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課題

ドライアイ疾患分子同定のための新規機構に基づく疾患バイオマーカーを検出し、治療回復帰結できる指標を提供する。

解決手段

ラクリチンまたはその生物活性断片を含む組成物局所投与により処置され得るドライアイを患う対象体を特定するための組成物および方法を提供する。本願は、1つには、シンデカン-1の約90KDa脱グリカン化形態は正常な個体の涙液中豊富であるが、ドライアイを患う個体では豊富でなく、一方約25kDaのシンデカン-1断片がドライにおいて検出可能であるが、正常な涙液において検出可能でないこと開示する。

概要

背景

眼表面の健康は、涙腺からの涙液分泌に依存する。涙腺を含む涙腺房細胞は、極性化され、複雑な腺房周囲基底膜に付着する高分化分泌細胞である。頂端細胞細胞質の大部分は、涙液タンパク質が詰め込まれた大きな分泌顆粒を含む。公知の涙液タンパク質としては:角膜表面で顕著に殺菌性役割を果たす、リゾチーム殺菌剤および補体活性化の潜在的な阻害剤として機能する、ラクトフェリン細菌付着阻害するために角膜表面に作用するとき、腺房腔へのIgAの細胞内移動を制御する分泌成分;ならびに涙液リポカリン(涙液特異的プレアルブミン)および機能が分かっていない増殖因子TGFα、TGFβおよびEGFが挙げられる。ラットにおいて、ペルオキシダーゼは、実験的研究において便利なマーカーとして役立つ涙の構成要素である。涙は、重要な殺菌性の役割のみを有するのではなく、角膜を清潔かつ潤滑に保ち、角膜上皮の健康に重要である。

眼の表面は、最もアクセス可能かつ傷つき易い組織のうちの1つである。角膜上皮細胞は、UV照射、広く変化する気温変動、汚染物質、細菌および他の微生物体を含む、絶えない環境傷害に直面する。血管がこのような剤を供給する他の組織とは異なり角膜は血液供給欠くため、角膜表面を潤す涙液は、細胞保護剤および抗炎症剤の最も有望な供給源である。実際、涙液は殺菌性タンパク質富む。涙産生不足を患うドライアイ対象体は、角膜潰瘍形成、感染症または炎症にかかりやすい。涙の供給量が制限されるため、同様の症状は、コンタクトレンズの長期使用によって発生し得る。

涙腺房細胞の涙産出集合的に不十分であるとき、「ドライアイ」(乾性角結膜炎[KCS]としても知られる)が結果として生じる。ドライアイは、シェーグレン症候群、世界中の数百万の人々が罹患している不明な病因を伴う自己免疫疾患の共通の眼症状である。最も一般的な罹患者は、閉経後女性で、様々な重症度である。処置しない場合、ドライアイは、角膜剥離潰瘍形成細菌感染症、および視力喪失を引き起こし得る。主な涙腺による分泌量の病原性低下の原因となる分子機構は、潜在的に複合的である。シェーグレン症候群の対象体の涙腺は、BおよびTリンパ球病巣を含み、該リンパ球の病原性拡大は、潜在的にウイルス傷害により、涙腺房を破壊し得る。しかしながら、涙腺容積の損出は、主な涙腺の論理上の余剰能力と比較して不十分に思われるときがある。推定から、潜在的な分泌量が正常な水性涙膜層を維持するのに必要とされるより10倍以上であることを示唆される。したがって、直接または間接的に涙腺房細胞機能を変更し得るおよび/または神経支配の低下をもたらし得る1または複数の共通のサイトカインの異常分泌などの他の機構も注目に値する。涙腺房細胞によって涙膜へ放出される新規オートクリンパラクリン因子は、涙腺分泌機構、管系および角膜上皮の健康に必要とされ得る。腺房周囲基底膜はまた、ラミニン-1との見かけ相乗効果刺激性涙分泌を促進する「BM180」を部分的に介する正常な分泌機能に必要とされる。正常な変化を伴うかまたは独立したこれらの因子の各々の変化は、分泌能の減少に寄与し得る。

涙腺-角膜の軸は、眼の健康の基礎的なレギュレーターであり、ドライアイ症候群および角膜傷害に関連する眼表面の炎症において重要な役割を果たす。多数のメディエーター、例えば炎症誘発性サイトカインTNF-α、IL-1β、IL-6およびケモカインIL-8は、角膜炎症発症および進行に関与する。シクロオキシゲナーゼ(主にPGE2)、リポオキシゲナーゼ(12(s)-HETE)およびシトクロムP450(12(r)-HETE)の活性によって生成されるアラキドン酸由来エイコサノイドもまた関与する。

ラクリチンは、反射流涙間中ヒト涙腺房細胞から先端で放出される12.3kDaの分泌される糖タンパク質であり、混合した反射的および基礎本的なヒトの涙液中ELISAおよびウェスタンブロットによって検出され得る。ラクリチンはまた、最も多い眼に限定された遺伝子の1つとして角膜、結膜マイボーム腺および唾液腺上皮により生成される。ラクリチンの作用機構に関する最近の研究は、ラクリチンが眼表面において重要な抗炎症の役割を有し得ることを示唆するPKCαおよびNFkBシグナル伝達経路への収束を示す。最近の臨床研究は、この仮説立証する。27人の健常なボランティアに対する眼瞼炎眼瞼の炎症)を患う19人の対象体からの涙液タンパク質の比較は、対象体においてラクリチンが56%減少したことを明らかにした。Sumadreらは(非特許文献1)、ラクリチンが激しくビヒクルに対して基礎的な流涙を30%増加させ、1日当たり複数回投与が十分許容されることを示した。ラクリチンがコンタクトレンズ関連ドライアイにおいて他の涙液タンパク質より選択的に下方制御されることもまた報告された。ラクリチンは、血清と一致するかまたはそれを越えるレベルにおいてヒト角膜上皮細胞を介してMUC16産生を刺激する(非特許文献2)。自家血清は、ドライアイを処置する成功した方法であると報告されている。ラクリチンはまた、培養されたラットおよびサルの涙腺房細胞によって基礎涙分泌を促進し、ヒト角膜上皮細胞の成長を促進する。

ラクリチンにより標的とされることができると思われる細胞のタイプはほとんどない。標的細胞は、涙腺房、唾液管/HeLa、ヒト角膜および胎児由来腎臓細胞を含むが、試験した17の種々の細胞株における他は含まれない。そのコレセプターシンデカン-1を眼表面上皮に広く発現する。したがって、ラクリチンは、涙の分泌および角膜上皮の再生に潜在的に役割を有する多機能の眼特異的因子であるように思われる。

ドライアイを検知し診断する、ドライアイを処置する、ならびにドライアイの診断に基づく処置戦略および計画を開発するのに有用な組成物ならびに方法が当該技術分野において必要と長く感じられている。本発明はこれらのニーズを満たす。

概要

ドライアイ疾患分子同定のための新規な機構に基づく疾患バイオマーカーを検出し、治療回復帰結できる指標を提供する。ラクリチンまたはその生物活性断片を含む組成物の局所投与により処置され得るドライアイを患う対象体を特定するための組成物および方法を提供する。本願は、1つには、シンデカン-1の約90KDa脱グリカン化形態は正常な個体の涙液中に豊富であるが、ドライアイを患う個体では豊富でなく、一方約25kDaのシンデカン-1断片がドライにおいて検出可能であるが、正常な涙液において検出可能でないこと開示する。なし

目的

したがって一実施態様において、ドライアイを患う患者を特定し、処置のために該患者を選択するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ドライアイを有する対象体を特定するための方法であって、該対象体から得られた涙液検体中に、潜在型ヘパラナーゼ;90kDa 脱グリカン化SDC-1;25kDa SDC-1;および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアント;からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質が存在することを検出することを含み、正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して潜在型ヘパラナーゼレベルの減少または活性型ヘパラナーゼの増加;正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して90kDa 脱グリカン化SDC-1レベルの減少;25kDa SDC-1の検出;および/または不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出が、ドライアイを有する対象体を特定する方法。

請求項2

90kDa 脱グリカン化SDC-1および25kDa SDC-1の濃度を該対象体から得られた涙液検体中で測定し、正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して25kDa SDC-1レベルの増加と一緒になった90kDa 脱グリカン化SDC-1レベルの減少が、ドライアイを有する対象体を特定する、請求項1に記載の方法。

請求項3

該対象体から得られた涙液検体を25kDa SDC-1の存在について検査し、25kDa SDC-1の検出が、ドライアイを有する対象体を特定する、請求項1に記載の方法。

請求項4

該対象体から得られた涙液検体を不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在について検査し、不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出が、ドライアイを有する対象体を特定する、請求項1に記載の方法。

請求項5

該対象体から得られた涙液検体を25kDa SDC-1および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在について検査し、25kDa SDC-1および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出が、ドライアイを有する対象体を特定する、請求項1に記載の方法。

請求項6

対象体をドライアイについて処置する方法であって、a)該対象体から得られた涙液検体中に、潜在型ヘパラナーゼ;90kDa 脱グリカン化SDC-1;25kDa SDC-1;および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアント;からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質が存在することを検出することによって、ドライアイを患う患者を特定する工程であって、正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して潜在型ヘパラナーゼレベルの減少;正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して90kDa 脱グリカン化SDC-1レベルの減少;25kDa SDC-1の検出;および/または不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出が、ドライアイを有する対象体を特定する工程;およびb)ラクリチンポリペプチドを含む組成物と工程a)で特定した対象体の眼表面を接触させる工程を含む方法。

請求項7

ラクリチンポリペプチドが、配列番号1のポリペプチド、またはKQFIENGSEFAQKLLKKFS(配列番号5);KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7);KQFIENGSEFANKLLKKFS(配列番号6);およびKQFIENGSEFANKLLKKFSLLKPWA(配列番号8)、からなる群より選択されるラクリチンまたは1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なる配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8の誘導体生物活性断片である、請求項6に記載の方法。

請求項8

ラクリチンポリペプチドが、配列KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる、請求項6に記載の方法。

請求項9

治療上有効量の、KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)、または1つのアミノ酸置換によりKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)と異なる配列からなるペプチド;および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物であって、対象体の眼表面への局所投与のために製剤化される組成物。

請求項10

該ペプチドが、配列KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる、請求項9に記載の医薬組成物。

請求項11

さらにリン脂質界面活性剤防腐剤抗酸化剤等張化剤緩衝剤、防腐剤、共溶媒または増粘剤を含む、請求項9または10に記載の医薬組成物。

請求項12

必要とする対象体において角膜創傷治癒を増強する方法であって、配列番号1の配列を有するラクリチンポリペプチドまたはその生物活性断片を含む組成物と該対象体の眼表面を接触させることを含む方法。

請求項13

工程a)で特定した対象体の眼表面を、KQFIENGSEFAQKLLKKFS(配列番号5);KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7);KQFIENGSEFANKLLKKFS(配列番号6);およびKQFIENGSEFANKLLKKFSLLKPWA(配列番号8)、からなる群より選択されるラクリチンまたは1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体の生物活性断片と接触させる、請求項12に記載の方法。

請求項14

アミノ酸置換が、配列番号7の番号付けに対して4、6、8、10、17および19の位置にある、請求項13に記載の方法。

請求項15

ラクリチンの生物活性断片が、配列番号7、または配列番号7の番号付けに対して4および/または19から選択される位置における1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号7と異なるその誘導体からなる、請求項13に記載の方法。

請求項16

ラクリチンの生物活性断片が、KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる、請求項13に記載の方法。

請求項17

対象体が、PRK(レーザー屈折矯正角膜切除術)またはLASIK(レーザー角膜内切削切除形成術手術から回復している、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8から選択されるラクリチンまたは1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体のC末端断片;および医薬的に許容される担体を含む殺菌性組成物であって、対象体の眼表面への局所投与に適する組成物。

請求項19

アミノ酸置換が、配列番号7の番号付けに対して4、6、8、10、17および19の位置にある、請求項18に記載の組成物。

請求項20

ラクリチンのC末端断片が、KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる、請求項18に記載の組成物。

請求項21

組成物がさらに第2の抗菌剤を含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載の組成物。

請求項22

第2の抗菌剤がリゾチームである、請求項21に記載の組成物。

請求項23

リゾチームのラクリチンのC末端断片に対する重量比が4:1〜3:1である、請求項22に記載の組成物。

請求項24

角膜感染症を処置する方法であって、請求項18に記載の組成物と必要とする対象体の角膜を接触させることを含む方法。

請求項25

ドライアイの処置のための医薬の製造におけるKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)の配列からなるペプチドの使用。

技術分野

0001

連邦政府資金による研究開発の記載)
本発明は、国立健康研究所によって授与された、助成金番号RO1EY013143およびR01EY018222の下に、米国政府の支援によりなされた。米国政府は、本発明における一定の権利を有する。

0002

(関連出願の相互参照
本願は、2014年3月12日出願の米国仮出願第61/951,680号および2014年6月1日出願の米国仮出願第62/019,476号に基づく優先権を主張し、該出願の開示はそれぞれ出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。

0003

電子提出資料の参照による援用)
その全体として参照により援用されるのは、本明細書と同時に提出し、2015年5月11日作成の「233965SeqListing.txt」というファイル名の19キロバイトのACII(Text)ファイルにより識別されるコンピューター読取可能なヌクレオチドアミノ酸配列表である。

背景技術

0004

眼表面の健康は、涙腺からの涙液分泌に依存する。涙腺を含む涙腺房細胞は、極性化され、複雑な腺房周囲基底膜に付着する高分化分泌細胞である。頂端細胞細胞質の大部分は、涙液タンパク質が詰め込まれた大きな分泌顆粒を含む。公知の涙液タンパク質としては:角膜表面で顕著に殺菌性役割を果たす、リゾチーム殺菌剤および補体活性化の潜在的な阻害剤として機能する、ラクトフェリン細菌付着阻害するために角膜表面に作用するとき、腺房腔へのIgAの細胞内移動を制御する分泌成分;ならびに涙液リポカリン(涙液特異的プレアルブミン)および機能が分かっていない増殖因子TGFα、TGFβおよびEGFが挙げられる。ラットにおいて、ペルオキシダーゼは、実験的研究において便利なマーカーとして役立つ涙の構成要素である。涙は、重要な殺菌性の役割のみを有するのではなく、角膜を清潔かつ潤滑に保ち、角膜上皮の健康に重要である。

0005

眼の表面は、最もアクセス可能かつ傷つき易い組織のうちの1つである。角膜上皮細胞は、UV照射、広く変化する気温変動、汚染物質、細菌および他の微生物体を含む、絶えない環境傷害に直面する。血管がこのような剤を供給する他の組織とは異なり角膜は血液供給欠くため、角膜表面を潤す涙液は、細胞保護剤および抗炎症剤の最も有望な供給源である。実際、涙液は殺菌性タンパク質富む。涙産生不足を患うドライアイ対象体は、角膜潰瘍形成、感染症または炎症にかかりやすい。涙の供給量が制限されるため、同様の症状は、コンタクトレンズの長期使用によって発生し得る。

0006

涙腺房細胞の涙産出集合的に不十分であるとき、「ドライアイ」(乾性角結膜炎[KCS]としても知られる)が結果として生じる。ドライアイは、シェーグレン症候群、世界中の数百万の人々が罹患している不明な病因を伴う自己免疫疾患の共通の眼症状である。最も一般的な罹患者は、閉経後女性で、様々な重症度である。処置しない場合、ドライアイは、角膜剥離潰瘍形成細菌感染症、および視力喪失を引き起こし得る。主な涙腺による分泌量の病原性低下の原因となる分子機構は、潜在的に複合的である。シェーグレン症候群の対象体の涙腺は、BおよびTリンパ球病巣を含み、該リンパ球の病原性拡大は、潜在的にウイルス傷害により、涙腺房を破壊し得る。しかしながら、涙腺容積の損出は、主な涙腺の論理上の余剰能力と比較して不十分に思われるときがある。推定から、潜在的な分泌量が正常な水性涙膜層を維持するのに必要とされるより10倍以上であることを示唆される。したがって、直接または間接的に涙腺房細胞機能を変更し得るおよび/または神経支配の低下をもたらし得る1または複数の共通のサイトカインの異常分泌などの他の機構も注目に値する。涙腺房細胞によって涙膜へ放出される新規オートクリンパラクリン因子は、涙腺分泌機構、管系および角膜上皮の健康に必要とされ得る。腺房周囲基底膜はまた、ラミニン-1との見かけ相乗効果刺激性涙分泌を促進する「BM180」を部分的に介する正常な分泌機能に必要とされる。正常な変化を伴うかまたは独立したこれらの因子の各々の変化は、分泌能の減少に寄与し得る。

0007

涙腺-角膜の軸は、眼の健康の基礎的なレギュレーターであり、ドライアイ症候群および角膜傷害に関連する眼表面の炎症において重要な役割を果たす。多数のメディエーター、例えば炎症誘発性サイトカインTNF-α、IL-1β、IL-6およびケモカインIL-8は、角膜炎症発症および進行に関与する。シクロオキシゲナーゼ(主にPGE2)、リポオキシゲナーゼ(12(s)-HETE)およびシトクロムP450(12(r)-HETE)の活性によって生成されるアラキドン酸由来エイコサノイドもまた関与する。

0008

ラクリチンは、反射流涙間中ヒト涙腺房細胞から先端で放出される12.3kDaの分泌される糖タンパク質であり、混合した反射的および基礎本的なヒトの涙液中ELISAおよびウェスタンブロットによって検出され得る。ラクリチンはまた、最も多い眼に限定された遺伝子の1つとして角膜、結膜マイボーム腺および唾液腺上皮により生成される。ラクリチンの作用機構に関する最近の研究は、ラクリチンが眼表面において重要な抗炎症の役割を有し得ることを示唆するPKCαおよびNFkBシグナル伝達経路への収束を示す。最近の臨床研究は、この仮説立証する。27人の健常なボランティアに対する眼瞼炎眼瞼の炎症)を患う19人の対象体からの涙液タンパク質の比較は、対象体においてラクリチンが56%減少したことを明らかにした。Sumadreらは(非特許文献1)、ラクリチンが激しくビヒクルに対して基礎的な流涙を30%増加させ、1日当たり複数回投与が十分許容されることを示した。ラクリチンがコンタクトレンズ関連ドライアイにおいて他の涙液タンパク質より選択的に下方制御されることもまた報告された。ラクリチンは、血清と一致するかまたはそれを越えるレベルにおいてヒト角膜上皮細胞を介してMUC16産生を刺激する(非特許文献2)。自家血清は、ドライアイを処置する成功した方法であると報告されている。ラクリチンはまた、培養されたラットおよびサルの涙腺房細胞によって基礎涙分泌を促進し、ヒト角膜上皮細胞の成長を促進する。

0009

ラクリチンにより標的とされることができると思われる細胞のタイプはほとんどない。標的細胞は、涙腺房、唾液管/HeLa、ヒト角膜および胎児由来腎臓細胞を含むが、試験した17の種々の細胞株における他は含まれない。そのコレセプターシンデカン-1を眼表面上皮に広く発現する。したがって、ラクリチンは、涙の分泌および角膜上皮の再生に潜在的に役割を有する多機能の眼特異的因子であるように思われる。

0010

ドライアイを検知し診断する、ドライアイを処置する、ならびにドライアイの診断に基づく処置戦略および計画を開発するのに有用な組成物ならびに方法が当該技術分野において必要と長く感じられている。本発明はこれらのニーズを満たす。

先行技術

0011

Invest Ophthalmol Vis Sci., 2011;52:6265-6270;DOI:10.1167/iovs.10-6220
Laurie GE, et al. IOVS 2006;47:ARVO E-Abstract 1606

0012

本発明は、ドライアイ疾患分子同定のための新規な機構を原因に対処する回復治療と結び付ける。本発明は、シンデカン-1からの約90KDa 脱グリカン化が正常な個体の涙液において豊富であるが、ドライアイを患う個体においては豊富でないという本明細書に記載の発見に関する。また、25kDaシンデカン-1断片がドライにおいて検出可能であるが、正常な涙液において検出可能でない。本発明はまた、局所ラクリチン、脱グリカン化シンデカン-1のアゴニストが、眼の表面の乾燥に角膜知覚神経を敏感にし、神経の湿潤応答(wet response)を増加させるという発見に関する。したがって、本発明の一実施態様は、涙液中におけるシンデカン-1からの約90KDa脱グリカン化の相対的減少および/または25kDaシンデカン-1の存在によりドライアイを特定することに関する。別の一実施態様は、ラクリチンポリペプチドの眼への局所適用により角膜神経の乾燥および湿潤応答を増加させることに関する。

0013

本願出願人はまた、涙液減少型ドライアイの涙液がラクリチンモノマーの増加、ラクリチン-Cスプライスバリアントの減少、および潜在型(慢性的に活性な)ヘパラナーゼ(HPSE)に関連することを発見した。したがって一実施態様において、ドライアイを患う患者を特定し、処置のために該患者を選択するための方法を提供する。一実施態様において、対象体から得られた涙液検体中の、
潜在型ヘパラナーゼ;
90kDa 脱グリカン化SDC-1;
25kDa SDC-1;および
不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアント;
からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質の存在を検出する、ドライアイを有する対象体を特定するための方法を提供する。その後、ドライアイを有する患者は、
潜正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して在型ヘパラナーゼレベルの減少および活性型ヘパラナーゼの対応する増加、;
正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して90kDa脱グリカン化SDC-1レベルの減少;
25kDa SDC-1の存在;および/または
不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在
の1以上を有することにより特定される。その後、該特定された対象体は、ラクリチンまたはその生物活性断片を含む組成物と対象体の眼の眼表面を接触させることにより処置され得る。

0014

潜在型ヘパラナーゼ、90kDa脱グリカン化SDC-1A、25kDa SDC-1または不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出は、抗体の使用を含む、当業者に公知の標準技術を用いて実施され得る。一実施態様において、抗体は、眼科医または検眼士オフィスにおいて正確で安価な分子診断のために涙がそれに採取されるシルマー試験紙に埋め込まれてもよい。ドライアイに苦しむ対象体を特定するための現在の方法は、原因に対処せず、それ故に不正確さに悩まされ、非特異的である。現在の方法の例としては:a)対象体調査票、b)眼表面損傷のローズベンガルまたはリサミングリーン染色、c)涙液量のシルマー試験紙測定、d)涙液破壊時間、e)涙液蒸発率、f)涙液メニスカス高さまたは半系、g)涙膜インデックスまたはターンオーバー率、h)涙液のオスモル濃度、i)リゾチームまたはラクトフェリンアッセイ、およびj)涙シダ状結晶分析が挙げられる。

0015

活性ラクリチンの眼表面への返還は、生理学に正常な眼に必要な正常な角膜知覚神経の乾燥および湿潤応答を助けると分かった。眼を湿らせるすべてのが角膜知覚入力の反射弓下流により制御されるため、ラクリチンまたはラクリチン断片、合成ペプチドまたはミメティックは、ドライアイのすべての型にためになるべきである。ウサギおよびドライアイマウスモデルにおける前臨床研究は、ドライアイにおいて減少する角膜知覚神経支配の密度を回復し得ることを示唆する。対照的に、一般に用いられる「人口涙液」は、原因に対処することなく一時的に症状を軽減する。

0016

涙液減少型ドライアイの涙液は、ラクリチンモノマーの減少、ラクリチン-Cスプライスバリアントの増加、より少なく脱グリカン化したSDC1、25kDa SDC1断片の増加、ならびに潜在型ヘパラナーゼの減少および活性型ヘパラナーゼの増加に関連することを本明細書に開示する。したがって本発明は、本明細書に記載のドライアイのマーカーの1以上を用いてドライアイを有することが分かった対象体について、ドライアイを検出および診断する、ならびに処置計画を開発および提供するための組成物ならびに方法を提供する。本願は、本明細書に記載のFOXO3転座アッセイを含む、ドライアイを検出および診断するための組成物および方法を提供する。複数の方法がまた、眼を検出および診断するのに有用なタンパク質およびタンパク質断片を検出および測定するのに利用可能であり、記載される。

0017

さらに本発明は、眼の表面の乾燥に角膜知覚神経にするラクリチンまたはその生物学的活性断片もしくは同族体の使用を提供し、神経の湿潤応答を増加させる。一実施態様において、局所ラクリチンまたは断片N-94(配列番号7)の使用は、流涙を回復または増加させる。一態様において、使用は基礎的流涙を回復させる。一態様において、ラクリチンの局所投与涙腺炎症を抑制する。

0018

一実施態様によれば、ドライアイの対象体の涙液中の90kDaシンデカン-1(SDC1)またはシンデカン-1の他の脱グリカン化形態のレベルを回復させる処置方法を提供する。SDC1の回復は、存在するラクリチンの活性を増強する。さらに本発明は、TGM活性、レベルまたは合成の阻害剤であり得る、トランスグルタミナーゼ(TGM)の阻害剤を用いてドライアイを処置する方法を提供する。

0019

一実施態様によれば、配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8からなる群より選択される配列、または1、2、3、4もしくは5つのアミノ酸により配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8と異なる配列、またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む、ペプチド非天然ペプチド、またはペプチドミメティック誘導体を含む組成物を提供する。一実施態様において、ペプチドは、1、2、3、4または5つの保存的アミノ酸置換により配列番号1、配列番号5または配列番号7と異なる。一実施態様において、アミノ酸修飾アミノ酸置換であり、そして一実施態様において、置換は保存的アミノ酸置換である。

0020

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号1、配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列、またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0021

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号1、配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列、または配列番号1、配列番号5もしくは配列番号7のペプチドミメティック誘導体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%配列同一性を有する非天然アミノ酸配列を含む。ペプチドが非天然であるという記載は、親ラクリチンペプチドの天然ペプチドを除外することを意図する。

0022

一実施態様によれば、それを必要とする対象体において角膜創傷治癒を増強する方法を提供する。当該方法は、ラクリチンまたはその生物活性断片を含む組成物と該対象体の眼表面を接触させることを含む。一実施態様において、ラクリチンの生物活性断片は、
KQFIENGSEFAQKLLKKFS(配列番号5);
KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7);
KQFIENGSEFANKLLKKFS(配列番号6);および
KQFIENGSEFANKLLKKFSLLKPWA(配列番号8)からなる群より選択されるか、または1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体である。一実施態様において、対象体は、PRK(レーザー屈折矯正角膜切除術)またはLASIK(レーザー角膜内切削切除形成術手術から回復している。

0023

別の一実施態様において、ラクリチンのC末端断片を含む殺菌性組成物を提供する。一実施態様において、断片は、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8、または1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体から選択されるペプチドである。一実施態様において、断片は、配列番号7の配列からなるペプチドである。一実施態様において、組成物は医薬的に許容される担体を含み、ここで組成物は対象体の眼表面への局所投与に適する。一実施態様において、組成物はさらに第2の抗菌剤を含む。本明細書に記載のように、角膜感染症を処置する方法を提供し、ここで当該方法は、ラクリチンのC末端断片を含む組成物とそれを必要とする対象体の角膜を接触させることを含む。

図面の簡単な説明

0024

図1は、正常な涙液およびドライアイの涙液それぞれにおける希薄なシンデカン-1の脱グリカン化および25kDa形態の検出を示す。左側のペアの検体(レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)またはレーザー角膜内切削切除形成術(LASIK)前)の約90kDa脱グリカン化SDC1は、正常な涙液において豊富であり、ドライアイの涙液においてはわずかに検出可能である。PRKまたはLASIK手術1日後(D1)、約90kDa脱グリカン化SDC1は、ドライアイの涙液においてより少ない。また25kDa SDC1断片は、ドライアイの涙液において明らかである。手術は、角膜知覚神経を切断することによりドライアイを促進する。PRKまたはLASIK手術1週間後(W1)、約90脱グリカン化SDC1レベルは、手術を受けた正常な涙液において回復し、ドライアイの涙液における25kDaレベルは上昇したまま維持する(1ヵ月(M1)においてより少ない)。
図2Aおよび2Bは、ドライアイの涙液における不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの上昇したレベルの検出を示す。図2Aは、mab 4F6を用いたラクリチン-Cの検出を示すウェスタンブロットである。ラクリチン-Cスプライスバリアントは、ドライアイにおいて常に上昇している。図2Bは、二次抗体を単独で用いたウェスタンブロットであり、陰性コントロールとして働く。二次抗体のみを用いるとバンドは検出されない。
図3Aおよび3Bは、正常な涙液対ドライアイの涙液におけるより潜在的ヘパラナーゼ、およびドライアイの涙液におけるより活性なヘパラナーゼの検出を示す。図3Aは、#1453抗体を用いたヘパラナーゼを示すウェスタンブロットである。潜在型ヘパラナーゼを約75kDaバンドにより示し;活性型ヘパラナーゼを約50kDaバンドにより示す。図3Bは、#753抗体を用いたヘパラナーゼを示すウェスタンブロットである。
図4A〜4Cは、ラクリチンおよびラクリチンのC末端25アミノ酸断片(LACRIPEP)の角膜の健常な回復活性を示す。ストレス誘導するために培養したヒト角膜上皮細胞を炎症性サイトカインで処理し、細胞を10 nMの不活性型ラクリチントランケーション変異体(C-25)、ラクリチンまたはLACRIPEPで処理した。FOXO3アッセイにおける細胞質染色の測定(核FOXO3染色は細胞死を示す)は、LACRIPEPが、陰性コントロール(C-25)と比較して細胞生存の増強においてラクリチン(図4A参照)と同等に活性であることを示す。ドライアイ(Aire-/-)マウスの研究はまたLACRIPEPを局所投与されたものの生物活性を示す。PBSを局所投与されたもの(白丸)と比較してAire(-/-)ドライアイマウス(図4B;黒丸)においてドライアイ疾患が生じるので、LACRIPEPは流涙の損失を防ぎ、PBS(白丸)と比較してドライアイ疾患を生じる(図4C;黒丸)ので、LACRIPEPを投与されたAire(-/-)ドライアイマウスは、より少なく角膜染色され、ここで該染色は細胞死を示す。
図5は、ラクリチンおよびラクリチン合成ペプチドの比較による生存促進活性を示す。ラクリチンC末端トランケーション変異体C-25(陰性コントロール;不活性型)、ラクリチン(lacrt)、ラクリチンC末端ペプチドN-94(配列番号7)またはN-94/C-6(配列番号5)、または組織トランスグルタミナーゼ重合化ラクリチン(不活性型)で処理したヒトHCE-T細胞にストレスを与えたインターフェロン-γおよび腫瘍壊死因子における免疫染色するFOXO3の定量。各投与したペプチドの用量は10 nMである。より多くの核染色は、ストレス/死を示す。より多くの細胞質染色(矢印)は生存を示す。203〜379細胞が各処理についてカウントされた。Bonferroniポストテストでの二元配置分散分析、P = 0.01による重合化lacrt除くすべて対C-25の比較。
図6Aおよび6Bは、LACRIPEPがヒト涙液中で驚くべき安定性を示すことを示す。図6Aは、37℃で2〜16時間ラクリチン枯渇ヒト涙液中にてインキュベーション後の、種々のタンパク質からのプロテアーゼ感受性陽性コントロール「SN pep」およびLACRIPEP(「N-94」;配列番号7)の免疫ブロットを示す。図6Bは質量分析示し、ここで、上段は、涙液の添加および37℃インキュベーション工程前の、SN pep、LACRIPEP(「N-94」)、および6つC末端アミノ酸を有しないLACRIPEP(「N-94/C-6」)のMSプロファイルを示し、下段は、37℃で4時間ラクリチン枯渇涙液中にてインキュベーション後のMSプロファイルを提供する。
図7Aおよび7Bは、LACRIPEPの二相性用量反応を示す。局所LACRIPEPの二相性用量反応は、ウサギ基礎的流涙試験(図7A)、および不活性型ラクリチン断片コントロール(C-25D)と比較したラット角膜知覚神経刺激(pLAC;図7B)における試験を示した。
図8は、ラットの目上の局所125I-Lacripep-Yの単回4μM用量の分布を示す。わずかな量の125I-Lacripep-Yが血液および血漿中において検出可能である。かなりの量が涙液中に保持される。
図9は、ヒト(配列番号7);チンパンジー(配列番号17);ブッシュベビー(配列番号18);ゴリラ(配列番号19);マカク(配列番号20);マーモセット(配列番号21);ネズミキツネザル(配列番号22)およびオラウータン(配列番号23)を含む、霊長類種からのラクリチン同族体の25アミノ酸C末端断片のアライメントを示し、霊長類種間で高い配列保存を示す。

0025

略称および頭字語
FACS蛍光活性化セルソーターを意味する。
HCEはヒト角膜上皮を意味する。
HPSEはヘパラナーゼを意味する。
HSはヘパリン硫酸を意味する。
HSGはヒト唾液腺を意味する。
INFGはインターフェロンγを意味する(IFNGとも示す)。
IRBは治験審査委員会を意味する。
SDC1はシンデカン-1を意味する。
TGMはトランスグルタミナーゼを意味する。
TNFは腫瘍壊死因子を意味する。

0026

(定義)
本発明の説明および特許請求の範囲において、以下の用語が下記の定義に従って使用される。

0027

本明細書で用いる用語「ラクリチンポリペプチド」などの用語は、配列番号1のアミノ酸配列および/またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む任意のペプチドとして定義される。本明細書で用いる用語ラクリチンポリペプチドの「生物学的活性断片」または「生物活性断片」は、アミノ酸配列MKFTTLLFLAAVAGALVYAEDASSDSTGADPAQEAGTSKPNEEISGPAEPASPPETTTTAQETSAAAVQGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKAGKGMHGGVPGGKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号1)の天然または合成部分包含する。ラクリチン(配列番号1)の断片は、例えば:KQFIENGSEFAQKLLKKFS(配列番号5)(「N-94/C-6」)(Wang et al., (2006) J. Cell Biol. 174, 689-700)、およびKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)(「N-94」)(Zhang et al., (2013) J. Biol. Chem. 288, 12090-12101参照)を含む。

0028

本明細書で用いる用語「約(about)」は、大体(approximately)、辺り(in the 領域 of)、およそ(roughly)または付近(around)を意味する。用語「約」を数値または範囲とあわせて用いるとき、述べられる数値の上下の境界を広げることによりその範囲を変更する。例えば、一態様において、20%の分散により示される値の上下の数値を変更するために用語「約」を用いるが、このより広い定義に任意の値または値の範囲を指定することを意図しない。用語「約」が前に付く各値または値の範囲はまた、述べられる絶対的な値または値の範囲の実施態様を包含することを意図する。

0029

本明細書で用いる「アシル化」アミノ酸は、それが産生される方法にかかわらず、天然アミノ酸に対して非天然であるアシル基を含むアミノ酸である。アシル化アミノ酸およびアシル化ペプチドを産生する典型的な方法は当該技術分野において公知であり、ペプチド中への包含前にアミノ酸をアシル化することまたはペプチド合成後のペプチドの化学的アシル化を含む。いくつかの実施態様において、アシル基は、(i)血液循環における半減期延長、(ii)作用発現遅延、(iii)作用の長期持続、および(iv)プロテアーゼに対する抵抗の向上のうちの1以上をペプチドに有させる。

0030

本明細書で用いる「アルキル化」アミノ酸は、それが産生される方法にかかわらず、天然アミノ酸に対して非天然であるアルキル基を含むアミノ酸である。アルキル化アミノ酸およびアルキル化ペプチドを産生する典型的な方法は当該技術分野において公知であり、ペプチド中への包含前にアミノ酸をアルキル化することまたはペプチド合成後のペプチドの化学的アルキル化を含む。任意の特定の理論に縛られるものではないが、ペプチドのアルキル化は、同じでなくとも、ペプチドのアシル化と同様の効果、例えば、血液循環における半減期の延長、作用の発現の遅延、作用の長期持続、およびプロテアーゼに対する抵抗の向上を達成するだろうと考えられる。

0031

本明細書で用いる用語「医薬的に許容される担体」は、標準的な医薬担体のいずれか、例えばリン酸緩衝生理食塩溶液、水、エマルジョン、例えば油/水または水/油型エマルジョン、および様々なタイプの湿潤剤を含む。用語はまた、ヒトを含む動物において用いるための米国連邦政府の規制当局により承認されるかまたはUS薬局方収載される任意の物質を包含する。

0032

本明細書で用いる用語「医薬的に許容される塩」は、親化合物生物学的活性を維持し、生物学的にまたはその他に望ましくないものでない化合物の塩を意味する。本明細書に記載の化合物の多くは、アミノおよび/またはカルボキシル基またはその類似基の存在のおかけで酸および/または塩基性塩を形成できる。

0033

本明細書で用いる用語「親水性部分」は、容易に水に可溶であるかまたは容易に水を吸収し、そして毒性作用なく哺乳類種によるインビボで耐えられる(すなわち生体適合性である)任意の化合物を意味する。親水性部分の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸ポリグリコール酸ポリ乳-ポリグリコール酸共重合体ポリビニルアルコールポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾリンポリエチルオキサゾリンポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ならびにセルロース誘導体、例えばヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースおよびその共重合体、ならびに例えば、アルブミン、ヘパリンおよびデキストランを含む天然ポリマーが挙げられる。

0034

実験、診断または処置の「対象体」は、ヒトを含む動物である。

0035

本明細書で用いる用語「ドライアイ」は、眼を保湿し、眼に栄養分を与えるための十分な涙液がない任意の状態を包含する。ドライアイを有する対象体は、十分な涙を生成しないか、または涙の低品質を有する。本明細書で用いるドライアイとしては、涙液減少型および蒸発亢進型ドライアイが挙げられるが、これらに限定されない。涙液減少型ドライアイとしては、シェーグレン症候群ドライアイ(一次性および二次性を含む)、非シェーグレンのドライアイ(涙の欠乏、涙腺導管閉塞、反射遮断、および全身性の薬物からを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。蒸発亢進型ドライアイとしては、内因性マイボーム油欠乏、眼瞼裂障害、低いまばたき率、およびアキュテイン薬物作用により生じるものを含む)および外因性ビタミンA欠乏、局所薬物の防腐剤、コンタクトレンズ着用、および眼表面疾患(例えばアレルギー)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。

0036

本明細書で用いる用語「処置する」は、特定の障害もしくは病態の予防、特定の障害もしくは病態に関連する症状の緩和および/または前記症状を予防もしくは排除することを含む。例えば、本明細書で用いる用語「ドライアイを処置する」は、一般的に正常レベル近くに基礎的な涙レベルを維持することを意味し、所与の状況に依存して涙レベルを増加させることを含み得る。

0037

本明細書で用いる医薬品の「有効な」量または「治療上有効量」は、無毒性であるが、所望の効果を提供する薬剤の十分な量を意味する。例えば1つの所望の効果は、ドライアイの防止または処置であろう。「有効」である量は、年齢、個体の全身状態、投与様式などに依存して対象体ごとに変化するだろう。したがって、正確な「有効量」を特定することは必ずしも可能だとは限らない。しかしながら、任意の個体の場合における適切な「有効な」量は、日常の試験を用いて当業者により決められ得る。

0038

本発明に関連して用いられる用語「更なる治療上活性な化合物」または「更なる治療剤」は、処置される特定の傷害、疾患または障害のための更なる治療上の使用のための化合物の使用または投与を意味する。例えばこのような化合物は、無関係な疾患もしくは障害、または処置される傷害、疾患もしくは障害のための最初の措置に反応し得ない疾患もしくは障害を含み得るだろう。

0039

本明細書で用いる用語「同一性」は、2以上の配列間の類似性を意味する。同一性は、同一の残基数を残基の総数割り、結果に100を架けて、パーセンテージを達成することにより測定される。したがって、全く同じ配列の2つのコピーは、100%の同一性を有し、一方、互いに比較してアミノ酸/核酸酸欠損、付加または置換を有する2つの配列は、より低い程度の同一性を有する。当業者は、いくつかのコンピュータープログラム、例えばBLAST(Basic Local Alignment Search Tool, Altschul et al. (1993) J. Mol. Biol. 215:403-410)などのアルゴリズムを使用するものが配列同一性の決定に利用可能であることを認識するだろう。

0040

本明細書で用いるアミノ酸「修飾」は、アミノ酸の置換、またはアミノ酸へ/からの化学基の付加および/または除去によるアミノ酸の誘導を意味し、ヒトタンパク質において一般に見られる20アミノ酸、および異型または非天然アミノ酸のいずれかでの置換を含む。異型アミノ酸の商業供給権としては、Sigma-Aldrich(Milwaukee, WI)、ChemPep Inc. (Miami,FL)およびGenzyme Pharmaceuticals(Cambridge, MA)が挙げられる。異型アミノ酸を、商業供給業者から購入し得るか、あらたに合成し得るか、または化学的に天然アミノ酸から修飾または由来させ得る。

0041

本明細書で用いるアミノ酸「置換」は、異なるアミノ酸残基による1つのアミノ酸残基の置き換えを意味する。

0042

本明細書で用いる用語「保存的アミノ酸置換」は、本明細書においては次の5つのグループの1つ内での交換として定義される。
I. 小さい脂肪族非極性または弱極性残基
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性負電荷残基およびそのアミド
Asp、Asn、Glu、Gln、システイン酸およびホモシステイン酸
III. 極性正電荷残基:
His、Arg、Lys;オルニチン(Orn)
IV. 大きい脂肪族非極性残基
Met、Leu、Ile、Val、Cys、Norロイシン(Nle)、ホモシステイン
V. 大きい芳香族残基
Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン

0043

本明細書で用いる用語「単離された」は、その自然環境から取り除かれたことを意味する。いくつかの実施態様において、ペプチドは組み換え法により作られ、当該ペプチドは宿主細胞から単離される。

0044

本明細書で定義される用語「精製された」は、天然または自然環境において通常分子または化合物に関連する夾雑物を本質的に含まない形態で分子または化合物の単離を意味し、本来の組成物の他の成分から分離されたことの結果として純度が増加したことを意味する。用語「精製されたポリペプチド」は、本明細書において、制限されないが核酸分子、脂質および炭水化物を含む他の化合物から分離されたポリペプチドを説明するために用いられる。

0045

「ペプチドミメティック」は、既存のペプチドの一般的な構造と異なるが、例えばそのペプチドの生物学活性を模倣することにより、既存のペプチドと同様に機能する構造を有する化学化合物を意味する。ペプチドミメティックは、典型的に天然アミノ酸および/または非天然アミノ酸を含むが、ペプチド骨格への修飾もまた含み得る。例えばペプチドミメティックとしては、非ペプチド部分、例えばレトロ-インベルソ断片の挿入もしくは置換、または非ペプチド結合、例えばアザペプチド結合(NHによって置換されたCO)、もしくはシュードペプチド結合(例えばCH2で置換されたNH)、もしくはエステル結合(例えば、アミド(-CONHR-)結合のうちの1以上がエステル(COOR)結合によって置き換えられる、デプシペプチド)の組込みを有する天然アミノ酸配列が挙げられ得る。またはペプチドミメティックは、全く天然アミノ酸を欠き得る。

0046

本明細書で用いる用語化合物「の投与」および/または化合物「を投与する」は、処置を必要とする対象体に本発明の化合物を提供することを意味すると解すべきである。

0047

本明細書で用いるアミノ酸は、以下の表に示されるように、その正式名称、それに対応する3文字コード、またはそれに対応する1文字コードによって表される。

0048

本明細書で用いる用語「アミノ酸」は、アミノおよびカルボキシル両方の官能基を含む任意の分子を包含し、ここでアミノおよびカルボキシレート基は同じ炭素(α炭素)に結合される。α炭素は、適宜1または2つの更なる有機置換基を有し得る。本開示のために立体化学の特定のないアミノ酸の指定は、アミノ酸のLもしくはD体のいずれか、またはラセミ混合物を包含することが意図される。しかしながら、アミノ酸がその3文字コードにより指定され、上付き数字を含む場合、アミノ酸のD体は、3文字コードの前に小文字dを上付き数字を含むこと(例えば、dLys1)により特定され、ここで小文字d(例えば、Lys1)を欠く指定は、アミノ酸の本来のL体を明示することを意図する。この命名法において、上付き数字を含むことは、N-末端から連続して番号付けられるペプチド配列におけるアミノ酸の位置を指定する。本明細書で用いる表現「アミノ酸」は、天然および合成のアミノ酸の両方、ならびにDおよびL体アミノ酸の両方を含むことを意味する。「標準的アミノ酸」は、天然のるペプチドにおいて一般的に見られる20のL-アミノ酸のいずれかを意味する。

0049

本明細書で用いる用語「非コードのアミノ酸」は、それが合成的に調製されるかまたは天然の供給源から誘導されるかにかかわらず、次の20のアミノ酸:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、TyrのいずれかのL-異性体でない任意のアミノ酸を包含する。

0050

本明細書で用いるペプチドの一般的言及は、制限されないが塩を含む、修飾されたアミノおよびカルボキシ末端を有するペプチドを包含することを意図する。例えば、標準的アミノ酸を指定するアミノ酸配列は、N-およびC-末端における標準的アミノ酸、ならびにN-末端における対応するヒドロキシル酸および/または対応する修飾されたC末端アミノ酸を包含して、末端カルボン酸の位置でアミド基を含むことが意図される。本発明のペプチド内に含まれる、特に、カルボキシまたはアミノ末端のアミノ酸は、それらの活性に有害な影響を及ぼすことなく、ペプチドの循環半減期を変更し得るメチル化アミド化アセチル化または他の化学基との置換によって、修飾され得る。さらに、ジスルフィド結合は、本発明のペプチド中に存在してもよく、または存在しなくてもよい。

0051

用語「アミノ酸」は「アミノ酸残基」と区別しないで用いられ、遊離アミノ酸およびペプチドのアミノ酸残基を意味し得る。それが遊離アミノ酸を意味しようとまたはペプチドの残基を意味しようといずれにせよ、どの用語が使用されるかについては文脈から理解されよう。

0052

アミノ酸は、側鎖Rに基づいて次の7つのグループに分類され得る:(1)脂肪族側鎖、(2)水酸(OH)基を含む側鎖、(3)硫黄原子を含む側鎖、(4)酸性またはアミド基を含有する側鎖、(5)塩基性基を含有する側鎖、(6)芳香環を含有する側鎖、および(7)プロリン(側鎖がアミノ基に融合したイミノ酸)。

0053

本発明のペプチド化合物を説明するために使用される命名法は、従来法に従い、ここで、アミノ基は左側に提示され、カルボキシ基は各アミノ酸残基の右側に提示される。本発明の選択された特定の実施態様を表す式において、アミノおよびカルボキシ末端基は、特に示さないが、他に明記されない限り、それらが生理学的pH値で呈する形態にあることが理解されよう。

0054

明細書で用いる用語「塩基性」または「正に荷電した」アミノ酸は、R基がpH 7.0で正味の正の電荷を有するアミノ酸を意味し、限定されないが、標準的アミノ酸であるリシンアルギニン、およびヒスチジンを含む。

0055

本明細書において使用する用語「抗体」は、抗原上の特異的エピトープに特異的に結合
することが可能である免疫グロブリン分子を意味する。抗体は、天然の供給源または組換え供給源から誘導される無傷(intact)な免疫グロブリンであり得て、無傷な免疫グロブリンの免疫反応性の部分であり得る。抗体は、典型的に、免疫グロブリン分子の四量体である。本発明における抗体は、例えば、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体、Fv、FabおよびF(ab)2、ならびに一本鎖抗体およびヒト化抗体を含む様々な形態で存在し得る。

0056

本明細書で用いる「抗微生物剤」は、任意の微生物の増殖を妨害するか、またはそのような微生物を死滅させる任意の化合物を意味する。

0057

本明細書で用いる「殺菌剤」は、任意の細菌の増殖を妨害するか、またはそのような細菌を死滅させる任意の化合物を意味する。

0058

本明細書で用いる用語ポリペプチドの「生物学的活性断片」または「生物活性断片」は、それらの天然リガンドと特異的に結合できるか、またはタンパク質の機能を行うことができる完全長タンパク質の天然または合成部分を包含する。

0059

本明細書で用いる用語「相補的」または「相補性」は、塩基対形成規則に従って関係付けられるポリヌクレオチド(すなわちヌクレオチドの配列)に関して使用される。例えば、配列「AGT」は配列「TCA」に相補的である。

0060

単語「検出する」およびその文法的変化形の使用は、定量を伴わない種の測定を意味し、一方、単語「決定する(determine)」または「測定する(measure)」の使用は、それらの文法的変化形と共に、定量を伴う種の測定を意味する。用語「検出する」および「特定する」は、本明細書において区別しないで用いられる。

0061

本明細書において使用される「検出可能なマーカー」または「レポーター分子」は、マーカーを伴わない類似の化合物の存在下でマーカーを含む化合物の特異的検出を可能にする原子または分子である。検出可能なマーカーまたはレポーター分子としては、例えば、放射性同位元素抗原決定基酵素ハイブリダイゼーションに利用可能な核酸、クロモフォアフルオロフォア化学発光分子電気化学的に検出可能な分子、および改変された蛍光偏光または改変された光散乱を提供する分子が挙げられる。

0062

本明細書で用いる語句「生存を増強する」は、細胞集団における死の量、または死の割合を減少すること意味する。生存を増強することは、細胞死単独(例えば、アポトーシスに関連する細胞死)を予防すること、または細胞死の割合を減少することにより得る。細胞死の減少はまた、いくらか細胞増殖を誘導するような間接的効果から生じ得て、そのような間接的効果は、細胞が死ぬ時に、細胞の集団の少なくともいくらかまたはすべてを効果的に補充する。細胞の生存を増強することはまた、増殖を誘導することおよび細胞死、または細胞死の割合を減少することの組み合わせによって、達成し得る。「生存を促進する」および「生存性を増強する」は、本明細書において「生存を増強供する」と区別しないで用いられる。

0063

「断片」または「セグメント」は、少なくとも1つのアミノ酸を含むアミノ酸配列の一部、または少なくとも1つのヌクレオチドを含む核酸配列の一部ある。用語「断片」および「セグメント」は、本明細書において区別しないで用いられる。処置における使用のための組成物の部分としてまたはラクリチン効果を誘発するために本明細書において使用されるラクリチンペプチドの断片は、誘発させようとする応答に対して生物学的活性断片であると推定される。

0064

本明細書で用いる「機能的な」生物学的分子は、それが特徴付けられる特性または活性を示す形態の生物学的分子である。例えば、機能的酵素は、酵素が特徴付けられる特徴的な触媒活性を示す酵素である。

0065

本明細書で用いる「遺伝子」は、核酸コーディング配列、およびDNA配列メッセンジャーRNAmRNA)に転写され、その後、特定のポリペプチドに特有なアミノ酸の配列に翻訳されるのに必要な調節要素を意味する。

0066

本明細書において使用する用語「傷害」は、細胞または細胞の集団における正常な細胞の代謝の変更を生じる物質または環境変化との接触を意味する。環境傷害として、化学物質環境汚染重金属、ウイルスまたは細菌感染、温度の変化、pHの変化、および酸
損傷、DNA損傷、または病原を生じる因子を挙げられ得るが、これらに限定されない。用語「傷害」は、本明細書では、「環境傷害」と区別しないで用いられる。

0067

本明細書で用いる用語「シンデカン-1」は、配列番号2のアミノ酸配列ならびにその生物学的活性断片、誘導体および同族体を含むペプチドを意味する。本明細書で用いる用語シンデカン-1ポリペプチドの「生物学的活性断片」または「生物活性断片」は、アミノ酸配列MRRAALWLWLCALALSLQPALPQIVATNLPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDTQLLTAIPTSPEPTGLEATAASTSTLPAGEGPKEGEAVVLPEVEPGLTAREQEATPRPRETTQLPTTHQASTTTATTAQEPATSHPHRDMQPGHHETSTPAGPSQADLHTPHTEDGGPSATERAAEDGASSQLPAAEGSGEQDFTFETSGENTAVVAVEPDRRNQSPVDQGATGASQGLLDRKEVLGGVIAGGLVGLIFAVCLVGFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA(配列番号2)の天然または合成部分を包含する。配列番号2の下線部分は、配列:
QIVATNLPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDTQLLTAIPTSPEPTGLEATAASTSTLPAGEGPKEGEAVVLPEVEPGLTAREQEATPRPRETTQLPTTHQASTTTATTAQEPATSHPHRDMQPGHHETSTPAGPSQADLHTPHTEDGGPSATERAAEDGASSQLPAAEGSGEQDFTFETSGENTAVVAVEPDRRNQSPVDQGATGASQGLLDRKE(配列番号3)を有する、「シンデカン-1の流されて脱グリカン化された90kDa形態」(または90kDa脱グリカン化SDC-1)を表す。

0068

本明細書で用いる用語「SDC-1外部ドメインの25kDa断片」(または25kDa SDC-1)は、90kDa脱グリカン化SDC-1のLPEV配列を含むSDC-1の25kDa断片を意味する。

0069

本明細書で用いる用語「ヘパラナーゼ」は、配列番号4のアミノ酸配列ならびにその生物学的活性断片、誘導体および同族体を含むペプチドを意味する。本明細書で用いる用語ヘパラナーゼポリペプチドの「生物学的活性断片」または「生物活性断片」は、アミノ酸配列MLLRSKPALPPPLMLLLLGPLGPLSPGALPRPAQAQDVVDLDFFTQEPLHLVSPSFLSVTIDANLATDPRFLILLGSPKLRTLARGLSPAYLRFGGTKTDFLIFDPKKESTFEERSYWQSQVNQDICKYGSIPPDVEEKLRLEWPYQEQLLLREHYQKKFKNSTYSRSSVDVLYTFANCSGLDLIFGLNALLRTADLQWNSSNAQLLLDYCSSKGYNISWELGNEPNSFLKKADIFINGSQLGEDFIQLHKLLRKSTFKNAKLYGPDVGQPRRKTAKMLKSFLKAGGEVIDSVTWHHYYLNGRTATKEDFLNPDVLDIFISSVQKVFQVVESTRPGKKVWLGETSSAYGGGAPLLSDTFAAGFMWLDKLGLSARMGIEVVMRQVFFGAGNYHLVDENFDPLPDYWLSLLFKKLVGTKVLMASVQGSKRRKLRVYLHCTNTDNPRYKEGDLTLYAINLHNVTKYLRLPYPFSNKQVDKYLLRPLGPHGLLSKSVQLNGLTLKMVDDQTLPPLMEKPLRPGSSLGLPAFSYSFFVIRNAKVAACI(配列番号4)の天然または合成部分を包含する。

0070

本明細書で用いる「リガンド」は、標的化合物に特異的に結合する化合物である。リガンドが異種の化合物の検体において化合物の存在を決定する結合反応において機能する場合、リガンド(例えば、抗体)は、化合物と「特異的に結合する」または「特異的な免疫反応性である」。したがって、指定されたアッセイ(例えば、イムノアッセイ)条件下では、リガンドは、好ましくは、特定の化合物に結合し、サンプル中に存在する他の化合物には有意な程度では結合しない。例えば、抗体は、イムノアッセイ条件下で、抗体が惹起されたエピトープを有する抗原に特異的に結合する。様々なイムノアッセイ形式は、特定の抗原に特異的に免疫反応する抗体を選択するために使用してもよい。例えば、固相ELISA免疫アッセイは、抗原に特異的に免疫反応するモノクローナル抗体を選択するために日常的に使用される。特異的免疫反応性を決定するために使用することができるイムノアッセイ形式および条件の説明については、Harlow and Lane, 1988, 抗bodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York参照。

0071

本明細書で用いる用語「連結」は、2つの基間の接続を意味する。接続は、共有結合か、またはイオン結合水素結合、および疎水性親水性相互作用を含むがこれらに限定されない非共有結合のいずれかであり得る。

0072

本明細書で用いる用語「リンカー」は、共有結合的または非共有結合的のいずれかで、例えば、イオンもしくは水素結合またはファンデルワールス相互作用を介して、他の2つの分子を連結する分子を意味する。

0073

本明細書で用いる「眼表面」は、眼の表面、特に、角膜表面を意味する。

0074

本明細書で用いる語句「眼表面に関する疾患、傷害または病態」は、眼表面の疾患、障害、または病態について本明細書に記載の問題または症状のいずれかを直接的または間接的に引き起こすか、または引き起こすことができる任意の疾患、障害または病態を意味する。

0075

作動可能に連結される」は、成分がそれらの機能を実施するように構成される並置を意味する。したがって、コーディング配列に作動可能に連結された制御配列またはプロモーターは、コーディング配列の発現を生じることが可能である。

0076

「マーカー」は、そのようなマーカーを伴わない類似の分子の存在下で該マーカーを含む分子の特異的検出を可能にする原子または分子である。マーカーとしては、例えば、放射性同位元素、抗原決定基、ハイブリダイゼーションに利用可能な核酸、クロモフォア、フルオロフォア、化学発光分子、電気化学的に検出可能な分子、改変された蛍光偏光または改変された光散乱を提供する分子および細胞または生物体の増強された生存を可能にする分子(すなわち、選択マーカー)が挙げられる。レポーター遺伝子は、マーカーをコードする遺伝子である。

0077

本明細書で用いる用語「発現レベルを測定すること」または「発現レベルを決定すること」は、アッセイの結果を目的の遺伝子またはタンパク質の発現レベルと相関させるために使用し得る任意の測定またはアッセイを意味する。このようなアッセイは、mRNAのレベル、タンパク質レベルなどの測定を含み、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析、結合アッセイ、免疫ブロットなどのアッセイにより行い得る。発現レベルは発現率を含み得て、存在するmRNAまたはタンパク質の実際の量によって測定され得る。このようなアッセイは、情報を保存および処理する、レべル、シグナルなどを定量するのを助ける、ならびにレベルを比較する際に用いるための情報をデジタル化するために、プロセスまたはシステムと結び付けられる。

0078

ポリリンカー」は、相互に緊密に配設された(すなわち、各部位間は10ヌクレオチド未満一連の3以上の異なる制限エンドヌクレアーゼ認識配列を含む核酸配列である。

0079

本明細書で用いる用語「プロモーター/調節配列」は、プロモーター/調節配列に作動可能に連結された遺伝子産物の発現に必要である核酸配列を意味する。いくつかの例において、この配列は、コアプロモーター配列であり得て、他の例において、この配列はまた、エンハンサー配列および遺伝子産物の発現に必要である他の調節要素を含み得る。プロモーター/調節配列は、例えば、組織特異的様式で遺伝子産物を発現する配列であり得る。

0080

「構成性プロモーター」は、それが、細胞において一定の様式で作動可能に連結される遺伝子の発現を駆動するプロモーターである。例えば、細胞のハウスキーピング遺伝子の発現を駆動するプロモーターは、構成性プロモーターと考えられる。

0081

誘導性」プロモーターは、遺伝子産物をコードまたは特定するポリヌクレオチドに作動可能に連結される場合、実質的にプロモーターに対応する誘導物質が細胞に存在する場合にのみ、生細胞において遺伝子産物を産生させるヌクレオチド配列である。

0082

「組織特異的」プロモーターは、遺伝子産物をコードまたは特定するポリヌクレオチドに作動可能に連結される場合、実質的に細胞が、プロモーターに対応する組織タイプの細胞である場合にのみ、生細胞において遺伝子産物を産生させるヌクレオチド配列である。

0083

本明細書で用いる「核酸」、「DNA」および類似の用語もまた、核酸アナログ、すなわち、ホスホジエステル骨格以外を有するアナログを含む。例えば、当該技術分野において公知であり、骨格においてホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有するいわゆる「ペプチド核酸」も本発明の範囲内にあると考えられる。

0084

他に明記されない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、相互の縮重バージョンであり、同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を含む。タンパク質およびRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含み得る。

0085

用語「ペプチド」は、3以上のアミノ酸の配列を包含し、ここで該アミノ酸は、天然に存在するかまたは合成の(天然に存在しない)アミノ酸である。ペプチドミメティックは、1以上の次の修飾物を有するペプチドを含む:
1. 1以上のペプチジル--C(O)NR--連結(結合)が--CH2-カルバメート連結(--CH2OC(O)NR--)、ホスホン酸連結、-CH2-スルホンアミド(-CH2--S(O)2NR--)連結、尿素(--NHC(O)NH--)連結、--CH2-第二級アミン連結などの非ペプチジル連結、またはアルキル化ペプチジル連結(--C(O)NR--)[式中、RはC1-C4アルキル]によって置き換えられているペプチド;
2.N末端が、--NRR1基、--NRC(O)R基、--NRC(O)OR基、--NRS(O)2R基、--NHC(O)NHR基[式中、RおよびR1は水素またはC1-C4アルキルであるが、ただし、RおよびR1の両方が同時に水素でない]に誘導体化されるペプチド;
3.C末端が、--C(O)R2[式中、R2は、C1〜C4アルコキシからなる群より選択される]、および--NR3R4[式中、R3およびR4は、水素およびC1〜C4アルキルからなる群より独立して選択される]に誘導体化されるペプチド。

0086

合成または天然に存在しないアミノ酸は、インビボで天然には存在しないが、それにもかかわらず、本明細書に記載のペプチド構造に組込まれ得るアミノ酸を指す。得られる「合成ペプチド」は、ペプチドの1、2またはそれ以上の位置で、天然に存在し、遺伝子によりコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含有する。例えば、ナフチルアラニンを、トリプトファンに対して置換し、合成を容易にし得る。ペプチドに置換され得る他の合成アミノ酸としては、L-ヒドロキシプロピル、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニルα-アミノ酸、たとえばL-α-ヒドロキシリシルおよびD-α-メチルアラニル、L-α-メチルアラニル、β-アミノ酸ならびにイソキノリルが挙げられる。D型アミノ酸および天然に存在しない合成アミノ酸もまた、ペプチドに組込み得る。他の誘導体は、遺伝子によりコードされる20種のアミノ酸(または任意のLもしくはD型アミノ酸)の天然に存在する側鎖の他の側鎖による置き換えを含む。

0087

用語「融合ポリペプチド」または「融合タンパク質」は、1以上の異種配列(例えば、非ラクリチンポリペプチド、例えばシンデカン)へN-および/またはC-末端において連結された基準タンパク質(例えば、ラクリチン)を含むキメラタンパク質を意味する。ペプチド連結が、第1のアミノ酸残基の骨格アミノ基および第2のアミノ酸残基のカルボキシル基間で生じるため、ポリペプチド分子は、「アミノ末端」(N末端)および「カルボキシ末端」(C末端)を有すると言える。ポリペプチド配列に関する用語「N末端」および「C末端」は、それぞれポリペプチドのN末端およびC末端領域の部分を含むポペプチドの領域を意味する。ポリペプチドのN末端領域の部分を含む配列は、主にポリペプチド鎖のN末端側の半分からのアミノ酸を含むが、該配列に限定されない。例えば、N末端配列は、ポリペプチドのN末端およびC末端側の半分両方からの塩基を含むポリペプチド配列を含み得る。同じことはC末端領域に当てはまる。N末端およびC末端領域は、必ずではないが、それぞれポリペプチドの最後のN末端およびC末端を定義するアミノ酸を含み得る。

0088

本発明の融合タンパク質は、組換え法または固相化学ペプチド合成法により製造され得る。該方法は、1960年代初期から当該技術分野において公知であり(Merrifield, 1963)(Stewart et al., Solid Phase Peptide Synthesis, 2 ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12もまた参照)、最近市販の実験用ペプチドデザインおよび合成キット(Cambridge Research Biochemicals)において用いられている。さらに、多くの利用可能なFMOCペプチド合成システムが利用可能である。例えば、ポリペプチドまたは断片のアッセンブリーは、Applied Biosystems, Inc. Model 431A自動化ペプチドシンセサイザーを用いて固体支持体上で実施され得る。該装置は、直接合成、または他の公知の技術を用いてつなげ得る一連の断片の合成いずれかにより本発明のペプチドへの即座のアクセスを提供する。

0089

本発明はまた、ラクリチン生物活性断片またはラクリチン/シンデカン-1融合タンパク質、ならびにラクリチン断片またはラクリチン/シンデカン-1融合タンパク質をコードする核酸分子、および宿主細胞において本発明の核酸分子を発現できるベクターを含む発現カセットを発現する安定な細胞株を含む。好ましくは発現カセットは、核酸配列に作動可能に連結されるプロモーター、例えば構成性または制御可能なプロモーターを含む。一実施態様において、発現カセットは誘導可能なプロモーターを含む。また、本発明の発現カセットまたはベクターを含む、宿主細胞、例えば原核細胞または真核細胞、例えば植物または脊椎動物細胞、例えば哺乳動物細胞(制限されないがヒト、非ヒト霊長類イヌネコウシウマヒツジまたはげ歯類(例えばウサギ、ラット、フェレットまたはマウス)細胞が挙げられる)、ならびに核酸分子、発現カセット、ベクター、宿主細胞またはラクリチン/シンデカン-1融合タンパク質を含むキットを提供する。

0090

「ベクター」はまた、単離核酸を含む、単離核酸を細胞の内部に送達するために使用され得る合成物を含む意味である。線状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性の化合物、プラスミド、およびウイルスに関連するポリヌクレオチドを含むがこれらに限定されない多数のベクターが当該技術分野において公知である。したがって、用語「ベクター」は、自律複製するプラスミドまたはウイルスを含む。用語はまた、例えば、ポリリシン化合物、リポソームなどの核酸の細胞への伝達を容易にする非プラスミド性および非ウイルス性化合物を含むと解釈されるべきである。ウイルスベクターの例として、アデノウイルスベクターアデノ随伴ウイルスベクターレトロウイルスベクター、プラスミド、コスミドλファージベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0091

発現ベクター」は、発現させようとするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを意味する。発現ベクターは、発現のためのシス作用性要素を含み、発現のための他の要素は、宿主細胞によってかまたはインビトロ発現系において供給され得る。発現ベクターは、コスミド、プラスミド(例えば、のまたはリポソームに含有される)および組換えリヌクレオチドを組み込むウイルスなどの当該技術分野において公知のすべてのものを含む。

0092

本明細書で用いる用語「創傷」は、組織または細胞層に対する物理断裂または破断に関する。創傷は、外科手術を含む任意の物理的傷害によって生じ得る。

0093

実施態様
本明細書に記載のようにラクリチンに基づく活性を有する組成物は、眼表面に関する疾患、傷害または病態を処置するために開示される。一実施態様によれば、ラクリチンポリペプチド、ラクリチンの生物活性断片、非天然ラクリチンペプチド、またはラクリチンのペプチドミメティック誘導体を含む組成物を提供する。一実施態様において、組成物は、配列番号1、配列番号7、配列番号8、配列番号5および配列番号6からなる群より選択される配列、または1、2、3、4もしくは5つのアミノ酸修飾により配列番号1、配列番号7、配列番号8、配列番号5もしくは配列番号6と異なる配列を含む。一実施態様において、組成物は、配列番号7もしくは配列番号8からなる群より選択される配列、または1、2、3、4もしくは5つのアミノ酸置換により配列番号7もしくは配列番号8と異なる配列を含み、そして更なる実施態様において1、2、3、4または5つのアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。

0094

一実施態様において、ラクリチンの生物活性断片を含む組成物を提供し、ここで該生物活性断片は、配列番号7の配列、1つのアミノ酸置換により配列番号7と異なる誘導体からなる。一実施態様において、1つのアミノ酸置換は保存的アミノ酸置換であり、そして更なる実施態様において、アミノ酸置換は4、6、8、10、17および19の位置にある。一実施態様において、生物活性断片は、配列番号7の配列、または位置4もしくは19における1つのアミノ酸置換により配列番号7と異なる誘導体からなる。驚くべきことに、本願出願人は、天然ヒトラクリチンの25アミノ酸C末端断片(配列番号7)が、ヒト涙液において末端の6アミノ酸が取り除かれた同じ断片(配列番号5)と比較して安定性を高めることを発見した。特に、免疫ブロッティングは、37℃で4時間ラクリチン枯渇涙液中にてインキュベーション後、N-94/C-6はエピトープを失うが、Lacripep(「N-94」;配列番号7)が失わないことを明らかにした。

0095

眼科用製品の局所適用が患者のコンプライアンスのために最もポピュラーで忍容性の良好な投与経路のままであるが、点眼剤バイオアベイラビリティは、まばたき、基準および反射涙液分泌、ならびに涙の排流により激しく妨害される。局所処置の治療指標を高める1つの解決法は、薬物担体としてポリマーナノ粒子の適用による。一実施態様によれば、ナノ粒子に連結されるラクリチンまたはその生物活性断片を含む医薬組成物を提供する。一実施態様において、ナノ粒子は熱応答性エラスチン様ポリペプチド(ELP)である。ELPは、繰返しペンタペプチドモチーフ(Val-Pro-Gly-Xaa-Gly)n(配列番号24)から構成され、可溶性になるより下で相分離するより上である独特な可逆的逆相転移温度、Ttを示す。一実施態様において、ラクリチンまたはその生物活性断片のカルボキシ末端は、ELPに連結され、一実施態様において、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8からなるペプチドのC-末端は、繰返しペンタペプチドモチーフ(VPGSG)48(VPGIG)48(配列番号28)に連結される。

0096

一実施態様によれば、シンデカン-1ペプチド、非天然ペプチドまたはそのペプチドミメティック誘導体を含む組成物を提供する。一実施態様において、ペプチドは、配列番号2および配列番号3からなる群より選択される配列、または1、2、3、4または5つのアミノ酸により配列番号2および配列番号3と異なる配列、ならびにその同族体および断片を含む。一実施態様において、ペプチドは、1、2、3、4または5つの保存的アミノ酸置換により配列番号2および配列番号3と異なる。一実施態様において、アミノ酸修飾はアミノ酸置換であり、一実施態様において、置換は保存的アミノ酸置換である。一実施態様において、組成物は、配列番号2の配列からなるシンデカン-1断片を含む。

0097

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列またはその断片もしくは同族体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0098

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列、または配列番号2もしくは配列番号3のペプチドミメティック誘導体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有する非天然アミノ酸配列を含む。ペプチドが非天然であるという記載は、親ペプチドの天然ペプチドを除外することを意図する。

0099

ラクリチンペプチドまたはその生物活性断片もしくは誘導体を含む組成物は、ドライアイと含む、眼表面に関する疾患、障害および病態を処置する際に使用をしている。したがって一実施態様において、組成物を含むラクリチンポリペプチドは、該疾患、障害および病態を処置するために使用される。

0100

一実施態様によれば、ヘパリナーゼペプチド、非天然ペプチドまたはそのペプチドミメティック誘導体を含む組成物を提供し、ここで該ペプチドは、配列番号4からなる群より選択される配列、または1、2、3、4または5つのアミノ酸により配列番号4と異なる配列、ならびにその同族体および断片を含む。一実施態様において、1、2、3、4または5つのアミノ酸修飾により配列番号4と異なるヘパリナーゼペプチドを提供する。一実施態様において、アミノ酸修飾はアミノ酸置換であり、一実施態様において、置換は保存的アミノ酸置換である。

0101

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列またはその断片もしくは同族体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0102

いくつかの実施態様において、本開示のペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列または配列番号4のペプチドミメティック誘導体に対して少なくとも75%、80%、85%、90%または95%の配列同一性を有する非天然アミノ酸配列を含む。ペプチドが非天然であるという記載は、親ペプチドの天然ペプチドを除外することを意図する。

0103

一実施態様において、本明細書に記載の誘導体は、上記のアミノ酸配列を有するペプチドと等しい活性を修飾ペプチドが有する限り、1、2、または3つのアミノ酸が、親ペプチドと比較して削除、置換、付加されたアミノ酸配列を含む。

0104

別の一実施態様において、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を有する新規な単離ポリペプチドを提供する。一実施態様において、ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を有する。別の一実施態様において、ポリペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を有する。別の一実施態様において、ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を有する。別の一実施態様において、ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を有する。

0105

別の一実施態様において、本発明は、治療における使用のための、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む単離ポリペプチド提供する。一実施態様において、本発明は、治療における使用のための、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む精製ポリペプチド提供する。一実施態様において、本発明は、眼表面に関する疾患、傷害または病態の処置における使用のための、配列番号7のアミノ酸配列からなる精製ポリペプチド提供する。

0106

別の一実施態様において、本発明は、眼表面に関する疾患、傷害もしくは病態または本明細書に列記される任意の兆候処置用医薬の製造のための、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む単離ポリペプチドの使用を提供する。一実施態様において、ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列からなる精製ポリペプチドである。

0107

別の一実施態様において、本発明は、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む少なくとも1つのポリペプチドを治療上有効量にて含む新規な医薬組成物提供し、ここで該組成物は、対象体の眼表面への局所投与に適する。

0108

別の一実施態様において、組成物は、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む。別の一実施態様において、組成物は、配列番号6のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む。別の一実施態様において、組成物は、配列番号7のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む。別の一実施態様において、組成物は、配列番号8のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含む。

0109

一実施態様において、本発明の組成物はさらに担体を含む。一態様において、担体は緩衝生理食塩水である。一態様において、本発明の組成物は医薬組成物である。一態様において、本発明の医薬組成物は医薬的に許容される担体を含む。一態様において、担体は緩衝生理食塩水である。一態様において、本発明の医薬組成物は、さらに少なくとも1つの更なる治療剤を含む。別の一実施態様において、組成物はさらに緩衝生理食塩水を含む。別の一実施態様において、緩衝液リン酸緩衝液である。別の一実施態様において、緩衝液は、リン酸ナトリウムリン酸二ナトリウムリン酸カリウムリン酸二カリウム、およびその組合せから選択される。

0110

別の一実施態様において、組成物は、さらにNaClおよびKClから選択される塩を含む。別の一実施態様において、溶液のpHは、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.8、7.9、および8から選択される。別の一実施態様において、pHは7.4である。

0111

本発明のための緩衝生理食塩溶液の例は、H2Oおよび次の成分を含む。

0112

別の一実施態様において、本発明は、それを必要とする対象体の眼表面を本発明の組成物と接触させることを含む、ドライアイを処置する新規な方法を提供する。一実施態様によれば、本明細書に記載の組成物に基づくラクリチンでの処置は、次の効果のうちの1以上を生じさせる:
a) 処置は流涙を回復または増加させる;
b) 処置は炎症を引き起こすまたは増加させることなく流涙を回復または増加させる;
c) 処置は基礎的流涙を回復させる;
d) 処置は涙腺炎症を抑制する;
e) 処置は角膜染色に対する眼の感受性を減少させる;
f) 処置は涙液のオスモル濃度を減少させる;
g) 処置は眼表面の健康を向上させる;
h) 処置は涙腺を刺激する;
i) 処置はマイボーム腺を刺激する;
j) 処置は結膜杯細胞を刺激する;
k) 処置は角膜知覚神経を刺激する;
l) 処置は処置される対象体の涙液中のシンデカン-1の流されて脱グリカン化された90kDa形態レベルを増加させる;
m) 処置は処置される対象体の涙液中のSDC-1外部ドメインの25kDa断片レベルを減少させる;
n) 処置は処置される対象体の涙液中の不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントレベルを減少させる;
o) 処置はレベル処置される対象体の涙液中の潜在型ヘパラナーゼを増加させる;そして
p) 処置は処置される対象体の涙液中の活性化ヘパラナーゼレベルを減少させる。
組成物を含むラクリチンを用いる処置に適した患者は、次の状態のうちの1以上を有する患者を含む:
a) 処置前の対象体の涙液が、正常な非ドライアイの涙液と比較して90kDa脱グリカン化SDC-1レベルの低下を含む;
b) 処置前の対象体の涙液が、正常な非ドライアイの涙液と比較して25kDa SDC-1レベルの上昇を含む;
c) 処置前の対象体の涙液が、正常な非ドライアイの涙液と比較して不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントレベルの上昇を含む;
d) 処置前の対象体の涙液が、正常な非ドライアイの涙液と比較して潜在型ヘパラナーゼレベルの低下を含む;
e) 処置前の対象体の涙液が、正常な非ドライアイの涙液と比較して活性化ヘパラナーゼレベルの上昇を含む;および
f)手術を受けるまでの時間にかかわらず、対象体が、PRK(レーザー屈折矯正角膜切除術)もしくはLASIK(レーザー角膜内切削切除形成術)手術または眼の他の外科手術から回復中であり、PRKまたはLASIK手術を受け、ドライアイを患っている任意の対象体を含む。一実施態様において、過去1日、1カ月、6カ月、1年または数年以内にPRKまたはLASIK手術を受けた対象体は、本明細書に記載の製剤を含むラクリチンを用いる処置から恩恵を受け得る。

0113

一実施態様によれば、眼を保湿し、眼に栄養分を与えるための十分な涙液がないことに苦しむ、十分な涙を生成しないか、または涙の低品質を有する対象体を特定するための方法である。一実施態様において、方法は、
潜在型ヘパラナーゼ/活性型ヘパラナーゼ;
90kDa 脱グリカン化SDC-1;
25kDa SDC-1;および
不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアント
からなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質の存在について該対象体から得られた涙液検体を検査すること含み、ここで、潜在型ヘパラナーゼまたは活性型ヘパラナーゼ、および90kDa脱グリカン化SDC-1の濃度は測定され、潜在型ヘパラナーゼレベルの減少、または活性型ヘパラナーゼの増加、(正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して)および/または90kDa脱グリカン化SDC-1レベルの減少(正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して)および/または涙液検体中の25kDa SDC-1の検出、および/または涙液検体中の不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出は、ドライアイを有する対象体を特定する。個体の4つの状態のいずれか1つまたはその任意の組合せの検出は、例えば配列番号7のラクリチン断片を含む、ラクリチンポリペプチドを含む組成物の局所投与から利益を得るだろう、ドライアイを患う対象体を示す。

0114

一実施態様によれば、涙液検体を対象体から得て、90kDa脱グリカン化SDC-1および25kDa SDC-1の濃度を測定する。正常な眼からのこれらのペプチドの濃度と比較して、25kDa SDC-1レベルの増加と一緒になった90kDa脱グリカン化SDC-1レベルの減少は、ドライアイを有する対象体を特定する。一実施態様において、涙液検体を対象体から得て、検体を25kDa SDC-1の存在について検査し、ここで25kDa SDC-1の検出は、ドライアイを有する対象体を特定する。一実施態様において、涙液検体を対象体から得て、検体を不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在について検査し、ここで不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出は、ドライアイを有する対象体を特定する。一実施態様において、涙液検体を対象体から得て、検体を25kDa SDC-1および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在について検査し、ここで25kDa SDC-1および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出は、ドライアイを有する対象体を特定する。

0115

有利には、ドライアイのこれらのマーカーは、ラクリチン治療から利益を得るだろう対象体を特定するための根拠として機能を果たし得る。したがって一実施態様において、ドライアイを処置するための方法を提供し、ここで第1工程は、処置に適したこれらの対象体を特定することを含む。一実施態様において、ドライアイについて対象体を処置する方法は、対象体から涙液検体を得て、潜在型ヘパラナーゼ/活性型ヘパラナーゼ、90kDa脱グリカン化SDC-1、25kDa SDC-1および不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントからなる群より選択される少なくとも1つのタンパク質の存在を検出することを含み、ここで、潜在型ヘパラナーゼレベルの減少、または活性型ヘパラナーゼの増加、(正常な眼からの涙液中に存在するレベルと比較して)、90kDa 脱グリカン化SDC-1レベルの減少(正常な眼からの涙液と比較して)、25kDa SDC-1の検出、および/または不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出は、ドライアイを有する対象体を特定する。潜在型ヘパラナーゼ、活性型ヘパラナーゼ、90kDa 脱グリカン化SDC-1、25kDa SDC-1、および/または不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの検出されたレベルに基づいてドライアイを有するとして特定された対象体は、その後、例えば配列番号7のペプチドを含む、ラクリチンポリペプチドを含む組成物が投与される。より具体的には、ラクリチンまたはその生物活性断片を含む医薬組成物と対象体の眼表面を接触させる。

0116

一実施態様によれば、ドライアイに苦しむとして特定された対象体を、
KQFIENGSEFAQKLLKKFS(配列番号5);
KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7);
KQFIENGSEFANKLLKKFS(配列番号6);および
KQFIENGSEFANKLLKKFSLLKPWA(配列番号8)からなる群より選択されるラクリチンの生物活性断片、または1もしくは2つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体と接触させる。一実施態様において、ラクリチンの生物活性断片は、KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる。

0117

一実施態様によれば、ラクリチン治療で処置可能であるドライアイに苦しむ対象体は、ラクリチンモノマーの存在について対象体の涙液を試験することにより特定され、ここでコントロールと比較してモノマーの選択的低下はドライアイを示す。コントロールは、ドライアイを患っていない対象体(または対象体群)である。別の一実施態様において、ラクリチン治療で処置可能であるドライアイに苦しむ対象体は、90kDa脱グリカン化SDC-1の存在について対象体の涙液を試験することにより特定され、ここで正常なレベルの90kDa脱グリカン化SDC-1の検出はドライアイを示さない。別の一実施態様において、ラクリチン治療で処置可能であるドライアイに苦しむ対象体は、対象体の涙液を採取し、重さによって涙液のタンパク質を分離することにより特定される。一実施態様において、涙液のタンパク質はSDS-PAGEの使用により分離される。

0118

別の一実施態様において、試験は、25kDa SDC-1の存在を検出できる物質を含む試験紙と対象体の涙液を接触させることにより実施される。一実施態様において、物質は抗体であり、適宜モノクローナル抗体である。

0119

別の一実施態様において、試験は、90kDa脱グリカン化SDC-1の存在を検出できる物質を含む試験紙と対象体の涙液を接触させることにより実施される。一実施態様において、物質は抗体であり、適宜モノクローナル抗体である。

0120

別の一実施態様において、涙液は、25kDa SDC-1および90kDa脱グリカン化SDC-1の存在について試験され、ここで、正常なレベルの90kDa脱グリカン化SDC-1の検出はドライアイを示さず、25kDa SDC-1の存在はドライアイを示す。別の一実施態様において、ドライアイに苦しむ患者を特定する方法は、さらに、本発明の組成物で対象体を処置する工程を含む。一実施態様において、涙液中に25kDa SDC-1を有すると分かった対象体の眼表面は、組成物を含むラクリチンまたはラクリチン断片で処置される。

0121

別の一実施態様において、本発明は、25kDa SDC-1の存在について対象体の涙液を試験することを含むドライアイを有する対象体を特定する新規な方法提供し、ここで、25kDa SDC-1の存在はドライアイを示す。一実施態様において、試験は、対象体の涙液を採取し、重さに基づいて涙液のタンパク質を分離することにより実施される。一実施態様において、ペプチドの分離はSDS-PAGEを用いて実施される。

0122

別の一実施態様において、不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在について対象体の涙液を試験することを提供し、ここで、不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在はドライアイを示す。一実施態様において、不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在は、対象体の涙液を採取し、重さによって涙液のタンパク質を分離することにより検出される。一実施態様において、涙液のタンパク質はSDS-PAGEの使用により分離される。別の一実施態様において、試験は、不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントの存在を検出できる物質を含む試験紙と対象体の涙液を接触させることにより実施される。一実施態様において、物質は抗体であり、適宜モノクローナル抗体である。更なる実施態様において、本発明の組成物と涙液中に不活性型ラクリチン-Cスプライスバリアントを有すると分かった対象体の眼表面を接触させることを含む処置方法を提供する。

0123

別の一実施態様において、ドライアイを有する対象体を特定する新規な方法は、活性型および潜在型ヘパラナーゼの存在について対象体の涙液を試験することを含み、ここで、活性型ヘパラナーゼの増加または潜在型ヘパラナーゼの減少の存在はドライアイを示す。一実施態様において、試験は、対象体の涙液を採取し、重さによって涙液のタンパク質を分離し、潜在型および活性型ヘパラナーゼを検出できる抗ヘパラナーゼ抗体でブロットすることにより実施される。

0124

一実施態様において、蒸発亢進型ドライアイ、角膜炎症または角膜潰瘍形成を患う対象体は、本明細書に記載の組成物を含むラクリチンポリペプチドとそれを必要とする対象体の細胞を接触させることにより処置され得る。

0125

別の一実施態様において、本発明は、ヒト角膜上皮細胞または涙腺房細胞の増殖を増強する新規な方法を提供し、ここで該方法は、本発明の組成物とそれを必要とする対象体の細胞を接触させることを含む。一実施態様において、本明細書に記載のラクリチンペプチド組成物は、対象体の角膜上皮細胞の増殖を増強するか、対象体の涙腺房細胞の増殖を増強するか、または上皮細胞アポトーシスもしくは上皮細胞死の他の形態を阻害するために、用いられる。一実施態様において、方法は、本明細書に記載のラクリチンペプチド組成物とそれを必要とする対象体の細胞を接触させることを含み、ここで該細胞は、角膜細胞結膜細胞、または両方の組合せから選択される。

0126

別の一実施態様において、ラクリチンペプチドと接触させる上皮細胞は、傷害にさらされている。一実施態様において、ラクリチンペプチドは、配列番号7の配列からなる。一実施態様において、傷害は、眼瞼炎、ドライアイ、結膜炎、シェーグレン症候群、角膜剥離、潰瘍形成、細菌感染症、直接外傷、手術、放射エネルギーイオン化するエネルギーウイルス感染症真菌感染症寄生虫感染症、角膜炎、全身性皮膚障害膠原血管病ライター病およびベーチェット病からなる群より選択される。

0127

別の一実施態様において、リソソームクリアリングの疾患を処置する方法を提供し、ここで該方法は、本開示の組成物と対象体の眼表面を接触させることを含む。一実施態様において、疾患は、緑内障および加齢黄斑変性症(AMD)から選択される。一実施態様において、方法は、ラクリチンペプチドを含む組成物と対象体の眼表面を接触させることを含み、ここで該ペプチドは、配列番号7の配列からなる。

0128

別の一実施態様において、本発明は、リソソームのクリアリングの処置に関する。該疾患としては:緑内障、加齢黄斑変性(AMD)が挙げられる。科学的理論に縛られることを望むものではないが、ラクリチンは、ストレスを受けた細胞における細胞内活性化(毒性)タンパク質の自食的捕捉およびリソソーム分解を引き起こすと考えられる。AMDにおいて、「ドルーゼン」の形成は、網膜色素上皮細胞の細胞内およびこの細胞付近の細胞外両方である。本発明のポリペプチド(例えば、ラクリチン、または配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のポリペプチド)の局所投与が眼へ深く浸透する場合、それはRPEオートファジーを刺激して、ドルーゼンを激減させるだろうと予想される。開放隅角緑内障において、線維柱帯網細胞におけるストレスは、蓄積する細胞内物質の形成を引き起こす。オートファジーは慢性的に増加するが、これは細胞には不健康である。代わりに、ラクリチンは、問題となっている蓄積するタンパク質を取り除くのに十分な加速オートファジーの迅速で一時的なボーラス強制する。その後、オートファジーは基準に戻る。本開示のポリペプチドは、これらの細胞へのアクセスを獲得すると予想される。

0129

別の一実施態様において、本発明は、新規な殺菌性組成物を提供する。一実施態様によれば、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8から選択されるラクリチンのC末端断片、または1、2もしくは3つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8と異なるその誘導体を含む殺菌性組成物を提供する。一実施態様において、組成物は、対象体の眼表面への局所投与に適する。一実施態様において、1、2または3つのアミノ酸置換により配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8と異なるラクリチン誘導体は、配列番号7の番号付けに対して4、6、8、10、17および19の位置から選択される位置にあるアミノ酸置換を有する。これらの位置は、霊長類種の非常に保存されたC末端領域間可変性を示す(図9参照)。一実施態様において、ラクリチン誘導体は、配列番号7の番号付けに対して4および/または19の位置において1または2つのアミノ酸置換により配列番号7または配列番号8と異なる。一実施態様において、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換である。一実施態様によれば、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8から選択されるラクリチンのC末端断片を含む殺菌性組成物を提供する。一実施態様によれば、配列番号7または配列番号8から選択されるラクリチンのC末端断片を含む殺菌性組成物を提供し、一実施態様において、ラクリチンのC末端断片はKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる。

0130

一実施態様において、第1の抗菌剤を含む殺菌性組成物を提供し、該抗菌剤は、配列番号5、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8のアミノ酸配列またはその生物学的活性断片、同族体もしくは誘導体を含むポリペプチドであり、該組成物は、対象体の眼表面への局所投与に適する。一態様において、ポリペプチドは配列番号5の配列のアミノ酸を有する。別の一態様において、ポリペプチドは配列番号6のアミノ酸配列を有する。別の一態様において、ポリペプチドは配列番号7のアミノ酸配列を有する。別の一態様において、ポリペプチドは配列番号8のアミノ酸配列を有する。一態様において、殺菌性組成物は、さらに殺菌性の許容される担体を含む。

0131

一実施態様において、殺菌性組成物は、さらに第2の抗菌剤を含む。一実施態様において、組成物は、さらに抗菌剤を含む。適切な眼科用抗菌剤は当業者に公知であり、米国特許第5,300,296号、第6,316,669号、第6,365,636号および第6,592,907号に記載のものを含み、これらの開示は本明細書の一部とする。本発明による使用に適した抗菌剤の例としては、塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムベンジルアルコールクロロブタノールクロルヘキシジンジグクロネートまたはジアセテート、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエートパラベン)、フェニルエチルアルコール酢酸または硝酸フェニル水銀ソルビン酸、およびチメロサールが挙げられる。

0132

一実施態様において、第2の抗菌剤は殺菌性組成物に存在し、一実施態様において、第2の抗菌剤は哺乳類の眼に天然に存在するものである。一実施態様において、第2の抗菌剤はリゾチームである。一実施態様によれば、殺菌性組成物は、ラクリチンのC末端断片および第2の抗菌剤を含み、ここで、ラクリチンのC末端断片と第2の抗菌剤の比は少なくとも2:1である。一実施態様において、殺菌性組成物は、ラクリチンのC末端断片およびリゾチームを含み、ここで、リゾチームのラクリチンのC末端断片に対する重量比は、4:1〜3:1である。一実施態様において、ラクリチンのC末端断片はKQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)からなる。

0133

一実施態様によれば、眼の感染症を処置するための方法を提供する。方法は、ラクリチンポリペプチドを含む組成物を眼に局所投与する工程を含む。別の一実施態様において、本発明は、本発明の殺菌性組成物とそれを必要とする対象体の角膜を接触させることを含む、角膜感染症を処置する新規な方法を提供する。一実施態様において、KQFIENGSEFAQKLLKKFSLLKPWA(配列番号7)の配列からなるペプチドは、ドライアイの処置または角膜感染症の処置のための医薬の製造において用いられる。

0134

別の一実施態様において、対象体の眼表面を接触させることによるドライアイを患う対象体を処置する方法が、本発明の組成物と涙液中の活性型ヘパラナーゼを有すると分かった。

0135

別の一実施態様において、本発明は、本発明の組成物を含む新規な容器を提供し、ここで、組成物は点眼剤形態であり、1用量に十分な量である。別の一実施態様において、組成物は点眼剤の形態であり、1〜2用量に十分な量である。別の一実施態様において、組成物は点眼剤の形態であり、1週間、2週間、3週間または4週間まで十分な量である。別の一実施態様において、容器は、単回使用アンプル、組成物の点眼剤を投与するために形成されたボトル、またはボディおよびキャップを含むボトルの形態であり、ここで、点眼器がキャップまたはキャップの一部に接続する。

0136

米国特許第7,648,964号、第7,459,440号、第7,320,870号および第7,932,227号、ならびに国際公開第98/27205号(Jacobs et al., 1998年6月25日公開)、Sanghi et al., 2001, J. Mol. Biol., 310:127, Wang et al., 2006, J. Cell Biol., 174(5):689-700, Epub 2006 Aug 21, Ma et al., J. Cell Biol., 2006, 174:7:1097-1106, Zhang et al., J. Biol. Chem., 2013, 288(17):12090-101: Epub 2013 Mar 15に記載される方法を用いて本発明はまた実施され得て、これらの内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。

0137

本発明の様々な態様および実施態様を以下にさらに詳細に記載する。

0138

一実施態様によれば、ドライアイ疾患の分子同定のための新規な機構は、原因に対処する回復治療と結び付けられる。一実施態様において、ドライアイを特定する方法は、シンデカン-1からの約90KDa脱グリカン化が正常な個体の涙液において豊富であるが、ドライアイを患う個体においては豊富でなく、一方、約25kDaシンデカン-1断片がドライにおいて検出可能であり、正常な涙液において検出可能でないという発見に関している。局所ラクリチン、脱グリカン化シンデカン-1のアゴニストが、眼の表面の乾燥に角膜知覚神経を敏感にし、神経の湿潤応答を増加させるという発見もまた本明細書に開示されている。したがって、本発明の一実施態様は、涙液中の約90kDaの異常なレベル低下および/または25kDa シンデカン-1の存在を検出することによりドライアイを特定する方法に関する。
別の一実施態様は、局所ラクリチンまたはラクリチン断片、合成ペプチドまたはミメティックを投与することにより角膜神経の乾燥および湿潤応答を増加させる方法に関する。

0139

現在の涙液補充物は、一部に該製品から得られる軽減が極めて短期間(15分間未満)であるため、患者には普及していない。涙液に代わるアプローチの例には、緩衝化等張性食塩溶液、溶液をより粘性にすることで眼から容易に流出し難くする水溶性ポリマーを含有する水溶液が含まれる。涙液再構成はまた、リン脂質および油などの涙膜の1以上の成分を提供することによって試みられる。これらの処置アプローチの例は、米国特許第4,131,651号(Shah et al.)、米国特許第4,370,325号(Packman)、米国特許第4,409,205号(Shively)、米国特許第4,744,980号および第4,883,658号(Holly)、米国特許第4,914,088号(Glonek)、米国特許第5,075,104号(Gressel et al.)および米国特許第5,294,607号(Glonek et al.)に記載されており、これらの開示は本明細書の一部とする。既存の眼科用製剤また、TGF-β、コルチコステロイドまたはアンドロゲンを含み得る。すべてが眼に対して非特異的であり、全身性作用を有する。対照的に、ラクリチンは、高度に眼に限定され、ヒト涙液および涙膜の天然の構成要素である。

0140

ラクリチンまたはその断片、同族体もしくは誘導体を含む眼科用製剤(例えばラクリチンを含む人工涙液)は、ラクリチンの活性およびその局在化された効果のためとても所望されている。本発明の一実施態様によれば、ラクリチンまたはその生物活性断片を含む組成物は、角膜創傷治癒を増強する、および/または涙液流出が不十分な患者を処置するために用いられる。本発明のラクリチン組成物は、標準的な眼科用成分を用いて製剤化され得て、好ましくは局所投与のための液剤懸濁剤および他の投与形態として当該組成物は製剤化される。水溶液は、製剤化の容易性生物学的適合性(特に、処置しようとする疾病、例えば、ドライアイ型疾患および障害を考慮して)、ならびに罹患した眼に1〜2滴の溶液を点眼することによりこのような組成物を容易に投与する患者の能力に基づくことが一般に好ましい。しかしながら、組成物はまた、懸濁液、粘性もしくは半粘性ゲル、または他のタイプの固体もしくは半固体組成物であり得る。

0141

本発明の組成物は、界面活性剤、防腐剤、抗酸化剤等張化剤緩衝剤、防腐剤、共溶媒および増粘剤(viscosity building agent)を含み得る。局所眼科用製剤において有用な様々な界面活性剤が本組成物において用いられ得る。これらの界面活性剤は、ラクリチンの化学的分解を防止することを援助し得て、また、組成物が包装される容器にラクリチンが結合することを防止し得る。界面活性剤の例としては、次が挙げられるが、これらに限定されない:Cremophor.TM. EL、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリオキシル23ラウリルエーテルおよびポロキサマー407を組成物に用い得る。貯蔵中の酸化のからラクリチンポリペプチドを保護するため抗酸化剤を本発明の組成物に加え得る。該抗酸化剤の例としては、ビタミンEおよびそのアナログ、アスコルビン酸および誘導体、ならびにブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられるが、これらに限定されない。

0142

既存の人口涙液製剤はまた、ラクリチン活性物質のための医薬的に許容される担体として用いられ得る。したがって一実施態様において、ラクリチンポリペプチドは、ドライアイ症候群のための既存の人口涙液製品を改良し、角膜創傷治癒を援助する製品を開発するために用いられる。担体として有用な人口涙液組成物の例としては、Tears NaturaleTM、Tears Naturale IITM、Tears Naturale FreeTM、およびBion TearsTMなどの市販品が挙げられるが、これらに限定されない(Alcon Laboratories, Inc., Fort Worth, Tex.)。他のリン脂質担体製剤の例としては、米国特許第4,804,539号(Guo et al.)、米国特許第4,883,658号(Holly)、米国特許第4,914,088号(Glonek)、米国特許第5,075,104号(Gressel et al.)、米国特許第5,278,151号(Korb et al.)、米国特許第5,294,607号(Glonek et al.)、米国特許第5,371,108号(Korb et al.)、米国特許第5,578,586号(Glonek et al.)に記載のものが挙げられ;本発明のリン脂質担体として有用なリン脂質組成物を開示する限り上記特許は出典明示により本明細書の一部とする。一実施態様によれば、配列番号7の配列からなるラクリチンペプチドおよび医薬的に許容される担体を含む局所眼科用製剤を提供する。一実施態様において、組成物はさらにリン脂質を含む。代替実施態様において、組成物は、さらに界面活性剤、防腐剤、抗酸化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、共溶媒および/または増粘剤を含む。

0143

他の化合物もまた、担体の粘性を増加さえるために本開示の眼科用組成物に加えられ得る。増粘剤の例としては、多糖類、例えばヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸およびその塩、デキストラン、セルロースファミリーの様々なポリマービニルポリマー;およびアクリル酸ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、リン脂質担体または人工涙液担体組成物は、1〜400センチポアズ(「cps」)の粘度を示す。人工涙液またはリン脂質担体を含有する好ましい組成物は、約25 cpsの粘度を示す。

0144

局所用眼科用製品は、典型的に複数回用量の形態で包装される。したがって、防腐剤は、使用中の微生物混入を防止するために必要である。適切な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、臭化ベンゾデシニウム、メチルパラベンプロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム-1、または当業者に公知の他の物質が挙げられる。そのような防腐剤は、典型的に、0.001〜1.0%w/vのレベルで用いられる。本発明の単位用量組成物は、無菌であり、典型的に保存処置がされていない。したがってこのような組成物は、一般に防剤を含有しない。

0145

ラクリチン遺伝子発現を調節する遺伝子プロモーターは、先に記載の任意の涙腺遺伝子に最も特異的であるため、この遺伝子の調節要素を用いて、眼における他の遺伝子産物を発現させ得る。特に、ラクリチン遺伝子プロモーターを、広範な外因性遺伝子に作動可能に連結して、涙腺への遺伝子産物の発現を調節する、および/または遺伝子治療として使用して、ドライアイ症候群を処置し得る。

0146

本開示のペプチドは、Stewart et al.によるSolid Phase Peptide Synthesis, 2nd Edition, 1984, Pierce Chemical Company, Rockford, Illinois;およびBodanszkyとBodanszkyによるThe Practice of Peptide Synthesis, 1984, Springer-Verlag, New Yorkに記載の固相ペプチド合成(SPPS)などの標準的な十分に確立された技術によって容易に調製され得る。はじめに、適切に保護されたアミノ酸残基が、そのカルボキシル基を介して、架橋されたポリスチレンまたはポリアミド樹脂などの誘導体化された不溶性ポリマー支持体に付着される。「適切に保護された」は、アミノ酸のα-アミノ基、および任意の側鎖官能基の両方における保護基の存在を意味する。側鎖保護基は、一般に、合成全体を通して使用される溶媒、試薬および反応条件に対して安定であり、最終的なペプチド産物に影響を及ぼさない条件下で脱離可能である。オリゴペプチドの段階的合成は、最初のアミノ酸からのN保護基の脱離、所望のペプチドの配列での次のアミノ酸のカルボキシル末端のそれへの結合によって行われる。このアミノ酸もまた、適切に保護される。次に加わるアミノ酸のカルボキシルを活性化させ、カルボジイミド対称酸無水物またはヒドロキシベンゾトリアゾールまたはペンタフルオロフェニルエステルなどの「活性エステル」基への形成のような反応基への形成によって、支持体結合アミノ酸のN末端と反応させ得る。

0147

固相ペプチド合成方法の例としては、α-アミノ保護基としてtert-ブチルオキシカルボニルを利用したBOC方法、および9-フルオレニルメチルオキシカルボニルを利用して、アミノ酸残基のα-アミノを保護するFMOC方法が挙げられ、両方法とも当業者に周知である。

0148

Nおよび/またはCブロック基の組込みもまた、固相ペプチド合成方法に常用プロトコルを用いて達成され得る。C末端ブロック基の組込みのために、例えば、所望のペプチドの合成は、典型的に、樹脂からの切断によって所望のC末端ブロック基を有するペプチドが生じるように、化学的に修飾されている支持樹脂を固相として用いて達成される。C末端が第一級アミノブロック基を有するペプチドを提供するために、ペプチド合成が完了する時に、フッ化水素酸による処置により所望のC末端アミド化ペプチドが遊離されるように、例えば、合成は、p-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂を用いて、実施される。同様に、C末端におけるN-メチルアミンブロック基の組込みは、HF処置時に、N-メチルアミド化C末端を有するペプチドを遊離するN-メチルアミノエチル誘導体化DVB(樹脂)を用いて達成される。エステル化によるC末端のブロックもまた、従来の手順を使用して、達成され得る。これは、所望のアルコールとの以後の反応によりエステル官能基を形成させることを可能にするために、樹脂からの側鎖ペプチドの遊離を可能にする樹脂/ブロック基の組み合わせの使用を必要とする。メトキシアルコキシベンジルまたは等価なリンカーによって誘導体化されたDVB樹脂と組み合わされたFMOC保護基は、この目的のために用い得て、ジクロロメタン中TFAによって生じる支持体からの切断を伴う。その後、例えば、DCCによる適切に活性化されたカルボキシル官能基のエステル化は、所望のアルコールの添加、続いて、エステル化されたペプチド産物の脱保護および単離によって進められ得る。

0149

N末端ブロック基の組み入れを達成し得る一方、合成されたペプチドはなお、例えば、適切な無水物およびニトリルによる処理によって、樹脂に付着される。N末端においてアセチル-ブロック基を組み入れるために、例えば、樹脂に結合したペプチドを、アセトニトリル中20%無水酢酸で処理し得る。その後、Nブロックされたペプチド産物を樹脂から切断し、脱保護し、続いて、単離し得る。

0150

化学的または生物学的合成技術のいずれかから得られるペプチドが所望のペプチドであることを確認にするために、ペプチド組成の分析を行うべきである。ペプチドの分子量を決定するための高分解能質量分析を用いて該アミノ酸組成分析を実施し得る。代替的にまたは付加的に、ペプチドのアミノ酸含量は、酸性水溶液中でペプチドを加水分解し、HPLCまたはアミノ酸分析器を用いて混合物の成分を分離し、同定し、定量することによって、確認され得る。ペプチドの配列を明確に決定するために、ペプチドを配列順に分解し、順にアミノ酸を同定するタンパク質シークエネーターを用い得る。

0151

その使用の前に、ペプチドを精製して、夾雑物を除去する。これに関して、ペプチドは、適切な規制当局によって設定された基準を満たすように精製されることが理解されよう。要求される純度レベルを達成するために、例えば、アルキル化シリカカラム、例えばC4-、C8-またはC18-シリカを用いる逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む多くの従来の精製手順のうちのいずれか1つを用い得る。増加する有機含量グラジェント移動相は、例えば、通常、少量のトリフルオロ酢酸を含有する水性緩衝液中のアセトニトリルを通常用いて、精製を達成し得る。また、イオン交換クロマトグラフィーを用いて、それらの電荷に基づいてペプチドを分離し得る。

0152

もちろん、ペプチドまたはその抗体、誘導体もしくは断片は、活性に影響を及すことなく修飾されるアミノ酸残基を組込み得ることが理解されよう。例えば、末端を、「所望でない分解」(化合物の機能に影響を及ぼす可能性のあるその末端における化合物の任意のタイプの酵素的、化学的または生化学的分解、すなわち、その末端における化合物の配列分解を包含することを意味する用語)からのNおよびC末端を保護および/または安定化するのに適切なブロック基、すなわち化学置換基を含むように誘導体化し得る。

0153

ブロック基は、インビボでペプチドの活性に悪影響を及ぼさないペプチド化学の分野において従来使用される保護基を含む。例えば、適切なN末端ブロック基は、N末端のアルキル化またはアシル化によって導入され得る。適切なN末端ブロック基の例として、C1-C5分岐または非分岐アルキル基、アシル基、例えばホルミルおよびアセチル基、ならびにそれらの置換形態、例えばアセトアミドメチル(Acm)基が挙げられる。アミノ酸の脱アミノアナログもまた、有用なN末端ブロック基であり、ペプチドのN末端に結合され得るかまたはN末端残基の代わりに使用され得るかのいずれかである。C末端のカルボキシル基が組み込まれるかもしくは組み込まれないかのいずれかである適切なC末端ブロック基は、エステル、ケトンまたはアミドを含む。エステルまたはケトンを形成するアルキル基、特に、メチル、エチルおよびプロピルなどの低級のアルキル基、ならびに第一級アミン(-NH2)などのアミドを形成するアミノ基、ならびにメチルアミノ、エチルアミノジメチルアミノジエチルアミノメチルエチルアミノのようなモノ-およびジ−アルキルアミノ基などがC末端ブロック基の例である。アグマチンのような脱炭酸化されたアミノ酸アナログもまた、有用なC末端ブロック基であり、ペプチドのC末端残基に結合し得るかまたはその代わりに使用し得るかのいずれかである。さらに、末端における遊離のアミノおよびカルボキシル基は、ペプチドから完全に取り出して、ペプチド活性に対する影響を伴わないその脱アミノおよび脱炭酸形態を得ることができることが理解されよう。

0154

他の修飾もまた、活性に悪影響を及ぼさずに組み込まれ得て、これらは、天然のL型異性体の1以上のアミノ酸のD型異性体のアミノ酸による置換を含むが、これらに限定されない。したがって、ペプチドは、1以上のD-アミノ酸残基を含み得るか、またはすべてがD型であるアミノ酸を含み得る。本発明に従うレトロ逆転型のペプチド、例えば、すべてのアミノ酸がD-アミノ酸形態で置換される逆ペプチドもまた、企図される。

0155

本発明の酸付加塩もまた、機能的等価物として企図される。したがって、無機酸、例えば塩酸臭化水素酸、硫酸、硝酸リン酸、または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸グリコール酸ピルビン酸シュウ酸リンゴ酸マロン酸コハク酸マレイン酸フマル酸酒石酸クエン酸安息香酸ケイ皮酸マンデル酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸p-トルエンスルホン酸サリチル酸などで処理されて、ペプチドの水溶性塩を提供する本発明によるペプチドは、本発明における使用に適切である。

0156

差異もしくは配列に影響を及ぼさない修飾、またはその両方により天然のタンパク質またはペプチドと異なり得る。
例えば、タンパク質またはペプチドの一次配列を変更するが、通常その機能は変更しない保守的アミノ酸の変化がなされ得る。このため、10以上の保守的アミノ酸変化は、典型的に、ペプチド機能に影響を及ぼさない。一実施態様によれば、保守的アミノ酸置換は、次のグループ内での置換を含む。
グリシン、アラニン;
バリンイソロイシン、ロイシン;
アスパラギン酸グルタミン酸
アスパラギングルタミン
セリンスレオニン
リシン、アルギニン;
フェニルアラニン、チロシン

0157

修飾(通常、一次配列を変更しない)は、インビボまたはインビトロでのポリペプチドの化学的誘導体化、例えば、アセチル化、またはカルボキシル化を含む。また、グリコシル化の修飾、例えば、その合成およびプロセシング中または更なるプロセシング工程において、ポリペプチドのグリコシル化パターンを修飾することによって、例えば、ポリペプチドを、グリコシル化に影響を及ぼす酵素、例えば、哺乳動物のグリコシル化または脱グリコシル化酵素に曝露することによって、作られるものが含まれる。リン酸化されたアミノ酸残基、例えば、ホスホチロシンホスホセリンまたはホスホスレオニンを有する配列もまた包含される。

0158

通常の分子生物学的技術を用いて、タンパク質分解に対するそれらの耐性を改善するかもしくは可溶性特性を最大化するかもしくはそれらを治療用物質としてより適切にするように修飾されているポリペプチドまたは抗体フラグメントもまた含まれる。このようなポリペプチドのアナログは、天然に存在するL-アミノ酸以外の残基、例えば、D-アミノ酸または非天然の合成アミノ酸を含有するものを含む。本発明のペプチドは、本明細書で列挙される特定の例示的プロセスのいずれかの生成物に限定されない。

0159

一般に、ペプチド中のアミノ酸置換が、典型的には、性質が比較的類似している別のアミノ酸によるアミノ酸の置き換え(すなわち保存的アミノ酸置換)を伴うことは、当業者にはわかるであろう。さまざまなアミノ酸の性質と、アミノ酸置換がタンパク質の構造および機能に及ぼす効果は、当技術分野における広範な研究と知識の対象になってきた。

0160

例えば、結果として生じるポリペプチドが、上述した性質の類似するプロファイルまたは改善されたプロファイルを有するであろうという予測の下に、以下に挙げる等配電子的(isosteric)および/または保存的アミノ酸変化を、親ポリペプチド配列に加えることができる。

0161

アルキル置換疎水性アミノ酸の置換:アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ノルロイシン、S-2-アミノ酪酸、S-シクロヘキシルアラニン、または分岐鎖、環状鎖および直鎖アルキルアルケニルもしくはアルキニル置換を含むC1-10炭素の脂肪族側鎖で置換された他の類似するαアミノ酸を含む。

0162

芳香族置換疎水性アミノ酸の置換:フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンビフェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-ベンゾチエニルアラニン、3-ベンゾチエニルアラニン、ヒスチジン、先に挙げた芳香族アミノ酸のアミノ、アルキルアミノジアルキルアミノ、アザ、ハロゲン化フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)またはアルコキシ置換型を含み、その実例は2-、3-または4-アミノフェニルアラニン、2-、3-または4-クロロフェニルアラニン、2-、3-または4-メチルフェニルアラニン、2-、3-または4-メトキシフェニルアラニン、5-アミノ-、5-クロロ-、5-メチル-または5-メトキシトリプトファン、2'-、3'-、または4'-アミノ-、2'-、3'-、または4'-クロロ-、2、3、または4-ビフェニルアラニン、2'、-3'、-または4'-メチル-2、3または4-ビフェニルアラニン、または4'-メチル-2、3または4-ビフェニルアラニン、および2-または3-ピリジルアラニンである。

0163

塩基性官能基を含有するアミノ酸の置換:アルギニン、リシン、ヒスチジン、オルニチン、2,3-ジアミノプロピオン酸ホモアルギニン、前記アミノ酸のアルキル、アルケニル、またはアリール置換(C1-C10分岐、線状、または環状)誘導体を含み、置換基がヘテロ原子(例えばα窒素、または1もしくは複数の遠位窒素)上にあるか、α炭素上の例えばプロR(pro-R)位にあるかは問わない。実例として役立つ化合物には次に挙げるものがある:N-ε-イソプロピル-リシン、3-(4-テトラヒドロピリジル)-グリシン、3-(4-テトラヒドロピリジル)-アラニン、N,N-γ,γ'-ジエチル-ホモアルギニン。アルキル基がα炭素のプロR位を占めているα-メチルアルギニン、α-メチル-2,3-ジアミノプロピオン酸、α-メチルヒスチジン、α-メチルオルニチンなどの化合物も包含される。アルキル、芳香族、複素芳香族(ここで複素芳香族基は1つ以上の窒素、酸素または硫黄原子を単独でまたは組み合わせて有する)カルボン酸または数多くの周知の活性化誘導体(例えば酸塩化物、活性エステル、活性アゾライド(azolide)および関連誘導体)のいずれかと、リシン、オルニチン、または2,3-ジアミノプロピオン酸とから形成されるアミドも包含される。

0164

酸性アミノ酸の置換:アスパラギン酸、グルタミン酸、ホモグルタミン酸、チロシン、2,4-ジアミノプロピオン酸(2,4-diaminopriopionic acid)、オルニチンまたはリシンのアルキル、アリール、アリールアルキル、およびヘテロアリールスルホンアミド、ならびにテトラゾール置換アルキルアミノ酸を含む。

0165

側鎖アミド残基の置換:アスパラギン、グルタミン、およびアスパラギンまたはグルタミンのアルキルまたは芳香族置換誘導体を含む。

0166

ヒドロキシル含有アミノ酸の置換:セリン、スレオニン、ホモセリン、2,3-ジアミノプロピオン酸、およびセリンまたはスレオニンのアルキルまたは芳香族置換誘導体を含む。上に列挙した各カテゴリー内のアミノ酸で、同じグループの別のアミノ酸を置換できることも理解される。

0167

例えば、アミノ酸のハイドロパシーインデックス(hydropathic index)を考慮することができる(Kyte & Doolittle, 1982, J. Mol. Biol., 157:105-132)。アミノ酸の相対的ハイドロパシー特性(hydropathic character)は、結果として生じるタンパク質の二次構造に寄与し、その二次構造が、結果として、そのタンパク質と他の分子との相互作用を規定する。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特徴に基づいて、ハイドロパシーインデックスが割り当てられており(Kyte & Doolittle, 1982)、それらは次のとおりである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リシン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。保存的置換を行う際には、ハイドロパシーインデックスが±2以内のアミノ酸を使用することが好ましく、±1以内はより好ましく、±0.5以内はさらに好ましい。

0168

アミノ酸置換はアミノ酸残基の親水性を考慮してもよい(例えば米国特許第4,554,101号)。アミノ酸残基には親水性値が割り当てられている:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0);グルタミン酸(+3.0);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5.+-0.1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。類似する親水性を有する他のアミノ酸によるアミノ酸の置き換えが好ましい。

0169

他の考慮事項にはアミノ酸側鎖のサイズが含まれる。例えば、コンパクトな側鎖を有するアミノ酸、例えばグリシンまたはセリンを、嵩高い側鎖を有するアミノ酸、例えばトリプトファンまたはチロシンで置き換えることは、一般に好ましくないだろう。さまざまなアミノ酸残基がタンパク質二次構造に及ぼす効果も考慮事項である。実験的研究により、タンパク質ドメインαヘリックスβシートまたは逆ターン二次構造をとる傾向に、異なるアミノ酸残基が及ぼす効果は決定されており、当技術分野では知られている(例えばChou & Fasman, 1974, Biochemistry, 13:222-245;1978, Ann. Rev. Biochem., 47: 251-276;1979, Biophys. J., 26:367-384参照)。

0170

そのような考慮と広範な実験的研究に基づいて、保存的アミノ酸置換の表が構築されており、当技術分野では知られている。例えば:アルギニンおよびリシン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシンおよびイソロイシン。または:Ala(A)leu、ile、val;Arg(R)gln、asn、lys;Asn(N)his、asp、lys、arg、gln;Asp(D)asn、glu;Cys(C)ala、ser;Gln(Q)glu、asn;Glu(E)gln、asp;Gly(G)ala;His(H)asn、gln、lys、arg;Ile(I)val、met、ala、phe、leu;Leu(L)val、met、ala、phe、ile;Lys(K)gln、asn、arg;Met(M)phe、ile、leu;Phe(F)leu、val、ile、ala、tyr;Pro(P)ala;Ser(S)、thr;Thr(T)ser;Trp(W)phe、tyr;Tyr(Y)trp、phe、thr、ser;Val(V)ile、leu、met、phe、ala。

0171

アミノ酸置換に関する他の考慮事項には、残基がタンパク質の内部に位置するかどうか、または溶媒露出しているかどうかが含まれる。内部残基の場合、保存的置換には次の置換が含まれるであろう:AspとAsn;SerとThr;SerとAla;ThrとAla;AlaとGly;IleとVal;ValとLeu;LeuとIle;LeuとMet;PheとTyr;TyrとTrp。(例えば、PROWL Rockefeller Universityウェブサイト参照)。溶媒露出残基の場合、保存的置換には次の置換が含まれるであろう:AspとAsn;AspとGlu;GluとGln;GluとAla;GlyとAsn;AlaとPro;AlaとGly;AlaとSer;AlaとLys;SerとThr;LysとArg;ValとLeu;LeuとIle;IleとVal;PheとTyr。アミノ酸置換の選択を補助するために、PAM250スコアリングマトリックス、Dayhoffマトリックス、Granthamマトリックス、McLachlanマトリックス、Doolittleマトリックス、Henikoffマトリックス、Miyataマトリックス、Fitchマトリックス、Jonesマトリックス、Raoマトリックス、LevinマトリックスおよびRislerマトリックスなど、さまざまなマトリックスが構築されている(同上書)。

0172

アミノ酸置換の測定において、正電荷残基(例えばHis、Arg、Lys)と負電荷残基(例えばAsp、Glu)の間のイオン結合(塩橋)または近接するシステイン残基間のジスルフィド結合の形成など、分子間結合または分子内結合の存在も考慮することができる。

0173

任意のアミノ酸を使って、コードされているペプチド配列中の他の任意のアミノ酸を置換する方法はよく知られており、例えば部位特異的突然変異誘発技法によるか、アミノ酸置換をコードするオリゴヌクレオチドの合成およびアセンブリならびに発現ベクターコンストラクトへの接合によるなど、当業者にとっては日常的実験に過ぎない。

0174

の以下の公知の手順により精製され得て、ここで、免疫学的、酵素的または他のアッセイを用いて、手順の各段階において精製をモニターする。タンパク質の精製方法は当該技術分野において周知であり、例えば、Deutscher et al. (ed., 1990, Guide to Protein Purification, Harcourt Brace Jovanovich, San Diegoに記載されている。

0175

本発明はまた、本発明の組成物および組成物を対象体に投与することを説明する指示書を含むキットを含む。別の一実施態様において、このキットは、組成物を投与する前に本発明の組成物を溶解または懸濁するのに適した(好ましくは無菌の)溶媒を含む。

0176

本明細書で用いる用語「生理学的に許容される」エステルまたは塩は、組成物を投与される対象体に有害ではない医薬組成物の他の任意の成分に適合性である有効成分のエステルまたは塩の形態を意味する。

0177

本明細書に記載の医薬組成物の製剤は、任意の既知の方法によって調製され得るか、またはその後、薬理学の分野において開発され得る。一般に、このような調製方法は、有効成分を担体または1以上の他の付属成分と関連させ、その後、必要または所望であれば、製品を所望の単回または複数回の投与単位に形成または包装する工程を含む。

0178

本発明書において提供される医薬組成物の記載は、原則として、ヒトに対する倫理的投与に適する医薬組成物に関するが、当業者であれば、このような組成物はすべての種類の動物への投与に一般に適切であることを理解するであろう。組成物を様々な動物への投与に適切にするためのヒトへの投与に適した医薬組成物の修飾は、十分に理解されており、熟練した薬学者であれば、単なる通常の(もしあれば)実験を伴うこのような修飾を設計および実施し得る。本発明の医薬組成物の投与が企図される対象体としては、ヒトおよび他の霊長類、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、およびイヌのような商業上関連する哺乳動物ならびにニワトリ、アヒルガチョウ、およびシチメンチョウのような商業上関連するトリを含むトリが挙げられるが、これらに限定されない。

0179

本発明の方法において有用である医薬組成物を、調製し、包装し、または経口、直腸非経口静脈内、局所、、鼻内、口内、眼、髄腔内または別の投与経路に適切な製剤で販売し得る。他の企図される製剤としては、計画されたナノ粒子、リポソーム調製物、有効成分を含有する放出性赤血球、および免疫学的に基づく製剤が挙げられる。

0180

本発明の医薬組成物を、バルク形態で、単回単位用量として、または複数の単回単位用量として調製、包装または販売し得る。本明細書で用いる「単位用量」は、所定の量の有効成分を含む医薬組成物の個別の量である。有効成分の量は、一般に、対象体に投与される有効成分の用量、または該用量の都合の良い分率、例えば該用量の2分の1または3分の1に等しい。

0181

本発明の医薬組成物中の有効成分と医薬的に許容される担体および任意の更なる成分の相対量は、処置される対象体の同一性、サイズおよび病態に依存し、さらに組成物が投与される経路に依存して変動するだろう。例えば、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含み得る。

0182

有効成分に加えて、本発明の医薬組成物は、1以上のさらなる医薬的に活性な物質をさらに含み得る。特に企図される更なる物質は、制吐剤、ならびにスカベンジャー、例えばシアン化合物およびシアン酸塩のスカベンジャーを含む。

0183

本発明の医薬組成物の制御放出または徐放性製剤は、従来技術を用いて作られ得る。

0184

局所投与に適切な製剤としては、液体または半液体調製物、例えばリニメント剤ローション剤水中油型または油中水型エマルジョン、例えばクリーム剤軟膏剤もしくはペースト剤、および液剤または懸濁剤が挙げられるが、これらに限定されない。有効成分の濃度が、溶媒における有効成分の溶解度の限界ほどに高くなり得るが、局所的投与可能な製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の有効成分を含み得る。局所投与のための製剤は、本明細書に記載の1以上の更なる成分をさらに含み得る。

0185

本発明の医薬組成物を、眼科用投与に適切な製剤で、調製、包装、または販売し得る。このような製剤は、例えば、水性もしくは油性液体担体中で有効成分の0.1〜1.0%(w/w)溶液または懸濁液を含む、例えば、点眼剤の形態であり得る。このような点眼剤は、緩衝剤、塩、または本明細書に記載の更なる成分のうちの1以上の他のものをさらに含み得る。有用である他の眼科的に投与可能な製剤は、微結晶形態またはリポソーム調製物において有効成分を含むものを含む。

0186

本明細書で用いる「更なる成分」としては、次のうちの1以上が挙げられるがこれらに限定されない:添加剤;界面活性剤;分散剤不活性希釈剤造粒剤および崩壊剤結合剤滑沢剤甘味剤着香剤着色剤;防腐剤;生分解性組成物、例えばゼラチン水性媒体および溶媒;油性媒体および溶媒;懸濁化剤;分散剤または湿潤剤;乳化剤粘滑剤;緩衝剤;塩;増粘剤;賦形剤;乳化剤;抗酸化剤;抗生物質抗真菌剤安定化剤;および医薬的に許容されるポリマー性または疎水性材料。本発明の医薬組成物に含められ得る他の「更なる成分」は当該技術分野において公知であり、例えばGenaro, ed., 1985, Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに記載されており、これは出典明示により本明細書の一部とする。

0187

典型的には、対象体、好ましくはヒトに投与される本発明の化合物の用量は、対象体の体重当たり1μg〜約100 gの量の範囲である。投与される正確な用量は、対象体のタイプおよび処置される疾患状態のタイプ、対象体の年齢および投与経路を含むがこれらに限定されない、任意の多くの要因に依存して変化するであろう。

0188

本発明はさらに、ドライアイを有する対象体の特定を提供する。例えば、涙液中で見られるタンパク質またはペプチドは、ELISA、免疫アッセイ、免疫蛍光免疫組織化学免疫沈降およびウェスタンブロットを含むがこれらに限定されない様々な方法を用いて検出され得る。

0189

本発明の組成物、およびその組成物を対象の細胞または組織に投与することを説明する指示書を含むキットを提供する。別の一実施態様において、このキットは、対象への化合物の投与前に本発明の組成物を溶解または懸濁するのに適した(好ましくは無菌の)溶剤を含む。本明細書で用いる「指示書」は、本明細書において列挙するさまざまな疾患または障害の軽減を達成するためのキットにおける本発明のペプチドの有用性を伝えるために使用することができる刊行物、記録、図表、または他の任意の表現媒体を含む。一実施態様において、キットは、正常で健常な眼における様々なペプチドの濃度に関する情報を提供する標準曲線を提供する。場合によっては、または上記に代えて、指示書は、対象体の細胞または組織における疾患または障害を軽減する1以上の方法を説明し得る。本発明のキットの指示書は、例えば、本発明のペプチドが入っている容器に添付されるか、ペプチドが入っている容器と一緒に出荷され得る。または、指示書および化合物は受取人によって協同的に使用されることを意図して、指示書を容器とは別に出荷してもよい。

0190

実施例1
ドライアイ疾患の同定
手順
細胞培養、コンストラクトおよび抗体
ヒト角膜上皮(HCE-T)細胞をRIKEN BioResource Center(つくば市、日本)から購入し、継代3および15間を使用した。HCE-T細胞を培養し、4 mg/mlインスリン、100μg/ml EGF、500μg/mlコレラ毒素および5μl/mlDMSOを含むDMEM/F-12中で保存した。プライマリーヒト角膜上皮細胞(PCS-700-010)をATCC(Manassas、VA)から購入し、推奨培地中に広げた。

0191

45、65および71アミノ酸のN-末端欠損体、ならびに点変異体V69S、I73S、I98S、F104S、L108S、L109S、F112S、I68S/I73S、V91S/L109SおよびL108S/L109S/F112SをpLACから発達させた。すべてのコンストラクトをDNA配列決定により確認した。ラクリチンおよび欠損体または点変異体(欠損変異体「C-25」を含む)をEscherichia coliにおいて生じさせ、以前説明されている(Wang et al, (2006) J. Cell Biol. 174, 689-700)ように精製し、フロースルー中にラクリチンが採取されるPBS中のDEARに対して更に精製した。精製ラクリチンは、ろ過滅菌され、凍結乾燥保存された。

0192

「抗-Pep Lac N-末端」としてキーホールリンペットヘモシアニン-結合EDASSDSTGADPAQEAGTS(「Pep Lac N-末端」)に対して、および「抗-N-65 Lac C-末端」としてラクリチン欠損変異体N-65に対して(Bio-Synthesis Inc., Lewisville, TX)、New Zealand WhiteラビットにおいてポリクローナルNおよびC末端特異的抗ラクリチン抗体をそれぞれ生じさせ、区別した。キーホールリンペットヘモシアニン-結合DPAQEAGTSKPNEEISに対してマウスにおいてモノクローナルN末端-特異的抗-ラクリチン抗体を生じさせ(University of Virginia Lymphocyte Culture Center)、1F5-C9-F4(「1F5」;IgG1)としてラクリチン欠損変異体C-59に対してクローニングする3つのラウンドにより検査した。

0193

涙液および生存率分析
眼瞼と眼の間でミリメートルグラデーションを有するフィルターウィッキングシルマー」試験紙の挿入により0.5%プロパラカイン麻酔した眼から涙液を採取し、個々に-70℃で保存した。溶出前に、正常またはドライアイの涙液総量を各試験紙へ引っ張られた涙液のミリメートルから推定した。これは、溶出のためにそれぞれ用いられるPBSの最終量を定義した。貯留された正常の涙液または貯留されたドライアイの涙液を-70℃で使用するまで保存した。
FOXO3転座アッセイについて、α-MEM(5.54 mmグルコース)中カバーガラス上にサブコンフルエンス(約50%)までHCE-T細胞を3回培養し、IFNG(100 units/ml;Roche Applied Science)中で一晩感作し、10 nmラクリチンまたはC-25を含むまたは含まないTNFを加えたα-MEM(50 ng/ml;PeproTech, Rocky Hill, NJ)で1:100希釈した正常またはドライアイの涙液で15分間処理した。細胞を洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、FOXO3(1:200;Millipore, Billerica, MA)、続いてヤギ抗-ウサギ二次抗体の免疫染色し、Zeiss LSM700顕微鏡で見た。

0194

いくつかの実験をラクリチンの免疫枯渇させた正常な涙液で実施した。免疫枯渇について、ウサギ抗-Pep Lac N-末端および抗-N-65 Lac C-末端をプロテインAビーズ上に一緒に固定し、洗浄した。ウサギ免疫前カラムを擬枯渇涙液として同様に調製した。正常な涙液との各々の一晩インキュベーションからのフロースルーを採取し、上記のTNFでIFNG-感作した細胞において3回アッセイした。バリデーションについて、各カラムからの酸溶離剤をSDS-PAGEにより分離し、ニトロセルロースに移し、マウス抗-ラクリチン抗体1F5およびマウス-特異的ペルオキシダーゼ-標識二次抗体を用いてラクリチンについてブロットし、続いて化学発光を検出した。

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