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技術 ポリイミド樹脂およびその製造方法、ポリイミド溶液、ポリイミドフィルムおよびその製造方法、ならびにテトラカルボン酸二無水物の製造方法

出願人 株式会社カネカ学校法人東邦大学
発明者 長谷川匡俊石井淳一
出願日 2018年8月28日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-159553
公開日 2020年3月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-033421
状態 未査定
技術分野 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般 O,S系縮合複素環
主要キーワード 長尺プラスチックフィルム 製膜環境 貧溶媒溶液 繊維状粉末 ハーフエステル体 屈曲構造 プラスチックフィルム材料 着色粉末
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年3月5日)のものです。
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図面 (1)

課題

透明性および有機溶媒への溶解性に優れるポリイミド、および当該ポリイミドの原料として使用可能なテトラカルボン酸二無水物の製造方法の提供。

解決手段

ポリイミドは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。例えば、酸二無水物として1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物(OHADA)を用いることにより、ポリイミドが得られる。OHADAは、例えば、ヨウ素化アルカリ金属塩の存在下で、テトラキスハロゲン化メチルベンゼン無水マレイン酸とを反応させることにより合成できる。得られたOHADAとアルコールとの反応によりハーフエステル体を生成させて精製を行ってもよい。

概要

背景

ディスプレイタッチパネル、および太陽電池等のエレクトロニクスデバイス急速な進歩に伴い、デバイス薄型化や軽量化、更にはフレキシブル化が要求されている。これらの要求に対して、基板カバーウインドウ等に用いられているガラス材料プラスチックフィルム材料への置き換えが検討されている。特に、高い耐熱性や、高温での寸法安定性高機械強度が求められる用途では、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムの適用が検討されている。

一般的な全芳香族ポリイミドは、分子内および分子間の電荷移動相互作用が強く、吸収端波長可視光領域にも及ぶため、黄色または褐色に着色している。また、全芳香族ポリイミドは、剛直な分子構造や分子間のπ−πスタッキング等に起因して、有機溶媒に対する溶解性が乏しい。ポリイミドに可視光の透明性および溶媒可溶性を付与する手法として、脂環構造の導入、屈曲構造の導入、フッ素置換基の導入等が知られている。例えば、特許文献1には、ポリイミドを構成するテトラカルボン酸二無水物成分として、脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物シクロブタンテトラカルボン酸二無水物;CBDA)と、トリフルオロメチル基を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物(4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物)を用いたポリイミドが開示されている。

ポリイミドフィルムは、一般には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液支持基板上に膜状に塗布し、加熱により溶媒を除去すると共に、ポリアミド酸脱水環化してイミド化する方法により製造される。この方法は、イミド化のために高温(例えば300℃以上)での加熱を必要とするため、反応収縮や加熱によるフィルムの寸法変化と、支持基板の寸法変化のミスマッチによる反りが生じる場合がある。特に、ポリイミドフィルムの厚みが大きい場合は、支持基板とポリイミドフィルムとの界面の応力が大きく、これに起因して反りが大きくなる傾向がある。

溶性ポリイミド樹脂を用いて、ポリイミド溶液からポリイミドフィルムを得る方法も知られている。ポリイミド溶液を用いてポリイミドフィルムを製造する場合は、まず、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応により得られたポリアミド酸溶液に、イミド化触媒および脱水剤を添加して溶液中でイミド化を行う。あるいは、ポリアミド酸溶液を高温で加熱することにより、溶液中でイミド化を行うこともできる。イミド化後の溶液を貧溶媒と混合することにより、ポリイミド樹脂を析出させて単離できる。

単離したポリイミド樹脂は、イミド化触媒および脱水剤や、未反応のモノマー成分等の残存量が少ない。また、単離後の樹脂洗浄することにより、不純物をさらに低減可能である。単離したポリイミド樹脂を溶媒に溶解した溶液を基板上に膜状に塗布した後は、イミド化のための高温加熱を必要とせず、溶媒を除去するのみでよいため、着色が少なく透明性に優れるポリイミドフィルムが得られる。

概要

透明性および有機溶媒への溶解性に優れるポリイミド、および当該ポリイミドの原料として使用可能なテトラカルボン酸二無水物の製造方法の提供。ポリイミドは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。例えば、酸二無水物として1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物(OHADA)を用いることにより、ポリイミドが得られる。OHADAは、例えば、ヨウ素化アルカリ金属塩の存在下で、テトラキスハロゲン化メチルベンゼン無水マレイン酸とを反応させることにより合成できる。得られたOHADAとアルコールとの反応によりハーフエステル体を生成させて精製を行ってもよい。なし

目的

本発明は、高い透明性と有機溶媒への溶解性を兼ね備えたポリイミド樹脂およびポリイミドフィルムの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂:式(1)におけるXは2価の有機基である。

請求項2

請求項1に記載のポリイミド樹脂の製造方法であって、溶媒中でジアミンテトラカルボン酸二無水物とを反応させてポリアミド酸溶液を調製し、前記テトラカルボン酸二無水物は下記の化合物を含み、前記ポリアミド酸脱水環化によりイミド化を行う、ポリイミド樹脂の製造方法。

請求項3

溶液中で前記ポリアミド酸の脱水環化を行い、ポリイミド溶液を得て、前記ポリイミド溶液と、ポリイミド貧溶媒とを混合して、ポリイミド樹脂を析出させる、請求項2に記載のポリイミド樹脂の製造方法。

請求項4

前記ポリアミド酸溶液に脱水剤およびイミド化触媒を添加して、ポリアミド酸をイミド化することにより前記ポリイミド溶液を得る、請求項3に記載のポリイミド樹脂の製造方法。

請求項5

請求項1に記載のポリイミド樹脂が有機溶媒中に溶解しているポリイミド溶液。

請求項6

請求項1に記載のポリイミド樹脂を含むポリイミドフィルム

請求項7

厚みが5μm以上であり、波長400nmにおける光透過率が60%以上である、請求項6に記載のポリイミドフィルム。

請求項8

ガラス転移温度が250℃以上である、請求項6または7に記載のポリイミドフィルム。

請求項9

請求項5に記載のポリイミド溶液を支持基板上に塗布し、前記溶媒を除去する、ポリイミドフィルムの製造方法。

請求項10

下記式のテトラカルボン酸二無水物の製造方法であって、ヨウ素化アルカリ金属塩の存在下で、テトラキスハロゲン化メチルベンゼン無水マレイン酸とを反応させることを特徴とする、テトラカルボン酸二無水物の製造法

請求項11

ヨウ素化アルカリ金属塩の存在下で、テトラキス(ハロゲン化メチル)ベンゼンと無水マレイン酸とを反応させた後、さらに、得られた生成物第一級アルコールまたは第二級アルコールとを反応させて、ハーフエステル体を合成し、前記ハーフエステル体の脱アルコール閉環を行う、請求項10に記載のテトラカルボン酸二無水物の製造方法。

請求項12

昇華および/または再結晶により、前記ハーフエステル体および/またはその脱アルコール閉環物の精製を行う、請求項11に記載のテトラカルボン酸二無水物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリイミド樹脂ポリイミド溶液およびポリイミドフィルムに関する。さらに本発明はポリイミド原料として使用可能なテトラカルボン酸二無水物の製造方法に関する。

背景技術

0002

ディスプレイタッチパネル、および太陽電池等のエレクトロニクスデバイス急速な進歩に伴い、デバイス薄型化や軽量化、更にはフレキシブル化が要求されている。これらの要求に対して、基板カバーウインドウ等に用いられているガラス材料プラスチックフィルム材料への置き換えが検討されている。特に、高い耐熱性や、高温での寸法安定性高機械強度が求められる用途では、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムの適用が検討されている。

0003

一般的な全芳香族ポリイミドは、分子内および分子間の電荷移動相互作用が強く、吸収端波長可視光領域にも及ぶため、黄色または褐色に着色している。また、全芳香族ポリイミドは、剛直な分子構造や分子間のπ−πスタッキング等に起因して、有機溶媒に対する溶解性が乏しい。ポリイミドに可視光の透明性および溶媒可溶性を付与する手法として、脂環構造の導入、屈曲構造の導入、フッ素置換基の導入等が知られている。例えば、特許文献1には、ポリイミドを構成するテトラカルボン酸二無水物成分として、脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物(シクロブタンテトラカルボン酸二無水物;CBDA)と、トリフルオロメチル基を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物(4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物)を用いたポリイミドが開示されている。

0004

ポリイミドフィルムは、一般には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液支持基板上に膜状に塗布し、加熱により溶媒を除去すると共に、ポリアミド酸脱水環化してイミド化する方法により製造される。この方法は、イミド化のために高温(例えば300℃以上)での加熱を必要とするため、反応収縮や加熱によるフィルムの寸法変化と、支持基板の寸法変化のミスマッチによる反りが生じる場合がある。特に、ポリイミドフィルムの厚みが大きい場合は、支持基板とポリイミドフィルムとの界面の応力が大きく、これに起因して反りが大きくなる傾向がある。

0005

溶性のポリイミド樹脂を用いて、ポリイミド溶液からポリイミドフィルムを得る方法も知られている。ポリイミド溶液を用いてポリイミドフィルムを製造する場合は、まず、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応により得られたポリアミド酸溶液に、イミド化触媒および脱水剤を添加して溶液中でイミド化を行う。あるいは、ポリアミド酸溶液を高温で加熱することにより、溶液中でイミド化を行うこともできる。イミド化後の溶液を貧溶媒と混合することにより、ポリイミド樹脂を析出させて単離できる。

0006

単離したポリイミド樹脂は、イミド化触媒および脱水剤や、未反応のモノマー成分等の残存量が少ない。また、単離後の樹脂洗浄することにより、不純物をさらに低減可能である。単離したポリイミド樹脂を溶媒に溶解した溶液を基板上に膜状に塗布した後は、イミド化のための高温加熱を必要とせず、溶媒を除去するのみでよいため、着色が少なく透明性に優れるポリイミドフィルムが得られる。

先行技術

0007

特開2015−214597号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ディスプレイ用基板やカバーウインドウ等に用いられるポリイミドフィルムは、液晶配向膜等に用いられるポリイミドに比べて厚みが大きいため、ポリイミド樹脂にはより高い透明性が求められる。また、ポリイミドフィルムの厚みが大きくなるにしたがって、支持基板との寸法変化の差に起因する反りが生じやすい。

0009

上記のように、支持基板との寸法変化の差に起因する反りが生じ難いポリイミドフィルムを得るためには、溶液でイミド化を行った後、単離したポリイミド樹脂を用いてフィルム化を行う方法が適している。しかし、大半のポリアミド酸(ポリイミド前駆体)は、溶液での化学イミド化を行うと、イミド化の進行に伴って溶媒への溶解性が低下し、ゲル化、固化、または沈殿が生じるため、ポリイミド樹脂を単離することが困難である。そのため、溶液でのイミド化により生成可能なポリイミドは極めて限定的である。

0010

溶解性の高いポリイミド樹脂の種類が限定されている理由の1つに、透明ポリイミドの原料として使用可能なテトラカルボン酸二無水物やジアミンの種類が限られていることが挙げられる。例えば、脂環式のテトラカルボン酸二無水物を用いることにより透明ポリイミドが得られるが、十分な重合反応性を有する脂環式テトラカルボン酸二無水物として実用化されているのは、実質的にCBDAのみである。

0011

CBDAを原料とするポリイミドは、溶媒に対する溶解性が十分とは言い難い。そのため、上述の特許文献1では、ポリイミドに可溶性を付与するために、テトラカルボン酸二無水物として、CBDAとフッ素置換基を有するテトラカルボン酸二無水物とを併用している。

0012

上記に鑑み、本発明は、高い透明性と有機溶媒への溶解性を兼ね備えたポリイミド樹脂およびポリイミドフィルムの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記に鑑みて本発明者らが検討の結果、所定のテトラカルボン酸二無水物を原料とするポリイミドが、透明性と有機溶媒への溶解性とを兼ね備えることを見出し、本発明に至った。

0014

本発明のポリイミドは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。式(1)におけるXは2価の有機基である。

0015

0016

例えば、テトラカルボン酸二無水物として下記の化合物を用いることにより、一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドが得られる。

0017

0018

上記のテトラカルボン酸二無水物は、例えば、ヨウ素化アルカリ金属塩の存在下で、テトラキスハロゲン化メチルベンゼン無水マレイン酸とを反応させることにより合成できる。得られたOHADAとアルコールとの反応によりハーフエステル体を生成させ、昇華または再結晶等によりハーフエステル体を精製した後に、脱アルコール閉環を行ってもよい。エステル化には、第一級アルコールまたは第二級アルコールが好ましく用いられる。

0019

溶液中で、ジアミンと上記のテトラカルボン酸二無水物とを反応させてポリアミド酸溶液を調製し、ポリアミド酸を脱水環化することにより、ポリイミド樹脂が得られる。ポリアミド酸の脱水環化(イミド化)は、溶液中で行うこともできる。

0020

本発明のポリイミドフィルムは、上記の一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む。例えば、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドが有機溶媒中に溶解しているポリイミド溶液を、支持基板上に塗布し、溶媒を除去することにより、ポリイミドフィルムが得られる。

0021

ポリイミドフィルムの厚みは、例えば、5μm以上である。ポリイミドフィルムの波長400nmにおける光透過率は60%以上が好ましい。ポリイミドフィルムのガラス転移温度は250℃以上が好ましい。

発明の効果

0022

本発明により、透明性および有機溶媒への溶解性に優れるポリイミドが提供される。

図面の簡単な説明

0023

実施例のポリイミド樹脂のIRスペクトルである。

0024

ポリイミドは、下記の一般式(30)で表される繰り返し単位を有する。下記の一般式(11)で表されるジアミンと、下記の一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、単に「酸二無水物」と記載する場合がある)との付加反応により、下記の一般式(20)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸が得られる。ポリアミド酸の脱水環化によりポリイミドが得られる。

0025

0026

上記の各一般式において、Xは2価の有機基であり、Yは4価の有機基である。有機基Xは「ジアミン残基」、有機基Yは「酸二無水物残基」と称される場合がある。有機基Xは、少なくとも1つの環構造を有することが好ましく、少なくとも1つの芳香環を有することがより好ましい。有機基Yは少なくとも1つの環構造を有し、有機基Yに結合する4つのカルボニル基のうちの2つずつが対をなしている。一般式(30)で表される繰り返し単位を有するポリイミドでは、一対のカルボニル基の2つの炭素原子は、Yおよび窒素原子とともに五員環を形成している。

0027

ポリイミド、およびポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の構造は、原料であるジアミンと酸二無水物の構造により決定される。原料として2種以上のジアミン成分および/または2種以上の酸二無水物成分を用いることにより、複数種の繰り返し単位を有するポリイミドが得られる。

0028

本発明のポリイミドは、酸二無水物成分として、下記の化合物(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物:OHADA)を含む。

0029

0030

したがって、本発明のポリイミドは、下記一般式(1)で表される構造単位を有する。一般式(1)におけるXはジアミン残基である。

0031

[OHADAの合成および精製]
まず、ポリイミドの酸二無水物成分として用いられる1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物(OHADA)について説明する。以下に、OHADAの合成スキームの一例を示す。

0032

0033

OHADAは、例えば、テトラキス(ハロゲン化メチル)ベンゼンと無水マレイン酸とのディールスアルダー反応により得られる。テトラキス(ハロゲン化メチル)ベンゼンのハロゲンとしては臭素が好ましい。反応の効率を高めるためには、触媒としてヨウ素化アルカリ金属塩を用いることが好ましい。ヨウ素化アルカリ金属塩としては、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムが挙げられる。

0034

例えば、ラジカル発生剤の存在下で、デュレンN−ブロモスクシンイミドNBS)等の臭素化剤とを反応させることにより、テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンが得られる。テトラキス(ハロゲン化メチル)ベンゼンは市販品を用いてもよい。

0035

ヨウ素化アルカリ金属塩等のヨウ素源を触媒として、テトラキス(ハロゲン化メチル)ベンゼンと無水マレイン酸とのディールスアルダー反応により合成したOHADAは、ヨウ素が取り込まれて褐色に着色している場合がある。OHADAは真空で加熱しても昇華性が小さいため、ヨウ素が取り込まれたOHADAは、そのままでは精製が困難である。

0036

ヨウ素源を触媒として得られたOHADAの精製方法として、下記のスキームに示すように、一旦エステル化により酸無水物基開環して、ハーフエステル体を生成させ、このハーフエステル体を昇華精製する方法が挙げられる。

0037

0038

一般式(3)におけるRはアルキル基である。なお、一般式(3)ではシス体ハーフエステルを示しているが、OHADAのエステル化により得られるハーフエステルはトランス体でもよい。一般には、エステル化により、シス体とトランス体の混合物が生成する。エステル化反応に用いられるアルコールは、第一級または第二級アルコールが好ましい。中でも、第一級アルコールが好ましく、炭素数1〜4の第一級アルコールが特に好ましい。すなわち、一般式(3)におけるRは、炭素数1〜4の第一級アルキル基であることが好ましい。

0039

OHADAの開環により得られるハーフエステル体は昇華性を有する。そのため、真空加熱等によりハーフエステル体を昇華させることにより、ヨウ素等の不純物を除去できる。ハーフエステル体は再結晶等により精製を行ってもよい。精製後のハーフエステル体の脱アルコール閉環により、ヨウ素等の不純物が除去されたOHADAが得られる。

0040

ハーフエステル体を昇華により精製する場合は、しばしば、昇華の際の加熱によりハーフエステル体が脱アルコール閉環し、目的とするOHADAが昇華物として得られる。得られた昇華精製物は、さらに再結晶により精製を行ってもよい。昇華物において脱アルコールが完結していない場合は、ハーフエステル体の加熱により脱アルコール反応を行ってもよい。脱アルコール反応のための加熱は、再結晶後のハーフエステル体の溶媒除去のための乾燥を兼ねて実施してもよい。

0041

上記の方法により得られたOHADAは、着色が少なく、透明ポリイミドの原料として好適に用いられる。

0042

[ポリアミド酸およびポリイミド]
上述の通り、ジアミンと酸二無水物との付加反応によりポリアミド酸が得られ、ポリアミド酸の脱水環化によりポリイミドが得られる。上記の一般式(1)で表されるポリイミドは、酸二無水物成分としてOHADAを用いること以外は、一般的なポリイミドと同様の方法で合成できる。

0043

<ジアミン>
ポリイミドのジアミン成分は特に限定されず、任意のジアミンを使用できる。ジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンや屈曲構造を有するジアミンを用いることにより、ポリイミドの透明性および溶解性が向上する傾向がある。

0044

フッ素含有芳香族ジアミンの好ましい例としては、フルオロアルキル置換ベンジジンが挙げられる。フルオロアルキル置換ベンジジンは、4,4’ジアミノビフェニルの一方または両方のベンゼン環上に、フルオロアルキル基を有する化合物の総称である。フルオロアルキル置換ベンジジンは、1つのベンゼン環上に複数のフルオロアルキル基を有していてもよい。フルオロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。トリフルオロメチル置換ベンジジンの具体例としては、2−(トリフルオロメチル)ベンジジン、3−(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン等の一方のベンゼン環上に1以上のトリフルオロメチル基を有するもの、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,3’−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,6,−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3,3’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン等の2つのベンゼン環のそれぞれに1以上のトリフルオロメチル基を有するものが挙げられる。

0045

フッ素含有芳香族ジアミンとして、フルオロアルキル置換ベンジジンの誘導体を用いてもよい。フルオロアルキル置換ベンジジンの誘導体としては、例えば下記一般式(41)で表される化合物が挙げられる。

0046

一般式(41)において、zはNHまたはOであり、Oであることが好ましい。一般式(41)で表されるジアミンの詳細は、例えばWO2013/121917に記載されている。一般式(41)で表されるジアミンの好ましい例としては、下記の式(42)で表される化合物(「ABMB」と称する場合がある)が挙げられる。

0047

0048

屈曲構造を有するジアミンとしては、複数の芳香環または脂肪環が、2価の基を介して結合しているジアミンが挙げられる。2価の基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基酸素原子スルホニル基、NH等が挙げられる。屈曲構造を有するジアミンの具体例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3−ジアミノー4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のジアミノジフェニルスルフィド;9,9’−(4−アミノフェニルフルオレン、9,9’−(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン等のビス(アミノフェニル)フルオレン;2,2−ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニルヘキサフルオロプロパン等のジアミノジフェニルアルカン;4,4’−メチレンビスシクロキサンアミン)等の脂環式ジアミンが挙げられる。

0049

ポリイミドの溶解性および透明性を高める観点からは、屈曲構造を有するジアミンの中でも、アミノ基が結合した芳香環が酸素原子またはスルホニル基を介して結合した構造を有するジアミンが好ましく、ジアミノジフェニルエーテルまたはジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。

0050

本発明のポリイミドは、上記以外のジアミン成分を含んでいてもよい。他のジアミンとしては、p−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン等の1つの芳香環に2つのアミノ基が結合しているジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ビス(アミノベンゾイル)ベンゼン等の異なる芳香環のそれぞれアミノ基が結合している芳香族ジアミン;ジアミノシクロヘキサンイソホロンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。

0051

ポリイミドの透明性および溶解性の観点から、ジアミン成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族ジアミンと屈曲構造を有するジアミンの合計は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。ジアミン成分の全量がフッ素含有芳香族ジアミンまたは屈曲構造を有するジアミンであってもよい。有機溶媒に対する溶解性と、ディスプレイ用基板やカバーウインドウ等に求められる透明性とを両立可能なポリイミドを得るためには、ジアミン成分は、フッ素含有芳香族ジアミンと、ジアミノジフェニルエーテルおよびジアミノジフェニルスルホンとの合計が上記範囲であることが好ましい。

0052

<酸二無水物>
本発明のポリイミドは、酸二無水物成分として、OHADA以外の酸二無水物を含んでいてもよい。OHADAと併用する酸二無水物は特に限定されない。透明性および溶解性に優れるポリイミドを得るために、OHADA以外の酸二無水物として、脂環式酸二無水物やフッ素含有芳香族酸二無水物を用いてもよい。

0053

脂環式酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,1’−ビシクロヘキサン−3,3’,4,4’ −テトラカルボン酸−3,4,3’,4’−二無水物が挙げられる。

0054

フッ素含有芳香族酸二無水物としては、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシフェノキシフェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。

0055

脂環式酸二無水物およびフッ素含有芳香族酸二無水物以外の酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等の1つの芳香環に4つのカルボニルが結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物;2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の異なる芳香環に2つずつのカルボニル基が結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。

0056

ポリイミドの透明性および溶解性の観点から、酸二無水物成分の合計100モル%のうち、OHADAの量は5〜100モル%が好ましい。酸二無水物成分全量に対するOHADAの量は、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上が特に好ましい。酸二無水物成分全量に対するOHADAの量は、50モル%以上、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上、85モル%以上、90モル%以上、または95モル%以上であり得る。酸二無水物成分の全量がOHADAであってもよい。

0057

<ポリアミド酸>
前述のように、ポリイミドは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の脱水環化により得られる。ポリアミド酸は、例えば、有機溶媒中で酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得られる。酸二無水物とジアミンは略等モル量(95:100〜105:100のモル比)を用いることが好ましい。酸二無水物の開環を抑制するため、溶媒中にジアミンを溶解させた後、酸二無水物の粉末を添加する方法が好ましい。複数種のジアミンや複数種の酸二無水物を添加する場合は、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。ポリアミド酸溶液は、通常5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の濃度で得られる。

0058

ポリアミド酸の重合には、原料としてのジアミンおよび酸二無水物、ならびに重合生成物であるポリアミド酸を溶解可能な有機溶媒を特に限定なく使用できる。有機溶媒の具体例としては、メチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレア等のウレア系溶媒;ジメチルスルホキシドジフェニルスルホンテトラメチルスルフォン等のスルホン系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒クロロホルム塩化メチレン等のハロゲン化アルキル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンジメチルエーテルジエチルエーテルp−クレゾールメチルエーテルジグライムトリグライムテトラグライム等のエーテル系溶媒γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒が挙げられる。

0059

<イミド化>
ポリアミド酸の脱水環化によりポリイミドが得られる。溶液中でのイミド化には、ポリアミド酸溶液に脱水剤およびイミド化触媒等を添加する化学イミド化法が適している。イミド化の進行を促進するために、ポリアミド酸溶液を加熱してもよい。

0060

イミド化触媒としては、第三級アミンが用いられる。中でも、ピリジンピコリンキノリンイソキノリン等の複素環式の第三級アミンが好ましい。脱水剤としては、無水酢酸プロピオン酸無水物酪酸無水物安息香酸無水物トリフルオロ酢酸無水物等の酸無水物が用いられる。イミド化触媒の添加量は、ポリアミド酸のアミド基に対して、0.5〜5.0モル当量が好ましく、0.6〜2.5モル当量がより好ましく、0.7〜2.0モル当量がさらに好ましい。脱水剤の添加量は、ポリアミド酸のアミド基に対して、0.5〜10.0モル当量が好ましく、0.7〜7.0モル当量がより好ましく、1.0〜5.0モル当量がさらに好ましい。

0061

本発明のポリイミドは有機溶媒への溶解性に優れるため、後の実施例に示すように、イミド化触媒を用いずに、ポリアミド酸溶液を加熱して、熱イミド化によりポリイミドを得ることもできる。

0062

<ポリイミド樹脂の析出>
ポリアミド酸のイミド化により得られたポリイミド溶液は、そのまま製膜に用いることもできるが、一旦、ポリイミド樹脂を固形物として析出させることが好ましい。ポリイミド樹脂を固形物として析出させることにより、ポリアミド酸の重合時に発生した不純物や残存モノマー成分、ならびに脱水剤およびイミド化触媒等を、洗浄・除去できる。そのため、透明性や機械特性に優れたポリイミドフィルムが得られる。

0063

ポリイミド溶液と貧溶媒とを混合することにより、ポリイミド樹脂が析出する。貧溶媒は、ポリイミド樹脂の貧溶媒であって、ポリイミド樹脂を溶解している溶媒と混和するものが好ましく、水、アルコール類等が挙げられる。アルコール類としては、メチルアルコールエチルアルコールイソプロピルアルコールエチレングリコールトリエチレングリコール、2−ブチルアルコール、2−ヘキシルアルコールシクロペンチルアルコールシクロヘキシルアルコールフェノールt−ブチルアルコール等が挙げられる。ポリイミドの開環等が生じ難いことから、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、2−ペンチルアルコール、フェノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコールが好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。

0064

ポリイミド溶液と貧溶媒とを混合する前に、ポリイミド溶液の固形分濃度を調整してもよい。ポリイミド溶液の固形分濃度は、3〜30重量%程度が好ましい。ポリイミド溶液と貧溶媒とを混合する方法としては、貧溶媒溶液中にポリイミド溶液を投入する方法、ポリイミド溶液中に貧溶媒を投入する方法、および貧溶媒とポリイミド溶液を同時混合する方法等が挙げられる。貧溶媒量はポリイミド溶液の等量以上が好ましく、1.5体積倍以上がより好ましく、2体積倍以上がさらに好ましい。

0065

析出したポリイミド樹脂には、少量のイミド化触媒や脱水剤等が残存している場合があるため、貧溶媒により洗浄することが好ましい。析出および洗浄後のポリイミド樹脂は、真空乾燥熱風乾燥等により貧溶媒を除去することが好ましい。乾燥方法は、真空乾燥でも熱風乾燥でもよい。乾燥条件は、溶媒の種類等に応じて適宜に設定すればよい。

0066

ポリイミドの重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、10,000〜300,000がより好ましく、30,000〜200,000がさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲内である場合に、十分な機械特性が得られやすい。本明細書における分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレンオキシド(PEO)換算の値である。分子量は、ジアミンと酸二無水物のモル比や反応条件等により調整可能である。ポリイミドがGPC測定に用いる溶媒に不溶の場合は、ポリイミドそのものの分子量の代わりに、その前駆体であるポリアミド酸の分子量を用いることができる。

0067

以上説明したように、本発明のポリイミドは、酸二無水物成分としてOHADAを含むことにより、透明性と有機溶媒への溶解性とを両立可能である。イミド化の際のゲル化や固化を防止しつつ、ポリイミドの機械強度をより高めることが可能となる。ポリイミド樹脂のガラス転移温度は250℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、280℃以上がさらに好ましく、290℃以上が特に好ましい。

0068

[ポリイミド溶液]
上記のポリイミド樹脂を適切な溶媒に溶解することにより、ポリイミド溶液を調製する。溶媒は、上記のポリイミド樹脂を溶解可溶なものであれば特に限定されず、ポリアミド酸の重合に用いた有機溶媒と同一の有機溶媒であってもよい。ポリイミド溶液の溶媒の具体例としては、先に例示したウレア系溶媒、スルホン系溶媒、アミド系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が挙げられる。これらの他に、アセトンメチルエチルケトンメチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンメチルイソブチルケトンジエチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等のケトン系溶媒も、ポリイミド溶液の溶媒として好適に用いられる。

0069

上記の有機溶媒の中でも、ポリイミドフィルムの製膜時の吸湿に起因する白化ヘイズ上昇)を抑制する観点から、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、トリグライム等の低吸湿性溶媒が好ましい。一般に低吸湿性溶媒は溶解力が弱い傾向があるが、酸二無水物としてOHADAを用いたポリイミドは、溶解性に優れるため、低吸湿性溶媒を用いてポリイミド溶液を調製できる。そのため、ヘイズが小さく透明性に優れるポリイミドフィルムが得られやすい。

0070

ポリイミド溶液は、ポリイミド以外の樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、架橋剤、染料界面活性剤レベリング剤可塑剤微粒子等が挙げられる。ポリイミド樹脂組成物固形分100重量部に対するポリイミド樹脂の含有量は60重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましく、80重量部以上がさらに好ましい。

0071

ポリイミド溶液の固形分濃度および粘度は、ポリイミドの分子量、フィルムの厚みや製膜環境等に応じて適宜設定すればよい。固形分濃度は、5〜30重量%が好ましく、8〜25重量%がより好ましく、10〜21重量%がさらに好ましい。25℃における粘度は、0.5Pa・s〜60Pa・sが好ましく、2Pa・s〜50Pa・sがより好ましく、5Pa・s〜40Pa・sがさらに好ましい。

0072

[ポリイミドフィルム]
<ポリイミドフィルムの製造方法>
ポリイミドフィルムの製造方法としては、支持基板上にポリアミド酸溶液を膜状に塗布し、溶媒を乾燥除去するとともにポリアミド酸をイミド化する方法と、ポリイミド溶液を基板上に膜状に塗布して溶媒を乾燥除去する方法が挙げられる。可溶性ポリイミドのフィルム化には、いずれの方法も採用できる。残存不純物が少なく、透明性が高くかつ機械強度に優れるポリイミドフィルムを得る観点から、後者の方法が好ましい。後者の方法では、上記のポリイミド溶液が用いられる。

0073

ポリイミドフィルムの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。ポリイミドフィルムの厚みは、例えば5μm以上である。支持基板から剥離後のポリイミドフィルムに自己支持性を持たせる観点から、ポリイミドフィルムの厚みは10μm以上が好ましい。ポリイミドフィルムの厚みの上限は特に限定されないが、可撓性および透明性の観点からは200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。

0074

ポリアミド酸溶液またはポリイミド溶液を塗布する支持基板としては、ガラス基板、SUS等の金属基板金属ドラム金属ベルトプラスチックフィルム等を使用できる。生産性向上の観点から、支持基板として、金属ドラム、金属ベルト等の無端支持体、または長尺プラスチックフィルム等を用い、ロールトゥーロールによりフィルムを製造することが好ましい。プラスチックフィルムを支持基板として使用する場合、製膜ドープの溶媒に溶解しない材料を適宜選択すればよく、プラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレートポリカーボネートポリアクリレートポリエチレンナフタレート等が用いられる。

0075

支持基板上にポリイミド樹脂組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去することにより、ポリイミドフィルムが得られる。溶媒の乾燥時には加熱を行うことが好ましい。加熱温度は特に限定されず、室温〜250℃程度で適宜に設定される。段階的に加熱温度を上昇させてもよい。

0076

<ポリイミドフィルムの特性>
ディスプレイ等に用いられるポリイミドフィルムは、透明性が高いことが好ましい。ポリイミドフィルムは、波長400nmにおける光透過率が60%以上であることが好ましい。波長400nmにおける光透過率は70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。ポリイミドフィルムの全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。ポリイミドフィルムのヘイズは、1.5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。ポリイミドフィルムの黄色度は、20以下が好ましく15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。黄色度は小さいほど好ましく、7以下、5以下または3以下であってもよい。ポリイミドフィルムの厚みが大きくなるほど、透過率が低下し、黄色度が上昇する傾向があるが、本発明のポリイミドは透明性に優れるため、ポリイミドフィルムの厚みが5μm以上の場合でも、上記の光学特性を実現可能である。本発明のポリイミド樹脂は、厚み15μmのポリイミドフィルムを作製した際に、上記の光学特性を有することが好ましい。

0077

ポリイミドフィルムの引張弾性率は、1GPa以上が好ましく、2GPa以上がより好ましい。ポリイミドフィルムの破断強度は10MPa以上が好ましく、30MPa以上がより好ましく、50MPa以上がさらに好ましい。ポリイミドフィルムの破断伸びは2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。ポリイミドフィルムのガラス転移温度は、250℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、280℃以上がさらに好ましく、290℃以上が特に好ましい。

0078

<ポリイミドフィルムの用途>
本発明のポリイミドフィルムは、透明性が高いことから、ディスプレイ用の基板材料や、カバーウインドウ等に好適に用いられる。ポリイミドフィルムは、実用に際して、表面に帯電防止層易接着層ハードコート層反射防止層等を設けてもよい。

0079

以下、実施例および比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0080

実施例で用いた化合物の略称は以下の通りである。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BL:γ−ブチロラクトン
DMSO:ジメチルスルホキシド
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
NBS:N−ブロモスクシンイミド
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
OHADA:1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物

0081

[合成例1:OHADAの合成]
<TBrMBの合成>
300mLの三口フラスコに、デュレン:13.43g(100mmol)を入れ、四塩化炭素200mLを加えて溶液とした。さらに、ラジカル発生剤としてAIBN:4.26gおよびブロモ化剤としてNBS:89.81g(500mmol)を加え、攪拌しながら、窒素雰囲気中、60℃で2時間還流した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した。

0082

反応終了後、室温に戻し、固形物(NBS)を濾過により分離除去し、濾液中の四塩化炭素をエバポレータ—で留去した。次に少量のエタノール生成物を洗浄し、沈殿物濾別した。この粗生成物を、酢酸エチル/エタノール混合溶媒体積比2/1)により再結晶し、60℃で12時間真空乾燥して淡黄色の生成物を得た(収率26%)。

0083

この生成物の分析結果は以下の通りであり、生成物は目的とするTBrMBであることを確認した。
FT−IR(KBr、cm−1):3021(芳香族C−H伸縮)、2975(CH2、脂肪族C−H伸縮)、1209(CH2、面外変角)、603(C−Br伸縮)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3、δ、ppm):7.38(s、2H(実測積分強度:2.00H)、Ar)、4.60(s、8H(8.06H)、CH2)。
融点DSC):156℃。

0084

<TBrMBと無水マレイン酸の反応>
100mLの反応容器に、TBrMB:4.52g(10mmol)、無水マレイン酸:3.01g(30mmol)、ヨウ化ナトリウム:15.11g(100mmol)、およびDMF:30mLを入れ、攪拌しながら、窒素雰囲気中、160℃で9時間還流した。薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認した。反応終了後、室温に戻し、反応混合物を2Lの水中に投入して洗浄し、沈殿物を濾別して250℃で12時間真空乾燥して、褐色の生成物を得た。

0085

この生成物の分析結果は以下の通りであった。
FT−IR(KBr、cm−1):3031、2972、1840/1773。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、δ、ppm):7.05(s、2H(2.00H))、3.71(m、4H(4.05H))、2.89(m、8H(8.01H))。
融点(DSC):404℃。
元素分析:C;65.87%、H;4.21%(C18H14O6、分子量326.31、推定値:C;66.26%、H;4.32%)。

0086

上記の分析結果から、生成物は目的とするOHADAであることを確認した。しかし、生成物は強く着色しており、真空状態で加熱しても昇華せず、これ以上の精製は困難であった。

0087

[合成例2:OHADAのエステル化、昇華および再結晶]
100mLの反応容器に、合成例1で得られたOHADAの褐色粉末4.71gを入れ、脱水メタノール100mLを加え、窒素雰囲気中、100℃のオイルバスにて5時間還流して、OHADAとメタノールとの反応により、ハーフエステル体を得た。

0088

得られたハーフエステル体を濾別し、真空中250℃で昇華させ、昇華物を回収した。昇華しなかった残留物(ハーフエステル体の脱メタノール化物、すなわち、元のOHADA)は、再度脱水メタノールと反応させてハーフエステルとし、真空中で昇華して昇華物を回収した。GBLで昇華精製物の再結晶を行った後、250℃で真空乾燥を行い、白色の生成物を得た。

0089

この生成物の分析結果は以下の通りであり、昇華および再結晶により変質することなく、OHADAの白色粉末が得られたことを確認した。
FT−IR(KBr、cm−1):3031(芳香族C−H伸縮)、2972(CH2、脂肪族C−H伸縮)、1840/1773(ジカルボン酸二無水物、C=O伸縮)。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、δ、ppm):7.05(s、2H(2.00H)、Ar−H)、3.73−3.71(m、4H(4.01H)、CH−C=O)、2.97−2.85(m、8H(8.02H)、Ar−CH2)。
融点(DSC):413℃。
元素分析:分析値C;66.01%、H;4.40%(推定値:C;66.26%、H;4.32%)。

0090

[合成例3]
ヨウ素源(ヨウ化ナトリウム)を使用しなかったことを除き、合成例1と同様の方法で、TBrMBと無水マレイン酸との反応によるOHADAの合成を試みた。しかしながら目的とするOHADAはほとんど生成しなかった。

0091

[合成例4:ジアミン(ABMB)の合成]
WO2013/121917の実施例1に記載の方法により、上記の式(42)のジアミン(ABMB)を合成した。

0092

〔実施例1〕
<ポリアミド酸の重合>
反応容器に、ODA:1.00mmolを入れ、脱水NMPを加えて溶液とした。この溶液に合成例2で得られたOHADA粉末(1.00mmol)を少しずつ加え、密閉して、モノマー濃度30重量%の溶液とした。室温で攪拌を続けたところ、重合反応が進み、溶液粘度が増加した。撹拌を継続するために必要最小量のNMPを適宜添加しながら、室温で72時間の反応を行い、固形分濃度が17重量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸の還元粘度は1.32dL/gであった。

0093

<化学イミド化>
このポリアミド酸溶液をNMPで適度に希釈して攪拌しながら、化学イミド化剤(無水酢酸(10mmol)とピリジンの混合液、体積比7:3)を室温でゆっくりと滴下した。滴下完了後、室温で24時間攪拌した。化学イミド化の間、反応溶液のゲル化や沈殿の析出はみられず、溶液は均一性を維持していた。

0094

ポリイミド樹脂粉末の精製>
化学イミド化後の反応溶液をNMPで適度に希釈し、大量の水に滴下して白色沈殿を析出させた。この白色沈殿を濾別して水およびメタノールで十分洗浄し、100℃で12時間真空乾燥した。得られた繊維状粉末のFT−IRスペクトル(図1)では、1680/1530cm−1付近アミドN−H伸縮振動バンドが完全に消失し、イミド特性吸収帯(1775、1711cm−1)が観測された。この粉末のDMSO−d6溶液の1H−NMRスペクトルでは、ポリアミド酸に由来するNHCOプロトンおよびCOOHプロトンのシグナルが共に完全に消失していた。これらの結果から、得られた粉末ではイミド化が完結していることが確認された。このポリイミド樹脂の還元粘度は0.77dL/gであった。

0095

<ポリイミドフィルムの作製>
得られた繊維状のポリイミド粉末をGBLに溶解して、固形分濃度17.7重量%の均一な溶液を得た。この溶液をガラス基板上に塗布し、80℃の熱風乾燥器中で2時間加熱した後、真空中250℃で1時間加熱した。その後、ガラス基板からフィルムを剥離し、真空中280℃で1時間加熱して、可撓性の透明ポリイミドフィルム(17μm厚)を得た。

0096

〔実施例2〕
実施例1と同様の方法でポリアミド酸溶液を調製した。ポリアミド酸溶液をガラス基板上に塗布し、80℃の熱風乾燥器中で2時間加熱した後、真空中200℃で1時間、続けて300℃で1時間加熱した。その後、ガラス基板からフィルムを剥離し、真空中300℃で熱処理して、可撓性の透明ポリイミドフィルム(15μm厚)を得た。

0097

〔実施例3〕
<ポリイミドのワンポット重合および精製>
反応容器に、ABMB1.00mmolおよびOHADA1.00mmolを入れ、脱水GBLを加えてモノマー濃度30重量%の溶液とした。この溶液を、窒素雰囲気中200℃で5時間還流した。還流の間、反応溶液はゲル化や沈殿の析出はみられず、溶液は均一性を維持していた。反応溶液を室温まで冷却し、GBLで適度に希釈し、大量のメタノール中に滴下して、繊維状の白色沈殿を析出させた。この白色沈殿を、濾別・乾燥して、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂の還元粘度は0.66dL/gであった。

0098

<ポリイミドフィルムの作製>
ポリイミド粉末をGBLに溶解して、固形分濃度20重量%の均一な溶液を得た。この溶液をガラス基板上に塗布し、80℃の熱風乾燥器中で2時間加熱した後、真空中250℃で1時間加熱した。その後、ガラス基板からフィルムを剥離し、真空中300℃で1時間加熱して、可撓性の透明ポリイミドフィルム(15μm厚)を得た。

0099

[参考例1]
合成例2で得られたOHADA粉末に代えて、合成例1で得られたOHADA粉末(ハーフエステル化および昇華精製を行っていない着色粉末)を用い、実施例1と同様の方法でポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸の還元粘度は0.88dL/gであった。このポリアミド酸溶液を用いて、実施例2と同様の熱イミド化法により、可撓性のポリイミドフィルム(17μm厚)を得た。得られたフィルムは着色していた。

0100

[比較例1]
テトラカルボン酸二無水物としてPMDA、ジアミンとしてODA、溶媒としてNMPを用い、実施例1と同農の方法でポリアミド酸を重合し、実施例2と同様の熱イミド化法により可撓性のポリイミドフィルム(17μm厚)を得た。

0101

[比較例2]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA、ジアミンとしてODA、溶媒としてDMAcを用い、実施例1と同様の方法でポリアミド酸を重合した。このポリアミド酸溶液を用いて実施例1と同様の化学イミド化を試みたが、反応溶液がゲル化し、化学イミド化を適用することが困難であった。

0102

[比較例3]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA、ジアミンとしてABMB、溶媒としてDMAcを用い、実施例1と同農の方法でポリアミド酸を重合した。このポリイミド溶液を用いて、実施例1と同様の方法で化学イミド化を試みたが、反応溶液がゲル化し、化学イミド化を適用することが困難であった。

0103

[評価]
赤外線吸収(FT−IR)スペクトルおよび1H−NMRスペクトル>
合成例で得られた化合物および実施例1で得られたポリイミド樹脂粉末の赤外線吸収スペクトルは、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製、FT−IR4100)を用い、KBrプレート法で測定した。1H−NMRスペクトルは、NMR分光光度計日本電子社製、ECP400)を用いて測定した。

0104

<融点>
示差走査熱量分析装置(ネッチ・ジャパン社製、DSC3100)を用い、窒素雰囲気中、昇温速度5℃/分で測定した融解曲線から融点を求めた。

0105

<還元粘度>
オストワルド粘度計(柴田科学製、粘度計番号2)を用いて測定したポリアミド酸およびポリイミドの固形分濃度0.5重量%のMMP溶液(30℃)の粘度を還元粘度とした。

0106

<ガラス転移温度(Tg)>
熱機械分析装置(ネッチ・ジャパン社製、TMA4000)を用い、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性測定を行い、損失エネルギー曲線ピーク温度をガラス転移温度とした。

0107

線熱膨張係数(CTE)>
熱機械分析装置(ネッチ・ジャパン社製、TMA4000)を用い、膜厚1μmあたり0.5gの荷重をかけ、昇温速度5℃/分の条件で試験片伸びを測定し、100〜200℃の範囲における、単位温度変化あたりのフィルムの伸び量(平均値)を求めた。

0108

<5%重量減少温度(Td5)>
熱重量分析装置(ネッチ・ジャパン社、TG−DTA2000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミドフィルムの重量が初期重量の5%減少した時の温度を求めた。

0109

<引張弾性率、破断伸び、破断強度>
ポリイミドフィルムを30mm×3mmの短冊状に切り出して試験片を作製し、引張試験機(エー・アンドディー社製、テンシロンUTM−2)により引張試験(引張速度:8mm/分)を実施して、引張弾性率(E)、破断強度(σb)および破断伸び(εb)を求めた。応力−歪曲線初期勾配を引張弾性率(E)とした。実施例2および実施例3のポリイミドフィルムのそれぞれについて、14または15の試破片で引張試験を実施した平均値を表1に示す。破断伸びについては、平均値(ave)および最大値(max)を表1に示す。

0110

<ポリイミドフィルムの透明性>
ポリイミドフィルムの透明性は以下の光学特性から評価した。紫外可視分光光度計(日本分光社製、V−530)を用いて波長200〜800nmの範囲でポリイミドフィルムの光透過率スペクトルを測定し、波長400nmにおける光透過率(T400)を求めた。またこのスペクトルを基に、色彩計プログラム(日本分光)を用い、ASTME313規格に基づいて黄色度(YI)を求めた。ポリイミドフィルムの全光線透過率(Ttot)およびヘイズは、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH4000)を用い、JIS K7361−1およびJIS K7136に基づいて算出した。

0111

実施例1〜3および参考例1のポリイミド樹脂の組成、溶解性、およびフィルムの評価結果を表1に示す。

0112

0113

酸無水物としてOHADA、ジアミンとしてODAを用いて得られたポリアミド酸の溶液での化学イミド化を行った実施例1では、化学イミド化の際にゲル化や沈殿析出を生じることなく、溶液は均一性を維持していた。また、酸無水物としてOHADA、ジアミンとしてABMBを用いた実施例3では、溶液での熱イミド化によりポリイミドが得られた。一方、酸二無水物としてCBDA、ジアミンとしてODAまたはABMBを用いた比較例2および比較例3では、溶液でのイミド化の際にゲル化が生じていた。これらの結果から、酸二無水物としてOHADAを用いたポリイミドは、優れた溶解性を示し、溶液でのイミド化が可能であることが分かる。

0114

実施例1〜3のポリイミドフィルムは、いずれも高い透明性を有し、かつ耐熱性および機械特性に優れていた。酸二無水物としてPMDAを用いた比較例1のポリイミドフィルムは強く着色していた。以上の結果から、酸二無水物としてOHADAを用いたポリイミドは、優れた溶解性と透明性を有し、透明性の高いポリイミドフィルムを作製可能であることが分かる。

実施例

0115

ハーフエステル化および昇華精製を行っていないOHADAを用いた参考例1では、ポリアミド酸の還元粘度が実施例1のポリアミド酸と同等であったことから、合成例1のOHADAは、化学的純度が十分に高く、ジアミンとの重合反応性も十分高いことが分かる。しかし、参考例1のポリイミドイルムは、波長400nmの光透過率が低く、黄色度が高いことかわも分かるように、強く着色していた。光学特性以外については、参考例1のポリイミドは実施例2のポリイミドと同等の特性を有しており、溶解性、耐熱性および機械特性に優れるものであった。

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