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技術 摩擦係数予測方法、アルミニウム金属板の製造方法、アルミニウム成形体の製造方法及びアルミニウム金属板。

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 中西裕信岡田友希為広信也市川武志
出願日 2018年9月3日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-164925
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-038103
状態 未査定
技術分野 金属圧延一般 耐候試験、機械的方法による材料調査
主要キーワード 球状黒鉛鋳鉄品 アルミニウム合金圧延材 アルミニウム金属板 摩擦係 JIS規格 スキューネス 表面凹凸パターン 冷間プレス成形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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図面 (3)

課題

本発明は、アルミニウム金属板摩擦係数を的確に予測する方法の提供を目的とする。

解決手段

本発明は、アルミニウム金属板表面の摩擦係数予測方法であって、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを用い、摩擦係数μを下記式(1)で予測する。 μ=a+b×Ra+c×Rsk ・・・(1) ここで、a、b、cは定数である。

概要

背景

近年、自動車燃費向上等の観点から自動車の車体には軽量化が求められている。このため、車体材料としてアルミニウム金属板が用いられ、例えばプレス成形により自動車の車体の形状に加工される。アルミニウム金属板の加工の容易性成形性)は、その組成に加えて成形時の金型とアルミニウム金属板との間の摩擦にも影響され、摩擦係数が小さいことが好ましい。この点については、例えばアルミニウムを用いた部材の成形において成形工具アルミニウム層との接触面の摩擦剪断応力は所定の条件下で摩擦係数に比例して増加する知見が参照される(特表2016−504192号公報参照)。

摩擦係数は、金型と金属板表面接触状態に依存して変化する。上記摩擦係数を低減する方法としては、アルミニウム金属板の表面の算術平均粗さRaを制御する方法が公知である(例えば特開平6−116788号公報、特許第5245020号公報参照)。

上記公報では、アルミニウム金属板の組成や表面の酸化皮膜ワックス塗布量に応じてアルミニウム金属板表面のRaを制御することで、アルミニウム金属板の成形性を向上させている。

しかしながら、優れた成形性を発現させるには、上記従来のアルミニウム金属板表面のRaを制御する方法では限界があり、必ずしも摩擦係数を十分に低減することができない。このため、アルミニウム金属板の成形性をさらに向上できる摩擦係数の低減方法が求められている。

概要

本発明は、アルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測する方法の提供を目的とする。本発明は、アルミニウム金属板表面の摩擦係数予測方法であって、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを用い、摩擦係数μを下記式(1)で予測する。 μ=a+b×Ra+c×Rsk ・・・(1) ここで、a、b、cは定数である。なし

目的

本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、アルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測する方法と、この摩擦係数予測方法を用いたアルミニウム金属板の製造方法及びアルミニウム成形体の製造方法並びに摩擦係数の低いアルミニウム金属板とを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アルミニウム金属板表面の摩擦係数予測方法であって、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを用い、摩擦係数μを下記式(1)で予測する摩擦係数予測方法。μ=a+b×Ra+c×Rsk・・・(1)ここで、a、b、cは定数である。

請求項2

上記定数aが下記式(2)を満たし、上記定数bが下記式(3)を満たし、上記定数cが下記式(4)を満たす請求項1に記載の摩擦係数予測方法。0.03≦a≦0.05・・・(2)0.07≦b≦0.09・・・(3)0.02≦c≦0.03・・・(4)

請求項3

アルミニウム板材圧延する工程を備え、上記圧延工程で、請求項1又は請求項2に記載の摩擦係数予測方法を用い、上記摩擦係数μが下記式(5)を満たすように表面形状を調整するアルミニウム金属板の製造方法。0<μ<0.085・・・(5)

請求項4

上記圧延工程で、さらに上記Raが下記式(6)を満たし、上記Rskが下記式(7)を満たすように表面形状を調整する請求項3に記載のアルミニウム金属板の製造方法。0.01≦Ra≦1.2・・・(6)−5.3≦Rsk≦1.8・・・(7)

請求項5

上記アルミニウム板材が5000系合金又は6000系合金である請求項3又は請求項4に記載のアルミニウム金属板の製造方法。

請求項6

請求項3、請求項4又は請求項5に記載のアルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板に固形潤滑剤を塗布する工程と、上記固形潤滑剤を塗布したアルミニウム金属板をプレス成形する工程とを備え、上記塗布工程での固形潤滑剤の塗布量が0.5g/m2以上2g/m2以下であるアルミニウム成形体の製造方法。

請求項7

表面の算術平均粗さをRa、スキューネスをRskとし、摩擦係数μの予測式を下記式(8)とするとき、上記μが下記式(9)を満たし、上記Raが下記式(10)を満たし、上記Rskが下記式(11)を満たすアルミニウム金属板。μ=0.039296+0.080057×Ra+0.025706×Rsk・・・(8)0<μ<0.085・・・(9)0.01≦Ra≦1.2・・・(10)−5.3≦Rsk≦1.8・・・(11)

技術分野

0001

本発明は、摩擦係数予測方法アルミニウム金属板の製造方法アルミニウム成形体の製造方法及びアルミニウム金属板に関する。

背景技術

0002

近年、自動車燃費向上等の観点から自動車の車体には軽量化が求められている。このため、車体材料としてアルミニウム金属板が用いられ、例えばプレス成形により自動車の車体の形状に加工される。アルミニウム金属板の加工の容易性成形性)は、その組成に加えて成形時の金型とアルミニウム金属板との間の摩擦にも影響され、摩擦係数が小さいことが好ましい。この点については、例えばアルミニウムを用いた部材の成形において成形工具アルミニウム層との接触面の摩擦剪断応力は所定の条件下で摩擦係数に比例して増加する知見が参照される(特表2016−504192号公報参照)。

0003

摩擦係数は、金型と金属板表面接触状態に依存して変化する。上記摩擦係数を低減する方法としては、アルミニウム金属板の表面の算術平均粗さRaを制御する方法が公知である(例えば特開平6−116788号公報、特許第5245020号公報参照)。

0004

上記公報では、アルミニウム金属板の組成や表面の酸化皮膜ワックス塗布量に応じてアルミニウム金属板表面のRaを制御することで、アルミニウム金属板の成形性を向上させている。

0005

しかしながら、優れた成形性を発現させるには、上記従来のアルミニウム金属板表面のRaを制御する方法では限界があり、必ずしも摩擦係数を十分に低減することができない。このため、アルミニウム金属板の成形性をさらに向上できる摩擦係数の低減方法が求められている。

先行技術

0006

特表2016−504192号公報
特開平6−116788号公報
特許第5245020号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、アルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測する方法と、この摩擦係数予測方法を用いたアルミニウム金属板の製造方法及びアルミニウム成形体の製造方法並びに摩擦係数の低いアルミニウム金属板とを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らが、アルミニウム金属板の表面形状と摩擦係数との関係について鋭意検討を行った結果、同じ算術平均粗さRaであってもアルミニウム金属板と金型とが接触する部分、すなわちアルミニウム金属板の凸部先端の形状により摩擦係数が変化することを知得した。そして、本発明者らは、アルミニウム金属板の算術平均粗さRaに加えて、スキューネスRskを考慮することで上記凸部先端の形状が考慮され、金型に対するアルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測できることを見出し、本発明を完成させた。

0009

すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、アルミニウム金属板表面の摩擦係数予測方法であって、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを用い、摩擦係数μを下記式(1)で予測する。
μ=a+b×Ra+c×Rsk ・・・(1)
ここで、a、b、cは定数である。

0010

当該摩擦係数予測方法では、表面の算術平均粗さRaに加えてスキューネスRskを考慮するので、アルミニウム金属板の凸部先端の形状が考慮され、金型に対するアルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測できる。従って、当該摩擦係数予測方法を用いてアルミニウム金属板の表面形状を決定することにより、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減でき、アルミニウム金属板の成形性を向上できる。

0011

上記定数aが下記式(2)を満たし、上記定数bが下記式(3)を満たし、上記定数cが下記式(4)を満たすとよい。このように上記定数a、b、cが下記式(2)〜(4)を満たすことで、摩擦係数の予測精度を向上することができる。
0.03≦a≦0.05 ・・・(2)
0.07≦b≦0.09 ・・・(3)
0.02≦c≦0.03 ・・・(4)

0012

上記課題を解決するためになされた別の発明は、アルミニウム板材圧延する工程を備え、上記圧延工程で、本発明の摩擦係数予測方法を用い、上記摩擦係数μが下記式(5)を満たすように表面形状を調整するアルミニウム金属板の製造方法である。
0<μ<0.085 ・・・(5)

0013

当該アルミニウム金属板の製造方法では、本発明の摩擦係数予測方法を用い、その摩擦係数μが上記式(5)を満たすようにアルミニウム金属板の表面形状を調整する。このため、当該アルミニウム金属板の製造方法を用いることで、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減でき、アルミニウム金属板の成形性を向上できる。

0014

上記圧延工程で、さらに上記Raが下記式(6)を満たし、上記Rskが下記式(7)を満たすように表面形状を調整するとよい。アルミニウム金属板の表面形状を下記式(6)及び下記式(7)を満たすように調整することで容易にアルミニウム金属板を製造することができる。
0.01≦Ra≦1.2 ・・・(6)
−5.3≦Rsk≦1.8 ・・・(7)

0015

上記アルミニウム板材が5000系合金又は6000系合金であるとよい。当該アルミニウム金属板の製造方法は、上記合金に対して特に成形性の改善効果が高い。

0016

上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、本発明のアルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板に固形潤滑剤を塗布する工程と、上記固形潤滑剤を塗布したアルミニウム金属板をプレス成形する工程とを備え、上記塗布工程での固形潤滑剤の塗布量が0.5g/m2以上2g/m2以下であるアルミニウム成形体の製造方法である。

0017

本発明のアルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板は、上記範囲内の塗布量で固形潤滑剤を塗布してプレス成形を行う場合に、成形性の改善効果が高い。このため、当該アルミニウム成形体の製造方法を用いることで、容易にアルミニウム金属板を成形することができる。

0018

上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、表面の算術平均粗さをRa、スキューネスをRskとし、摩擦係数μの予測式を下記式(8)とするとき、上記μが下記式(9)を満たし、上記Raが下記式(10)を満たし、上記Rskが下記式(11)を満たすアルミニウム金属板である。
μ=0.039296+0.080057×Ra
+0.025706×Rsk ・・・(8)
0<μ<0.085 ・・・(9)
0.01≦Ra≦1.2 ・・・(10)
−5.3≦Rsk≦1.8 ・・・(11)

0019

当該アルミニウム金属板は、上記式(8)で示される摩擦係数μの予測式が上記式(9)で示される範囲内であるので、アルミニウム金属板の摩擦係数が低く、アルミニウム金属板の成形性を高められる。また、アルミニウム金属板の表面形状を上記式(10)及び上記式(11)を満たすように調整することで容易に当該アルミニウム金属板を製造することができる。

0020

ここで、「算術平均粗さRa」及び「スキューネスRsk」とは、JIS−B−0601(2013)に準拠して測定される値を意味する。

発明の効果

0021

以上説明したように、本発明の摩擦係数予測方法は、アルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測できるので、本発明のアルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板は、成形性に優れる。また、当該アルミニウム成形体の製造方法を用いることで、上記アルミニウム金属板を容易に成形することができる。また、本発明のアルミニウム金属板は、摩擦係数が低く、成形性が高い。

図面の簡単な説明

0022

図1は、本発明の一実施形態に係るアルミニウム成形体の製造方法を示すフロー図である。
図2は、実施例における摩擦係数μの予測値実機材のμとの関係を示すプロット図である。
図3は、実施例及び比較例のアルミニウム金属板のRa及びRskを示すプロット図である。

0023

以下、本発明の摩擦係数予測方法、アルミニウム金属板の製造方法及びアルミニウム成形体の製造方法について説明する。

0024

[摩擦係数予測方法]
本発明の摩擦係予測方法は、アルミニウム金属板表面の摩擦係数予測方法であり、具体的には成形時の金型とアルミニウム金属板との間の摩擦係数を予測する。

0025

当該摩擦係数予測方法は、アルミニウム金属板表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを用い、摩擦係数μを下記式(1)で予測する。
μ=a+b×Ra+c×Rsk ・・・(1)
ここで、a、b、cは定数である。

0026

当該摩擦係数予測方法では、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを有するアルミニウム金属板を製造した場合、そのアルミニウム金属板表面の摩擦係数が、上記式(1)により算出されるμの値以下となることを予測する。つまり、例えばアルミニウム金属板の摩擦係数の目標値が0.1である場合、上記式(1)で予測される摩擦係数μが0.1未満となるようにアルミニウム金属板の表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskを調整すれば所望の摩擦係数、すなわち摩擦係数0.1未満のアルミニウム金属板が得られることを意味する。

0027

上記目標値の下限としては、0.01が好ましく、0.05がより好ましい。一方、上記目標値の上限としては、0.15が好ましく、0.125がより好ましい。上記目標値を上記範囲内とすることで、摩擦係数の予測精度が向上する。つまり、当該摩擦係数予測方法は、上記範囲内の摩擦係数を特に精度よく予測することができる。

0028

上記定数aが下記式(2)を満たし、上記定数bが下記式(3)を満たし、上記定数cが下記式(4)を満たすとよい。このように上記定数a、b、cが下記式(2)〜(4)を満たすことで、摩擦係数の予測精度を向上することができる。
0.03≦a≦0.05 ・・・(2)
0.07≦b≦0.09 ・・・(3)
0.02≦c≦0.03 ・・・(4)

0029

中でもa=0.039296、b=0.080057、c=0.025706とすることが好ましい。各定数を上記値とすることで、摩擦係数の予測精度をさらに向上できる。

0030

<利点>
当該摩擦係数予測方法では、表面の算術平均粗さRaに加えてスキューネスRskを考慮するので、アルミニウム金属板の凸部先端の形状が考慮され、金型に対するアルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測できる。従って、当該摩擦係数予測方法を用いてアルミニウム金属板の表面形状を決定することにより、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減でき、アルミニウム金属板の成形性を向上できる。

0031

[アルミニウム金属板の製造方法]
本発明のアルミニウム金属板の製造方法は、アルミニウム板材を圧延する工程を備え、上記圧延工程で、本発明の摩擦係数予測方法を用いる。

0032

<アルミニウム板材>
上記アルミニウム板材は、アルミニウム又は各種アルミニウム合金材質とする板材である。中でも上記アルミニウム板材としては、5000系合金又は6000系合金が好ましい。当該アルミニウム金属板の製造方法は、上記合金に対して特に成形性の改善効果が高い。

0033

<圧延工程>
圧延は公知の圧延機を用いて行うことができる。具体的には、上記アルミニウム板材をロールで挟み込み引き抜くことで圧延が行われる。なお、所定の凹凸パターンが表面に形成されたロールにより圧下することで、ロール表面凹凸がアルミニウム板材表面に転写される。この際に潤滑剤の種類や使用量、圧下率コントロールすることでアルミニウム板材の表面形状が適切な算術平均粗さやスキューネスを有するように制御できる。この際の具体的な条件例は後の記載から参照される。

0034

当該アルミニウム金属板の製造方法では、上記圧延工程で、本発明の摩擦係数予測方法により予測される摩擦係数μが下記式(5)を満たすように表面形状を調整する。
0<μ<0.085 ・・・(5)

0035

上記摩擦係数μが上記式(5)の上限以上であると、製造されるアルミニウム金属板の摩擦係数が十分に低減できないおそれがある。また、摩擦係数は物理的に0超であるため、予測される摩擦係数μとしても0超で用いられる。なお、上記式(5)の上限としては、0.05がより好ましい。また、上記式(5)の下限としては、0.01がより好ましい。

0036

また、上記圧延工程で、さらに上記Raが下記式(6)を満たし、上記Rskが下記式(7)を満たすように表面形状を調整するとよい。アルミニウム金属板の表面形状を下記式(6)及び下記式(7)を満たすように調整することで容易にアルミニウム金属板を製造することができる。なお、下記式(6)の下限としては、0.03がより好ましく、下記式(6)の上限としては、1がより好ましい。また、下記式(7)の下限としては、−1.5がより好ましく、下記式(7)の上限としては、0.5がより好ましい。
0.01≦Ra≦1.2 ・・・(6)
−5.3≦Rsk≦1.8 ・・・(7)

0037

上記Ra及び上記Rskは、圧延を行う際のロールの表面形状により調整することができる。なお、上記摩擦係数μは、上記Ra及び上記Rskを調整することで調整される。

0038

<利点>
当該アルミニウム金属板の製造方法では、本発明の摩擦係数予測方法を用い、その摩擦係数μが上記式(5)を満たすようにアルミニウム金属板の表面形状を調整する。このため、当該アルミニウム金属板の製造方法を用いることで、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減でき、アルミニウム金属板の成形性を向上できる。

0039

[アルミニウム成形体の製造方法]
本発明のアルミニウム成形体の製造方法は、図1に示すように、塗布工程S1とプレス成形工程S2とを備える。

0040

<塗布工程>
塗布工程S1では、当該アルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板に固形潤滑剤を塗布する。

0041

上記固形潤滑剤としては、石油系のパラフィンワックスマイクロクリスタリンワックスポリエチレンワックスPTFE付加ポリエチレンワックス、ペトロレータムワックス、エステルワックスや、天然系のカルナウバワックスラノリンワックス等を挙げることができる。なお、上記固形潤滑剤としてはホットメルト型の潤滑剤が好ましい。

0042

上記固形潤滑剤の融点の下限としては、35℃が好ましく、40℃がより好ましい。一方、上記固形潤滑剤の融点の上限としては、60℃が好ましく、55℃がより好ましい。上記固形潤滑剤の融点が上記下限未満であると、後述するプレス成形工程S2で上記固形潤滑剤が軟化し、金型により剥ぎ取られ易くなる。このため、プレス成形工程S2で、金型に固形潤滑剤が堆積し易くなり、精度よくプレスできないおそれがある。逆に、上記固形潤滑剤の融点が上記上限を超えると、加温しても軟化し難くなるため、塗布が困難となるおそれがある。

0043

上記固形潤滑剤の60℃における粘度(動粘度)の下限としては、10mm2/sが好ましく、15mm2/sがより好ましい。逆に、上記固形潤滑剤の60℃における粘度の上限としては、30mm2/sが好ましく、25mm2/sがより好ましい。上記固形潤滑剤の粘度が上記下限未満であると、所望の厚さとなるように塗布することが困難となるおそれがある。逆に、上記固形潤滑剤の粘度が上記上限を超えると、均一に塗布することが困難となるおそれがある。

0044

上記固形潤滑剤の塗布量の下限としては、0.5g/m2であり、1g/m2がより好ましい。一方、上記固形潤滑剤の塗布量の上限としては、2g/m2であり、1.5g/m2がより好ましい。上記固形潤滑剤の塗布量が上記下限未満であると、固形潤滑剤による成形性の向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記固形潤滑剤の塗布量が上記上限を超えると、プレス成形工程S2で、金型に固形潤滑剤が堆積し易くなり、精度よくプレスできないおそれがある。

0045

<プレス成形工程>
プレス成形工程S2では、上記固形潤滑剤を塗布したアルミニウム金属板をプレス成形する。

0046

プレス成形は、成形加工用の金型を用いて公知のプレス機により行うことができる。なお、プレス成形における金型温度圧力条件は、通常の冷間プレス成形における条件を逸脱しない範囲で設定できる。

0047

上記金型の材質としては、特に限定されないが、例えば球状黒鉛鋳鉄品であるFCD500を用いることができる。また、上記金型のアルミニウム金属板に接触する面の算術平均粗さRaは、特に限定されないが、例えば0.05以下とされる。

0048

<利点>
本発明のアルミニウム金属板は、上記範囲内の塗布量で固形潤滑剤を塗布してプレス成形を行う場合に、成形性の改善効果が高い。このため、当該アルミニウム成形体の製造方法を用いることで、容易にアルミニウム金属板を成形することができる。

0049

[アルミニウム金属板]
本発明のアルミニウム金属板は、表面の算術平均粗さをRa、スキューネスをRskとし、摩擦係数μの予測式を下記式(8)とするとき、上記μが下記式(9)を満たし、上記Raが下記式(10)を満たし、上記Rskが下記式(11)を満たす。
μ=0.039296+0.080057×Ra
+0.025706×Rsk ・・・(8)
0<μ<0.085 ・・・(9)
0.01≦Ra≦1.2 ・・・(10)
−5.3≦Rsk≦1.8 ・・・(11)

0050

上記式(8)は、当該摩擦係数予測方法で用いる摩擦係数μを予測する下記式(1)において、a=0.039296、b=0.080057、c=0.025706としたものである。当該アルミニウム金属板はこのμが0.085未満であるので、当該アルミニウム金属板の摩擦係数が低い。なお、上記式(9)の上限としては、0.05がより好ましい。また、上記式(9)の下限としては、0.01がより好ましい。
μ=a+b×Ra+c×Rsk ・・・(1)

0051

また、アルミニウム金属板の表面形状を上記式(10)及び上記式(11)を満たすように調整することで容易に当該アルミニウム金属板を製造することができる。なお、上記式(10)の下限としては、0.03がより好ましく、上記式(10)の上限としては、1がより好ましい。また、上記式(11)の下限としては、−1.5がより好ましく、上記式(11)の上限としては、0.5がより好ましい。

0052

<利点>
当該アルミニウム金属板は、成形性が高く、かつ安価に製造することができる。

0053

[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。

0054

上記実施形態では、当該アルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板を用いたアルミニウム成形体の製造方法として、固形潤滑剤の塗布量を0.5g/m2以上2g/m2以下とする方法を説明したが、当該アルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板は、固形潤滑剤の塗布量を上記範囲外とするアルミニウム成形体の製造方法や、固形潤滑剤を塗布しないアルミニウム成形体の製造方法に用いることもできる。

0055

以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0056

[摩擦係数予測方法の評価]
本発明の摩擦係数予測方法を評価する目的で、表面の算術平均粗さRa及びスキューネスRskの異なる22枚のアルミニウム金属板を準備し、その摩擦係数を測定した。これら22枚のアルミニウム金属板は、厚さ1.25mmのアルミニウム合金圧延材JIS規格:A5182)を表1のNo.1〜No.6に示す異なった表面凹凸パターンを有するワークロールと、0.56%以上9.24%以下の範囲から選択した圧下率を組合せて圧延したものである。なお、いずれのアルミニウム金属板も圧延速度は5mpmとし、潤滑剤には90cStのパラフィン潤滑油を使用した。

0057

0058

図2に各アルミニウム金属板のRaとRskとの関係を摩擦係数でグループ化して示す。なお、摩擦係数測定は、アルミニウム金属板への荷重を1MPaとして行った。

0059

本発明の摩擦係数予測方法で用いる摩擦係数μとして、上記式(1)においてa=0.039296、b=0.080057、c=0.025706とした下記式(8)を準備した。
μ=0.039296+0.080057×Ra
+0.025706×Rsk ・・・(8)

0060

上記式(8)を用いて、μ=0.125、0.1、0.05となるRa及びRskを算出した。算出結果は、図2に示すようにRa及びRskを軸とする2次元プロットで直線となる。

0061

図2から、μ≧0.125となるアルミニウム金属板は、上記式(8)でμ=0.125を満たす直線よりも上にあり、μ<0.125となるアルミニウム金属板は、上記直線よりも下にあることが分かる。つまり、上記式(8)でμ<0.125となるようにアルミニウム金属板表面のRa及びRskを調整することで、摩擦係数が0.125未満のアルミニウム金属板を得られると言える。

0062

図2から、同様に、上記式(8)でμ<0.1となるようにアルミニウム金属板表面のRa及びRskを調整することで、摩擦係数が0.1未満のアルミニウム金属板を得られ、μ<0.05となるようにアルミニウム金属板表面のRa及びRskを調整することで、摩擦係数が0.05未満のアルミニウム金属板を得られると言える。

0063

以上から、当該摩擦係数予測方法を用いてアルミニウム金属板の表面形状を決定することにより、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減できることが分かる。

0064

[アルミニウム金属板の製造]
(実施例)
本発明のアルミニウム金属板の製造方法に従って、アルミニウム金属板を製造した。摩擦係数予測方法で用いる摩擦係数μとしては、上記式(8)を用いた。また、μ、Ra及びRskは、下記式(5)〜(7)を満たすように調整した。
0<μ<0.085 ・・・(5)
0.01≦Ra≦1.2 ・・・(6)
−5.3≦Rsk≦1.8 ・・・(7)

0065

具体的には、Ra=0.753、Rsk=−0.911とした。この実施例では、上記式(8)に基づくμは、0.076であり、製造したアルミニウム金属板の実際の摩擦係数は、0.0466であった。Ra及びRskの調整範囲と、実施例のRa及びRskとの関係を図3に示す。図3の調整範囲は、上記式(5)〜(7)を満足する範囲を示している。図3から分かるように実施例は、上記式(5)〜(7)を満足する調整範囲に属している。

0066

(比較例)
比較例として、上記式(8)を用いず、従来の摩擦係数の低減方法に従ってRaのみを上記式(6)を満たすようにアルミニウム金属板の表面を調整する方法でアルミニウム金属板の製造を行った。

0067

具体的には、Ra=0.692とした。この比較例の上記式(8)に基づくμは、0.106であり、Rskは0.059であった。また、製造したアルミニウム金属板の実際の摩擦係数は、0.1058であった。Ra及びRskの調整範囲と、比較例のRa及びRskとの関係を図3に示す。図3から分かるように比較例は、上記式(5)〜(7)を満足する調整範囲から外れている。

0068

上記実施例及び比較例を比べると、本発明の摩擦係数予測方法を用いて製造したアルミニウム金属板は、摩擦係数を0.085未満とできているのに対し、従来の摩擦係数の低減方法を用いて製造したアルミニウム金属板は、摩擦係数が0.085を超えている。比較例のアルミニウム金属板では、従来の常法に従って実施例よりもRaを低くしているにも関わらず、上記式(8)に基づくμが上記式(5)を満たしていないため、実際に製造されたアルミニウム金属板の摩擦係数が0.085を超えたと考えられる。

実施例

0069

このことから、本発明の摩擦係数予測方法を用いてアルミニウム金属板の表面形状を決定することにより、アルミニウム金属板の摩擦係数が低減でき、アルミニウム金属板の成形性を向上できると言える。

0070

以上説明したように、本発明の摩擦係数予測方法は、アルミニウム金属板の摩擦係数を的確に予測できるので、本発明のアルミニウム金属板の製造方法により製造されたアルミニウム金属板は、成形性に優れる。また、当該アルミニウム成形体の製造方法を用いることで、上記アルミニウム金属板を容易に成形することができる。また、本発明のアルミニウム金属板は、摩擦係数が低く、成形性が高い。

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