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技術 積層体

出願人 日東電工株式会社
発明者 山形真人木村真規子沖田奈津子
出願日 2018年8月27日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-158763
公開日 2020年3月5日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-034623
状態 未査定
技術分野 接着テープ 偏光要素 積層体(2)
主要キーワード 微粘着フィルム 形状大きさ 押込み速度 製品領域外 自己粘着性フィルム キャリア基材 縦弾性率 機能性付与層
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図面 (20)

課題

粘着剤露出がなく、表面保護フィルムが仮着光学フィルムに仮着された状態で離型フィルム剥離作業を容易に行い得る積層体を提供する。

解決手段

積層体(101)は、光学フィルム(11)に粘着剤層(12)が固着積層された粘着光学フィルム(10)と、粘着剤層(12)の表面に仮着された離型フィルム(70)と、光学フィルム(11)に仮着された表面保護フィルム(50)を備える。離型フィルム(70)および表面保護フィルム(50)は、粘着光学フィルム(10)の外周縁よりも外側に張り出している領域が存在し、表面保護フィルム(50)の粘着剤層(52)と離型フィルム(70)とが接している。粘着光学フィルム(10)および表面保護フィルム(50)は、それぞれアクリル板に対する接着力所定範囲であり、離型フィルム(70)および表面保護フィルム(50)は、それぞれ3点曲げ荷重が所定範囲である。

概要

背景

ディスプレイ等の光学デバイスは、偏光板位相差フィルム反射防止フィルムハードコートフィルム等の光学フィルムを備える。これらの光学フィルムは、一方の面に粘着剤層を積層した粘着光学フィルムとして、画像表示セル等に貼り合わせられる。粘着光学フィルムは、画像表示セル等の被着体に貼り合わせるまでの間、粘着剤層の表面に離型フィルムが仮着されている。また、光学フルムの表面には、光学フィルムの傷付き防止等を目的として、表面保護フィルムが仮着されている。粘着光学フィルムを被着体に貼り合わせる際には、粘着剤層の表面から離型フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を、画像表示セル等の被着体に貼り合わせる。その後、光学フィルムから表面保護フィルムを剥離除去する。

粘着光学フィルムは、一般に、画像表示装置画面サイズ等にあわせた形状、大きさの枚葉に切断される。粘着光学フィルムに離型フィルムおよび表面保護フィルムを仮着した積層体を、トムソン刃等を用いて打ち抜くと、表面保護フィルム、粘着光学フィルムおよび離型フィルムは、同一の形状大きさ切り出され、それぞれの端面が揃った状態となる。粘着光学フィルムの端面と表面保護フィルムおよび離型フィルムの端面が揃っていると、端面に粘着剤層が露出しているため、糊汚れ欠けの原因となる場合がある。また、端面からの粘着剤のはみ出しに起因して、積層体のブロッキングが生じたり、離型フィルムや表面保護フィルムの剥離作業が困難となる場合がある。

特許文献1では、粘着光学フィルムよりもサイズの大きい離型フィルムおよび表面保護フィルムを粘着光学フィルムに貼り合わせることにより、離型フィルムおよび表面保護フィルムが粘着光学フィルムの外周縁の外側に張り出して設けられた積層体が開示されている。離型フィルムおよび表面保護フィルムの端面が、粘着光学フィルムの端面よりも外側に位置することにより、端面からの粘着剤のはみ出しに起因する問題を解決できる。

概要

粘着剤の露出がなく、表面保護フィルムが仮着光学フィルムに仮着された状態で離型フィルムの剥離作業を容易に行い得る積層体を提供する。積層体(101)は、光学フィルム(11)に粘着剤層(12)が固着積層された粘着光学フィルム(10)と、粘着剤層(12)の表面に仮着された離型フィルム(70)と、光学フィルム(11)に仮着された表面保護フィルム(50)を備える。離型フィルム(70)および表面保護フィルム(50)は、粘着光学フィルム(10)の外周縁よりも外側に張り出している領域が存在し、表面保護フィルム(50)の粘着剤層(52)と離型フィルム(70)とが接している。粘着光学フィルム(10)および表面保護フィルム(50)は、それぞれアクリル板に対する接着力所定範囲であり、離型フィルム(70)および表面保護フィルム(50)は、それぞれ3点曲げ荷重が所定範囲である。

目的

本発明は、粘着光学フィルムに表面保護フィルムが仮着された状態で離型フィルムの剥離作業を容易に行い得る積層体の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光学フィルムの第一主面に第一粘着剤層が固着積層された粘着光学フィルム;前記第一粘着剤層の表面に仮着された離型フィルム;および前記光学フィルムの第二主面に仮着された表面保護フィルム、を備える積層体であって、前記表面保護フィルムは、フィルム基材と、前記フィルム基材に固着積層された第二粘着剤層を備え、前記第二粘着剤層が、前記光学フィルムの第二主面に仮着されており、前記離型フィルムおよび前記表面保護フィルムは、前記粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在し、前記離型フィルムおよび前記表面保護フィルムが前記粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域において、前記表面保護フィルムの第二粘着剤層と前記離型フィルムとが接しており、前記粘着光学フィルムは、前記第一粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力が3N/25mm以上であり、前記表面保護フィルムは、前記第二粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力が1N/25mm以下であり、前記離型フィルムの3点曲げ荷重が1g以下であり、前記表面保護フィルムの3点曲げ荷重が1.2g以上である、積層体。

請求項2

前記表面保護フィルムの3点曲げ荷重が、前記離型フィルムの3点曲げ荷重の3倍以上である、請求項1に記載の積層体。

請求項3

前記粘着光学フィルムの前記第一粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力が、前記表面保護フィルムの前記第二粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力の20倍以上である、請求項1または2に記載の積層体。

請求項4

前記粘着光学フィルムの外周の全体にわたって、前記離型フィルムおよび前記表面保護フィルムが、前記粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。

請求項5

前記離型フィルムが、前記表面保護フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。

請求項6

前記表面保護フィルムが、前記粘着光学フィルムの外周縁よりも5mm以上外側に張り出している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。

請求項7

前記表面保護フィルムは、フィルム基材の厚みが60μm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。

技術分野

0001

本発明は、粘着光学フィルムの表面に仮着された離型フィルムおよび表面保護フィルムを備える積層体に関する。

背景技術

0002

ディスプレイ等の光学デバイスは、偏光板位相差フィルム反射防止フィルムハードコートフィルム等の光学フィルムを備える。これらの光学フィルムは、一方の面に粘着剤層を積層した粘着光学フィルムとして、画像表示セル等に貼り合わせられる。粘着光学フィルムは、画像表示セル等の被着体に貼り合わせるまでの間、粘着剤層の表面に離型フィルムが仮着されている。また、光学フルムの表面には、光学フィルムの傷付き防止等を目的として、表面保護フィルムが仮着されている。粘着光学フィルムを被着体に貼り合わせる際には、粘着剤層の表面から離型フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を、画像表示セル等の被着体に貼り合わせる。その後、光学フィルムから表面保護フィルムを剥離除去する。

0003

粘着光学フィルムは、一般に、画像表示装置画面サイズ等にあわせた形状、大きさの枚葉に切断される。粘着光学フィルムに離型フィルムおよび表面保護フィルムを仮着した積層体を、トムソン刃等を用いて打ち抜くと、表面保護フィルム、粘着光学フィルムおよび離型フィルムは、同一の形状大きさ切り出され、それぞれの端面が揃った状態となる。粘着光学フィルムの端面と表面保護フィルムおよび離型フィルムの端面が揃っていると、端面に粘着剤層が露出しているため、糊汚れ欠けの原因となる場合がある。また、端面からの粘着剤のはみ出しに起因して、積層体のブロッキングが生じたり、離型フィルムや表面保護フィルムの剥離作業が困難となる場合がある。

0004

特許文献1では、粘着光学フィルムよりもサイズの大きい離型フィルムおよび表面保護フィルムを粘着光学フィルムに貼り合わせることにより、離型フィルムおよび表面保護フィルムが粘着光学フィルムの外周縁の外側に張り出して設けられた積層体が開示されている。離型フィルムおよび表面保護フィルムの端面が、粘着光学フィルムの端面よりも外側に位置することにより、端面からの粘着剤のはみ出しに起因する問題を解決できる。

先行技術

0005

特開2002−303730号公報

発明が解決しようとする課題

0006

粘着光学フィルムに貼り合わせられる表面保護フィルムは、フィルム基材の表面に固着積層された粘着剤層を備え、この粘着剤層を介して光学フィルムと貼り合わせられている。表面保護フィルムが粘着光学フィルムの外側に張り出して設けられていると、表面保護フィルムの粘着剤層が露出した状態となる。表面保護フィルムの粘着剤層が露出していると、粘着剤層への付着沈降異物等による汚染が生じたり、粘着剤層が他の部材や搬送装置等に付着することによる糊汚れや表面保護フィルムの剥離等の問題が生じる場合がある。そのため、特許文献1では、表面保護フィルムの張り出し量を5mm以下に設定している。

0007

表面保護フィルムの張り出し量が小さい場合でも、表面保護フィルムの粘着剤層の露出に起因する汚染や剥離の問題を完全に解消することは困難である。一方、特許文献1の開示とは逆に、表面保護フィルムおよび離型フィルムの張り出し量を意図的に大きくすれば、粘着光学フィルムの外周縁から張り出した領域において、表面保護フィルムの粘着剤層が離型フィルムと密着するため、粘着剤層の露出を防止できる。

0008

しかし、表面保護フィルムの粘着剤層が離型フィルムと密着していると、粘着光学フィルムから離型フィルムを剥離する際に、離型フィルムを選択的に剥離することが困難となる場合がある。具体的には、粘着光学フィルムの粘着剤層と離型フィルムとの界面での剥離が困難となったり、表面保護フィルムと光学フィルムとの界面で剥離が生じる場合があり、光学フィルムの被着体への貼り合わせの作業効率が低下する傾向がある。

0009

上記に鑑み、本発明は、粘着光学フィルムに表面保護フィルムが仮着された状態で離型フィルムの剥離作業を容易に行い得る積層体の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らが検討の結果、粘着光学フィルムの粘着剤層の接着力、表面保護フィルムの粘着剤層の接着力、表面保護フィルムの機械特性、および離型フィルムの機械特性を、それぞれ所定範囲とすることにより、上記課題を解決できることを見出した。

0011

本発明の積層体は、光学フィルムに第一粘着剤層が固着積層された粘着光学フィルムと、第一粘着剤層の表面に仮着された離型フィルムと、光学フィルムに仮着された表面保護フィルムを備える。表面保護フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材に固着積層された第二粘着剤層を備え、表面保護フィルムの第二粘着剤層が、光学フィルムの第二主面に仮着されている。離型フィルムおよび表面保護フィルムは、粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在し、表面保護フィルムの粘着剤層と離型フィルムとが接している。

0012

積層体は、粘着光学フィルムの外周の全体にわたって、離型フィルムおよび表面保護フィルムが、粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出していることが好ましい。表面保護フィルムは、粘着光学フィルムの外周縁よりも5mm以上外側に張り出していることが好ましい。離型フィルムが、表面保護フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在してもよい。

0013

粘着光学フィルムは、第一粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力が3N/25mm以上である。表面保護フィルムは、第二粘着剤層のアクリル板に対する引張速度0.3m/分の180°剥離力が1N/25mm以下である。粘着光学フィルムの第一粘着剤層のアクリル板に対する接着力は、表面保護フィルムの第二粘着剤層のアクリル板に対する接着力の20倍以上が好ましい。

0014

離型フィルムの3点曲げ荷重は1g以下である。表面保護フィルムの3点曲げ荷重は1.2g以上である。表面保護フィルムの3点曲げ荷重は、離型フィルムの3点曲げ荷重の3倍以上が好ましい。表面保護フィルムのフィルム基材の厚みは60μm以上が好ましい。

発明の効果

0015

本発明の積層体では、離型フィルムおよび表面保護フィルムが、粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出して設けられているため、粘着光学フィルムの端面での粘着剤のはみ出しに起因する不具合を抑制できる。また、離型フィルムおよび表面保護フィルムが粘着光学フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域において、表面保護フィルムの粘着剤層に離型フィルムが接しているため、粘着剤の露出が抑制される。粘着光学フィルムおよび表面保護フィルムは、それぞれアクリル板に対する接着力が所定範囲であり、離型フィルムおよび表面保護フィルムは、それぞれ3点曲げ荷重が所定範囲であるため、粘着光学フィルムに表面保護フィルムが仮着された状態で離型フィルムの剥離作業を容易に行い得る。

図面の簡単な説明

0016

粘着光学フィルムに表面保護フィルムおよび離型フィルムが仮着された積層体の積層構成例を示す断面図である。
図1の積層体の平面図である。
粘着光学フィルムに表面保護フィルムおよび離型フィルムが仮着された積層体の積層構成例を示す断面図である。
図3の積層体の平面図である。
積層体から離型フィルムを剥離する様子を示す模式断面図である。
積層体から離型フィルムを剥離する様子を示す模式断面図である。
離型フィルムを剥離後の積層体の模式断面図である。
被着体への粘着光学フィルムの貼り合わせ状態を示す模式断面図である。
光学フィルムから表面保護フィルムを剥離する様子を示す模式断面図である。
表面保護フィルムを剥離後の被着体と光学フィルムとの積層体の模式断面図である。
枚葉積層体の製造に用いられる積層体(マザー基板)の断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
切断片を除去後の積層体の断面図である。
表面保護フィルムを貼り合わせた後の積層体の断面図である。
表面保護フィルムに切断線を形成した状態を示す断面図である。
離型フィルムに切断線を形成した状態を示す断面図である。
マザー基板からのカッティングにより得られた枚葉の積層体の断面図である。
表面保護フィルムおよび離型フィルムに切断線を形成した状態を示す断面図である。
マザー基板からのカッティングにより得られた枚葉の積層体の断面図である。
枚葉積層体の製造に用いられる積層体(マザー基板)の断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
離型フィルムおよび切断片を除去後の積層体の断面図である。
離型フィルムを貼り合わせた後の積層体の断面図である。
枚葉積層体の製造に用いられる積層体(マザー基板)の断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
離型フィルムおよび切断片を除去後の積層体の断面図である。
離型フィルムを貼り合わせた後の積層体の断面図である。
離型フィルムに切断線を形成した状態を示す断面図である。
マザー基板からのカッティングにより得られた枚葉の積層体の断面図である。

0017

[積層体の積層構成]
図1は、粘着光学フィルム10に、表面保護フィルム50および離型フィルム70が仮着積層された積層体101の断面図である。粘着光学フィルム10は、光学フィルム11の第一主面に固着積層された第一粘着剤層12を備える。第一粘着剤層12には、離型フィルム70が仮着されている。表面保護フィルム50は、フィルム基材51の表面に固着積層された第二粘着剤層52を備え、第二粘着剤層52が、光学フィルム11の第二主面に貼り合わせられている。

0018

なお、「固着」とは積層された2つの層が強固に接着しており、両者の界面での剥離が不可能または困難な状態である。「仮着」とは、積層された2つの層間の接着力が小さく、両者の界面で容易に剥離できる状態である。

0019

図2は、積層体101を表面保護フィルム50側から見た平面図であり、図2のI−I線における断面図が図1に相当する。表面保護フィルム50のサイズおよび離型フィルム70のサイズは、粘着光学フィルム10のサイズよりも大きい。積層体101では、外周の全体にわたって、粘着光学フィルム10の端面から張り出して表面保護フィルム50および離型フィルム70が設けられている。

0020

表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の端面の外側に張り出している領域では、表面保護フィルム50の粘着剤層52が離型フィルム70と接して貼り合わせられた状態となっている。そのため、粘着光学フィルム10の端面は、表面保護フィルム50と離型フィルム70により覆われており、光学フィルム11の端面からの粘着剤層12のはみ出しに起因する糊欠けや糊汚れを防止できる。

0021

本発明の積層体では、粘着光学フィルム10の外周の少なくとも一部において、表面保護フィルム50および離型フィルム70が、粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出していればよい。光学フィルム11の端面での粘着剤層12の露出を低減するためには、粘着光学フィルム10の外周の1/3以上の領域において、表面保護フィルム50および離型フィルム70が、粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出していることが好ましい。表面保護フィルム50および離型フィルム70が、粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出している領域は、粘着光学フィルム10の外周の1/2以上が好ましく、2/3以上が好ましい。図2に示すように、粘着光学フィルム10の外周の全体において、表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出していることが好ましい。

0022

粘着光学フィルム10の端面からの表面保護フィルム50の張り出し量L1は、5mm以上が好ましく、8mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましい。L1は、15mm以上または20mm以上であってもよい。粘着光学フィルム10の端面からの離型フィルム70の張り出し量L2は、表面保護フィルム50の張り出し量L1以上であることが好ましい。

0023

粘着光学フィルム10の端面からの表面保護フィルム50および離型フィルム70の張り出し量を大きくすることにより、表面保護フィルム50の粘着剤層52と離型フィルム70との接着面積を確保して、離型フィルム70と表面保護フィルムの接着状態を適切に維持できる。離型フィルム70の張り出し量L2が、表面保護フィルム50の張り出し量L1以上であることにより、粘着光学フィルム10からの張り出し領域の全体において、粘着剤層52に離型フィルム70が仮着された状態となるため、粘着剤層52の露出に起因する不具合を抑制できる。

0024

離型フィルム70の張り出し量L2が、表面保護フィルム50の張り出し量L1よりも大きい場合は、離型フィルム70を選択的に摘むことが可能であるため、積層体からの離型フィルム70の剥離作業が容易となる。L2がL1よりも大きい場合、L2−L1は2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましい。L2−L1は7mm以上または10mm以上であってもよい。

0025

表面保護フィルム50の張り出し量L1、および離型フィルム70の張り出し量L2の上限は特に限定されない。作業性や面積効率等を考慮すると、L1およびL2は150mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましく、70mm以下がさらに好ましい。L1およびL2は、50mm以下、40mm以下、30mm以下または20mm以下であってもよい。

0026

離型フィルムの剥離の作業性向上を目的として離型フィルム70の張り出し量L2が表面保護フィルム50の張り出し量L1よりも大きい部分を設ける場合は、剥離時に離型フィルム摘む部分が選択的に粘着剤層の外周縁から張り出すようにしてもよい。例えば、図3の断面図および図4の平面図に示す積層体103のように、離型フィルム70の外周に部分的に張り出し部77を設け、この張り出し部を摘んで離型フィルムを剥離できるようにしてもよい。

0027

[粘着光学フィルムの被着体への貼り合わせ]
図5A〜5Fは、粘着光学フィルム10を被着体30に貼り合わせる様子を示す概念図である。まず、積層体101から離型フィルム70を剥離して、粘着光学フィルム10の粘着剤層12を露出させる(図5A〜5C)。その後、粘着剤層12を介して光学フィルム11を被着体30に貼り合わせる(図5D)。被着体30の例としては、液晶セル有機ELセル等の画像表示セルが挙げられる。被着体30は、画像表示セルの表面に、各種の光学フィルムやカバーウインドウ等が貼り合わせられた画像表示装置等でもよい。粘着光学フィルム10を被着体に貼り合わせた後、光学フィルム11から表面保護フィルム50を剥離除去する(図5E〜5F)。離型フィルム70および表面保護フィルム50は可撓性を有しているため、これらのフィルムを剥離する際には、接着面に対して所定角度引張応力を付与して、フィルムを曲げた状態で剥離が行われる。

0028

離型フィルム70を剥離除去する際には、最初に、粘着光学フィルム10の外周縁からの張り出し領域で、表面保護フィルム50の粘着剤層52と離型フィルム70との界面での剥離が行われ(図5A)、その後に粘着光学フィルム10の粘着剤層12と離型フィルム70との界面での剥離が行われる(図5B)。工業的なプロセスにおいては、表面保護フィルム50からの離型フィルム70の剥離と、粘着光学フィルム10からの離型フィルム70の剥離の両方をスムーズに実施可能であり、積層体から離型フィルム70を選択的に剥離可能であることが要求される。

0029

表面保護フィルム50の粘着剤層52と離型フィルム70との界面での剥離の際には、図5Aに示すように、離型フィルム70を湾曲させながら引張応力を付与することにより剥離が行われる。このとき、離型フィルム70に追従して表面保護フィルム50が湾曲すると、接着界面と離型フィルム70との角度(剥離角度)がつけられないため、適切な剥離力が付与されず、表面保護フィルム50からの離型フィルム70の剥離が困難となる。

0030

離型フィルム70を湾曲させた際に、表面保護フィルム50が追従して湾曲することを抑制するために、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、離型フィルム70の3点曲げ荷重よりも大きいことが好ましい。3点曲げ荷重は、JIS K7171に準じて、支点間距離25mm、押し込み速度0.5mm/分、押し込み量5mmの条件で測定される。

0031

曲げ荷重は、材料の曲がり難さを表す指標であり、曲げ剛性に比例する。曲げ剛性は、縦弾性率ヤング率)Eと断面二次モーメントIとの積、E×Iで表される。フィルムのように断面が長方形状の場合、断面二次モーメントIは、フィルムの厚みdの3乗に比例する。したがって、フィルムの3点曲げ荷重は、フィルムの厚みの3乗に比例する。

0032

離型フィルム70を湾曲させて剥離を容易とする観点から、離型フィルム70の3点曲げ荷重は1g以下が好ましく、0.7g以下がより好ましく、0.5g以下がさらに好ましく、0.4g以下が特に好ましい。一方、曲げ荷重が過度に小さいと、フィルムのハンドリングが困難となる傾向があるため、離型フィルム70の3点曲げ荷重は0.005g以上が好ましく、0.01g以上がより好ましく、0.02g以上がさらに好ましい。

0033

離型フィルム70を湾曲させた際に、表面保護フィルム50が追従して湾曲することを抑制するために、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、1.2g以上が好ましく、1.5g以上がより好ましい。同様の観点から、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、離型フィルム70の3点曲げ荷重の3倍以上が好ましく、6倍以上がより好ましく、8倍以上がさらに好ましく、10倍以上が特に好ましい。

0034

離型フィルム70の剥離を容易とするためには、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重が大きいほど好ましい。一方、表面保護フィルム50の曲げ荷重が過度に大きいと、光学フィルム11の表面からの表面保護フィルムの剥離が困難となる場合がある。そのため、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、60g以下が好ましく、50g以下がより好ましい。表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、1.8g以上または2g以上であってもよい。表面保護フィルム50の3点曲げ荷重は、40g以下、30g以下、20g以下、15g以下、10g以下、7g以下または5g以下であってもよい。

0035

粘着光学フィルム10の粘着剤層12から離型フィルム70を剥離する際には、図5Bに示すように、表面保護フィルム50の粘着剤層52と光学フィルム11との界面での接着状態を維持したまま、粘着剤層12と離型フィルム70との界面で選択的に剥離を行う必要がある。一方、光学フィルム11から表面保護フィルム50を剥離する際には、図5Eに示すように、粘着光学フィルム10の粘着剤層12と被着体30との界面での接着状態を維持したまま、粘着剤層52と光学フィルム11との界面で選択的に剥離を行う必要がある。

0036

粘着剤層12と離型フィルム70との界面での剥離を容易とするために、離型フィルム70は、粘着剤層12との接触面に、離型処理が施されていることが好ましい。離型処理のための離型剤としては、シリコーン系離型剤フッ素系、長鎖アルキル系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤、シリカ粉等が挙げられる。

0037

粘着剤層52と光学フィルム11との界面での剥離を容易とするためには、粘着剤層12の接着力が粘着剤層52の接着力よりも小さいことが好ましい。接着力は、アクリル板に試料を貼り合わせ、引張速度0.3m/分で180°ピール試験を行った際の剥離力により評価できる。以下では、特に断りのない限り、アクリル板に対する引張速度0.3m/分での180°ピール試験での剥離力を「接着力」と記載する。

0038

表面保護フィルム50(第二粘着剤層52)の接着力は1N/25mm以下が好ましい。粘着光学フィルム10(第一粘着剤層12)の接着力は3N/25mm以上が好ましい。表面保護フィルム50を剥離する際に、被着体30からの粘着光学フィルム10の剥離を抑制するためには、第一粘着剤層12の接着力は、第二粘着剤層52の接着力の20倍以上が好ましく、25倍以上がより好ましく、30倍以上がさらに好ましい。第一粘着剤層12の接着力は、第二粘着剤層52の接着力の40倍以上、50倍以上、60倍以上、70倍以上、80倍以上、90倍以上、または100倍以上であってもよい。

0039

表面保護フィルム50が、光学フィルム11および離型フィルム70に対する適切な接着性を示し、かつ剥離を容易とする観点から、表面保護フィルム50の粘着剤層52の接着力は、0.01〜1N/25mmが好ましく、0.03〜0.6N/25mmがより好ましく、0.05〜0.4N/25mmがさらに好ましい。

0040

粘着光学フィルム10を被着体30に対して強固に接着させるためには、粘着光学フィルム10の粘着剤層12の接着力は、3N/25mm以上が好ましく、6N/25mm以上がより好ましく、8N/25mm以上がさらに好ましい。粘着光学フィルム10の粘着剤層12の接着力の上限は特に限定されないが、リワーク性が求められる場合には、接着力は80N/25mm以下が好ましく、60N/25mm以下がより好ましく、50N/25mm以下がさらに好ましい。粘着光学フィルム10の粘着剤層12の接着力は、10N/25mm以上、13N/25mm以上、または15N/25mm以上であってもよい。粘着光学フィルム10の粘着剤層12の接着力は、40N/25mm以下、35N/25mm以下、または30N/25mm以下であってもよい。

0041

[光学フィルム]
光学フィルム11としては、偏光板、位相差板視野角拡大フィルム視野角制限(覗き見防止)フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、反射シート、透明導電フィルムプリズムシート導光板等が挙げられる。光学フィルム11は、複数の光学フィルムが必要に応じて適宜の接着剤層や粘着剤層を介して積層されたものでもよい。

0042

偏光板としては、偏光子の片面または両面に、必要に応じて適宜の透明保護フィルムが貼り合せられたものが一般に用いられる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコール脱水処理物ポリ塩化ビニル脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。

0043

偏光子保護フィルムとしての透明保護フィルムには、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂ポリエステル系樹脂ポリエーテルスルホン系樹脂ポリスルホン系樹脂ポリカーボネート系樹脂ポリアミド系樹脂ポリイミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂、(メタアクリル系樹脂環状ポリオレフィン系樹脂ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリビニルアルコール系樹脂等の、透明樹脂が好ましく用いられる。偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、強度や取扱性等の作業性、薄膜性等の点からは、5〜100μm程度が好ましく、10〜80μmがより好ましい。

0044

偏光子の両面に偏光子保護フィルムが設けられる場合、表裏で同一の樹脂材料からなるフィルムが用いられてもよく、異なる樹脂材料からなるフィルムが用いられてもよい。また、液晶セルの光学補償視野角拡大等を目的として、位相差板(延伸フィルム)等の光学異方性フィルムを偏光子保護フィルムとして用いることもできる。偏光子保護フィルムがλ/4板であり、偏光子と偏光子保護フィルムとが円偏光板を構成していてもよい。例えば、有機EL素子視認側表面に円偏光板を配置することにより、金属電極等による外光反射遮蔽して表示の視認性を向上できる。

0045

偏光子と偏光子保護フィルムとは、適宜の接着剤層を介して貼り合せられていることが好ましい。PVA系偏光子と偏光子保護フィルムとの貼り合わせに用いられる接着剤は、光学的に透明であればその材料は特に制限されず、エポキシ系樹脂シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタンポリアミドポリエーテル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。接着剤の厚みは、5μm以下が好ましく、0.01〜3μmがより好ましく、0.05〜2μmがさらに好ましい。

0046

接着剤としては、水系接着剤溶剤系接着剤ホットメルト接着剤系、活性エネルギー線硬化型接着剤等の各種形態のものが用いられる。これらの中でも、接着剤層の厚みを小さくできることから、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。

0047

水系接着剤としては、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系ビニルラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等の水溶性または水分散性ポリマーを含むものを例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、フィルム上に水溶液を塗布し、乾燥させることにより形成される。水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒を配合することもできる。

0048

活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線や紫外線等の活性エネルギー線照射により、ラジカル重合カチオン重合またはアニオン重合可能な接着剤である。中でも、低エネルギー硬化可能であることから、紫外線照射によりラジカル重合が開始する光ラジカル重合性接着剤が好ましい。ラジカル重合性接着剤モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、ビニル基を有する化合物が挙げられる。

0049

光学フィルム11の表面には、反射防止層防汚層、光拡散層易接着層帯電防止層ハードコート層スティッキング防止層等の機能性付与層が設けられていてもよい。反射防止層としては、光の多重干渉作用による反射光の打ち消し効果を利用して反射を防止する薄層タイプや、表面に微細構造を付与することにより反射率を低減させるタイプのものが挙げられる。防汚層の材料としては、フッ素基含有シラン系化合物や、フッ素基含有有機化合物等が挙げられる。また、ダイアモンドライクカーボン等も防汚層の材料として用いることができる。防汚層の厚みは、例えば0.01〜2μm程度であり、好ましくは0.05〜1.5μmである。

0050

光学フィルムの表面には、接着剤や粘着剤等に対する濡れ性密着性の向上を目的として易接着層を設けてもよい。易接着層の材料としては、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、分子中にアミノ基を含むポリマー類エステルウレタン系樹脂オキサゾリン基を有するアクリル系樹脂等が挙げられる。易接着層の厚みは、例えば0.05〜3μmであり、好ましくは0.1〜1μmである。

0051

帯電防止層としては、バインダー樹脂中に帯電防止剤を添加したものが好ましく用いられる。帯電防止剤としては、イオン性界面活性剤系、ポリアニリンポリチオフェンポリピロールポリキノキサリン等の導電性ポリマー酸化スズ酸化アンチモン酸化インジウム等の金属酸化物系等が挙げられる。

0052

[表面保護フィルムのフィルム基材]
表面保護フィルム50のフィルム基材51としては、プラスチックフィルムが用いられる。表面保護フィルム50を光学フィルム11に貼り合わせた状態で目視検査装置による検査が行われる場合には、フィルム基材51は透明であることが好ましい。フィルム基材51の全光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。フィルム基材51のヘイズは、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましい。フィルム基材を構成する樹脂材料は特に限定されない。透明樹脂材料としては、アクリル系樹脂、ポリオレフィン環状ポリオレフィン、ポリエステル等が好ましく用いられる。

0053

フィルム基材51の厚みは特に限定されないが、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重を前述の範囲とするためには、フィルム基材51の厚みは60μm以上が好ましく、65μm以上がより好ましく、70μm以上がさらに好ましい。表面保護フィルム50の曲げ荷重は、フィルム基材51のヤング率および厚み、ならびに粘着剤層52のヤング率および厚みに依存するが、粘着剤層はフィルム基材に比べてヤング率が大幅に小さいため、表面保護フィルム50の曲げ荷重は、フィルム基材51の曲げ荷重にほぼ等しい。曲げ荷重は、フィルム基材の厚みの3乗に比例するため、表面保護フィルム50の曲げ剛性は、フィルム基材の厚みが支配要因となる。そのため、表面保護フィルム50の曲げ剛性を前述の範囲とするためには、フィルム基材51の厚みを大きくすることが好ましい。

0054

フィルム基材51は、2枚以上の樹脂フィルムが粘着剤層や接着剤層を介して貼り合わせられたものでもよい。複数のフィルムを積層して厚みを大きくすることにより、表面保護フィルムの曲げ剛性を大きくすることができる。フィルム基材51が2枚以上の樹脂フィルムの積層体である場合、各樹脂フィルムの厚みの合計が上記範囲であることが好ましい。複数のフィルムの積層に用いられる粘着剤や接着剤は特に限定されない。複数のフィルムを積層するための粘着剤は、表面保護フィルム50の第二粘着剤層52と同一の粘着剤であってもよい。フィルム基材51が2枚以上の樹脂フィルムの積層体である場合の各樹脂フィルムの厚みの合計には、フィルムの貼り合わせに用いられる接着剤や粘着剤の厚みは含まれない。

0055

フィルム基材51の厚みの上限は特に限定されないが、可撓性を持たせて光学フィルム11からの表面保護フィルム50の剥離を容易とする観点から、フィルム基材51の厚みは300μm以下が好ましく、250μm以下がより好ましく、220μm以下がさらに好ましい。

0056

表面保護フィルム50を光学フィルム11に貼り合わせた状態で光学検査が行われる場合、フィルム基材51の位相差が、検査光色付きの原因となる場合がある。光学検査時の光漏れ、着色、虹ムラ等を防止する観点から、フィルム基材51の正面レターデーションReは100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましく、20nm以下が特に好ましい。フィルム基材51の厚み方向レターデーションRthが小さいことにより、斜め方向からの観察時においても、光漏れ、着色、虹ムラ等を防止できる。そのため、固定カメラによる広範囲撮影像において、中心付近(正面方向)と周辺部(斜め方向)の色や輝度の差が小さくなり、データ処理が容易となる。フィルム基材51の厚み方向レターデーションRthは、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。

0057

正面レターデーションRe、および厚み方向レターデーションRthは、以下で定義され、いずれも波長590nmにおける測定値である。
Re=(nx−ny)×d
Rth=(nx−nz)×d
nxは面内遅相軸方向の屈折率であり、nyは面内進相軸方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率であり、dは厚みである。

0058

フィルム基材51のReおよびRthを上記範囲とするためには、フィルム基材51として、低複屈折材料フィルムや、無延伸または低延伸倍率のフィルムを用いることが好ましい。高透明性と低複屈折とを両立可能な材料として、環状オレフィン系樹脂およびアクリル系樹脂が挙げられる。

0059

環状オレフィン系樹脂としては、例えばポリノルボルネンが挙げられる。環状オレフィン系樹脂の市販品として、日本ゼオン製のゼオノアおよびゼオネックス、JSR製のアートン、三井化学製のアペル、TOPASADVANCED POLYMERS製のトパス等が挙げられる。環状オレフィン系フィルムは、環状オレフィン系樹脂を50重量%以上含有するものが好ましい。

0060

アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステルメタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチルスチレン共重合体MS樹脂等)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)が挙げられる。アクリル系樹脂の市販品として、三菱ケミカル製のアクペットが挙げられる。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂や、不飽和カルボン酸アルキルエステル単位およびグルタルイミド単位を有する(メタ)アクリル系樹脂等も、フィルム基材51の構成材料として適用可能である。アクリル系フィルムは、アクリル系樹脂を50重量%以上含有するものが好ましい。

0061

[粘着剤層]
粘着光学フィルム10の第一粘着剤層12、および表面保護フィルム50の第二粘着剤層52を構成する粘着剤の組成は特に限定されず、アクリル系ポリマーシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル酢酸ビニル塩化ビニルコポリマー変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム合成ゴム等のゴム系等のポリマーベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れることから、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。

0062

アクリル系ベースポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位主骨格とするものが好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。

0063

(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラルキル等が挙げられる。

0064

(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。アクリル系ポリマーは、複数の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体であってもよい。構成モノマー単位の並びはランダムであっても、ブロックであってもよい。

0065

アクリル系ポリマーは、共重合成分として、架橋可能な官能基を有するモノマー成分を含有することが好ましい。架橋可能な官能基を有するモノマーとしてはヒドロキシ基含有モノマーや、カルボキシ基含有モノマーが挙げられる。中でも、ベースポリマーの共重合成分として、ヒドロキシ基含有モノマーを含有することが好ましい。ベースポリマーのヒロドキシ基やカルボキシ基は、後述の架橋剤との反応点となる。ベースポリマーに架橋構造が導入されることにより、粘着剤の凝集力が向上し、被着体に対する適度の接着力を示す。

0066

ヒドロキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等が挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレートカルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸マレイン酸フマール酸クロトン酸等が挙げられる。

0067

アクリル系ポリマーは、上記以外に、共重合モノマー成分として、酸無水物基含有モノマー、アクリル酸のカプロラクトン付加物スルホン酸基含有モノマー燐酸基含有モノマー等を用いることもできる。また、改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンメチルビニルピロリドンビニルピリジンビニルピペリドン、ビニルピリミジンビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロールビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレンα−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマーアクリロニトリルメタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコールアクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー等も使用することができる。

0068

アクリル系ポリマー中の共重合モノマー成分の比率は特に制限されないが、例えば架橋点を導入する目的で共重合モノマー成分としてヒロドキシ基含有モノマーやカルボキシ基含有モノマーを用いる場合、ヒロドキシ基含有モノマーとカルボキシ基含有モノマーの含有量の合計は、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して、1〜20%程度が好ましく、2〜15%程度がより好ましい。

0069

上記モノマー成分を、溶液重合光重合乳化重合塊状重合懸濁重合等の各種公知の方法により重合することによりベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーが得られる。溶液重合の溶媒としては、酢酸エチルトルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度である。重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系等の各種公知のものを使用できる。分子量を調整するために、連鎖移動剤が用いられていてもよい。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は通常1〜8時間程度である。

0070

ベースポリマーの分子量は、粘着剤層52が所期の接着力を有するように適宜に調整されるが、例えば、ポリスチレン換算重量平均分子量が5万〜200万程度、好ましくは7万〜180万程度、より好ましくは10万〜150万程度、さらに好ましくは20万〜100万程度である。なお、ベースポリマーに架橋構造が導入される場合、架橋構造導入前のベースポリマーの分子量が上記範囲であることが好ましい。

0071

常温環境において被着体に対する適宜の接着性を有する粘着剤層52を得るためには、ベースポリマーのFox式換算ガラス転移温度(Tg)は0℃以下が好ましい。ベースポリマーのTgは、−10〜−80℃が好ましく、−15〜−75℃がより好ましく、−20〜−70℃がさらに好ましい。

0072

粘着剤層の接着力の調整等を目的として、ベースポリマーに架橋構造を導入してもよい。例えば、ベースポリマーを重合後の溶液に架橋剤を添加し、必要に応じて加熱を行うことにより、架橋構造が導入される。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤エポキシ系架橋剤オキサゾリン系架橋剤アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤金属キレート系架橋剤等が挙げられる。中でも、ベースポリマーのヒドロキシ基やカルボキシ基との反応性が高く、架橋構造の導入が容易であることから、イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤が好ましい。これらの架橋剤は、ベースポリマー中に導入されたヒドロキシ基やカルボキシ基等の官能基と反応して架橋構造を形成する。

0073

イソシアネート系架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ブチレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートHL」)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学製「タケネートD110N」、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー製「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物等が挙げられる。

0074

エポキシ系架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が用いられる。エポキシ系架橋剤のエポキシ基はグリシジル基であってもよい。エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミンジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルソルビトールポリグリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテルペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルアジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートレゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ系架橋剤として、ナガセケムテックス製の「デナコール」、三菱ガス化学製の「テトラッドX」「テトラッドC」等の市販品を用いてもよい。

0075

重合後のベースポリマーに架橋剤を添加することにより、ベースポリマーに架橋構造が導入される。架橋剤の使用量は、ベースポリマーの組成や分子量、目的とする接着特性等に応じて適宜に調整すればよい。

0076

粘着剤組成物を、ロールコート、キスロールコート、グラビアコートリバースコート、ロールブラッシュスプレーコートディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコートダイコート等により、基材上に塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去することにより粘着剤層が形成される。乾燥方法としては、適宜、適切な方法が採用され得る。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃、より好ましくは50℃〜180℃、さらに好ましくは70℃〜170℃である。乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、より好ましくは5秒〜15分、さらに好ましくは10秒〜10分、特に好ましくは10秒〜5分である。

0077

粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合は、溶媒の乾燥と同時、または溶媒の乾燥後に、加熱またはエージングにより架橋を進行させることが好ましい。加熱温度や加熱時間は、使用する架橋剤の種類によって適宜設定され、通常、20℃〜160℃の範囲で、1分から7日程度の加熱により架橋が行われる。溶媒を乾燥除去するための加熱が、架橋のための加熱を兼ねていてもよい。

0078

粘着剤層12,52の厚みは特に限定されない。粘着剤層の厚みは、一般に、2〜200μm程度である。粘着剤層の厚みが大きいほど、被着体に対する接着力が高くなる傾向がある。粘着光学フィルム10の第一粘着剤層12の厚みは、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。表面保護フィルム50の第二粘着剤層52の厚みは、1〜30μmが好ましく、3〜25μmがより好ましい。

0079

前述のように、粘着光学フィルム10の第一粘着剤層12は、アクリル板に対する接着力が3N/25mm以上であることが好ましく、表面保護フィルム50の第二粘着剤層52は、アクリル板に対する接着力が1N/25mm以下であるあることが好ましい。第一粘着剤層12のアクリル板に対する接着力が3N/25mm以上であれば、画像表示セル等の被着体に対する接着耐久性が高められる。第二粘着剤層52のアクリル板に対する接着力が1N/25mm以下であれば、被着体や光学フィルムの表面から表面保護フィルムを容易に剥離できる。

0080

粘着剤層の接着力は、ベースポリマーの組成および分子量、架橋剤の種類および架橋構造の導入量、粘着剤層の厚み等により、所望の範囲に調整できる。

0081

[離型フィルム]
第一粘着剤層12の表面に仮着される離型フィルム70としては、粘着剤層12との貼り合わせ面に離型処理が施された樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムの構成材料としては、アクリル、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等が好ましい。

0082

前述のように、保護フィルム50との接着面からの離型フィルム70の剥離を容易とするためには、離型フィルム70の3点曲げ荷重は0.01〜1gが好ましい。3点曲げ荷重を上記範囲とするために、離型フィルム70の厚みは、15〜55μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。また、表面保護フィルム50の3点曲げ荷重と離型フィルム70の3点曲げ荷重の比を適切な範囲とするために、離型フィルム70の厚みは、表面保護フィルム50のフィルム基材51の厚みの70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。

0083

[枚葉積層体の作製]
光学フィルム11の第一主面に第一粘着剤層12および離型フィルム70を積層し、光学フィルム11の第二主面に表面保護フィルム50を積層することにより、積層体が得られる。これらの積層順序は特に限定されない。

0084

各層の形成および積層は、ロールトゥーロール方式で実施することが好ましい。ロールトゥーロール方式では、長尺の可撓性基材長手方向に搬送しながら、粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒の乾燥やポリマーの硬化を行うことにより粘着剤層が形成される。フィルムと粘着剤層との貼り合わせ、離型フィルムの付設や貼り替え等もロールトゥーロール方式により実施できる。

0085

ロールトゥーロール方式で大面積の積層体(マザー基板)を作製した後、被着体のサイズにあわせた所定サイズにカッティングすることにより、枚葉の積層体が得られる。この方法では、マザー基板から多数の枚葉シートが得られるため、生産性が高められる。

0086

枚葉の粘着光学フィルムの形状やサイズは、被着体の形状やサイズ等に応じて設定される。例えば、光学フィルムが画像表示装置の前面に配置して用いられる場合、粘着光学フィルムのサイズは、画面のサイズと略等しい。粘着光学フィルムの面積は、一般には5〜25000cm2程度である。枚葉の粘着光学フィルムの面積は、10000cm2以下、5000cm2以下、3000cm2以下、1000cm2以下、または500cm2以下であり得る。粘着シート矩形である場合、対角線の長さは、2〜250cm程度である。粘着光学フィルムの対角線の長さは、100cm以下、50cm以下、30cm以下または20cm以下であり得る。粘着光学フィルムが矩形である場合、長辺と短辺を有する長方形でもよく、4辺の長さが等しい正方形でもよい。長方形の長辺の長さは、一般に短辺の長さの10倍以下であり、5倍以下、3倍以下または2倍以下であり得る。

0087

表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の外周縁から張り出した積層体は、粘着光学フィルム10を所定サイズの枚葉に切断した後に、粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側の切断線に沿って表面保護フィルム50および離型フィルム70を切断することにより得られる。

0088

図6A〜6Gは、マザー基板から複数の枚葉積層体を切り出す一連の工程を示す工程概念図である。この実施形態では、マザー基板として、長尺の粘着光学フィルム1の粘着剤層の表面に長尺の離型フィルム7が仮着された積層体161が用いられる(図6A)。

0089

まず、積層体161の光学フィルム1側から、離型フィルム7の表面に到達する深さで切断(ハーフカット)が行われ、切断線61a,61bが形成される(図6B)。切断線61a,61bは、枚葉の積層体における粘着光学フィルム10の外周縁となる。

0090

切断方法は特に限定されず、ロータリーカッター、押し込み刃(例えばトムソン刃)、レーザーカッター等による適宜の切断方式を採用できる。以降の各実施形態においても、切断方法は特に限定されない。

0091

粘着光学フィルムの光学フィルムおよび粘着剤層には、厚み方向の全体に切断線61a,61bが形成される。離型フィルム7には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。ハーフカットにより離型フィルム7に形成される切り込みの深さは特に限定されず、離型フィルム7の背面に達しなければよい。粘着剤層12から離型フィルム70を剥離する際の離型フィルムの裂け破断を防止する観点から、切り込みの深さは、離型フィルムの厚みの1/2以下が好ましく、1/3以下がより好ましい。

0092

切断線61a,61bを形成後、製品領域外の粘着光学フィルムの切断片を、離型フィルム7の表面から剥離除去することにより、長尺の離型フィルム7上に、複数の枚葉の粘着光学フィルム10が設けられた積層体162が得られる(図6C)。この積層体162の全体を覆うように、粘着光学フィルム10上に長尺の表面保護フィルム5が貼り合わせられる(図6D)。図6Dでは、粘着光学フィルム10が設けられていない領域において離型フィルム7と表面保護フィルム5とが離間しているように図示されているが、離型フィルム7の表面に表面保護フィルム5の第二粘着剤層が密着していてもよい。後述の図7Dおよび図8E等においても同様である。

0093

表面保護フィルム5を付設後の積層体163において、粘着光学フィルム10が設けられていない領域で、表面保護フィルム5に切断線62a,62bを形成する(図6E)。切断線62a,62bは、枚葉の積層体における表面保護フィルム50の外周縁となる。この際、ハーフカットにより離型フィルム7に切り込みが形成されてもよい。

0094

表面保護フィルムの切断片を除去後の積層体164において、粘着光学フィルム10および表面保護フィルム50が設けられていない領域で、離型フィルム7に切断線63a,63bを形成する(図6F)。これにより、離型フィルムが切断され、長尺の積層体から、枚葉の積層体が得られる(図6G)。得られた積層体は、表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出しており、かつ離型フィルム70が表面保護フィルム50よりも外側に張り出している。

0095

粘着光学フィルム10上に長尺の表面保護フィルム5を貼り合わせて積層体163を形成後(図6D)、図6Hに示すように、表面保護フィルム5および離型フィルム7の全体を切断するように切断線64a,64bを形成してもよい。このように、表面保護フィルムと離型フィルムとを同時に切断することにより、図6Iに示すように、表面保護フィルム50の端面と離型フィルム70の端面とが揃っている積層体が得られる。

0096

図6A〜6Iでは、長尺の離型フィルム7をキャリア基材としてハーフカットを行い、粘着光学フィルムを切断する例を示したが、長尺の表面保護フィルム5をキャリア基材としてハーフカットを行ってもよい。例えば、図7A〜7Dに示す実施形態では、マザー基板として、長尺の粘着光学フィルム1の粘着剤層の表面に長尺の離型フィルム9が仮着され、光学フィルムに長尺の表面保護フィルム5が仮着された積層体181が用いられる(図7A)。離型フィルム9は粘着光学フィルムの第一粘着剤層の表面を保護するために仮着されており、粘着光学フィルムを切断後に離型フィルム7に貼り替えられる。そのため、積層体181における離型フィルム9は、粘着光学フィルムの粘着剤層の表面を保護できるものであれば、特に限定されず、製品としての積層体に含まれる離型フィルム70と同種のフィルムでもよく、厚みや材料等が異なるフィルムでもよい。

0097

まず、積層体181の離型フィルム9側から、表面保護フィルム5の表面に到達する深さでハーフカットが行われ、切断線81a,81bが形成される(図7B)。切断線81a,81bは、枚葉の積層体における粘着光学フィルム10の外周縁となる。この切断工程により、離型フィルム9、ならびに粘着光学フィルムの光学フィルムおよび粘着剤層には、厚み方向の全体に切断線81a,81bが形成される。表面保護フィルム5には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。

0098

切断線81a,81bを形成後、製品領域外の粘着光学フィルムの切断片を、離型フィルム9とともに剥離除去することにより、長尺の表面保護フィルム5上に、複数の枚葉の粘着光学フィルム10が設けられた積層体182が得られる(図7C)。この積層体182の全体を覆うように、粘着光学フィルム10の粘着剤層上に、長尺の離型フィルム7が貼り合わせられる(図7D)。以降は、図6E〜6G、または図6H〜Iと同様に、表面保護フィルム5および離型フィフム7を切断することにより、表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出している積層体が得られる。

0099

離型フィルムおよび表面保護フィルムとは別のキャリア基材を用いて、ハーフカットにより粘着光学フィルムを切断してもよい。図8A〜8Gは、キャリアシート3上でマザー基板を切断して、枚葉の積層体を形成する一連の工程を示す概略断面図である。マザー基板としては、図7Aに示す積層体181と同様、長尺の粘着光学フィルム1の粘着剤層の表面に長尺の離型フィルム9が仮着され、光学フィルムに長尺の表面保護フィルム5が仮着された積層体が用いられる。

0100

まず、マザー基板の表面保護フィルム5側の面にキャリアシート3が貼り合わせられる(図8A)。キャリアシート3の構成材料としてはプラスチックフィルムが好ましい。キャリアシート3は、ロールトゥーロール搬送時の搬送張力による寸法変化が小さいことが好ましい。粘着光学フィルムを切断する際に、キャリアシート3の表面(表面保護フィルム5との界面)に達するように切断(ハーフカット)を行う場合は、キャリアシート3の裏面への切断刃の到達を防止する必要がある。そのため、キャリアシート3の厚みは10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。

0101

キャリアシート3の表面には、マザー基板を固定するための接着層(不図示)が設けられていることが好ましい。キャリアシート3として、フィルム基材の表面に粘着剤層が一体成型された自己粘着性フィルムを用いてもよい。

0102

キャリアシート3上にマザー基板が貼り合わせられた積層体191の離型フィルム9側から、キャリアシート3の表面に到達する深さで切断(ハーフカット)が行われ、切断線91a,91bが形成される(図8B)。この切断工程により、離型フィルム9、粘着光学フィルム1および表面保護フィルム5には、厚み方向の全体に切断線91a,91bが形成される。キャリアシート3には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。

0103

離型フィルム9側から、表面保護フィルム5の表面に達する深さでハーフカットが行われ、切断線92a,92bが形成される(図8C)。この切断工程により、離型フィルム9および粘着光学フィルム1には、厚み方向の全体に切断線92a,92bが形成される。表面保護フィルム5には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。

0104

切断線91a,91bは、枚葉の積層体における表面保護フィルム50の外周縁となる。切断線92a,92bは、粘着光学フィルム10の外周縁となる。切断線92a,92bよりも外側に切断線91a,91bを設けることにより、粘着光学フィルム10の端面から張り出して表面保護フィルム50が設けられた積層体が得られる。キャリアシート3に達する切断線91a,91bの形成と、表面保護フィルム5に達する切断線92a,92bの形成は、いずれを先に行ってもよく、両者を同時に行ってもよい。

0105

離型フィルム9側から粘着光学フィルム1および表面保護フィルム5を切断後に、離型フィルム9を剥離除去する。この際、切断線91aと切断線91bとの間の領域では、離型フィルム9に加えて、粘着光学フィルム1および表面保護フィルム5の切断片がキャリアシート3上から剥離除去される。切断線92aと切断線92bとの間の領域では、離型フィルム9に加えて粘着光学フィルム1の切断片が表面保護フィルム5から剥離除去される。このように、離型フィルム9に加えて、切断線に囲まれた領域の粘着光学フィルム1および表面保護フィルム5を剥離除去することにより、図8Dに示すように、表面保護フィルム50と粘着光学フィルム10との積層物がキャリアシート3上に島状に設けられた積層体192が得られる。

0106

この積層体192の全体を覆うように、粘着光学フィルムの粘着剤層上に長尺の離型フィルム7が貼り合わせられる(図8E)。離型フィルム7を切断線93a,93bに沿って切断し(図6F)、表面保護フィルム50に仮着されているキャリアシート3を剥離することにより、表面保護フィルム50および離型フィルム70が粘着光学フィルム10の外周縁よりも外側に張り出しており、かつ離型フィルム70が表面保護フィルム50よりも外側に張り出している枚葉の積層体が得られる(図8G)。

0107

切断線93a,93bの形成においては、離型フィルム7のみを切断してもよく、離型フィルム7に加えてキャリアシート3を切断してもよい。表面保護フィルム50からキャリアシート3を剥離後に、離型フィルム7の切断を行ってもよい。

0108

上記で説明したように、キャリア基材上でのハーフカットにより粘着光学フィルムを所定形状に切断し、その後に表面保護フィルムおよび離型フィルムの切断を行うことにより、マザー基板から複数の枚葉の積層体が得られる。この方法では、それぞれの切断線の位置を任意に設定できるため、粘着光学フィルム10の平面形状、表面保護フィルム50の平面形状、離型フィルム70の平面形状を任意に設定できる。そのため、粘着光学フィルム10の外周縁からの表面保護フィルム50の張り出し量L1と、粘着光学フィルム10の外周縁からの離型フィルム70の張り出し量L2とが異なる積層体が得られる。

0109

以下に実施例を示して本発明をさらに説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。

0110

[粘着シートの作製]
<粘着シート1>
ポリマーシロップAの調製)
温度計攪拌機冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)86重量部、およびN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)14重量部、ならびに光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF製)0.05重量部、およびイルガキュア651(BASF製)0.05重量部を投入した後、窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換を行った。その後、窒素雰囲気下で、5mW/cm2の紫外線を照射して重合率約11重量%の部分重合物アクリル系ポリマーシロップA)を得た。

0111

アクリルオリゴマーの調製)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分としてジシクロペンタニルメタクリレート日立化成工業製「FA−513M」)100重量部、および連鎖移動剤としてチオグリコール酸3重量部を、トルエン100重量部とともに仕込み、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した。その後、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルAIBN)0.2重量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃に加熱して、トルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを留去して、固形状のアクリル系オリゴマー(重量平均分子量4500)を得た。

0112

(粘着剤組成物の調製)
アクリル系ポリマーシロップA100重量部に、アクリル系オリゴマー20重量部、およびトリメチロールプロパントリアクリレート0.085重量部を添加して撹拌し、粘着剤組成物を調製した。

0113

セパレータ(片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム;三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF#38」)の剥離処理面に、上記の粘着剤組成物を塗布し、厚み25μmの塗布層を形成した。粘着剤組成物の塗布層上に、別のセパレータ(三菱ケミカル製「ダイアホイルMRN#38」)を、離型処理面が粘着剤組成物の塗布層と接するように積層した。この積層体に、ブラックライトランプを用いて照度5mW/cm2の紫外線を360秒間照射して光硬化を行い、厚さ25μmの粘着シートを得た。

0114

<粘着シート2>
(ベースポリマーBの調製)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分として、ブチルアクリレート(BA)81.9重量部、ベンジルアクリレート(BzA)13.0重量部、アクリル酸(AA)5重量部、および4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.1重量部、ならびに重合開始剤としてAIBN0.1部を、酢酸エチル100重量部とともに仕込み、23℃で緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換を行った。その後、液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、重量平均分子量201万のベースポリマーBの溶液(濃度50重量%)を調製した。

0115

(粘着剤組成物の調製および粘着シートの作製)
ベースポリマーBの溶液200重量部(固形分100重量部)に、イソシアネート系架橋剤(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の75%溶液;東ソー製「コロネートL」)を固形分で0.45重量部、過酸化物系架橋剤日本油脂製「ナイパーBMT」)を0.1重量部、ポリエーテル化合物カネカ製「サイリルSAT10」、数平均分子量が5000)を1重量部添加して攪拌し、アクリル系粘着剤溶液を調製した。このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータ(MRF#38)の離型処理面に塗布し、130℃で20秒間加熱して、厚さ20μmの粘着シートを形成した。

0116

<粘着シート3>
(ベースポリマーCの調製)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96.2重量部、およびヒドロキシエチルアクリレートHEA)3.8重量部、ならびに重合開始剤としてAIBN0.2重量部を酢酸エチル150重量部とともに仕込み、23℃で緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換を行った。その後、液温を60℃付近に保って6時間重合反応を行い、室温まで冷却した後に酢酸エチルで希釈して、重量平均分子量54万のベースポリマーCの溶液(濃度25重量%)を調製した。

0117

(粘着剤組成物の調製および粘着シートの作製)
ベースポリマーCの溶液400重量部(固形分100重量部)に、イソシアネート系架橋剤(東ソー製「コロネートL」)を固形分で0.5重量部、および架橋触媒としてジラウリン酸ジオクチルスズの酢酸エチル溶液(東京ファインケミカル製「エンビライザーOL−1」)を固形分で0.02重量部添加して攪拌し、アクリル系粘着剤溶液を調製した。このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータ(MRF#38)の離型処理面に塗布し、130℃で20秒間加熱して、厚さ20μmの粘着シートを形成した。

0118

<粘着シート4>
ベースポリマーCの溶液400重量部(固形分100重量部)に、イソシアネート系架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体;東ソー製「コロネートHX」)を固形分で4.0重量部、および架橋触媒としてジラウリン酸ジオクチルスズの酢酸エチル溶液(東京ファインケミカル製「エンビライザーOL−1」)を固形分で0.02重量部添加して攪拌し、アクリル系粘着剤溶液を調製した。このアクリル系粘着剤溶液を、セパレータ(MRF#38)の離型処理面に塗布し、130℃で20秒間加熱して、厚さ10μmの粘着シートを形成した。

0119

[表面保護フィルムの作製]
<表面保護フィルム1>
厚み100μmの環状オレフィンフィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルムZF−14−100」)の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に粘着シート3を貼り合わせて、厚み100μmのフィルムに厚み20μmの粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0120

<表面保護フィルム2>
厚み40μmの環状オレフィンフィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルムZF−14−40」)の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に粘着シート3を貼り合わせて、厚み40μmのフィルムに厚み20μmの粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0121

<表面保護フィルム3>
上記の表面保護フィルム2を2枚積層して、厚み40μmのフィルム、厚み20μmの粘着剤層、厚み40μmのフィルムおよび厚み20μmの粘着剤層が順に積層され、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0122

<表面保護フィルム4>
上記の表面保護フィルム1の上に表面保護フィルム2を貼り合わせて、厚み40μmのフィルム、厚み20μmの粘着剤層、厚み100μmのフィルム、および厚み20μmの粘着剤層が順に積層され、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0123

<表面保護フィルム5>
上記の表面保護フィルム1を2枚積層して、厚み100μmのフィルム、厚み20μmの粘着剤層、厚み100μmのフィルム、および厚み20μmの粘着剤層が順に積層され、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0124

<表面保護フィルム6>
厚み100μmの環状オレフィンフィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルムZF−14−100」)の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に粘着シート4を貼り合わせて、厚み100μmのフィルムに厚み10μmの粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0125

<表面保護フィルム7>
厚み100μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱ケミカル製「ダイアホイルT100−100」)の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に粘着シート3を貼り合わせて、厚み100μmのフィルムに厚み20μmの粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0126

<表面保護フィルム8>
厚み38μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱ケミカル製「ダイアホイルT100C38」)の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に粘着シート3を貼り合わせて、厚み100μmのフィルムに厚み20μmの粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。この表面保護フィルムを2枚積層して、厚み38μmのフィルム、厚み20μmの粘着剤層、厚み38μmのフィルムおよび厚み20μmの粘着剤層が順に積層され、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された表面保護フィルムを得た。

0127

[実施例1]
粘着偏光板の作製>
(偏光子)
厚み100μmの非晶質ポリエステルフィルムポリエチレンテレフタレートイソフタレート;ガラス転移温度75℃)の片面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製「ゴーセファイマーZ200」;重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上)を9:1の重量比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、非晶質ポリエステルフィルム基材上に厚み11μmのPVA系樹脂層が設けられた積層体を作製した。

0128

この積層体を、120℃のオーブン内での空中補助延伸により長手方向に2.0倍に自由端一軸延伸した後、ロール搬送しながら、30℃の4%ホウ酸水溶液に30秒間、30℃の染色液(0.2%ヨウ素、1.0%ヨウ化カリウム水溶液)に60秒間、順次浸漬した。次いで、積層体をロール搬送しながら、30℃の架橋液(ヨウ化カリウムを3%、ホウ酸3%水溶液)に30秒間浸漬して架橋処理を行い、70℃のホウ酸4%、ヨウ化カリウム5%水溶液に浸漬しながら、総延伸倍率が5.5倍となるように長手方向に自由端一軸延伸した。その後、積層体を30℃の洗浄液(4%ヨウ化カリウム水溶液)に浸漬して、非晶質ポリエステルフィルム基材上に厚み5μmのPVA系偏光子が設けられた積層体を得た。

0129

(偏光子保護フィルムの貼り合わせ)
N−ヒドロキシエチルアクリルアミド40重量部およびアクリロイルモルホリン60重量部を硬化性成分として含み、さらに重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF製「イルガキュア819」)3重量部を含む紫外線硬化型接着剤を調製した。この接着剤を、上記の積層体の偏光子の表面に約1μmの厚みで塗布し、その上に偏光子保護フィルムとして厚み40μmのアクリル系フィルムを貼り合わせ、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を照射して接着剤を硬化させた。アクリル系フィルムとしては、特開2017−26939号の実施例に記載の「透明保護フィルム1A」と同様にして作製したイミド化MS樹脂からなる二軸延伸フィルムを用いた。

0130

(粘着剤層の積層)
PVA系偏光子の表面から非晶質ポリエステルフィルム基材を剥離した。粘着シート1の一方の面に仮着されたセパレータ(MRN#38)を剥離し、PVA系偏光子の表面に粘着シートを貼り合わせ、粘着剤付き偏光板を得た。

0131

<表面保護フィルムの貼り合わせ>
表面保護フィルム1の粘着剤層の表面に仮着されたセパレータを剥離し、粘着剤付き偏光板のアクリル系フィルム(偏光子保護フィルム)上に、表面保護フィルムを貼り合わせた。以上の工程により、粘着剤付き偏光板の粘着剤層にセパレータが仮着され、偏光板上に表面保護フィルムが仮着された積層体(マザー基板)を得た。

0132

<カッティング>
この積層体の表面保護フィルム側の表面に、キャリアシートとして微粘着フィルムを貼り合わせ、図8A〜8Cに示すプロセスに従って積層体を切断した後、セパレータ(MRF#38)および切断片を剥離除去した。その後、粘着光学フィルムの粘着剤層(粘着シート1)の表面にセパレータ(MRF#38)を貼り合わせ、製品サイズへの打ち抜きを行い、偏光板の一方の面(偏光子側の面)に粘着シート1、および厚み38μmの離型フィルムが貼り合わせられ、偏光板の他方の面(アクリル系保護フィルム)上に表面保護フィルム1が張り合わせされた積層体を得た。

0133

[実施例2〜11および比較例1〜3]
偏光板の一方の面に設けられる粘着シートの種類、粘着シートに仮着される離型フィルムの種類、および偏光板の他方の面に貼り合わせられる表面保護フィルムの種類を表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様にして、離型フィルムおよび表面保護フィルムが仮着された粘着偏光板を得た。なお、各実施例の離型フィルムは、いずれも片面をシリコーンで剥離処理したポリエステルフィルムであり、以下の市販品を用いた。
厚み25μmの離型フィルム:三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF#25」
厚み38μmの離型フィルム:三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF#38」
厚み50μmの離型フィルム:三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF#50」

0134

[評価]
<接着力>
粘着偏光板および表面保護フィルムを、幅25mm、長さ100mmのサイズに切り出し、セパレータを剥離後に、アクリル板(三菱ケミカル製「アクリライト」、厚み:2mm、幅:70mm、長さ:100mm)に、圧力0.25MPa、送り速度0.3m/分の速度でロール圧着した。この試料を23℃相対湿度50%の環境下に30分間静置した後、同環境下で、剥離角度180°、引張速度0.3m/分ピール試験を行い、それぞれの引張速度における180°剥離力を測定した。

0135

<3点曲げ荷重>
表面保護フィルムおよび離型フィルムを、幅6mm、長さ50mmのサイズに切り出した。この試料を支点間距離25mmの3点曲げ冶具の上に置き、23℃相対湿度50%の環境下で、動的粘弾性計測装置(TA Instruments製「RSA−III」)により、0.5mm/秒の押込み速度で、圧子を試料に5mmの深さで押し込んだときの荷重を求めた。

0136

<離型フィルムの剥離性
積層体の外周に張り出した離型フィルムを把持して、離型フィルムを剥離した。また、水平な台の上に、積層体の表面保護フィルム側の面を両面粘着テープ介して貼り合わせた状態で、積層体の外周に張り出した離型フィルムを把持して離型フィルムを剥離した。いずれの水準でも容易に剥離できたものを◎、水平な台の上に固定した状態では容易に剥離できたものの、通常の作業では剥離が困難であったものを〇、いずれの水準でも表面保護フィルムが離型フィルムに追従して剥離できなかったものを×とした。

0137

<表面保護フィルム剥離性>
積層体から離型フィルムを剥離し、アクリル板(三菱ケミカル製「アクリライト」、厚み:2mm、幅:70mm、長さ:100mm)に、圧力0.25MPa、送り速度0.3m/分の速度でロール圧着した。粘着偏光板の外周から表面保護フィルムが張り出した領域(表面保護フィルムがアクリル板に接着している領域)において、アクリル板から表面保護フィルムを容易に剥離できたものを〇、剥離が重かったものを×とした。

0138

<光学フィルム接着耐久性>
表面保護フィルム剥離性試験後の試料(アクリル板の表面に粘着偏光板が貼り合わせられた試料)を、温度85℃の恒温槽内で5日間静置した後に取り出し、23℃相対湿度50%の環境下で30分間静置後に、粘着剤層の浮きの状態を目視にて観察した。接着界面に気泡が見られなかったものを〇、接着界面に気泡が発生していたものを×とした。

0139

上記の各実施例および比較例の積層体の構成(離型フィルムの厚み、偏光板の表面に設けられた粘着剤の種類、表面保護フィルムの構成(フィルム基材の材料およびフィルム合計厚み、粘着剤の種類および厚み))、ならびに評価結果を表1に示す。

0140

0141

表1に示すように、実施例1〜11の積層体は、離型フィルムの剥離性、表面保護フィルムの剥離性、および偏光板の接着信頼性がいずれも良好であった。偏光子に接する粘着剤層として接着力の小さい粘着シート3を用いた比較例2では、偏光板の接着耐久性が不十分であった。表面保護フィルムの粘着剤層として粘着シート3を用いた比較例3では、表面保護フィルムの剥離が困難であった。

0142

表面保護フィルムのフィルム基材の厚みが小さい比較例1では、表面保護フィルムの曲げ荷重が小さい(すなわち、表面保護フィルムが湾曲しやすい)ために、離型フィルムを湾曲させると表面保護フィルムが追従して湾曲し、積層体からの離型フィルムの剥離が困難であった。厚み50μmの離型フィルムを用いた実施例8および実施例11では、他の実施例に比べると離型フィルムの剥離性が劣っていた。これは、離型フィルムの曲げ荷重と表面保護フィルムの曲げ荷重の差が小さく、離型フィルムの湾曲に追従して表面保護フィルムが湾曲しやすいためであると考えられる。

実施例

0143

以上の結果から、離型フィルムおよび表面保護フィルムの曲げ荷重を所定範囲にするとともに、両者の曲げ荷重の差を大きくすることにより、離型フィルムの剥離時に、表面保護フィルムが追従して湾曲することを抑制し、離型フィルムと表面保護フィルムとの接着界面での容易に剥離可能な積層体が得られることが分かる。

0144

10粘着光学フィルム
11 光学フィルム
12粘着剤層
50表面保護フィルム
51フィルム基材
52 粘着剤層
70離型フィルム
101,103 積層体

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