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技術 コンクリートの圧縮強度推定方法

出願人 日本車輌製造株式会社
発明者 神頭峰磯平野泰博
出願日 2018年8月30日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2018-161256
公開日 2020年3月5日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2020-034423
状態 未査定
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査 特有な方法による材料の調査、分析
主要キーワード 近似直線式 テストハンマー 反発度 現場管理 電気抵抗率測定 硬化期間 JIS規格 コンクリート品質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

打設したコンクリート圧縮強度を、透気係数計測する事で推定する事のできるコンクリート構造物の圧縮強度推定方法の提供。

解決手段

打設したコンクリートの透気係数を計測し、事前に作成した透気係数と圧縮強度の相関図を用いて、前記コンクリートの圧縮強度を推定する。この場合に、コンクリート打設前コンクリート構造部に用いるのと同じコンクリート材料を用いて、圧縮強度試験と透気係数試験を行い、相関図を作成しておく。こうすることで、現場のコンクリート構造物の透気係数を計測し、透気係数を得ることで圧縮強度の推定が行える。

概要

背景

コンクリート製の構造物建造するにあたっては、打設したコンクリートの品質を適宜確認する必要がある。特に強度を必要とする部分では、コンクリートの圧縮強度計測を行う必要があり、従来はコンクリートを打設する際に作成した標準供試体を用いて圧縮強度を計測したり、テストハンマーを用いた打撃に対する反発度から強度を推定したりして圧縮強度の調査を行っていた。

しかしながら、同じ材料を用いて作成した標準供試体は、実際に打設されたコンクリートと同じ硬化条件とする為に、同じ硬化期間を要する。また、テストハンマーを用いた表面の反発度から算定する手法では、厳密には圧縮強度とは異なることと、テストハンマーを用いた手法の場合、打設したコンクリートが硬化した後にしか圧縮強度を計測することができない。

特許文献1には、コンクリート表層品質評価指標算出方法が開示されている。コンクリートに対してTorrent法を用いて透気係数を計測し、Wenner法を用いて電気抵抗率測定を行って、得られた電気抵抗率測定値と材齢との間の関係を表す近似式を算定する。そして、電気抵抗率近似直線式の傾きの値を表層透気係数近似直線の傾きの値で除して表層透気性指数を算出し、表層透気性指数の値を用いてコンクリート品質を評価している。

特許文献2には、打設されたコンクリートの品質判定方法が開示されている。コンクリート内に電極を配設した供試体を用い、供試体の養生期間を変動させた条件毎に作成し、硬化中における抵抗値推移を計測・記録し、各供試体について性能試験を行い、この性能試験結果を記録し、コンクリートの水和反応進行度による抵抗値と養生期間と性能試験結果との相関関係を把握する。一方、実構造物のコンクリートのかぶりに位置する部分に電極を配設し、型枠内にコンクリートを打設し、電極についてコンクリートのかぶり部分の硬化中における抵抗値の推移を計測する。そして、この計測した抵抗値を、相関関係の抵抗値に当て嵌めることにより、実構造物の打設されたコンクリートの品質を判定する。

概要

打設したコンクリートの圧縮強度を、透気係数を計測する事で推定する事のできるコンクリート構造物の圧縮強度推定方法の提供。打設したコンクリートの透気係数を計測し、事前に作成した透気係数と圧縮強度の相関を用いて、前記コンクリートの圧縮強度を推定する。この場合に、コンクリート打設前コンクリート構造部に用いるのと同じコンクリート材料を用いて、圧縮強度試験と透気係数試験を行い、相関を作成しておく。こうすることで、現場のコンクリート構造物の透気係数を計測し、透気係数を得ることで圧縮強度の推定が行える。

目的

本発明はこの様な課題を解決する為に、打設したコンクリートの圧縮強度を、透気係数を計測することで推定する事のできるコンクリート構造物の圧縮強度推定方法の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

打設したコンクリート透気係数計測し、事前に作成した透気係数と圧縮強度相関図を用いて、前記コンクリートの圧縮強度を推定すること、を特徴とするコンクリート構造物の圧縮強度推定方法

請求項2

請求項1に記載のコンクリート構造物の圧縮強度推定方法において、前記相関図は、複数の材齢の異なる供試体を、前記コンクリートを用いて作成し、前記供試体を用いて圧縮強度及び透気係数を計測して、作られること、を特徴とするコンクリート構造物の圧縮強度推定方法。

請求項3

請求項1または請求項2に記載のコンクリート構造物の圧縮強度推定方法において、前記相関図は、複数の配合の異なる前記コンクリートよりなる供試体を用意し、該供試体の圧縮強度と透気係数を計測して、作られること、を特徴とするコンクリート構造物の圧縮強度推定方法。

技術分野

0001

本発明は、コンクリート圧縮強度推定する方法に関し、詳しくはコンクリートの透気係数計測することで、そのコンクリート構造物の圧縮強度を推定する技術に関する。

背景技術

0002

コンクリート製の構造物建造するにあたっては、打設したコンクリートの品質を適宜確認する必要がある。特に強度を必要とする部分では、コンクリートの圧縮強度の計測を行う必要があり、従来はコンクリートを打設する際に作成した標準供試体を用いて圧縮強度を計測したり、テストハンマーを用いた打撃に対する反発度から強度を推定したりして圧縮強度の調査を行っていた。

0003

しかしながら、同じ材料を用いて作成した標準供試体は、実際に打設されたコンクリートと同じ硬化条件とする為に、同じ硬化期間を要する。また、テストハンマーを用いた表面の反発度から算定する手法では、厳密には圧縮強度とは異なることと、テストハンマーを用いた手法の場合、打設したコンクリートが硬化した後にしか圧縮強度を計測することができない。

0004

特許文献1には、コンクリート表層品質評価指標算出方法が開示されている。コンクリートに対してTorrent法を用いて透気係数を計測し、Wenner法を用いて電気抵抗率測定を行って、得られた電気抵抗率測定値と材齢との間の関係を表す近似式を算定する。そして、電気抵抗率近似直線式の傾きの値を表層透気係数近似直線の傾きの値で除して表層透気性指数を算出し、表層透気性指数の値を用いてコンクリート品質を評価している。

0005

特許文献2には、打設されたコンクリートの品質判定方法が開示されている。コンクリート内に電極を配設した供試体を用い、供試体の養生期間を変動させた条件毎に作成し、硬化中における抵抗値推移を計測・記録し、各供試体について性能試験を行い、この性能試験結果を記録し、コンクリートの水和反応進行度による抵抗値と養生期間と性能試験結果との相関関係を把握する。一方、実構造物のコンクリートのかぶりに位置する部分に電極を配設し、型枠内にコンクリートを打設し、電極についてコンクリートのかぶり部分の硬化中における抵抗値の推移を計測する。そして、この計測した抵抗値を、相関関係の抵抗値に当て嵌めることにより、実構造物の打設されたコンクリートの品質を判定する。

先行技術

0006

特開2013−92471号公報
特開2014−125757号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれも電気抵抗値を推定してコンクリートの品質を評価する手法ではあるが、圧縮強度について調査する手法ではなく、別途圧縮強度について調査する必要がある。このため、早期にコンクリート構造物の圧縮強度を調査できる方法が切望されていた。

0008

そこで、本発明はこの様な課題を解決する為に、打設したコンクリートの圧縮強度を、透気係数を計測することで推定する事のできるコンクリート構造物の圧縮強度推定方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するために、本発明の一態様によるコンクリート構造物の圧縮強度推定方法は、以下のような特徴を有する。

0010

(1)打設したコンクリートの透気係数を計測し、事前に作成した透気係数と圧縮強度の相関図を用いて、前記コンクリートの圧縮強度を推定すること、を特徴とする。

0011

上記(1)に記載の態様によって、事前に作成した透気係数と圧縮強度の相関図を用いることで、現場で透気係数を計測するだけでコンクリートの圧縮強度を推定することが可能になる。透気係数は例えばTorrent法などを用いることで、現場で比較的簡単に計測することが可能である。これまでのように、複数の標準供試体を作成して圧縮強度試験を行い、コンクリートの圧縮強度を求める必要がなくなるため、現場での確認作業単純化される。

0012

また、後述する実験によって、養生条件によってコンクリートの透気係数のばらつきが変化する事が分かったため、早期に圧縮強度の推定をすることで、長期的な圧縮強度の変化を予測することも可能となる。こうした透気係数の計測によって、コンクリートの圧縮強度を推定する事で、コンクリート構造物の品質を早期に判断することができ、必要に応じて補強や、打設のやり直しといった判断も早期に行うことが可能となる。現場管理において、この事は非常に大きなメリットとなる。

0013

(2)(1)に記載のコンクリート構造物の圧縮強度推定方法において、前記相関図は、複数の材齢の異なる供試体を、前記コンクリートを用いて作成し、前記供試体を用いて圧縮強度及び透気係数を計測して、作られること、が好ましい。

0014

(3)(1)または(2)に記載のコンクリート構造物の圧縮強度推定方法において、前記相関図は、複数の配合の異なる前記コンクリートよりなる供試体を用意し、該供試体の圧縮強度と透気係数を計測して、作られること、が好ましい。

0015

上記(2)または(3)に記載の態様によって、材齢毎のコンクリートの圧縮強度と透気係数の相関図が得られるため、複数のコンクリート構造物を作成するにあたって、初期にこの相関図を作成しておけば、共通した相関図を用いてコンクリート構造物の圧縮強度を推定することが可能となる。また、配合の異なるコンクリートに関してもそれぞれ相関図を作成してデータベース化しておけば、配合毎の相関図を用いて圧縮強度を推定することができるので、より広いコンクリート構造物に対しても対応が可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本実施形態の、コンクリートの圧縮強度を推定するための手順を示すフローチャートである。
本実施形態の、材齢56日以降の圧縮強度を示すグラフである。
本実施形態の、表層透気試験の結果を示すグラフである。
本実施形態の、水中養生期間7日の、材齢による比較を示すグラフである。
本実施形態の、水中養生期間28日の、材齢による比較を示すグラフである。
本実施形態の、圧縮強度と透気係数で整理したグラフである。

実施例

0017

まず、本発明の実施形態について、図面を用いて説明を行う。図1に、本実施形態の、コンクリートの圧縮強度を推定するための手順をフローチャートに示す。橋梁などの構造物のコンクリート打設にあたって、作業者は次のような手順でコンクリートの圧縮強度を推定する。

0018

まず、S10で、コンクリートで供試体を作成する。作成する供試体はコンクリートの圧縮強度試験を行う為の標準供試体と、表層透気試験を行うための平板供試体の2タイプで、複数の材齢を調査できるように、必要な数の供試体を用意する。なお、この作業は現場で行う必要はなく、例えばコンクリートを作る生コン工場など設備のある場所で行ってもよい。

0019

S11で、圧縮強度の計測を行う。コンクリートの圧縮強度の計測は、標準供試体を用いて行う。標準供試体は、本実施形態ではφ100mm×200mmの円筒状のものを想定しているが、特にこれに限定されるものではない。

0020

S12で、透気係数の計測を行う。コンクリートの透気係数(本実施形態ではkT値を用いている)の計測は、平板供試体を用いて行う。平板供試体は、本実施形態では長さと幅が300mmで厚さが60mmのものを想定しているが、特にこれに限定されるものでは無い。

0021

S13で、圧縮強度と透気係数の相関図を作成する。ここでは、複数の供試体より得られたデータを用いて相関図を作る。例えば、縦軸に圧縮強度(N/mm2)を、横軸に透気係数(10−16m2)をとり、近似直線を引く。この近似直線は材齢毎に作られる。詳細については後述する。このS10からS13までの一連の作業が第1手順P1であり、同じ配合のコンクリートを製造する毎に相関図を作成する作業を行うことが好ましい。

0022

S14で、コンクリート構造物の透気係数の計測を行う。表層透気試験はTorrent法を用いるのが好ましく、実構造物の表面にチャンバーセル吸着させて、コンクリートの透気係数を計測する。なお、Torrent法については既によく知られている方法なので、原理計測方法などの詳細は割愛する。

0023

S15で、S14で計測した透気係数とS13で作成した相関図を用いて、コンクリートの圧縮強度を推定する。そして手順を終了する。S14とS15の手順は、実構造物に対して、現場で行う第2手順P2である。同じ配合で作られたコンクリートを用いたコンクリート構造物であれば、S13で得られた相関図が利用可能である為、現場で複数の実構造物の透気係数を計測するだけで、圧縮強度を推定することが可能となる。

0024

本実施形態のコンクリート構造物の圧縮強度推定方法は上記構成であるため、以下に示すような作用及び効果を奏する。

0025

まず、実構造物のコンクリートの圧縮強度が、早期に推定可能である点が挙げられる。これは、打設したコンクリートの透気係数を計測し、事前に作成した透気係数と圧縮強度の相関図を用いて、コンクリートの圧縮強度を推定するからである。また、前記相関図は、複数の材齢の異なる供試体を、前記コンクリートを用いて作成して用意し、前記供試体を用いて圧縮強度及び透気係数を計測して、作られることが好ましい。また、前記相関図は、複数の配合の異なる前記コンクリートよりなる供試体を用意し、該供試体の圧縮強度と透気係数を計測して、作られること、が好ましい。

0026

この相関図によってコンクリートの圧縮強度が求められる理由について、次に説明を行う。まず、コンクリートの圧縮強度に関する試験の手法と、その結果について説明する。行った試験は標準供試体を用いた圧縮強度試験と、平板供試体を用いた表層透気試験である。

0027

圧縮強度試験では、前述した標準供試体を用いて圧縮強度の調査を行っている。なお、使用材料は呼び名が30−8−25Nのコンクリートとし、普通ポルトランセメントを用い、水セメント比は48.5%、細骨材率は42.5%としている。コンクリートの配合に関しては表1に示す通りである。

0028

0029

表層透気係数の試験では、圧縮強度試験の場合と同じコンクリートで作成した前述の平板供試体を用いている。平板供試体は振動台によって締固めを行い、表面をコテ仕上げとした。この平板供試体の表層透気係数と、電気抵抗値の計測を行った。表層透気係数についてはTorrent法で、電気抵抗値についてはWenner法で行った。Wenner法についても、既によく知られている方法なので、原理や計測方法などの説明は割愛する。

0030

次に養生時の条件を列挙する。
(a)脱型し、初期養生後期養生をそれぞれ20℃の気中で行う。
(b)初期養生を3日間、20℃の水中で行った後、脱型し、後期養生を20℃相対湿度60%の気中で養生を行う。
(c)初期養生を5日間、20℃の水中で行った後、脱型し、後期養生を20℃相対湿度60%の気中で養生を行う。
(d)初期養生を7日間、20℃の水中で行った後、脱型し、後期養生を20℃相対湿度60%の気中で養生を行う。
(e)初期養生を14日間、20℃の水中で行った後、脱型し、後期養生を20℃相対湿度60%の気中で養生を行う。
(f)初期養生を28日間、20℃の水中で行った後、脱型し、後期養生を20℃相対湿度60%の気中で養生を行う。
(g)脱型し、初期養生と後期養生をそれぞれ20℃の水中で行う。

0031

この(a)乃至(g)の7つの条件を対象に、圧縮強度試験及び表層透気試験を行っている。また、(a)乃至(g)における、初期養生と後期養生の期間を合わせた全期間は182日としている。試験材齢は7日、14日、28日、56日、90日、140日、182日の7材齢としている。

0032

圧縮強度試験結果について、図2に材齢56日以降の圧縮強度を示している。縦軸に圧縮強度(N/mm2)を、横軸に材齢(日)を示している。これによれば、(a)の全期間を気中で養生した供試体は他の(b)乃至(g)の条件に比べて明らかに圧縮強度が低くなっている様子が分かる。一般的に言われる通り、湿潤養生期間が長くなるにつれてコンクリートの圧縮強度は増進する傾向にあり、この結果もそれを示している。また、同様の理由より、(b)乃至(d)の条件よりも、(e)乃至(g)の条件の方が圧縮強度は高くなっている。つまり、図2より、条件(e)の14日以上の水中養生が、長期養生の効果を十分得る為には望ましい事がわかる。

0033

図3に、表層透気試験の結果について示している。縦軸に電気抵抗値(kΩcm)を、横軸に透気係数(10−16m2)を示している。また、表層品質の区分として、「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」という指標を示している。表層透気試験の結果も、(a)の全期間気中で養生した平板供試体に比べて、水中で養生を行った(b)乃至(f)の結果の方が良好であった。また、全体的な傾向として、水中での養生期間が長い供試体ほど、表層品質が「良い」という傾向になっている。

0034

次に、この表層透気試験について、材齢によって比較したものを次に示す。図4に、水中での養生期間が7日の供試体同士の比較を、グラフに示す。図5に、水中での養生期間が28日の供試体同士の比較を、グラフに示す。いずれも縦軸に電気抵抗値(kΩcm)を、横軸に透気係数(10−16m2)を示している。また、表層品質の区分は図3と同様にした。これによれば、全体的なばらつき具合は、水中での養生期間が7日である場合に比べて、水中での養生期間が28日である場合の方が小さくなっていることが分かる。この事は、水中での養生期間が長くなるほど、より安定した表層品質が得られることを示唆している。

0035

図6に、圧縮強度と透気係数で整理したグラフを示す。縦軸に圧縮強度(N/mm2)を、横軸に透気係数(10−16m2)を示している。材齢28ではR2=0.958、材齢56ではR2=0.966、材齢90ではR2=0.96、材齢140ではR2=0.94、材齢182ではR2=0.973という相関係数が示され、何れの材齢でも透気係数と圧縮強度の間には強い相関関係があることが分かった。この図6のグラフは(a)乃至(e)の結果を圧縮強度と透気係数で整理したもので、このグラフの意味するところは、養生期間によらず圧縮強度と透気係数との間には相関関係がある事を意味する。そして、表層品質の優れたコンクリートは圧縮強度にも優れた傾向を示すことが分かった。

0036

この結果により、透気係数と圧縮強度には相関関係があり、透気係数の計測によって長期圧縮強度を推定できることが分かる。即ち、例えば材齢28の時にTorrent法にて実構造物のコンクリートの透気係数を計測することで、図6に示すようにコンクリートの圧縮強度が推定できる。また、図2に示すようにコンクリートの透気係数に関して、同じ養生条件であれば大きな変化が無いため、早期の透気係数の計測により将来的な圧縮強度を推定することができる。特に、14日以上の湿潤養生をした場合には図5に示すように透気係数の材齢によるばらつきが少なくなる傾向にある為、信頼性が高くなる。

0037

よって、現場で実構造物の透気係数を計測することで、コンクリートの圧縮強度が推定出来るため、想定される圧縮強度に達していない場合には、早期に対応することが可能である。また、非破壊検査である透気係数の計測によって圧縮強度を知ることが出来る点も、メリットとして挙げられる。これまでのように複数の標準供試体を作って圧縮強度試験を行う必要があると現場作業が繁雑になるが、透気係数を測るだけで圧縮強度を知ることができる。そして、早期に打設のやり直しや補強を行うかを判断することができる。

0038

また、こうした相関関係は、同じ配合のコンクリート構造物に対して成立することが判明していることから、コンクリートの配合を変えた相関関係をデータベース化しておけば、配合に応じた圧縮強度を知ることが可能となる。すなわち、このようなデータベースによって、コンクリートの配合と透気係数の実測値を得れば、非破壊検査による圧縮強度の推定が可能となる。更に、材齢28日以降のコンクリート強度、例えばJIS規格に定められる材齢91日のコンクリート強度も推測可能である。

0039

以上、本発明に係るコンクリート構造物の圧縮強度推定方法に関する説明をしたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態では湿潤養生を行っているが、その他の養生方法にも適用が可能である。また、コンクリート構造物に関しても、本実施形態では橋梁だと説明しているが、橋梁だけでなく他の構造物に適用することを妨げない。また、本実施形態では圧縮強度の計測と透気係数の計測を異なる形状の供試体を用いて行っているが、同一形状の供試体で行っても良い。

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