図面 (/)
課題
解決手段
請求項1
請求項2
請求項1で有って、質量を持つ2個の質点がペアと成り、上記本原理に記述の、回転エネルギー出力軸を挟んで、常に互いに対極と成る事、即ち180°の位相差保ちながら、その2質点が円形状軌道に沿って周回する事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項3
上記請求項2に於いて、質点のペア数が2ペア以上で有る事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項4
請求項1で有って、質量を持つ質点と、上記回転エネルギー出力軸を接続する前記トルク棒が、上記回転エネルギー出力軸を、直交状で且つスライド的に貫通する場合、そのスライド摩擦抵抗を極力小さくする手段を講じた事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項5
請求項1で有って、上記質点を上記トルク棒がスライド的に貫通する構成の場合、そのスライド摩擦抵抗を、極力小さくする手段を講じた事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項6
請求項1で有って、質点と周回軌道の中心点又は重心点の間を剛体材で接続し質点が周回軌道からはづれない様周回するガイド役を果たす事、且つ質点が摩擦抵抗を殆ど受ける事無く周回軌道に沿って周回出来る様に対策した事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項7
請求項1で有って、周回軌道が空でなく剛体製の材質で出来たリング状の形状で有り、質点はそのリング状軌道に沿って周回出来る様に成っている事。更に複数個のリング状軌道が並行して並んだ輪の中を、1個の上記回転エネルギー出力軸が串差し状に直交している形態で有る事。各リング状軌道に属する前記質点と回転エネルギー出力軸とは、それぞれのトルク棒で接続されている事。各トルク棒は回転エネルギー出力軸を直交状態で貫通しているがスライド的で有る事。、そのスライド摩擦抵抗は小さくする対策が取られている事。少なくとも以上の事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項8
請求項1〜7で有って、上記回転エネルギー出力軸と周回軌道の中心点(又は重心)との距離を可変出来る機能を有し、回転エネルギーの出力量をコントロール出来る事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項9
請求項10
請求項1〜9で有って、複数の装置の出力を合成する事を特徴とする、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項11
請求項1〜10で有って、回転エネルギー出力軸の位置が、上記周回軌道の中心(又は重心)を基準にして、左側(右回り出力)か、右側(左回り出力)か、どちらか1方を選択する事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項12
請求項11で有って、右回りと左回り出力を合成する事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
請求項13
請求項14
請求項1で有って、周回軌道の中心又は重心点と、回転エネルギー出力軸間の距離を可変する事で、その装置の出力を制御する事を特徴とした、重力を利用した回転エネルギー生成方法及び装置。
技術分野
0001
我々の住んで居る地球が出来たのは38億年前だと言われている。其れから生命が誕生し、進化し、地上では温暖な気候で植物や動物が大繁栄すると言う歴史を辿って来た。あの白亜期では地上最大の巨竜ティラノザウルスがばっこし、この地球にとってはこの時代が最盛期で有ったのでは無かろうか。そのティラノザウルスの時代は500万年続いたが、一瞬にして何故か消滅した。
0002
チンパンジィから分離し、人類が誕生したのは500万年前と言われている。最初は徐々に、そして近世紀に成って急激にその文化は発達している。その為、地球規模の歪みが発生している。それは人類の発展の結果では有るが、此のままでは50年後には人類の急激な消滅が現実と成るかも知れない。
その主原因は「地球温暖化」で有る。其れはもう既に始まっている。
北極や南極の氷の溶解に依る海面上昇、その為に国土の縮小や島国の消滅、永久凍土の溶解に依る森林の消滅と、閉じ込められていたメタンガスの解放による毒性ガスの大量発生、等々。
0003
上記の大問題を阻止する為には人類は何をすべきか。まず「人工的CO2の発生を0」にする事である。其れも地球規模で実行しなければ効力はない。
現在、人類は大量にエネルギーを消費しており、その用途の主要は発電、運輸(自動車、船舶、航空なぞ)、工業生産等々で、そのエネルギー源として化石燃料を大量に使用しており、これは即0にしなければ成らない。
0004
現在に於ける日本の発電電力は約3億kWと言われている。是は「2.5kW/人」と成る。一方、50年後の世界人口は100億以上に膨張すると言われている。その頃は低開発国の生活文化も向上し現在の日本と同程度と成るで有ろう。従って電力需要も増大し「2.5kW/人」が予測され、世界の発電電力は「250億kW」が必要となる。そのエネルギー源はどうするのかが問題で有る。
0006
火力発電のエネルギー源は化石燃料(石炭,石油、天然ガス)で有るのでCO2の排出による「地球温暖化問題」で、その使用は0にしなければならない。又CO2の分解技術が進んではいるが完全解決にはほど遠い状態であるし、エネルギー資源も枯渇が見えて来た。
0007
原子力発電はウランの核分裂で生じる超大なエネルギーを使って発電機を回し発電する物で、最も有用と考えられていたが、あの福島第一原子力発電所の大惨事で、世界は「原発0」にシフトした様である。たとえ其れが解除してもウラン資源は50年と言われている。
0008
再生可能なエネルギー源の太陽光、風力、バイオマスは気象変動に弱く太陽光は夜間では通用しない。
更に、増大する電力需要には規模が小さい為殆ど追従出来ない。
即ち「発電用エネルギー源」、いや其ればかりで無く、「運輸、産業用動力エネルギー源」も又、その枯渇をどうするかが本発明の主たる目的で有る。それ故、〔本発明は、即解決が必要である「人工的CO2発生」を限りなく0にする事、更に各種産業及び動力用エネルギーを現状に無い新方法で、且つ無尽蔵に生成する事、即ち新エネルギーの生成分野に属する。〕
背景技術
0009
新代替エネルギー源として、「核融合」の研究に長大な経費と人材を投入し、地球規模で進められているが、重要である「超高温」は実現していない様である。例え「核融合」が成功したとしてもその安全性を確立するには長時間を要し、差し迫った問題である「地球温暖化」阻止は不可能と思われる。
発明が解決しようとする課題
0010
本発明はかのニュートンが発見した「万有引力」で有る「重力」を前記のエネルギー源として活用する事にある。
重力は地球上、何処でも、昼夜に関係なく、気象変動にも関係なく存在する。例え太陽が消滅しても地球が存在する限り、いくら使用しても枯渇の心配はない。
もし重力エネルギーを回転エネルギーに「変換」出来れば、発電電力及び運輸産業用、や前記で説明した人類に必要なエネルギーは無尽蔵とする事が出来る。又、自動車等の輸送や回転エネルギーを動力とする産業部門には電気を介さなくても直接動力として使用出来るので送電ケーブルは不要となる。
0011
此処で「変換」と言う文言は、もし回転エネルギーが得られれば重力エネルギーは其の分消滅する事を意味する。地上では重力の消滅は有り得ない。従ってこの様なエネルギーの変換では無くて重力を利用する形で本発明を取り扱う。即ち「本発明は重力を利用して、CO2発生=0で、かつ人類に必要なだけ、十分なエネルギーを生成する事」を課題とする。
0012
水力発電は「重力」を利用している。高い位置にあるダムの水で低い位置にある水車を回転させている。即ち位置のエネルギー差を利用している。従ってCO2を出さない理想的なエネルギー源で有るが、気象に左右される事と、川の高低差や水量が豊富な場所は世界中でも限られ、現在では新規に建設する場所は殆ど無い。まして是から発展するで有ろうアフリカ大陸では絶望的である。
課題を解決する為の手段
0013
「重力を利用して回転エネルギーを生み出す」 是は〔不可能と言われてきた永久機関の問題〕を覆す事にも成る。
本発明は是を「現実」な物とする事である。
0014
本発明を利用して発電所を建設すれば、現在の50万kWクラスの原子力発電所の敷地面積で、それに近い発電容量が得られる可能性を秘めている。これは後述する簡単な計算で理解出来る。
又この発明は1m2程度の敷地が有れば5kWクラスの発電装置が設置可能で有るため、僻地の1軒屋でも送電線が不要な生活が出来る。
また、本発明は資源の消費無しに、直接的な回転エネルギーの生成なので、船舶、運輸、自動車、鉄道、工業機械等は電気を介さなくても利用出来る。
従って前記の〔地球温暖化〕は「完全に阻止する手段」と成り得る。
0016
この基本的な理論を〔重力場に於ける回転エネルギー生成原理〕と呼ぶ事とし、以下では略して〔本原理〕と呼ぶ。
以下、本原理を短文で記述した〔本原理の集約〕及び数式等を使用して具体的に解説した〔数式に依る本原理の具体的解説〕により、その正当性を証明する。
本原理は通説に反するので理解を得る為に、多数の項番、〔0017〕〜〔0038〕、を解説と数式解析及び証明にあてる。
0017
〔重力場に於ける回転エネルギー生成原理〕
注)以下上記タイトルを〔本原理〕と呼ぶ。
0018
本原理の集約
〔イ〕重力がほぼ一様な方向の3次元立体空間〔図1参照〕(即ち局所的重力場)に於いて、重力と平行な平面上に円形状(円、又は楕円、又は曲率半径が内向きの多様な円弧で出来た閉じた円状(例;ゆで卵の断面))の軌道を設定する。その軌道に沿って質量Wkgの質点Pが周回出来る事とする。
〔ロ〕上記軌道の内側で作る円形状平面の重心をOとし、同平面上で且つOと異なる点に〔点S〕を設定する。そしてPとS間を直線bで接続する(bは、曲げは不可だが伸縮は自由)〔図2参照〕。
〔ハ〕以上の形態で質点Pが軌道に沿って周回運動する場合、点Sにはスピン力即ち力のモーメントが作用する。
〔ニ〕今、「重力+α」の力で質点Pが軌道を1周する場合、点Sは、そのスピンに依り回転エネルギーψ0を出力する。所で、特定な点Sの位置で1周した場合、「α=0、且つψ0>0」と成るSの位置が存在する。即ち、〔重力のみで、ψ0>0〕が成立する点Sが存在する。それも複数箇所存在する。
〔ホ〕回転エネルギーψ0が実用的な大さと成る点Sの位置は、「重心Oを通り重力と直交する線上で、且つ周回軌道の内側」に分布している。又、「点Sのスピン方向はOを挟んで左右対称で有る。」
〔ヘ〕ψ0を生成する装置の台数を複数とし、出力を合成すれば大出力が得られる。即ち実用的な「重力を利用した回転エネルギーの生成」が可能で有る。 −以上−
0019
数式に依る本原理の具体的解説
〔関連図面〕
〔図1〕=〔重力場内の3次元立体座標〕、1重力方向、2座標中心O、3X軸、4Y軸、5Z軸。
〔図2〕=〔原理を説明する為の基本構成〕、3X軸、4Y軸、2原点O、9周回軌道L、10質点P、11ガイド線r、12トルク線b、13スピン点S、14回転エネルギー出力軸、15制御定K.16Pの周回方向、1重力方向。又「図はr=1,重力=1」の場合を示す。
〔図3〕=〔制御定数Kと1周回当たりの回転出力エネルギーのグラフ〕、ψ1 17、ψ18。
0020
重力の方向がほぼ一様な方向にある重力場の3次元立体空間に於いて、〔図1〕=〔重力場内の3次元立体座標〕に示す如く、互いに直交する3次元立体座標X3、Y4、Z5、及び原点O2を設定する。そしてY軸と重力1とは平行で有り、且つY軸の(−)方向と重力の向きの方向と一致している事。 この条件でX,Y平面上に〔図2〕=〔原理を説明する為の基本構成〕として、原点O2を中心(=重心)とした円、楕円(図は省略)、更には、ゆで卵の断面の様な(曲率半径線の方向が常に内側を向く複数の円弧で出来た閉曲線)円状の閉曲線(図は省略)、を画き、これを周回軌道L9と呼ぶ。以下この図に依って詳細に説明する。但し「数式」及び数式の解析は総て「円軌道」の場合に限定する。
0021
今、この軌道に沿って、質量(Wkg)を持つ質点P10が周回運動16出来る事とする。Pは質量が有る為、常に重力1が作用しており、その大きさをGとする。
其れから、座標の原点OとP間を剛体性の直線r11で接続し(Oを中心とした回転は自由)、更に周回軌道内で且つX軸上で有って、「−r<x<=0」の任意の点S13とP間を伸縮性はあるが曲がらない直線b12で接続する。
上記の構成に於いて質点Pが周回軌道に沿って摩擦抵抗無く周回運動が可能な場合は、その周回運動に依ってPとbから点Sはスピン力即ち力のモーメントm1(θ1)を与えられる。
0022
そして質点Pが1周回で出力する回転エネルギーはψ1 17と成る(変数はθ1)。またψ1の大きさは制御定数K15に依って変化する(制御が可能)。その様子は〔図3〕のψ1 17、ψ18の様に成る。尚〔図3〕は下記の式(1)、(2)及び式(5)、(6)より求めた。
点Sの位置を決定すれば、本基本構成(図2)に依って出力する回転エネルギーの計算式が求まる。
今、r=1及び,質点Pに作用する重力の力G=1(何れも無単位)とすれば単位を持たない基準と成る数式が計算出来る。
是を〔基本関数式〕と記述する事にする。是は解が単位を持たない実数で有る場合に限り、この様な表現とする。
更に付け加えるなら、基本関数式は制御定数K(Kの範囲は0=<K<1)のみでその数値が定まる(図3参照)。
0023
〔数式のまとめ。〕
質点Pの位置を示す変数をθ1、θとした場合。
力のモーメントの〔基本関数式〕は単位を持たない。その数式の計算値の値は、図4でr=1、G=1、の場合に等しい。
〔基本関数式1〕
〔基本関数式2〕
0025
質点Pが周回軌道に沿って1周する場合の出力エネルギー係数を「基本関数式」のみで計算し、ψ1、ψとすれば(積分記号は質点Pが軌道を1周した場合の積分を示す)。
実構造寸法での1周分の出力エネルギー、E1及びE0は、式(5)、(6)より重力の力=Gニュートン、軌道半径=rメートルとして、
0026
〔A〕 本原理が成立する〔必要条件〕は、上記のψ1、ψが「ψ1>0」且つ「ψ>0」が成立する事。
〔B〕 本原理が成立する〔十分条件〕は、質点Pを2個(同質量)以上使用する事により1周回中に、上記の〔基本関数式〕=m1(θ1)、又はm(θ)の合成値が負と成らない条件が存在する事。
0027
**本原理の発展的構成**
〔C〕 180°位相差の2質点ペア(但し同一質量)即ち「m1(θ1)+m1(θ1+180°)」は〔十分条件〕をクリアする。(図6参照)但し図から解る様に、出力する力のモーメントは周期的変化となる。
従って実用上では振動問題を解決しなければ成らない。
〔D〕 上記〔C〕記述の「2質点ペア」を単に「ペア」とし、是と90°の位相差を持つもう一つの「ペア」と従続合成(以下カスケード合成と呼ぶ)すれば、その出力は直流的となり振動問題は解消する。
この「2ペア構成」をカスケード合成して行けば、無限の回転エネルギーが得られる理屈と成る。
〔図7〕及び〔図8〕参照)。
(E)振動の無い直流的出力の最小構成は「2ペア構成」で有り、「基本関数式1」より、m2p(θ1)として。
0028
上記の「本原理の説明」では変数=θ1として数式を重点的に説明したが、図2に示す様に「変数=θ」も存在する。
各数式もほぼ同様である事と、本原理の方法を装置として利用する場合は、θ1が有利で、θで計算及び構造設計すると若干複雑となり不利な点が大きい。
0030
**〔数式による本原理の証明〕**
0031
〔式(1)〜式(8)の数式誘導〕
本原理の基本構成である「〔図2〕:原理を説明する為の基本構成」に於いて質点P10に作用する力のベクトルを付加した図、即ち「〔図4〕=ベクトル計算用図面」に依り前記の数式を求める。
即ち〔図4〕に示す様に質点Pには常に3つの力が作用している。軌道上Lのどの位置にP10が有ろうとも、「重
総てで有る。そしてこれらは総て力のベクトルで有る。又、大きさと方向を持つ。
変で有るが、他の2つのベクトルは大きさと方向が位置に依り変化する事である。尚、回転に依る遠心力はRと並行で有り1週回でキャンセルして0と成る。式が複雑化するのみで計算結果には関与しないので無視する。
0032
今、質点Pが周回軌道上の任意の位置に「静止」する場合を考える。この場合のベクトル式は、式(9)と成る。
ントは、点Sに「スピン力」として働く。又Pが周回運動中では、次の式(10)が成立する。
ルの大きさをそのスラー値とし、方向を極性とし、更に変数=回転角θ、θ1を利用すれば、数式は総て、スカラー式で表現出来る。従って構造式と併用出来るので、式の計算が簡単となる。
0033
〔連立方程式で式(1)、(2)を求める〕
「連立方程式」
0034
〔式(2)の計算〕
式(11)、(12)より
Ccos(θ−θ1)=Gcosθ
式(13)、(14)より
bcos(θ−θ1)=r(1+Kcosθ)
故に上記2式から、力のモーメントM(θ)は、
故に〔基本関数式2〕m(θ)は、
0035
〔式(1)の計算〕
式(13),(14)を整理して、
r sinθ=b sinθ1
r cosθ=b cosθ1−rK
上記2式と、b>0とで、
式(11)、(12)を整理して、
Rcosθ=−Csinθ1
Rsinθ=Ccosθ1 −G
上記2式より、
また、回転エネルギー出力点Sに「スピン」を与える力のモーメントを、θ1を変数とする関数M1(θ1)とすると、M1(θ1)=bCで有るから、次の〔基本関数式1〕が求まる。
式(18)、(19)より、
故に
〔基本関数式1〕
−以上で連立方程式の解析、終り−
0036
**〔本原理が成立する「必要、且つ十分条件」の証明〕**
0037
〔必要条件の証明〕
ψ1及びψを「0=<K<=0.9」の範囲で数値計算すると、〔図3〕:「制御定数Kとψ、ψ1の関係」となり、図3に示す通り、「制御定数Kと1周回当たりの回転出力エネルギー定数」を得る。即ちψ1 17、ψ18の特性曲線を得る。従って、
**〔本原理は必要条件をクリアする〕**
0038
〔十分条件の証明〕
式(1)、式(2)より条件は、別の言い方をすれば、軌道上に質点Pを少なくとも2個使用する事で、1周回中に、m1(θ1)、又はm(θ)の合成値が負にならない事を意味している。
式(17)又は式(21)を見る限り、θ又はθ1が90度〜270度の間は式が負と成る。
しかし〔図5〕=「質点が1周した場合の出力特性」を示す。この図5に於いてm(θ)20、m1(θ1)19の負の部分は正に比べて、大きさも面積も小さい。又、ψ21、ψ1 25は共に+数値を示している。従って1質点では「フライホイール」等で乗り切る方法も有が、1質点は前記十分条件をクリア出来ない。
確実な方法は、2個の質点を使用し、互いに180度の位相差を付ける事である。この場合の特性曲線を〔図6〕=「1ペア構成の出力特性」で示す。是は確実で発展性の有る方法であり、〔十分条件をクリアする〕。
この事は内容が重要で、利用上、発展性が有り価値感がが高いので、項番〔0027〕として本原理の要素に追加した。以上により。
**〔重力場に於ける回転エネルギー生成原理〕は成立する。**
** 必要十分条件の証明終わり**
実施例
0039
**〔回転エネルギー出力の増加方法〕**
変数である回転角を、θを用いるかθ1を使用するかに依って、装置の形態が大きく変わる。
出力を増加する方法は、基本的には下記のa)とb)の2つの方法がある。
a)1つは式(15)および式(19)に於いて、「軌道半径r(m)×質点に作用する重力の力G(=質点Pの質量Wkg×9.8ニュートン)」の増加で有る。
0040
b)他の1つは質点Pの数を増やす事(本原理の「E」項の様に複数出力の合成)。
この方法は前記変数=θ1を数式として利用する場合にその効果を発揮し、質点Pをいくらでも増加する事が可能で有る。
但し、「質点Pは2個が1組で有って、回転出力軸、即ち図2のS14を挟んで180°の位相差を常に保持し続ける事」が条件となる。この状態は「本原理に記述して有る」が以下〔1ペア〕と呼ぶ事にする。
1本の回転出力軸に於いて、ペア数を増やした場合の出力の特性曲線を〔図7〕=「カスケード合成の出力特性」に示す。この図7では、1ペア26、2ペア27、4ペア28の場合を示す。図7に示す様に1ペアでは出力が脈動し、2ペア以上で出力を直流的にする事が出来る。本原理〔0026〕項番で示す「式(E)」参照。
また質点の配列を〔図8〕=「カスケード合成の質点配列」で示す。
0042
** 基本的な実施例 **
以下、本原理に基づく回転エネルギー生成方法及び装置の各種基本部を概念図で説明する。その基本構成は本発明の一部で有り、本原理を方法として流用する構造物は限りなく存在する。
0043
〔図9〕=「1ペア、回転主軸部スライド形装置概念図」
L=周回軌道、回転主軸36、1ペア質点40、ガイド棒41トルク棒(b1,b2)42、回転エネルギー出力軸受け43、ガイド棒回転センター軸(=軌道センター)44、回転エネルギー出力45、以上の主要構成要素で装置は右回転で作動する。
この場合、出力の力のモーメントは〔図6〕の「1ペア26」に示す様に正弦波状のリップル出力となる。
又2本の「トルク棒と回転主軸Sとの接続部はスライド接続」と成っていて「トルク棒の伸縮」を達成している。
この「スライド接続部の構造」は装置の生命線であり、如何に摩擦抵抗を小さくするかが技術的課題と成る。
この1ペア構成は「前記十分条件」を満たす最低構成である。
0045
〔図10〕=「1ペア、質点スライド形装置概念図」
本図に於いて、回転主軸36、ガイド棒41、軸受け43、回転エネルギー出力45、質点P1、P2 46、トク棒47、スライド穴48、以上の主要構成要素で出来た装置の概念図で有るが、その特徴と「図9」の場合との比較をする。
その出力の形態は上記「図9」と同様で有るが、異なる点は、トルク棒の伸縮のメカニズムを「質点Pと其れを貫通するトルク棒とがスライドする」手法を採用している事にある。どちらが有利かはスライド損失の小さい方に有る。いずれにせよ出力の力のモーメントは図6の如く脈動する。従って振動や騒音対策が必要となる。
その対策で効果的方法は地下室に設置する事である。
0046
〔図11〕=「2ペア質点形、出力制御機能付き装置概念図」。
本概念図は、前記で説明した2個の質点の組、即ち1ペア質点を2組使用した2ペア質点(P1とP2)33、及び(P3とP4)34、が「基本構成」で有る。そして回転中の2つのペアは常に90°の位相差を崩さない様に、回転主軸S39に直交する4個のスライド穴62を設け、それぞれ4本のトルク棒35が貫通している構造と成っている。従って質点Pと回転主軸間の距離はトルク棒がスライド穴の中をスライドする事でトルク棒の伸縮を代行する。そして質点P1〜P4の各トルク棒を、実質的に伸縮制御するのがガイド棒36の役割と成る。
従って「前面」から見てガイド棒の長さは、即ち各「質点」と「中心点O2」との距離は常に一定である。
0048
また本概念図は出力を自動制御する方法を有して居る。
その手段としてサーボモータ63が有り、其れでスクリュー軸64を正又は逆回転させる。其れでガイド棒用心棒38を保持している軸台60を左右に移動させる。そして回転主軸台37との距離を変化させる。この事は「図3の制御定数K」を変化させる事で有り、本原理で利用する自動制御の基本の一つと成り得る。
0049
〔図12〕=「剛体リング軌道2ペア質点形、の装置概念図」
この構造や構成及び形態は前記の図9〜図11と大きく異なる。
その基本原理は当然の事、同じで有るが、上記、図9〜11の軌道は「質点」の単なる通過道で有り空で有る。
それに対して本図の構成及び形態は、電車が軌道である「レール」の上を走る様に、「質点」は「剛体性の角形パイプで出来たドーナツ状のリング」の中を「周回」する。以下、本図では「リング軌道」と呼ぶ。
0051
本図では1個のリング軌道に1質点が対応している。従って2個のリング軌道で1ペアと成る。故に本図の装置は2ペア構成と成る。従って「図11の装置」と同様の出力と成る。
又、トルク棒の伸縮性改良に依って1ペア/1リングの構成が実現すれば更なる進展が見込める。
0052
まず、図面に沿って各パーツ及びその構成を説明する。
A) 〔側面図〕では:「No1、No2リング軌道(2コで1ペア)49」、「No3、No4リング軌道(2コで1ペア50」、「回転エネルギー出力軸51」、「次段装置へ52」、「ベース板53」、「地下室54」。
B) 〔前面図〕では:「質点ペアP1,P2 66」、「質点ペアP3、P4 67」、「リング軌道59」が主要部である。
C) A−A’矢視図では:「鋼鉄製車輪形質点×2 55」、「タイヤ×2 56」、「車輪軸57」、「トルク棒58及び「鋼板で四角に折り曲げた断面を持つ、リング軌道59」で構成している。
〔前面〕図から解る様に、質点はP1〜P4であり、かつ2ペア方式である。そして出力の「力のモーメントのリップル」は0で有る。
0053
本概念図による装置は、大容量出力の「基本単位構成」で有って、カスケード接続で、いくらでも出力エネルギーの増量ができる。又その事を初めから「指向」した。極端では有るがカスケード接続で地球を1周出来る。
発明の効果
0055
本発明はエネルギーを得る為に、燃料とか資源を全く消費しない。ただ重力を利用するのみで、人類に必要なエネルギー総て賄う事が出来ると言っても過言でない。しかも「簡単な構造の装置」で前記課題を総てクリアする。
0056
1つの例として〔図12〕=「剛体リング軌道2ペア質点形、装置概念図 」に記載の「本原理」を方法として使用した「回転エネルギー生成装置」の出力を計算で求め、従来の発電所と比較してみる。
*制御定数K=0.7
*積分はθ1の単位をラジアンに置き換えて計算。
装置は2ペア故 ψ1=2×4.4=8.8
1周回当たりの出力エネルギーE1は、r=10m、P1〜P4の質量=各500kgとして、
負荷が発電機として、回転数が1800rpmとすると、30rps故。
発電機出力は、30×E1=12、936KW と成る。
地下室に装置10機を設置しカスケードで使用すれば〔約12万kW〕と成り、是はもう「火力発電所や水力発電所」並である。上記の半径=10mは周速が大きい、質点質量を1トンとすれば半径=5mで、これは実用性がある。
0057
上記では2ペア機を2台で構成した例であるが、カスケード接続には制限はない。元々カスケード接続が可能な構成として考えた物である。小さなトンネルの中に多数をカスケードで接続すれば、周速、騒音、振動、破壊的故障時の周辺被害、が一気に解決する。従って環境に優しい装置に成り得る。
0058
〔本原理〕の利用は自動車、電車、船舶等の回転エネルギーのみが主要な輸送機関としても、単純で小型の動力源と成り得る。燃料は不要で有り、送電線も不要で有り、資源の枯渇もない。
又、5kw程度の発電機として標準化し大量生産すれば、僻地の孤立した民家や集落用として一気に普及するで有ろう。
図面の簡単な説明
0059
=「重力場内の3次元立体座標」、この座標は我々の住んで居る地上と同様な重力の有る立体空間で有って、その空間に互いに直交するX,Y,Zの3次元座標を設定する事を意味する。1は重力の方向、2は座標の原点O、3はX軸、4はY軸、5はZ軸、を示す。
0060
=「原理を説明する為の基本構成」、前記「本原理」を詳細且つ「数式」で説明する為の基本構成図。1は重力の方向、2は座標の原点O、3はX軸、4はY軸、6はトルク線bとX軸がなす角度θ1、9は質点Pの周回軌道L、10は質点P、11はガイド線r、12はトルク線b、13は回転エネルギーの出力点S、14は回転エネルギー出力軸の断面、15は制御定数K、16は質点Pの運動方向。
0061
=「制御定数Kと、質点Pの1周回当たりの出力エネルギーψ1及びψの関係」、17はψ1、18はψ、Kは制御定数。
0062
0063
=「質点が1周した場合の出力特性」。質点Pが軌道に沿って1周した場合、即ち変数θ及びθ1に対応した出力点Sに作用する力のモーメントm(θ)及びm1(θ1)グラフを示す(k=0、5、本原理の式(1)、(2))。19はm1(θ1)、20はm(θ)、21はψ、25はψ1。何れも制御定数=0.5の場合。
0064
=「1ペア構成の出力特性」。質点P1、P2の1ペアが互いに180°の位相差で周回した場合、点Sに作用する(出力でも有る)力のモーメントの基本値。変数θ1の変化に対応した値。式(1)で計算。
0065
=「カスケード合成の出力特性」。質点P1、P2が互いに180°位相差を保持するのを1ペアとし、2ペア、4ペアの場合の各出力特性を示す。26は1ペア、27は2ペア、28は4ペアの場合を示す。2ペア以上は直流的出力と成る。
0066
=「カスケード合成の質点配列」。図7の各ペアの質点配列図。30は1ペア、31は2ペア、32は4ペアの場合の配列。
0067
=「ペア、回転主軸部スライド形、装置概念図」。質点を2個(1ペア、P1、P2)使用し、トルク棒の伸縮は、回転主軸Sを貫通するスライド穴を通す事で達成する。40は質点P1、P2、41はガイド棒、42はトルク棒、43は回転主軸の軸受け支柱、44は軌道の中心軸、45は出力方向、36は回転主軸出力部。
0068
=「1ペア、質点スライド形、装置概念図」。図9と同様出力タイプだが、トルク棒の伸縮を質点P1、P2に開けた穴の中をスライドさせて達成する仕組みとした物である。36は回転主軸出力部、41はガイド棒、43は回転主軸の軸受け部、45は回転エネルギー出力方向、46は質点P1,P2、47はトルク棒、48は質点のスライド穴。
0069
=「2ペア質点出力制御形装置、概念図」。前記「2ペア形」故、回転出力エネルギーはエネルギーリップルの無い直流的で有る。またサーボモータ63を正逆運転して出力を制御する機能が有る。従って自動制御が可能となる。1は重力方向、2は円軌道の中心点O、9は円軌道L、13は回転出力軸の中心点S、33は質点P1、P2ペア、34は質点P3、P4ペア、35はトルク棒、36はガイド棒、37は回転出力軸、軸受け支柱、38はガイド棒用中心軸、39は回転出力軸、44は回転エネルギー出力方向、60は中心軸用支柱、61は制御定数K、62はトルク棒用スライド穴、63はサーボモータ、64はスクリュウネジ棒、65はOとS間の距離。
0070
=「剛体リング軌道、2ペア質点形、装置概念図」。前記図11と同様の2ペア質点形で有り、同様の出力で有るが、構造と使用目的が大幅に異なる。即ち、軌道が空では無く剛体製のリング状で有り、その中を質点が周回する事。従ってガイド棒と其れに関連した部分が不要と成る事。更に「軌道の形状」が円のみで無く、リングの形を替える事で色々な形状にする事が出来る事。最も特徴的な事は、複数の装置を「カスケード接続」すれば「出力容量をいくらでも増やせる」形態である。しかし「質点Pの周回ロスを最小にするアイデア」は無数に有るのでその選択は重要で有る。49は2個の剛体リング軌道、No1、No2(1ペア)、50は2個の剛体リング軌道、No3,No4(1ペア)、51は回転主軸、52は出力の方向、53は剛体製基礎、54は地下室、55は車輪形質点、56はタイヤ、57は車輪軸、58はトルク棒、59は剛体リング軌道の内外周、66は質点ペアP2、P1、67は質点ペアP4、P3。 ** 図面と符号の簡単な説明、終わり**