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技術 複合基板および複合基板の製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 秋山昌次
出願日 2018年8月30日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-161627
公開日 2020年3月5日 (11ヶ月経過) 公開番号 2020-036212
状態 未査定
技術分野 弾性表面波素子とその回路網 圧電、電歪、磁歪装置
主要キーワード 合せ強度 バルク導電率 表面活性化法 サファイアウェーハ ガラスウェーハ SiCウェーハ 高周波損失 プラズマ活性化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

熱処理プロセスによる焦電性上昇を抑制した複合基板を提供する。

解決手段

複合基板は、圧電材料単結晶薄膜である酸化物単結晶薄膜と、支持基板と、酸化物単結晶薄膜と支持基板の間に設けられ、酸素拡散を防止する拡散防止層とを備える。拡散防止層は、酸窒化ケイ素窒化ケイ素酸化ケイ素酸化マグネシウムスピネル窒化チタンタンタル窒化タンタル窒化タングステン酸化アルミニウム炭化ケイ素、窒化タングステンホウ素、窒化チタンケイ素、窒化タングステンケイ素のいずれかを有するとよい。

概要

背景

昨今、スマートフォンに代表される移動体通信において、通信量が増大している。通信量の増大に対応すべく必要なバンド数を増やす中、フィルタとして用いられる弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAWデバイス高性能化が求められている。

弾性表面波デバイスの材料として、タンタル酸リチウム(Lithium Tantalate: LiTaO3、以下「LT」と略記する)やニオブ酸リチウム(Lithium Niobate: LiNbO3、以下「LN」と略記する)などの圧電性の材料が広く用いられている。そして、このような圧電性材料基板の一方の面をサファイア等の支持基板に貼り合せ、貼り合されたLT基板(またはLN基板)の他方の面を研削して数〜数十μmに薄化することにより、弾性表面波デバイスの温度特性が向上する技術がある(例えば、非特許文献1を参照)。

また、このような貼り合わせによる弾性表面波デバイスにおいて、薄化されたLT層(またはLN層)と支持基板との間に介在層(adhesive layer)を設ける事によりリップル(ripple)と呼ばれるノイズ成分を低減する技術がある(例えば、非特許文献2を参照)。介在層の材質には絶縁性が高く、高周波損失が少なく(低誘電損失)、加工(例えば平坦化)が容易な材料が好ましい。このような特性を持つ物質として、例えば、SiO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物が介在層に用いられる事が多い。

また、圧電材料焦電性を抑えるためにLT(またはLN)を還元性雰囲気で処理して、材料にわずかな導電性を付与する技術がある(例えば、非特許文献3を参照)。しかしながら、このようにして導電性を高めたLT(またはLN)を支持基板に貼り合わせた複合基板ウェーハを用いて弾性表面波デバイスを作製する際、ウェーハプロセスやデバイスプロセス熱処理を経るうちに、LT層(またはLN層)の抵抗率上がり、焦電性が高まってしまうことがある。焦電性が高まったウェーハは、急激な温度差を与えると、LT層(またはLN層)が分極帯電しやすいという問題がある。また、プロセス中の温度変化によって電荷が複合基板表面に蓄積し、スパークが発生すると、基板表面に形成されたパターン破壊され、デバイス製造プロセスでの歩留まりが低下するという問題もある。

概要

熱処理プロセスによる焦電性上昇を抑制した複合基板を提供する。複合基板は、圧電材料の単結晶薄膜である酸化物単結晶薄膜と、支持基板と、酸化物単結晶薄膜と支持基板の間に設けられ、酸素拡散を防止する拡散防止層とを備える。拡散防止層は、酸窒化ケイ素窒化ケイ素酸化ケイ素酸化マグネシウムスピネル窒化チタンタンタル窒化タンタル窒化タングステン酸化アルミニウム炭化ケイ素、窒化タングステンホウ素、窒化チタンケイ素、窒化タングステンケイ素のいずれかを有するとよい。

目的

本発明は、熱処理プロセスによる焦電性上昇を抑制した複合基板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧電材料単結晶薄膜である酸化物単結晶薄膜と、支持基板と、前記酸化物単結晶薄膜と前記支持基板の間に設けられ、酸素拡散を防止する拡散防止層とを備える複合基板

請求項2

前記支持基板が酸素を含有することを特徴とする請求項1に記載の複合基板。

請求項3

前記支持基板と前記拡散防止層との間に酸素を含有する介在層を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の複合基板。

請求項4

前記介在層が、二酸化ケイ素二酸化チタン五酸化タンタル五酸化ニオブ二酸化ジルコニウムの何れかを有することを特徴とする請求項3に記載の複合基板。

請求項5

前記拡散防止層が、酸窒化ケイ素窒化ケイ素酸化ケイ素酸化マグネシウムスピネル窒化チタンタンタル窒化タンタルタングステンチタン窒化タングステン酸化アルミニウム炭化ケイ素、窒化タングステンホウ素、窒化チタンケイ素、窒化タングステンケイ素のいずれかを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項6

前記圧電材料が、タンタル酸リチウムもしくはニオブ酸リチウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項7

前記支持基板が、シリコンウェーハサファイアウェーハアルミナウェーハガラスウェーハ、炭化ケイ素ウェーハ、窒化アルミニウムウェーハ、窒化ケイ素ウェーハの何れかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項8

圧電材料の基板の一面に拡散防止層を成膜する工程と、前記拡散防止層の上に支持基板を貼り合せる工程と、前記圧電材料の基板の他方の面を研削研磨して薄化する工程とを備えることを特徴とする複合基板の製造方法。

請求項9

前記拡散防止層をPVD法またはCVD法で成膜することを特徴とする請求項8記載の複合基板の製造方法。

請求項10

前記貼り合せる工程よりも前に、前記拡散防止層の貼り合せ面および/または前記支持基板の貼り合せ面に介在層を成膜する工程をさらに備え、前記貼り合せる工程において、前記介在層が成膜された貼り合わせ面を貼り合わせることを特徴とする請求項8または9記載の複合基板の製造方法。

請求項11

前記拡散防止層の貼り合せ面および/または前記支持基板の貼り合せ面に表面活性化処理を施した後に両者を貼り合せることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の複合基板の製造方法。

請求項12

前記表面活性化処理が、プラズマ活性化法、イオンビーム活性化法、オゾン水活性化法の何れかを含むことを特徴とする請求項11に記載の複合基板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、弾性表面波デバイス用の複合基板、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

昨今、スマートフォンに代表される移動体通信において、通信量が増大している。通信量の増大に対応すべく必要なバンド数を増やす中、フィルタとして用いられる弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAWデバイス高性能化が求められている。

0003

弾性表面波デバイスの材料として、タンタル酸リチウム(Lithium Tantalate: LiTaO3、以下「LT」と略記する)やニオブ酸リチウム(Lithium Niobate: LiNbO3、以下「LN」と略記する)などの圧電性の材料が広く用いられている。そして、このような圧電性材料基板の一方の面をサファイア等の支持基板に貼り合せ、貼り合されたLT基板(またはLN基板)の他方の面を研削して数〜数十μmに薄化することにより、弾性表面波デバイスの温度特性が向上する技術がある(例えば、非特許文献1を参照)。

0004

また、このような貼り合わせによる弾性表面波デバイスにおいて、薄化されたLT層(またはLN層)と支持基板との間に介在層(adhesive layer)を設ける事によりリップル(ripple)と呼ばれるノイズ成分を低減する技術がある(例えば、非特許文献2を参照)。介在層の材質には絶縁性が高く、高周波損失が少なく(低誘電損失)、加工(例えば平坦化)が容易な材料が好ましい。このような特性を持つ物質として、例えば、SiO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物が介在層に用いられる事が多い。

0005

また、圧電材料焦電性を抑えるためにLT(またはLN)を還元性雰囲気で処理して、材料にわずかな導電性を付与する技術がある(例えば、非特許文献3を参照)。しかしながら、このようにして導電性を高めたLT(またはLN)を支持基板に貼り合わせた複合基板ウェーハを用いて弾性表面波デバイスを作製する際、ウェーハプロセスやデバイスプロセス熱処理を経るうちに、LT層(またはLN層)の抵抗率上がり、焦電性が高まってしまうことがある。焦電性が高まったウェーハは、急激な温度差を与えると、LT層(またはLN層)が分極帯電しやすいという問題がある。また、プロセス中の温度変化によって電荷が複合基板表面に蓄積し、スパークが発生すると、基板表面に形成されたパターン破壊され、デバイス製造プロセスでの歩留まりが低下するという問題もある。

先行技術

0006

スマートフォンのRFフロントエンドに用いられるSAWDuplexerの温度補償技術,電波新聞ハイテクノロジー2012年11月8日
Kobayashi、"A Study on Temperature-Compensated Hybrid Substrates for Surface Acoustic Wave Filters",2010IEEE International Ultrasonics Symposium Proceedings, 2010年10月,pp.637-640
Yan、"Formation mechanism of black LiTaO3 single crystals through chemical reduction," Journal of Applied Crystallography (2011) 44 (1),2011年2月,pp. 158-162

発明が解決しようとする課題

0007

上記の課題に鑑み、本発明は、熱処理プロセスによる焦電性上昇を抑制した複合基板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

複合基板のLT層(またはLN層)と支持基板との間に、酸素拡散を防止する拡散防止層を設けることにより、焦電性上昇を抑制する。発明者は、熱処理によって介在層または支持基板に含まれていた酸素がLT層(またはLN層)に拡散することにより、LT層(またはLN層)の抵抗率が上がり、焦電性が高くなることを突き止めた。本発明は、複合基板のLT層(またはLN層)と介在層との間に拡散防止層を設けることにより、もしくは介在層を拡散防止効果のある材料で形成することにより、LT層(またはLN層)への過剰な酸素拡散を防止する。これにより、複合基板のLT層(またはLN層)の焦電性上昇を抑制することができる。

0009

本発明の一実施形態に係る複合基板は、圧電材料の単結晶薄膜である酸化物単結晶薄膜と、支持基板と、酸化物単結晶薄膜と支持基板の間に設けられ、酸素の拡散を防止する拡散防止層とを備える。

0010

本発明では、支持基板が酸素を含有するとよい。また、本発明では、支持基板と拡散防止層との間に酸素を含有する介在層を備えるとよい。介在層は、二酸化ケイ素二酸化チタン五酸化タンタル五酸化ニオブ二酸化ジルコニウムの何れかを有するとよい。

0011

本発明では、拡散防止層は、酸窒化ケイ素窒化ケイ素酸化ケイ素酸化マグネシウムスピネル窒化チタンタンタル窒化タンタル窒化タングステン酸化アルミニウム炭化ケイ素、窒化タングステンホウ素、窒化チタンケイ素、窒化タングステンケイ素のいずれかを有するとよい。

0012

本発明では、圧電材料が、タンタル酸リチウムもしくはニオブ酸リチウムであるとよい。

0013

本発明では、支持基板が、シリコンウェーハサファイアウェーハアルミナウェーハ、ガラスウェーハ、炭化ケイ素ウェーハ、窒化アルミニウムウェーハ、窒化ケイ素ウェーハの何れかとするとよい。

0014

また、本発明の一実施形態に係る複合基板の製造方法は、圧電材料の基板の一面に拡散防止層を成膜する工程と、拡散防止層の上に支持基板を貼り合せる工程と、圧電材料の基板の他方の面を研削研磨して薄化する工程とを備えることを特徴とする。

0015

本発明では、拡散防止層をPVD法またはCVD法で成膜するとよい。

0016

本発明では、貼り合せる工程よりも前に、拡散防止層の貼り合せ面および/または支持基板の貼り合せ面に介在層を成膜する工程をさらに備え、貼り合せる工程において、介在層が成膜された貼り合わせ面を貼り合わせるとよい。

0017

本発明では、拡散防止層の貼り合せ面および/または支持基板の貼り合せ面に表面活性化処理を施した後に両者を貼り合せるとよい。表面活性化処理は、プラズマ活性化法、イオンビーム活性化法、オゾン水活性化法の何れかを含むとよい。

図面の簡単な説明

0018

本発明の複合基板の断面構造の第1態様を示す断面図である。
本発明の複合基板の断面構造の第2態様を示す断面図である。
本発明の複合基板の製造方法の手順を示す図である。

0019

本発明の複合基板の断面構造の第1態様を図1に示す(複合基板1)。
図1に示した複合基板1は、支持基板10上に酸化物単結晶薄膜11を備えており、酸化物単結晶薄膜11は介在層12を介して支持基板10と貼り合されている。そして、酸化物単結晶薄膜11と介在層12との間に、酸素の拡散を防止する拡散防止層13が設けられている。

0020

酸化物単結晶薄膜11は、LTやLNなどの圧電材料で形成された単結晶の薄膜である。酸化物単結晶薄膜11は、還元性雰囲気処理などにより導電性が高められている。これらの圧電材料としては、バルク導電率で1×10−11/Ωcm以上のものが好適に用いられる(一般的な導電率の低い材料の場合は、導電率は2×10−15/Ωcm以下である)。

0021

支持基板10としては、シリコンウェーハ、サファイアウェーハ、アルミナウェーハ、ガラスウェーハ、炭化ケイ素ウェーハ、窒化アルミニウムウェーハ、窒化ケイ素ウェーハなどを用いることができる。

0022

介在層12は、酸化物単結晶薄膜11と支持基板10とを貼り合わせる際に、両者の間に設けられる層である。介在層12の素材としては、酸化シリコン(例えば二酸化ケイ素)、酸化チタン(例えば二酸化チタン)、酸化タンタル(例えば五酸化タンタル)、酸化ニオブ(例えば五酸化ニオブ)、酸化ジルコニウム(例えば二酸化ジルコニウム)を用いることができる。介在層12は、物理気相成長法(Physical vapor deposition:PVD)や化学気相成長法(Chemical vapor deposition:CVD)など一般的な方法を用いて形成することができる。また、これらは必ずしもそれぞれSiO2、TiO2、Ta2O5、Nb2O5、ZrO2などの量論組成でなくても構わない。

0023

拡散防止層13には酸窒化ケイ素(SiON)や窒化ケイ素(SiN)を用いるとよい。これらの材料は酸素の拡散を防止する効果が高いことに加え、PVDやCVDなどの一般的な方法で形成可能である。他の材料としては、酸化ケイ素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、スピネル(MgAl2O4)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステンチタン(WTi)、窒化タングステン(WN)、窒化タングステンホウ素(WBN)、窒化チタンケイ素(TiSiN)、窒化タングステンケイ素(WSiN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)などが挙げられる。これらはPVD法を用いて形成可能であり、スパッタターゲット材料によっては量論組成でない場合もあり得る。

0024

本発明の複合基板の断面構造の第2態様を図2に示す(複合基板2)。図2に示した複合基板2は支持基板20上に酸化物単結晶薄膜21を備えており、酸化物単結晶薄膜21は拡散防止層23を介して支持基板20と貼り合されている。ここで拡散防止層23は、酸素の拡散を防止する機能に加え、介在層としての機能も持つ。

0025

図3は、第1態様の複合基板1の製造方法の手順を示している。当該製造方法では、はじめに圧電単結晶基板である酸化物単結晶ウェーハ11Aを用意し(図3(a))、その一面に拡散防止層13を形成する(図3(b))。次いで、この拡散防止層13の上に介在層12を形成し(図3(c))、この介在層12の表面を研磨する(図3(d))。そして、介在層12の研磨された面と支持基板10とを貼り合せる(図3(e))。その後、酸化物単結晶ウェーハ11Aにおける他方の面(すなわち、拡散防止層13を形成した面とは反対の面)を研削研磨して所望の厚みに薄化することで酸化物単結晶薄膜11とする(図3(f))。

0026

このとき、貼り合せる面には、事前表面活性化を施してもよい。こうすることで接合強度を高めることができる。表面活性化処理の方法は、プラズマ活性化法、イオンビーム活性化法、オゾン水活性化法を用いることができる。

0027

プラズマ活性化法は、ウェーハを載置した反応容器内にプラズマ用ガスを導入し、0.01〜0.1Pa程度の減圧下で100W程度の高周波プラズマを形成して、ウェーハの貼り合せ表面をこれに5〜50秒程度晒す。プラズマ用ガスとしては、酸素、水素窒素アルゴンまたはこれらの混合ガスを用いることができる。

0028

イオンビーム活性化法は、反応容器内を1×10−5Pa以下の高真空にし、アルゴンなどのイオンビームをウェーハの貼り合せ面に当てて走査する。

0029

オゾン水活性化法は、純水中にオゾンガスを導入してオゾン水とし、このオゾン水中にウェーハを浸漬させることで、活性なオゾンで貼り合せ表面を活性化することができる。

0030

[実施例1]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法でSiNを約25nm成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0031

上記のようにして製造した貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測したところ、31Vであった。表面電位が高いほど焦電性が高い事を示し、表面電位が50V以下であれば十分焦電性が抑えられていると考えられる。

0032

[比較例1]
直径150mmのLTウェーハの一面にCVDでシリコン酸化膜を3μm程度成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。用いたLTウェーハの導電率は約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0033

上記のようにして製造した貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測したところ、2250Vであった。

0034

[実施例2]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法でSiNを約25nm成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。貼り合わせに先立ち、プラズマ活性化法によって貼り合わせ面を表面活性化した。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0035

上記のようにして製造した貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測したところ、32Vであった。よって、プラズマ活性化法によって表面活性化をする貼り合せ法を用いても実施例1と同様の焦電性を抑制する効果が得られることが確認された。

0036

[実施例3、4]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法でSiN拡散防止膜を約25nm成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000Ωcmのp型シリコンウェーハと表面活性化の後に貼り合せた。貼り合わせに先立ち、各種活性化法(イオンビーム活性化法、オゾン水活性化法)によって貼り合わせ面を表面活性化した。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0037

上記のようにして製造した各貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測したところ、それぞれ31V、29Vであった。よって、表面活性化法の種類によらず焦電性を抑制する効果が得られることが確認された。

0038

[実施例5〜18]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法で、表1中に示す各種材料を約25nm成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000−10000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0039

上記のようにして製造した各貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測した結果を表1に示す。

0040

0041

[実施例19〜21]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVDまたはCVDでSiN膜を約25nm程度成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にPVDまたはCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、抵抗率2000−10000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。なお、各実施例における拡散防止層及びシリコン酸化膜(介在層)の成膜方法は表2に示されたとおりである。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0042

上記のようにして製造した各貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測した結果を表2に示す。表2からわかるように、成膜方法にかかわらず焦電性を抑制する効果が得られることが確認された。

0043

0044

[実施例22〜36]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法で表3中に示す各種材料を約3μm成膜して拡散防止層とした。この拡散防止層を研磨し、抵抗率2000−10000Ωcmのp型シリコンウェーハと貼り合せた。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で100℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0045

上記のようにして製造した各貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測した結果を表3に示す。表3からわかるように、よって拡散防止膜そのものを介在層としても、介在層を別途設ける場合と同様に焦電性を抑制する効果が得られることが確認された。

0046

0047

[実施例37〜43]
直径150mmのLTウェーハの一面にPVD法でSiNを約25nm成膜して拡散防止層とした。次いでこの拡散防止層の上にCVDでシリコン酸化膜を約3μm成膜した。このシリコン酸化膜を研磨し、これを介在層として、熱酸化膜成長したシリコンウェーハ、サファイアウェーハ、アルミナウェーハ、ガラスウェーハ、SiCウェーハAlNウェーハ、SiNウェーハとそれぞれ貼り合せた。貼り合わせに先立ち、プラズマ活性化法によって貼り合わせ面を表面活性化した。用いたLTウェーハは導電性の高いもので、導電率はバルク導電率で約4×10−11/Ωcmである。貼り合せ後に窒素雰囲気中で90℃、48時間の熱処理を施した。そしてLT層を研削研磨して薄化して厚みを20μmとした。その後、貼り合せ強度を更に増すために窒素雰囲気中で250℃、24時間の熱処理を行った。

0048

上記のようにして製造した各貼り合せ基板について、表面電位によって焦電性を評価した。貼り合せ基板を250℃のホットプレートに20秒置き、その後表面電位を計測した結果を表4に示す。表4からわかるように、支持基板の材質を変えても焦電性を抑制する効果が認められた。

0049

0050

[実施例44]
直径100mmのニオブ酸リチウム(LN)ウェーハを用い、実施例1から43に相当する実験を行った。結果は直径150mmのLTウェーハを用いたときと同等の結果となり、酸化物単結晶材料にLNを用いても本方法の効果が得られることを確認した。

0051

以上で説明したように、複合基板のLT層(またはLN層)と介在層との間に拡散防止層を設けることにより、もしくは介在層を拡散防止効果のある材料で形成することによりLT層(またはLN層)への過剰な酸素拡散を防止し、複合基板のLT層(またはLN層)の焦電性上昇を抑制することができる。

実施例

0052

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

0053

1、2複合基板(貼り合わせ基板
10、20支持基板
11、21酸化物単結晶薄膜
11A 酸化物単結晶ウェーハ
12介在層
13、23 拡散防止層

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