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図面 (20)

課題

脳腫瘍に対し、特異的な治療法を開発すること、特に、グリア芽細胞腫成長及び増殖に対する抑制物質の提供。

解決手段

脳腫瘍の処理に使用される、エフリン受容体発現及び/又は活性阻害物質

概要

背景

グリオーマはもっとも一般的な脳腫瘍であるが、特に、IV級グリオーマ--別に多形性グリア芽細胞腫(GBM)とも呼ばれる--は、もっとも重篤なタイプである。この極めて浸襲的な腫瘍は、新規に生ずることもあるし(一次GBM)、或いは、低級グリオーマの悪性進行の結果として発達することもある(二次GBM)。いずれの場合も、その腫瘍に内在する特性のために、予後は暗く、放射線療法及び化学療法を併用しても平均生存期間は、14,6ヶ月である(12.)。

多形性グリア芽細胞腫は、きわめて異種性の高い腫瘍であり、強度の出血性部分及び広範な壊死領域を呈する、明白に異なる種々の細胞及び組織から成る異種性を示し、顕微鏡レベルでは、大量の微細血管増殖及び枠組み様パターン(pseudopalisading patterns)の存在と一致する(9.)。

もっとも重要なことは、GBMは、分散性組織分布パターンによって特徴づけられ、このため、腫瘍細胞は、脳内に広く撒布され、これが、完全な外科切除を妨げる。それ故、患者大多数病気再発する。さらに、GBMの進行は広範な血管形成を伴う。

新規マーカーの開発、すなわち、GBMの成長及び拡散を阻止し、それを治療するための方法の開発に必要な特異的分子標的を特定することの必要性及び重要性の認識が次第に高まりつつある。

ここ10年、有望な研究がいくつか為されており、それらは、様々な種類の腫瘍の発生、維持及び進行に関与すると考えられる、癌幹細胞(CSCs)の特定及び分離に取り組んでいる。従来から、癌の持続的成長、クローン性多様化及び進化癌転移及び治療後の再発は、腫瘍細胞による、該腫瘍が由来する幹細胞--癌幹細胞と呼ばれる--の増殖能力の保持の結果である可能性が示唆されている。造血系悪性腫瘍乳癌、及び、ヒト脳組織中の幹細胞様神経前駆細胞にも、形質転換幹細胞様細胞が認められている。

悪性脳腫瘍は、或いは、少なくともその内のいくつかは、癌幹細胞を含むという発見は、研究及び臨床の両レベルに新しい機会を提供する。事実、仮に、この癌幹細胞仮説が、これらの細胞は、腫瘍の全体量において僅かな細胞プールしか構成していないことを明らかにするとしても、この小プールは、術後の腫瘍の確立拡張、及びその恒久化を引き起こす真犯人である可能性がある。

GBMでは、長期増殖性癌幹細胞(CSCs)が研究されているが(GBM-CSCs)、これは、神経幹細胞機能的特徴の完全補完体所有するだけでなく(13.)、ヒトGBM病態の主要な組織学的、細胞学的、及び構造的特徴を緊密に模倣する腫瘍を生成する能力を有する(5.)。

これらのGBM-CSCsは、ヒト疾患真正現象コピーを経時的に産み出すことが可能であるため、GBM生理学的機序インビトロインビボで研究するに際しもっとも好適なモデルとなるので、これらは、GBMそのものの浸襲的・血管形成的態様の調節に直接関わる遺伝子/経路の発見を可能とすると考えられる。腫瘍細胞上に特異的に見出される分子マーカー、又は、悪性細胞には過剰に発現されるが、正常細胞ではほとんど存在しないか下方調整される分子マーカーは、標的照準性薬剤送達などの治療法にとっては魅力的な製剤標的となる。Eph受容体は、ヒトゲノムにコードされるチロシンキナーゼファミリーの内、最大ファミリーを含み、病気の進展において重要な役割を、即ち、外部刺激受容し、細胞の内部にシグナルを伝達し、生体機能の維持に必須な数多くのプロセスを起動するという重要な役割を果たす。これらは、その全てが、隣接細胞の膜に定着するエフリン(Ephrin)と呼ばれるリガンドを認識するという点で、他のRTKとは区別される。通常、リガンド結合は、Eph受容体のチロシンリン酸化を誘発する(4.)。

概要

脳腫瘍に対し、特異的な治療法を開発すること、特に、グリア芽細胞腫の成長及び増殖に対する抑制物質の提供。脳腫瘍の処理に使用される、エフリン受容体の発現及び/又は活性阻害物質。なし

目的

本発明は、中枢神経系悪性腫瘍の分野に関し、脳腫瘍の治療的及び予防的処理、及び、腫瘍塊成長の阻害に好適な医薬組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

脳腫瘍の処理に使用される、エフリン受容体発現及び/又は活性阻害物質

請求項2

前記腫瘍グリア芽細胞腫である、請求項1に記載の阻害物質。

請求項3

前記脳腫瘍が多形性グリア芽細胞腫である、請求項1に記載の阻害物質。

請求項4

前記処理が、手術後の脳腫瘍再発治療である、請求項1のいずれか1項に記載の阻害物質。

請求項5

前記処理が、手術後の脳腫瘍再発の予防処置であることを特徴とする、請求項1に記載の阻害物質。

請求項6

前記処理が、脳腫瘍塊の成長阻害することを特徴とする、請求項1に記載の阻害物質。

請求項7

エフリン受容体の発現及び/又は活性の前記阻害物質が、癌幹細胞増殖の阻害物質であることを特徴とする、請求項1に記載の阻害物質。

請求項8

列番号1及び配列番号3から成る群から選ばれる、請求項1から7のいずれか1項に記載の阻害物質。

請求項9

少なくとも一つのエフリン受容体の発現及び/又は活性の阻害物質、及び、薬学的に許容される生物活性手段を含む医薬組成物

請求項10

エフリン受容体の発現及び/又は活性の前記阻害物質が、癌幹細胞増殖の阻害物質であることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。

請求項11

エフリン受容体の発現及び/又は活性の前記阻害物質が、癌幹細胞転移の阻害物質であることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。

請求項12

前記癌幹細胞が悪性脳癌幹細胞である、請求項10又は11のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項13

エフリン受容体の発現及び/又は活性の前記阻害物質が、配列番号1及び配列番号3から成る群から選ばれる、請求項9、10、11、又は12のいずれか1項に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、中枢神経悪性腫瘍の分野に関し、脳腫瘍治療的及び予防的処理、及び、腫瘍塊成長阻害に好適な医薬組成物を提供する。

背景技術

0002

グリオーマはもっとも一般的な脳腫瘍であるが、特に、IV級グリオーマ--別に多形性グリア芽細胞腫(GBM)とも呼ばれる--は、もっとも重篤なタイプである。この極めて浸襲的な腫瘍は、新規に生ずることもあるし(一次GBM)、或いは、低級グリオーマの悪性進行の結果として発達することもある(二次GBM)。いずれの場合も、その腫瘍に内在する特性のために、予後は暗く、放射線療法及び化学療法を併用しても平均生存期間は、14,6ヶ月である(12.)。

0003

多形性グリア芽細胞腫は、きわめて異種性の高い腫瘍であり、強度の出血性部分及び広範な壊死領域を呈する、明白に異なる種々の細胞及び組織から成る異種性を示し、顕微鏡レベルでは、大量の微細血管増殖及び枠組み様パターン(pseudopalisading patterns)の存在と一致する(9.)。

0004

もっとも重要なことは、GBMは、分散性組織分布パターンによって特徴づけられ、このため、腫瘍細胞は、脳内に広く撒布され、これが、完全な外科切除を妨げる。それ故、患者大多数病気再発する。さらに、GBMの進行は広範な血管形成を伴う。

0005

新規マーカーの開発、すなわち、GBMの成長及び拡散を阻止し、それを治療するための方法の開発に必要な特異的分子標的を特定することの必要性及び重要性の認識が次第に高まりつつある。

0006

ここ10年、有望な研究がいくつか為されており、それらは、様々な種類の腫瘍の発生、維持及び進行に関与すると考えられる、癌幹細胞(CSCs)の特定及び分離に取り組んでいる。従来から、癌の持続的成長、クローン性多様化及び進化癌転移及び治療後の再発は、腫瘍細胞による、該腫瘍が由来する幹細胞--癌幹細胞と呼ばれる--の増殖能力の保持の結果である可能性が示唆されている。造血系悪性腫瘍、乳癌、及び、ヒト脳組織中の幹細胞様神経前駆細胞にも、形質転換幹細胞様細胞が認められている。

0007

悪性脳腫瘍は、或いは、少なくともその内のいくつかは、癌幹細胞を含むという発見は、研究及び臨床の両レベルに新しい機会を提供する。事実、仮に、この癌幹細胞仮説が、これらの細胞は、腫瘍の全体量において僅かな細胞プールしか構成していないことを明らかにするとしても、この小プールは、術後の腫瘍の確立拡張、及びその恒久化を引き起こす真犯人である可能性がある。

0008

GBMでは、長期増殖性癌幹細胞(CSCs)が研究されているが(GBM-CSCs)、これは、神経幹細胞機能的特徴の完全補完体所有するだけでなく(13.)、ヒトGBM病態の主要な組織学的、細胞学的、及び構造的特徴を緊密に模倣する腫瘍を生成する能力を有する(5.)。

0009

これらのGBM-CSCsは、ヒト疾患真正現象コピーを経時的に産み出すことが可能であるため、GBM生理学的機序インビトロインビボで研究するに際しもっとも好適なモデルとなるので、これらは、GBMそのものの浸襲的・血管形成的態様の調節に直接関わる遺伝子/経路の発見を可能とすると考えられる。腫瘍細胞上に特異的に見出される分子マーカー、又は、悪性細胞には過剰に発現されるが、正常細胞ではほとんど存在しないか下方調整される分子マーカーは、標的照準性薬剤送達などの治療法にとっては魅力的な製剤標的となる。Eph受容体は、ヒトゲノムにコードされるチロシンキナーゼファミリーの内、最大ファミリーを含み、病気の進展において重要な役割を、即ち、外部刺激受容し、細胞の内部にシグナルを伝達し、生体機能の維持に必須な数多くのプロセスを起動するという重要な役割を果たす。これらは、その全てが、隣接細胞の膜に定着するエフリン(Ephrin)と呼ばれるリガンドを認識するという点で、他のRTKとは区別される。通常、リガンド結合は、Eph受容体のチロシンリン酸化を誘発する(4.)。

発明が解決しようとする課題

0010

従って、脳腫瘍に対し、新規で、より特異的な治療法を開発すること、特に、グリア芽細胞腫の成長及び増殖に対する抑制物質を特定することが本発明の目的である。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、エフリン受容体の、発現の阻害物質及び/又は活性の阻害物質の内の少なくとも一つと、薬学的に許容される生体活性手段とを含む医薬組成物に関する。

0012

本発明の詳細な説明においてさらに詳述するように、本発明の医薬組成物は、エフリン受容体--神経組織の発生の際高度に発現され、脳細胞内のシグナル伝達及び多くの生理過程の調節を左右する--という分子標的に対し特異的である利点を有する。

0013

本発明のもう一つの側面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質を脳腫瘍の治療に使用することである。

0014

本発明の特徴及び利点は、下記の詳細な説明、例示的・非限定的目的のために提示される実施例、及び、添付の図面1-12から明白となろう。

図面の簡単な説明

0015

実施例2に記載するように、ヒトのGBM-CSC細胞におけるEph受容体及びエフリンリガンドの発現を示す。 1(A)、RT-PCRによって分析したGBM-CSC細胞における、エフリン受容体(Ephs)及びエフリンリガンド(ephrins又はEFNs)の、mRNAの相対的発現レベル。 1(B)(a)、GBM-CSCにおけるEph受容体発現のサイトフルオロメトリー(cytofluorimetric)分析。 1(B)(b)、各種GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体の発現強化裏付けFACS分析。 1(C)、代表的GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体及びephrin(エフリン)A1リガンド両方の発現を裏付ける免疫蛍光標識細胞の、種々の倍率における共焦点画像(Confocal images)。
実施例2に記載するように、ヒトのGBM-CSC細胞におけるEph受容体及びエフリンリガンドの発現を示す。 1(A)、RT-PCRによって分析したGBM-CSC細胞における、エフリン受容体(Ephs)及びエフリンリガンド(ephrins又はEFNs)の、mRNAの相対的発現レベル。 1(B)(a)、GBM-CSCにおけるEph受容体発現のサイトフルオロメトリー(cytofluorimetric)分析。 1(B)(b)、各種GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体の発現強化を裏付けるFACS分析。 1(C)、代表的GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体及びephrin(エフリン)A1リガンド両方の発現を裏付ける免疫蛍光標識細胞の、種々の倍率における共焦点画像(Confocal images)。
実施例2に記載するように、ヒトのGBM-CSC細胞におけるEph受容体及びエフリンリガンドの発現を示す。 1(A)、RT-PCRによって分析したGBM-CSC細胞における、エフリン受容体(Ephs)及びエフリンリガンド(ephrins又はEFNs)の、mRNAの相対的発現レベル。 1(B)(a)、GBM-CSCにおけるEph受容体発現のサイトフルオロメトリー(cytofluorimetric)分析。 1(B)(b)、各種GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体の発現強化を裏付けるFACS分析。 1(C)、代表的GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体及びephrin(エフリン)A1リガンド両方の発現を裏付ける免疫蛍光標識細胞の、種々の倍率における共焦点画像(Confocal images)。
実施例3に記載されるように、EphA2による発現レベルは、患者のGBM一次腫瘍組織においても強化される。 2(a)、一次GBM凍結標本において、腫瘍中心部のEphA2タンパクレベルの免疫局在性。 2(b)、一次GBM凍結標本において、腫瘍周辺部のEphA2タンパクレベルの免疫局在性。 2(c)、GBM-CSCにおけるEphA2受容体タンパクのサイトフルオロメトリー分析。
実施例4に記載する通り、GBM-CSCにおける、ephrin A1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体のリン酸化及び低下に及ぼす影響。 3(A)(a)、GBM-CSCにおいて、表示の濃度におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の用量-反応曲線及びFACS分析である。 3(A)(b)、GBM-CSCにおいて、表示の期間におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の継時曲線及びFACS分析である。 3(B)(a)上部パネル:GBM-CSCにおいて行ったヒトEphA2の免疫蛍光試験は、細胞の多くがその受容体に関して陽性であることを裏付ける。 3(B)(b-c)上部パネル:GBM-CSCにおいて、それぞれ、ephrin A1-Fc 1.0μg/mL及び5.0μg/mL後に行った、ヒトEph2の免疫蛍光試験は、その同じ抗原に関してごく僅かの細胞しか標識されないことを裏付ける。 3(B)中央パネル:ephrinA1-Fc処理GBM-CSCにおける、EphA2受容体の、全細胞分解産物におけるウェスタンブロット。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(-)又は存在下(+)に表示の期間育成した。 3(B)下部パネル:全細胞分解産物を、EphA2の免疫沈降レベルのフォスフォチロシン特異的(4G10)抗体によって免疫ブロットさせた。 3(C)、GBM-CSCにおける、EphA2-Fc処理後のEphA2受容体発現を示すウェスタンブロット分析。
実施例4に記載する通り、GBM-CSCにおける、ephrin A1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体のリン酸化及び低下に及ぼす影響。 3(A)(a)、GBM-CSCにおいて、表示の濃度におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の用量-反応曲線及びFACS分析である。 3(A)(b)、GBM-CSCにおいて、表示の期間におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の継時曲線及びFACS分析である。 3(B)(a)上部パネル:GBM-CSCにおいて行ったヒトEphA2の免疫蛍光試験は、細胞の多くがその受容体に関して陽性であることを裏付ける。 3(B)(b-c)上部パネル:GBM-CSCにおいて、それぞれ、ephrin A1-Fc 1.0μg/mL及び5.0μg/mL後に行った、ヒトEph2の免疫蛍光試験は、その同じ抗原に関してごく僅かの細胞しか標識されないことを裏付ける。 3(B)中央パネル:ephrinA1-Fc処理GBM-CSCにおける、EphA2受容体の、全細胞分解産物におけるウェスタンブロット。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(-)又は存在下(+)に表示の期間育成した。 3(B)下部パネル:全細胞分解産物を、EphA2の免疫沈降レベルのフォスフォチロシン特異的(4G10)抗体によって免疫ブロットさせた。 3(C)、GBM-CSCにおける、EphA2-Fc処理後のEphA2受容体発現を示すウェスタンブロット分析。
実施例4に記載する通り、GBM-CSCにおける、ephrin A1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体のリン酸化及び低下に及ぼす影響。 3(A)(a)、GBM-CSCにおいて、表示の濃度におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の用量-反応曲線及びFACS分析である。 3(A)(b)、GBM-CSCにおいて、表示の期間におけるephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、EphA2受容体の発現及びリン酸化に及ぼす作用の継時曲線及びFACS分析である。 3(B)(a)上部パネル:GBM-CSCにおいて行ったヒトEphA2の免疫蛍光試験は、細胞の多くがその受容体に関して陽性であることを裏付ける。 3(B)(b-c)上部パネル:GBM-CSCにおいて、それぞれ、ephrin A1-Fc 1.0μg/mL及び5.0μg/mL後に行った、ヒトEph2の免疫蛍光試験は、その同じ抗原に関してごく僅かの細胞しか標識されないことを裏付ける。 3(B)中央パネル:ephrinA1-Fc処理GBM-CSCにおける、EphA2受容体の、全細胞分解産物におけるウェスタンブロット。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(-)又は存在下(+)に表示の期間育成した。 3(B)下部パネル:全細胞分解産物を、EphA2の免疫沈降レベルのフォスフォチロシン特異的(4G10)抗体によって免疫ブロットさせた。 3(C)、GBM-CSCにおける、EphA2-Fc処理後のEphA2受容体発現を示すウェスタンブロット分析。
ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理は、実施例5に記載するように、インビトロでGBM-癌幹細胞の増殖を下げる。 4(A)(a-c)、培養下のGBM-CSCに対する、表示の濃度におけるephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(d)、ヒト神経幹細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(e)、U87ヒトグリオーマ細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(f)、培養下のGBM-CSC細胞に対する、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(B)(a)、BrdU細胞増殖アッセイによって推定される細胞増殖指数。 4(B)(b)、KI167陽性免疫反応細胞の定量によって推定される細胞増殖指数。 4(C)(a,c)、二つの急性解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc不在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。 4(C)(b,d)、二つの急性に解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc存在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。
ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理は、実施例5に記載するように、インビトロでGBM-癌幹細胞の増殖を下げる。 4(A)(a-c)、培養下のGBM-CSCに対する、表示の濃度におけるephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(d)、ヒト神経幹細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(e)、U87ヒトグリオーマ細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(f)、培養下のGBM-CSC細胞に対する、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(B)(a)、BrdU細胞増殖アッセイによって推定される細胞増殖指数。 4(B)(b)、KI167陽性免疫反応細胞の定量によって推定される細胞増殖指数。 4(C)(a,c)、二つの急性に解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc不在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。 4(C)(b,d)、二つの急性に解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc存在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。
ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理は、実施例5に記載するように、インビトロでGBM-癌幹細胞の増殖を下げる。 4(A)(a-c)、培養下のGBM-CSCに対する、表示の濃度におけるephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(d)、ヒト神経幹細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(e)、U87ヒトグリオーマ細胞に対するephrinA1-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(A)(f)、培養下のGBM-CSC細胞に対する、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc添加後に見られる成長動態曲線。 4(B)(a)、BrdU細胞増殖アッセイによって推定される細胞増殖指数。 4(B)(b)、KI167陽性免疫反応細胞の定量によって推定される細胞増殖指数。 4(C)(a,c)、二つの急性に解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc不在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。 4(C)(b,d)、二つの急性に解離されたGBM-CSC系統の神経球の、EphA2-Fc存在下に育成した場合の位相差顕微鏡画像(Phase-bright microscopy images)。
可溶性リガンド及び受容体は、実施例6に記載するように、GBM脳腫瘍原発細胞集団をインビトロで消失させる。 5(A)、GBM-CSC細胞における連続クローン原性アッセイ(Serial clonogenic assays)。 5(B)(a,d)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcの、安静コントロール(resting controls)のクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(b,e)、ephrinA1-Fc, 0.5μg/mLと共に育成した二つのGBM-CSC系統から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(c,f)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fc,1.0μg/mLのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(C)(a)、EphA2発現において異なる、二つの細胞集団のソーターによる精製。EphA2タンパクの発現は、GBM-CSCのクローン効率直接相関することを示す。実験方法スキーム5(C)(b)、EphA2++及びEphA2--GBM-CSCのクローン原性パーセント
可溶性リガンド及び受容体は、実施例6に記載するように、GBM脳腫瘍原発細胞集団をインビトロで消失させる。 5(A)、GBM-CSC細胞における連続クローン原性アッセイ(Serial clonogenic assays)。 5(B)(a,d)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcの、安静コントロール(resting controls)のクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(b,e)、ephrinA1-Fc, 0.5μg/mLと共に育成した二つのGBM-CSC系統から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(c,f)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fc,1.0μg/mLのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(C)(a)、EphA2発現において異なる、二つの細胞集団のソーターによる精製。EphA2タンパクの発現は、GBM-CSCのクローン効率に直接相関することを示す。実験方法のスキーム 5(C)(b)、EphA2++及びEphA2--GBM-CSCのクローン原性パーセント。
可溶性リガンド及び受容体は、実施例6に記載するように、GBM脳腫瘍原発細胞集団をインビトロで消失させる。 5(A)、GBM-CSC細胞における連続クローン原性アッセイ(Serial clonogenic assays)。 5(B)(a,d)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcの、安静コントロール(resting controls)のクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(b,e)、ephrinA1-Fc, 0.5μg/mLと共に育成した二つのGBM-CSC系統から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fcのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(B)(c,f)、二つのGBM-CSC系統培養体から得られた神経球の位相差顕微鏡写真で、ephrinA1-Fc,1.0μg/mLのクローンサイズに及ぼす作用を示す。 5(C)(a)、EphA2発現において異なる、二つの細胞集団のソーターによる精製。EphA2タンパクの発現は、GBM-CSCのクローン効率に直接相関することを示す。実験方法のスキーム 5(C)(b)、EphA2++及びEphA2--GBM-CSCのクローン原性パーセント。
実施例7に記載する副集団(SP)分析を示す。 5.0μg/mL EphA2-Fc又はephrin A1-Fcによる48時間処理後の、ヒトの安静GBM-CSCのHoechst 33342染料色プロフィールである。
ephrinA1-Fcは、実施例8に記載するように、GBM-CSCに対し分化促進作用を及ぼす。 Fc処理コントロール・対・ephrinA1-Fc処理GBM-CSCにおける、神経細胞(ME-PE βtubIII)、アストロサイト星状細胞)(ME-FITCGFAP)、及び希突起神経膠細胞(ME-PE GalC)の出現頻度のサイトフルオロメトリー定量。
実施例10に記載するように、可溶性ephrinA1-Fc又はEphA2-FcのいずれかによるEphA2活性化は、インビトロで、細胞骨格再編成を誘発し、GBM-CSC細胞の拡散及び移動を抑制する。 8(A)(a, b-d挿入画像)、未処理GBM-CSC細胞におけるFアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像(Confocal localization)である。これらの細胞は、高い移動性表現型を有する。 8(A)(e-f)、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理5分後の、Fアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像である。細胞は球形を維持し、拡散しなかった。 8(B)、上部パネル:ephrinA1-Fc刺激がFAKの急速な不活性化及び脱リン酸化を誘発することを示すウェスタンブロット分析。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(−)又は存在下(+)に表示の時間育成し、次いで分解した。 8(B)(a)、下部パネル:Cultrex浸襲アッセイで、膜の下面に移動したヒト皮膚微少血管内皮細胞(HMVEC)を固定、染色したものを示す。コントロールとして、基礎培養液に懸濁したHMVECをチェンバーの頂上に撒いた。 8(B)(b,c)、基礎培養液に懸濁してチェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有の下部分画におけるHMVEC。 8(B)(e,f)、EphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下チェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有下部分画におけるHMVEC。 8(B)(d)、コントロールとして上面に撒いたコントロールヒトIgGは、下部分画VEGFに対する反応としての細胞移動に影響を及ぼさなかった。 8(C)(a)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSC Fc処理コントロールにおいて、リン酸化ERK1/2に関して陽性であることを示す。 8(C)(b)、MEK1の活性化の化学的阻害物質(UO126)処理後のGBM-CSCにおけるリン酸化ERK1/2の免疫性局在の共焦点画像。 8(C)(c-d)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSCにおいて、それぞれ、EphA2-Fc又はephrinA1-Fc添加後6時間におけるリン酸化ERK1/2陽性の出現頻度を示す。 8(C)下部パネル:リン酸化ERK1/2に関して等価とされた細胞分解産物のウェスタンブロット分析は、ephrinA1-Fcの濃度増加は、GBM-CSCにおいて、ERK1/2をエンハンスすることを裏付ける。
実施例10に記載するように、可溶性ephrinA1-Fc又はEphA2-FcのいずれかによるEphA2活性化は、インビトロで、細胞骨格再編成を誘発し、GBM-CSC細胞の拡散及び移動を抑制する。 8(A)(a, b-d挿入画像)、未処理GBM-CSC細胞におけるFアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像(Confocal localization)である。これらの細胞は、高い移動性表現型を有する。 8(A)(e-f)、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理5分後の、Fアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像である。細胞は球形を維持し、拡散しなかった。 8(B)、上部パネル:ephrinA1-Fc刺激がFAKの急速な不活性化及び脱リン酸化を誘発することを示すウェスタンブロット分析。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(−)又は存在下(+)に表示の時間育成し、次いで分解した。 8(B)(a)、下部パネル:Cultrex浸襲アッセイで、膜の下面に移動したヒト皮膚微少血管内皮細胞(HMVEC)を固定、染色したものを示す。コントロールとして、基礎培養液に懸濁したHMVECをチェンバーの頂上に撒いた。 8(B)(b,c)、基礎培養液に懸濁してチェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有の下部分画におけるHMVEC。 8(B)(e,f)、EphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下チェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有下部分画におけるHMVEC。 8(B)(d)、コントロールとして上面に撒いたコントロールヒトIgGは、下部分画VEGFに対する反応としての細胞移動に影響を及ぼさなかった。 8(C)(a)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSC Fc処理コントロールにおいて、リン酸化ERK1/2に関して陽性であることを示す。 8(C)(b)、MEK1の活性化の化学的阻害物質(UO126)処理後のGBM-CSCにおけるリン酸化ERK1/2の免疫性局在の共焦点画像。 8(C)(c-d)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSCにおいて、それぞれ、EphA2-Fc又はephrinA1-Fc添加後6時間におけるリン酸化ERK1/2陽性の出現頻度を示す。 8(C)下部パネル:リン酸化ERK1/2に関して等価とされた細胞分解産物のウェスタンブロット分析は、ephrinA1-Fcの濃度増加は、GBM-CSCにおいて、ERK1/2をエンハンスすることを裏付ける。
実施例10に記載するように、可溶性ephrinA1-Fc又はEphA2-FcのいずれかによるEphA2活性化は、インビトロで、細胞骨格再編成を誘発し、GBM-CSC細胞の拡散及び移動を抑制する。 8(A)(a, b-d挿入画像)、未処理GBM-CSC細胞におけるFアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像(Confocal localization)である。これらの細胞は、高い移動性表現型を有する。 8(A)(e-f)、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理5分後の、Fアクチンタンパク(ファロイジン染色)局在の共焦点画像である。細胞は球形を維持し、拡散しなかった。 8(B)、上部パネル:ephrinA1-Fc刺激がFAKの急速な不活性化及び脱リン酸化を誘発することを示すウェスタンブロット分析。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(−)又は存在下(+)に表示の時間育成し、次いで分解した。 8(B)(a)、下部パネル:Cultrex浸襲アッセイで、膜の下面に移動したヒト皮膚微少血管内皮細胞(HMVEC)を固定、染色したものを示す。コントロールとして、基礎培養液に懸濁したHMVECをチェンバーの頂上に撒いた。 8(B)(b,c)、基礎培養液に懸濁してチェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有の下部分画におけるHMVEC。 8(B)(e,f)、EphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下チェンバーの頂上に撒き、VEGF(20ng/mL)又はGBM-CSC調整培養液含有下部分画におけるHMVEC。 8(B)(d)、コントロールとして上面に撒いたコントロールヒトIgGは、下部分画VEGFに対する反応としての細胞移動に影響を及ぼさなかった。 8(C)(a)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSC Fc処理コントロールにおいて、リン酸化ERK1/2に関して陽性であることを示す。 8(C)(b)、MEK1の活性化の化学的阻害物質(UO126)処理後のGBM-CSCにおけるリン酸化ERK1/2の免疫性局在の共焦点画像。 8(C)(c-d)、共焦点免疫蛍光画像は、GBM-CSCにおいて、それぞれ、EphA2-Fc又はephrinA1-Fc添加後6時間におけるリン酸化ERK1/2陽性の出現頻度を示す。 8(C)下部パネル:リン酸化ERK1/2に関して等価とされた細胞分解産物のウェスタンブロット分析は、ephrinA1-Fcの濃度増加は、GBM-CSCにおいて、ERK1/2をエンハンスすることを裏付ける。
rhBMP4によるGBM-CSCの処理は、実施例11に記載するようにephrinA1-Fcの阻害作用をエンハンスする。 9(a)、GBM-CSC細胞における、mRNAの単離前に表示の濃度で48時間コントロールFc又はrhBMP4で処理した場合と比べた、特異的プライマーによる、EphA2平均レベル測定のRT-PCR分析。 9(b)、rhBMP4の不在下又は存在下にephrinA1-Fcと共に培養されたGBM-CSCの成長動態曲線。成長曲線は、一つのGBM-CSC系統を代表する。
ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理は、実施例12に記載するように、インビボ、異種移植モデルにおいて腫瘍成長を抑制する。 10(a)、細胞注入後35日における、種々の処理と関連する腫瘍形態の比較。 10(b)、腫瘍サイズ相対的測定値グラフは、6匹のマウスから成る4群の平均±s.e.m.を示す。
可溶性リガンド又は受容体におけるEphA2の追加は、実施例13に記載するように、ヒトGBMの同所性移植モデルにおいてGBM-CSCの発癌性を抑制する。 11(A)、luc-GBM-CSC腫瘍異種移植組織生物発光モニタリングから、腫瘍からの対応するシグナルの増加が示される。 11(B)、安静GBM-CSC、及びEphA2-Fc又はephrinA1-Fcで前処理したGBM-CSCの頭蓋内注入後、インビボで検出される腫瘍成長及び腫瘍サイズの相違。 11(C)(a)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、未処理luc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。 11(C)(b-c)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcで処理したluc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。
可溶性リガンド又は受容体におけるEphA2の追加は、実施例13に記載するように、ヒトGBMの同所性移植モデルにおいてGBM-CSCの発癌性を抑制する。 11(A)、luc-GBM-CSC腫瘍異種移植組織の生物発光のモニタリングから、腫瘍からの対応するシグナルの増加が示される。 11(B)、安静GBM-CSC、及びEphA2-Fc又はephrinA1-Fcで前処理したGBM-CSCの頭蓋内注入後、インビボで検出される腫瘍成長及び腫瘍サイズの相違。 11(C)(a)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、未処理luc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。 11(C)(b-c)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcで処理したluc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。
可溶性リガンド又は受容体におけるEphA2の追加は、実施例13に記載するように、ヒトGBMの同所性移植モデルにおいてGBM-CSCの発癌性を抑制する。 11(A)、luc-GBM-CSC腫瘍異種移植組織の生物発光のモニタリングから、腫瘍からの対応するシグナルの増加が示される。 11(B)、安静GBM-CSC、及びEphA2-Fc又はephrinA1-Fcで前処理したGBM-CSCの頭蓋内注入後、インビボで検出される腫瘍成長及び腫瘍サイズの相違。 11(C)(a)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、未処理luc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。 11(C)(b-c)、共焦点画像は、同所性移植6週後における、それぞれ、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcで処理したluc-GBM-CSCから得られた腫瘍を示す。
EphA2-Fc及びephrinA1-Fc投与は、実施例14に記載するように、ヒトGBMの同所性移植モデルにおいて確立された一次腫瘍の成長を抑える。 ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcによって14日間処理後の、luc-GBM-CSC腫瘍異種移植組織の生物発光のモニタリング。

0016

本発明は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の内の少なくとも一つと、薬学的に許容される生体活性手段とを含む医薬組成物に関する。

0017

本発明では、エフリン受容体の活性阻害物質とは、生物学的反応は引き起こさないが、アゴニスト介在反応は阻止又は低減する、一種受容体リガンドが意図される。

0018

本発明では、エフリン受容体の発現阻害物質とは、該受容体の発現及び/又は活性の下方調節因子であることが意図される。

0019

本発明の医薬組成物は、エフリン受容体、即ち、神経組織の発生の際高度に発現され、脳細胞内のシグナル伝達及び多くのプロセスの調節に必須であるエフリン受容体という分子標的に対し特異的である利点を有する。

0020

多形性グリア芽細胞腫(GBM)という分子標的に作用する特異的医薬組成物は、外科的切除を不要とするので、手術後の脳内における腫瘍細胞の広範な拡散--これは、しばしば、腫瘍再発をもたらす--を免れると予想される。

0021

本発明による医薬組成物のもう一つの利点は、腫瘍塊全体ではなく真の腫瘍原発細胞を標的とするので、一般に用いられる放射線療法及び化学療法の単独使用又は併用よりも、毒性が低く、効力が高く、特異的であることである。

0022

この治療法は、腫瘍原発細胞について、細胞毒性手段によって該細胞を殺そうとするのでははく、該細胞が非毒性表現形を獲得するよう細胞の「リプログラミング」を実行するというシナリオ演出する。

0023

もう一つの局面では、本発明は、エフリン受容体の、発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の内の少なくとも一つを含む医薬組成物であって、エフリン受容体の、上記発現阻害及び/又は活性阻害物質が、癌幹細胞増殖の阻害物質である医薬組成物を提供する。

0024

GBMでは増殖性癌幹細胞の存在が確認されているので、腫瘍中に存在するこれらの癌幹細胞によって強化される、癌の増殖及び持続的成長に対しても、それらに作用する特異的組成物を求める必要性の認識が次第に高まっている。

0025

驚くべきことに、本発明の組成物は、幹細胞の増殖能力に対しても作用する可能性がある。

0026

さらに別の局面では、本発明は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の内の少なくとも一つを含む医薬組成物であって、エフリン受容体の、上記発現阻害及び/又は活性阻害物質が、癌幹細胞転移の阻害物質でもある医薬組成物を提供する。

0027

本発明の利点はさらに、癌幹細胞の確立を阻害するだけでなく、癌幹細胞--その転移能力が阻止される--の拡張をも阻害することによっても示される。

0028

さらに別の局面では、本発明は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の内の少なくとも一つを含む医薬組成物であって、上記癌幹細胞が悪性脳腫瘍幹細胞である医薬組成物を提供する。GBMは、侵襲性が高く、悪性の進行を呈する、脳腫瘍の内でもきわめて重篤な型を代表する。

0029

本発明の医薬組成物は、多形性グリア芽細胞腫という分子標的に対し特異的に作用し、悪性癌幹細胞の進行を阻害するという利点を有する。

0030

さらに別の局面では、本発明は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の内の少なくとも一つを含む医薬組成物であって、エフリン受容体の上記発現阻害物質及び/又は活性阻害物質が、配列番号1及び配列番号3から成る群から選ばれる医薬組成物を提供する。本発明の目的のために、エフリン受容体の各発現及び活性阻害物質は、下記のような対応配列番号を有する:
配列番号1は、エフリンA1のアミノ酸配列、アミノ酸配列 gi[333596]ref[NP_004419.2]、エフリンA1異性形、前駆体[ホモサピエンス]に合致し;
配列番号2は、エフリンA1のヌクレオチド配列、ヌクレオチド配列 gi[33359681]ref[NM_004428.2]、ホモサピエンスephrinA1(EFNA1)、転写変異体1mRNAに合致し;
配列番号3は、EphA2のアミノ酸配列、アミノ酸配列 gi[32967311]ref[NP_004422.2]、エフリンA型受容体2前駆体[ホモサピエンス]に合致し;
配列番号4は、EphA2のヌクレオチド配列、ヌクレオチド配列 gi[296010835]ref[NM_004431.3]、ホモサピエンスEPH受容体A2(EPHA2), mRNAに合致する。

0031

本発明のさらに別の局面は、脳腫瘍の治療に使用されるエフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質である。本発明によって提供される利点は、脳腫瘍の発生及び進行に関与する分子標的に作用する特異的阻害物質の使用に基づく。

0032

好ましい実施態様では、本発明は、脳腫瘍の治療に使用されるエフリン受容体発現阻害物質及び/又は活性阻害物質を提供する。ここに、エフリン受容体の上記発現阻害抑制物質及び/又は活性阻害物質は、配列番号1及び配列番号3から成る群から選ばれる。

0033

本発明の目的のために、エフリン受容体の発現及び活性の各阻害物質は、前述の対応配列番号を有する。

0034

エフリン受容体の調節されない過剰発現は、腫瘍発生相関し、腫瘍の成長及び生存に関わり、ヒト癌の進行では血管形成及び転移を伴う。従って、エフリン受容体の発現及び活性の阻害は、腫瘍進行の阻止のために有利である。

0035

本発明のさらに別の局面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の使用であって、上記脳腫瘍がグリア芽細胞腫である場合の使用であり、さらに別の局面では、上記脳腫瘍が多形性グリア芽細胞腫である場合の使用である。

0036

本発明のさらに別の局面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の使用であって、上記処理が、術後における、脳腫瘍再発の予防処理となる使用である。

0037

本発明のさらに別の局面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の使用であって、上記処理が、術後における、脳腫瘍再発の治療処理となる使用である。

0038

腫瘍血管において発現されるエフリン受容体も、その内在性リガンド、エフリンA1との連結を通じて、血管形成及び腫瘍の新規血管形成に重要な役割を果たす。腫瘍におけるそれらのシグナル伝達は、内皮細胞において、細胞骨格の可塑性基質付着、及び/又は細胞間接着を調節することによって、該細胞の転移及び毛細管構造への集積を促進する。

0039

驚くべきことに、本発明によるエフリン受容体の発現阻害物質及び活性阻害物質は、血管形成及び腫瘍の新規血管形成を阻止し、腫瘍の成長及び術後の再発を抑制する。

0040

本発明のさらに別の局面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の使用であって、上記処理によって脳腫瘍塊の成長が抑制される使用である。

0041

本発明のさらに別の局面は、エフリン受容体の発現阻害物質及び/又は活性阻害物質の使用であって、エフリン受容体の上記発現阻害物質及び/又は活性阻害物質が、癌幹細胞増殖の阻害物質となる使用である。

0042

本発明の利点はさらに、エフリン受容体阻害が癌幹細胞の転移及び増殖を阻止するという事実によっても証明することが可能である。

0043

本発明による医薬組成物のもう一つの利点は、腫瘍塊中の特異的癌幹細胞集団を標的とし、該癌幹細胞だけを選択的に除去し発癌性を消去するよう効果的に設計された、個別の患者に合わせた治療法を提供することが可能となることである。

0044

腫瘍サンプルからの、多形性グリア芽細胞腫由来癌幹細胞(GBM-CSC)の単離
腫瘍標本は、神経外科治療室から患者の切除手術後に入手した。成人のグリア芽細胞腫(GBM)組織サンプルは、世界保健機構ガイドラインに従って入手し、分類した。各癌組織は、二つの組織片に分割した。第1のものは病理組織学的分析のために使用した:詳細には、組織を、4%パラフォルムアルデヒドに24時間浸し、次いで、パラフィン包埋し、免疫組織化学検査に供するか、若しくは、40%から始まる連続希釈濃度スクロース液に入れて浮遊切片を得、共焦点顕微鏡検査に供した。

0045

第2組織片は、GBM癌幹細胞系統を得るために使用した。組織は切断して1mm3の小片とし、Gritt A, 1996及びGalli R, 2004(6.及び5.)に倣って、下記のように、機械的に、酵素的に細かくした:小片を、6ウェルプレート(Nunc)に納めた、0.8mg/mlのパパイン(20U/mL, Worthinghton)、0.2mg/mLのL-システイン(Sigma)、0.2mg/mLのEDTA(Sigma)を含む4 mLのEBSS液に移し、37℃で45分インキュベートした。次に、組織切片を、焼成研磨パスツールピペット注意深く細かくした。細胞を遠心によって収集し、ばらばらの単一細胞を、いわゆる完全培養液DMEM/F12(1:1v/v Gibco)血清無添加培養液に懸濁させて、25cm2組織培養フラスコ(Nunc)に8,000/cm2の密度となるように撒いた。完全培養液は、2mMのL-グルタミン、0.6%グルコース、9.6μg/mlのプトレッシン、6.3ng/mlのプロゲステロン、5.2ng/mlの亜セレン酸ナトリウム、0.025mg/mlのインスリン、0.1mg/mlのトランスフェリンナトリウム塩、II級、Sigma)を、20ng/mLの上皮増殖因子(EGF、Peprotech)及び線維芽細胞増殖因子(FGF2、Peprotech)の存在下に含む。新鮮培養液を4日毎に加えた。

0046

撒布後10-20日に、各フラスコに生じた一次球体の数を評価した。次に、球体を、15ml試験管(BD)において192×gで10分遠心することによって収集した。次に、一次球体を機械的に細かくして単一細胞懸濁液とし、再度プレートに撒いて培養した。各系統において通常(2-7)日までに、継代を可能とするほどの新規球体が形成された。

0047

これらの細胞系統は、グリア芽細胞腫由来癌幹細胞(又は、腫瘍原発細胞)(GBM-CSC)という名称によって特定された。

0048

無事に確立された細胞系統から得たGBM-CSCの一部を、完全培養液プラス10%DMSO(Sigma)において、第3、第4サブカルチャー各工程において凍結し、保存した。残余のものはさらに拡張させた。

0049

結果:脳腫瘍、特にグリア芽細胞腫は、腫瘍発現能力を持って生まれ、神経幹細胞の機能的特徴によって定義される細胞(GBM-CSC)となる。従って、正常な神経発生調節機構に関する研究は、GBM-CSCの新規阻害物質の特定を実現し、脳腫瘍に対する、より特異的な治療戦略の開発を導く可能性がある。

0050

RT-PCR及び細胞フルオロメトリー分析による、GBM-CSC細胞系統におけるEph受容体発現の定量
制御されていない又は過剰発現Eph受容体は、形質転換、腫瘍の増殖及び生存を増進する可能性がある。ヒトのGBM標本と、その中に含まれるGBM-CSCについて、新鮮単離、連続サブカルチャーの両標本において、エフリン及びエフリン認識受容体の発現と制御を調べた。

0051

RNA抽出及びcDNA調製
RNeasy Miniキット(Qiagen)を用いて、全体RNAを下記から抽出した:グリア芽細胞腫と診断された、様々な患者から単離されたGBM-CSC細胞系統、新鮮な一次GBM標本、非侵襲性U87細胞(市販のヒト星状細胞腫系統)、及び、正常なヒトの神経幹細胞(HNSC、我々の研究室で取得可能、13.)。

0052

cDNAは、SuperscriptRNaseH-逆転写酵素(Gibco)をメーカーの指示に従って用いて得た。cDNA合成のため、1 μgの全体RNAをオリゴdTプライマーに付着させた。

0053

PCR増幅
これらのcDNAは、それぞれ個別に、EphA1, EphA2, EphA3, EphA4, EphA5, EphA7, EphA8, EphA10, EphB1, EphB2, EphB3, EphB4, EphB6受容体、及び、EFNA1, EFNA2, EFNA3, EFNA4, EFNA5, EFNB1, EFNB2, EFNB3リガンドの特定のために設計されたPCRプライマーを用いて増幅した。

0054

鋳型として使用されるcDNAは全て、下記のプライマーペアを22回の増幅サイクルで用いるβ-アクチンRT-PCRによってあらかじめ正規化した:β-アクチンF1(5'-GGCATCGTGATGGACTCCG-3')及びβ-アクチンR1(5'-GCTGGAAGGTGGACAGCGA-3')。次に、610bpのPCR産物を、2%アガロースゲルの上に走らせ、1μgのヒト脳の全体RNA(Ambion)由来のcDNAから得た同じPCR産物に対し信号強度に関して比較した。特異的プライマーを下記のように設計した:
・ EphA1 順行: 5'- GCC TGA CAC CAC ATACATCG - 3'
逆行: 5'- ATATGCGGG TGG CTA AAC TG - 3'
・ EphA2 順行: 5'- AAA GCC GGC TAC ACA GAG AA - 3'
逆行: 5'- TTG GAC AAC TCC CAG TAG GG - 3'
・ EphA3 順行: 5'- GAGTTTGCC AAG GAA TTG GA - 3'
逆行: 5'- TTG GGA TCT TCC CTC CTC TT - 3'
・ EphA4 順行: 5'-ACCAAG CAG TGC GAG AGT TT - 3'
逆行: 5'- CTC CCC GTA CGA CAT CAC TT - 3'
・ EphA5 順行: 5'- CAA GCC TAATATGGC GGT GT - 3'
逆行: 5'- GTG AAC TGC CCA TCG TTT TT - 3'
・ EphA7 順行: 5'-ATCATT GGG AGA AGG CAC TG - 3'
逆行: 5'- ATG GAC AAC ATT TGG GTG GT - 3'
・ EphA8 順行: 5'- GAG AAC GGC TCT CTG GAC AC - 3'
逆行: 5'-CCTCCA CAG AGC TGA TGA CA - 3'
・ EphA10 順行: 5'- CGA CTA ATG CTC GAC TGC TG - 3'
逆行: 5'- TGA TCA AGC AAC TGC CAC TC - 3'
・ EphB1 順行: 5'- CAG GGT ACT CGG AGA AGC AG - 3'
逆行: 5'- CCA GCA TGA GCT GGT GTA GA - 3'
・ EphB2 順行: 5'- AGT TCG GCC AAA TTG TCA AC - 3'
逆行: 5'- AGG CAG GTG AAT GTC AAA CC - 3'
・ EphB3 順行: 5'- AGC AAC CTG GTC TGC AAA GT - 3'
逆行: 5'- GGA TGA GCTTGTCCA GGG TA - 3'
・ EphB4 順行: 5'- GAG AGC TGT GTG GCA ATC AA - 3'
逆行: 5'- TGT AGG TGG GAT CGG AAG AG - 3'
・ EphB6 順行: 5'- TCA TTG CAC ATG GAA AGC AT - 3'
逆行: 5'- GGG TGA GTC CAG ACA AGG AA - 3'
・ EFNA1 順行: 5'- GGT GAC TGT CAG TGG CAA AA - 3'
逆行: 5'- AGT GGA AGG AGC AGCACAT- 3'
・ EFNA2 順行: 5'- ATC TAC TGC CCG CAC TAT GG - 3'
逆行: 5'- AGG CGT GGC AGA GAT GTA GT - 3'
・ EFNA3 順行: 5'- CAT GCG GTG TAC TGG AAC AG - 3'
逆行: 5'- GTG GAA CTC GTA GCC CAG AG - 3'
・ EFNA4 順行: 5'- ACA TTG TCT GCC CCC ACT AC - 3'
逆行: 5'- TGG GCT GAC TCA GACTTCCT - 3'
・ EFNA5 順行: 5'- AGG ACT CCG TCC CAG AAG AT - 3'
逆行: 5'- ATC TGG GAT TGC AGA GGA GA - 3'
・ EFNB1 順行: 5'- GCC TGG AGT TCA AGA AGC AC - 3'
逆行: 5'- GAA CAA TGC CAC CTT GGA GT - 3'
・ EFNB2 順行: 5'- GTG CCA AAC CAG ACC AAG AT - 3'
逆行: 5'- GATGTTGTT CCC CGA ATG TC - 3'
・ EFNB3 順行: 5'- AGG CAG AGG GTG GTT ATG TG - 3'
逆行: 5'- TCT CTT TCC ATG GGC ATT TC - 3'

0055

細胞系統に関するフローサイトメトリー分析
各種GBM-CSC細胞系統におけるEph受容体発現を定量するために、細胞標本各試験管当たり500,000個の細胞)を遠心し、0.2mLの完全培養液に再懸濁した。次に、細胞を、暗い中4℃で30分一次抗体暴露した。U87細胞を腫瘍細胞に対する参照コントロールとして、HNSCを神経幹細胞の参照コントロールとして用いた。

0056

細胞内染色のために、細胞標本(各試験管当たり500,000個の細胞)を、交互に、0.5mLのCytofix/Cytoperm液(BD Biosciences)で室温で30分処理することによって透過可能とした。細胞を、2mLのBD Perm/Wash 1X(BD)で洗浄し、室温で10分インキュベートした。遠心後、それらの細胞を、適切な一次抗体混合物を含む0.2mLのBD Perm/Wash液1X(BD)に再懸濁した。

0057

用いた一次抗体は下記の通り:
・ 抗EphA1山羊ポリクロナール抗体(0.3μg, R&D)
・ 抗EphA2山羊ポリクロナール抗体(0.5μg, R&D)
・ 抗EphA3山羊ポリクロナール抗体(0.3μg, Gene Tex)
・ 抗EphA5兎ポリクロナール抗体(0.5μg, Abcam)
・ 抗EphA7兎ポリクロナール抗体(0.5μg, Abcam)
・ 抗EphA8山羊ポリクロナール抗体(0.5μg, Santa Cruz)
・ 抗EphB1兎ポリクロナール抗体(0.5μg, Abcam)
・ 抗EphB2兎ポリクロナール抗体(0.5μg, Abcam)
・ 抗EphB6兎ポリクロナール抗体(0.5μg, Santa Cruz)

0058

十分に洗浄した後、0.3mLの適切な二次抗体を加えた:
・ 驢抗山羊IgPE標識抗体(0.2μg, Jackson Immunoresearch)
・ 驢馬抗兎IgFITC標識抗体(0.5μg, Jackson Immunoresearch)

0059

各サンプルを、暗い中4℃で30分インキュベートした。2回の洗浄後、細胞を、0.5mLの完全培養液に再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。これらのアッセイでは、自発性蛍光及びアイソタイプコントロールの検査を通例として行った。上記全てのアッセイにおいて、分析は、Summit 4.3ソフトウェア使用のフローサイトメトリー検査機Cyan(Coulter)によって実行した。背景蛍光は、特異的一次抗体を、特異的アイソタイプコントロールで置換することによって評価した。さらに、自発性蛍光の測定も、試験した各条件について通例的に行った。

0060

結果:エフリン受容体及びそれらの認識リガンドの過剰発現は、多くのタイプのヒト癌の進行と関連する可能性がある。図1Aに示すように、エフリン受容体(13種を分析)とリガンド(8種を分析)のメッセンジャーRNA転写物は、通常のPCRによって回収することが可能である。全てのcDNAは、βアクチンによってあらかじめ正規化した。腫瘍細胞に対する参照としてヒトの星状細胞腫細胞系統(U87)を用い、正常神経幹細胞の参照としてヒトの神経幹細胞(HNSC)を用いた。興味あることに、正常及び癌幹細胞と違って、エフリンA1リガンドは、U87細胞では、メッセンジャーRNA転写物レベルでもタンパクレベルでも回収されない。

0061

注目すべきことに、図1B(a)に示すように、GBM-CSCにおけるエフリン受容体の発現がサイトフルオロメトリー分析によってタンパクレベルで裏付けられた。さらに、図1B(b)に見られるように、EphA2が、GBM由来癌幹細胞系統(n=6)において広く強調される。このヒストグラムは、3回の別々のアッセイの平均±s.e.m.を示す。

0062

さらに、代表的GBM-CSC細胞系統におけるEphA2受容体及びエフリンA1リガンドの広範な発現例が図1Cに示される。免疫蛍光標識の共焦点画像は、腫瘍細胞における、EphA2受容体(a、及び、その局所拡大画像b-c)、及び、エフリンA1リガンド(d、及び、その局所拡大画像e)の存在及び微弱陽性染色を裏付ける。スケールバーは、40μm(a,d);20μm(b,c);13μm(e)である。

0063

一次GBM組織におけるEphA2受容体発現の定量
強化レベルのEphA2がGBM-CSC細胞系統において再現可能であることが明らかにされた後、新鮮腫瘍組織においても免疫反応性EphA2の存在が特定され、これによって、この受容体が単にインビトロで長期に培養されたために生じたものなのかもしれない、という可能性は排除された。

0064

一次組織の免疫組織化学検査
免疫組織化学的染色のために、一次GBM腫瘍組織を、採取後、パラフォルムアルデヒド中で24時間固定した。次に、組織を、PBSに溶解した10%、20%、及び30%スクロース液において4℃で凍結しないように冷却保存し、次いで、2:1(v/v)の20%スクロース/Tissue-TekOCT包埋化合物混合物(embedding compound mixture)において一晩包埋工程(embedding step)処理した。クライオスタットで10ミクロン厚連続切片切り出し、ゼラチン被覆スライドガラスマウントし、二重免疫標識を実行した。手短に言うと、切片を空気乾燥し、0.005%BSA及び0.1%トリトンを含む0.1M Tris-HClバッファー(pH7.6)で濯ぎ、一次抗体と、4℃で一晩インキュベートした(13.)。

0065

組織切片は、山羊抗ヒトEphA2(1:50、R&D)抗体、又は、モノクロナールマウスIgG1抗ヒトEphA2クローンD7抗体(1:100、Sigma)によって染色した。

0066

一次組織のフローサイトメトリー
前述の酵素的消化及び機械的分離の直後に、一次腫瘍標本から単離した細胞懸濁液に対し、EphA2受容体発現に関してFACS分析を行った。手短に言うと、GBM組織解離から得られる細胞をLDS 751(10ng/mL, Molecular Probes)によって室温で15分染色して無傷有核細胞を特定した。細胞をフローサイトメータ(FACSAria, BD Biosciences)によって分析し、バックゲーティング技術(LDS751陽性細胞)を用いて、FSCSSCドットプロットにおいて、無傷の有核細胞を特定する領域(P1)を導出した。無傷の有核生細胞を特定するために、7AAD陰性細胞を含む領域に領域(P1)を加えることによって複合ゲート創出した。次に、陽性/死亡細胞を特定するために、GBM組織解離から得られたCSCを、山羊抗ヒトEphA2(0.5μg, R&D)及び7AAD(5μg/mL, Coulter)とインキュベートした。

0067

結果:グリオーマ患者から得られた一次グリオーマ及びその隣接する「正常」(周辺)部分におけるEphA2受容体の局在を調べるために免疫組織化学法を用いた。図2の上部パネルに示す結果は、腫瘍の中心部(a)の方が、悪性度の低い周辺部(b)(少なくとも2cm中心部から離れている)よりもEphA2信号がより高まっていることをはっきりと示す。スケールバーは50μm。同じ図の下部パネルに示すように、サイトフルオロメトリー分析によって、EphA2受容体タンパクは、速やかに解離されたGBM-CSCにおいても患者の腫瘍から構造的に回収、検出された(n=4)(矢印)。

0068

可溶性ephrinA1-Fc(R&D)及び可溶性EphA2-Fc受容体(R&D)の、ヒトGBM-CSCにおけるEphA2発現及びリン酸化に及ぼす作用
リガンド誘発性受容体変性によって、EphA2発現の低下が起こることがあり、これは、細胞外基質(ECM)に対する細胞接着性の上昇、細胞転移の低下、及び悪性増殖の抑制をもたらす。従って、GBM-CSC細胞におけるこの受容体の過剰発現は、細胞の悪性行動に反映されると考えられ、ephrinA1-Fcによる該受容体への結合は、発癌性に対抗すると考えられる。

0069

この観点から、GBM-CSCにおいて、EphA2の発現又は活性の強制的抑制の、発癌性に及ぼす作用を定量した。EphA2受容体に結合させてその発現を下げ、それが、これらの細胞の全体機能特性の調節にどのように影響するのかを、インビトロ及びインビボで定量した。EphA2には、可溶性ephrinA1-Fc、マウスephrinA1-ヒトIgG1Fcキメラタンパクを結合させた(engaged)。さらに、EphA2は、そのキナーゼ活性が、リガンド結合に完全に依存するものではないという点で、Eph受容体の中でも特異であるようである。EphA2の、このリガンド独立作用は、悪性進行を左右する影響プロセスにおいて重要である。

0070

それとは別に、内在性EphA2リン酸化阻止の作用を、EphA2-Fc受容体--受容体の細胞外リガンド結合部分を、ヒトIgG1のFc部分に融合させたキメラタンパクで、これも周辺リガンドと競合的に結合する--を用いて分析した。

0071

サイトフルオロメトリー分析
用量-反応分析のために、機械的解離の直後に、ephrinA1-Fcの存在下に(0.001, 0.01, 0.1, 0.5, 1.0μg/mL)、細胞を撒き、24時間インキュベートした。継時分析のために、細胞を、ephrinA1-Fc(1.0μg/mL)と6、24、48、72時間インキュベートした。

0072

細胞標本(500,000細胞/サンプル)を遠心し、0.2mLの完全培養液に再懸濁した。次に、細胞を、抗EphA2山羊ポリクロナール抗体(0.5μg, R&D)に、暗い中4℃で30分暴露した。十分洗浄した後、驢馬抗山羊IgFITC標識抗体(0.56μg/サンプル、Jackson Immunoresearch)を加え、各試験管を、暗い中4℃で30分インキュベートした。2回の洗浄後、細胞を、0.5mLの完全培養液に再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。これらの全てのアッセイにおいて、常法に従って、自発性蛍光及びアイソタイプコントロール(isotype control)を行った。

0073

免疫細胞化学
細胞は、Cultrex被覆12-mm直径ガラス製カバースリップ(Trevigen)に、2.5×104細胞/cm2の密度となるように、コントロールとして完全培養液にて、若しくは、ephrinA1-Fcの存在下に(0.5,1.0μg/mL)撒き、24時間インキュベートした。細胞は洗浄し、4%パラフォルムアルデヒドPBS液pH7.4中で固定し、免疫染色を実行した。カバースリップは、10%正常山羊血清(NGS)又は10%牛胎児血清(FBS)、0.3% TritonX-100、及び適当な一次抗体又は抗血清(兎抗ヒトエフリンA1,1:50 Abcam、山羊抗ヒトEphA2,1:50 R&D)を含むPBSにおいて4℃で一晩インキュベートした。それとは別に、細胞は、マウスのモノクロナールIgG1 EphA2クローンD7(1:100,Sigma)によって免疫染色した。

0074

PBSで十分に洗浄した後、細胞は、暗い中室温(RT)で、下記の適当な二次抗体と45分反応させた:
Cianine Cy2又はAlexa-Fluor 488接合山羊抗兎(1:200, Jackson Immunoresearch, 1:2000, Invitrogen)
・ Cianine Cy3又はAlexa-Fluor 546接合驢馬抗山羊(1:500, Jackson Immunoresearch, 1:2000, Invitrogen)
・ Ciannine Cy3接合山羊抗マウス(1:800, Jackson Immunoresearch)

0075

洗浄後、細胞核を、4,6-ジアミジン-2-フェニルインドールジヒドロクロリド(DAPI、50g/mlのPBS溶液、Sigma)によって室温で10分カウンター染色し、PBS中で3度、蒸留水中で1度濯ぎ、Fluorsave(Calbiochem)と共にガラススライドにマウントした。

0076

一次及び二次抗体に対する適切なコントロールにおいて、非特異的染色及び抗体同士の交差反応のいずれも検出されなかった。

0077

画像は、Zeiss Axioplan2顕微鏡及びLeicaDMIRE2共焦点顕微鏡によって分析した。

0078

ウェスタンブロット
細胞は、解離後直ぐ、ephrinA1-Fc 5.0μg/mL又はEphA2-Fc 5.0μg/mLの存在下に完全培養液に撒き、10、30、60分、及び24時間インキュベートした。細胞はさらに、Cultrex被覆(Trevigen)フラスコに撒き、その分化を、EGF/FGF2の除去及び白血病阻害因子の添加(LIF 10ng/mL)によって誘発し、7-10日間インキュベートした。次に、細胞を、再懸濁し、遠心し、分解した。分解バッファーは、1%プロテアーゼ抑制因子カクテル(Sigma)及び10%フォスファターゼ抑制因子カクテル(Roche)を添加した、50mM Tris-HCl pH7.4、1mMEDTA、及び、1% TritonX-100から構成される。細胞を収集し、PBSで洗浄し、14.460×gで遠心した。タンパクの定量は、一連アルブミン標準使用のDC Protein Assay(Bio-Rad)によって行った。70μgの各分解産物ゲル負荷バッファーを加え、タンパクは、標準プロトコールに従って、10%ポリアクリルアミドゲルによって溶解し、HybondECLニトロセルロース膜(GE)上に移動させた。膜は、Trisバッファー生理的食塩水(TBS)-T(TBSプラス0.02% Tween20)及び5%ミルクブロックし、下記の一次抗体と4℃で一晩インキュベートした:
・IgG山羊抗ヒトEphA2(1:750, R&D)
・ IgG1マウス抗ヒトEphA2クローンD7(1:500, Sigma)

0079

この工程に次いで、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を接合させた下記の二次抗体(1:10.000; Bio-Rad)と30分インキュベートした:
・ 驢馬抗山羊IgG(1:5000, Promega)
・ 兎抗マウスIgG(1:10,000, GE)

0080

ペルオキシダーゼ活性は、化学蛍光強化システム(GE)をメーカーの指示に従って用いることによって検出した。負荷コントロールとして、マウス抗グリセルアルデヒド-3-フォスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)抗体(1:500, Zymed)を用いた。

0081

免疫沈降
細胞は、ephrinA1の不在下又は存在下(1.0,5.0μg/mL)に、若しくは、マウスモノクロナールIgG1異性体コントロール(isotype control)(R&D)の不在下又は存在下に24時間育成し、次いで前述の通りに分解した。EphA2リン酸化のレベルを定量するために、100μgの総タンパクを含む細胞分解物をマウス抗ヒトEck/EphA2(1:500,Upstate)と、ゆっくりと掻き回しながら+4℃で一晩インキュベートした。メーカーの指示に従って、ビーズ(Dynal Invitrogenビーズ分離)を分解バッファーによって十分に洗浄し、免疫複合体を、2xLDSサンプルバッファー(Invitrogen)によって溶出し、煮沸し、短時間遠心した。タンパクを溶解し、マウス4G10白金抗ヒトフォスフォチロシン(1:1000, Upstate)使用のウェスタンブロットによって検出した。

0082

結果:リガンド誘発性受容体内移行(ligand-induced receptor internalization、細胞内移動)の低下及び変性は、このタンパクの安定性増し、EphA2の過剰発現に寄与すると考えられる。受容体リン酸化と、それに続く受容体の低減の結果として発癌性シグナル伝達の抑制を含むephrinA1-Fcには、二重の腫瘍抑制機能が認められる。

0083

図3Aの細胞フルオロメトリー分析は、ephrinA1-Fcが、ヒトGBM-CSCにおいて、EphA2受容体下降を介して発癌性シグナル伝達を抑制することを明瞭に示す。ephrinA1-Fcの抑制作用は、用量依存性か時間依存性かのいずれかである。数値は、2回の測定の平均値±s.e.m.を表す。

0084

さらに、図3Bの上部パネルに掲げるように、GBM-CSCで行ったヒトEphA2に関する免疫蛍光検査は、細胞の多くが、受容体に関しては陽性であるが(a)、一方、ephrinA1-Fc 1.0μg/mL後(b)及び5.0μg/mL後(c)では、同じ抗原に関してごく僅かな細胞しか標識されなかったことを裏付ける。スケールバーは20μmである。同じ図の中央パネルにおいて、全細胞分解産物のウェスタンブロットによって、ephrinA1-Fc処理GBM-CSCにおいて、EphA2受容体の発現の低下がタンパクレベルで確認された。注目すべきことに、ブロットは、ephrinA1-Fc介在によるEphA2受容体の招集は、濃度/時間依存的に、GBM-CSCにおけるEphA2発現を著明に下げることを裏付ける。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(-)又は存在下(+)に表示の期間育成した。定量される免疫反応タンパクの濃度は60分内に完全に排除された。このことは、その認識リガンドによるEphA2の結合が、受容体の急速な陥入と一致することを示唆する。ヒトの線維芽細胞系統(HF)を、EphA2抗体の陰性コントロールとして用いた。GAPDHを、分解産物と等しい負荷コントロールとして含める。提示のデータは、3種の異なるGBM-CSC系統の内の1つの代表例である。

0085

ephrinA1-Fcは、GBM-CSCにおいて、EphA2受容体のリン酸化及び変性をトリガーする。ephrinA1-Fcによる処理後の免疫沈降によって評価されるように(図3B、下部パネル)、GBM-CSCにおいてチロシンリン酸化EphA2の濃度レベルは急激に増加する。これは、ephrinA1-Fc介在性受容体活性化を示す。解離後直ぐに、細胞は、漸増濃度のephrinA1-Fcか、又はFc異性形コントロール(isotype control)によって48時間処理した。全細胞分解産物に対する、免疫沈降EphA2レベルのフォスフォチロシン特異的(4G10)抗体によるイムノブロットは、ephrinA1-Fcによる、EphA2の活性化及びリン酸化の上昇を裏付ける。最後に、図3Cに示すように、EphA2-Fc処理は、GBM-CSCにおいて、EphA2タンパクの発現を下げるというよりむしろ内在的EphA2のリン酸化を阻止すると考えられる。安静GBM-CSC、及び、表示の期間EphA2-Fc(5.0μg/mL)によって活性化されたGBM-CSCに対しウェスタンブロット分析を行った。

0086

分化GBM-CSCにおいてEphA2受容体の発現レベルが検出されなかったことに注意。これは、EphA2受容体が、GBM癌幹細胞の発癌性、例えば、異常増殖及び転移の調節に与るという可能性を示している。表示の免疫ブロットは、それぞれ異なる時期に分析された3回のブロットの代表例である。

0087

インビトロにおける、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc受容体のヒトGBM-CSC増殖に対する作用
EphA2の下方制御/リン酸化強化、又はその認識リガンドとの競合結合が、GBM-CSCの発癌性に影響を及ぼすかどうかを決定するために、ここでは、最重要な幹細胞のパラメータ、例えば、分裂の全体的対称性に対する、ephrin A1-Fc及びEphA2-Fcの細胞分裂抑制作用を分析した。成長の活性状態におけるGBM-CSC細胞を、可溶性ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcに暴露し、次いで、動態からの偏差を評価した。

0088

成長曲線
GBM-CSC細胞の増殖指数を分析するために、神経球懸濁液を、15mLの試験管(BD)に移し、192×gで10分遠心し機械的に細かくして、単一細胞懸濁液とした。トリパンブルー排除によって細胞をカウントし、8×103細胞/cm2の生細胞を、マウスのモノクロナールIgG1アイソタイプコントロール(R&D)、ephrinA1(0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 又は5.0μg/mL)、又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下に撒いた。次いで、サブカルチャー工程(0 DIV)で得られた全細胞数プロットした。各サブカルチャー継代(4-6日置き)において、単一細胞懸濁液を得、生細胞の全数をトリパンブルー排除によってカウントした。8×103細胞/cm2の生細胞を同じ条件下に再度撒いた。これによって、動態パラメータ(kinetic parameter)(成長曲線勾配、Gritti A, 2001を参照)(7.)の定義が得られるので、CSC-HNSC拡大率、腫瘍細胞に対する参照コントロールとして使用されるU87細胞、神経幹細胞の参照コントロールとして使用されるHNSCの定量において上述の組み換えタンパクの役割の指標が得られる。

0089

ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理の結果が真正幹細胞に対し作用を及ぼすかどうかを評価するために、急性解離細胞(acutely dissociated cells)による増殖分析を、GBM-CSCについて、(前述のように)それらを一次腫瘍組織標本から単離して直ぐにEphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下にサブカルチャーすることによって実行した。

0090

KI67免疫反応性
この研究は、KI67分析(1.)による増殖指数の定義によって補完した。手短に言うと、細胞を、EGF/FGF2の存在下に、Cultrex被覆(Trevigen)ガラス製カバースリップに撒き、ephrinA1-Fc(0.5,1.0μg/mL)に24時間暴露した。増殖細胞は、IgG兎ポリクロナール抗Ki67(1:1000,Novocastra)による間接的免疫細胞化学法によって定量した。Cy2山羊抗兎二次抗体を上述のように使用した(1:200,Jackson Immunoresearch)。各フィールドの細胞の全数は、4,6-ジアミジン-2-フェニルインドールジヒドロクロリド(DAPI、Sigma,50g/mlのPBS溶液)によって室温で10分細胞核をカウンター染色することによって定量した。

0091

BrdUアッセイ
増殖は、メーカー(Roche)によって提供された説明書に従ってBrdU比色アッセイキットを用いて監視した。手短に言うと、GBM-CSCを、96ウェルマイクロプレートに5000細胞/ウェルの密度で撒いた。この細胞を、エフリンA1(0.001, 0.01, 0.1, 0.5, 1.0μg/mL)に24時間暴露し、その後、BrdU(1:10)に24時間暴露した。細胞増殖指数は3重に評価した。

0092

結果:図4Aの成長動態実験によってはっきり示されるように、ephrinA1-FcリガンドによるEphA2受容体の活性化及び急速な内部移行(internalization)は、GBM-CSC系統の増殖指数を大きく下げる。アイソタイプコントロール(Fc)による細胞成長に比べ、培養下のGBM-CSCに対するephrinA1-Fcの添加後には、成長動態における様々な違いが(a-c)、ヒトの神経幹細胞添加後では同様の(d)、U87ヒトグリオーマ系統(e)とは相違する変化が検出された。ephrinA1-Fcは、濃度依存的にGBM-CSC細胞の増殖を減衰させる。成長曲線は、3種のGBM-CSC系統を代表する。(f)ephrinA1-Fcと共に育成した細胞に対し、EphA2-Fcは、GBM-CSCの成長動態の大きな低下を誘発することが示された。このデータはまたしても、GBM-CSCプールの消失におけるephrinA1-Fc及びEphA2-Fcの機能的役割を示唆すると考えられる。図示のグラフは全て3回の実験を代表する。fの成長曲線は、一つのGBM-CSC細胞系統を代表する。

0093

図4Bに報ずるように、BrdUの取り込み(a)も、K167免疫反応細胞(b)のいずれも、表示の濃度の可溶性リガンドの存在下では大きく低下した。ephrinA1-Fcは、U87細胞の増殖に対しては何ら抑制作用を発揮しなかった。aは、一つのGBM-CSC細胞系統を表す。表示のデータは、4回の独立実験の平均±s.e.m.である。

0094

図4Cは、GBM-CSC細胞を、一次腫瘍組織標本から単離後直ぐにEphA2-Fc(5.0μg/mL)に暴露すると、培養下のそれらの細胞の拡張が阻止されることをはっきりと示す。二つの急性解離GBM-CSC細胞系統由来の神経球の、EphA2-Fcの不在下(a,c)又は存在下(b,d)における位相差顕微鏡画像は、クローン形態の明瞭な差を示す。未処理GBM-CSC由来クローンは、典型的な円形形態を呈するのに、一方、EphA2-Fc処理後に得られた神経球は、不規則な形状を持ち、細胞接着の増大、及び恐らくは細胞分化を示唆する、たくさん突出長尺細胞の存在によって特徴づけられる(n=4)。バー、50μm。

0095

可溶性ephrinA1-Fc又は可溶性EphA2-Fc受容体の、ヒトGBM-CSCのクローン形成能及び自己再生能に及ぼす作用
GBM-CSCの自己再生能--癌幹細胞が、自己の複数のコピーを一定時間に生産する能力と定義される--は、それらの細胞の振る舞いがどの程度活動的であるかの予測指数となる。ここでは、分裂の全体対称性を左右する重大な幹細胞パラメータ、例えば、関連自己再生活性を分析した。

0096

ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc暴露後の自己再生指数を、クローン原性アッセイ及びGBM-CSC細胞仕分けによって評価した。

0097

クローン原性アッセイ
単一クローンの解離によって得られたGBM-CSC系統をカウントし、1000生細胞/ウェルを、L-ポリリシン被覆(0.1mg/mL,Sigma)24ウェルプレートに撒いた。7-10日後、生成された二次球の数を評価した(7.)。細胞を、マウスのモノクロナールIgG1アイソタイプコントロール(R&D)、ephrinA1-Fc(0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 5.0μg/mL)、又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下に撒いた。幹細胞コントロールとしてHNSCを用いた。

0098

細胞仕分け
2×106個のGBM-CSC細胞を遠心し、DNアーゼ(1:1000、最終濃度1μg/mL, Sigma)添加の、0.5mLの完全培養液に再懸濁した。

0099

次に、96マルチウェルプレートの各ウェルの単一細胞仕分けのために、単一細胞仕分けモード及びACDU(Automated Cell Deposition Unit--自動化細胞集積機)を用いて、GBM-EphA2受容体陽性又は陰性細胞を仕分けし、分析した(FACSAria、BD Biosciences)。

0100

FACSAriaには、488、633、及び紫色レーザーが装備される。細胞は、前進及び直交光散乱信号によって特定され、電子的に開門通過される。抗EphA2に結合する細胞を表す事象は、その光散乱(FSC及びSSC)及び蛍光サイン(FITC)によって特定される。最大3種の細胞集団が同時に仕分けされた。機器の生データは、記録保存及びデータ処理のために電子的に保存された。

0101

細胞撒布の10-14日後(DAP)、各ウェルにおいて生成された一次球の数(クローン効率)を評価した。

0102

結果:図5Aに示すように、ephrinA1-Fcは、インビトロのヒトGBM-CSCにおいて全体的分裂対称性及び関連自己再生能に影響を及ぼす。

0103

方法に記述された連続的クローン原性アッセイにおいて、コントロールFcと共に育成させた細胞に比べ、表示濃度の可溶性ephrinA1-Fcによって刺激されたGBM-CSCは、より低いクローン効率を表すことが示され、それは、HNSCには近似するが、U87細胞とはまったく異なっていた。EphA2のリガンド介在性活性化は、神経前駆体クローン形成のパーセント(クローン効率)を用量依存的に低下させた。コラムは、3回の別々のアッセイの平均であり、バーは、s.e.m.である。

0104

さらに、ephrinA1-Fcは、インビトロのGBM細胞において形態変化を誘発する。二つのGBM-CSC系統培養体から得られた、図5Bに掲げる神経球の位相差顕微鏡写真は、ephrinA1-Fcのクローンサイズに及ぼす作用をはっきりと示す。(a,d)安静(resting)コントロール、(b,e)ephrinA1-Fc 0.5μg/mL、(c,f)ephrinA1-Fc 1.0μg/mL。これは、GBM-CSCプールの消失におけるephrinA1-Fcの関与を裏付けるものと考えられる。注目すべきことに、ephrinA1-Fcの飽和用量(5μg/mL)は、HNSCの神経球形成を完全に阻止した(データ図示せず)。スケールバー100μm (a-c); 50μm (d-f)。

0105

最後に図5Cに掲げるように、EphA2/細胞仕分けを実行したところ、インビトロにおいて、EphA2陽性サブ集団は、EphA2陰性細胞に対し、クローン原性が顕著に高かった。コラムは、5回の別々のアッセイの平均であり、バーは、s.e.m.である。

0106

可溶性ephrinA1-Fc又は可溶性EphA2-Fc受容体の、発癌性GBM-CSCプールに及ぼす作用
エフリンA1-Fc及びEphA2-Fc処理の結果が、波及的関与(wave committed)の前駆細胞ではなく、真正の幹細胞に影響を及ぼすかどうかを評価するために、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcの、GBM-CSC副集団(SP)に及ぼす作用を調べた。

0107

さらに、EphA2-Fc刺激GBM-CSC(5.0μg/mL、24時間)を、神経幹細胞、脳腫瘍幹細胞、及び癌幹細胞/発癌細胞集団マーカーの発現に関して、FACSによってその特徴を明らかにした。

0108

副集団
このSP細胞は、二重波長分析のドットプロットにおいて特徴的低蛍光尾部によって特定され、研究対象とするGBM-CSC(関門過生細胞の1.41%・対・骨髄の0.03%)において検出された。ベラパミル--Hoechst 33342排出を仲介する特異的ABCトランスポーターを抑制することが知られる薬剤--によるGBM-CSC処理は、この集団を消滅させた。細胞は、Moflo (Coulter)において、350nmUV光による励起後、二重波長分析(青、450-465nm;赤、630-730nm)を用いて分析した。細胞は、5.0μg/mLのephrinA1-Fc又はEphA2-Fcの存在下に24時間育成し、次いで、DMEM/F12、プラス、DNアーゼ(1μg/mL, Sigma)、BSA(2mg/mL, Sigma)、ヘパリン(4μg/mL, Sigma)、及びEDTA(200μg/mL, Sigma)において最終濃度が2×106/mLとなるように再懸濁した。次に、GBM-CSCを、2μg/mLのHoechst 33342染料(Invitrogen)によって、時折掻き回しながら37℃で2時間放置して標識した。抑制コントロールとして、カルシウムチャンネルブロッカー・ベラパミル(Sigma)を、Hoechst 33342による標識前に、最終濃度が50μMとなるように加え、室温で10分インキュベートした。

0109

インキュベーション終了時、細胞を冷却下に遠心し、氷冷PBSに再懸濁した。ヨウ化プロピジウム(PI)(2μg/mL、最終濃度、Sigma)を加え室温で5分放置し、次いで、蛍光活性化細胞仕分け(FACS)分析を行った。これは、死細胞・対・生細胞の区別を可能とする。

0110

ABCトランスポーター遺伝子ABCG2(Bcrp1とも呼ばれる)は、マウス骨髄及びその他の組織中のSP表現型の主要介在因子の一つである。我々は、マウスモノクロナールIgG2b抗体(1:50,eBioscience)、及びalexa Fluor 488接合二次山羊抗マウス抗体(1:2000,Invitrogen)を用い、前述のように免疫蛍光染色試験を行って、GBM-CSC細胞においてABCG2タンパクを検出した。

0111

フローサイトメトリーによる免疫表現型プロファイリング
フローサイトメトリー分析は前述のように行った。下記の一次接合抗体を用いた。
・マウス抗CD133-PE接合(0.25μg, MACS)
・マウス抗CD44-PE接合(20μL/1x106細胞、BD)
・マウス抗CD184-CXCR4-APC接合(20μL/1x106 細胞、BD)
・マウス抗CD81-TAPA1-FITC接合(20μL/1x106 細胞、BD)
・マウス抗CD15SSEA1-FITC接合(20μL/1x106 細胞、BD)
・マウス抗CD117-cKit-PE接合(0.2μg, BD)

0112

細胞は暗い中室温で30分インキュベートし、洗浄し、0.5mLの完全培養液に再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。これらのアッセイでは、自発性蛍光及びアイソタイプコントロールを常法として、これらの分析において実行した。

0113

結果:図6に明瞭に記載されるように、GBM-CSC SPは、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcによる処理によって完全に消失又は激減した。

0114

Hoechst 33342単独、又は、100μmol/Lのベラパミルと組み合わせてHoechst 33342によって細胞を標識し、次いでフローサイトメトリーによって分析した。可溶性リガンド又は受容体のいずれかによって処理したGBM-CSCは、ベラパミル存在下と同様、検出不能の副集団細胞を示した。図示のデータは、少なくとも2回の独立した実験の代表的ドットプロットである。

0115

EphA2-Fcは、癌幹細胞又は腫瘍原発細胞において、副集団の増加に関与すると考えられる。いくつかのマーカーの発現量又は発現パターンは、EphA2-Fc刺激後減少した(データ図示せず)。

0116

可溶性ephrinA1-Fc又は可溶性EphA2-Fc受容体の、ヒトGBM-CSC多能性に及ぼす作用
幹細胞の資格を持つためには、GBM-CSCは多能性でなければならない。そこで、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理後のGBM-CSCにおいて、より分化した表現型が獲得されるかどうかを調べるために分化実験を行った。ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcの不在下又は存在下に育成したクローン小球において、蛍光信号強度に関して細胞蛍光測定を行った。

0117

フローサイトメトリー
自己再生アッセイによって得られたクローン球に対しFACS分析を行い、神経マーカー発現を、系統特異的マーカーを用いて評価した。

0118

星状細胞(グリア繊維状酸性タンパク、GFAP)、神経細胞(βIII-チューブリン)、及び希突起神経膠細胞(ガラクトセレブロシドC, GalC)の定量には、虹色較正粒子混合物(8ピーク)、3.0-3.4μm(BD Biosciences)を較正のために用い、細胞標識の強度は、当量フィコエリスリン分子量(MEPE)又は当量フルオレセイン分子量(MEFL)として表した。手短に言うと、細胞内染色のために、細胞は、1.0又は5.0μg/mLのエフリンA1の存在下に撒き24時間放置し、次いで再懸濁し、0.5mLのCytofix/Cytoperm液(BD)と室温で30分インキュベートすることによって膜透過させた。細胞を、2 mLのBD Perm/Wash 1×(BD)によって洗浄し、室温で10分インキュベートした。遠心後、この細胞を、適切な一次抗体混合物を含む0.2mLのBD Perm/Wash 1×(BD)に再懸濁した。膜抗原のために、細胞は、0.2 mLの培養液に再懸濁し、次いで、下記の一次抗体と4℃で30分インキュベートした:兎ポリクロナール抗GFAP(1:400, Dako Corporation)、マウスモノクロナール抗bIIIチューブリン(1:400, Babco)、及び、マウスモノクロナール抗GalC(1:400, Chemicon)。細胞は、洗浄し、二次抗体に+4℃で30分暴露した。細胞内抗原の場合は、二次抗体は、1:800山羊抗兎IgFITC標識抗体又は山羊抗マウスIgGR-PE標識抗体(BD)であり、一方、膜抗原の場合は、1:1000 FITC接合F(ab')2山羊抗マウスIgM又はFITC接合山羊抗マウスIgM(Jackson ImmunoResearch)を用いた。十分に洗浄した後、細胞を再懸濁し、フローサイトメトリーによって分析した。

0119

結果:図7に示すように、コントロールFcに対し、可溶性リガンド及び受容体は共に、GBM-CSCにおいて明瞭な形態的変化誘起した。蛍光信号強度の細胞蛍光測定法を用いることによって、ephrinA1-Fcによって刺激された細胞は、グリア(GFAP)の免疫反応性に関して当量フルオレセイン分子量において用量依存性増加を示すことが明らかになった。インビトロにおいて、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcは、より成熟した表現型の獲得を誘発し、これらの表現型は、主に星状膠細胞運命を辿るので、発癌性GBM-CSCプールを衰滅する。ヒストグラムは三重測定値の平均±s.e.m.を示す。

0120

可溶性ephrinA1-Fc又は可溶性EphA2-Fc受容体の、ヒトGBM-CSCのアポトーシス又は細胞周期に及ぼす作用
細胞周期分析及びBrdU/DNA分析及び検出
細胞周期分析のために、1×106細胞/サンプルを、ephrinA1-Fc(5μg/mL)又はEphA2(5μg/mL)の存在下に6、24、48時間培養した。次に、細胞を、20μMの5-ブロモ-2-デオキシウリジン(BrdU, 1:500, Sigma)に37℃で20分暴露し、70%エタノールPBS液で固定し、4℃に維持し染色に備えた(3.)。DNAは、1 mLの3N HCl、20分RT(室温)によって変性し、得られたペレットを、1%BSA(Sigma)を含む1 mLの0.5% Tween-20(Sigma)とRTで15分インキュベートした。次に、細胞を、抗BrdUモノクロナール抗体(1:10、BD)と暗い中RTで60分インキュベートした。使用した二次抗体は、Alexa 488山羊抗マウスIgG(1:500、Invitrogen)である。次に、細胞を、2.5μg/mLのヨウ化プロピジウム(PI)のPBS液、及び7μLのRNアーゼ(3mg/mL)の水溶液に再懸濁し、暗い中4℃で一晩染色した。各サンプルで少なくとも30000個の細胞について、FACSCalibur (BD Biosciences)を用いて、2-パラメータBrdU/DNA分析を行い、データはSummit 4.3ソフトウェアを用いて分析した。

0121

末端デオキシヌクレオチジルトランフェラーゼ介在dUTP-FITCニック末端標識アッセイ(TUNEL)
アポトーシスは、TUNELアッセイキット(Roche Diagnostics)を、2パラメータフローサイトメトリーに関するメーカーの指示に従って用いることによって測定した。分析は、FACSCalibur(BD Biosciences)で行い、データは、Summit 4.3ソフトウェア(Coulter)を用いて分析した。

0122

結果:FACS-Tunel及びBrdUによって測定すると、コントロール細胞に対し、可溶リガンド、可溶受容体のいずれも、細胞死/アポトーシスを誘発せず、又は、GBM-CSC及びHNSCの細胞周期相を変えない(データ図示せず)。

0123

可溶性ephrinA1-Fc又は可溶性EphA2-Fc受容体の、GBM-CSCの拡散及び移動、及び、包含される関連細胞内経路に及ぼす作用
EphA2の過剰発現又は活性消失は、GBM-CSC細胞浸襲においても組み込まれた介在因子であり、細胞骨格修飾又は持続的リン酸化、及びFAK及びその他の細胞内経路のキナーゼ活性を引き起こす。

0124

細胞の運動性は、細胞骨格の修飾に依存するので、GBM-CSCの細胞骨格再編成及び形態変化を阻止することによる、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcの発癌抑制機能は、Fアクチンリング束を示す細胞の頻度をファロイジン(phalloidin)によって測定することによって評価した。

0125

さらに、血管細胞の運動性及び浸襲能の調節における可溶性リガンド又は受容体の有効性も定量した。

0126

細胞骨格マーカーの免疫染色
GBM-CSCを、ephrinA1-Fc(5.0μg/mL)又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)の不在下又は存在下に、Cultrex被覆ガラス製カバースリップ(12mm直径)に、2.5×104細胞/cm2の密度で撒き、5及び30分放置した。Fアクチン染色のために、細胞を、4%パラフォルムアルデヒドに20分放置して固定し、0.1%(v/v)Triton-X 100によって膜透過させ、Alexa555標識ファロイジン(1:40,Invitrogen)と室温で30分インキュベートした。

0127

移動性アッセイ
浸襲度アッセイは、Pennacchietti 2003(10.)に倣って、24ウェル・トランスウェルチェンバー(8-μmポアサイズ、6.5mm、0.33cm2、Corning Costar)において実行した。フィルターの上面にはCultrexをコートし、1×105のヒト皮膚微少血管内皮細胞(HMVEC)を、EphA2-Fc(5.0μg/mL)の不在下又は存在下に1.5 mLのDMEM/F12に撒いた。下方分画には、移動の陽性刺激として、血管内皮増殖因子(VEGF、20ng/mL)、又は、GBM-CSC細胞調整培養液(1×106細胞撒布後1日の培養液から採取した1mL)を用いた。刺激は、EphA2-Fcの不在下又は存在下に、2.6mLのDMEM/F12基礎培養液に溶解してフィルターの上面に加えた。

0128

撒布後7-14日、フィルター上面の細胞は機械的に除去し、下面に移動したものを固定し、DiffQuick(Dade Behring)をメーカーの指示に従って染めた。細胞の移動度は、デンシトメータスキャナーによって得た体積密度値によって評価した。

0129

ウェスタンブロット
ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理の、GBM-CSCの悪性態様に与える影響の結果を定量するために、細胞を、ephrinA1-Fc(1.0又は5.0μg/mL)又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)の存在下に撒き、適当時間インキュベートし、次いで分解した。手順は全て前述の通りに行った。

0130

下記の一次抗体を用いた:
・兎抗フォスフォFAK (Tyr576/577, Tyr 925) (1:1000, Cell Signaling)
・兎抗ヒト全体 p42/p44MAPK (ERK1/2) (1:1000, Cell Signaling)
・兎抗ヒトフォスフォ ERK1/2 Thr202/Tyr204) (1:1000, Cell Signaling)
・兎抗フォスフォ Akt (Ser473) (1:1000; Cell Signaling)
・兎抗フォスフォ mTOR (Ser2481) (1:1000, Cell Signaling)
・兎抗フォスフォ PI3K p85 (Tyr458)/p55 (Tyr199) (1:1000, Cell Signaling)
・兎抗ヒト E-カドヘリン(1:1000, Cell Signaling)
・マウス抗ヒトゲルソリン(1:1000, Sigma)

0131

この工程に続いて、驢馬抗兎HRP(1:10,000, GE)及び兎抗マウスHRP(1:10,000, GE)とインキュベートした。

0132

組織コントロールとして、ヒト脳タンパク混合物(70μg, Clontech)、又は、ヒト脳腫瘍全タンパク分解産物LYS054(70μg, Abserotech)を用いた。

0133

さらに、ERK1/2のリン酸化物は免疫細胞化学法によっても検出した。細胞は、ephrinA1-Fc(5.0μg/mL)又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)の不在下又は存在下に、Cultrex被覆(Trevigen)ガラス製カバースリップに撒き、1、6、及び24時間放置した。安静細胞(resting cells)、又は、MEK1/2抑制剤UO126(10μM 2時間、Cell Signaling)で前処理した細胞をコントロールとして用いた。免疫細胞化学試験は、兎ポリクロナール抗フォスフォ-MAPK(t202/y204)(1:1000, Cell Signaling)、及び、Alexa Fluor 488IgG(1:2000, Invitrogen)を用いて前述の通りに行った。

0134

結果:可溶性受容体、可溶性リガンドのいずれも細胞拡散を阻止する。接着及び拡散は、アクチン及び微少管細胞骨格の二つの変化に相伴って進行する。図8Aに掲載される細胞骨格再編成から、高い移動性表現型を有し、Cultrexの上に広く拡散する未処理のGBM-CSC細胞(a)は、平ら多角形形態によって特徴付けられ、それらは、良く組織された(well-organized)アクチン細胞骨格ストレス線維に高密度に配置される比較的多数のFアクチンフィラメント、及び線維芽細胞様形態を伴うことがはっきりと見てとれる。(b-d挿入画像)、GBM-CSC態様に特徴的なリング状アクチン束。逆に、ephrinA1-Fc(e)及びEphA2-Fc(f)処理細胞は、円形を持続し、双極性細長細胞によって特徴付けられ、拡散はせず、比較的無秩序な微少管を提示し、細胞・細胞接触部に焦点的Fアクチン陽性を伴う。大パネルのバーは5μm;小パネルのバーは10μm。

0135

図8Bの上部パネルに示されるデータは、EphA2活性化は、インビトロにおいて、細胞の接着、拡散、及び移動を抑制し、FAKの急速な不活性化及び脱リン酸化を誘発する可能性のあることを裏付ける。細胞は、ephrinA1-Fcの不在下(−)又は存在下(+)に、表示の期間育成し、次いで分解した。処理細胞のチロシン残基576/577又は925におけるリン酸化FAKの発現低下は、ウェスタンブロットによってタンパクレベルで評価した。もっとも著明なレベルは、処理後60分及び24時間に観察された。FAKは再びチロシンリン酸化される。負荷コントロール:GAPDH。

0136

注目すべきことに、図8B(下部パネル)に掲げるCultrex浸襲アッセイによって示されるように、EphA2発現内皮細胞のインビトロ移動も、組み換えEphA2-Fcの投与によって高度に抑制された。血清無添加HMVECをチェンバーの頂上に撒き、フィルターの下面に向かって6時間移動させた。(a)コントロールとして基礎培養液に懸濁したHMVEC。下部分画のVEGF(20ng/mL)添加又はGBM-CSC調整培養液を、それぞれ、チェンバー上面のEphA2-Fc(5.0μg/mL)の不在(b,c)又は存在(e,f)と組み合わせる。上面のコントロールヒトIgGは、VEGFに反応する細胞移動に影響を及ぼさない。膜の下面に移動した細胞を、方法に記載したように、固定、染色した。スケールバーは200μm。

0137

最後に、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcは、GBM-CSCにおいて、ERK1/2のリン酸化によってMAPキナーゼ依存性経路の活性化を起動する可能性のあることが示された。図8Cの共焦点免疫蛍光画像によって示されるように、Fc処理コントロール(a)に比べると、リン酸化ERK1/2陽性出現頻度の特異的な急激増加が、育成培養液にEphA2-Fc(c)又はephrinA1-Fc(d)の添加後6時間に検出可能であった。観察される陽性の平均レベルは24時間安定であった。(b)ERK基質部位における可溶性リガンド及び受容体介在性リン酸化は、UO126--MEK1活性化の化学的抑制因子、によって細胞を前処理することによって阻止される。スケールバーは20μm。同じ図の下部パネルに掲載されるウェスタンブロット分析は、ephrinA1-Fc濃度の上昇は、GBM-CSCにおいてERK1/2活性化を強化することを裏付ける。GAPDHをサンプル負荷のコントロールとして用いた。ephrinA1-Fcは、Akt及びmTORの強い活性化が検出されたことから(図示せず)、MAPKの下流へのシグナル伝達を強化する可能性さえあることが考えられる。

0138

BMP4は、GBMにおいて、インビトロでもインビボでも、癌幹細胞プールの消滅をもたらす分化促進カスケード誘導する(11.)。下記に、BMP4及びephrinA1-Fcの併用処理の作用を述べる。

0139

リアルタイムPCR
GBM-CSC細胞を、組み換えヒトBMP4(100ng/mL, R&D)に48時間暴露した。全体RNA及びcDNAを前述に倣って取得し、次いで、EphA2発現の定量分析を行った。定量的RT-PCR反応を、Brilliant SYBR Green QPCR Core Reagent Kit (Stratagene)を用いて3重に実施した。SYBRグリーン染料は、いずれのPCR産物にも結合するので、配列特異的プローブの使用を要しない。蛍光発光をリアルタイムで記録した(Chromo 4 Four-Color Real-Time PCR Detector, MJ)。遺伝子発現プロファイリングは、相対的定量化の比較Ct法を用いて完了した。RNAの相対量は、2つの内在コントロールであるGAPDH及び18SリボソームRNA(18SrRNA)に対して正規化した。

0140

成長曲線:
GBM-CSCを、ephrinA1-Fc(1.0μg/mL又は5.0μg/mL)の存在下に、および、それぞれ、BMP4(100 ng/mL, R&D)、又は白血病阻害因子(LIF, 10ng/mL, Chemicon)--ヒトCNS幹細胞継代(progeny)における神経分化の強力な調節因子--の存在下に撒いた。細胞増殖指数を上述の成長曲線分析によって評価した。

0141

結果:図9に示すように、rhBMP4暴露は、分化およびGBM-CSCプールの消滅を通じて、GBM-CSCにおけるEphA2タンパクの降下を加速する。(a)特異的プライマーによるQRT-PCR分析から、rhBMP4処理細胞では、GAPDH正規化EphA2転写物は、対応コントロールに比べ減少することが明らかになった。ヒストグラムは、2種類のGBM-CSC系統による3回の異なる実験で定量した正規化平均±s.e.m.を示す。さらに、図9(b)に掲げるように、rhBMP4は、GBM-CSC及びHNSC増殖に対するephrinA1-Fc抑制作用を誘発する。成長動態の違いが、rhBMP4の不在下又は存在下にephrinA1-Fcと共に育成されたGBM-CSC細胞の間に検出された。即ち、前者は、より速い成長率によって特徴付けられ、後者は、低速で分裂するGBM-CSCを含む。bにおける成長曲線は、一つのGBM-CSC系統を代表する。同じ結果がLIF刺激後にも得られた(データ図示せず)。

0142

ヒトGBM-CSCの皮下(s.c.)異種移植腫瘍の成長に及ぼすephrinA1-Fc及びEphA2-Fc投与の作用
EphA2の過剰発現は腫瘍発生の原因となることが知られる。さらに、分裂の全体的対称性及び関連自己再生能などの、上に分析したGBM-CSCの幹細胞の重要なパラメータは、これらの細胞の腫瘍原発性能と直線的に相関する。ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcによる、EphA2発現又は活性の下降作用をインビボで調べた。

0143

この実験では、発癌性GBM-CSCプールのインビトロ低下は、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc処理細胞の、インビボにおける腫瘍形成能力における同様の低下と関連するかどうかを、皮下(s.c.)異種移植において評価した。

0144

s.c.注入には、免疫機能不備の無胸腺nu/nuマウス(雌3-4週齢、Charles River)を用いた。ヒトGBM皮下腫瘍異種移植は、100μLのPBSを、等容量のCultrex(Trevigen)と混ぜた混合液に3×106 hGBM-CSC細胞を懸濁し、23ゲージ針を用いて、レシピエントマウスの右横腹に注入することによって確立した。

0145

マウスは7-35日監視し、試薬は、1×/日を35日間、GBM-CSC注入部位の近傍に投与した(腫瘍辺縁注入)。

0146

M−CSSの腫瘍発現能の低下、及び、腫瘍確立と成長の阻止における可溶性リガンド/受容体の能力を試験するために、動物を下記の群にランダム割り当てた。
・コントロール-ベヒクル細胞移植後、100μLの生理的食塩水を腫瘍周辺部位に注入した、
・ephrinA1-Fc(同時処理群):細胞の移植と、同時に、100μLの、生理的食塩水に溶解したephrinA1-Fc液(10μg/用量)の腫瘍周辺注入が伴った。
・ephrinA2-Fc(同時処理群):細胞の移植には、100μLの、生理的食塩水に溶解したEphA2-Fc液(10μg/用量)の腫瘍周辺注入が伴った。
・EphA2-Fc(移植後処理群):細胞移植後、細胞を7-10日育成し、次いで、マウスに、100μLのEphA2-Fcの腫瘍辺縁注入を行った(移植後腫瘍形成)(10μg/用量)。

0147

処理に対する腫瘍成長率の変化を評価するために、腫瘍測定値は週に一度ノギスによって定量し、絶対体積の外、それを1日目(投与を開始)の個別腫瘍体積に対し正規化して表した。
V (mm3)= π/6 x a x b x c

0148

同じ期間に亘って動物の体重を定量し、分析した。コントロール、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fc処理動物由来のGBM-CSC腫瘍異種移植片を切り出し、上述のように固定し、冷凍保存した。10ミクロン厚の連続切片を下記の抗体/抗血清によって免疫標識した:マウスIgG1抗ヒト核(1:100, Chemicon)、マウスIgG1抗ヒトミトコンドリア(1:50, Chemicon)、及びマウスIgG2抗ヒトHLA-abc(1:100, Dako)。これは、腫瘍のヒト性を確認するためである。兎IgG抗Ki67(1:1000, NovoCastra)を増殖指数検出のために用いた。切片を、十分に濯いだ後、適当な二次抗体:山羊抗マウス又は抗兎IgG Alexa Fluor 488-546(1:1000, Invitrogen)と共に室温で1時間インキュベートした。切片を洗浄し、Fluorsaveでカバー保護マウントした。

0149

ヘマトキシリンエオジン染色及び免疫組織化学検査を実行した。サンプルは、Zeiss Axiophot-2蛍光顕微鏡及びLeicaDMIRE2共焦点顕微鏡によって観察し、撮影した。コントロール実験では、一次抗体又は抗血清を省略するか、又は、正常の非免疫血清を使用したが、標識は全く観察されなかった。

0150

結果:図10に明瞭に示されるように、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcの投与は、ヒトGBM-CSCの腫瘍発現能、及びマウス皮下モデルにおける腫瘍進行を強力に抑制した。ephrinA1-Fc/EphA2-Fcのインビボ送達は、皮下における腫瘍の確立及び成長を阻止する。あらかじめ確立させた腫瘍を可溶性受容体で処理すると、インビボで、その成長の大きな低下がもたらされた。GBM-CSCは、nu/nuマウスの右横腹に注入された。生理的食塩水(コントロール-ベヒクル)又は試薬(ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc)は、細胞注入から始めて毎日、腫瘍塊の周囲に投与した(100μL/用量)。達成体積(7日)に対する移植後処理分析では、腫瘍担持ヌードマウスに毎日100μL/用量を投与した。グラフは、6匹のマウスから成る4群における平均±s.e.m.を示す。

0151

GBM-CSCのephrinA1-Fc及びEphA2-Fcに対するインビトロ暴露が、それらの細胞の同所性異種移植組織形成能に及ぼす作用
可溶性受容体及びリガンド分子の癌の成長における抗癌効力(EphA2による発現又は活性の低下)を評価するために、より臨床との関連性の高い同所性腫瘍モデルを用いた。

0152

上記s.c.モデルにおいて得られた結果を裏付け、発展させるために、前処理実験を行った。可溶性リガンド又は受容体(5.0μg/mL)に対する48時間の暴露後、GBM-CSC(ルシフェラーゼリポーター遺伝子に感染させたもの、luc-GBM-CSC)を、scid/bgマウスの線条体に注入した。この実験により、エフリンリガンドに対する一過性の暴露が、GBM-CSCの発癌性を低下/阻止するかどうかを知ることができる。

0153

GBM-CSCのレンチウィルス感染
GBM-CSCを、リポーター遺伝子の蛍ルシフェラーゼによって感染させた。
新規生成レンチウィルスベクター--そこでは、二方向性合成プロモーターによって二つのmRNAの協調的転写が仲介され、効率的二遺伝子転移が可能とされる、ベクターを用いた(2.)。

0154

このプロウィルスベクターは、上流側接続の、ヒトのサイトメガロウィルス(mCMV)由来の最少コアプロモーター要素と、反対方向において、ヒトのフォスフォグリレーキナーゼPGK)由来の効率的プロモーターとから構成される二方向性プロモーターから成る。このベクターデザインは、プロモーター遺伝子として蛍ルシフェラーゼ(f-luc)及び緑色蛍光タンパク(GFP)を利用可能とし、これらは下記のために使用される:i)インビトロでは、FACSによって、限界希釈によって、又は、インビボで、Ivis Imaging Xenogen分析によって導入遺伝子発現細胞を濃縮すること;ii)インビボで、脳の内部における腫瘍細胞の分布を簡単に監視すること。293T細胞に対し4-プラスミドを一過性同時トランスフェクション超遠心によって濃縮することによって、VSV疑似型第3世代LVが生産される。ベクターの発現力価は、HeLa細胞において限界希釈法によって推定した。ベクターの粒子は、HIV-1 gag p24 antigen immuocaptureによって測定した。ベクターの感染能は、各ベクターについて力価と粒子の間の比として計算した。GBM-CSC細胞を、トランスフェクト293T細胞の一晩育成培養液の上清に16時間暴露した。次に、ウィルスを含む培養液を排除し、新鮮培養液(luc-GBM-CSC)で置換した。

0155

感染効率は、GFP発現細胞をカウントするか、又は、インビボLumina分析のいずれかによって評価した。

0156

発光細胞は、完全培養液において5000細胞から100細胞へ連続希釈し、黒色、透明底部付き96ウェルプレート(Nunc)に撒いた。D-ルシフェリン(ONE-Glo、ルシフェラーゼアッセイステム、Promega)を、各ウェル(100μlの完全培養液に再懸濁した、単一細胞を含む)に1:1(v/v)で加え、3分後に画像を撮影した。撮影時間は、1分/プレートである。

0157

GBM-CSCの、scid/bgマウス線条体への移植
Luc-GBM-CSC細胞を、ephrinA1-Fc(5μg/mL)又はEphA2-Fc(5μg/mL)の不在下又は存在下に撒き、48時間後に同所性注入した。

0158

DNアーゼ(1:1000, Sigma)添加DMEMに撒いた1×105細胞/uL懸濁液の3μLを、Hamiltonシリンジに接続したガラス電極による脳定位注入によって右側線条体へ送達した。脳実質の最適コンプライアンスを確保するため、注入は全て、6分という期間で行った。

0159

動物は、正常生理的食塩水溶液として、ケタミン塩酸塩(8mg/mL)、キシラジン(0.8mg/mL)、及び、14.25%のエチルアルコールを含む保存液、0.2ml/kgを腹腔内に注入することによって麻酔した。

0160

麻酔されたマウスの頭部を、70%エチルアルコールとポビドンヨード溶液消毒した。頭部背面に正中切開を施し、頭蓋骨膜を外側に反転ブレグマ露出した。

0161

2mmのドリル孔を作製した。硬膜を破らないように注意した。

0162

下記の座標(ブレグマからのmm)を用いた:前後(AV)= 0;内外側(ML)= +2.5mm;背腹側(DV)= -3.0mm、頭蓋表面から。微量注入針を撤収し、皮膚は、4-0 Vicrylによって閉じた。動物は、神経学的機能不全の何らかの兆候がないかどうか毎日監視した。

0163

Xenogen IVIS Luminaシステムによる腫瘍成長の評価
腫瘍の形成、拡張、及び体積は、インビボLumina分析(Xenogen)で撮影した連続画像によって、数回/週、間接的に計算し、試薬処理をしないGBM細胞を移植されたコントロール動物のものと比較した。

0164

メーカーの指示に従って、インビボ画像のために、画像撮影の15分前に、基質D-ルシフェリン(Caliper)を、動物に、PBS溶液として150mg/Kgで腹腔内注入によって投与し、次いで麻酔した(2.5%イソフルオラン)(8.)。

0165

次にマウスを、遮光カメラボックス内の温めた載物台の上に置き、2%イソフルオランに連続暴露した。画像撮影時間は、腫瘍成長と時点に依存して、自動モードで20秒から1分に亘った。

0166

蛍光測定は、細胞接種後第1週の終わりから第6週まで、週に一度行った。

0167

発光性腫瘍から発射された低レベルの光は、IVISTMカメラシステムによって検出し、積分し、ディジタル化し、表示した。表示画像における興味の領域(ROI)は、腫瘍部位の周囲に特定され、Living Imageソフトウェア(Xenogen)によって全体フラックスフォトン/秒)として定量した。

0168

組織切片に対する免疫組織化学検査
6週後動物を屠殺した。屠殺した動物に、100mLの0.15M NaClによって経心臓灌流/固定を行い、次いで、4% PFAを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(KBS)、250mLを、Watson-Marlowペリスタルティックポンプを用いて120 mmHg圧で注入した。その後、前述のように、脳を固定し冷凍保存した。

0169

ヘマトキシン・エオジン(H&E)染色及び免疫組織化学検査を実行した。10ミクロン厚の連続切片を前述のように処理した。組織切片においてヒト腫瘍細胞を回収するために、我々は、ヒト特異的抗体:マウスIgG1抗ヒトミトコンドリア(1:50, Chemicon)、マウスIgG1抗ヒト核(1:100, Chemicon)、マウスIgG2a抗ヒトHLA-abc(1:100, Dako)のいずれかを用いるか、若しくは、我々は、ルシフェラーゼ(マウスIgG1 1:25, Invitrogen)、又は、ベクター中に存在するリポーター遺伝子緑色蛍光タンパク(GFP, 1:500, Mol Probes)を利用した。

0170

腫瘍細胞の増殖、分化、及び新規血管形成は、下記の抗体/抗血清使用の免疫組織化学検査によって評価した:兎抗GFAP(1:500, Dako)、抗K167(1:200, Novocastra)、マウス抗ヒトPCNA(1:1500, Sigma)、ラット抗CD147(1:600, serotech)、兎抗NG2(1:300, Chemicon)。腫瘍体積及び拡張は連続再構築(serial reconstruction)によって計算した。

0171

組織切片はさらに、下記の一次抗体によって染色した:
山羊抗ヒトEphA2(1:50, R&D)、モノクロナールマウスIgG1抗ヒトEphA2クローンD7(1:100, Sigma)、兎ポリクロナール抗ヒトエフリンA1(1:50, Abcam)、兎抗ヒトフォスフォ・エフリンB(Tyr324/329)(1:100, Cell Signaling)、山羊抗エフリンB2(1:10, R&D)、山羊抗ヒトエフリンB3(1:10, R&D)、兎抗フォスフォ(S339)CXCR4(1:100, Abcam)、山羊抗ヒトWnt5a(1:10, R&D)、兎抗ヒトE-カドヘリン(1:100, Cell Signaling)。

0172

結果:図11に示すように、luc-GBM-CSC細胞を、scid/bgマウスの線条体に移植する前に、ephrinA1-Fc又はEphA2-Fc(5.0μg/mL)にインビトロで48時間暴露すると、腫瘍発現能は劇的に低下した。図11Aに掲げられる発光監視は、腫瘍からの対応的シグナル増加を明瞭に示す。GBM腫瘍の成長は、EphA2-Fc又はephrinA1-Fcによって処理されたluc-GBM-CSC発光系統では強力に抑制される。腫瘍は、細胞注入後7日から始めて週に1度、インビボ画像撮影によって監視した。グラフは、6匹のマウスから成る3群における平均±s.e.m.を示す。さらに、図11Bは、安静GBM-CSC、及びEphA2-Fc又はephrinA1-Fcで前処理したGBM-CSCの頭蓋内注入後、インビボで検出される腫瘍成長及び腫瘍サイズの違いを示す。移植注入された3匹の代表的scid/bgマウスから経時的に取られた背面画像を示す。腫瘍部位における経時的相対変化を示すため、疑似カラースケールバーは全ての背面画像に適用される。

0173

図11Cに掲げられる、同所性移植6週後に取られた共焦点画像によると、未処理luc-GBM-CSCから得られた腫瘍(a)は、ルシフェラーゼ特異的免疫染色によって示されるように、ephrinA1-Fc処理(b)及びEphA2-Fc処理(c)の細胞から得られる腫瘍よりも効率的に脳実質に広がり侵襲する。連続記録切片の免疫組織化学画像から得られる腫瘍サイズを、対応するBLI測定値と相関の程度を調べるために比較した(データ図示せず)。スケールバー、1 mm。

0174

あらかじめ確立された同所性腫瘍に対する、ephrinA1-Fc及びEphA2-Fcの、局所的・直接的微少灌流の作用
同様の方法を用いて、腫瘍成長のEphA2調節に及ぼす作用をインビボで調べた。これによって、EphA2受容体の活性化又は発現の状態と、GBM-CSCの発癌性との間に明瞭な相関を、特に、この二つのパラメータの間に逆相関を定義することが可能となるかも知れない。これによってさらに、インビボにおけるEphA2調節を、患者の腫瘍におけるhGBM-TCSCプールに対する有力な治療ツールとして使用する可能性を定めることが可能となるかも知れない。

0175

ephrinA1-Fc又はEphA2-Fcを注入するミニアルゼットポンプの、scid/bgマウス線条体への埋設
luc-GBM-CSC同所性注入の10日後、即ち、腫瘍は実質的サイズを持つが、運動又は行動異常を引き起こすことはない時点で、ミニ浸透圧ポンプ(Alzet)の脳内カテーテルを、同じ穿頭孔からマウス線条体に挿入した。

0176

Alzetポンプは、塩スリーブ(salt sleeve)と呼ばれるポンプ内部の区画と、ポンプが埋設される組織環境の間の浸透圧差によって動作する。塩スリーブの高い浸透圧のために、水は、ポンプの外面を覆う半透膜を通じてポンプの中に入る。水が塩スリーブ中に入るにつれて、その水は、弾力的貯留槽圧迫し、ポンプから試験液を指定の調節速度で移動させる。

0177

メーカー(脳灌流キット)の指示に従って、EphA2-Fc(30μg)又はephrinA1-Fc(30μg)のPBS液、100μLを貯留槽に入れ、14日間灌流した(0.25μL/時)。送達用量は1.8μg/日であった。

0178

動物は毒性の兆候がないかどうか注意深く監視した。腫瘍の形成、拡張、及び体積は、上述のように、インビボLumina分析(Xenogen)で撮影した連続画像から、数回/週、間接的に計算した。灌流マウスは、処理無し(100μLのPBS液)でGBM細胞を投与されたコントロールマウスの結果と比較した。

0179

カテーテル設置の2週後(GBM-CSC注入の4週後)、マウスを屠殺した。経心臓灌流/固定、切除後固定・調整、及び免疫組織化学検査は、処理前の脳内実験に記載される。

0180

結果:図12は、GBM-CSC移植の7-10日後、細胞注入部位でscid/bgマウスの線条体に埋設されたミニアルゼットポンプによるephrinA1-Fc又はEphA2-Fcの連続投与が、腫瘍成長を抑制(post-treatment)することを示す。scid/bgマウスの右側線条体にluc-GBM-CSCを注入し、14日後、腫瘍が一定体積に達した時点で、ミニ浸透圧ポンプの脳内カテーテルを、同じ穿頭孔を通じてマウス線条体に挿入した(矢印:浸透圧ポンプの埋設)。腫瘍担持マウスに対し、EphA2-Fc、ephrinA1-Fc、又はコントロール-ベヒクルを、毎日の送達用量1.8μg/日で14日間注入した。腫瘍細胞移植後7日目から始めて週に一度の発光監視を実行した。EphA2-Fc、ephrinA1-Fc処理群はいずれも、コントロール群発光値の増加とは対照的に、21日目まで正規化発光値の低下を示す。各マウスの発光値は、治療開始時に得られた対応読み取り値に対して正規化した。グラフは、6匹のマウスから成る3群における平均±s.e.m.を示す。
上記説明及び前述の実施例から、本発明によって記載され、取得される産物によって実現される利点は明白である。

実施例

0181

参照文
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