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技術 医療用容器および医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物

出願人 三井化学株式会社
発明者 藤村太和佐英樹原田勝好齋藤春佳
出願日 2018年9月3日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-164598
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-036711
状態 未査定
技術分野 医療品保存・内服装置 被包材 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード シリンジ形状 検査セル 測定用ペレット シングルチャンバー 中心磁場 分析容器 分光光線透過率 階段状変化
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この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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課題

電子線、ガンマ線照射で変色が少なく、かつ透明性に優れる医療用容器の提供。

解決手段

C2〜20のα−オレフィン単位(A)と、環状オレフィン単位(B)と、式(C−1)の芳香族ビニル単位(C)から成る共重合体を含む医療用容器。

概要

背景

環状オレフィン系樹脂は、透明性や、耐薬品性等の性能バランスが優れている。よって、例えば、医療用容器等の成形体を形成する材料として用いられることが検討されている。このような環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物に関する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが挙げられる。

特許文献1には、特定の環状オレフィン系樹脂を2種含む環状オレフィン系樹脂組成物が記載されている。そして、その組成物により、スリップ性が改良され、透明性、表面光沢に優れ、さらに衛生面に優れた成形体を得ることが記載されている。

特許文献2には、環状オレフィン系樹脂60〜90重量部と、数平均分子量が75,000〜500,000である芳香族ビニル共役ジエンブロック共重合体および/またはその水素添加物10〜40重量部とからなる環状オレフィン系樹脂組成物が記載されている。そして、その組成物により、衝撃強度に優れるとともに防湿性にも優れた成形体を得ることが記載されている。

概要

電子線、ガンマ線照射で変色が少なく、かつ透明性に優れる医療用容器の提供。C2〜20のα−オレフィン単位(A)と、環状オレフィン単位(B)と、式(C−1)の芳香族ビニル単位(C)から成る共重合体を含む医療用容器。なし

目的

本発明は、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少なく、かつ、透明性に優れる医療用容器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)と、環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)と、を有する環状オレフィン系共重合体を含む医療用容器。(上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。)

請求項2

請求項1に記載の医療用容器において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(A)、前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(A)の含有量が10モル%以上80モル%以下である医療用容器。

請求項3

請求項1または2に記載の医療用容器において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(C)の含有量が1.0モル%以上95モル%以下である医療用容器。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一項に記載の医療用容器において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(C)の含有量が1.5モル%以上30モル%以下である医療用容器。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療用容器において、前記環状オレフィンが、下記式(B−1)で示される化合物および下記式(B−2)で示される化合物から選択される少なくとも一種を含む医療用容器。(上記式(B−1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)(前記式(B−2)中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)

請求項6

請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療用容器において、前記一般式(C−1)及び(D−1)において、m、nおよびqがいずれも0、1あるいは2である医療用容器。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療用容器において、示差走査熱量計DSC)で測定される、前記環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)が100℃以上180℃以下である医療用容器。

請求項8

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療用容器において、前記環状オレフィン系共重合体の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.05dl/g以上5.0dl/g以下である医療用容器。

請求項9

請求項1乃至8のいずれか一項に記載の医療用容器において、前記芳香族ビニル化合物が、スチレンアリベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種を含む医療用容器。

請求項10

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の医療用容器において、シリンジまたは薬液保存容器である医療用容器。

請求項11

医療用容器を形成するための環状オレフィン系共重合体組成物であって、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)と、環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)と、を有する環状オレフィン系共重合体を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。(上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。)

請求項12

請求項11に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(A)、前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(A)の含有量が10モル%以上80モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項13

請求項11または12に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(C)の含有量が1.0モル%以上95モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項14

請求項11乃至13のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、前記環状オレフィン系共重合体中の前記構成単位(C)の含有量が1.5モル%以上30モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項15

請求項11乃至14のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記環状オレフィンが、下記式(B−1)で示される化合物および下記式(B−2)で示される化合物から選択される少なくとも一種を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。(上記式(B−1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)(前記式(B−2)中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)

請求項16

請求項11乃至15のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記一般式(C−1)及び(D−1)において、m、nおよびqがいずれも0、1あるいは2である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項17

請求項11乃至16のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、示差走査熱量計(DSC)で測定される、前記環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)が100℃以上180℃以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項18

請求項11乃至17のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記環状オレフィン系共重合体の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.05dl/g以上5.0dl/g以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項19

請求項11乃至18のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記芳香族ビニル化合物が、スチレン、アリルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

請求項20

請求項11乃至19のいずれか一項に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、前記医療用容器がシリンジまたは薬液保存容器である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

技術分野

0001

本発明は、医療用容器および医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物に関する。

背景技術

0002

環状オレフィン系樹脂は、透明性や、耐薬品性等の性能バランスが優れている。よって、例えば、医療用容器等の成形体を形成する材料として用いられることが検討されている。このような環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物に関する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが挙げられる。

0003

特許文献1には、特定の環状オレフィン系樹脂を2種含む環状オレフィン系樹脂組成物が記載されている。そして、その組成物により、スリップ性が改良され、透明性、表面光沢に優れ、さらに衛生面に優れた成形体を得ることが記載されている。

0004

特許文献2には、環状オレフィン系樹脂60〜90重量部と、数平均分子量が75,000〜500,000である芳香族ビニル共役ジエンブロック共重合体および/またはその水素添加物10〜40重量部とからなる環状オレフィン系樹脂組成物が記載されている。そして、その組成物により、衝撃強度に優れるとともに防湿性にも優れた成形体を得ることが記載されている。

先行技術

0005

特開2001−26693号公報
特開平8−277353号公報

発明が解決しようとする課題

0006

シリンジ薬液保存容器等の医療用容器は、通常、滅菌した後に内容物が充填される。この滅菌の際、容器に対して電子線あるいはガンマ線照射される場合がある。
本発明者らの検討によれば、従来の環状オレフィン系樹脂を用いた医療用容器においては、電子線あるいはガンマ線照射によって変色が発生しうる場合があることが明らかになった。

0007

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、本発明は、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少なく、かつ、透明性に優れる医療用容器を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、医療用容器を構成する樹脂として、α−オレフィンから導かれる構成単位と、環状オレフィンから導かれる構成単位と、特定の化学式で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位と、を有する環状オレフィン系共重合体を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。そして、以下に示される本発明を完成させた。

0009

すなわち、本発明によれば、以下に示す医療用容器および医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物が提供される。

0010

[1]
炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)と、
環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、
一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)と、
を有する環状オレフィン系共重合体を含む医療用容器。






(上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。
上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、
mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。)
[2]
上記[1]に記載の医療用容器において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(A)の含有量が10モル%以上80モル%以下である医療用容器。
[3]
上記[1]または[2]に記載の医療用容器において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(C)の含有量が1.0モル%以上95モル%以下である医療用容器。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(C)の含有量が1.5モル%以上30モル%以下である医療用容器。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
上記環状オレフィンが、下記式(B−1)で示される化合物および下記式(B−2)で示される化合物から選択される少なくとも一種を含む医療用容器。



(上記式(B−1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)



(上記式(B−2)中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
上記一般式(C−1)及び(D−1)において、m、nおよびqがいずれも0、1あるいは2である医療用容器。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
示差走査熱量計DSC)で測定される、上記環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)が100℃以上180℃以下である医療用容器。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
上記環状オレフィン系共重合体の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.05dl/g以上5.0dl/g以下である医療用容器。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
上記芳香族ビニル化合物が、スチレンアリベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種を含む医療用容器。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の医療用容器において、
シリンジまたは薬液保存容器である医療用容器。
[11]
医療用容器を形成するための環状オレフィン系共重合体組成物であって、
炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)と、
環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、
一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)と、
を有する環状オレフィン系共重合体を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。






(上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。
上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、
mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。)
[12]
上記[11]に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(A)の含有量が10モル%以上80モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[13]
上記[11]または[12]に記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(C)の含有量が1.0モル%以上95モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[14]
上記[11]乃至[13]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、上記環状オレフィン系共重合体中の上記構成単位(C)の含有量が1.5モル%以上30モル%以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[15]
上記[11]乃至[14]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記環状オレフィンが、下記式(B−1)で示される化合物および下記式(B−2)で示される化合物から選択される少なくとも一種を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。



(上記式(B−1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)



(上記式(B−2)中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
[16]
上記[11]乃至[15]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記一般式(C−1)及び(D−1)において、m、nおよびqがいずれも0、1あるいは2である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[17]
上記[11]乃至[16]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
示差走査熱量計(DSC)で測定される、上記環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)が100℃以上180℃以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[18]
上記[11]乃至[17]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記環状オレフィン系共重合体の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.05dl/g以上5.0dl/g以下である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[19]
上記[11]乃至[18]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記芳香族ビニル化合物が、スチレン、アリルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種を含む医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。
[20]
上記[11]乃至[19]のいずれか一つに記載の医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物において、
上記医療用容器がシリンジまたは薬液保存容器である医療用容器用環状オレフィン系共重合体組成物。

発明の効果

0011

本発明によれば、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少なく、かつ、透明性に優れる医療用容器を提供することができる。

0012

以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」はとくに断りがなければ、A以上B以下を表す。

0013

[環状オレフィン系共重合体]
まず、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)について説明する。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)と、環状オレフィンから導かれる構成単位(B)と、下記式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)と、を有する。






(上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。
上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、
mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。)

0014

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)、環状オレフィンから導かれる構成単位(B)および上記式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)を含むことにより、透明性を良好に保ちながら、医療用容器の耐放射線性を向上させることができる。
以上から、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)によれば、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少なく、かつ、透明性に優れる医療用容器を得ることが可能となる。

0015

(α−オレフィン由来の構成単位(A))
本実施形態に係る構成単位(A)は炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位である。
ここで、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状でも分岐状でもよく、エチレンプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20の直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン等の炭素原子数が4〜20の分岐状α−オレフィン等が挙げられる。これらの中では、炭素原子数が2〜4の直鎖状α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。このような直鎖状または分岐状のα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。

0016

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)中の上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)中の上記構成単位(A)の含有量は、好ましくは10モル%以上80モル%以下、より好ましくは30モル%以上75モル%以下、さらに好ましくは40モル%以上70モル%以下である。
上記構成単位(A)の含有量が上記下限値以上であることにより、医療用容器の耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。また、上記構成単位(A)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる医療用容器の透明性等を向上させることができる。
本実施形態において、構成単位(A)の含有量は、例えば、1H−NMRまたは13C−NMRによって測定することができる。

0017

(環状オレフィン由来の構成単位(B))
本実施形態に係る構成単位(B)は環状オレフィン由来の構成単位である。本実施形態に係る構成単位(B)としては、医療用容器のガスバリア性をさらに向上させる観点から、下記式(B−1)で示される化合物由来の構成単位および下記式(B−2)で示される化合物由来の構成単位から選択される少なくとも一種の構成単位を含むことが好ましい。

0018

上記式(B−1)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。
ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子臭素原子またはヨウ素原子である。
R1〜R18ならびにRaおよびRbは炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、例えば炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、および芳香族炭化水素基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基エチル基プロピル基イソプロピル基アミル基ヘキシル基、オクチル基、デシル基ドデシル基およびオクタデシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。これらの炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。

0019

さらに上記式(B−1)において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。

0020

0021

なお、上記例示において、1または2の番号が付された炭素原子は、上記式(B−1)においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、例えば炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。

0022

上記式(B−2)中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。

0023

ハロゲン原子は、上記式(B−1)におけるハロゲン原子と同じ意味である。また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、例えば炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および芳香族炭化水素基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはアリール基およびアラルキル基等、具体的にはフェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基等が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基エトキシ基およびプロポキシ基等を挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。

0024

ここで、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R9およびR13で示される基またはR10およびR11で示される基が互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)またはプロピレン基(−CH2CH2CH2−)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、例えば下記のようなn=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。

0025

0026

ここで、qは上記式(B−2)におけるqと同じ意味である。

0027

上記のような式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンとしては、例えば、



(上記式中、1〜7の数字炭素位置番号を示す。)およびこのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに炭化水素基が置換した誘導体等が挙げられる。この炭化水素基としては、例えば、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントラニル)、5,6−ジフェニル等が挙げられる。

0028

さらに、上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンタジエンアセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン等のビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体等が挙げられる。

0029

さらに、上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンとしては、例えば、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン等のトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン等のトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、

0030

(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)およびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに炭化水素基が置換した誘導体等が挙げられる。この炭化水素基としては、例えば、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニル等が挙げられる。

0031

さらに、上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンとしては、例えば、(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエン等のペンタシクロペンタデカジエン化合物、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]−6−ヘキサセンおよびその誘導体等が挙げられる。

0032

本実施形態に係る環状オレフィン由来の構成単位(B)は、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンおよびヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含むことが好ましく、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含むことがより好ましく、本実施形態に係る医療用容器の透明性をさらに向上させる観点から、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位を含むことがさらに好ましい。

0033

なお、上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特開平6−228380号の段落番号[0038]〜[0058]に示された環状オレフィンの構造例や、特開2005−330465号の段落番号[0027]〜[0029]に示された環状オレフィンの構造例、特開平7−145213号公報の段落番号[0032]〜[0054]に示された環状オレフィンの構造例等を挙げることができる。本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)は、上記環状オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。

0034

上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンは、例えば、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とをディールスアルダー反応させることによって製造することができる。

0035

本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)において、上記式(B−1)または(B−2)で示される環状オレフィンの少なくとも一部は下記式(B−3)または(B−4)で示される繰り返し単位を構成していると考えられる。

0036

上記式(B−3)において、n、m、q、R1〜R18、RaおよびRbは上記式(B−1)と同じ意味である。

0037

上記式(B−4)において、n、m、p、qおよびR1〜R19は上記式(B−2)と同じ意味である。

0038

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)中の上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、環状オレフィン系共重合体(P)中の構成単位(B)の含有量は、好ましくは5モル%以上60モル%以下、より好ましくは10モル%以上55モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上50モル%以下である。
本実施形態において、構成単位(B)の含有量は、例えば、1H−NMRまたは13C−NMRによって測定することができる。

0039

芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C))
本実施形態に係る構成単位(C)は上記一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物由来の構成単位である。
本実施形態に係る芳香族ビニル化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0040

上記式(C−1)は、R1〜R10で表されるすべてのRのうちのいずれか1つが上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基であり、上記式(D−1)中、*は結合手を示す。
上記式(C−1)及び(D−1)中、m、nおよびqはいずれも0または正の整数であり、
mが2以上の場合、複数あるR1、R4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるR6、R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、R21、及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R8とR9は互いに結合して単環を形成していてもよく、該単環が二重結合を有していてもよい。

0041

また、上記式(C−1)及び(D−1)において、好ましくは、m、nおよびqがいずれも0、1あるいは2であり、より好ましくは、mおよびnがともに0でqが0または1であるか、あるいはmが0でnが1または2で、qは0または1であることが好ましい。mは0または1が好ましい。nは1または2であることが好ましい。qは0であることが好ましい。
上記式(C−1)中のR1〜R10で表されるRのうち上記式(D−1)で表されるビニル基を有する炭化水素基以外のR1〜R10、並びに、上記式(D−1)中のR21、及びR22は、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。

0042

また、炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、それぞれ独立に、例えば炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、および芳香族炭化水素基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基等のアリール基またはアラルキル基等が挙げられる。これらの炭化水素基はフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい。

0043

これらの中でも、本実施形態に係る(C−1)で表される構造としては、例えば、スチレン、アリルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種が好ましく、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンおよび9−ビニルアントラセンから選択される少なくとも一種であることがさらに好ましく、スチレンであることが特に好ましい。これらの芳香族ビニル化合物を用いた場合、構成単位(A)を導くα−オレフィンおよび構成単位(B)を導く環状オレフィンとの共重合性に優れ、得られる環状オレフィン系共重合体により多くの芳香環を効率よく導入できることから、特に、医療用容器の耐放射線性をより一層向上させることが可能であると考えられる。

0044

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)中の上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計含有量を100モル%としたとき、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)中の上記構成単位(C)の含有量は好ましくは1.0モル%以上95モル%以下、より好ましくは2.0モル%以上60モル%以下、さらに好ましくは3.0モル%以上40モル%以下であり、放射線照射後の医療用容器中に残存するラジカル量をより一層低減するか点から、1.5モル%以上であることが好ましく、3.0モル%以上であることがより好ましく、5.0モル%以上であることがさらに好ましく、6.5モル%以上であることがさらにより好ましく、そして30モル%以下であることが好ましい。
本実施形態において、構成単位(B)および構成単位(C)の含有量は、例えば、1H−NMRまたは13C−NMRによって測定することができる。

0045

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)の共重合タイプは特に限定されないが、例えば、ランダム共重合体ブロック共重合体等を挙げることができる。本実施形態においては、透明性や耐熱性に優れる医療用容器を得ることができる観点から、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)としてはランダム共重合体であることが好ましい。

0046

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開2007−314806号公報、特開2010−241932号公報等の方法に従い適宜条件を選択することにより製造することができる。

0047

示差走査熱量計(DSC)で測定される、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)のガラス転移温度(Tg)は、得られる医療用容器の透明性を良好に保ちつつ、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは100℃以上180℃以下であり、より好ましくは120℃以上170℃以下、さらに好ましくは130℃以上160℃以下である。

0048

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)の極限粘度[η](135℃デカリン中)は、例えば0.05〜5.0dl/gであり、好ましくは0.2〜4.0dl/gであり、さらに好ましくは0.3〜2.0dl/g、特に好ましくは0.4〜1.0dl/gである。
極限粘度[η]が上記下限値以上であると、医療用容器の機械的強度を向上させることができる。また、極限粘度[η]が上記上限値以下であると、成形性を向上させることができる。

0049

[環状オレフィン系共重合体組成物]
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物は医療用容器を形成するための環状オレフィン系共重合体組成物であって、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)を含み、必要に応じて、環状オレフィン系共重合体(P)以外のその他の成分を含んでもよい。なお、本実施形態において、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物が環状オレフィン系共重合体(P)のみしか含まない場合も環状オレフィン系共重合体組成物と呼ぶ。

0050

また、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物中の環状オレフィン系共重合体(P)の含有量は、得られる医療用容器の透明性および、耐ガンマ線または耐電子線性能の性能バランスをより向上させる観点から、当該環状オレフィン系共重合体組成物の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物は、環状オレフィン系共重合体(P)を上記の比率で含むことにより、得られる医療用容器について、医療用容器に求められる良好な透明性を満足しながら、耐ガンマ線または耐電子線性能をより一層向上させることができる。

0051

(その他の成分)
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物には、必要に応じて、耐候安定剤耐熱安定剤、酸化防止剤金属不活性化剤塩酸吸収剤帯電防止剤難燃剤スリップ剤アンチブロッキング剤防曇剤滑剤天然油合成油ワックス有機または無機充填剤等を本発明の目的を損なわない程度に配合することができ、その配合割合は適宜量である。

0052

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物は、必要に応じて、ヒンダードアミン系化合物[D]を含んでもよい。
ヒンダードアミン系化合物[D](以下、単に、化合物[D]、あるいは、[D]とも表記する)としては、ヒンダードアミン構造(具体的には、以下の式(b1)で表される部分構造)を、1つまたは2つ以上有する化合物を適宜用いることができる。
式(b1)中、*は、他の化学構造との結合手を表す。

0053

0054

化合物[D]として具体的には、公知のヒンダードアミン光安定剤(Hindered Amine Light Stabilizers:略称HALS)として知られている化合物などを用いることができる。

0055

化合物[D]としては、例えば、国際公開第2006/112434号の段落0058〜0082に記載のヒンダードアミン系化合物、国際公開第2008/047468号の段落0124〜0186に記載のヒンダードアミン系化合物、国際公開第2008/047468号の段落0187〜0226に記載のピペリジン誘導体またはその塩、特開2006−321793号公報に記載のポリアミン誘導体またはその塩などを例示することができる。

0056

また、Chimassorb 2020、Chimassorb 944、Tinuvin 622、Tinuvin PA144 Tinuvin 765、Tinuvin
770(以上、BASF社製)、Cyasorb UV−3853、Cyasorb UV−3529、Cyasorb UV−3346、Cyasorb UV−531(以上、Cytec社製)、アデカスタブLA−52、アデカスタブ LA−57、アデカスタブ LA−63P、アデカスタブ LA−68、アデカスタブ LA−72、アデカスタブ LA−77Y、アデカスタブ LA−81、アデカスタブ LA−82、アデカスタブ LA−87(以上、ADEKA社製)等の市販品を用いることができる。

0057

本実施形態では、化合物[D]は、以下一般式(b2)で表される構造単位を有する化合物であることが好ましい。
この化合物は、典型的にはポリマーまたはオリゴマーである。この化合物のような、ポリマーまたはオリゴマーである化合物[D]を用いることで、環状オレフィン系共重合体(P)との相溶性を高められ、組成物をより均一にすることができると考えられる。また、照射により特性吸収を有するような構造に変化しにくいと考えられる。これにより、電子線あるいはガンマ線照射による変色をより少なくし、また、電子線あるいはガンマ線照射によるラジカルの発生をより少なくできると考えられる。

0058

0059

一般式(b2)において、X1およびX2は、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。
X1およびX2の2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基アリーレン基、これらの基が連結された基、などを挙げることができる。これらの中でも、アルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
一般式(b2)で表される構造単位を有する化合物については、市販品を用いてもよいし、対応するジオールおよびジカルボン酸などを縮重合させることで得てもよい。

0060

化合物[D]については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
組成物中の化合物[D]の含有量は、環状オレフィン系共重合体(P)の含有量を100質量部としたとき、例えば0.01〜2.0質量部、好ましくは0.05〜1.5質量部、より好ましくは0.10〜1.0質量部である。この範囲とすることで、他の性能(例えば成形性や機械強度など)を維持しつつ、電子線あるいはガンマ線照射による変色、ラジカルの発生などを効果的に低減することができる。

0061

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物は、必要に応じて、リン系化合物[E]を含んでもよい。
使用可能なリン系化合物[E](以下、単に、化合物[E]、または、[E]とのみ表記することもある)については、特に制限は無い。例えば、公知のリン系酸化防止剤を用いることができる。

0062

リン系酸化防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のリン系酸化防止剤(例えば、ホスファイト系酸化防止剤)を用いることができる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタンテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトサイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。

0063

好ましく用いられる化合物[E]は、3価の有機リン化合物である。より具体的には、化合物[E]は、亜リン酸(P(OH)3)の3つの水素原子が、各々同一または異なる有機基で置換された構造を有する化合物である。
より具体的には、化合物[E]は、好ましくは、下記一般式(c1)、(c2)または(c3)で表される化合物である。

0064

0065

一般式(c1)、(c2)および(c3)中、
R1は、複数ある場合はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、
R2は、複数ある場合はそれぞれ独立に、芳香族基を表し、
R3は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、
Xは、単結合または2価の連結基を表す。

0066

R1のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくはt−ブチル基である。
R2の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、これらがアルキル基等で置換された基などが挙げられる。
R3の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは3〜20、さらに好ましくは6〜18である。
R3として好ましくはアリール基またはアラルキル基であり、より好ましくはアラルキル基である。これらアリール基またはアラルキル基は、さらに置換基(例えば、炭素数1〜6のアルキル基やヒドロキシ基など)で置換されていてもよい。
Xが2価の連結基である場合、その具体例としては、アルキレン基(メチレン基など)やエーテル基(−O−)などが挙げられる。Xとして好ましくは単結合である。

0067

化合物[E]については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
組成物中の化合物[E]の含有量は、環状オレフィン系共重合体(P)の量を100質量部としたとき、例えば0.01〜1.5質量部、好ましくは0.02〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部である。この範囲とすることで、他の性能(例えば成形性や機械強度など)を維持しつつ、電子線あるいはガンマ線照射による変色、ラジカルの発生などを効果的に低減することができる。

0068

一方、別観点として、環状オレフィン系共重合体(P)の量を100質量部としたとき、リン系化合物[E]の含有量は、好ましくは0.05質量部未満、より好ましくは0.03質量部以下、さらに好ましくは0.02質量部以下である。

0069

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物は、環状オレフィン系共重合体(P)およびその他の成分を、押出機およびバンバリーミキサー等の公知の混練装置を用いて溶融混練する方法;環状オレフィン系共重合体(P)およびその他の成分を共通の溶媒に溶解した後、溶媒を蒸発させる方法;貧溶媒中に環状オレフィン系共重合体(P)およびその他の成分の溶液を加えて析出させる方法;等の方法により得ることができる。

0070

[医療用容器]
次に、本発明に係る実施形態の医療用容器について説明する。
本実施形態に係る医療用容器は本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)または実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物を含んでいる。
本実施形態に係る医療用容器は本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)を含むため、透明性および、耐ガンマ線または耐電子線性能の性能バランスに優れている。この医療用容器は、電子線あるいはガンマ線照射による変色が少ない。
ここで、本発明者らの別の検討によれば、従来の医療用容器は、電子線あるいはガンマ線照射によってラジカルが発生する場合があることが明らかになった。これにより、医療用容器に内容物の充填後に内容物が変質するリスクがあることが懸念される。
これに対して、本実施形態に係る医療用容器は、電子線あるいはガンマ線照射によるラジカルの発生量を少なくすることができる。そのため、本実施形態に係る医療用容器によれば、内容物が変質するリスクを低減することが可能である。

0071

また、本実施形態に係る医療用容器中の環状オレフィン系共重合体(P)の含有量は、耐放射線性および透明性の性能バランスをより向上させる観点から、当該医療用容器の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは90質量%以上100質量%以下である。

0072

本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(P)または実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物を成型して医療用容器を得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。その用途および形状にもよるが、例えば、押出成形射出成形インフレーション成形ブロー成形押出ブロー成形射出ブロー成形プレス成形真空成形パウダースラッシュ成形カレンダー成形発泡成形等が適用可能である。これらの中でも、成形性、生産性の観点から射出成形法が好ましい。また、成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば射出成形における樹脂温度は、通常150℃〜400℃、好ましくは200℃〜350℃、より好ましくは230℃〜330℃の範囲で適宜選択される。

0073

また、例えば上記で製造された医療用容器に、ガンマ線または電子線を照射することで、医療用容器のガンマ線または電子線照射物(ガンマ線または電子線が照射された医療用容器)を得ることができる。この医療用容器は、照射により、殺菌または滅菌がなされているため清潔であり、かつ、変色やラジカルの発生が抑えられている。照射線量は特に限定されないが、通常は5〜100キログレイ、好ましくは10〜80キログレイである。

0074

医療用容器としては、例えば、注射器注射筒外筒(以下、シリンジ)および薬液や薬剤を充填してなる注射筒(以下、プレフィルドシリンジとも呼ぶ。)に使用されるシリンジ、薬液や薬剤を充填してなる保存容器に使用される保存容器(以下、薬液保存容器とも呼ぶ。)等が挙げられる。

0075

ここで、プレフィルドシリンジとは、薬液や薬剤があらかじめ充填されているシリンジ形状の製剤であり、1種類の液が充填されたシングルチャンバータイプのものと、2種の薬剤が充填されたダブルチャンバータイプがある。ほとんどのプレフィルドシリンジはシングルチャンバータイプであるが、ダブルチャンバータイプについては、粉末とその溶解液からなる液・粉タイプの製剤と2種類の液からなる液・液タイプの製剤がある。シングルチャンバータイプの内溶液の例としては、ヘパリン溶液等が挙げられる。シリンジ及びプレフィルドシリンジに使用されるシリンジとして、例えば、プレフィラブル・シリンジ、ワクチン用プレフィルドシリンジ、抗がん剤用プレフィルドシリンジ、ニードルレス・シリンジ等が挙げられる。

0076

薬液保存容器としては、例えば、広口瓶、狭口瓶、薬ビンバイアルビン輸液ボトルバルク容器シャーレ試験管分析セル等を挙げることができる。より具体的には、アンプルプレススルーパッケージ輸液用バッグ点滴薬容器点眼薬容器などの液体粉体または固体薬品容器血液検査用のサンプリング用試験管、採血管検体容器などのサンプル容器紫外線検査セルなどの分析容器メスカン子、ガーゼコンタクトレンズなどの医療器具滅菌容器ディスポーザブルシリンジ、プレフィルドシリンジなどの医療用具ビーカーバイアル、アンプル、試験管フラスコなどの実験器具人工臓器ハウジング等が挙げられる。

0077

本実施形態に係る医療用容器は透明性が良好である。透明性は、内部ヘイズで評価される。
また、さらに光線透過率が良好であることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。

0078

光線、あるいは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要であり、反射防止膜を表面に設けていない状態での全光線透過率は85%以上、好ましくは88〜93%である。全光線透過率が85%以上であれば必要な光量を確保することができる。全光線透過率の測定方法は公知の方法が適用でき、測定装置等も限定されないが、例えば、ASTMD1003に準拠して、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物を厚み3mmのシートに成形し、ヘーズメーターを用いて、本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体組成物を成形して得られるシートの全光線透過率を測定する方法等が挙げられる。

0079

また、本実施形態に係る医療用容器は、450nm〜800nmの波長の光の光線透過率に優れる。
なお、公知の反射防止膜を表面に設けることにより、光線透過率をさらに向上させることができる。

0080

以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。

0081

以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。

0082

<環状オレフィン系共重合体の製造>
[製造例1]
攪拌装置を備えた容積500mlのガラス製反応容器不活性ガスとして窒素を100Nl/hrの流量で30分間流通させた。その後、ガラス製反応容器に、シクロヘキサン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(9.8mmol、以下、テトラシクロドデセンとも呼ぶ。)、スチレン(5.4mmol)を加えた後に、トリイソブチルアルミニウムトルエン溶液(0.70mmol、濃度1.0mM/ml)を加えた。次いで回転数600rpmで重合溶媒攪拌しながら溶媒温度を50℃に昇温した。溶媒温度が所定の温度に達した後、流通ガスを窒素からエチレンに切り替え、エチレンを50Nl/hr、水素を0.05Nl/hrの供給速度反応容器に流通させ、10分経過した後に、イソプロピリデンビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.0020mmol)、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.0080mmol)のトルエン溶液をガラス製反応容器に添加し、重合を開始させた。
10分間経過した後、メタノールを5ml添加して重合を停止させ、エチレン、テトラシクロドデセン、およびスチレンの共重合体を含む重合溶液を得た。その後、重合溶液を別に用意した容積2Lのビーカーに移液し、さらに濃塩酸5mlと攪拌子を加え、強攪拌下で2時間接触させ脱灰操作を行った。この重合液に対して体積で約3倍のアセトンを入れたビーカーに脱灰後の重合溶液を攪拌下加えて共重合体を析出させ、さらに析出した共重合体を濾過により濾液と分離した。得られた溶媒を含む重合体を130℃で10時間減圧乾燥を行ったところ、白色パウダー状のエチレン・テトラシクロドデセン・スチレン共重合体(環状オレフィン系共重合体(P−1))を得た。

0083

[製造例2〜6]
環状オレフィン系共重合体を構成する各構成単位の含有量の値が表1に記載の値になるように調整した以外は、製造例1と同様に操作を行い、表1に記載の環状オレフィン系共重合体(P−2)〜(P−6)をそれぞれ得た。

0084

<実施例1〜5および比較例1>
各実施例および比較例において、各種物性は下記の方法によって測定または評価し、得られた結果を表1に示した。

0085

[環状オレフィン系共重合体を構成する各構成単位の含有量の測定方法]
エチレン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよび芳香族ビニル化合物の含有量は、日本電子社製「ECA500型」核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。
溶媒:重テトラクロロエタン
サンプル濃度:50〜100g/l−solvent
パルス繰り返し時間:5.5秒
積算回数:6000〜16000回
測定温度:120℃
上記のような条件で測定した13C−NMRスペクトルにより、エチレン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよび芳香族ビニル化合物の組成をそれぞれ定量した。

0086

[ガラス転移温度Tg(℃)]
以下の条件でDSC測定を行い求めた。
・装置:エスアイアイナノテクノロジー社製、DSC7000
測定条件窒素雰囲気下、室温から10℃/分の昇温速度で260℃まで昇温した後に5分間保持した。次いで、10℃/分の降温速度で30℃まで降温した後に5分保持した。その後、10℃/分の昇温速度で260℃まで昇温する過程DSC曲線を取得した。
得られたDSC曲線において、各ベースライン延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度を、ガラス転移温度とした。

0087

[極限粘度]
極限粘度([η])は、135℃、デカリン中で測定した。
具体的には、樹脂(約20mg)をデカリン溶媒(15mL)に溶解し、135℃のオイルバス中比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒(5mL)を追加して希釈し、その後、前述のやり方と同様に比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、サンプルの濃度(C)を0に外挿したときのηsp/Cの値を極限粘度[η]とした。
極限粘度[η]=lim(ηsp/C) (C→0)

0088

(環状オレフィン系共重合体の評価)
ペレット化
得られた環状オレフィン系共重合体(P−1)〜(P−6)を、プラスチック工学研究所製の2軸押出機BT−30(スクリュー径30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度270℃、樹脂押出量80g/minおよびスクリュー回転数200rpmの条件で造粒し、各種測定用ペレットを得た。

0089

[射出成形]
上記で得られたペレットを、東機械社製の射出成形機IS−55を用いて、シリンダ温度=270〜290℃、射出速度=70〜90%、スクリュー回転数70〜100rpm、金型温度120℃の条件にて射出成形し、厚み2mm射出角試験片を作製した。

0090

[ガンマ線照射]
上記で得られた厚み2mm角板試験片に、ガンマ線20キログレイまたは50キログレイを照射した。

0091

[透明性]
得られた厚み2mmの角板試験片について、以下の基準で透明性を評価した。
〇:目視で試験片が白濁しないもの
×:目視で試験片が白濁しているもの

0092

[評価:ガンマ線照射直後の色相
ガンマ線照射直後の試験片を、20mmの厚みで白色紙上に積み上げた。このときの色相および明度目視評価した。色相はマンセル表色系に準じた。評価の基準は以下のとおりとした。
○(良い):明度が7〜9.5で、かつ、色相が5.0GY〜10GYの間である。
△(普通):明度が5〜9.5で、かつ、色相が5Y〜5GYの間である。ただし、上記の○(良好)に該当する場合を除く。
×(悪い):明度が0以上5未満である、かつ/または、色相が2.5Y〜5Yの間である。ただし、上記の△(普通)に該当する場合を除く。

0093

上記の評価基準について補足しておく。
明度については、その値が大きいほうが、白色に近く、変色が抑えられていることが明らかである。
色相については、特に医療容器として用いることを考慮した場合、黄色は患者に不潔な印象を与えるとして敬遠されることから、黄色より緑色のほうが好ましいとした。

0094

[評価:ガンマ線照射5日後および1カ月後のラジカル量]
ガンマ線照射5日後および1カ月後の試料のラジカル量は、電子スピン共鳴法(Electron Spin Rssonance(ESR))により測定した。
具体的には、20キログレイおよび50キログレイの線量のガンマ線を照射した5日後および1カ月後の試験片を約6mg切り出し、それを試験管(詳細は以下)に入れて、以下条件でESRスペクトルを測定した。

0095

・装置:日本電子製電子スピン共鳴装置ES−TE200
共振周波数:9.2GH
マイクロ波入力:1mW
中心磁場:326.5mT
掃引幅:±15mT
変調周波数:100kHz
掃引時間:8min.
時定数:0.1sec
増幅度:25
試料管Xバンド対応の先端部石英の試料管
・外部照準酸化マグネシウム担持されたMn2+標準サンプル
外部標準メモリ:0、700
・測定温度:室温
測定雰囲気:大気

0096

ラジカル発生量相対比較には、下記式に示される規格化値を用いた。

0097

0098

なお、ESRスペクトルのベースラインについては、Mn2+(第2シグナル)を基準とし補正した。
通常、ラジカル量の相対比較において、基準となるMn2+由来シグナルの面積はMn2+(第3シグナル)を用いる。しかし、有機ラジカル由来ラジカルのスペクトルと、Mn2+(第3シグナル)とが重なるため、今回の測定ではすべてMn2+(第2シグナル)を用いた(外部標準メモリ=700)。
また、有機ラジカル由来シグナルがMn2+(第3シグナル)と重なった場合は、外部標準メモリ=0のESRスペクトルを用いて算出した。

0099

実施例

0100

以上のように、実施例1〜5で得られた環状オレフィン系共重合体により構成された成形体(シート)は透明性および、耐ガンマ線性能の性能バランスに優れていた。一方、一般式(C−1)で表される芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)を含まない環状オレフィン系共重合体を用いた比較例1の成形体は、透明性および耐ガンマ線性能のバランスに劣っていた。

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