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図面 (18)

課題

全部のncRNAに関する機能的標的を同定するための偏りのない全ゲノム戦略を実施するための試薬組成物、および方法の提供。

解決手段

第1および第2ポリヌクレオチドを含むRNAリンカー、ここで、該第1および該第2ポリヌクレオチドは、第1ライゲーション適合末端および該第1ポリヌクレオチドの3’末端の3’オーバーハングにより隣接される第1二本鎖領域を形成しており、ここで、該3’オーバーハングは、ランダム配列プライマーを含む;ならびに、第3および第4ポリヌクレオチドを含むDNAリンカー、ここで、該第3および該第4ポリヌクレオチドは、平滑末端および第2ライゲーション適合末端により隣接される第2二本鎖領域を形成する;を含むキットであって、該第1および該第2ライゲーション適合末端が、互いにライゲーションし、または互いにライゲーションするように適合可能である前記キット。

概要

背景

非コードRNA(ncRNA)は、現在ゲノム中で広く転写されていると信じられており、多数のncRNAが同定されている。しかし、不釣合いにも、それらの機能的役割に関してはまだほとんど分かっていない。既知のncRNAの機能の多くは、撹乱(perturbation)実験により推測されており、それはncRNAがどの特異的な標的と相互作用しているかの詳細を欠いている。CLIP/RIP−SeqおよびChiRP−Seqのような技術は、一部のncRNAに関してどのタンパク質因子およびクロマチン座位(chromatin loci)と相互作用しているかの膨大な洞察を提供してきた。しかし、現在の方法は、一度に1つのncRNAまたは相互作用する標的を調べることに限定されている。従って、全てのncRNAに関する機能的標的を同定するための偏りのない全ゲノム戦略を有することが望ましい。

概要

全部のncRNAに関する機能的標的を同定するための偏りのない全ゲノム戦略を実施するための試薬組成物、および方法の提供。第1および第2ポリヌクレオチドを含むRNAリンカー、ここで、該第1および該第2ポリヌクレオチドは、第1ライゲーション適合末端および該第1ポリヌクレオチドの3’末端の3’オーバーハングにより隣接される第1二本鎖領域を形成しており、ここで、該3’オーバーハングは、ランダム配列プライマーを含む;ならびに、第3および第4ポリヌクレオチドを含むDNAリンカー、ここで、該第3および該第4ポリヌクレオチドは、平滑末端および第2ライゲーション適合末端により隣接される第2二本鎖領域を形成する;を含むキットであって、該第1および該第2ライゲーション適合末端が、互いにライゲーションし、または互いにライゲーションするように適合可能である前記キット。A

目的

本発明の別の側面は、対象のPETポリヌクレオチドを含むベクターを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

以下:(1)以下:(i)第1ポリヌクレオチド、および(ii)第2ポリヌクレオチドを含むRNAリンカー、ここで、該第1および該第2ポリヌクレオチドは、第1ライゲーション適合末端および該第1ポリヌクレオチドの3’末端の3’オーバーハングにより隣接される第1二本鎖領域を形成しており、ここで、該3’オーバーハングは、ランダム配列プライマーを含む;ならびに(2)以下:(iii)第3ポリヌクレオチド、および(iv)第4ポリヌクレオチドを含むDNAリンカー、ここで、該第3および該第4ポリヌクレオチドは、平滑末端および第2ライゲーション適合末端により隣接される第2二本鎖領域を形成する;を含むキットであって、該第1および該第2ライゲーション適合末端が、互いにライゲーションし、または互いにライゲーションするように適合可能である前記キット。

請求項2

該第1ライゲーション適合末端が、該第2ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングであり、該第2ライゲーション適合末端が、該第3ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングであり、両方の3’オーバーハングが、ライゲーションのために互いにアニーリングする、請求項1に記載のキット。

請求項3

該第1二本鎖領域が、該ランダム配列プライマーに対して3’側を切断する第1制限酵素(RE)に関する第1認識部位を含む、請求項1に記載のキット。

請求項4

該第2二本鎖領域が、該第3ポリヌクレオチドに対して5’側を切断する第2制限酵素(RE)に関する第2認識部位を含む、請求項1に記載のキット。

請求項5

前記の第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1以上がDNAである、請求項1に記載のキット。

請求項6

前記の第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1以上が修飾ヌクレオチドを含む、請求項1に記載のキット。

請求項7

前記の修飾ヌクレオチドがビオチン化T(チミジン)である、請求項6に記載のキット。

請求項8

前記の第1ポリヌクレオチドが、複数のポリヌクレオチドを含み、それぞれがランダム配列プライマー領域においてのみ異なっている、請求項1に記載のキット。

請求項9

前記の第1ポリヌクレオチドが、同一のランダム配列プライマーを有するポリヌクレオチドの均一な集団を含む、請求項1に記載のキット。

請求項10

前記のランダム配列プライマーが、4個、5個、6個、7個、8個、またはより多くのヌクレオチドを含む、請求項1に記載のキット。

請求項11

該第1二本鎖領域が、該RNAリンカーを該DNAリンカーと区別する独特の配列を含む、請求項1に記載のキット。

請求項12

該第2二本鎖領域が、該RNAリンカーを該DNAリンカーと区別する独特の配列を含む、請求項1に記載のキット。

請求項13

該第1認識部位の最後のヌクレオチドが、該ランダム配列プライマーに対して5’側の最後の塩基対合したヌクレオチドである、請求項1に記載のキット。

請求項14

該第2認識部位の最後のヌクレオチドが、該平滑末端における塩基対合したヌクレオチドである、請求項1に記載のキット。

請求項15

該第1および該第2制限酵素が同じである、請求項1に記載のキット。

請求項16

該第1および該第2制限酵素が独立して以下:AarI、AceIII、AloI、BaeI、Bbr7I、BbvI、BbvII、BccI、Bce83I、BceAI、BcefI、BcgI、BciVI、BfiI、BinI、BplI、BsaXI、BscAI、BseMII、BseRI、BsgI、BsmI、BsmAI、BsmFI、Bsp24I、BspCNI、BspMI、BsrI、BsrDI、BstF5I、BtgZI、BtsI、CjeI、CjePI、EciI、Eco31I、Eco57I、Eco57MI、EcoP15I、Esp3I、FalI、FauI、FokI、GsuI、HaeIV、HgaI、Hin4I、HphI、HpyAV、Ksp632I、MboII、MlyI、MmeI、MnlI、PleI、PpiI、PsrI、RleAI、SapI、SfaNI、SspD5I、Sth132I、StsI、TaqII、TspDTI、TspGWI、TspRIまたはTth111IIから選択される、請求項1に記載のキット。

請求項17

該第1および該第2制限酵素の切断部位が、該認識部位の最後のヌクレオチドに対して少なくとも約10、12、14、16、18、20ヌクレオチド、またはより多くのヌクレオチド3’側である、請求項1に記載のキット。

請求項18

該第1および該第4ポリヌクレオチドが脱リン酸化されている、請求項1に記載のキット。

請求項19

さらにタンパク質およびポリヌクレオチドを架橋する試薬を含む、請求項1に記載のキット。

請求項20

該試薬がホルムアルデヒドを含む、請求項19に記載のキット。

請求項21

さらにクロマチンの構成要素(例えばヒストン)に特異的にまたは選択的に結合する親和性試薬(例えば抗体またはモノクローナル抗体)を含む、請求項1に記載のキット。

請求項22

さらに損傷した、または不適合な5’および/または3’突出末端を含有するDNAを、5’リン酸化された平滑末端DNAに変換する末端修復合物を含む、請求項1に記載のキット。

請求項23

さらにDNAリガーゼ(例えばT4リガーゼ)を含む、請求項1に記載のキット。

請求項24

さらにタンパク質およびポリヌクレオチドの架橋を逆行させる試薬(例えばプロテイナーゼK)を含む、請求項1に記載のキット。

請求項25

さらに該第1および/または該第2制限酵素(単数または複数)を含む、請求項1に記載のキット。

請求項26

さらに平滑末端二本鎖DNAPCR増幅のためのコンカテマー化アダプターの対を含む、請求項1に記載のキット。

請求項27

さらにTaqDNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のキット。

請求項28

さらに逆転写酵素を含む、請求項1に記載のキット。

請求項29

請求項1に記載の該第1および第2二本鎖領域を含む中央領域を含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドであって、前記の中央領域が、以下:(1)前記の第1二本鎖領域に対して近位の部位において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグ;および(2)前記の第2二本鎖領域に対して近位の部位において、ゲノムDNAの配列タグ;により隣接されている、前記PETポリヌクレオチド。

請求項30

該非コードRNA(ncRNA)の配列タグが、前記の第1制限酵素による消化の結果もたらされる遊離末端を有する、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項31

該非コードRNA(ncRNA)の配列タグが、該ncRNAが転写されるゲノム領域を独特に同定する、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項32

該非コードRNA(ncRNA)の前記の配列タグが、約8〜30塩基対の長さである、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項33

該ゲノムDNAの配列タグが、前記の第2制限酵素による消化の結果もたらされる遊離末端を有する、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項34

該ゲノムDNAの配列タグが、該ゲノムDNAが位置しているゲノム領域を独特に同定する、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項35

該ゲノムDNAの前記の配列タグが、約8〜30塩基対の長さである、請求項29に記載のPETポリヌクレオチド。

請求項36

請求項29に記載のPETポリヌクレオチドの2以上のメンバーを含むペアエンドタグ(PET)ライブラリーであって、該PETライブラリーのそれぞれのメンバーが、同じ前記の中央領域、および請求項29に記載の非コードRNA(ncRNA)の異なる前記の配列タグまたは請求項29に記載のゲノムDNAの異なる前記の配列タグまたは両方を含む前記PETライブラリー。

請求項37

請求項29に記載のPETポリヌクレオチドを含むベクター

請求項38

複数のコンカテマー化された請求項29に記載のPETポリヌクレオチドを含む、請求項37に記載のベクター。

請求項39

2以上の請求項29に記載のPETポリヌクレオチドのコンカテマー

請求項40

ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法であって、該方法が以下の工程:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)請求項1に記載のRNAリンカーおよびDNAリンカーを用いて、架橋されたゲノムDNA断片の末端を架橋されたncRNAのcDNAの末端に近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし、ここで該架橋されたゲノムDNA断片の前記の末端は該DNAリンカーにライゲーションされ、該架橋されたncRNAのcDNAの前記の末端は該RNAリンカーを含み;(3)請求項29に記載のPETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し;そして、(4)それぞれの前記のPETポリヌクレオチド内の該ゲノムDNAの配列タグおよび該ncRNAの配列タグを、参照ゲノムに対してマッピングし、それにより該参照ゲノムの前記の非コードRNA(ncRNA)に関する該参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する;を含む、前記方法。

請求項41

該ncRNAおよび該ゲノムDNAが、生きた細胞中でホルムアルデヒドに媒介される架橋により架橋される、請求項40に記載の方法。

請求項42

クロマチン断片が超音波処理により生成される、請求項40に記載の方法。

請求項43

該架橋されたncRNAのcDNAが、該RNAリンカーのランダム配列プライマーおよび該ncRNA鋳型から逆転写された第1鎖cDNAを含む、請求項40に記載の方法。

請求項44

第2鎖cDNA合成が、近接ライゲーションの後であるが工程(3)の前に実施される、請求項40に記載の方法。

請求項45

さらに工程(2)の前に該架橋されたゲノムDNA断片の末端を修復して5’リン酸化された平滑末端DNAにすることを含む、請求項40に記載の方法。

請求項46

該DNAリンカーの第3ポリヌクレオチドが脱リン酸化されており、該DNAリンカーが自己ライゲーションしない、請求項40に記載の方法。

請求項47

さらに該ゲノムDNAの重複している配列タグおよび該ncRNAの重複している配列タグを有する2以上のPETポリヌクレオチドのクラスターを同定することを含む、請求項40に記載の方法。

請求項48

さらにrRNAの配列タグを含むPETポリヌクレオチドを除外することを含む、請求項47に記載の方法。

請求項49

さらに工程(2)の前にクロマチン断片の部分集合を単離または富化することを含む、請求項40に記載の方法。

請求項50

該クロマチン断片の部分集合が、該クロマチン断片の部分集合のタンパク質構成要素に特異的な抗体を用いた免疫沈降により単離または富化される、請求項49に記載の方法。

請求項51

該タンパク質構成要素がヒストン、転写因子ポリコーム群(PcG)ファミリータンパク質組み換えに関わる因子クロマチンインスレーターもしくはクロマチンウェーバーメチルCpG結合タンパク質;またはRNA結合タンパク質である、請求項50に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願への参照
本出願は、2013年9月5日に出願された米国仮出願第61/873,928号に対する優先権およびその出願日の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に援用される。

背景技術

0002

非コードRNA(ncRNA)は、現在ゲノム中で広く転写されていると信じられており、多数のncRNAが同定されている。しかし、不釣合いにも、それらの機能的役割に関してはまだほとんど分かっていない。既知のncRNAの機能の多くは、撹乱(perturbation)実験により推測されており、それはncRNAがどの特異的な標的と相互作用しているかの詳細を欠いている。CLIP/RIP−SeqおよびChiRP−Seqのような技術は、一部のncRNAに関してどのタンパク質因子およびクロマチン座位(chromatin loci)と相互作用しているかの膨大な洞察を提供してきた。しかし、現在の方法は、一度に1つのncRNAまたは相互作用する標的を調べることに限定されている。従って、全てのncRNAに関する機能的標的を同定するための偏りのない全ゲノム戦略を有することが望ましい。

0003

本発明の一側面は、以下のものを含むキットを提供する:(1)(i)第1ポリヌクレオチドおよび(ii)第2ポリヌクレオチドを含むRNAリンカー、ここで、第1および第2ポリヌクレオチドは、第1ライゲーション適合末端および第1ポリヌクレオチドの3’末端の3’オーバーハングにより隣接される第1二本鎖領域を形成しており、ここで、3’オーバーハングは、ランダム配列プライマーを含む;ならびに(2)(iii)第3ポリヌクレオチドおよび(iv)第4ポリヌクレオチドを含むDNAリンカー、ここで、第3および第4ポリヌクレオチドは、平滑末端および第2ライゲーション適合末端により隣接される第2二本鎖領域を形成し、ここで、第1および第2ライゲーション適合末端は、互いにライゲーションし、または互いにライゲーションするように適合可能である。

0004

特定の態様において、第1ライゲーション適合末端は、第2ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングであり、第2ライゲーション適合末端は、第3ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングであり、ここで両方の3’オーバーハングは、ライゲーションのために互いにアニーリングする。

0005

特定の態様において、第1二本鎖領域は、ランダム配列プライマーに対して3’側を切断する第1制限酵素(RE)に関する第1認識部位を含む。
特定の態様において、第2二本鎖領域は、第3ポリヌクレオチドに対して5’側を切断する第2制限酵素(RE)に関する第2認識部位を含む。

0006

特定の態様において、前記の第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1つ以上は、DNAである。
特定の態様において、前記の第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1つ以上は、修飾ヌクレオチドを含む。

0007

特定の態様において、修飾ヌクレオチドは、ビオチン化T(チミジン)である。
特定の態様において、第1ポリヌクレオチドは、複数のポリヌクレオチドを含み、それぞれがランダム配列プライマー領域においてのみ異なっている。

0008

特定の態様において、第1ポリヌクレオチドは、同一のランダム配列プライマーを有するポリヌクレオチドの均一な集団を含む。
特定の態様において、ランダム配列プライマーは、4個、5個、6個、7個、8個、またはより多くのヌクレオチドを含む。

0009

特定の態様において、第1二本鎖領域は、RNAリンカーをDNAリンカーと区別する独特の配列を含む。
特定の態様において、第2二本鎖領域は、RNAリンカーをDNAリンカーと区別する独特の配列を含む。

0010

特定の態様において、第1認識部位の最後のヌクレオチドは、ランダム配列プライマーに対して5’側の最後の塩基対合したヌクレオチドである。
特定の態様において、第2認識部位の最後のヌクレオチドは、平滑末端における塩基対合したヌクレオチドである。

0011

特定の態様において、第1および第2制限酵素は同じである。
特定の態様において、第1および第2制限酵素は、独立して以下:AarI、AceIII、AloI、BaeI、Bbr7I、BbvI、BbvII、BccI、Bce83I、BceAI、BcefI、BcgI、BciVI、BfiI、BinI、BplI、BsaXI、BscAI、BseMII、BseRI、BsgI、BsmI、BsmAI、BsmFI、Bsp24I、BspCNI、BspMI、BsrI、BsrDI、BstF5I、BtgZI、BtsI、CjeI、CjePI、EciI、Eco31I、Eco57I、Eco57MI、EcoP15I、Esp3I、FalI、FauI、FokI、GsuI、HaeIV、HgaI、Hin4I、HphI、HpyAV、Ksp632I、MboII、MlyI、MmeI、MnlI、PleI、PpiI、PsrI、RleAI、SapI、SfaNI、SspD5I、Sth132I、StsI、TaqII、TspDTI、TspGWI、TspRIまたはTth111IIから選択される。

0012

特定の態様において、第1および第2制限酵素の切断部位は、認識部位の最後のヌクレオチドに対して少なくとも約10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30またはより多くのヌクレオチド3’側である。

0013

特定の態様において、第1および第4ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。
特定の態様において、キットは、さらにタンパク質およびポリヌクレオチドを架橋する試薬を含む。

0014

特定の態様において、試薬はホルムアルデヒドを含む。
特定の態様において、キットは、さらに、クロマチンの構成要素(例えばヒストン)に特異的または選択的に結合する親和性試薬(例えば、抗体またはモノクローナル抗体)を含む。

0015

特定の態様において、キットは、さらに、損傷した、または不適合な5’および/または3’突出末端を含有するDNAを、5’リン酸化された平滑末端DNAに変換する末端修復合物を含む。

0016

特定の態様において、キットは、さらにDNAリガーゼ(例えばT4リガーゼ)を含む。
特定の態様において、キットは、さらにタンパク質およびポリヌクレオチドの架橋を逆
行させる試薬(例えばプロテイナーゼK)を含む。

0017

特定の態様において、キットは、さらに第1および/または第2制限酵素(単数または複数)を含む。
特定の態様において、キットは、さらに平滑末端二本鎖DNAPCR増幅のためのコンカテマー化(concatenating)アダプターの対を含む。

0018

特定の態様において、キットは、さらにTaqDNAポリメラーゼを含む。
特定の態様において、キットは、さらに逆転写酵素を含む。
本発明の別の側面は、対象のRNAおよびDNAリンカーの第1および第2二本鎖領域を含む中央領域を含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドを提供し、前記の中央領域は、以下:(1)前記の第1二本鎖領域に対して近位の部位において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグ;および(2)前記の第2二本鎖領域に対して近位の部位において、ゲノムDNAの配列タグにより隣接されている。

0019

特定の態様において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグは、前記の第1制限酵素による消化の結果もたらされる遊離末端を有する。
特定の態様において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグは、ncRNAが転写されるゲノム領域を独特に同定する。

0020

特定の態様において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグは、約8〜30塩基対の長さである。
特定の態様において、ゲノムDNAの配列タグは、前記の第2制限酵素による消化の結果もたらされる遊離末端を有する。

0021

特定の態様において、ゲノムDNAの配列タグは、ゲノムDNAが位置しているゲノム領域を独特に同定する。
特定の態様において、ゲノムDNAの配列タグは、約8〜30塩基対の長さである。

0022

本発明の別の側面は、対象のPETポリヌクレオチドの2以上のメンバーを含むペアエンドタグ(PET)ライブラリーを提供し、ここで、PETライブラリーのそれぞれのメンバーは、同じ前記の中央領域、および対象の非コードRNA(ncRNA)の異なる前記の配列タグまたは対象のゲノムDNAの異なる前記の配列タグまたは両方を含む。

0023

本発明の別の側面は、対象のPETポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
特定の態様において、ベクターは、複数のコンカテマー化された対象PETポリヌクレオチドを含む。

0024

本発明の別の側面は、2以上の対象のPETヌクレオチドのコンカテマーを提供する。
本発明の別の側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)請求項1に記載のRNAリンカーおよびDNAリンカーを用いて、架橋されたゲノムDNA断片の末端を架橋されたncRNAのcDNAの末端に近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし、ここで架橋されたゲノムDNA断片の前記の末端はDNAリンカーにライゲーションされ、架橋されたncRNAのcDNAの前記の末端はRNAリンカーを含み;(3)請求項29に記載のPETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し;そして、(4)それぞれの前記のPETポリヌクレオチド内のゲノムDNAの配列タグおよびncRNAの配列タグを、参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの前記の非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0025

特定の態様において、ncRNAおよびゲノムDNAは、生きた細胞中でホルムアルデヒドに媒介される架橋により架橋される。
特定の態様において、クロマチン断片は超音波処理により生成される。

0026

特定の態様において、架橋されたncRNAのcDNAは、RNAリンカーのランダム配列プライマーおよびncRNA鋳型から逆転写された第1鎖cDNAを含む。
特定の態様において、第2鎖cDNA合成が、近接ライゲーションの後であるが工程(3)の前に実施される。

0027

特定の態様において、方法は、さらに、工程(2)の前に、架橋されたゲノムDNA断片の末端を修復して5’リン酸化された平滑末端DNAにすることを含む。
特定の態様において、DNAリンカーの第3ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されており、DNAリンカーは、自己ライゲーションしない。

0028

特定の態様において、方法は、さらに、ゲノムDNAの重複している配列タグおよびncRNAの重複している配列タグを有する2以上のPETポリヌクレオチドのクラスターを同定することを含む。

0029

特定の態様において、方法は、さらに、rRNAの配列タグを含むPETポリヌクレオチドを除外することを含む。
特定の態様において、方法は、さらに、工程(2)の前にクロマチン断片の部分集合を単離または富化することを含む。

0030

特定の態様において、クロマチン断片の部分集合は、クロマチン断片の部分集合のタンパク質構成要素に特異的な抗体を用いた免疫沈降により単離または富化される。
特定の態様において、タンパク質構成要素は、ヒストン、転写因子ポリコーム群(PcG)ファミリータンパク質組み換えに関わる因子;クロマチンインスレーターもしくはクロマチンウェーバー(waver);メチルCpG結合タンパク質;またはRNA結合タンパク質である。

0031

あらゆる技法(単数または複数)、試薬、実験条件制限部位酵素、ベクター、プライマー等を含むがそれらに限定されない本発明の一態様(例えば実施例の節においてのみ記載されている態様)を実施する目的のために開示されたあらゆる記載は、本発明の一側面においてのみ詳細に記載されている(が他の側面においては全く詳細に記載されていない)態様を含め、本発明の他の態様との組み合わせで用いられることもできることは、理解されるべきである。当業者には、他の態様に関して開示された技法および材料を本発明の本態様にどのように適合させるかは明らかであろう。

図面の簡単な説明

0032

図1Aは、RNAリンカーおよびDNAリンカーの対を用いるRICh−PET法の典型的な設定の図式的な流れを示す。ncRNAのクロマチンに対する相互作用が、架橋により捕捉された後、クロマチン線維破壊してRNA、DNAおよびタンパク質構成要素を有する係留(tethering)複合体にするために超音波処理される。次いで、クロマチン断片複合体のそれぞれの中の係留されたRNAおよびDNAは、特異的に設計されたRNAリンカーおよびDNAリンカーオリゴヌクレオチドにより媒介されるライゲーション反応のセットにより連結され、それは方向および特異性に関する独特の配列バーコードも有することができる。クロマチン複合体のそれぞれの内部で、RNAの3’末端は、RNAリンカーのランダムヘキサマー突出部分にアニーリングし、続いてcDNA合成のための逆転写が行われる。一方で、DNAリンカーが、係留されたDNA断片の平滑末端にライゲーションにより付加される。過剰なリンカーオリゴ洗浄後、付着したRNAおよびDNAリンカーが互いにライゲーションされ、そうして係留されたRNAおよびDNA分子を連結する。架橋を逆行させた後、ハイブリッドライゲーション生成物は、そのRNAが転写される位置およびそれがゲノムと相互作用する位置を同定するためのさらなる増幅、配列決定、およびマッピング分析のために、所望のサイズに断片化され、それは剪断または制限消化のどちらによってもよい。
図1Bは、修飾RNAリンカーを用いるRICh−PET法の典型的な設定の図式的な流れを示す。
図1Cは、直接的なRNAリンカーを用いるRICh−PET法の典型的な設定の図式的な流れを示す。“App”は、第1ポリヌクレオチドの5’末端における5’アデニル化を表す。
図2A〜2Cは、選択されたRICh−PETライブラリーの統計、ならびに配列決定およびマッピングデータを示す。図2Aは、(他のPET配列と重複しない)単集合(singleton)PETおよびPETクラスターの比率を示す。PETクラスターデータを用いて、おおよそ700のRNA座位および約5000のDNA座位が同定された。
図2A〜2Cは、選択されたRICh−PETライブラリーの統計、ならびに配列決定およびマッピングデータを示す。図2Bは、RICh−PETデータにより同定されたRNAおよびDNA座位におけるRNA−Seqデータの強度を示す。
図2A〜2Cは、選択されたRICh−PETライブラリーの統計、ならびに配列決定およびマッピングデータを示す。図2Cは、RICh−PETデータにより定められたncRNA相互作用のほとんどがトランス作用性および染色体間であったことを示している。
図3は、対象の方法の再現性および感度を実証している。図は、技術的および生物学的複製において同定されたRNA相互作用部位の比較を示す代表的な散布図を示す。既知のlncRNAであるMALAT1(PET計数174)およびNEAT1(PET18)は、PICh−PETデータにおいて繰り返し検出された(示されていない)。RNAPII ChIA−PETデータも、これらの2種類のlncRNAが、おそらく同時制御のために同じPNAPII転写複合体内でも空間的に結び付いていることを示している。加えて、RNA−SeqおよびRNA−PETデータが、HeLa S3におけるncRNA遺伝子の発現レベルを評価するために用いられた(データは示されていない)。両方のデータは、MALAT1は高度に発現されており、NEAT1は中程度のレベルで発現されており、そしてHOTAIRは非常に低いレベルで発現されていることを示した。HOTAIR座位におけるRICh−PETマッピングは、この領域における乏しいRICh−PETデータを示している(データは示されていない)。
図4A〜4Bは、NEAT1およびMALAT1のRICh−PETデータの検証に関するデータを示す。図4Aは、NEAT1およびMALAT1が両方ともHeLa S3細胞において発現されており、RICh−PETデータにおいて豊富に検出されていることを示している。NEAT1は、RNAおよびDNAタグの両方が同じ座位内の短い距離でマッピングされた点で、シス作用性のみに限定されている。MALAT1は、DNAタグのほとんどが同じ染色体においてまたは異なる染色体において大きな距離でマッピングされた点で、大部分がトランス作用性である(挿入図)。
図4A〜4Bは、NEAT1およびMALAT1のRICh−PETデータの検証に関するデータを示す。図4Bは、ヒトA549およびHeLa S3におけるRNA−FISH実験を示す。NEAT1プローブは、蛍光スポットをほとんど生成せず(HeLa S3細胞において核あたり1〜2個)、一方でMALAT1プローブは、遥かに多くのスポットを生成した(HeLa S3細胞において核あたり13個)。計数は、実験あたりプローブあたり100個の核に基づいた。
図5A〜5Bは、RICh−PETデータを特性付けている。図5Aは、ゲノム中のRNAタグクラスターの位置のカテゴリー円グラフを示し、それは、RNAタグの大多数推定上のncRNA領域中で見付かり、3%のみがタンパク質をコードするエキソンと重複していたことを示している。多くの既知のncRNAが検出され、多くの新規のncRNAが同定された。
図5A〜5Bは、RICh−PETデータを特性付けている。図5Bは、ゲノム中のDNAタグクラスターの位置のカテゴリーの円グラフを示し、それは、DNAタグクラスターの大部分がタンパク質コード領域にマッピングされ、ほとんどがプロモーターまたはイントロンのどちらかにあったことを示している。
図6A〜6Bは、MALAT1相互作用による多標的および多機能を示している。図6Aは、59個のゲノム座位と相互作用しているMALAT1の連結性(connectivity)マップである。
図6A〜6Bは、MALAT1相互作用による多標的および多機能を示している。図6Bは、それらのプロモーター領域にMALAT1が存在する遺伝子が、それらのイントロン領域においてMALAT1相互作用を有する遺伝子よりも高いRNA−seqの読みを有することを示す箱ひげ図である。RNAPII ChIP−Seq強度の集合プロット(aggregation plot)(示されていない)において、それらのプロモーター領域にMALAT1が存在する遺伝子は、それらのイントロン領域においてMALAT1相互作用を有する遺伝子よりも高いRNA−seqの読みを有する。
図7は、CCAT1およびそのlncRNA転写産物がいくつかの標的遺伝子に関する転写活性化因子または補助活性化因子として作用していることの概略図を示す。
図8Aは、SEQID NO:9に対応するCCAT1ゲノムおよびcDNA配列のヒト8番染色体上の位置を示す。図8Bは、SEQ ID NO:1〜8に対応する8種類の追加のCCAT1ゲノムおよびcDNA配列(それぞれCCAT1_JAX_1〜8)のヒト8番染色体上の位置を示す。黒い四角は、エキソン配列を表し、一方でエキソン配列を連結している線は、イントロン配列を表す。
図9Aは、100万の読みあたりのkbあたりの読み(RPKM)での、RNA−Seqデータにより測定された(雌性細胞においてX染色体を特異的に標的とする)XISTの計数を示す。
図9Bは、XIST結合によりカバーされるそれぞれの染色体の比率を示す。

0033

1.概観
本明細書で記載される発明は、ncRNAが核空間における後成的制御の役割を有するならば、それはクロマチン状態および標的遺伝子活性の調節に関する機能が発揮される染色体中の特定の位置においてクロマチンと直接または間接的にのどちらかで相互作用しなければならないであろうという認識に部分的に基づいている。従って、本明細書で記載される発明は、ncRNA−クロマチン相互作用を、RNA−DNAライゲーション、続いてペアエンドタグ配列決定(RICh−PET)により全体的にマッピングするための新規のアプローチを提供する。

0034

簡潔には、本明細書で記載される組成物は、3つの主な部分を含む方法で用いられることができる:1)生きた細胞(例えばインビトロで培養された細胞、または組織試料から得られた一次細胞)におけるRNA、DNAおよびタンパク質間の(好ましくは全ての)分子相互作用事象を捕捉するためのクロマチン架橋;2)係留された相互作用しているRNAおよびクロマチンDNA断片の(例えば特異的に設計されたリンカー、例えばRNAリンカーおよびDNAリンカー対による、またはRNAの3’末端の5’アデニル化されたssDNAもしくは5’アデニル化されたオーバーハングへのライゲーションによる)ライゲーション;ならびに、3)ゲノム中のncRNAの転写部位およびそれらのクロマ
チン標的部位の位置を決定するための、RNA−DNAライゲーション産物またはそれに由来するタグ配列(例えばPETポリヌクレオチド)の配列決定およびマッピング分析。

0035

従って、本発明の一側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNA(またはその断片)を含むクロマチン断片を提供し;(2)架橋されたゲノムDNA断片の末端を、架橋されたncRNAの末端に、近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし;(3)ペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し、ここでそのPETポリヌクレオチドは、非コードRNA(ncRNA)の配列タグおよびゲノムDNAの配列タグを含み;そして(4)ゲノムDNAの配列タグおよびncRNAの配列タグを、参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0036

このRNA−DNAライゲーションアプローチは、全てのncRNA−クロマチン相互作用の全体的な研究に適用されるだけでなく、特定のクロマチン位置におけるRNA−タンパク質相互作用の研究にも適用されることができる。従って、染色体免疫沈降(ChIP)に基づくRICh−PET法は、RNA−タンパク質−クロマチン相互作用情報の追加の特異性を提供することができるであろう。

0037

本発明の試薬および方法は、研究、開発、薬物標的同定、薬物スクリーニング診断処置/有効性モニタリング、予後推定等における広い範囲の使用の可能性を有する。例えば、本発明の試薬および方法は、多数の確立された細胞株幹細胞iPS細胞、および一次組織からの細胞、例えば癌および健康な組織対照由来の細胞に関するncRNA−クロマチン相互作用を包括的に特性付けるために;そしてゲノムの出力の制御におけるRNA機能の限りなく複雑な世界を調べる我々の能力を著しく増大させるために用いられることができる。RNA−クロマチンインタラクトームの特性付けの完了の成功は、ncRNA種の(全てではないにしても)ほとんどに関する包括的なクロマチンアドレス帳を提供すると考えられ、それは、どのようにゲノムが健康な状態および疾患状態において機能しているかを理解するのを助けるためのゲノム情報の別の次元を加えるであろう。

0038

本発明のいくつかの特定の態様が、下記でより詳細に記載される。
a)RNAリンカーおよびDNAリンカーの対
第1の特定の態様において、本発明の方法は、同じクロマチン断片中の架橋されたRNAおよび染色体DNAをライゲーションするために、RNAリンカーおよびDNAリンカーの対を用いて実施されることができる。

0039

従って、本発明の一側面は、以下のものを含むキットを提供する:(1)(i)第1ポリヌクレオチドおよび(ii)第2ポリヌクレオチドを含むRNAリンカー、ここで、第1および第2ポリヌクレオチドは、第1ライゲーション適合末端および第1ポリヌクレオチドの3’末端の3’オーバーハングにより隣接される第1二本鎖領域を形成しており、ここで、3’オーバーハングは、ランダム配列プライマーを含む;ならびに(2)(iii)第3ポリヌクレオチドおよび(iv)第4ポリヌクレオチドを含むDNAリンカー、ここで第3および第4ポリヌクレオチドは、平滑末端および第2ライゲーション適合末端により隣接される第2二本鎖領域を形成し、ここで、第1および第2ライゲーション適合末端は、互いにライゲーションし、または互いにライゲーションするように適合可能である。

0040

特定の態様において、第1ライゲーション適合末端は、第2ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングであり、第2ライゲーション適合末端は、第3ポリヌクレ
オチドの3’末端における3’オーバーハングであり、ここで両方の3’オーバーハングは、ライゲーションのために互いにアニーリングする。

0041

特定の態様において、第1ライゲーション適合末端は、第1ポリヌクレオチドの5’末端における5’オーバーハングであり、第2ライゲーション適合末端は、第4ポリヌクレオチドの5’末端における5’オーバーハングであり、ここで両方の5’オーバーハングは、ライゲーションのために互いにアニーリングする。

0042

特定の態様において、第1および/または第2ライゲーション適合末端は、ライゲーションに適合可能である。例えば、ライゲーションのための必須の3’または5’オーバーハングを有する代わりに、第1および/または第2ライゲーション適合末端は、制限酵素(RE)部位を含むことができ、それは、REにより切断されてライゲーションに必要な必須の3’または5’オーバーハングを生成することができる。しかし、制限酵素による切断の前に、ライゲーション適合末端は、平滑末端化されることができ(例えば自己ライゲーションを防ぐための脱リン酸化された平滑末端)、または自己ライゲーションもしくは他のライゲーション適合末端とのライゲーションを防ぐ非適合性オーバーハングを有することもできる。

0043

特定の態様において、適合性ライゲーション末端における2個の5’または3’オーバーハングは、自己アニーリングせず、かつ互いとアニーリングしない。これは、例えば、そのオーバーハングの配列を、そのオーバーハングの配列が、少なくともリンカーが用いられるべき条件下の場合に自己アニーリングも互いとのアニーリングもしないように設計することにより成し遂げられ得る。

0044

この設計は、例えば下流の工程がPCR増幅を含む特定の態様において有利であり得る。ある頻繁に観察されるタイプの非特異的増幅産物は、“プライマーダイマー”と呼ばれる増幅反応鋳型非依存性人為産物であり、それは二本鎖断片であり、その長さは典型的には2つのプライマーの長さの和に近く、1つのプライマーが他方のプライマーの上で伸長された際に生じる。結果として生じる伸長産物は、その短い長さのために効率的に増幅される望ましくない鋳型を形成する。

0045

第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドのそれぞれは、別々の容器中で、例えば合成されたポリヌクレオチドとして提供されることができ、それは凍結乾燥された(freeze dried,lyophilized)形態または水もしくは適切な緩衝溶液中のどちらでもよい。あるいは、第1および第2ポリヌクレオチドは、同じ容器中(凍結乾燥状態または溶液中)で、例えば1:1のモル比で、それらが予めアニーリングされたRNAリンカーとして用いられることができるように、組み合わせられることができる。同様に、第3および第4ポリヌクレオチドは、同じ容器中(凍結乾燥状態または溶液中)で、例えば1:1のモル比で、それらが予めアニーリングされたDNAリンカーとして用いられることができるように、組み合わせられることができる。

0046

第2、第3、および第4ポリヌクレオチドは、実質的に均質または純粋であり(例えば、同じ容器内の個々のポリヌクレオチド分子は、同じである)、一方で、3’オーバーハング領域中の第1ポリヌクレオチドの3’末端は、ランダム配列プライマーを含む(例えば、同じ容器内の個々の第1ポリヌクレオチド分子は、それぞれが3’オーバーハング領域内で異なるランダム配列プライマーを有し得ることを除いて、同じである)。従って、第1ポリヌクレオチドは、それが実際には個々のポリヌクレオチドのランダム配列プライマー領域においてのみ異なるポリヌクレオチドの混合物である点で独特であり得る。

0047

しかし、関連する態様において、定められた3’末端配列を有する特定のncRNAが
対象となる場合、本発明の第1ポリヌクレオチドは、その定められた3’末端配列を有する特定のncRNAから特異的に第1鎖cDNA合成を開始するために、ランダム配列プライマー領域において同じマッチする配列を均質に含有していることができる。

0048

ランダム配列プライマーは、一般に、非コードRNAの3’末端から第1鎖cDNA合成を方向付けることができるように、十分な長さ(例えばヘキサマー)を有する。ヘキサマーのランダム配列が用いられることができるが、他の長さ、例えば4、5、7、8、9、10、11、12のランダム配列のプライマーが用いられることもできる。

0049

特定の態様において、ランダム配列プライマーのほとんどの3’末端は、デオキシチミジン(T)もしくはウリジン(U)、またはmRNAのポリA尾部中のアデニン(A)と塩基対合することができる他のヌクレオチド類似体ではない。そのような設計は、mRNAのポリA尾部からの逆転写を避けるのをさらに助けることができる。

0050

第2および第3ポリヌクレオチドの3’末端の5’または3’オーバーハング(第1および第2ライゲーション適合末端)は、それらが互いにアニーリングするように相補的であるように設計されている。第2および第3ポリヌクレオチド中のオーバーハング領域の長さは、同じであることができるが、同じである必要はない。特定の態様において、両方のポリヌクレオチドのオーバーハング領域中の約2、3、4、5、6、7、8個、またはより多くのヌクレオチドは、相補的であり、塩基対(ワトソンクリックまたはゆらぎ塩基対)を形成することができる。

0051

特定の態様において、RNAリンカー上の第1二本鎖領域の長さは、約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60塩基対、またはより多くの塩基対である。

0052

特定の態様において、DNAリンカー上の第2二本鎖領域の長さは、約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60塩基対、またはより多くの塩基対である。

0053

特定の態様において、ライゲーションされたRNA−DNAリンカー中の第1および第2二本鎖領域の合計の長さは、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80塩基対、またはより多くの塩基対である。

0054

特定の態様において、第1二本鎖領域は、第1制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第1認識部位を含むことができる。RE認識部位は、REが切断する際に、それがRE部位の外側、ランダム配列プライマーに対して3’側を切断するように、戦略的に配置されることができる。これは、RNAリンカーに連結されたRNAタグの生成を可能にする。例えば、MmeI認識部位は、第1二本鎖領域の末端に、第1二本鎖領域の他方の末端(そこでRNAリンカーおよびDNAリンカーが、それらのそれぞれの3’オーバーハング領域を介して連結されている)に対して遠位に配置されることができる。MmeI部位は、MmeIが切断する際に、2bpのオーバーハングを有する18bpの断片を含むRNAタグが、連結されたncRNA由来のcDNAにおいて生成されるような方向性であるように設計される。しかし、RE部位の配置は、第1二本鎖領域の末端である必要はない。より内側の配置は、対応してより短いRNAタグ配列を生成する。

0055

特定の態様において、(第1(II型)制限酵素に関する)第1認識部位の最後のヌクレオチドは、ランダム配列プライマーに対して5’側の最後の塩基対合したヌクレオチドである。

0056

同様に、特定の態様において、第2二本鎖領域は、第2制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第2認識部位を含むことができ、それは、第2RE認識部位に対して3’側であり第3ポリヌクレオチドに対して5’側を切断することができる。RE認識部位の方向性は、それが連結されたゲノムDNAの末端配列に基づくDNAタグを生成するような様式で配置される。特定の態様において、RE部位の配置は、第2二本鎖領域の末端である必要はない。より内部の配置は、対応してより短いDNAタグ配列を生成する。

0057

特定の態様において、(第2(II型)制限酵素に関する)第2認識部位の最後のヌクレオチドは、平滑末端における塩基対合したヌクレオチドである。
特定の態様において、第1および第2(II型)制限酵素は同じである。他の態様において、第1および第2(II型)制限酵素は異なる。

0058

比較的長いタグ配列を生成するRE、例えばI型またはIII型REに関して、第1および第2RE認識配列の方向性は、RNAリンカー中のRE部位がDNAタグの生成を方向付け、一方でDNAリンカー中のRE部位がRNAタグの生成を方向付けるように、逆転することができる。

0059

2つの認識部位を認識するRE(例えばIIB型RE)に関して、RNAおよびDNAリンカーが設計されたように正しくライゲーションされて完全なRE認識部位を再構成した場合にのみREが切断するように、RE部位の一方がRNAリンカー中にあることができ、他方がDNAリンカー中にあることができる。

0060

本発明に従って用いられることができる適切な制限酵素は、下記でより詳細に記載される。特定の態様において、第1または第2制限酵素に関する切断部位は、認識部位の最後のヌクレオチドに対して少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチドまたはより多くのヌクレオチド3’側である。

0061

特定の態様において、RNAリンカー、DNAリンカー、または両方は、RNAタグまたはDNAタグを生成するための制限酵素認識部位を有しない。
特定の態様において、第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1つ以上は、DNAであり(例えば全てがDNAであり)、またはDNAおよびRNAヌクレオチドの両方を含む。他の態様において、それらの全てがRNAであることができる。

0062

特定の態様において、第1、第2、第3、および第4ポリヌクレオチドの1つ以上は、修飾ヌクレオチドを含むことができる。修飾ヌクレオチドは、5’末端、3’末端に、および/または内部の位置にあることができる。

0063

特定の態様において、修飾ヌクレオチドは、ビオチン化されたヌクレオチド、例えばビオチン化されたdT(デオキシチミジン)である。ビオチン化されたヌクレオチドの存在は、そのようなビオチン化されたヌクレオチドの1個以上を含むポリヌクレオチドの、例えばビオチン結合パートナー、例えばアビジンまたはストレプトアビジンコンジュゲートした樹脂アガロースナノ粒子、金属または磁性ビーズを用いることによる親和性精製を可能にする。次いで、そのようなビーズは、磁石により分離されることができる。ビオチン化されたヌクレオチドは、RNAリンカー、DNAリンカー、または両方の中に存在することができる。この技法は、高スループット次世代配列決定、例えば単分子リアルタイム配列決定(Pacific Bio);イオン半導体(Ion Torrent配列決定);パイロ配列決定(pyrosequencing)(454);合成による配列決定(Illumina);ライゲーションによる配列決定(SOLiD配列決定);ポロニー配列決定(polony sequencing);大規模並行署名配列決定(
massively parallel signature sequencing)(MPSS);DNAナノボール配列決定;Heliscope単分子配列決定と組み合わせられることもでき、またはカラービーズもしくはレーザーもしくはFACSベース選別のための他の抗体を用いるLuminex型システムと共に用いられることもできる。

0064

特定の態様において、修飾ヌクレオチドは、第1鎖cDNAを逆転写により合成するランダムプライマーの能力を、例えばランダムプライマーとncRNAの3’末端の間のハイブリダイゼーションの安定性および/または特異性を高めることにより高める。

0065

特定の態様において、ランダムプライミング配列は、天然に存在するDNAおよびRNA中にある一般的に用いられる2’−デオキシ−D−リボースまたはD−リボース以外の糖を含有する少なくとも1個のヌクレオチド、例えば糖が側鎖基の付加または置換により修飾されているヌクレオチド、または糖が天然に存在するDNAおよびRNA中にある一般的に用いられる2’−デオキシ−D−リボースもしくはD−リボースの立体異性体であるヌクレオチド、または両方を含むことができる。米国特許第6,794,142号(本明細書に参照により援用される)を参照。そのような修飾ヌクレオチドは、ランダムプライミング配列の3’末端に、またはその付近にあることができる。一態様において、修飾ランダムプライマー配列は、本質的に、3個の3’末端ヌクレオチドの少なくとも1個が2’−O−メチル−ヌクレオチド、2’−アミノ−ヌクレオチド、および2’−フルオロ−ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドからなる。一態様において、修飾プライマー配列は、本質的に、3個の3’末端ヌクレオチドの少なくとも1個が2’−O−メチル−リボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−アミノ−ヌクレオチド、および2’−デオキシ−2’−フルオロ−ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドからなる。これらの修飾は、部分の2’OHへの付加、または代替部分による2’−OHの置換を表す。

0066

特定の態様において、ランダムプライミング配列は、1個以上のLNAまたはPNAを含む。RNA中の異常に熱力学的に安定な構造断片、例えばヘアピンの存在は、プライマー伸長を実施するのをほぼ不可能にし得る。DNAプライマーのLNA修飾プライマーによる置き換えは、この限界を克服することができる(Fratczak et al., Biochemistry, 48(3):514-6, 2009; Uppuladinne et al., Biomol. Struct. Dyn., 31(6):539-60, 2013を参照)。

0067

他の修飾ヌクレオチド、例えばヌクレオチド間結合ヌクレアーゼ分解に耐性にするチオホスフェート(またはホスホロチオエート、PS4−xOx3−(x=0、1、2、または3)の一般化学式を有する化合物および陰イオンファミリー)修飾、モルホリノオリゴヌクレオチド、2’F−ANA、2’−O−アルキル等も、リンカーの安定性およびヌクレアーゼ耐性能力を高めるためにリンカーに組み込まれることができる。Verma & Eckstein, “Modified oligonucleotides: synthesis and strategy for users,” Annu. Rev. Biochem., 67:99-134, 1998(本明細書に参照により援用される)を参照。

0068

特定の態様において、RNAリンカーおよび/またはDNAリンカーは、RNAリンカーをDNAリンカーから、またはRNA/DNAリンカーを他のRNA/DNAリンカーから(例えば、2セット以上のRNAリンカーが一緒に用いられる場合に)区別する独特の配列(例えば“バーコード”)を含むことができる。例えば、第1および/または第2二本鎖領域(単数または複数)は、RNAリンカーをDNAリンカーから区別する独特の配列を含むことができる。そのようなバーコードは、単純に独特の配列の短い一続き、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10ヌクレオチド配列(またはより多く)であることができる。特定の態様において、RNAリンカーおよびDNAリンカーの配列における違いは、RNAリンカーをDNAリンカーから区別するために十分であることができる。特定の態様において、RNAリンカーのみまたはDNAリンカーのみが、独特の配列/バーコードを有する。特定の態様において、RNAリンカーおよびDNAリンカーの両方が、それらのそれぞれの独特の配列/バーコードを有する。

0069

特定の態様において、第1ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。特定の態様において、第2ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。特定の態様において、第3ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。特定の態様において、第4ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。脱リン酸化は、ポリヌクレオチドまたはDNA/RNAリンカーの自己ライゲーション、例えばそれぞれが同じクロマチン断片中の染色体DNA断片にライゲーションしている可能性がある2個のDNAリンカーの平滑末端による自己ライゲーションを避けるのを助けることができる。加えて、リンカーまたはリンカーのライゲーション可能な末端が脱リン酸化されている場合、リンカーはライゲーションしてダイマーまたはリンカーのコンカテマーを形成しそうにないと予想される。さらに、DNAリンカーは、染色体DNA分子のリン酸化された末端にライゲーションすることができるが、染色体DNA分子の末端を、それらがリン酸化されるまで、ライゲーションして繋ぎ合わせることができないと予想される。

0070

代替の態様において、第1および第2ポリヌクレオチドは、ハイブリダイズしてRNAリンカーを形成することができ、それは、一方の末端において、第1ヌクレオチドのランダムプライミング配列を含む3’オーバーハングを有し、他方の末端において、制限酵素に関する認識部位を含む第1ライゲーション適合部位を有する。同様に、第3および第4ポリヌクレオチドは、ハイブリダイズしてDNAリンカーを形成することができ、それは、一方の末端において、染色体断片の遊離末端にライゲーションするための平滑末端を有し、他方の末端において、同じ制限酵素に関する認識部位または適合するライゲーション可能な末端を生成する適合する制限酵素に関する認識部位を含む第2ライゲーション適合末端を有する。従って、制限酵素および/またはその適合するREによる消化は、DNAおよびRNAリンカーをライゲーションするために用いられることができるオーバーハング(3’または5’オーバーハングであることができるであろう)を生成する。

0071

この態様において、制限酵素消化の前に、DNAおよびRNAリンカーの末端は、ライゲーション可能であってはならず(例えば、RNAリンカーは、5’オーバーハングを有することができ、DNAリンカーは、3’オーバーハングの平滑末端を有することができ、または逆もまた同様である)、そのような末端は、さらに脱リン酸化されていてよい。RE消化後、DNAおよびRNAリンカーの末端においてライゲーション可能な末端が、適切なリン酸化を伴って生成される。次いで、DNAおよびRNAリンカー(単数または複数)のライゲーション可能な末端は、ライゲーションされることができる。制限後のライゲーション可能な末端は、平滑末端であることができ、または5’もしくは3’オーバーハングを有する付着末端を有することもできる。特に、稀にしか切断しない制限酵素が、核酸物質を意図されない位置で切断する可能性を低減するために、および/または非常に短い断片を生成するために、用いられることができる。

0072

対象ポリヌクレオチドは、以下のような方法による直接化学合成を含むあらゆる適切な方法により調製されることができる:Narang et al., 1979, Meth. Enzymol., 68:90-99
ホスホトリエステル法;Brown et al., 1979, Meth. Enzymol., 68:109-151のホスホジエステル法;Beaucage et al., 1981, Tetrahedron Lett., 22:1859-1862のジエチルホスホルアミダイト法;および米国特許第4,458,066号の固体支持体法、それぞれ参照により本明細書に援用される。オリゴヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドのコンジュゲートの合成法総説が、本明細書に参照により援用されるGoodchild, 1990, Bioconjugate Chemistry, 1(3):165-187において提供されている。

0073

本発明の方法を実施するための1種類以上の追加の試薬も、本発明のキットに含まれていることができる。
特定の態様において、キットは、さらにタンパク質およびポリヌクレオチドを架橋する試薬、例えばホルムアルデヒド(例えば1%ホルムアルデヒド)を含む。

0074

特定の態様において、キットは、さらにクロマチンの構成要素(例えばヒストンまたは対象の特定のncRNA)に特異的にまたは選択的に結合する親和性試薬を含む。例えば、親和性試薬は、抗体(例えばモノクローナル抗体)、または機能性抗原結合断片もしくはその誘導体のいずれかであることができる。親和性試薬は、クロマチンのポリヌクレオチド構成要素にハイブリダイズする/結合することができるポリヌクレオチド(例えばアンチセンスポリヌクレオチド)であることもできる。アンチセンスポリヌクレオチドは、その後のアンチセンスポリヌクレオチドおよびその相補的標的配列の間で形成されるハイブリダイゼーション複合体の捕捉を促進するために標識されることができる。例えば、標識は、アビジンまたはストレプトアビジンでコートされたビーズにより捕捉されることができるビオチン標識(例えばビオチン化されたUまたはT)であることができる。アンチセンスポリヌクレオチドは、固体支持体上で、例えばマイクロビーズまたはナノ粒子の表面上で固定されることもでき、それは、相補的標的配列の親和性捕捉のために、カラム中に充填されることができ、またはバッチ混合物中で用いられることもできる。

0075

特定の態様において、キットは、さらに、損傷した、または不適合な5’および/または3’突出末端を含有するDNAをリン酸化された平滑末端DNAに変換する末端修復混合物を含む。そのような試薬は、容易に商業的に入手可能であり、例えばEpicentreからのEnd−It(商標)DNA末端修復キットである。

0076

特定の態様において、キットは、さらにDNAリガーゼ(例えば、様々な商業的な源、例えばNew England Biolabs(NEB)からのT4 DNAリガーゼ)を含む。

0077

特定の態様において、キットは、さらに、タンパク質およびポリヌクレオチドの架橋を逆行させる試薬(例えば、様々な商業的な源、例えばNew England Biolabs(NEB)からのプロテイナーゼK)を含む。

0078

特定の態様において、キットは、さらに、第1および/または第2制限酵素(単数または複数)、ならびに場合によりRE消化に必要なあらゆる適切な緩衝剤または補助因子を含む。

0079

特定の態様において、キットは、さらに、平滑末端二本鎖DNAのPCR増幅のためのコンカテマー化アダプターの対を含む。アダプターは、コンカテマー化に有用な制限酵素部位を含むことができ、PCR増幅に適したPCRプライマー配列を含むことができる。

0080

特定の態様において、キットは、さらに、PCR増幅のためのTaqDNAポリメラーゼ、または他の増幅の形態(例えばローリングサークル増幅)に必要な他のDNAポリメラーゼを含む。

0081

特定の態様において、キットは、さらに、第1鎖cDNA合成のための逆転写酵素を含む。
本発明の別の側面は、第1および第2ライゲーション適合末端により連結された第1および第2二本鎖領域を含む中央領域を含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドを提供し、前記の中央領域は、(1)第1二本鎖領域に近位の部位において、非コードRN
A(ncRNA)の配列タグ;および(2)第2二本鎖領域に近位の部位において、ゲノムDNAの配列タグにより隣接されている。

0082

そのようなPETポリヌクレオチドは、RNAタグおよびDNAタグの両方を含み、それぞれが、それぞれのncRNAおよびゲノムDNAの末端配列に由来する(ペアエンドタグ)。合わせて、ペアエンドタグは、ncRNAおよびゲノムDNA断片が染色体断片中で互いに近接している観察された事象または出来事を表す。

0083

特定の態様において、非コードRNA(ncRNA)の配列タグは、第1制限酵素による消化の結果もたらされる遊離末端を有する。
制限酵素は、上記の制限酵素、例えばII型RE(IIS型、IIB型、IIG型等)、I型RE、またはIII型REのいずれであることもでき、それはそれらの認識部位の外側を消化することができる。あるいは、遊離末端は、ncRNAに対応するcDNA上に天然に存在するRE部位により生成されることもできる。好ましくは、REは、中央領域の配列に基づいて、REが中央領域の内部を切断して連結されたDNAリンカーおよびRNAリンカーの構造を壊さないように選択される。

0084

特定の態様において、ncRNAのRNA配列タグまたはゲノムDNAのDNA配列タグは、物理的剪断、例えば超音波処理、水力剪断、皮下注射針を通す吸い込みの繰り返し等による剪断の結果として生じる遊離末端を有する。

0085

特定の態様において、ncRNAのRNA配列タグまたはゲノムDNAのDNA配列タグは、架橋されたゲノムDNAまたはncRNAのcDNAの平均長を低減するための非特異的エンドヌクレアーゼ、例えばミクロコッカスヌクレアーゼNEBカタログ番号M0247S)、DNase I(NEBカタログ番号M0303S)、または二本鎖DNAの一方の末端から進行的に消化するエキソヌクレアーゼ、またはエンドおよびエキソヌクレアーゼの組み合わせ(例えばエキソヌクレアーゼIIIおよびマンビーンヌクレアーゼ)の限定的な消化の結果生じる遊離末端を有する。消化の程度(extend)は、酵素もしくは基質濃度、消化の温度および/またはpH、補助因子の利用可能性、またはそれらの組み合わせを制限することにより制御され得る。適切な消化条件は、定められた長さの標準基質を用いて、そして消化の前および後に消化産物を(CE(キャピラリー電気泳動)等の電気泳動により)調べて、予め試験されることができる。

0086

RNAまたはDNA配列タグの長さは、ncRNAが転写される、またはゲノムDNAが位置するゲノム領域を独特に同定するために十分であるべきである。例えば、非コードRNA(ncRNA)のRNA配列タグおよび/またはDNA配列タグは、高等真核生物の比較的複雑なゲノムに関して約10〜100塩基対の長さ(または15〜50bp、20〜40bp、20〜30bp、20〜25bp)であることができるが、細菌または低級真核生物の比較的単純なゲノムに関してはより短くてよい(例えば6〜10bp、8〜10bp、8〜12bp)。

0087

関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドの2つ以上のメンバーを含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドライブラリーを提供し、ここで、PETライブラリーのそれぞれのメンバーは、同じ中央領域、および非コードRNA(ncRNA)の異なるRNA配列タグ、ゲノムDNAの異なるDNA配列タグ、または両方を含む。

0088

さらに別の関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドを含むベクターまたは組み換えベクターを提供する。
特定の態様において、ベクターは、複数のコンカテマー化された対象PETポリヌクレ
オチドを含む。

0089

本発明の別の側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)本発明のRNAリンカーおよびDNAリンカーを用いて、架橋されたゲノムDNA断片の末端を架橋されたncRNAのcDNAの末端に近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし、ここで架橋されたゲノムDNA断片の末端はDNAリンカーにライゲーションされ、架橋されたncRNAのcDNAの末端はRNAリンカーを含み;(3)本発明のPETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し;そして、(4)それぞれのPETポリヌクレオチド内のゲノムDNAの配列タグおよびncRNAの配列タグを、参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0090

特定の態様において、本発明の方法は、生きた細胞、例えば組織培養細胞または新しく解剖された組織から単離された細胞を用いて実施される。特定の態様において、生きた細胞中のncRNAおよびゲノムDNAは、ホルムアルデヒドおよび/またはEGSエチレングリコールビススクシンイミジルスクシネート])に媒介される架橋により架橋される。タンパク質−DNA、タンパク質−RNAおよび/またはタンパク質−タンパク質を架橋するのに適した他の類似の二官能性架橋試薬(例えば、アミドおよび/またはチオール基と反応するのに適した2以上の反応性化学基を有する二官能性架橋試薬)が用いられることもできる。EGSが用いられる場合、2つのNHS−エステル間のスペーサー領域は、12原子スペーサーであることができるが、より長い、またはより短いスペーサー(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20原子のスペーサー)が用いられることもできる。

0091

ホルムアルデヒドまたはEGS(典型的には約1〜2mM、または1.5mM)が用いられる場合、EGSがまず添加され、続いて(約1%)ホルムアルデヒドが添加されることができる。反応は、グリシンにより停止されることができる。あるいは、約1%ホルムアルデヒドまたは約1%グルタルアルデヒドが用いられることができる。

0092

他の態様において、核酸は、紫外線架橋によりクロマチンに架橋される。例えば、組織培養細胞は、約150mJ/cm2において、254nmにおいて(例えば、紫外線架橋装置、例えばSTRATALINKER(登録商標)紫外線架橋装置を用いることにより)紫外線架橋されることができる。

0093

例えば、約1〜2×108個の生きた組織培養細胞または単離された細胞は、まず収集され、室温において振盪しながら40分間EGSで架橋され、次いで10分間ホルムアルデヒド(約1%の終濃度;Sigma)で架橋されることができる。

0094

プロテイナーゼ阻害剤および/またはRNase阻害剤が、非特異的プロテイナーゼまたはRNase消化を防ぐために添加されることができる。
次いで、細胞が適切な溶解緩衝液(例えば、50mMHEES、1mMEDTA、0.15M NaCl、1% SDS、1% Triton X−100、0.1%デオキシコール酸ナトリウム、全てAmbionからのもの)中で溶解される。

0095

一度架橋工程が完了したら、様々な方法が、架橋されたゲノムDNAおよびncRNAを含むクロマチン断片を生成するために用いられることができる。
例えば、特定の態様において、クロマチン断片は、物理的剪断、例えば超音波処理、水力剪断、または皮下注射針を通す吸い込みの繰り返しにより生成される。超音波処理は、
クロマチン線維を破壊してRNA、DNAおよびタンパク質構成要素を含む係留複合体にする一方で、の、ランダムな、または弱いncRNA−クロマチン−DNA相互作用を“振るい落とす”ために有利であり得る。

0096

あるいは、特定の態様において、クロマチン断片は、適切な長さのRNAおよびDNAタグを生成するために、制御された条件下での制限酵素消化、または部分的もしくは限定的エンドおよび/またはエキソヌクレアーゼ消化により生成されることができる。

0097

架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を生成するため、クロマチンは、超音波処理(例えば、Branson450超音波細胞破砕装置を使用、20%機関効率電力出力(duty power output)、30秒、5〜8回で操作;またはプローブ超音波処理器を使用、35%出力で20秒オン/30秒オフサイクルで1.5分間操作)により可溶化されることができる。

0098

他の商業的に入手可能な機器が、超音波処理のために用いられることができる。例えば、Covaris,Inc.からのS220 Focused−超音波処理器は、Adaptive Focused Acoustics(商標)(AFA)技術をDNA、RNA、およびクロマチンの剪断のために利用する。製造業者によれば、そのソフトウェアは、標準的な方法、例えばDNAの特定の断片長への剪断のための様々な予め設定されたプロトコルを組み込んでいる。あるいは、ベンチトップ超音波処理装置であるBIORUPTOR(登録商標)UCD−200(Life Technologies Corp.)も、超音波処理剪断のために用いられることができる。その装置は、水槽の下に配置された高出力超音波生成素子からなり、(プローブ超音波処理器と類似した)20kHzの周波数で作動して、ChIP、MeDIP等のような標準化されたプロトコルに適した自動化された超音波処理工程を提供する。

0099

一度剪断されたら、クロマチンは、SDS濃度を(例えば約0.1〜0.5%まで)下げるために(例えば10倍)希釈される。次いで、抽出物は、(例えば4℃で14,000rpmにおいて10分間の)遠心分離により澄んだ状態になる。この抽出物は、使用まで−80℃で保管されることができる。

0100

免疫沈降が所望される場合、約2μgの(クロマチン構成要素に特異的な)モノクローナル抗体が、プロテインセファロース(Pharmacia)に結合することができる。次いで、抗体でコートされたビーズは、クロマチン抽出物と共に4℃で16時間インキュベートされる。次いで、ビーズは洗浄される(例えばSigma Chemical Companyからの以下の試薬による:洗浄緩衝液1(50mMHEPES、1mMEDTA、0.15M NaCl、0.1% SDS、1% Triton X−100、0.1%デオキシコール酸ナトリウム);洗浄緩衝液2(50mM HEPES、1mM EDTA、0.5M NaCl、0.1% SDS、1% Triton X−100、0.1%デオキシコール酸ナトリウム)で2回;洗浄緩衝液3(20mMトリス.HCl pH8.0、1mM EDTA、0.25M LiCl、0.5% NP40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム)で1回;洗浄緩衝液4(20mM トリス.HCl pH8.0、1mM EDTA)で1回)。次いで、タンパク質−DNA複合体が、ビーズから溶離緩衝液(例えば、50mM トリス.HCl pH8.0、1mM EDTA、1% SDS)により65℃で20分間溶離される。次いで、溶離液は、SDSを除去するために、PBS(Ambion)中で(例えば4℃で3時間)透析される。

0101

場合により、クロマチン断片は、(例えばEZlinkヨードアセチル−PEG2−ビオチン(IPB)(Thermo Scientific、カタログ番号21334)を用いることにより)ビオチン化され、ストレプトアビジンビーズに結合したクロマチン断
片として単離されることもできる。例えば、ストレプトアビジンを有するDYNABEADS(登録商標)(DYNABEADS(登録商標)MyOne(商標)ストレプトアビジンC1/T1)が、ビオチン化されたクロマチン断片を富化するために用いられることができる。

0102

加えて、シリカコーティングを有するビーズが、クロマチン断片上の架橋された核酸を富化するために用いられることができる。
クロマチン断片は、剪断またはRE消化後、損傷した末端または他の点でDNAリンカーとのライゲーションに適していない末端を有し得る。従って、末端修復が、例えばEpicentreからのEnd−ItキットまたはT4ポリメラーゼ(Promega,R0191)を用いて、製造業者の提案に従って実施されることができる。

0103

第1鎖cDNA合成は、逆転写酵素およびRNAリンカー(または下記の第2の特定の態様における修飾RNAリンカー)、例えばSuperscript III第1鎖合成システム(Life Technologies,カタログ番号18080051)を用いて実施されることができる。

0104

次いで、その平滑末端において5’リン酸化を有する修復されたクロマチンDNAは、DNAリンカーとのライゲーションにおいて用いられることができる。これは、DNAライゲーションに関する適切な緩衝液および他の反応条件が提供される限り、RNAリンカーを用いる逆転写のための容器と同じ容器中で実施されることができる。DNAリガーゼ、例えばT4 DNAリガーゼが、この反応のために用いられることができる。必要であれば、次いで、脱リン酸化されたDNAリンカーは、(例えばT4ポリヌクレオチドキナーゼにより)リン酸化されることができる。

0105

特定の態様において、第1鎖cDNA合成は、RNAリンカーを用いて実施される(DNAリンカーライゲーションの前もしくは後またはそれと同時のいずれでもよい)。
特定の態様において、架橋されたncRNAのcDNAは、RNAリンカーのランダム配列プライマーおよびncRNA鋳型から逆転写された第1鎖cDNAを含む。RNAリンカーの存在により、この第1鎖cDNAおよびncRNA鋳型のハイブリッド分子は、既に染色体DNA断片の遊離末端にライゲーションされたDNAリンカーにライゲーションされることができる。

0106

一度RNAリンカーおよびDNAリンカーが標的核酸のそれらのそれぞれの末端に適切にライゲーションされたら、同じクロマチン断片上のDNAリンカーおよびRNAリンカーを連結するために近接ライゲーションが実施されることができる。近接ライゲーションは、通常は、同じクロマチン断片上のRNAおよびDNAリンカーがライゲーションされる可能性が、それらの互いに対する近接のために、異なるクロマチン断片上のRNAおよびDNAリンカーと比較して遥かに高いように、希釈された環境において実施される。

0107

特定の態様において、近接ライゲーションは、リンカーライゲーション工程に関して約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、70、18、19、20倍の希釈度またはより高い希釈度で実施される。

0108

特定の態様において、近接ライゲーションは、約1×108個のヒト細胞に由来する捕捉されたクロマチン断片のそれぞれの相当量に関して、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20mLまたはより多くの総ライゲーション体積で実施される。ライゲーション体積は、細胞のタイプ(例えば、由来の種またはゲノムサイズ)に基づいて適宜調節されることができる。

0109

近接ライゲーション条件は、必要に応じて、DNAおよびRNAリンカーのライゲーションを最大化するように修正または調節されることができる。あらゆるライゲーション条件は、修正または調節されることができ、それはライゲーション反応に関する時間および/または試薬の濃度の増大または減少を含むが、それらに限定されない。換言すると、ライゲーション反応は、同じクロマチン断片に架橋された別々の核酸分子分子間ライゲーションを最大化するように調節または修正される。特に、ライゲーションは、異なる核酸分子の末端のライゲーションを最大化し、かつ環状マルチマーの形成を低減するために、核酸分子の非常に希薄な条件下で実施されることができる。

0110

特定の態様において、その方法は、異なるクロマチン断片に架橋されたゲノムDNAおよびncRNAの間の望まれない、または偽陽性のライゲーション事象の程度または頻度を評価することを含む。理想的な近接ライゲーション条件下では、同じクロマチン断片に架橋されたゲノムDNAおよびncRNAのみがライゲーションされるはずである。

0111

例えば、DNAおよびRNAリンカーのあるセット(例えばリンカーセットA)が、1つの反応容器中で、ゲノムDNAおよびRNA末端にそれぞれライゲーションするために用いられることができる。一方で、DNAおよびRNAリンカーの第2のセット(例えばリンカーセットB)が、第2の反応容器中で、ゲノムDNAおよびRNA末端にそれぞれライゲーションするために用いられることができる。次いで、2個の反応容器の内容物が、近接ライゲーションのためにプールされる。リンカーセットA中のRNAリンカーが、両方のリンカーセットのDNAリンカーにライゲーションされ得る(そしてリンカーセットA中のDNAリンカーは両方のリンカーセットのRNAリンカーにライゲーションされ得る)場合、近接ライゲーション条件は、セットAおよびBのリンカー間のライゲーション(例えば、セットA中のRNAリンカーがセットB中のDNAリンカーにライゲーションする)が存在しないか非常に稀にしか存在しない場合に最適である。逆に、近接ライゲーション条件は、セットAおよびBのリンカー間で著しいライゲーションが存在する場合、最適未満である。

0112

特定の態様において、リンカーセットAおよびB中のRNAおよびDNAリンカーの比率は、さらに調節される(例えば、必ずしも1:1ではない)ことができる。例えば、リンカーセットA中のRNAおよびDNAリンカーの、リンカーセットB中のRNAおよびDNAリンカーと比較したモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1であることができ、逆もまた同様である。

0113

特定の態様において、本発明の第1、第2、第3、および/または第4ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されており、DNAリンカーまたはRNAリンカーは、自己ライゲーションしない。

0114

第2鎖cDNA合成は、RNAリンカー−DNAリンカーライゲーションの前または後のどちらでも、例えばSuperscript二本鎖cDNA合成キット(Life Technologies,カタログ番号1197−020)を用いて完了されることができる。特定の態様において、第2鎖cDNA合成は、近接ライゲーションの後であるが工程(3)の前に実施される。

0115

特定の態様において、DNAポリメラーゼ、例えばT4 DNAポリメラーゼが、第2鎖cDNA合成の後に添加されることができる。
次に、クロマチン断片の架橋された核酸およびタンパク質構成要素は、プロテイナーゼKにより架橋を逆行する(reverse cross−linked)ことができる。典型的な反応条件では、例えば、試料は、20μLの分割量(aliquots)として、15μlの20mg/mlプロテイナーゼK(Ambion)および場合により0.3% SDS(Ambion)の存在下での65℃における一晩インキュベーションにより、架橋を逆行することができる。次の日に、約1μLの10mg/mlRNaseA(Qiagen)が、RNAを分解するために(例えば37℃で45分間)添加されることができ、続いてフェノール抽出およびDNAのエタノール沈殿が行われる。

0116

場合により、少なくとも1つの連結されて架橋を逆行した核酸分子の精製または富化が、少なくとも2つの構成要素を含む結合系を用いて実施されることができ、ここで、少なくとも1つの第1構成要素がリンカーに結合しており(例えば、例えばRNAまたはDNAリンカー中に組み込まれたビオチン化されたヌクレオチド)、少なくとも1つの第2構成要素が第1構成要素に結合する。構成要素は、ストレプトアビジン−ビオチン、アビジン−ビオチン、タンパク質−抗体および/または磁石/磁性物質を含むが、それらに限定されない。

0117

特に、ビオチン化されたリンカーにライゲーションした核酸物質は、ストレプトアビジンビーズ、例えばストレプトアビジンコンジュゲート磁性DYNABEADS(商標)(Life Technologies,カタログ番号11206D−10ML)を用いて精製されることができる。ビオチン化されたリンカーを含有する核酸物質のみが、ストレプトアビジンビーズ上に固定されるであろう。別の構成要素が用いられるリンカーに結合している場合、その構成要素に適した核酸分子を精製する他のシステムが用いられることができる。

0118

あるいは、ストレプトアビジンカラムが、ビオチン化されたビーズを捕捉するために代わりに用いられることができる。さらに別の代替案において、ビーズは、それらがFACS等により流れに基づく検出機器(例えばLUMINEX(登録商標)100(商標)、LUMINEX(登録商標)200(商標)またはBIO−RAD(登録商標)BIO−PLEX(登録商標)型分析装置)上で選別または収集されることができるように、色で、または蛍光的にコートされていることができる。

0119

結果として生じた遊離したDNAは、例えばRE酵素消化により対になったDNAおよびRNAタグを有するPETポリヌクレオチドを生成するために用いられることができる。場合により、遊離したPETポリヌクレオチドは、配列決定分析の前にさらにPCRにより増幅されることができる。PCRアダプターが、PCR増幅を実施する前に、PETポリヌクレオチドの両方の末端に(例えばT4DNAリガーゼにより)ライゲーションされることができる。平滑末端の環状化されていない核酸のみが、アダプターにライゲーションされることができる。自己ライゲーションした核酸分子および環状マルチマーは、アダプターにライゲーションされることができない。

0120

PCRアダプターは、PCR産物の精製のための修飾ヌクレオチドも含むことができる。同様に、ストレプトアビジン−ビオチン、アビジン−ビオチン、タンパク質−抗体および/または磁石/磁性物質がこの目的のために用いられることができる。

0121

PETポリヌクレオチド(増幅を伴う、または伴わない)は、例えば様々な次世代配列決定、例えば454多重配列決定機(454 life sciences)を用いる454配列決定に関するプロトコルに従って、直接配列決定されることができる。その技法は、Margulies et al (2005)および米国出願第20030068629号(両方とも参照により本明細書に援用される)において教示されている。あらゆる他の高スループットまたは次世代配列決定(NGS)法が、PETポリヌクレオチドの配列を決定するために用いられることができる。

0122

得られたRNA/DNAタグ配列のそれらのそれぞれのゲノム位置へのマッピングは、
多くの商業的に利用可能なツール、ソフトウェア、またはサービスのいずれかを用いて実施されることができる。

0123

一度PETポリヌクレオチドのRNAおよびDNAタグが配列決定され、参照ゲノムにマッピングされたら、それぞれの連結されたRNAタグおよびDNAタグは、推定上のncRNA−クロマチン相互作用を表す。全てのそのような観察された相互作用の集合は、参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を構成する。

0124

特定の態様において、その方法はさらに、ゲノムDNAの重複する配列タグおよびncRNAの重複する配列タグを有する2以上のPETポリヌクレオチドのクラスターを同定することを含む。

0125

PETクラスターは、ncRNA−クロマチン相互作用のより信頼できる事象の繰り返される検出を反映する高い信頼度のデータであると考えられる。対照的に、RNAタグおよびDNAタグの両方において他のPET配列と重複しない単集合PETは、弱いつながりシグナルを表す可能性があり、ランダムなバックグラウンドノイズと区別できない可能性がある。

0126

特定の態様において、その方法はさらに、rRNAの配列タグを含むPETポリヌクレオチドを除外することを含む。一部のrRNA−クロマチン−gDNA(ゲノムDNA)相互作用は、真に生物学的に重要であり得るが、大量(一部のデータセット中の約1/4)のrRNA−クロマチン−DNA相互作用の存在は、その他のより豊富でない相互作用を見えづらくする可能性がある。従って、さらなるデータ分析の前のそのようなデジタル減算は、より頻度の低いncRNA−クロマチン相互作用を分析するために望ましい可能性がある。

0127

特定の態様において、その方法はさらに、近接ライゲーション工程の前にクロマチン断片の部分集合を分離または富化することを含む。例えば、クロマチン断片の部分集合は、クロマチン断片のその部分集合のタンパク質構成要素に特異的な抗体を用いる免疫沈降により、またはクロマチン断片のその部分集合の核酸構成要素に特異的な(標識された)ポリヌクレオチドを用いるハイブリダイゼーションにより、単離または富化されることができる。これは、既知のクロマチン構成要素およびncRNAの間の特異的な相互作用を同定するために有用である可能性がある。

0128

特定の態様において、タンパク質構成要素は、ヒストン、転写因子(例えば一般的な転写因子RNAPII、RNAPI、RNAPIII)、クロマチンを再構築するポリコーム群(PcG)ファミリータンパク質(例えばEZH2、ならびに昆虫哺乳類、および植物からの他のもの);組み換えに関わる因子(例えばPRDM9);クロマチンインスレーターもしくはクロマチンウェーバー(例えばCTCF);メチルCpG結合タンパク質(例えばMeCP2);またはRNA結合タンパク質である。

0129

方法のあるバリエーションにおいて、特定の標識されたncRNA(例えばビオチン化)が、架橋前に細胞に添加されることができる。そのような標識されたncRNAは、アビジンまたはストレプトアビジンでコートされた磁性ビーズを用いることにより単離または富化されることができる。

0130

方法のさらに別のバリエーションにおいて、対象の1以上の特定のncRNAに対する相補配列が、クロマチン断片に架橋されたそのような特異的なncRNAを(アレイまたはカラムを用いて)単離または富化するために用いられることができる。一度単離または
富化されたら、そのようなクロマチン断片は、その特定のncRNAと相互作用するゲノムDNAの領域を同定するために、その方法の残りの工程を受けることができる。

0131

特定の態様において、その方法はさらに、1以上の観察されたncRNA−クロマチン相互作用を、例えばDNA/RNA FISHおよび免疫沈降アッセイにより検証することを含む。例えば、特定のncRNAが特定のゲノム座位に連結された場合、その観察を確証するために、DNA/RNA FISHおよび免疫沈降アッセイがそのncRNAを用いて実施されることができる(例えば、図4Bを参照)。

0132

b)修飾RNAリンカー
別の/第2の特定の態様において、本発明の方法は、同じクロマチン断片中の架橋されたRNAおよび染色体DNAをライゲーションするために、1つの修飾されたRNAリンカーを用いて(かつDNAリンカーを用いずに)実施されることができる。

0133

従って、本発明の別の側面は、以下のものを含む修飾RNAリンカーを提供する:(i)第1ポリヌクレオチド、および(ii)第2ポリヌクレオチド、ここで、第1および第2ポリヌクレオチドは、ゲノムDNAライゲーション適合末端および第1ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングにより隣接される二本鎖領域を形成し、ここで、3’オーバーハングはランダムプライマー配列を含む。

0134

本発明のこの側面によれば、第1ポリヌクレオチドの3’末端における3’オーバーハングは、小節a)(RNAおよびDNAリンカー対)において記載された特定の態様におけるRNAリンカーの機能と類似した機能を有し、一方でゲノムDNAライゲーション適合末端は、同じクロマチン断片に架橋された平滑末端ゲノムDNAをライゲーションするために用いられることができる。

0135

特定の態様において、ライゲーション適合末端は、架橋されたゲノムDNA断片の平滑末端に対する直接のライゲーションのために平滑末端化されることができる。
別の態様において、ライゲーション適合末端は、制限酵素部位を含むことができ、それは、REにより切断されて、架橋されたゲノムDNA断片の平滑末端へのライゲーションに必要な必須の平滑末端を生成することができる。しかし、制限酵素による切断の前に、ライゲーション適合末端は、平滑末端化されることができ(例えば、自己リン酸化を防ぐための脱リン酸化された平滑末端)、または自己ライゲーションを防ぐ非適合性オーバーハングを有することもできる。

0136

特定の態様において、修飾RNAリンカーは、その3’オーバーハングまたはそのライゲーション適合末端のどちらによっても自己ライゲーションしない。
第1および第2ポリヌクレオチドは、別々の容器中で、例えば合成されたポリヌクレオチドとして提供されることができ、それは凍結乾燥された(freeze dried,lyophilized)形態または水もしくは適切な緩衝溶液中のどちらでもよい。あるいは、第1および第2ポリヌクレオチドは、同じ容器中(凍結乾燥状態または溶液中)で、例えば1:1のモル比で、それらが予めアニーリングされた修飾RNAリンカーとして用いられることができるように、組み合わせられることができる。

0137

第2ポリヌクレオチドは、実質的に均質または純粋であり(例えば、同じ容器内の個々のポリヌクレオチド分子は、同じである)、一方で、3’オーバーハング領域中の第1ポリヌクレオチドの3’末端は、ランダム配列プライマーを含む。

0138

関連する態様において、第1ポリヌクレオチドは、その定められた3’末端配列を有する特定のncRNAから特異的に第1鎖cDNA合成を開始するために、ランダム配列プ
ライマー領域において同じマッチする配列を均質に含有していることができる。

0139

特定の態様において、二本鎖領域は、第1制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第1制限部位を含むことができる。RE認識部位は、REが切断する際に、それがRE部位の外側、ランダム配列プライマーに対して3’側を切断するように、戦略的に配置されることができる。これは、RNAリンカーに連結されたRNAタグの生成を可能にする。例えば、MmeI認識部位は、二本鎖領域の末端に、ランダム配列プライマーを含む3’オーバーハングに対して近位に配置されることができる。MmeI部位は、MmeIが切断する際に、2bpのオーバーハングを有する18bpの断片を含むRNAタグが、連結されたncRNA由来のcDNAにおいて生成されるような方向性であるように設計される。しかし、RE部位の配置は、第1二本鎖領域の末端である必要はない。より内側の配置は、対応してより短いRNAタグ配列を生成する。

0140

特定の態様において、(第1(II型)制限酵素に関する)第1認識部位の最後のヌクレオチドは、ランダム配列プライマーに対して5’側の最後の塩基対合したヌクレオチドである。

0141

特定の態様において、二本鎖領域は、ライゲーション適合末端において、またはその付近に、第2制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第2制限部位を含むことができる。REは、第2RE認識部位に対して3’側であり第1ポリヌクレオチドに対して5’側(例えば、ライゲーションされたゲノムDNA中)を切断することができる。RE認識部位の方向性は、それが、連結されたゲノムDNAの末端配列に基づいてDNAタグを生成するような方式で配置される。特定の態様において、RE部位の配置は、二本鎖領域の末端である必要はない。より内部の配置は、対応してより短いDNAタグ配列を生成する。

0142

特定の態様において、(第2(II型)制限酵素に関する)第2認識部位の最後のヌクレオチドは、ライゲーション適合性/平滑末端における塩基対合したヌクレオチドである。

0143

特定の態様において、修飾RNAリンカーは、RNAタグまたはDNAタグを生成するための制限酵素認識部位を有しない。
特定の態様において、修飾RNAリンカーは、その修飾RNAリンカーを他の修飾RNAリンカー(単数または複数)から区別する独特の配列(例えば“バーコード”)を含むことができる。

0144

特定の態様において、第1および/または第2ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。
本発明の別の側面は、以下:(1)ランダム配列プライマーに対して近位の部位において非コードRNA(ncRNA)の配列タグ;および(2)ライゲーション適合末端に対して近位の部位においてゲノムDNAの配列タグにより隣接されている(修飾RNAリンカーの)二本鎖領域を含む中央領域を含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドを提供する。

0145

関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドの2以上のメンバーを含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドライブラリーを提供し、ここで、PETライブラリーのそれぞれのメンバーは、同じ中央領域、および非コードRNA(ncRNA)の異なるRNA配列タグ、ゲノムDNAの異なるDNA配列タグ、または両方を含む。

0146

さらに別の関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドを含むベクターまたは組み換えベクターを提供する。
本発明の別の側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)本発明の修飾RNAリンカーを用いて、架橋されたゲノムDNA断片の末端を架橋されたncRNAのcDNAの末端に近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし、ここで架橋されたゲノムDNA断片の末端は修飾RNAリンカーのライゲーション適合末端にライゲーションされ、架橋されたncRNAのcDNAの末端は修飾RNAリンカーを含み;(3)本発明のPETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し;そして、(4)それぞれのPETポリヌクレオチド内のゲノムDNAの配列タグおよびncRNAの配列タグを、参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0147

特定の態様において、架橋されたncRNAのcDNAは、修飾RNAリンカーのランダム配列プライマーおよびncRNA鋳型から逆転写された第1鎖cDNAを含む。修飾RNAリンカーの存在のため、この第1鎖cDNAおよびncRNA鋳型のハイブリッド分子は、染色体DNA断片の遊離末端にライゲーションされることができる。

0148

特定の態様において、修飾RNAリンカー上の二本鎖領域の長さは、約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60塩基対またはより多くの塩基対である。

0149

小節a)(RNAおよびDNAリンカー対)において記載された第1の特定の態様において記載されたような他の態様は、一般的に適用可能であり、ここでも組み込まれる(が繰り返して述べない)。

0150

c)直接的RNA−DNAライゲーション
別の/第3の特定の態様において、本発明の方法は、ncRNAの3’−OH基を、5’アデニル化された一本鎖DNA(5’App−ssDNA)、例えば後で相補的ポリヌクレオチドにハイブリダイズされるssDNAリンカー、またはncRNAの3’−OH基への直接的なライゲーションのための酵素の基質の役目を果たすことができる5’アデニル化されたオーバーハングを有するdsDNAに直接ライゲーションする特定の酵素(例えば切り詰められたRNAリガーゼ2またはRNL2)を用いて実施されることができる。

0151

従って、本発明は、同じクロマチン断片中の架橋されたncRNAの3’末端および架橋されたゲノムDNA断片の遊離末端をライゲーションするための代替の方法も提供する。本発明のこの側面によれば、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、その5’が予めアデニル化された状態で提供される(5’App ssDNA)。次いで、RNA−DNAリガーゼ(例えば熱安定性5’AppDNA/RNAリガーゼ、NEBカタログ番号M0319SまたはM0319L)が、ncRNAの3’−OHを5’App ssDNAに直接連結するために用いられることができる。

0152

製造によれば、その熱安定性5’AppDNA/RNAリガーゼは、メタバクテリウム・サーモオートトロフィカス(Methanobacterium thermoautotrophicum)からのRNAリガーゼの触媒リジン点変異体である(Zhelkovsky and McReynolds,BMCMol. Biol., 13:24, 2012)。この酵素は、ATP非依存性であるが、RNAまたは一本鎖DNA(ssDNA)のどちらの3’−OH末端へのライゲーションに関しても、5’が予めアデニル化されたリンカーを必要とする。その酵素は、2’−O−メチル化された3’末端を有するRNAの5’アデニル化されたリンカーへのライゲーションにおいても活性である。(Zhelkovsky and McReynolds、上記)。その変異体リガーゼは、RNAまたはssDNAの5’ホスフェートをアデニル化することができず、それは、望まれないライゲーション産物(コンカテマーおよび環)の形成を低減する。65℃で機能するリガーゼの能力は、RNAライゲーション反応におけるRNAの二次構造制約をさらに低減し得る。

0153

本発明のこの態様に関する別の適切なリガーゼは、RNAリガーゼ2、例えばBioo
Scientific(テキサス州オースティン)からのAIRTM RNAリガーゼ2(RNL2)であり、それは、アダプターのアデニル化された5’末端をRNAの3’末端に特異的にライゲーションする。同様に、その酵素は、ライゲーションに関してATPを必要としないが、アデニル化された基質を必要とし、それは、ランダムRNA分子間のライゲーションの量を劇的に低減する。そのリガーゼは、T4 RNAリガーゼ2の切り詰められたバージョンである。完全長のRNAリガーゼ2とは異なり、AIR(商標)リガーゼは、アデニル化された基質を有しないRNAまたはDNAのリン酸化された5’末端をライゲーションしない。

0154

あるいは、T4RNAリガーゼ1(NEBカタログ番号M0204SまたはM0204L)が、ncRNAの3’−OHを5’ホスホリル末端を有するssDNAにライゲーションするために用いられ得る。

0155

一度ncRNAの3’末端がssDNAにライゲーションされたら、相補的ssDNAが、ライゲーションされたssDNAにアニーリングして第2鎖cDNA合成を開始することができ、および/または同じクロマチン断片中の架橋されたゲノムDNA断片の遊離末端とのライゲーションに適した平滑末端を形成することができる。

0156

代替の態様において、平滑末端(またはライゲーション適合末端)を一方の末端に、(上記の様々なRNAリガーゼに関する一本鎖基質の役目を果たすことができる)5’アデニル化されたオーバーハングを他方の末端に有するdsDNAリンカーが、突出しているアデニル化された5’末端がncRNAの3’−OHに直接ライゲーションされる前に、架橋されたゲノムDNA断片の遊離末端にまずライゲーションされることができる。

0157

同様に、上記でライゲーションされたRNAリンカー−DNAリンカーまたは修飾RNAリンカーに関して記載された全ての態様またはバリエーションは、5’App ssDNAおよびその相補配列の間で形成された二本鎖領域に一般的に適用可能である。

0158

例えば、特定の態様において、5’App ssDNAおよびその相補配列の間で形成された二本鎖領域は、RNAおよびDNAタグ配列の生成を容易にするための1個以上のRE認識部位を含むことができる。2個のMmeI部位が、二本鎖領域の両方の末端に位置し、二本鎖領域の外側の切断を方向付けて、二本鎖領域に隣接する18〜20bpのRNAおよびDNAタグを生成することができる。あるいは、1個のRE部位が、RNAタグ(またはDNAタグ)を生成するために用いられることができ、DNAタグ(またはRNAタグ)は、物理的剪断または限定的な非特異的酵素消化(上記参照)により生成されることができる。

0159

従って、本発明の別の側面は、以下:(i)第1ポリヌクレオチドおよび(ii)第2ポリヌクレオチドを含む直接的なRNAリンカーを提供し、ここで、第1および第2ポリヌクレオチドは、ゲノムDNAライゲーション適合末端、および第1ポリヌクレオチドの5’末端における5’オーバーハングにより隣接される二本鎖領域を形成する。

0160

5’オーバーハングは、場合により5’アデニル化されており、または適切な酵素、例えば5’DNAアデニル化キット(カタログ番号E2610SまたはE2610L)中のMthRNAリガーゼによりアデニル化されることができる。RNAライゲーションが5’オーバーハングを用いて実施される予定である場合、(その第2ポリヌクレオチドとのアニーリングの前の)ssDNAとしての第1ポリヌクレオチドとは対照的に、5’オーバーハングは、直接的なRNAライゲーションのための酵素に関する基質として用いられるために十分な長さ(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15塩基またはより多くの塩基)のものである。

0161

特定の態様において、ライゲーション適合末端は、架橋されたゲノムDNA断片の平滑末端への直接的なライゲーションのために平滑末端化されることができる。
別の態様において、ライゲーション適合末端は、制限酵素部位を含むことができ、それはREにより切断されて、架橋されたゲノムDNA断片の平滑末端へのライゲーションに必要な必須の平滑末端を生成することができる。しかし、制限酵素による切断の前に、ライゲーション適合末端は、平滑末端化されることができ(例えば自己ライゲーションを防ぐための脱リン酸化された平滑末端)、または自己ライゲーションを防ぐ非適合性オーバーハングを有することができる。

0162

特定の態様において、直接的なRNAリンカーは、自己ライゲーションしない。例えば、第1ポリヌクレオチドの3’末端は、第1ポリヌクレオチドの自己ライゲーション(自己環状化)を防ぐために、ジデオキシヌクレオチドまたは他の修飾ヌクレオチドによりブロックされることができる。RNA−DNAライゲーションが完了したら、第1ポリヌクレオチドのブロックされた3’末端は、ライゲーション適合末端の一部になり、RE消化により切断されてゲノムDNAライゲーションのための平滑末端を作り出すことができる。

0163

特定の態様において、二本鎖領域は、第1制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第1制限部位を含むことができる。RE認識部位は、REが切断する際に、それがRE部位の外側、第1ポリヌクレオチドの5’アデニル化された末端に対して5’側を切断するように、戦略的に配置されることができる。これは、直接的なRNAリンカーに連結されたRNAタグの生成を可能にする。例えば、MmeI認識部位は、二本鎖領域の末端に、第1ポリヌクレオチドの5’オーバーハングの5’末端に対して近位に配置されることができる。MmeI部位は、MmeIが切断する際に、2bpのオーバーハングを有する18bpの断片を含むRNAタグが、連結されたncRNA由来のcDNAにおいて生成されるような方向性であるように設計される。しかし、RE部位の配置は、第1ポリヌクレオチドの末端である必要はない。より内側の配置は、対応してより短いRNAタグ配列を生成する。第1ポリヌクレオチドがssDNA基質として用いられる場合(その5’オーバーハングが基質として用いられる場合とは対照的に)、RE部位は第1ポリヌクレオチドの5’末端に配置されることができるため、より長いRNAタグ配列が生成されることができる。

0164

従って、特定の態様において、(第1(II型)制限酵素に関する)第1認識部位の最後のヌクレオチドは、第1ポリヌクレオチドの5’末端である。
特定の態様において、二本鎖領域は、ライゲーション適合末端において、またはその付近に、第2制限酵素、例えばII型制限酵素(RE)に関する第2制限部位を含むことができる。REは、第2RE認識部位に対して3’側であり第1ポリヌクレオチドに対して3’側(例えば、ライゲーションされたゲノムDNA中)を切断することができる。RE認識部位の方向性は、それが、連結されたゲノムDNAの末端配列に基づいてDNAタグを生成するような方式で配置される。特定の態様において、RE部位の配置は、二本鎖領域の末端である必要はない。より内部の配置は、対応してより短いDNAタグ配列を生成
する。

0165

特定の態様において、(第2(II型)制限酵素に関する)第2認識部位の最後のヌクレオチドは、ライゲーション適合性/平滑末端における塩基対合したヌクレオチドである。

0166

特定の態様において、直接的なRNAリンカーは、RNAタグまたはDNAタグを生成するための制限酵素認識部位を有しない。
特定の態様において、直接的なRNAリンカーは、直接的なRNAリンカーを他の直接的なRNAリンカー(単数または複数)から区別する独特の配列(例えば“バーコード”)を含むことができる。

0167

特定の態様において、第2ポリヌクレオチドは、脱リン酸化されている。
本発明のこの側面に従って生成されたPETポリヌクレオチドは、5’App ssDNAおよびその相補配列(すなわち第2ポリヌクレオチド)の間で形成された二本鎖領域に対応する中央領域を含む。この領域に関する特定の配列の要求は存在せず、その領域の長さは柔軟性がある(例えば数bpほどの短いもの、RNA−DNAリガーゼの基質の要求、そして逆転写酵素に関する基質の要求を支持するために十分に長いもの)が、より長い配列が、あらゆる所望されるRE認識部位、バーコード配列、または修飾ヌクレオチド(例えば親和性精製のためのビオチン化ヌクレオチド)を組み込むために用いられることができる。

0168

従って、本発明の別の側面は、以下:(1)第1ポリヌクレオチド(5’アデニル化されていても、5’アデニル化されるのに適していてもどちらでもよい)の5’末端に対して近位の部位において非コードRNA(ncRNA)の配列タグ;および(2)ライゲーション適合末端に対して近位の部位においてゲノムDNAの配列タグにより隣接されている(直接的なRNAリンカーの)二本鎖領域を含む中央領域を含むペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドを提供する。

0169

関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドの2以上のメンバーを含むペアエンドタグ(PET)ライブラリーを提供し、ここで、PETライブラリーのそれぞれのメンバーは、同じ前記の中央領域、および非コードRNA(ncRNA)の異なるRNA配列タグ、ゲノムDNAの異なるDNA配列タグ、または両方を含む。

0170

さらに別の関連する側面において、本発明は、対象のPETポリヌクレオチドを含むベクターまたは組み換えベクターを提供する。
本発明のさらに別の側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)ncRNAの3’−OHを、5’を予めアデニル化されたssDNAにライゲーションし;(3)ssDNAの相補物を提供してssDNAおよび相補物の間で二本鎖領域を形成し、(4)必要であれば、二本鎖領域の末端において平滑末端を生成し;(5)その平滑末端を、架橋されたゲノムDNA断片の末端に、近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし;(6)PETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し、ここで、そのPETポリヌクレオチドは、架橋されたゲノムDNA断片のDNAタグおよびncRNAのRNAタグにより隣接された二本鎖領域を含み;そして、(7)そのDNAタグおよびRNAタグを参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0171

本発明の代替の側面は、ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関するゲノム内の機
能的相互作用座位を同定する方法を提供し、その方法は、以下の工程を含む:(1)架橋されたゲノムDNA断片および架橋されたncRNAを含むクロマチン断片を提供し;(2)ncRNAの3’−OHを、二本鎖領域を有するdsDNAの5’を予めアデニル化されたオーバーハングにライゲーションし、(4)必要であれば、二本鎖領域の末端において、5’を予めアデニル化されたオーバーハングに対して遠位に平滑末端を生成し;(5)その平滑末端を、架橋されたゲノムDNA断片の末端に、近接ライゲーションに関する条件下でライゲーションし;(6)PETポリヌクレオチドを配列決定分析のために単離し、ここで、そのPETポリヌクレオチドは、架橋されたゲノムDNA断片のDNAタグおよびncRNAのRNAタグにより隣接された二本鎖領域を含み;そして、(7)そのDNAタグおよびRNAタグを参照ゲノムに対してマッピングし、それにより参照ゲノムの非コードRNA(ncRNA)に関する参照ゲノム内の機能的相互作用座位を同定する。

0172

特定の態様において、ssDNAの相補物(すなわち、第2ポリヌクレオチド)は、ssDNAと同じ長さを有する。特定の態様において、その相補物は、ssDNAより長いか、またはssDNAより短く、突出している3’または5’末端を有する二本鎖領域を形成する。後者の場合、そのオーバーハングは、酵素により埋められて、または平滑末端を生成する制限酵素により末端から切り離されることにより、ライゲーションに適した平滑末端を生成することができる。RE部位は、ssDNAの配列中に入るように設計されることができる。

0173

特定の態様において、直接的なRNAリンカーの第1ポリヌクレオチドの長さは、約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、60塩基またはより多くの塩基である。

0174

小節a)(RNAおよびDNAリンカー対)および小節b)(修飾RNAリンカー)において記載された第1および第2の特定の態様において記載されたような他の態様は、それぞれ一般的に適用可能であり、ここでも組み込まれる(が繰り返して述べない)。

0175

そのように記載された本発明の一般的な側面により、以下の節は、本発明の特定の態様に関する追加の詳細ならびに特定の量およびパラメーターを提供する。本発明は、本発明の一般的な範囲から逸脱することなく、そのような詳細を用いずに、またはわずかな修正を加えて実施されることができることは、当業者には明らかであるものとする。

0176

2.定義
“非コードRNA(ncRNA)”は、タンパク質に翻訳されないRNA分子を含む。頻度はより低いが、それは、非タンパク質コードRNA(npcRNA)、非メッセンジャーRNA(nmRNA)および機能性RNA(fRNA)と呼ばれる可能性もある。それは、通常は、タンパク質をコードする以外の機能を有する機能性RNAであるが、一部は非機能性である、または既知の機能を有しない可能性がある。時々、小さいRNA(sRNA)という用語が、しばしば短い細菌性ncRNAに関して用いられる。非コードRNAが転写されるDNA配列は、しばしばRNA遺伝子と呼ばれる。

0177

非コードRNA遺伝子は、高度に豊富であり機能的に重要なRNA、例えば転移RNAtRNA)およびリボソームRNA(rRNA)、ならびにsnoRNA(scRNAを含む;RNAのヌクレオチド修飾に関する)、snRNA(スプライシングおよび他の機能に関する)、gRNA(ガイドRNA;mRNAのヌクレオチド修飾に関する)、RNaseP(tRNAの成熟に関する)RNaseMRP(rRNAの成熟および/またはDNA複製に関する)、Y RNA(RNAプロセシングおよび/またはDNA複製に関する)、テロメラーゼRNA(テロメア合成に関する)スプライシングされたリー
ダーRNA、SmY RNA(mRNAのトランススプライシングに関する)、アンチセンスRNA、シス−天然アンチセンス転写産物マイクロRNA(遺伝子制御に関する)siRNA(トランス作用性siRNAを含む;遺伝子制御に関する)、exRNA、およびpiRNA(リピート関連siRNAを含む;トランスポゾン防御に関し、他の機能である可能性もある)のようなRNA、7SKRNA(CDK9/サイクリンT複合体の負の制御に関する)、ならびにXistおよびHOTAIRのような例を含む長いncRNAを含む。ヒトゲノム内にコードされているncRNAの数は未知であるが、最近のトランスクリプトームおよび生物情報学の研究は、数千のncRNAの存在を示唆している。新規に同定されたncRNAの多くは、それらの機能に関して検証されていないため、多くが非機能性である可能性がある。

0178

特定の態様において、本発明のncRNAは、上記で参照された種の1以上を一切含まない。例えば、特定の態様において、本発明のncRNAは、rRNAを含まない。特定の態様において、本発明のncRNAは、tRNAを含まない。特定の態様において、本発明のncRNAは、tRNAを含まない。

0179

“制限酵素(RE)”および“制限エンドヌクレアーゼ”は、本明細書において、二本鎖DNAを切断する酵素を含むように互換的に用いられている。その酵素は、典型的には、“制限部位”または“RE認識部位”として知られる特定の認識ヌクレオチド配列において、その内部に、またはその付近(例えば、約数塩基〜約数キロ塩基)に2つの切り込みを作り、切り込みは塩基を損傷することなく二重らせんのホスフェート主鎖のそれぞれを通る。

0180

制限酵素は、一般に3つのタイプに分類され、それは、それらの構造およびそれらがそれらのDNA基質をそれらの認識部位において切断するかどうか、またはその認識および切断部位が互いから離れているかどうかにおいて異なる。3000種類を越える制限酵素が、今までに詳細に研究されており、これらの600種類より多くが、商業的に入手可能であり、その多くが、分子生物学においてDNA修飾および操作のためにルーチン的に用いられている。

0181

I型制限酵素は、それらの認識部位と異なり、それからランダムな距離(少なくとも1000bp)離れた部位を切断する。I型制限酵素の認識部位は非対称であり、約6〜8ヌクレオチドの非特異的スペーサーにより隔てられた2つの特異的な部分(1つは3〜4ヌクレオチドを含有し、別の部分は4〜5ヌクレオチドを含有する)からなる。これらの酵素は、多機能であり、標的DNAのメチル化状態に依存して、制限および修飾活性の両方が可能である。補助因子S−アデノシルメチオニン(AdoMet)、加水分解されたアデノシンリン酸(ATP)およびマグネシウム(Mg2+)イオンが、それらの完全な活性のために必要とされる。

0182

典型的なII型制限酵素は、ホモダイマーであり、通常は分割されておらず回文構造であり長さ4〜8ヌクレオチドである認識部位を有する。それらは、同じ部位においてDNAを認識および切断し、それらは、それらの活性のためにATPもAdoMetも用いず−それらは通常はMg2+のみを補助因子として必要とする。最近、新規のサブファミリー命名法(1文字接尾辞を用いて定義される)が、この大きいファミリーをII型酵素の典型的な特徴からの逸脱に基づいてサブカテゴリーに分けるために開発された。例えば、IIB型制限酵素(例えば、BcgIおよびBplI)は、AdoMetおよびMg2+補助因子の両方を必要とする多量体であり、それらは、DNAをそれらの認識の両側で切断して、認識部位を切り抜く。IIE型制限エンドヌクレアーゼ(例えばNaeI)は、2コピーのそれらの認識配列との相互作用後にDNAを切断する。1つの認識部位は、切断のための標的として作用し、一方で他方の認識部位は、酵素切断の速度を上げるかまたは効率を向上させるアロステリック作用因子として作用する。IIE型酵素と類似して、IIF型制限エンドヌクレアーゼ(例えばNgoMIV)は、2コピーのそれらの認識配列と相互作用するが、両方の配列を同時に切断する。IIG型制限エンドヌクレアーゼ(Eco57I)は、古典的なII型制限酵素のように単一のサブユニットを有するが、活性であるために補助因子AdoMetを必要とする。IIM型制限エンドヌクレアーゼ、例えばDpnIは、メチル化されたDNAを認識して切断することができる。IIS型制限エンドヌクレアーゼ(例えばFokI)は、それらの非回文構造非対称認識部位から定められた距離においてDNAを切断する。すなわち、IIS型酵素は、それらの認識配列の外側(片側)で切断する。MmeIならびにIIS型制限酵素のほとんどは、変動する末端の長さをもたらす。Dunnら(2002)は、MmeIは18/20または19/21塩基離れた位置をおおよそ1:1の割合で切断し得ることを示した。従って、18/20がMmeI制限切断部位を記載するために用いられる場合、19/21も意図されている。IIT型制限酵素(例えばBpu10IおよびBslI)は、2個の異なるサブユニットからなる。一部は回文構造の配列を認識し、一方で他のものは非対称な認識部位を有する。

0183

III型制限酵素(例えばEcoP15)は、逆を向いた2つの分離した非回文構造配列を認識する。それらは、認識部位の約20〜30塩基対後でDNAを切断する。これらの酵素は、1個より多くのサブユニットを含有し、DNAのメチル化および制限におけるそれらの役割のためにAdoMetおよびATP補助因子をそれぞれ必要とする。III型酵素は、短い5〜6bpの長さの非対称なDNA配列を認識し、25〜27bp下流を切断して短い一本鎖の5’突出を残す。それらは、2つの逆を向いたメチル化されていない認識部位の存在を、制限が起こるために必要とする。

0184

制限酵素切断産物は、平滑末端であることができ、または5’もしくは3’オーバーハングを伴う粘着末端を有することもでき、その粘着末端断片は、それが元々切断された断片に対してだけでなく、適合する付着または粘着末端を有するあらゆる他の断片にもライゲーションされることができる。

0185

“ヌクレオチド”は、本明細書で用いられる際、ヌクレオシドリン酸エステル−核酸(DNAまたはRNA)の基本構造単位を含む。2個以上のヌクレオチド(例えば、2〜30、5〜25、10〜15ヌクレオチド)の短い鎖は、時々“オリゴヌクレオチド”と呼ばれ、一方でより長い鎖は、ポリヌクレオチドと呼ばれるが、その2つの用語の間に決定的な長さの限定は存在しない。ヌクレオチドという用語は、用語“核酸”と互換的に用いられることができる。ポリヌクレオチドは、一本鎖であることもそれぞれの鎖が5’末端および3’末端を有する二本鎖であることもできる。一続きの核酸の末端領域は、それぞれ5’末端および3’末端と呼ばれることができる。ポリヌクレオチド中のヌクレオチドは、天然ヌクレオチド(DNAに関してデオキシリボヌクレオチドA、T、C、またはG、およびRNAに関してリボヌクレオチドA、U、C、G)であることができ、または修飾ヌクレオチドを含むこともでき、それは、例えば化学合成によりポリヌクレオチド中に組み込まれることができる。そのような修飾ヌクレオチドは、天然ヌクレオチドに存在しない、または欠けている追加の望ましい特性を与えることができ、修飾ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドは、本発明の組成物および方法において用いられることができる。

0186

用語“プライマー”または“プライミング配列”は、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下で、すなわち4種類の異なるヌクレオシド三リン酸および伸長のための因子(例えばDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在下で、適切な緩衝液中で、かつ適切な温度において、DNA合成の開始の点として作用することができるオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、一本鎖DNAであることができる。プライマーの適切な長さは、プライマーの意図される用途に依存するが、典型的には10〜50ヌクレオチド、例えば15〜35ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は、一般に鋳型との十分に安定なハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度を必要とする。プライマーは、鋳型核酸の正確な配列を反映する必要はないが、鋳型とハイブリダイズするために十分に相補的でなければならない。所与の標的配列の増幅のための適切なプライマーの設計は、当該技術で周知であり、例えば本明細書で引用される文献において記載されている。

0187

“プローブ”は、一般に、標的配列のcDNAまたはmRNA、例えばCCAT1 ncRNA配列またはそのcDNAの少なくとも一部の存在を検出するために用いられる、核酸分子またはそれと相補的な配列を指す。検出は、プローブおよびアッセイされる標的配列の間のハイブリダイゼーション複合体の同定により実施されることができる。プローブは、固体支持体に、または検出可能な標識に結合していることができる。プローブは、一般に一本鎖であろう。プローブ(単数または複数)は、典型的には10〜200ヌクレオチドを含む。プローブの個々の特性は、個々の用途に依存すると考えられ、当業者の決定する能力の範囲内である。一般に、プローブは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションの条件下で、標的cDNAまたはRNAの少なくとも一部にハイブリダイズするであろう。

0188

“アダプター”は、ライゲーションされる予定のオリゴヌクレオチド分子を指し、または核酸分子の末端にライゲーションされている。アダプターは、増幅(PCRプライマー配列を有するPCRアダプター)、配列決定(配列決定プライマー配列を有する)、および/または核酸断片のベクター中への挿入(適切なクローニング配列、例えばRE認識部位を有する)のために用いられることができる。

0189

“コンカテマー”は、通常は、末端同士が連結され、場合によりリンカーまたはスペーサーにより隔てられた、少なくとも2個のヌクレオチドモノマー配列からなる。モノマーは、配列が同じである可能性も同じでない可能性もあるが、類似の構造要素(例えば本発明のRNAおよびDNAリンカー)を有し得る。モノマーは、同じ向きである可能性も異なる向きである可能性もある(例えば、コンカテマー内のモノマーは、互いにヘッドトゥーヘッド、ヘッドトゥーテール、または両方の混合で連結されている可能性がある)。本発明のコンカテマーは、本発明の方法に従って調製された少なくとも2つのオリゴヌクレオチド(例えばPETポリヌクレオチド)を含む。

0190

“ライブラリー”は、同様の核酸配列、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドの集合を含み、ライブラリーのそれぞれのメンバーは、1以上の定義する(defining)特徴を共有している。例えば、本発明のPETポリヌクレオチドのライブラリーは、2以上(例えば、数万、数十万、数百万、数千万等)の本発明のPETポリヌクレオチドを含み、それぞれのPETポリヌクレオチドは、類似または同一の構造を共有しているが、異なるDNAおよび/またはRNAタグ配列を有する。

0191

“ベクター”または“組み換えベクター”は、内部に含有される遺伝物質(例えば、クローニングされた遺伝情報またはクローニングされたDNA)をある細胞から別の細胞に移動させる、または増幅することができるバクテリオファージプラスミド、または他の媒介物を指す、当該技術で認められている用語である。そのようなベクターは、特定の性質および特徴に応じて、異なる宿主細胞中に、トランスフェクションおよび/または形質転換、例えばリポフェクションリン酸カルシウム沈殿レトロウイルス送達電気穿孔法、および微粒子銃形質転換、ならびに当該技術で利用可能なあらゆる他の分子生物学の技法により導入されることができる。

0192

適切なベクターは、異種遺伝子配列の挿入または組み込みにより操作されているプラス
ミド、ウイルスベクターまたは当該技術で既知の他の媒介物を含み得る。そのようなベクターは、適切な宿主増幅のための複製起点、クローニングされた配列の効率的な転写を促進することができるプロモーター配列、クローニングされた配列の直接的な増幅のための隣接しているPCRプライマーを含有し得る。ベクターは、形質転換された細胞の表現型選択を可能にする特定の遺伝子も含み得る。本発明における使用に適したベクターは、例えば、pBlueScript(Stratagene,カリフォルニア州ラホヤ);pBC、pZErO−1(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド)およびpGEM3z(Promega,ウィスコシン州マディソン)またはそれらの改変ベクターならびに当業者に既知の他の類似のベクターを含む。例えば、本明細書に参照により援用される米国特許第4,766,072号において開示されているpGEMベクターを参照。

0193

“クロマチン”は、細胞核中の核酸およびタンパク質、主にヒストンの複合体を記載するために用いられ、それは塩基性色素により容易に染色され、細胞分裂の間に凝集して染色体を形成する。クロマチンは、核酸−タンパク質複合体の一例である。

0194

“タグ”は、本明細書で用いられる際、参照ゲノム内の配列の由来を独特に同定することができる同定可能な一続きの核酸の配列を含む。タグは、そのタグを参照ゲノム中の1つまたはいくつかの位置(例えばある遺伝子または高い配列の同一性を有する関連遺伝子の二重コピー)に独特にまたは明確にマッピングする十分な長さ(通常は18〜20bpであるが、配列の組成ならびに参照ゲノムの大きさおよび複雑さ等に応じてより短いこともできる)であることができる。本発明のDNAタグは、ゲノムDNA配列に由来する。それは、ncRNA、またはncRNAのcDNAに、例えば本発明のDNAリンカーおよびRNAリンカー(または本発明の修飾RNAリンカー、または本発明の直接的なRNAリンカー)を通して連結されることができる。本発明のRNAタグは、ncRNA、またはncRNAから逆転写されたcDNAに由来する。RNAタグは、ゲノムDNAに、例えば本発明のDNAリンカーおよびRNAリンカー(または本発明の修飾RNAリンカー、または本発明の直接的なRNAリンカー)を通して連結されることができる。

0195

本発明のRNAまたはDNAタグは、あらゆる大きさであることができるが、それが由来する親配列の大きさよりも意味があり、有利である必要がある。特定の態様において、DNAまたはRNAタグの大きさは、ゲノムの複雑さにより決定される。細菌ゲノムに関して、約8bp〜約16bpのタグで十分である可能性があり、一方でヒトゲノムのような複雑なゲノムに関しては、16〜20bpのタグが考慮され得る。

0196

“リンカー”は、通常は特定の目的、例えば2個のポリヌクレオチドを一緒に連結するために設計された核酸の人工配列である。本発明の“RNAリンカー”は、本発明のDNAリンカーに、そしてRNA、例えば架橋された非コードRNAの遊離3’末端から合成されたcDNAに連結されるように設計されている。本発明の“DNAリンカー”は、本発明のRNAリンカーに、そしてDNA、例えばクロマチン断片に架橋された染色体DNAの遊離末端に連結されるように設計されている。本発明の“修飾RNAリンカー”は、一方の末端(例えば平滑末端または平滑末端を生成することができるライゲーション適合末端)においてゲノムDNA断片に、そして他方の末端においてRNA、例えば架橋された非コードRNAの遊離3’末端から合成されたcDNAに連結されるように設計されている。本発明の“直接的なRNAリンカー”は、ncRNAの3’−OHに予めアデニル化された5’末端を通して直接連結されるように、そして他方の末端(例えば平滑末端または平滑末端を生成することができるライゲーション適合末端)においてゲノムDNA断片に連結されるように設計されている。

0197

“配列決定”は、生体ポリマー、この場合は核酸中の構成要素の順序を決定するために
用いられる様々な方法をさす。本発明と共に用いられることができる適切な配列決定技法は、伝統的な鎖終結サンガー法、ならびに多くの商業的な源から利用可能ないわゆる次世代(高スループット)配列決定、例えば大規模並行署名配列決定(またはMPSS、Lynx Therapeutics/Solexa/Illuminaによる)、ポロニー配列決定(Life Technologies)、パイロ配列決定または“454配列決定”(454 Life Sciences/Roche Diagnostics)、ライゲーションによる配列決定(SOLiD配列決定、Applied Biosystems/Life Technologiesによる)、合成による配列決定(Solexa/Illumina)、DNAナノボール配列決定、heliscope配列決定(Helicos Biosciences)、ion半導体またはIon Torrent配列決定(Ion Torrent Systems Inc./Life Technologies)、および単分子リアルタイム(SMRT)配列決定(Pacific Bio)等を含む。数多くの他の高スループット配列決定法が、まだ開発されており、または完成しており、それらも本発明のPETポリヌクレオチドを配列決定するために用いられることができ、それはナノポアDNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定質量分析による配列決定、微小流体サンガー配列決定、透過型電子顕微鏡DNA配列決定、PNAP配列決定、およびインビトロウイルス高スループット配列決定等を含む。

0198

特定の態様において、配列決定法は、対象のPETポリヌクレオチドの両側からタグを配列決定することができ、従ってペアエンドタグの情報を提供することができる。特定の態様において、配列決定法は、変動可能な長さの長いDNA断片、例えば対象PETポリヌクレオチドのコンカテマーにおいて読みを実施することができる。

0199

“参照ゲノム”は、対象の生物のゲノム、またはncRNAおよびゲノムDNAが由来するゲノムを指す。本発明の方法および組成物は、数多くの古細菌または真正細菌原生生物真菌(例えば出芽酵母(S.cerevisae)または分裂酵母)、植物、動物ゲノムを含む、完全または実質的に完全な配列が入手可能であるあらゆる参照ゲノムに適用される。例えば、ヒト、マウスおよび数多くの他の哺乳類および非哺乳類種のゲノム配列は、現在パブリックドメインにおいて容易に入手可能である。例えば、Venter et al.,
“The Sequence of the Human Genome,” Science, 291(5507):1304-1351, 2001を参照
。他の非限定的な参照ゲノムは、数多くの非ヒト霊長類、哺乳類、げっ歯類ラット、マウス、ハムスターウサギ等)、家畜動物ウシブタウマヒツジヤギ)、鳥類ニワトリ)、爬虫類両生類アフリカツメガエル)、魚類ゼブラフィッシュダニオ・レリオ(Danio rerio))、フグ)、昆虫(ショウジョウバエ(Drosophila)、)、線虫寄生生物、真菌(例えば酵母、例えば出芽酵母(S.cerevisae)または分裂酵母)、様々な植物、ウイルス(例えば宿主ゲノム中に組み込まれたウイルス)等を含む。

0200

ロックド(Locked)核酸(LNA)は、LNAヌクレオチドのリボース部分が2’酸素および4’炭素を連結する余分な架橋で修飾されている修飾RNAヌクレオチドである。その架橋は、リボースを3’−エンド立体配座で“ロック”する。LNAヌクレオチドは、所望される場合はいつでもオリゴヌクレオチド中でDNAまたはRNA残基と混合されることができる。そのようなオリゴマーは、化学的に合成され、商業的に入手可能である。ロックされたリボースの立体配座は、塩基のスタッキングおよび主鎖の前組織化(pre−organization)を増進する。これは、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性(融解温度)著しく高める。

0201

ペプチド核酸(PNA)は、DNAまたはRNAに類似の人工的に合成されたポリマーである。PNAオリゴマーは、相補的DNAへの結合においてより大きな特異性を示し、
PNA/DNAの塩基のミスマッチは、DNA/DNA二本鎖における類似のミスマッチよりも大きく不安定化する。この結合強度および特異性は、PNA/RNA二本鎖にも当てはまる

0202

本発明の“ペアエンドタグ(PET)ポリヌクレオチドは、一方の末端において、またはその付近に、ncRNA由来のRNAタグがあり、そして他方の末端において、またはその付近に、ゲノムDNA由来のDNAタグがあるポリヌクレオチドであり、ここで、ncRNAおよびゲノムDNAは、好ましくは同じクロマチン断片に架橋されている。その意味で、PETポリヌクレオチドの2つの末端のRNAおよびDNAタグは対になっており、架橋の時点におけるncRNAおよびゲノムDNAの間の物理的近接の事象を反映している。

0203

“近接ライゲーション条件”は、近接しているライゲーション可能なポリヌクレオチド末端、例えば同じクロマチン断片に架橋されているゲノムDNAおよびncRNAが優先的にライゲーションされる、ポリヌクレオチドライゲーション反応に関する条件を指す。一方で、近接していないライゲーション可能なポリヌクレオチド末端、例えば異なるクロマチン断片に架橋されたゲノムDNAおよびncRNAは、ライゲーションされないか、または実質的にライゲーションされない。そのようなライゲーション条件は、同じクロマチン断片上のライゲーション可能な末端が、それらの互いに対する物理的近接のために、異なるクロマチン断片上のライゲーション可能な末端の間のライゲーションよりもライゲーションされる可能性が遥かに高いような、大体積ライゲーション(large volume ligation)を含む。

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