図面 (/)

技術 研磨パッド

出願人 日東電工株式会社
発明者 橘俊光福島玉青
出願日 2019年11月6日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-201444
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-037182
状態 未査定
技術分野 洗浄、機械加工
主要キーワード 圧縮棒 非接触部位 マイクロセルポリマー 減圧度合い 水蒸気バルブ 水蒸気導入管 工作機器 自公転運動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

ウェハ全体を均一に研磨することができる研磨パッドを提供する。

解決手段

少なくとも(A)表面研磨層2、(B)接着剤層3及び(C)クッション層4を備え、前記各層が(A)表面研磨層2、(B)接着剤層3、(C)クッション層4の順で積層され、前記(A)表面研磨層2の圧縮率が0.3%以上3.0%以下であり、前記(C)クッション層4の圧縮率>前記(A)表面研磨層2の圧縮率の関係を満たすことを特徴とする研磨パッド1。

概要

背景

従来から、例えば、自動車光学機器電子材料、又は各種工作機器の分野では、様々な部品又は部材の研磨が行われており、被研磨体に要求される精密さ均一性は益々厳しくなってきている。例えば、IC、LSI等の半導体集積回路を製造するためのシリコンウェハ磁気ハードディスク基板磁気ヘッド基板ディスプレイ用ガラス基板フォトマスク基板光学レンズ光導波路等の分野において、高度の表面平坦性が要求されている。特に、情報処理情報記録を行う素子あるいはディスク飛躍的に集積度の向上が求められており、基板上に形成される回路等のパターン微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウェハ表面の凹凸平坦化する技術が重要となってきた。

ウェハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing :CMP)が知られている。CMPでは、ウェハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒研磨材粒子)が分散されたスラリー状の研磨材(以下、スラリーという)を用いて研磨する。CMPは、ウェハの表面を加工液化学的に溶かすとともに、砥粒で機械的に削る、すなわち加工液による化学的な溶去作用と砥粒による機械的な除去作用とを併せ持つ研磨技術であり、加工変質層(加工により生じた内部と異なる表面の部分)を生じることがほとんどないため、広く利用されている。

CMPで一般的に使用する研磨装置は、研磨パッドを支持する回転可能な研磨定盤と、被研磨対象物(ウェハ)を支持する支持台ポリシングヘッド)とウェハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨材の供給機構を備えている。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと被研磨対象物が対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台には、被研磨対象物を研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。

シリコンウェハ等の基板を平滑にし、鏡面仕上げするための研磨は、このような研磨装置を用いて、研磨定盤に研磨パッドを固定して回転させながら、研磨定盤に対峙して設置したウェハを自公転運動させて相対的に移動させるとともに、研磨パッドとウェハの間隙研磨スラリーを加えることによって、ウェハ表面が研磨され、平坦化、平滑化が行われている。

研磨パッドとしては、不織布タイプの研磨パッド、スエードタイプの研磨パッド等が用いられている。不織布タイプの研磨パッドはポリエステルフェルト組織ランダムな構造)にポリウレタン含浸させたもので多孔性があり、かつ弾性も適度で、高い研磨速度と平坦性に優れ、ダレの少ない加工ができるようになっている。シリコン基板の1次研磨用で広く使用されている。スエードタイプ研磨パッドは、ポリエステルフェルトにポリウレタンを含浸させた基材に、ポリウレタン内に発泡層成長させ、表面部位を除去し発泡層に開口部を設けたもの(この層をナップ層と呼ぶ)で、特に仕上げ研磨用に使用されており、発泡層内に保持された研磨材が、工作物と発泡層内面との間で作用することにより研磨が進行する。CMPに多用され、ダメージのない面が得られるが、時間をかけると周辺ダレが発生しやすい。他にも、発泡ウレタンシート等の研磨パッドがある。

かかるCMP研磨工程における研磨操作は、微細な粒子(砥粒)を懸濁させたスラリー中の砥粒を、使用する研磨パッドに保持させることにより行われる。従って、研磨パッドの砥粒の保持密度が高いほど研磨速度が高くなる。このため、研磨パッドとしては、多数の空孔を有する多孔質材料が使用され、空孔で砥粒を保持させることによって、砥粒の保持密度を高くし、研磨速度を高くすることが行われている。かかる多孔質材料においては、砥粒の保持密度を大きくするためには、空孔の数を多くし、かつ空孔の径を小さくすることが有効である。

従来、上記の高精度の研磨に使用される研磨パッドとしては、一般的に空洞率が30〜35%程度のポリウレタン発泡体シートが使用されていた。また、ポリウレタン等のマトリックス樹脂中空微小球体又は水溶性高分子粉末等を分散した研磨パッドを開示した特許文献1に記載の技術も公知である。研磨パッドの要求特性として、局所的な平坦化能力に加えて、ウェハ全体を均一に研磨する能力が必要となる。

しかしながら、従来のポリウレタン発泡体シートとして、変形し易い(高圧縮率)ものは、局所的な平坦化が困難であり、変形し難い(低圧縮率)ものは、局部的な平坦化能力は優れたものであるが、クッション性不足しているためにウェハ全面に均一な圧力を与えることが難しかった。十分なクッション性を得るために、ポリウレタン発泡体シートの圧縮率を2%程度にするには空洞率を高めることが必要になり、空洞率を高めると圧縮回復率表面硬度が低下することが避けられない。圧縮回復率、表面硬度が低下すると、研磨工程における圧縮荷重開放の繰り返しにより研磨パッドの圧密化が起こり、加工精度が低下するという問題が起こる。このような研磨精度の低下を防止するために、通常、ポリウレタン発泡体シートの背面に柔らかいクッション層別途設けられ、研磨加工が行われる。そのためにポリウレタン発泡体シートのウェハ表面の平坦化能力が実質的に減殺され、加工精度の向上に限界があった。

概要

ウェハ全体を均一に研磨することができる研磨パッドを提供する。少なくとも(A)表面研磨層2、(B)接着剤層3及び(C)クッション層4を備え、前記各層が(A)表面研磨層2、(B)接着剤層3、(C)クッション層4の順で積層され、前記(A)表面研磨層2の圧縮率が0.3%以上3.0%以下であり、前記(C)クッション層4の圧縮率>前記(A)表面研磨層2の圧縮率の関係を満たすことを特徴とする研磨パッド1。

目的

本発明の目的の一つは、ウェハ全体を均一に研磨することができる研磨パッドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも(A)表面研磨層、(B)接着剤層及び(C)クッション層を備え、前記各層が(A)/(B)/(C)の順で積層され、前記(A)表面研磨層の圧縮率が0.3%以上3.0%以下であり、前記(C)クッション層の圧縮率>前記(A)表面研磨層の圧縮率の関係を満たすことを特徴とする研磨パッド

請求項2

(C)クッション層の圧縮率が1.0%以上40.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。

請求項3

(A)表面研磨層の厚みが0.1mm以上2.5mm以下であり、(C)クッション層の厚みが0.1mm以上3.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨パッド。

請求項4

(A)表面研磨層が、超高分子量ポリエチレン粉末焼結多孔質シートから構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨パッド。

請求項5

(A)表面研磨層の算術平均粗さ(Ra)が、0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨パッド。

請求項6

(B)接着剤層が、ホットメルト接着剤から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨パッド。

請求項7

積層体の圧縮率が、1.0%以上30.0%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨パッド。

請求項8

CMP装置用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨パッド。

技術分野

0001

本発明は、半導体素子等に用いられるシリコンウェハ水晶ウェハ等の被研磨材表面の凹凸を、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing :CMP)で研磨する際に使用される積層研磨パッドに関する。

背景技術

0002

従来から、例えば、自動車光学機器電子材料、又は各種工作機器の分野では、様々な部品又は部材の研磨が行われており、被研磨体に要求される精密さ均一性は益々厳しくなってきている。例えば、IC、LSI等の半導体集積回路を製造するためのシリコンウェハ、磁気ハードディスク基板磁気ヘッド基板ディスプレイ用ガラス基板フォトマスク基板光学レンズ光導波路等の分野において、高度の表面平坦性が要求されている。特に、情報処理情報記録を行う素子あるいはディスク飛躍的に集積度の向上が求められており、基板上に形成される回路等のパターン微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウェハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。

0003

ウェハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing :CMP)が知られている。CMPでは、ウェハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒研磨材粒子)が分散されたスラリー状の研磨材(以下、スラリーという)を用いて研磨する。CMPは、ウェハの表面を加工液化学的に溶かすとともに、砥粒で機械的に削る、すなわち加工液による化学的な溶去作用と砥粒による機械的な除去作用とを併せ持つ研磨技術であり、加工変質層(加工により生じた内部と異なる表面の部分)を生じることがほとんどないため、広く利用されている。

0004

CMPで一般的に使用する研磨装置は、研磨パッドを支持する回転可能な研磨定盤と、被研磨対象物(ウェハ)を支持する支持台ポリシングヘッド)とウェハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨材の供給機構を備えている。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと被研磨対象物が対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台には、被研磨対象物を研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。

0005

シリコンウェハ等の基板を平滑にし、鏡面仕上げするための研磨は、このような研磨装置を用いて、研磨定盤に研磨パッドを固定して回転させながら、研磨定盤に対峙して設置したウェハを自公転運動させて相対的に移動させるとともに、研磨パッドとウェハの間隙研磨スラリーを加えることによって、ウェハ表面が研磨され、平坦化、平滑化が行われている。

0006

研磨パッドとしては、不織布タイプの研磨パッド、スエードタイプの研磨パッド等が用いられている。不織布タイプの研磨パッドはポリエステルフェルト組織ランダムな構造)にポリウレタン含浸させたもので多孔性があり、かつ弾性も適度で、高い研磨速度と平坦性に優れ、ダレの少ない加工ができるようになっている。シリコン基板の1次研磨用で広く使用されている。スエードタイプ研磨パッドは、ポリエステルフェルトにポリウレタンを含浸させた基材に、ポリウレタン内に発泡層成長させ、表面部位を除去し発泡層に開口部を設けたもの(この層をナップ層と呼ぶ)で、特に仕上げ研磨用に使用されており、発泡層内に保持された研磨材が、工作物と発泡層内面との間で作用することにより研磨が進行する。CMPに多用され、ダメージのない面が得られるが、時間をかけると周辺ダレが発生しやすい。他にも、発泡ウレタンシート等の研磨パッドがある。

0007

かかるCMP研磨工程における研磨操作は、微細な粒子(砥粒)を懸濁させたスラリー中の砥粒を、使用する研磨パッドに保持させることにより行われる。従って、研磨パッドの砥粒の保持密度が高いほど研磨速度が高くなる。このため、研磨パッドとしては、多数の空孔を有する多孔質材料が使用され、空孔で砥粒を保持させることによって、砥粒の保持密度を高くし、研磨速度を高くすることが行われている。かかる多孔質材料においては、砥粒の保持密度を大きくするためには、空孔の数を多くし、かつ空孔の径を小さくすることが有効である。

0008

従来、上記の高精度の研磨に使用される研磨パッドとしては、一般的に空洞率が30〜35%程度のポリウレタン発泡体シートが使用されていた。また、ポリウレタン等のマトリックス樹脂中空微小球体又は水溶性高分子粉末等を分散した研磨パッドを開示した特許文献1に記載の技術も公知である。研磨パッドの要求特性として、局所的な平坦化能力に加えて、ウェハ全体を均一に研磨する能力が必要となる。

0009

しかしながら、従来のポリウレタン発泡体シートとして、変形し易い(高圧縮率)ものは、局所的な平坦化が困難であり、変形し難い(低圧縮率)ものは、局部的な平坦化能力は優れたものであるが、クッション性不足しているためにウェハ全面に均一な圧力を与えることが難しかった。十分なクッション性を得るために、ポリウレタン発泡体シートの圧縮率を2%程度にするには空洞率を高めることが必要になり、空洞率を高めると圧縮回復率表面硬度が低下することが避けられない。圧縮回復率、表面硬度が低下すると、研磨工程における圧縮荷重開放の繰り返しにより研磨パッドの圧密化が起こり、加工精度が低下するという問題が起こる。このような研磨精度の低下を防止するために、通常、ポリウレタン発泡体シートの背面に柔らかいクッション層別途設けられ、研磨加工が行われる。そのためにポリウレタン発泡体シートのウェハ表面の平坦化能力が実質的に減殺され、加工精度の向上に限界があった。

先行技術

0010

特表平8−500622号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的の一つは、ウェハ全体を均一に研磨することができる研磨パッドを提供することである。また、本発明の他の目的は、加工精度の高い研磨を行うことができる研磨パッドを提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明の研磨パッドは、少なくとも(A)表面研磨層、(B)接着剤層及び(C)クッション層を備え、前記各層が(A)/(B)/(C)の順で積層され、前記(A)表面研磨層の圧縮率が0.3%以上3.0%以下であり、前記(C)クッション層の圧縮率>前記(A)表面研磨層の圧縮率の関係を満たすものである。

発明の効果

0013

本発明の研磨パッドは、被研磨対象物(ウェハ)全体を均一に研磨することができる。また、本発明の研磨パッドは、加工精度の高い研磨を行うことができる。さらに、本発明の研磨パッドは、(A)表面研磨層の厚みを制御することによって、得られる積層研磨パッドの圧縮率の制御が容易になり、表面研磨層を構成する材料の分子量、製造時の粘度、発泡方法発泡倍率の制御等)を制御しなくても、圧縮率の細かい制御が可能となる。また、本発明の研磨パッドは、被研磨対象物(ウェハ)を局部的に平坦化することもできる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の一実施形態に係る研磨パッドの構成図を示す。
本発明の他の一実施形態に係る研磨パッドの構成図を示す。
研磨パッド、CMP装置及びCMPの概略図を示す。
本発明における圧縮率の測定方法を表す概略図を示す。
本発明に係る研磨パッドにおける圧縮率の測定結果を示す。

0015

本発明の研磨パッドの一態様を図1に示す。本発明の研磨パッド1は、少なくとも(A)表面研磨層2、(B)接着剤層3及び(C)クッション層4を備え、前記各層が(A)/(B)/(C)の順で積層され、前記(A)表面研磨層2の圧縮率が0.3%以上3.0%以下であり、前記(C)クッション層4の圧縮率>前記(A)表面研磨層2の圧縮率の関係を満たすことを特徴とする。この構成によって、本発明の研磨パッドは、クッション性に優れ、被研磨対象物(ウェハ)全体を均一に研磨することができる。また、この構成によって、本発明の研磨パッドは、表面硬度の低下を抑制でき、加工精度の高い研磨を提供することができる。さらに、この構成によって、本発明の研磨パッドは、積層体において、(A)表面研磨層の厚みを制御することによって圧縮率の細かい制御ができ、ウェハ表面を局所的に平坦化することも可能となる。

0016

(A)表面研磨層
本発明の表面研磨層(被研磨材を研磨加工するための研磨面を有する研磨層)は、特に限定されないが、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末焼結多孔質シートから構成されるものが好ましい。前記UHMWPEの粘度平均分子量(Mν)は、50万〜1500万が好ましく、100万〜1200万がより好ましい。UHMWPEの粘度平均分子量(Mν)は、一般的な測定方法である粘度法により評価すればよく、例えば、JIS K 7367−3:1999に基づいて測定した極限粘度数[η]からMνを算出すればよい。

0017

前記UHMWPE粉末の焼結多孔質シートは、例えば、特開平8−169971号公報に記載の方法で製造することができる。具体的には、以下のようにして製造することができる。まず、UHMWPE粉末を金型充填し、次いで、これをUHMWPEの融点以上の温度に加熱された水蒸気雰囲気中焼結してブロック状成形体とした後冷却し、この成形体を所定厚さのシート切削するものである。

0018

この方法においては、先ず、UHMWPE粉末(平均粒径は通常30〜200μm)を金型に充填し、次いで、これをUHMWPEの融点以上に加熱された水蒸気雰囲気中で焼結してブロック状成形体とする。このようにUHMWPE粉末を金型に充填し、これを加熱された水蒸気雰囲気中で焼結するので、金型としては少なくとも一つの開口部(加熱水蒸気導入用)を有するものを用いる。焼結に要する時間は粉末の充填量、水蒸気の温度等によって変わるが、通常、約1〜12時間である。

0019

この際に用いる水蒸気はUHMWPEの融点以上に昇温させるために、加圧状態とされ、金型に充填されたUHMWPE粉末間に容易に進入することができる。なお、UHMWPE粉末間への加熱水蒸気の進入をより容易にするため、該粉末を金型に充填し、この金型を耐圧容器に入れ、減圧状態とする脱気操作を施し、その後加熱された水蒸気雰囲気中で焼結するようにしてもよい。この際の減圧度合いは特に限定されないが、約1〜100mmHgが好ましい。

0020

従って、金型に充填されたUHMWPE粉末の焼結は、前記耐圧容器に水蒸気導入管及びその開閉バルブを設けておき、該粉末間の空気を脱気した後、減圧を止めあるいは減圧を続けながら、水蒸気バルブを開いて加熱水蒸気を導入する方法によって行うことができる。

0021

この焼結時において、UHMWPE粉末は融点以上の温度に加熱されるがその溶融粘度が高いのであまり流動せず、その粉末形状を一部乃至大部分維持し、隣接する粉末相互がその接触部位において熱融着多孔質のブロック状成形体(粉末相互の非接触部が該多孔質成形体の微孔となる)が形成される。なお、焼結に際し、所望により加圧することもできるが、その圧力は、通常、約10kg/cm2以下とするのが好ましい。

0022

上記のようにして焼結を行った後、冷却する。冷却に際してはブロック状成形体への亀裂の発生を防止するため、急冷を避けるのが好ましく、例えば、室温に放置して冷却する方法を採用できる。なお、冷却はブロック状成形体を金型に入れたまま行ってもよく、あるいは金型から取り出して行ってもよい。このようにしてブロック状成形体を冷却した後、旋盤等により所定厚さに切削することにより、多孔質シートを得ることができる。

0023

上記方法により得られる多孔質シートの微孔の孔径気孔率は用いるUHMWPE粉末の粒径や焼結時における加圧の有無によって決定される。他の条件が同じであれば、用いた粉末の粒径が大きい程微孔の孔径が大きく、気孔率の高い多孔質シートが得られる。また、焼結時に加圧しない場合は加圧した場合に比べ微孔の孔径が大きく、気孔率の高い多孔質シートが得られる。更に、焼結時に加圧した場合はその圧力が高い程微孔の孔径が小さく、気孔率の低い多孔質シートが得られる。

0024

上記の方法によって得られるUHMWPE多孔質シートは、上記したように隣接するUHMWPE粉末がその形状の一部乃至大部分を維持すると共に粉末相互がその接触部位において熱融着してシート形状を呈し、且つ、粉末相互の非接触部位を微孔とするミクロ構造を有している。この多孔質シートのミクロ構造は、例えば、多孔質シートを厚さ方向に沿って切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察(倍率は適宜設定できるが、通常、約100〜1000倍である)することができる。

0025

上記の方法によって得られるUHMWPE多孔質シートに、親水化処理を施してもよい。上記親水化処理の方法としては、界面活性剤の含浸、コロナ処理プラズマ処理スルフォン化処理親水性モノマーグラフト重合処理等が挙げられ、なかでもグラフト重合処理が、親水性に優れ、その処理効果が安定しているため好適である。界面活性剤は、特に限定されず、例えばカチオン界面活性等が挙げられる。

0026

(A)表面研磨層の圧縮率は、特に限定されないが、得られる積層研磨パッドが均一に研磨することができるとともに平坦化能力が高くなる点から、0.3%以上3.0%以下が好ましく、0.3%、0.4%、0.5%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.4%、1.5%、1.8%、2.0%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.7%、2.8%、2.9%及び3.0%のいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、0.8%以上2.8%以下がより好ましい。圧縮率とは、所定形状の成形体に一定の荷重をかけたときに縮む割合をいう。本発明における圧縮率の測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。

0027

(A)表面研磨層の厚みは、特に限定されないが、0.1mm以上2.5mm以下が好ましく、0.1mm以上2.0mm以下がより好ましい。

0028

(A)表面研磨層の平均孔径は、特に限定されないが、研磨層として要求される機能が優れる点から、0.05〜30μmが好ましく、0.1〜25μmがより好ましく、1.0〜20μmがさらに好ましい。本発明において、平均孔径は、ASTM(米国試験材料協会)F316−86の規定に準拠して測定でき、例えばこの規定に準拠した自動測定が可能な市販の測定装置(Porous Material社製のPerm-Porometer(含浸用溶剤としてフッ素系溶媒スリエム社製、商品名「FC−40」、表面張力1.6×10-2N/m)を使用)等)を用いて測定できる。

0029

(A)表面研磨層の気孔率は、特に限定されないが、研磨の均一性及び加工精度が高まる点から、5〜60%が好ましく、10〜50%がより好ましく、15〜40%がさらに好ましい。すなわち、気孔率が5%未満では、研磨スラリーの保持能力が低下し研磨速度を高めることができないのであり、逆に、気孔率が60%を超えると、高分子多孔質シートの機械的強度が低下し、研磨時の圧力によってシート自体の変形が大きく平滑な研磨面が得られにくいからである。

0030

本発明における気孔率とは、多孔質シート(表面研磨層)中の孔の部分の容積割合を意味し、下記式によって定義される値である。
気孔率=(1−(見掛け密度/(表面研磨層材料の真比重))×100
ここで、見掛け密度は、サンプルの重量と体積を量り、重量(g)/体積(cm3)から算出した。

0031

(A)表面研磨層の硬度は、特に限定されず、研磨の加工精度が高くなる点から、20以上100以下が好ましく、20、25、29、30、31、35、39、40、41、45、49、50、51、55、59、60、61、65、70、75、80、81、85、89、90、95及び100のいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、25以上97未満がより好ましく、45以上96以下がさらに好ましい。本発明において、硬度は、JIS K 6253−3:2012に規定されるデュロメーター硬度を意味する。デュロメーター硬度は、ゴム硬度計(タイプA、株式会社テクロック製)を用いて測定できる。

0032

(A)表面研磨層の表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))は、特に限定されないが、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、0.1μm、0.3μm、0.7μm、0.9μm、1.0μm、1.1μm、1.2μm、1.4μm、1.5μm、1.9μm、2.0μm、2.1μm、2.4μm、2.5μm、2.7μm、2.9μm、3.0μm、3.1μm、3.5μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.4μm、4.5μm、4.9μm及び5.0μmのいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、1.0μm以上3.0μm以下がより好ましい。前記表面粗さ(Ra)が小さいことで、被研磨物側の粗さも低くすることができると考えられる。本発明において、算術平均粗さは、JIS B 0601:2001に規定される値を意味する。算術平均粗さは、触針式表面粗さ計(株式会社東京精密製品サーフコム550A)を用いて測定できる。測定条件は、先端径R250μm、速度0.3mm/sec、測定長4mmとすることができる。

0033

前記(A)表面研磨層の圧縮率等の物性は、上述の製造方法において、材料の樹脂粉末の粒径や焼結時における加圧の有無等を適宜変更することで得られる。

0034

前記UHMWPE粉末の焼結多孔質シートは、市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、サンマップ(登録商標シリーズ(例えば、サンマップHP−5320(Mν:300万、平均孔径:24μm、気孔率:38%、ショアD硬度:42、Ra:1.2μm)、サンマップLC(Mν:300万、平均孔径:17μm、気孔率:30%、ショアD硬度:48、Ra:2.0μm)等)(以上、日東電工製)、サンフイン(登録商標)AQシリーズ(例えば、サンファインAQ−100(Mν:330万)、サンファインAQ−800(Mν:450万)等)(以上、旭化成ケミカルズ製)等が挙げられる。

0035

(B)接着剤層
本発明に用いる接着剤としては、特に限定されず、感圧接着剤ホットメルト接着剤等が挙げられ、ホットメルト接着剤が好ましい。前記接着剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。

0036

前記感圧接着剤としては、例えば、(メタアクリレート系(共)重合体ポリイソプレン系、ポリブタジエン系、クロロプレン系等の合成又は天然ゴム;等を基剤重合体とし、該基剤重合体に粘着付与剤粘着調整剤、架橋剤、安定剤等を配合して得られたもの等が挙げられる。また、前記ゴム又は重合体は、本発明の効果が妨げない限り、変性されていてもよい。

0037

前記ホットメルト接着剤としては、特に限定されず、公知の物を特に制限なく使用できる。前記接着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂エチレン酢酸ビニルEVA)系樹脂(例えば、エチレン/グリシジルジメタクリレートGMA)/酢酸ビニル共重合体)、ポリアミド系樹脂ポリウレタン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から構成されるもの等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂から構成されるもの、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂から構成されるものが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンポリプロピレン等が挙げられる。また、前記樹脂は、本発明の効果が妨げない限り、変性されていてもよい。これらのホットメルト接着剤のうち、ポリオレフィン系樹脂から構成されるホットメルト接着剤が特に好ましい。

0038

また、前記ホットメルト接着剤及び感圧接着剤以外にも、前記ホットメルト接着剤及び感圧接着剤に換えて又は併用して、2液硬化タイプエポキシ系接着剤シリコーン系接着剤等を使用してもよい。

0039

前記接着剤は、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、「ボンドファースト(住友化学工業製)」、「アドマー(三井化学製)」等が挙げられる。

0040

さらに、(B)接着剤層は、芯材として補強シートを有していてもよい。接着剤層に補強シートを有する場合、例えば、接着剤層/補強シート/接着剤層の順で積層されていてもよい(図示せず)。補強シートとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。補強シートの厚さは、12〜250μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。

0041

(B)接着剤層の厚みは、特に限定されないが、0.01〜0.5mmが好ましい。

0042

(C)クッション層
本発明に用いる(C)クッション層の構成材料としては、特に限定されず、ウレタンフォームポリエチレンフォーム等の高分子樹脂発泡体ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布等の繊維不織布;ブタジエンゴムイソプレンゴム等のゴム性樹脂及び感光性樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、ウレタンフォームが好ましい。クッション層は、市販品を使用することができる。クッション層は、単層であってもよく、種類の同一又は異なる前記構成材料を積層して用いてもよいが、単層であることが好ましい。クッション層の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。

0043

(C)クッション層の引張強さは、特に限定されないが、0.50〜10.0MPaが好ましく、0.50MPa、0.80MPa、0.90MPa、1.0MPa、1.1MPa、1.5MPa、1.9MPa、2.0MPa、2.1MPa、2.3MPa、2.4MPa、2.7MPa、2.9MPa、3.0MPa、3.1MPa、3.4MPa、3.5MPa、3.9MPa、4.0MPa、4.4MPa、4.5MPa、4.9MPa、5.0MPa、5.1MPa、5.5MPa、5.9MPa、6.0MPa、6.1MPa、6.5MPa、6.9MPa、7.0MPa、7.1MPa、7.5MPa、7.9MPa、8.0MPa、8.1MPa、8.5MPa、8.9MPa、9.0MPa、9.1MPa、9.5MPa、9.9MPa及び10.0MPaいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、0.80〜5.0MPaがより好ましい。本発明において、引張強さは、JIS K 6251(2010)に規定される値を意味する。

0044

(C)クッション層の引張伸びは、特に限定されないが、50〜200%が好ましく、100〜180%がより好ましい。本発明において、引張伸びは、JIS K 6251(2010)に規定される値を意味する。

0045

(C)クッション層の圧縮率は、特に限定されないが、圧縮率が小さすぎると、研磨層が被研磨材料の被研磨面に与える応力集中の拡散がうまくできず、被研磨面の面内均一性が悪くなる傾向にあることから、1.0%以上40.0%以下が好ましく、1.0%、2.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、9.0%、10.0%、11.0%、12.0%、13.0%、15.0%、18.0%、19.0%、20.0%、21.0%、23.0%、25.0%、28.0%、29.0%、30.0%、31.0%、35.0%、38.0%、39.0%及び40.0%のいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、微細パターンが形成されたウェハのうねりに対応して、研磨パッドが変形し良好な均一性を得ることができることから、1.0%以上35.0%以下がより好ましい。

0046

(C)クッション層の硬度は、特に限定されないが、1以上80以下が好ましく、3以上60以下がより好ましく、5以上50以下がさらに好ましい。

0047

上記の各物性は、例えば、クッション層がウレタン樹脂からなる場合、ポリウレタン樹脂を形成するポリイソシアネート化合物ポリオール化合物及びポリアミン化合物配合割合を変える等によって調整することができる。通常、ポリウレタン樹脂では、ポリイソシアネート化合物及びポリアミン化合物の反応で形成されるハードセグメントと、ポリオール化合物で形成されるソフトセグメントと、を有している。ハードセグメントでは、ウレタン結合間に水素結合が形成され凝集力が強くなるため、剛直性を示し高結晶性となる。これに対して、ソフトセグメントでは、水素結合が形成されにくく凝集力が弱くなるため、変形しやすく低結晶性となる。従って、ハードセグメントとソフトセグメントとのバランスによりポリウレタン樹脂の圧縮率等の物性を調整することができる。

0048

(C)クッション層は、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、ウレタンフォーム製のPORON(登録商標)シリーズ(例えば、PORON H-24(引張伸び:150%、引張強さ:0.88MPa)、PORON H-32(引張伸び:155%、引張強さ:1.44MPa)、PORON H-48(引張伸び:140%、引張強さ:2.35MPa)等)(以上、ロジャースイノアック製)等が挙げられる。

0049

(C)クッション層の厚みは、特に限定されないが、0.1mm以上3.0mm以下が好ましく、0.3mm以上2.5mm以下がより好ましい。また、(C)クッション層の厚みは、前記(A)表面研磨層の厚みに対して、0.3〜20倍程度であってもよく、0.5〜5倍程度であってもよく、0.8〜2.5倍程度であってもよい。

0050

本発明の研磨パッドは、圧縮率について、(C)クッション層の圧縮率>(A)表面研磨層の圧縮率の関係を満たすものであり、(C)クッション層の圧縮率は、研磨の均一性及び加工精度が高まる点から、(A)表面研磨層の圧縮率の2.0倍以上であることが好ましく、3.0倍以上であることがより好ましく、5.0倍以上であることがさらに好ましい。

0051

本発明の研磨パッドにおいて、積層された後の積層体の圧縮率は、特に限定されないが、圧縮率が低すぎると被研磨体の反りなどに追従することが難しくなり、面内の均一性を低下することを防ぎ、圧縮率が高すぎると、パターン付きウェハローカル段差での平坦性が低下することを防ぐ点から、1.0%以上30.0%以下が好ましく、1.0%、2.0%、3.0%、5.0%、6.0%、7.0%、9.0%、10.0%、11.0%、12.0%、13.0%、15.0%、18.0%、19.0%、20.0%、21.0%、23.0%、25.0%、28.0%、29.0%及び30.0%のいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、2.0%以上35.0%以下がより好ましく、5.0%以上30.0%以下がさらに好ましい。

0052

本発明の積層研磨パッドの厚みは、特に限定されないが、0.3mm以上7.0mm以下が好ましく、0.5mm以上6.0mm以下がより好ましく、1.0mm以上4.0mm以下がさらに好ましい。

0053

本発明の研磨パッドにおいて、積層された後の積層体の硬度は、特に限定されず、20以上100以下が好ましく、20、25、29、30、31、35、39、40、41、45、49、50、51、55、59、60、61、65、70、75、80、81、85、89、90、95及び100のいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、25以上97未満がより好ましい。積層体の硬度は、表面研磨層の硬度と同一の定義であり、表面研磨層の硬度と同様に測定できる。

0054

研磨パッドの製造方法は、特に限定されず、公知の方法に準じて製造することができる。製造方法としては、例えば、(A)表面研磨層を構成する材料に、接着剤を塗布し、(C)クッション層を積層して張り合わせることで製造できる。製造方法の一態様として、(A)表面研磨層を構成する材料に、ホットメルト接着剤を塗布し、(C)クッション層を積層して、加熱処理を行って張り合わせる方法が挙げられる。前記加熱処理の温度は、特に限定されないが、50〜200℃が好ましく、70〜180℃がより好ましく、90〜150℃がさらに好ましい。加熱処理時間は、特に限定されないが、5〜180分が好ましく、10〜120分がより好ましく、30〜120分がさらに好ましい。加熱処理に用いる加熱装置は、特に限定されない。前記製造方法において、必要に応じて、さらに乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理の方法は特に限定されないが、70〜150℃程度の乾燥装置で乾燥させてもよい。

0055

本発明の研磨パッドの他の一態様を図2に示す。研磨定盤に固定するために、本発明の研磨パッド1は、図2に示されるように、(C)クッション層4に、両面テープ5が張り付けられていてもよい。両面テープ5は、例えば、可撓性フィルムの基材を備え、該基材の両面に接着剤層を備える。前記可撓性フィルムは、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等が挙げられる。前記接着剤層に用いる接着剤は、特に限定されず、例えば、本発明の研磨パッド1の(B)接着剤層と同じものであってもよいが、ゴム系接着剤又はアクリル系接着剤が好ましい。両面テープ5は、基材の一面側の接着剤層でクッション層4と貼り合わされており、他面側の接着剤層が剥離紙で覆われている。

0056

本発明の積層研磨パッドは、特に限定されないが、CMP装置用とするのが好ましい。CMP装置としては、特に限定されず、CMPで一般的に使用する研磨装置が使用できる。例えば、図3に示されるように、研磨パッド1を支持する回転可能な研磨定盤6と、被研磨材8(ウェハ)を支持する支持台9(ポリシングヘッド)とウェハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨材7の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤6に装着される。研磨定盤6と支持台9とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材8が対向するように配置され、それぞれに回転軸10、11を備えている。また、支持台9には、被研磨材8を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。

0057

CMPにおいて、本発明の積層研磨パッドとともに用いる砥粒(研磨材粒子)としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、シリカアルミナセリア酸化セリウム)、ジルコニアチタニア酸化チタン)、ゲルマニア等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0058

CMPにおいて、本発明の積層研磨パッドとともに用いる研磨スラリーとしては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、水又は水ベース水溶液に前記砥粒を分散させ、さらにウェハの表面の物質と化学的に反応する反応液(例えば、水酸化ナトリウムアンモニア等)を添加したものが挙げられる。

0059

本発明の積層研磨パッドは、半導体素子等に用いられるシリコンウェハ、水晶ウェハ等を工作物(被研磨材)とするのが好ましい。

0060

本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。

0061

次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。

0062

[圧縮率の測定方法]
圧縮率は、直径5mmの円筒状の圧子圧縮棒)を使用し、Bruker AXS社製TMAにて25℃において、下記条件でT1〜T2を測定し、下記の式にて求めた。測定方法の概略図を図4に示す。
<測定条件>
初期荷重:200g/cm2
最大荷重:2000g/cm2
荷重速度:250g/cm2/分
圧縮率(%)={(T1−T2)/T1}×100
(式中、T1は荷重が300g/cm2のときの研磨パッド断面の厚さを表し、T2は荷重が1800g/cm2のときの研磨パッド断面の厚さを表す。)

0063

[実施例1]
超高分子量ポリエチレン粉末の焼結多孔質シート(商品名:サンマップLC、Mν:300万、平均孔径:17μm、気孔率:30%、ショアD硬度:48、Ra:2.0μm、厚さ:2.0mm、日東電工製)とマイクロセルポリマーシート(商品名:PORON(登録商標)、型番:H-48 2.0mm、材質:ウレタンフォーム、引張強さ:、2.35MPa、引張伸び:150%、厚さ:2.0mm、ロジャースイノアック製)を、ホットメルト粘着剤で貼りあわせて積層体を得た。ホットメルト接着剤は、ペレット状のボンドファーストBF7B(エチレン/グリシジルジメタクリレート(GMA)/酢酸ビニル共重合体、住友化学工業製)を120℃に加熱したプレスにて溶融し、厚さ0.15mmにフィルム化したものを用いた。得られた積層体を、130℃、20分乾燥炉に入れて加熱し、接着を行い、積層研磨パッドを得た。

0064

[実施例2]
サンマップLCに代えて、分子量300万の超高分子量ポリエチレン樹脂を用いて作製したサンマップであって、気孔率が50%であり、厚さが2.0mmである高気孔率品を用いた以外は実施例1と同様にして、積層研磨パッドを得た。

0065

実施例1及び2において、(A)表面研磨層単独及び(C)クッション層単独の圧縮率、硬度及び膜厚を測定した。硬度は、ゴム硬度計(タイプA、株式会社テクロック製)を用いて測定した。測定結果を下記表1に示す。

0066

0067

[実施例3〜7]
膜厚のみを表2に記載のものに変更した以外は、同様の物性を有する超高分子量ポリエチレン粉末の焼結多孔質シートを用いて実施例1と同様にして積層研磨パッドを得た。得られた各積層研磨パッドについて、圧縮率、硬度及び膜厚を測定した。結果を下記表2に示し、圧縮率と膜厚の測定結果をグラフ化したものを図5に示す。図中、LCはサンマップLCを表し、LCの隣の数値はサンマップLCの厚みを表す。

0068

0069

上記結果から、本発明の積層研磨パッドは、積層体において、(A)表面研磨層の厚みを制御することによって圧縮率の細かい制御ができることが確認できた。積層研磨パッドの圧縮率を細かく、制御できることによって、ウェハ全体を均一に研磨することができるとともに、ウェハ表面を局所的に平坦化することも可能となる。

0070

研磨性の評価]
サンマップLC単体及び実施例4の積層研磨パッドについて、研磨性を評価した。
被研磨材として、底面が15mm四方正方形水晶基板を用いた。研磨材として、酸化セリウム(CeO2)砥粒(商品名:SHOROX(登録商標)グレード:NX23(T)、粒度分布(μm)D50:0.9〜1.1、昭和電工製)を、蒸留水で10wt%に調整し、研磨スラリーを得た。研磨装置には、テグラミン(Tegramin)-30(定盤径(直径)300mm、丸本ストルアス製)を用い、測定対象の研磨パッドのサイズは直径300mmとした。
上記の材料及び装置を用いて、まず水晶基板を直径25mmのワークに入れてエポキシ樹脂(商品名:エポフィックスキット(EpoFix Kit)、Struers社製)にて包埋後、SiC耐水研磨紙#200(FEPA規格、Struers社製)にて、面だしを行った(回転速度:300rpm、研磨圧力:30N、研磨時間:10秒)。この際、研磨は砥粒を加えずに水のみで行った。次に、実施例4の積層研磨パッドを定盤に設置し、慣らし運転として、回転させた(回転速度:150rpm、圧力:20N、回転時間:5分)。続いて、前記積層研磨パッドを用いて、水晶基板を研磨した(回転速度:150rpm、研磨圧力:20N、研磨時間:5分)。研磨時に砥粒(研磨スラリー)を加える速度は、2mL/分とした。
研磨後レーザー顕微鏡(商品名:広視野コンフォーカルレーザー顕微鏡 HD100D、Laser Tec社製)を用いて、水晶基板の表面を観察し(倍率20倍)、水晶基板の表面粗さRa(JIS B 0601:2001に規定の算術平均粗さ)を測定した。また、研磨量について、研磨前(面だし後)、水晶基板に傷を付け、その深さを前記レーザー顕微鏡で測定することによって(倍率50倍)、深さ方向の削られた量について、測定した。研磨後、実施例4の積層研磨パッドを用いて研磨した水晶基板では、全体を均一に研磨できていたことが確認された。

0071

前記した実施例4の積層研磨パッドの代わりに、サンマップLC単体を使用した以外は、上記と同様の方法で研磨性を評価した。

0072

実施例

0073

サンマップLC単体と本発明の積層研磨パッド(実施例4)を比較すると、研磨量は、サンマップLC単体の方が多く削れた。また、研磨後の表面粗さは、本発明の積層研磨パッドの方が平滑になった。したがって、本発明の積層研磨パッドは少ない研磨量で表面をより平滑にすることができ、加工精度の高い研磨を行うことができることが確認された。さらに、本発明の積層研磨パッドは、被研磨対象物全体を均一に研磨することができていた。

0074

本発明の研磨パッドは、表面層に硬い素材を用い、さらに、ウェハ表面への追従性を確保するため、下層クッション材を用いることで、均一性と平坦性の両方の性能を得ることができる。また、超高分子量ポリエチレン粉末の焼結多孔質シートの厚みを制御することによって圧縮率の細かい制御が可能になった。さらに、本発明の研磨パッドは、加工精度の高い研磨を行うことができる。

0075

1:研磨パッド
2:(A)表面研磨層
3:(B)接着剤層
4:(C)クッション層
5:両面テープ
6:研磨定盤
7:研磨材
8:被研磨材
9:支持台
10、11:回転軸

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ