対するより広範な特異的BCRの結合親和性は、「マッチした」抗原に対するより狭い特異的BCRほど堅固ではないため、より低い程度である(左下)。BCRは、他の抗原性的に別個の抗原を認識し、これにより、抗原における抗原性的に不均一な部分の接触を回避するため(抗原におけるより小さい抗体フットプリント)、抗原に対するより広範な特異的BCRのより弱い親和性は、部分的には、その交差反応性によるものである可能性がある。(右のイメージ)超自然的不均一抗原アレイにおける免疫惹起。粒子状不均一抗原は、免疫系に対し抗原性的に不均一な抗原を呈示する、抗原性的に不均一なサブユニットを使用して合成により構築される。不均一抗原アレイによる刺激後に、狭い特異性を有するBCRは、粒子状抗原における抗原のサブセットのみを認識するため、この抗原によって刺激されない(右中央);より広範な特異性を有するBCRは、粒子状抗原におけるより多数の抗原を認識するため、この抗原によって刺激される(右下)。この状況下で、より広範な特異性を有するBCRを持つB細胞は、より狭い特異性を有するBCRを持つB細胞を打ち負かす十分な機会を有し、したがって、そうでなければ他のものによって覆われている(overcast)交差反応性B細胞を選択する。
HARBD−フェリチン単一ポリペプチド設計の略図。フーリン−2A(F2A)自己切断モジュールなしのHA RBD−フェリチン構築物(上)。2または3個のHA RBD−フェリチン構築物が、F2A自己切断モジュールにより連結されている(それぞれ中央または下)。融合タンパク質が、産生株細胞において産生されると、細胞プロテアーゼフーリンが、F2AモジュールのN末端においてその切断部位を切断し、2Aプロテアーゼが、F2Aモジュールから第2の(および第3の)HA RBD−フェリチンを切断する。その結果、等モル量の各HA−RBD−フェリチンが産生される。
HA RBD−ナノ粒子の電子顕微鏡解析の図。(A)NC99 RBD−ナノ粒子のネガティブ染色電子顕微鏡写真;(B)CA09 RBD−ナノ粒子のネガティブ染色電子顕微鏡写真;(C)共集合された(CoAsmbl 2)RBD−ナノ粒子のネガティブ染色電子顕微鏡写真。精製された粒子は、新鮮グロー放電炭素コーティングされたグリッド吸着させ、ギ酸ウラニルで染色された。
NC99 RBD−ナノ粒子の二次元分類が、ギ酸ウラニルの代わりにモリブデン酸アンモニウムで染色された画像を使用して計算されたことを示す図。
HA RBD−ナノ粒子の特徴評価の図。一価(NC99=A/ニューカレドニア/20/1999およびCA09=A/カリフォルニア/04/2009)および共集合された(CoAsmbl2=A/ニューカレドニア/20/99(NC99)+A/カリフォルニア/04/09(CA09))ナノ粒子は、抗NC99(3u−u)(左)、抗パンデミックH1N1 HA(2D1)(中)または抗HAステム部(C179)(右)モノクローナル抗体のいずれかを使用して免疫沈降された。続いて、沈降された材料は、SDS−PAGEによって解析された。ほぼ150およびほぼ50kDaのタンパク質バンドは、それぞれIgG、RBD−ナノ粒子サブユニットに対応する。
異なるH1N1系統由来の精製されたHA RBD−ナノ粒子およびHAの異なる組合せによる共集合されたRBD−ナノ粒子のSDS−PAGE解析の図。NC99=A/ニューカレドニア/20/1999;CA09=A/カリフォルニア/04/2009;WS33=A/ウィルソン・スミス/1933;AB48=A/アルバニー/4835/1948;BR07=A/ブリスベン/59/2007;IA43=A/アイオワ/1943;HK77=A/香港/117/1977;FM47=A/フォート・モンマス/1/1947。CoAsmbl 2=A/ニューカレドニア/20/99(NC99)+A/カリフォルニア/04/09(CA09);CoAsmbl 4=CoAsmbl 2+A/ウィルソン・スミス/33(WS33)+A/アルバニー/4835/48(AB48);CoAsmbl 6=CoAsmbl 4+A/ブリスベン/59/07(BR07)+A/アイオワ/43(IA43);CoAsmbl 8=CoASmbl 6+A/香港/117/77(HK77)+A/フォート・モンマス/1/47(FM47)。
インフルエンザA/ニューカレドニア/20/1999ウイルスに対する赤血球凝集阻害(HAI)力価の図。(左パネル)一価ナノ粒子(NC99)または一価ナノ粒子の混合物(Admix 2、4または6)で免疫化されたマウス由来血清の赤血球凝集(Hemagluttination)阻害力価。(中央パネル)一価ナノ粒子(NC99)または多価ナノ粒子(CoAsmbl 2、4、6または8)で免疫化されたマウス由来の血清の赤血球凝集阻害力価。(右パネル)左および中央パネルのデータを使用し、対応するインフルエンザHAタンパク質を呈示する混合型一価ナノ粒子または多価ナノ粒子のいずれかによるマウスの免疫化によって生成されたHAI力価を比較する、サイドバイ・サイド(Side by side)比較。全ての血清は、2回目の免疫化の2週間後に収集され、赤血球凝集阻害活性に関して検査された。各ドットは、個々の血清試料を示し、箱髭(box−and−whiskers)グラフとしてプロットされる。P値は、スチューデントt検定によって計算された。
NC99偽型レンチウイルスに対する中和力価の図。(左パネル)一価ナノ粒子(NC99)または一価ナノ粒子の混合物(Admix 2、4または6)で免疫化されたマウス由来の血清の中和力価。(中央パネル)一価ナノ粒子(NC99)または多価ナノ粒子(CoAsmbl 2、4、6または8)で免疫化されたマウス由来の血清の中和力価。(右パネル)左および中央パネルのデータを使用し、対応するインフルエンザHAタンパク質を呈示する混合型一価ナノ粒子または多価ナノ粒子のいずれかによるマウスの免疫化によって生成された中和力価を比較する、サイド・バイ・サイド比較。全ての血清は、2回目の免疫化の2週間後に収集され、赤血球凝集阻害活性に関して検査された。各ドットは、個々の血清試料を示し、箱髭グラフとしてプロットされる。P値は、スチューデントt検定によって計算された。
免疫血清の中和幅の図。NC99もしくはCA09に対する一価ナノ粒子、混合型一価ナノ粒子(Admix 4)または多価共集合型ナノ粒子(CoAsmbl 4またはCoAsmbl 8)のいずれかで免疫化されたマウス由来のHAI力価のヒートマップ表現。各列は、個々のマウスを示す。
HA RBD−ナノ粒子免疫化マウスの末梢血細胞におけるHA特異的交差反応性B細胞の検出の図。(上部パネル)マウス全血細胞のゲーティング戦略。(下パネル)NC99もしくはCA09に対する一価ナノ粒子、混合型粒子(Admix 2、Admix 4またはAdmix 6)または多価(CoAsmbl 2、CoAsmbl 4、CoAsmbl 6またはCoAsmbl 8)で免疫化されたマウス由来の末梢血における非ナイーブB細胞集団を同定するために、抗CD3、抗CD14、抗CD19、抗IgDを使用したFACs解析。各ドットは、個々の試料を示す。
図10の下部パネルのFACSデータの箱髭プロットの図。
NC99/CA09交差反応性B細胞頻度および共集合型RBD−ナノ粒子の抗原性不均一性相関。X軸は、抗原性不均一性(単一のRBD−ナノ粒子における異なるHA RBDの数)を表す。Y軸は、交差反応性B細胞頻度を表す。ピアソン相関は、GraphPad Prism 6を使用して計算された。
Fab441D6と複合体を形成したHA三量体の三次元再構築モデルの図。(上部パネル)HA:Fab441D6複合体の再構築されたモデルの回転図および上面図。(下部パネル)HA:Fab441D6複合体の電子顕微鏡密度マップ最終モデル分解能は、ほぼ18.5Åであった。

実施例

0040

本発明は、インフルエンザウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV)等、様々な
感染性病原体に対し広範に中和する免疫応答を生ずるために使用され得る新規のナノ粒子
に基づく多価ワクチンに関する。本発明は、一価ナノ粒子に基づくワクチンが、限定され
た数の近縁の感染性病原体に対する防御免疫応答の誘導に使用され得ることを示す以前の
研究を基礎とする。例えば、インフルエンザワクチン分野の以前の研究は、HA−SA融
合タンパク質を産生するための、自己集合(SA)タンパク質に接続されたインフルエン
ザウイルス赤血球凝集素(HA)タンパク質の免疫原性部分を備える融合タンパク質が、
その表面にインフルエンザHAタンパク質の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと自己
合することを実証した。さらに、斯かるナノ粒子は、個体に投与されると、インフルエン
ザウイルスに対する頑強な中和免疫応答を誘発する。斯かるナノ粒子の構築および使用は
、その全体を本明細書に援用する米国特許出願公開第2014−0302079(A1)
号に記載されている。同様に、エプスタイン・バーウイルスのためのナノ粒子に基づくワ
クチンは、その全体を本明細書に援用する国際特許出願番号PCT/US14/6014
2に記載されている。そこで、本発明者らは、感染性病原体(例えば、インフルエンザウ
イルス)の2つ以上の属、型、群、亜型または系統由来のタンパク質の免疫原性部分を呈
示するナノ粒子が、異なるが関連する感染性病原体の不均一集団を含む変種を中和する免
疫応答を誘発するためのワクチンとして使用され得ることを発見した。さらに、本発明者
らは、驚くべきことに、斯かる多価ナノ粒子が、一価ナノ粒子の単一種または一価ナノ粒
子の2つ以上の種の混合物を備えるワクチンによるものよりも大きい免疫応答を誘発する
ことを見出した。よって、本発明の全般的な実施形態は、自己集合する融合タンパク質か
ら作製されたナノ粒子であって、ナノ粒子の表面が、同じ分類学上の科の2つ以上の感染
性病原体由来のタンパク質の免疫原性部分の不均一集団を呈示するナノ粒子である。特異
的な実施形態において、このような2つ以上の感染性病原体由来の対応するタンパク質の
免疫原性部分のアミノ酸配列が、少なくとも1個のアミノ酸が異なるように、2つ以上の
感染性病原体は、十分に相違する。ある特定の実施形態において、感染性病原体は、同じ
分類学上の科内の異なる分類群に由来する。

0041

本発明についてさらに記載する前に、本明細書に記載されている特定の実施形態は、当
然ながら変動し得るため、本発明が、本明細書に記載されている特定の実施形態に限定さ
れないことを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるた
め、本明細書において使用されている用語法が、特定の実施形態について記載することの
みを目的としており、最終的に請求されている発明に関する限定を企図しないことも理解
されたい。本発明の要素は、本願の特異的な位置に出現するが、本発明が、本明細書に開
示されている要素のいかなる組合せも包含することについても理解されたい。

0042

本明細書において、また、添付の特許請求の範囲において、文脈がそれ以外のこと明ら
かに指示しない限り、単数形「a」、「an」および「the」が、複数の指示対象を含
むことに留意されたい。例えば、核酸分子(a nucleic acid)は、1個ま
たは複数の核酸分子を指す。したがって、用語「a」、「an」、「1個または複数」お
よび「少なくとも1個」は、互換的に使用されてよい。同様に、用語「備える」、「含む
」および「有する」は、互換的に使用されてよい。特許請求の範囲が、いずれか任意選択
の要素を除外するように立案され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記載
は、特許請求の範囲の要素の記述または「否定的」限定の使用に関連して、「もっぱら
、「のみ」その他等の排他的用語法の使用のための先行詞として働くように企図される。

0043

本明細書において、ナノ粒子は、自己集合する単量体サブユニットタンパク質から形成
された粒子を指す。例えば、フェリチンサブユニットタンパク質は、フェリチンナノ粒子
へと自己集合する。本発明のナノ粒子は一般に、球形またはスフェロイドの形状であるが
、他の形状、例えば、桿状体立方体シート楕円形(oblong)、卵形その他も
本発明の実施に有用である。本発明のナノ粒子は、サイズが変動し得るが、好まれるナノ
粒子は、HAタンパク質球状頭部領域の呈示されている免疫原性部分間の距離が、ナノ粒
子に呈示されている2個の隣接する免疫原性部分が単一のB細胞受容体の2個の抗原性結
合部位の距離に適合し得るような、または約50〜100Å離れているようなナノ粒子で
ある。斯かるスペーシングは、2個の隣接する免疫原性部分のそれぞれが、同じB細胞受
容体における2個の同一抗原結合部位の一方と相互作用することを可能にする。交差反応
性免疫応答の選択を可能にするため、ナノ粒子の表面上で隣接する異種免疫原性部分への
単一のB細胞受容体の結合が望ましい。理論による制約を企図するものではないが、本発
明者らは、これが、免疫原性部分への一方の抗原性部位の高親和性結合が、異種免疫原性
部分への他方の抗原性結合部位の低親和性結合の安定化を可能にするという事実によるも
のであると考える。よって、交差反応性抗体を産生するB細胞が選択される。この概念
図1において例証されている。当業者であれば、B細胞受容体の抗原性結合部位が、お
よそ50〜100オングストローム(Å)離れていることが理解できよう。よって、ある
特定の実施形態において、ナノ粒子の表面に呈示されている免疫原性部分は、約50〜1
00Å離間されている。特異的な実施形態において、ナノ粒子の表面に呈示されている免
疫原性部分は、約50Å、約60Å、約70Å、約80Å、約90Å、約100Å離間さ
れている。ナノ粒子の表面上の免疫原性部分のスペーシングに関して、用語、約は、20
%以下の変動を指す。

0044

本発明において、本発明の自己集合する単量体サブユニットタンパク質、単量体サブユ
ニットタンパク質、自己集合(SA)タンパク質、自己集合するサブユニットタンパク質
その他は、ナノ粒子への単量体自己集合サブユニットタンパク質の自己集合を導くことが
できる、全長単量体ポリペプチドまたはそのいずれかの部分もしくはバリアントである。
斯かるタンパク質は、当業者にとって公知である。本発明のナノ粒子の産生に有用な自己
集合タンパク質の例として、フェリチン、エンカプスリン、硫黄オキシゲナーゼダクタ
ーゼ(SOR)、ルマジンシンターゼ(LS)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(P
DC)、ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(E2)およびチクングニアウ
イルス等のアルファウイルスのエンベロープ(Env)タンパク質が挙げられるがそれら
に限定されない。斯かるタンパク質の代表例が、下の表1に収載されている。

0045

本明細書において、融合タンパク質は、ペプチド結合により一体に接続されて単一のタ
ンパク質を生ずる、少なくとも2つの無関係のタンパク質由来のアミノ酸配列を含有する
組換えタンパク質である。無関係のアミノ酸配列は、互いに直接的に接続されても、ある
いはリンカー配列を使用して接続されてもよい。本明細書において、タンパク質同士は、
それらのアミノ酸配列が、それらの天然環境(例えば、細胞の内側)においてペプチド結
合により一体に接続されて通常では見出されない場合、無関係である。例えば、フェリチ
ンの単量体サブユニットのアミノ酸配列と、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質のア
ミノ酸配列は、ペプチド結合により一体に接続されて通常では見出されないため、これら
2つのタンパク質は、無関係と考慮されるであろう。同様に、エンカプスリンの単量体サ
ブユニットのアミノ酸配列と、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質またはHIVエン
ベロープタンパク質のアミノ酸配列は、ペプチド結合により一体に接続されて通常では見
出されないため、エンカプスリンとインフルエンザHAまたはエンカプスリンとHIVエ
ンベロープタンパク質は、無関係と考慮されるであろう。

0046

本明細書において、免疫原性部分の不均一集団は、その表面にタンパク質の免疫原性部
分の2つ以上の種を呈示するナノ粒子を指す。本発明のタンパク質の免疫原性部分の種は
、免疫原性部分の特異的アミノ酸配列によって定義される。したがって、同一アミノ酸配
列を有する2個の免疫原性部分は、免疫原性部分の同じ種と考慮されるであろう。免疫原
性部分の同じ種を備える2個の融合タンパク質が、免疫原性部分以外のアミノ酸配列の領
域において変動しても変動しなくてもよいことに留意されたい。斯かる融合タンパク質は
、それらの配列全体を通して同一である場合、融合タンパク質の同じ種と考慮されるであ
ろう。よって、免疫原性部分の種が、それらの免疫原性部分における変異によって定義さ
れることが明らかとなるであろう。斯かる変異は、免疫原性部分のアミノ酸配列の天然ま
たは人為的な変化によるものである可能性がある。例えば、免疫原性部分の新たな種は、
組換えDNA技術等の手段により現存する免疫原性部分の配列を変更(突然変異)するこ
とにより生じ得る。斯かる変更を作製する方法は、当業者にとって公知である。

0047

あるいは、免疫原性部分の異なる種を有する融合タンパク質は、独特の、ただし関連す
る感染性病原体由来の対応するタンパク質またはその有用な部分(または斯かるタンパク
質もしくは部分をコードする核酸分子)を使用して作製され得る。例えば、ウイルスは、
そのエンベロープ(またはカプシド)タンパク質に突然変異を有する後代ウイルスを産生
することが多く、その結果、あるパーセンテージの後代ウイルスは、宿主免疫系による検
出を回避することが公知である。同様に、後代産生の反復サイクルは、ウイルスの不均一
集団をもたらし、この集団内の様々な個々のウイルスは、そのエンベロープ(またはカプ
シド)タンパク質の配列が異なる。斯かるプロセスは最終的に、近縁だが遺伝学的に相違
するウイルスの産生をもたらす。このような相違するウイルスは、系統、種および亜型と
称される。このような系統、種および亜型は、さらに相違するようになると、型、属およ
び/または科へとさらに分類される。斯かる分類は、分類群と称されることがある。例え
ば、分類群は、科、属、型、亜型、系統または種であってよい。様々な分類群へのウイル
スの分類は、当業者によって十分に理解されている。本発明に関して、好まれるナノ粒子
は、同じ科内の2つ以上の感染性病原体由来の免疫原性部分を備えるナノ粒子である。

0048

本明細書において、対応するタンパク質は、2つ(以上)の異なる生物における同様の
機能を有するタンパク質である。対応するタンパク質は、同一アミノ酸配列を有しても有
さなくてもよいが、一般に、ある程度の配列相同性共有する。上述の例において、2つ
の近縁のウイルス由来のエンベロープ(またはカプシド)タンパク質が、対応するタンパ
ク質である。さらに別の例として、インフルエンザウイルスの異なる系統、亜型または属
由来の赤血球凝集素(HA)タンパク質と同様に、HIVの異なる系統由来のエンベロー
プタンパク質は、対応するタンパク質と考慮されるであろう。ある特定の実施形態におい
て、同じ分類学上の科由来の2つの異なる感染性病原体における同じ機能を有するタンパ
ク質は、対応するタンパク質と考慮されるであろう。ある特定の実施形態において、斯か
るタンパク質は、少なくとも50%配列相同性を有する。ある特定の実施形態において、
斯かるタンパク質は、少なくとも50%配列同一性、少なくとも60%配列同一性、少な
くとも70%配列同一性、少なくとも80%配列同一性、少なくとも85%配列同一性、
少なくとも95%配列同一性、少なくとも97%配列同一性または少なくとも99%配列
同一性を有する。

0049

本明細書において、用語、感染性病原体は、哺乳類に感染することができるいずれかの
微生物を指す。好まれる感染性病原体は、疾病を引き起こす感染性病原体である。感染性
病原体の例として、ウイルス、細菌および寄生生物が挙げられるがそれらに限定されない
。本発明の方法の実施に有用なウイルスの例として、オルトミクソウイルス科、レトロ
イルス科、フラビウイルス科フィロウイルス科コロナウイルス科(coronovi
ridae)、パラミクソウイルス科ピコルナウイルス科(picornovirid
ae)、レトロウイルス科パピローマウイルス科、トガウイルス科およびポリオーマ
イルス科からなる群から選択される科由来のウイルスが挙げられるがそれらに限定されな
い。本発明の方法の実施に有用なウイルスのより具体的な例として、インフルエンザウイ
ルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、フラビウイルス(例えば、肝炎ウイルス、デン
グウイルス等)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ライノウイルス、コロナウイルス
、エンテロウイルス、ポリオーマウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ヒトメタ
ニューモウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、アルファウイルス(例えば
、チクングニアウイルス、ロスリバーウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイ
ルス、マヤロウイルス等)、ブタ流行性下痢ウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルス
および口蹄疫ウイルスが挙げられるがそれらに限定されない。

0050

感染性病原体由来のタンパク質は、このタンパク質を備える感染性病原体に対する免疫
応答の生成に有用ないずれかのタンパク質であってよい。有用なタンパク質は、中和抗体
の産生等、防御免疫応答を誘発するタンパク質である。特に望ましいタンパク質は、広範
な中和抗体の産生を誘発するタンパク質である。本発明を実施するための有用なタンパク
質の一例は、HIVエンベロープ糖タンパク質タンパク質(Gp120)である。抗体応
答を誘発するGP120およびその有用な突然変異体および他の有用なHIVタンパク質
の能力は、これら全ての全体を本明細書に援用する米国特許出願公開番号US20140
322269、US20040052821、US20030064361、US200
30158134に記載されている。本発明を実施するための有用なタンパク質の別の例
は、フラビウイルスエンベロープタンパク質であり、これは米国特許出願公開第2011
0059131号、米国特許出願公開第20090311287号および米国特許出願公
開第20040009469号に記載されており、これらは全て、全体を本明細書に援用
する。本発明を実施するための有用なタンパク質の別の例は、HCVカプシドタンパク質
であり、これは米国特許出願公開第20020107360号、米国特許出願公開第20
020119495号および米国特許出願公開第20050233316号に記載されて
おり、これらは全て、全体を本明細書に援用する。本発明を実施するための他の有用なタ
ンパク質は、E2等、ヒトパピローマウイルス(HPV)タンパク質である。斯かるタン
パク質の使用は、両者共にその全体を本明細書に援用する米国特許出願公開第20100
143408号および米国特許出願公開第20100183648号に記載されている。
他の有用なタンパク質は、これら全ての全体を本明細書に援用する米国特許出願公開第2
0140161833号、米国特許出願公開第20090202583号、米国特許出願
公開第20060182762号、米国特許出願公開第20050053622号、米国
特許出願公開第20040175395号、米国特許出願公開第20090162395
号、米国特許出願公開第20030224015号、米国特許出願公開第2005025
5123号、米国特許出願公開第US2012−0003266号および米国特許出願公
開第20120315270号に開示されている。

0051

本明細書において、広範な中和抗体は、抗体の誘発に使用される(ナノ粒子の産生に使
用される)免疫原性部分が由来する感染性病原体の分類群とは異なる分類群由来の感染性
病原体を中和する抗体である。好まれる実施形態において、本発明のナノ粒子は、ナノ粒
子を産生するための免疫原性(imunogenic)部分が由来する感染性病原体の属
、型、亜型、種および/または系統とは異なる属、型、亜型、種および/または系統由来
の少なくとも1つの感染性病原体を中和する広範な中和抗体を誘発する。例えば、ナノ粒
子が、インフルエンザA/香港/1/1968(H3N2)およびインフルエンザA/イ
ンドネシア/05/2005(H5N1)由来のHAタンパク質の免疫原性部分を使用し
て構築される場合、斯かるナノ粒子によって誘発される、広範に中和する抗体は、インフ
ルエンザA/香港/1/1968(H3N2)およびインフルエンザA/インドネシア/
05/2005(H5N1)以外の属、型、亜型、種および/または系統の1つまたは複
数のインフルエンザウイルスを中和することができるであろう。

0052

本発明の一実施形態は、融合タンパク質を備えるナノ粒子であって、ナノ粒子の表面が
、少なくとも2つの感染性病原体由来の対応するタンパク質の免疫原性部分を呈示し、少
なくとも2つの感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応する分類群に由来する
ナノ粒子である。一(on)実施形態において、各融合タンパク質は、感染性病原体由来
のタンパク質の免疫原性部分の少なくとも1個の部分に接続された自己集合する単量体サ
ブユニットの少なくとも一部分を備える。一実施形態において、自己集合する単量体サブ
ユニットの部分は、単量体フェリチンサブユニットタンパク質、単量体エンカプスリンタ
ンパク質、単量体03−33タンパク質、単量体SORタンパク質、単量体LSタンパク
質、単量体PDCタンパク質およびチクングニアウイルス構造ポリタンパク質からなる群
から選択される単量体サブユニットタンパク質由来の少なくとも25アミノ酸、少なくと
も50アミノ酸、少なくとも75アミノ酸、少なくとも100アミノ酸または少なくとも
150アミノ酸を備える。一実施形態において、各融合タンパク質は、単量体フェリチン
サブユニットタンパク質、単量体エンカプスリンタンパク質、単量体03−33タンパク
質、単量体SORタンパク質、単量体LSタンパク質、単量体PDCタンパク質およびチ
クングニアウイルス構造ポリタンパク質からなる群から選択される単量体サブユニットタ
ンパク質を備える。

0053

一実施形態において、感染性病原体は、ウイルスである。哺乳類に感染することができ
るいずれかのウイルスが、本発明のナノ粒子の構築において使用され得る。本発明の方法
の実施に有用なウイルスの例として、オルトミクソウイルス科、レトロウイルス科、フラ
ビウイルス科、フィロウイルス科、コロナウイルス科、パラミクソウイルス科、ピコルナ
ウイルス科、レトロウイルス科、パピローマウイルス科、トガウイルス科およびポリオ
マウイルス科からなる群から選択される科由来のウイルスが挙げられるがそれらに限定さ
れない。有用なウイルスの例として、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(
HIV)、フラビウイルス(例えば、肝炎ウイルス、デングウイルス等)、ヒトパピロー
マウイルス(HPV)、ライノウイルス、コロナウイルス、エンテロウイルス、ポリオー
マウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ヒトメタニューモウイルスエボラウイ
ルス、マールブルグウイルス、アルファウイルス(例えば、チクングニアウイルス、ロス
リバーウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、マヤロウイルス等)、ブ
タ流行性下痢ウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルスおよび口蹄疫ウイルスが挙げら
れるがそれらに限定されない。

0054

一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる属に由来す
る。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる種に由来
する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる型に由
来する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる亜型
に由来する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる
系統である。

0055

本発明の一実施形態は、第1の融合タンパク質および第2の融合タンパク質を備えるナ
ノ粒子であって、各融合タンパク質が、感染性病原体由来のタンパク質の少なくとも1個
の免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少なくとも一部分を備え
、第1の融合タンパク質の免疫原性部分が、第1の感染性病原体由来のタンパク質に由来
し、第2の融合タンパク質の免疫原性部分が、第2の感染性病原体由来のタンパク質に由
来し、第1および第2の感染性病原体由来のタンパク質が、対応するタンパク質であり、
第1および第2の感染性病原体が、同じ分類学上の科内の異なる対応する分類群に由来す
るナノ粒子である。

0056

一実施形態において、感染性病原体は、ウイルスである。哺乳類に感染することができ
るいずれかのウイルスが、本発明のナノ粒子の構築において使用され得る。本発明の方法
の実施に有用なウイルスの例として、オルトミクソウイルス科、レトロウイルス科、フラ
ビウイルス科、フィロウイルス科、コロナウイルス科、パラミクソウイルス科、ピコルナ
ウイルス科、レトロウイルス科、パピローマウイルス科、トガウイルス科およびポリオー
マウイルス科からなる群から選択される科由来のウイルスが挙げられるがそれらに限定さ
れない。有用なウイルスの例として、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(
HIV)、フラビウイルス(例えば、肝炎ウイルス、デングウイルス等)、ヒトパピロー
マウイルス(HPV)、ライノウイルス、コロナウイルス、エンテロウイルス、ポリオー
マウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ヒトメタニューモウイルス、エボラウイ
ルス、マールブルグウイルス、アルファウイルス(例えば、チクングニアウイルス、ロス
リバーウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、マヤロウイルス等)、ブ
タ流行性下痢、ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルスおよび口蹄疫ウイルスが挙げられるがそ
れらに限定されない。

0057

一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる属に由来す
る。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる種に由来
する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる型に由
来する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる亜型
に由来する。一実施形態において、少なくとも2つの感染性病原体は、同じ科内の異なる
系統である。

0058

本発明の一実施形態は、融合タンパク質の少なくとも2つの種を備えるナノ粒子であっ
て、融合タンパク質の各種が、独特の感染性病原体由来のタンパク質の少なくとも1個の
免疫原性部分に接続された自己集合する単量体サブユニットの少なくとも一部分を備え、
独特の感染性病原体におけるタンパク質が、互いに対応し、各独特の感染性病原体が、同
じ分類学上の科内の異なる対応する分類群に由来するナノ粒子である。

0059

本明細書において、独特の感染性病原体は、互いに遺伝学的に別個である、オルトミク
ソウイルス科(orthomyoviridae)またはレトロウイルス科等の同じ分類
学上の科由来の感染性病原体を指す。よって、互いに独特の感染性病原体は、異なる分類
群に属するであろう。例えば、インフルエンザウイルスの2つの異なる系統は、互いに独
特と考慮されるであろう。同様に、インフルエンザウイルスの2つの異なる亜型は、互い
に独特と考慮されるであろう。

0060

特異的な実施形態に限定されることを企図するものではないが、本発明者らは、本発明
の一般原則および概念を実証するためにインフルエンザウイルスを利用することを選択し
た。よって、本発明のある特定の実施形態に関して、インフルエンザウイルスを分類する
ために本明細書において使用されているあらゆる命名法は、当業者によって一般的に使用
されている命名法である。よって、インフルエンザウイルスの型は、インフルエンザA型
インフルエンザB型またはインフルエンザC型を指す。当業者であれば、特異的な型と
してのウイルスの命名が、それぞれのM1(マトリックス)タンパク質またはNP(核タ
ンパク質)における配列差に関することが理解できよう。A型インフルエンザウイルスは
、群1および群2へとさらに分けられる。これらの群は、そのHAタンパク質の配列に基
づくウイルスの分類を指す命名である、亜型へとさらに分けられる。現在の一般的に認識
されている亜型の例は、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H1
0、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17またはH18である。群
1インフルエンザ亜型は、H1、H2、H5、H6、H8、H9、H11、H12、H1
3、H16、H17およびH18である。群2インフルエンザ亜型は、H3、H4、H7
、H10、H14およびH15である。最後に、用語、系統は、それらのゲノム内の小型
遺伝的変異によって互いに異なる亜型内のウイルスを指す。斯かる遺伝的変異は、コー
ドされるインフルエンザタンパク質複数可)にアミノ酸変化をもたらしても、もたらさ
なくてもよい。

0061

本明細書において、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質またはHAタンパク質は、
インフルエンザウイルスの表面上に存在する赤血球凝集素糖タンパク質を指す。インフル
エンザウイルスHAタンパク質は、細胞の表面上のシアル酸に結合することができ、これ
は、赤血球細胞凝集させるウイルス能力の原因となる活性である。インフルエンザウイ
ルスHAタンパク質は、インフルエンザウイルスによる細胞の感染後の、エンドソーム
とインフルエンザウイルス膜の融合の原因ともなる。斯かるタンパク質およびその活性は
、当業者にとって公知である。特に本発明に関して、HAタンパク質は、少なくとも免疫
応答を誘発することができる、全長インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質また
はそのいずれかの部分を指す。本発明のナノ粒子の産生に有用な例示的なインフルエンザ
タンパク質は、下の表1に収載されている。

0062

0063

0064

0065

0066

0067

0068

当業者であれば、異なるインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質が、これらのH
Aタンパク質の一方または両方におけるアミノ酸残基の挿入および/または欠失により、
異なる長さを有し得ることが理解できよう。よって、対応する領域の参照は、比較されて
いる領域と配列、構造および/または機能が同一またはほとんど同一(例えば、少なくと
も95%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一)である、別のタンパ
ク質の領域を指す。例えば、赤血球凝集素タンパク質の球状頭部領域またはRBDに関し
て、別の赤血球凝集素タンパク質における対応する領域は、同じ残基数を有していなくて
もよいが、非常に同様の配列を有し、同じ機能を果たすであろう。ウイルス間の配列比較
を改善するために、アミノ酸ポジション参照配列に関連付けるナンバリング方式が当業
者によって使用される。よって、インフルエンザの異なる系統由来の赤血球凝集素タンパ
ク質における対応するアミノ酸残基は、成熟タンパク質のN末端アミノ酸からのその距離
に関して同じ残基数を有していなくてもよい。例えば、H3ナンバリング方式を使用して
、A/ニューカレドニア/20/1999(1999NC、H1)における残基100
の参照は、成熟タンパク質のN末端アミノ酸から100番目の残基であることを意味しな
い。その代わりに、A/ニューカレドニア/20/1999(1999 NC、H1)H
Aタンパク質の残基100は、インフルエンザH3N2系統由来のHAタンパク質の残基
100と整列する。斯かるナンバリング方式の使用は、当業者によって理解されている。
他に記述がなければ、本明細書における赤血球凝集素タンパク質におけるアミノ酸ポジ
ョンの参照は、H3ナンバリング方式を使用して為される。

0069

本明細書において、用語、免疫原性は、特異的タンパク質または特異的タンパク質と高
度な同一性を有するアミノ酸配列を備えるタンパク質に対する免疫応答を誘発する特異的
タンパク質またはその特異的領域(すなわち、特異的アミノ酸配列)の能力を指す。本発
明において、高度な同一性を有する2つのタンパク質は、少なくとも80%同一、少なく
とも85%同一、少なくとも87%同一、少なくとも90%同一、少なくとも92%同一
、少なくとも94%同一、少なくとも96%同一、少なくとも98%同一または少なくと
も99%同一のアミノ酸配列を有する。好まれる免疫原性タンパク質またはその部分は、
インフルエンザウイルスに対する中和抗体を誘発するものである。

0070

本明細書において、不均一集団は、集団内の少なくとも1個の分子が、集団内の少なく
とも1個の他の分子とは配列が異なる分子集団を指す。例えば、特に本発明に関して、イ
ンフルエンザHAタンパク質由来の免疫原性部分の不均一集団において、集団は、集団内
の少なくとも1個の免疫原性部分のアミノ酸配列が、集団内の少なくとも1個の他の免疫
原性部分のアミノ酸配列とは異なるという事実により異種性である。本発明に関して、各
独特の配列は、分子の種(例えば、免疫原性部分の種、融合タンパク質の種等)と称され
る。分子の2つの種の間の配列の差には、単一のアミノ酸差が関与し得る、または2個以
上のアミノ酸差が関与し得る。さらに、斯かる差は、異なるエピトープを有する異なる種
をもたらしても、もたらさなくてもよい。

0071

本明細書において、エピトープは、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体その他等、免疫
系の構成成分によって認識されて(例えば、それによって結合されて)、免疫複合体を形
成し、免疫応答を誘発するアミノ酸残基のクラスターである。斯かるエピトープは、連続
したアミノ酸残基(すなわち、タンパク質において互いに隣接するアミノ酸残基)からな
っていてもよく、あるいは連続していないアミノ酸残基(すなわち、直鎖状タンパク質に
おいて互いに隣接していないアミノ酸残基)からなっていてもよいが、この場合、最終的
にフォールドされたタンパク質において三次元空間で空間的に近接している。よって、一
実施形態において、免疫原性部分は、インフルエンザウイルスHAタンパク質由来の少な
くとも1個のエピトープを備える。

0072

本明細書において、一価ナノ粒子は、その表面にHAタンパク質由来の免疫原性部分の
単一種を呈示するナノ粒子を指す。すなわち、免疫原性部分は全て、同じ配列を有する。
本明細書において、混合されたナノ粒子は、一価ナノ粒子種の混合物を含有するナノ粒子
の集団を指す。斯かる集団において、各一価ナノ粒子は、他の一価ナノ粒子とは別々に産
生され、その後に一価ナノ粒子は一体に混合されて、混合されたナノ粒子を産生する。当
業者によって、混合されたナノ粒子の集団は、免疫原性部分の2つ以上の種を備えるが、
混合された集団における各一価ナノ粒子は、免疫原性部分の単一種を備えることが理解さ
れよう。本明細書において、多価の共集合されたナノ粒子、共集合されたナノ粒子その他
は、融合タンパク質の2つ以上の種を組み合わせることによって作製されたナノ粒子であ
って、少なくとも2つの融合タンパク質が、それらの免疫原性部分の配列が異なるナノ粒
子を指す。その結果は、自己集合する融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であ
って、HAタンパク質由来の免疫原性部分の不均一集団をその表面に呈示するナノ粒子で
ある。斯かる多価ナノ粒子は、モザイクナノ粒子と称されることもある。

0073

本発明の一実施形態は、融合タンパク質の異種集団を備えるナノ粒子であって、各融合
タンパク質が、ナノ粒子へと集合することができる単量体サブユニットタンパク質(すな
わち、自己集合(SA)タンパク質)由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸に接続
されたインフルエンザHAタンパク質由来の少なくとも1個の免疫原性部分を備え、融合
タンパク質の異種集団が、融合タンパク質の少なくとも2つの異なる種を備えるナノ粒子
である。本発明のナノ粒子は、インフルエンザウイルスのいずれかの型、亜型、系統また
はこれらの組合せ由来のHAタンパク質の免疫原性部分を備える融合タンパク質から作製
され得る。ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、A型インフルエンザウイルス
B型インフルエンザウイルスおよびC型インフルエンザウイルスからなる群から選択さ
れる1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に由来する。一実施
形態において、免疫原性部分は、群Iインフルエンザウイルスおよび群IIインフルエン
ザウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のウイルス由来のHAタンパク質に
由来する。一実施形態において、免疫原性部分は、H1インフルエンザウイルス、H2イ
ンフルエンザウイルス、インフルエンザH3ウイルス、インフルエンザH4ウイルス、イ
ンフルエンザH5ウイルス、インフルエンザH6ウイルス、H7インフルエンザウイルス
、H8インフルエンザウイルス、H9インフルエンザウイルス、H10インフルエンザウ
イルス、H11インフルエンザウイルス、H12インフルエンザウイルス、H13インフ
ルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、H15インフルエンザウイルス、H
16インフルエンザウイルス、H17インフルエンザウイルス、H18インフルエンザウ
イルスおよびインフルエンザB系列ウイルスからなる群から選択される1つまたは複数の
ウイルス由来のHAタンパク質に由来する。ある特定の実施形態において、免疫原性部分
は、A/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)、A/カリフォルニア/04/
2009(H1N1)、A/シンガポール/1/1957(H2N2)、A/香港/1/
1968(H3N2)、A/ブリスベン/10/2007(H3N2)、A/インドネシ
ア/05/2005(H5N1)、B/フロリダ/4/2006(インフルエンザB)、
A/パース/16/2009(H3N2)、A/ブリスベン/59/2007(H1N1
)、B/ブリスベン/60/2008(インフルエンザB)、A/ウィルソン・スミス/
33(H1N1)、A/天津/78/77(H1N1)、A/テキサス/36/91(H
1N1)、A/シンガポール/6/86(H1N1)、A/メンフィス/39/83(H
1N1)、A/マレーシア/54(H1N1)、A/アイオワ/43(H1N1)、A/
香港/117/77(H1N1)、A/フォート・モンマス/1/47(H1N1)、A
/ブリスベン/59/07(H1N1)、A/ベイラー/4052/81(H1N1)、
A/アルバニー/4835/48(H1N1)、A/香港/156/97(H5N1)、
A/カササギ/香港/5052/07(H5N1)、A/ニワトリ/シャンシー/2/0
6(H5N1)、A/烏骨鶏/香港/SF189/01(H5N1)、A/ニワトリ/河
南/16/04(H5N1)、A/ビクトリア/361/11(H3N2)、B/マサチ
ューセッツ/2/12(インフルエンザB)、B/ブリスベン/60/08(インフルエ
ンザB)およびA/テキサス/50/12(H3N2)からなる群から選択される1つま
たは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に由来する。ある特定の実施形
態において、免疫原性部分は、表1に収載されている1つまたは複数のHAタンパク質に
由来する。ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、配列番号1〜配列番号62を
備えるHAタンパク質からなる群から選択される1つまたは複数のHAタンパク質に由来
する。ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、配列番号1〜配列番号62からな
るHAタンパク質からなる群から選択される1つまたは複数のHAタンパク質に由来する

0074

本発明のナノ粒子の構築に有用な免疫原性部分は、本明細書に開示されているインフル
エンザウイルスHAタンパク質のバリアントから得ることもできる。本明細書において、
バリアントは、その配列が参照配列と同様であるが同一ではないタンパク質または核酸
子を指し、バリアントタンパク質(またはバリアント核酸分子によってコードされるタン
パク質)の活性は、有意に変更されていない。配列におけるこのような変異は、天然起源
の変異であってよい、または当業者にとって公知の遺伝子操作技法の使用により遺伝子操
作され得る。斯かる技法の例は、両者共にその全体を本明細書に援用するサムルック
ジェイ、フリッチェ、イー・エフ、マニアティス、ティーら(Sambrook J,
Fritsch E F, Maniatis T et al.)、分子クローニング
実験マニュアル(Molecular Cloning−−A Laboratory
Manual)、第2版、コールドスプリングハーバー研究所出版(Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press)、1989、9.31〜9
.57頁)または分子生物学最新プロトコール(Current Protocols
in Molecular Biology)、ジョン・ワイリー・アンドサンズ(J
ohn Wiley&Sons)、N.Y.(1989)、6.3.1〜6.3.6に見
ることができる。

0075

バリアントに関して、変更が、バリアントタンパク質の活性に有意に影響せず、バリ
ントタンパク質が、所望の活性を保持する限りにおいて、アミノ酸または核酸配列におけ
るいかなる型の変更も容認できる。斯かる変異の例として、欠失、挿入、置換およびこれ
らの組合せが挙げられるがそれらに限定されない。例えば、タンパク質に関して、当業者
によって、タンパク質の活性に有意に影響することなく、タンパク質のアミノおよび/ま
たはカルボキシ末端から1個または複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9また
は10個)のアミノ酸が多くの場合除去され得ることが十分に理解される。同様に、タン
パク質の活性に有意に影響することなく、タンパク質に1個または複数(例えば、2、3
、4、5、6、7、8、9または10個)のアミノ酸が多くの場合挿入され得る。

0076

記述の通り、本発明のバリアントタンパク質は、本明細書に開示されているインフルエ
ンザHAタンパク質と比べてアミノ酸置換を含有することができる。タンパク質の活性が
有意に影響されない限りにおいて、いかなるアミノ酸置換も容認できる。この点について
、本技術分野において、アミノ酸が、その物理的特性に基づき群へと分類され得ることが
認められる。斯かる群の例として、有電荷アミノ酸無電荷アミノ酸、極性無電荷アミノ
酸および疎水性アミノ酸が挙げられるがそれらに限定されない。置換を含有する好まれる
バリアントは、あるアミノ酸が、同じ群由来のアミノ酸に置換されたバリアントである。
斯かる置換は、保存的置換と称される。

0077

天然起源の残基は、共通側鎖特性に基づきクラスへと分けることができる:
1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:His、Lys、Arg;
5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。

0078

例えば、非保存的置換には、これらのクラスのうち1つのメンバーの、別のクラス由来
のメンバーに対する交換が関与し得る。
アミノ酸変化の作製において、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮され得る。各アミノ
酸は、その疎水性および電荷特徴に基づいて疎水性親水性指標を割り当てられた。疎水性
親水性指標を次に示す:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+
3.8);フェニルアラニン(+2.8);システインシスチン(+2.5);メチオ
ニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.
7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロ
リン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン
−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.
9);およびアルギニン(−4.5)。タンパク質における相互作用的生物学的機能の付
与における疎水性親水性アミノ酸指標の重要性は、本技術分野において一般に理解されて
いる(カイトら(Kyte et al.)、1982,J.Mol.Biol.157
:105−31)。ある特定のアミノ酸が、同様の疎水性親水性指標またはスコアを有す
る他のアミノ酸に対して置換されても、依然として同様の生物学的活性を保持し得ること
が公知である。疎水性親水性指標に基づく変化の作製において、それらの疎水性親水性指
標が±2以内であるアミノ酸の置換が好まれ、±1以内の置換が特に好まれ、±0.5以
内の置換がさらにより特に好まれる。

0079

本技術分野において、類似のアミノ酸の置換は、特にその結果作製される生物学的に機
能的に均等なタンパク質またはペプチドが本件のような免疫学的発明における使用に企図
される場合、親水性に基づいて効果的に為され得ることも理解される。その隣接アミノ酸
の親水性によって決まるタンパク質の最大局所的平均親水性は、その免疫原性および抗原
性、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関する。次の親水性値が、これらのアミノ
酸残基に割り当てられた:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン
酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラ
ン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);
プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイ
ン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8)
;イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);
およびトリプトファン(−3.4)。同様の親水性値に基づく変化の作製において、そ
れらの親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好まれ、±1以内の置換が特に好まれ
、±0.5以内の置換がさらにより特に好まれる。親水性に基づいて、一次アミノ酸配列
からエピトープを同定することもできる。

0080

所望のアミノ酸置換(保存的であれ非保存的であれ)は、斯かる置換が望まれるときに
当業者によって決定され得る。例えば、アミノ酸置換は、HAタンパク質の重要な残基の
同定に、または本明細書に記載されているHAタンパク質の免疫原性、溶解性もしくは安
定性の増加もしくは減少に使用され得る。例示的なアミノ酸置換は、下の表2に示されて
いる。

0081

本明細書において、語句タンパク質活性に有意に影響するは、タンパク質の活性の少
なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なく
とも50%減少を指す。本発明に関して、斯かる活性は、インフルエンザウイルスに対す
る中和抗体を含む抗体を誘発する能力であってよい。抗体産生の決定は、インフルエンザ
ウイルスに対する斯かる抗体の力価を測定することにより、または誘発された抗体によっ
て結合される型、亜型もしくは系統の数を測定することにより測定され得る。抗体力価
決定する方法およびウイルス中和アッセイを行う方法は、当業者にとって公知である。上
述の活性に加えて、測定され得る他の活性の例として、赤血球細胞を凝集させる能力、シ
アル酸に結合する能力または細胞に対するタンパク質の結合親和性が挙げられる。斯かる
活性を測定する方法は、当業者にとって公知である。

0082

よって、一実施形態において、本発明のナノ粒子は、インフルエンザウイルスのいずれ
かの型、亜型、系統またはこれらの組合せ由来の1つまたは複数のHAタンパク質由来の
アミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも
92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99
%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質由来の免疫原性部分を備える融合タン
パク質を備える。ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、A型インフルエンザウ
イルス、B型インフルエンザウイルスおよびC型インフルエンザウイルスからなる群から
選択される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に由来する。
ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、群1インフルエンザウイルスおよび群2
インフルエンザウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイ
ルス由来のHAタンパク質に由来する。一実施形態において、免疫原性部分は、H1イン
フルエンザウイルス、H2インフルエンザウイルス、インフルエンザH3ウイルス、イン
フルエンザH4ウイルス、インフルエンザH5ウイルス、インフルエンザH6ウイルス、
H7インフルエンザウイルス、H8インフルエンザウイルス、H9インフルエンザウイル
ス、H10インフルエンザウイルス、H11インフルエンザウイルス、H12インフルエ
ンザウイルス、H13インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、H15
インフルエンザウイルス、H16インフルエンザウイルス、H17インフルエンザウイル
ス、H18インフルエンザウイルスおよびインフルエンザ系列Bウイルスからなる群から
選択される1つまたは複数のウイルス由来のHAタンパク質のアミノ酸配列と、少なくと
も80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%
、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列
を備える1つまたは複数のHAタンパク質に由来する。ある特定の実施形態において、免
疫原性部分は、A/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)、A/カリフォルニ
ア/04/2009(H1N1)、A/シンガポール/1/1957(H2N2)、A/
香港/1/1968(H3N2)、A/ブリスベン/10/2007(H3N2)、A/
インドネシア/05/2005(H5N1)、B/フロリダ/4/2006(インフルエ
ンザB)、A/パース/16/2009(H3N2)、A/ブリスベン/59/2007
(H1N1)、B/ブリスベン/60/2008(インフルエンザB)、A/ウィルソン
・スミス/33(H1N1)、A/天津/78/77(H1N1)、A/テキサス/36
/91(H1N1)、A/シンガポール/6/86(H1N1)、A/メンフィス/39
/83(H1N1)、A/マレーシア/54(H1N1)、A/アイオワ/43(H1N
1)、A/香港/117/77(H1N1)、A/フォート・モンマス/1/47(H1
N1)、A/ブリスベン/59/07(H1N1)、A/ベイラー/4052/81(H
1N1)、A/アルバニー/4835/48(H1N1)、A/香港/156/97(H
5N1)、A/カササギ/香港/5052/07(H5N1)、A/ニワトリ/シャンシ
ー/2/06(H5N1)、A/烏骨鶏/香港/SF189/01(H5N1)、A/ニ
トリ/河南/16/04(H5N1)、A/ビクトリア/361/11(H3N2)、
B/マサチューセッツ/2/12(インフルエンザB)、B/ブリスベン/60/08(
インフルエンザB)およびA/テキサス/50/12(H3N2)からなる群から選択さ
れる1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質のアミノ酸配列と、
少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくと
も94%、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミ
ノ酸配列を備えるHAタンパク質に由来する。ある特定の実施形態において、免疫原性部
分は、表1に収載されている1つまたは複数のHAタンパク質のアミノ酸配列と、少なく
とも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94
%、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配
列を備えるHAタンパク質に由来する。ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、
配列番号1〜配列番号62を備えるHAタンパク質からなる群から選択される1つまたは
複数のHAタンパク質のアミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なく
とも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98
%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質に由来する。
ある特定の実施形態において、免疫原性部分は、配列番号1〜配列番号62からなるHA
タンパク質からなる群から選択される1つまたは複数のHAタンパク質のアミノ酸配列と
、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なく
とも94%、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるア
ミノ酸配列を備えるHAタンパク質に由来する。

0083

当業者であれば、インフルエンザHAタンパク質が、異なる領域またはドメインを含有
することが理解できよう。斯かる領域の例として、ステム部領域および球状頭部領域が挙
げられる。よって、ナノ粒子に基づくインフルエンザワクチンは、いずれかのインフルエ
ンザHAタンパク質由来の免疫原性部分を使用して作製され得るが、好まれる実施形態に
おいて、免疫原性部分は、選択されたHAタンパク質の特異的領域またはドメインに由来
する。本発明の一実施形態は、融合タンパク質の異種集団を備えるナノ粒子であって、各
融合タンパク質が、ナノ粒子へと集合することができる単量体サブユニットタンパク質(
すなわち、自己集合(SA)タンパク質)由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸に
接続された、インフルエンザHAタンパク質の球状頭部領域由来の少なくとも1個の免疫
原性部分を備え、融合タンパク質の異種集団が、融合タンパク質の少なくとも2つの異な
る種を備えるナノ粒子である。インフルエンザA HAタンパク質の(およそ)アミノ酸
残基52〜277(H3ナンバリング方式)を備える球状頭部領域は、排他的に、HA1
ポリペプチドの主要部分からなり、2個のドメインを含む:受容体結合ドメイン(RBD
)および痕跡的なエステラーゼサブドメイン。球状頭部領域の一例は、配列番号1〜62
からなる群から選択されるアミノ酸配列に対応する領域を備えるHAタンパク質由来のア
ミノ酸52〜277によって表される。一実施形態において、免疫原性部分は、A型イン
フルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスおよびC型インフルエンザウイルスか
らなる群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質
のアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも
90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%、
少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質の球状頭部領域に由来
する。一実施形態において、免疫原性部分は、群Iインフルエンザウイルスおよび群II
インフルエンザウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイ
ルス由来のHAタンパク質のアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少な
くとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも9
6%、少なくとも98%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパ
ク質の球状頭部領域に由来する。一実施形態において、免疫原性部分は、H1インフルエ
ンザウイルス、H2インフルエンザウイルス、インフルエンザH3ウイルス、インフルエ
ンザH4ウイルス、インフルエンザH5ウイルス、インフルエンザH6ウイルス、H7イ
ンフルエンザウイルス、H8インフルエンザウイルス、H9インフルエンザウイルス、H
10インフルエンザウイルス、H11インフルエンザウイルス、H12インフルエンザウ
イルス、H13インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、H15インフ
ルエンザウイルス、H16インフルエンザウイルス、H17インフルエンザウイルス、H
18インフルエンザウイルスおよびインフルエンザ系列(linage)Bウイルスから
なる群から選択される1つまたは複数のウイルス由来のHAタンパク質のアミノ酸配列と
同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくと
も92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%、少なくとも99%
同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質の球状頭部領域に由来する。一実施形態
において、免疫原性部分は、A/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)、A/
カリフォルニア/04/2009(H1N1)、A/シンガポール/1/1957(H2
N2)、A/香港/1/1968(H3N2)、A/ブリスベン/10/2007(H3
N2)、A/インドネシア/05/2005(H5N1)、B/フロリダ/4/2006
(インフルエンザB)、A/パース/16/2009(H3N2)、A/ブリスベン/5
9/2007(H1N1)、B/ブリスベン/60/2008(インフルエンザB)、A
/ウィルソン・スミス/33(H1N1)、A/天津/78/77(H1N1)、A/テ
キサス/36/91(H1N1)、A/シンガポール/6/86(H1N1)、A/メン
フィス/39/83(H1N1)、A/マレーシア/54(H1N1)、A/アイオワ/
43(H1N1)、A/香港/117/77(H1N1)、A/フォート・モンマス/1
/47(H1N1)、A/ブリスベン/59/07(H1N1)、A/ベイラー/405
2/81(H1N1)、A/アルバニー/4835/48(H1N1)、A/香港/15
6/97(H5N1)、A/カササギ/香港/5052/07(H5N1)、A/ニワト
リ/シャンシー/2/06(H5N1)、A/烏骨鶏/香港/SF189/01(H5N
1)、A/ニワトリ/河南/16/04(H5N1)、A/ビクトリア/361/11(
H3N2)、B/マサチューセッツ/2/12(インフルエンザB)、B/ブリスベン/
60/08(インフルエンザB)およびA/テキサス/50/12(H3N2)からなる
群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質のアミ
ノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%
、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも98%、少なく
とも99%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質の球状頭部領域に由来する。
一実施形態において、免疫原性部分は、表1に収載されている1つまたは複数のHAタン
パク質のアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少な
くとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、少なくとも9
8%、少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を備えるHAタンパク質の球状頭部領域
に由来する。

0084

記述されてきた通り、球状頭部領域は、いくつかの他の領域またはドメインを備える。
よって、当業者によって、自己集合する融合タンパク質の免疫原性部分が、1つまたは複
数のインフルエンザウイルスHAタンパク質由来の球状頭部領域由来の断片であってよい
ことが認められよう。一実施形態において、免疫原性部分は、インフルエンザウイルスH
Aタンパク質の球状頭部領域由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、
少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、
少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも
130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、
少なくとも180、少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基
を備える。一実施形態において、免疫原性部分は、A型インフルエンザウイルス、B型イ
ンフルエンザウイルスおよびC型インフルエンザウイルスからなる群から(form)選
択される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質またはそのバリ
アントの球状頭部領域由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なく
とも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なく
とも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130
、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なく
とも180、少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備え
る。一実施形態において、免疫原性部分は、群Iインフルエンザウイルスおよび群IIイ
ンフルエンザウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイル
ス由来のHAタンパク質またはそのバリアントの球状頭部領域由来の少なくとも10、少
なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少
なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110
、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なく
とも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190または少なくとも
200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、免疫原性部分は、H1
インフルエンザウイルス、H2インフルエンザウイルス、インフルエンザH3ウイルス、
インフルエンザH4ウイルス、インフルエンザH5ウイルス、インフルエンザH6ウイル
ス、H7インフルエンザウイルス、H8インフルエンザウイルス、H9インフルエンザウ
イルス、H10インフルエンザウイルス、H11インフルエンザウイルス、H12インフ
ルエンザウイルス、H13インフルエンザウイルス、H14インフルエンザウイルス、H
15インフルエンザウイルス、H16インフルエンザウイルス、H17インフルエンザウ
イルス、H18インフルエンザウイルスおよびインフルエンザ系列Bウイルスからなる群
から選択される1つまたは複数のウイルス由来のHAタンパク質またはそのバリアントの
球状頭部領域由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40
、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90
、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なく
とも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも18
0、少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実
施形態において、免疫原性部分は、A/ニューカレドニア/20/1999(H1N1)
、A/カリフォルニア/04/2009(H1N1)、A/シンガポール/1/1957
(H2N2)、A/香港/1/1968(H3N2)、A/ブリスベン/10/2007
(H3N2)、A/インドネシア/05/2005(H5N1)、B/フロリダ/4/2
006(インフルエンザB)、A/パース/16/2009(H3N2)、A/ブリスベ
ン/59/2007(H1N1)、B/ブリスベン/60/2008(インフルエンザB
)、A/ウィルソン・スミス/33(H1N1)、A/天津/78/77(H1N1)、
A/テキサス/36/91(H1N1)、A/シンガポール/6/86(H1N1)、A
/メンフィス/39/83(H1N1)、A/マレーシア/54(H1N1)、A/アイ
オワ/43(H1N1)、A/香港/117/77(H1N1)、A/フォート・モンマ
ス/1/47(H1N1)、A/ブリスベン/59/07(H1N1)、A/ベイラー/
4052/81(H1N1)、A/アルバニー/4835/48(H1N1)、A/香港
/156/97(H5N1)、A/カササギ/香港/5052/07(H5N1)、A/
ニワトリ/シャンシー/2/06(H5N1)、A/烏骨鶏/香港/SF189/01(
H5N1)、A/ニワトリ/河南/16/04(H5N1)、A/ビクトリア/361/
11(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/12(インフルエンザB)、B/ブリス
ベン/60/08(インフルエンザB)およびA/テキサス/50/12(H3N2)か
らなる群から選択される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質
またはそのバリアントの球状頭部領域に対応する領域由来の少なくとも10、少なくとも
20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも
70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なく
とも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも16
0、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190または少なくとも200個
の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、免疫原性部分は、表1に収載さ
れている1つまたは複数のHAタンパク質またはそのバリアントの球状頭部領域に対応す
る領域由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少な
くとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少な
くとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも1
40、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少
なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態
において、免疫原性部分は、配列番号1〜配列番号31からなる群から選択される配列を
備える1つまたは複数のHAタンパク質またはそのバリアントの球状頭部領域に対応する
領域由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なく
とも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なく
とも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも14
0、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少な
くとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。

0085

球状頭部領域の特に有用な部分は、受容体結合ドメイン(RBD)である。受容体結合
ドメインは、インフルエンザAHAタンパク質の(およそ)アミノ酸残基56〜264
(H3ナンバリング方式)を備える。本発明の一実施形態は、融合タンパク質の異種集団
を備えるナノ粒子であって、各融合タンパク質が、ナノ粒子へと集合することができる単
量体サブユニットタンパク質(すなわち、自己集合(SA)タンパク質)由来の少なくと
も25個の連続したアミノ酸に接続された、インフルエンザHAタンパク質のRBD由来
の少なくとも1個の免疫原性部分を備え、融合タンパク質の異種集団が、融合タンパク質
の少なくとも2つの異なる種を備えるナノ粒子である。一実施形態において、免疫原性部
分は、1つまたは複数のインフルエンザウイルスHAタンパク質の受容体結合ドメイン(
RBD)由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少
なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少
なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも
140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、
少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形
態において、免疫原性部分は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイル
スおよびC型インフルエンザウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のインフ
ルエンザウイルス由来のHAタンパク質またはそのバリアントのRBD由来の少なくとも
10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも
60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくと
も110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150
、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190または少
なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、免疫原性部分
は、群1インフルエンザウイルスおよび群2インフルエンザウイルスからなる群から選択
される1つまたは複数のインフルエンザウイルス由来のHAタンパク質またはそのバリア
ントのRBD由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40
、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90
、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なく
とも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも18
0、少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実
施形態において、免疫原性部分は、H1インフルエンザウイルス、H2インフルエンザウ
イルス、インフルエンザH3ウイルス、インフルエンザH4ウイルス、インフルエンザH
5ウイルス、インフルエンザH6ウイルス、H7インフルエンザウイルス、H8インフル
エンザウイルス、H9インフルエンザウイルス、H10インフルエンザウイルス、H11
インフルエンザウイルス、H12インフルエンザウイルス、H13インフルエンザウイル
ス、H14インフルエンザウイルス、H15インフルエンザウイルス、H16インフルエ
ンザウイルス、H17インフルエンザウイルス、H18インフルエンザウイルスおよびイ
ンフルエンザ系列Bウイルスからなる群から選択される1つまたは複数のウイルス由来の
HAタンパク質またはそのバリアントのRBD由来の少なくとも10、少なくとも20、
少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、
少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも1
20、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少
なくとも170、少なくとも180、少なくとも190または少なくとも200個の連続
したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、免疫原性部分は、A/ニューカレドニ
ア/20/1999(H1N1)、A/カリフォルニア/04/2009(H1N1)、
A/シンガポール/1/1957(H2N2)、A/香港/1/1968(H3N2)、
A/ブリスベン/10/2007(H3N2)、A/インドネシア/05/2005(H
5N1)、B/フロリダ/4/2006(インフルエンザB)、A/パース/16/20
09(H3N2)、A/ブリスベン/59/2007(H1N1)、B/ブリスベン/6
0/2008(インフルエンザB)、A/ウィルソン・スミス/33(H1N1)、A/
天津/78/77(H1N1)、A/テキサス/36/91(H1N1)、A/シンガポ
ール/6/86(H1N1)、A/メンフィス/39/83(H1N1)、A/マレーシ
ア/54(H1N1)、A/アイオワ/43(H1N1)、A/香港/117/77(H
1N1)、A/フォート・モンマス/1/47(H1N1)、A/ブリスベン/59/0
7(H1N1)、A/ベイラー/4052/81(H1N1)、A/アルバニー/483
5/48(H1N1)、A/香港/156/97(H5N1)、A/カササギ/香港/5
052/07(H5N1)、A/ニワトリ/シャンシー/2/06(H5N1)、A/烏
骨鶏/香港/SF189/01(H5N1)、A/ニワトリ/河南/16/04(H5N
1)、A/ビクトリア/361/11(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/12(
インフルエンザB)、B/ブリスベン/60/08(インフルエンザB)およびA/テキ
サス/50/12(H3N2)からなる群から選択される1つまたは複数のインフルエン
ザウイルス由来のHAタンパク質またはそのバリアントのRBD由来の少なくとも10、
少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、
少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも11
0、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少な
くとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190または少なくと
も200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、免疫原性部分は、表
1に収載されている1つまたは複数のHAタンパク質またはそのバリアントのRBD由来
の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50
、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも10
0、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少な
くとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも1
90または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態において、
免疫原性部分は、配列番号32〜配列番号62からなる群から選択される配列と、少なく
とも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94
%、少なくとも96%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配
列由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくと
も50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくと
も100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140
、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なく
とも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備える。一実施形態にお
いて、免疫原性部分は、配列番号32〜配列番号62からなる群から選択される1つまた
は複数のアミノ酸配列由来の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なく
とも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なく
とも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130
、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なく
とも180、少なくとも190または少なくとも200個の連続したアミノ酸残基を備え
る。一実施形態において、免疫原性部分は、配列番号32〜配列番号62からなる群から
選択される1つまたは複数のアミノ酸配列を備える。

0086

本明細書に記載されている通り、その表面にインフルエンザHAタンパク質の免疫原性
部分を発現するナノ粒子を形成するために、各免疫原性部分は、自己集合(SA)サブユ
ニットタンパク質またはその機能的部分もしくはバリアントに接続され、これにより、赤
血球凝集素−自己集合(HA−SA)融合タンパク質を形成する。発現後に、HA−SA
融合タンパク質は、その表面にHAタンパク質の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと集
合する。その結果得られる融合タンパク質が、ナノ粒子へと自己集合することができるの
であれば、いかなる自己集合サブユニットタンパク質またはそのバリアントが、本発明の
融合タンパク質の産生に使用されてもよい。本発明の融合タンパク質の構築に有用な自己
集合サブユニットタンパク質の例として、フェリチン、エンカプスリン、硫黄オキシゲナ
ーゼレダクターゼ、ルマジンシンターゼ、ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラー
ゼ(E2)、チクングニアウイルスエンベロープタンパク質ならびにこれらの断片および
/またはバリアントが挙げられるがそれらに限定されない。

0087

一実施形態において、自己集合タンパク質は、フェリチンである。あらゆる動物、細菌
および植物に存在するフェリチンは、ミネラル化コアからのまたはそれへの水和鉄イオン
およびプロトン輸送により多核Fe(III)2O3形成の速度および位置を制御する
ように主に作用する、球形タンパク質複合体を形成する。フェリチンの球形形態は、およ
そ17〜20kDaの分子量を有するポリペプチドである、単量体サブユニットタンパク
質(単量体フェリチンサブユニットとも称される)で構成されている。単量体フェリチン
サブユニットの配列の例は、配列番号64、配列番号67および配列番号69によって表
される。各単量体フェリチンサブユニットは、4本のヘリックス束の長軸に対して大体垂
直に位置する第5のより短いヘリックス(c末端ヘリックス)を有する、4本の逆平行
リックスモチーフを含むヘリックス束の位相幾何学を有する。慣例に従い、ヘリックスは
、それぞれN末端から「A、B、CおよびD&E」と標識される。N末端配列は、カプシ
ド3回回転軸に隣接して位置し、表面へと伸長するが、Eヘリックスは、4回回転軸にお
いて一体にパック化し、C末端は、粒子コアへと伸長する。このパック化の帰結は、カプ
シド表面に2個のポアを生ずる。理論による制約を企図するものではないが、これらのポ
アの一方または両方が、水和鉄が拡散してカプシドを出入りするポイントを表すことが予
想される。産生後に、このような単量体フェリチンサブユニットタンパク質は、球形フェ
リチンタンパク質へと自己集合する。その結果、フェリチンの球形形態は、24個の単量
体フェリチンサブユニットタンパク質を備え、432対称性を有するカプシド様構造を有
する。

0088

本発明において、本発明の単量体フェリチンサブユニットは、タンパク質の球形形態へ
の単量体フェリチンサブユニットの自己集合を導くことができる、フェリチンタンパク質
の全長単一ポリペプチドまたはそのいずれかの部分である。単量体フェリチンサブユニッ
トが、その表面にインフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免疫原性部分を呈示する
ナノ粒子へと融合タンパク質の自己集合を導くことができる限りにおいて、いずれか公知
のフェリチンタンパク質の単量体フェリチンサブユニット由来のアミノ酸配列が、本発明
の融合タンパク質の産生に使用されてよい。一実施形態において、単量体フェリチンサブ
ユニットは、細菌フェリチンタンパク質、植物フェリチンタンパク質、藻類フェリチンタ
ンパク質、昆虫フェリチンタンパク質、真菌フェリチンタンパク質および哺乳類フェリチ
ンタンパク質からなる群から選択される。一実施形態において、単量体フェリチンサブユ
ニットは、ヘリコバクター・ピロリに由来する。一実施形態において、単量体フェリチン
サブユニットは、大腸菌(E.coli)に由来する。一実施形態において、単量体フェ
リチンサブユニットは、ウシガエルフェリチンである。一実施形態において、単量体フェ
リチンサブユニットは、H.ピロリ(H.pylori)フェリチン、大腸菌フェリチン
およびウシガエルフェリチンからなる群から選択される2つ以上のフェリチンタンパク質
由来のアミノ酸配列を接続することによって作製されたハイブリッドフェリチンタンパク
質である。本発明の代表的なフェリチンタンパク質由来のアミノ酸配列は、配列番号64
(H.ピロリフェリチン)、配列番号66(大腸菌フェリチン)、配列番号70(ウシ
エルフェリチン)として本明細書に開示されている。本発明の代表的なハイブリッドフェ
リチンタンパク質の例として、配列番号73(H.ピロリフェリチン−ウシガエルフェリ
チン融合体)および配列番号76(大腸菌フェリチン−ウシガエルフェリチン融合体)が
挙げられる。一実施形態において、本発明のナノ粒子は、配列番号64、配列番号67、
配列番号70、配列番号73および配列番号76からなる群から選択されるアミノ酸配列
を備える融合タンパク質を含有する。

0089

一実施形態において、自己集合タンパク質は、エンカプスリンである。本発明において
、本発明の単量体エンカプスリンサブユニットは、ナノ粒子へと単量体エンカプスリンサ
ブユニットの自己集合を導くことができる、エンカプスリンタンパク質の全長単一ポリ
プチドまたはそのいずれかの部分である。単量体エンカプスリンサブユニットが、その表
面にインフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと
融合タンパク質の自己集合を導くことができる限りにおいて、いずれか公知のエンカプス
リンタンパク質の単量体エンカプスリンサブユニット由来のアミノ酸配列が、本発明の融
合タンパク質の産生に使用されてよい。代表的なエンカプスリンタンパク質のアミノ酸配
列は、配列番号79として本明細書に開示されている。エンカプスリンの球形形態は、6
0個の単量体エンカプスリンサブユニットタンパク質を備える。

0090

一実施形態において、自己集合タンパク質は、人工設計されたサルモネラ・エンテリテ
ィディス(Salmonella enteritis)03−33サブユニットタンパ
ク質である。本発明において、本発明の単量体03−33サブユニットは、ナノ粒子へと
単量体03−33サブユニットの自己集合を導くことができる、03−33タンパク質の
全長単一ポリペプチドまたはそのいずれかの部分である。単量体03−33サブユニット
が、その表面にインフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免疫原性部分を呈示するナ
ノ粒子へと融合タンパク質の自己集合を導くことができる限りにおいて、いずれか公知の
03−33タンパク質の単量体03−33サブユニット由来のアミノ酸配列が、本発明の
融合タンパク質の産生に使用されてよい。代表的な03−33タンパク質のアミノ酸配列
は、配列番号82として本明細書に開示されている。

0091

一実施形態において、自己集合タンパク質は、硫黄オキシゲナーゼレダクターゼ(SO
R)である。本発明において、本発明の単量体SORサブユニットは、ナノ粒子へと単量
体SORサブユニットの自己集合を導くことができる、SORタンパク質の全長単一ポリ
ペプチドまたはそのいずれかの部分である。単量体SORサブユニットが、その表面にイ
ンフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと融合タ
ンパク質の自己集合を導くことができる限りにおいて、いずれか公知のSORタンパク質
の単量体SORサブユニット由来のアミノ酸配列が、本発明の融合タンパク質の産生に使
用されてよい。代表的なSORタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号85として本明細
書に開示されている。SORの球形形態は、24個の単量体SORサブユニットタンパク
質を備える。

0092

一実施形態において、自己集合タンパク質は、ルマジンシンターゼ(LS)である。本
発明において、本発明の単量体LSサブユニットは、ナノ粒子へと単量体LSサブユニッ
トの自己集合を導くことができる、LSタンパク質の全長単一ポリペプチドまたはそのい
ずれかの部分である。単量体LSサブユニットが、その表面にインフルエンザウイルスH
Aタンパク質由来の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと融合タンパク質の自己集合を導
くことができる限りにおいて、いずれか公知のLSタンパク質の単量体LSサブユニット
由来のアミノ酸配列が、本発明の融合タンパク質の産生に使用されてよい。代表的なLS
タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号88として本明細書に開示されている。LSの球
形形態は、12個の五量体単位を備える60個の単量体サブユニットカプシドを備える。

0093

一実施形態において、自己集合タンパク質は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(P
DC)ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(E2p)である。本発明におい
て、本発明の単量体E2pサブユニットは、ナノ粒子へと単量体E2pサブユニットの自
己集合を導くことができる、E2pタンパク質の全長単一ポリペプチドまたはそのいずれ
かの部分である。単量体E2pサブユニットが、その表面にインフルエンザウイルスHA
タンパク質由来の免疫原性部分を呈示するナノ粒子へと融合タンパク質の自己集合を導く
ことができる限りにおいて、いずれか公知のE2pタンパク質の単量体E2pサブユニッ
ト由来のアミノ酸配列が、本発明の融合タンパク質の産生に使用されてよい。代表的なE
2pタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号91として本明細書に開示されている。

0094

一実施形態において、ナノ粒子は、チクングニアウイルス由来の自己集合タンパク質を
備える。特に、ナノ粒子は、チクングニアウイルス(CHKV)由来の1つまたは複数の
構造タンパク質(例えば、カプシド、E1、E2およびE3)を備える。CHKVからナ
ノ粒子を形成させる方法は、本明細書に開示されており、その全体を本明細書に援用する
米国特許出願第13/131,287号においても教示されている。本発明において、C
HKV構造タンパク質は、ナノ粒子へと単量体構造タンパク質の自己集合を導くことがで
きる、CHKVエンベロープタンパク質の全長単一ポリペプチドまたはそのいずれかの部
分である。アミノ酸配列が、その表面にインフルエンザウイルスHAタンパク質由来の免
疫原性部分を呈示するナノ粒子へと融合タンパク質の自己集合を導くことができる限りに
おいて、いずれか公知のCHKVウイルス由来の構造タンパク質のアミノ酸配列が、本発
明の融合タンパク質の産生に使用されてよい。当業者であれば、CHKVタンパク質が、
その後に個々のタンパク質へと切断されるポリタンパク質として発現されることが理解で
きよう。代表的なCHKVポリタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号94として本明細
書に開示されている。ポリタンパク質の切断およびウイルス様粒子の形成後に、免疫原性
部分が適切にフォールドされ、ナノ粒子の表面に呈示されるように、免疫原性部分のアミ
ノ酸配列が、ポリタンパク質に挿入され得ることをさらに理解されたい。

0095

本発明のHA−SA融合タンパク質は、自己集合タンパク質の単量体サブユニットポリ
ペプチドの全長配列を備える必要はない。部分が、ナノ粒子へとHA−SA融合タンパク
質の自己集合を導くアミノ酸配列を備える限りにおいて、単量体SAサブユニットタンパ
ク質の部分または領域が利用されてよい。斯かる部分の一例は、ヘリコバクター・ピロリ
フェリチンタンパク質(配列番号64)のアミノ酸5〜167の間に位置する。フェリチ
ンタンパク質のより特異的な領域は、その全体を本明細書に援用するチャン、ワイ(Zh
ang, Y.)フェリチンNano−Cageタンパク質スーパーファミリーにおける
自己集合(Self−Assembly in the Ferritin Nano−
Cage Protein Super Family).2011,Int.J.Mo
l.Sci.,12,5406−5421に記載されている。

0096

本発明の一実施形態は、HA−SA融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であ
って、各HA−SA融合タンパク質が、フェリチン、エンカプスリン、硫黄オキシゲナー
ゼレダクターゼ、ルマジンシンターゼおよびピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PDC
)ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(E2)からなる群から選択されるタ
ンパク質由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミ
ノ酸、少なくとも75個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸ま
たは少なくとも150個の連続したアミノ酸に接続された、インフルエンザウイルスHA
タンパク質の少なくとも1個の免疫原性部分を備え、HA−SA融合タンパク質が、ナノ
粒子へと集合されることが可能なナノ粒子である。本発明の一実施形態は、HA−SA融
合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であって、各HA−SA融合タンパク質が、
配列番号64、配列番号67、配列番号70、配列番号73、配列番号76、配列番号7
9、配列番号82、配列番号85、配列番号88、配列番号91および配列番号94から
なる群から選択されるアミノ酸配列由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸、少なく
とも50個の連続したアミノ酸、少なくとも75個の連続したアミノ酸、少なくとも10
0個の連続したアミノ酸または少なくとも150個の連続したアミノ酸に接続された、イ
ンフルエンザウイルスHAタンパク質の少なくとも1個の免疫原性部分を備え、HA−S
A融合タンパク質が、ナノ粒子へと集合されることが可能なナノ粒子である。本発明の一
実施形態は、HA−SA融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であって、各融合
タンパク質が、配列番号64のアミノ酸残基5〜167を備えるフェリチンタンパク質の
領域由来の少なくとも25個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミノ酸
、少なくとも75個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸または
少なくとも150個の連続したアミノ酸に接続された、インフルエンザウイルスHAタン
パク質の少なくとも1個の免疫原性部分を備え、HA−SA融合タンパク質が、ナノ粒子
へと集合されることが可能なナノ粒子である。

0097

以前に記述された通り、タンパク質の活性に影響することがないある程度の変異がタン
パク質のアミノ酸配列において作製されてよいことが本技術分野において周知である。斯
かる変異は、アミノ酸残基の挿入、アミノ酸残基の欠失およびアミノ酸残基の置換を含む
。よって、一実施形態において、バリアントSAタンパク質サブユニットが、マウス等の
動物に導入される際に、天然SAタンパク質と反応する抗体の産生をもたらさないように
、SAタンパク質サブユニットの配列は、自然に見られるSAタンパク質サブユニットの
配列とは十分に相違する。本発明において、斯かる単量体サブユニットは、免疫原性的に
中性と称される。本発明の一実施形態は、HA−SA融合タンパク質の不均一集団を備え
るナノ粒子であって、各融合タンパク質が、ナノ粒子へと自己集合することができる単量
体SAタンパク質サブユニットタンパク質のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくと
も85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも97%同一であるアミ
ノ酸配列に接続された、インフルエンザウイルスHAタンパク質由来の少なくとも1個の
免疫原性部分を備え、HA−SA融合タンパク質が、ナノ粒子へと自己集合することがで
きるナノ粒子である。一実施形態において、HA−SA融合タンパク質は、フェリチン、
エンカプスリン、硫黄オキシゲナーゼレダクターゼ、ルマジンシンターゼ、ピルビン酸
ヒドロゲナーゼ複合体(PDC)ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(E2
)およびCHKVの構造タンパク質からなる群から選択される単量体SAタンパク質サブ
ユニットと配列が同一のポリペプチド配列を備える。本発明の一実施形態は、HA−SA
融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であって、各融合タンパク質が、フェリチ
ン、エンカプスリン、硫黄オキシゲナーゼレダクターゼ、ルマジンシンターゼ、ピルビン
デヒドロゲナーゼ複合体(PDC)ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラーゼ(
E2)およびCHKVのエンベロープタンパク質からなる群から選択される単量体SAタ
ンパク質サブユニットのアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくと
も90%、少なくとも95%または少なくとも97%同一であるアミノ酸配列に接続され
た、本発明の少なくとも1個のインフルエンザウイルスHAタンパク質免疫原性部分を備
え、HA−SA融合タンパク質が、ナノ粒子へと自己集合することができるナノ粒子であ
る。本発明の一実施形態は、HA−SA融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子で
あって、各融合タンパク質が、配列番号64、配列番号67、配列番号70、配列番号7
3、配列番号76、配列番号79、配列番号82、配列番号85、配列番号88、配列番
号91および配列番号94からなる群から選択される配列と少なくとも80%、少なくと
も85%、少なくとも90%、少なくとも95%および少なくとも97%同一であるアミ
ノ酸配列に接続された、本発明のインフルエンザHAタンパク質の少なくとも1個の免疫
原性部分を備え、HA−SA融合タンパク質が、ナノ粒子へと自己集合することができる
ナノ粒子である。

0098

本発明の一部の実施形態において、インフルエンザウイルスHAタンパク質の免疫原性
部分と、SAタンパク質のアミノ酸配列は、互いに直接的に接続されてよい。他の実施形
態において、様々なドメインが適切な特殊な配向で存在できるように、リンカースペ
サー配列とも称される)を用いることが必要になる場合がある。リンカー配列は、インフ
ルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する能力を維持するような仕方で、インフルエ
ンザウイルスHAタンパク質の免疫原性部分を配置するように設計される。本発明のリン
カー配列は、アミノ酸を備える。使用に好ましいアミノ酸は、小型の側鎖を有するアミノ
酸および/または電荷がないアミノ酸である。斯かるアミノ酸は、融合タンパク質の適切
フォールディングおよび活性に干渉する可能性が低い。したがって、単独のまたは組み
合わせたリンカー配列における使用に好まれるアミノ酸は、セリン、グリシンおよびアラ
ニンである。斯かるリンカー配列の例として、SG、SGG、GSG、GGおよびGGS
GGが挙げられるがそれらに限定されない。アミノ酸は、必要に応じて足されても、引か
れても、または再編成されてもよい。当業者は、本発明のタンパク質に適正なリンカー配
列を決定することができる。

0099

リンカー配列に加えて、本発明の融合タンパク質は、他の異種アミノ酸配列を備えるこ
ともできる。例えば、融合タンパク質は、適切な細胞経路へと融合タンパク質を導くシグ
ナル配列を備えることができる。例えば、シグナル配列は、適切にグリコシル化および分
泌されるように、ERゴルジ複合体へとタンパク質を導くことができる。所望の様式で
融合タンパク質を導く限りにおいて、いかなるシグナル配列が使用されてもよい。本発明
の融合タンパク質の調製に有用なシグナル配列の例として、ウシプロラクチン由来のシグ
ナル配列、ヒトCD5シグナル配列およびCHIKVシグナル配列が挙げられるがそれら
に限定されない。

0100

本発明の融合タンパク質は、切断配列を含有することもできる。例えば、融合タンパク
質においてインフルエンザHAタンパク質由来の2個以上の免疫原性部分が一体に連結さ
れた実施形態において、タンパク質の発現後に、様々なドメインが互いに切断されるよう
に、酵素切断部位が、融合タンパク質のセグメント(例えば、免疫原性部分、SAタンパ
ク質、リンカー配列等)の間に含まれていてよい。いかなる切断配列が、本発明の融合タ
ンパク質の調製に使用されてもよい。斯かる切断配列の例は、フーリンおよび2A切断配
列である。例示的な実施形態は、図2において例証されている。

0101

一部の実施形態において、本発明の融合タンパク質のアミノ酸配列において突然変異を
遺伝子操作することが有用となり得る。例えば、融合タンパク質に有益な特性(例えば、
安定性、溶解性、半減期免疫監視からのタンパク質のマスク部分立体障害(hind
erance)の回避等)を与えるために、単量体SAタンパク質、リンカー配列または
インフルエンザHAタンパク質の免疫原性部分における酵素認識部位またはグリコシル化
部位等の部位を変更することが有用となり得る。例えば、フェリチンの単量体サブユニッ
トは、天然にはグリコシル化されないことが公知である。しかし、哺乳類または酵母細胞
において分泌タンパク質として発現される場合、これはグリコシル化され得る。よって、
一実施形態において、突然変異されたフェリチンサブユニット配列が、突然変異された部
位においてもはやグリコシル化されないように、単量体フェリチンサブユニット由来のア
ミノ酸配列における潜在的N結合型グリコシル化部位は突然変異される。突然変異を導入
するべき有用な部位の例として、インフルエンザウイルスHAタンパク質のアミノ酸残基
98および264が挙げられるがそれらに限定されない。

0102

本発明の一実施形態は、本発明の核酸分子によってコードされる融合タンパク質である
。本発明の一実施形態は、配列番号96、配列番号99、配列番号102、配列番号10
5、配列番号108、配列番号111、配列番号114、配列番号117、配列番号12
0、配列番号123、配列番号126、配列番号129、配列番号132、配列番号13
5、配列番号138、配列番号141、配列番号144、配列番号147、配列番号15
0、配列番号153、配列番号156、配列番号159、配列番号162、配列番号16
5、配列番号168、配列番号171、配列番号174、配列番号177、配列番号18
0、配列番号183、配列番号186および配列番号189からなる群から選択される配
列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少な
くとも95%、少なくとも97%同一である核酸配列を備える核酸分子によってコードさ
れる融合タンパク質である。本発明の一実施形態は、配列番号96、配列番号99、配列
番号102、配列番号105、配列番号108、配列番号111、配列番号114、配列
番号117、配列番号120、配列番号123、配列番号126、配列番号129、配列
番号132、配列番号135、配列番号138、配列番号141、配列番号144、配列
番号147、配列番号150、配列番号153、配列番号156、配列番号159、配列
番号162、配列番号165、配列番号168、配列番号171、配列番号174、配列
番号177、配列番号180、配列番号183、配列番号186および配列番号189か
らなる群から選択される核酸配列を備える核酸分子によってコードされる融合タンパク質
である。本発明の一実施形態は、配列番号96、配列番号99、配列番号102、配列番
号105、配列番号108、配列番号111、配列番号114、配列番号117、配列番
号120、配列番号123、配列番号126、配列番号129、配列番号132、配列番
号135、配列番号138、配列番号141、配列番号144、配列番号147、配列番
号150、配列番号153、配列番号156、配列番号159、配列番号162、配列番
号165、配列番号168、配列番号171、配列番号174、配列番号177、配列番
号180、配列番号183、配列番号186および配列番号189からなる群から選択さ
れる核酸配列からなる核酸分子によってコードされる融合タンパク質である。

0103

本発明の一実施形態は、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号1
06、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号1
21、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号133、配列番号1
36、配列番号139、配列番号142、配列番号145、配列番号148、配列番号1
51、配列番号154、配列番号157、配列番号160、配列番号163、配列番号1
66、配列番号169、配列番号172、配列番号175、配列番号178、配列番号1
81、配列番号184、配列番号187および配列番号190からなる群から(form
)選択されるアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、
少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を備え
る融合タンパク質である。本発明の一実施形態は、配列番号97、配列番号100、配列
番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号112、配列番号115、配列
番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号127、配列番号130、配列
番号133、配列番号136、配列番号139、配列番号142、配列番号145、配列
番号148、配列番号151、配列番号154、配列番号157、配列番号160、配列
番号163、配列番号166、配列番号169、配列番号172、配列番号175、配列
番号178、配列番号181、配列番号184、配列番号187および配列番号190か
らなる群から(form)選択されるアミノ酸配列からなる融合タンパク質である。

0104

本発明の融合タンパク質は、本発明の核酸分子によってコードされる。加えて、これは
、本発明の核酸構築物によって発現される。本明細書において、核酸構築物は、組換え発
ベクターである、すなわち、核酸構築物が、例えば対象または器官組織または細胞に
投与されると、核酸分子がタンパク質の発現をもたらすことができるように、タンパク質
をコードする核酸分子に連結されたベクターである。ベクターは、生物、組織または細胞
培養物等が挙げられるがこれらに限定されない、ある環境内の細胞への核酸分子の輸送も
可能にする。本開示の核酸構築物は、ヒトの介入によって産生される。核酸構築物は、D
NA、RNAまたはそれらのバリアントであってよい。ベクターは、DNAプラスミド
mRNAウイルスベクターまたは他のベクターであってよい。一実施形態において、ベ
クターは、サイトメガロウイルス(CMV)、レトロウイルスアデノウイルスアデノ
随伴ウイルス、ヘルペスウイルスワクシニアウイルスポリオウイルス、シンドビスウ
イルスまたは他のいずれかのDNAもしくはRNAウイルスベクターであってよい。一実
施形態において、ベクターは、偽型レンチウイルスまたはレトロウイルスベクターであっ
てよい。一実施形態において、ベクターは、DNAプラスミドであってよい。一実施形態
において、ベクターは、核酸分子送達および発現を可能にするウイルス構成成分およびプ
ラスミド構成成分を備えるDNAプラスミドであってよい。本開示の核酸構築物の構築の
ための方法は周知である。例えば、分子クローニング:実験マニュアル(Molecul
ar Cloning: a Laboratory Manual)、第3版、サムブ
ルックら(Sambrook et al.)、2001、コールドスプリングハーバー
研究所出版(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s)および分子生物学最新プロトコール(Current Protocols in
Molecular Biology)、オースベルら編(Ausubel et al
. eds.)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & So
ns)、1994を参照されたい。一実施形態において、ベクターは、CMV/Rまたは
CMV/R 8κB(本明細書において、CMV/R 8κbとも称される)等、CMV
Rプラスミド等、DNAプラスミドである。CMV/RおよびCMV/R 8κbの例
は、本明細書に提供されている。CMV/Rは、2006年8月22日公表のUS7,0
94,598(B2)にも記載されている。

0105

本明細書において、核酸分子は、本発明のHA−SA融合タンパク質をコードする核酸
配列を備える。核酸分子は、組換えにより、合成により、または組換えおよび合成手順
組合せにより産生され得る。本開示の核酸分子は、野生型核酸配列、または例えばヒトの
翻訳系によってより良く認識されるコドンを取り込むためのコドン修飾された核酸配列を
有することができる。一実施形態において、核酸分子は、N結合型グリコシル化部位をコ
ードするコドンを導入するため等、異なるアミノ酸をコードするコドンを導入または排除
するために遺伝子操作され得る。特に核酸配列が公知になれば、本開示の核酸分子を産生
する方法は、本技術分野において公知である。核酸構築物が、1つの核酸分子または2つ
以上の核酸分子を備えることができることが認められよう。核酸分子が、1つのタンパク
質または2つ以上のタンパク質をコードすることができることも認められよう。

0106

本発明の一実施形態は、本発明の融合タンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分
子である。本発明の一実施形態は、1つまたは複数のインフルエンザ赤血球凝集素タンパ
ク質の1個または複数の免疫原性部分に接続された単量体自己集合サブユニットタンパク
質を備える融合タンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分子である。本発明の一実
施形態は、本発明の1つまたは複数のインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来の1個
または複数の免疫原性部分と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、
少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一である1つまたは複数のア
ミノ酸配列を備える融合タンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分子であって、融
合タンパク質が、その表面に免疫原性部分を呈示するナノ粒子を形成することができる核
酸分子である。さらなる実施形態において、本発明の核酸分子は、本発明の単量体自己集
合サブユニットタンパク質のアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少な
くとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一であるアミ
ノ酸配列を備える融合タンパク質をコードする核酸配列であって、融合タンパク質が、そ
の表面に免疫原性部分を呈示するナノ粒子を形成することができる核酸配列を備える。一
実施形態において、本発明の核酸分子は、i)本発明の1つまたは複数のインフルエンザ
赤血球凝集素タンパク質由来の1個または複数の免疫原性部分と同一である、または少な
くとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも9
7%同一である1つまたは複数のアミノ酸配列;およびii)本発明の単量体自己集合サ
ブユニットタンパク質のアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくと
も85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一であるアミノ酸
配列を備える融合タンパク質をコードする核酸配列であって、融合タンパク質が、その表
面に免疫原性部分を呈示するナノ粒子を形成することができる核酸配列を備える。本発明
の一実施形態は、配列番号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配
列番号109、配列番号112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配
列番号124、配列番号127、配列番号130、配列番号133、配列番号136、配
列番号139、配列番号142、配列番号145、配列番号148、配列番号151、配
列番号154、配列番号157、配列番号160、配列番号163、配列番号166、配
列番号169、配列番号172、配列番号175、配列番号178、配列番号181、配
列番号184、配列番号187および配列番号190からなる群から(form)選択さ
れるアミノ酸配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくと
も90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を備える融合タ
ンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分子である。本発明の一実施形態は、配列番
号97、配列番号100、配列番号103、配列番号106、配列番号109、配列番号
112、配列番号115、配列番号118、配列番号121、配列番号124、配列番号
127、配列番号130、配列番号133、配列番号136、配列番号139、配列番号
142、配列番号145、配列番号148、配列番号151、配列番号154、配列番号
157、配列番号160、配列番号163、配列番号166、配列番号169、配列番号
172、配列番号175、配列番号178、配列番号181、配列番号184、配列番号
187および配列番号190からなる群から(form)選択されるアミノ酸配列を備え
る融合タンパク質をコードする核酸配列を備える核酸分子である。本発明の一実施形態は
、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号101、配列番号102、配列
番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号108、配列番号110、配列
番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号117、配列
番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号125、配列
番号126、配列番号128、配列番号129、配列番号131、配列番号132、配列
番号134、配列番号135、配列番号137、配列番号138、配列番号140、配列
番号141、配列番号143、配列番号144、配列番号146、配列番号147、配列
番号149、配列番号150、配列番号152、配列番号153、配列番号155、配列
番号156、配列番号158、配列番号159、配列番号161、配列番号162、配列
番号164、配列番号165、配列番号167、配列番号168、配列番号170、配列
番号171、配列番号173、配列番号174、配列番号176、配列番号177、配列
番号179、配列番号180、配列番号182、配列番号183、配列番号185、配列
番号186、配列番号188、配列番号189および配列番号191からなる群から(f
orm)選択される配列と同一である、または少なくとも80%、少なくとも85%、少
なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一である核酸配列を備える核酸
分子である。本発明の一実施形態は、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列
番号101、配列番号102、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列
番号108、配列番号110、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列
番号116、配列番号117、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列
番号123、配列番号125、配列番号126、配列番号128、配列番号129、配列
番号131、配列番号132、配列番号134、配列番号135、配列番号137、配列
番号138、配列番号140、配列番号141、配列番号143、配列番号144、配列
番号146、配列番号147、配列番号149、配列番号150、配列番号152、配列
番号153、配列番号155、配列番号156、配列番号158、配列番号159、配列
番号161、配列番号162、配列番号164、配列番号165、配列番号167、配列
番号168、配列番号170、配列番号171、配列番号173、配列番号174、配列
番号176、配列番号177、配列番号179、配列番号180、配列番号182、配列
番号183、配列番号185、配列番号186、配列番号188、配列番号189および
配列番号191からなる群から選択される核酸配列を備える核酸分子である。本発明の一
実施形態は、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号101、配列番号1
02、配列番号104、配列番号105、配列番号107、配列番号108、配列番号1
10、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号116、配列番号1
17、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号1
25、配列番号126、配列番号128、配列番号129、配列番号131、配列番号1
32、配列番号134、配列番号135、配列番号137、配列番号138、配列番号1
40、配列番号141、配列番号143、配列番号144、配列番号146、配列番号1
47、配列番号149、配列番号150、配列番号152、配列番号153、配列番号1
55、配列番号156、配列番号158、配列番号159、配列番号161、配列番号1
62、配列番号164、配列番号165、配列番号167、配列番号168、配列番号1
70、配列番号171、配列番号173、配列番号174、配列番号176、配列番号1
77、配列番号179、配列番号180、配列番号182、配列番号183、配列番号1
85、配列番号186、配列番号188、配列番号189および配列番号191からなる
群から選択される核酸配列からなる核酸分子である。

0107

記述されてきた通り、本発明のナノ粒子は、それらのアミノ酸配列の少なくとも1個の
アミノ酸が異なる集団内の少なくとも2つの融合タンパク質により不均一な融合タンパク
質の集団を備える。当業者であれば、本明細書に記載されている通り、融合タンパク質の
不均一集団が、タンパク質のSA部分を含む融合タンパク質におけるいずれかの位置に存
在する上述のアミノ酸差によるものであり得ることが認められよう。しかし、本発明の好
まれるナノ粒子は、単一のナノ粒子が、インフルエンザウイルスの2つ以上の型、亜型ま
たは系統に対する免疫応答を誘発することができるナノ粒子である。結果的に、好まれる
ナノ粒子は、融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子であって、不均一集団内の少
なくとも2つの融合タンパク質が、それらの免疫原性部分の配列の少なくとも1個のアミ
ノ酸が異なるナノ粒子である。好まれるナノ粒子の融合タンパク質が、免疫原性部分以外
の領域に配列差を有することから除外されないことを理解されたい。しかし、インフルエ
ンザウイルスの2つ以上の型、群、亜型または系統に対する免疫応答を誘発するために、
好まれるナノ粒子は、それらの免疫原性部分における少なくとも1個のアミノ酸残基が異
なる少なくとも2つの融合タンパク質を備える。当業者であれば、2つの融合タンパク質
の免疫原性部分のアミノ酸配列における差が、2つの異なる免疫原性部分(すなわち、免
疫原性部分の2つの種)を、2つの異なる受容体(例えば、B細胞、T細胞等)によって
認識させてもさせなくてもよいことが理解できよう。認識における斯かる差またはその欠
如は、例えば、免疫原性部分における対応するアミノ酸残基の間の特性の差や、配列が異
なる位置(すなわち、アミノ酸残基)が、認識されるエピトープの一部であるか否か等の
事柄に依存する。好まれる実施形態において、不均一集団は、融合タンパク質の少なくと
も2つの種を備え、この種のそれぞれの免疫原性部分は、同じB細胞受容体、T細胞受容
体および/または抗体によって認識される。よって、一実施形態において、本発明のナノ
粒子は、交差反応性免疫応答(インフルエンザウイルスの2つ以上の型、亜型または系統
に対する免疫応答)を誘発する。

0108

本発明のナノ粒子によって呈示される免疫原性領域の数が、ナノ粒子を構成する融合タ
ンパク質の数によってのみ限定され、融合タンパク質数自体は、融合タンパク質の構築に
使用されるSAタンパク質によって決定されることを理解されたい。例えば、フェリチン
は、24個の単量体フェリチンサブユニットタンパク質からなるナノ粒子を形成する。よ
って、本発明のフェリチンに基づくナノ粒子は、最大で24個の融合タンパク質を備える
ことができ、よって、最大で24個の異なる免疫原性部分を呈示することができる。同様
に、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)由来のエンカ
プスリンタンパク質は、60個のサブユニットを有するナノ粒子を形成する。よって、本
発明のエンカプスリンに基づくナノ粒子は、最大で60個の異なる免疫原性部分を呈示す
ることができる。同様に、CHIKV由来の構造タンパク質は、240個のエンベロープ
E2サブユニットを有するウイルス様粒子を形成する。よって、本発明のCHIKVに基
づくウイルス様粒子は、最大で240個の異なる免疫原性部分を呈示することができる。
当業者であれば、斯かる計算が、各融合タンパク質が、単一の免疫原性部分を備えること
仮定していることを理解するであろう。当然ながら、2つ以上の免疫原性部分を備える
融合タンパク質を使用して、より多数の免疫原性部分を呈示するナノ粒子が構築され得る
。複数のエピトープを備える融合タンパク質の例が、図2において例証されている。一実
施形態において、ナノ粒子は、融合タンパク質の不均一集団を備え、各融合タンパク質は
、インフルエンザHAタンパク質の単一の免疫原性部分を備える。一実施形態において、
ナノ粒子は、融合タンパク質の不均一集団を備え、各融合タンパク質は、1つまたは複数
のインフルエンザHAタンパク質由来の複数の免疫原性部分を備える。一実施形態におい
て、ナノ粒子は、融合タンパク質の不均一集団を備え、各融合タンパク質は、1つまたは
複数のインフルエンザHAタンパク質由来の少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4
または少なくとも5個の免疫原性部分を備える。

0109

一実施形態において、本発明のナノ粒子は、融合タンパク質の2〜240の間の種を備
え、各種は、他の全ての種とは、少なくとも部分的には、その免疫原性部分の配列の変化
において少なくとも1個のアミノ酸が異なる。ある特定の実施形態において、本発明のナ
ノ粒子は、融合タンパク質の少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5
、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なく
とも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なく
とも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なく
とも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なく
とも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なく
とも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なく
とも36、少なくとも37、少なくとも3、少なくとも39、少なくとも40、少なくと
も41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくと
も46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくと
も51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくと
も56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくと
も70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少な
くとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも1
60、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、少
なくとも210、少なくとも220、少なくとも230または少なくとも240の種を備
え、この種は、少なくとも部分的には、それらの免疫原性部分における少なくとも1個の
アミノ酸が互いに異なる。ある特定の実施形態において、本発明のナノ粒子は、少なくと
も2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少な
くとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくと
も13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくと
も18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくと
も23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくと
も28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくと
も33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくと
も3、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも
43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも
48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも
53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも
58、少なくとも59または少なくとも60個の独特の免疫原性部分を呈示する。

0110

本発明の一実施形態は、本発明のナノ粒子を産生する方法であって、本発明の融合タン
パク質をコードする1つまたは複数の核酸分子を細胞に導入する工程と、コードされたタ
ンパク質の発現およびナノ粒子の形成に適した条件下で、細胞をインキュベートする工程
とを備える方法である。さらなる実施形態において、ナノ粒子は、核酸分子が導入された
細胞から単離される。ナノ粒子を単離する方法は、当業者にとって公知であり、両者共に
その全体を本明細書に援用する米国特許出願第13/131,287号および国際出願番
号PCT/US14/60142にも記載されている。当業者であれば、その表面に免疫
原性部分の不均一集団を呈示するナノ粒子が、i)細胞に2つ以上の核酸分子を導入する
工程であって、各核酸分子が、融合タンパク質の異なる種をコードする工程;および/ま
たはii)細胞に1つもしくは複数の核酸分子を導入する工程であって、少なくとも1つ
の核酸分子が、細胞に導入される核酸分子によってコードされる融合タンパク質とは異な
る融合タンパク質の種をコードする1つもしくは複数の核酸分子のうち少なくとも1つを
コードする工程のいずれかによって産生され得ることを了解されたい。よって、例えば、
融合タンパク質の不均一集団を備えるナノ粒子は、融合タンパク質の2つの異なる種をコ
ードする核酸分子を細胞に導入することにより産生され得る。

0111

本発明のナノ粒子は、発現および単離された組換えタンパク質を組み合わせることによ
っても産生され得る。よって、本発明の一実施形態は、本発明のナノ粒子を産生する方法
であって、本発明の融合タンパク質をコードする核酸分子を細胞に導入する工程と、核酸
分子によってコードされるタンパク質の発現に適した条件下で、細胞をインキュベートす
る工程と、発現されたタンパク質を単離する工程とを備える方法である。単離されたタン
パク質は続いて、解体され、融合タンパク質の不均一種の混合物が、融合タンパク質の不
均一集団を備えるナノ粒子において再集合するように、単離され解体された融合タンパク
質の1つまたは複数の不均一種(すなわち、特に、それらの免疫原性部分が異なる配列を
有する融合タンパク質)と組み合わされ、各ナノ粒子は、融合タンパク質の少なくとも2
つの異なる種を備える。

0112

本発明のナノ粒子は、インフルエンザウイルス等、感染性病原体に対する免疫応答を誘
発するため、感染性病原体(例えば、インフルエンザウイルス)の1つまたは複数の型、
亜型、系統および/または種による感染から個体を防御するためのワクチンとして使用さ
れ得る。よって、本発明の一実施形態は、本発明のナノ粒子を備えるワクチンである。本
発明のワクチンは、アジュバントバッファーその他等、他の構成成分を含有することも
できる。いかなるアジュバントが使用されてもよいが、好まれる実施形態は、次のものを
含有することができる:リン酸アルミニウム塩化ベンザルコニウム(benzyalk
onium chloride)、ウベニメクスおよびQS21等、化学的アジュバント
IL−2遺伝子またはその断片、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CS
F)遺伝子またはその断片、IL−18遺伝子またはその断片、ケモカイン(C−Cモチ
ーフ)リガンド21(CCL21)遺伝子またはその断片、IL−6遺伝子またはその断
片、CpG、LPSTLRアゴニストおよび他の免疫刺激性遺伝子等、遺伝的アジュバ
ント;IL−2またはその断片、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF
)またはその断片、IL−18またはその断片、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド
21(CCL21)またはその断片、IL−6またはその断片、CpG、LPS、TL
アゴニストおよび他の免疫刺激性サイトカインまたはその断片等、タンパク質アジュバン
ト;カチオン性リポソーム、N3(カチオン性脂質)、モノホスホリルリピドA(MPL
1)等、脂質アジュバント;コレラ毒素エンテロトキシン、Fms様チロシンキナーゼ
−3リガンド(Flt−3L)、ブピバカインマルカイン(marcaine)および
レバミソールを含む他のアジュバント。

0113

本発明の一実施形態は、感染性病原体に対し個体をワクチン接種する方法であって、本
発明のナノ粒子を個体に投与する工程を備える方法である。本発明の一実施形態は、イン
フルエンザウイルスに対し個体をワクチン接種する方法であって、本発明のナノ粒子ワク
チンを個体に投与する工程を備える方法である。一実施形態において、ナノ粒子は、本発
明の自己集合する融合タンパク質を備え、ナノ粒子は、その表面に、インフルエンザウイ
ルスの1つまたは複数の型、亜型または系統由来のHAタンパク質由来の免疫原性部分の
不均一集団を呈示する。

0114

本発明の一実施形態は、インフルエンザウイルスによる感染に対し個体をワクチン接種
する方法であって、
a)本発明のナノ粒子を得る工程と、
b)インフルエンザウイルスに対する免疫応答が生じるように、個体にナノ粒子を投与す
る工程と
を備える方法である。本明細書において、本発明のワクチンまたはナノ粒子に対する免疫
応答は、対象における、ワクチンに存在する赤血球凝集素タンパク質に対する液性および
/または細胞性免疫応答の発生である。本発明の目的のため、「液性免疫応答」は、分泌
IgAまたはIgG分子を含む抗体分子によって媒介される免疫応答を指す一方、「細
胞性免疫応答」は、Tリンパ球および/または他の白血球細胞によって媒介される免疫応
答である。細胞性免疫の重要な一側面には、細胞溶解性T細胞(「CTL」)による抗原
特異的応答が関与する。CTLは、主要組織適合複合体MHC)によってコードされ、
細胞表面に発現されるタンパク質と会合した形で提示されるペプチド抗原に対し特異性を
有する。CTLは、細胞内微生物の破壊または斯かる微生物が感染した細胞の溶解の誘導
および促進を助ける。細胞性免疫の別の側面には、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答
が関与する。ヘルパーT細胞は、その表面におけるMHC分子と会合した形でペプチド抗
原を呈示する細胞に対する、非特異的エフェクター細胞の機能の刺激およびその活性の集
中を助けるように働く。細胞性免疫応答は、CD4+およびCD8+T細胞に由来するも
のを含む活性化されたT細胞および/または他の白血球細胞によって産生されるサイトカ
イン、ケモカインおよび他の斯かる分子の産生も指す。

0115

よって、免疫学的応答は、CTLを刺激、および/またはヘルパーT細胞の産生もしく
は活性化を刺激する応答であってよい。ケモカインおよび/またはサイトカインの産生も
刺激され得る。ワクチンは、抗体媒介性免疫応答を誘発することもできる。したがって、
免疫学的応答は、次の効果のうち1つまたは複数を含み得る:B細胞による抗体(例えば
、IgAまたはIgG)の産生;および/またはサプレッサー細胞傷害性もしくはヘル
パーT細胞および/またはワクチンに存在するタンパク質(例えば、赤血球凝集素)に対
して特異的に方向づけられたT細胞の活性化。これらの応答は、感染力を中和するように
働く、および/または抗体−補体もしくは抗体依存性細胞性細胞傷害ADCC)を媒介
して、免疫化された個体に防御を提供することができる。斯かる応答は、本技術分野にお
いて周知の標準イムノアッセイおよび中和アッセイを使用して決定され得る。

0116

本明細書において、中和抗体は、宿主内で感染性病原体が複製および伝播するのを防止
する抗体である。インフルエンザウイルスに関して、中和抗体は、インフルエンザウイル
スが1ラウンドの複製を完了するのを防止する。本明細書に定義されている通り、1ラウ
ンドの複製は、宿主細胞へのウイルスの付着に始まり、宿主細胞からの新たに形成された
ウイルスの出芽に終わる、ウイルスの生活環を指す。この生活環として、細胞への付着、
細胞への侵入、HAタンパク質の切断および再編成、エンドソーム膜とウイルス膜との融
合、細胞質へのウイルスリボ核タンパク質の放出、新たなウイルス粒子の形成、ならびに
宿主細胞膜からのウイルス粒子の出芽の段階が挙げられるがこれらに限定されない。

0117

一実施形態において、本発明のワクチンまたはナノ粒子は、広範な中和抗体を誘発する
。本明細書において、広範な中和抗体は、分類学上の科内の感染性病原体の2つ以上の属
、型、亜型、種および/または系統を中和する抗体である。本明細書において使用される
インフルエンザウイルスに特に関して、広範な中和抗体は、インフルエンザウイルスの2
つ以上の型、亜型および/または系統を中和する抗体である。例えば、A型インフルエン
ザウイルス由来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、B型またはC型
ウイルスを中和することができる。さらに別の例として、群1インフルエンザウイルス由
来のHAタンパク質に対して誘発された広範な中和抗体は、群2ウイルスを中和すること
ができる。追加的な例として、ウイルスの1つの亜型または系統由来のHAタンパク質に
対して誘発された広範な中和抗体は、ウイルスの別の亜型または系統を中和することがで
きる。例えば、H1インフルエンザウイルス由来のHAタンパク質に対して誘発された広
範な中和抗体は、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H8、H10、H11、
H12、H13、H14、H15、H16、H17またはH18からなる群から選択され
る1つまたは複数の亜型由来のウイルスを中和することができる。

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