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技術 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 土井孝之杉山遼中村実都留誠司
出願日 2018年8月31日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-163166
公開日 2020年3月5日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-034850
状態 未査定
技術分野 ロール及びその他の回転体 電子写真における乾式現像 電子写真一般。全体構成、要素
主要キーワード 壁面間距離 吸引用ノズル 電位マップ ドライアイスブラスト グリッド電極間 導電性材料中 電界勾配 カンチレバ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

現像剤搬送力が高く高品位電子写真画像を形成し得る現像ローラの提供。

解決手段

導電性基体と基体上の導電層とを有する現像ローラであって、導電層は複数個樹脂粒子をその各々の少なくとも一部が現像ローラの外表面に露出するように保持し、現像ローラの外表面は該外表面に露出している樹脂粒子で構成されている複数個の絶縁ドメインと導電層の外表面の一部で構成されている導電マトリックスとで構成され、現像ローラ外表面に一辺200μmの正方形領域を現像ローラ長手方向に正方形領域の1辺が沿うように置いたとき、正方形領域内に複数個の絶縁ドメインが含まれ、そのうち少なくとも2個の絶縁ドメインは条件1(円相当径がそれぞれ10〜80μm、壁面間距離が10〜100μmである)を満たし、現像ローラの表面の電位マップにおいて条件1を満たす2個の絶縁ドメインの各々の存在が確認できる。

概要

背景

電子写真画像形成装置において、回転可能な静電潜像担持体である電子写真感光体(以降、「感光体」ということがある)の表面に静電潜像を形成し、感光体と現像ローラとの接触部でトナーによる静電潜像の現像を行うことが知られている。

特許文献1および特許文献2には、導電性材料中絶縁粒子を分散させた表面層を有する現像ローラが開示されている。このような現像ローラでは、現像ローラ表面近傍に多数の微小電界マイクロフィールド)を形成することができ、それにより、トナー搬送力を高めることができる。

概要

現像剤搬送力が高く高品位電子写真画像を形成し得る現像ローラの提供。導電性基体と基体上の導電層とを有する現像ローラであって、導電層は複数個樹脂粒子をその各々の少なくとも一部が現像ローラの外表面に露出するように保持し、現像ローラの外表面は該外表面に露出している樹脂粒子で構成されている複数個の絶縁ドメインと導電層の外表面の一部で構成されている導電マトリックスとで構成され、現像ローラ外表面に一辺200μmの正方形領域を現像ローラ長手方向に正方形領域の1辺が沿うように置いたとき、正方形領域内に複数個の絶縁ドメインが含まれ、そのうち少なくとも2個の絶縁ドメインは条件1(円相当径がそれぞれ10〜80μm、壁面間距離が10〜100μmである)を満たし、現像ローラの表面の電位マップにおいて条件1を満たす2個の絶縁ドメインの各々の存在が確認できる。

目的

本発明の一態様によれば、現像剤搬送力が高く、高品位な電子写真画像を形成し得る現像ローラを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性基体と、該基体上の導電層とを有する現像ローラであって、該導電層は、複数個樹脂粒子を、該樹脂粒子の各々の少なくとも一部が該現像ローラの外表面に露出するように保持しており、該現像ローラの外表面は、該現像ローラの外表面に露出している該樹脂粒子で構成されている、複数個の絶縁ドメインと、該導電層の外表面の一部で構成されている導電マトリックスと、で構成され、該現像ローラの外表面に、一辺が200μmの正方形領域を、該現像ローラの長手方向に該正方形領域の1辺が沿うように置いたときに、該正方形領域内には、複数個の該絶縁ドメインが含まれ、該正方形領域内の複数個の該絶縁ドメインのうちの少なくとも2個の絶縁ドメインは、下記の条件1を満たし、条件1:円相当径がそれぞれ10μm以上、80μm以下であり、かつ、壁面間距離が10μm以上、100μm以下の範囲にある;該現像ローラの長手方向に略平行に、かつ、該現像ローラの表面から2mm離れた位置に放電ワイヤを配置し、温度23℃、相対湿度50%の環境において、該基体と該放電ワイヤとの間に−5kVの直流電圧印加して該現像ローラの表面を帯電させたのち、該正方形領域を、該正方形領域の一辺と平行な50本の直線と、該直線に直交する50本の直線とで等分し、これらの直線の交点における電位電気力顕微鏡で測定して電位マップを作成したとき、該電位マップにおいて、該条件1を満たす2個の該絶縁ドメインの各々の存在が確認できる、ことを特徴とする現像ローラ。

請求項2

前記樹脂粒子の体積抵抗率が、1013Ω・cm以上、1018Ω・cm以下である請求項1に記載の現像ローラ。

請求項3

前記導電層の体積抵抗率が、103Ω・cm以上、1011Ω・cm以下である請求項1または2に記載の現像ローラ。

請求項4

前記絶縁ドメインの電位減衰時定数が1.0min以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像ローラ。

請求項5

前記導電マトリックスの電位減衰時定数が1.0×10−1min以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像ローラ。

請求項6

前記正方形領域の面積に対する、前記正方形領域内の前記絶縁ドメインの面積の総和の割合が5%以上、50%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像ローラ。

請求項7

前記樹脂粒子が、アクリル樹脂またはポリスチレン樹脂を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像ローラ。

請求項8

前記導電層が、バインダー樹脂と該バインダー樹脂中に分散された導電性粒子とを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像ローラ。

請求項9

前記バインダー樹脂が、アクリロニトリルブタジエン共重合体またはエピクロルヒドリンを含有するゴムを含む請求項8に記載の現像ローラ。

請求項10

電子写真画像形成装置の本体に着脱可能である電子写真プロセスカートリッジであって、現像ローラを具備し、該現像ローラが請求項1〜9のいずれか一項に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。

請求項11

現像ローラを具備する電子写真画像形成装置であって、該現像ローラが請求項1〜9のいずれか一項に記載の現像ローラである電子写真画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、電子写真用現像ローラに関し、また、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真画像形成装置において、回転可能な静電潜像担持体である電子写真感光体(以降、「感光体」ということがある)の表面に静電潜像を形成し、感光体と現像ローラとの接触部でトナーによる静電潜像の現像を行うことが知られている。

0003

特許文献1および特許文献2には、導電性材料中絶縁粒子を分散させた表面層を有する現像ローラが開示されている。このような現像ローラでは、現像ローラ表面近傍に多数の微小電界マイクロフィールド)を形成することができ、それにより、トナー搬送力を高めることができる。

先行技術

0004

特開平4−50879号公報
特開平4−88381号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明者らの検討によれば、特許文献1及び特許文献2に係る現像ローラは、未だ、現像剤の搬送能力が十分でない場合があった。現像剤搬送力不足は、電子写真画像ガサツキが生じる原因となる。

0006

本発明の一態様は、現像剤搬送力が高く、高品位な電子写真画像を形成し得る現像ローラの提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真プロセスカートリッジの提供に向けたものである。本発明の更に他の態様は、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様によれば、
導電性基体と、該基体上の導電層とを有する現像ローラであって、
該導電層は、複数個樹脂粒子を、該樹脂粒子の各々の少なくとも一部が該現像ローラの外表面に露出するように保持しており、
該現像ローラの外表面は、該現像ローラの外表面に露出している該樹脂粒子で構成されている、複数個の絶縁ドメインと、該導電層の外表面の一部で構成されている導電マトリックスと、で構成され、
該現像ローラの外表面に、一辺が200μmの正方形領域を、該現像ローラの長手方向に該正方形領域の1辺が沿うように置いたときに、
該正方形領域内には、複数個の該絶縁ドメインが含まれ、
該正方形領域内の複数個の該絶縁ドメインのうちの少なくとも2個の絶縁ドメインは、下記の条件1を満たし、
条件1:円相当径がそれぞれ10μm以上、80μm以下であり、かつ、壁面間距離が10μm以上、100μm以下の範囲にある;
該現像ローラの長手方向に略平行に、かつ、該現像ローラの表面から2mm離れた位置に放電ワイヤを配置し、温度23℃、相対湿度50%の環境において、該基体と該放電ワイヤとの間に−5kVの直流電圧印加して該現像ローラの表面を帯電させたのち、該正方形領域を、該正方形領域の一辺と平行な50本の直線と、該直線に直交する50本の直線とで等分し、これらの直線の交点における電位電気力顕微鏡で測定して電位マップを作成したとき、該電位マップにおいて、該条件1を満たす2個の該絶縁ドメインの各々の存在が確認できる、ことを特徴とする現像ローラが提供される。

0008

本発明の他の態様によれば、
電子写真画像形成装置の本体に着脱可能である電子写真プロセスカートリッジであって、
現像ローラを具備し、該現像ローラが前記の現像ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジが提供される。

0009

本発明の更に他の態様によれば、
現像ローラを具備する電子写真画像形成装置であって、該現像ローラが前記の現像ローラである電子写真画像形成装置が提供される。

発明の効果

0010

本発明の一態様によれば、現像剤搬送力が高く、高品位な電子写真画像を形成し得る現像ローラを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の形成に資する電子写真プロセスカートリッジを得ることができる。本発明の更に他の態様によれば、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置を得ることができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一態様に係る現像ローラの一例を示す断面模式図である。
本発明の一態様に係る現像ローラの外表面の一例を示す模式図である。
本発明の一態様に係る現像ローラの外表面の観察像である。 (a)現像ローラの外表面の200μm四方の領域を帯電させたときの電位マップである。 (b)同領域の光学顕微鏡による観察像の模式図である。
比較例に係る現像ローラの外表面の観察像である。 (a)現像ローラの外表面の200μm四方の領域を帯電させたときの電位マップである。 (b)同領域の光学顕微鏡による観察像の模式図である。
本発明の一態様に係る電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の一態様に係る電子写真プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。

0012

本発明者らは、特許文献1および特許文献2に係る現像ローラのトナー搬送力をより一層向上させるべく検討を重ねた。ここで、外表面に電気絶縁性の第1領域と、第1領域よりも電気抵抗の低い第2領域が存在する現像ローラは、第1領域が帯電することにより、第2領域との間で電位差が生じ、グラディエント力によって該第1の領域の近傍に現像剤が吸着される。このことにより、安定した量の現像剤を外表面に担持し得る。

0013

グラディエント力とは、電位差を有する領域間に発生する電界勾配中に存在する物体に対して影響する力である。電界勾配中に物体が存在することで、電界強度に応じて発生する物体内部の分極にも傾斜(大小)が生じる。その結果、分極が大きい方向、すなわち電界強度が強い方向へ物体を向かわせるように発生する力である。グラディエント力を生むような電界勾配は、例えば同一平面上に電位差を有する領域を設ける場合のように、電位差を有する面を、互いに対面しないような位置関係に存在させることで発生させることができる。

0014

しかし、複数個の第1領域が物理的にきわめて近接して位置している場合、具体的には、例えば、2個の第1の領域の壁面間距離が100μm以下であるような場合、当該2個の第1領域と、それらの間に存在する第2領域と、の電位差が不十分となる。当該2個の第1領域の各々の、互いに対向する境界部分には十分なグラディエント力が生じ難い。そのため、当該2個の第1領域の各々の、対向する境界部分の近傍には十分な量の現像剤が吸着され難いと考えられる。

0015

かかる考察に基づき、本発明者らは、きわめて近接して位置している第1領域についてもそれらの間に存在する第2領域との電位差を十分に大きくすることについて検討した。この電位差を大きくできれば、当該2個の第1領域の各々の、互いに対向する境界部分にも十分な大きさのグラディエント力を生じさせることができ、その結果として、現像剤の搬送量のより一層の向上を図ることができると考えられる。

0016

すなわち、本発明の一態様に係る現像ローラは、導電性の基体と、基体上の導電層とを有する。導電層は、複数個の樹脂粒子を、各々の樹脂粒子の少なくとも一部が現像ローラの外表面に露出するように、保持している。

0017

なお、現像ローラの「外表面」は、現像ローラがトナー供給ローラトナー規制部材、電子写真感光体の如き他部材と当接する場合における当接面を意味する。また、導電層の外表面は、導電層の、基体と対向する側とは反対側の表面を指し、絶縁ドメインの存在のために、外部に露出していない面も含むものとする。

0018

現像ローラの外表面は、複数個の絶縁ドメインと、導電マトリックスとで構成される。複数個の絶縁ドメインは、現像ローラの外表面に露出している樹脂粒子で構成されている。導電マトリックスは、導電層の外表面の一部で構成されている。導電層によって樹脂粒子が保持されている。

0019

現像ローラの外表面に、一辺が200μmの正方形領域を、現像ローラの長手方向(現像ローラの軸方向に平行な方向)に正方形領域の1辺が沿うように置いたときに、正方形領域内には、複数個の絶縁ドメインが含まれる。そして、正方形領域内の複数個の絶縁ドメインのうちの少なくとも2個の絶縁ドメインは、次の条件1を満たす。
条件1:円相当径がそれぞれ10μm以上、80μm以下であり、かつ、壁面間距離が10μm以上、100μm以下の範囲にある。

0020

なお、正方形領域は、一辺が現像ローラの長手方向に沿う限り、任意に選んだ1箇所に置けばよい。

0021

また、次のようにして前記正方形領域の電位マップを作成したとき、電位マップにおいて、前記条件1を満たす2個の該絶縁ドメインの各々の存在が確認できる。
電位マップ作成法:現像ローラの長手方向に略平行に、かつ、現像ローラの表面から2mm離れた位置に放電ワイヤを配置する。温度23℃、相対湿度50%の環境において、現像ローラの基体と放電ワイヤとの間に−5kVの直流電圧を印加して現像ローラの表面を帯電させる。そののち、前記正方形領域を、正方形領域の一辺と平行な50本の直線と、該直線に直交する50本の直線とで等分し、これらの直線の交点(合計2500点)における電位を電気力顕微鏡で測定して電位マップを作成する。

0022

以上の構成によって、現像ローラの現像剤の搬送力が大きくなる。なお、本態様は非磁性一成分の現像剤を用いる場合に特に好適に適用できる。

0023

現像ローラの一例につき、長手方向に直交する断面の模式図を図1に示し、現像ローラ外表面の模式図を図2に示した。この現像ローラは、導電性の基体1と、基体1上の導電層2を有する。導電層2には、球状樹脂粒子3が分散している。また導電層2は、平面部付き球状樹脂粒子4を、現像ローラの外表面に露出するように、複数個保持している。ここで「平面部付き球状樹脂粒子」は、外表面に平面部を有する球状の樹脂粒子である。平面部付き球状樹脂粒子4は、球状樹脂粒子3が一部削られたことにより得られた典型的には円形の平面部を有する。平面部付き球状樹脂粒子4の平面部は、絶縁ドメインとして機能する。

0024

図2に、2つの絶縁ドメインの壁面間距離を示している。壁面間距離は、2個の絶縁ドメインの各々の外縁が最も近接している部分の距離を意味する。

0025

本発明の一態様に係る現像ローラの外表面に、条件1を満たす絶縁ドメインを含むように、一辺が200μmの正方形領域を置いたときの光学顕微鏡による観察像の模式図を図3(b)に示す。図3(b)には、200μm四方の領域内に、合計7個の絶縁ドメイン5が存在している。これらの絶縁ドメインは互いに条件1を満たしているものである。
そして、当該正方形領域を、所定の条件にて帯電させて作成してなる電位マップを図3(a)に示す。図3(a)に示す電位マップでは、光学顕微鏡による観察像における絶縁ドメイン5と同じ位置に絶縁ドメイン5の存在が確認できた。この場合、隣り合う絶縁ドメインによる電界が互いに影響して、電界の傾きが急峻となるため、グラディエント力は増幅される。その結果、現像ローラの現像剤搬送力が大きくなる。

0026

次に、比較例に係る現像ローラについて、光学顕微鏡による観察像を図4(b)に示す。図3(b)と同様に、200μm四方の領域に、合計7個の絶縁ドメイン5が存在している。これらの絶縁ドメインは互いに条件1を満たしている。
そして、当該正方形領域を、所定の条件にて帯電させて作成してなる電位マップを図4(a)に示す。この電位マップ上では、7個の絶縁ドメインを確認することができず、あたかも、1個の絶縁ドメインが存在しているかのように観察される。これは、絶縁ドメインと導電マトリックスとの間での電位差が小さいことを意味している。この場合、個々の絶縁ドメインに、グラディエント力が作用しないため、個々のドメインが現像剤を担持し得ず、搬送し得る現像剤の量が、図3に係る現像ローラと比較して低下する。

0027

以下、本発明の現像ローラの構成について詳細に説明する。なお、現像剤として、トナーを例にして説明する。

0028

[導電性の基体]
導電性基体の形状は、円柱状または中空円筒状が好ましく用いられる。材質としては導電性の材質であれば限定はなく、アルミニウム銅合金ステンレス鋼快削鋼などの金属または合金クロムまたはニッケルメッキ処理を施した鉄、導電性を有する合成樹脂などが挙げられる。導電性基体の表面にはその外周面に設けられる導電層との接着性を向上させる目的で接着剤を塗布することも可能である。

0029

[導電層]
導電層の体積抵抗率は、導電マトリックスとして機能するために、103Ω・cm以上、1011Ω・cm以下が好ましい。導電層の体積抵抗率が上記範囲内であれば、トナーを搬送するのに十分な電荷を絶縁ドメインに保持することが容易である。

0030

導電層は、上記体積抵抗率に調整するために、少なくともバインダー樹脂を含み、かつ、バインダー樹脂中に分散された導電性粒子を含んでいることが好ましい。導電性粒子としては、Ni、Cuなどの金属粒子酸化スズ酸化亜鉛などの金属酸化物粒子カーボンブラックカーボンファイバーなどの炭素材料などが挙げられる。また、導電層は、各種イオン導電剤などの導電性物質を含んでもよい。

0031

[絶縁ドメイン]
前述のように現像ローラの外表面に一辺が200μmの正方形領域を置いたときに、その正方形領域内の複数の絶縁ドメインのうち少なくとも2個の絶縁ドメインは前述の条件1を満たす。条件1に規定されるように、これら少なくとも2個の絶縁ドメインの大きさは、円相当径で10μm以上、80μm以下である。これらの絶縁ドメインの大きさが、上述の範囲にあれば、絶縁ドメインの帯電量を大きくし、絶縁ドメインの電位を高くすることができる。その結果、現像ローラのトナー搬送力を大きくすることができる。

0032

また、上記少なくとも2個の絶縁ドメインは、壁面間距離が10μm以上、100μm以下である。これらの絶縁ドメインの壁面間距離が上記の範囲である場合、これらの絶縁ドメインによる電界が互いに影響し、電界の傾きが急峻となるため、グラディエント力が増大し、トナーを吸着搬送する能力が大きくなる。

0033

さらに、前述の正方形領域内の絶縁ドメインの面積の総和が、その正方形領域の面積に対して、5%以上、50%以下の範囲であることが好ましい。絶縁ドメインの面積の総和の割合が上記範囲の場合、トナーを吸着搬送するのに十分な電荷の量を絶縁ドメインに持たせることが容易となる。

0034

絶縁ドメインの体積抵抗率は、使用する樹脂粒子の体積抵抗として1013Ω・cm以上、1018Ω・cm以下が好ましい。体積抵抗率が上記の範囲の場合、トナーを搬送するのに十分な電荷を帯電ローラが保持することが容易である。

0035

[樹脂粒子]
樹脂粒子の材質としては、電気絶縁性のものが好ましく、その体積抵抗率は1013Ω・cm以上、1018Ω・cm以下が好ましい。具体的には、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂ポリメタクリル酸ブチル樹脂ポリアクリル酸樹脂、などのアクリル樹脂ポリスチレン樹脂シリコーン樹脂ポリブタジエン樹脂フェノール樹脂ナイロン樹脂フッ素樹脂エポキシ樹脂ポリエステル樹脂ウレタン樹脂などが挙げられ、アクリル樹脂またはポリスチレン樹脂が好ましく用いられる。樹脂粒子は、1種単独で用いることも、複数種を用いることも可能である。

0036

[バインダー樹脂]
導電層に含まれるバインダー樹脂としては、現像ローラの実使用温度範囲ゴム弾性を当該導電層に付与できるものを適宜用いることができる。具体的には、アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイドアリルグリシジルエーテル元共重合体(GECO)などのエピクロルヒドリンを含有するゴム天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエン元共重合体ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴムACM、ANM)等の原料ゴム架橋剤を配合した熱硬化性ゴム材料や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーポリスチレン系熱可塑性エラストマーポリエステル系熱可塑性エラストマーポリウレタン系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマーポリ塩化ビニル熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。バインダー樹脂は、これらの1種または2以上の組合せを用いることができる。
現像ローラとしての加工性抵抗調整等の観点から、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、および、エピクロルヒドリンを含有するゴム、が好ましく用いられる。

0037

混練方法
現像ローラを製造するために、まず導電層の原材料となるバインダー樹脂、導電性粒子、その他添加剤、及び樹脂粒子を混練することができる。その混練方法としては、バンバリーミキサーインターミックス、加圧式ニーダー等の密閉型混練機を使用する方法や、オープンロール等の開放型混練機を使用する方法を用いることができる。

0038

なお、外表面に、円相当径が10〜80μmの範囲内にある複数個の絶縁性ドメインを、壁面間距離が10〜100μmの範囲に位置させるためには、導電層形成用未加硫ゴム組成物中の樹脂粒子の平均粒子径、及び該未加硫ゴム組成物中の該樹脂粒子の含有量(体積%)を調整することが有効である。具体的には、例えば、樹脂粒子の粒径としては、体積平均粒径として、10μm以上、80μm以下が好ましい。また、該未加硫ゴム組成物中の該樹脂粒子の含有量としては、2体積%以上、40体積%以下が好ましい。

0039

成形方法
混練して得られた混練物を導電性基体の上に成形することができる。その方法としては、押出成形射出成形圧縮成形等の成形方法を使用することができる。導電層となる混練物を導電性基体と一体に押出すクロスヘッド押出成形が、作業の効率化等を考慮すると好ましい。その後、バインダー樹脂の架橋が必要な場合には、型架橋、加硫缶架橋、連続架橋、遠・近赤外線架橋、誘導加熱架橋等の架橋工程を経ることが好ましい。

0040

[樹脂粒子の露出方法]
成形後、研磨をおこなうことで成形後の導電層から樹脂粒子を露出させることができる。例えば、平面部付き球状樹脂粒子を、その平面部の少なくとも一部が現像ローラの外表面に露出するように保持した導電層を得ることができる。研磨方法としては、トラバース研磨方式やプランジ研磨方式を採用することができる。トラバース研磨方式は短い砥石ローラ表面に移動させて研磨する方法であり、それに対して、プランジ研磨方式は、導電層の長さよりも広い幅の砥石を用い、砥石の半径方向に砥石を送って研磨を行う方法である。作業時間の短縮化から、プランジ研磨方式が好ましい。

0041

表面処理
前記正方形領域内の少なくとも2個の絶縁ドメインが前記条件1を満たす場合であっても、前記電位マップにおいて条件1を満たす2個の絶縁ドメインの各々の存在が確認できないことがある。このように、電位マップにおいて絶縁ドメインと導電マトリックスの境界が不明瞭で、絶縁ドメイン同士が判別できない現像ローラでは、個々の絶縁ドメインにグラディエント力を生じさせることが困難である。
条件1を満たす絶縁ドメインが、電位マップ上で区別して判別できないのは、現像ローラ表面を帯電させた場合に、絶縁ドメインと導電マトリックスとの間で十分な電位差を生じさせることができないことによる。
そして、現像ローラの外表面を、表面処理することで、条件1を満たす2個の絶縁ドメインと、それらの間に存在する導電マトリックスとの間で十分な電位差を生じさせることができるようになり、その結果として、電位マップ上でも、2つの近接した絶縁ドメインを区別し得るようになる。

0042

表面処理としては、例えば、紫外線照射ドライアイスブラストが挙げられる。紫外線照射の場合、照射強度は、254nmセンサーにおける感度で1,000mJ/cm2以上、15,000mJ/cm2以下の範囲が好ましい。紫外線照射の照射強度を、上記範囲に設定することで隣り合う絶縁ドメインを判別可能にすることができる。

0043

[絶縁ドメインおよび導電マトリックスの確認]
現像ローラの外表面に、一辺が200μmの正方形領域を、その一辺が現像ローラの長手方向に沿うように置いたと仮定したときに、当該正方形領域内に、絶縁ドメインおよび導電マトリックスが存在すること、及び複数個の絶縁ドメインが、条件1を充足するか否かは、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などを用いて確認することができる。

0044

絶縁ドメインを構成する電気絶縁性部の電気絶縁性や導電マトリックスを構成する導電層の導電性は、体積抵抗率によって評価することができ、また、電位減衰時定数によっても評価することができる。電位減衰時定数とは、残留電位初期値の1/eまで減衰するのにかかる時間であり、帯電した電位の保持のしやすさの指標となる。ここで、eは自然対数の底である。電気絶縁性部(絶縁ドメイン)の電位減衰時定数が1.0min以上であると、電気絶縁性部の帯電が速やかに行われ、且つ、帯電による電位を保持しやすいため好ましい。また、導電層(導電マトリックス)の電位減衰時定数が1.0×10−1min以下であると、導電層の帯電が抑制され、帯電した電気絶縁性部との間に電位差を生じさせやすく、グラディエント力を発現させやすいため好ましい。なお、電位減衰時定数の測定において、測定開始の時点で残留電位が略0Vとなっていた場合、すなわち、測定開始の時点で電位が減衰しきっていた場合には、その測定点の時定数は1.0×10−1min未満であったとみなすことができる。

0045

[電位マップの測定]
前記電位マップを作成するには、まず測定する現像ローラ外表面のうちの少なくとも、前記正方形領域を置いた領域をコロナ帯電器によって帯電させる。具体的には、現像ローラの当該領域がコロナ帯電器の放電ワイヤと対向し、かつ、放電ワイヤの長手方向と、現像ローラの長手方向とが直交するように、かつ、現像ローラの表面から2mm離れた位置に放電ワイヤを配置する。そして、温度23℃、相対湿度50%の環境において、現像ローラを、その長手方向に速度20mm/sで移動させつつ、現像ローラの基体と放電ワイヤとの間に−5kVの直流電圧を印加して現像ローラの外表面の当該領域を帯電させる。

0046

その後、現像ローラ外表面の当該領域を、当該領域の一辺と平行な50本の直線と、これらの直線に直交する50本の直線とで等分したときの、これらの直線の各交点で電位を測定する。電位の測定には、例えば、電気力顕微鏡(商品名:MODEL 110TN、トレック・ジャパン社製)を用いることができる。測定した電位から電位マップを作成する。

0047

[電位減衰時定数の測定]
電位減衰時定数τは、現像ローラの外表面をコロナ帯電器によって帯電させ、その外表面に存在する電気絶縁性部(絶縁ドメイン)上または導電層(導電マトリックス)上の残留電位の時間推移を測定する。そして、測定値を下記式(1)にフィッティングすることで求めることができる。このとき、電気力顕微鏡(商品名:MODEL 1100TN、トレック・ジャパン株式会社製)を用いることができる。
V0=V(t)×exp(−t/τ)…(1)
t:測定箇所がコロナ帯電器直下を通過してからの経過時間(秒)
V0:初期電位(t=0秒のときの電位)(V)
V(t):測定箇所がコロナ帯電器を通過してからt秒後の残留電位(V)
τ:電位減衰時定数(秒)。

0048

[電子写真画像形成装置および電子写真プロセスカートリッジ]
電子写真画像形成装置は、静電潜像を形成、担持するための静電潜像担持体としての感光体と、感光体を帯電するための帯電装置と、帯電された感光体に静電潜像を形成するための露光装置とを有することができる。さらに電子写真画像形成装置は、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成するための、現像ローラを含む現像装置と、トナー画像を転写材転写するための転写装置とを有することができる。

0049

図5に、本発明の一態様に係る電子写真画像形成装置の一例の概略を示す。また、図6には、図5の電子写真画像形成装置に装着される電子写真プロセスカートリッジの概略を示す。この電子写真プロセスカートリッジは、感光体21と、帯電部材22を具備する帯電装置、現像ローラ24を具備する現像装置、クリーニング部材23を具備するクリーニング装置とを内蔵している。そして、電子写真プロセスカートリッジは、図5の電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。

0050

感光体21は、不図示のバイアス電源に接続された帯電部材22によって一様に帯電(一次帯電)される。このときの感光体の帯電電位は例えば−800V以上−400V以下である。次に、感光体は、静電潜像を書き込むための露光光29を、不図示の露光装置により照射し、その表面に静電潜像が形成される。露光光には、LED光レーザー光のいずれも使用することができる。露光された部分の感光体の表面電位は例えば−200V以上−100V以下である。

0051

次に、現像ローラ24によって負極性に帯電したトナーが静電潜像に付与(現像)され、感光体上にトナー画像が形成され、静電潜像が可視像に変換される。このとき、現像ローラには不図示のバイアス電源によって例えば−500V以上−300V以下の電圧が印加される。なお、現像ローラは、感光体と例えば0.5mm以上、3mm以下のニップ幅をもって接触している。トナー規制部材25と現像ローラ24との当接部に対して現像ローラの回転の上流側に、トナー供給ローラ20が回転可能な状態で現像部材に当接される。

0052

感光体上で現像されたトナー画像は、中間転写ベルト26に1次転写される。中間転写ベルトの裏面には1次転写部材27が当接しており、1次転写部材に例えば+100V以上+1500V以下の電圧を印加することで、負極性のトナー画像を像担持体から中間転写ベルトに1次転写する。1次転写部材はローラ形状であってもブレード形状であってもよい。

0053

電子写真画像形成装置がフルカラー画像形成装置である場合、典型的には、上記の帯電、露光、現像、1次転写の各工程を、イエロー色シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各色に対して行う。そのために、図7に示す電子写真画像形成装置では、前記各色のトナーを内蔵した電子写真プロセスカートリッジが各1個、合計4個、電子写真画像形成装置本体に対し着脱可能な状態で装着されている。そして、上記の帯電、露光、現像、1次転写の各工程は、所定の時間差をもって順次実行され、中間転写ベルト上に、フルカラー画像を表現するための4色のトナー画像を重ね合わせた状態が作り出される。

0054

中間転写ベルト26上のトナー画像は、中間転写ベルトの回転に伴って、2次転写部材28と対向する位置に搬送される。中間転写ベルトと2次転写部材との間には所定のタイミングで記録用紙搬送ルート31に沿って記録用紙が搬送されてきており、2次転写部材に2次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト上のトナー像を記録用紙に転写する。このとき、2次転写部材に印加されるバイアス電圧は、例えば+1000V以上、+4000V以下である。2次転写部材によってトナー像が転写された記録用紙は、定着装置30に搬送され、記録用紙上のトナー画像を溶融させて記録用紙上に定着させた後、記録用紙を電子写真画像形成装置の外に排出することで、プリント動作が終了する。

0055

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0056

(実施例1)
[導電層用の未加硫ゴム組成物の調製]
下記表1に示す材料を、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6−15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70vol%、ブレード回転数30rpmで16分間混合してA練りゴム組成物を得た。

0057

0058

次いで、下記表2に示す材料を、ロール径12インチのオープンロールにて、前ロール回転数10rpm、後ロール回転数8rpm、ロール間隙2mmで、左右の切り返しを合計20回実施した。その後、ロール間隙を0.5mmとして薄通し10回を行い、導電層用の未加硫ゴム組成物を得た。

0059

なお、得られた未加硫ゴム組成物中の樹脂粒子No.1の体積基準での含有量は、8.4体積%であった。

0060

0061

[現像ローラの作製]
直径6mm、長さ252mmの円柱形導電性芯金鋼製、表面はニッケルメッキ)を用意した。その円柱面の軸方向の中央部226mmに、導電性加硫接着剤(商品名:メタロックU−20、東洋化学研究所製)を塗布し、80℃で30分間乾燥した。本実施例においては、前記接着剤を塗布した円柱形の導電性芯金を導電性基体として使用した。

0062

次に、前記未加硫ゴム組成物を、クロスヘッドを用いた押出成形によって、導電性基体を中心として同軸状に円筒形に同時に押出し、導電性基体の外周に未加硫ゴム組成物がコーティングされた直径7.8mmの未加硫ゴムローラを作製した。押出機は、シリンダー径45mm(Φ45)、L/D=20の押出機を使用し、押出時の温度はヘッド90℃、シリンダー90℃、スクリュー90℃とした。成形した未加硫ゴムローラの両端を切断し、未加硫ゴム組成物部分の軸方向幅を228mmとした後、電気炉にて160℃で40分の加熱処理を行い、加硫ゴムローラを得た。

0063

この加硫ゴムローラをプランジ研磨機で研磨して、端部直径7.35mm、中央部直径7.50mmのクラウン形状の導電層(弾性層)を有する研磨ゴムローラを得た。このとき、プランジ研磨機(商品名:ゴムロール専用CNC研磨盤LEO−600F−F4L−BME、水口製作所(株)製)を用いた。また、砥石(商品名:研磨砥石GC−60−B−VRG−PM、(株)ノリタケカンパニーリミテド製)を用いて、砥石回転速度2800rpm、ローラ回転速度333rpm、未加硫ゴムローラの直径に対する研磨速度30mm/分の条件とした。

0064

この研磨ゴムローラの紫外線による表面処理を行った。具体的には低圧水銀ランプ(商品名:GLQ500US/11、ハリソンライティング社製)を用いて、研磨ゴムローラを回転させながらその外表面に均一に紫外線を照射し、現像ローラを得た。紫外線の光量は、254nmのセンサーにおける感度で4,000mJ/cm2とした。

0065

光学顕微鏡観察、円相当径および壁面間距離測定]
絶縁性ドメインは、導電層表面(導電マトリックス)との表面形態の違いから、光学顕微鏡で判別可能である。ここでは、光学顕微鏡(商品名:DIGITALMICROSCOPE VHX−5000、株式会社キーエンス社製)を用いて、300倍の倍率で、作製した現像ローラの外表面を観察した。この観察により、複数個の絶縁ドメインと、導電層の外表面の一部で構成される導電マトリックスとを確認した。また、この観察の際に、現像ローラ外表面に一辺が200μmの正方形領域を、正方形領域の1辺が現像ローラの長手方向に沿うように置いたとき、正方形領域内に条件1を満たす、2個の絶縁ドメインが存在することを確認した。これら2個(第1、第2)の絶縁ドメインの円相当径と、これら2個の絶縁ドメインの間の壁面間距離を求めた。

0066

また、前記、一辺が200μmの正方形領域にある絶縁ドメインの面積の総和を正方形領域の面積で割ることで、正方形領域面積に対する絶縁ドメインの面積比率を算出した。現像ローラ外表面の長手方向3点×周方向3点の計9点の正方形領域で観察を行い、その9点の平均値を本発明に係る正方形領域面積に対する絶縁ドメインの面積比率とした。測定結果を表3に示す。

0067

[導電層の体積抵抗率測定]
作製した現像ローラから導電層を含むサンプルを切りだし、ミクロトーム平面サイズ50μm四方、厚みTが100nmの薄片サンプルを作製した。次に、この薄片サンプルを金属平板上に設置し、上方から、押しつけ面の面積Sが100μm2の金属端子で薄片サンプルの導電層に押し当てる。この状態で、金属端子と金属平板間にKEITHLEY社の「エレクトロメーター6517B」(商品名)により1Vの電圧を印加することにより抵抗Rが求められる。この抵抗Rから、体積抵抗率pv(Ω・cm)を下記式で算出した。
pv=R×S/T
同様の操作を3サンプルについて行い、体積抵抗率pvの3点相加平均値を求めた。このとき、得られた体積抵抗率は4×105Ω・cmであった。

0068

[樹脂粒子の体積抵抗率測定]
作製した現像ローラから樹脂粒子を含むサンプルを切りだし、ミクロトームで平面サイズ50μm四方、厚みTが100nmの薄片サンプルを作製した。導電層の体積抵抗率測定と同様にして、樹脂粒子の体積抵抗率(3点相加平均値)を求めた。このとき、得られた体積抵抗率は4×1015Ω・cmであった。

0069

[電位減衰時定数の測定]
電位減衰時定数は、現像ローラの外表面をコロナ帯電器によって帯電させ、その外表面に存在する電気絶縁性部(絶縁ドメイン)上、及び導電層(導電マトリックス)上の残留電位の時間推移を電気力顕微鏡によって測定した。このとき、電気力顕微鏡(商品名:MODEL 1100TN、トレック・ジャパン株式会社製)を用いた。測定値を前記式(1)にフィッティングすることで、電位減衰時定数を求めた。

0070

具体的には、まず、作製した現像ローラを、室温23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した。続いて同環境内において、現像ローラを前記電気力顕微鏡に組み込んだ高精度XYステージ上に設置した。コロナ帯電器は、放電ワイヤとグリッド電極間の距離が8mmのものを用いた。現像ローラを、その長手方向と、放電ワイヤの長手方向とが直交するように、かつ、コロナ帯電器のグリッド電極と現像ローラ外表面との距離が2mmとなるように配置した。次いで、現像ローラを接地し、放電ワイヤに−5kV、グリッド電極に−0.5kVの電圧を、外部電源を用いて印加した。印加開始後に、高精度XYステージを用い、現像ローラを、その長手方向に速度20mm/sで移動させて、現像ローラを、コロナ帯電器直下を通過させて、現像ローラの外表面を帯電させた。

0071

続いて、高精度XYステージを用い、測定点を電気力顕微鏡のカンチレバー直下へ移動させ、残留電位の時間推移を測定した。測定には電気力顕微鏡を用いた。測定条件を以下に示す。
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
測定箇所がコロナ帯電器直下を通過してから測定を開始するまでの時間:15sec
カンチレバー:商品名「Model 1100TN用カンチレバー」(型番;Model 1100TNC−N、トレック・ジャパン株式会社製)
測定面とカンチレバー先端とのギャップ:10μm
測定周波数:6.25Hz
測定時間:1000sec。

0072

絶縁ドメイン及び導電マトリックスのそれぞれについて、現像ローラ外表面の長手方向3点×周方向3点の計9点において、電位減衰時定数τの測定を行い、その9点の平均値を本発明に係る絶縁ドメインまたは導電マトリックスの電位減衰時定数とした。なお、導電マトリックスの測定において、測定開始の時点、すなわち、コロナ帯電してから15sec後の時点で残留電位が略0Vとなっていた点を含む場合、その時定数は、残りの測定点の時定数により平均を算出した。また、全ての測定点の測定開始時の電位が略0Vであった場合、その時定数は6.0sec未満、とした(したがって下記のβ評価とした)。以下の基準で判定を行った。
α評価:電位減衰時定数 60.0sec以上。
β評価:電位減衰時定数 6.0sec以下。

0073

[条件1を満たす絶縁ドメインの電位マップ上での確認]
現像ローラ外表面の、前記光学顕微鏡観察を行った、一辺が200μmの正方形領域を、前記した方法にて帯電させて、電位マップを作成した。電位マップは、0.2V単位で階調表示を行い、光学顕微鏡観察によって観察された当該領域内に存在する、条件1を満たす2個の絶縁ドメインが、電位マップ上においても分離して確認できるか否を観察し、以下の基準で判定した。結果を表3に示す。
ランクA:条件1を満たす2個の絶縁ドメインが分離して確認できる。
ランクB:条件1を満たす2個の絶縁ドメインを分離して確認できない。

0074

[画像のガサツキ評価、トナー搬送量評価]
まず、電子写真画像形成装置(商品名:Color Laser Jet Pro M452dw、HP社製)のマゼンタ用のプロセスカートリッジからトナー供給ローラを取り外した。これにより、現像ローラへのトナー供給量が減少する。次に、このプロセスカートリッジの現像ローラとして、作製した現像ローラを装着し、温度30℃、相対湿度80%環境下で24時間放置した。次に同環境下でA4用紙28枚/分の速度でベタ画像を10枚連続で出力し、10枚目の画像により画像のガサツキを評価した。画像のガサツキは以下の基準で評価を行った。結果を表3に示す。
ランクA:画像に全くガサツキを感じなく、なめらかな画像である。
ランクB:画像にガサツキをあまり感じない。
ランクC:画像にややガサツキ感がある。
ランクD:画像にガサツキ感がある。

0075

続いて、ベタ画像を1枚出力中に出力動作を停止し、現像ローラを取り外し、現像ローラ上に付着している現像剤量を計測した。その際、計測した領域は、出力動作停止時に感光体に当接していた箇所とトナー規制部材に当接していた箇所との間の領域とした。計測方法は、直径Φ5mmの開口を有する吸引用ノズルを用いてトナーを吸引し、吸引したトナー質量と吸引した領域の面積を測定して、トナー搬送量(mg/cm2)を求め、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
ランクA:1.20mg/cm2以上。
ランクB:0.80mg/cm2以上1.20mg/cm2未満。
ランクC:0.40mg/cm2以上0.80mg/cm2未満。
ランクD:0.40mg/cm2未満。

0076

(実施例2〜6)
樹脂粒子の種類、及び添加量の少なくとも一方を表3に記載したように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製し、評価した。
なお、表3に示した樹脂粒子No.2〜6の詳細を表4に示す。

0077

(実施例7〜10)
表面処理としての紫外線処理の光量を表3に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製し、評価した。

0078

(比較例1)
表面処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製し、評価した。

0079

(比較例2〜3)
樹脂粒子の種類及び添加量を表3に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製し、評価した。

0080

(比較例4〜5)
表面処理としての紫外線処理の光量を表3に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラを作製し、評価した。

0081

以上の結果を表3にまとめた。なお、実施例2〜10及び比較例1〜5においても、実施例1と同様に、光学顕微鏡によって、現像ローラ外表面に複数個の絶縁ドメインと導電マトリックスとが確認され、前記正方形領域内に条件1を満たす2個の絶縁ドメインが含まれることを確認した。

0082

0083

0084

表3に示したように、本発明に係る実施例の現像ローラは、高いトナー搬送力を有することがわかった。

0085

比較例1では、表面処理を行わなかったため、電位マップにおいて、絶縁ドメインと導電マトリックスの境界が不明瞭になり、絶縁ドメイン同士が判別できなくなり、トナー搬送力が低下したものと考えられる。

0086

比較例2では、現像ローラの外表面に露出している平面部付き球状樹脂粒子の平面部で構成されている、絶縁ドメインの円相当径が10μm未満となり、トナー搬送力が低い。これは、絶縁ドメインのサイズが小さ過ぎるため、絶縁ドメインの帯電量が不足するためと考えられる。

0087

比較例3では、絶縁ドメインの円相当径が80μmを超え、画像にガサツキが発生した。これは、絶縁ドメインが円相当径80μmより大きいため、絶縁ドメイン由来の画像不良が画像上認識できるためと説明できる。

0088

比較例4では、紫外線処理の光量を500mJ/cm2にしたため、表面処理強度が低く、電位マップにおいて、絶縁ドメインと導電マトリックスの境界が不明瞭になり、絶縁ドメイン同士が判別できず、トナー搬送力が低下したものと考えられる。

実施例

0089

また、比較例5では、紫外線処理の光量を16,000mJ/cm2にしたため、紫外線照射により絶縁ドメインが強く親水化して低抵抗化し、絶縁ドメインとして判別できなくなり、トナー搬送力が低下したと考えられる。

0090

1:導電性の基体
2:導電層
3:球状樹脂粒子
4:平面部を有する樹脂粒子
5:電位マップ上の絶縁ドメイン

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