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技術 トラクタの走行用伝動装置とこのトラクタの走行用伝動装置を備えるトラクタ

出願人 株式会社クボタ
発明者 岡康幸
出願日 2018年9月5日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-166369
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-037985
状態 未査定
技術分野 変速機構成 動力伝達装置の配置~クラッチ,変速~
主要キーワード 底側部分 低速設定 中心箇所 ギヤトランスミッション 出力軸ギヤ 高速変速状態 回転伝動軸 ギヤ連動機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

クリープ変速装置ミッションケースに収容されているトラクタ走行用伝動装置において、ミッションケースの大型化を抑制しつつクリープ変速全体の減速比を高くできるようにする。

解決手段

クリープ変速装置60に、ギヤトランスミッション40の出力軸ギヤ54bに設けられた第1伝動ギヤ66、第1伝動ギヤ66に咬み合った状態で中継軸61に相対回転可能に支持された第1減速ギヤ62、第1減速ギヤ62に設けられた第2伝動ギヤ67、第2伝動ギヤ67に咬み合った状態でギヤトランスミッション40の出力軸43に相対回転可能に支持された第2減速ギヤ63、第2減速ギヤ63に設けられた第3伝動ギヤ68、第3伝動ギヤ68に咬み合った状態で中継軸61に相対回転不能に支持された第3減速ギヤ64、中継軸61と出力軸43とわたって設けられ、中継軸61の動力減速して出力軸43に伝達する減速ギヤ対65が備えられている。

概要

背景

トラクタ走行用伝動装置として、エンジン動力が入力され、入力された動力を変速して出力するギヤトランスミッションと、ギヤトランスミッションの出力が入力され、入力された動力を減速して後輪用の差動機構に出力するクリープ変速装置と、ギヤトランスミッション及びクリープ変速装置を収容するミッションケースと、が備えられたものがある。

この種のトラクタの走行用伝動装置におけるクリープ変速装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。特許文献1に示されるクリープ変速装置では、副変速装置低速用第3ギヤに一体として設けられたクリープ入力ギヤ、クリープ入力ギヤと咬合する減速ギヤ、減速ギヤと並設されたクリープ出力ギヤ、クリープ出力ギヤと咬合するクリープギヤが備えられている。すなわち、低速用第3ギヤの動力が、クリープ入力ギヤと減速ギヤとの間で減速され、減速された動力がクリープ出力ギヤとクリープギヤとの間で減速されて伝動軸から後輪デフ装置に入力される。

概要

クリープ変速装置がミッションケースに収容されているトラクタの走行用伝動装置において、ミッションケースの大型化を抑制しつつクリープ変速全体の減速比を高くできるようにする。クリープ変速装置60に、ギヤトランスミッション40の出力軸ギヤ54bに設けられた第1伝動ギヤ66、第1伝動ギヤ66に咬み合った状態で中継軸61に相対回転可能に支持された第1減速ギヤ62、第1減速ギヤ62に設けられた第2伝動ギヤ67、第2伝動ギヤ67に咬み合った状態でギヤトランスミッション40の出力軸43に相対回転可能に支持された第2減速ギヤ63、第2減速ギヤ63に設けられた第3伝動ギヤ68、第3伝動ギヤ68に咬み合った状態で中継軸61に相対回転不能に支持された第3減速ギヤ64、中継軸61と出力軸43とわたって設けられ、中継軸61の動力を減速して出力軸43に伝達する減速ギヤ対65が備えられている。

目的

本発明は、ミッションケースの大型化を抑制しつつクリープ変速全体の減速比を高くできるトラクタの走行用伝動装置及びトラクタを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エンジン動力が入力され、入力された動力を変速して出力するギヤトランスミッションと、前記ギヤトランスミッションの出力が入力され、入力された動力を減速して後輪用の差動機構に出力するクリープ変速装置と、前記ギヤトランスミッション及び前記クリープ変速装置を収容するミッションケースと、が備えられ、前記ギヤトランスミッションに、前記差動機構に動力伝達する出力軸と、前記出力軸に支持され、かつ、前記出力軸に相対回転不能に係合されて前記出力軸に動力伝達する伝動入り状態と前記出力軸に対する係合が解除されて前記出力軸への動力伝達を絶つ伝動切り状態とに切り換え可能な出力軸ギヤ、とが備えられ、前記クリープ変速装置に、前記出力軸に平行な中継軸と、前記出力軸ギヤに相対回転不能に設けられた第1伝動ギヤと、前記第1伝動ギヤに咬み合った状態で前記中継軸に相対回転可能に支持され、かつ、前記第1伝動ギヤよりも低速で回転する第1減速ギヤと、前記第1減速ギヤに相対回転不能に設けられた第2伝動ギヤと、前記第2伝動ギヤに咬み合った状態で前記出力軸に相対回転可能に支持され、かつ、前記第2伝動ギヤよりも低速で回転する第2減速ギヤと、前記第2減速ギヤに相対回転不能に設けられた第3伝動ギヤと、前記第3伝動ギヤに咬み合った状態で前記中継軸に相対回転不能に支持され、かつ、前記第3伝動ギヤよりも低速で回転する第3減速ギヤと、前記中継軸と前記出力軸とわたって設けられ、かつ、前記中継軸の動力を減速して前記出力軸に伝達する伝動入り状態と前記出力軸に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態とに切り換え可能な減速ギヤ対と、が備えられているトラクタ走行用伝動装置

請求項2

前記中継軸の軸芯に沿う方向において、前記減速ギヤ対は、前記出力軸ギヤに対して前記第1減速ギヤが位置する側と反対側に位置している請求項1に記載のトラクタの走行用伝動装置。

請求項3

前記中継軸は、前記出力軸よりも下方に設けられており、前記減速ギヤ対を前記伝動入り状態と前記伝動切り状態とに切り換えるクラッチが、前記減速ギヤ対のうちの前記中継軸に支持されている伝動ギヤと、前記中継軸とにわたって設けられている請求項1または2に記載のトラクタの走行用伝動装置。

請求項4

前記エンジンの動力が入力され、入力された動力を前進動力と後進動力とに変換させるクラッチ部を有し、かつ、変換された前進動力を出力する前進出力部と変換された後進動力を出力する後進出力部とを各別に有する前後進切換え装置と、前記後進出力部と前記ギヤトランスミッションの入力部とにわたって設けられ、前記後進出力部の動力を前記入力部に伝達する回転伝動軸と、前記前進出力部と前記回転伝動軸とにわたって設けられ、前記前進出力部の動力を高速側に変速して前記回転伝動軸に伝達する高速伝動状態と前記前進出力部の動力を低速側に変速して前記回転伝動軸に伝達する低速伝動状態とに切り換え可能な高低切換え装置と、が備えられている請求項1から3のいずれか一項に記載のトラクタの走行用伝動装置。

請求項5

前記回転伝動軸と、前記入力部とが同芯上に、かつ、一直線状に設けられている請求項4に記載のトラクタの走行用伝動装置

請求項6

前記後進出力部が前記クラッチ部よりも前側に設けられ、前記前進出力部が前記クラッチ部よりも後側に設けられている請求項4または5に記載のトラクタの走行用伝動装置。

請求項7

エンジンの動力が入力され、入力された動力を前進動力と後進動力とに変換し、かつ、変換した前進動力を出力する前進出力部と変換した後進動力を出力する後進出力部とを各別に有する前後進切換え装置と、動力が入力される入力部を有し、前記入力部に入力された動力を変速して走行装置に向けて出力するギヤトランスミッションと、前記後進出力部と前記入力部とにわたって設けられ、前記後進出力部の動力を前記入力部に伝達する回転伝動軸と、前記前進出力部と前記回転伝動軸とにわたって設けられ、前記前進出力部が出力する動力を高速側と低速側とに変速し、変速した高速側の動力及び変速した低速側の動力を前記回転伝動軸に出力する高低速切換え装置と、が備えられているトラクタの走行用伝動装置。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載のトラクタの走行用伝動装置を備えたトラクタ。

技術分野

0001

本発明は、トラクタ走行用伝動装置とこのトラクタの走行用伝動装置を備えるトラクタに関する。

背景技術

0002

トラクタの走行用伝動装置として、エンジン動力が入力され、入力された動力を変速して出力するギヤトランスミッションと、ギヤトランスミッションの出力が入力され、入力された動力を減速して後輪用の差動機構に出力するクリープ変速装置と、ギヤトランスミッション及びクリープ変速装置を収容するミッションケースと、が備えられたものがある。

0003

この種のトラクタの走行用伝動装置におけるクリープ変速装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。特許文献1に示されるクリープ変速装置では、副変速装置低速用第3ギヤに一体として設けられたクリープ入力ギヤ、クリープ入力ギヤと咬合する減速ギヤ、減速ギヤと並設されたクリープ出力ギヤ、クリープ出力ギヤと咬合するクリープギヤが備えられている。すなわち、低速用第3ギヤの動力が、クリープ入力ギヤと減速ギヤとの間で減速され、減速された動力がクリープ出力ギヤとクリープギヤとの間で減速されて伝動軸から後輪デフ装置に入力される。

先行技術

0004

特開平10−6792号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来の場合、クリープ変速が2つのギヤ対によって行われるので、クレープ変速全体の減速比を高めるのには、ギヤ径が大きいギヤを採用する必要があるので、ミッションケースが大型になる。

0006

本発明は、ミッションケースの大型化を抑制しつつクリープ変速全体の減速比を高くできるトラクタの走行用伝動装置及びトラクタを提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明によるトラクタの走行伝動装置は、
エンジンの動力が入力され、入力された動力を変速して出力するギヤトランスミッションと、前記ギヤトランスミッションの出力が入力され、入力された動力を減速して後輪用の差動機構に出力するクリープ変速装置と、前記ギヤトランスミッション及び前記クリープ変速装置を収容するミッションケースと、が備えられ、前記ギヤトランスミッションに、前記差動機構に動力伝達する出力軸と、前記出力軸に支持され、かつ、前記出力軸に相対回転不能に係合されて前記出力軸に動力伝達する伝動入り状態と前記出力軸に対する係合が解除されて前記出力軸への動力伝達を絶つ伝動切り状態とに切り換え可能な出力軸ギヤ、とが備えられ、前記クリープ変速装置に、前記出力軸に平行な中継軸と、前記出力軸ギヤに相対回転不能に設けられた第1伝動ギヤと、前記第1伝動ギヤに咬み合った状態で前記中継軸に相対回転可能に支持され、かつ、前記第1伝動ギヤよりも低速で回転する第1減速ギヤと、前記第1減速ギヤに相対回転不能に設けられた第2伝動ギヤと、前記第2伝動ギヤに咬み合った状態で前記出力軸に相対回転可能に支持され、かつ、前記第2伝動ギヤよりも低速で回転する第2減速ギヤと、前記第2減速ギヤに相対回転不能に設けられた第3伝動ギヤと、前記第3伝動ギヤに咬み合った状態で前記中継軸に相対回転不能に支持され、かつ、前記第3伝動ギヤよりも低速で回転する第3減速ギヤと、前記中継軸と前記出力軸とわたって設けられ、かつ、前記中継軸の動力を減速して前記出力軸に伝達する伝動入り状態と前記出力軸に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態とに切り換え可能な減速ギヤ対と、が備えられている。

0008

本構成によると、出力軸ギヤの動力が第1伝動ギヤと第1減速ギヤとのギヤ対、第2伝動ギヤと第2減速ギヤとのギヤ対、第3伝動ギヤと第3減速ギヤとのギヤ対、及び、減速ギヤ対の計4つのギヤ対によってクリープ変速全体としてのクリープ変速が行われるので、すなわち、従来よりも数多いギヤ対によってクリープ変速が行われるので、各ギヤ対にギヤ径が従来よりも小さいギヤを採用しても、従来と同じ減速比、あるいは、従来よりも高い減速比でのクリープ変速を行わせられる。出力軸を第2減速ギヤの支軸活用するので、第2減速ギヤのための特別な支軸を設ける必要がない。

0009

従って、ミッションケースの大型化を抑制しつつ、極低速で走行できるようにクレープ変速全体の減速比を高くできる。

0010

本発明においては、前記中継軸の軸芯に沿う方向において、前記減速ギヤ対は、前記出力軸ギヤに対して前記第1減速ギヤが位置する側と反対側に位置していると好適である。

0011

本構成によると、出力軸ギヤに対して中継軸の一端側が位置する側のミッションケース内空間と、出力軸ギヤに対して中継軸の他端側が位置する側のミッションケース内空間とに、減速ギヤ対と第1減速ギヤとを分散させて配置できるので、ミッションケース内の空き空間をクリープ変速装置の設置空間に活用しやすくて、ミッションケースの大型化を抑制できる。

0012

本発明においては、前記中継軸は、前記出力軸よりも下方に設けられており、
前記減速ギヤ対を前記伝動入り状態と前記伝動切り状態とに切り換えるクラッチが、前記減速ギヤ対のうちの前記中継軸に支持されている伝動ギヤと、前記中継軸とにわたって設けられていると好適である。

0013

本構成によると、クラッチをミッションケース内空間のミッションケース底側部分に配置できるので、クラッチをミッションケースの外部から操作する操作構造コンパクトに得やすい。

0014

本発明においては、前記エンジンの動力が入力され、入力された動力を前進動力と後進動力とに変換させるクラッチ部を有し、かつ、変換された前進動力を出力する前進出力部と変換された後進動力を出力する後進出力部とを各別に有する前後進切換え装置と、前記後進出力部と前記ギヤトランスミッションの入力部とにわたって設けられ、前記後進出力部の動力を前記入力部に伝達する回転伝動軸と、前記前進出力部と前記回転伝動軸とにわたって設けられ、前記前進出力部の動力を高速側に変速して前記回転伝動軸に伝達する高速伝動状態と前記前進出力部の動力を低速側に変速して前記回転伝動軸に伝達する低速伝動状態とに切り換え可能な高低切換え装置と、が備えられていると好適である。

0015

本構成によると、前後進切換え装置が出力する後進動力が高低速切換え装置による変速作用を受けないでギヤトランスミッションに入力され、前後進切換え装置が出力する前進動力が高低速切換え装置によって高速側と低速側とに変速された状態でギヤトランスミッションに入力されるので、前進走行するときの速度変更を可能にしつつ、前後進切換え装置の切り換えを行うだけで前進走行と後進走行とに切り換えて走行できる伝動構造を構造簡単に得られる。

0016

本発明においては、前記回転伝動軸と、前記入力部とが同芯上に、かつ、一直線状に設けられていると好適である。

0017

本構成によると、回転伝動軸と入力部とが連結しやすい位置関係で位置するので回転伝動軸と入力部とを構造簡単な連結手段によって連動連結できる。

0018

本発明においては、前記後進出力部が前記クラッチ部よりも前側に設けられ、前記前進出力部が前記クラッチ部よりも後側に設けられていると好適である。

0019

本構成によると、後進出力部と前進出力部とが重複しないので、前後進切換え装置を構造簡単に得ることができる。

0020

別の本発明によるトラクタの走行伝動装置は、
エンジンの動力が入力され、入力された動力を前進動力と後進動力とに変換し、かつ、変換した前進動力を出力する前進出力部と変換した後進動力を出力する後進出力部とを各別に有する前後進切換え装置と、動力が入力される入力部を有し、前記入力部に入力された動力を変速して走行装置に向けて出力するギヤトランスミッションと、前記後進出力部と前記入力部とにわたって設けられ、前記後進出力部の動力を前記入力部に伝達する回転伝動軸と、前記前進出力部と前記回転伝動軸とにわたって設けられ、前記前進出力部が出力する動力を高速側と低速側とに変速し、変速した高速側の動力及び変速した低速側の動力を前記回転伝動軸に出力する高低速切換え装置と、が備えられている。

0021

本構成によると、前後進切換え装置が出力する後進動力が高低速切換え装置による変速作用を受けないでギヤトランスミッションに入力され、前後進切換え装置が出力する前進動力が高低速切換え装置によって高速側と低速側とに変速された状態でギヤトランスミッションに入力されるので、前進走行するときの速度変更を可能にしつつ、前後進切換え装置の切り換えを行うだけで前進走行と後進走行とに切り換えて走行できる伝動構造を構造簡単に得られる。

0022

本発明によるトラクタの走行用伝動装置は、トラクタに適用可能である。

0023

本発明によるトラクタの走行用伝動装置を備えたトラクタによると、トラクタの大型化を抑制しつつ極低速で走行できて作業し易いトラクタを得られる。

図面の簡単な説明

0024

トラクタの全体を示す左側面図である。
走行用伝動装置を示す展開状態での断面図である。
前後進切換え装置及び高低速切換え装置を示す縦断側面図である。
ギヤトランスミッション及びクリープ変速装置を示す縦断側面図である。
入力軸ミッション中継軸、出力軸、中継軸及び前輪伝動軸の配置を示す後面図である。
別の実施構造を備える走行用伝動装置を示す展開状態での断面図である。

実施例

0025

以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、トラクタの車体に関し、図1に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、紙面表側の方向を「車体左方」、紙面裏側の方向を「車体右方」とする。

0026

図1に示されるように、トラクタは、走行装置としての左右一対前車輪1が駆動可能かつ揺動操向可能に装備され、かつ、走行装置としての左右一対の後車輪2が駆動可能に装備された車体を備えている。車体の前部に、エンジン3を有する原動部4が形成されいている。車体の後部に、運転座席5、及び、前車輪1を操向操作するステアリングホィール6を有する運転部7が形成されている。車体フレーム8の後部に、各種の作業装置昇降操作可能に連結するリンク機構9が装備されている。車体フレーム8は、エンジン3と、エンジン3の後部に連結されたクラッチハウジング10と、クラッチハウジング10に前部が連結されたミッションケース11と、エンジン3から前向き延出された前輪支持フレーム12とによって構成されている。

0027

トラクタにおいては、車体後部にリンク機構9を介してプラウ(図示せず)やロータリ耕耘装置(図示せず)が連結されて、乗用型耕耘機を構成される。車体前部にフロントローダ装置(図示せず)が連結されて、ローダ作業機を構成される。このように車体に各種の作業機が連結されて、各種の作業機を構成される。ミッションケース11の後部に、連結された作業装置にエンジン3の動力を出力する動力取出し軸13が設けられている。

0028

〔走行用伝動装置の構成について〕
エンジン3の動力を前車輪1及び後車輪2に伝達する走行用伝動装置14が図2に示される如く構成されている。走行用伝動装置14は、ミッションケース11を備えている。走行用伝動装置14において、ミッションケース11の前後方向が車体の前後方向と一致し、ミッションケース11の上下方向が車体の上下方向と一致するように設定してある。

0029

図2に示されるように、エンジン3(図1参照)の動力を前進動力と後進動力とに変換する前後進切換え装置20と、前後進切換え装置20が出力する前進動力を高低速の2段階に変速する高低速切換え装置30と、前後進切換え装置20が出力する後進動力、及び、高低速切換え装置30が出力する前進動力が入力されるギヤトランスミッション40と、ギヤトランスミッション40が出力する動力を変速するクリープ変速装置60と、ギヤトランスミッション40が出力する動力及びクリープ変速装置60が出力する動力を左右の後車輪2に伝達する後輪用の差動機構70と、ギヤトランスミッション40が出力する動力及びクリープ変速装置60が出力する動力を左右の前車輪1(図1参照)に向けて出力する前輪伝動軸44と、がミッションケース11に内装されている。

0030

ギヤトランスミッション40及びクリープ変速装置60は、前後進切換え装置20及び高低速切換え装置30よりも後側に設けられている。後輪用の差動機構70は、ギヤトランスミッション40及びクリープ変速装置60よりも後側に設けられている。

0031

ミッションケース11には、図2に示されるように、前後進切換え装置20、高低速切換え装置30、ギヤトランスミッション40、クリープ変速装置60及び前輪伝動軸44を収容する前側分割ミッションケース11Aと、後輪用の差動機構70を収容する後側分割ミッションケース11Bと、が備えられている。後側分割ミッションケース11Bの後部に、動力取出し軸13を支持する動力取出しケース71が脱着可能に連結されている。動力取出しケース71には、エンジン3(図1参照)からの動力を変速して動力取出し軸13に伝達する作業変速装置72が収容されている。作業変速装置72には、エンジン3の動力が回転軸73、作業クラッチ74及び回転軸75を介して入力される。図2に示される76は、回転軸73から動力を取り入れて駆動される油圧ポンプである。

0032

〔前後進切換え装置の構成について〕
前後進切換え装置20には、図2,3に示されるように、エンジン3(図1参照)の動力が主クラッチ15を介して入力される入力軸21と、入力軸21に装着され、入力軸21に入力された動力を前進動力と後進動力とに変換させるクラッチ部22と、変換された前進動力を出力する前進出力部としての前進出力ギヤ23と、変換された後進動力を出力する後進出力部としての後進出力ギヤ24と、が備えられている。

0033

本実施形態では、後進出力ギヤ24がクラッチ部22よりも前側に設けられ、前進出力ギヤ23がクラッチ部22よりも後側に設けられている。これに限らず、後進出力ギヤ24をクラッチ部22よりも後側に設け、前進出力ギヤ23をクラッチ部22よりも前側に設けて実施してもよい。

0034

図2,3に示されるように、クラッチ部22には、入力軸21に装着された前進側クラッチ22F及び後進側クラッチ22Rが備えられている。前進側クラッチ22Fは、後進側クラッチ22Rの後側に設けられている。後進側クラッチ22Rの出力側部材25と、後進出力ギヤ24とに逆転ギヤ26が咬み合いされている。後進出力ギヤ24は、逆転ギヤ26を介して出力側部材25に連動連結されている。前進出力ギヤ23は、前進側クラッチ22Fの出力側部材27に連動連結されている。前進出力ギヤ23と出力側部材27とは、前進出力ギヤ23と出力側部材27との一体的な形成によって連動連結されている。

0035

本実施形態では、前進側クラッチ22F及び後進側クラッチ22Rは、油圧制御式湿式多板クラッチによって構成されているが、これに限らない。前進側クラッチ22F及び後進側クラッチ22Rとしては、乾式多板クラッチ単板クラッチ、咬み合いクラッチなどの採用が可能である。

0036

前後進切換え装置20においては、前進側クラッチ22Fが入り状態に操作されると、入力軸21の動力が前進側クラッチ22Fによって前進出力ギヤ23に伝達されて前進出力ギヤ23から出力されるように前進伝動状態になり、後進側クラッチ22Rが入り状態に操作されると、入力軸21の動力が後進側クラッチ22Rによって逆転ギヤ26に伝達され、逆転ギヤ26から後進出力ギヤ24に伝達されて後進出力ギヤ24から出力されるように後進伝動状態になる。

0037

後進出力ギヤ24と、ギヤトランスミッション40の入力部としての入力軸41とにわたり、後進出力ギヤ24と入力軸41とを連動連結する回転伝動軸28が設けられている。前進出力ギヤ23と回転伝動軸28とにわたって高低速切換え装置30が設けられている。

0038

前後進切換え装置20においては、前進伝動状態に操作されると、クラッチ部22が入力軸21の動力を前進出力ギヤ23に伝達して前進出力ギヤ23によって前進動力に変換させ、変換された前進動力が前進出力ギヤ23から高低速切換え装置30に入力される。

0039

前後進切換え装置20においては、後進伝動状態に操作されると、クラッチ部22が入力軸21の動力を逆転ギヤ26に伝達して逆転ギヤ26及び後進出力ギヤ24によって後進動力に変換させ、変換された後進動力が後進出力ギヤ24から回転伝動軸28に伝達される。前後進切換え装置20が出力する後進動力は、回転伝動軸28によってギヤトランスミッション40に入力される。前後進切換え装置20が出力する後進動力は、ギヤトランスミッション40に変速されないで入力される。

0040

〔高低速切換え装置の構成について〕
高低速切換え装置30は、図2,3に示されるように、前進出力ギヤ23と回転伝動軸28とにわたって設けられ、前進出力ギヤ23の動力を回転速度が2段階に異なる動力に変速して回転伝動軸28に伝達する。

0041

具体的には、高低速切換え装置30は、図2,3に示されるように、前進出力ギヤ23と回転伝動軸28とにわたって設けられた高速設定の高速側ギヤ対31と、前進出力ギヤ23と回転伝動軸28とにわたって設けられた低速設定低速側ギヤ対32と、を備えている。高速側ギヤ対31は、前進出力ギヤ23に形成された一対のギヤ部23a,23bのうちの大径側のギヤ部23aと、大径側のギヤ部23aに咬み合った状態で回転伝動軸28に相対回転可能に支持された高速設定ギヤ31aとによって構成されている。低速側ギヤ対32は、前進出力ギヤ23の一対のギヤ部23a,23bのうちの小径側のギヤ部23bと、小径側のギヤ部23bに咬み合った状態で回転伝動軸28に相対回転可能に支持された低速設定ギヤ32aとによって構成されている。

0042

高速設定ギヤ31aと回転伝動軸28とにわたって高速側クラッチ33が設けられている。低速設定ギヤ32aと回転伝動軸28とにわたって低速側クラッチ34が設けられている。本実施形態では、高速側クラッチ33及び低速側クラッチ34は、油圧制御式の湿式多板クラッチによって構成されているが、これに限らない。高速側クラッチ33及び低速側クラッチ34としては、乾式多板クラッチ、単板クラッチ、咬み合いクラッチなどの採用が可能である。

0043

高低速切換え装置30においては、高速側クラッチ33が入り状態に操作され、かつ、低速側クラッチ34が切り状態に操作されることによって高速伝動状態になり、高速側クラッチ33が切り状態に操作され、かつ、低速側クラッチ34が入り状態に操作されることによって低速伝動状態になる。

0044

高低速切換え装置30においては、高速伝動状態に操作されると、前進出力ギヤ23の前進動力が高速側ギヤ対31によって高速側に変速されて高速側クラッチ33によって回転伝動軸28に伝達され、回転伝動軸28によってギヤトランスミッション40に入力される。

0045

高低速切換え装置30においては、低速伝動状態に操作されると、前進出力ギヤ23の前進動力が低速側ギヤ対32によって低速側に変速されて低速側クラッチ34によって回転伝動軸28に伝達され、回転伝動軸28によってギヤトランスミッション40に入力される。

0046

高低速切換え装置30が高速伝動状態に操作されてギヤトランスミッション40に前進動力が入力されるときの前進動力の回転速度と、前後進切換え装置20が後進伝動状態に操作されてギヤトランスミッション40に後進動力が入力されるときの後進動力の回転速度とが同じ速度に設定されている。

0047

〔ギヤトランスミッションの構成について〕
ギヤトランスミッション40は、図4に示されるように、回転伝動軸28によって入力される動力を第1速から第6速の6段階の変速動力に変速する主変速部40Aと、主変速部40Aが出力する動力を高低速の2段階の変速動力に変速して後輪用の差動機構70及び前輪伝動軸44に伝達する副変速部40Bと、を備えている。

0048

具体的には、ギヤトランスミッション40は、図2,4に示されるように、回転伝動軸28に連動連結された入力部としての入力軸41と、入力軸41に対して平行に設けられた筒軸形のミッション中継軸42と、ミッション中継軸42に対して平行に設けられた出力軸43と、出力軸43に対して平行に設けられた前輪伝動軸44と、を備えている。回転伝動軸28と入力軸41とは、同芯上に位置する状態で、かつ、一直線状に並ぶ状態で設けられている。回転伝動軸28と入力軸41とは、入力軸41の前部が回転伝動軸28の後部に備えられたスプライン軸部に外嵌して係合することによって連動連結している。ミッション中継軸42は、回転軸73に相対回転可能に外嵌されている。図5に示される中心線Cは、車体の左右方向での中心箇所を示すものである。図5に示されるように、ミッション中継軸42及び出力軸43は、車体の左右方向での中央部に設けられている。ミッション中継軸42は、出力軸43よりも上方に設けられている。入力軸41は、ミッション中継軸42及び出力軸43よりも車体横外側に設けられている。入力軸41は、出力軸43よりも上方に設けられている。前輪伝動軸44は、ミッション中継軸42及び出力軸43に対して入力軸41が位置する側と反対の車体横外側に設けられている。前輪伝動軸44は、出力軸43よりも下方に設けられている。

0049

主変速部40Aは、図4に示されるように、入力軸41とミッション中継軸42とにわたって設けられ、入力軸41の動力を回転速度が第1速から第6速の6段階に異なる動力に変速してミッション中継軸42に伝達する。

0050

具体的には、主変速部40Aは、図4に示されるように、入力軸41とミッション中継軸42とにわたって設けられた第1速ギヤ対45から第6速ギヤ対50、入力軸41に沿相対回転不能にかつスライド可能に支持された第1シフトギヤ52a、第2シフトギヤ52b及び第3シフトギヤ52cを備えている。第1速ギヤ対45から第6速ギヤ対50のそれぞれは、入力軸41に相対回転可能に支持されている入力軸ギヤ45a〜50aを有し、入力軸ギヤ45a〜50aの側部に第1シフトギヤ52aまたは第2シフトギヤ52bまたは第3シフトギヤ52cが係合されて入力軸ギヤ45a〜50aが第1シフトギヤ52aまたは第2シフトギヤ52bまたは第3シフトギヤ52cによって入力軸41に連動連結されると、入力軸41の動力を変速してミッション中継軸42に伝達するように変速作用状態になる。第1速ギヤ対45から第6速ギヤ対50のそれぞれは、入力軸ギヤ45a〜50aに対する第1シフトギヤ52aまたは第2シフトギヤ52bまたは第3シフトギヤ52cの係合が解除されて入力軸ギヤ45a〜50aの入力軸41に対する連動連結が解除されると、変速解除状態になる。

0051

副変速部40Bは、図4に示されるように、ミッション中継軸42と出力軸43とにわたって設けられ、ミッション中継軸42の動力を回転速度が高低速の2段階に異なる動力に変速して出力軸43に伝達し、出力軸43から後輪用の差動機構70及び前輪伝動軸44に伝達する。

0052

具体的には、副変速部40Bは、図4に示されるように、ミッション中継軸42と出力軸43とにわたって設けられた高速設定ギヤ対53と、ミッション中継軸42と出力軸43とにわたって設けられた低速設定ギヤ対54と、出力軸43に相対回転不能に、かつ、スライド可能に支持された第4シフトギヤ55と、を備えている。

0053

高速設定ギヤ対53は、ミッション中継軸42に相対回転不能に支持された高速設定の中継軸ギヤ53aと、高速設定の中継軸ギヤ53aに咬み合う状態で出力軸43に相対回転可能に支持されている高速設定の出力軸ギヤ53bと、を備えている。高速設定の中継軸ギヤ53aは、ミッション中継軸42に相対回転不能に支持され、主変速部40Aの第3速ギヤ対47を構成している中継軸ギヤによって構成されている。

0054

低速設定ギヤ対54は、ミッション中継軸42に相対回転不能に支持された低速設定の中継軸ギヤ54aと、低速設定の中継軸ギヤ54aに咬み合う状態で出力軸43に相対回転可能に支持されている低速設定の出力軸ギヤ54bと、を備えている。

0055

副変速40Bにおいては、第4シフトギヤ55が高速設定の出力軸ギヤ53bの側部に係合し、かつ、低速設定の出力軸ギヤ54bに対して離脱する高速入り位置にスライド操作されると、ミッション中継軸42の動力が高速設定ギヤ対53によって出力軸43に伝達される高速変速状態になる。すなわち、出力軸ギヤ53bは、第4シフトギヤ55によって出力軸43に連動連結されて出力軸43に動力伝達する伝動入り状態になり、出力軸ギヤ54bは、出力軸43に対する連動連結を解除されて出力軸43に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態になる。

0056

副変速40Bにおいては、第4シフトギヤ55が高速設定の出力軸ギヤ53bに対して離脱し、かつ、低速設定の出力軸ギヤ54bの側部に係合する低速入り位置にスライド操作されると、ミッション中継軸42の動力が低速設定ギヤ対54によって出力軸43に伝達される低速変速状態になる。すなわち、出力軸ギヤ53bは、出力軸43に対する連動連結を解除されて出力軸43に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態になり、出力軸ギヤ54bは、第4シフトギヤ55によって出力軸43に連動連結されて出力軸43に動力伝達する伝動入り状態になる。

0057

副変速部40Bにおいては、第4シフトギヤ55が高速設定の出力軸ギヤ53bに対して離脱し、かつ、低速設定の出力軸ギヤ54bに対して離脱する中立位置にスライド操作されると、ミッション中継軸42から出力軸43への動力伝達が絶たれる中立状態になる。すなわち、出力軸ギヤ53bは、出力軸43に対する連動連結を解除されて出力軸43に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態になり、出力軸ギヤ54bは、出力軸43に対する連動連結を解除されて出力軸43に対する動力伝達を絶つ伝動切り状態になる。副変速部40Bは、中立状態に変速されることにより、クリープ変速装置60の変速作用を可能にする。

0058

図2,4に示されるように、出力軸43の後部と、差動機構70の入力軸70aの前部とが接続部材56によって連動連結されている。出力軸43の後部と前輪伝動軸44の後部とにわたり、出力軸43の動力を前輪伝動軸44に伝達するギヤ連動機構57が設けられている。

0059

ギヤトランスミッション40においては、回転伝動軸28によって入力軸41に入力された動力が第1速ギヤ対45から第6速ギヤ対50のうち、変速作用状態に操作されたギヤ対によって主変速されてミッション中継軸42に伝達され、高速変速状態または低速変速状態に切り換えられている副変速部40Bによって副変速されて出力軸43に伝達され、出力軸43から後輪用の差動機構70及び前輪伝動軸44に伝達される。前輪伝動軸44に伝達された動力は、図2に示される如く前輪伝動軸44の前部に前輪増速機構58a及び前輪伝動クラッチ58bを介して連動連結される回転軸58によって前輪駆動ケース59(図1参照)に入力され、前輪駆動ケース59に内装された前輪差動機構(図示せず)などによって左右の前車輪1に伝達される。

0060

〔クリープ変速装置の構成について〕
クリープ変速装置60は、図2,4に示されるように、出力軸43と、出力軸43に対して平行に設けられた中継軸としてのクリープ軸61と、を備えている。図5に示されるように、クリープ軸61は、ミッション中継軸42及び出力軸43に対して入力軸41が位置する側と同じ車体横外側に設けられている。クリープ軸61は、出力軸43よりも下方に設けられている。

0061

図4に示されるように、クリープ軸61に第1減速ギヤ62が相対回転可能に支持されている。第1減速ギヤ62は、出力軸ギヤ54bの側部に相対回転不能に設けられた第1伝動ギヤ66に咬み合っている。第1減速ギヤ62の外径が第1伝動ギヤ66の外径よりも大きく形成されている。出力軸ギヤ54bの動力が出力軸ギヤ54bと共に回転する第1伝動ギヤ66によって第1減速ギヤ62に伝達されて第1減速ギヤ62が回転する。出力軸ギヤ54bの動力が減速されて第1減速ギヤ62に伝達される。

0062

出力軸43に第2減速ギヤ63が相対回転可能に支持されている。第2減速ギヤ63は、第1減速ギヤ62の側部に相対回転不能に設けられた第2伝動ギヤ67に咬み合っている。第2減速ギヤ63の外径が第2伝動ギヤ67の外径よりも大きく形成されている。第1減速ギヤ62の動力が第1減速ギヤ62と共に回転する第2伝動ギヤ67によって第2減速ギヤ63に伝達されて第2減速ギヤ63が回転する。第1減速ギヤ62の動力が減速されて第2減速ギヤ63に伝達される。

0063

クリープ軸61に第3減速ギヤ64が相対回転不能に支持されている。第3減速ギヤ64は、第2減速ギヤ63の側部に相対回転不能に設けられた第3伝動ギヤ68に咬み合っている。第3減速ギヤ64の外径が第3伝動ギヤ68の外径よりも大きく形成されている。第2減速ギヤ63の動力が第2減速ギヤ63と共に回転する第3伝動ギヤ68によって第3減速ギヤ64に伝達されて第3減速ギヤ64が回転し、クリープ軸61が第3減速ギヤ64によって回転される。第2減速ギヤ63の動力が第3減速ギヤ64によって減速されてクリープ軸61に伝達される。

0064

クリープ軸61と出力軸43とにわたって減速ギヤ対65が設けられている。クリープ軸61の軸芯に沿う方向において、減速ギヤ対65は、出力軸ギヤ54bに対して第1減速ギヤ62が位置する側と反対側に配置されている。減速ギヤ対65は、クリープ軸61に相対回転可能に支持されている伝動ギヤ65aと、伝動ギヤ65aに咬み合った状態で出力軸43に相対回転不能に支持された出力軸減速ギヤ65bとによって構成されている。出力軸減速ギヤ65bの外径が伝動ギヤ65aの外径よりも大きく形成されている。

0065

伝動ギヤ65aとクリープ軸61との間に、クラッチとしてのシフトギヤ69が設けられている。シフトギヤ69は、クリープ軸61に相対回転不能に、かつ、スライド可能に支持されている。

0066

減速ギヤ対65においては、シフトギヤ69が伝動ギヤ65aの側部に係合した入り位置にスライド操作されることにより、伝動ギヤ65aがシフトギヤ69によってクリープ軸61に相対回転不能に連結されて伝動入り状態になり、クリープ軸61の動力が伝動ギヤ65aと出力軸減速ギヤ65bとによって減速されて出力軸43に伝達される。

0067

減速ギヤ対65においては、シフトギヤ69が伝動ギヤ65aから外れ切り位置にスライド操作されることにより、伝動ギヤ65aのクリープ軸61に対する連結が解除されて伝動切り状態になり、クリープ軸61から出力軸43への動力伝達が不能になる。

0068

本実施形態では、伝動ギヤ65aがクリープ軸61に対する連結状態連結解除状態とに切り換えられることにより、減速ギヤ対65が伝動入り状態と伝動切り状態とに切り換えられる構成を採用しているが、これに限らない。伝動ギヤ65aをクリープ軸61に相対回転不能に支持し、出力軸減速ギヤ65bを出力軸43に相対回転可能に支持し、出力軸減速ギヤ65bが出力軸43に対する連結状態と連結解除状態とに切り換えられるクラッチを採用することにより、減速ギヤ対65が伝動入り状態と伝動切り状態とに切り換えられる構成を採用してもよい。また、クラッチとしては、シフトギヤ69に限らず、摩擦クラッチ、咬み合いクラッチなどを採用可能である。

0069

クリープ変速装置60においては、減速ギヤ対65が伝動入り状態に操作されると、クリープ軸61と出力軸43とが減速ギヤ対65及びシフトギヤ69によって連動連結されて変速入り状態になり、出力軸ギヤ54bの動力が第1伝動ギヤ66によって第1減速ギヤ62に伝達され、第1減速ギヤ62の動力が第2伝動ギヤ67によって第2減速ギヤ63に伝達され、第2減速ギヤ63の動力が第3伝動ギヤ68によって第3減速ギヤ64に伝達されてクリープ軸61が第3減速ギヤ64によって駆動され、クリープ軸61の動力が減速ギヤ対65によって出力軸43に伝達される。すなわち、出力軸ギヤ54bの動力が第1減速ギヤ62による第1段階の減速、第2減速ギヤ63による第2段階の減速、第3減速ギヤ64による第3段階の減速、及び、減速ギヤ対65による第4段階の減速によって減速されて出力軸43に伝達される。

0070

クリープ変速装置60においては、減速ギヤ対65が伝動切り状態に操作されると、クリープ軸61と出力軸43との連動連結が解除されて変速切り状態になり、出力軸ギヤ53b及び出力軸ギヤ54bから第4シフトギヤ55によって出力軸43に伝達された動力が出力軸43から差動機構70の入力軸70aに直接に伝達されることを可能にする。

0071

走行用伝動装置14においては、前後進切換え装置20が前進伝動状態に切り換えられると、エンジン3の動力が前後進切換え装置20によって前進動力に変換され、変換された前進動力が高低速切換え装置30に入力されて低速側または高速側に変速され、変速された低速側または高速側の前進動力が回転伝動軸28及び入力軸41によってギヤトランスミッション40に入力される。前後進切換え装置20が後進伝動状態に切り換えられると、エンジン3の動力が前後進切換え装置20によって後進動力に変換され、変換された後進動力が回転伝動軸28及び入力軸41によってギヤトランスミッション40に入力される。ギヤトランスミッション40に入力された前進動力または後進動力の動力が主変速部40A及び副変速部40Bを介して出力軸43に伝達され、出力軸43から後輪用の差動機構70に入力されて左右の後車輪2に伝達される。かつ、出力軸43から前輪伝動軸44に伝達されて前輪伝動軸44から前輪駆動ケース59に入力されて左右の前車輪1に伝達される。

0072

従って、ローダ作業を行う場合など、前後進切換え装置20を前進伝動状態と後進伝動状態とに切り換え操作するだけで、前車輪1及び後車輪2が前進側と後進側とに切り換えて駆動され、前進走行と後進走行とに切り換えて走行できる。高低速切換え装置30を高速伝動状態に切り換えておくと、前後進切換え装置20を後進伝動状態に切り換えて回転伝動軸28及び入力軸41によってギヤトランスミッション40に入力される後進動力の回転速度と、前後進切換え装置20を前進伝動状態に切り換えて回転伝動軸28及び入力軸41によってギヤトランスミッション40に入力される前進動力の回転速度とが同じ速度になり、前進走行と後進走行とを同じ走行速度で行える。

0073

通常の走行時などにおいては、クリープ変速装置60を変速切り状態に切り換える。すると、ギヤトランスミッション40に入力された動力が主変速部40Aによって主変速されて、かつ、副変速部40Bによって副変速されて出力軸43に伝達され、クリープ変速装置60による変速が行われない状態で前車輪1及び後車輪2に伝達される。

0074

プラウ作業などを行う場合、副変速部40Bを中立状態に切り換え、かつ、クリープ変速装置60を変速入り状態に切り換える。すると、ギヤトランスミッション40に入力されて主変速部40Aによって変速された動力が副変速部40Bの低速設定の出力軸ギヤ54bから第1伝動ギヤ66によってクリープ変速装置60に入力され、クリープ変速装置60において、第1減速ギヤ62による減速、第2減速ギヤ63による減速、第3減速ギヤ64による減速、減速ギヤ対65による減速の4段階の減速によってクリープ変速されて出力軸43に伝達され、出力軸43から後輪用の差動機構70及び前輪伝動軸44に伝達されて前車輪1及び後車輪2を低速で駆動できる。本実施形態では、時速約0.2Kmの速さで走行できる。

0075

本実施形態では、図5に示されるように、クリープ軸61を中心線Cに対して入力軸41が位置する側と同じ側に設け、前輪伝動軸44を中心線Cに対して入力軸41が位置する側と反対側に設けている。クリープ軸61と中心線Cとの間隔を前輪伝動軸44と中心線Cとの間隔よりも広くする必要があるので、クリープ軸61を中心線Cに対して入力軸41が位置する側と反対側に設けるよりも、前輪伝動軸44を中心線Cに対して入力軸41が位置する側と反対側に設ける方が、出力軸43に支持されるギヤとミッションケース11の側壁部11Sとの間隔を狭くできる。ギヤと側壁部11Sとの間隔が狭い方が、ミッションケース内の潤滑油が回転するギヤによって撹拌されやすく、出力軸43よりも上方に位置するミッション中継軸42及び入力軸41のギヤに潤滑油が届きやすい。従って、本実施形態の場合、ミッションケース内の油面レベルを極力低くしつつギヤトランスミッション40の全体に潤滑油を届きやすくできる。

0076

〔別実施形態〕
(1)図6は、別の実施形態を備える走行用伝動装置114を示す縦断側面図である。別の実施形態を備える走行用伝動装置114では、高低速切換え装置30が省略されている。

0077

走行用伝動装置114に備えられた前後進切換え装置20においては、前進側クラッチ22Fが入り状態に切り換えられると、入力軸21の動力が前進側クラッチ22F、クラッチ出力ギヤ80及び入力ギヤ81を介してギヤトランスミッション40の入力軸41に伝達される。後進側クラッチ22Rが入り状態に切り換えられると、入力軸21の動力が後進側クラッチ22R、クラッチ出力ギヤ82、逆転ギヤ83、回転軸84、伝動ギヤ85及び入力ギヤ81を介してギヤトランスミッション40の入力軸41に伝達される。

0078

(2)図2に示される走行用伝動装置14、及び、図6に示される走行用伝動装置114では、前後進切換え装置20がギヤトランスミッション40の外部に設けられているが、前後進の切換え機能をギヤトランスミッション40に備えたものであってもよい。

0079

(3)上記した実施形態では、減速ギヤ対65が出力軸ギヤ54bに対して第1減速ギヤ62が位置する側と反対側に設けられている例を示したが、減速ギヤ対65を出力軸ギヤ54bに対して第1減速ギヤ62が位置する側と同じ側に設けて実施してもよい。

0080

本発明は、前車輪及び後車輪に替えセミクローラを備えるトラクタに適用できる。

0081

3エンジン
11ミッションケース
20前後進切換え装置
22クラッチ部
23前進出力部(前進出力ギヤ)
24後進出力部(後進出力ギヤ)
28回転伝動軸
30高低速切換え装置
40ギヤトランスミッション
41 入力部(入力軸)
54b出力軸ギヤ
60クリープ変速装置
61中継軸(クリープ軸)
62 第1減速ギヤ
63 第2減速ギヤ
64 第3減速ギヤ
65減速ギヤ対
66 第1伝動ギヤ
67 第2伝動ギヤ
68 第3伝動ギヤ
69 減速ギヤ対
70 差動機構

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