図面 (/)

技術 電力用半導体装置、電力変換装置、電力用半導体装置の製造方法、および、電力変換装置の製造方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 別府慶治北村周一
出願日 2018年8月31日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-162734
公開日 2020年3月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-035946
状態 未査定
技術分野 ダイオード 半導体または固体装置の組立体 半導体または固体装置の冷却等 縦型MOSトランジスタ
主要キーワード 相対的配置関係 欠如部分 直流系統 単相負荷 レーザー加工機 耐圧構造 パワーコンディショナー 電力変換システム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることによって、半導体装置絶縁信頼性の低下を抑制する。

解決手段

電力用半導体装置は、絶縁基板(5)の上面に接合層(3)を介して配置される半導体素子(2)と、半導体素子の上面に部分的に形成される第1の上面放熱部材(4a)とを備える。半導体素子は、セル領域(101)と、平面視においてセル領域を囲む無効領域(102)とを有し、第1の上面放熱部材は、半導体素子の無効領域に対応する上面に形成される。

概要

背景

電力用半導体装置に用いられる高耐圧の半導体素子は、電力用半導体装置の動作時に大電流が流れるセル領域と、平面視においてセル領域を囲む無効領域とに分けられる。

ここで、無効領域は、電力用半導体装置の非動作時に半導体素子の表面電極裏面電極との間に定格耐電圧印加された場合であっても、半導体素子において絶縁破壊を生じさせないための構造、すなわち、ガードリングフィールドリミッティングリング(field limiting ring、すなわち、FLR)、または、variation of lateral doping(VLD)などの耐圧構造が形成される領域である。

従来の電力用半導体装置においては、窒化珪素などからなる放熱性および絶縁性を有するセラミック板の上面および下面に、金属配線が形成される。そして、セラミック板の上面には半導体素子の下面が接合され、また、セラミック板の下面には放熱板が接合される。このような構成であることによって、半導体素子で生じる熱を放熱板を介して放熱することができる。

また、半導体素子において一部でも発熱量が放熱量を上回る箇所が存在してしまうと、半導体素子の温度上昇を抑制することができなくなる。

そのため、たとえば、特許文献1に例が示されるように、半導体素子と基板の上面における金属配線との間に形成される接合層が、平面視において半導体素子の周辺部に位置する部分と平面視において半導体素子の中央部に位置する部分とで引っ張り強度が異なる材料組成となっていることによって、半導体素子がオン状態となった場合に、電気抵抗率が低い部分に電流が集中し、局所的に温度上昇が起こることを抑制することができる。

概要

半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることによって、半導体装置絶縁信頼性の低下を抑制する。電力用半導体装置は、絶縁基板(5)の上面に接合層(3)を介して配置される半導体素子(2)と、半導体素子の上面に部分的に形成される第1の上面放熱部材(4a)とを備える。半導体素子は、セル領域(101)と、平面視においてセル領域を囲む無効領域(102)とを有し、第1の上面放熱部材は、半導体素子の無効領域に対応する上面に形成される。

目的

本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を解決するためになされたものであり、半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることによって、半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

絶縁基板の上面に接合層を介して配置される半導体素子と、前記半導体素子の上面に部分的に形成される第1の上面放熱部材とを備え、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成される、電力用半導体装置

請求項2

前記第1の上面放熱部材は、絶縁体である、請求項1に記載の電力用半導体装置。

請求項3

前記第1の上面放熱部材の上面に形成される、導電性の第2の上面放熱部材をさらに備える、請求項2に記載の電力用半導体装置。

請求項4

前記半導体素子の下面に部分的に形成される第1の下面放熱部材をさらに備え、前記半導体素子の前記セル領域に対応する下面は、前記接合層を介して前記絶縁基板の上面に接続され、前記半導体素子の前記無効領域に対応する下面は、前記第1の下面放熱部材を介して前記絶縁基板の上面に接続され、前記第1の下面放熱部材の熱伝導率は、前記接合層の熱伝導率よりも高い、請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。

請求項5

前記第1の下面放熱部材は、周方向において間欠的に形成される、請求項4に記載の電力用半導体装置。

請求項6

平面視における前記第1の下面放熱部材の径方向の幅は、平面視における前記無効領域の径方向の幅よりも小さい、請求項4または請求項5に記載の電力用半導体装置。

請求項7

前記半導体素子の下面に部分的に形成され、かつ、柔軟性を有する第2の下面放熱部材をさらに備え、前記第1の下面放熱部材は、前記第2の下面放熱部材を介して前記半導体素子の下面に形成される、請求項4から請求項6のうちのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。

請求項8

前記第1の下面放熱部材の厚みと、前記第2の下面放熱部材の厚みとを合わせた厚みが、70μm以下である、請求項7に記載の電力用半導体装置。

請求項9

少なくとも、前記半導体素子と、前記第1の上面放熱部材とに跨って形成される接着剤をさらに備える、請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の電力用半導体装置。

請求項10

請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載の電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路と、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路とを備える、電力変換装置

請求項11

絶縁基板の上面に、接合層を介して半導体素子を配置し、前記半導体素子の上面に、第1の上面放熱部材を部分的に形成し、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成される、電力用半導体装置の製造方法。

請求項12

前記半導体素子の、前記絶縁基板の上面における配置として、前記絶縁基板の前記無効領域に対応する上面に、前記接合層よりも熱伝導率が高い第1の下面放熱部材を形成し、前記絶縁基板の上面における前記第1の下面放熱部材に囲まれた領域に、前記接合層を形成し、前記半導体素子の前記セル領域を前記接合層の上面に配置し、かつ、前記半導体素子の前記無効領域を前記第1の下面放熱部材の上面に配置する、請求項11に記載の電力用半導体装置の製造方法。

請求項13

請求項11または請求項12に記載の製造方法で製造される電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路を設け、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路を設け、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路を設ける、電力変換装置の製造方法。

技術分野

0001

本願明細書に開示される技術は、電力用半導体装置電力変換装置、電力用半導体装置の製造方法、および、電力変換装置の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

電力用半導体装置に用いられる高耐圧の半導体素子は、電力用半導体装置の動作時に大電流が流れるセル領域と、平面視においてセル領域を囲む無効領域とに分けられる。

0003

ここで、無効領域は、電力用半導体装置の非動作時に半導体素子の表面電極裏面電極との間に定格耐電圧印加された場合であっても、半導体素子において絶縁破壊を生じさせないための構造、すなわち、ガードリングフィールドリミッティングリング(field limiting ring、すなわち、FLR)、または、variation of lateral doping(VLD)などの耐圧構造が形成される領域である。

0004

従来の電力用半導体装置においては、窒化珪素などからなる放熱性および絶縁性を有するセラミック板の上面および下面に、金属配線が形成される。そして、セラミック板の上面には半導体素子の下面が接合され、また、セラミック板の下面には放熱板が接合される。このような構成であることによって、半導体素子で生じる熱を放熱板を介して放熱することができる。

0005

また、半導体素子において一部でも発熱量が放熱量を上回る箇所が存在してしまうと、半導体素子の温度上昇を抑制することができなくなる。

0006

そのため、たとえば、特許文献1に例が示されるように、半導体素子と基板の上面における金属配線との間に形成される接合層が、平面視において半導体素子の周辺部に位置する部分と平面視において半導体素子の中央部に位置する部分とで引っ張り強度が異なる材料組成となっていることによって、半導体素子がオン状態となった場合に、電気抵抗率が低い部分に電流が集中し、局所的に温度上昇が起こることを抑制することができる。

先行技術

0007

特開2007−201314号公報

発明が解決しようとする課題

0008

半導体素子の製造過程で生ずる寸法公差などによって無効領域の寸法がばらつくと、電力用半導体装置の非動作時に、半導体素子の表面と裏面との間に裏面側が高電圧となるように印加されている電圧によって、無効領域の中でリーク電流が大きくなる局所が発生する。

0009

その結果、半導体素子の表面電極と裏面電極との間に高電圧が印加される非動作時において、リーク電流に起因する半導体素子の無効領域における局所的な発熱量が放熱量を上回る。そして、半導体素子において局所的に温度上昇が起こる場合がある。

0010

そうすると、半導体素子の絶縁耐圧が低下する、すなわち、半導体素子の絶縁信頼性が低下するという問題があった。

0011

特許文献1に例が示された半導体装置では、半導体素子がオン状態となった場合に、セル領域に流れる電流が電気抵抗率に低い部分に集中するため、セル領域においては局所的な温度上昇が抑制される。しかしながら、無効領域においては、そのような効果を期待することができない。

0012

したがって、無効領域における局所的な温度上昇を抑制することができないため、半導体素子の個体差に起因して、半導体装置の絶縁信頼性が低下してしまうという問題があった。

0013

本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を解決するためになされたものであり、半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることによって、半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる技術を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0014

本願明細書に開示される技術の第1の態様は、絶縁基板の上面に接合層を介して配置される半導体素子と、前記半導体素子の上面に部分的に形成される第1の上面放熱部材とを備え、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成される。

0015

また、本願明細書に開示される技術の第2の態様は、上記の電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路と、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路とを備える。

0016

また、本願明細書に開示される技術の第3の態様は、絶縁基板の上面に、接合層を介して半導体素子を配置し、前記半導体素子の上面に、第1の上面放熱部材を部分的に形成し、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成される。

0017

また、本願明細書に開示される技術の第4の態様は、上記の製造方法で製造される電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路を設け、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路を設け、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路を設ける。

発明の効果

0018

本願明細書に開示される技術の第1の態様は、絶縁基板の上面に接合層を介して配置される半導体素子と、前記半導体素子の上面に部分的に形成される第1の上面放熱部材とを備え、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成されるものである。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。そのため、電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる。

0019

また、本願明細書に開示される技術の第2の態様は、上記の電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路と、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路とを備える。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。

0020

また、本願明細書に開示される技術の第3の態様は、絶縁基板の上面に、接合層を介して半導体素子を配置し、前記半導体素子の上面に、第1の上面放熱部材を部分的に形成し、前記半導体素子は、セル領域と、平面視において前記セル領域を囲む無効領域とを有し、前記第1の上面放熱部材は、前記半導体素子の前記無効領域に対応する上面に形成される。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。そのため、電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる。

0021

また、本願明細書に開示される技術の第4の態様は、上記の製造方法で製造される電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路を設け、前記電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を前記電力用半導体装置に出力する駆動回路を設け、前記駆動回路を制御するための制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路を設ける。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。

0022

また、本願明細書に開示される技術に関する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。

図面の簡単な説明

0023

実施の形態に関する、電力用半導体装置に用いられる半導体素子の構造の例を概略的に示す断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す平面図である。
図2のA−A’における断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
半導体素子の下面における、放熱部材の配置位置の例を示す断面図である。
実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力用半導体装置の製造方法を示す図である。
実施の形態に関する、電力変換装置を含む電力変換システムの構成の例を概念的に示す図である。

実施例

0024

以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。

0025

なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。

0026

また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。

0027

また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置と方向とを意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の方向とは関係しないものである。

0028

また、以下に記載される説明において、「第1の」、または、「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。

0029

<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に関する電力用半導体装置、および、電力用半導体装置の製造方法について説明する。

0030

<電力用半導体装置の構成について>
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor、すなわち、IGBT)、金属−酸化膜−半導体電界効果トランジスタ(metal−oxide−semiconductor field−effect transistor、すなわち、MOSFET)、または、ダイオードなどのパワーデバイスを半導体素子として搭載している電力用半導体装置では、動作時に当該半導体素子に大電流が流れる。そのため、半導体素子が発熱する。

0031

発熱によって半導体素子の温度が上昇し続けると、半導体素子が有する整流性が失われる。そうすると、電力用半導体装置を制御することが難しくなる。

0032

従来の電力用半導体装置では、窒化珪素などからなる放熱性および絶縁性を有するセラミック板の上面および下面に、銅パターンなどの金属配線を形成された絶縁基板が用いられている。

0033

そして、半導体素子の温度上昇を抑制するために、はんだなどで構成される接合層を介して、上記の絶縁基板の上面に半導体素子の下面を接合し、半導体素子の放熱性を確保していた(たとえば、特許文献1を参照)。

0034

ここで、図1は、本実施の形態に関する電力用半導体装置に用いられる半導体素子の構造の例を概略的に示す断面図である。

0035

図1に例が示されるように、半導体素子2は、半導体素子2の動作時に電流が流れるセル領域101と、平面視においてセル領域101を囲む無効領域102とに分けられる。

0036

セル領域101においては、n−型の半導体層110と、n−型の半導体層110の表層において部分的に形成されるp−型の半導体層111と、p−型の半導体層111の表層において部分的に形成されるn+型の半導体層112と、n+型の半導体層112を貫通して形成されるp+型の半導体層113と、n−型の半導体層110の上面においてn+型の半導体層112とn−型の半導体層110とに挟まれるp−型の半導体層111を覆って形成されるゲート酸化膜114と、ゲート酸化膜114の上面に形成されるゲート電極115と、ゲート酸化膜114およびゲート電極115を覆って形成される絶縁膜116と、絶縁膜116、露出しているn+型の半導体層112および露出しているp+型の半導体層113を覆って形成されるエミッタ電極117とが備えられる。

0037

また、無効領域102においては、n−型の半導体層110と、p−型の半導体層111と、p−型の半導体層111よりも外周側において、n−型の半導体層110の表層に部分的に形成されるp−型の半導体層121と、p−型の半導体層121よりも外周側において、n−型の半導体層110の表層に部分的に形成されるn+型の半導体層122と、p−型の半導体層111、p−型の半導体層121およびn+型の半導体層122を覆って形成される絶縁膜116と、絶縁膜116の上面に形成される絶縁性の保護膜123とが備えられる。

0038

ここで、無効領域102は、半導体素子2の非動作時に半導体素子2の表面電極と裏面電極との間に定格耐電圧が印加された場合であっても、半導体素子2において絶縁破壊を生じさせないための構造、すなわち、ガードリング、FLR、または、VLDなどの耐圧構造が形成される領域である。

0039

一方で、半導体素子2において一部でも発熱量が放熱量を上回る箇所が存在してしまうと、半導体素子2の温度上昇を抑制することができなくなる。

0040

たとえば、特許文献1に例が示されるように、半導体素子と基板の上面における金属配線との間に形成される接合層が、平面視において半導体素子の周辺部に位置する部分と平面視において半導体素子の中央部に位置する部分とで引っ張り強度が異なる材料組成となっていることによって、半導体素子がオン状態となった場合に、電気抵抗率が低い部分に電流が集中し、局所的に温度上昇が起こることを抑制することができる。

0041

ここで、半導体素子の製造過程で生ずる寸法公差などによって無効領域の寸法がばらつくと、電力用半導体装置の非動作時(たとえば、MOSFETであれば、ゲート電極に印加される電圧がしきい値よりも低い状態)に、半導体素子の表面と裏面との間に裏面側が高電圧となるように印加されている電圧によって、無効領域の中でリーク電流が大きくなる局所(たとえば、1μm2以上、かつ、50μm2以下の範囲の領域)が発生する。

0042

これは、無効領域において、寸法の小さい領域における電界強度は、寸法が大きい領域における電界強度よりも高くなるためである。

0043

その結果、半導体素子の表面電極と裏面電極との間に高電圧が印加される非動作時において、リーク電流に起因する半導体素子の無効領域における局所的な発熱量が放熱量を上回る。そして、半導体素子において局所的に温度上昇が起こる場合がある。

0044

半導体素子の無効領域における温度上昇が進むと、さらにリーク電流が増大する。そうすると、電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下する。

0045

特許文献1に例が示された半導体装置では、半導体素子がオン状態となった場合に、セル領域に流れる電流が電気抵抗率に低い部分に集中するため、セル領域においては局所的な温度上昇が抑制される。しかしながら、特許文献1に例が示された材料の熱伝導率は、たとえば、半導体素子の中央部を接合しているはんだと同程度であり、半導体素子の周辺部(すなわち、無効領域)における熱伝導率を上昇させるほどの効果はない。そのため、半導体素子の無効領域における温度上昇を抑制する効果を期待することはできず、半導体装置の絶縁信頼性が低下してしまう。

0046

そこで、本実施の形態においては、上記のような問題を解決するため、半導体素子の無効領域における放熱性を高めることによって、半導体素子の無効領域の寸法のばらつきに起因する電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる電力用半導体装置について説明する。

0047

図2は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す平面図である。また、図3は、図2のA−A’における断面図である。

0048

図2および図3に例が示されるように、電力用半導体装置1は、金属膜7aと、金属膜7aの上面に形成されるセラミック板8と、セラミック板8の上面に部分的に形成される金属膜7bと、金属膜7bの上面に部分的に形成される接合層3と、接合層3の上面に配置される半導体素子2と、半導体素子2の上面のうち、無効領域に対応する箇所に形成される放熱部材4aと、半導体素子2の上面に接続される金属ワイヤー9と、これらの構成を封止する封止材6(図2においては、図示が省略されている)とを備える。ここで、金属膜7a、セラミック板8および金属膜7bは、絶縁基板5を形成する。

0049

また、放熱部材4aは、半導体素子2の無効領域における放熱性を向上させる。また、半導体素子2は、たとえば、IGBTである。また、半導体素子2の無効領域には、たとえば、ポリイミド系の樹脂材料からなる絶縁性の保護膜123(図1を参照)が形成されている。また、接合層3は、たとえば、はんだである。また、封止材6は、たとえば、絶縁性を有するシリコーンゲルである。

0050

<電力用半導体装置の製造方法について>
次に、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法について、以下説明する。ここで、図4から図8は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法を示す図である。

0051

まず、図4に例が示されるように、金属膜7aの上面に、セラミック板8を形成する。さらに、セラミック板8の上面に、金属膜7bを部分的に形成する。

0052

次に、図4に例が示されるように、金属膜7bの上面に、接合層3を部分的に形成する。ここで、接合層3は、たとえば、板はんだである。さらに、図5に例が示されるように、接合層3の上面に、半導体素子2を配置する。

0053

次に、図5に例が示されるように、半導体素子2と接合層3とを加熱することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する。ここで、半導体素子2は、セル領域と、平面視においてセル領域を囲む無効領域とを有する。

0054

次に、図6に例が示されるように、半導体素子2の無効領域に、放熱部材4aを配置する。そして、図7に例が示されるように、半導体素子2と、半導体素子2に大電流を流すための主回路との間で電気的導通を得るために、半導体素子2に接続される金属ワイヤー9を形成する。

0055

次に、図8に例が示されるように、形成された上記の構造を覆う絶縁性の封止材6を形成することによって、本実施の形態に関する電力用半導体装置を製造する。

0056

ここで、絶縁性の封止材6としては、たとえば、シリコーンゲルまたはエラストマーが用いられる。また、封止材6の熱伝導率は、たとえば、0.15W/m・Kである。

0057

本実施の形態においては、半導体素子2の無効領域と封止材6との間に放熱部材4aが介在している。そのため、半導体素子2の無効領域の放熱性を向上させることができる。そうすると、半導体素子2の無効領域が発熱することに起因して電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下してしまうことを、抑制することができる。

0058

なお、上記の放熱部材4aは、半導体素子2の上面に形成されるエミッタ電極117(図1を参照)と半導体素子2の下面に形成されるコレクタ電極との間に印加される高電圧に対して絶縁耐圧を有するもの、すなわち、たとえば、1kV/mm以上、かつ、15kV/mm以下の絶縁耐圧を有する絶縁体であればよく、熱伝導率が高いものほど望ましい。特に、熱伝導率が10W/m・K以上であるものが好ましい。

0059

また、上記の放熱部材4aの、半導体素子2の上面に配置される際の状態が液相である場合には、半導体素子2の無効領域のみに限定して放熱部材4aを配置することが困難である。

0060

放熱部材4aが液相である場合、半導体素子2のセル領域へ液相である放熱部材4aが流れてしまう場合があり、その場合、半導体素子2のエミッタ電極117(図1を参照)へ金属ワイヤー9を接合するための領域が失われる可能性がある。

0061

このため、上記の放熱部材4aは、半導体素子2の上面に配置される際の状態が固体であることが望ましい。

0062

一方で、上記の放熱部材4aは、半導体素子2の上面に配置される際の状態が液状のものであっても、150Pa・s以上の粘度を有する材料であればよい。このような条件を満たす放熱部材4aとしては、たとえば、日本旭立科技株式会社製の放熱シートPK−95、または、T−GlOBAL社製の熱伝導シートTG−Xなどがある。

0063

また、放熱部材4aが半導体素子2に接触する面積は、無効領域において発熱が生じると想定される局所の面積である、たとえば、1μm2以上、かつ、50μm2以下の範囲に対して、10倍程度の、たとえば、10μm2以上、かつ、500μm2以下の範囲であることが望ましい。

0064

<第2の実施の形態>
本実施の形態に関する電力用半導体装置、および、電力用半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。

0065

<電力用半導体装置の構成について>
図9は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。

0066

図9に例が示されるように、電力用半導体装置1aは、金属膜7aと、セラミック板8と、金属膜7bと、接合層3と、半導体素子2と、放熱部材4aと、金属ワイヤー9と、放熱部材4aの上面に形成される、放熱部材4aよりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4bと、これらの構成を封止する封止材6とを備える。

0067

ここで、半導体素子2は、たとえば、MOSFETである。また、半導体素子2の無効領域には、たとえば、ポリイミド系の樹脂材料からなる絶縁性の保護膜123(図1を参照)が形成されている。また、接合層3は、たとえば、はんだである。また、封止材6は、たとえば、絶縁性を有するシリコーンゲルである。

0068

<電力用半導体装置の製造方法について>
次に、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法について、以下説明する。ここで、図10から図15は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法を示す図である。

0069

まず、図10に例が示されるように、金属膜7aの上面に、セラミック板8を形成する。さらに、セラミック板8の上面に、金属膜7bを部分的に形成する。

0070

次に、図10に例が示されるように、金属膜7bの上面に、接合層3を部分的に形成する。ここで、接合層3は、たとえば、板はんだである。さらに、図11に例が示されるように、接合層3の上面に、半導体素子2を配置する。

0071

次に、図11に例が示されるように、半導体素子2と接合層3とを加熱することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する。

0072

次に、図12に例が示されるように、半導体素子2の無効領域に、放熱部材4aを配置する。そして、図13に例が示されるように、放熱部材4aの上面に、放熱部材4bを配置する。ここで、放熱部材4bは、半導体素子2とは離間して配置される。

0073

次に、図14に例が示されるように、半導体素子2と、半導体素子2に大電流を流すための主回路との間で電気的導通を得るために、半導体素子2に接続される金属ワイヤー9を形成する。

0074

次に、図15に例が示されるように、形成された上記の構造を覆う絶縁性の封止材6を形成することによって、本実施の形態に関する電力用半導体装置を製造する。

0075

本実施の形態においては、半導体素子2の無効領域と封止材6との間に放熱部材4aおよび放熱部材4aよりも熱伝導率の高い放熱部材4bが介在している。そのため、半導体素子2の無効領域の放熱性を向上させることができる。そうすると、半導体素子2の無効領域が発熱することに起因して電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下してしまうことを、抑制することができる。

0076

なお、上記の放熱部材4bとしては、熱伝導率が100W/m・Kよりも高い、たとえば、銀、銅、金、チタン、鉄、ニッケルまたはアルミニウムなどの金属材料窒化アルミニウム、窒化珪素などのセラミック材料ダイヤモンド、または、グラファイトなどが望ましい。

0077

なお、放熱部材4aの厚さが薄い場合には、半導体素子2のドレイン電極側ソース電極に対して高電圧が印加された際に、導電性の放熱部材4bを経由して、放電などの電気的短絡が生じる場合がある。

0078

したがって、半導体素子2の定格耐電圧にあわせて、上記の電気的短絡が起こらない程度の厚さを放熱部材4aが有していることが望ましい。

0079

たとえば、半導体素子2の耐電圧が3kVである場合、放熱部材4aの厚みは1mm以上であることが望ましい。このような構成によれば、半導体素子2の無効領域における発熱を確実に抑制することができる。

0080

<第3の実施の形態>
本実施の形態に関する電力用半導体装置、および、電力用半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。

0081

<電力用半導体装置の構成について>
図16は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。

0082

図16に例が示されるように、電力用半導体装置1bは、金属膜7aと、セラミック板8と、金属膜7bと、接合層3と、半導体素子2と、放熱部材4aと、金属ワイヤー9と、放熱部材4bと、半導体素子2の下面に形成される、接合層3よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4cと、これらの構成を封止する封止材6とを備える。

0083

ここで、放熱部材4cは、平面視において、半導体素子2の無効領域に重なる位置に形成される。一方で、半導体素子2のセル領域に重なる位置には、接合層3が形成される。

0084

また、半導体素子2は、たとえば、ダイオードである。また、半導体素子2の無効領域には、たとえば、ポリイミド系の樹脂材料からなる絶縁性の保護膜123(図1を参照)が形成されている。また、接合層3は、たとえば、はんだである。また、封止材6は、たとえば、絶縁性を有するシリコーンゲルである。

0085

<電力用半導体装置の製造方法について>
次に、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法について、以下説明する。ここで、図17から図23は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法を示す図である。

0086

まず、図17に例が示されるように、金属膜7aの上面に、セラミック板8を形成する。さらに、セラミック板8の上面に、金属膜7bを部分的に形成する。

0087

次に、図17に例が示されるように、金属膜7bの上面に、放熱部材4cを部分的に形成する。ここで、放熱部材4cは、後の工程で配置される半導体素子2の無効領域と平面視において重なる位置に形成される。また、放熱部材4cは、図17に例が示されるように、周方向において間欠的に形成される。なお、図17における放熱部材4cは、それぞれの辺で2箇所ずつ欠如部分があるが、欠如部分の数および位置は、図26に示される場合に限られるものではない。

0088

次に、図18に例が示されるように、金属膜7bの上面の、平面視において放熱部材4cに囲まれる領域において、接合層3を形成する。ここで、接合層3は、たとえば、板はんだである。さらに、図19に例が示されるように、接合層3の上面および放熱部材4cの上面に、半導体素子2を配置する。

0089

次に、図19に例が示されるように、半導体素子2と接合層3とを加熱することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する。

0090

次に、図20に例が示されるように、半導体素子2の無効領域に、放熱部材4aを配置する。そして、図21に例が示されるように、放熱部材4aの上面に、放熱部材4bを配置する。ここで、放熱部材4bは、半導体素子2とは離間して配置される。

0091

次に、図22に例が示されるように、半導体素子2と、半導体素子2に大電流を流すための主回路との間で電気的導通を得るために、半導体素子2に接続される金属ワイヤー9を形成する。

0092

次に、図23に例が示されるように、形成された上記の構造を覆う絶縁性の封止材6を形成することによって、本実施の形態に関する電力用半導体装置を製造する。

0093

なお、半導体素子2と金属膜7bとを接合する際に、加熱に伴って接合層3(すなわち、はんだ)が膨張する。そして、接合層3(すなわち、はんだ)の膨張によって半導体素子2が垂直方向押し上げられると、半導体素子2の下面と放熱部材4cとが離間してしまう場合がある。そこで、これを防ぐために、放熱部材4cを周方向において間欠的に形成している。

0094

本実施の形態においては、半導体素子2の無効領域と封止材6との間に放熱部材4aおよび放熱部材4aよりも熱伝導率の高い放熱部材4bが介在している。そのため、半導体素子2の無効領域の放熱性を向上させることができる。そうすると、半導体素子2の無効領域が発熱することに起因して電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下してしまうことを、抑制することができる。

0095

接合層3よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4cを、半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2の無効領域に重なる位置に接触させて形成することによって、半導体素子2の無効領域の放熱性をさらに向上させることができる。そうすると、半導体素子2の個体差による寸法のばらつきがあっても、電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下することを抑制することができる。

0096

なお、接合層3の熱伝導率は、たとえば、40W/m・K以上、かつ、60W/m・K以下である。そして、放熱部材4cは、当該接合層3の熱伝導率よりも高い材料からなることが好ましい。放熱部材4cは、たとえば、金、銀または銅などの金属材料、窒化アルミニウムまたは窒化珪素などのセラミック材料、または、グラファイトシートなどで構成されることが好ましい。

0097

なお、放熱部材4cが、半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2のセル領域に重なる位置にまで達して形成されると、半導体素子2の動作時の接触抵抗が増大してしまう。そうすると、半導体素子2のオン抵抗が上昇することとなるため、放熱部材4cが半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2のセル領域に重なる位置にまで達して形成されることは好ましくない。

0098

図24は、半導体素子の下面における、放熱部材の配置位置の例を示す断面図である。図24に例が示されるように、半導体素子2の無効領域102の、平面視における径方向の幅Dに対し、放熱部材4cは、半導体素子2の外周端面から径方向の幅dの範囲に形成されることが望ましい。ここで、幅Dは幅dよりも大きいものとし、かつ、幅Dと幅dとの差は小さいほどよい。

0099

なお、本実施の形態においては、放熱部材4a、放熱部材4bおよび放熱部材4cが全て備えられた構成が示されたが、たとえば、放熱部材4bが備えられていなくてもよい。

0100

<第4の実施の形態>
本実施の形態に関する電力用半導体装置、および、電力用半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。

0101

<電力用半導体装置の構成について>
図25は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。

0102

図25に例が示されるように、電力用半導体装置1cは、金属膜7aと、セラミック板8と、金属膜7bと、接合層3と、半導体素子2と、放熱部材4aと、金属ワイヤー9と、放熱部材4bと、半導体素子2の下面に形成される、柔軟性を有する放熱部材4dと、放熱部材4dの下面に形成される、接合層3よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4cと、これらの構成を封止する封止材6とを備える。

0103

ここで、放熱部材4dの熱伝導率は、放熱部材4cの熱伝導率よりも高い。半導体素子2の下面に接触する放熱部材4dが柔軟性を有することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する際に生じる熱応力によってクラックが生じることを抑制することができる。

0104

また、半導体素子2の無効領域には、たとえば、ポリイミド系の樹脂材料からなる絶縁性の保護膜123(図1を参照)が形成されている。また、接合層3は、たとえば、はんだである。また、封止材6は、たとえば、絶縁性を有するシリコーンゲルである。

0105

ここで、放熱部材4dは、たとえば、厚さが30μmのグラファイトシートである。グラファイトシートは、400W/m・K以上の熱伝導率を有する材料であり、半導体素子2との間、および、放熱部材4cとの間の密着性を向上させつつ、当該箇所における熱抵抗を低減することができる。そのため、半導体素子2の無効領域における放熱性を向上させることができる。

0106

なお、放熱部材4cの厚みと放熱部材4dの厚みとを合わせた厚みが接合層3の厚みよりも厚いと、半導体素子2と金属膜7bとの間の接合性が低下してしまう。そのため、放熱部材4cの厚みと放熱部材4dの厚みとを合わせた厚みは、接合層3の厚みよりも薄いことが望ましい。

0107

また、放熱部材4dの柔軟性は、放熱部材4dの厚みが増加するに伴って低下する。そのため、本実施の形態において示されたように、放熱部材4cと、放熱部材4cよりも厚みが薄い放熱部材4dとを積層する構成とすることが望ましい。このように構成することによって、放熱部材4dの柔軟性を保ちつつ、放熱部材4cを合わせた放熱部材全体としては、接合層3の厚みに合わせて厚みを増加させることができる。

0108

なお、放熱部材4cの厚みと放熱部材4dの厚みとを合わせた厚みは、たとえば、接合層の厚み±20μmとなるように構成することが望ましく、放熱部材4cの厚みと、放熱部材4dの厚みとを合わせた厚みは、たとえば、70μm以下である。

0109

<電力用半導体装置の製造方法について>
次に、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法について、以下説明する。ここで、図26から図33は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法を示す図である。

0110

まず、図26に例が示されるように、金属膜7aの上面に、セラミック板8を形成する。さらに、セラミック板8の上面に、金属膜7bを部分的に形成する。

0111

次に、図26に例が示されるように、金属膜7bの上面に、放熱部材4cを部分的に形成する。ここで、放熱部材4cは、後の工程で配置される半導体素子2の無効領域と平面視において重なる位置に形成される。また、放熱部材4cは、図26に例が示されるように、周方向において間欠的に形成される。なお、図26における放熱部材4cは、それぞれの辺で1箇所ずつ欠如部分があるが、欠如部分の数および位置は、図26に示される場合に限られるものではない。

0112

次に、図27に例が示されるように、放熱部材4cの上面に、放熱部材4dを形成する。ここで、放熱部材4dは、周方向において連続して形成される。

0113

次に、図28に例が示されるように、金属膜7bの上面の、平面視において放熱部材4cおよび放熱部材4dに囲まれる領域において、接合層3を形成する。ここで、接合層3は、たとえば、板はんだである。さらに、図29に例が示されるように、接合層3の上面および放熱部材4dの上面に、半導体素子2を配置する。

0114

次に、図29に例が示されるように、半導体素子2と接合層3とを加熱することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する。

0115

次に、図30に例が示されるように、半導体素子2の無効領域に、放熱部材4aを配置する。そして、図31に例が示されるように、放熱部材4aの上面に、放熱部材4bを配置する。ここで、放熱部材4bは、半導体素子2とは離間して配置される。

0116

次に、図32に例が示されるように、半導体素子2と、半導体素子2に大電流を流すための主回路との間で電気的導通を得るために、半導体素子2に接続される金属ワイヤー9を形成する。

0117

次に、図33に例が示されるように、形成された上記の構造を覆う絶縁性の封止材6を形成することによって、本実施の形態に関する電力用半導体装置を製造する。

0118

なお、放熱部材4aを半導体素子2の無効領域に配置する工程、および、放熱部材4bを放熱部材4aの上面に配置する工程は、必ずしも、半導体素子2を接合層3の上面および放熱部材4dの上面に配置する工程の後でなくてもよい。すなわち、半導体素子2の無効領域に放熱部材4aおよび放熱部材4bが配置された後で、半導体素子2が、接合層3の上面および放熱部材4dの上面に配置されてもよい。

0119

<第5の実施の形態>
本実施の形態に関する電力用半導体装置、および、電力用半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。

0120

<電力用半導体装置の構成について>
図34は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の構造の例を概略的に示す断面図である。

0121

図34に例が示されるように、電力用半導体装置1cは、金属膜7aと、セラミック板8と、金属膜7bと、接合層3と、半導体素子2と、放熱部材4aと、金属ワイヤー9と、放熱部材4bと、放熱部材4dと、放熱部材4cと、接着剤10と、これらの構成を封止する封止材6とを備える。

0122

ここで、接着剤10は、放熱部材4a、放熱部材4b、放熱部材4c、放熱部材4d、半導体素子2、および、金属膜7bに跨って形成され、かつ、これらの構成間の密着性を高める。接着剤10は、たとえば、加熱硬化型シリコーン接着剤である。

0123

接着剤10は、放熱部材4bの上面、放熱部材4bの外周側の側面、放熱部材4aの外周側の側面、半導体素子2の側面、放熱部材4dの外周側の側面、放熱部材4cの外周側の側面、および、金属膜7bの上面に接触して形成されている。

0124

このように、接着剤10によって放熱部材4a、放熱部材4b、放熱部材4c、放熱部材4d、半導体素子2、および、金属膜7bの間の密着性を向上させることによって、半導体素子2の無効領域における放熱性を、確実に向上させることができる。

0125

なお、接着剤10を有する構成は本実施の形態に限らず、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、および、第4の実施の形態のうちのいずれかにおいて示された構成に適用されてもよい。

0126

<電力用半導体装置の製造方法について>
次に、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法について、以下説明する。ここで、図35から図43は、本実施の形態に関する電力用半導体装置の製造方法を示す図である。

0127

まず、図35に例が示されるように、金属膜7aの上面に、セラミック板8を形成する。さらに、セラミック板8の上面に、金属膜7bを部分的に形成する。

0128

次に、図35に例が示されるように、金属膜7bの上面に、放熱部材4cを部分的に形成する。ここで、放熱部材4cは、後の工程で配置される半導体素子2の無効領域と平面視において重なる位置に形成される。また、放熱部材4cは、図35に例が示されるように、周方向において間欠的に形成される。なお、図35における放熱部材4cは、それぞれの辺で1箇所ずつ欠如部分があるが、欠如部分の数および位置は、図35に示される場合に限られるものではない。

0129

次に、図36に例が示されるように、放熱部材4cの上面に、放熱部材4dを形成する。ここで、放熱部材4dは、周方向において連続して形成される。

0130

次に、図37に例が示されるように、金属膜7bの上面の、平面視において放熱部材4cおよび放熱部材4dに囲まれる領域において、接合層3を形成する。ここで、接合層3は、たとえば、板はんだである。さらに、図38に例が示されるように、接合層3の上面および放熱部材4dの上面に、半導体素子2を配置する。

0131

次に、図38に例が示されるように、半導体素子2と接合層3とを加熱することによって、半導体素子2と金属膜7bとを接合する。

0132

次に、図39に例が示されるように、半導体素子2の無効領域に、放熱部材4aを配置する。そして、図40に例が示されるように、放熱部材4aの上面に、放熱部材4bを配置する。ここで、放熱部材4bは、半導体素子2とは離間して配置される。

0133

次に、図41に例が示されるように、放熱部材4bの上面、放熱部材4bの外周側の側面、放熱部材4aの外周側の側面、半導体素子2の側面、放熱部材4dの外周側の側面、放熱部材4cの外周側の側面、および、金属膜7bの上面に、接着剤10を塗布する。そして、接着剤10を加熱することによって、接着剤10を硬化させる。

0134

次に、図42に例が示されるように、半導体素子2と、半導体素子2に大電流を流すための主回路との間で電気的導通を得るために、半導体素子2に接続される金属ワイヤー9を形成する。

0135

次に、図43に例が示されるように、形成された上記の構造を覆う絶縁性の封止材6を形成することによって、本実施の形態に関する電力用半導体装置を製造する。

0136

このように、接着剤10によって放熱部材4a、放熱部材4b、放熱部材4c、放熱部材4d、半導体素子2、および、金属膜7bの間の密着性を向上させることによって、半導体素子2の無効領域における放熱性を、確実に向上させることができる。

0137

<第6の実施の形態>
本実施の形態に関する電力変換装置、および、電力変換装置の製造方法について説明する。以下の説明においては、以上に記載された実施の形態で説明された構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略するものとする。

0138

<電力変換装置の構成について>
本実施の形態は、以上に記載された実施の形態に関する電力用半導体装置を電力変換装置に適用するものである。適用する電力変換装置は特定の用途のものに限定されるものではないが、以下では、三相インバータに適用する場合について説明する。

0139

図44は、本実施の形態に関する電力変換装置を含む電力変換システムの構成の例を概念的に示す図である。

0140

図44に例が示されるように、電力変換システムは、電源100と、電力変換装置200と、負荷300とを備える。電源100は、直流電源であり、かつ、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源100は種々のもので構成することが可能であり、たとえば、直流系統太陽電池または蓄電池などで構成することができる。また、電源100は、交流系統に接続された整流回路またはAC−DCコンバータなどで構成することができる。また、電源100を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC−DCコンバータによって構成することもできる。

0141

電力変換装置200は、電源100と負荷300との間に接続される三相のインバータである。電力変換装置200は、電源100から供給された直流電力を交流電力に変換し、さらに、負荷300に当該交流電力を供給する。

0142

また、電力変換装置200は、図44に例が示されるように、直流電力を交流電力に変換して出力する変換回路201と、変換回路201のそれぞれのスイッチング素子を駆動するための駆動信号を出力する駆動回路202と、駆動回路202を制御するための制御信号を駆動回路202に出力する制御回路203とを備える。

0143

負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載される電動機であり、たとえば、ハイブリッド自動車電気自動車鉄道車両エレベーター、または、空調機器向けの電動機として用いられるものである。

0144

以下、電力変換装置200の詳細を説明する。変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードとを備える(ここでは、図示せず)。そして、スイッチング素子がスイッチング動作をすることによって、電源100から供給される直流電力を交流電力に変換し、さらに、負荷300に供給する。

0145

変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態に関する変換回路201は、2レベルの三相フルブリッジ回路であり、かつ、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列に接続される6つの還流ダイオードとを備えるものである。

0146

変換回路201におけるそれぞれのスイッチング素子とそれぞれの還流ダイオードの少なくとも一方には、以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置を適用する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続されて上下アームを構成し、それぞれの上下アームは、フルブリッジ回路の各相(すなわち、U相、V相およびW相)を構成する。そして、それぞれの上下アームの出力端子(すなわち、変換回路201の3つの出力端子)は、負荷300に接続される。

0147

駆動回路202は、変換回路201のスイッチング素子を駆動するための駆動信号を生成し、さらに、変換回路201のスイッチング素子の制御電極に当該駆動信号を供給する。具体的には、後述する制御回路203から出力される制御信号に基づいて、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とをそれぞれのスイッチング素子の制御電極に出力する。

0148

スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(すなわち、オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号(すなわち、オフ信号)となる。

0149

制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて変換回路201のそれぞれのスイッチング素子がオン状態となるべき時間(すなわち、オン時間)を算出する。たとえば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって、変換回路201を制御することができる。

0150

そして、制御回路203は、それぞれの時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号が、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号がそれぞれ出力されるように、駆動回路202に制御指令(すなわち、制御信号)を出力する。駆動回路202は、当該制御信号に基づいて、それぞれのスイッチング素子の制御電極にオン信号またはオフ信号を駆動信号として出力する。

0151

本実施の形態に関する電力変換装置200では、変換回路201のスイッチング素子として以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置を適用するため、通電サイクルを経た後のオン抵抗を安定させることができる。

0152

なお、本実施の形態では、2レベルの三相インバータに以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置を適用する例が説明されたが、適用例はこれに限られるものではなく、種々の電力変換装置に以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置を適用することができる。

0153

また、本実施の形態では、2レベルの電力変換装置について説明されたが、3レベルまたはマルチレベルの電力変換装置に以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置が適用されてもよい。また、単相負荷に電力を供給する場合には、単相のインバータに以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置が適用されてもよい。

0154

また、直流負荷などに電力を供給する場合には、DC−DCコンバータまたはAC−DCコンバータに、以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置を適用することもできる。

0155

また、以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置が適用された電力変換装置は、上述された負荷が電動機である場合に限定されるものではなく、たとえば、放電加工機レーザー加工機誘導加熱調理器または非接触器給電システム電源装置として用いることもできる。また、以上に記載された実施の形態のいずれかにおける電力用半導体装置が適用された電力変換装置は、太陽光発電システムまたは蓄電システムなどにおけるパワーコンディショナーとして用いることもできる。

0156

<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。

0157

また、当該置き換えは、複数の実施の形態に跨ってなされてもよい。すなわち、異なる実施の形態において例が示されたそれぞれの構成が組み合わされて、同様の効果が生じる場合であってもよい。

0158

以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置は、半導体素子2と、第1の上面放熱部材とを備える。ここで、第1の上面放熱部材は、たとえば、放熱部材4aに対応するものである。半導体素子2は、絶縁基板5の上面に接合層3を介して配置される。放熱部材4aは、半導体素子2の上面に部分的に形成される。そして、半導体素子2は、セル領域101と、平面視においてセル領域101を囲む無効領域102とを有する。また、放熱部材4aは、半導体素子2の無効領域102に対応する上面に形成される。

0159

このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。そのため、電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる。

0160

なお、これらの構成以外の本願明細書に例が示される他の構成については適宜省略することができる。すなわち、少なくともこれらの構成を備えていれば、以上に記載された効果を生じさせることができる。

0161

しかしながら、本願明細書に例が示される他の構成のうちの少なくとも1つを、以上に記載された構成に適宜追加した場合、すなわち、以上に記載された構成としては言及されなかった本願明細書に例が示される他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。

0162

また、以上に記載された実施の形態によれば、放熱部材4aは、絶縁体である。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。そのため、電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる。

0163

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置は、放熱部材4aの上面に形成される、導電性の第2の上面放熱部材を備える。ここで、第2の上面放熱部材は、たとえば、放熱部材4bに対応するものである。このような構成によれば、絶縁性の放熱部材4aを介して導電性の放熱部材4bが備えられることによって、半導体素子2のドレイン電極側にソース電極に対して高電圧が印加された場合であっても放電などの電気的短絡を生じさせずに、熱伝導率の高い放熱部材4bによって、半導体素子2の無効領域における放熱性が向上させることができる。よって、半導体素子2の個体差による寸法のばらつきがあっても、電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下することを抑制することができる。

0164

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置は、半導体素子2の下面に部分的に形成される第1の下面放熱部材を備える。ここで、第1の下面放熱部材は、たとえば、放熱部材4cに対応するものである。そして、半導体素子2のセル領域101に対応する下面は、接合層3を介して絶縁基板5の上面に接続される。また、半導体素子2の無効領域102に対応する下面は、放熱部材4cを介して絶縁基板5の上面に接続される。また、放熱部材4cの熱伝導率は、接合層3の熱伝導率よりも高い。このような構成によれば、接合層3よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4cを、半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2の無効領域に重なる位置に接触させて形成することによって、半導体素子2の無効領域の放熱性をさらに向上させることができる。そうすると、半導体素子2の個体差による寸法のばらつきがあっても、電力用半導体装置の絶縁信頼性が低下することを抑制することができる。

0165

また、以上に記載された実施の形態によれば、放熱部材4cは、周方向において間欠的に形成される。このような構成によれば、半導体素子2と金属膜7bとを接合する際に、加熱に伴って接合層3(すなわち、はんだ)が膨張した場合であっても、半導体素子2の下面と放熱部材4cとが離間することを防ぐことができる。

0166

また、以上に記載された実施の形態によれば、平面視における放熱部材4cの径方向の幅dは、平面視における無効領域102の径方向の幅Dよりも小さい。このような構成によれば、放熱部材4cが、半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2のセル領域に重なる位置にまで達して形成されることが防がれるため、半導体素子2の動作時の接触抵抗が増大することを防ぐことができる。

0167

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置は、第2の下面放熱部材を備える。ここで、第2の下面放熱部材は、たとえば、放熱部材4dに対応するものである。放熱部材4dは、半導体素子2の下面に部分的に形成され、かつ、柔軟性を有する。また、放熱部材4cは、放熱部材4dを介して半導体素子2の下面に形成される。このような構成によれば、放熱部材4dと半導体素子2との間、および、放熱部材4dと放熱部材4cとの間の密着性を向上させつつ、当該箇所における熱抵抗を低減することができる。そのため、半導体素子2の無効領域における放熱性を向上させることができる。また、放熱部材4dの柔軟性を保ちつつ、放熱部材4cを合わせた放熱部材全体としては、接合層3の厚みに合わせて厚みを増加させることができる。

0168

また、以上に記載された実施の形態によれば、放熱部材4cの厚みと、放熱部材4dの厚みとを合わせた厚みが、70μm以下である。このような構成によれば、放熱部材4dの柔軟性を保ちつつ、放熱部材4cを合わせた放熱部材全体としては、接合層3の厚みに合わせて厚みを増加させることができる。

0169

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置は、少なくとも、半導体素子2と、放熱部材4aとに跨って形成される接着剤10を備える。このような構成によれば、接着剤10によって半導体素子2、放熱部材4a、さらには、放熱部材4b、放熱部材4c、放熱部材4d、および、金属膜7bの間の密着性を向上させることによって、半導体素子2の無効領域における放熱性を、確実に向上させることができる。

0170

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力変換装置は、上記の電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路201と、電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を電力用半導体装置に出力する駆動回路202と、駆動回路202を制御するための制御信号を駆動回路202に出力する制御回路203とを備える。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。

0171

以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置の製造方法において、絶縁基板5の上面に、接合層3を介して半導体素子2を配置する。そして、半導体素子2の上面に、放熱部材4aを部分的に形成する。そして、半導体素子2は、セル領域101と、平面視においてセル領域101を囲む無効領域102とを有する。そして、放熱部材4aは、半導体素子2の無効領域102に対応する上面に形成される。

0172

このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。そのため、電力用半導体装置の絶縁信頼性の低下を抑制することができる。

0173

なお、これらの構成以外の本願明細書に例が示される他の構成については適宜省略することができる。すなわち、少なくともこれらの構成を備えていれば、以上に記載された効果を生じさせることができる。

0174

しかしながら、本願明細書に例が示される他の構成のうちの少なくとも1つを、以上に記載された構成に適宜追加した場合、すなわち、以上に記載された構成としては言及されなかった本願明細書に例が示される他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。

0175

また、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。

0176

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力用半導体装置の製造方法における、半導体素子2の、絶縁基板5の上面における配置として、絶縁基板5の無効領域102に対応する上面に、接合層3よりも熱伝導率が高い放熱部材4cを形成する。そして、絶縁基板5の上面における放熱部材4cに囲まれた領域に、接合層3を形成する。そして、半導体素子2のセル領域101を接合層3の上面に配置し、かつ、半導体素子2の無効領域102を放熱部材4cの上面に配置する。このような構成によれば、接合層3よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱部材4cを、半導体素子2の下面の、平面視において半導体素子2の無効領域に重なる位置に接触させて形成することによって、半導体素子2の無効領域の放熱性をさらに向上させることができる。

0177

また、以上に記載された実施の形態によれば、電力変換装置の製造方法において、上記の製造方法で製造される電力用半導体装置を有し、かつ、入力される電力を変換して出力する変換回路201を設ける。そして、電力用半導体装置を駆動するための駆動信号を電力用半導体装置に出力する駆動回路202を設ける。そして、駆動回路202を制御するための制御信号を駆動回路202に出力する制御回路203を設ける。このような構成によれば、放熱部材によって半導体素子の無効領域における放熱性を向上させることができる。

0178

<以上に記載された実施の形態における変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。

0179

したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施の形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。

0180

また、矛盾が生じない限り、以上に記載された実施の形態において「1つ」備えられるものとして記載された構成要素は、「1つ以上」備えられていてもよいものとする。

0181

さらに、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素は概念的な単位であって、本願明細書に開示される技術の範囲内には、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合と、1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合と、さらには、複数の構成要素が1つの構造物に備えられる場合とを含むものとする。

0182

また、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素には、同一の機能を発揮する限り、他の構造または形状を有する構造物が含まれるものとする。

0183

また、本願明細書における説明は、本技術に関するすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。

0184

また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。

0185

1,1a,1b,1c電力用半導体装置、2半導体素子、3接合層、4a,4b,4c,4d放熱部材、5絶縁基板、6封止材、7a,7b金属膜、8セラミック板、9金属ワイヤー、10接着剤、100電源、101セル領域、102 無効領域、110 n−型の半導体層、111,121 p−型の半導体層、112,122 n+型の半導体層、113 p+型の半導体層、114ゲート酸化膜、115ゲート電極、116絶縁膜、117エミッタ電極、123 保護膜、200電力変換装置、201変換回路、202駆動回路、203制御回路、300負荷。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 古河電気工業株式会社の「 ヒートシンク」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は、気相の作動流体の流通性を損なうことなく、大気圧に対する優れた耐圧性を有しつつ軽量化された熱輸送部材を備え、また、熱輸送部材の受熱部における入熱を均一化できるヒートシンクを提供する。【... 詳細

  • 古河電気工業株式会社の「 ヒートシンク」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は、ヒートシンクの設置スペースが制限される環境下、該設置スペースに禁止領域が存在していても、受熱部のドライアウトを防止しつつ放熱フィンの放熱性能を向上させることができ、また、受熱部におけ... 詳細

  • 日本精機株式会社の「 放熱構造」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】熱伝導部材の位置ズレが抑制され、良好な放熱機能を得ることが可能な放熱構造を提供する。所定情報を表示する表示部11aを備えた表示素子11と表示素子11に照明光を供給する発熱電子部品とし... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ