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技術 解体計画支援システム及びプログラム

出願人 日立GEニュークリア・エナジー株式会社
発明者 吉田卓弥榎本敦子関洋福田光子長瀬博
出願日 2018年8月28日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-158972
公開日 2020年3月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-034318
状態 未査定
技術分野 汚染除去及び汚染物処理 原子炉の監視、試験
主要キーワード 外殻部品 作業工法 代表状態 空間平均値 解体状態 切断順序 露出程度 最適化探索
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

放射性を有する機器解体手順が複雑になると、作業者被曝量及び解体作業時間を含む解体計画を適切に評価することができなかった。

解決手段

解体計画支援システム100は、放射性を有する機器の解体手順を解体計画として設定する解体手順設定部1と、解体手順に従って解体される機器の部品線源として最大露出する状態を代表状態として抽出する代表状態抽出部2と、代表状態に基づいて、機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する空間線量率計算部3と、解体手順及び空間線量率に基づいて予測される、機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、解体計画を評価する解体計画評価部4と、を備える。

概要

背景

原子力発電プラント廃炉解体作業は、安全を確保しつつ、より低コストで実施することが求められる。この際、放射能を有する機器の切断や分解などの作業を含む解体費用見積もるために、作業者被曝限度を考慮した人工(にんく)数の予測が必要となる。人工とは、例えば、1人の作業者の1日当りの作業量を表す単位である。そして、人工数を予測することで、プラント内の各機器に対する解体計画が作成される。

そこで、従来、特許文献1に開示された、配管の解体作業を対象にした予測技術が知られていた。この技術では、作業を実施する部屋と配管表面空間線量率を計算し、これらを使って作業者の被曝量を計算(予測)している。

概要

放射性を有する機器の解体手順が複雑になると、作業者の被曝量及び解体作業時間を含む解体計画を適切に評価することができなかった。解体計画支援システム100は、放射性を有する機器の解体手順を解体計画として設定する解体手順設定部1と、解体手順に従って解体される機器の部品線源として最大露出する状態を代表状態として抽出する代表状態抽出部2と、代表状態に基づいて、機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する空間線量率計算部3と、解体手順及び空間線量率に基づいて予測される、機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、解体計画を評価する解体計画評価部4と、を備える。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、例えば、放射性を有する機器の解体における、空間線量率を予測し、解体計画の立案支援することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

原子力発電プラントを構成し、放射性を有する機器が設置される空間及び前記機器の位置を記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出した前記機器が設置される空間及び前記機器の位置に基づいて、前記機器の解体手順解体計画として設定する解体手順設定部と、前記解体手順に従って解体される前記機器の部品線源として最大露出する状態を代表状態として抽出する代表状態抽出部と、前記代表状態に基づいて、前記機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する空間線量率計算部と、前記解体手順及び前記空間線量率に基づいて予測される、前記機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、前記解体計画を評価する解体計画評価部と、を備える解体計画支援システム

請求項2

前記解体手順設定部は、前記解体手順の解体作業毎に、解体された前記機器の状態、並びに前記機器を解体する工法及び工具と、解体された前記機器の位置と、前記空間線量率の計算タイミングを規定するフラグとを含む解体手順定義テーブルを生成し、前記空間線量率計算部は、前記解体手順定義テーブルに基づいて、前記フラグがオンされた前記解体作業における前記空間線量率を計算する請求項1に記載の解体計画支援システム。

請求項3

前記解体手順定義テーブルには、解体された前記部品が露出したまま存置された状態、前記部品が搬出される状態、前記部品の近隣の部品が搬出される状態のいずれかが規定され、前記空間線量率計算部は、解体された前記部品又は前記近隣の部品の状態に基づいて前記解体作業における前記空間線量率を計算する請求項2に記載の解体計画支援システム。

請求項4

前記解体手順定義テーブルには、解体された前記機器に対して行われる処置に応じた減衰係数が規定され、前記空間線量率計算部は、前記減衰係数を前記空間線量率に乗じて前記空間線量率を計算する請求項3に記載の解体計画支援システム。

請求項5

前記空間線量率計算部は、解体された前記部品の空間線量率を補正するための部品用補正係数、又は切断された前記部品の切断面の空間線量率を補正するための切断面用補正係数に基づいて、前記空間線量率を補正する請求項4に記載の解体計画支援システム。

請求項6

前記代表状態抽出部は、前記機器が設置される空間及び前記機器の位置に基づいて求めた前記部品の解体運動に基づいて、前記機器を解体する作業者の作業位置及び前記解体作業時間を推定し、前記空間線量率計算部は、前記作業位置において前記代表状態である前記部品の表面積を算出し、前記作業位置から前記部品表面までの距離に基づいて、予め規定された前記部品の表面線量率を修正する請求項1に記載の解体計画支援システム。

請求項7

前記空間線量率計算部は、前記代表状態抽出部により推算された前記作業位置及び前記解体作業時間に基づいて、解体される部品の現在位置から搬出位置までの経路長を前記部品の搬出速度で除した時間を被曝量率に乗じて推算した前記作業者の被曝量を前記代表状態抽出部に出力し、前記代表状態抽出部は、前記作業者の被曝量を低減するように探索した解体順序における前記作業者の被曝量を前記解体計画評価部に出力する請求項6に記載の解体計画支援システム。

請求項8

原子力発電プラントを構成し、放射性を有する機器が設置される空間及び前記機器の位置を記憶する記憶部から読み出した前記機器が設置される空間及び前記機器の位置に基づいて、前記機器の解体手順を解体計画として設定する手順と、前記解体手順に従って解体される前記機器の部品が線源として最大露出する状態を代表状態として抽出する手順と、前記代表状態に基づいて、前記機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する手順と、前記解体手順及び前記線量率に基づいて予測される、前記機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、前記解体計画を評価する手順と、をコンピューターに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、解体計画支援システム及びプログラムに関する。

背景技術

0002

原子力発電プラント廃炉解体作業は、安全を確保しつつ、より低コストで実施することが求められる。この際、放射能を有する機器の切断や分解などの作業を含む解体の費用見積もるために、作業者被曝限度を考慮した人工(にんく)数の予測が必要となる。人工とは、例えば、1人の作業者の1日当りの作業量を表す単位である。そして、人工数を予測することで、プラント内の各機器に対する解体計画が作成される。

0003

そこで、従来、特許文献1に開示された、配管の解体作業を対象にした予測技術が知られていた。この技術では、作業を実施する部屋と配管表面空間線量率を計算し、これらを使って作業者の被曝量を計算(予測)している。

先行技術

0004

特開2017−96696号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述したように、従来、配管又は機器の解体作業を対象にした、特許文献1に開示された予測技術が知られている。解体される対象が配管であれば、一般に放射線源は配管内部(内表面)に存在するので、作業時の被曝量は配管(外)表面の表面線量率を基準に評価することは妥当近似となる。

0006

しかしながら、複雑な形状の機器を切断したり、分解したりする場合、例えば、作業前の初期の状態では放射線源が機器の内部に閉じ込められていても、切断や分解などの作業の過程において外部に露出される放射線源の状態が刻々変化する。なお、本明細書でいう「分解」とは、例えば、ボルト等の締結部を取り外して、切断以外の方法で機器の構成部品を分離することを意味する。

0007

この場合、作業時の被曝量を、配管の外表面の線量率で一律に評価できるとは限らない。それゆえ、機器や配管を複数の箇所で切断及び/又は分解して生じる、放射線源の封じ込め・露出の状態(以下、単に「露出状態」と称す)の変化は、非常に複雑になり、作業時の被曝量を見積もるための空間線量率(被曝量/時間)の予測が難しくなる。以下の説明では、機器や配管を切断及び/又は分解する作業を「解体」とも称する。切断された機器や配管を「切断体」と呼び、分解された機器や配管を「部品」と呼ぶ。切断体や部品を「生成品」とも総称する。

0008

作業者が機器や配管を解体する作業位置での空間線量率は、その前に実施された解体作業で生成された生成品の位置、大きさ等によっても変化する。例えば、どの生成品が搬出されたか、あるいはどの生成品が容器収納されたか、未搬出又は未収納の生成品がどのような姿勢でどの場所に存在しているか、といった条件によっても空間線量率が変化する。
しかしながら、このような状況に対応可能な空間線量率の予測方法は、特許文献1等の従来技術では示されていなかった。このため、作業者の被曝量及び解体作業時間を含む解体計画を適切に評価することができなかった。

0009

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、例えば、放射性を有する機器の解体における、空間線量率を予測し、解体計画の立案支援することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る解体計画支援システムは、原子力発電プラントを構成し、放射性を有する機器が設置される空間及び機器の位置を記憶する記憶部と、記憶部から読み出した機器が設置される空間及び機器の位置に基づいて、機器の解体手順を解体計画として設定する解体手順設定部と、解体手順に従って解体される機器の部品が線源として最大露出する状態を代表状態として抽出する代表状態抽出部と、代表状態に基づいて、機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する空間線量率計算部と、解体手順及び空間線量率に基づいて予測される、機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、解体計画を評価する解体計画評価部と、を備える。

発明の効果

0011

上記構成の本発明によれば、放射性を有する機器の解体手順が複雑になっても、機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量を予測して作成する解体計画を評価することで、安全な解体計画の立案を支援することができる。

図面の簡単な説明

0012

切断手順と、切断手順に応じて変化する切断段階での被曝量との関係を模式的に示した図である。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムの構成例を示す機能ブロック図である。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムにおける解体手順定義テーブルの構成図である。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムにおける切断面IDと部品IDとの対応関係を規定する対応テーブルの構成図である。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムにおける代表状態抽出部の代表状態の抽出動作を説明するためのフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムにおいて、切断又は分解作業時に生成される各種部品IDのそれぞれと、各部品IDに対応付けられた空間線量率の補正係数との対応関係を規定した部品用補正係数テーブルである。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムにおいて、切断作業時に生成される各種切断面IDのそれぞれと、各切断面IDに対応付けられた空間線量率の補正係数との対応関係を規定した部品用補正係数テーブルである。
本発明の一実施形態に係る解体計画支援装置機能構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る解体対象物の解体(分解)過程における作業位置と解体対象物の相対的な位置関係を示す図である。
本発明の一実施形態に係る解体対象物に相対する角度によって放射線が直接届く範囲(放射線源の露出状態)が異なることを示す図である。
本発明の一実施形態に係る作業位置から部品のバウンディングボックスの6面の中心までの距離をとる例を示す図である。
本発明の一実施形態に係る計算機ハードウェア構成例を示すブロック図である。

実施例

0013

[一実施形態]
以下に、本発明の一実施形態に係る解体計画支援システムの構成及び動作について、図面を参照しながら具体的に説明する。

0014

[切断手順と被曝量との関係]
本実施形態に係る解体計画支援システムの詳細を説明する前に、放射能を有する機器(解体対象物の一例)を切断作業により解体する場合に発生する課題を、具体的に説明する。
なお、ここでは、機器の切断作業時における課題を説明するが、機器の分解作業時にも同様の課題が発生する。

0015

機器の切断時には、機器の構造により内部に閉じ込められていた放射線源が、切断による構造変化によって、外部環境作業環境)に露出した状態に、より近い状態が発生する。この場合、切断作業時の被曝量の予測において、次のような課題(1)−(3)が発生する。

0016

(1)厳密な被曝量の計算の困難性
切断作業の進行中には、放射線源の露出状態が刻々と変化するが、機器を複数の切断面に沿って何度も切断して解体する場合を想定すると、機器の状態変化は、さらに複雑になる。厳密には、放射線源の露出状態の変化に応じた空間線量率を単位時間ごとに計算し直し、この計算値を時間の進行に沿って積分して被曝量を計算する必要がある。
しかしながら、空間線量率は、例えば、公知の放射線輸送計算コードを実行することで計算できるが、この計算を単位時間ごとに繰り返した場合には、計算量が膨大になる。それゆえ、このような厳密な被曝量の計算手法は、現実的な手法ではない。

0017

(2)切断体移動タイミングへの依存性の考慮
切断によって生成した切断体(生成品)を容器に収納するために元の位置から移動させるタイミングによって、放射線源の分布状態(例えば、放射線源が置かれた状態)が変化する。
例えば、全ての機器の切断を終了してから、切断体を一括して移動させる場合、機器を1箇所切断するごとに切断体を移動させる場合、特定箇所の切断を終了したタイミングで一部の切断体をまとめて搬出する場合等の条件に応じて、生成品の移動タイミングが異なり、放射線源の分布状態も変化する。それゆえ、このような条件に応じた放射線源の分布状態の変化を考慮して、空間線量率を計算する必要がある。
しかしながら、切断体の移動タイミングは、機器の種類、大きさ、汚染状態、切断の工法工具作業スペースなどの条件によって変化するため、一律に計算することは困難である。

0018

(3)切断手順への依存性の考慮
例えば、機器の切断作業が複数の段階に分かれ、切断作業の段階に応じて、角度の異なる複数の切断面が発生するような切断作業を行う場合、切断作業時の被曝量は切断手順によって変化する。それゆえ、被曝量の予測計算では、このような切断手順の違いを反映できることが必要となる。

0019

ここで、図1を参照しながら、切断手順に応じて切断作業時の被曝量が変化することを具体的に説明する。
図1は、管状の外殻部品とその内部に収容された円筒状の内蔵部品とで構成された管状対象物の切断作業における、切断手順と、切断手順に応じて変化する切断段階での被曝量との関係を模式的に示した図である。ここで、内蔵部品が放射性を有する機器の一例として管状対象物が切断される様子が示される。そして、図1に示す例では、切断手順として、互いに切断手順が異なる3種類の手順(a)、(b)、(c)を示す。各手順には、複数の段階(切断作業)が含まれる。

0020

なお、図中の記号「R」は、各解体段階における空間線量率(ここでは、各段階の切断開始から切断終了までの期間における時間平均値のような代表的な値とする)を表す。また、図中の記号「t」は作業所要時間(切断をしていなくても作業者が作業場所滞在している時間を含む)を表す。各記号に付加された数字(1,2,3)は、切断段階を表し、各記号に付加されたa,b,cは、切断手順の種別を表す。
また、図1に示す例では、手順(a)、(b)が管状対象物の切断作業終了後に内蔵部品を搬出する手順を表し、手順(c)が管状対象物の切断前に内蔵部品を搬出する手順を表す。

0021

そして、図1に示す例では、手順(a)、(b)、(c)のそれぞれの第1段階は共通であり、切断作業に取り掛かるために、作業者が機器に接近している状態(切断作業前)である。それゆえ、切断作業の第1段階での空間線量率R1及び作業の所要時間t1は、切断手順に関係なく同じとなる。

0022

手順(a)の第2段階では、管状対象物がその軸方向に沿って切断され、管状対象物が2分割される。
手順(b)の第2段階では、管状対象物の2箇所において軸方向と直交する方向に切断され、管状対象物が3分割される。
この第2段階では、手順(a)と手順(b)との間では、切断方向切断長切断回数が互いに異なる。このため、切断作業の所要時間t及び周囲の空間線量率Rの両方が互いに異なる(R2a≠R2b,t2a≠t2b)。

0023

また、手順(a)の第3段階では、管状対象物の2箇所においてさらにその軸方向と直交する方向に切断され、管状対象物が6分割される。
手順(b)の第3段階では、管状対象物がその軸方向に沿ってさらに切断され、管状対象物が6分割される。

0024

第3段階の終了時点では、手順(a)と手順(b)との間では、生成品(切断体)が互いに同じになるので、周囲の空間線量率Rは互いに同じ(R3a=R3b)となる。しかし、が、切断方向(切断面)、切断長、切断回数が互いに異なるため、切断作業の所要時間tは互いに異なる(t3a≠t3b)。
それゆえ、手順(a)による切断作業の被曝量Ra(=R1×t1+R2a×t2a+R3a×t3a)と、手順(b)による切断作業の被曝量Rb(=R1×t1+R2b×t2b+R3b×t3b)とは互いに異なる値となる。

0025

一方、手順(c)の切断作業では、第2段階で、内蔵部品を外殻部品から取り出して外部に搬出し、第3段階で、内蔵部品が収容されていない外殻部品を切断する。図示しないが、内蔵部品は外部の搬出先で切断されることとなる。
それゆえ、手順(c)の第2及び第3段階における切断作業の所要時間t及び周囲の空間線量率Rの両方は、手順(a)及び手順(b)のそれらと異なった値となる。
したがって、手順(c)による切断作業の被曝量Rc(=R1×t1+R2c×t2c+R3c×t3c)は、手順(a)における被曝量Ra、及び手順(b)における被曝量Rbのいずれとも異なる。

0026

[解体計画支援システムの構成]
次に、上述した各種課題を解決可能な、本実施形態に係る解体計画支援システムの構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る解体計画支援システム100の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図2では、電気的に接続される構成間を直線矢印で接続すると共に、直線矢印の方向によりデータ(情報)の伝達方向を示す。

0027

解体計画支援システム100は、図2に示すように、解体計画支援装置101と、データベース102(記憶部の一例)とを備える。

0028

解体計画支援装置101は、例えば、演算処理等を実行可能なマイクロプロセッサを備えたコンピューター装置等により構成され、機能ブロックとして、解体手順設定部1、代表状態抽出部2、空間線量率計算部3及び解体計画評価部4を有する。

0029

解体手順設定部1は、データベース102から、原子力発電プラントを構成し、放射性を有する機器が設置される空間及び機器の位置を読み出し、解体作業時に作業者が実施する切断及び/分解の手順(「解体手順」と呼ぶ)が定められた後述する解体手順定義テーブル(後述する図3参照)を生成(設定)する。解体手順定義テーブルに定義される解体手順は、解体計画として用いられる。

0030

ここで、切断とは、作業者が工具を用いて行う作業であり、分解とは、作業者が工具を用いず部品の締結部分を分離したり、ネジを外して部品の締結部分を分離したりする作業である。そして、解体手順には、一又は複数の解体段階が含まれる。解体段階には、上述した切断段階が含まれる。また、作業者により解体対象物が分解される際には、解体段階に、分解段階が含まれる。

0031

代表状態抽出部2は、作業者が、解体手順設定部1により設定された解体手順に従って実際に、切断や分解の作業を進行し、機器を解体する場合に、その各作業の実行に伴って変化し、作業毎に変化する放射線源と作業者との相対的位置関係の代表的な状態を抽出する。代表状態とは、解体される機器の部品である放射線源が存在する面であって、放射性物質が付着した機器等の表面、放射線源化した機器の表面が、物体の外側に対して最も広い面積で開口して露出している状態(「最大露出する状態」と呼ぶ)をいう。代表状態として、例えば、後述する図10の左上及び右下に示すように、放射線源が露出した状態がある。

0032

空間線量率計算部3は、代表状態に基づいて、機器の解体が行われる作業空間における空間線量率を計算する。本実施形態では、この作業空間での空間線量率の計算を作業毎に行わず、解体手順定義テーブル10(後述する図3参照)に基づいて、フラグがオンされた解体作業における空間線量率を計算する。ここで、本実施形態では、空間線量率計算部3が、解体手順定義テーブル10に規定されているパラメータ(空間線量率計算フラグ20)に「1」が規定されている解体段階でのみ計算する。ここでは、空間線量率計算フラグ20が「1」であることをオンされたフラグの一例として表すが、他の数字等でオンされたフラグを表してもよい。

0033

そして、空間線量率計算部3は、切断や分解の対象品の放射性を有する部分から発生する放射線の量を、周囲の部品や構造体に遮られることのない空間の複数の点での空間線量率値を加重平均して推定してもよい。
なお、本実施形態に係る空間線量率計算部3は、空間線量率を、例えば、公知の放射線輸送計算コードを実行することにより計算することができる。ただし、本発明はこれに限定されず、空間線量率を計算可能な手法であれば任意の計算手法を用いることができる。

0034

解体計画評価部4は、解体手順設定部1で生成された解体手順定義テーブル10(後述する図3参照)で規定されている各種情報、空間線量率計算部3で算出された作業空間の空間線量率の情報等に基づいて予測される、機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量に基づいて、解体計画を評価する。ここで、解体計画評価部4は、解体作業の手順毎に定義される工法及び工具に応じて、データベース102から読み出した機器の切断長又は切断面積関数を用いて作業の所要時間を計算することができる。

0035

そして、解体計画評価部4は、次の空間線量率計算タイミングで指定される切断面グループ又は分解箇所グループ出現する直前まで、空間線量率計算タイミングにおける解体手順毎に計算した作業の所要時間を加算する処理を繰り返す。そして、解体計画評価部4は、加算した作業の所要時間(作業累積時間)に対して、空間線量率計算タイミングにて得られた空間線量率を乗じる処理を、複数の空間線量率計算タイミングの全てに対して繰り返す。これにより、解体手順毎に解体作業に伴う作業者への被曝量の予測値を計算することが可能となる。
この結果、解体計画評価部4は、作業全体の所要時間の予測、作業に伴う累積被曝量の予測、これらの予測に応じて必要になる作業者の人数の予測等のデータを算出し、解体計画を作成することができる。そして、解体作業の計画者は、この解体計画による予測結果に基づいて、当該解体計画が最適であるか否かを判断する。

0036

データベース102には、例えば、後述する図9に示される3Dアセンブリモデルから判明する部品と放射線源との位置関係、解体作業開始前の作業場所周辺の空間線量率、切断の工法・工具・解体対象物、それらの材質に応じた工数計算式等の情報が予め格納されている。また、データベース102には、ある建物、室内における、部品及び放射線源の大きさ、位置等に関する情報も予め格納されている。なお、工数の計算式は、典型的には、切断長又は切断面積の一次関数で表され、その一次関数の式で設定される係数及び定数もデータベース102に予め格納されている。

0037

[解体手順定義テーブルの構成]
次に、解体手順設定部1で設定される解体手順定義テーブルで規定されている各種情報の構成(データ構造)について、図3図4を参照して説明する。
図3は、解体手順定義テーブル10のデータ構造の例を示す説明図である。
図4は、部品の固有番号(ID)と、切断面ID又は部品の情報とが関連付けられる対応テーブル201のデータ構造の例を示す説明図である。

0038

解体手順定義テーブル10は、解体手順設定部1により設定される解体手順毎に作成されるテーブルであり、解体された機器の状態、並びに機器を解体する工法及び工具と、解体された機器の位置と、空間線量率の計算タイミングを規定するフラグと、を少なくとも含む。また、具体的には、解体手順定義テーブル10は、解体手順の解体(切断又は分解)段階(作業順序)11毎に、切断面グループ番号又は分解箇所グループ番号12、切断面ID又は部品ID13、工法・工具14、解体後の生成品の位置15(移動タイミング)、解体後の処置19、及び空間線量率計算フラグ20(計算タイミング)を有する。

0039

なお、図3に示す例では、機器の一連の解体作業の過程において、切断作業及び分解作業の両方が行われる例を説明する。それゆえ、図3中の各解体段階の作業は、切断作業又は分解作業のいずれか一方が規定される。
上述したように、機器の切断作業に限らず、分解作業においても、機器構造によって内部に閉じ込められていた放射線源が、機器構造の変化によって外部環境(作業環境)への露出に近い状態になる。それゆえ、図3に示すような解体手順定義テーブル10で規定されているデータ構造は、切断作業だけに限らず、分解作業においても共通して適用可能である。

0040

本実施形態では、例えば、切断作業により生じた複数の並行な切断面を1つの切断面グループとして扱う。例えば、図2に示した切断手順(a)の第2段階では、2つの切断面があるため、1つの切断面グループが存在し、切断手順(b)の第2段階では、4つの切断面があるため、2つの切断面グループが存在する。

0041

また、例えば、ある部品と別の部品とが締結されるネジが複数あるような場合に、このような箇所を纏めて一つの分解箇所グループとして扱う。分解箇所グループは、分解作業が行われる分解箇所において、解体対象物を二つ以上に分離するために必要な分解作業を1つにグループ化したものである。解体対象物である機器が分解されたものを「部品」と呼ぶ。

0042

そして、切断面グループ番号又は分解箇所グループ番号12には、各解体段階の作業により生成された切断面グループ又は分解箇所グループを識別するためのグループ番号が規定される。このグループ番号により、どのグループから順番に作業がなされるかを示す順序関係が判明する。例えば、切断面グループ番号と分解箇所グループ番号は、作業の順番に従って並べられている。

0043

切断面ID又は部品ID13には、切断面ID又は部品IDが規定される。切断面IDは、切断作業により生成された切断面がどの部品の切断に関するものであるのかを示す情報であり、切断体毎に規定される。そして、切断面IDは、例えば、図4に示すようなデータ構造の対応テーブル201に示される部品の固有番号(ID)に対応付けられている。
部品IDは、分解作業により生成された部品がどの部品の切断に関するものであるのかを示す情報である。図示しないが、部品IDも同様にして、部品の固有番号(ID)に対応付けられている。

0044

なお、切断面ID又は部品IDと部品IDとを対応付けるデータ構造は、図4に示す例に限定されず、両者を対応付けることができるデータ構造であれば、任意のものを適用してよい。例えば、グラフツリーなどの他のデータ構造により切断面ID又は部品IDと部品IDとを対応付けてもよい。

0045

解体(切断又は分解)工法・工具14は、各解体段階における切断又は分解工法と、作業者が使用する工具とを指定する情報であり、切断面グループと分解箇所グループに応じて定義される。
本実施形態では、各解体段階における切断又は分解工法と工具とを解体段階毎に指定することにより、解体手順設定部1が、データベース102に登録された切断又は分解工法ごとの作業所要時間の計算関数を呼び出して、当該解体段階における解体(切断又は分解作業)時間を計算することを可能とする。つまり、各解体段階における解体時間を合計したものが作業所要時間となる。

0046

なお、作業所要時間の計算関数としては、例えば、切断長又は切断面積(入力変数)に対して、予め工法と切断対象の材質とに応じた設定された係数を乗じて、さらに定数を加算した関数などが用いられる。
また、データベース102に切断又は分解工法ごとの作業所要時間の計算関数が登録されていなければ、図3に示す解体手順定義テーブル10において、それぞれの解体段階11で必要となる作業所要時間を示す列が追加されていてもよい。

0047

解体後の生成品の位置15は、切断体や近隣部品の移動の有無を示す情報である。近隣部品とは、例えば、機器に取付けられるボルト、フランジ等であって、生成品の近隣に配置される部品である。
本実施形態では、解体後の生成品の位置15として、「移動なし(ほぼ存置)」、「生成品(図1に示す例では外殻部品等)の搬出」、又は、「近隣部品(図1に示す例では内蔵部品等)の搬出」の3種類の項目16〜18で示すいずれかの属性が規定される。これら3種類の項目16〜18は、切断面グループと分解箇所グループごとの作業に対して、解体後に切断体や近隣部品を移動するかどうかを規定するために設定される。

0048

作業員が生成品を移動させず、解体された部品が露出したまま存置された状態であれば、「移動なし」の項目16に、生成品(切断体又は分解体)の間の距離が指定される。例えば、切断解体後に生成品(分解体)を移動させない場合には、「移動なし」の項目16に、工具での切断終了時点での切断体間の距離が規定される。切断体間の距離として、例えば、切断直後の生成品の隙間を切断工具の刃の幅を参考にして規定したものがある。

0049

解体後に生成品や近隣部品が搬出される場合、搬出される部品を特定可能な識別番号が属性として定義される。
例えば、部品が搬出される状態であれば、「生成品の搬出」の項目17には、搬出される生成品のID情報(部品ID)が規定される。
また、部品の近隣の部品が搬出される状態であれば、「近隣部品の搬出」の項目18には、搬出される近隣部品のID情報(部品ID)が規定される。
そして、空間線量率計算部3は、解体された部品又は近隣の部品の状態に基づいて解体作業における空間線量率を計算することができる。

0050

解体後の処置19としては、例えば、解体後に生成品に対して遮蔽や覆い掛けなどの処置が行われる。このため、解体された機器に対して行われる処置に応じた生成品により変化する、作業位置での空間線量率への影響を考慮するためのデータとして、本実施形態では、空間線量率の減衰係数が規定される。これにより、空間線量率計算部3は、解体後に遮蔽や覆いがけをする場合に、任意の計算タイミングで、生成品の切断面グループ又は分解箇所グループに応じて設定した空間線量率の減衰係数を乗算することで、正確な空間線量率を計算することができる。

0051

空間線量率計算フラグ20には、作業者が解体作業を行う作業位置における解体段階で、空間線量率計算部3が、空間線量率を計算するか否か(空間線量率の計算タイミング)を指定するためのブール値(フラグ)が格納される。ここで、空間線量率の計算タイミングとは、例えば、代表状態抽出部2により抽出された各代表状態、又は作業の全体を代表できる少なくとも1つ以上の代表状態における空間線量率が計算されるタイミングである。そして、空間線量率の計算タイミングは、切断面グループ又は分解箇所グループに関連付けて定義される。

0052

例えば、空間線量率計算フラグ20に「1」が規定されている場合には、その解体段階における作業空間での空間線量率の計算が実行される。空間線量率計算フラグ20に「0」が規定されている場合には、その解体段階における空間線量率の計算は実行されない。例えば、解体(切断又は分解)段階(作業順序)11が第1及び第3段階であれば作業空間での空間線量率の計算が実行され、第2段階であれば作業空間での空間線量率の計算が実行されない。
このように空間線量率計算フラグ20が指定されることで、空間線量率の計算実行のタイミングが任意の解体段階で設定される。このため、代表的な状態の定義(被曝量計算の段階分けの詳細度)を解体作業の計画者が柔軟に指定できる。

0053

なお、空間線量率計算部3が空間線量率を計算する際には、安全側の観点から、当該解体段階における解体後の生成品の位置15に基づいて、線源と作業者との相対的位置関係について抽出された代表的な状態での空間線量率が計算される。すなわち、当該解体段階の作業終了時点における状態(代表的な状態)での空間線量率が計算される。
例えば、図1に示す解体例の第2段階、第3段階において、安全側の観点から、それぞれの切断作業が終了し、解体対象物が複数の切断体に分離された段階(放射線源に近い内側(内蔵部品)の露出が増えた後の段階)の状態が代表状態とみなされる。そして、空間線量率計算部3は、代表状態での空間線量率を計算する。

0054

空間線量率計算部3が、図3に示すデータ構造の解体手順定義テーブル10を参照して、任意の解体段階タイミングで空間線量率を計算することで、解体計画評価部4が、上述した厳密な被曝量の計算を行うことなく、被曝量を見積もる(予測する)ことができる。すなわち、上述した課題(1)(厳密な被曝量の計算の困難性)を解消することができる。

0055

また、解体手順設定部1が、図3に示すデータ構造の解体手順定義テーブル10に、解体手順と各解体段階における代表状態とを定義することで、解体計画評価部4が、被曝量を予測する際、生成品の移動タイミングの依存性及び切断手順の依存性を考慮することができる。すなわち、上述した課題(2)(切断体の移動タイミングへの依存性)及び課題(3)(被曝量の切断手順依存性)を解消することができる。

0056

したがって、解体計画支援システム100のように、図3に示すデータ構造の解体手順定義テーブル10を参照して、被曝量を計算した場合には、解体計画評価部4が、解体順序の違いを考慮して被曝量を計算(予測)できる。例えば、図1に示す手順(a)〜手順(c)のように互いの切断順序が異なっても、解体計画評価部4が、各手順に対して厳密な被曝量の計算を実行せずに、各手順の被曝量を計算することができる。このため、解体計画評価部4は、各手順の計画評価を簡易に行うことができる。

0057

[代表状態抽出部による代表状態の抽出処理
次に、図5を参照しながら、切断や分解などの解体作業の進行に伴って作業毎に変化する放射線源と作業者との相対的位置関係の代表的な状態の抽出手法について説明する。
図5は、代表状態抽出部2により実行される代表状態の抽出処理の手順を示すフローチャートである。
この処理では、代表状態抽出部2は、主に、解体手順定義テーブル10(図3参照)で規定された解体作業毎の空間線量率計算フラグ20の値に基づいて、どの解体段階で空間線量率を計算するかを抽出する。

0058

まず、代表状態抽出部2は、解体手順定義テーブル10(図3参照)中の最初の解体段階(図3中の解体段階「1」)を選択する(S1)。

0059

次いで、代表状態抽出部2は、当該解体段階に対応付けられた空間線量率計算フラグ20を参照し、当該解体段階が空間線量率を計算するタイミング(空間線量率の代表状態値の抽出タイミング)であるか否かを判定する(S2)。例えば、当該解体段階が空間線量率計算フラグ20が「1」であれば、代表状態抽出部2は、空間線量率を計算するタイミングであると判定する。当該解体段階が空間線量率計算フラグ20が「1」以外の値であれば、代表状態抽出部2は、空間線量率を計算するタイミングでないと判定する。

0060

テップS2がステップS1の直後に行われる場合には、代表状態抽出部2は、解体段階「1」に対応付けられた空間線量率計算フラグ20を参照してこの判定処理を行う。
なお、ステップS2が後述するステップS5の直後に行われる場合には、代表状態抽出部2は、ステップS5で選択された解体段階(解体段階「2」以降の解体段階)に対応付けられた空間線量率計算フラグ20を参照してこの判定処理を行う。

0061

ステップS2において、代表状態抽出部2が、当該解体段階が、空間線量率を計算するタイミングでないと判定した場合(S2のNO)、後述するステップS4の処理を行う。
一方、ステップS2において、代表状態抽出部2が、当該解体段階が、空間線量率を計算するタイミングであると判定した場合、(S2のYES)、当該解体段階における代表状態を抽出する(S3)。

0062

ステップS3にて代表状態を抽出した後、又はステップS2がNO判定である場合、代表状態抽出部2は、当該解体段階が解体作業の終了(最終)段階であるか否かを判定する(S4)。代表状態抽出部2が、当該解体段階が解体作業の終了段階であると判定した場合(S4のYES)には、上述した一連の抽出処理を終了する。

0063

一方、代表状態抽出部2が、当該解体段階が解体作業の終了段階でないと判定した場合(S4のNO)には、次の解体段階を選択する(S5)。そして、代表状態抽出部2は、ステップS5の処理後、処理をステップS2に戻し、ステップS2以降の処理を繰り返す。

0064

このように解体計画支援システム100では、上述した代表状態の抽出処理(空間線量率の計算実行タイミングの抽出処理)の終了後、当該抽出処理で登録された空間線量率の計算実行タイミングの情報に基づいて、空間線量率計算部3により空間線量率の値(代表状態値)が算出される。この時、空間線量率計算部3は、空間線量率の各計算実行タイミング(各解体段階)における、放射線源と作業者との相対的位置関係の代表的な状態での空間線量率の値(代表状態値)を算出することが可能となる。

0065

そして、解体計画支援システム100では、上述したように生成された解体手順定義テーブル10(図3参照)、及び抽出された空間線量率の代表状態値に基づいて、解体計画評価部4により、解体作業、すなわち解体計画の評価が行われる。解体作業の評価には、作業全体の所要時間の予測、作業に伴う作業者への累積被曝量の予測、これらの予測に応じて必要になる作業者の延べ人数の予測等が含まれる。

0066

例えば、機器を解体した際に、機器の長さが求められる。このため、解体計画評価部4は、機器の長さから単位時間当り解体箇所数を算出し、解体箇所数に基づいて必要な作業者の人数を予測することが可能となる。そして、解体計画評価部4は、予測した作業者の人数に基づいて、作業者の被曝限度を考慮した人工数が妥当であるか評価することが可能となる。

0067

それゆえ、解体計画支援システム100では、解体作業の評価において、解体作業の進行に伴って時間軸上で連続的に変化する全ての放射線源と作業者との位置関係を単位時間毎に繰り返して算出及び積算するといった現実的には困難な計算手法を採用する必要がない。
また、上述した本実施形態に係る空間線量率の抽出手法を採用した場合、解体計画評価部4は、評価目的に応じて、予測を変えることもできる。例えば、解体計画評価部4は、初期の見積計画段階では粗い予測を短時間で実行することができ、実際の工事実行前の精査段階では詳細な予測を実行することもできる。

0068

[空間線量率の補正手法
解体計画支援システム100では、解体計画評価部4が、例えば、機器の解体計画の初期段階では、少ない情報で迅速かつ系統的に解体作業の評価を行うだけでなく、実際の作業に近い段階ではさらに精度の高い評価(予測)を行うこともできる。
そこで、解体計画評価部4は、実際の工事に近い段階で行う評価(予測)において、さらに効率的で且つ精度の高い予測を実現するために、過去の解体実績のデータを有効に活用する。具体的には、本実施形態では、空間線量率の計算値に乗算して、空間線量率を補正するための補正係数をさらに規定し、効率的で且つ精度の高い予測の実現を可能にする。

0069

図6は、切断又は分解作業時に生成される各種部品IDのそれぞれと、各部品IDに対応付けられた空間線量率の補正係数との対応関係を規定した部品用補正係数テーブル501の構成図である。
図7は、切断作業時に生成される各種切断面IDのそれぞれと、各切断面IDに対応付けられた空間線量率の補正係数との対応関係を規定した切断面用補正係数テーブル502の構成図である。
これらの部品用補正係数テーブル501及び切断面用補正係数テーブル502は、例えば、データベース102に予め格納される。部品用補正係数テーブル501及び切断面用補正係数テーブル502で規定される補正係数は、過去の実際の工事において実測及び蓄積された作業位置の空間線量率の実績データに基づいて予め定義される。

0070

部品用補正係数テーブル501で規定される部品用補正係数は、空間線量率計算部3が、解体された部品の空間線量率を補正するために用いられる。部品用補正係数テーブル501を用いた補正処理は、空間線量率の計算実行タイミングにおいて算出された、解体後の生成品の表面又は近傍位置(作業位置)の空間線量率に、対応する補正係数を乗算することにより行われる。

0071

切断面用補正係数テーブル502で規定される補正係数は、空間線量率計算部3が、切断された部品の切断面の空間線量率を補正するための切断面用補正係数に基づいて、空間線量率を補正するために用いられる。切断面用補正係数テーブル502を用いた補正処理は、空間線量率の計算実行タイミングにおいて算出された、切断作業等により生成された対象となる切断面又はその近傍位置(作業位置)における空間線量率に、対応する補正係数を乗算することにより行われる。

0072

このように空間線量率計算部3は、各テーブルで定義された補正係数を用いて空間線量率を補正することで、解体計画評価部4が、機器全体の解体計画を評価することができる。ここで、空間線量率計算部3は、例えば、類似設計の別プラントや同一プラントの別号機における、運転年数の違い等による空間線量率の違いや、同一プラント内であっても設置場所の環境や系統上の位置による空間線量率の違いなどの影響に対して、既存(過去の解体実績)のデータの知見を用いて空間線量率を効率的に補正する。また、空間線量率計算部3は、各テーブルで定義された補正係数を用いて、例えば、プラントの差異や、計画変更などに関わらず、元(補正処理前)の計画時の空間線量率を適切に補正することができる。

0073

さらに、解体計画評価部4は、各テーブルで定義された補正係数を用いることにより、例えば、切断又は分解時において、機器内部の放射線源の面の露出程度によって、どの程度空間線量率の予測値(最大値又は空間平均値)が低下するか、作業者が放射方向を避けた位置で作業することによってどの程度空間線量率が低下するかなどを評価することができる。すなわち、解体計画評価部4は、切断又は分解時において、計画時の予測の条件と実作業の条件との違いを反映した解体計画の評価が可能となる。

0074

また、本実施形態では、部品ID毎及び切断面ID毎に補正係数を定義し、且つ、両補正係数の影響を補正処理で反映させることができる。それゆえ、本実施形態では、解体作業における解体対象物及び作業工法によって補正の対象が複雑に変化しても、部品及び切断面の空間線量率の補正を組み合わせ、解体計画評価部4が、適切に空間線量率の変化を評価することができる。

0075

なお、本実施形態では、部品用補正係数テーブル501及び切断面用補正係数テーブル502により、部品ID毎及び切断面ID毎に補正係数を定義する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されず、補正係数を対応付けるIDを別のID(区分)にしてもよい。
例えば、部品IDの代わりに、切断又は分解によって生成される生成品IDや分解により生成される分解箇所グループIDを用いてもよい。
また、例えば、切断面IDの代わりに、機器の切断により生成された切断面グループIDを用いてもよい。

0076

[累積被曝量の予測値の算出手法
次に、図8図10を参照して、解体計画支援システム100で実施される、作業者の累積被曝量の予測値、及び、解体作業の所要時間(解体作業時間)の予測値の算出手法の一例について説明する。ここでは、主に解体対象物を個々の部品(生成品)に分解したときの例を説明するが、解体対象物を切断したときについても同様である。

0077

図8は、累積被曝量及び解体作業時間の予測値の算出処理を実行するための機能ブロックの概略構成図である。

0078

(1)累積被曝量及び解体作業時間の予測値の算出機能部の構成
本実施の形態に係る解体計画支援システム100は、累積被曝量及び解体作業時間の予測値の算出機能を有する。このため、解体計画支援システム100には、少なくとも代表状態抽出部2、空間線量率計算部3及び解体計画評価部4を備える解体計画支援装置101が設けられる。

0079

代表状態抽出部2は、機器が設置される空間及び機器の位置に基づいて求めた部品の解体運動に基づいて、機器を解体する作業者の作業位置及び解体作業時間を推定する。そして、空間線量率計算部3は、作業位置において代表状態である部品の表面積を算出し、作業位置から部品表面までの距離に基づいて、予め規定された部品の表面線量率を修正する。作業位置から部品表面までの距離は、例えば、後述する図11に示すように、作業位置から部品のバウディングボックスの6面の中心までの距離を取ることで求められる。

0080

さらに、空間線量率計算部3は、代表状態抽出部2により推算された作業位置及び解体作業時間に基づいて、解体される部品の現在位置から搬出位置までの経路長を部品の搬出速度で除した時間を被曝量率に乗じて推算した作業者の被曝量を代表状態抽出部2に出力する。代表状態抽出部2は、代表状態抽出部2が作業者の被曝量を低減するように探索した解体順序における作業者の被曝量を解体計画評価部4に出力する。
そして、解体計画評価部4は、作業者の被曝量を低減するような解体順序(解体計画)を評価することができる。

0081

ここで、図8に示すように、代表状態抽出部2は、部品表面線量率入力部41、部品間幾何拘束取得部42、作業者位置推算部43、解体作業時間推算部44及び解体順序最適化探索部46を有する。また、空間線量率計算部3は、解体時作業被曝量推算部45及び解体順序被曝量出力部47を有する。図8では、主に代表状態抽出部2及び空間線量率計算部3が有する各機能ブロックの構成及び動作の例について説明する。

0082

なお、図8では、電気的に接続される機能ブロック間を直線矢印で接続すると共に、直線矢印の方向によりデータ(情報)の伝達方向を示す。
また、部品表面線量率入力部41、部品間幾何拘束取得部42及び解体順序最適化探索部46は、図2に示した解体手順設定部1が備えてもよい。

0083

また、解体計画支援装置101の入力データは、解体対象物を構成する部品の表面又はその近傍位置(作業位置)の空間線量率と、部品の3次元アセンブリモデル(設計)のデータであり、データベース102から読み出される。空間線量率は、空間線量率計算部3により算出されたものであり、3次元アセンブリモデルのデータは、図3に示した解体手順定義テーブル10に規定される部品ID毎に対応付けられたものであり、いずれもデータベース102に格納されている。また、3次元アセンブリモデルには、各部品を組み合わせた解体対象物の作業空間における位置及び大きさ等も規定されている。

0084

部品表面線量率入力部41は、空間線量率計算部3で算出された解体対象物を構成する部品の表面又はその近傍位置(作業位置)の空間線量率をデータベース102から読み込み、当該空間線量率を解体順序最適化探索部46に出力する。

0085

部品間幾何拘束取得部42は、解体手順定義テーブル10(図3参照)に規定されている部品IDに基づいて、解体対象物を構成する部品の3次元アセンブリモデルのデータをデータベース102から読み込む。また、部品間幾何拘束取得部42は、読み込んだ3次元アセンブリモデルのデータを部品間の幾何拘束情報に変換する。
具体的には、部品間幾何拘束取得部42は、従来公知(例えば、特許第5686538号公報)の手法を用いて、3次元アセンブリモデルのデータを、部品間における幾何学上の拘束条件(平面拘束や円筒拘束など)に変換する。そして、部品間幾何拘束取得部42は、部品間の幾何拘束情報を解体順序最適化探索部46に出力する。

0086

作業者位置推算部43は、解体順序最適化探索部46を介して入力される空間線量率、及び解体対象物の可能な解体運動方向に基づいて、解体対象物の個々の部品の解体(分解又は切断)作業時における作業者位置を推算する。
解体作業時間推算部44は、解体順序最適化探索部46を介して入力される空間線量率、及び解体対象物の可能な解体運動方向に基づいて、個々の部品の解体作業時間を推算する。

0087

解体時作業被曝量推算部45は、作業者位置推算部43で推算された作業者位置と、解体作業時間推算部44により推算された解体作業時間とに基づいて、個々の部品の解体作業時に作業者が被曝する被曝量(「作業被曝量」と呼ぶ)を推算する。ここで、解体時作業被曝量推算部45は、作業位置において、遮蔽されずに露出し、放射線を出す部品の表面積を算出する、放射線を出す部品の露出した表面積と、作業者とこの部品との距離に基づいて、入力された部品表面線量率を修正する。そして、解体時作業被曝量推算部45は、分解された部品の現在位置から搬出位置までの経路長を搬出速度で除して被曝量率に乗じた値を、分解された部品を分解又は解体する際の作業被曝量として算出する。その後、解体時作業被曝量推算部45は、この作業被曝量を解体順序最適化探索部46に出力する。

0088

解体順序最適化探索部46は、作業者が解体対象物を解体する際の作業被曝量を最小化又は低減することが可能な解体順序を探索する。ここで、解体順序最適化探索部46は、従来公知(例えば、特許第6266104号公報)の手法を用いて、解体対象物の可能な解体状態遷移グラフネットワークで表す。そして、解体順序最適化探索部46は、解体作業の評価指標となる目的関数(本実施形態では解体順序)を適化する経路最短経路探索により導出する。

0089

また、解体順序最適化探索部46は、部品間幾何拘束取得部42から入力された平面拘束や円筒拘束などの幾何拘束情報に基づいて、従来公知(例えば、特許第5686538号公報)の手法により、解体対象物の可能な解体運動方向(解体時の移動可能な方向)を算出する。

0090

その後、解体順序最適化探索部46は、解体対象物の可能な解体運動方向(解体時の移動可能な方向)を作業者位置推算部43及び解体作業時間推算部44に出力する。この際、解体順序最適化探索部46は、部品表面線量率入力部41から入力された空間線量率も作業者位置推算部43及び解体作業時間推算部44に出力する。

0091

本実施形態では、解体対象物の構成部品に放射線を発する部品が含まれ且つ解体作業における作業被曝量(累積被曝量)を最小化することを目的とする。
それゆえ、解体順序最適化探索部46は、解体時作業被曝量推算部45により推算された作業被曝量に基づいて、すべての部品を解体(分解又は切断)した際の作業被曝量が最小となる解体順序(分解状態の遷移)をグラフネットワーク上で探索する。
そして、解体順序最適化探索部46は、探索の結果、最小な作業被曝量となる解体順序とその作業被曝量(予測値)と特定し、それらのデータを解体順序被曝量出力部47に出力する。

0092

解体順序被曝量出力部47は、入力された最小な作業被曝量となる解体順序及びその作業被曝量(予測値)を、解体作業の計画者に対して視認可能となる出力態様で出力する。例えば、解体順序被曝量出力部47は、最小な作業被曝量となる解体順序及びその作業被曝量をディスプレイ画面上に表示したり、紙面上に印刷したりして出力する。

0093

なお、解体計画評価部4は、解体解体計画の評価結果として、最小な作業被曝量となる解体順序及びその作業被曝量(予測値)だけでなく、これらの算出値に基づいて当該作業で必要となる作業者の人数の予測値が算出する算出部(不図示)をも備える。そして、解体計画評価部4は、最小な作業被曝量となる解体順序及びその作業被曝量(予測値)の出力時には、作業者の人数の予測値も合わせて、評価結果として出力(表示)することができる。

0094

また、解体順序最適化探索部46は、最小な作業被曝量となる解体順序及びその作業被曝量(予測値)を評価するため、これらの値を解体計画評価部4に出力してもよい。そして、解体計画評価部4は、得られた評価結果をディスプレイの画面上に表示したり、紙面上に印刷したりして出力してもよい。

0095

(2)累積被曝量及び解体作業時間の予測値の算出手法
次に、図9及び図10を参照しながら、累積被曝量及び解体作業時間の予測値の算出処理の内容をより具体的に説明する。
図9は、解体対象物の解体(分解)過程における作業位置と解体対象物の相対的な位置関係を示す図である。
図10は、解体対象物に相対する角度によって放射線が直接届く範囲(放射線源の露出状態)が異なることを示す図である。

0096

まず、解体順序最適化探索部46は、解体(分解)可能な部品のうちi番目に解体(分解)する部品p(i)に対して、その部品p(i)の幾何拘束情報(平面拘束や円筒拘束など)に基づいて、生成品p(i)の可能な解体運動方向を表す単位ベクトルv(p(i))を算出する(図9参照)。

0097

次いで、作業者位置推算部43は、作業位置w(p(i))を、部品p(i)の解体運動方向v(i)に沿って、部品p(i)の中心q(p(i))から距離lだけ離れた位置として推算する(図9参照)。
具体的には、下記式(1)により、作業位置w(p(i))を推算する。

0098

0099

次いで、解体作業時間推算部44は、部品p(i)の中心q(p(i))から搬出位置までの搬出軌道の距離をm(p(i))とし、部品p(i)の搬出手段(不図示)の搬出速度をu(p(i))として、それらの値から部品p(i)の解体作業時間t(p(i))を推算する。
具体的には、下記式(2)により、部品p(i)の解体作業時間t(p(i))を推算する。

0100

0101

次に、i番目に分解する部品をp(i)として、この時点で放射線が出ている部品がN個残っているとする.それらの部品をp(i,n) (n=1,…,N)とする。図10に示すように、S(p(i,n),j)は、部品p(i)をj方向から見たときに、障害物の無い状態で見える部品p(i)の表面積を表す。また、s(p(i,n),j)は、同じ部品p(i)をp同じj方向から見たときに、分解の作業過程において他の部品に遮られた状態で見える部品p(i)の表面積(露出している部分の面積)を表す。ここで、作業位置w(p(i))から部品p(i,n)のj方向(j=1,…,6)の表面までの作業者からの距離をr(p(i,n),j)とする。図11中の部品p(i,n)に向かう矢印は、バウンディングボックスの6面の中心を表す。そして、図11では、作業位置w(p(i))から部品p(i,n)のバウンディングボックスの6面の中心までの距離をとる例が示される。このとき、解体時作業被曝量推算部45は、部品p(i)の分解時に想定される空間線量率doR(p(i))を下記式(3)で算出する。

0102

0103

そして、解体時作業被曝量推算部45は、部品p(i)の解体(分解)時の作業被曝量Dose(p(i))を下記式(4)で推算する。
なお、下記式(4)中のt(p(i))は、部品p(i)の解体(分解)作業の所要時間である。

0104

0105

式(4)により解体時作業被曝量推算部45が算出した部品p(i)の分解作業中の作業被曝量を受けて、解体順序最適化探索部46が、部品p(i)の分解作業時の作業被曝量のスコアとして、従来公知(例えば、特許第6266104号公報)の手法を用いて最小な作業被曝量となる解体順序を探索する。探索の結果、最小な作業被曝量となる解体順序とその作業被曝量を解体順序被曝量出力部47が出力する。

0106

次に、解体計画支援システム100の各装置を構成する計算機50のハードウェア構成を説明する。
図12は、計算機50のハードウェア構成例を示すブロック図である。

0107

計算機50は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアである。計算機50は、バス54にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53を備える。さらに、計算機50は、表示装置55、入力装置56、不揮発性ストレージ57、ネットワークインターフェイス58を備える。

0108

CPU 51は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアプログラムコードをROM 52から読み出して実行する。RAM 53には、演算処理の途中に発生した変数パラメーター等が一時的に書き込まれる。図2に示した、解体手順設定部1、代表状態抽出部2、空間線量率計算部3及び解体計画評価部4の各機能ブロックは、CPU 51により機能が実現される。

0109

表示装置55は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、計算機50で行われる処理の結果等を解体作業の計画者に表示する。入力装置56には、例えば、キーボードマウス等が用いられ、計画者が所定の操作入力、指示を行うことが可能である。

0110

不揮発性ストレージ57としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク光ディスク光磁気ディスクCD−ROM、CD−R、磁気テープ不揮発性メモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージ57には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算機50を機能させるためのプログラムが記録される他、図2に示したデータベース102が構築される。ROM 52、不揮発性ストレージ57は、CPU 51が動作するために必要なプログラムやデータ等を永続的に記録しており、計算機50によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性記録媒体の一例として用いられる。

0111

ネットワークインターフェイス58には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを他の装置との間で送受信することが可能である。

0112

以上説明した一実施の形態に係る解体計画支援システム100では、解体対象である機器の線源が最大露出する代表状態を、解体手順における段階毎に抽出し、この代表状態における切断面グループ又は分解箇所グループの空間線量率を計算する。そして、空間線量率計算フラグ20が「1」である全ての解体段階で計算した空間線量率を累積することで、解体手順毎に機器の解体に要する解体作業時間及び作業時被曝量を求めることができる。このため、解体計画を評価し、安全な解体計画の立案を支援することができる。この評価結果に基づいて、解体作業の計画者は、作業に必要な人工の見積り、解体計画の妥当性等を判断することができる。

0113

また、解体手順定義テーブル10では、解体手順毎に、切断面グループ又は分解箇所グループに合わせた解体工法及び工具が紐付けられる。また、解体手順毎に、解体後の生成品の位置が、移動なし、生成品の搬出、近隣部品の搬出のいずれかが規定される。これにより、解体に必要な工法、工具、及び解体後の生成品の取扱いが明確となる。

0114

また、解体後に生成品に対して遮蔽や覆い掛けなどの処理が行われることで変化する、作業位置での空間線量率を、解体後の処置情報として規定される減衰係数により求めることができる。このため、解体後に生成品に対して遮蔽や覆い掛けが行われるのであれば、作業者の作業時被曝量が減少するので、作業者に別の作業を割当てたり、作業時間を長くしたりすることも可能となる。

0115

また、代表状態抽出部2は、データベース102から読み出した部品の表面線量率、及び解体対象物の3次元アセンブリモデルに基づいて、作業位置及び解体作業時間を推算する。そして、代表状態抽出部2は、空間線量率計算部3が推算した解体作業時の被曝量に基づいて、最適化した解体順序を探索することができ、代表状態抽出部2は、解体順序に応じた作業者の被曝量を出力する。このため、作業空間における作業位置に応じた被曝量が、解体順序毎に正確に求まり、解体作業の計画者は、作業の妥当性を判断しやすくなる。

0116

なお、解体計画支援装置101及びデータベース102をクラウド化することで、解体作業の計画者が、異なる拠点から解体計画支援装置101にアクセスし、解体計画を作成し、解体計画の評価結果を得てもよい。

0117

本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために解体計画支援システムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、本実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

0118

1…解体手順設定部、2…代表状態抽出部、3…空間線量率計算部、4…解体計画評価部、10…解体手順定義テーブル、20…空間線量率計算フラグ、41…部品表面線量率入力部、42…部品間幾何拘束取得部、43…作業者位置推算部、44…解体作業時間推算部、45…解体時作業被曝量推算部、46…解体順序最適化探索部、47…解体順序被曝量出力部、100…解体計画支援システム、101…解体計画支援装置、102…データベース

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