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技術 電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラム

出願人 京セラ株式会社
発明者 村上洋平
出願日 2018年8月29日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-160777
公開日 2020年3月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-034403
状態 未査定
技術分野 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) レーダ方式及びその細部
主要キーワード ディスクリート回路 けん引 ドローン アップチャープ ダウンチャープ 切り替え周期 検出波 検出ボタン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

動体停留スペースを精度良く検出する電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムを提供する。

解決手段

電子機器は、第1モードと、第2モードと、を切り替えるように制御する制御部を備える。制御部は、第1モードにおいて、移動体に設置された複数の送信アンテナから第1の送信波を送信する。制御部は、第2モードにおいて、送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する。制御部は、移動体の停留スペースを検出する際に、第1モードから第2モードに切り替えるように制御する。

概要

背景

例えば自動車に関連する産業などの分野において、自車両と対象物との間の距離などを測定する技術が重要視されている。特に、近年、ミリ波のような電波を送信し、障害物などの対象物に反射した反射波を受信することで、対象物との間の距離などを測定するレーダRADAR(Radio Detecting and Ranging))の技術が、種々研究されている。このような距離などを測定する技術の重要性は、運転者運転アシストする技術、及び、運転の一部又は全部を自動化する自動運転に関連する技術の発展に伴い、今後ますます高まると予想される。

概要

動体停留スペースを精度良く検出する電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムを提供する。電子機器は、第1モードと、第2モードと、を切り替えるように制御する制御部を備える。制御部は、第1モードにおいて、移動体に設置された複数の送信アンテナから第1の送信波を送信する。制御部は、第2モードにおいて、送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する。制御部は、移動体の停留スペースを検出する際に、第1モードから第2モードに切り替えるように制御する。

目的

本開示の目的は、移動体の停留スペースを精度良く検出する電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

動体に設置された複数の送信アンテナと、前記送信アンテナから第1の送信波を送信する第1モードと、前記送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する第2モードと、を切り替える制御部を備える電子機器であって、前記制御部は、前記移動体の停留スペースを検出する際に、前記第1モードから前記第2モードに切り替える、電子機器。

請求項2

前記制御部は、前記第1モードにおいて前記送信アンテナから送信する送信波のビームフォーミングを行わないように制御する、請求項1に記載の電子機器。

請求項3

前記制御部は、前記第1モードにおいて送信する送信波が反射された反射波受信アンテナから受信した結果に基づいて、前記移動体の周囲に存在する所定の物体を検出するように制御する、請求項1又は2に記載の電子機器。

請求項4

前記制御部は、前記第2モードにおいて送信する送信波が反射された反射波を受信アンテナから受信した結果に基づいて、前記停留スペースを検出するように制御する、請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。

請求項5

前記制御部は、前記第2モードにおいて送信する送信波のビームが前記停留スペースを検出する方向に向くように制御する、請求項1から4のいずれかに記載の電子機器。

請求項6

前記制御部は、前記第2モードにおいて送信する送信波のビーム幅が前記第1モードにおいて送信する送信波のビーム幅よりも狭くなるように制御する、請求項1から5のいずれかに記載の電子機器。

請求項7

前記制御部は、前記第2モードに切り替えた後、前記第1モードと前記第2モードとを切り替えるように制御する、請求項1から6のいずれかに記載の電子機器。

請求項8

前記制御部は、前記第2モードに切り替えた後、前記第1モードにおける動作時間が前記第2モードにおける動作時間よりも短くなるように制御する、請求項7に記載の電子機器。

請求項9

前記制御部は、所定の周期ごとに、前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように制御する、請求項7又は8に記載の電子機器。

請求項10

前記制御部は、前記移動体の停留スペースが検出されたら、前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように制御する、請求項7から9のいずれかに記載の電子機器。

請求項11

移動体に設置された複数の送信アンテナから第1の送信波を送信する第1送信ステップと、前記送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する第2送信ステップと、前記移動体の停留スペースを検出する際に、前記第1送信ステップの動作から前記第2送信ステップの動作に切り替えるように制御する制御ステップと、を含む、電子機器の制御方法

請求項12

コンピュータに、移動体に設置された複数の送信アンテナから第1の送信波を送信する第1送信ステップと、前記送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する第2送信ステップと、前記移動体の停留スペースを検出する際に、前記第1送信ステップの動作から前記第2送信ステップの動作に切り替えるように制御する制御ステップと、を実行させる、電子機器の制御プログラム

技術分野

0001

本開示は、電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムに関する。

背景技術

0002

例えば自動車に関連する産業などの分野において、自車両と対象物との間の距離などを測定する技術が重要視されている。特に、近年、ミリ波のような電波を送信し、障害物などの対象物に反射した反射波を受信することで、対象物との間の距離などを測定するレーダRADAR(Radio Detecting and Ranging))の技術が、種々研究されている。このような距離などを測定する技術の重要性は、運転者運転アシストする技術、及び、運転の一部又は全部を自動化する自動運転に関連する技術の発展に伴い、今後ますます高まると予想される。

先行技術

0003

国際公開第WO2016/167253号

発明が解決しようとする課題

0004

従来、無線通信などの技術分野において、複数の送信アンテナから送信する送信波ビームを形成する技術(ビームフォーミング)が知られている。ビームフォーミングによれば、複数の送信アンテナから送信される送信波のビームを所定の方向に形成することで、例えば電波の到達距離を伸ばすことができる。このようなビームフォーミングを、上述したようなミリ波レーダに採用する技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。種々の測定技術のうち、測定する対象及び/又は用途などに応じて、好適なものを採用することが望ましい。

0005

本開示の目的は、移動体停留スペースを精度良く検出する電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

一実施形態に係る電子機器は、第1モードと、第2モードと、を切り替えるように制御する制御部を備える。
前記制御部は、前記第1モードにおいて、移動体に設置された複数の送信アンテナから送信波を送信する。
前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する。
前記制御部は、前記移動体の停留スペースを検出する際に、前記第1モードから前記第2モードに切り替える。

0007

一実施形態に係る電子機器の制御方法は、以下のステップ(1)〜(3)を含む。
(1)移動体に設置された複数の送信アンテナから第1の送信波を送信する第1送信ステップ
(2)前記送信アンテナからビームフォーミングされた第2の送信波を送信する第2送信ステップ
(3)前記移動体の停留スペースを検出する際に、前記第1送信ステップの動作から前記第2送信ステップの動作に切り替えるように制御する制御ステップ

0008

一実施形態に係る電子機器の制御プログラムは、コンピュータに、上記のステップ(1)から(3)を実行させる。

発明の効果

0009

一実施形態によれば、移動体の停留スペースを精度良く検出する電子機器、電子機器の制御方法、及び電子機器の制御プログラムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

一実施形態に係る電子機器の送信波の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の送信波の他の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
一実施形態に係る電子機器の動作の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の動作の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の動作の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の動作の例を説明するフローチャートである。
一実施形態に係る電子機器の他の動作の例を説明するフローチャートである。
一実施形態に係る電子機器の変形例の動作の例を説明する図である。
一実施形態に係る電子機器の変形例の動作の例を説明する図である。
図8に示すフローチャートの動作の一部を説明する図である。

実施例

0011

以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

0012

一実施形態に係る電子機器は、例えば自動車などのような乗り物(移動体)を駐車又は停車(停留)させるスペースを検出する際に使用することができる。このために、一実施形態に係る電子機器は、例えば自動車などの乗り物に設置したセンサにより、センサの周囲に存在する対象物とセンサとの間の距離などを測定する。センサは、検出波として例えば電磁波のような送信波を送信アンテナから送信してよい。また、センサは、送信波のうち対象物によって反射された反射波を受信アンテナから受信してよい。センサは、送信アンテナ及び受信アンテナの少なくとも一方を備えてよい。一実施形態に係る電子機器は、送信アンテナが送信する送信波及び受信アンテナが受信する反射波に基づいて、センサと対象物との間の距離などを測定してよい。

0013

以下、典型的な例として、一実施形態に係る電子機器が、乗用車のような自動車に搭載される構成について説明する。しかしながら、一実施形態に係る電子機器が搭載されるのは、自動車に限定されない。一実施形態に係る電子機器は、バストラックオートバイ自転車船舶航空機、及びドローンなど、種々の移動体に搭載されてよい。また、一実施形態に係る電子機器が搭載されるのは、必ずしも自らの動力で移動する移動体にも限定されない。例えば、一実施形態に係る電子機器が搭載される移動体は、トラクターけん引されるトレーラー部分などとしてもよい。一実施形態に係る電子機器は、センサ及び対象物の少なくとも一方が移動し得るような状況において、センサと対象物との間の距離などを測定することができる。また、一実施形態に係る電子機器は、センサ及び対象物の双方が静止していても、センサと対象物との間の距離などを測定することができる。

0014

まず、一実施形態に係る電子機器が送信する送信波の例を説明する。

0015

図1は、一実施形態に係る電子機器が送信する送信波の例を説明する図である。図1は、一実施形態に係る送信アンテナを備えるセンサを、移動体に設置した例を示している。

0016

図1に示す移動体100には、一実施形態に係る送信アンテナを備えるセンサ5が設置されている。また、図1に示す移動体100は、一実施形態に係る電子機器1を搭載(例えば内蔵)しているものとする。電子機器1の具体的な構成については、さらに後述する。図1に示す移動体100は、乗用車のような自動車の車両としてよいが、任意のタイプの移動体としてよい。図1において、移動体100は、例えば図に示すY軸正方向(進行方向)に移動(走行又は徐行)していてもよいし、他の方向に移動していてもよいし、また移動せずに静止していてもよい。

0017

図1に示すように、移動体100には、複数の送信アンテナを備えるセンサ5が設置されている。図1に示す例において、複数の送信アンテナを備えるセンサ5は、移動体100の前方に1つだけ設置されている。ここで、複数の送信アンテナを備えるセンサ5が移動体100に設置される位置は、図1に示す位置に限定されるものではなく、適宜、他の位置としてもよい。例えば、図1に示すようなセンサ5を、移動体100の左側、右側、及び/又は、後方などに設置してもよい。また、このようなセンサ5の個数は、移動体100における測定の範囲及び/又は精度など各種の条件(又は要求)に応じて、1つ以上の任意の数としてよい。

0018

センサ5は、送信アンテナから送信波として電磁波を送信する。例えば移動体100の周囲に所定の対象物が存在する場合、センサ5から送信された送信波の少なくとも一部は、当該対象物によって反射されて反射波となる。そして、このような反射波を例えばセンサ5の受信アンテナによって受信することにより、移動体100に搭載された電子機器1は、当該対象物を検出することができる。

0019

送信アンテナを備えるセンサ5は、典型的には、電波を送受信するレーダ(RADAR(Radio Detecting and Ranging))センサとしてよい。しかしながら、センサ5は、レーダセンサに限定されない。一実施形態に係るセンサ5は、例えば光波によるLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)の技術に基づくセンサとしてもよい。これらのようなセンサは、例えばパッチアンテナなどを含んで構成することができる。RADAR及びLIDARのような技術は既に知られているため、詳細な説明は、適宜、簡略化又は省略することがある。

0020

図1に示す移動体100に搭載された電子機器1は、センサ5の送信アンテナから送信波を送信することで、移動体100の主として前方において、所定の距離内に存在する所定の対象物を検出することができる。このようにして、電子機器1は、移動体100の主として前方に所定の対象物が存在することを検出することができる。また、電子機器1は、自車両である移動体100と所定の対象物との間の距離を測定することができる。さらに、電子機器1は、自車両である移動体100から、所定の対象物に対する方位角も測定することができる。さらに、電子機器1は、自車両である移動体100と所定の対象物との相対速度も測定することができる。

0021

ここで、所定の対象物とは、例えば移動体100に隣接する車線を走行する対向車、移動体100に並走する自動車、及び移動体100と同じ車線を走行する前後の自動車などの少なくともいずれかとしてよい。また、所定の対象物とは、オートバイ、自転車、ベビーカー歩行者ガードレール中央分離帯道路標識歩道段差、壁、障害物など、移動体100の周囲に存在する任意の物体としてよい。さらに、所定の対象物は、移動していてもよいし、停止していてもよい。例えば、所定の対象物は、移動体100の周囲に駐車又は停車している自動車などとしてもよい。

0022

図1に示すように、移動体100に搭載された電子機器1は、送信アンテナを備えるセンサ5から、例えば電波とすることができる送信波を送信する。図1においては、センサ5の送信アンテナから送信される送信波が届く範囲(ビーム)を、送信波Taとして模式的に示してある。後述のように、センサ5は、複数の送信アンテナを含んで構成してよい。センサ5は、例えば複数の送信アンテナのうち1つから送信する送信波により、図1に示すような送信波Taのビームを形成することができる。センサ5から送信される送信波Taのビーム幅送信範囲)は、図1に示すように、例えば120°程度の角度とすることができる。センサ5の送信アンテナから送信される送信波Taのビーム幅は、例えば送信アンテナの構成及び/又は配置などの諸条件に基づいて、種々設定することができる。

0023

このように、一実施形態に係る電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも1つから、送信波Taを送信してよい。この場合、送信波Taは、図1に示すように、例えば120°程度の角度を有するような、比較的広範なビーム幅を有する。以下、移動体100に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも1つから送信波Taのような送信波を送信する動作モードを、便宜的に「第1モード」と記すことがある。また、第1モードは、センサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも1つから送信波を送信して、通常のレーダによる(すなわちビームフォーミングせずに)測定を行い得るため、適宜、「通常モード」とも記す。

0024

図1に示す状況において、送信波Taのビームは、移動体100の前方において、対象物200に到達していない。したがって、この状況において、移動体100に搭載された電子機器1は、センサ5の送信アンテナから送信された送信波Taに基づいて対象物200の存在を検出できない。例えば移動体100が図1に示す状況からさらに前進するなどして、送信波Taのビームが対象物200に到達したとする。この場合、移動体100に搭載された電子機器1は、センサ5の送信アンテナから送信された送信波Taに基づいて、対象物200の存在を検出できる。

0025

図2は、一実施形態に係る電子機器1が送信する送信波の他の例を説明する図である。

0026

図2は、移動体100に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナから送信された送信波が、電波のビームを形成している様子を模式的に示している。後述のように、センサ5は、複数の送信アンテナを含んで構成してよい。したがって、一実施形態に係る電子機器1は、移動体100に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも2つから送信する送信波Tのビームを形成(ビームフォーミング)することができる。具体的には、電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも2つから送信される送信波の位相を制御することで、送信波が所定の方向において強め合うようにすることができる。

0027

例えば、図2に示すように、移動体100の前方に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナは、例えば移動体100の前方に送信波のビームBaを形成(ビームフォーミング)することができる。この時、電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナから送信されるそれぞれの送信波の位相が移動体100の前方向(Y軸正方向)において揃うように、各送信波の位相を制御する。このようにして、複数の送信波は、移動体100の前方向(Y軸正方向)において強め合い、電波のビームBaを形成する。上述のように、ビームフォーミングの技術を採用することで、送信波によって検出される所定の物体との間の距離の測定などの精度が向上し得る。特に、ビームフォーミングによれば、送信波のビーム幅が狭くなるため、反射波に含まれるノイズの成分を低減することができる。さらに、ビームフォーミングによれば、特定方向の送信波が強め合うため、送信波の到達距離を伸ばすこともできる。

0028

また、電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナから送信される送信波の位相を適切に制御することで、送信波のビームの方向を変えることができる。例えば、電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナから送信されるそれぞれの送信波の位相が移動体100の左前方向(Y軸正方向の左側)において揃うように、各送信波の位相を制御することもできる。このようにして、複数の送信波は、移動体100の左前方向(Y軸正方向の左側)において強め合い、電波のビームBbを形成する。また、電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナから送信されるそれぞれの送信波の位相が移動体100の右前方向(Y軸正方向の右側)において揃うように、各送信波の位相を制御することもできる。このようにして、複数の送信波は、移動体100の右前方向(Y軸正方向の右側)において強め合い、電波のビームBcを形成する。電子機器1は、送信波の位相を適宜変更することで、図2に示すビームBa、Bb、Bc以外にも、各種の方向に、送信アンテナ40から送信される送信波のビームを向けることができる。

0029

図2に示すように、例えば移動体100の周囲(右前方)に対象物200が存在する場合、電子機器1は、センサ5から送信される送信波がビームBcを形成するように制御することができる。このように、電子機器1は、送信波のビームの方向を制御することで、センサ5から対象物200に向く角度(例えば方位角)を測定することができる。このように、ビームフォーミングによれば、送信波の放射方向を制御して、所定の対象物に対する角度を測定する精度を向上することができる。

0030

このように、一実施形態に係る電子機器1は、センサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも2つから送信波を送信することにより、例えば図2に示すビームBa、Bb、又はBcのようなビームを形成(ビームフォーミング)してよい。この場合、ビームBa、Bb、又はBcは、図2に示すように、例えば30°程度の角度を有するような、例えば図1に示した送信波Taのビーム幅よりも狭い範囲のビーム幅を有してよい。また、図2に示すように、ビームBa、Bb、又はBcを形成する送信波は、例えば図1に示した送信波Taよりも長い到達範囲を有してよい。

0031

以下、移動体100に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナの少なくとも2つから送信する送信波のビームフォーミングを行う動作モードを、便宜的に「第2モード」と記すことがある。また、第2モードは、ビームフォーミング(Beamforming)を行うため、適宜、「BFモード」とも記す。これに対し、上述の第1モード(通常モード)は、移動体100に設置されたセンサ5が備える複数の送信アンテナから送信する送信波のビームフォーミングを行わない動作モードとしてよい。

0032

図1及び図2において、センサ5の大きさは誇張して示してある。したがって、図1及び図2において、センサ5の大きさと、移動体100の大きさとの比率は、必ずしも実際の比率を示すものではない。また、図1及び図2において、センサ5は、移動体100の外部に設置した状態を示してある。しかしながら、一実施形態において、センサ5は、移動体100の各種の位置に設置してよい。例えば、一実施形態において、センサ5は、移動体100のバンパーの内部に設置して、移動体100の外観に現れないようにしてもよい。また、図1及び図2において、センサ5から送信される送信波Ta並びに送信波が形成するビームBa、Bb、及びBcは、模式的に示してある。したがって、図1及び図2において、送信波Ta並びにビームBa、Bb、及びBcの大きさと、移動体100の大きさとの比率は、必ずしも実際の比率を示すものではない。

0033

以下、典型的な例として、センサ5の送信アンテナは、ミリ波(30GHz以上)又は準ミリ波(例えば20GHz〜30GHz付近)などのような周波数帯の電波を送信するものとして説明する。例えば、センサ5の送信アンテナは、77GHz〜81GHzのように、4GHzの周波数帯域幅を有する電波を送信してもよい。ミリ波を送受信することにより、電子機器1は、センサ5が設置された移動体100と、当該移動体100の周囲に存在する所定の物体との間の距離を算出することができる。また、ミリ波を送受信することにより、電子機器1は、センサ5が設置された移動体100の周囲に存在する所定の物体の位置を算出することもできる。また、ミリ波を送受信することにより、電子機器1は、センサ5が設置された移動体100の周囲に存在する所定の物体に向く角度を算出することもできる。さらに、ミリ波を送受信することにより、電子機器1は、センサ5が設置された移動体100と、当該移動体100の周囲に存在する所定の物体との相対速度を算出することもできる。

0034

図3は、一実施形態に係る電子機器1の構成例を概略的に示す機能ブロック図である。以下、一実施形態に係る電子機器1の構成について説明する。

0035

図3に示すように、一実施形態に係る電子機器1は、センサ5及び制御部10を備えている。また、一実施形態に係る電子機器1は、信号生成部22、周波数シンセサイザ24、送信制御部30、パワーアンプ36A及び36B、並びに送信アンテナ40A及び40Bを備えてよい。上述のセンサ5は、少なくとも送信アンテナ40A及び40Bを備えるものとしてよい。また、センサ5は、制御部10、送信制御部30、並びにパワーアンプ36A及び36Bなどの少なくともいずれかのような、他の機能部を含んでもよい。なお、図1に示す例においては、センサ5と制御部10とは別個の機能部として示してあるが、センサ5に制御部10の全部又は一部が含まれても良い。また、センサ5に含まれる部材は図3に示される例に限定されず、図3に示す部材のうちの任意の部材をセンサ5から外してもよい。ここで、送信アンテナ40A及び送信アンテナ40B、受信アンテナ50A及び受信アンテナ50B、並びに、パワーアンプ36A及びパワーアンプ36Bがセンサ5として、1つの筐体に収められてもよい。

0036

図3に示す電子機器1は、2つの送信アンテナ40A及び40Bを備えている。以下、一実施形態に係る電子機器1において、送信アンテナ40Aと送信アンテナ40Bとを区別しない場合、単に「送信アンテナ40」と総称する。また、図3に示す電子機器1は、他の機能部も2つ備える場合がある(例えばパワーアンプ36A及び36Bなど)。このような他の機能部についても、同種の複数の機能部を特に区別しない場合、A及びBのような記号を省略することにより、当該機能部を総称することがある。

0037

さらに、一実施形態に係る電子機器1は、受信アンテナ50A及び50B、LNA52A及び52B、ミキサ54A及び54B、IF部56A及び56B、AD変換部58A及び58B、距離推定部62、角度推定部64、並びに相対速度推定部66を備えてよい。以下、これらのような機能部についても、同種の複数の機能部を特に区別しない場合、A及びBのような記号を省略することにより、当該機能部を総称することがある。上述のセンサ5は、受信アンテナ50A及び50Bを備えるものとしてもよい。また、センサ5は、LNA52A及び52Bなどのような、他の機能部を含んでもよい。

0038

一実施形態に係る電子機器1が備える制御部10は、電子機器1を構成する各機能部の制御をはじめとして、電子機器1全体の動作の制御を行うことができる。制御部10は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部10は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(IntegratedCircuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部10は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。図3に示すように、制御部10は、制御部10の動作に必要なメモリのような記憶部12を適宜含んでもよい。記憶部12は、制御部10において実行されるプログラム、及び、制御部10において実行された処理の結果などを記憶してよい。また、記憶部12は、制御部10のワークメモリとして機能してよい。

0039

一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、送信制御部30を制御することができる。この場合、制御部10は、記憶部12に記憶された各種情報に基づいて、送信制御部30を制御してよい。また、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、信号生成部22に信号の生成を指示したり、信号生成部22が信号を生成するように制御したりしてもよい。

0040

移動体100が自動車である場合、例えばCAN(Controller Area Network)のような通信インタフェースを用いて、ECU(Electronic Control Unit)間における通信を行うことができる。この場合、制御部10は、ECUなどから、移動体100の制御情報入手することができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、入手した制御情報などに基づいて、送信波の送信モードを決定してよい。ここで、送信波の送信モードとは、例えば、上述の第1モード(通常モード)及び第2モード(BFモード)としてよい。さらに、送信波の送信モードとは、上述のそれぞれのモードにおける各種の設定としてもよい。例えば、送信波の送信モードとは、上述のそれぞれのモードにおいて送信波を送信する送信アンテナの数(アンテナの本数)を規定するものとしてもよい。また、例えば、送信波の送信モードとは、例えばビームフォーミングの有無及び/又はビームフォーミングの角度などを規定するものとしてもよい。ここで、ビームフォーミングの角度とは、ビームフォーミングを行う場合に、移動体100において送信アンテナ40が設置された箇所(位置)に対してビームの利得を増大させるための角度としてよい。

0041

上述の送信モードが決定されると、制御部10は、当該送信モードにおける設定情報を、送信制御部30に供給する。ここで、送信モードにおける設定情報は、例えば、当該送信モードにおいて送信波を送信する送信アンテナの数の情報を含んでもよい。また、送信モードにおける設定情報は、例えば、当該送信モードにおいて送信アンテナが送信波を送信するパワーの情報などを含んでもよい。また、送信モードにおける設定情報は、ビームフォーミングを行う場合に複数の送信アンテナ40から送信するそれぞれの送信波の位相の情報などを含んでもよい。

0042

このような動作のために、例えば、各種の送信モードと、当該送信モードにおける動作に必要な設定情報とを関連付けたものを、例えばテーブルなどとして予め記憶部12に記憶してもよい。また、例えば、ある送信モードにおいてビームフォーミングを行う際の送信波の位相情報を、移動体100において送信アンテナ40が設置された箇所(位置)及び設置角度などに関連付けて、記憶部12に記憶してもよい。このような場合、制御部10は、送信モードが決定すると、決定した送信モードに対応する設定情報を記憶部12から読み出して、当該設定情報を送信制御部30に供給することができる。

0043

送信アンテナ40から送信する送信波Tの届く距離を変化させたい場合、例えば送信波Tの送信電力を調整して、送信アンテナ40の利得及び/又はビームフォーミングの利得を変化させてもよい。この場合、送信アンテナ40が送信する送信波Tの送信電力と、送信アンテナ40の利得及び/又はビームフォーミングの利得とを関連付けて、記憶部12に記憶しておいてもよい。

0044

また、上述のような各種の送信モードと、当該送信モードに対応する設定情報とは、各種の条件に基づいて、適宜生成されるものであってもよい。このような場合、制御部10は、送信モードが決定すると、決定した送信モードに対応する設定情報が記憶部12に記憶されていなくても、当該設定情報を送信制御部30に供給することができる。

0045

信号生成部22は、制御部10の制御により、送信アンテナ40から送信波Tとして送信される信号(送信信号)を生成する。信号生成部22は、送信信号を生成する際に、例えば制御部10による制御に基づいて、送信信号の周波数割り当てる。例えば、信号生成部22は、制御部10から周波数情報を受け取ることにより、例えば77〜81GHzのような周波数帯域の所定の周波数の信号を生成する。信号生成部22は、例えば電圧制御発振器VCO)のような機能部を含んで構成してよい。

0046

信号生成部22は、当該機能を有するハードウェアとして構成してもよいし、例えばマイコンなどで構成してもよいし、例えばCPUのようなプロセッサ及び当該プロセッサで実行されるプログラムなどとして構成してもよい。以下説明する各機能部も、当該機能を有するハードウェアとして構成してもよいし、可能な場合には、例えばマイコンなどで構成してもよいし、例えばCPUのようなプロセッサ及び当該プロセッサで実行されるプログラムなどとして構成してもよい。

0047

一実施形態に係る電子機器1において、信号生成部22は、例えばチャープ信号のような送信信号を生成してよい。特に、信号生成部22は、周波数が周期的に線形に変化する信号(線形チャープ信号)を生成してもよい。例えば、信号生成部22は、周波数が時間の経過に伴って77GHzから81GHzまで周期的に線形に増大するチャープ信号としてもよい。また、例えば、信号生成部22は、周波数が時間の経過に伴って77GHzから81GHzまで線形の増大(アップチャープ)及び減少(ダウンチャープ)を周期的に繰り返す信号を生成してもよい。信号生成部22が生成する信号は、例えば制御部10において予め設定されていてもよい。また、信号生成部22が生成する信号は、例えば記憶部12に予め記憶されていてもよい。レーダのような技術分野で用いられるチャープ信号は既知であるため、より詳細な説明は、適宜、簡略化又は省略する。信号生成部22によって生成された信号は、周波数シンセサイザ24に供給される。

0048

周波数シンセサイザ24は、信号生成部22が生成した信号の周波数を、所定の周波数帯の周波数まで上昇させる。周波数シンセサイザ24は、送信アンテナ40から送信する送信波Tの周波数として選択された周波数まで、信号生成部22が生成した信号の周波数を上昇させてよい。送信アンテナ40から送信する送信波Tの周波数として選択される周波数は、例えば制御部10によって設定されてもよい。また、送信アンテナ40から送信する送信波Tの周波数として選択される周波数は、例えば記憶部12に記憶されていてもよい。周波数シンセサイザ24によって周波数が上昇された信号は、送信制御部30及びミキサ54に供給される。

0049

送信制御部30は、周波数シンセサイザ24から供給された送信信号を、複数の送信アンテナ40の少なくとも1つから送信波Tとして送信するための制御を行う。図3に示すように、送信制御部30は、位相制御部32及びパワー制御部34を含んで構成されてよい。また、図3に示すように、送信制御部30は、制御部10による制御に基づいて、送信アンテナ40から送信波Tとして送信するための制御を行ってよい。制御部10が送信制御部30を制御するために必要な各種情報は、記憶部12に記憶してよい。

0050

位相制御部32は、周波数シンセサイザ24から供給された送信信号の位相を制御する。具体的には、位相制御部32は、制御部10による制御に基づいて、周波数シンセサイザ24から供給された信号の位相を適宜早めたり遅らせたりすることにより、送信信号の位相を調整してよい。この場合、位相制御部32は、複数の送信アンテナ40から送信されるそれぞれの送信波Tの経路差に基づいて、それぞれの送信信号の位相を調整してよい。位相制御部32がそれぞれの送信信号の位相を適宜調整することにより、複数の送信アンテナ40から送信される送信波Tは、所定の方向において強め合ってビームを形成する(ビームフォーミング)。

0051

例えば第1モードでビームフォーミングを行わずに送信波Tを送信する場合、位相制御部32は、送信アンテナ40から送信波Tとして送信する送信信号の位相を制御しなくてもよい。また、例えば第2モードで送信波Tのビームフォーミングを行う場合、位相制御部32は、ビームフォーミングの方向に応じて、複数の送信アンテナ40から送信波Tとして送信する複数の送信信号の位相を、それぞれ制御してよい。この場合、ビームフォーミングの方向と、複数の送信アンテナ40がそれぞれ送信する送信信号の制御すべき位相量との相関関係は、例えば記憶部12に記憶しておいてよい。位相制御部32によって位相制御された信号は、パワーアンプ36に供給される。

0052

パワー制御部34は、図3に示すように、それぞれ対応するパワーアンプ36に接続される。パワー制御部34は、パワー制御部34に接続されたパワーアンプ36によるパワーの増幅を制御する。パワー制御部34は、パワーアンプ36を制御することで、パワーアンプ36に接続された送信アンテナ40から送信される送信波Tの送信パワーを制御する。例えば、パワー制御部34は、パワー制御部34に接続されたパワーアンプ36の送信パワーのオンオフとを切り替えることができる。すなわち、パワー制御部34は、パワーアンプ36に接続された送信アンテナ40から送信波Tを送信するか否かを切り替えることができる。

0053

例えば、パワー制御部34Aは、送信アンテナ40Aから送信される送信波Tの送信パワーのオンとオフとを切り替えることができる。また、パワー制御部34Bは、送信アンテナ40Bから送信される送信波Tの送信パワーのオンとオフとを切り替えることができる。したがって、電子機器1は、パワー制御部34A及びパワー制御部34Bの双方による制御に基づいて、送信アンテナ40A及び/又は送信アンテナ40Bから送信波Tが送信されるようにするか否かを、それぞれ任意に制御することができる。また、パワー制御部34は、パワー制御部34に接続されたパワーアンプ36の送信パワーを適宜調整可能としてもよい。このように、パワー制御部34は、例えば送信モードにおける設定に基づいて、複数の送信アンテナ40のうちいくつの送信アンテナ40から送信波Tを送信するかを規定することができる。パワー制御部34による制御に必要な各種の情報は、例えば記憶部12に記憶してよい。例えば、記憶部12は、パワー制御部34による制御と、対応する送信アンテナ40から送信される送信波Tの送信パワーとの相関関係を記憶してもよい。また、記憶部12は、前述のような相関関係を、各種の送信モードについて記憶してもよい。

0054

一実施形態に係る電子機器1は、送信制御部30における位相制御部32及び/又はパワー制御部34による制御に基づいて、複数の送信アンテナ40の少なくとも1つから送信する送信波Tの送信態様を、種々設定することができる。具体的には、一実施形態に係る電子機器1は、ビームフォーミングを行うか否か、及び/又は、ビームフォーミングを行う場合におけるビームの方向などを、種々設定することができる。この場合、例えば記憶部12は、送信波Tの種々の送信態様に対応する位相制御部32及び/又はパワー制御部34の制御情報を記憶してよい。制御部10は、記憶部12から送信波Tの種々の送信態様に対応する制御情報を読み出すことにより、位相制御部32及び/又はパワー制御部34による送信波Tの制御を行うことができる。例えば、電子機器1が上述の通常モード(第1モード)で動作する(例えばビームフォーミングを行わない)場合、パワー制御部34は、各送信アンテナ40のアンテナ放射利得に応じて、送信波Tを送信する際の電力を制御する。また、例えば電子機器1が上述のBFモード(第2モード)で動作する(ビームフォーミングを行う)場合、位相制御部32は、複数の送信アンテナ40のうち使用する送信アンテナから送信する送信信号の位相を適宜変更する。一実施形態において、複数の送信アンテナ40から送信される送信波Tのビームフォーミングを行う際、ビームの数及び/又はビームの形状などは、位相制御部32及びパワー制御部34による制御に基づいて、各種のものとすることができる。

0055

パワーアンプ36は、位相制御部32から供給された送信信号のパワーを、パワー制御部34による制御に基づいて増幅させる。送信信号のパワーを増幅させる技術自体は既に知られているため、より詳細な説明は省略する。パワーアンプ36は、送信アンテナ40に接続される。

0056

送信アンテナ40は、パワーアンプ36によって増幅された送信信号を、送信波Tとして出力(送信)する。上述のように、センサ5は、例えば送信アンテナ40A及び送信アンテナ40Bのように、複数の送信アンテナを含んで構成してよい。送信アンテナ40は、既知のレーダ技術に用いられる送信アンテナと同様に構成することができるため、より詳細な説明は省略する。

0057

このようにして、一実施形態に係る電子機器1は、複数の送信アンテナ40から送信波Tとして、例えばチャープ信号のような送信信号を送信することができる。ここで、電子機器1を構成する各機能部のうちの少なくとも1つは、1つの筐体において容易に開けることができない構造の筐体に収められてもよい。例えば送信アンテナ40A及び送信アンテナ40B、受信アンテナ50A及び受信アンテナ50B、並びにパワーアンプ36A及びパワーアンプ36Bが1つの筐体に収められて、かつ、この筐体が容易に開けられない構造にしてもよい。さらに、センサ5が自動車のような移動体100に設置される場合、送信アンテナ40は、例えばレーダカバーのような部材を介して、移動体100の外部に送信波Tを送信してもよい。この場合、レーダカバーは、例えば合成樹脂又はゴムのような、電磁波を通過させる物質で構成してよい。このレーダカバーは、例えばセンサ5のハウジングとしてもよい。レーダカバーのような部材で送信アンテナ40を覆うことにより、送信アンテナ40が外部との接触により破損したり不具合が発生したりするリスクを低減することができる。また、上記レーダカバー及びハウジングは、レドームとも呼ばれることがある(以下、同じ)。

0058

図3に示す電子機器1は、送信アンテナ40A及び送信アンテナ40Bのように2つの送信アンテナ40を備え、この2つの送信アンテナ40によって送信波Tを送信する。したがって、図3に示す電子機器1は、2つの送信アンテナ40から送信波Tを送信するのに必要な機能部も、それぞれ2つずつ含んで構成される。具体的には、送信制御部30は、位相制御部32A及び位相制御部32Bのように2つの位相制御部32を含んで構成される。また、送信制御部30は、パワー制御部34A及びパワー制御部34Bのように2つのパワー制御部34を含んで構成される。さらに、図3に示す電子機器1は、パワーアンプ36A及びパワーアンプ36Bのように2つのパワーアンプ36を含んで構成される。

0059

図3に示す電子機器1は、2つの送信アンテナ40を備えているが、一実施形態に係る電子機器1が備える送信アンテナ40の数は、例えば3つ以上のように、任意の複数としてよい。この場合、一実施形態に係る電子機器1は、複数の送信アンテナ40と同じ数のパワーアンプ36を備えてよい。また、この場合、一実施形態に係る電子機器1は、複数の送信アンテナ40と同じ数の位相制御部32及びパワー制御部34を備えてよい。

0060

受信アンテナ50は、反射波Rを受信する。反射波Rは、送信波Tが所定の対象物200に反射したものである。受信アンテナ50は、例えば受信アンテナ50A及び受信アンテナ50Bのように、複数のアンテナを含んで構成してよい。受信アンテナ50は、既知のレーダ技術に用いられる受信アンテナと同様に構成することができるため、より詳細な説明は省略する。受信アンテナ50は、LNA52に接続される。受信アンテナ50によって受信された反射波Rに基づく受信信号は、LNA52に供給される。

0061

一実施形態に係る電子機器1は、複数の受信アンテナ50から、例えばチャープ信号のような送信信号として送信された送信波Tが所定の対象物200によって反射された反射波Rを受信することができる。ここで、たとえば複数の受信アンテナ50のような電子機器1を構成する少なくとも1つの機能部は、1つの筐体において容易に開けることができない構造の筐体に収められてもよい。センサ5が自動車のような移動体100に設置される場合、受信アンテナ50は、例えばレーダカバーのような部材を介して、移動体100の外部から反射波Rを受信してもよい。この場合、レーダカバーは、例えば合成樹脂又はゴムのような、電磁波を通過させる物質で構成してよい。このレーダカバーは、例えばセンサ5のハウジングとしてもよい。レーダカバーのような部材で受信アンテナ50を覆うことにより、受信アンテナ50が外部との接触により破損又は不具合が発生するリスクを低減することができる。

0062

また、センサ5には、例えば全ての送信アンテナ40及び全ての受信アンテナ50を含めてよい。さらに、受信アンテナ50が送信アンテナ40の近くに設置される場合、これらをまとめて1つのセンサ5に含めて構成してもよい。すなわち、1つのセンサ5には、例えば少なくとも1つの送信アンテナ40及び少なくとも1つの受信アンテナ50を含めてもよい。例えば、1つのセンサ5は、複数の送信アンテナ40及び複数の受信アンテナ50を含んでもよい。このような場合、例えば1つのレーダカバーのような部材で、1つのレーダセンサを覆うようにしてもよい。

0063

LNA52は、受信アンテナ50によって受信された反射波Rに基づく受信信号を低ノイズで増幅する。LNA52は、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier)としてよく、受信アンテナ50から供給された受信信号を低雑音で増幅する。LNA52によって増幅された受信信号は、ミキサ54に供給される。

0064

ミキサ54は、LNA52から供給されるRF周波数の受信信号を、周波数シンセサイザ24から供給される送信信号に混合する(掛け合わせる)ことにより、ビート信号を生成する。ミキサ54によって混合されたビート信号は、IF部56に供給される。

0065

IF部56は、ミキサ54から供給されるビート信号に周波数変換を行うことにより、ビート信号の周波数を中間周波数(IF(Intermediate Frequency)周波数)まで低下させる。IF部56によって周波数を低下させたビート信号は、AD変換部58に供給される。

0066

AD変換部58は、IF部56から供給されたアナログのビート信号をデジタル化する。AD変換部58は、任意のアナログ−デジタル変換回路(Analog to Digital Converter(ADC))で構成してよい。AD変換部58によってデジタル化されたビート信号は、受信アンテナ50が1つの場合は距離推定部62に、受信アンテナ50が複数の場合は距離推定部62及び角度推定部64の両方に供給される。

0067

距離推定部62は、AD変換部58から供給されたビート信号に基づいて、電子機器1を搭載した移動体100と、対象物200との間の距離を推定する。距離推定部62は、例えばFFT処理部を含んでよい。この場合、FFT処理部は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理を行う任意の回路又はチップなどで構成してよい。FFT処理部は、AD変換部58によってデジタル化されたビート信号に対してFFT処理を行う。例えば、距離推定部62は、AD変換部58から供給された複素信号にFFT処理を行ってよい。距離推定部62は、FFT処理によって得られた結果においてピークが所定の閾値以上である場合、そのピークに対応する距離に、所定の対象物200があると判断してもよい。距離推定部62によって推定された距離の情報は、例えば制御部10に供給されてよい。

0068

角度推定部64は、AD変換部58から供給されたビート信号に基づいて、電子機器1を搭載した移動体100から対象物200に向く方向(すなわち反射波Rが受信アンテナ50に到来する方向)を推定する。角度推定部64も、距離推定部62と同様に、例えばFFT処理部を含んでよい。上述のように、距離推定部62は、AD変換部58から供給された複素信号にFFT処理を行い、FFT処理の結果得られたピークが所定の閾値以上である場合、そのピークに対応する距離に、所定の対象物200があると判断してよい。この場合、角度推定部64は、所定の対象物200からの反射波Rを複数の受信アンテナ50によって受信した結果に基づいて、反射波Rが受信アンテナ50に到来した方向(すなわち対象物200から受信アンテナ50に向く方向)を推定してよい。角度推定部64によって推定された方向(到来方向又は到来角)の情報は、例えば制御部10に供給されてよい。

0069

相対速度推定部66は、ビート信号に基づいて、対象物200と移動体100との相対速度を推定する。

0070

一般的に、ビート信号にFFT処理を行うことにより、周波数スペクトルを得ることができる。この周波数スペクトルから、上述のFFT処理部は、送信アンテナ40から送信される送信波Tのビームの範囲内に所定の対象物200が存在するか否かを推定することができる。すなわち、FFT処理部は、FFT処理されたビート信号に基づいて、送信アンテナ40を備えるセンサ5が発するビームの範囲内に所定の対象物200が存在するか否かを推定することができる。また、FFT処理部は、FFT処理されたビート信号に基づいて、所定の対象物200が存在する場合に、送信アンテナ40を備えるセンサ5と対象物200との距離を推定することもできる。さらに、FFT処理部は、FFT処理されたビート信号に基づいて、所定の対象物200が存在する場合に、送信アンテナ40を備えるセンサ5と対象物200との位置関係も推定することもできる。

0071

このように、一実施形態に係る電子機器1は、送信波Tとして送信される信号、及び反射波Rとして受信される信号から得られるビート信号に基づいて、対象物200と移動体100との間の距離を測定(推定)してよい。また、一実施形態に係る電子機器1は、ビート信号に基づいて、対象物200と移動体100との位置関係(例えば対象物200から反射波Rが移動体100に到来する到来角)を測定(推定)してよい。さらに、一実施形態に係る電子機器1は、ビート信号に基づいて、対象物200と移動体100との相対速度を測定(推定)してもよい。また、制御部10は、距離推定部62から供給される距離の情報、及び/又は角度推定部64から供給される方向(角度)の情報などから、各種の演算、推定、及び制御などを行ってもよい。例えば79GHz帯などのようなミリ波レーダを利用して取得したビート信号に基づいて、反射波が反射した所定の対象物までの距離及び/又は方向などを推定する技術そのものは知られているため、より詳細な説明は省略する。

0072

図3に示す電子機器1は、受信アンテナ50A及び受信アンテナ50Bのように2つの受信アンテナ50を備え、この2つの受信アンテナ50によって反射波Rを受信する。したがって、図3に示す電子機器1は、2つの受信アンテナ50から反射波Rを受信するのに必要な機能部も、それぞれ2つずつ含んで構成される。具体的には、電子機器1は、LNA52と、ミキサ54と、IF部56と、AD変換部58とを、それぞれ2つずつ含んで構成される。

0073

図3に示す電子機器1は、2つの受信アンテナ50を備えているが、一実施形態に係る電子機器1が備える受信アンテナ50の数は、任意の複数としてよい。この場合、一実施形態に係る電子機器1は、上述した2つずつ含まれる機能部を、それぞれ複数の受信アンテナ50と同じ数だけ備えてよい。

0074

次に、一実施形態に係る電子機器1において送信される送信波について説明する。

0075

ミリ波方式のレーダによって距離などを測定する際、周波数変調連続波レーダ(以下、FMCWレーダ(Frequency Modulated Continuous Wave radar)と記す)が用いられることが多い。FMCWレーダは、送信する電波の周波数を掃引して送信信号が生成される。したがって、例えば79GHzの周波数帯の電波を用いるミリ波方式のFMCWレーダにおいて、使用する電波の周波数は、例えば77GHz〜81GHzのように、4GHzの周波数帯域幅を持つものとなる。79GHzの周波数帯のレーダは、例えば24GHz、60GHz、76GHzの周波数帯などの他のミリ波/準ミリ波レーダよりも、使用可能な周波数帯域幅が広いという特徴がある。

0076

上述のように、複数の送信アンテナ40から送信する電波のビームを形成(ビームフォーミング)することにより、所定の方向の送信波を強め合うことができる。このようにすれば、電子機器1は、電子機器1を搭載した移動体100と対象物200との間の距離、及び/又は、対象物200の方向などを測定する精度を向上させることができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1は、FMCWレーダのように周波数が時間の経過に伴って変化する電波を送信波としつつ、このような送信波によって、必要に応じてビームフォーミングを行う。以下、このような実施形態について、さらに説明する。

0077

図4図6は、一実施形態に係る電子機器1の動作の例を説明する図である。

0078

図4に示す移動体100は、一実施形態に係る電子機器1を搭載しているものとする。以下、一例として、移動体100に搭載された電子機器1が、移動体100を停車又は駐車させることが可能なスペース(停留スペース)を検出する動作を想定して説明する。図4において、移動体100以外の車両は、全て他の移動体300であるものとして説明する。また、図4に示す他の移動体300は、全て停車又は駐車されて停止していてもよいし、他の移動体300の少なくとも1つは低速で徐行するなど動いていてもよい。図4に示すように、移動体100に搭載された電子機器1は、他の移動体300などが停車又は駐車されている場所において、移動体100を停留可能なスペース(停留スペースP)を検出する。

0079

図4に示すように、移動体100には、センサ6及びセンサ7が設置されている。図4に示すように、センサ6は移動体100の進行方向に対して後部左側に設置されており、センサ7は移動体100の進行方向に対して後部右側に設置されている。ここで、センサ6及びセンサ7は、それぞれ、図3に示した電子機器1における複数の送信アンテナ40を備えるセンサ5と同じものであるとしてよい。すなわち、センサ6及びセンサ7は、それぞれが複数の送信アンテナ40を含むものとしてよい。移動体100には、センサ6及びセンサ7以外にも、例えば複数の送信アンテナを備えるような他のセンサなどが設置されてもよい。しかしながら、図4において、そのような他のセンサなどは省略してある。また、センサ6及びセンサ7は、それぞれ、図3に示した電子機器1における制御部10と接続されるとしてもよい。

0080

図4に示す状況において、移動体100は、これから移動体100の停留スペースの検出を開始しようとしているものとする。この時、電子機器1は、例えば移動体100の運転者によって「停留スペース検出ボタン」のようなスイッチが押されたことをトリガにして、移動体100の停留スペースの検出が開始されたと判定してもよい。また、電子機器1は、例えばGPSによる位置情報などに基づいて、例えば自宅又は所定の場所(行きつけの店舗など)における車庫に近づいたことをトリガにして、移動体100の停留スペースの検出が開始されたと判定してもよい。さらに、電子機器1は、他のトリガに基づいて、移動体100の停留スペースの検出が開始されたと判定してもよい。

0081

図4に示すような、移動体100の停留スペースの検出がまだ開始されていない時点において、一実施形態に係る電子機器1の制御部10は、第1モード(例えば通常モード)で動作するように制御してよい。この場合、制御部10は、移動体100に設置されたセンサ6が備える複数の送信アンテナ40の少なくとも1つから送信波Tを送信してよい。また、この場合、制御部10は、移動体100に設置されたセンサ7が備える送信アンテナ40の少なくとも1つから送信波Tを送信してよい。

0082

図4は、電子機器1の制御部10による制御に基づいて、センサ6が備える複数の送信アンテナ40から送信波T1を送信している様子を概略的に示している。また、図4は、制御部10による制御に基づいて、センサ7が備える送信アンテナ40から送信波T2を送信している様子を概略的に示している。図4に示すように、センサ6及びセンサ7から送信される送信波T1及び送信波T2は、それぞれ、通常時においては、移動体100の進行方向に対して後方の障害物などを検出する用途で用いられるものとしてよい。また、図4に示すように、センサ6及びセンサ7から送信される送信波T1及び送信波T2は、それぞれ、ビームフォーミングを行っていないものとしてよい。図4に示すように、センサ6及びセンサ7から送信される送信波T1及び送信波T2は、それぞれ、比較的広範なビーム幅を有するが、送信波の到達距離は比較的短い。

0083

図4に示すような状況において、移動体100の停留スペースの検出が開始されると、電子機器1は、図5に示すような動作を行う。

0084

移動体100の停留スペースの検出が開始されると、電子機器1の制御部10は、図5に示すように、第2モード(例えばBFモード)で動作するように制御してよい。この場合、制御部10は、移動体100に設置されたセンサ6が備える複数の送信アンテナ40の少なくとも2つから送信する送信波Tのビームフォーミングを行ってよい。また、この場合、制御部10は、移動体100に設置されたセンサ7が備える複数の送信アンテナ40の少なくとも2つから送信する送信波Tのビームフォーミングを行ってよい。

0085

図5は、電子機器1の制御部10による制御に基づいて、センサ6が備える複数の送信アンテナ40から送信される送信波TのビームB1を形成している様子を概略的に示している。また、図5は、電子機器1の制御部10による制御に基づいて、センサ7が備える複数の送信アンテナ40から送信される送信波TのビームB2を形成している様子を概略的に示している。図5に示すように、センサ6及びセンサ7から送信される送信波TのビームB1及びビームB2は、それぞれ、停留スペースの検出時においては、移動体100の側方において移動体100が停留可能なスペースを検出する用途で用いられるものとしてよい。図5に示すように、センサ6及びセンサ7から送信される送信波TのビームB1及びビームB2は、それぞれ、比較的狭いビーム幅となる一方、ビームの到達距離は比較的長くなる。したがって、図5に示す第2モード(BFモード)の動作においては、移動体100の停留スペースを精度良く検出することができる。

0086

停留スペースの検出が開始されると、移動体100は、例えば自動運転によって、図5に示す矢印の方向に徐行運転を行ってもよい。この場合、電子機器1は、移動体100の移動に伴って、移動体100の左右両側において停留スペースをスキャンすることができる。また、移動体100は、自動運転によらずに、例えば運転者の運転によって、図5に示す矢印の方向に徐行運転されてもよい。

0087

例えば、停留スペースの検出が開始して、移動体100は、自動運転によって、図5に示す矢印の進行方向(前方向)に、他の移動体300の車列の間を徐行し始めたとする。移動体100が他の移動体300の車列の間を徐行し始めた直後において、電子機器1は、送信波TのビームB1及びB2によって、移動体100を停留可能なスペースはこの時点で存在しないことを把握することができる。

0088

その後、移動体100は、図5に示す矢印の進行方向に、他の移動体300の車列の間を前進し、図6に示す位置まで到達したとする。

0089

図6に示す状況において、電子機器1は、送信波TのビームB1によって、移動体100の左側には停留可能なスペースがこの時点で存在しないことを把握することができる。一方、図6に示す状況において、電子機器1は、送信波TのビームB2によって、移動体100の右側には停留可能なスペース(停留スペースP)が存在することを検出する。また、電子機器1は、送信波TのビームB2が停留スペースPを通過した時点で、移動体100の右側には停留可能なスペース(停留スペースP)が存在することを検出してもよい。

0090

ここで、例えば複数の停留スペースPが検出された場合、電子機器1は、いずれの停留スペースPに移動体100を停留するか、運転者などに選択させてもよい。また、例えば複数の停留スペースPが検出された場合、電子機器1は、所定のアルゴリズムに基づいて、移動体100を停留する停留スペースを選択してもよい。例えば、電子機器1は、複数検出された停留スペースPのうち、現在地に最も近い停留スペースを選択してもよい。また、例えば、電子機器1は、複数検出された停留スペースPのうち、出口に最も近い停留スペースを選択してもよい。また、例えば、電子機器1は、複数検出された停留スペースPのうち、最も出庫が容易であると推定される停留スペースを選択してもよい。

0091

図6に示すように移動体100を停留可能なスペース(停留スペースP)を検出すると、電子機器1は、例えば自動運転によって、移動体100を停留スペースPに移動させてよい。また、電子機器1は、停留スペースPを検出すると、運転者が移動体100を停留スペースPまで運転する際の動作をアシストしてもよい。また、電子機器1は、停留スペースPを検出すると、停留スペースPを検出した旨を(例えば停留スペースPの位置等の画像情報とともに)移動体100の運転者などに通知してもよい。

0092

停留スペースPが検出された後、制御部10は、電子機器1の動作モードを、第2モード(BFモード)から第1モード(通常モード)に切り替えてよい。すなわち、電子機器1は、図5及び図6に示すようなビームB1及びB2を形成する動作モードから、図4に示すような送信波T1及びT2を送信する動作モードに切り替えてよい。このように動作モードを第1モードに切り替えることにより、電子機器1は、検出された停留スペースPに移動体100を後進させる際の障害物などを検出することができる。

0093

図7は、一実施形態に係る電子機器1の動作を説明するフローチャートである。図7に示す動作は、例えば電子機器1が、移動体100の停留スペースの検出をこれから開始する時点で開始してよい。すなわち、図7に示す動作が開始した時点は、図4において説明した状況に対応するものとしてよい。

0094

図7に示す動作が開始すると、電子機器1の制御部10は、通常モード(第1モード)で動作を行う(ステップS1)。ステップS1の動作が行われた時点は、例えば図4に示した状況に対応する。

0095

ステップS1において通常モードの動作が開始すると、制御部10は、停留スペースの検出が開始されたか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において停留スペースの検出が開始されたか否かは、上述のように、「停留スペース検出ボタン」のようなスイッチがオンにされたか否かに基づいて判定してもよい。また、ステップS2において停留スペースの検出が開始されたか否かは、上述のように、例えばGPSによる位置情報などに基づいて判定してもよい。

0096

ステップS2において停留スペースの検出が開始されていない場合、制御部10は、ステップS1に戻って通常モードの動作を継続する。

0097

一方、ステップS2において停留スペースの検出が開始された場合、制御部10は、BFモード(第2モード)で動作を行う(ステップS3)。ステップS3の動作が行われた時点は、例えば図5に示した状況に対応する。

0098

ステップS3においてBFモードの動作が開始すると、制御部10は、移動体100の停留スペースPを検出したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において移動体100の停留スペースPが検出された時点は、例えば図6に示した状況に対応する。

0099

ステップS4において停留スペースPが検出されていない場合、制御部10は、移動体100の停留スペースPの検出が中止されたか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において停留スペースPの検出が中止されるのは、例えば移動体100の運転者によって「停留スペース検出ボタン」のようなスイッチがオフにされた場合としてもよい。また、ステップS5において停留スペースPの検出が中止されるのは、例えば所定の時間が経過しても移動体100の停留スペースPが検出されない場合のタイムアウト処理としてもよい。また、ステップS5において停留スペースPの検出が中止されるのは、例えば所定の距離又は範囲において移動体100の停留スペースPが検出されない場合の処理としてもよい。

0100

ステップS5において停留スペースPの検出が中止されていない場合、制御部10は、ステップS3に戻ってBFモードの動作を継続する。一方、ステップS5において停留スペースPの検出が中止された場合、制御部10は、動作モードを通常モード(第1モード)に切り替えて(ステップS6)、図7に示す動作を終了する。

0101

また、ステップS4において停留スペースPが検出された場合、制御部10は、検出結果をECUに通知する(ステップS7)。

0102

ステップS7において検出結果がECUに通知されたら、制御部10は、停留スペースPの検出を続行するか否か判定する(ステップS8)。ステップS8において停留スペースPの検出が続行されるのは、例えば複数の停留スペースPを検出する場合の処理としてもよい。また、ステップS8において停留スペースPの検出が続行されるのは、例えば既に検出された停留スペースPが選択されない場合の処理としてもよい。ここで、既に検出された停留スペースPが選択されない場合とは、例えば移動体100の運転者などが当該停留スペースPを選択しなかった場合としてもよい。また、既に検出された停留スペースPが選択されない場合とは、例えば制御部10が所定のアルゴリズムに従って(停留スペースPまでの経路確保が困難であるなど)当該停留スペースPを選択しなかった場合としてもよい。

0103

ステップS8において停留スペースPの検出を続行する場合、制御部10は、ステップS3に戻ってBFモードの動作を継続する。一方、ステップS8において停留スペースPの検出を続行しない場合、制御部10は、動作モードを通常モード(第1モード)に切り替えて(ステップS6)、図7に示す動作を終了する。

0104

以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第1モード(例えば通常モード)と、第2モード(例えばBFモード)と、を切り替えるように制御することができる。ここで、制御部10は、第1モード(通常モード)において、移動体100に設置された送信アンテナ40から第1の送信波を送信してよい。この場合、制御部10は、送信制御部30(位相制御部32及びパワー制御部34の少なくとも一方)を制御することにより、移動体100に設置された送信アンテナ40から送信波を送信してよい。また、制御部10は、第2モード(BFモード)において、送信アンテナ40からビームフォーミングされた第2の送信波を送信してよい。この場合も、制御部10は、送信制御部30(位相制御部32及びパワー制御部34の少なくとも一方)を制御することにより、移動体100に設置された送信アンテナ40からビームフォーミングされた第2の送信波を送信しよい。また、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第1モードにおいて、移動体100に設置された送信アンテナ40からビームフォーミングされていない第1の送信波を送信するように制御してもよい。一実施形態に係る電子機器1によれば、1つのレーダセンサ(センサ6又は7)を、複数の用途で、すなわちマルチファンクションのレーダセンサとして用いることができる。

0105

また、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、移動体100の停留スペースPを検出する際に、第1モードから第2モードに切り替えるように制御してよい。この場合、制御部10は、送信制御部30(位相制御部32及びパワー制御部34の少なくとも一方)を制御することにより、第1モードから第2モードに切り替えてよい。一実施形態に係る電子機器1によれば、移動体100の停留スペースPを精度良く検出することができる。

0106

また、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第1モードにおいて送信する送信波Tが反射された反射波Rを受信アンテナ50から受信した結果に基づいて、移動体100の周囲に存在する所定の物体を検出するように制御してもよい。さらに、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第2モードにおいて送信する送信波Tが反射された反射波Rを受信アンテナ50から受信した結果に基づいて、移動体100の停留スペースPを検出するように制御してもよい。一実施形態に係る電子機器1によれば、センサ6及び/又は7から送信される送信波Tを、状況に応じて好適な用途で使用することができる。

0107

さらに、制御部10は、第2モードにおいて送信する送信波Tのビームが、移動体100の停留スペースPを検出する方向に向くように制御してもよい。さらに、制御部10は、第2モードにおいて送信する送信波のビーム幅が第1モードにおいて送信する送信波のビーム幅よりも狭くなるように制御してもよい。一実施形態に係る電子機器1によれば、センサ6及び/又は7から送信される送信波Tを、状況に応じて好適な用途で使用することができる。

0108

また、一実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第2モードに切り替えた後、第1モードと第2モードとを切り替えるように制御してもよい。この場合、制御部10は、移動体100の停留スペースPが検出されたら、第2モードから第1モードに切り替えるように制御してもよい。

0109

次に、他の実施形態について説明する。

0110

図8は、他の実施形態に係る電子機器1の動作を説明するフローチャートである。図11は、図8に示すフローチャートの動作の一部を説明する図である。図8に示す動作は、図7に示した一実施形態に係る電子機器1の動作において、さらに処理を追加するものである。したがって、図8において、図7と同じ内容になる説明は、適宜、簡略化又は省略する。

0111

図7において説明した一実施形態においては、制御部10は、ステップS3においてBFモードの動作を開始すると、停留スペースの検出を中止するまではBFモードのまま動作した。これに対し、図8に示す他の実施形態においては、ステップS3においてBFモードの動作を開始した後、停留スペースの検出を中止する前においても、適宜、動作モードを通常モードに切り替える。以下、このような実施形態について説明する。

0112

図8に示す実施形態では、ステップS3においてBFモードで動作を開始した後、ステップS4において停留スペースが検出されていない場合、制御部10は、ステップS3においてBFモードの動作を開始した後、所定の時間t2が経過したか否か判定する(ステップS21)。所定の時間t2として、例えばフレームレート切り替え周期、又はチャープ信号の切り替え周期などの所定の周期の時間t2としてもよい。また、制御部10は、任意の時点からの経過時間を計測するタイマの機能を備えているものとする。ステップS21において所定の時間t2が経過していない場合、制御部10は、ステップS5以降の処理を、図7に示した動作と同様に行ってよい。

0113

一方、ステップS21において所定の時間t2が経過した場合、制御部10は、動作モードをBFモードから通常モードに切り替える(ステップS22)。ステップS22において動作モードを通常モードに切り替えたら、制御部10は、所定の時間t1が経過したか否か判定する(ステップS23)。ここで、所定の時間t1は、例えば上述の所定の時間t2よりも短い時間としてもよい。具体的には、例えば、所定の時間t1,t2を数m秒オーダの値としてよい。所定の時間t1として、例えばフレームレートの切り替え周期、又はチャープ信号の切り替え周期などの所定の周期の時間t1としてもよい。

0114

ステップS23において所定の時間t1が経過していない場合、制御部10は、ステップS22に戻って通常モードの動作を継続する。一方、ステップS23において所定の時間t1が経過した場合、制御部10は、制御部10は、ステップS5以降の処理を、図7に示した動作と同様に行う。

0115

以上説明したように、他の実施形態に係る電子機器1において、制御部10は、第2モード(BFモード)に切り替えた後、第1モード(通常モード)と第2モード(BFモード)とを切り替えるように制御してもよい。この場合、制御部10は、第2モードに切り替えた後、第1モードにおける動作時間t1が第2モードにおける動作時間t2よりも短くなるように制御してもよい。また、制御部10は、所定の周期t2ごとに、第2モードから第1モードに切り替えるように制御してもよい。この場合、第1モードは、例えばt2よりも短い所定の時間t1の間だけ継続させてもよい。

0116

他の実施形態に係る電子機器1によれば、停留スペースの検出を開始して第2モードで動作している最中も、所定のタイミングで第1モードの動作に切り替わる。そして、他の実施形態に係る電子機器1によれば、第1モードの動作に切り替わった後も、比較的短い時間の後すぐに第2モードの動作に戻る。このような動作を繰り返すことにより、電子機器1は、停留スペースを検出している第2モードの最中も、もともとの用途による検出(第1モード)を行うことができる。したがって、他の実施形態に係る電子機器1は、図5及び図6に示すように移動体100の停留スペースを検出している最中であっても、例えば移動体100の後方から接近する障害物などを検出することができる。

0117

次に、さらに他の実施形態について説明する。

0118

図9及び図10は、さらに他の実施形態に係る電子機器1の動作の例を説明する図である。

0119

図4図6に示した実施形態においては、センサ6及びセンサ7のように、2つのセンサを移動体100に設置した例について説明した。センサ6及びセンサ7のように2つのセンサを移動体100に設置すれば、図4図6に示したように、移動体100の進行方向に対して左右両側において同時に停留スペースを検出することができる。

0120

これに対し、図9に示すさらに他の実施形態においては、センサ8のように、1つのセンサを移動体100に設置する例について説明する。図9に示すセンサ8は、上述のセンサ6及びセンサ7と同様に、複数の送信アンテナ40を備えるものとする。図9に示す実施形態に係る電子機器1は、センサ8が備える複数の送信アンテナ40の少なくとも1つから送信波を送信する。

0121

また、図9に示すセンサ8は、上述のセンサ6及びセンサ7よりも広いビーム幅(送信範囲)を有するものとする。センサ8から送信される送信波T’の送信範囲は、図9に示すように、例えば160°程度の角度とすることができる。したがって、図9に示す実施形態に係る電子機器1は、第1(通常)モードにおいて、センサ8のような1つのセンサによって、図4に示したセンサ6及びセンサ7のような2つのセンサに近い機能を実現することができる。

0122

また、図9に示す実施形態に係る電子機器1は、第2(BF)モードにおいて、センサ8が備える複数の送信アンテナ40の少なくとも2つから送信する送信波のビームフォーミングを行う向きを、時間に応じて変更してもよい。例えば図10に示すように、所定の時刻tαにおいて、センサ8が備える複数の送信アンテナ40から送信する送信波のビームフォーミングを行うことにより、ビームB1’を形成してよい。この場合、例えば所定の時刻tβにおいて、センサ8が備える複数の送信アンテナ40から送信する送信波のビームフォーミングを行うことにより、送信波のビームB2’を形成してよい。このように、所定の短時間ごとに、センサ8が備える複数のアンテナ40から送信する送信波のビームを、ビームB1’とビームB2’とで切り替えることにより、図5に示したセンサ6及びセンサ7のような2つのセンサに近い機能を実現することができる。

0123

このように、図9及び図10に示す実施形態によれば、1つのセンサによって、2つのセンサとほぼ同様の機能を実現することができる。

0124

以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1によれば、移動体100の停留スペースPを精度良く検出することができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1によれば、移動体100の運転者などが停留スペースPを検出する際の手間を大幅に省くことができる。

0125

本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施され得る。つまり、本開示の内容は、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことができる。したがって、これらの変形および修正は本開示の範囲に含まれる。例えば、各実施形態において、各機能部、各手段、各ステップなどは論理的に矛盾しないように他の実施形態に追加し、若しくは、他の実施形態の各機能部、各手段、各ステップなどと置き換えることが可能である。また、各実施形態において、複数の各機能部、各手段、各ステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。

0126

上述した実施形態は、電子機器1としての実施のみに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御方法として実施してもよい。さらに、例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御プログラムとして実施してもよい。

0127

一実施形態に係る電子機器1は、最小の構成としては、例えば制御部10又は送信制御部30の少なくとも一方を備えるものとしてよい。また、送信制御部30は、位相制御部32及びパワー制御部34の少なくとも一方を備えるものとしてよい。一方、一実施形態に係る電子機器1は、制御部10又は送信制御部30の他に、図3に示すような、信号生成部22、周波数シンセサイザ24、パワーアンプ36、及び送信アンテナ40の少なくともいずれかを、適宜含んで構成してもよい。また、一実施形態に係る電子機器1は、上述の機能部に代えて、又は上述の機能部とともに、受信アンテナ50、LNA52、ミキサ54、IF部56、AD変換部58、距離推定部62、及び角度推定部64の少なくともいずれかを、適宜含んで構成してもよい。このように、一実施形態に係る電子機器1は、種々の構成態様とすることができる。また、一実施形態に係る電子機器1が移動体100に搭載される場合、例えば上述の各機能部の少なくともいずれかは、移動体100内部などの適当な場所に設置されてよい。一方、一実施形態においては、例えば送信アンテナ40及び受信アンテナ50の少なくともいずれかは、移動体100の外部に設置されてもよい。

0128

また、上述した実施形態において、停留スペースPとは、移動体100を自動車とした場合に、当該自動車が駐車又は停車するスペースとして説明した。しかしながら、一実施形態において、停留スペースとは、例えば水上で停泊するスペースなどとしてもよいし、例えば空中に設けられるスペースであってドローンなどが停留するスペースなどとしてもよい。

0129

また、上述した実施形態において、主に送信波を送信する側からビームフォーミングを説明した。しかしながら、ビームフォーミングは、送信波が反射された反射波を受信する側においても、任意の方向から送信された送信波の受信強度を強くして、他の方向から送信された送信波の受信を抑制してもよい。

0130

1電子機器
5,6,7,8センサ
10 制御部
12 記憶部
22信号生成部
24周波数シンセサイザ
30送信制御部
32位相制御部
34パワー制御部
36パワーアンプ
40送信アンテナ
50受信アンテナ
52 LNA
54ミキサ
56 IF部
58AD変換部
62距離推定部
64角度推定部
66相対速度推定部
100 移動体
200対象物
300 他の移動体

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