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技術 行動特定装置、行動特定方法及びプログラム

出願人 NTTテクノクロス株式会社
発明者 畠中将徳佐々木克敏
出願日 2018年9月5日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-166330
公開日 2020年3月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-036566
状態 未査定
技術分野 家畜、動物の飼育(3)(その他の飼育)
主要キーワード 平均気圧 動作強度 基準気圧 時間幅毎 差分最大値 リナンバリング 発情時期 気圧分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月12日)のものです。
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図面 (13)

課題

家畜行動を特定することが出来る行動特定装置、行動特定方法及びプログラムの提供。

解決手段

家畜の行動を特定する行動特定装置であって、前記家畜に装着された加速度センサが測定した加速度データと、前記家畜に装着された気圧センサが測定した気圧データとを記憶する記憶手段と、所定の時間の間における1以上の前記加速度データから所定の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値と、予め作成された前記家畜の行動を特定するための特定モデルとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された行動が所定の行動である場合、所定の時間の間における1以上の前記気圧データと1以上の前記加速度データとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第2の特定手段と、を有することを特徴とする。

概要

背景

乳用搾乳期間は、乳用牛を交配人工授精)させて子牛を生ませた後(分娩後)であり、この期間は泌乳期と呼ばれている。泌乳期は約305日程度であることが知られている。また、次の出産に備えて、次回の分娩予定日の約60日前で搾乳を止めるのが一般的である。この60日の期間は乾乳期と呼ばれている。乳用牛は、分娩、泌乳期、乾乳期を毎年繰り返している。

乳用牛を飼育する酪農家等は、乳用牛から継続的に搾乳するため、毎年乾乳期に乳用牛を交配(人工授精)させる必要がある。乳用牛の交配(人工授精)にあたっては、乳用牛の発情発見する必要がある。乳用牛の発情を発見するには、乳用牛の外部的兆候を確認したり、発情時に多く見られる行動を確認したりすることが行われている。また、台帳を用いた繁殖記録による発情時期の管理等も行われている。

概要

家畜の行動を特定することが出来る行動特定装置、行動特定方法及びプログラムの提供。家畜の行動を特定する行動特定装置であって、前記家畜に装着された加速度センサが測定した加速度データと、前記家畜に装着された気圧センサが測定した気圧データとを記憶する記憶手段と、所定の時間の間における1以上の前記加速度データから所定の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値と、予め作成された前記家畜の行動を特定するための特定モデルとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された行動が所定の行動である場合、所定の時間の間における1以上の前記気圧データと1以上の前記加速度データとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第2の特定手段と、を有することを特徴とする。

目的

本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、家畜の行動を特定することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

家畜行動を特定する行動特定装置であって、前記家畜に装着された加速度センサが測定した加速度データと、前記家畜に装着された気圧センサが測定した気圧データとを記憶する記憶手段と、所定の時間の間における1以上の前記加速度データから所定の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値と、予め作成された前記家畜の行動を特定するための特定モデルとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された行動が所定の行動である場合、所定の時間の間における1以上の前記気圧データと1以上の前記加速度データとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第2の特定手段と、を有することを特徴とする行動特定装置。

請求項2

前記加速度データには、複数の成分の加速度値が含まれ、前記第2の特定手段は、1以上の前記気圧データに含まれる気圧値の各々を、1以上の前記加速度データに含まれる加速度値のうちの所定の成分の加速度値の各々で補正した補正値を用いて、前記家畜の行動を特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の行動特定装置。

請求項3

前記第2の特定手段は、1以上の前記補正値のうち、第1の期間における前記補正値の最小値を示す第1の最小値と、第2の期間における前記補正値の最小値を示す第2の最小値とを算出し、前記第1の最小値と前記第2の最小値との変化量と、所定の閾値とを比較することで、該比較結果に応じて前記家畜の行動を特定する、ことを特徴とする請求項2に記載の行動特定装置。

請求項4

前記加速度センサが前記家畜に装着されている向きを示す値を算出する向き算出手段を有し、前記第2の特定手段は、1以上の前記気圧データに含まれる気圧値の各々を、1以上の前記加速度データに含まれる加速度値のうちの所定の第1の成分の加速度値の各々と、所定の第2の成分の加速度値の符号と、前記向きを示す値とで補正した補正値を用いて、前記家畜の行動を特定する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の行動特定装置。

請求項5

前記第2の特定手段は、1以上の前記気圧データに含まれる気圧値の所定の第3の期間における平均値の各々を、1以上の前記加速度データに含まれる加速度値のうちの所定の第1の成分の加速度値の前記第3の期間における平均値の各々と、所定の第2の成分の加速度値の前記第3の期間における平均値の符号と、前記向きを示す値とで補正した補正値を用いて、前記家畜の行動を特定する、ことを特徴とする請求項4に記載の行動特定装置。

請求項6

前記第1の成分の加速度値は、前記家畜の進行方向を示す成分又は前記進行方向に対して逆の方向を示す成分の加速度値であり、前記第2の成分の加速度値は、重力方向を示す成分又は前記重力方向に対して逆の方向を示す成分の加速度値である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の行動特定装置。

請求項7

家畜の行動を特定する行動特定装置が、前記家畜に装着された加速度センサが測定した加速度データと、前記家畜に装着された気圧センサが測定した気圧データとを記憶手段に記憶させる記憶手順と、所定の時間の間における1以上の前記加速度データから所定の指標値を算出する指標値算出手順と、前記指標値と、予め作成された前記家畜の行動を特定するための特定モデルとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第1の特定手順と、前記第1の特定手順により特定された行動が所定の行動である場合、所定の時間の間における1以上の前記気圧データと1以上の前記加速度データとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第2の特定手順と、を実行することを特徴とする行動特定方法

請求項8

コンピュータを、請求項1乃至6の何れか一項に記載の行動特定装置における各手段として機能させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、行動特定装置、行動特定方法及びプログラムに関する。

背景技術

0002

乳用搾乳期間は、乳用牛を交配人工授精)させて子牛を生ませた後(分娩後)であり、この期間は泌乳期と呼ばれている。泌乳期は約305日程度であることが知られている。また、次の出産に備えて、次回の分娩予定日の約60日前で搾乳を止めるのが一般的である。この60日の期間は乾乳期と呼ばれている。乳用牛は、分娩、泌乳期、乾乳期を毎年繰り返している。

0003

乳用牛を飼育する酪農家等は、乳用牛から継続的に搾乳するため、毎年乾乳期に乳用牛を交配(人工授精)させる必要がある。乳用牛の交配(人工授精)にあたっては、乳用牛の発情発見する必要がある。乳用牛の発情を発見するには、乳用牛の外部的兆候を確認したり、発情時に多く見られる行動を確認したりすることが行われている。また、台帳を用いた繁殖記録による発情時期の管理等も行われている。

先行技術

0004

阿部 亮著、「農学基礎セミナー家畜飼育の基礎 」、新版、社団法人 農産漁文化協会、2008 年 4 月, p.109, p.122-124.

発明が解決しようとする課題

0005

ここで、例えば、飼養頭数が数千頭以上にも及ぶ大規模酪農場では、1頭1頭の乳用牛の外部的兆候や行動を確認することは酪農家の大きな負担となっていた。これに対して、例えば、飼養している乳用牛の行動を特定することで、発情時に多く見られる行動の確認を容易にすることができれば、酪農家の負担を軽減することができる。

0006

また、乳用牛の行動を特定することで、発情の発見のみならず、病気ケガ等による異常行動の発見にも繋がり、乳用牛の健康管理にも資することができる。

0007

本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、家畜の行動を特定することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明の一実施形態は、家畜の行動を特定する行動特定装置であって、前記家畜に装着された加速度センサが測定した加速度データと、前記家畜に装着された気圧センサが測定した気圧データとを記憶する記憶手段と、所定の時間の間における1以上の前記加速度データから所定の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値と、予め作成された前記家畜の行動を特定するための特定モデルとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段により特定された行動が所定の行動である場合、所定の時間の間における1以上の前記気圧データと1以上の前記加速度データとに基づいて、前記家畜の行動を特定する第2の特定手段と、を有することを特徴とする。

発明の効果

0009

家畜の行動を特定することができる。

図面の簡単な説明

0010

第一の実施形態に係る行動特定システムの全体構成の一例を示す図である。
牛の行動特定の一例を説明するための図である。
測定データ記憶部に記憶されている測定データの一例を示す図である。
行動特定モデルの一例を示す図である。
第一の実施形態に係る行動特定処理部の機能構成の一例を示す図である。
第一の実施形態に係る動作強度分析による行動特定処理の一例を示すフローチャートである。
第一の実施形態に係る補正気圧分析による行動特定処理の一例を示すフローチャートである。
第一の実施形態に係る補正気圧差分最小値算出処理の一例を示すフローチャートである。
タグ向きとねじれとの関係を説明するための図である。
第二の実施形態に係る行動特定処理部の機能構成の一例を示す図である。
第二の実施形態に係る補正気圧差分最小値の算出処理の一例を示すフローチャートである。
第二の実施形態に係るタグ向きの算出処理の一例を示すフローチャートである。

実施例

0011

以下、本発明の各実施の形態(以降、「実施形態」とも表す。)について、図面を参照しながら説明する。以降の各実施形態では、家畜の一例として牛の行動を特定する行動特定システム1について説明する。なお、家畜は牛に限られない。

0012

[第一の実施形態]
まず、本実施形態に係る行動特定システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第一の実施形態に係る行動特定システム1の全体構成の一例を示す図である。

0013

図1に示すように、本実施形態に係る行動特定システム1には、牛の行動を特定する行動特定装置10と、牛に装着された1以上のタグ20と、基準となる気圧を測定する基準気圧センサ30とが含まれる。なお、タグ20は、ベルト等によって牛の首部分に固定して装着されることが好ましい。

0014

タグ20は、牛に装着される機器である。1頭の牛に対して1つのタグ20が装着されている。タグ20には、当該タグ20を装着している牛の加速度(x軸、y軸及びz軸の3軸の加速度)を測定する加速度センサが含まれている。ここで、x軸、y軸及びz軸から構成される座標系はタグ20に固定されており、タグ20は、例えば、牛が起立し、かつ、首が曲がっていない(真っ直ぐの)状態で、当該牛の進行方向に対して右方向をx軸の正の方向、当該進行方向をy軸の正の方向、重力方向をz軸の正の方向となるように装着される。

0015

タグ20は、所定の時間毎(例えば2秒毎)に、加速度センサにより測定した加速度センサ値が含まれる測定データを行動特定装置10に送信する。行動特定装置10に送信された測定データは、後述する測定データ記憶部200に蓄積(記憶)される。

0016

基準気圧センサ30は、牛舎内の所定の位置(例えば、牛舎内の地面上)に設置され、基準となる気圧を測定する。基準気圧センサ30は、所定の時間毎(例えば2秒毎)に、測定した気圧を示す基準気圧センサ値を含む基準気圧データを行動特定装置10に送信する。行動特定装置10に送信された基準気圧データは、後述する基準気圧データ記憶部400に蓄積(記憶)される。

0017

行動特定装置10は、牛の行動を特定する1以上のコンピュータである。行動特定装置10は、行動特定処理部100と、測定データ記憶部200と、行動特定モデル300と、基準気圧データ記憶部400と、行動データ記憶部500とを有する。

0018

行動特定処理部100は、測定データ記憶部200に記憶されている測定データと、行動特定モデル300とに基づいて、動作強度分析により、牛の行動を特定する。また、行動特定処理部100は、動作強度分析により所定の行動が特定された場合、測定データ記憶部200に記憶されている測定データと、基準気圧データ記憶部400に記憶されている基準気圧データと、行動データ記憶部500に記憶されている行動データとに基づいて、補正気圧分析により、より正確な牛の行動を特定する。行動特定処理部100は、行動特定装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等に実行させる処理により実現される。

0019

測定データ記憶部200は、タグ20から受信した測定データを記憶する。測定データ記憶部200は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置等を用いて実現可能である。測定データ記憶部200には、所定の時間毎(例えば2秒毎)に、複数の測定データが記憶されている。

0020

行動特定モデル300は、測定データに含まれる加速度センサ値から行動を特定するためのモデルである。行動特定モデル300は、例えば、家畜の種類や特定したい行動の種類に応じて、SVM(Support Vector Machine)等の機械学習の手法により予め作成される。行動特定モデル300は、例えばHDDやSSD等の補助記憶装置等に記憶されている。

0021

基準気圧データ記憶部400は、基準気圧センサ30から受信した基準気圧データを記憶する。基準気圧データ記憶部400は、例えばHDDやSSD等の補助記憶装置等を用いて実現可能である。基準気圧データ記憶部400には、所定の時間毎(例えば2秒毎)に、複数の基準気圧データが記憶されている。

0022

行動データ記憶部500は、行動特定処理部100により特定された行動を示す行動データを記憶する。行動データ記憶部500は、例えばHDDやSSD等の補助記憶装置等を用いて実現可能である。行動データ記憶部500には、所定の時間毎(例えば10分毎)に、行動特定処理部100により特定された行動を示す行動データが記憶されている。

0023

なお、図1に示す行動特定システム1の構成は一例であって、他の構成であっても良い。例えば、行動特定装置10は、複数台のコンピュータで構成されていても良い。また、例えば、行動特定処理部100が有する機能の全部又は一部を、行動特定装置10とネットワークを介して接続される装置(クラウドサーバ等)が有していても良い。更に、例えば、タグ20の代わりに、加速度センサと、気圧センサとがそれぞれ別体で牛に装着されていても良い。

0024

<牛の行動の特定>
ここで、本実施形態に係る行動特定システム1により特定される牛の行動と、特定方法の概要とについて、図2を参照しながら説明する。図2は、牛の行動特定の一例を説明するための図である。

0025

まず、本実施形態に係る行動特定システム1が特定する牛の行動には、動作が小さい順に、「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」の4つがあるものとする。したがって、本実施形態では、「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」の4つの行動のうち、いずれの行動を牛が行っているかを特定するものとする。なお、「起立」及び「横臥」の動作の大きさは逆であっても良い。すなわち、動作が小さい順に、「横臥」、「起立」、「反芻」及び「活動」としても良い。

0026

「起立」とは、牛が立っている状態を示す行動のことである。「横臥」とは、牛が横たわっている状態を示す行動のことである。なお、「起立」及び「横臥」は、いずれも牛が動作を行っていない状態(言い換えれば、牛が立って静止している状態又は牛が横たわった静止している状態)である。

0027

「反芻」とは、牛が反芻(一度飲み込んだ食物を口に戻して咀嚼し直す動作)を行っている状態を示す行動のことである。「活動」とは、牛が所定の動作を行っている状態を示す行動のことであり、例えば、牛が歩いている状態や牛が食物を食べている状態、牛が水を飲んでいる状態等を示す行動のことである。

0028

「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」のいずれの行動を牛が行っているかは、動作強度分析により特定される。動作強度分析では、測定データに含まれる加速度センサ値と、行動特定モデル300とに基づいて、牛の行動が、「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」のいずれであるかを特定する。より具体的には、動作強度分析では、所定の時間(例えば10分)の間における加速度センサ値から所定の指標値(当該所定の時間の間における加速度センサ値のL2ノルム振れ幅の最大値及び加速度センサ値のL2ノルムの標準偏差)を算出する。なお、L2ノルムの振れ幅の最大値とは、当該所定の時間の間における加速度センサ値のL2ノルムの平均値と、当該所定の時間の間における各加速度センサ値のL2ノルムの値との差の絶対値が最大となる値である。

0029

そして、「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」の4つの領域に分類される行動特定モデル300において、算出した指標値を示す点がこれら4つの領域のいずれに含まれるかにより行動を特定する。

0030

また、動作強度分析により「起立」、「横臥」又は「反芻」と特定された場合には、補正気圧分析により、より正確な行動が特定される。これは、動作強度分析では、行動特定モデル300を用いて特定した行動中における牛の姿勢を正確に特定できない場合があるためである。

0031

補正気圧分析では、所定の時間(例えば20分)の間における各測定データに含まれる加速度センサ値及び気圧センサ値と、各基準気圧データに含まれる基準気圧センサ値とを用いて第1の補正気圧差分最小値及び第2の補正気圧差分最小値を算出した上で、この補正気圧差分最小値と、所定の閾値とに基づいて、牛の行動を特定する。補正気圧差分最小値とは、基準気圧センサ値と気圧センサ値との差を加速度センサ値で補正した補正気圧差分値の所定の時間の間における最小値(例えば10分間における最小値)である。

0032

より具体的には、例えば、10分前の行動(すなわち、1つ前の行動)が「横臥」であった場合、10分前から現在までの間における第1の補正気圧差分最小値が、20分前から10分前までの間における第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上減少した否かを判定する。そして、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上減少した場合、「起立」と特定する。一方で、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上減少していない場合、1つ前と同じ行動(すなわち、「横臥」)であると特定する。

0033

また、例えば、10分前の行動(すなわち、1つ前の行動)が「横臥」以外であった場合(すなわち、「起立」又は「反芻」であった場合)、第1の補正気圧差分最小値が、第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上増加した否かを判定する。そして、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上増加した場合、「横臥」と特定する。一方で、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上増加していない場合、1つ前と同じ行動(すなわち、「起立」又は「反芻」)であると特定する。

0034

以上のように、本実施形態に係る行動特定システム1は、牛に装着されたタグ20から受信した加速度センサ値から、「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」の4つの行動を特定する。また、本実施形態に係る行動特定システム1は、牛の行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」であると特定された場合に、加速度センサ値と、気圧センサ値と、基準気圧センサ値とから、より正確な行動を特定する。

0035

これにより、動作強度分析により、牛の行動が「起立」、「横臥」、「反芻」又は「活動」のいずれであるかを特定することができる。また、動作強度分析により「起立」、「横臥」又は「反芻」と特定された場合には、補正気圧分析により、牛の行動が「起立」、「横臥」又は「1つ前の行動」のいずれであるかをより高い精度で特定することができる。

0036

そして、これら特定した牛の行動を、例えば、行動特定装置10の表示装置ディスプレイ)等に表示することで、牛の行動確認を容易に行うことができるようになる。このため、例えば、牛の発情時に多く見られる行動や、病気やケガ等による異常行動等を早期に発見することができ、牛の発情時期の管理や健康管理等を容易に行うことができるようになる。

0037

<測定データ記憶部200に記憶されている測定データ>
次に、本実施形態に係る測定データ記憶部200に記憶されている測定データについて、図3を参照しながら説明する。図3は、測定データ記憶部200に記憶されている測定データの一例を示す図である。なお、行動特定装置10は、タグ20から測定データを受信した場合、行動特定処理部100により、受信した測定データを測定データ記憶部200に記憶(蓄積)させれば良い。

0038

図3に示すように、測定データ記憶部200には、タグを識別するタグID毎に、1以上の測定データが記憶されている。なお、1頭の牛に対して1つのタグ20が装着されていることから、タグIDは、牛を識別する情報(牛の個体識別情報等)であっても良い。

0039

各測定データには、日時と、加速度センサ値と、気圧センサ値とが含まれる。日時は、例えば、タグ20が測定データを送信した日時である。なお、日時は、行動特定装置10が測定データを受信した日時であっても良い。

0040

加速度センサ値は、タグ20に含まれる加速度センサにより測定された加速度の値である。加速度センサ値には、x軸方向の加速度成分を示すx成分と、y軸方向の加速度成分を示すy成分と、z軸方向の加速度成分を示すz成分とが含まれる。例えば、日時「t1」の測定データには、加速度センサ値のx成分「x1」と、y成分「y1」と、z成分「z1」とが含まれる。同様に、例えば、日時「t2」の測定データには、加速度センサ値のx成分「x2」と、y成分「y2」と、z成分「z2」とが含まれる。なお、以降では、加速度センサ値のx成分を「x成分加速度センサ値」、加速度センサ値のy成分を「y成分加速度センサ値」、加速度センサ値のz成分を「z成分加速度センサ値」とも表す。

0041

また、気圧センサ値は、タグ20に含まれる気圧センサにより測定された気圧の値である。日時「t1」の測定データには、気圧センサ値「p1」が含まれる。同様に、例えば、日時「t2」の測定データには、気圧センサ値「p2」が含まれる。

0042

なお、例えば、各タグ20が2秒毎に測定データを行動特定装置10に送信する場合、Δt=ti+1−ti(iは1以上の整数)とすれば、Δt=2[秒]である。

0043

このように、測定データ記憶部200に記憶されている測定データには、タグID毎に、日時と、加速度センサ値と、気圧センサ値とが含まれる。

0044

<行動特定モデル300>
次に、測定データに含まれる加速度センサ値から行動を特定するための行動特定モデル300について、図4を参照しながら説明する。図4は、行動特定モデル300の一例を示す図である。

0045

図4に示すように、行動特定モデル300は、所定の時間(例えば10分)の間における加速度センサ値のL2ノルムの振れ幅の最大値を横軸、当該L2ノルムの標準偏差を縦軸とした場合に、これら振れ幅の最大値及び標準偏差の値と、行動との関係を示す関係グラフとして表される。

0046

例えば、或る10分間における加速度センサ値のL2ノルムの振れ幅の最大値と標準偏差とが領域D1に含まれる場合、当該10分間における牛の行動は「起立」と特定される。また、例えば、或る10分間における加速度センサ値のL2ノルムの振れ幅の最大値と標準偏差とが領域D2に含まれる場合、当該10分間における牛の行動は「横臥」と特定される。

0047

同様に、例えば、或る10分間における加速度センサ値のL2ノルムの振れ幅の最大値と標準偏差とが領域D3に含まれる場合、当該10分間における牛の行動は「反芻」と特定される。なお、「反芻」と特定される領域D3は、更に、牛が立っている状態で反芻動作を行う場合(この場合を「起立中反芻」と表す。)と、牛が横たわっている状態で反芻動作(この場合を「横臥中反芻」と表す。)を行う場合とに分けられても良い。

0048

また、同様に、例えば、或る10分間における加速度センサ値のL2ノルムの振れ幅の最大値と標準偏差とが領域D4に含まれる場合、当該10分間における牛の行動は「活動」と特定される。

0049

なお、図4に示す例では、行動特定モデル300の各領域D1〜D4が互いに重なっていない場合を示しているが、各領域D1〜D4のうちの2以上の領域が互いに重なっている部分が存在しても良い。

0050

このように、行動特定モデル300は、所定の時間(例えば10分)の間における加速度センサ値のL2ノルムの最大値及び標準偏差と、牛の行動との関係を表す領域が定義されたモデルである。このような行動特定モデル300は、SVM等の機械学習の手法により予め作成される。なお、SVMは一例であって、例えば、ニューラルネットワーク等の種々の機械学習の手法により作成されても良い。また、例えば、牛が同一の動作を行った場合であっても、加速度センサの種類等によって、具体的な加速度センサ値は異なる。ただし、各行動をそれぞれ示す領域D1〜D4の位置関係は、略一定に定まっている。なお、以降では、L2ノルムの振れ幅の最大値を、「L2ノルムの最大値」とも表す。

0051

<行動特定処理部100の機能構成>
次に、本実施形態に係る行動特定処理部100の機能構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、第一の実施形態に係る行動特定処理部100の機能構成の一例を示す図である。

0052

図5に示すように、本実施形態に係る行動特定処理部100には、取得部101と、前処理部102と、指標値算出部103と、補正差分最小値算出部104と、行動特定部105とが含まれる。

0053

取得部101は、測定データ記憶部200から測定データを取得する。このとき、取得部101は、例えば、タグID毎に、所定の時間(例えば10分)の間の測定データを測定データ記憶部200から取得する。

0054

また、取得部101は、基準気圧データ記憶部400から基準気圧データを取得する。このとき、取得部101は、当該所定の時間の間の基準気圧データを取得する。

0055

更に、取得部101は、行動データ記憶部500に記憶されている行動データのうち、最新の行動データ(すなわち、1つ前に特定された行動を示す行動データ)を取得する。

0056

前処理部102は、取得部101により取得された測定データに対して前処理を行う。前処理とは、例えば、測定データの欠損補完リサンプリング)処理やノイズ除去処理、所定の間隔毎の代表値(例えば、当該所定の間隔毎の平均値)の算出処理等である。

0057

指標値算出部103は、前処理部102による前処理後の測定データに含まれる加速度センサ値から指標値を算出する。例えば、指標値算出部103は、指標値として、前処理後の測定データに含まれる加速度センサ値のL2ノルムの最大値と標準偏差とを算出する。

0058

補正差分最小値算出部104は、測定データに含まれる気圧センサ値及び加速度センサ値と、基準気圧データに含まれる基準気圧センサ値とから補正気圧差分最小値を算出する。例えば、補正差分最小値算出部104は、20分間における測定データに含まれる気圧センサ値及び加速度センサ値と、当該20分間における基準気圧データに含まれる基準気圧データとから、当該20分間のうちの後半10分間における第1の補正気圧差分最小値と、前半10分間における第2の補正気圧差分最小値とを算出する。なお、前半及び後半とは、日時を昇順(古い順)に並べた場合における前半及び後半である。

0059

補正気圧差分最小値とは、所定の時間(例えば10分)の間における補正気圧差分値の最小値のことである。また、補正気圧差分値とは、当該所定の時間(例えば10分間)における各測定データに含まれる気圧センサ値の1分間隔毎の平均値と、当該10分間における各基準気圧データに含まれる各基準気圧センサ値の1分間隔毎の平均値との各々の差である気圧差分を、当該各測定データに含まれる所定の成分(例えばy成分)の加速度センサ値の1分間隔毎の平均値で補正したものである。

0060

行動特定部105は、指標値算出部103により算出されたL2ノルムの最大値及び標準偏差と、行動特定モデル300とから4つの行動(「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」)を特定(動作強度分析により行動を特定)する。

0061

そして、行動特定部105は、特定した行動を示す行動データを行動データ記憶部500に記憶させる。また、行動特定部105は、特定した行動を示す情報を、例えば、ディスプレイ等の表示装置に表示しても良いし、行動特定装置10に接続される他の装置(例えば、PCやスマートフォンタブレット端末等)に出力しても良い。

0062

なお、行動特定部105は、当該L2ノルムの最大値及び標準偏差と、行動特定モデル300と同等のデータを生成するプログラム等の処理結果とから上記4つの行動を特定しても良い。

0063

また、行動特定部105は、更に、上記で「起立」、「横臥」又は「反芻」が特定された場合に、取得部101により取得された行動データが示す行動(すなわち、1つ前に特定された行動)に応じて、補正差分最小値算出部104により算出された第1の補正気圧差分最小値と第2の補正気圧差分最小値とから、より正確な行動を特定(補正気圧分析により行動を特定)する。

0064

すなわち、行動特定部105は、1つ前の行動が「横臥」であり、かつ、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上減少した場合、「起立」と特定する。一方で、行動特定部105は、1つ前の行動が「横臥」であり、かつ、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上減少してない場合、1つ前の行動と同じであると特定する。

0065

また、行動特定部105は、1つ前の行動が「横臥」以外であり、かつ、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上増加した場合、「横臥」と特定する。一方で、行動特定部105は、1つ前の行動が「横臥」以外であり、かつ、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値以上増加してない場合、1つ前の行動と同じであると特定する。

0066

所定の閾値は、例えば、ユーザにより予め設定される値である。このような閾値は、例えば、牛の行動特定に関する経験則により決定される。

0067

<行動特定処理>
次に、本実施形態に係る行動特定処理について説明する。

0068

≪動作強度分析による行動特定処理≫
まず、動作強度分析による行動特定処理について、図6を参照しながら説明する。図6は、第一の実施形態に係る動作強度分析による行動特定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示す行動特定処理は、例えば、10分間毎に繰り返し実行される。ただし、図6に示す行動特定処理は、例えば、予め設定された日時に実行されても良いし、予め決められた所定の時間毎に実行されても良い。

0069

まず、取得部101は、タグID毎に、過去の所定の時間の間(例えば過去10分間)の測定データを測定データ記憶部200から取得する(ステップS11)。このように、取得部101は、牛(タグID)毎に、所定の時間単位(例えば10分単位)の測定データを測定データ記憶部200から取得する。なお、このような所定の時間は、10分に限られず、例えば行動特定装置10のユーザが任意の時間に設定することができる。

0070

以降では、タグID「Tag1」の過去10分間の測定データs1,s2,・・・,sMが取得部101により取得されたものとして説明を続ける。

0071

次に、前処理部102は、取得部101により取得された測定データs1,s2,・・・,sMに対して前処理を行う(ステップS12)。すなわち、前処理部102は、測定データの欠損補完(リサンプリング)処理やノイズ除去処理等を行う。なお、欠損補完処理とは、測定データの精度を上げるため、データが取得できなかった場合の欠損を補完する処理である。また、ノイズ除去処理は、牛の瞬間的な動作(例えば、瞬間的に身体を震わせる動作や瞬間的に大きく身体をびくつかせる動作等)を示すデータを除去する処理である。

0072

これにより、前処理後の測定データをリナンバリングして、測定データs1,s2,・・・,sNが得られる。ここで、2秒間隔でリサンプリングが行われた場合、N=300である。

0073

次に、指標値算出部103は、前処理部102による前処理後の各測定データs1,s2,・・・,sNに含まれる加速度センサ値から指標値(L2ノルムの最大値及び標準偏差)を算出する(ステップS13)。すなわち、前処理後の測定データs1,s2,・・・,sNに含まれる加速度センサ値のL2ノルムをそれぞれa1,a2,・・・aNとした場合、指標値算出部103は、これらa1,a2,・・・aNの標準偏差σ及び最大値mを算出する。ここで、当該最大値mは、L2ノルムa1,a2,・・・aNの平均値と、各L2ノルムai(i=1,・・・,N)との差の最大値のことである。

0074

次に、行動特定部105は、指標値算出部103により算出された標準偏差σ及び最大値mと、行動特定モデル300とから4つの行動(「起立」、「横臥」、「反芻」及び「活動」)を特定する(ステップS14)。すなわち、行動特定部105は、指標値算出部103により算出された標準偏差σ及び最大値mが、行動特定モデル300上の領域D1〜D4のいずれの領域に含まれるかを特定することで、行動を特定する。

0075

次に、行動特定部105は、上記のステップS14で特定した行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」であるか否かを判定する(ステップS15)。

0076

ステップS15において、特定した行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」であると判定された場合、行動特定処理部100は、補正気圧分析により、より正確な行動を特定する(ステップS16)。本ステップの処理(補正気圧分析による行動特定処理)の詳細については後述する。

0077

一方で、ステップS15において、特定した行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」でないと判定された場合(すなわち、特定した行動が「活動」である場合)、又はステップS16に続いて、行動特定部105は、特定した行動を示す行動データを行動データ記憶部500に記憶させる(ステップS17)。このとき、行動特定部105は、例えば、特定した行動と現在日時と関連付けた行動データを作成した上で、作成した行動データを行動データ記憶部500に記憶させる。

0078

すなわち、ステップS15において、特定した行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」でないと判定された場合、行動特定部105は、行動「活動」と、現在日時とを関連付けた行動データを行動データ記憶部500に記憶させる。同様に、ステップS16に続いて、行動特定部105は、ステップS16で特定された行動と、現在日時とを関連付けた行動データを行動データ記憶部500に記憶させる。

0079

≪補正気圧分析による行動特定処理≫
次に、上記のステップS16の処理(補正気圧分析による行動特定処理)の詳細について、図7を参照しながら説明する。図7は、第一の実施形態に係る補正気圧分析による行動特定処理の一例を示すフローチャートである。

0080

ここで、上述したように、「反芻」は、「起立中反芻」と「横臥中反芻」とに分けられる。そこで、図7では、「起立」には「起立中反芻」が含まれ、「横臥」には「横臥中反芻」が含まれるものとして説明する。

0081

まず、補正差分最小値算出部104は、第1の補正気圧差分最小値と、第2の補正気圧差分最小値とを算出する(ステップS21)。ここで、第1の補正気圧差分最小値は、例えば、過去20分前から過去10分前までの間における補正気圧差分最小値であり、第2の補正気圧差分最小値は、例えば、過去10分前間(すなわち、過去10分前から現在時刻までの間)における補正気圧差分最小値である。本ステップの処理(補正気圧差分最小値の算出処理)の詳細については後述する。

0082

次に、取得部101は、行動データ記憶部500に記憶されている行動データのうち、最新の行動データ(すなわち、1つ前に特定された行動を示す行動データ)を取得する(ステップS22)。

0083

次に、行動特定部105は、上記のステップS22で取得した行動データが示す行動が「横臥」であるか否かを判定する(ステップS23)。すなわち、行動特定部105は、1つ前に特定された行動が「横臥」であるか否かを判定する。

0084

ステップS23において、1つ前の行動が「横臥」であると判定された場合、行動特定部105は、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH1(>0)以上減少したか否かを判定する(ステップS24)。言い換えれば、行動特定部105は、第2の補正気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が、所定の閾値TH1´(<0)以下であるか否かを判定する。なお、閾値TH1´は、閾値TH1の正負を逆にしたものである。

0085

ステップS24において、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH1以上減少したと判定された場合、行動特定部105は、該当の10分間(すなわち、過去10分前から現在時刻までの間)における牛の行動を「起立」と特定する(ステップS25)。この場合、第2の補正気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が所定の閾値TH1´以下であり、牛に装着されたタグ20の高度が所定の閾値TH1以上、上昇している。したがって、牛が「横臥」状態から「起立」状態になったと考えられるためである。

0086

一方で、ステップS24において、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH1以上減少したと判定されなかった場合、行動特定部105は、当該10分間における牛の行動を1つ前の行動と同じ(すなわち、「横臥」)と特定する(ステップS26)。この場合、第2の補正気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が所定の閾値TH1´以下であり、牛に装着されたタグ20の高度が所定の閾値TH1以上は上昇していない。したがって、牛は引き続き「横臥」状態のままであると考えられるためである。

0087

ステップS23において、1つ前の行動が「横臥」以外(すなわち、「起立」)であると判定された場合、行動特定部105は、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH2(<0)以上増加したか否かを判定する(ステップS27)。言い換えれば、行動特定部105は、第2の補正気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が、所定の閾値TH2´(>0)以上であるか否かを判定する。なお、閾値TH2´は、閾値TH2の正負を逆にしたものである。

0088

ステップS27において、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH2以上増加したと判定された場合、行動特定部105は、当該10分間における牛の行動を「横臥」と特定する(ステップS28)。この場合、第2の気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が所定の閾値TH2´以上であり、牛に装着されたタグ20の高度が所定の閾値TH2´以上、下降している。したがって、牛が「起立」状態から「横臥」状態になったと考えられるためである。

0089

一方で、ステップS27において、第1の補正気圧差分最小値が第2の補正気圧差分最小値から所定の閾値TH2以上増加したと判定されなかった場合、行動特定部105は、当該10分間における牛の行動を1つ前の行動と同じ(すなわち、「起立」)と特定する(ステップS29)。この場合、第2の気圧差分最小値に対する第1の補正気圧差分最小値の変化量が所定の閾値TH2´以上であり、牛に装着されたタグ20の高度が所定の閾値TH2´以上は下降していない。したがって、牛は引き続き「起立」の状態のままであると考えられるためである。

0090

≪補正気圧差分最小値の算出処理≫
次に、上記のステップS21の処理(補正気圧差分最小値の算出処理)の詳細について、図8を参照しながら説明する。図8は、第一の実施形態に係る補正気圧差分最小値の算出処理の一例を示すフローチャートである。

0091

まず、取得部101は、該当のタグID(すなわち、タグID「Tag1」)の過去20分間の測定データに含まれる気圧センサ値及びy成分加速度センサ値を測定データ記憶部200から取得すると共に、過去20分間の基準気圧データに含まれる基準気圧センサ値を基準気圧データ記憶部400から取得する(ステップS31)。

0092

なお、取得部101は、過去10分前までの気圧センサ値及びy成分加速度センサ値を測定データ記憶部200から取得しなくても良い。この場合、過去10分前までの気圧センサ値及びy成分加速度センサ値として、図6のステップS11で取得された測定データに含まれる気圧センサ値及びy成分加速度センサ値が用いられれば良い。

0093

また、上記のステップS31で過去20分間の測定データを取得することは一例であって、これに限られない。例えば、所定の時間幅をΔTとして、図6のステップS11で過去ΔT前までの測定データが取得された場合、上記のステップS31では、過去2ΔT前までの気圧センサ値、y成分加速度センサ値及び基準気圧センサ値が取得されれば良い。

0094

また、上記のステップS31でy成分加速度センサ値を取得するのは、牛が起立し、かつ、首が曲がっていない状態で、y軸の正の方向が牛の進行方向となるようにタグ20が装着されているためである。当該進行方向が他の軸(例えば、x軸又はz軸)の正の方向となるようにタグ20が装着されている場合には、当該他の軸の成分の加速度センサ値が取得されれば良い。

0095

以降では、上記のステップS31で過去20分間の気圧センサ値p1,・・・,pM´及びy成分加速度センサ値y1,・・・,yM´と、当該過去20分間の基準気圧センサ値q1,・・・,qLとが取得部101により取得されたものとして説明を続ける。

0096

次に、前処理部102は、取得部101により取得された気圧センサ値p1,・・・,pM´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yM´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qLとに対して前処理を行う(ステップS32)。すなわち、前処理部102は、以下の(前処理1)及び(前処理2)の2つの前処理を行う。ただし、(前処理2)を行わずに、(前処理1)のみを行っても良い。

0097

(前処理1)気圧センサ値p1,・・・,pM´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yM´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qLとをリサンプリングする。これにより、リサンプリング後の気圧センサ値、y成分加速度センサ値及び基準気圧センサ値をリナンバリングして、気圧センサ値p1,・・・,pN´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yN´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qN´とが得られる、ここで、2秒間隔でリサンプリングが行われた場合、N´=600である。

0098

(前処理2)所定の間隔(例えば1分間隔)毎に、気圧センサ値p1,・・・,pN´の平均値と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yN´の平均値と、基準気圧センサ値q1,・・・,qN´の平均値とを算出する。これにより、当該所定の間隔毎の気圧センサ値の平均値μp1,・・・,μpRと、当該所定の間隔毎のy成分加速度センサ値の平均値μy1,・・・,μyRと、当該所定の間隔毎の基準気圧センサ値の平均値μq1,・・・,μqRとが得られる。ここで、1分間隔で平均値の算出が行われた場合、R=20である。

0099

以降では、1分間隔で平均値の算出が行われたものとして、1分間における気圧センサ値の平均値を「平均気圧センサ値」、1分間におけるy成分加速度センサ値の平均値を「平均y成分加速度センサ値」、1分間における基準気圧センサ値の平均値を「平均基準気圧センサ値」とも表す。

0100

次に、補正差分最小値算出部104は、平均気圧センサ値μp1,・・・,μpRと、平均基準気圧センサ値μq1,・・・,μqRとから気圧差分値を算出する(ステップS33)。気圧差分値をui(i=1,・・・,R)として、気圧差分値uiは、例えば、ui=μpi−μqiにより算出される。ただし、ui=μqi−μpiと算出されても良い。

0101

次に、補正差分最小値算出部104は、気圧差分値u1,・・・,uRと、平均y成分加速度センサ値μy1,・・・,μyRとから補正気圧差分値を算出する(ステップS34)。補正気圧差分値をvi(i=1,・・・,R)として、補正気圧差分値viは、vi=ui+μyi×Cにより算出される。ここで、Cは予め設定される定数パラメータ)である。このように、気圧差分値uiを平均y成分加速度センサ値μyiにより補正することで、補正気圧差分値viが算出される。

0102

次に、補正差分最小値算出部104は、補正気圧差分値vi(i=1,・・・,R)から第1の補正差分最小値と第2の補正差分最小値とを算出する(ステップS35)。すなわち、補正差分最小値算出部104は、補正気圧差分値vi(i=1,・・・,R)のうち、現在から過去10分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最小値を第1の補正気圧差分最小値とし、過去10分前から過去20分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最小値を第2の補正気圧差分最小値とする。

0103

なお、補正差分最小値算出部104は、例えば、上記の最小値の代わりに、平均値又は最大値を用いることもできる。すなわち、例えば、現在から過去10分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの平均値を「第1の補正気圧差分平均値」、過去10分前から過去20分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの平均値を「第2の補正気圧差分平均値」として、第1の補正気圧差分最小値及び第2の補正気圧差分最小値の代わりに用いても良い。同様に、例えば、現在から過去10分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最大値を「第1の補正気圧差分最大値」、過去10分前から過去20分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最大値を「第2の補正気圧差分最大値」として、第1の補正気圧差分最小値及び第2の補正気圧差分最小値の代わりに用いても良い。

0104

<第一の実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態に係る行動特定システム1は、牛が装着するタグ20から受信した測定データから当該牛の行動を特定することができる。このとき、本実施形態に係る行動特定システム1では、測定データに含まれる加速度センサ値から算出された指標値と、機械学習の手法により予め作成された行動特定モデル300とを用いることで、牛の行動を特定することができる(動作強度分析による行動特定)。特に、指標値として、L2ノルムの最大値と標準偏差とを用いることで、牛に特有の行動である「反芻」を高い精度で特定することができる。言い換えれば、牛に特有の行動である「反芻」を、「起立」や「横臥」等の行動と高い精度で区別することができるようになる。

0105

また、本実施形態に係る行動特定システム1は、動作強度分析による行動特定で牛の行動が「起立」、「横臥」又は「反芻」と特定された場合には、所定の成分(例えばy成分)の加速度センサ値と、気圧センサ値と、基準気圧センサ値とから、より正確な行動を特定することができる(気圧分析による行動特定)。これにより、「起立」(「起立中反芻」も含む)又は「横臥」(「横臥中反芻」も含む)を高い精度で特定することができる。特に、y成分の加速度センサ値により気圧差分値が補正されることによって、例えば、起立中に首を下げるような動作を行った場合であっても、誤って「横臥」と特定されてしまう事態を防止し、高い精度で「起立」を特定することができるようになる。

0106

そして、このように特定された牛の行動を、例えば行動特定装置10の表示装置(ディスプレイ等)に表示して、酪農家等に提供することで、牛の発情時に多く見られる行動の確認を容易に行うことができるようになると共に、病気やケガ等による異常行動を早期に発見することができるようにもなり、牛の発情時期の管理や健康管理等を容易に行うことができるようになる。

0107

[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、牛が起立し、かつ、首が曲がっていない状態で、当該牛の進行方向に対して右方向をx軸の正の方向、当該進行方向をy軸の正の方向、重力方向をz軸の正の方向となるようにタグ20が装着される場合について説明した。しかしながら、例えば、タグ20を前後逆に装着してしまったり、ベルトのねじれ(以降、単に「ねじれ」とも表す。)等によりタグ20が上下逆になってしまったりする場合がある。この場合、y成分加速度センサ値の符号が反転するため、補正気圧分析において、y成分加速度センサ値により気圧差分値を適切に補正できないことがある。

0108

そこで、第二の実施形態では、タグ20の前後を示すタグ向きやねじれ等を考慮して、補正気圧分析による行動特定を行う場合について説明する。

0109

なお、第二の実施形態では、主に、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の構成要素については、その説明を省略する。

0110

<タグ向きとねじれとの関係>
ここで、タグ20のタグ向きと、当該タグ20を牛に装着するためのベルトのねじれとの関係について、図9を参照しながら説明する。図9は、タグ向きとねじれとの関係を説明するための図である。なお、以降では、牛が起立し、かつ、首が曲がっていない状態で、当該牛の進行方向に対して右方向がx軸の正の方向、当該進行方向がy軸の正の方向、重力方向がz軸の正の方向となるように装着されたタグ20のタグ向きを「+1」(正の方向)とする。一方で、タグ向きが「+1」であるタグ20に対して前後が逆に装着されたタグ20のタグ向きを「−1」(負の方向)とする。

0111

図9(a)は、タグ向きが「+1」で、ねじれが発生していない場合である。この場合、牛の進行方向に対して右方向がx軸の正の方向、当該進行方向がy軸の正の方向、重力方向がz軸の正の方向となる。

0112

図9(b)は、タグ向きが「−1」で、ねじれが発生していない場合である。この場合、牛の進行方向に対して左方向がx軸の正の方向、当該進行方向に対して逆方向がy軸の正の方向、重力方向がz軸の正の方向となる。

0113

図9(c)は、タグ向きが「+1」で、ねじれが発生している場合である。この場合、牛の進行方向に対して右方向がx軸の正の方向、当該進行方向に対して逆方向がy軸の正の方向、重力方向に対して逆方向がz軸の正の方向となる。

0114

図9(d)は、タグ向きが「−1」で、ねじれが発生している場合である。この場合、牛の進行方向に対して左方向がx軸の正の方向、当該進行方向がy軸の正の方向、重力方向に対して逆方向がz軸の正の方向となる。

0115

<行動特定処理部100の機能構成>
次に、本実施形態に係る行動特定処理部100の機能構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、第二の実施形態に係る行動特定処理部100の機能構成の一例を示す図である。

0116

図10に示すように、本実施形態に係る行動特定処理部100には、更に、タグ向き算出部106が含まれる。

0117

タグ向き算出部106は、牛に装着されているタグ20のタグ向きが「+1」又は「−1」のいずれであるかを算出する。

0118

また、本実施形態に係る補正差分最小値算出部104は、タグ向き算出部106により算出されたタグ向きと、タグ20のねじれの発生有無とを考慮して、補正気圧差分最小値を算出する。

0119

<行動特定処理>
次に、本実施形態に係る行動特定処理について説明する。本実施形態に係る行動特定処理では、補正気圧差分最小値の算出処理が第一の実施形態と異なるため、以降では、補正気圧差分最小値の算出処理について説明する。

0120

≪補正気圧差分最小値の算出処理≫
本実施形態に係る補正気圧差分最小値の算出処理(図7のステップS21の詳細)について、図11を参照しながら説明する。図11は、第二の実施形態に係る補正気圧差分最小値の算出処理の一例を示すフローチャートである。

0121

まず、取得部101は、該当のタグID(すなわち、タグID「Tag1」)の過去20分間の測定データに含まれる気圧センサ値、y成分加速度センサ値及びz成分加速度センサ値を測定データ記憶部200から取得すると共に、過去20分間の基準気圧データに含まれる基準気圧センサ値を基準気圧データ記憶部400から取得する(ステップS41)。

0122

なお、取得部101は、過去10分前までの気圧センサ値、y成分加速度センサ値及びz成分加速度センサ値を測定データ記憶部200から取得しなくても良い。この場合、過去10分前までの気圧センサ値、y成分加速度センサ値及びz成分加速度センサ値として、図6のステップS11で取得された測定データに含まれる気圧センサ値、y成分加速度センサ値及びz成分加速度センサ値が用いられれば良い。

0123

また、上記のステップS41で過去20分間の測定データを取得することは一例であって、これに限られない。例えば、所定の時間幅をΔTとして、図6のステップS11で過去ΔT前までの測定データが取得された場合、上記のステップS41では、過去2ΔT前までの気圧センサ値、y成分加速度センサ値、z成分加速度センサ値及び基準気圧センサ値が取得されれば良い。

0124

以降では、上記のステップS41で過去20分間の気圧センサ値p1,・・・,pM´、y成分加速度センサ値y1,・・・,yM´及びz成分加速度センサ値z1,・・・,zM´と、当該過去20分間の基準気圧センサ値q1,・・・,qLとが取得部101により取得されたものとして説明を続ける。

0125

次に、前処理部102は、取得部101により取得された気圧センサ値p1,・・・,pM´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yM´と、z成分加速度センサ値z1,・・・,zM´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qLとに対して前処理を行う(ステップS42)。すなわち、前処理部102は、以下の(前処理1)及び(前処理2)の2つの前処理を行う。ただし、(前処理2)を行わずに、(前処理1)のみを行っても良い。

0126

(前処理1)気圧センサ値p1,・・・,pM´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yM´と、z成分加速度センサ値z1,・・・,zM´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qLとをリサンプリングする。これにより、リサンプリング後の気圧センサ値、y成分加速度センサ値、z成分加速度センサ値及び基準気圧センサ値をリナンバリングして、気圧センサ値p1,・・・,pN´と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yN´と、z成分加速度センサ値z1,・・・,zN´と、基準気圧センサ値q1,・・・,qN´とが得られる、ここで、2秒間隔でリサンプリングが行われた場合、N´=600である。

0127

(前処理2)所定の間隔(例えば1分間隔)毎に、気圧センサ値p1,・・・,pN´の平均値と、y成分加速度センサ値y1,・・・,yN´の平均値と、z成分加速度センサ値z1,・・・,zN´の平均値と、基準気圧センサ値q1,・・・,qN´の平均値とを算出する。これにより、当該所定の間隔毎の気圧センサ値の平均値μp1,・・・,μpRと、当該所定の間隔毎のy成分加速度センサ値の平均値μy1,・・・,μyRと、当該所定の間隔毎のy成分加速度センサ値の平均値μz1,・・・,μzRと、当該所定の間隔毎の基準気圧センサ値の平均値μq1,・・・,μqRとが得られる。ここで、1分間隔で平均値の算出が行われた場合、R=20である。

0128

以降では、1分間隔で平均値の算出が行われたものとして、1分間における気圧センサ値の平均値を「平均気圧センサ値」、1分間におけるy成分加速度センサ値の平均値を「平均y成分加速度センサ値」、1分間におけるz成分加速度センサ値の平均値を「平均z成分加速度センサ値」、1分間における基準気圧センサ値の平均値を「平均基準気圧センサ値」とも表す。

0129

次に、補正差分最小値算出部104は、平均気圧センサ値μp1,・・・,μpRと、平均基準気圧センサ値μq1,・・・,μqRとから気圧差分値を算出する(ステップS43)。気圧差分値をui(i=1,・・・,R)として、気圧差分値uiは、例えば、ui=μpi−μqiにより算出される。ただし、ui=μqi−μpiと算出されても良い。

0130

次に、タグ向き算出部106は、当該タグ20(すなわち、タグID「Tag1」のタグ20)のタグ向き(「+1」又は「−1」)を算出する(ステップS44)。本ステップの処理(タグ向きの算出処理)の詳細については後述する。

0131

次に、補正差分最小値算出部104は、気圧差分値u1,・・・,uRと、平均y成分加速度センサ値μy1,・・・,μyRと、平均z成分加速度センサ値μz1,・・・,μzRと、上記のステップS44で算出されたタグ向きとから補正気圧差分値を算出する(ステップS45)。補正気圧差分値をvi(i=1,・・・,R)、タグ向きをeとして、補正気圧差分値viは、vi=ui+e×sign(μzi)×μyi×Cにより算出される。ここで、Cは予め設定される定数(パラメータ)、signは符号関数である。ただし、sign(0)は正を返すものとする。

0132

このように、気圧差分値uiを、タグ向きと平均z成分加速度センサ値μziの符号とを考慮した平均y成分加速度センサ値μyiにより補正することで、補正気圧差分値viが算出される。これにより、タグ20の装着方法により前後が異なる場合やベルトにねじれが発生した場合等であっても、y成分加速度センサ値により適切に気圧差分値を補正することができる。ここで、タグ向きeによってタグ20の前後が異なることによる影響が補正され、sign(μzi)によってねじれが発生したことによる影響が補正される。

0133

次に、補正差分最小値算出部104は、補正気圧差分値vi(i=1,・・・,R)から第1の補正差分最小値と第2の補正差分最小値とを算出する(ステップS46)。すなわち、補正差分最小値算出部104は、補正気圧差分値vi(i=1,・・・,R)のうち、現在から過去10分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最小値を第1の補正気圧差分最小値とし、過去10分前から過去20分前までの時間幅に含まれる補正気圧差分値viの最小値を第2の補正気圧差分最小値とする。

0134

なお、第一の実施形態と同様に、補正差分最小値算出部104は、例えば、上記の最小値の代わりに、平均値又は最大値を用いることもできる。

0135

≪タグ向きの算出処理≫
次に、上記のステップS44の処理(タグ向きの算出処理)の詳細について、図12を参照しながら説明する。図12は、第二の実施形態に係るタグ向きの算出処理の一例を示すフローチャートである。

0136

まず、取得部101は、該当のタグID(すなわち、タグID「Tag1」)の過去24時間のy成分加速度センサ値とz成分加速度センサ値とを測定データ記憶部200から取得する(ステップS51)。なお、過去24時間は一例であって、任意の時間の間のy成分加速度センサ値とz成分加速度センサ値とが取得されても良い。

0137

次に、タグ向き算出部106は、10分毎に、以下の指標値を計算する(ステップS51)。

0138

・yz値=平均y成分加速度センサ値×sign(平均z成分加速度センサ値)
・y成分標準偏差
ここで、平均y成分加速度センサ値は、10分間におけるy成分加速度センサ値の平均値である。同様に、平均z成分加速度センサ値は、10分間におけるz成分加速度センサ値の平均値である。また、z成分標準偏差は、10分間におけるy成分加速度センサ値の標準偏差である。

0139

これにより、10分毎に、互いに対応するyz値とy成分標準偏差とが得られる。なお、上記の10分毎に上記の指標値を計算することは一例であって、任意の時間幅毎に上記の指標値を計算しても良い。

0140

次に、タグ向き算出部106は、上記のステップS52で計算したyz値のうち、対応するy成分標準偏差が所定の閾値SAを超えているyz値の中央値yaを算出する(ステップS53)。ここで、閾値SAは任意の値に設定することができるが、例えば、SA=150等とすれば良い。

0141

次に、タグ向き算出部106は、上記のステップS52で計算したyz値のうち、対応するy成分標準偏差が所定の閾値SBを下回っているyz値の中央値ybを算出する(ステップS54)。ここで、閾値SBは任意の値に設定することができるが、例えば、SB=40等とすれば良い。

0142

最後に、タグ向き算出部106は、e=sign(ya−yb)によりタグ向きeを算出する(ステップS55)。

0143

なお、上記のステップS54は実行されなくても良い。この場合、上記のステップS555では、e=sign(ya)によりタグ向きを算出すれば良い。

0144

<第二の実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態に係る行動特定システム1は、タグ20のタグ向きが異なる場合やねじれが発生した場合であっても、第一の実施形態と同様に、補正気圧分析により牛の「起立」又は「横臥」を高い精度で特定することができるようになる。

0145

本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。

0146

1行動特定システム
10 行動特定装置
20 タグ
30基準気圧センサ
100 行動特定処理部
101 取得部
102 前処理部
103指標値算出部
104補正差分最小値算出部
105 行動特定部
200 測定データ記憶部
300 行動特定モデル
400 基準気圧データ記憶部
500行動データ記憶部

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