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技術 射出成形用樹脂組成物及び射出成形体

出願人 東ソー株式会社
発明者 増田淳川戸大輔大嶽真都幸田真吾
出願日 2018年8月31日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-164040
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-037604
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 損失角δ 冷却加圧 射出成型用樹脂 二次加圧 単独材料 一次加圧 ビニルアルコール含量 射出成形用樹脂組成物
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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課題

射出成形性に優れており、優れた機械物性およびガスバリア性を示す射出成形体を得ることができる射出成形用樹脂組成物を提供する。

解決手段

少なくとも(i)〜(iii)を満たす接着剤(a)を5重量部以上70重量部以下、(iv)〜(v)を満たすビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上95重量部以下((a)および(b)、の合計は100重量部)含むことを特徴とする射出成形用樹脂組成物を用いる。 (i)熱可塑性樹脂(c)、熱可塑性樹脂(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物加水分解物。 (ii)ビニルアルコール含量が0.5mol%以上40mol%以下 (iii)ビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が30mol%以下 (iv)エチレン含量が55mol%以下 (v)ケン化度が70重量%以上

概要

背景

食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂素材とした包装材料は、内容物劣化の防止を目的として、ガスバリア性保香性耐溶剤性などに優れるエチレンビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)が、種々の用途で使用されている。しかしながらEVOHは引張破断伸びが小さく機械物性に劣る上、射出成形性にも劣ることから射出成形体への適用は実用的ではない。

このような中、機械物性や成形性の改良として、EVOHとポリエチレン系樹脂酸変性ポリオレフィンを配合した樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)やEVOHとポリオレフィンとエチレン・酢酸ビニル共重合体加水分解物を配合した樹脂組成物(例えば、特許文献2〜3参照)を用いる方法が提案されている。

しかし、前者ではEVOHと酸変性ポリオレフィンがゲル化し増粘するため、射出成形性の改良効果が十分ではなく射出成形体の外観も不良であった。また、後者ではEVOHとポリオレフィンとの相溶性が不十分であり機械物性の改良効果が十分ではなかった。

このような背景から、従来より射出成形性に優れ、且つ優れた機械物性とガスバリア性を示す射出成形用樹脂組成物が望まれていた。

概要

射出成形性に優れており、優れた機械物性およびガスバリア性を示す射出成形体を得ることができる射出成形用樹脂組成物を提供する。 少なくとも(i)〜(iii)を満たす接着剤(a)を5重量部以上70重量部以下、(iv)〜(v)を満たすビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上95重量部以下((a)および(b)、の合計は100重量部)含むことを特徴とする射出成形用樹脂組成物を用いる。 (i)熱可塑性樹脂(c)、熱可塑性樹脂(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物。 (ii)ビニルアルコール含量が0.5mol%以上40mol%以下 (iii)ビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が30mol%以下 (iv)エチレン含量が55mol%以下 (v)ケン化度が70重量%以上 なし

目的

このような背景から、従来より射出成形性に優れ、且つ優れた機械物性とガスバリア性を示す射出成形用樹脂組成物が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも(i)〜(iii)を満たす接着剤(a)を5重量部以上70重量部以下、(iv)〜(v)を満たすビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上95重量部以下((a)および(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする射出成形用樹脂組成物。(i)熱可塑性樹脂(c)、熱可塑性樹脂(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物加水分解物。(ii)ビニルアルコール含量が0.5mol%以上40mol%以下(iii)ビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が30mol%以下(iv)エチレン含量が55mol%以下(v)ケン化度が70重量%以上

請求項2

エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)におけるビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルの含量が35mol%を超えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項3

接着剤(a)におけるビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルのケン化度が5mol%以上40mol%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項4

接着剤(a)に相溶化剤(f)を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項5

相溶化剤(f)が少なくともエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体を含むことを特徴とする請求項4に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項6

少なくとも接着剤(a)を5重量部以上65重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上90重量部以下、熱可塑性樹脂(g)を5重量部以上65重量部以下((a)、(b)、(g)の合計は100重量部)含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項7

熱可塑性樹脂(c)及び/又は熱可塑性樹脂(g)がスチレン系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の射出成形用樹脂組成物。

請求項8

請求項1乃至7いずれか一項に記載の射出成形用樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含むことを特徴とする射出成形体

技術分野

0001

本発明は、接着剤を含む射出成形用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む射出成形体に関するものである。

背景技術

0002

食品や飲料、医薬品などの熱可塑性樹脂素材とした包装材料は、内容物劣化の防止を目的として、ガスバリア性保香性耐溶剤性などに優れるエチレンビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)が、種々の用途で使用されている。しかしながらEVOHは引張破断伸びが小さく機械物性に劣る上、射出成形性にも劣ることから射出成形体への適用は実用的ではない。

0003

このような中、機械物性や成形性の改良として、EVOHとポリエチレン系樹脂酸変性ポリオレフィンを配合した樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)やEVOHとポリオレフィンとエチレン・酢酸ビニル共重合体加水分解物を配合した樹脂組成物(例えば、特許文献2〜3参照)を用いる方法が提案されている。

0004

しかし、前者ではEVOHと酸変性ポリオレフィンがゲル化し増粘するため、射出成形性の改良効果が十分ではなく射出成形体の外観も不良であった。また、後者ではEVOHとポリオレフィンとの相溶性が不十分であり機械物性の改良効果が十分ではなかった。

0005

このような背景から、従来より射出成形性に優れ、且つ優れた機械物性とガスバリア性を示す射出成形用樹脂組成物が望まれていた。

先行技術

0006

特開2007−161881号公報
特開2000−248128号公報
特開2001−200124号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、射出成形性に優れており、優れた機械物性およびガスバリア性を示す射出成形体を得ることができる射出成形用樹脂組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の樹脂組成物が射出成形性に優れ、かつ、当該組成物から得られた射出成形体が優れた機械物性とガスバリア性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、少なくとも(i)〜(iii)を満たす接着剤(a)を5重量部以上70重量部以下、(iv)〜(v)を満たすビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上95重量部以下((a)および(b)の合計は100重量部)含むことを特徴とする射出成形用樹脂組成物に関するものである
(i)熱可塑性樹脂(c)、(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物。
(ii)ビニルアルコール含量が0.5mol%以上40mol%以下
(iii)ビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が30mol%以下
(iv)エチレン含量が55mol%以下
(v)ケン化度が70重量%以上。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。

0011

本発明における接着剤(a)を構成する熱可塑性樹脂(c)としては、特に限定はなく、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリスチレンなどのスチレン系樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルナイロン6ナイロン66などのポリアミドポリアセタールシクロオレフィンポリマーシクロオレフィンコポリマーなどが例示される。これらの中でポリオレフィンとポリスチレンが好ましく、特にポリオレフィンが好ましい。

0012

このようなポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜12のα−オレフィン単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。

0013

例えば、高圧法低密度ポリエチレン高密度ポリエチレン中密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。熱可塑性樹脂(c)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。中でも、射出成形性およびコストの観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、ポリプロピレンからなる群の少なくとも1種が好ましい。これにより、本発明の組成物は、より成形性に優れたものとなる。

0014

高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセン商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体およびエチレン・1−へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラーナッタ触媒フィリップス触媒メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。

0015

エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は、エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造が可能であれば特に制限されるものではないが、公知の高圧ラジカル重合法やイオン重合法を例示することができる。高圧ラジカル重合法により製造されたエチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で、ランクセス株式会社からレバプレン、レバメルトの商品名で各々市販されている。

0016

本発明における接着剤(a)を構成するエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)は、熱可塑性樹脂(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い。

0017

エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。中でも、コストの観点からエチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。

0018

また、ビニルアルコール系樹脂(b)との相溶性の観点から、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)のビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が10mol%以上であることが好ましく、より好ましくは15mol%以上であり、最も好ましくは35mol%を超える範囲である。

0019

本発明における接着剤を構成する熱可塑性樹脂(c)、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)の含有量は、本発明の目的が達成される限り特に限定はなく、ガスバリア性向上の観点から、熱可塑性樹脂(c)が5重量部以上95重量部以下及びエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル(d)が5重量部以上95重量部以下(ここで、(c)及び(d)の合計は100重量部とする)を含むものが好ましく、より好ましくは熱可塑性樹脂(c)が15重量部以上85重量部以下及びエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル(d)が15重量部以上85重量部以下((c)及び(d)の合計は100重量部)、最も好ましくは熱可塑性樹脂(c)が20重量部以上80重量部以下及びエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル(d)が20重量部以上80重量部以下((c)及び(d)の合計は100重量部)を含むものである。

0020

また、本発明における接着剤(a)の構成成分として、熱可塑性樹脂(c)(以下、成分(d)と略すことがある)と、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)(以下、成分(d)と略すことがある)の相溶化剤(f)(以下、成分(f)と略すことがある)を含んでいてもよい。成分(f)としては、例えばエチレンとビニルエステルとの共重合体が挙げられ、相溶化剤(f)のビニルエステル含量が成分(c)よりも高く、且つ成分(d)よりもビニルエステル含量が低い、エチレンとビニルエステルとの共重合体が好ましい。ビニルエステルとしては、酢酸ビニルギ酸ビニルプロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニルイソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルカプリン酸ビニルラウリン酸ビニルステアリン酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられる。中でも、経済性に優れることから、エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用することが好ましい。相溶化剤(f)は、1種単独又は2種以上の組み合わせの組成物であってもよい。なかでも成分(c)および成分(d)の分散性が向上し、樹脂組成物から得られた成形体のガスバリア性及び機械物性が向上することから、2種以上の相溶化剤(f)を併用することが好ましい。

0021

相溶化剤(f)として、エチレンとビニルエステルとの共重合体を用いる場合のビニルエステル含量は、相溶化剤(f)と成分(c)又は成分(d)とのビニルエステル含量差が1重量%以上40重量%以下であるエチレンとビニルエステルとの共重合体が好ましく、さらに好ましくはビニルエステル含量差が1重量%以上30重量%以下であるエチレンとビニルエステルとの共重合体、最も好ましくはビニルエステル含量差が1重量%以上20重量%以下であるエチレンとビニルエステルとの共重合体である。

0022

また相溶化剤(f)として2種以上のエチレンとビニルエステルとの共重合体を用いる場合、各々のビニルエステル含量差は、1重量%以上20重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1重量%以上15重量%以下、最も好ましくは1重量%以上10重量%以下である。

0023

また本発明における相溶化剤(f)のエチレンとビニルエステルとの共重合体の製造方法は限定されないが、高圧法ラジカル重合、溶液重合ラテックス重合等の公知の製造方法が挙げられ、このような樹脂は市販品の中から便宜選択することができ、エチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で、ランクセス株式会社からレバプレン、レバメルトの商品名で各々市販されている。

0024

相溶化剤(f)を含む場合の該接着剤の好適な配合比は、ガスバリア性および機械物性向上の観点から、成分(c)が4重量部以上95重量部以下、成分(d)が4重量部以上95重量部以下及び成分(f)が1重量部以上50重量部以下(ここで、(c)、(d)及び(f)の合計は100重量部とする)を含むものであり、さらに好ましくは成分(c)が15重量部以上90重量部以下及び成分(d)が5重量部以上75重量部以下及び成分(f)が5重量部以上45重量部以下(ここで、(c)、(d)及び(f)の合計は100重量部とする)を含むものであり、最も好ましくは成分(c)が15重量部以上80重量部以下及び成分(d)が15重量部以上50重量部以下及び成分(f)が5重量部以上40重量部以下(ここで(c)、(d)及び(f)の合計は100重量部とする)を含むものである。

0025

本発明における接着剤を構成する熱可塑性樹脂(c)とエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルの共重合体(d)がグラフトされた変性体(e)のグラフト変性方法としては、グラフト変性できるものであれば特に限定されず、反応性などを考慮して適宜選択され、成分(c)にエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルをグラフト共重合する方法、成分(d)にエチレン単独、若しくはエチレンとα−オレフィンをグラフト共重合する方法、成分(c)と成分(d)を予め重合し、これらを架橋剤(h)によりグラフト変性する方法が挙げられるが、生産性の観点から上記成分(c)、成分(d)を架橋剤(h)によりグラフト変性する方法が好ましい。熱可塑性樹脂(c)がポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンの場合、架橋剤(h)として有機過酸化物を使用することが最も好ましい。

0026

架橋剤(h)の有機過酸化物としては本発明の目的が達成される限り特に限定されず、例えば、ジクミルペルオキシド、ジt−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1、1ージ(tーブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼンn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレートベンゾイルペルオキシドp−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネートジアセチルペルオキシドラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドなどが挙げることができる。これらは単独で或いは2種類以上を混合して使用することができる。

0027

なかでも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1、1ージ(tーブチルペルオキシ)シクロヘキサン等が反応性の観点から好ましい。また、前記架橋剤と共に、必要に応じて、トリアリルイソシアヌレートジビニルベンゼン等の架橋助剤を用いてもよい。

0028

熱可塑性樹脂(c)及びエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)の合計100重量部に対する架橋剤(h)の配合量は、0.005重量部以上1重量部以下の範囲であることが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物は成形性により優れ、かつ、当該組成物から得られる成形体のガスバリア性もより向上する。

0029

熱可塑性樹脂(c)、成分(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに成分(c)と成分(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の製造プロセスの具体例は次のとおりである。

0030

成分(c)、成分(d)、相溶化剤(f)、架橋剤(h)のドライブレンド物を、押出機ホッパー投入する。成分(c)、成分(d)、相溶化剤(f)及び架橋剤(h)の少なくとも一部をサイドフィーダー等から添加してもよい。さらに、二台以上の押出機を使用し、段階的に順次溶融混練してもよい。前記成分(c)、成分(d)、相溶化剤(f)、架橋剤(h)の混合には、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーリボンブレンダータンブラーなどを使用してもよい。

0031

また、本発明における接着剤(a)は、上記した成分以外に、必要に応じて架橋助剤、酸化防止剤滑剤中和剤ブロッキング防止剤界面活性剤スリップ剤等、通常熱可塑性樹脂に使用される添加剤や他のポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を添加したものでもかまわない。

0032

本発明における接着剤を構成する前記成分(c)、成分(d)、相溶化剤(f)、架橋剤(h)を含む溶融混練物の加水分解処理方法は特に限定されないが、生産性の観点から上記樹脂組成物のペレット又はパウダーアルカリ中で直接加水分解処理するのが好ましい。

0033

また、本発明の接着剤(a)のビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル成分のケン化度は、ガスバリア性に優れることから5mol%以上が好ましく、より好ましくは5mol%以上60mol%以下、さらに好ましくは5mol%以上40mol%以下、最も好ましくは10mol%以上30mol%以下である。

0034

本発明における接着剤(a)のビニルアルコール含量とビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量は、ビニルアルコール系樹脂との相溶性の観点から、ビニルアルコール含量は0.5mol%以上40mol%以下及びビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量は30mol%以下であり、好ましくはビニルアルコール含量は0.5mol%以上35mol%以下及びビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量は28mol%以下、最も好ましくはビニルアルコール含量は1mol%以上35mol%以下及びビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量は26mol%以下である。

0035

本発明における接着剤は、ペレットやパウダーなどの任意の形態にしておいて使用することができる。

0036

また本発明における接着剤は、熱可塑性樹脂(c)、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)を含む樹脂が分散してなる接着剤であることが好ましい。このとき熱可塑性樹脂(c)、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)を含む樹脂の分散粒子径が0.01μm以上50μm以下であることが好ましい。

0037

さらに本発明における接着剤(a)の動的粘弾性測定により得られた複素弾性率G*((貯蔵弾性率G’2+損失弾性率G’’2)1/2)が500Paとなる条件における、ひずみと応力又はたわみと荷重位相角である損失角δ(arctan(G’’/G’))が80度以下であることが、ガスバリア性向上の観点で好ましい。

0038

本発明におけるビニルアルコール系樹脂(b)としては、主としてビニルアルコール単位からなる重合体であるポリビニルアルコール、又はエチレン単位とビニルアルコール単位とからなる共重合体であるEVOHである。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0039

本発明において使用されるビニルアルコール系樹脂(b)としては、特に限定されることはなく、例えば、成形用途で使用されるような公知のものを挙げることができる。

0040

ビニルアルコール系樹脂(b)のエチレン単位の含有量は、ガスバリア性に優れることから、55mol%以下であり、10mol%以上55mol%以下のものがより好ましい。

0041

ビニルアルコール系樹脂(b)のケン化度は、ガスバリア性に優れることから、70mol%以上である。

0042

ビニルアルコール系樹脂(b)の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、公知の方法にしたがって、脂肪酸ビニルエステルの重合体、若しくはエチレンと脂肪酸ビニルエステルとの共重合体を製造し、次いで、これを加水分解することによってポリビニルアルコール若しくはEVOHを製造することができる。

0043

このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えばポリビニルアルコールとしてクラレ株式会社からポバール、日本合成化学(株)からゴーセノールが、またEVOHとしてクラレ(株)からエバール、日本合成化学(株)からソアノールの商品名で各々市販されている。

0044

またEVOHは、エチレン単位およびビニルアルコール単位に加えて、少量であれば他の構成単位を有していてもよい。

0045

ビニルアルコール系樹脂(b)のメルトフローマスレート(温度190℃、荷重2.16kg)は、成形加工性の点から、0.1g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.5g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましく、1g/10分以上20g/10分以下であることが最も好ましい。

0046

本発明の射出成形用樹脂組成物を構成する接着剤(a)とビニルアルコール系樹脂(b)の好適な配合比は、ガスバリア性向上や射出成形性の観点から、接着剤(a)が5重量部以上70重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が30重量部以上95重量部以下、(ここで(a)及び(b)の合計は100重量部とする)を含むものであり、より好ましくは接着剤(a)が10重量部以上60重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が40重量部以上90重量部以下((a)及び(b)の合計は100重量部)、最も好ましくは接着剤(a)が20重量部以上50重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が40重量部以上80重量部((a)及び(b)の合計は100重量部)を含むものである。

0047

また、コストの観点から、本発明の射出成形用樹脂組成物にはさらに熱可塑性樹脂(g)を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂(g)を含む場合、接着剤(a)とビニルアルコール系樹脂(b)と熱可塑性樹脂(g)の好適な配合比は、ガスバリア性向上や射出成形性の観点から、接着剤(a)が5重量部以上65重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が30重量部以上90重量部以下、熱可塑性樹脂(g)が5重量部以上65重量部以下、(ここで(a)、(b)、(g)の合計は100重量部とする)を含むものであり、より好ましくは接着剤(a)が8重量部以上60重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が30重量部以上80重量部以下、熱可塑性樹脂(g)が10重量部以上50重量部以下((a)、(b)、(g)の合計は100重量部)、最も好ましくは接着剤(a)が20重量部以上55重量部以下、ビニルアルコール系樹脂(b)が35重量部以上70重量部以下、熱可塑性樹脂(g)が10重量部以上30重量部以下((a)、(b)、(g)の合計は100重量部)を含むものである。

0048

このような熱可塑性樹脂(g)としては、特に限定はなく、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアセタール、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーなどが例示される。これらの中でポリオレフィンとスチレン系樹脂が好ましく、特にポリオレフィンが好ましい。

0049

また、熱可塑性樹脂(g)として熱可塑性樹脂(c)と同じ熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂(c)がポリスチレンの場合は熱可塑性樹脂(g)もポリスチレンを、熱可塑性樹脂(c)がポリオレフィンの場合は熱可塑性樹脂(g)もポリオレフィンを用いることが好ましい。

0050

このようなポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体若しくはこれらの共重合体、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。

0051

例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、熱可塑性樹脂(g)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。中でも、ポリオレフィンとの接着性およびコストの観点から高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、ポリプロピレンが好ましく、これらの組成物が成形性にも優れるため最も好ましい。

0052

高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、高圧ラジカル重合を例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができ、例えば東ソー株式会社からペトロセンの商品名で市販されている。高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体およびエチレン・1−へキセン共重合体の製造方法は特に限定するものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Z、ルミタックの商品名で各々市販されている。

0053

エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造方法は、エチレン・酢酸ビニル共重合体の製造が可能であれば特に制限されるものではないが、公知の高圧ラジカル重合法やイオン重合法を例示することができる。高圧ラジカル重合法により製造されたエチレン・酢酸ビニル共重合体として、東ソー株式会社からウルトラセンの商品名で市販されている。

0054

接着剤(a)、ビニルアルコール系樹脂(b)及び熱可塑性樹脂(g)の溶融混練の方法は、各成分を均一に分散しうる溶融混練装置であれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機多軸押出機バンバリーミキサー加圧ニーダ−、回転ロールラボプラストミルなどの溶融混練装置が挙げられる。溶融温度はビニルアルコール系樹脂(b)の融点以上260℃以下程度が好ましい。

0055

また本発明の樹脂組成物は、ペレットやパウダーなどの任意の形態にしておいて使用することができる。

0056

本発明の射出成形用樹脂組成物を射出成形する方法は、本発明の目的が達成される限り特に限定はなく、従来公知の射出成形法を用いることができる。このような射出成形法には、通常の単独材料を射出成形する射出成形法(モノインジェクション法)に加え、2種以上の樹脂を射出成形する多材成形法、混色成形法、サンドイッチ成形法共射出成形法、同時多層射出成形法、金型内金属部品合成皮革加飾フィルムなどを挿入し樹脂と一体化させるインサート成形法、射出成形したプリフォームを更にブロー成形する射出ブロー成形法などを例示することができる。射出成形法における樹脂の温度は、ビニルアルコール系樹脂(b)の融点以上250℃以下の範囲であることが好ましく、金型温度は40℃以上80℃以下の範囲が好ましい。

0057

本発明の別の態様は、本発明の射出成形用樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含むことを特徴とする射出成形体である。すなわち、本発明は、少なくとも(i)〜(iii)を満たす接着剤(a)を5重量部以上70重量部以下、(iv)〜(v)を満たすビニルアルコール系樹脂(b)を30重量部以上95重量部以下((a)および(b)の合計は100重量部)含む射出成形用樹脂組成物の層を少なくとも1層含む射出成形体である
(i)熱可塑性樹脂(c)、(c)よりもビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が5mol%以上多い、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(d)、並びに(c)と(d)がグラフトされた変性体(e)を含む溶融混練物の加水分解物。
(ii)ビニルアルコール含量が0.5mol%以上40mol%以下
(iii)ビニルエステル及び/又はアクリル酸エステル含量が30mol%以下
(iv)エチレン含量が55mol%以下
(v)ケン化度が70重量%以上

0058

本発明の射出成形用樹脂組成物は射出成形性に優れており、得られた射出成形体は、機械物性および酸素等に対するガスバリア性が高いものとなる。

発明の効果

0059

本発明の樹脂組成物は、射出成形性に優れており、優れた機械物性およびガスバリア性を示す射出成形体を得ることができる。

0060

以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)、もしくはJIS K6924−2(1997年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレートMFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)、もしくはJIS K6924−2(1997年)に準拠して測定した。
(3)酢酸ビニル含量
酢酸ビニル含量は、JIS K6924−2(1997年)に準拠して測定した。
(4)ケン化度
ケン化度は、JIS K6924−2(1999年)に準拠して測定したケン化前後の接着剤の酢酸ビニル含量を用いて計算した。
(5)酸素透過度
実施例により得られた射出成形体(幅110mm、長さ250mm、厚み850μm)を用いて、JIS K7126−2(2006年)に準拠して測定した酸素透過度(cc/m2・24時間・atm)を、成形体の厚み100μm相当に換算して算出した。ガスバリア性は以下のように評価した。
×:厚み100μm換算の酸素透過度(cc/m2・24時間・atm)が1000以上
△:1000未満100以上
○:100未満10以上
◎:10未満
このように、酸素透過度1000未満でガスバリア性が良好と判断した。
(6)引張破断応力および引張破断伸び
引張破断強度および引張破断伸びは、実施例により得られた射出成型用樹脂組成物のプレスシートからJIS K7113記載のダンベル状2号の試験片打ち抜き、引張試験機テンシロンRTE−1210((株)オリエンテック製)を用いて測定した。測定条件は、チャック間距離80mm、標線間距離25mm、引張速度300mm/分であり、破断したときの応力を引張破断応力(MPa)とし、破断したときの伸びを引張破断伸び(%)とした。
ここで、プレスシートは、圧縮成形機AWFA.50((株)神金属工業所製)および15cm×15cm×0.1mmの金型を用いて、加熱温度200℃、冷却温度30℃、一次加圧10MPa×3分、二次加圧100MPa×1分、冷却加圧100MPa×5分の条件で作成した。
ガスバリア性は以下のように評価した。
×:引張破断応力が15MPa未満かつ引張破断伸びが10%未満
△:引張破断応力が15MPa未満または引張破断伸びが10%未満
○:引張破断応力が15MPa以上かつ引張破断伸びが10%以上
◎:引張破断応力が15MPa以上または引張破断伸びが10%以上。

0061

以下に各接着剤の製造方法を示す。

0062

[接着剤A1の製造方法]
熱可塑性樹脂(C)としてMFRが45g/10分、密度が924kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン209)(C1)を75重量部、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(D)として、MFRが70g/10分、密度が968kg/m3、酢酸ビニル含量が42.0重量%(19.1mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン760)(D1)を25重量部、及び有機過酸化物(日油(株)製、商品名パーヘキサC)(H1)を0.1重量部の割合でドライブレンドし、二軸押出機TEX25αIII((株)日本製鋼所製)を用いて、樹脂温度190℃、回転数150rpm、吐出量10kg/時の条件で溶融混練し、ペレット状のサンプルを得た。続いて、本サンプルを7重量%の水酸化ナトリウムメタノール溶液中、45℃で加水分解処理を行い、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が1.10mol%、ビニルエステル含量が2.58mol%である接着剤(A1)を得た。

0063

[接着剤A2の製造方法]
熱可塑性樹脂(C)としてMFRが30g/10分、密度が935kg/m3、酢酸ビニル含量が15.0重量%(5.43mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン625)(C2)を用いた以外は接着剤(A1)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が2.49mol%、ビニルエステル含量が5.81mol%である接着剤(A2)を得た。

0064

[接着剤A3の製造方法]
エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(D)として、MFRが4g/10分、密度が1070kg/m3、酢酸ビニル含量が70.0重量%(43.2mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバメルト700)(D2)を用いた以外は接着剤(A2)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が3.48mol%、ビニルエステル含量が8.13mol%である接着剤(A3)を得た。

0065

[接着剤A4の製造方法]
エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(D)として、MFRが4g/10分、密度が1100kg/m3、酢酸ビニル含量が80.0重量%(56.6mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバメルト800)(D3)を用いた以外は接着剤(A2)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が3.87mol%、ビニルエステル含量が9.02mol%である接着剤(A4)を得た。

0066

[接着剤A5の製造方法]
熱可塑性樹脂(C)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(C2)を62.5重量部、エチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(D)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(D3)を20.8重量部、相溶化剤(F)として、MFRが160g/10分、密度が936kg/m3、酢酸ビニル含量が20.0重量%(7.53mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン680)を33.4重量部、MFRが30g/10分、密度が954kg/m3、酢酸ビニル含量が32.0重量%(13.3mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン750)を33.3重量部、MFRが4.3g/10分、密度が1000kg/m3、酢酸ビニル含量が50.0重量%(24.5mol%)であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ランクセス(株)製、商品名レバメルト500)を33.3重量部からなる樹脂組成物(F1、MFR24g/10分、密度963kg/m3、酢酸ビニル含量34重量%(14.6mol%))を16.7重量部とした以外は接着剤(A1)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が3.94mol%、ビニルエステル含量が9.19mol%である接着剤(A5)を得た。

0067

[接着剤A6の製造方法]
ケン化反応をしなかったこと以外は接着剤(A5)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が0.00mol%、ビニルアルコール含量が0.00mol%、ビニルエステル含量が13.1mol%である接着剤(A6)を得た。

0068

[接着剤A7の製造方法]
架橋剤(H1)を配合しなかったこと以外は接着剤(A5)の製造方法と同様の手法により、ケン化度が30.0mol%、ビニルアルコール含量が3.94mol%、ビニルエステル含量が9.19mol%である接着剤(A7)を得た。なお、この接着剤(A7)では熱可塑性樹脂(C)とエチレンとビニルエステル及び/又はアクリル酸エステルとの共重合体(D)がグラフトされた変性体(E)が含まれていない。

0069

0070

実施例1
接着剤(A)として接着剤(A1)を、ビニルアルコール系重合体(B)としてMFRが8.5g/10分、密度が1180kg/m3、エチレン含量が35mol%、ケン化度が100mol%であるエチレン・ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製商品名エバールC109B)(B1)を、熱可塑性樹脂(G)としてMFRが8g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)(G1)使用した。
まず、(A1)が30重量部、(B1)が50重量部、(G1)が20重量部となるようにドライブレンドし、二軸押出機を装着したラボプラストミル4C150((株)東洋精機製)を用いて、樹脂温度190℃、回転数100rpm、吐出量2.5kg/時の条件で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を上述したようにプレス成形し、引張破断応力および引張破断伸びを測定した。
また、得られた樹脂組成物を原料とし、射出成形機MD100Xi2.7((株)宇部興産機械製)を用いて、樹脂温度200℃、射出圧200MPa 、金型温度40℃の条件下で射出成形を行った。成形体のサイズは、上述のように、幅110mm、長さ250mm、厚み850μmであった。得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0071

実施例2
接着剤(A)として接着剤(A2)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0072

実施例3
接着剤(A)として接着剤(A3)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0073

実施例4
接着剤(A)として接着剤(A4)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0074

実施例5
接着剤(A)として接着剤(A5)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0075

実施例6
接着剤(A)として接着剤(A5)を10重量部、ビニルアルコール系重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を50重量部、熱可塑性樹脂(G)として高圧法低密度ポリエチレン(G1)を40重量部、としたこと以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0076

実施例7
接着剤(A)として接着剤(A5)を50重量部、ビニルアルコール系重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を50重量部としたこと以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0077

実施例8
接着剤(A)として接着剤(A5)を20重量部、ビニルアルコール系重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を40重量部、熱可塑性樹脂(G)として高圧法低密度ポリエチレン(G1)を40重量部としたこと以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表2に示す。

0078

0079

比較例1
接着剤(A)として接着剤(A6)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体は機械物性に劣っていた。

0080

比較例2
接着剤(A)として接着剤(A7)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体は機械物性に劣っていた。

0081

比較例3
ビニルアルコール系重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を50重量部、熱可塑性樹脂(G)として高圧法低密度ポリエチレン(G1)を50重量部としたこと以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体は機械物性に劣っていた。

0082

比較例4
接着剤(A)として接着剤(A5)を50重量部、ビニルアルコール系重合体(B)としてエチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)を25重量部、熱可塑性樹脂(G)として高圧法低密度ポリエチレン(G1)を25重量部としたこと以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体はガスバリア性に劣っていた。

0083

比較例5
樹脂組成物として、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B1)のみを使用した以外は、実施例1と同様の手法により射出成形体を得た。評価の結果を表2に示す。射出成形の際、充填時のピーク圧力が高すぎたため、所定のサイズの射出成形体が得られず評価ができなかった。

0084

比較例6
接着剤(A)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(D2)を15.0mol%ケン化した樹脂(A8、ビニルアルコール含量6.48mol%、ビニルエステル含量36.7mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体は機械物性に劣っていた。

0085

比較例7
ビニルアルコール系重合体(B)として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(D2)を100mol%ケン化した樹脂(B2、MFR4g/10分、密度1130kg/m3、エチレン含量57mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により樹脂組成物および射出成形体を得た。得られた樹脂組成物を用いて引張破断応力および引張破断伸びを測定し、また得られた射出成形体を用いて酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。本比較例の射出成形体はガスバリア性に劣っていた。

0086

0087

本発明の射出成形用樹脂組成物は、機械物性やガスバリア性が要求される射出成形体に用いることができ、特に、食品や飲料、医薬品などの包装材料に用いられる射出成形体に好適に使用することができる。

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