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技術 被覆膜、被覆膜を有する被覆体、被覆膜を有する電気機器、被覆膜を有する電気機器の部品

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 平井千恵梅本大輝郡司妃代江
出願日 2018年9月3日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-164106
公開日 2020年3月12日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-037618
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤 電気掃除機(フィルター)
主要キーワード フッ素コーティング剤 シャーバー 調理家電 凝集体状 フッ素系成分 バインダー固体 評価面積 有機系成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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図面 (13)

課題

塵埃等の乾性汚れの付着を有効に抑制するとともに、耐久性を付与した塵埃付着防止被覆膜を提供する。

解決手段

BS等の基材3の上部に被覆膜4が形成されており、この被覆膜4は、少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子、およびバインダー成分を含む被覆膜であり、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜である。更に、この被覆膜4は、撥水性成分を含有しても良いし、ナノ粒子が金属ナノ粒子無機酸化物ナノ粒子無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子のうち少なくとも一種のナノ粒子を含有しても良い。更に、このような被覆膜4を電気機器ボディー上に形成した。

概要

背景

従来から、物品防汚性を実現するために当該物品の表面に撥水性、あるいは親水撥油性を付与することが行われている。このような撥水性、あるいは親水撥油性の付与は、代表的には、フッ素含有化合物を用いて物品の表面に撥水性、あるいは親水撥油性を有する膜を形成する手法が挙げられる。撥水性付与により水性汚れが付着しにくくなり、付着しても汚れが拭取りやすくなり防汚性が実現する。また、親水撥油性付与により油性の汚れが付着しても水で洗い流しやすくなり、セルフクリーニング機能が向上し、防汚性が実現する。

撥水性による防汚性付与の手法として、当該物品の表面に、フッ素系のコーティング剤を塗布する手法がある。

例えば、特許文献1では、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを含むフッ素コーティング剤が示されている。一般に、パーフルオロオキシアルキレン基含有化合物は、その表面自由エネルギーが小さいために、撥水撥油性耐薬品性潤滑性離型性、防汚性などを有する。

また、親水撥油膜による防汚性付与の手法として、当該物品の表面に、微小領域の親水性部分および疎水性部分を相互に独立して露出する膜を形成する手法がある。

例えば、特許文献2では、15nm以下の平均粒径を有するシリカ超微粒子と、50〜500nmの範囲内のフッ素樹脂粒子と、を含み、これらを所定の質量比で配合したコーティング組成物が開示されている。

このコーティング組成物を用いて塗膜コーティング膜)を形成することにより、シリカ超微粒子に起因する親水性部分と、フッ素樹脂粒子に起因する疎水性部分とをバランスよく混在させている。これにより、親水性の汚れおよび親油性の汚れの双方の付着の防止を図っている。また、熱交換器等に適用することにより防汚性付与、水飛び抑制を図っている。

概要

塵埃等の乾性の汚れの付着を有効に抑制するとともに、耐久性を付与した塵埃付着防止被覆膜を提供する。ABS等の基材3の上部に被覆膜4が形成されており、この被覆膜4は、少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子、およびバインダー成分を含む被覆膜であり、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜である。更に、この被覆膜4は、撥水性成分を含有しても良いし、ナノ粒子が金属ナノ粒子無機酸化物ナノ粒子無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子のうち少なくとも一種のナノ粒子を含有しても良い。更に、このような被覆膜4を電気機器ボディー上に形成した。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、特に塵埃等の乾性の汚れの付着を有効に抑制するとともに、人が日常使用する家電商品等の使用にも耐えられる耐久性を付与した、塵埃等の付着防止被覆膜を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子、およびバインダー成分を含む被覆膜であり、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜。

請求項2

少なくとも撥水性成分を含有する請求項1に記載の被覆膜。

請求項3

ナノ粒子が金属ナノ粒子無機酸化物ナノ粒子無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子のうち少なくとも一種のナノ粒子を含有する、請求項1又は2に記載の被覆膜。

請求項4

撥水性成分が、フッ素系成分ケイ素系化合物炭化水素系成分の少なくとも一種を含有する、請求項2又は3に記載の被覆膜。

請求項5

バインダー成分が、少なくとも有機系成分を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆膜。

請求項6

バインダー成分が、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系の少なくとも一種を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の被覆膜。

請求項7

被覆対象物における防汚対象となる表面を、請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆膜で被覆した被覆体

請求項8

請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆膜を有する電気機器

請求項9

請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆膜を有する電気機器の部品

技術分野

0001

本発明は、塵埃等を含む汚れの付着を良好に防止または抑制する被覆膜と、被覆膜を有する被覆体、被覆膜を有する電気機器、電気機器の部品に関する。

背景技術

0002

従来から、物品防汚性を実現するために当該物品の表面に撥水性、あるいは親水撥油性を付与することが行われている。このような撥水性、あるいは親水撥油性の付与は、代表的には、フッ素含有化合物を用いて物品の表面に撥水性、あるいは親水撥油性を有する膜を形成する手法が挙げられる。撥水性付与により水性の汚れが付着しにくくなり、付着しても汚れが拭取りやすくなり防汚性が実現する。また、親水撥油性付与により油性の汚れが付着しても水で洗い流しやすくなり、セルフクリーニング機能が向上し、防汚性が実現する。

0003

撥水性による防汚性付与の手法として、当該物品の表面に、フッ素系のコーティング剤を塗布する手法がある。

0004

例えば、特許文献1では、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを含むフッ素コーティング剤が示されている。一般に、パーフルオロオキシアルキレン基含有化合物は、その表面自由エネルギーが小さいために、撥水撥油性耐薬品性潤滑性離型性、防汚性などを有する。

0005

また、親水撥油膜による防汚性付与の手法として、当該物品の表面に、微小領域の親水性部分および疎水性部分を相互に独立して露出する膜を形成する手法がある。

0006

例えば、特許文献2では、15nm以下の平均粒径を有するシリカ超微粒子と、50〜500nmの範囲内のフッ素樹脂粒子と、を含み、これらを所定の質量比で配合したコーティング組成物が開示されている。

0007

このコーティング組成物を用いて塗膜コーティング膜)を形成することにより、シリカ超微粒子に起因する親水性部分と、フッ素樹脂粒子に起因する疎水性部分とをバランスよく混在させている。これにより、親水性の汚れおよび親油性の汚れの双方の付着の防止を図っている。また、熱交換器等に適用することにより防汚性付与、水飛び抑制を図っている。

先行技術

0008

特開2016−141699号公報
特許第5254042号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上述した従来の技術では、塵埃等の乾性汚れ付着防止初期性能耐久性両立を図ることは困難である。

0010

例えば、特許文献1に開示されているコーティング組成物は、水や油分等湿性の汚れの防止(撥水撥油性)、潤滑性等を目的とし、摩耗耐久性があると記載されているが、表面
への凹凸付与は行っていないかつ撥水性で帯電防止機能がないため、ホコリ付着防止機能はない。

0011

また、特許文献2には、実施例中に砂塵付着防止性粉塵付着防止性向上が示唆されているが、特に熱交換器等、他のものと接触がない、あるいは人が触ることがほとんどない物品への搭載が示されており、バインダーは含まないと提示されている。したがって、耐摩耗性は低く、例えば人が触れるような部位や耐摩耗性が必要な部位に使用するとコーティング剥がれや傷つき等により性能低下が起きる可能性が高い。

0012

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、特に塵埃等の乾性の汚れの付着を有効に抑制するとともに、人が日常使用する家電商品等の使用にも耐えられる耐久性を付与した、塵埃等の付着防止被覆膜を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記従来の課題を解決するために、本発明は、100nm以下の粒径を有するナノ粒子で少なくとも構成される被覆膜であり、被覆膜は少なくともバインダー成分を含有し、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜である。また、本発明は、このような被覆膜を有する電気機器、電気機器の部品である。

発明の効果

0014

本発明の被覆膜は、防塵等の乾性汚れの付着防止性能に優れ、かつ耐摩耗性も有する。また、本発明の被覆膜を有する電子機器は、防塵等の乾性汚れの付着防止性能に優れ、かつ耐摩耗性を有する。

図面の簡単な説明

0015

本実施例における被覆体1と模擬塵埃2の模式図である。
本実施例における被覆膜表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真である。
本実施例における被覆膜表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真である。
本実施例における塵埃付着表面の顕微鏡写真である。
本実施例における塵埃付着表面を二値化した顕微鏡写真である。
本実施例における塵埃付着表面の顕微鏡写真である。
本実施例における塵埃付着表面を二値化した顕微鏡写真である。
ロボット掃除機の上面図である。
ロボット掃除機の部分透過図である。
ダストボックスの斜視図である。
本比較例における塵埃付着表面の顕微鏡写真である。
本比較例における塵埃付着表面を二値化した顕微鏡写真である。

0016

本発明について、以下の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。

0017

第1の実施態様は、少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子、およびバインダー成分を含む被覆膜であり、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜である。

0018

第2の実施態様は、更に少なくとも撥水性成分を含有する被覆膜である。

0019

第3の実施態様は、更にナノ粒子が金属ナノ粒子無機酸化物ナノ粒子無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子のうち少なくとも一種のナノ粒子を含有する被覆膜である。

0020

第4の実施態様は、更に撥水性成分が、フッ素系成分ケイ素系化合物炭化水素系成分の少なくとも一種を含有する、被覆膜である。

0021

第5の実施態様は、更にバインダー成分が、少なくとも有機系成分を含有する被覆膜である。

0022

第6の実施態様は、バインダー成分が、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系の少なくとも一種を含有する、被覆膜である。

0023

第7の実施態様は、被覆対象物における防汚対象となる表面を、被覆膜で被覆した被覆体である。

0024

第8の実施態様は、被覆膜を有する電気機器である。

0025

第9の実施態様は、被覆膜を有する電気機器の部品である。

0026

以下、本実施の形態について詳細に説明する。

0027

図1は、本実施例の被覆体1と模擬塵埃2の模式図である。

0028

本実施例の被覆体1は、基材3を被覆膜4で被覆し、被覆膜4の表面にはナノ微粒子による凹凸5が形成されている。

0029

[基材3]
基材3としては、例えば電気掃除機ボディー洗濯機のボディー、テレビのボディー等、電子機器のボディーが用いられる。

0030

より具体的には、本実施例では、基材3としてABSアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)の平板を用いているが、例えば、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、PMMAポリメタクリル酸メチル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PBTポリブチレンテレフタラート)、ポリアミドポリ乳酸、POM(ポリアセタール)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、フェノール樹脂メラミン樹脂コポリエステル不飽和ポリエステル樹脂等の樹脂、あるいはアルミ、SUS(ステンレス鋼),銅、鉄、鋼、チタンマグネシウム等の金属あるいは合金、あるいはガラスセラミックス等の無機物等を用いても良い。

0031

尚、本実施例では、防汚対象となる表面である基材3を被覆膜4で被覆したもの、即ち、基材3と被覆膜4を含めたもの被覆体1、または防汚被覆体と称する。

0032

本実施例に係る防汚被覆体の具体的な種類または具体的な構成については特に限定されず、防汚性能を付与したい物品を被覆対象物として、前述した被覆膜4を被覆すればよい。代表的な被覆対象物としては、家電製品またはその部品を挙げることができる。家電製品またはその部品に対して被覆膜4を形成することにより、家電製品に塵埃等の乾性の汚
れが付着しにくくなり、掃除頻度を減らすことができる。また、特定の場所に設置された家電製品であれば、塵埃等の汚れとして、浮遊する塵埃が当該家電製品の上面に堆積することがあるが、当該上面に本実施例に係る被覆膜4を形成しておけば、軽くふき取る程度の掃除で、堆積した塵埃を容易に除去することができる。

0033

また、本実施例の被覆膜4は耐摩耗性を有するため、人が触れたり清掃したり、強い風力が当たるところ等にも使用することができる。

0034

具体的な家電製品としては、例えば、掃除機エアコン空気調和機)、扇風機空気清浄機換気扇ドライヤー、あるいはそれらのフィルタ等のように、使用時に風を生成する家電製品、テレビ、冷蔵庫電子レンジ等のように、特定の場所に設置して使用する家電製品、あるいはシャーバージューサーなどの調理家電のように使用することで汚れが付着してしまう家電製品等、あるいはそれらの部品を挙げることができる。

0035

また、家電製品に限らず、自動販売機ショーケース等、あるいは産業機器、あるいはパソコンプリンタスマホ、ゲーム機等の情報機器やその部品、自動車自転車電車航空機等の乗り物やその構成部品、住宅やその構成部品等にも使用することができる。

0036

[被覆膜4]
本実施例の被覆膜4は、少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子で構成される被覆膜であり、被覆膜4は少なくとも撥水性成分、およびバインダー成分を含有し、かつ表面抵抗が10↑13Ω/□以下、かつ摩耗試験後の塵埃付着率が20%以下である被覆膜である。

0037

一般的に付着力は、静電引力分子間力液架橋力からなり、これらを小さくすることにより、付着力を低減し、塵埃の付着を低減することが可能である。

0038

塵埃付着防止には一般的に静電引力を低減させるため帯電防止付与で対応していることが多いが、分子間力等の影響で細かい塵埃は付着する。そのため、塵埃付着防止には、静電引力低減に加え、さらに分子間力低減、液架橋力低減が求められる。

0039

本実施例では、少なくとも100nm以下の粒径を有するナノ粒子を用いている。これにより、塵埃の接触面積が低減し、分子間力を低減することができる。仮にナノ粒子の粒径が100nmを超えると、防汚被膜は良好な防汚性能を発揮できなくなる。

0040

また、撥水性成分を付与することにより、液架橋力を低減することができ、さらに塵埃付着防止性能向上を図ることが可能である。

0041

本実施例の被覆膜においては、ナノ粒子が、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子等からなる群より選択される少なくとも1種である構成であってもよい。これにより、ナノ粒子が上述した群の少なくともいずれかの材質からなる粒子であれば、良好な防塵性能を形成することができる。

0042

ナノ粒子は、親水性もしくは導電性を有するものを含む方がよい。これにより、付着力のうち静電引力を低減することができ、塵埃等の汚れの付着を良好に抑制または防止することができる。

0043

バインダー成分が、少なくとも有機系成分を含有する。有機成分を含有することにより、より柔軟で強固な塗膜を得ることができる。また、バインダーが粒子や撥水成分等と結合できるので、耐摩耗性に優れた塗膜を得ることができる。

0044

バインダー成分が、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系の少なくとも一種を含有する。これにより、バインダーの柔軟性、強度が向上し、さらに耐摩耗性に優れた塗膜を得ることができる。

0045

撥水性成分が、フッ素系成分、ケイ素系化合物、炭化水素系成分の少なくとも一種を含有する。これにより、有効に撥水性を付与することが可能である。

0046

本実施例の被覆膜4は、100nm以下の粒径を有するナノ粒子により少なくとも構成されるとともに、バインダー成分を含有している。被覆膜4を構成するナノ粒子は、その種類は特に限定されないが、代表的には、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子、アクリル系樹脂ナノ粒子等を挙げることができる。

0047

具体的には、例えば、金属ナノ粒子としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)、鉄白金(FePt)、ジルコニウム(Zi)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)等金属またはその合金等を挙げることができる。また、無機酸化物ナノ粒子としては、シリカ酸化ケイ素)、アルミナ酸化アルミニウム)、酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化バリウム酸化鉄酸化マンガン酸化亜鉛酸化チタン酸化イットリウムチタン酸バリウム酸化スズアンチモンドープ酸化スズATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、リンドープ酸化スズ(PTO)、酸化インジウム酸化ジルコニウム酸化セリウム等を挙げることができる。無機窒化物ナノ粒子としては、窒化ガリウム(GaN)等を挙げることができる。アクリル系樹脂ナノ粒子としは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等を挙げることができる。

0048

その他、シリコーンやフッ素、オレフィン系等の微粒子を用いることも可能である。

0049

これらナノ粒子は、1種類のみで被覆膜4を構成しても、複数種類が組み合わせられて被覆膜4を構成することもできる。また、被覆膜4は、基本的には、ナノ粒子およびバインダー、撥水性成分等で構成されるが、ナノ粒子およびバインダー、撥水性成分以外の成分を含んでもよい。例えば、添加剤等(帯電防止剤繊維材など)を含んでもよい。

0050

ナノ粒子の粒径は、100nm以下であればよく、被覆膜4の表面においてナノレベル凹凸構造を実現しやすくなる。また、被覆膜4の具体的な構成にもよるが、ナノ粒子の粒径が1〜100nmの範囲内であれば、ナノレベルの凹凸構造をより好適な範囲内に調整しやすくすることができる。

0051

被覆膜4の表面の算術平均粗さRaは、1〜100nmの範囲内であればより好ましい。算術平均粗さRaがこの範囲内であれば、少なくとも乾性の汚れの付着を有効に抑制または防止することが可能になるが、特に指定するものではない。

0052

被覆膜4は、ナノ粒子およびバインダー、あるいは撥水性成分により構成されていればよい。バインダーの機能としては、ナノ粒子同士を接着させる機能や、ナノ粒子や撥水性成分を被覆体1の表面に接着させる機能等を有していればよい。それゆえ、少なくともナノ粒子に対して親和性を有する材料が主成分となっている方が好ましい。またさらにバインダー成分自身が親水性、撥水性の機能を有していてもよい。

0053

被覆膜4がバインダー成分を含有することで、ナノ粒子で構成される被覆膜4の強度または耐久性を向上することができる。また、ナノ粒子が被覆膜4の表面で良好に維持されることから、表面の微細な凹凸が維持されやすくなり、乾性の汚れの付着を抑制または防止する効果を向上することができる。

0054

具体的なバインダー成分の組成については特に限定されず、例えばテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシラン等のシラン化合物メチルエチルシリケートコロイダルシリカ等の無機化合物でもよいが、好ましくは有機成分を含有する方がよい。

0055

有機成分を含有するバインダーとして、ウレタン、アクリル、エポキシ、シロキサンフェノールメラミンPVA(ポリビニルアルコール)、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)等、特に指定するものではない。

0056

バインダーとして、例えば撥水性成分自身がバインダーとしての機能を有する、例えば撥水性成分に反応基を持たせ主剤とし、硬化剤を添加して結合を付与して用いることも可能である。

0057

これは、例えば、直鎖もしくは分岐した、フッ素樹脂、シリコーン、パーフルオロアルキルフルオロアルキルパーフルオロポリエーテルフルオロポリエーテル、フッ素樹脂/シロキサン複合ポリマー、フッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーパラフィン等の炭化水素、シリコーンアクリル等の撥水性成分を少なくとも一種もしくは複数種含み、これらの撥水性成分がOH基等の反応基を有し、硬化剤としてイソシアネート、エポキシ、メラミン等と反応させ、撥水性をもたせたバインダーとして使用することも可能である。

0058

バインダー成分には、これら材料に加えて公知の添加剤、あるいは触媒等が含まれてもよい。

0059

例えば、硬化剤として使用するイソシアネートは、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、PDIペンタメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、水素添加XDI(キシリレンジイソシアネート)、TDI(トルエンジイソシアネート)、MDIジフェニルメタンジイソシアネート)、あるいはそれらの変性体、あるいはブロックイソシアネート等特に指定するものではなく、用途に応じて使用することができる。

0060

本実施例に係る被覆膜4に含有される撥水性成分は、撥水性を呈するフッ素化合物およびケイ素化合物、炭化水素系成分の少なくとも一種を含んでいればよい。フッ素化合物またはケイ素化合物は、分子中にフッ素またはケイ素(もしくはその両方)を含む化合物であればよい。これら撥水性成分は、撥水剤撥水撥油剤界面活性剤表面処理剤表面改質剤反射防止剤、コーティング剤等として用いられているものを挙げることができる。

0061

具体的な撥水性成分としては、公知の有機フッ素化合物または有機ケイ素化合物が挙げられるが、特に限定されない。これら撥油性成分は1種類のみを用いてもよいし2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。例えば、好ましいフッ素系化合物としては、構造中に疎水基を有し、代表的な疎水基としては、直鎖もしくは分岐パーフルオロアルキル、フルオロアルキル、パーフルオロエーテルフルオロエーテル、シリコーン等を挙げることができる。

0062

粒子やバインダー、あるいは撥水成分にOH、エポキシ、メタクリルカルボキシルカルボニルアミン、イソシアネート、オキサゾリン基等の反応基を有するものを使用することも可能である。粒子やバインダー、撥水成分との結合力が増大し、さらに耐摩耗性に優れた塗膜を得ることができる。

0063

被覆膜4においては、全重量を100重量%としたときに、撥水性成分および/またはバインダー成分は0.1〜50重量%の範囲内で含有されている構成であってもよい。これにより、被覆膜4の表面において、ナノ粒子に由来する微細な凹凸の実現と撥水性成分による撥水性との実現とを良好に両立させることが可能となる。

0064

諸条件にもよるが、バインダー成分および/もしくは撥水性成分が50重量%を超えれば、ナノ粒子に対してバインダー成分および/もしくは撥水性成分の量が多くなりすぎて、被覆膜4の表面に有効な凹凸が形成できない可能性がある。またバインダー成分および/もしくは撥水性成分が0.1重量%未満であれば、撥水成分やバインダー成分の含有量に見合った撥水性、あるいは強度・耐久性の向上等の効果が十分に得られないおそれがある。

0065

本実施例の被覆膜4は、撥水性成分の含有量は特に限定されず、使用目的に応じて、ナノ粒子による付着防止性と撥水性成分による撥水性とを好適に発揮できる程度に撥水性成分が含有されていればよい。代表的な好ましい含有量としては、被覆膜4の全重量を100重量%としたときに、撥水性成分は0.1重量%以上の範囲内で含有されていてもよい。

0066

撥水性成分の含有量が下限の0.1重量%を下回ると、諸条件にもよるが、十分な液架橋力低減を発揮できない場合がある。

0067

撥水性成分の具体的な形状、形態は特に限定されず、撥水成分は低分子、高分子オリゴマー等特に指定するものではない。また、粒子状粉体状または凝集体状、液状、オイル状、あるいは塗膜形成成分等特に指定するものではない。また、撥水性成分が単体で存在、もしくは他の成分と反応・結合して存在、もしくはバインダーの機能を兼ねていてもよい。

0068

本実施例の被覆膜4は、上述したように少なくともナノ粒子およびバインダー、あるいは撥水成分により構成される。例えば、被覆膜4の膜厚は特に限定されないが、一般的に10nm〜1μm(1000nm)、特に10nm〜500nmである構成であってもよい。

0069

被覆膜4の膜厚が1μm未満すなわちナノレベルであれば、相対的に膜厚が小さくなるため被覆膜4の帯電性を良好に軽減させ、乾性の汚れの付着を良好に抑制または防止することができるとともに、被覆膜4の透明性を向上することができる。また、諸条件にもよるが、膜厚が500nm以下であれば、被覆膜4の帯電性をより一層良好に軽減させるとともに透明性をさらに向上することが可能となる。さらに、諸条件にもよるが、膜厚が20〜500nmの範囲内であれば、透明性の向上および帯電性のさらなる軽減を実現でき、乾性の汚れの付着をより一層良好に抑制または防止することができる。10nmより小さくなると膜として維持しにくくなる。

0070

被覆膜4の膜厚が500nm以下であると、ナノ粒子、あるいは導電性粒子を含有している場合でも被膜表面にナノ粒子、あるいは導電性粒子が表面に出し、表面の凹凸形成もしくは静電引力低減が良好にでき、塵埃付着性能防止性能が良好となる。

0071

膜厚の測定方法は特に限定されないが、例えば、電子顕微鏡等により被覆断面を観察し、複数点測定した膜厚の平均値を算出することにより測定できる。

0072

被覆膜4の表面抵抗率は、1013Ω/□以下であればよい。これにより、被覆膜4の
帯電性を良好に軽減させることができるので、塵埃等の付着を良好に抑制または防止することができる。

0073

被覆膜4の水接触角は特に指定するものではない。親水側であれば帯電防止の影響が少なくなり、撥水側であれば液架橋力の影響が低減し塵埃付着防止効果が高くなる。

0074

ナノ粒子の粒径の測定方法は特に限定されず、公知の方法(拡散法、慣性法、沈降法顕微鏡法光散乱回折法等)を好適に用いることができる。また、塗膜化しナノ粒子のみの粒径測定が困難な場合、電子顕微鏡等で表面観察を行い、表面に出ている粒子径のおおよその粒径を測定してもよい。この場合、すべての粒子が100nm以下であることを確認しなくてもよく、一部が100nm以下であればよい。その部分での塵埃付着防止性能が向上し、全体として摩耗後の塵埃付着率が20%以下であればよい。

0075

被覆膜4の算術平均粗さRaを測定する場合、JIS B0601に基づいて測定(評価)してもよい。

0076

被覆膜4の水接触角の測定(評価)方法も特に限定されず、例えば、協和界面科学(株)製接触角計製品名:DMo−501等の接触角計を用いて測定(評価)すればよい。

0077

被覆膜4の具体的な形成方法(製造方法)は特に限定されず、ナノ粒子による微細な凹凸を形成することが可能であれば、公知のさまざまな方法を用いることができる。代表的な形成方法としては、ナノ粒子を含む塗工液(コーティング剤)を調製してこれを塗工する公知の塗工方法、例えばスプレーコートスピンコートディップコートロールコート、バーコート、グラビアコートハケ塗りスポンジ塗り等を挙げることができる。

0078

被覆膜4が防汚性以外の機能、例えば耐擦傷性、高硬度付与、耐候性自己修復性光学機能付与、加飾性触感付与、耐ガスバリア性等を有していてもよい。

0079

[被覆膜の塵埃付着率]
本実施例の被覆膜4は、その塵埃付着率が20%以下となっている。ここで、本実施例における塵埃付着率とは、被覆膜4あるいは被覆体1表面における、ある面積に対する、模擬塵埃等の付着量(面積)として算出される。

0080

塵埃付着率の算出に用いられる模擬塵埃は、本実施例においては、有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃が好適に用いられる。有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃の具体的な種類は特に限定されないが、JIS(日本工業規格)等のような各種規格で定められる試験用粉体等を好適に用いることができる。また、有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃は、いずれも1種類であってもよいが、2種類以上が組み合わせて用いられることが好ましい。

0081

本実施例では、無機系の模擬塵埃として2種のけい砂を用いるとともに、有機系の模擬塵埃として、コットンリンタを用いている。具体的なけい砂としては、JIS Z 8901に規定される1種けい砂および3種けい砂の2種類が用いられる。コットンリンタとしては、公益社団法人日空気清浄協会(JACA)により試験用粉体の1種として販売されるものが用いられる。けい砂は無機系塵埃の付着を評価するために用いられ、コットンリンタは有機系塵埃のうち繊維系塵埃の付着を評価するために用いている。

0082

塵埃付着率は、被覆膜4あるいは被覆体1表面における、ある面積に付着した、塵埃等の付着量(面積)として算出される。本実施例では、光学顕微鏡撮影した画像を二値化処理することにより算出される、残存する塵埃の面積を算出し、これらの面積比率を塵埃
付着率とする。すなわち、被覆表面での評価面積をA0とし、評価面積における塵埃付着面積をA1としたときに、塵埃付着率ARは、次式(1)で算出することができる。

0083

0084

摩耗試験後の被覆膜4の塵埃付着率は20%以下であればよいが、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。塵埃付着率が20%以下であれば、目視による塵埃の付着があまり目立たないため、防汚性能が得られていると判断することができる。

0085

塵埃付着率を算出する際には、例えば、被覆対象物全体、もしくはその表面の一部もしくは被覆対象物の一部を断片化したものに被覆膜4を形成することで、これを評価用サンプルとして用いることができる。評価用サンプルにおいて、被覆膜4が形成された表面を「被覆表面」としたときに、混合模擬塵埃は、この被覆表面に付着させることになるが、混合模擬塵埃を付着させる前に、評価用サンプルを除電することが好ましい。

0086

評価用サンプルに混合模擬塵埃を付着させる方法、並びに、付着した混合模擬塵埃をふるい落す方法も特に限定されず、種々の方法を好適に用いることができる。例えば、後述する実施例では、混合模擬塵埃を被覆表面に所定量堆積させてから、評価用サンプルを垂直に傾けて落下させることにより、混合模擬塵埃をふるい落している。また、光学顕微鏡による被覆表面の画像撮影についても特に限定されず、混合模擬塵埃を観察可能倍率で複数の画像を撮影すればよい。撮影した画像の二値化処理についても特に限定されず、公知の画像処理ソフトウェア等を用いればよい。
[混合模擬塵埃を用いた被覆膜の評価]
混合模擬塵埃を用いて被覆膜の評価を行った。

0087

(混合模擬塵埃)
JIS Z 8901に規定される1種けい砂および3種けい砂と、公益社団法人日本空気清浄協会(JACA)により試験用粉体に販売されるコットンリンタとを模擬塵埃として用い、これらを等重量となるように量して十分に混合して混合模擬塵埃とした。

0088

(塵埃付着率の評価)
評価用サンプルを除電した上で、当該評価用サンプルに混合模擬粉末をふりかけてふるい落とし、その後に、評価用サンプルの表面を光学顕微鏡で撮影し、撮影画像を二値化処理し、表面における塵埃付着面積を測定し、塵埃付着率を算出した。塵埃付着面積が5%以下であれば塵埃付着率ARを「◎」、5%超20%以下であれば「○」、20%超であれば「×」として評価した。

0089

(耐摩耗性の評価)
評価基材の表面を、綿の雑巾、もしくはJIS L 0803準拠綿(カナキン3号)呼び番号3−1号等を用い指二本で約300gの重さをかけながら、前後に往復させ、100回摩耗させた。

0090

図1は、被覆体1、模擬塵埃2の模式図であり、基材3を被覆膜4で被覆し、表面にはナノ微粒子による凹凸5が形成されている。また、被覆膜4上に、模擬塵埃2が付着している。

0091

(実施例1)
平均粒径約10nmのシリカ粒子のMEK分散液を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーのMEK分散液とHDI系ポリイソシアネート酢酸ブチル分散液を混合し、濃度を調整し、撥水性成分を有するバインダーの分散液とした。

0092

次に、粒子/撥水性成分を有するバインダー固体重量比が約100/60となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約5%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0093

次に、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆体1を得た。

0094

この被覆膜4の水接触角は90°、表面抵抗は10↑12Ω/□、初期の塵埃付着率は〇、摩耗後の塵埃付着率は〇であった。

0095

(実施例2)
平均粒径約100nmのシリカ粒子のIPA分散液を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーのMEK分散液とXDI系ポリイソシアネートの酢酸ブチル分散液を混合し、撥水性成分を有するバインダーの分散液とした。

0096

次に、粒子/撥水性成分を有するバインダー固体重量比が約100/100となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約7%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0097

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆体1を得た。

0098

この被覆膜4の表面抵抗は10↑12Ω/□、初期の塵埃付着率は〇、摩耗後の塵埃付着率は〇であった。

0099

(実施例3)
平均粒径約10nmのシリカ粒子のMEK分散液と平均粒径約15nmのATO粒子のMMB分散液の混合を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素樹脂/シロキサングラフトポリマーのMEK分散液とHDI系ポリイソシアネートの酢酸ブチル分散液を混合し、バインダー分散液とした。

0100

次に、粒子/撥水性成分を有するバインダー固体重量比が約100/25となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約10%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0101

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0102

この被覆膜4の水接触角は90°、表面抵抗は10↑12Ω/□、初期の塵埃付着率は〇、摩耗後の塵埃付着率は〇であった。

0103

摩耗後の塵埃付着表面の写真を図4に、その二値化処理後の写真を図5に示す。

0104

(実施例4)
平均粒径約15nmのATO粒子のMMB分散液を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素ワニスのMEK分散液とHDI系ポリイソシアネートのMEK分散液を混合し、バインダー分散液とした。

0105

次に、粒子/撥水性成分を有するバインダー固体重量比が約100/20となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約3%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0106

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0107

この被覆膜4の水接触角は98°、表面抵抗は10↑10Ω/□、初期の塵埃付着率は◎、摩耗後の塵埃付着率は◎であった。

0108

摩耗後の塵埃付着表面の写真を図6に、その二値化処理後の写真を図7に示す。

0109

また、この被覆膜4の初期表面拡大観察をSEMにて行った。結果を図2図3に示す。図2が2万倍、図3が3万倍の写真である。

0110

図2図3より、表面に粒径100nm以下の凹凸があることを確認した。また全体に凹凸がなくても良好な防塵性能であった。

0111

(実施例5)
平均粒径約35nmのITO粒子のMMB分散液を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素ワニスのMEK分散液とHDI系ポリイソシアネートのMEK分散液を混合し、バインダー分散液とした。

0112

次に、粒子/バインダー重量比が約100/30となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約1%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0113

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0114

この被覆膜4の水接触角は98°、表面抵抗は10↑7Ω/□、初期の塵埃付着率は◎、摩耗後の塵埃付着率は◎であった。

0115

(実施例6)
平均粒径約15nmのATO粒子のMMB分散液を粒子分散液とした。一方、アクリルを1−メトキシ2−プロパノールに分散し、バインダー分散液とした。

0116

次に、粒子/バインダー重量比が約100/10となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約15%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0117

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を
塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0118

この被覆膜4の水接触角は40°、表面抵抗は10↑8Ω/□、初期の塵埃付着率は◎、摩耗後の塵埃付着率は◎であった。

0119

(実施例7)
平均粒径約15nmのATO粒子のMMB分散液を粒子分散液とした。一方、アクリルポリオールとパーフルオロポリエーテルを酢酸ブチルに分散し、バインダー分散液とした。

0120

次に、粒子/バインダー重量比が約100/65となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約3%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0121

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0122

この被覆膜4の水接触角は115°、表面抵抗は10↑9Ω/□、初期の塵埃付着率は◎、摩耗後の塵埃付着率は◎であった。

0123

(実施例8)
ロボット掃除機6のダストボックス7の内壁に、実施例4に記載のコーティング液をスプレーコーティングにて塗布し、被覆膜4を形成した。

0124

被覆膜4を形成したダストボックス7を設置したロボット掃除機6を用いてゴミ吸引評価を行った。5年分の模擬塵埃の吸引、および実際に屋内の掃除を実施して塵埃付着率を評価した。結果、被覆膜4を形成していないブランクのダストボックス7の塵埃付着率はいずれも×であったのに対し、被覆膜4を形成したダストボックス7の塵埃付着率はいずれも〇であり、目視でも効果を確認できた。

0125

ダストボックス7にたまったごみを捨てる際、ダストボックス7壁面に付着する塵埃が減り、清潔性が保て、ダストボックス7のお手入れ回数を減らすことができる。

0126

同様に、サイクロン式スティック掃除機、サイクロン式キャニスター掃除機でも効果が確認できた。

0127

(比較例1)
コーティングなしのABS樹脂の平板を用いて評価を行った。

0128

水接触角は76°、初期の塵埃付着率は×、摩耗後の付着率も×であった。

0129

摩耗後の塵埃付着表面の写真を図8−1に、その二値化処理後の写真を図8−2に示す。

0130

塵埃付着率が実施例3,4と比較して多いことがわかる。

0131

(比較例2)
シリカの酢酸ブチル分散液を粒子分散液とした。一方、OH基を有するフッ素ワニスのMEK分散液とHDI系ポリイソシアネートのMEK分散液を混合し、バインダー分散液とした。

0132

次に、粒子/バインダー重量比が約100/30となるよう、また有機溶剤を用いて固形分量が約3%となるよう分散液を混合し、コーティング液とした。

0133

また、基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0134

この被覆膜4の水接触角は102°、表面抵抗は10↑13Ω/□、初期の塵埃付着率は×、摩耗後の塵埃付着率は×であった。

0135

表面を電子顕微鏡で観察した結果、ミクロンオーダー凝集した粒子の凹凸の膜となっており、不均一な膜であり、所定の初期塵埃付着性能は出なかった。

0136

(比較例3)
平均粒径約10nmのシリカ粒子のIPA分散液(3%)を粒子分散液とした。バインダーは用いなかった。

0137

基材3としてABS樹脂の平板を用い、表面にスプレー塗装でコーティング液(粒子分散液)を塗布し、80℃×15分乾燥し、被覆膜4、および被覆体1を得た。

0138

この被覆膜4の水接触角は20°、表面抵抗は10↑12Ω/□、初期の塵埃付着率は〇、摩耗後の塵埃付着率は×であった。

0139

バインダーを用いていないため、被覆膜4が剥離し、摩耗後の塵埃付着性能が悪化した。

0140

本実施例の被覆体1は、防汚対象となる表面を、被覆膜4で被覆した構成である。これにより、防汚被覆体は、特に塵埃等の汚れの付着を有効に抑制または回避することができると共に、お手入れ等による表面摩耗による耐久性を向上することができる。

実施例

0141

本実施例の被覆体1は、被覆対象物が、家電製品等の電子機器、部品等でもよい。これにより、電子機器、部品等の表面に対して良好な防汚処理を施すことができる。

0142

本発明は、塵埃等の付着を抑制または防止する分野、例えば、掃除機やエアコン等の電気機器に広く好適に用いることができる。

0143

1被覆体
2模擬塵埃
3基材
4被覆膜
5凹凸
6ロボット掃除機
7 ダストボックス

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