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技術 尿素サイクル障害及び神経変性障害におけるベンゾエート含有組成物の使用

出願人 ラッシュ・ユニバーシティ・メディカル・センター
発明者 パハン,カリパダ
出願日 2019年10月18日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2019-191224
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-037558
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 赤外線シグナル 合計距離 動作数 静止時間 リアクションプレート 立ち上がり行動 部分範囲 解除剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

尿素サイクル障害、並びにパーキンソン病アルツハイマー病、及び多発性硬化症のような神経変性障害の進行を阻害するために有用な方法の提供。

解決手段

グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者投与することを含む方法。好ましくは、50kgの患者に基づいた場合、1日1回、約3グラムから約10グラムまでの有効量を患者に投与することを含む方法。

概要

背景

2.関連技術の説明
ニッケイ色の樹皮であるシナモンは、デザートキャンディチョコレート等に一般的に用いられる香辛料及び調味料である。それにはまた、薬として用いられてきた長い歴史がある。中世の医師は、関節炎咳嗽嗄声咽頭炎等を含む種々の障害治療するために、薬にシナモンを用いた。シナモンは、マンガン食物繊維、鉄、及びカルシウムを含有することに加えて、3つの主要な化合物シンナムアルデヒドシンナミルアセテート及びシンナミルアルコールを含有する。摂取後、これらの3つの活性化合物は、酸化及び加水分解によって、それぞれケイ皮酸に変換される。次いで、ケイ皮酸は肝臓β酸化されてベンゾエートになる。このベンゾエートは、ナトリウム塩(安息香酸ナトリウム)又はベンゾイル-CoAとして存在する。

安息香酸ナトリウムは、その抗微生物性のために、広く用いられている食物防腐剤である。それは、尿素サイクル障害のような高アンモニア血症と関連した、肝代謝異常の治療に用いられる食品医薬品局(FDA)認可の薬物であるUcephan(商標)の成分として、医学的な重要性も持つ。本発明者は、雌のSJL/Jマウスにおいて再発寛解型EAE疾患過程を治療する際の、安息香酸ナトリウムの新規の使用を模索した(Brahmachari及びPahan、「Sodium benzoate, a food additive and a metabolite of cinnamon, modifies T cells at multiple steps and inhibits adoptive transfer of experimental allergic encephalomyelitis」、J. lmmunol.、2007、7月1日、179(1):275-83、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

本発明者は、安息香酸ナトリウムが、マウスにおいて多発性硬化症(MS)の疾患過程を抑制することも発見した。本発明者は、安息香酸ナトリウムが、パーキンソン病(PD)及びアルツハイマー病(AD)のような神経変性障害と関連がある有益な神経保護タンパク質であるDJ-1と呼ばれるタンパク質を、上方制御するということも発見した。(Khasnavis及びPahan「Sodium Benzoate, a Metabolite ofCinnamon and a Food Additive, Upregulates Neuroprotective Parkinson Disease Protein DJ-1 in Astrocytes and Neurons」、Journal of Neuroimmune Pharmacology、2012年6月、7巻、2号、424〜435頁、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

さらに、脳由来神経栄養因子(BDNF)及びニューロトロフィン-3(NT-3)のような神経栄養因子のレベルが、AD及びPDのような異なる神経変性障害の患者の脳で減少することがわかっている。近年では、本発明者は、安息香酸ナトリウムが脳細胞でBDNF及びNT-3の産生を増加させることを詳細に報告し、それが神経変性障害に有益であり得ることを示した、(Janaら、「Up-regulation of neurotrophic factors by cinnamon and its metabolite sodium benzoate: therapeutic implications for neurodegenerative disorders」、J. Neuroimmune Pharmacol.、2013年6月、8(3):739-55、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

しかし、安息香酸ナトリウムは速やかに代謝されて、体から排出される。したがって、血流から有毒アンモニアを、継続的に確実に除去するために、少なくとも尿素サイクル障害に関連して、安息香酸ナトリウムは、通常1日につき3〜4回投与される。

概要

尿素サイクル障害、並びにパーキンソン病、アルツハイマー病、及び多発性硬化症のような神経変性障害の進行を阻害するために有用な方法の提供。グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。好ましくは、50kgの患者に基づいた場合、1日1回、約3グラムから約10グラムまでの有効量を患者に投与することを含む方法。

目的

本発明は、医薬組成物の1日1回の投与だけを必要とする尿素サイクル障害及び神経変性障害のための新規治療を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

尿素サイクル障害の進行を阻害する方法であって、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者投与することを含む方法。

請求項2

医薬組成物が、1日1回患者に投与される、請求項1に記載の方法。

請求項3

有効量が、50kgの患者に基づいた場合、1日約3グラムから約10グラムまでである、請求項1に記載の方法。

請求項4

医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に製剤化される、請求項1に記載の方法。

請求項5

医薬組成物が、経口投与される、請求項1に記載の方法。

請求項6

尿素サイクル障害が、N-アセチルグルタミン酸シンターゼカルバモイルリン酸シンテターゼ1、オルニチントランスカルバモイラーゼアルギニノコハク酸シンターゼ、アルギニノコハク酸リアーゼアルギナーゼ1及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項7

神経変性障害の進行を阻害する方法であって、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。

請求項8

医薬組成物が、1日1回患者に投与される、請求項7に記載の方法。

請求項9

有効量が、50kgの患者に基づいた場合、1日約1グラムから約5グラムまでである、請求項7に記載の方法。

請求項10

有効量が、50kgの患者に基づいた場合、1日約1.25グラムである、請求項7に記載の方法。

請求項11

医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に製剤化される、請求項7に記載の方法。

請求項12

医薬組成物が、経口投与される、請求項7に記載の方法。

請求項13

神経変性障害が、多発性硬化症パーキンソン病アルツハイマー病うつ病ハンチントン病認知症記憶喪失障害及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。

請求項14

尿素サイクル障害の治療のための医薬製造用のグリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物の使用。

請求項15

グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に組成物中に製剤化される、請求項14に記載の使用。

請求項16

尿素サイクル障害が、N-アセチルグルタミン酸シンターゼ、カルバモイルリン酸シンテターゼ1、オルニチントランスカルバモイラーゼ、アルギニノコハク酸シンターゼ、アルギニノコハク酸リアーゼ、アルギナーゼ1及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の使用。

請求項17

神経変性障害の治療のための医薬製造用のグリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物の使用。

請求項18

グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に組成物中に製剤化される、請求項17に記載の使用。

請求項19

神経変性障害が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病、ハンチントン病、認知症、記憶喪失障害及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の使用。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は2014年1月17日に出願した米国仮特許出願第61/928,622号の利益を主張するものであり、その内容全体が本出願に組み入れられる。

0002

1.本発明の技術分野
本発明は、一般に疾患及び障害治療に有用な医薬組成物に関する。より具体的には、本発明は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む、尿素サイクル障害及び神経変性障害の治療のための医薬組成物に関する。

背景技術

0003

2.関連技術の説明
ニッケイ色の樹皮であるシナモンは、デザートキャンディチョコレート等に一般的に用いられる香辛料及び調味料である。それにはまた、薬として用いられてきた長い歴史がある。中世の医師は、関節炎咳嗽嗄声咽頭炎等を含む種々の障害を治療するために、薬にシナモンを用いた。シナモンは、マンガン食物繊維、鉄、及びカルシウムを含有することに加えて、3つの主要な化合物シンナムアルデヒドシンナミルアセテート及びシンナミルアルコールを含有する。摂取後、これらの3つの活性化合物は、酸化及び加水分解によって、それぞれケイ皮酸に変換される。次いで、ケイ皮酸は肝臓β酸化されてベンゾエートになる。このベンゾエートは、ナトリウム塩(安息香酸ナトリウム)又はベンゾイル-CoAとして存在する。

0004

安息香酸ナトリウムは、その抗微生物性のために、広く用いられている食物防腐剤である。それは、尿素サイクル障害のような高アンモニア血症と関連した、肝代謝異常の治療に用いられる食品医薬品局(FDA)認可の薬物であるUcephan(商標)の成分として、医学的な重要性も持つ。本発明者は、雌のSJL/Jマウスにおいて再発寛解型EAE疾患過程を治療する際の、安息香酸ナトリウムの新規の使用を模索した(Brahmachari及びPahan、「Sodium benzoate, a food additive and a metabolite of cinnamon, modifies T cells at multiple steps and inhibits adoptive transfer of experimental allergic encephalomyelitis」、J. lmmunol.、2007、7月1日、179(1):275-83、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

0005

本発明者は、安息香酸ナトリウムが、マウスにおいて多発性硬化症(MS)の疾患過程を抑制することも発見した。本発明者は、安息香酸ナトリウムが、パーキンソン病(PD)及びアルツハイマー病(AD)のような神経変性障害と関連がある有益な神経保護タンパク質であるDJ-1と呼ばれるタンパク質を、上方制御するということも発見した。(Khasnavis及びPahan「Sodium Benzoate, a Metabolite ofCinnamon and a Food Additive, Upregulates Neuroprotective Parkinson Disease Protein DJ-1 in Astrocytes and Neurons」、Journal of Neuroimmune Pharmacology、2012年6月、7巻、2号、424〜435頁、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

0006

さらに、脳由来神経栄養因子(BDNF)及びニューロトロフィン-3(NT-3)のような神経栄養因子のレベルが、AD及びPDのような異なる神経変性障害の患者の脳で減少することがわかっている。近年では、本発明者は、安息香酸ナトリウムが脳細胞でBDNF及びNT-3の産生を増加させることを詳細に報告し、それが神経変性障害に有益であり得ることを示した、(Janaら、「Up-regulation of neurotrophic factors by cinnamon and its metabolite sodium benzoate: therapeutic implications for neurodegenerative disorders」、J. Neuroimmune Pharmacol.、2013年6月、8(3):739-55、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。

0007

しかし、安息香酸ナトリウムは速やかに代謝されて、体から排出される。したがって、血流から有毒アンモニアを、継続的に確実に除去するために、少なくとも尿素サイクル障害に関連して、安息香酸ナトリウムは、通常1日につき3〜4回投与される。

先行技術

0008

J. lmmunol.、2007、7月1日、179(1):275-83
Journal of Neuroimmune Pharmacology、2012年6月、7巻、2号、424〜435頁
J. Neuroimmune Pharmacol.、2013年6月、8(3):739-55

課題を解決するための手段

0009

本発明は、尿素サイクル障害及び神経変性障害の治療のための組成物及び方法に関する。一態様では、尿素サイクル障害の進行を阻害する方法が開示される。この方法は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。

0010

別の態様では、神経変性障害の進行を阻害する方法が提供される。この方法は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。

0011

本発明は、医薬の製造にも関する。一態様では、本発明は、尿素サイクル障害の治療のための医薬製造用のグリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物の使用に関する。

0012

別の態様では、本発明は、神経変性障害の治療のための医薬製造用のグリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物の使用に関する。

0013

あとに続く詳細な説明がよりよく理解されるように、前述では、むしろ概括的に本発明の特徴及び技術的利点を概説した。本発明のさらなる特徴及び利点は、本出願の特許請求の範囲の主題を構成する以下に記載される。開示された概念及び特定の実施形態が、本発明の同一の目的を実行するための他の実施形態を修正する又は設計するための基準として容易に利用され得ることは、当業者によって理解されるべきである。このような同等の実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載したように、本発明の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者によって理解されなければならない。

図面の簡単な説明

0014

図1A〜1Cは、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)に関連して、グリセロールトリベンゾエートの阻害効果グラフ分析を表す図である。
図2は、GTB治療ドナーマウスからMBP初回抗原刺激を受けたT細胞を投与されたマウスは、未治療のドナーマウス又はビヒクル治療ドナーマウスからMBP初回抗原刺激を受けたT細胞を投与されたマウスと比較して、臨床症状及び疾患重症度がかなり減少したことを示すデータを表す図である。
図3A〜3Cは、試験マウスの脳及び脊髄赤外線走査を表す図である。図3Dは、図3A〜3Cに示されたデータのグラフ分析を表す図である。
図4Aは、EAEの脊髄で、単核細胞浸潤、炎症及び脱髄をGTBが阻害することを示す、イメージを表す図である。
図4B〜4Cは、EAEマウスの脊髄で、浸潤及びカフ付き血管の出現を、それぞれ、GTBが激減させたことを示す、グラフデータを表す図である。
図4B〜4Cは、EAEマウスの脊髄で、浸潤及びカフ付き血管の出現を、それぞれ、GTBが激減させたことを示す、グラフデータを表す図である。
図4D〜4Fは、対照のマウスと比較して、未治療のEAEマウスの脊髄で、iNOS及びIL-1βのような炎症誘発性分子が著しい発現を示すこと、その上GTB治療がEAEマウスの脊髄で、これらの炎症誘発性分子の発現を激減させたことを示す、データを表す図である。
図4D〜4Fは、対照のマウスと比較して、未治療のEAEマウスの脊髄で、iNOS及びIL-1βのような炎症誘発性分子が著しい発現を示すこと、その上GTB治療がEAEマウスの脊髄で、これらの炎症誘発性分子の発現を激減させたことを示す、データを表す図である。
図4D〜4Fは、対照のマウスと比較して、未治療のEAEマウスの脊髄で、iNOS及びIL-1βのような炎症誘発性分子が著しい発現を示すこと、その上GTB治療がEAEマウスの脊髄で、これらの炎症誘発性分子の発現を激減させたことを示す、データを表す図である。
図5A及び5Bは、脊髄の白質における広範囲にわたる脱髄帯、及びGTB治療がEAEマウスの脊髄のミエリンレベルを著しく回復させたことを示すデータを表す図である。
図5A及び5Bは、脊髄の白質における広範囲にわたる脱髄帯、及びGTB治療がEAEマウスの脊髄のミエリンレベルを著しく回復させたことを示すデータを表す図である。
図5C〜5Eは、3つのミエリン遺伝子、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)及びプロテオリピドタンパク質(PLP)の発現のモニタリングに関し、対照のマウスと比較して未治療のEAEマウスの脊髄で、これらの遺伝子のmRNA発現の著しい消失を示す図である。これらの図は、ビヒクルではなくGTBで治療したEAEマウスの脊髄で、ミエリン遺伝子mRNA発現の有意な回復も表す。
図5C〜5Eは、3つのミエリン遺伝子、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)及びプロテオリピドタンパク質(PLP)の発現のモニタリングに関し、対照のマウスと比較して未治療のEAEマウスの脊髄で、これらの遺伝子のmRNA発現の著しい消失を示す図である。これらの図は、ビヒクルではなくGTBで治療したEAEマウスの脊髄で、ミエリン遺伝子mRNA発現の有意な回復も表す。
図5C〜5Eは、3つのミエリン遺伝子、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)及びプロテオリピドタンパク質(PLP)の発現のモニタリングに関し、対照のマウスと比較して未治療のEAEマウスの脊髄で、これらの遺伝子のmRNA発現の著しい消失を示す図である。これらの図は、ビヒクルではなくGTBで治療したEAEマウスの脊髄で、ミエリン遺伝子mRNA発現の有意な回復も表す。
図6は、対照のマウスと比較して、EAEマウスの血清で、TGF-βの著しい減少を示すグラフ分析を表す図である。
図7A〜7Dは、ビヒクルではなく、GTBでEAEマウスを治療することが、脾細胞におけるFoxp3+CD4+集団の増加をもたらしたことを示すイメージを表す図である。図7E〜7Fは、EAEマウスを同時にTGF-β中和抗体で治療すると、GTBにより媒介される強化、及び/又はT細胞のFoxp3+CD4+集団の保護が抑止されたことを示すイメージを表す図である。
図8は、GTB治療が、養子移入RR-EAEの臨床症状を改善したが、機能的遮断をもたらす抗TGF-β抗体は、GTBにより媒介されるEAEマウスへの保護効果をほとんど完全に抑止したことを示すデータのグラフ分析を表す図である。
図9A〜9Bは、MPTP中毒は、黒質インビボでのDJ-1のレベルを減少させたが、ビヒクルではなく、GTBのMPTP中毒マウスへの経口治療は、黒質でDJ-1を保護したことを示すデータを表す図である。
図10は、生理食塩水を注射された対照のマウスの線条体と比較して、MPTP中毒が線条体DAの約75%の減少をもたらしたが、GTB治療はMPTP中毒マウスの線条体のインビボでのドーパミン用量依存的に保護したことを示すグラフ分析を表す図である。

0015

種々の実施形態は、下に記載される。実施形態の種々の要素の関係及び機能は、以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解され得る。しかし、実施形態は、本明細書で明白に開示されたものに限定されない。ある特定の場合において、本明細書で開示された実施形態の理解のために、必須ではない細部が省略されている場合があることを理解すべきである。

0016

安息香酸ナトリウムは、尿素サイクル障害、MS、PD、AD及び他の神経変性障害に関連して有益な効果を示すが、安息香酸ナトリウムが速やかに代謝されて体から排出されるという事実は、通常、1日につき約3〜4回この化合物を繰り返し患者に投与することによってのみ対処できるある特定の問題をもたらす。したがって、投与計画を減らすことができる安息香酸ナトリウムの徐放性の形態、及び患者の服薬遵守を改善することは、有益である。

0017

本発明は、医薬組成物の1日1回の投与だけを必要とする尿素サイクル障害及び神経変性障害のための新規治療を提供することによって、この問題に対処する。一部の態様では、尿素サイクル障害及び神経変性障害のための治療は、医薬組成物の1日2回の投与を含んでよい。ある特定の態様では、本明細書で開示された医薬組成物は、グリセリルトリベンゾエート(別名トリベンゾイン)を含む。他の態様では、本明細書で開示された医薬組成物は、グリセリルジベンゾエートを含む。一部の態様では、医薬組成物は、グリセリルトリベンゾエート及びグリセリルジベンゾエートの両方を含む。これらの分子が種々のリパーゼによって腸で切断されるので、グリセリルジベンゾエート及びグリセリルトリベンゾエートは体内で安息香酸ナトリウムをゆっくりと生ずる。したがって、グリセリルジベンゾエート及びグリセリルトリベンゾエートは安息香酸ナトリウムと比較して、非常に改善された治療有効性を示すと仮定される。

0018

本発明の一態様では、尿素サイクル障害の進行を阻害するために、治療が開示される。尿素サイクル障害は、血流からアンモニアを除去する役割を果たす尿素サイクルの酵素のうちの1つの欠損に起因する遺伝性障害である。尿素サイクルには6つの障害が知られている。各々は、欠損した酵素のイニシャルによって分類できる。したがって、6つの公知の尿素障害は、N-アセチルグルタミン酸シンターゼ(NAGS)、カルバモイルリン酸シンテターゼ1(CPS1)、オルニチントランスカルバモイラーゼ(OTC)、アルギニノコハク酸シンターゼ(ASS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(ASL)及びアルギナーゼ1(ARG1)と呼ばれる場合がある。治療は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。本開示に従って、治療は1日1回実施されてよい。一部の態様では、治療は1日2回の実施を含んでよい。

0019

本発明の別の態様では、神経変性障害の進行を阻害するために、治療が開示される。治療は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。一部の態様では、神経変性障害は、PD、AD、MS、うつ病ハンチントン病認知症及びあらゆる記憶喪失障害からなる群から選択される。一部の態様では、神経変性障害は正常な対象と比較してBDNF又はNT-3のレベルの減少によって識別される場合がある。本開示に従って、治療は1日1回実施されてよい。一部の態様では、治療は1日2回の実施を含んでよい。

0020

本発明によって考えられる治療方法では、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートが、単独で又は薬学的に許容される担体若しくは賦形剤と共に組成物で用いられてもよい。本明細書において、「薬学的に許容される担体」という用語は、無毒性、不活性固体半固体若しくは液体充填剤、希釈剤封入材料、又は任意のタイプの製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体の役割を果たすことができる材料のいくつかの例は、ラクトースグルコース及びスクロースのような糖;コーンスターチ及びジャガイモデンプンのようなデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウムエチルセルロース及びセルロースアセテートのようなセルロース及びその誘導体;粉末トラカンタ;モルト;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐薬ワックスのような賦形剤、ピーナッツ油綿実油サフラワー油ゴマ油オリーブ油トウモロコシ油及びダイズ油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;エチルオレエート及びエチルラウレートのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液であり、エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、並びにラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムのような他の無毒性相溶性滑沢剤、並びに着色料解除剤コーティング剤甘味料香料及び芳香剤、防腐剤、及び酸化防止剤も、配合者の判断によって組成物中に存在することもできる。他の適した薬学的に許容される賦形剤は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub. Co.、New Jersey、1991、に記載され、その内容は、参照によって本明細書に明白に組み入れられる。

0021

ある特定の実施形態では、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートは、ヒト及び他の動物経口投与される場合がある。グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートは、投与のために製剤化されてよく、製剤の方法は当技術分野では周知である(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、第19版 (1995)を参照されたい)。本開示に従う使用のための医薬組成物は、滅菌の形で、非発熱性溶液又は懸濁液、コーティングされたカプセル凍結乾燥された粉末、又は当技術分野で公知の他の形である可能性がある。

0022

経口投与のための固体剤形は、カプセル剤錠剤丸剤散剤及び顆粒剤を含む。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、並びに/又はa)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロースアルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース及びアカシア、c)保湿剤、例えばグリセリン、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウムジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、並びにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物、と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含んでよい。

0023

類似したタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いた軟及び硬ゼラチンカプセルの充填剤として用いられてもよい。

0024

錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング及び医薬製剤技術分野で周知の他のコーティングのような、コーティング及びシェルで調製することができる。それらは場合によって不透明剤を含有してよく、活性成分(複数可)だけを、又は優先して腸管のある特定の部分で、場合によって遅効性の方法で放出する組成物でもあり得る。使用することができる埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。

0025

活性化合物は、上記のように1種以上の賦形剤と共にマイクロカプセルに入れた形状にすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出調節コーティング及び医薬製剤技術分野で周知の他のコーティングのような、コーティング及びシェルで調製することができる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の、スクロース、ラクトース又はデンプンのような不活性な希釈剤と混合されてよい。このような剤形は、通常の慣行であるように、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化における滑沢剤並びにステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースのような他の錠剤化における補助剤も含んでよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含んでよい。それらは場合によって不透明剤を含有してよく、活性成分(複数可)だけを、又は優先して腸管のある特定の部分で、場合によって遅効性の方法で放出する組成物でもあり得る。使用することができる埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。

0026

経口投与用液体剤形は、薬学的に許容される乳剤マイクロ乳剤、溶剤懸濁剤シロップ剤及びエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に用いられる不活性な希釈剤を含有してよく、例えば水又は他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコールエチルカーボネート、EtOAc、ベンジルアルコール安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールジメチルホルムアミド、油(特に、綿実落花生類、トウモロコシ胚芽オリーブ、ヒマシ及びゴマの油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタン脂肪酸エステルのような可溶化剤及び乳化剤、並びにそれらの混合物である。不活性な希釈剤の他に、経口の組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香料及び芳香剤のようなアジュバントを含むこともできる。

0027

本発明の有効量の組成物は、一般に、尿素サイクル障害及び神経変性障害のような障害の進行を阻害する(例えば、遅らせる、又は停止させる)のに十分な任意の量を含む。担体材料と合わせて単一の剤形を製造することができる活性成分(グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート)の量は、治療されるホスト及び投与の特定の様式によって異なる。しかし、任意の特定の患者のための具体的な用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態性別食事、投与時間、投与経路、排出率、薬物の組合せ、及び治療法を受けている特定の障害又は疾患の重症度を含む種々の要因によることは、理解される。所与の状態のための治療有効量は、ルーチン実験で容易に決定することができ、普通の臨床医の技術及び判断の範囲内である。

0028

本発明の治療方法によると、所望の結果を達成するような量、及び必要ならばそのような期間、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートの有効量をヒト又は下等哺乳動物のような患者に投与することによって、該患者における障害の進行は遅くなる又は停止する。疾患又は障害の進行を遅らせる又は停止するために有効な化合物の量は、どんな医学的治療にでも適用できる妥当ベネフィット/リスク比で、疾患又は障害を治療するために十分な化合物の量と呼んでよい。

0029

しかし、本発明の化合物及び組成物の一日の合計使用量は、理にかなった医学判断の範囲内で主治医によって決定されることは、理解される。任意の特定の患者のための具体的な治療的に有効な用量レベルは、治療される疾患又は障害、及び障害の重症度、用いられる特定の化合物の活性、用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別、及び食事、用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、及び排出率、治療期間、用いられる特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用する薬物、並びに医薬技術分野で周知の要因などを含む種々の要因による。

0030

ヒトのような温血動物に投与される、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートのような本発明の化合物の「有効量」又は用量は、治療される障害によって異なる場合がある。尿素サイクル障害に関連して、本発明のある特定の態様では、有効量は、50kgの人で1日あたり約3gから約10gまで、又はその任意の量若しくは部分範囲であってよい。例えば、有効量は、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g又は約9gであってよい。一部の態様では、用量は、50kgの人で1日あたり約3gから約6gまでであってよい。他の態様では、有効量は、1人1日あたり約100mg/kgから約200mg/kgまでであってよい。神経変性障害に関連して、本発明のある特定の態様では、有効量は、50kgの人で1日あたり約1gから約5gまで、又はその任意の量若しくは部分範囲であってよい。例えば、有効量は、約2g、約3g、又は約4gであってよい。一部の態様では、用量は、50kgの人で1日あたり約1gから約3gまでであってよい。特定の一態様では、用量は、50kgの人で1日あたり約1.25gであってよい。他の態様では、有効量は、1人1日あたり約25mg/kgから約50mg/kgまでであってよい。

0031

以下の実験は、MS、PD及び尿素サイクル障害の治療においてグリセリルトリベンゾエート(トリベンゾイン)及び/又はグリセリルジベンゾエートの有効性を試験するために行われた(又は行われる)。以下に述べる実施例は、グリセリルトリベンゾエートを用いた実験を示す。類似した実験は、グリセリルジベンゾエート、又はグリセリルトリベンゾエート及びグリセリルジベンゾエートの組合せを用いて行われる。

0032

養子移入実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)。雌のSJL/Jマウス(4〜5週齢)は、Harlan Sprague-Dawley(Indianapolis、IN)から購入した。不完全フロイントアジュバント(IFA)中の、400μgのウシのミエリン塩基性タンパク(MBP)及び60μgの結核菌(M. tuberculosis)で、ドナーマウスは皮下免疫した。動物は免疫化後10〜12日に屠殺し、流入領域リンパ節回収し、単一細胞懸濁液を10%ウシ胎児血清(FBS)、50μg/mL MBP、50μM 2-ME、2mM L-グルタミン、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを付加したRPMI1640中で培養した。4日目に、細胞を回収し、ハンクス液(HBSS)に再懸濁した。200μLの体積中に合計2×107の生細胞を、未処置マウスの尾静脈に注射した。百日咳毒素(150ng/マウス、Sigma-Aldrich)を、細胞移植後(dpt)0日に、腹腔経路で1回注射した。臨床症状について、動物を毎日観察した。各群で、6匹のマウスを用いた。雌のマウス(4〜5週齢)を、いずれかの群に無作為に選択した。盲検によって検査員が、以下の通りに実験動物スコア化した:0、臨床的疾患なし;0.5、立毛;1、尾部脱力;1.5、尾部麻痺;2、後肢脱力;3、後肢麻痺;3.5、前肢脱力;4、前肢麻痺;5、瀕死又は死。図1A及び2で、y軸は平均臨床スコアであり、x軸は移植日数である。図1B〜1Cで、y軸は平均臨床スコアであり、x軸は免疫化後の日数である。

0033

5B6PLP-TCRTgマウス再発性EAE。PLP139-151特異的5B6 TCR Tgマウスは、Vijay Kuchroo教授(Harvard Medical School、Boston、MA)から入手した。雌のTgマウス(4〜5週齢)は、上述のように、IFA中、結核菌中の10又は25μg PLP139-151で免疫した。マウスには、免疫化後(dpi)0日に1回、百日咳毒素(150ng/マウス)も投与した。EAE群(図1B)では、雌のPLP-TCR遺伝子組換えマウスが25μg PLP139-151で免疫され、2匹のマウスは免疫化後(dpi)17日で人的介入なしで死亡し、4匹の瀕死のマウスが麻酔後断頭された。しかし、疾患スケールによれば、この群の全6匹のマウスは、スコア5とされた。

0034

慢性EAE。C57BL/6マウスは、上述のように、100μg MOG35-55で免疫した。マウスには、dpi0及び2に、2用量の百日咳毒素(150ng/マウス)も投与した。

0035

グリセリルトリベンゾエート(GTB)治療。GTBを0.5%メチルセルロース(MC)に混合し、強制飼養針を用いて、EAEマウスに1日1回100μL GTB混合MCを強制投与した。したがって、対照EAEマウスは、MCだけをビヒクルとして投与された。

0036

組織学顕微鏡。14dpi(最初の慢性期)に、次の群(対照、EAE、EAE+GTB及びEAE+ビヒクル)の各々から5匹のマウスに麻酔した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH 7.4)で、次いでPBS中4%(w/v)パラホルムアルデヒド溶液で潅流後、小脳及び脊髄全体を、各マウスから摘出した。組織をさらに固定し、次いで半分に分割した。2分の1を組織学的染色に使用し、一方、残り半分をミエリン染色に使用した。組織学的分析のために、ルーチンの組織学を実行して、EAEマウスのCNS組織の血管周囲細胞浸潤及び形態学的詳細を得た。パラホルムアルデヒド固定組織をパラフィンに包埋し、連続切片(4μm)を切った。従来のH&E染色方法で、切片を染色した。40倍の対物レンズを用いた明視野設定で、デジタル画像収集した。盲検によって3人の試験官が、異なる解剖学区分(髄膜及び柔組織)の炎症についてスライドを評価した。次に記載するスケールを用いて、炎症をスコア化した:髄膜及び柔組織について:0、浸潤細胞なし;1、少数の浸潤細胞;2、多数の浸潤細胞;及び、3、広範囲にわたる浸潤。血管について:0、カフ付き血管(cuffed vessel)なし;1、切片につき1又は2個のカフ付き血管;2、切片につき3〜5個のカフ付き血管、及び3、切片につき5個以上のカフ付き血管。群につき5匹のマウスの各々から、各脊髄の少なくとも6つの連続切片をスコア化し、ANOVAによって統計学的に分析した。

0037

ミエリン用染色。以前に記載したように、ミエリン用のルクソールファストブルーで切片を染色した。盲検によって3人の試験官が、脱髄について次のスケールを用いてスライドを評価した:0、正常な白質;1、まばらな病巣;2、少ない範囲の脱髄;及び、3、広範にわたる脱髄。群につき5匹のマウスの各々から、各脊髄の少なくとも6つの連続切片をスコア化し、ANOVAによって統計学的に分析した。

0038

半定量的RT-PCR分析。RNeasyミニキット(Qiagen、Valencia、CA)を用いて脾臓T細胞及び脊髄から、Ultraspec-IIRNA試薬(Biotecx laboratories, Inc、Houston、TX)を用いて脾臓及び小脳から、製造業者プロトコルに従って全RNAを単離した。混入しているゲノムDNAを完全に除去するために、全RNAを、DNaseで消化した。半定量的RT-PCRは、Clonetech(Mountain View、CA)のRT-PCRキットを用いて行った。手短に述べると、20μL反応混合物中で、プライマーとしてオリゴ(dT)12〜18及びMMLV逆転写酵素(Clontech)を用いて、1μgの全RNAを逆転写した。得られたcDNAを適切に希釈し、希釈されたcDNAをTitanium TaqDNAポリメラーゼ及び以下のプライマーを用いて増幅した。増幅された産物は1.8%のアガロースゲル上で電気泳動かけられ、エチジウムブロマイド染色によって視覚化された。

0039

(配列番号:1)iNOS:センス:5'-CCCTTCCGAAGTTTCTGGCAGCAGC-3'

0040

(配列番号:2)アンチセンス:5'-GGCTGTCAGAGCCTCGTGGCTTTGG-3'

0041

(配列番号:3)IL-1β:センス:5'-CTCCATGAGCTTTGTACAAGG-3'

0042

(配列番号:4)アンチセンス:5'-TGCTGATGTACCAGTTGGGG-3'

0043

(配列番号:5)MBP:センス:5'-TGGAGAGATTCACCGAGGAGA-3'

0044

(配列番号:6)アンチセンス:5'-TGAAGCTCGTCGGACTCTGAG-3'

0045

(配列番号:7)GAPDH:センス:5'-GGTGAAGGTCGGTGTGAACG-3'

0046

(配列番号:8)アンチセンス:5'-TTGGCTCCACCCTTCAAGTG-3'

0047

GAPDHに対する各遺伝子の相対的発現量を、Fluor Chem 8800 Imaging System(Alpha Innotech、San Leandro、CA)でバンドスキャンした後に測定した。

0048

リアルタイムPCR分析は、ABI-Prism7700配列検出システム(Applied Biosystems、FosterCity、CA)を用いて行った。手短に述べると、反応は、96ウェルオプティカルリアクションプレートで、12.5μL TaqMan Universal Masterミックス、及び最適化された濃度のFAM標識プローブ、製造業者のプロトコルに従うフォワード及びリバースプライマーを含有する、25μLの体積に50ngのDNase消化RNAに相当するcDNAで行った。マウス遺伝子及びGAPDHのためのすべてのプライマー及びFAM標識プローブは、Applied Biosystemsから入手した。それぞれの遺伝子のmRNA発現は、GAPDHmRNAのレベルに標準化した。データをABI Sequence Detection System 1.6ソフトウェアによって処理し、ANOVAで分析した。

0049

TGF-βELISA培養液上清中のTGF-βの産生は、eBioscience(San Diego、CA)のアッセイキットを用いたELISAによってモニターした。

0050

フローサイトメトリー。以前に記載したように、2色フローサイトメトリーを実行した。手短に述べると、フロー染色緩衝液中に懸濁された1×106のリンパ節細胞(LNC)又は脾細胞を、4℃で、適切に希釈されたCD4に対するFITC標識抗体と30分間インキュベートし、洗浄し、固定及び透過化処理溶液に再懸濁した。30分間暗所インキュベーション後、細胞を洗浄し、透過化処理緩衝液中の試験Fcブロック(抗マウスCD16/32)で遮断し、その後、4℃、暗所で、適切に希釈されたFoxp3に対するPE標識抗体とインキュベートした。インキュベーション後、細胞懸濁液を遠心分離し、3回洗浄し、フロー染色緩衝液に再懸濁した。次いで細胞を、FACS(BD Biosciences、San Jose、CA)で分析した。細胞に、形態学的性質に基づいてゲートをかけた。アポトーシス及び壊死の細胞は、FACS分析には許容されなかった。

0051

GTBは雌のSJL/JマウスにおけるEAEの養子移入を阻害する。本発明者は、MBP初回抗原刺激を受けたT細胞の養子移入によって、雌のSJL/JマウスにRR-EAEを誘導した。これらのEAEマウスは、0.5以上の臨床スコアを示した場合では、移植後(dpt)8日から、GTBの異なる用量で治療された。マウスのさらなる群は、ビヒクルで治療された(図1A)。25mg/kg体重/日の用量でさえ、GTBは有意に臨床症状を阻害した(図1A)。一方、50mg/kg体重/日の用量では、EAEの急性及び慢性段階において臨床症状の劇的な阻害が観察された(図1A)。ビヒクル(0.1%メチルセルロース)はEAEの臨床症状を阻害することができないままであり(図1A)、効果の特異性示唆された。しかし、100mg/kg体重/日の用量では、GTBは、臨床症状の抑制において、いずれも50mg/kg体重/日より強力ではなく(図1A)、高用量ではEAEマウスに有毒である場合があることが示唆された。

0052

GTBは、雌のPLP-TCR遺伝子組換えマウスで、EAEの臨床症状及び疾患重症度を阻害する。次に、本発明者は、雌のPLP-TCR遺伝子組換え(Tg)マウスで、GTB治療がEAEの進行も抑制することができるか否かを調べた。報告されたように、PLP139-151の低用量(10μg/マウス)による免疫化は、雌のPLP-TCRTgマウスでEAEの臨床症状を強く誘導した(図1B)。EAEマウスを、免疫化後(dpi)8日から、GTBの異なる用量で治療した。臨床症状に関するGTBの阻害効果は、治療の2、3日以内に、明らかに観察された(図1B)。より大きな阻害は治療以降の日に観察され、それは実験期間中維持された(図1B)。この場合も、EAEの最大の阻害は、GTBの50mg/kg体重/日の用量で観察された(図1B)。一方、ビヒクルはこのような阻害効果を持たなかった(図1B)。

0053

GTBは、雄のC57/BL6マウスで、慢性EAEを阻害する。雌のSJL/Jマウスを用いてRR-EAEを誘導するのに対して、EAEの慢性型は、MOG35-55での免疫化によって雄のC57/BL6マウスでモデル化される。したがって、本発明者は慢性EAEの疾患進行の抑制におけるGTBの有効性を調べた。雌のSJL/Jマウス及びPLP-TCRTgマウスにおけるRR-EAEに対するGTBの効果と同様に、GTB治療はこの慢性のモデルでも、強くEAEの臨床症状を阻害した(図1C)。その上に、ビヒクルは慢性EAEに効果がなく(図1C)、効果の特異性が示唆された。

0054

GTB治療は、ドナーマウスにおける脳炎誘発性T細胞の産生を阻害する。MBP免疫化ドナーマウスから単離されたT細胞は脳炎誘発性であり、これらのT細胞の養子移入は、レシピエントマウスにおいてEAEを誘導する。したがって、本発明者はGTBによるドナーマウスの治療が脳炎誘発性T細胞の産生を阻害することができるか否かを調べた。これを試験するために、ドナーマウスは、MBP免疫化の日から、経口的にGTB(50mg/kg体重/日)で治療された。GTB治療及び未治療のMBP免疫化ドナーマウスから単離されたT細胞は、次いでレシピエントマウスに養子移入された。結果は、GTB治療ドナーマウスからMBP初回抗原刺激を受けたT細胞を投与されたマウスは、未治療のドナーマウス又はビヒクル治療ドナーマウスからMBP初回抗原刺激を受けたT細胞を投与されたマウスと比較して、臨床症状及び疾患重症度がかなり減少したことを示した(図2)。これらの結果は、GTB治療は、ドナーマウスにおけるインビボでの脳炎誘発性T細胞の産生を阻害することを示唆する。

0055

GTB治療によって、養子移入されたEAEマウスで血液脳関門(BBB)及び血液脊髄関門(BSB)の完全性が維持される。BBB及びBSBは、それぞれ脳及び脊髄を血液中化学物質から保護するために主に働く膜構造であるが、多少の必須分子は入り込むことができる。活発なMS及びEAEの間、広範囲にわたる炎症のために、BBB及びBSBが、それぞれ脳及び脊髄の部分で分解し、それによって種々の血液分子及び毒素がCNSに入ることができるようになることが知られている。したがって、本発明者はGTB治療がBBB及びBSBの完全性を調整するか否かを調べた。本発明者は尾静脈を介して赤外線色素(Alexa-680)を注射し、注射2時間後に、生きたマウスをOdyssey赤外線スキャナで走査した。図3A(第1のレーン)から立証されるように、赤外線シグナルは、対照のHBSSを注射されたマウスの脳及び脊髄の領域上に見えなかった。一方、EAEマウスでは、赤外線シグナルは、脳及び脊髄の領域上に検出され(図3A、第2のカラム)、BBB及びBSBの分解の可能性が示唆される。しかし、GTB治療は、EAEマウスのCNSに赤外線色素が侵入することを強く阻害した(図3A、レーン3をレーン2と比較)。対照的に、脊髄及び脳の上に赤外線シグナルを合わせることによって立証されるように、ビヒクル治療はEAEマウスのCNSに赤外線色素が侵入することに影響せず(図3A、レーン4をレーン2と比較)、効果の特異性が示唆された。

0056

さらにこれらの結果を確認するために、マウスを屠殺し、脊髄及び脳の様々な部分(前頭皮質中脳及び小脳)をOdyssey赤外線スキャナで赤外線シグナルを走査した。生きたマウスの結果と一致して、本発明者は対照のHBSS治療マウスの脊髄及び脳の様々な部分で多くの赤外線シグナルを認めなかったが(図3B〜D、レーン1)、かなり多くの赤外線色素がEAEマウスのCNS組織で見えた(図3B〜D、レーン2)。その上、EAEマウスのGTBによる治療は、脊髄及び脳の様々な部分に赤外線色素が侵入することを著しく軽減した(図3B〜D、レーン3をレーン2と比較)。まとめると、これらの結果は、GTB治療によって、EAEマウスにおけるBBB及びBSBの完全性が維持されることを示唆する。図3Cで、上段の行は前頭皮質に関するものであり、中段の行は中脳に関するものであり、下段の行は小脳に関するものである。図3Dで、第1のカラムは対照に関するものであり、第2のカラムはEAEに関するものであり、第3のカラムはEAE+GTBに関するものであり、第4のカラムはEAE+ビヒクルに関するものであり、y軸は赤外線シグナルの密度である。

0057

GTBは、EAEの脊髄で、単核細胞の浸潤、炎症及び脱髄を阻害する。自己反応性T細胞及び関連する単核細胞の浸潤は、EAE及びMSの特徴である。本発明者は、養子移入されたEAEマウスで、GTB治療が浸潤及び炎症を軽減するか否かを調べた。8dpt(急性期の開始)からGTBを投与されたマウスを、16dptに屠殺した。H&E染色は、EAEマウスの脊髄(図4A)への、炎症細胞の広範囲にわたる浸潤を示した。一方で、GTB治療は、EAEマウスの脊髄への炎症細胞の浸潤を著しく阻害した(図4A)。対照的に、ビヒクルは炎症細胞の浸潤を阻害することができなかった(図4A)。炎症細胞の相対レベルを定量すると、ビヒクルでなくGTBが、EAEマウスの脊髄で、浸潤(図4B)及びカフ付き血管の出現(図4C)を激減させることが示された。

0058

次に、本発明者は、GTBがEAEマウスの脊髄で炎症誘発性分子の発現を阻害することができるか否かを調べた。対照のマウスと比較して、未治療のEAEマウスの脊髄で、iNOS及びIL-1βのような炎症誘発性分子の著しい発現が観察された(図4D〜F)。しかし、GTB治療は、EAEマウスの脊髄におけるこれらの炎症誘発性分子の発現を激減させた(図4D〜F)。

0059

脱髄はMSにおいて最も重要な病理学的特徴であり、それはEAE動物でもモデル化される。したがって、本発明者は、GTBがEAEマウスを脱髄から保護するか否かを調べた。本発明者は、ミエリン用のルクソールファストブルー(LFB)によって脊髄切片を染色し、白質における広範囲にわたる脱髄帯を観察した(図5A〜B)。しかし、GTB治療は、EAEマウスの脊髄におけるミエリンレベルを著しく回復させた(図5A〜B)。対照的に、ビヒクルは、EAEマウスの脊髄におけるミエリンレベルを回復できなかった(図5A〜B)。この知見を確認するために、本発明者は、3つのミエリン遺伝子、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)及びプロテオリピドタンパク質(PLP)の発現をモニターし、対照のマウスと比較して未治療のEAEマウスの脊髄で、これらの遺伝子のmRNA発現の著しい減少を観察した(図5C〜E)。しかし、ビヒクルではなくGTBで治療したEAEマウスの脊髄で、ミエリン遺伝子mRNA発現の有意な回復が観察された(図5C〜E)。

0060

GTB治療は、TGF-βを介して、EAEマウスにおいてTregsを保護する。TGF-βは、EAEからマウスを保護することが知られているので、本発明者は、ELISAによって、GTB治療及び未治療のEAEマウスの血清におけるTGF-βのレベルを調べた。8dptからGTB又はビヒクルを投与されたEAEマウスを16dptに屠殺し、血清中のTGF-βを分析した。本発明者は、対照のマウスと比較して、EAEマウスの血清でTGF-βの著しい減少を観察した(図6)。しかし、ビヒクルでなくGTBによるEAEマウスの治療は、TGF-βを保護した。

0061

TGF-βは非TregsのTregsへの分化関与しているので、本発明者はEAEマウスにおけるTregsの状態をモニターした。Tregsの主要な集団は、転写因子FoxP3によって特徴づけられる。自己免疫発作の間、Tregsは数値的及び機能的に不完全になる。したがって、期待されるように、本発明者は、FACSドットプロット(図7A〜B)から明白であるように、EAE脾細胞におけるT細胞のFoxp3+CD4+集団が有意に減少することを観察した。しかし、TGF-βの増加と同様に、ビヒクルではなく、GTBでのEAEマウスの治療が、脾細胞におけるFoxp3+CD4+集団の増加をもたらした(図7A〜D)。

0062

次に、GTBが、TGF-βを介してEAEマウスにおけるTregsを強化するか否かを知るために、本発明者は、TGF-β中和抗体を用いて、EAEマウスをGTB及びTGF-β中和抗体の両者で治療した。興味深いことに、EAEマウスを同時にTGF-β中和抗体で治療すると、GTBにより媒介される強化、及び/又はT細胞のFoxp3+CD4+集団の保護が抑止された(図7A〜F)。一方、対照のIgGはこのような抑止効果を持たず、効果の特異性が示唆された。これらの結果は、明らかにGTB治療は、TGF-βを介して、EAEマウスにおいてTregsを保護することを示す。

0063

GTBは、TGF-βを介して、マウスにおけるEAEを抑制する。次に、さらにGTBにより媒介されるTGF-βの増加の機能的な重要性を試験するために、本発明者は、GTBがTGF-βを介して、EAEの臨床症状からマウスを保護するか否かを調べた。したがって、GTB治療の間、TGF-βの機能は、抗TGF-β中和抗体によって、EAEマウスにおいて、インビボで遮断された。図8から明白であるように、GTB治療は養子移入RR-EAEの臨床症状を改善した。しかし、機能的遮断をもたらす抗TGF-β抗体は、GTBにより媒介されるEAEマウスへの保護効果をほとんど完全に抑止した(図8)。対照のIgGはこのような効果を持たないので、この結果は特異的であった(図8)。全体として、これらの結果は、GTBがTGF-βを介してEAEを保護することを示唆する。

0064

要約すると、GTBの経口摂食は、レシピエントマウスにおける養子移入再発寛解型(RR)EAEの臨床症状を抑制し、ドナーマウスにおける脳炎誘発性T細胞の産生を抑えた。GTBは、また、雌のPLP-TCR遺伝子組換えマウスで、RR-EAEの臨床症状を、及び雄のC57/BL6マウスで、慢性EAEを阻害する。用量依存的研究は、25mg/kg体重/日又はそれ以上の用量のGTBは、マウスのEAEの臨床症状を有意に抑制したことを示した。したがって、GTBも血管周囲細胞浸潤を阻害し、血液脳関門及び血液脊髄関門の完全性を維持し、炎症を抑制し、ミエリン遺伝子の発現を正常化して、EAEマウスのCNSにおいて脱髄を遮断した。興味深いことに、GTB治療は、TGF-β及び制御性T細胞(Tregs)を上方制御した。さらにまた、中和抗体によるTGF-βの遮断が、GTBにより媒介されるTregs及びEAEの保護を抑止したことが証明された。まとめると、これらの結果は、GTBの経口投与がMS患者で有益である可能性があることを示唆する。

0065

パーキンソン病(PD)に関連してGTBを試験する実験も行われた。

0066

動物及びMPTP中毒。6〜8週齢のC57BL/6マウスは、Harlan(Indianapolis、IN)から購入した。急性MPTP中毒のために、マウスは生理食塩水中のMPTP-HCl(18mg/kgの遊離塩基、Sigma Chemical Co.、St. Louis、MO)の腹膜内(i.p.)注射を2時間間隔で4回受けた。対照動物は、生理食塩水だけを受けた。

0067

グリセリルトリベンゾエート(GTB)治療。GTBを0.5%メチルセルロース(MC)に混合し、MPTPの最後の注射から3時間後に、強制飼養針を用いて、マウスに1日1回100μL GTB混合MCを強制投与した。したがって、対照MPTPマウスには、MCだけをビヒクルとして投与した。

0068

ウエスタンブロット分析。DJ-1及びTHのためのイムノブロット分析を行った。手短に述べると、細胞ホモジネートを電気泳動にかけ、タンパク質をニトロセルロース膜上へ移し、それぞれの一次抗体続き、赤外線の蛍光体タグがついた二次抗体(Invitrogen)で免疫標識した後、Odyssey赤外線スキャナでバンドを視覚化した。

0069

HPLC分析。ドーパミンの線条体レベルを、Complete Stand-AloneHPLC-ECD System EiCOMHTEC-500(JM Science Inc.、Grand Island、NY)で定量した。手短に述べると、マウスをMPTP中毒の7日後、頚椎脱臼によって屠殺し、線条体を回収し、直ちにドライアイス凍結し、分析まで-80℃で保存した。分析当日に、イソプロテレノールを含有する0.2M過塩素酸中で組織を音波破砕し、得られたホモジネートを20,000x g、15分間、4℃で遠心分離した。pH調整及び濾過後、10μlの上清を、Eicompak SC-30DSカラム(Complete Stand-Alone HPLCECD System EiCOMHTEC-500、JM Science Inc.、Grand Island、NY)に注入し、製造業者のプロトコルに従って分析した。

0070

神経変性発作の間の黒質のDJ-1のようなPD関連の有益なタンパク質の上方制御及び/又は維持は、PDにおいて治療有効性がある場合がある。期待されるように、MPTP中毒は、黒質のインビボでのDJ-1のレベルを減少させた(図9A〜B)。しかし、ビヒクル(0.1%メチルセルロース)ではなく、GTBのMPTP中毒マウスへの経口治療は、黒質においてDJ-1を保護した(図9A〜B)。GTBの保護効果は用量依存的であり、最大の保護は50又は100mg/kg体重/日の用量で見られた(図9A-B)。

0071

GTBがMPTP中毒マウスの黒質でDJ-1を保護したので、次に、本発明者は、DJ-1が黒質線条体をMPTP発作から保護するか否かを調べた。ドーパミンの産生を担当する鍵酵素であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)は、ドーパミン作動性ニューロンに存在する。生理食塩水を注射された対照と比較して、MPTP-中毒は結果として黒質THの約60%の損失をもたらした(図9A〜B)。しかし、GTBは、用量依存的様式で黒質THを保護した(図9A〜B)。25mg/kg体重/日の用量で、GTBにより媒介される保護は明らかであったが、黒質THの最大の保護は50又は100mg/kg体重/日の用量で観察された(図9A-B)。

0072

次に、GTBがMPTPに起因する生化学的欠損を保護するか否かを決定するために、本発明者は、MPTP治療7日後に、線条体におけるドーパミン(DA)レベルを定量した。図10から明らかなように、生理食塩水を注射された対照のマウスの線条体と比較して、MPTP中毒は結果として線条体DAの約75%の減少をもたらした。対照的に、GTB治療はMPTP中毒マウスの線条体のインビボでのドーパミンを用量依存的に保護した(図10)。この場合も、線条体ドーパミンの最大の保護は、GTBの50又は100mg/kg体重/日の用量で観察された(図10)。50mg/kg体重/日の用量でGTBを投与した動物では、線条体ドーパミンが25%だけ減少した(図10)。

0073

本発明者は、研究の過程で使われたどのマウスにも、薬物関連副作用(例えば、脱毛体重減少予期しない感染症、その他)を認めず、GTBが少しの副作用も示さない可能性があることが示唆された。

0074

要約すると、本発明者は、GTBが黒質でDJ-1及びTHを保護し、PDのMPTPマウスモデルの線条体においてドーパミンを維持することを示した。これらの結果は、GTBの新規の神経保護の役割を強調し、PDの治療的関与のために、この間接食品添加物が探索される可能性があることを示唆する。

0075

将来、本発明者は、トリベンゾイン治療がMPTP中毒マウスで運動機能を改善するか否かを判定する。雄のC57/BL6マウスはMPTP中毒になり、MPTPの最後の注射の6時間後から、マウスは強制飼養を介してトリベンゾイン(25及び50mg/kg体重/日)を受ける。マウスの運動機能(A、ロータロッド; B、動作時間; C、動作数; D、静止時間; E、水平活動; F、合計距離; G、立ち上がり行動;及び、H、常同症)を、MPTPの最後の注射の7日後に検査する。データは、各群6匹のマウスの平均±SEMである。

0076

将来、本発明者は、トリベンゾイン治療が海馬ニューロンを保護し、アルツハイマー病の動物モデルである5XFADマウスにおいて記憶及び学習を改善するか否かを明らかにする。手短に述べると、6カ月の雄の5XFADマウスは、強制飼養を介してトリベンゾイン(25及び50mg/kg体重/日)を受ける。治療30日後、マウスは、バーン迷路、T字型迷路及び新規物体認識を検査される。結論は、各群最低6匹のマウスの解析から導き出される。海馬切片も、NeuN(ニューロンのマーカー)及びTUNEL(アポトーシスのマーカー)で二重標識される。結果は、各群6匹のマウスの各々2個の海馬切片の分析を表す。

0077

本発明者は、尿素サイクル障害におけるトリベンゾインの有効性も確認する。高アンモニア血症は、すべての尿素サイクル障害と関連する状態である。したがって、高アンモニア血症のマウスモデルは、マウスに酢酸アンモニウム(20% w/w)を補った標準食餌を3カ月間与えることによって作製される。次いで、マウスは30日間の強制飼養を介して、異なる用量のトリベンゾイン(約100、200、又は300mg/kg体重/日)で治療される。治療後、血清中のアンモニア、グルタミン、尿素、及びグリシンのレベルを調べる。

0078

本明細書で開示され、特許請求される、すべての組成物及び方法は、本開示を考慮して、過度の実験なしで作製し実行することができる。本発明が多くの異なる形に具現化されてよいのに対して、本発明の特定の好ましい実施形態は、詳細に本明細書に記載される。本開示は本発明の原理を例示するものであって、図示された特定の実施形態に本発明を限定するものではない。さらに、反対に特別に述べない限り、「1つの(a)」という用語の使用は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上の」を含むことを意図する。例えば、「1つの化合物(a compound)」は、「少なくとも1つの化合物」又は「1つ以上の化合物」を含むことを意図する。

0079

絶対的表現又は近似表現のいずれかによって与えられる任意の範囲は、両方を含むことを意図し、本明細書で用いられるどんな定義も明確にするためであって、制限するためのものではない。それにもかかわらず、本発明の幅広い範囲を示す数値の範囲及びパラメータは近似的なものであり、具体的な例で示される数値はできるだけ正確に報告される。しかし、どのような数値でも、本質的に、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含む。さらに、本明細書で開示されるすべての範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲(すべての小数値及び全数値を含む)を含むことを理解されるべきである。

実施例

0080

さらにまた、本発明は、本明細書に記載される種々の実施形態の一部又は全部の、可能なすべての組合せを含む。本明細書に記載される現在好ましい実施形態への種々の変更及び修正が当業者にとって明白であることも理解すべきである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、また本発明が意図する利点を減ずることなく、このような変更及び修正がなされる可能性がある。したがって、このような変更及び修正が、添付した特許請求の範囲により包含されることが意図している。

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