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技術 香酸柑橘糖蜜入り果汁及び飲料

出願人 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
発明者 山口研志
出願日 2018年9月12日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-170446
公開日 2020年3月19日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-039311
状態 未査定
技術分野 果実または野菜の調製
主要キーワード 香酸柑橘類 剪断式粉砕機 裏ごし機 処理日数 果汁本来 糖酸比 アルベド ペクチナーゼ処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月19日)のものです。
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図面 (1)

課題

風香味を向上させた香酸柑橘糖蜜入り果汁及び飲料を提供する。

解決手段

本発明の香酸柑橘糖蜜入り果汁は、香酸柑橘果汁、及び香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られた香酸柑橘糖蜜を含み、糖酸比が1.4〜2.0で、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUであることを特徴とする。また、前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が、140以下で且つ、60℃保存時のΔYI/日が22以下であることが好ましい。

概要

背景

従来より、例えばレモン等の香酸柑橘果汁飲料は、風香味を向上させるために、公知の食品用添加剤が配合されることがあった。食品用添加剤としては、例えば甘味料重曹等の中和剤クエン酸等の有機酸果汁増感剤酸味改善剤等が挙げられる。

例えば、特許文献1,2に開示されるレモン果汁の風香味を改善する方法が知られている。特許文献1は、パルミトレイン酸を有効成分として含有することを特徴とする果汁増感剤が開示されている。また、特許文献2には、植物由来タンパク質加水分解物を含有することを特徴とする飲食品の酸味改善剤について開示する。

概要

風香味を向上させた香酸柑橘糖蜜入り果汁及び飲料を提供する。本発明の香酸柑橘糖蜜入り果汁は、香酸柑橘果汁、及び香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られた香酸柑橘糖蜜を含み、糖酸比が1.4〜2.0で、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUであることを特徴とする。また、前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が、140以下で且つ、60℃保存時のΔYI/日が22以下であることが好ましい。なし

目的

本発明の目的とするところは、風香味を向上させた柑橘糖蜜入り果汁及び飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

香酸柑橘果汁、及び香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られた香酸柑橘糖蜜を含み、糖酸比が1.4〜2.0で、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUである香酸柑橘糖蜜入り果汁

請求項2

前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が、140以下で且つ、60℃保存時のΔYI/日が22以下である請求項1に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁。

請求項3

前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が次の式(1)を満たす請求項1に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁。YI≦18.312x+66.335・・・(1)(x:60℃保管期間(日))

請求項4

前記香酸柑橘糖蜜入り果汁中における糖質は、香酸柑橘果実由来以外のものを含有しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁。

請求項5

前記香酸柑橘糖蜜が、吸着樹脂及びイオン交換樹脂から選ばれる少なくとも一種の処理が行われたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁。

請求項6

前記香酸柑橘糖蜜入り果汁が、ストレート換算で100%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁。

請求項7

請求項1〜5のいずれか一項に記載の香酸柑橘糖蜜入り果汁を含有する飲料。

技術分野

0001

本発明は、糖酸比が調整された香酸柑橘糖蜜入り果汁及び飲料に関する。

背景技術

0002

従来より、例えばレモン等の香酸柑橘果汁飲料は、風香味を向上させるために、公知の食品用添加剤が配合されることがあった。食品用添加剤としては、例えば甘味料重曹等の中和剤クエン酸等の有機酸、果汁増感剤酸味改善剤等が挙げられる。

0003

例えば、特許文献1,2に開示されるレモン果汁の風香味を改善する方法が知られている。特許文献1は、パルミトレイン酸を有効成分として含有することを特徴とする果汁増感剤が開示されている。また、特許文献2には、植物由来タンパク質加水分解物を含有することを特徴とする飲食品の酸味改善剤について開示する。

先行技術

0004

特開2014−054192号公報
特開2002−101845号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、食品用添加剤を添加する方法では、果汁本来の風香味のバランスが失われやすいという問題があった。したがって、これまでの果汁の風香味を改善する方法では、依然として風香味を向上する効果が不十分であった。

0006

本発明の目的とするところは、風香味を向上させた柑橘糖蜜入り果汁及び飲料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られ、香酸柑橘糖蜜を香酸柑橘果汁に配合することにより、果汁の風香味を向上できることを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、香酸柑橘果汁、及び香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られた香酸柑橘糖蜜を含み、糖酸比が1.4〜2.0で、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUである香酸柑橘糖蜜入り果汁が提供される。

0008

前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が、140以下で且つ、60℃保存時のΔYI/日が22以下であることが好ましい。
前記香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が次の式(1)を満たすことが好ましい。

0009

YI≦18.312x+66.335・・・(1)
(x:60℃保管期間(日))
前記香酸柑橘糖蜜入り果汁中における糖質は、香酸柑橘果実由来以外のものを含有しないことが好ましい。

0010

前記香酸柑橘糖蜜が、吸着樹脂及びイオン交換樹脂から選ばれる少なくとも一種の処理が行われたものであってもよい。
前記香酸柑橘糖蜜入り果汁が、ストレート換算で100%であることが好ましい。

0011

本発明の別の態様では、前記香酸柑橘糖蜜入り果汁を含有する飲料が提供される。

発明の効果

0012

本発明によれば、香酸柑橘果汁の風香味を向上できる。

図面の簡単な説明

0013

試験例2におけるYI及び保存期間との関係を示すグラフ

0014

以下、本発明の香酸柑橘糖蜜入り果汁を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁を得るための香酸柑橘類の種類としては、特に限定されず、例えばレモン、ライムシークワサースダチユズダイダイカボス等が挙げられる。それらの素材は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、飲料の形態で適用する場合、特に酸度調整が必要となるレモンにおいて好ましく適用することができる。

0015

香酸柑橘糖蜜入り果汁は、香酸柑橘果汁及び香酸柑橘糖蜜を混合することにより得られる。香酸柑橘果汁は、香酸柑橘類の果実から得られる果汁を示し、その製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。香酸柑橘果汁は、含まれるパルプ量により混濁果汁セミクリア果汁、透明果汁に分けられるが、いずれを使用してもよい。最終的にBrix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUである香酸柑橘糖蜜入り果汁を得ることが容易となる観点から、セミクリア果汁を用いることが好ましい。また、香酸柑橘果汁は、ストレートタイプの果汁(果実の搾汁液)であっても、濃縮した果汁、濃縮還元した果汁、水で希釈した果汁であってもよい。

0016

香酸柑橘糖蜜は、香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られる。香酸柑橘果実としては、上述した種類を挙げることができる。香酸柑橘果汁と搾汁残渣の香酸柑橘類の種類は、同一であることが好ましいが、異なる組み合わせを適用してもよい。香酸柑橘果実の搾汁残渣は、果汁を得た後の搾汁残渣であり、果皮アルベドフラベド)、じょうのう膜、さのうの一部、果汁の一部、種子等が含まれる。搾工程前に果皮が予め除去された場合、香酸柑橘果実の搾汁残渣には、その剥皮された果皮も含まれるものとする。

0017

香酸柑橘糖蜜の糖酸比の下限は、特に限定されないが、好ましくは40以上である。糖酸比をかかる範囲内に規定することにより、香酸柑橘果汁と混合することにより、風香味が向上した香酸柑橘果汁を得ることがより容易となる。本明細書において糖酸比とは、香酸柑橘糖蜜の糖度(Brix値)を香酸柑橘糖蜜の酸度で除した値を意味する。すなわち、香酸柑橘糖蜜の糖度/香酸柑橘糖蜜の酸度により表される。糖度(Brix値)とは、香酸柑橘糖蜜中の可溶性固形分の濃度を示す値である。糖度は、果実飲料日本農林規格(平成25年12月24日農林水産告示第3118号)に従って測定される値であり、20℃における糖用屈折計示度である。香酸柑橘糖蜜中の可溶性固形分濃度は、香酸柑橘糖蜜中の成分、水分含有量などにより変動する。酸度とは、香酸柑橘糖蜜中に含まれる酸の濃度(質量/体積%)を示す値であり、クエン酸換算値である(以下、「クエン酸換算酸度」ともいう)。クエン酸換算酸度は、果実飲料の日本農林規格(平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)に沿った中和滴定法により算出される。香酸柑橘糖蜜中の酸度は、香酸柑橘糖蜜中の成分、水分含有量などにより変動する。

0018

香酸柑橘糖蜜の糖酸比は、香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られる水抽出液(香酸柑橘類ピールエキス)を各種クロマトグラフィ(各種担体)を用いて処理することにより調整することができる。水抽出液は、香酸柑橘果実の搾汁残渣を粉砕処理し、水を加えて、固形分を除去することにより得られる。水の使用容量は、搾汁残渣の質量に対して好ましくは0.5〜20倍量、より好ましくは1〜10倍量である。水の使用容量が0.5倍量以上の場合には、目的成分抽出率をより向上させることができる。一方、水の使用容量が20倍量以下の場合には、濃縮等の工程を行う場合、処理時間をより短縮することができ、作業性をより向上させることができる。抽出時間は、適宜設定されるが、溶解成分水溶媒中に十分に移行させるために、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上である。

0019

水抽出処理時の温度は、抽出効率及び成分の安定性の観点から、好ましくは4〜40℃、より好ましくは20〜25℃である。粉砕処理は、公知の粉砕機、例えば微粉砕機石臼摩砕機剪断式粉砕機クラッシャー等を用いることができる。抽出処理後の固液分離には、遠心分離膜分離などの公知の分離方法が採用可能であるが、簡便であることから遠心分離が好適に採用される。なお、遠心分離や膜分離の前に、必要に応じてメッシュ濾過裏ごし機フィニッシャー)もしくはデカンテーションにより、果皮等の大きな固形物を予め除去しておくことが好ましい。得られた水抽出物は、各種クロマトグラフィによる処理効率の向上の観点、及び水抽出物の透明化の観点から、多糖類分解酵素、例えばペクチナーゼセルラーゼ等を用いて処理してもよい。

0020

クロマトグラフィとしては、例えばカラムクロマトグラフィを用いることができ、より具体的にはオープンカラムクロマトグラフィを挙げることができる。なお、クロマトグラフィは、バッチ法を使用してもよい。クロマトグラフィ担体としては、例えば、陽イオン交換クロマトグラフィ陰イオン交換クロマトグラフィ吸着クロマトグラフィ等が挙げられる。吸着クロマトグラフにより、主に苦味成分の他、着色成分が除去される。陽イオン交換クロマトグラフィにより、主に着色の原因物質となるアミノ酸及びミネラル成分が除去される。陰イオン交換クロマトグラフィにより、主に酸味成分であるクエン酸等の有機酸が除去される。

0021

クロマトグラフィの種類、順番処理回数等は、適宜設定されるが、好ましくは、最初に吸着クロマトグラフィ、次に陽イオン交換クロマトグラフィ、次に陰イオン交換クロマトグラフィの順に処理されることが好ましい。さらに好ましくは、臭気及び味覚の更なる改善の観点及び糖酸比をより向上させる観点から、最後にさらに吸着クロマトグラフィで処理することが好ましい。

0022

吸着クロマトグラフィに用いられる担体として、市販の合成吸着樹脂を適用することができる。合成吸着樹脂の市販品として、例えば多孔質合成吸着樹脂であるダウエックスオプティポアーSD−2(母材スチレン−DVB、マクロポーラス型、交換基:第3級アミン)(ザダウケミカルカンパニー社製)、セパビーズSP850(三菱ケミカル社製)、アンバーライトXAD−16(ザダウケミカルカンパニー社製)等が挙げられる。陽イオン交換クロマトグラフィに用いられる担体として、市販の陽イオン交換樹脂として、カルボキシル基型、スルホ基型の陽イオン交換樹脂を適用することができる。陽イオン交換樹脂の市販品として、例えばポリスチレンスルホン酸型の陽イオン交換樹脂であるダイヤイオンSK1B(三菱ケミカル社製)、ダウエックス88(ザダウケミカルカンパニー社製)、アンバーライトIR120B(ザダウケミカルカンパニー社製)等が挙げられる。陰イオン交換クロマトグラフィに用いられる担体として、市販の陰イオン交換樹脂、例えば第4級アンモニウム基型、一〜三級アミ基型の陰イオン交換樹脂を適用することができる。陰イオン交換樹脂の市販品として、例えばジメチルアミン型のダウエックスマラソンWBA(ザダウケミカルカンパニー社製)、ダイヤイオンWA30(三菱ケミカル社製)、ダウエックス66(ザダウケミカルカンパニー社製)等が挙げられる。

0023

カラムクロマトグラフィの使用方法は、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、試料カラムにかけ、好ましくはカラム容量の3〜20容量の水を通液させ、通過した溶液回収することによりカラム処理液を得ることができる。なお、試料をカラムにかける際、濃縮処理を行ってもよい。

0024

上記のように得られた香酸柑橘糖蜜及び香酸柑橘果汁を混合することにより、通常の果汁では得られない糖酸比が1.4〜2.0である香酸柑橘糖蜜入り果汁が製造される。例えば、香酸柑橘果汁としてレモンストレート果汁が適用される場合、その糖酸比は通常1.2〜1.3程度である。香酸柑橘糖蜜を配合することにより、最終的に得られる香酸柑橘果汁の糖酸比は、高くなる。香酸柑橘糖蜜入り果汁の糖酸比が1.4〜2.0の範囲の場合、特に香酸柑橘果汁由来の鋭い酸味をまろやかにし、香酸柑橘果汁の風香味を向上できる。香酸柑橘果汁と香酸柑橘糖蜜の混合比は、特に限定されないが、両者のBrix値を合せた場合、容量比として、好ましくは1:0.05〜0.35、より好ましくは1:0.2〜0.3である。香酸柑橘糖蜜の比率が0.05以上の場合、果汁の糖酸比の調整が容易となる。香酸柑橘糖蜜の比率が0.35以下の場合、風香味に優れた100%香酸柑橘果実由来の果汁(ストレート)を得ることがより容易となる。

0025

香酸柑橘糖蜜入り果汁の黄色度(YI)が140以下であることが好ましく、130以下がより好ましく、120以下がさらに好ましい。黄色度(YI)が140以下の場合、香酸柑橘糖蜜を含有してもレモン果汁と比べて外観の点においても品質に優れる、変色の少ない果汁本来の色調を有した果汁を提供することができる。また、香酸柑橘糖蜜入り果汁は、60℃保存時のΔYI/日が22以下であり、より好ましくは21以下である。かかる値が22以下の場合、香酸柑橘糖蜜入り果汁の保存時における変色を抑制した果汁が得られる。なお、黄色度(YI)は、市販の測色色差計を用いて測定することができる。

0026

さらに、香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が次の式(1)を満たすことが好ましい。かかる構成により、香酸柑橘糖蜜を含有してもレモン果汁と比べて外観の点においてもより品質に優れる、変色のより少ない果汁本来の色調を有した果汁を提供することができる。

0027

YI≦18.312x+66.335・・・(1)
(x:60℃保管期間(日))
また、香酸柑橘糖蜜入り果汁は、60℃保存時の吸光度420nmの変化率(Δ420/日)が0.051以下であり、より好ましくは0.048以下であり、さらに好ましくは0.045以下である。かかる値が0.051以下の場合、香酸柑橘糖蜜入り果汁の保存時における変色を抑制した果汁が得られる。

0028

香酸柑橘糖蜜入り果汁は、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUである。パルプ等の繊維質が除去された透明度の高いクリア果汁とパルプ等の繊維質が除去されていない濁りの高い混濁果汁の中間に位置するセミクリア果汁として適用されることが好ましい。より好ましくは、Brix値8に調整した場合における濁度が100〜500NTUである。なお、濁度は、ホルマジン標準液に基づき、ネフェロメトリック比濁)法の測定方式により求められる。

0029

本実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁は、香酸柑橘果汁、及び香酸柑橘果実の搾汁残渣から得られた香酸柑橘糖蜜を含み、通常の果汁では得られない1.4〜2.0の糖酸比で、Brix値8に調整した場合における濁度が75〜700NTUである。したがって、香酸柑橘果汁の風香味を向上できる。

0030

香酸柑橘果汁の風香味の調整が香酸柑橘由来の糖蜜により行われるため、食品用添加剤等を配合する場合に比べて、果汁本来の風香味を阻害することなく、果汁の品質を向上することができる。そのため、食品用添加剤に頼ることなく、風香味、外観等の品質に優れた100%香酸柑橘果実由来の果汁(ストレート)を得ることもできる。

0031

(2)香酸柑橘糖蜜入り果汁をBrix値8に調整した場合における黄色度(YI)が、140以下で且つ、60℃保存時のΔYI/日が22以下である。香酸柑橘糖蜜を含有してもレモン果汁と比べて外観の点においても品質に優れる、変色の少ない果汁本来の色調を有した果汁を提供することができる。また、果汁に所定の香酸柑橘糖蜜を配合したことにより、長期保存後においても、褐変等の変色を抑制し、果汁の品質をより向上することができる。

0032

(3)本実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁では、香酸柑橘糖蜜を果汁に添加することにより、果汁の風香味を調整することができる。したがって、酸味成分であるクエン酸等の有機酸を果汁から除去処理したり、クエン酸等の有機酸を重曹等を使用して中和処理する必要がない。

0033

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁において、本発明の効果を阻害しない範囲内において、少量の食品用添加剤を配合することを妨げるものではない。風香味を向上する観点、摂取者の嗜好の観点から、香酸柑橘糖蜜入り果汁中において食品用添加剤は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに配合しないことが好ましい。つまり、香酸柑橘糖蜜入り果汁が、ストレート換算で100%で構成されることが最も好ましい。風香味及び嗜好性により優れた香酸柑橘果汁を得ることができる。

0034

・上記実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁に配合される香酸柑橘糖蜜は、糖酸比が好ましくは40以上である。本発明の効果を阻害しない範囲内において、香酸柑橘糖蜜に食品用添加剤を配合することを妨げるものではない。風香味を向上する観点、摂取者の嗜好の観点から、香酸柑橘糖蜜中において食品用添加剤は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに配合しないことが好ましい。つまり、上記実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁中における糖質は、香酸柑橘果実由来以外のものを含有しないことが最も好ましい。

0035

・上記実施形態の香酸柑橘糖蜜入り果汁の用途は、特に限定されず、香酸柑橘糖蜜入り果汁を含有する飲料、香酸柑橘糖蜜入り果汁を含有するアルコール飲料、その他の飲食品、医薬品等の分野において使用することができる。また、飲食品の用途としては、特に限定されず、いわゆる一般食品、健康食品、機能性食品栄養補助食品サプリメント特定保健用食品、機能性表示食品等として適用することができる。

0036

以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1)
香酸柑橘果汁としてセミクリアレモン果汁(濁度398NTU)と下記に示される各種の香酸柑橘糖蜜を混合して各例の香酸柑橘糖蜜入りレモン果汁を調製した。得られた香酸柑橘糖蜜入りレモン果汁について風香味等について評価した。

0037

(香酸柑橘糖蜜の調製)
レモン果皮等を含むレモン搾汁残渣より得られた水抽出物を、各種クロマトグラフィ等を用いて順に処理し、香酸柑橘糖蜜の処理物1〜6を得た。

0038

まず、レモン果皮を含むレモン搾汁残渣(6kg)をミルアイホー社製、MX46)で破砕し、水6Lを加えて、室温(25℃)で1時間、抽出処理した。抽出処理物は、固液分離装置(フィニッシャー(HC-PF、サンフードマシナリー社製))で固液分離した後、Brix値47.5となるまで濃縮処理した。得られた抽出物を処理物1とする。

0039

次に、処理物1のパルプを分解し、透明性を高めるために、ペクチナーゼ処理した。まず、上記処理物1をBrix値12になるまで希釈し、ペクチナーゼを100ppm添加して45℃1時間処理した。その後、遠心分離し、上清珪藻土(昭和化学工業社製:P5)を使用してろ過した。得られたろ液を処理物2とする。

0040

次に、合成吸着樹脂を用いてカラム処理した。まず、上記処理物2をBrix値10に調整した後、合成吸着樹脂(ダウエックスオプティポアーSD−2:ザダウケミカルカンパニー社製)を充填した400mLカラムにカラム容量に対して7倍量(2800mL)通液した。その後、カラム容量に対して1倍量(400mL)の水を通液した。スルーした溶液をBrix値約40まで濃縮した。得られた濃縮液を処理物3とする。

0041

次に、陽イオン交換樹脂を用いてカラム処理した。濃縮前の処理物3を陽イオン交換樹脂(ザダウケミカルカンパニー社製:ダウエックス88)を充填した300mLカラムにカラム容量に対して8倍量(2400mL)通液した。その後、カラム容量に対して1倍量(300mL)の水を通液した。スルーした溶液をBrix値約40まで濃縮した。得られた濃縮液を処理物4とする。

0042

次に、陰イオン交換樹脂を用いてカラム処理した。濃縮前の処理物4を陰イオン交換樹脂(ザダウケミカルカンパニー社製:ダウエックス66)を充填した200mLカラムにカラム容量に対して9倍量(1800mL)通液した。その後、カラム容量に対して1倍量(200mL)の水を通液した。スルーした溶液をBrix値約40まで濃縮した。得られた濃縮液を処理物5とする。

0043

最後に、合成吸着樹脂を用いてカラム処理した。濃縮前の処理物5を多孔質合成吸着樹脂(ダウエックスオプティポアーSD−2:ザダウケミカルカンパニー社製)を充填した100mLカラムにカラム容量に対して9倍量(900mL)通液した。その後、カラム容量に対して1倍量(100mL)の水を通液した。スルーした溶液をBrix値約40まで濃縮した。得られた濃縮液を処理物6とする。

0044

上記のように得られた処理物1〜6について、それぞれBrix値が8.0になるように水で希釈し、酸度、糖酸比、風香味について評価した。結果を表1に示す。

0045

表1に示されるように、レモン搾汁残渣の水抽出物を、合成吸着樹脂、陽イオン交換樹脂、及び陰イオン交換樹脂により順に処理することにより得られた処理物5,6は、処理物1〜4に比べて酸度が大幅に低下していることが確認される。また、苦味等の雑味が低減され、甘みが向上することが確認される。

0046

(香酸柑橘糖蜜入り果汁の調製)
レモン果汁と香酸柑橘糖蜜を混合することにより、各例の香酸柑橘糖蜜入り果汁を調製した。まず、レモン果汁としてセミクリアレモン濃縮果汁(糖酸比1.32、濁度398NTU)をBrix値8に希釈した。また、上記のように得られた香酸柑橘糖蜜(処理物1〜6)をBrix値8に希釈した。上記のように希釈したレモン果汁を70質量%と希釈した香酸柑橘糖蜜を30質量%の割合で混合することにより、各配合例の香酸柑橘糖蜜入り果汁を調製した。なお、コントロールとしてBrix値8に希釈したレモン果汁を使用した。得られた香酸柑橘糖蜜入り果汁について、酸度、糖酸比、pHをそれぞれ測定した。結果を表2に示す。なお、各配合例の香酸柑橘糖蜜入り果汁の濁度(NTU)を、ネフェロメトリック(比濁)方式により測定するHACH社製2100Pを用いて測定したところセミクリア(75〜700NTU)の範囲内にあることを確認した。

0047

また、得られた香酸柑橘糖蜜入り果汁を60℃3日間保存し、経時処理した。経時処理後、黄色度(YI)及び風香味について評価し、経時処理前の黄色度(YI)及び風香味と比較した。なお、黄色度(YI)は、測色色差計としての日本電色社製ZE6000を使用して行った。

0048

各評価結果より、総合評価として優れる場合を○、やや劣る場合を△、悪い場合を×とした。色差の結果を表3、風香味及び総合評価を表4にそれぞれ示す。

0049

0050

0051

表2に示されるように、レモン果汁(コントロール)と比較して、特に配合例5,6は、酸度がやや低下し、糖酸比及びpHがやや高くなっていることが確認される。しかしながら、各配合例では、酸度、糖酸比、pHにおいて大きな差は見られなかった。

0052

表3に示されるように、特に配合例5,6の香酸柑橘糖蜜入り果汁の黄色度(YI)は、経時処理前後において、小さいことが確認された。また、経時処理後の果汁の黄色度(YI)と比較した色差(ΔYI)も比較的小さいことが確認された。また、配合例5,6の香酸柑橘糖蜜入り果汁は、経時処理期間中における黄色度の変化率(ΔYI/日)も比較的小さく、香酸柑橘糖蜜を果汁に添加しても変色感を抑制できることが確認された。

0053

表4に示されるように、経時処理前において、配合例5,6の香酸柑橘糖蜜入り果汁は、他の配合例に対して優れた風香味を有していることが確認された。また、経時処理後においても、風香味の劣化が抑制されていることが確認された。以上により、本発明の香酸柑橘糖蜜入り果汁により、食品用添加剤に頼ることなく、香酸柑橘類由来の糖蜜を使用して、風香味、外観等の品質に優れる果汁を得ることができる。

0054

(試験例2)
香酸柑橘糖蜜入り果汁について、さらに詳細に経時処理後の果汁の黄色度(YI)を測定した。果汁として、試験例1と同様のものを使用した。香酸柑橘糖蜜として、試験例1の処理物6を使用した。レモン果汁及び処理物6の香酸柑橘糖蜜をそれぞれBrix値8に希釈し、表5に示される所定の割合(香酸柑橘糖蜜を5,15,30質量%)でレモン果汁と香酸柑橘糖蜜とを混合した香酸柑橘糖蜜入り果汁をそれぞれ調製した。各香酸柑橘糖蜜入り果汁について、酸度、糖酸比をそれぞれ測定した。結果を表5に示す。

0055

次に、得られた香酸柑橘糖蜜入り果汁を60℃3日間保存し、試験例1と同様に経時処理し、経時処理の0日、1日、2日、3日経過時における黄色度(YI)及び一日当たりの変化率(ΔYI/日)を測定した。結果を表6に示す。また、各黄色度(YI)の値と、経過処理日数との関係を図1のグラフに示す。

0056

また、経時処理の0日、1日、2日、3日経過時における420nmにおける吸光度(ABS420nm)及び一日当たりの変化率(Δ420/日)を測定した。なお、吸光度の測定は、試料とエタノール容量比率1:1で混合し、10,000rpm×10分の遠心分離を行い、その上清を回収し分光光度計(SHIMADZU社製、UV-1800型)で測定した。結果を表7に示す。

0057

0058

0059

表6及び図1に示されるように、黄色度(YI)は、糖蜜の配合量に、ほとんど影響を受けないことが確認された。各香酸柑橘糖蜜入り果汁は、レモン果汁と比べて外観の点においても品質に優れることが確認された。また、図1に示されるように黄色度(YI)の各プロットと60℃保管期間(日)(x)との関係は、YI=18.312x+66.335の式に表されることが確認される。また、表7に示されるように、ABS420の値は、処理物6の添加量が増えるほど初期数値も経時後の数値も低くなり、その傾きも小さくなることが確認された。

実施例

0060

次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記香酸柑橘糖蜜は、香酸柑橘果実の搾汁残渣の水抽出物を、多孔質合成吸着樹脂、陽イオン交換樹脂、及び陰イオン交換樹脂をそれぞれ含むカラムクロマトグラフィにより、順に処理することにより得られたものである前記香酸柑橘糖蜜入り果汁。従って、この(a)に記載の発明によれば、風香味及び外観等の品質に優れた香酸柑橘糖蜜を容易に得ることができる。

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