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課題

解決手段

リウマトイド及び骨関節炎腱炎滑液包炎靭帯の炎症、滑膜炎痛風、及び全身性エリテマトーデスなどの関節の炎症性疾患を予防するための組成物及び方法。この方法は、炎症を起こした関節に、細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物は、細菌骨格又はウイルス骨格と、インターロイキン−10をコードする核酸配列とを含む。

概要

背景

連邦政府資金による研究の記載
本発明は、国立衛生研究所(National Institute of Health)により付与される助成金番号U44−NS071642の下での政府支援を受けて実現された。政府は、本発明に一定の権利を有する。

以下の記述では、特定の物品及び方法を、背景及び序説の目的のために記載する。本明細書に含まれる一切のものを従来の技術の「承認」として解釈すべきではない。出願人は、適切であれば、本明細書で引用した物品及び方法が、適用可能な法律条項の下で従来技術を構成しないことを証明する権利を明白に留保する。

関節痛は、例えば、極めて多様な関節の状態(中でも、関節リウマチ及び骨関節炎が最も一般的である)、並びに腱炎滑液包炎靭帯の炎症、滑膜炎痛風、及び全身性エリテマトーデスなどの結果として、多くの理由で突発し得る。負傷した場合、炎症カスケードとして知られる免疫系におけるイベントの連鎖がトリガーされ、発赤膨潤及び疼痛を引き起こす。次に、一旦脅威が減少すると、抗炎症化合物が引き継いで、患部治癒させる。このプロセス(局所又は急性炎症として知られる)が起これば、これは健全な免疫系の兆候である。しかし、炎症が長引くと、より慢性の状態を招き得る。

概要

新規炎症性関節疾患治療法の提供。リウマトイド及び骨関節炎、腱炎、滑液包炎、靭帯の炎症、滑膜炎、痛風、及び全身性エリテマトーデスなどの関節の炎症性疾患を予防するための組成物及び方法。この方法は、炎症を起こした関節に、細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物は、細菌骨格又はウイルス骨格と、インターロイキン−10をコードする核酸配列とを含む。なし

目的

本発明は、インターロイキン−10(IL−10)コード配列発現するベクターを、対象に、典型的には関節に注射して、投与することにより、関節の炎症性疾患、関節の炎症性疾患に関連する症状を治療し、疾患の進行を遅らせる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

対象における炎症性関節疾患治療する方法であって、炎症を起こした前記関節に、治療に有効な量の細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物が、細菌骨格又はウイルス骨格と、インターロイキン−10をコード化する核酸配列とを含む方法。

請求項2

前記IL−10発現構築物が、アジュバント一緒投与される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アジュバントが、D−マンノーススクロースグルコースリン酸カルシウムデンドリマーオリゴヌクレオチド高分子量ヒアルロン酸、又はリポソームから選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

インターロイキン−10をコード化する前記核酸配列が、アミノ酸129位の野生型フェニルアラニンアミノ酸置換を有する、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記アミノ酸置換が、セリンアラニントレオニン又はシステインの群から選択される、請求項4に記載の方法。

請求項6

インターロイキン10をコード化する前記核酸配列が、IL−10F129Sをコード化する、請求項5に記載の方法。

請求項7

プラスミドDNAが、前記IL−10コード配列の5’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

プラスミドDNAが、前記IL−10コード配列の3’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

希釈剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記関節が、手首足首、肩、又は脊椎である、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記炎症性関節疾患が、関節炎腱炎滑液包炎靭帯の炎症、滑膜炎痛風、及び全身性エリテマトーデスである、請求項1に記載の方法。

請求項12

対象における炎症性関節疾患を治療する方法であって、炎症を起こした前記関節に、治療に有効な量の細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物が、細菌骨格又はウイルス骨格と、インターロイキン−10をコード化する核酸配列と;前記発現構築物をカプセル化する微小粒子とを含む方法。

請求項13

インターロイキン−10をコード化する前記核酸配列が、アミノ酸129位の野生型フェニルアラニンのアミノ酸置換を有する、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記アミノ酸置換が、セリン、アラニン、トレオニン又はシステインの群から選択される、請求項13に記載の方法。

請求項15

インターロイキン−10をコード化する前記核酸配列が、IL−10F129Sをコード化する、請求項14に記載の方法。

請求項16

ポリマーが、乳酸グリコール酸共重合体を含む、請求項10に記載の方法。

請求項17

ポリマーが、50:50乳酸−グリコール酸共重合体を含む、請求項16に記載の方法。

請求項18

プラスミドDNAが、前記IL−10コード配列の5’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項10に記載の方法。

請求項19

希釈剤をさらに含む、請求項10に記載の方法。

請求項20

前記関節が、膝、肘、手首、足首、腰、肩、又は脊椎である、請求項10に記載の方法。

請求項21

前記炎症性関節疾患が、関節炎、腱炎、滑液包炎、靭帯の炎症、滑膜炎、痛風、及び全身性エリテマトーデスである、請求項10に記載の方法。

請求項22

前記炎症性関節疾患が、骨関節炎である、請求項21に記載の方法。

請求項23

対象における炎症性関節疾患を治療する方法であって、炎症を起こした前記関節に、1〜500μgの細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物が、細菌骨格又はウイルス骨格と、インターロイキン−10をコード化する核酸配列と;5〜1000μgのD−マンノースとを含む方法。

請求項24

D−マンノースが、前記IL−10発現構築物と一緒に投与される、請求項23に記載の方法。

請求項25

D−マンノースが、前記IL−10発現構築物の投与の最大10日前に投与される、請求項23に記載の方法。

請求項26

インターロイキン−10をコード化する前記核酸配列が、アミノ酸129位の野生型フェニルアラニンのアミノ酸置換を有する、請求項24に記載の方法。

請求項27

前記アミノ酸置換が、セリン、アラニン、トレオニン又はシステインの群から選択される、請求項26に記載の方法。

請求項28

インターロイキン−10をコード化する前記核酸配列が、IL−10F129Sをコード化する、請求項27に記載の方法。

請求項29

プラスミドDNAが、IL−10コード配列の5’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項24に記載の方法。

請求項30

プラスミドDNAが、IL−10コード配列の3’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項24に記載の方法。

請求項31

プラスミドDNAが、IL−10コード配列の5’及び3’側の両方に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む、請求項24に記載の方法。

請求項32

対象における炎症性関節疾患を治療する方法であって、炎症を起こした前記関節に、1〜500μgの細菌又はウイルスIL−10発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を注射するステップを含み、前記IL−10発現構築物が、細菌骨格又はウイルス骨格と、IL−10F129Sをコード化する核酸配列と、IL−10コード配列の5’又は3’側のいずれか又は両方に少なくとも1つの核ターゲティング配列と;5〜1000μgのD−マンノースとを含む方法。

技術分野

0001

本発明は、細菌又はウイルスインターロイキン−10(IL−10)発現構築物を含む治療用抗炎症組成物を、炎症を起こした関節に投与することにより、関節の炎症性疾患に関連する臨床状態及びその関連症状治療することに関する。

背景技術

0002

連邦政府資金による研究の記載
本発明は、国立衛生研究所(National Institute of Health)により付与される助成金番号U44−NS071642の下での政府支援を受けて実現された。政府は、本発明に一定の権利を有する。

0003

以下の記述では、特定の物品及び方法を、背景及び序説の目的のために記載する。本明細書に含まれる一切のものを従来の技術の「承認」として解釈すべきではない。出願人は、適切であれば、本明細書で引用した物品及び方法が、適用可能な法律条項の下で従来技術を構成しないことを証明する権利を明白に留保する。

0004

関節痛は、例えば、極めて多様な関節の状態(中でも、関節リウマチ及び骨関節炎が最も一般的である)、並びに腱炎滑液包炎靭帯の炎症、滑膜炎痛風、及び全身性エリテマトーデスなどの結果として、多くの理由で突発し得る。負傷した場合、炎症カスケードとして知られる免疫系におけるイベントの連鎖がトリガーされ、発赤膨潤及び疼痛を引き起こす。次に、一旦脅威が減少すると、抗炎症化合物が引き継いで、患部治癒させる。このプロセス(局所又は急性炎症として知られる)が起これば、これは健全な免疫系の兆候である。しかし、炎症が長引くと、より慢性の状態を招き得る。

発明が解決しようとする課題

0005

関節リウマチ及び骨関節炎、腱炎、滑膜炎などの関節の炎症性疾患の現行治療法は、依然として最適とは言えない。投与頻度が少なくてすむ処置をみいだすことは、炎症性関節疾患患者クオリティオブライフに有意に影響を与え得る;しかし、このような状態の治療法の実質的研究及び開発にもかかわらず、安全、有効かつ投与が容易な処置についてまだ大きなアンメットニーズが存在する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、インターロイキン−10(IL−10)コード配列発現するベクターを、対象に、典型的には関節に注射して、投与することにより、関節の炎症性疾患、関節の炎症性疾患に関連する症状を治療し、疾患の進行を遅らせる方法を提供する。一部の実施形態では、IL−10発現構築物を生分解性微小粒子中にカプセル化し、またこれらの実施形態のいくつかの態様では、微小粒子は、希釈剤に懸濁させて、治療組成物を形成する。

0007

また別の代替的実施形態では、本発明の治療組成物は、IL−10発現構築物(細菌骨格又はウイルス骨格のいずれかを有する)であり、これは、「ネイキッド」DNAとして送達される。すなわち、カプセル化せずに、IL−10発現構築物を送達する。このような実施形態では、IL−10発現構築物は、1種又は複数の希釈剤と一緒に送達し、これらの実施形態の好ましい態様では、IL−10発現構築物は、1種又は複数のアジュバントと一緒に送達する。この実施形態の一部の態様では、1種又は複数のアジュバントは、IL−10発現構築物の投与と同時に、又はIL−10発現構築物の投与の最大10日前に、例えば「前処置」として対象に投与してもよい。

0008

一部の態様では、関節炎は、手首足首、肩、又は脊椎におけるものである。本発明の方法により治療が可能な状態としては、関節リウマチ及び骨関節炎、並びに腱炎、滑液包炎、靭帯の炎症、滑膜炎、痛風、及び全身性エリテマトーデスが挙げられる。

0009

従って、本発明の一部の実施形態は、対象における関節の炎症性疾患又はそれに関連する障害若しくは症状の治療方法を提供し、該方法は、細菌骨格及び少なくとも1つのIL−10コード配列を含むプラスミドDNAと、希釈剤とを含む治療用抗炎症IL−10化合物を対象に投与するステップを含み、ここで、治療用抗炎症性IL−10化合物は、約1μgのDNA〜約1000μgのDNA、又は約5μgのDNA〜約900μgのDNA、又は約10μgのDNA〜約850μgのDNA、又は約20μgのDNA〜約800μgのDNA、又は約25μgのDNA〜約750μgのDNA、又は約40μgのDNA〜約500μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約250μgのDNA、又は約5μgのDNA〜約200μgのDNA、好ましくは約2.5μgのDNA〜約500μgのDNAで、治療に有効な用量を関節に供給する。別の実施形態では、細菌ベクターの代わりに、ウイルスベクターを用いる。

0010

本発明の一部の実施形態では、本発明のIL−10治療化合物(すなわち、カプセル化DNA又はネイキッドDNA)を1種又は複数のアジュバントと一緒に投与する。本発明のアジュバントは、IL−10治療化合物と同時に、又はIL−10治療化合物を投与する前に前処置として、投与することができる生体適合性薬剤である。特に好ましいアジュバントとして、限定はしないが、マンノーススクロースグルコースリン酸カルシウムデンドリマーリポソームカチオン系リポソームなど)、及びオリゴデオキシヌクレオチドが挙げられる。好ましい実施形態における本発明のアジュバントは、IL−10発現構築物の取込み又は効力を増加させるアジュバントである。同時投与又は前処置は、約5μgのアジュバント〜約1000μgのアジュバント、又は約10μgのアジュバント〜約750μgのアジュバント、又は約50μgのアジュバント〜約500μgのアジュバント、又は約25μgのアジュバント〜約750μgのアジュバントを、治療用抗炎症IL−10化合物の投与と同時に、又はその最大10日前に関節に投与するステップを含む。

0011

その他の代替的実施形態は、IL−10発現構築物;IL−10発現構築物をカプセル化する微小粒子;及び希釈剤を含む治療用抗炎症組成物を対象に投与するステップを含む、炎症性関節疾患の治療方法を提供し、ここで、治療用微小粒子化合物は、約20μgのDNA〜約1000μgのDNA、又は約25μgのDNA〜約750μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約500μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約250μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約200μgのDNA、又は約25μgのDNA〜約100μgのDNAで、治療に有効な用量を関節に供給する。

0012

本発明のまた別の実施形態は、対象における炎症性関節疾患の進行を遅らせる方法を提供し、該方法は、細菌骨格と少なくとも1つのIL−10コード配列とを含むプラスミドDNAを含む治療用抗炎症IL−10化合物を対象に投与するステップを含み、ここで、治療用IL−10発現構築物は、約1μgのDNA〜約1000μgのDNA、約5μgのDNA〜約900μgのDNA、約10μgのDNA〜約850μgのDNA、約20μgのDNA〜約800μgのDNA、又は約25μgのDNA〜約750μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約500μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約250μgのDNA、又は約50μgのDNA〜約200μgのDNA、又は約25μgのDNA〜約100μgのDNAで、治療に有効な用量を関節に供給する。このような実施形態において、好ましくは、治療用抗炎症IL−10化合物と一緒に、又は治療用抗炎症IL−10化合物の投与の最大10日前に、例えば、前処置としてアジュバントを投与する。

0013

任意選択で、記載する実施形態において、IL−10発現構築物は、少なくとも1つのIL−10コード配列の5’側100〜2000bp、及び/又は少なくとも1つのIL−10コード配列の3’側150〜450bpのいずれかに位置する少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む。本発明の他の態様では、IL−10発現構築物は、1つの核ターゲティング配列が、少なくとも1つのIL−10コード配列の5’側100〜2000bpに位置し、かつ、1つの核ターゲティング配列が、少なくとも1つのコード配列の3’側150〜450bpに位置する2つの核ターゲティング配列を含む。

0014

好ましくは、関節への注射により治療組成物を投与し、好ましい実施形態では、関節内注射により治療組成物を投与する。
一部の態様では、インターロイキン−10をコード化する核酸配列は、アミノ酸129位での野生型フェニルアラニンアミノ酸置換を有し、一部の態様では、アミノ酸置換は、セリンアラニントレオニン又はシステインの群から選択される。一部の態様では、インターロイキン−10をコード化する核酸配列は、IL−10F129Sをコード化する。また別の態様では、IL−10発現構築物は、IL−10コード配列の5’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含み、一部の態様では、IL−10発現構築物は、IL−10コード配列の3’側に少なくとも1つの核ターゲティング配列を含む。

0015

本発明の一部の態様では、微小粒子は、以下:ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)、ポリラクチドPLA)、ポリグリコリドPGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリ無水物ポリカプロラクトン、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、又はポリオルトエステルの1つ又は複数を含む。本発明のいくつかの態様では、微小粒子は、PLGAを含む。本発明の他の態様では、微小粒子は、異なる相補的放出特性を示す生分解性ポリマーの混合物を含む。

0016

本方法のいくつかの実施形態では、治療用抗炎症IL−10発現構築物(及び任意のアジュバント又は「前処置」アジュバント)は、例えば、最大1年まで、治療効果のために必要に応じて約40〜120日毎に送達する。別の実施形態では、治療用抗炎症組成物は、1年を超える期間にわたり、治療効果の必要に応じて約40〜120日毎に送達する。また別の実施形態では、治療用抗炎症組成物は、必要に応じて、対象の生涯にわたり、治療効果の必要に応じて約40〜120日毎に送達する。

0017

本発明の方法は、治療用IL−10発現構築物組成物と一緒に「カクテル」として用いることができる薬剤、小分子及び/又は生物製剤をみいだす研究ツールとして使用することもできる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌ前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減臨床評価を表す棒グラフ形態の結果を示す図。
本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の飼い主評価を表す棒グラフ形態の結果を示す図。
本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の臨床評価を表す棒グラフ形態の結果(プールされたデータ)を示す図。
本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の飼い主評価を表す棒グラフ形態の結果(プールされたデータ)を示す図。
本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された関節可動域の改善を表す結果(プールされたデータ)を示す図。

実施例

0019

定義
別に定義されない限り、本明細書に用いる全技術及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で述べるあらゆる刊行物公開特許出願及び特許は、本明細書に記載する本発明に関連して用いることができる装置、動物モデル、製剤及び方法を説明及び開示する目的で、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。

0020

本明細書で用いるアジュバントという用語は、他の薬剤の効果を改変する薬理学的又は免疫学的物質を指す。本発明の場合には、治療用IL−10抗炎症化合物の効力を高めるために、アジュバントを用いる。本発明において特に有用なアジュバントとしては、例えば、関節の滑液中に存在するマクロファージ又は他の免疫細胞によるIL−10発現構築物の取込み又は効力を増加させるアジュバントがある。

0021

本明細書で用いる場合、「抗炎症(性)」という用語は、神経、ニューロングリア細胞内皮細胞線維芽細胞筋肉、免疫細胞又は他の細胞型により産生される1種又は複数の炎症誘発性サイトカイン又はタンパク質の作用又は生産を低減することを指す。

0022

本明細書で用いる場合、「抗炎症性サイトカイン」という用語は、神経、ニューロン、グリア細胞、内皮細胞、線維芽細胞、筋肉、免疫細胞又は他の細胞型により産生される1種又は複数の炎症誘発性サイトカイン又はタンパク質の作用又は産生を低減するタンパク質を指す。炎症性サイトカイン及びタンパク質として、限定はしないが、インターロイキン−1β(IL−1β)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、誘導性一酸化窒素シンテターゼ(iNOS)などが挙げられる。抗炎症性サイトカインの非制限的例として、ウイルスIL−10などのインターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−13(IL−13)、α−MSHトランスフォーミング増殖因子β1(TGFβ1)などが挙げられる。このように、抗炎症性サイトカインが治療に有効である限り、抗炎症性サイトカイン、並びに天然配列に対する欠失、付加及び置換天然で保存的若しくは非保存的のいずれか)などの修飾を有する抗炎症性サイトカインの完全長分子及び断片が、本発明での使用のために意図される。修飾は、部位指定変異誘発によるものなど、意図的であってもよいし、又はPCR増幅に起因するタンパク質又は誤りを生成する宿主突然変異によるものなど、偶発的であってもよい。従って、活性タンパク質は、典型的に、親配列に対して実質的に相同的であり、例えば、タンパク質は、典型的に、親配列に対して約70・・・80・・・85・・・90・・・95・・・98・・・99%等、相同的である。

0023

抗炎症性サイトカインの「コード配列」、すなわち抗炎症性サイトカインを「コード化する」配列は、適切な制御配列の制御下に置かれると、in vivoで転写される(DNAの場合)とともに、ポリペプチド翻訳される(mRNAの場合)核酸分子である。コード配列の境界は、アミノ末端開始コドンに対応するヌクレオチド、及びカルボキシ末端の翻訳終結コドンに対応するヌクレオチドによって決定される。

0024

DNA「制御配列」という用語は、集合的に、プロモータ配列ポリアデニル化シグナル転写終結配列上流調節ドメイン複製起点、配列内リボソーム進入部位エンハンサーなどを指し、これは、集合的に、レシピエント細胞におけるコード配列の複製、転写及び翻訳を可能にする。選択したコード配列が、適切な宿主細胞に複製、転写及び翻訳される能力を有する限り、これらのタイプの制御配列が全て存在する必要はない。

0025

本発明の方法で用いられる治療用IL−10発現構築物の「有効量」又は「治療に有効な量」という用語は、関節の炎症の軽減、関節の炎症性疾患により起こる症状の緩和、及び/又は関節の炎症性疾患による関節損傷の進行の阻止などの要望される応答をもたらす上で、非毒性であるが、十分な量のIL−10発現構築物を指す。必要とされる厳密な量は、対象の種、年齢、及び全身状態治療対象の状態の重症度、並びにIL−10発現構築物が、微小粒子中で、又はネイキッドDNAとして送達されるかにかかわらず、送達しようとする具体的IL−10発現構築物、投与方法(例えば、関節内注射)などに応じて、対象毎に変動しうる。本方法の用量パラメータは、本明細書に記載されている;しかし、あらゆる個々のケースで、本明細書に記載の方法及び常用実験を用いて、適切な「有効」量の最適化が当業者により決定され得る。

0026

賦形剤」又は「希釈剤」という用語は、治療用IL−10発現構築物の投与を容易にするために本発明の治療組成物に添加される不活性物質を指す。限定はしないが、賦形剤の例として、食塩水炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種糖類及び各種のデンプンセルロース誘導体ゼラチンヒアルロン酸(任意選択で界面活性剤プルロニックF−68(Pluronic F−68)と一緒に製剤化)、植物油及びポリエチレングリコールが挙げられる。

0027

ヌクレオチドに関して言うとき、「単離(された)」とは、発現構築物が、同じタイプの他の生体高分子の実質的な非存在下で存在することを意味する。従って、「特定のポリペプチドをコード化する単離核酸分子」とは、対象ポリペプチドをコード化しない他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子を指す;しかし、該分子は、組成物の基本的特性有害な影響を与えない幾分の塩基又は部分を含み得る。

0028

「関節」という用語は、2つの骨が出合う解剖学的構造を指し、骨を互いにつなぐ靭帯、筋肉を骨に結合させる関節包滑液包及び滑液膜を含む。本明細書に記載の方法で治療することができる関節として、固定、蝶番枢軸又は球窩関節が挙げられる。

0029

「関節炎」という用語は、炎症によって引き起こされるあらゆるタイプの関節炎(この場合、関節リウマチ、骨関節炎が最も一般的である)、並びに腱炎、滑液包炎、靭帯の炎症、滑膜炎、痛風、及び全身性エリテマトーデスを指す。

0030

「核ターゲティング配列」という用語は、細胞における抗炎症性サイトカインの発現効率を改善するように機能する核酸配列を指す。
作動可能に連結された」とは、そのように表現された要素が、その通常の機能を果たすように構成されているエレメントの配置を指す。従って、コード配列に作動可能に連結された制御配列は、コード配列の発現を実施することができる。制御配列は、これらが、発現を指令するように機能する限り、コード配列と隣接している必要はない。従って、例えば、翻訳されていないが、転写されている介在配列が、プロモータ配列とコード配列との間に存在してもよく、このプロモータ配列も、やはりコード配列に「作動可能に連結された」とみなすことができる。

0031

プロモータ」という用語は、本明細書において、その通常の意味で用いられ、DNA調節配列を含むヌクレオチド領域を指し、ここで、調節配列は、RNAポリメラーゼに結合して、下流(3’方向)コード配列の転写を開始することができる遺伝子に由来する。転写プロモータは、「誘導性プロモータ」(この場合、プロモータに作動可能に連結したポリヌクレオチド配列の発現は、被検物質補因子調節タンパク質などにより誘導される)、「抑制プロモータ」(この場合、プロモータに作動可能に連結したポリヌクレオチド配列の発現は、被検物質、補因子、調節タンパク質などにより誘導される)、及び「構成性プロモータ」を含み得る。

0032

本出願全体を通して、例えば、特定のヌクレオチド配列が、別の配列に対して「上流」、「下流」、「3ダッシュ(3’)」又は「5ダッシュ(5’)」に位置すると表現されているとき、特定の核酸分子における核酸配列の相対位置を表す目的で、これが、当分野で一般的に呼ばれるDNA分子の「センス」又は「コード」鎖における配列の位置であると理解すべきである。

0033

本明細書で用いる場合、「研究ツール」という用語は、他の薬学的及び/又は生物学的治療薬の開発を含む、学術又は商業的性質いずれかの科学的調査のために治療用IL−10発現構築物を用いる本発明の任意の方法を指す。本発明の研究ツールは、治療用であること、又は取締まり機関の承認を受けることを意図するのではなく、むしろ、本発明の研究ツールは、開発活動(提出書類を支持する情報を作成する目的で実施される任意の活動など)における研究及び支援を促進することを意図するものである。

0034

「対象」、「個体」又は「患者」という用語は、本明細書において置き換え可能に用いることができ、脊椎動物、好ましくは哺乳動物を指す。
本明細書で用いる場合、「治療組成物」又は「治療用抗炎症組成物」という用語は、関節の炎症を軽減し、関節の炎症性疾患によって引き起こされる症状の緩和をもたらし、及び/又は関節の炎症性疾患に起因する関節損傷の進行を阻止する能力を有する組成物を指し、こうした能力は、公知の動物モデルのいずれかにおいて、又はヒトで実施される評価によって測定される。

0035

「治療」又は関節炎を「治療すること」は、以下:(1)関節炎の素因を有すると考えられるが、症状をまだ経験していないか、呈示していない対象において、関節の炎症を軽減するか、又は低い強度で炎症が起こるようにすること、あるいは、(2)関節炎を阻害する、すなわち、炎症によって引き起こされる症状若しくは生理学的損傷の発生を停止させるか、逆転させることを含む。

0036

本明細書で用いる場合、「ウイルスベクター」は、in vivo、ex vivo若しくはin vitroのいずれかで、宿主細胞に送達させようとするIL−10発現構築物を含む、組換えによるウイルス又はウイルス粒子である。ウイルスベクターの例として、レトロウイルスベクターレンチウイルスベクターアデノウイルスベクターアデノ関連ウイルスベクター、αウイルスベクターなどが挙げられる。

0037

本明細書に記載する技術の実践では、別に記載のない限り、従来の技術、並びに有機化学ポリマー技術、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学生化学、並びに配列決定技術の記載を使用し得るが、これらは、当業者の技能の範囲内である。好適な技術の具体的説明は、本明細書に記載の実施例を参照にして得ることができる。しかし、言うまでもなく、他の同等の一般的手順も用いることができる。このような従来の技術及び記載は、例えば、以下のような標準的実験マニュアルにみいだすことができる:ルドゥックス(LeDoux)(編)(2005年)、運動障害の動物モデル(Animal Models of Movement Disorders)(アカミックプレス(Academic Press));チョウ(Chow)ら著、(2008年)、生物医学研究における動物モデルの使用(Using Animal Models in Biomedical Research)(ワールド・サイエンティフィック・パブリシング社(World Scientific Publishing Co.));ウェイアー(Weir)及びブラックウェル(Blackwell)(編)、実験免疫法ハンドブック(Handbook of Experimental Immunology)、第I〜IV巻、ブラックウェル・サイエンティフィック・パブリケーションズ(Blackwell Scientific Publications);クレイトン(Creighton)著(1993年)、タンパク質:構造及び分子特性(Proteins:Structures and Molecular Properties)(W.H.フリーマン商会(W.H.Freeman and Company));サンルック(Sambrook)及びラッセル(Russell)著(2006年)、分子クローニングからの凝縮プロトコル:実験マニュアル(Condensed Protocols from Molecular Cloning:A Laboratory Manual);並びにサンブルック(Sambrook)及びラッセル(Russell)著(2002年)、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)(いずれも、コールドスプリングハーバーラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)から);ストレイヤー,L.(Stryer,L.)著(1995年)生化学(Biochemistry)、第4版、(W.H.フリーマン(W.H.Freeman));ガイト(Gait)著(1984年)、「オリゴヌクレオチド合成:実用手法(Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach)」:(IRLプレス(IRL Press));ネルソン(Nelson)及びコックス(Cox)著(2000年)、レニンガー(Lehninger)著、生化学の原理(Principles of Biochemistry)、第3版(W.H.フリーマン(W.H.Freeman));並びにバーグ(Berg)ら著(2002年)、生化学(Biochemistry)、第5版(W.H.フリーマン(W.H.Freeman));これらは全て、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に組み込むものとする。

0038

本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに別のことを示すのでない限り、複数の指示対象を含む。

0039

値の範囲が記載される場合、当該範囲の上限及び下限の間に介在する各値、並びに記載された範囲内の他のあらゆる表示又は介在値が本発明に含まれることは理解されよう。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、これらの小さな範囲に含まれ得るが、これらも、本発明に包含され、表示範囲において具体的に除外される任意の限界に従う。表示範囲が、上下限の一方又は両方を含む場合、含まれる上下限のいずれか両方を除外した範囲も本発明に包含される。

0040

以下の説明では、本発明のより全体的理解を促すために、多くの詳細事項が記載されている。しかし、当業者であれば、本発明が、これらの詳細事項の1つ又は複数なしでも実施できることは明らかであろう。別の例では、公知の特徴及び当業者には周知の手順は、本発明を不明瞭にすることを避けるため、記載されていない。

0041

本発明の方法
本発明は、治療用インターロイキン−10(IL−10)発現構築物を発現するベクターを、対象に(典型的には関節内注射により注射して)投与することにより、関節の炎症性疾患、関節の炎症性疾患に関連する症状を治療し、疾患の進行を遅らせる方法を提供する。一部の実施形態では、IL−10発現構築物を生分解性微小粒子中にカプセル化し、またこの実施形態の大部分の態様では、微小粒子を希釈剤に懸濁させて、治療組成物を形成する。これに代わり、好ましい実施形態では、治療用IL−10発現ベクターを、「ネイキッド」ベクターとして送達するが、ここで、ネイキッドIL−10発現ベクターの送達は、核酸取込み用アジュバントの投与と一緒に、又は該アジュバントの投与後に実施する。核酸取込み用アジュバントは、ネイキッドIL−10発現ベクターの投与と同時に、又はその投与の最大10日若しくはそれ以上前のいずれに投与してもよい。本発明の方法は、膝、肘、手首、足首、腰、肩、又は脊椎における関節炎を治療するために用いることができる。本発明の方法により治療が可能な状態としては、関節リウマチ及び骨関節炎、並びに腱炎、滑液包炎、靭帯の炎症、滑膜炎、痛風、及び全身性エリテマトーデスが挙げられる。

0042

従って、本発明は、概して、関節の炎症性疾患、並びに関節の炎症性疾患に関連する症状又は生理学的損傷を治療する方法を提供する。本発明はまた、治療用IL−10発現構築物と一緒に(「カクテル」として)用いることができる薬剤、小分子及び/又は生物製剤をみいだすなどの関節の炎症性疾患の研究への本発明の方法の使用も提供する。本発明の方法は、細菌骨格又はウイルス骨格及び少なくとも1つのIL−10コード配列を含むIL−10発現構築物を対象に(好ましくは関節内への注射により)投与するステップを含む。一部の実施形態では、IL−10発現構築物は、任意選択で、生分解性微小粒子中にカプセル化する。抗炎症組成物は、一般に、関節への送達のために希釈剤に懸濁させる。IL−10発現構築物は、少なくとも1つの核ターゲティング配列を含んでもよく、ここで、少なくとも1つの核ターゲティング配列は、IL−10コード配列の5’側、3’側又は両側にある。

0043

本発明の抗炎症組成物は、少なくとも1つのIL−10コード配列を発現することができる「ネイキッド」細菌ベクター又はウイルスベクターから構成されてもよいし、あるいは、抗炎症組成物は、微小粒子又は他の送達デバイス中に包まれた細菌又はウイルスベクターから構成されてもよい。治療用IL−10発現構築物の投与は、アジュバントの投与と一緒に、又はアジュバントの投与後に行ってもよく、ネイキッドIL−10発現構築物の送達の場合には、核酸取込みアジュバントは、ネイキッドIL−10発現構築物の投与と同時に、又は最大10日若しくはそれ以上前に投与してよい。

0044

本発明の方法の一部の実施形態で用いられるIL−10発現構築物は、細菌骨格(プラスミドDNA若しくはpDNA)又はウイルス骨格、少なくとも1つのIL−10コード配列、該少なくとも1つのIL−10コード配列の5’側(上流)、3’側(下流)又は両側にある少なくとも1つの核ターゲティング配列、並びに1つ又は複数のDNA制御配列を含む。任意選択で、pDNAはまた、1つ又は複数の別の抗炎症性サイトカインコード配列、及び/又はpDNAの増幅中に形質転換細胞の選択を可能にするマーカ配列を含んでもよい。細菌骨格は、当業者には周知の任意の細菌骨格であってよい。典型的に、選択される骨格は、例えば、クローニングしやすくするための適切な制限部位を含有するか若しくは欠いたもの、容易に生成及び単離することができるもの、免疫原性ではないものなどである。例えば、大腸菌(E.coli)由来の細菌骨格は、本発明において有用である。

0045

プラスミドDNAは、少なくとも1つのIL−10コード配列を含む。IL−10コード配列は、野生型IL−10をコードし得るか、又はIL−10は、突然変異型IL−10であってもよい。興味深い1つの突然変異型IL−10は、野生型IL−10と比較して、IL−10タンパク質の「ヒンジ」領域にアミノ酸置換、付加若しくは欠失をもたらす1つ又は複数の突然変異を含む。ヒトIL−10タンパク質は、ホモ二量体であり、各モノマーは、6つのαへリックスA→Fを含み、その長さは、それぞれ、21、8、19、20、12及び23アミノ酸である。1単量体のへリックスA→Fは、第2単量体のへリックスE及びFと非共有結合的相互作用して、非共有結合V型ホモ二量体を形成する。本発明に従い、突然変異のためにターゲティングされる「ヒンジ」領域は、野生型IL−10のほぼアミノ酸X位からY位で、1つ又は両方の単量体上のD及びEαへリックス同士の間にアミノ酸を含む。例えば、野生型配列の129位のフェニルアラニンが、セリン残基で置換された突然変異型ラット及びヒトIL−10タンパク質が記載されている。(例えば、ソマー(Sommer)ら著、国際公開第2006/130580号、及びミリガン(Milligan)ら著、疼痛(Pain)、第126巻、p.294〜308(2006年)を参照のこと)。こうして得られた突然変異型IL−10は、IL−10F129Sと呼ばれる。アミノ酸129位の野生型フェニルアラニンの他の置換は、例えば、トレオニン、アラニン、又はシステインであってもよい。このように、さらに別の実施形態における本発明は、IL−10タンパク質のヒンジ領域内でのアミノ酸129位又は他のアミノ酸で1つ又は複数の置換、又はそれらの機能的同等物を含む。

0046

本発明で有用な別の抗炎症性サイトカインとして、限定はしないが、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−13(IL−13)、α−MSH、トランスフォーミング増殖因子−β1(TGFβ1)などが挙げられる。

0047

本発明の核ターゲティング配列は、少なくとも1つのIL−10コード配列及び任意選択の別の抗炎症性サイトカインコード配列によってコード化されるタンパク質の発現を促進する配列である。例えば、一態様では、核ターゲティング配列は、核輸送シャペロンタンパク質に結合して、細胞核によるプラスミドDNAの取込みを促進する。こうした配列として、限定はしないが、転移因子などの散在(若しくは分散)DNA反復又は反復配列SV40のようなレトロウイルスゲノム上の長い末端反復LTR)などのフランキング若しくは末端反復タンデム反復、並びにアデノ関連ウイルス(Adeno−Associated Virus)及びアデノウイルス(Adenovirus)などのウイルスゲノムの逆方向末端反復(ITR)が挙げられる。他の態様では、核ターゲティング配列は、核内への移入のために転写因子に結合するように作用する配列、例えば、エンハンサー配列である。

0048

細菌骨格、少なくとも1つのIL−10コード配列、及び任意選択の1つ又は複数の別の抗炎症性サイトカインコード配列、並びに任意選択での1つ又は複数の核ターゲティング配列に加えて、本発明のプラスミドDNAは、1つ又は複数のDNA制御配列、例えば、プロモータ配列、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流調節ドメイン、複製起点、内部リボソーム進入部位などを含み、これらは、集合的に、レシピエント細胞における抗炎症性サイトカインコード配列の複製、転写及び翻訳を可能にする。抗炎症性サイトカインコード配列を、適切な宿主細胞に複製、転写及び翻訳することができる限り、これらの配列全部が常に存在する必要はない。本発明で有用なプロモータ配列として、限定はしないが、ニワトリ若しくはヒトβアクチンプロモータ、サイトメガロウイルス最初期プロモータ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GADPH)プロモータ、伸長因子1α(eF1α)プロモータ、GFAPプロモータ、マウス白血病ウイルス(MLV)プロモータ、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(TK)プロモータ、及びウッドチャックB型肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)プロモータが挙げられ;本発明で有用な上流調節ドメインとして、限定はしないが、サイトメガロウイルス最初期プロモータエンハンサー、マウス乳癌ウイルス(MMTV)エンハンサー及びシミアンウイルス40(SV40)エンハンサーが挙げられ;本発明において興味深いポリアデニル化シグナルとして、限定はしないが、SV40ポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル、及び合成ポリアデニル化シグナルが挙げられる。任意選択で、本発明のプラスミドDNAは、選択マーカ遺伝子、例えば、抗生物質耐性をコードするものなども含む。本発明で有用なマーカ遺伝子として、限定はしないが、ネオマイシン、ヒグロマイシン−B、アムピシリン、カノマイシン、又はプロマイシンが挙げられる。

0049

例えば、以下:2つのAAV ITRによってフランキングされるラットIL−10配列、サイトメガロウイルス最初期プロモータエンハンサー、ニワトリβアクチンプロモータ、ポリアデニル化シグナル、及びネオマイシン耐性マーカを駆動する単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモータを含むプラスミドを、本発明の有用性を証明する一部の実験に用いた。他の実験では、以下:2つのAAV ITRによってフランキングされるヒトIL−10配列、サイトメガロウイルス最初期プロモータエンハンサー、サイトメガロウイルス最初期プロモータ、ポリアデニル化シグナル、及びアンピシリン耐性マーカを含むプラスミドを用いた。これらのプラスミドの詳細は、ミリガン(Milligan)ら著、疼痛(Pain)、第126巻、p.294〜308(2006年)に開示されている。

0050

あるいは、ベクターは、ウイルスベクターであってもよい。一般に、遺伝子療法で用いられるウイルス系の最もよく用いられる5つのクラスは、それらのゲノムが、宿主細胞クロマチンに組み込まれる(オンコレトロウイルス及びレンチウイルス)か、又は大部分が染色体外エピソームとして細胞核内存続する(アデノ関連ウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、及び組込み欠損レンチウイルス)かに応じて、2つの群に分類することができる。例えば、本発明の一実施形態では、パルボウイルス(Parvoviridae)科からのウイルスを使用する。パルボウイルス(Parvoviridae)科は、長さ約5000ヌクレオチドのゲノムを有する小さな一本鎖の非エンベロープDNAウイルスの科である。この科のメンバーには、アデノ関連ウイルス(AAV)、すなわち、定義により、生産的感染サイクルを開始し、維持するために、別のウイルス(典型的に、アデノウイルス若しくはヘルペスウイルス)との共感染を要する依存性パルボウイルスが含まれる。こうしたヘルパーウイルスの非存在下でも、AAVは、受容体媒介結合及び内在化により標的細胞に感染又は形質導入して、非分裂及び分裂細胞の両方に核を挿入する能力を依然として有する。

0051

本発明のIL−10発現構築物と共に有用な別のウイルス送達系は、レトロウイルス(Retroviridae)科からのウイルスに基づく系である。レトロウイルスは、2つのユニークな特徴によって特徴付けられる一本鎖RNA動物ウイルスを含む。第1に、レトロウイルスのゲノムは、RNAの2つのコピーからなる二倍体である。第2に、このRNAは、ビリオン関連酵素逆転写酵素により、二本鎖DNAに転写される。次に、この二本鎖DNA又はプロウイルスは、宿主ゲノムに組み込まれて、宿主ゲノムの安定に組み込まれた成分として親細胞から子孫細胞継代され得る。

0052

一部の実施形態では、レンチウイルスが、本発明に使用するレトロウイルス科の好ましいメンバーである。レンチウイルスベクターは、水疱性口炎ウイルス(vesicular stomatitis virus)糖タンパク質(VSV−G)を用いて擬似型化(pseudotyped)されることが多く、これらは、ヒト後天性免疫不全症候群AIDS)の病原体であるヒト免疫不全ウイルスHIV);ヒツジにおいて脳炎ビスナ)又は肺炎を引き起こすビサン−マエディ(visan−maedi);ウマにおいて自己免疫性溶血性貧血及び脳障害を引き起こすウマ伝染性貧血ウイルスEIAV);ネコにおいて免疫不全を引き起こすネコ免疫不全ウイルス(FIV);畜牛においてリンパ腺症及びリンパ球増加症を引き起こすウシ免疫不全ウイルス(BIV);並びに非ヒト霊長類において免疫不全及び脳障害を引き起こすサル免疫不全ウイルス(SIV)に由来している。HIVに基づくベクターは、一般に、<5%の親ゲノムを保持し、<25%のゲノムをパッケージング構築物に組み込むことにより、復帰した複製能力を有するHIVの生成の可能性を最小限にする。下流の長い末端反復配列中に調節エレメントの欠失を含み、ベクター動態化に必要なパッケージングシグナルの転写を排除する自己不活化ベクターの開発により、生物安全性がさらに高められている。レンチウイルスベクターの使用に関する主な利点は、遺伝子導入が、ウイルスベクターの組込みによって、大部分の組織又は細胞型において持続的であることである。しかし、インテグラーゼを欠損したレンチウイルスも使用することができる。

0053

アデノウイルス(Ad)は、比較的よく特性決定された均質なウイルス群であり、50を超える血清型を含む。例えば、国際PCT出願国際公開第95/27071号を参照されたい。アデノウイルスは、ヌクレオキャプシド及び二本鎖線状DNAゲノムから構成される、中サイズ(90〜100nm)の非エンベロープ(外側脂質二重層なし)正20面体ウイルスである。ヒトの場合、57の血清型が記載されており、これらは、小児において50〜10%の上気道感染、また成人においても多くの感染の原因となる。これらは、ボルチモ分類スキーム(Baltimore classification scheme)に従って、I群として分類されるが、これは、そのゲノムが、二本鎖DNAからなり、最も大型の非エンベロープウイルスであることを意味する。その大きなサイズのために、これらは、エンドソームを通して輸送することができる(すなわち、エンベロープ融合は必要ない)。ビリオンはまた、キャプシドの各ペントンベースを伴うユニークな「スパイク」又は繊維を有し、これは、宿主細胞の表面上のコクサッキー−アデノウイルス受容体を介して宿主細胞への結合を助ける。

0054

アデノウイルスゲノムは、直線状の非セグメント化二本鎖(ds)DNAであり、26〜45kbで、ウイルスが、理論上、22〜40個の遺伝子を有することを可能にする。これは、そのボルチモア(Baltimore)群に属する他のウイルスよりも有意に大きいが、やはり非常に単純なウイルスであり、生存及び複製のために宿主細胞に大きく依存している。一旦ウイルスが宿主細胞内に侵入することに成功すると、エンドソームは酸性化し、これは、キャプシド成分を解離させることによって、ウイルストポロジーを改変する。細胞微小管の助けを借りて、ウイルスは、核孔複合体に輸送され、そこで、アデノウイルス粒子は分解する。続いて、ウイルスDNAが放出され、これは、核孔から核へと侵入することができる。その後、DNAは、ヒストン分子と結合する。こうして、ウイルス遺伝子発現が起こり、新しいウイルス粒子が生成され得る。

0055

ほとんどのレンチウイルスベクター(すなわち、組み込みが可能、例えば、インテグラーゼ欠損ではない)とは異なり、アデノウイルスDNAは、ゲノム内に組み込まれず、細胞分裂中に複製されない。アデノウイルスの主な用途は、遺伝子療法及びワクチン接種にある。また、組換えアデノウイルス由来のベクター、特に野生型ウイルスの組換え及び産生の能力を低下させるベクターも構築されている。国際PCT出願国際公開第95/00655号及び同第95/11984号を参照されたい。

0056

当業者には公知の他のウイルス又は非ウイルス系を用いて、本発明のIL−10発現構築物を関節に送達することができ、このような系として、限定はしないが、宿主細胞中への組込みによりin vivoでウイルスコードトランスジーンを安定に維持する遺伝子欠失アデノウイルス−トランスポゾンベクター(ヤント(Yant)ら著、ネイチャーバイオテクノロジー(Nature Biotech.)、第20巻、p.999〜1004(2002年)を参照);シンドビス(Sindbis)ウイルス若しくはセムリキ森林熱(Semliki forest)ウイルスに由来する系(ペリ(Perri)ら著、ジャーナル・オブ・ビロロジー(J.Virol.)、第74巻、第20号、p.9802〜07(2002年)を参照);ニューカッスル(Newcastle)病ウイルス若しくはセンダイ(Sendai)ウイルスに由来する系;又は細菌性DNA配列欠くミニサークルDNAベクターチェン(Chen)ら著、分子療法(Molecular Therapy)、第8巻、第3号、p.495〜500(2003年)を参照)などが挙げられる。米国特許出願公開第2004/0214329号明細書に記載のミニサークルDNAは、高レベルの核酸転写を持続的に提供するベクターを開示する。

0057

当分野で公知の技術により、IL−10発現構築物を構築、増幅及び単離したら、一部の実施形態では、IL−10発現構築物を微小粒子中に任意選択でカプセル化する。IL−10発現構築物をカプセル化する技術は、用いられる微小粒子のタイプに応じて異なり、このような技術については後に詳しく説明する。本発明の微小粒子は、任意の生分解性ポリマーから構成されるものでよい。本発明の制御薬剤送達製剤において生分解性ポリマーとしての使用を成功させるために、材料は、化学的に不活性で、かつ溶出性不純物を含まないものでなければならない。理想的には、ポリマーは、適切な物理的構造も有し、望ましくない経年変化が最小で、しかも、容易に加工可能である。材料のいくつかは、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、及びポリ(メタクリル酸)を含む。本発明において特に有用な生分解性ポリマーとしては、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、及びポリオルトエステルが挙げられる。このような生分解性ポリマーは、広範囲にわたって特性決定されており、当分野で公知のように、要望される分解特性を発揮するように製剤化することができる(例えば、エドルンド(Edlund)及びアルバートソン(Albertsson)著、分解性脂肪族ポリエステル(Degradable Aliphatic polyesters)、p.67〜112(2002年)、バーマン(Barman)ら著、制御放出学誌(J.of Controlled Release)、第69巻、p.337〜344(2000年);コーヘン(Cohen)ら著、薬剤研究(Pharmaceutical Res.)、第8号、p.713〜720(1991年)を参照のこと)。

0058

本発明の一具体的実施形態では、ポリマーは、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)を含む。PLGAは、その生分解性及び生体適合性のために、FDA承認治療デバイス母材に用いられているコポリマー共重合体)である。PLGAは、2つの異なるモノマー(単量体)のランダム開環共重合である、グリコール酸乳酸環状二量体(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いて合成される。このポリマーの調製に用いられる一般的触媒は、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、スズ(II)アルコキシド、又はアルミニウムイソプロポキシドが挙げられる。重合の間、グリコール酸又は乳酸の連続的単量体単位が、エステル結合によりPLGAにおいて互いに連結され、このようにして、線状の脂肪族ポリマー生成物として得られる。

0059

重合に用いられるラクチドとグリコリドの比に応じて、異なる形態のPLGAを得ることができる:これらは、通常、用いられるモノマーの比に関して識別される(例えば、PLGA75:25は、その組成が、75%(モルパーセント)乳酸と25%(モルパーセント)グリコール酸であるコポリマーを示す)。PLGAは、水の存在下でのそのエステル結合の加水分解により分解する。PLGAの分解に必要な時間は、生成に用いられる単量体の比に関連し:グリコリド単位含有率が高いほど、分解に必要な時間は短くなることが示される。この法則例外は、50:50単量体比のコポリマーであり、これは、より高速の分解を呈示する(約2ヵ月)。さらに、エステル末端キャップされたポリマー(自由カルボン酸とは反対に)は、より長い分解半減期を示す。本発明で特に有用なものは、20%〜80%の乳酸と80%〜20%のグリコール酸の組成を有するPLGAである。本発明でより有用なものは、65%〜35%の乳酸と35%〜65%のグリコール酸の組成を有するPLGAである。本発明の一態様では、50%乳酸と50%グリコール酸の組成を有するPLGAが用いられる。

0060

さらに、IL−10発現構築物(pDNA)は、様々な放出プロフィールを有する微小粒子のバッチにカプセル化してもよく;例えば、送達しようとする10%のpDNAを、例えば、1日〜4週間の放出プロフィールを有する微小粒子中にカプセル化してもよく;送達しようとする30%のpDNAを、例えば、3週間〜6週間の放出プロフィールを有する微小粒子中にカプセル化してもよく;送達しようとする30%のpDNAを、例えば、6週間〜10週間の放出プロフィールを有する微小粒子中にカプセル化してもよく;送達しようとする30%のpDNAを、例えば、8週間〜12週間の放出プロフィールを有する微小粒子中にカプセル化してもよい。このような実施形態では、単一の種類の生分解性ポリマーを用いるが、これを異なる放出プロフィールを有する製剤に使用してもよく;あるいは、様々な放出特性を有する異なる生分解性ポリマーを用いてもよい。また別の実施形態では、微小粒子の製剤は、例えば、必要に応じて、関節の滑液からの治療組成物の移動を増強するか、又は遅らせるために、微小粒子の表面を変化させるように改変してもよい。

0061

微小粒子が得られたら、許容可能な希釈剤に懸濁させて、対象への投与のための治療組成物を形成する。同様に、本発明のIL−10発現構築物がカプセル化とは反対にネイキッドDNAとして送達する場合にも、対象への投与のために希釈剤を用いる。このような希釈剤(又は賦形剤)は、それ自体が、組成物を受ける個体に対して有害な抗体の産生を誘導せず、しかも、過度の毒性なしに投与することができる任意の薬剤を含む。薬学的に許容される希釈剤としては、ソルビトールミョウバンデキストラン硫酸塩、高分子ポリマーアニオン、各種TWEEN化合物のいずれか、水、食塩水、グリセロール若しくはエタノール、油及び水性エマルジョンなどの液体、又はフロイントアジュバントなどのアジュバントが挙げられ得る。薬学的に許容される塩も含有させることができ、このような塩として、例えば、塩酸塩臭化水素酸塩リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;及び酢酸塩プロピオン酸塩マロン酸塩安息香酸塩などの有機酸の塩がある。さらに、補助物質、例えば、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝物質などがこのようなビヒクル中に存在してもよい。本発明の一態様では、関節内の標的部位から移動するその能力に応じて、様々な希釈剤を使用する。例えば、成人のヒトへの送達のためには、関節からの治療組成物のより迅速な広がりを促進する希釈剤が好ましいと考えられ;反対に、関節の大きさがそれほど重要ではない小児又は小動物の場合、治療組成物が急速に分散しない希釈剤を使用することができる。薬学的に許容される希釈剤/賦形剤の網羅的な記述は、レミントン:薬学の科学と実践(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)、第21版、リッピンコットウィリアムズ(Lippincott Williams)及びウィルキンズ(Wilkins)(2005年)において入手可能である。好ましい希釈剤として、限定はしないが、フィジオゾール(登録商標)(Physiosol(登録商標))、人工滑液、防腐剤無添加0.9%NaCl、乳酸加リンガー注射液、及びエリオットB(登録商標)溶液(Elliotts B(登録商標) Solution)が挙げられる。

0062

本発明の方法で用いる組成物の合成及び投与は、一連のステップを含む。最初に、前述した様々な成分を含むプラスミドを構築する。次に、プラスミドDNA(pDNA)を増幅し、当分野で公知の技術により単離する。pDNAを単離したら、ポリマーと組み合わせて、pDNA含有微小粒子を形成し得る。微小粒子形成の方法は、用いるポリマーに応じて異なるが、典型的には、二相エマルジョン法を使用する。まず、ポリマーを有機溶媒中に溶解させる。次に、pDNAを水溶液中に懸濁させた後、ポリマー溶液に添加する。続いて、2つの溶液を混合して、第1エマルジョンを形成する。溶液は、ボルテックス若しくは振盪、又は乱流を生成する粒状媒体への通過によって混合するか、あるいは、混合物を音波処理することができる。最も好ましいのは、適切なエマルジョンの形成を可能にすると同時に、核酸が受ける、切れ目せん断、又は分解といった形態の損傷を最少量にする任意の方法である。この工程で、ポリマーは、微小粒子に形成され、その多くはpDNAを含有する。必要に応じて、例えば、ゲル電気泳動により完全性を評価するために、この時点で少量の核酸を単離することができる。

0063

次に、第1エマルジョンを有機溶液に添加する。溶液は、例えば、塩化メチレン酢酸エチル、又はアセトンから構成することができ、典型的には、ポリビニルアルコールPVA)を含有し、多くの場合、約1:100比のPVAの重量:溶液の体積を有する。第1エマルジョンは、一般に、ホモジナイザー又は超音波破砕機中で攪拌しながら、有機溶液に添加する。この工程で、第2エマルジョンが形成され、その後これを攪拌しながら(例えば、ホモジナイザー中で)、別の有機溶液に添加する。本方法の一態様では、後者の溶液は、0.05%w/vPVAである。得られた微小粒子を水で数回洗浄して、有機化合物を除去する。本発明の一部の態様では、得られた微小粒子の約40%超が、pDNAを含有する。また別の態様では、得られた微小粒子の約50%超、本発明のさらに別の態様では、得られた微小粒子の約55%超が、pDNAを含有する。

0064

粒径の異なる微小粒子を内在化する能力は、細胞型によって異なる。本発明のいくつかの実施形態では、マクロファージ及び抗原提示細胞をターゲティングした。このような細胞は、約5μ未満の微小粒子をより効率的に内在化する(シャウェー(Shakweh)ら著、薬学及び生物薬学の欧州学会誌(Eur J of Pharmaceutics and Biopharmaceutics)、第61巻、第1〜2号、p.1〜13(2005年)を参照のこと)。従って、必要に応じて、粒子分粒篩にかけて、要望される粒度より大きい粒子を選択的に除去することもできる。本発明の一具体的態様では、5μ未満の微小粒子を治療組成物に用い、本発明の別の具体的態様では、3μ未満の微小粒子を治療組成物に用いる。洗浄後、粒子を直ちに使用してもよいし、又は保存のために凍結乾燥してもよい。本明細書に記載する方法により調製される微小粒子の粒度分布は、例えば、コールター(商標)カウンター(Coulter(商標) counter)又はレーザ回析により決定することができる。あるいは、粒子の平均粒度は、サイジングスライド又は接眼レンズを備えた顕微鏡下での視覚化により決定することもできる。あるいはまた、走査型電子顕微鏡を用いて、粒度及び微小粒子形態の両方を評価することもできる。

0065

IL−10発現構築物含有微小粒子が得られたら、これらの微小粒子を直ちに希釈剤に懸濁させるか、又は保存のために凍結乾燥することができる。微小粒子と希釈剤の組合せによって、関節への注射により対象動物に投与され得る治療微小粒子組成物が形成される。組換えベクターは、関節炎を治療するために、in vivo又はin vitro(ex vivoとも呼ばれる)のいずれかで導入することができる。in vitroで形質導入する場合には、所望のレシピエント細胞又は滑液が対象から採取され、pDNA含有微小粒子で処置されて、対象に再導入される。あるいは、同系細胞又は異種細胞が対象において不適切免疫応答を概して生成しない場合、送達のためにこれらの細胞を形質転換することができる。in vivoで投与する場合、組換えベクター、又はin vitroにてベクターで形質転換された細胞を関節への注射により直接送達する。

0066

本発明のIL−10発現構築物は、別の実施形態では、ネイキッドDNAとして投与される。このような実施形態では、例えば、適正製造基準(good manufacturing practices)を用いて、IL−10発現構築物を増幅する。GMPは、米国において、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration(FDA))により、1938年食品医薬品・化粧品法(Food,Drug,and Cosmetic Act)の第501(B)項(21USCS§351)の下で施行されている。

0067

本発明に適したアジュバントは、本発明のIL−10発現構築物の取込みを高めるアジュバントを含む;すなわち、本発明に適したアジュバントは、陰荷電膜を有する細胞に陰荷電DNAを導入する課題を解消又は回避する任意の生体適合性薬剤を含む。このようなアジュバントとしては、マンノース、グルコース及びスクロースなどの糖;リン酸カルシウム;デンドリマー(繰り返し分岐した分子);カチオン系リポソームなどのリポソーム(脂質二重層を含む球状の小胞);DEAE−デキストランポリエチレンイミンなどのDEAE−デキストラン;オリゴデオキシヌクレオチド;及び高分子量ヒアルロン酸(>1MDa)、アニオン系非硫酸化グリコサミノグリカンが挙げられる。

0068

特に有用な1つのアジュバントは、D−マンノースである。D−マンノースは、分子量180.2の単純な六単糖であり、創傷治癒中の炎症プロセスを低減し(コッシ J(Kossi J)ら著、欧州外科研究(Eur Surg Res)、第31巻、第1号、p.74〜82(1999年)、炎症の際に必要な酸化バースト(oxidative burst)を軽減し(レストRF(Rest RF)ら著、血液病理学誌(J Leukoc Biol)、第43巻、第2号、p.158〜164(1988年))、ラットモデルにおけるアジュバント誘導性関節炎を抑制し(ウィレンボーグDO(Willenborg DO)ら著、免疫学及び細胞生物学(Immunol Cell Biol)、第70巻、第6部、p.369〜377(1996年))、LPS誘導性IL−1β、TNF−αを阻害し、炎症誘発性サイトカイン発現に極めて重要なNF−kB/p65を低減すると共に、LPSの気管内点滴後の白血球流入(敗血症関連急性傷害及び呼吸困難症候群のモデルである)を低減する(シューXL(Xu XL)ら著、炎症研究(Inflamm Res)、第57巻、第3号、p.104−110(2008年);シュー X(Xu X)ら著、欧州薬理学誌(Eur J Pharmacol)、第641巻、第2〜3号、p.229〜237 2010年))ことがわかっている。MRは、マンノシル化リガンド(例えば、リソソームヒドロラーゼ)を認識することにより、先天性免疫宿主防御関与する膜貫通糖タンパク質パターン認識であり、これは、マンノシル化分子を発現する多様な細菌、酵母及び寄生体を含み得る(例えば、エンゲリングAJ(Engering AJ)ら著、実験医学及び生物学における進歩(Adv Exp Med Biol)、第417巻、p.183〜187(1997年);リネハン SA(Linehan SA)ら著、実験医学及び生物学における進歩(Adv Exp
Med Biol)、第479巻、p.1〜14(2000年);ストールPD(Stahl PD)ら著、免疫学総説(Curr Opin Immunol)、第10巻、第1号、p.50〜55(1998年)を参照のこと)。

0069

本発明の治療組成物は、対象における免疫応答又は用量寛容性を有意には誘導しないため、治療効果の必要に応じて投与することができる。すなわち、治療用抗炎症組成物は、短期療法では、治療効果の必要に応じ約40〜120日毎に(又は必要に応じて)送達することができる。しかし、より長期の療法が要望される場合には、1年を超える期間;必要であれば、対象の生涯にわたって、治療組成物を治療効果の必要に応じ約40〜120日毎(又はその前後)に送達することができる。投与頻度は、投与量、使用するアジュバント及び対象の健康状態に応じて変動する。

0070

本発明の方法に用いる治療組成物の投与量範囲は、対象の種、年齢、及び全身状態、治療対象の状態の重症度、関節部位、及び送達しようとする具体的IL−10発現構築物、IL−10発現構築物がカプセル化されているか否か、投与方法などに応じて、対象毎に異なる。投与量範囲は、関節当たり約1〜1000μgのベクターDNA、約5〜750μgのベクターDNA、約10〜600μgのベクターDNA、20〜500μgのベクターDNA、25〜250μgのベクターDNA、又は50〜100μgのベクターDNAの治療に有効な量を含む。

0071

本発明の方法に用いるIL−10発現構築物、又はIL−10発現構築物を含有する微小粒子は、関節炎の治療に有用な他の治療薬との「カクテル」として共投与してもよく、このような薬剤として、グルココルチコイドメトトレキセートヒドロキシクロルキンスルファサラジンレフノミド;エタネルセプトインフリキシマブ及びアダリムマブなどの抗TNF剤;アバタセプト;ヒアルロン酸、特に高分子量ヒアルロン酸(>1MDa)、例えば、関節当たり1〜5mL、従って、5mg〜125mgの例えば、0.5〜2.5%(5〜25mg/mL)の用量のヒアルガン(Hyalgan)、オルトビスク(Orthovisc)、又はシンビスク(Synvisc)など;並びに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。さらに、本発明の方法に用いるIL−10発現構築物又はIL−10発現構築物を含有する微小粒子は、細胞、例えば、間葉系幹細胞又は他の幹細胞(IL−10発現構築物を発現するように遺伝子改変された幹細胞を含む)と一緒に共投与してもよい。一般に、当分野で公知の任意の方法を用いて、ヒトにおける治療の成功をモニターすることができ、これは、臨床指標及び表現型指標の両方を含む。

0072

本発明のさらに別の目的、利点、及び新規の特徴は、限定を意図するものではない以下の実施例を考察することにより、当業者には明らかになるであろう。実施例において、法定の実施化がされた手順は現在形で記載し、実験室で実施された手順は過去形で記載する。

0073

(実施例)
以下の実施例は、本発明をどのように実現及び使用するかについて完全な開示及び説明を当業者に提供するために記載するものであり、本発明者らがその発明として考える範囲を制限する意図はなく、また、以下に示す実験が、実施された全て又は唯一の実験であることを表現又は意味することも意図されない。当業者であれば、具体的な実施形態に示すように、広範に記載する本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、本発明に様々な変更及び/又は修正を加えられ得ることは理解されよう。従って、本実施形態は、あらゆる点で、例示的であり、限定的ではないものと考慮すべきである。

0074

用いられる数値(例えば、量、温度など)に関して、正確度を確実にするように努めたが、幾分かの実験誤差及び偏差は計算に入れるべきである。別に記載のない限り、部は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏温度であり、圧力は、大気圧又はほぼ大気圧である。

0075

pDNAの増幅及び精製
ラットインターロイキン−10をコードするプラスミド構築物(pDNA−IL−10F129S)は、既に、ミリガン(Milligan)ら著、疼痛(Pain)、第126巻、第1〜3号、p.294〜308(2006年)に詳しく記載されている。手短には、プラスミドは、点突然変異(F129S)及びウイルスSV40ポリアデニル化シグナルを含むラットIL−10遺伝子の発現を駆動するサイトメガロウイルスエンハンサー/ニワトリβ−アクチンプロモータ(CMV enh/CB pro)から構成される転写カセットを含む5.9キロベース(Kb)の環状プラスミドDNAからなる。転写カセットは、149bp逆方向末端反復配列によってフランキングされている。IL−10を欠いた同一のプラスミドをpDNA対照として用いた。いずれのプラスミドも、SURE 2スーパーコンピテント(Supercompetent)大腸菌(E.coli)細胞(アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)、米国(USA))において増幅し、製造者の指示に従い、無内毒素ギガ(Giga)プラスミド精製キットキアゲン(Qiagen)、バレンシア(Valencia)、カリフォルニア州(CA)、米国(USA))を用いて単離した。精製済の無内毒素プラスミドを、3%スクロースを含む滅菌ダルベッコPBS(Dulbecco’s PBS)(DBPS、1、0.1ミクロン孔径でろ過済、pH7.2、カタログ#14190〜144、ギブコ(Gibco)、インビトロジェン社(Invitrogen Corp)、グランドアイランド(Grand Island)、ニューヨーク州(NY)、米国(USA))(DPBS−3%)中に再懸濁させた。DPBS−3%のビヒクルは、DPBS中の分子生物学グレードD(+)−スクロース(b−D−フルクトフラノシル−a−D−グルコピラノシドシグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich)、セントルイス(St.Louis)、ミズーリ州(MO)、米国(USA))を用いて調製し、0.2um滅菌ろ過パイロジェンフリーシリンジフィルタユニット、カタログ#25AS020AS、ライフ・サイエンスプロダクツ社(Life Science Products,Inc.,CO)、米国(USA))した後、使用時まで、4℃で15ml円錐チューブ中に滅菌状態で保存した。

0076

微小粒子調製及び特性決定
微小粒子は、改変型二相エマルジョン/溶媒蒸発プロトコル(A.M.ティスレイブラウン(A.M.Tinsley−Brown)ら著、制御放出学会誌(J.of Controlled Release)、第66巻、第2〜3号、p.229〜41(2006年))を用いて調製した。手短には、50:50PLGAコポリマー(MW75,000、ラクテ吸収性ポリマー(Lactel Absorbable Polymers))を酢酸エチル(シグマ(Sigma))中に溶解させた。ビヒクル単独(リン酸緩衝食塩水(PBS)+3%(w/v)スクロース(シグマ(Sigma)))又はビヒクル中のpDNAをPLGA溶液中に乳濁させた後、5%(w/v)ポリビニルアルコール、28%塩化カルシウム、3%スクロース(シグマ(Sigma))及び7%(v/v)酢酸エチル溶液中に再度乳濁させた。洗浄液中での4時間の硬化後、得られた微小粒子を回収し、凍結乾燥した後、4℃で保存した。走査型電子顕微鏡検査(SEM)を用いて、微小粒子の形態を調べた。NIHイメージJ(NIH ImageJ)ソフトウェアにより、10の異なる画像中に存在する粒径>1000の微小粒子が測定され、ビン化粒径を用いて、正規化度数分布を作成した。ナイコンプ380ZLSゼータ電位計(Nicomp 380 ZLS Zeta Potential Analyzer)により微小粒子のゼータ電位を測定した後、阻害の対照として階段希釈物を用い、LALアッセイにより、得られた微小粒子の内毒素レベル試験した。使用した微小粒子は、SEMの下で球状の滑らかな形態を示し、ゼータ電位は、−28.04±2.12mVであった。微小粒子は、全体中央粒径が4.67±0.26μmの不均質な粒度分布を示したが、これは、類似する微粒子製造方法と一致しており、粒子のpDNAカプセル化効率は、55.1%であった。

0077

水酸化ナトリウム溶解により微小粒子からpDNAを抽出し、260nmでの吸光度を測定した後、得られた値を既知濃度のDNA標準と比較することによって、全pDNAカプセル化を評価した。最終的pDNAローディングは、PLGA−pDNA−IL−10微小粒子の場合、8.78±0.65μgのpDNA/mgPLGAであった。クロロホルム中に微小粒子を溶解させて、pDNAを水性バッファー中に泳動させることにより、pDNAの水性抽出を実施した。続いて、抽出したpDNAを、エタノールを用いた沈殿により濃縮してから、PBS+3%スクロースビヒクル中に再懸濁させた。2μgの全pDNAを、臭化エチジウム含有の1.0%アガロースゲルのウェルにロードし、ゲルを75Vで2時間にわたり泳動させ、305nmでのUV徹照によりゲルをイメージングすることによって、水性抽出pDNAの構造的完全性を非カプセル化pDNA(これも同様に水性抽出工程に付した)と比較した。製造者プロトコル(インビトロジェン(Invitrogen))に従い、ヒト胎児由来腎臓293細胞へのリポフェクタミン媒介トランスフェクションにより、水性抽出pDNAの生物活性を評価した後、水性抽出及び非カプセル化pDNAでのトランスフェクションから24時間後に回収した細胞培養上清中のIL−10タンパク質濃度ELISA(R&Dシステムズ(R&D Systems))により評価した。37℃での水浴中で、時間をかけてPBS中の微小粒子をインキュベートすることにより、in vitro放出プロファイリングを実施した後、上清中のpDNA含量ピコグリーン(PicoGreen)アッセイ(ミリガン(Milligan)ら著、ニューロングリア生物学(Neuron Glia Biology)、第2巻、第4号、p.293〜308(2006年))により定量した。

0078

非カプセル化pDNAと比較した微小粒子からの水性抽出pDNAのアガロースゲル電気泳動は、線状化pDNAのわずかな検出及び多量体DNA種の泳動の若干の変化がカプセル化後に観測されたものの、有意な量の緩和及びスーパーコイルpDNA構造の完全性がカプセル化後に保存されていたことを示した。リポフェクタミン媒介トランスフェクションから24時間後に、ヒト胎児由来腎臓293細胞の上清中に得られたIL−10タンパク質発現レベルを用量適合微小粒子抽出又は非カプセル化pDNAと比較することにより、微小粒子抽出pDNA−IL−10が、得られたIL−10の生成について96.8%の生物活性保持を示すことが判明した(データは示していない)。in vitro
pDNA放出分析により、pDNAの30%が3日後に放出され、75日を超える期間にわたって、安定した放出が達成されることが証明された。この2段階放出プロフィールは、エマルジョンベースPLGA微小粒子からの高分子放出の共通する特徴であり、初期pDNA放出の増強段階は、微小粒子の表面上又はその付近のpDNA含量の増加によるものであり、その後、微小粒子内部からのpDNAの持続的放出及び拡散が続く(イエオ(Yeo)著、内毒素研究のアーカイブ(Archive of Endotoxin
Res.)、第27巻、第1号、p.1〜12(2004年))。カプセル化pDNAを含む、又は含まない微小粒子からの内毒素レベルは、10mg/mlの微小粒子濃度(1mgの微小粒子/ウェル)以下で、LALアッセイの場合検出限界に満たなかった。

0079

D−マンノース
D−マンノースなどのアジュバントを使用する実施形態では、D−マンノース(カタログ#M6020)をシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)(セントルイス(St.Louis)、ミズーリ州(MO))からキャリアフリーで購入することができる。D−マンノースを滅菌食塩水中の0.1%BSAと合わせて、IL−10発現構築物と同時に、又はIL−10発現構築物の投与の1〜10日前のいずれかに関節内注射により投与する。D−マンノースは、典型的に、イヌにおいて関節当たり2.5μg〜500μgの用量で送達する。

0080

イヌにおける関節炎の治療のための投与
「ネイキッド」pDNAとしてのIL−10発現構築物(pDNA−IL−10F129S)は、一群のイヌの罹患関節に急性関節内注射によって投与した。静脈鎮静法及び麻酔モニタリングの下で、イヌ患者の罹患関節を、外科的に剃毛することにより、罹患関節を覆う全ての毛を除去し、クロルヘキシジン(Chlorahexidine)2%などの外科用スクラブを使用して殺菌した。患者の心拍数血圧酸素飽和度換気及び心リズムを連続的にモニターした。22又は20ゲージ皮下注射針滑膜腔に挿入した。針の適正な配置を確実にするために、pDNAの投与前に滑液を吸引した。関節内での針の配置は維持しながら、滑液吸引物を含有する注射器取り換えた。滑液を吸引したら、同じ関節内針を使用して、関節中に治療用抗炎症組成物を投与した。最大1mgのプラスミドDNA当量を注射したが、700μgという少量で有効であることが判明した。投与に際し、関節注射当たりの量が、1mlを超えた場合には、釣り合わせるために関節滑液を吸引した。関節腔内に治療用抗炎症組成物を首尾よく導入した後、患者を鎮静作用から逆転させ、臨床的にモニターした。処置中の血圧、心拍数、酸素投与、換気又は心リズムに対するあらゆる変化を適正な医療措置補正した。鎮静法の予想される作用には、徐脈低血圧低換気などがある。酸素療法は、酸素飽和レベル最大限にするために、処置全体を通じて継続した。以下に示す個々の患者に合わせた鎮静薬並びに単剤又は併用:
A:デクスメデトミジン0.5mg/m2、逆転(アチパマゾール0.05〜0.2mg/lb)
B:オピオイドブトルファノール(0.05〜0.1mg/lb)、
C:プロポフォール−i.v.で実施
D:ベンゾジアゼピンジアゼパム):0.1〜0.2mg/lb
対象は、当日(12時間未満)院内施設に残り、その後帰宅許可された。

0081

臨床評価は、飼い主のイヌ簡易疼痛調査票(Canine Brief Pain Inventory)挙動評価、疼痛及び運動性に関する獣医臨床視覚評価スケール(Visual Analog Scale)、斜角台検査、薬剤減少/依存性、並びにビデオ及び歩行モニタリングを含んだ。図1は、本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の臨床評価を表す棒グラフ形態の結果を示す。本発明のIL−10発現構築物の投与によって、歩行、小走り、触診、関節可動域及び機能的障害の全てにおいて、特に11週の時点で有意な機能改善及び疼痛軽減がもたらされたことに留意されたい。

0082

図2は、本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の飼い主評価を表す棒グラフ形態の結果を示す。ここでも、活動度、クオリティ・オブ・ライフ、立ち上がり、歩行、走り及び階段上りの全てのパラメータにおいて、1週間の時点でも有意な改善があったことに留意されたい。

0083

図3は、本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の臨床評価を表す棒グラフ形態の結果(プールされたデータ)を示す。臨床評価の結果は、特に疼痛において有意にプラスの結果を示している。

0084

図4は、本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された機能改善及び疼痛軽減の飼い主評価を表す棒グラフ形態の結果(プールされたデータ)を示す。これらの結果では、図2に示す結果と同様に、活動度、クオリティ・オブ・ライフ、立ち上がり、歩行、走り及び階段上りの全てのパラメータにおいて、1週間の時点でも、有意な改善があったことに留意されたい。

0085

図5は、本発明の治療用IL−10発現構築物の投与後に、イヌの前肢関節の骨関節炎の処置において達成された関節可動域の改善を表す結果(プールされたデータ)を示す。角度の変化が有意な改善を示すことに留意されたい。

0086

本発明の以上の記述を、例示及び説明を目的として提示してきた。以上の内容は、本明細書に開示される1つ又は複数の形態に本発明を限定することを意図するものではない。本発明の記載には、1つ又は複数の実施形態並びに特定の改変及び修正の記載が含まれているが、その他の改変及び修正も、例えば、本開示を理解した後、当業者の技能及び知識の範囲内であり得るように、本発明の範囲に含まれる。特許請求の範囲に記載されるものに対する代替的、置き換え可能な及び/又は同等の構造、機能、範囲若しくはステップなど、許容される程度まで代替的実施形態を含む権利を、こうした代替的、置き換え可能な及び/又は同等の構造、機能、範囲若しくはステップが、本明細書に開示されているかいないかにかかわらず、取得することが意図され、また、いずれの特許可能な対象も公用に提供しないものとする。

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