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技術 二重誘導体化キトサンナノ粒子、並びに生体内での遺伝子導入のためのその製造、及び使用方法

出願人 エンジーン,インコーポレイティド
発明者 ジュインガオエリックシューアンソニーチュン
出願日 2019年10月18日 (1年0ヶ月経過) 出願番号 2019-191176
公開日 2020年3月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-033363
状態 未査定
技術分野 多糖類及びその誘導体 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医薬品製剤
主要キーワード キトサン成分 フィルム形成重合体 鎖式構造 同種重合体 嚥下運動 マンノヘプトース 官能化度 キトサン複合体
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図面 (4)

課題

二重誘導体化キトサンを含むナノ粒子、並びに、生体内で、例えば、遺伝子導入などの、核酸送達するためのその製造、及び使用方法を提供する。

解決手段

(1)アルギニン(Arg)、及び(2)親水性ポリオール(HP)で特定のArg:HP比官能化されたキトサン、該キトサンを含むキトサン誘導体ナノ粒子。該キトサンは、著しく改良されたトランスフェクション効率を示す。

概要

背景

キトサンは、N−アセチル−D−グルコサミン、及びD−グルコサミンの非毒性の陽イオン性共重合体である。キトサンは、核酸複合体を形成することができ、生体適合性で非毒性の多糖体のため、細胞トランスフェクトするためのDNA送達ビヒクルとして使用されてきた。ウイルスベクター複雑性と潜在毒性のために、キトサンを核酸の非ウイルス性送達で使用することについて、多くの関心が寄せられてきた。

修飾されたキトサンと核酸との間の複合体を含む、多くのキトサン/DNA複合体が、遺伝子導入によく適する組成物を特定するための試みにおいて調べられてきた。例えば、WO2010/088565;WO2008/082282を参照されたい。複合体は、いくつかの特性の中で特に、溶解性凝集の傾向、複合体の安定性粒度、DNAを放出する能力、及びトランスフェクション効率において異なることが分かっている。

このように、改良されたトランスフェクション効率を有する、生体内での遺伝子導入のための新しい組成物、及び方法が必要とされている。本明細書に記載の組成物、及び方法は、これらの必要性、及びその他の必要性を満たすのに役立つ。

概要

二重誘導体化キトサンを含むナノ粒子、並びに、生体内で、例えば、遺伝子導入などの、核酸を送達するためのその製造、及び使用方法を提供する。(1)アルギニン(Arg)、及び(2)親水性ポリオール(HP)で特定のArg:HP比官能化されたキトサン、該キトサンを含むキトサン誘導体ナノ粒子。該キトサンは、著しく改良されたトランスフェクション効率を示す。なし

目的

本発明は、DD−キトサン核酸ポリプレックスを提供する

効果

実績

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請求項1

アルギニン(Arg)及び式VIIの親水性ポリオール(HP)で官能化されたキトサンであって:式中:R2が、H、及びヒドロキシルから選択され;R3が、H、及びヒドロキシルから選択され;Xが、1つ以上のヒドロキシル置換基置換されていてもよいC2−C6アルキレンから選択される、キトサンを含むキトサン誘導体ナノ粒子

請求項2

式VIIの親水性ポリオールであって:式中:R2が、H、及びヒドロキシルから選択され;R3が、H、及びヒドロキシルから選択され;Xが、1つ以上のヒドロキシル置換基で置換されていてもよいC2−C6アルキレンから選択される、親水性ポリオールを含み;ただし、前記親水性ポリオールが、グルコン酸ではないことを条件とする、請求項1に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項3

前記親水性ポリオールが、カルボキシル基を有する、請求項2に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項4

前記親水性ポリオールが、トレオン酸である、請求項3に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項5

前記親水性ポリオールが、グリセルアルデヒドトレオースエリトロースリボースアラビノースキシロースリキソースアロースグルコースアルトロースマンノースグロースイドースガラクトース、及びタロースから成る群から選択される糖類である、請求項2に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項6

前記親水性ポリオールが、2,3−ジヒドロキシルプロパン酸;2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシルヘプタナール;2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサナール;2,3,4,5−テトラヒドロキシルヘキサナール;及び、2,3−ジヒドロキシルプロパナールから成る群から選択される、請求項2に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項7

65kDa未満の官能化前の平均分子量、平均で400未満のグルコサミンモノマー単位、2から20のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径酸性pHで少なくとも0mVの平均ゼータ電位、0.5未満のPDI、及び0.5mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含むキトサン−核酸ポリプレックスを含み、前記キトサン−核酸ポリプレックスが、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記キトサン−核酸ポリプレックスが、大きさが安定していて、平均直径が、室温で少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、100%未満増加する、先行する請求項のいずれかに記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項8

前記キトサン−核酸ポリプレックスの平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、50%未満増加する、請求項7に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項9

前記ナノ粒子が、約1:1から約10:1の間のArgの最終官能化度:HPの最終官能化度の比を有する、先行する請求項のいずれかに記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項10

前記Argの最終官能化度:HPの最終官能化度の比が、約3:1から約7:1の間である、請求項9に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項11

前記Argの最終官能化度:HPの最終官能化度の比が、約5:1である、請求項10に記載のキトサン誘導体ナノ粒子。

請求項12

請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のナノ粒子を含む組成物であって、前記キトサンが、核酸複合体を形成して、二重誘導体化DD)キトサン核酸ポリプレックスを形成する、組成物。

請求項13

前記核酸が、DNA、またはRNAである、請求項12に記載の組成物。

請求項14

前記DD−キトサン核酸ポリプレックスのアミンリン酸の比が、2から100の間である、請求項12または請求項13に記載の組成物。

請求項15

前記DD−キトサン核酸ポリプレックスの前記アミン対リン酸の比が、2から50の間である、請求項14に記載の組成物。

請求項16

前記DD−キトサン核酸ポリプレックスの前記アミン対リン酸の比が、2から30の間である、請求項15に記載の組成物。

請求項17

前記DD−キトサン核酸ポリプレックスの前記アミン対リン酸の比が、2から15の間である、請求項16に記載の組成物。

請求項18

細胞を請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の組成物と接触させることを含む、核酸分子を前記細胞に送達する方法。

請求項19

前記細胞が、生体内にある、請求項18に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、概して、二重誘導体化キトサンを含むナノ粒子、並びに、生体内で、例えば、遺伝子導入などの、核酸送達するためのその製造、及び使用方法に関する。

背景技術

0002

キトサンは、N−アセチル−D−グルコサミン、及びD−グルコサミンの非毒性の陽イオン性共重合体である。キトサンは、核酸と複合体を形成することができ、生体適合性で非毒性の多糖体のため、細胞トランスフェクトするためのDNA送達ビヒクルとして使用されてきた。ウイルスベクター複雑性と潜在毒性のために、キトサンを核酸の非ウイルス性の送達で使用することについて、多くの関心が寄せられてきた。

0003

修飾されたキトサンと核酸との間の複合体を含む、多くのキトサン/DNA複合体が、遺伝子導入によく適する組成物を特定するための試みにおいて調べられてきた。例えば、WO2010/088565;WO2008/082282を参照されたい。複合体は、いくつかの特性の中で特に、溶解性凝集の傾向、複合体の安定性粒度、DNAを放出する能力、及びトランスフェクション効率において異なることが分かっている。

0004

このように、改良されたトランスフェクション効率を有する、生体内での遺伝子導入のための新しい組成物、及び方法が必要とされている。本明細書に記載の組成物、及び方法は、これらの必要性、及びその他の必要性を満たすのに役立つ。

0005

(1)アルギニン(Arg)、及び(2)親水性ポリオール(HP)で特定のArg:HP比官能化されたキトサンが、著しく改良されたトランスフェクション効率を示すという驚くべき発見が、本明細書で提供される。アルギニン、及びグルコン酸は、官能基として相乗的に作用して、キトサンナノ粒子のトランスフェクション効率を増大させることが示されている。例えば、PCT/CA2013/050218を参照されたい。他の分子が、キトサンの誘導体として、グルコン酸の代わりに用いられることができ、この相乗効果をなおも示すという驚くべき発見が、本明細書で開示される。さらに、誘導体化キトサンが最大のトランスフェクション効率を示す、2個の置換基の最適化された官能化度比が与えられる。従って、例えば、生体内で、細胞、組織、及び器官への核酸の送達を促進する新規の組成物が本明細書で提供される。特に、二重誘導体化キトサン系ナノ粒子が本明細書で提供され、前記キトサンは、陽イオン性アミノ酸であるアルギニン(Arg)、及び親水性ポリオール(HP)で、Argの最終官能化度:HPの最終官能化度(すなわち、Arg:HP)の最適化された比で官能化されている。

0006

好ましい実施形態において、ナノ粒子は、複数のアルギニン、及び複数の親水性ポリオールの両方に結合しているキトサンを含む。例えば、式Iを参照されたい。



式中、nは、1から650の整数であり、
αは、アルギニンの官能化度であり、
βは、親水性ポリオールの官能化度であり、
各R1は、互いに独立して、水素、アセチル、アルギニン、及び親水性ポリオールから選択される。

0007

好ましい実施形態において、ナノ粒子は、アルギニンに結合しているキトサンを含む。式IIを参照されたい。好ましい実施形態において、アルギニンは、キトサンの溶解性を高めること、及び/または高いpHで誘導体化キトサンを核酸に結合させることに役立つ。

0008

別の実施形態において、ナノ粒子は、キトサンに結合するためのカルボキシル基、またはアルデヒド基を好ましくは有する、親水性ポリオールに結合しているキトサンを含む。一実施形態において、親水性ポリオールは、キトサンに結合するためのカルボキシル基、またはアルデヒド基を有する分子、及び糖類から成る群から選択され、前記親水性ポリオールは、グルコン酸ではない。一実施形態において、親水性ポリオールは、カルボキシル基を有する。一実施形態において、キトサンと結合するためのカルボキシル基を有する親水性ポリオールは、グルコン酸、及びトレオン酸から成る群から選択される。一実施形態において、親水性ポリオールは、グルコン酸であり、例えば、式IIIを参照されたい。別の実施形態において、親水性ポリオールは、トレオン酸であり、例えば、式IVを参照されたい。別の実施形態において、親水性ポリオールは糖類であり、天然糖類、若しくは合成糖類、または酸性型の糖類であり得る。非限定的な例として、グリセルアルデヒドトレオースエリトロースリボースアラビノースキシロースリキソースアロースグルコースアルトロースマンノースグロースイドースガラクトース、及びタロースが挙げられる。一実施形態において、親水性ポリオールは、グルコースであり、例えば、式Vを参照されたい。一実施形態において、親水性ポリオールは、トレオースであり、例えば、式VIを参照されたい。

0009

本明細書に記載の二重誘導体化キトサンは、アルギニン、及び親水性ポリオールを、最適化されたArg:HPの最終官能化度比で含む。好ましい実施形態において、二重誘導体化キトサンは、約1:1と約10:1との間である、Arg:HPの最終官能化度比、またはモル比を有す。別の実施形態において、Arg:HPの最終官能化度比は、約3:1から約7:1の間である。別の実施形態において、Arg:HPの最終官能化度比は、約5:1である。

0010

特に、このような二重誘導体化キトサン(「DD−キトサン」)で形成されるキトサン−核酸ポリプレックスは、非官能化キトサン、一重誘導体化キトサン、またはArg:HPの最終官能化度比が1:1と10:1との間で二重誘導体化されたキトサンで形成された核酸ポリプレックスよりも、高いトランスフェクション効率を示す。本明細書に記載のポリプレックスにおいて二重官能化キトサンを使用することにより与えられるその他の望ましい特性は、粘液防壁を貫通する能力の向上、6.5より高いpHでのポリプレックスの安定性の向上、高いポリプレックスの濃度での凝集の減少、細胞毒性の減少、及び核酸の細胞内放出の増大を含む。さらに、いくつかの好ましい実施形態において、対象のDD−キトサンポリプレックス組成物は、生理的pHで投与(例えば、全身投与)され得る。

0011

従って、一態様において、本発明は、DD−キトサン核酸ポリプレックスを提供する。DD−キトサン核酸ポリプレックスは、アルギニン、及び親水性ポリオールで二重誘導体化されたキトサンを含む。

0012

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、DNAである。

0013

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、RNAである。

0014

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、人工核酸である。好ましい実施形態において、人工核酸は、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、及びトレオース核酸(TNA)から成る群から選択される。

0015

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、治療用核酸である。一実施形態において、治療用核酸は、治療用RNAである。好ましい実施形態において、治療用RNAは、アンチセンスRNA、siRNA、低分子ヘアピン型RNA、マイクロRNA、及び酵素的RNAから成る群から選択される。

0016

一実施形態において、治療用核酸は、DNAである。

0017

一実施形態において、治療用核酸は、治療用タンパク質をコードする核酸配列を含む。

0018

一態様において、本発明は、複数のDD−キトサン核酸ポリプレックスを含む組成物を提供する。

0019

一実施形態において、組成物は、3.0〜8.0の間、より好ましくは、4.0〜7.0の間、最も好ましくは、4.5〜6.5の間のpHを有す。

0020

一態様において、本発明は、本発明のDD−キトサン核酸ポリプレックスを含む医薬組成物を提供する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスは、治療用核酸を含む。

0021

一態様において、本発明は、治療的に有効量の本発明の医薬組成物を患者に投与することを含む、疾患を治療する方法を提供する。

0022

一実施形態において、対象の医薬組成物は、生理的pHで投与される。

0023

一実施形態において、対象の医薬組成物は、全身に投与される。

0024

一実施形態において、対象の医薬組成物は、標的組織局所的に投与される。好ましい実施形態において、対象の医薬組成物は、粘膜組織に投与される。一実施形態において、粘膜組織は、消化管GI)組織である。

0025

一態様において、本発明は、核酸が抗原をコードする、DD−キトサン核酸ポリプレックスを含むワクチンを提供する。

0026

一態様において、本発明は、患者にワクチンを接種するための方法を提供する。方法は、患者に本発明のワクチンを投与することを含む。

0027

一態様において、本発明は、核酸が免疫原をコードする、DD−キトサン核酸ポリプレックスを含む免疫原性の組成物を提供する。

0028

一態様において、本発明は、目的の分子に対する免疫応答を開始、または増大させるための方法を提供する。方法は、核酸が目的の分子のエピトープをコードする、本発明の免疫原性の組成物を患者に投与することを含む。別の態様において、本発明は、核酸が免疫調節性サイトカインをコードする、本発明のキトサン−核酸ポリプレックスを患者に投与することを含む、免疫応答を調節するための方法を提供する。

図面の簡単な説明

0029

3%若しくは10%の最終官能化度でグルコン酸のみで、10%の最終官能化度でアルギニンのみで、またはアルギニン対グルコン酸の最終官能化度比が約1:1若しくは約3.3:1でグルコン酸とアルギニンとの両方で官能化された5kDaのキトサン(x軸)のインビトロでのトランスフェクション効率(SEAP(ng)/タンパク質(mg);y軸)を示す。
3%から10%の最終官能化度でグルコン酸のみで、52%の最終官能化度でアルギニンのみで、またはアルギニン対グルコン酸の最終官能化度比が約6:1若しくは約17:1でグルコン酸とアルギニンとの両方で官能化された5kDaのキトサン(x軸)のトランスフェクション効率(SEAP(ng)/タンパク質(mg);y軸)を示す。
3%から10%の最終官能化度でグルコン酸のみで、26%の最終官能化度でアルギニンのみで、またはアルギニン対グルコン酸の最終官能化度比が約4:1でグルコン酸とアルギニンとの両方で官能化された5kDaのキトサン(x軸)のトランスフェクション効率(SEAP(ng)/タンパク質(mg);y軸)を示す。
3%の最終官能化度でトレオン酸のみで、または29%の最終官能化度でアルギニンのみで、またはアルギニン対トレオン酸の最終官能化度比が約10:1でトレオン酸とアルギニンとの両方で官能化された5kDaのキトサン(x軸)のトランスフェクション効率(SEAP(ng)/タンパク質(mg);y軸)を示す。

0030

キトサンは、甲殻類(例えば、エビカニロブスター)の外骨格の主成分であるN−アセチルグルコサミン重合体である、キチン脱アセチル化した形態である。キトサンは、脱アセチル化によってキチンから形成され、このため、単一の高分子ではなく、様々な分子量と、様々な脱アセチル化度を有する分子の一分類である。市販のキトサンにおける脱アセチル化のパーセントは、一般的に50〜100%の間である。

0031

本明細書に記載のキトサン誘導体は、本明細書に記載のように、得られた遊離アミノ基を、正電荷を持つ部分、及び/または親水性の部分で官能化することによって生成する。本明細書に記載の誘導体化キトサンは、核酸送達ビヒクル好都合ないくつかの特性を有し、特性としては、以下が挙げられる:負電荷を持つ核酸と効率的に結合し、複合体を形成すること、制御可能な大きさのナノ粒子へと形成され得ること、細胞に取り込まれることができること、及び核酸を適時に細胞内に放出することができること。

0032

50%を超える任意の脱アセチル化度(DDA)を有するキトサンが、1%と50%との間で官能化され、本発明で使用される(官能化のパーセントは、キトサン重合体の遊離アミノ部分の数と比較して決定される)。脱アセチル化度、及び官能化度は、官能化キトサン誘導体に特定の電荷密度を付与する。得られた電荷密度は、溶解性、核酸の結合、及びその後の放出、並びに哺乳類細胞細胞膜との相互作用に影響を与える。このように、本発明に従って、これらの特性は、最適な効果のために最適化されなければならない。例示的なキトサン誘導体は、参照によって本明細書に組み入れられる、2007年の1月24日に出願されたBakerらの11/657,382に記載されている。一実施形態において、本明細書に記載の二重誘導体化キトサンは、少なくとも50%の脱アセチル化度を有するキトサンを含む。一実施形態において、脱アセチル化度は、少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも95%である。好ましい実施形態において、本明細書に記載の二重誘導体化キトサンは、少なくとも98%の脱アセチル化度を有するキトサンを含む。

0033

本明細書に記載のキトサン誘導体は、中性、及び生理的pHで溶解し、本発明の目的のために、3〜110kDaに亘る分子量を含む、平均分子量の範囲を有す。本明細書に記載の実施形態は、望ましい送達特性、及びトランスフェクション特性を有することができ、大きさが小さく、好ましい溶解性を有する、低い平均分子量(25kDa未満、例えば、約5kDaから約25kDa)の誘導体化キトサンを特色とする。低い平均分子量の誘導体化キトサンは、概して、高い分子量の誘導体化キトサンよりも溶解性が高く、従って、低い平均分子量の誘導体化キトサンは、より容易に核酸を放出し、増大した細胞のトランスフェクションを提供するようになる核酸/キトサン複合体を産生する。多くの文献は、キトサンに基づく送達系のために、これらのパラメーターの全てを最適化することを主題としてきた。

0034

キトサンとは、式Iの構造を有する複数の分子であって、式中、nが、任意の整数であり、各R1が、それぞれ独立して、アセチル、または水素から選択され、水素から選択されるR1の程度が、50%から100%の間である、前記複数の分子を指すことを当業者は認めるであろう。また、例えば、3kDから110kDの平均分子量を有するものと称するキトサンは、一般的に、例えば、3kDから110kDの重量平均分子量をそれぞれ有する複数のキトサン分子を指し、前記キトサン分子の各々は、様々な鎖長(n+2)を有し得る。また、「n量体キトサン」と称するキトサンは、必ずしも式Iのキトサン分子を含まず、各キトサン分子は、n+2の鎖長を有することもよく認められている。むしろ、本明細書で使用される場合、「n量体キトサン」は、複数のキトサン分子を指し、前記複数のキトサン分子の各々は、様々な鎖長を有し得、前記複数のキトサン分子は、nの鎖長を有するキトサン分子と実質的に同じ、または等しい平均分子量を有す。例えば、24量体キトサンは、複数のキトサン分子を含み得、複数のキトサン分子の各々は、例えば、7〜50に亘る様々な鎖長を有するが、24の鎖長を有するキトサン分子と実質的に同じ、または等しい重量平均分子量を有す。

0035

本明細書に記載の官能化されたキトサン誘導体は、二重誘導体化キトサン化合物、例えば、キトサン−Arg−HP化合物である。一般的に、キトサン−Arg−HP化合物は、以下の式Iの構造を有す。



式中、nは、1から650の整数であり、
αは、Argの最終官能化度であり、
βは、HPの最終官能化度であり;
各R1は、それぞれ独立して、水素、アセチル、Arg、及びHPから選択される。

0036

本発明の二重誘導体化キトサンは、陽イオン性のアミノ酸、アルギニンで官能化される場合がある。

0037

また、本発明の二重誘導体化キトサンは、(Arg−キトサンを含む)キトサンの親水性を高めることに役立つ場合、及び/またはヒドロキシル基を提供する場合がある、親水性ポリオールで官能化されてもよい。

0038

アルギニン(Arg)及び式VIIの親水性ポリオール(HP)で官能化されたキトサンであって:



式中:
R2が、H、及びヒドロキシルから選択され;
R3が、H、及びヒドロキシルから選択され;
Xが、1つ以上のヒドロキシル置換基置換されていてもよいC2−C6アルキレンから選択される、前記キトサンを含むキトサン誘導体ナノ粒子が提供される。

0039

いくつかの実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、式VIIの親水性ポリオールであって:



式中:
R2が、H、及びヒドロキシルから選択され;
R3が、H、及びヒドロキシルから選択され;
Xが、1つ以上のヒドロキシル置換基で置換されていてもよいC2−C6アルキレンから選択される、前記親水性ポリオールを含み;
ただし、前記親水性ポリオールは、グルコン酸ではないことを条件とする。

0040

用語「C2−C6アルキレン」は、本明細書で使用される場合、1つ以上の炭素間多重結合を含んでもよい、直鎖、または分枝二価炭化水素基を指す。不明瞭でないように、用語「C2−C6アルキレン」は、本明細書で使用される場合、アルカンアルケン、及びアルキンの二価の基を包含する。

0041

本発明の親水性ポリオールは、3、4、5、6、または7の炭素骨格を有する場合がある。一実施形態において、3から7個の炭素を有する本発明の親水性ポリオールは、2、3、4、5、または6個のヒドロキシル基を有する場合がある。一実施形態において、3から7個の炭素を有する本発明の親水性ポリオールは、1つ以上の炭素間多重結合を有する場合がある。好ましい実施形態において、本発明の親水性ポリオールは、カルボキシル基を含む。さらなる好ましい実施形態において、本発明の親水性ポリオールは、アルデヒド基を含む。本発明の親水性ポリオールがアルデヒド基を含む場合、このような親水性ポリオールは、鎖式構造アルデヒド)、及び環状構造ヘミアセタール)の両方を包含することを当業者は認めるであろう。

0042

親水性ポリオールの非限定的な例は、グルコン酸、トレオン酸、グルコース、及びトレオースを含む。例えば、式III〜VIを参照されたい。カルボキシル基、及び/またはアルデヒド基を有する場合、または糖類、若しくはその酸性型である場合がある、その他のこのような親水性ポリオールの例は、以下の表1〜3に含まれる。当業者は、表1〜3は、親水性ポリオールの非限定的な例を提供すること、またさらに、示された親水性ポリオールは、示された立体化学に限定されないことを認めるであろう。

0043

0044

0045

0046

好ましい実施形態において、HPは、2,3−ジヒドロキシルプロパン酸;2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシルヘプタナール;2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサナール;2,3,4,5−テトラヒドロキシルヘキサナール;及び、2,3−ジヒドロキシルプロパナールから成る群から選択してもよい。

0047

好ましい実施形態において、HPは、D−グリセリン酸、L−グリセリン酸、L−グリセロ−D−マンノヘプトース、D−グリセロ−L−マンノヘプトース、D−グルコース、L−グルコース、D−フコースL−フコース、D−グリセルアルデヒド、及びL−グリセルアルデヒドから成る群から選択してもよい。

0048

好ましい実施形態において、α:β比は、約1:1と約10:1との間である。好ましい実施形態において、前記比は、約3:1と約7:1との間である。最も好ましい実施形態において、前記比は、約5:1である。

0049

キトサンと、アルギニンまたは親水性ポリオールとを水性媒体内で結合させるための本発明の非限定的な方法が、本明細書で記載される。前記方法は、周知の水溶性の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を使用して、キトサン骨格上のアミンと、Boc基で保護されたArgまたはカルボキシル基を有する親水性ポリオール上のカルボン酸との間のアミド形成を触媒する。

0050

一般的に、例えば、6.0±0.5、より好ましくは6.0±0.2である、目的とするカップリングのpHへと調節されたpHの希HCl溶液中のキトサンを、第1に、Arg、例えばBoc−Arg、またはカルボキシル基を有する親水性ポリオールのいずれかに結合させ、精製し、次に、第2の官能基と結合させる。例えば、キトサンを、第1に、Argと結合させる場合、Argと結合しているキトサン(Arg−キトサン)を精製し、次に、親水性ポリオールと結合させてもよい。逆に、キトサンを、第1に、親水性ポリオールと結合させる場合、親水性ポリオールと結合しているキトサンを精製し、次に、Argと結合させてもよい。結合の順序に関わらず、Arg及び親水性ポリオールを周知の方法を使用してキトサンと結合させてもよい。

0051

例えば、希HCl中のキトサンに、Boc−ArgとNHS水溶液との調節されたpHの混合物を加え、次に、EDC水溶液を加えて、室温で24時間カップリングを起こさせることによって、Argを、キトサン、またはポリオールで官能化されたキトサン(ポリオール−キトサン)に結合させてもよい。再現性のある最終官能化度のArgを有するように、キトサンアミンの濃度、反応のpH、並びにArg−COOH対キトサン−アミン、及びEDC:NHS:Arg−COOHのモル比を事前に計算して、満たすようにさせてもよい。Boc−Arg−キトサンを、Boc基脱保護(De−Boc)反応の前に精製してもよい。Boc基脱保護(De−Boc)反応を、HCl媒体内で、制御されたHCl濃度、及び反応時間で進行させてもよい。反応溶液粘性の変化を測定することによって、Boc基脱保護(de−Boc)反応の間のキトサンの脱重合モニタリングしてもよく(キトサンの脱重合はほとんど認められなかった)、de−Boc−Arg−キトサン、及びBoc−Arg−キトサンに関し核磁気共鳴(NMR)法によって、Boc基脱保護(de−Boc)の効率性を確認してもよい。官能化度を、精製したde−Boc−Arg−キトサンのC、Nの元素分析から決定してもよい。

0052

カルボキシル基を有する親水性ポリオールを、6.0±0.3の反応pHで、キトサン、またはArgと結合しているキトサン(Arg−キトサン)と、結合させてもよい。このpHで、親水性ポリオールのカルボン酸基は、求核置換反応機構によって、キトサン骨格上の結合していないアミンによって攻撃される場合がある。当業者は、このような親水性ポリオールとArg−キトサンのカップリングの場合、求核置換反応がキトサン骨格のアミン基優位に起こる可能性があるが、少量の親水性ポリオールも、同じ機構を介してArgのアミン基と共有結合を形成する可能性があることを認めるであろう。

0053

還元的アミノ化と、その後のNaCNBH3、またはNaBH4での還元を利用して、天然の糖類である親水性ポリオールを、キトサン、またはArgと結合しているキトサン(Arg−キトサン)と結合させてもよい。

0054

Boc−Arg−キトサン、de−Boc−Arg−キトサン、ポリオール−キトサン、及び/または二重誘導体化キトサンを、沈殿、またはカラム処理、または定期透析、または適当な分画分子量(MWCO)の透析チューブを使用する、若しくはタンジェンシャルフローろ過(TFF)とダイアフィルトレーションカートリッジとを通した、水に対する逆フロー(inverse−flow)透析を介して、精製してもよい。

0055

従って、「二重誘導体化キトサン」、または「DD−キトサン」は、二重に官能化したキトサン(「二重官能化キトサン」、または「DF−キトサン」)、例えば、Argと親水性ポリオールの両方と結合しているキトサンであって、Argと親水性ポリオールの両方がキトサンと共有結合しているキトサンも指す。Argは、単一のアミノ酸として、またはポリペプチドとしてのいずれかとして、キトサンに共有結合してもよい。

0056

本明細書で使用される場合、特に指示がない限り、用語「ペプチド」、及び「ポリペプチド」は、交換可能に使用される。

0057

用語「ポリペプチド」は、通常のポリペプチド(すなわち、L−アミノ酸、またはD−アミノ酸を含む短いポリペプチド)、並びに所望の機能活性を保持する、ペプチド同等物ペプチド類似体、及びペプチド模倣薬を指すように、最も広い意味において使用される。ペプチド同等物は、1つ以上のアミノ酸が類似の有機酸、アミノ酸などで置換されているため、または側鎖、若しくは官能基が置換、または修飾されているため、通常のペプチドとは異なり得る。

0058

当業者に知られているように、ペプチド模倣薬は、代替結合によって置き換えられた1つ以上のペプチド結合を有する場合がある。当分野で知られているように、ペプチド骨格の一部、または全ては、配座的に制限された、環式アルキル、またはアリール置換基によって置き換えられて、官能性のアミノ酸の側鎖の移動性を制限することもできる。

0059

本発明のポリペプチドを、当分野で周知の組換え法、合成法などの、認められている方法によって製造してもよい。ペプチドの合成技術は、周知であり、Merrifield, J. Amer. Chem. Soc. 85:2149−2456 (1963)、Atherton, et al., Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press (1989)、及びMerrifield, Science 232:341−347 (1986)において記載されている技術を含む。

0060

本明細書で使用される場合、「直鎖ポリペプチド」は、その構成アミノ酸の側鎖に共有結合している分枝の基がないポリペプチドを指す。本明細書で使用される場合、「分枝ポリペプチド」は、その構成アミノ酸の側鎖に共有結合している分枝の基を含むポリペプチドを指す。

0061

上述のように、本発明のDD−キトサンのArgの最終官能化度、またはポリオールの最終官能化度を、元素分析によって決定してもよい。以下で、例えば、キトサン骨格に結合しているアルギニン、及びグルコン酸の最終官能化度の例示的な計算を記載する。明確にするために、以下の例は、100%DDAの20量体キトサン分子を使用する。

0062

100%DDAのキトサンは、D−グルコサミンの同種重合体であり;この繰り返し単位は、6個のC原子と1個のN原子を有し、C/Nのモル比は6/1である。

0063

脱重合過程に起因して、重合体の一端における末端の単位は、2,5−アンヒドロ−D−マンノースである。この単位は、6/0のC/N比を有す。

0064

結果的に、20量体キトサンの例において、19単位のD−グルコサミン、及び1単位の2,5−アンヒドロ−D−マンノースがある。このため、全C/N比は、以下である:

0065

この比は、窒素既知の平均の整数値について(単位当りのC原子の平均数である)6個の炭素へ正規化される:

0066

キトサンと例えばアルギニンとのカップリングにおいて、アルギニン部分は、6個のC、及び4個のNを有す。R%の平均アルギニン官能化度を有する20個の繰り返し単位のアルギニンで修飾されたキトサンに関して、以下の関係は、キトサン及びアルギニンからのC並びにNの寄与を表す:

0067

C/Nのモル比は、実験的に導出されたC/Nの質量比から計算される。従って、C/Nのモル比が分かると、R%の官能化度、すなわち、アルギニン基と結合しているキトサン骨格上のアミノ基のパーセンテージは、導出可能である。

0068

グルコン酸とキトサンとのカップリング:

0069

グルコン酸部分は、6個のC、及び0個のNを有す。G%の官能化度を有する20個の繰り返し単位のグルコン酸で修飾されたキトサンに関して、以下の関係は、キトサン及びグルコン酸からのC並びにNの寄与を表す:

0070

C/Nのモル比は、実験的に導出されたC/Nの質量比から計算される。従って、C/Nのモル比が分かると、G%の官能化度、すなわち、グルコン酸部分と結合しているキトサン骨格上のアミノ基のパーセンテージは、導出可能である。

0071

アルギニンとキトサンとのカップリング、その後のグルコン酸のカップリング:

0072

グルコン酸と事前に決定されたアルギニン最終官能化度(R%)を有する20個の繰り返し単位のR−キトサンとのカップリングの場合、以下の関係は、キトサン、アルギニン、及びグルコン酸からのC並びにNの寄与を表す:

0073

C/Nのモル比は、実験的に導出されたC/Nの質量比から計算される。従って、R%が事前に決定されているので、C/Nのモル比が分かると、G%の官能化度は、導出可能である。

0074

上述のように、本明細書で使用されるArg、またはHPの「最終官能化度」は、それぞれ、Arg、またはHPで官能化されたキトサン骨格上のアミノ基のパーセンテージを指す。従って、「α:β比」、「最終官能化度比」(例えば、Argの最終官能化度:HPの最終官能化度の比)などは、用語「モル比」、または「数の比」と交換可能に使用される場合がある。

0075

一実施形態において、二重誘導キトサンは、PCT出願PCT/CA2013/050218において、特にPCT/CA2013/050218の実施例において例示されているような、キトサン誘導体ナノ粒子、またはキトサン誘導体ナノ粒子ポリプレックスではない。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、以下のナノ粒子のうちの1つではない:
a. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、52%の最終官能化度でアルギニンと、8%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む。
b. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、3%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
c. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
d. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、6%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
e. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、9%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
f. 40のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
g. 10のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
h. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
i. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、6%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;または
j. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、52%の最終官能化度でアルギニンと、8%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む。

0076

一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、1%、2%、4%、7%、8%、10%、15%、20%、25%、30%、またはそれ以上の最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、約1%から約25%の最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。他の実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、約27%から約51%の最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、約53%から約70%の最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。別の実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%、または52%ではない最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。

0077

一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、3%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。

0078

一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、5%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、6%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、9%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、3%、5%、6%、または9%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、52%の最終官能化度でアルギニンと結合していて、かつ、8%ではない最終官能化度でグルコン酸と結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、3%、5%、6%、及び9%から選択される最終官能化度でグルコン酸と結合していて、かつ、26%ではない最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。一実施形態において、キトサン誘導体ナノ粒子は、8%の最終官能化度でグルコン酸と結合していて、かつ、52%ではない最終官能化度でアルギニンと結合しているキトサンを含む。

0079

いくつかの実施形態において、適切な場合には、DD−キトサンは、DD−キトサン誘導体、例えば、追加の官能化を組込むDDキトサン、例えば、結合している配位子を有するDD−キトサンを含む。「誘導体」は、共有結合的に修飾されたN−アセチル−D−グルコサミン単位、及び/またはD−グルコサミン単位を含むキトサン系重合体、及び他の単位を組込む、または他の部分と結合するキトサン系重合体の広いカテゴリーを含むことが理解されるであろう。誘導体は、しばしば、アルギニンで官能化されたキトサンでなされる修飾などの、ヒドロキシル基、またはグルコサミンのアミン基の修飾をベースとする。キトサン誘導体の例として、トリメチル化キトサン、PEG化キトサン、チオール化キトサンガラクトシル化キトサン、アルキル化キトサン、PEIを組込んだキトサン、ウロン酸修飾キトサングリコールキトサンなどが挙げられるが、これらに限定はされない。キトサン誘導体に関するさらなる教示について、例えば、 “Non−viral Gene Therapy”, K. Taira, K. Kataoka, T. Niidome (editors), Springer−Verlag Tokyo, 2005, ISBN 4−431−25122−7のpp.63−74;Zhu et al., Chinese Science Bulletin, December 2007, vol. 52 (23), pp. 3207−3215;及び、Varma et al., Carbohydrate Polymers 55 (2004) 77−93を参照されたい。

0080

分散系は、連続媒体分布する分散相として知られる粒状物質から成る。DD−キトサン核酸ポリプレックスの「分散体」は、水和DD−キトサン核酸ポリプレックスを含む組成物であり、ポリプレックスは、媒体中に分布している。

0081

本明細書で使用される場合、「濃縮前の」分散体は、濃厚分散体を形成する濃縮過程を受けていない分散体である。

0082

本明細書で使用される場合、ポリプレックスの沈降物を「実質的に含まない」は、組成物が、目視検査で観察し得る粒子をほとんど含まないことを意味する。

0083

本明細書で使用される場合、生理的pHは、6から8の間のpHを指す。

0084

「DD−キトサン核酸ポリプレックス」、またはその文法的に同等な用語は、複数のDD−キトサン分子、及び複数の核酸分子を含む複合体を意味する。好ましい実施形態において、二重誘導体化キトサンは、前記核酸と複合体化している。

0085

DD−キトサン核酸ポリプレックスは、核酸成分、及びDD−キトサン成分を含む。キトサン、及びDD−キトサン核酸ポリプレックスは、当分野で既知の任意の方法によって調製され得る。例えば、官能化キトサン、及びヌクレオチド供給原料の濃度は、様々なアミン対リン酸比(N/P)、混合比、及び目的のヌクレオチド濃度に対応するように調整され得る。いくつかの実施形態、特に小さなバッチ、例えば、2mL未満のバッチにおいて、官能化キトサン、及びヌクレオチドの供給原料を、容器ボルテックスしながら、ヌクレオチド供給原料を官能化キトサン供給原料にゆっくりと滴下することによって、混合する場合がある。他の実施形態において、官能化キトサン、及びヌクレオチドの供給原料を、2つの流体流インライン混合することによって混合する場合がある。他の実施形態において、得られたポリプレックス分散体をTFFによって濃縮してもよい。ポリプレックス形成のための好ましい方法は、参照によってその全体が本明細書に明確に組込まれるWO 2009/039657において開示されている。

0086

いくつかの場合において、例えば、安定性、及び保護といった、あらゆる様々な目的のために組込まれる、代替骨格、またはその他の修飾、若しくは部分を有し得る核酸類似体が含まれるけれども、概して、本発明の核酸は、ホスホジエステル結合を含むであろう。その他の企図される核酸類似体は、非リボース骨格を有するものを含む。さらに、天然に生じる核酸、類似体、及びこれら両方の混合物を作製し得る。核酸は、一本鎖、若しくは二本鎖であってもよく、または二本鎖、若しくは1本鎖の配列の両方の一部を含んでもよい。核酸として、DNA、RNA、及びハイブリッドが挙げられるが、これらに限定はされず、前記核酸は、デオキシリボヌクレオチド、及びリボヌクレオチドのあらゆる組み合わせ、並びにウラシルアデニンチミンシトシングアニンイノシンキサンタニン(xanthanine)、ヒポキサンタニン(hypoxanthanine)、イソシトシンイソグアニンなどを含む塩基のあらゆる組み合わせを含む。核酸は、三重鎖、二本鎖または一本鎖、アンチセンス、siRNA、リボザイムデオキシリボザイムポリヌクレオチドオリゴヌクレオチドキメラ、マイクロRNA、及びこれらの誘導体を含む、あらゆる形態のDNA、あらゆる形態のRNAを含む。核酸は、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、及びトレオース核酸(TNA)を含むが、これらに限定はされない、人工核酸を含む。

0087

一実施形態において、核酸成分は、治療用核酸を含む。対象のDD−キトサン核酸ポリプレックスは、当分野で既知のあらゆる治療用核酸の使用を許容する。治療用核酸は、哺乳類細胞で治療効果を発揮できるRNA分子である、治療用RNAを含む。治療用RNAは、アンチセンスRNA、siRNA、低分子ヘアピン型RNA、マイクロRNA、及び酵素的RNAを含むが、これらに限定はされない。治療用核酸は、三重分子を形成することを目的とする核酸、タンパク質結合核酸、リボザイム、デオキシリボザイム、及び小さなヌクレオチド分子を含むが、これらに限定はされない。

0088

多くの種類の治療用RNAが当分野で知られている。例えば、Grimm et al., Therapeutic application of RNAi ismRNAtargeting finally ready for prime time? J. Clin. Invest., 117:3633−3641, 2007; Aagaard et al., RNAi therapeutics: Principles, prospects and challenges, Adv. Drug Deliv. Rev., 59:75−86, 2007; Dorsett et al., siRNAs: Applications in functional genomics and potential as therapeutics, Nat. Rev. Drug Discov., 3:318−329, 2004を参照されたい。これらは、二本鎖低分子干渉RNA(siRNA)を含む。

0089

治療用核酸は、細胞毒性タンパク質、及びプロドラッグを含む、治療用タンパク質をコードする核酸も含む。

0090

好ましい実施形態において、核酸成分は、治療用核酸構築物を含む。治療用核酸構築物は、治療効果を発揮できる核酸構築物である。治療用核酸構築物は、治療用タンパク質をコードする核酸、及び治療用RNAである転写物を産生する核酸を含む場合がある。治療用核酸が、欠陥遺伝子と置き換わるもの、若しくは欠陥遺伝子を増強するものとして働くことによって、遺伝子治療がもたらされるように、または治療用核酸が治療用産物をコードすることによって、特定の遺伝子産物欠如を補うように、治療用核酸を使用する場合がある。治療用核酸は、内在性遺伝子発現を抑制する場合もある。治療用核酸は、転写産物の全て、または一部をコードする場合があり、細胞に既に存在するDNAと組み換わって、それによって遺伝子の欠陥部分と置き換わることによって機能する場合がある。治療用核酸は、タンパク質の一部をコードし、遺伝子産物のコサプレッションによって効果を発揮する場合もある。好ましい実施形態において、治療用核酸は、参照によって本明細書に明確に組込まれる、U.S.S.N. 11/694,852において開示されている治療用核酸から選択される。

0091

好ましい実施形態において、治療用核酸は、ホルモン酵素、サイトカイン、ケモカイン、抗体、分裂促進因子成長因子分化因子血管新生に影響を与える因子血栓形成に影響を与える因子、血糖値に影響を与える因子、グルコース代謝に影響を与える因子、脂質代謝に影響を与える因子、血中コレステロール値に影響を与える因子、血中LDL値またはHDL値に影響を与える因子、細胞のアポトーシスに影響を与える因子、食物摂取に影響を与える因子、エネルギー消費に影響を与える因子、食欲に影響を与える因子、栄養吸収に影響を与える因子、炎症に影響を与える因子、及び骨形成に影響を与える因子から成る群から選択される治療用タンパク質をコードする。インスリンレプチングルカゴンアンタゴニストGLP−1、GLP−2、グレリンコレシストキニン成長ホルモン凝固因子、PYY、エリスロポエチン、炎症阻害剤IL−10、IL−17アンタゴニスト、TNFαアンタゴニスト、成長ホルモン放出ホルモン、または副甲状腺ホルモンをコードする治療用核酸が、特に好ましい。

0092

発現調節領域

0093

好ましい実施形態において、本発明のポリプレックスは、コード領域に機能的に連結された発現調節領域を含む治療構築物である、治療用核酸を含む。治療用構築物は、そのままで治療用となる場合がある、または治療用タンパク質をコードする場合がある、治療用核酸を産生する。

0094

いくつかの実施形態において、治療用構築物の発現調節領域は、恒常活性を有す。多くの好ましい実施形態において、治療用構築物の発現調節領域は、恒常的活性を有しない。このことは、治療用核酸の動的発現を提供する。「動的」発現とは、時間が経つと変化する発現を意味する。動的発現は、検出可能な発現がある期間で区切られる、発現が低い、または発現がないような、いくつかの期間を含む場合がある。多くの好ましい実施形態において、治療用核酸は、調節可能なプロモーターと機能的に連結されている。このことは、治療用核酸の調節可能な発現を提供する。

0095

発現調節領域は、機能的に連結された治療用核酸の発現に影響を提供するプロモーター、及びエンハンサーなどの、(時々、本明細書で要素と呼ばれる)調節ポリヌクレオチドを含む。

0096

本明細書に含まれる発現調節要素は、バクテリア酵母、植物、または動物哺乳類、または非哺乳類)からのものであり得る。発現調節領域は、天然のプロモーター、及びエンハンサー要素などの完全長プロモーター配列、並びに、完全長、若しくは非変異の機能の全て、または一部を保持する(例えば、栄養調節、若しくは細胞/組織特異的発現をある程度保持する)部分配列、またはポリヌクレオチド変異を含む。本明細書で使用される場合、用語「機能的」、及び文法的にこれを変形した用語は、核酸配列、部分配列、または断片に関して使用される場合、配列が、天然の核酸配列(例えば、非変異、または未変更の配列)の1つ以上の機能を有することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「変異」は、配列の置換、欠失、付加、またはその他の変更(例えば、ヌクレアーゼ抵抗性のある変更された形態などの化学的な誘導体)を意味する。

0097

本明細書で使用される場合、用語「機能的な連結」は、成分を意図された形式で機能させることを特徴とするような成分の物理的な並列を指す。核酸と機能的な連結をしている発現調節要素の例において、調節要素が、核酸の発現を調節するような関係性がある。一般的に、転写を調節する発現調節領域は、転写される核酸の5’末端(すなわち、「上流」)の近くに並んでいる。発現調節領域は、転写配列の3’末端(すなわち、「下流」)、または転写物内(例えば、イントロン中)にも位置し得る。発現調節要素は、転写配列から(例えば、核酸から、100から500、500から1000、2000から5000、またはそれ以上のヌクレオチド分)離れて位置し得る。発現調節要素の具体例は、プロモーターであり、通常、転写配列の5’に位置する。発現調節要素の別の例は、エンハンサーであり、転写配列の5’、若しくは3’、または転写配列内に位置し得る。

0098

いくつかの発現調節領域は、機能的に連結された治療用核酸に対して調節可能な発現を与える。(時々、刺激とも呼ばれる)シグナルは、このような発現調節領域に機能的に連結された治療用核酸の発現を増加、または減少させ得る。シグナルに応じて発現を増加させる、このような発現調節領域は、しばしば、誘導性であると言われる。シグナルに応じて発現を減少させる、このような発現調節領域は、しばしば、抑制性であると言われる。一般的に、このような要素により与えられる増加量、または減少量は、存在するシグナルの量に比例し;シグナルの量が多いほど、発現の増加量、または減少量は多くなる。

0099

非常に多くの調節可能なプロモーターが当分野で知られている。好ましい誘導性の発現調節領域は、小分子の化合物で刺激される誘導性プロモーターを含む発現調節領域を含む。一実施形態において、発現調節領域は、経口で送達可能であるが、食物中には通常見られない化学物質に対して応答性である。具体例は、例えば、米国特許第5,989,910号;同第5,935,934号;同第6,015,709号;及び同第6,004,941号において見られる。

0100

一実施形態において、治療用構築物は、組込み配列をさらに含む。一実施形態において、治療用構築物は、単一の組込み配列を含む。別の実施形態において、治療用構築物は、治療用核酸、またはその一部を標的細胞ゲノムに組込むための第1の、及び第2の組込み配列を含む。好ましい実施形態において、組込み配列(複数可)は、マリナー、スリピングビューティー(sleepingbeauty)、FLP、Cre、ФC31、R、ラムダ、並びにAAV、レトロウイルス、及びレンチウイルスなどの組込みウイルスからの組込み手段から成る群から選択される組込み手段と組み合わさって機能する。

0101

一実施形態において、対象の組成物は、治療用構築物に加えて、非治療用構築物をさらに含み、前記非治療用構築物は、第2の発現調節領域に機能的に連結された組込み手段をコードする核酸配列を含む。この第2の発現調節領域、及び治療用核酸に機能的に連結した発現調節領域は、同一である場合、または異なる場合がある。コードされた組込み手段は、好ましくは、マリナー、スリーピングビューティー(sleepingbeauty)、FLP、Cre、ФC31、R、ラムダ、並びにAAV、レトロウイルス、及びレンチウイルスなどの組込みウイルスからの組込み手段から成る群から選択される。

0102

さらなる教示として、参照によってその全体が本明細書に明確に組込まれる、WO2008020318を参照されたい。一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、人工核酸である。

0103

好ましい人工核酸は、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、及びトレオース核酸(TNA)を含むが、これらに限定はされない。

0104

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの核酸は、治療用核酸である。一実施形態において、治療用核酸は、治療用RNAである。好ましい治療用RNAは、アンチセンスRNA、siRNA、低分子ヘアピン型RNA、マイクロRNA、及び酵素的RNAを含むが、これらに限定はされない。

0105

一実施形態において、治療用核酸は、DNAである。

0106

一実施形態において、治療用核酸は、治療用タンパク質をコードする核酸配列を含む。

0107

好ましい実施形態において、二重誘導体化(DD)キトサン核酸ポリプレックスは、以下のキトサン誘導体ナノ粒子のうちの1つと複合体化した分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)、またはルシフェラーゼをコードする核酸を含むポリプレックスではない:
a. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、52%の最終官能化度でアルギニンと、8%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む。
b. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、3%最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
c. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
d. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、6%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
e. 20のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、9%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
f. 40のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
g. 10のアミン/リン酸(N/P)の比を有するキトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
h. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、5%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;
i. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、26%の最終官能化度でアルギニンと、6%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む;または
j. キトサン誘導体ナノ粒子であって、前記ナノ粒子は、52%の最終官能化度でアルギニンと、8%の最終官能化度でグルコン酸と結合している24量体キトサンを含む。

0108

ポリプレックス

0109

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、110kDa未満、より好ましくは、65kDa未満、より好ましくは、50kDa未満、より好ましくは、40kDa未満、最も好ましくは、30kDa未満の官能化前の平均分子量を有するキトサン分子を含む。いくつかの実施形態において、組成物のポリプレックスは、15kDa未満、10kDa未満、7kDa未満、または5kDa未満の官能化前の平均分子量を有するキトサンを含む。

0110

好ましい実施形態において、ポリプレックスは、平均で、680未満のグルコサミンモノマー単位、より好ましくは、400未満のグルコサミンモノマー単位、より好ましくは、310未満のグルコサミンモノマー単位、より好ましくは、250未満のグルコサミンモノマー単位、最も好ましくは、190未満のグルコサミンモノマー単位を有するキトサン分子を含む。いくつかの実施形態において、ポリプレックスは、平均で、95未満のグルコサミンモノマー単位、65未満のグルコサミンモノマー単位、45未満のグルコサミンモノマー単位、または35未満のグルコサミンモノマー単位を有するキトサン分子を含む。

0111

好ましい実施形態において、対象のポリプレックスは、2から100、例えば、2から50、例えば、2から40、例えば、2から30、例えば、2から20、例えば、2から5のアミン対リン酸(N/P)の比を有す。好ましくは、N/P比は、キトサンの分子量に反比例し、すなわち、DD−キトサンの分子量が小さいほど、N/P比は大きくなり、逆もまた同様になる。

0112

好ましい実施形態において、対象のポリプレックスは、1000nm未満、より好ましくは、500nm未満、最も好ましくは、200nm未満の平均流体力学直径を有す。

0113

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスは、酸性pH、例えば、pH7未満、最も好ましくは、約4から6のpHで、少なくとも0mVの平均ゼータ電位を有す。

0114

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスは、酸性pHで、+1から+60mVの間、より好ましくは、+1から+40mVの間、より好ましくは、+1から+30mVの間の平均ゼータ電位を有す。

0115

好ましい実施形態において、ポリプレックスは、生理的pH、及び6未満のpKaで、正味で低い正電荷を有すか、中性であるか、または正味で負電荷を有す。このようなDD−キトサン核酸ポリプレックスは、減少した細胞毒性、増大した核酸の細胞内放出を示す。

0116

組成物のDD−キトサン核酸ポリプレックスは、ポリプレックスの大きさに関して、好ましくは、均質である。従って、好ましい実施形態において、組成物は、低い平均の多分散性指数(「PDI」)を有す。特に好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックスの分散体は、0.5未満、より好ましくは、0.4未満、より好ましくは、0.3未満、最も好ましくは0.25未満のPDIを有す。

0117

対象の組成物のポリプレックスは、好ましくは、組成物中で実質的に大きさが安定している。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、室温で、6時間、より好ましくは、12時間、より好ましくは、24時間、最も好ましくは、48時間に、平均直径が、100%未満、より好ましくは、50%未満、最も好ましくは、25%未満増加するポリプレックスを含む。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、平均直径が、室温で、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、25%未満増加するポリプレックスを含む。

0118

対象の組成物のポリプレックスは、好ましくは、冷却条件下で、実質的に大きさが安定している。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、2〜8℃で、6時間、より好ましくは、12時間、より好ましくは、24時間、最も好ましくは、48時間に、平均直径が、100%未満、より好ましくは、50%未満、最も好ましくは、25%未満増加する、ポリプレックスを含む。

0119

対象の組成物のポリプレックスは、好ましくは、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、−20℃から−80℃での凍結から融解後、室温で、6時間、より好ましくは、12時間、より好ましくは、24時間、最も好ましくは、48時間に、平均直径が、100%未満、より好ましくは、50%未満、最も好ましくは、25%未満増加するポリプレックスを含む。

0120

好ましい実施形態において、組成物は、0.5mg/mlを超える核酸濃度を有し、沈降ポリプレックスを実質的に含まない。より好ましくは、組成物は、少なくとも0.6mg/ml、より好ましくは、少なくとも0.75mg/ml、より好ましくは、少なくとも1.0mg/ml、より好ましくは、少なくとも1.2mg/ml、最も好ましくは、少なくとも1.5mg/mlの核酸濃度を有し、沈降ポリプレックスを実質的に含まない。組成物は、水和している。好ましい実施形態において、組成物は、複合体を形成していない核酸を実質的に含まない。

0121

好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性である。ポリプレックスの安定性を維持しながら等張性を達成することは、医薬組成物の製剤化において強く望まれており、これらの好ましい組成物は、医薬製剤、及び治療用途によく適している。

0122

一般的に、DD−キトサン核酸ポリプレックスを含む組成物を、標的細胞に接触させるように使用する。このような接触は、一般的に、標的細胞による発現のための核酸の送達をもたらす。本明細書に記載のDD−キトサン核酸ポリプレックスに適する組成物は、当分野でよく知られており、概して、以下に記載される。

0123

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で50kDa未満の平均分子量、平均で310未満のグルコサミンモノマー単位、2から20のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで少なくとも0mVの平均ゼータ電位、0.5未満のPDI、0.5mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に100%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0124

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で65kDa未満の平均分子量、平均で400未満のグルコサミンモノマー単位、2から20のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで+1から+40mVの平均ゼータ電位、0.4未満のPDI、0.5mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、50%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0125

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で40kDa未満の平均分子量、平均で250未満のグルコサミンモノマー単位、2から20のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで+1から+30mVの平均ゼータ電位、0.3未満のPDI、0.5mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、50%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0126

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で30kDa未満の平均分子量、平均で190未満のグルコサミンモノマー単位、2から5のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで+1から+30mVの平均ゼータ電位、0.25未満のPDI、0.5mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、25%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0127

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で30kDa未満の平均分子量、平均で190未満のグルコサミンモノマー単位、2から5のN/P比、500nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで+1から+30mVの平均ゼータ電位、0.25未満のPDI、0.75mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、25%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0128

好ましい実施形態において、組成物のポリプレックスは、官能化前で15kDa未満の平均分子量、平均で95未満のグルコサミンモノマー単位、2から5のN/P比、200nm未満の平均流体力学直径、酸性pHで+1から+30mVの平均ゼータ電位、0.25未満のPDI、1.0mg/mlを超える核酸濃度を有するキトサン分子を含み、沈降ポリプレックスを実質的に含まず、前記ポリプレックスは、大きさが安定しており、平均直径が、室温で、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、または少なくとも48時間に、50%未満増加する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、等張性であり、凍結融解条件下で、実質的に大きさが安定している。

0129

粉末製剤

0130

本発明のDD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、粉末を含む。好ましい実施形態において、本発明は、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物の乾燥粉末を提供する。好ましい実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス組成物の乾燥粉末は、本発明のキトサン−核酸ポリプレックス分散体の脱水を通して製造される。

0131

医薬製剤

0132

本発明は、本発明のDD−キトサン核酸ポリプレックス組成物を含む「薬剤的に許容し得る」、または「生理的に許容し得る」製剤も提供する。このような製剤は、治療法を実施するために、対象へと生体内に投与され得る。

0133

本明細書で使用される場合、用語「薬剤的に許容し得る」、及び「生理的に許容し得る」は、好ましくは、過度副作用(例えば、吐き気腹痛頭痛など)を起こさない、対象に投与され得る担体希釈剤賦形剤などに関する。このような投与のための製剤は、無菌の水溶液、非水溶液、懸濁液、及び乳濁液を含む。

0134

医薬製剤は、対象への投与に適合する担体、希釈剤、賦形剤、溶媒分散媒コーティング抗菌剤及び抗真菌剤等張剤及び吸収遅延剤などから作製され得る。このような製剤は、(コーティングされている、若しくはコーティングされていない)錠剤、(ハードまたはソフト)カプセルマイクロビーズ、乳濁液、粉末、顆粒結晶、懸濁液、シロップ剤またはエリキシル剤中に含まれ得る。添加剤の中でも特に、例えば、抗菌剤、抗酸化剤キレート剤、及び不活性ガスなどといった、補助活性化合物、並びに保存剤も、含まれる場合がある。

0135

賦形剤は、塩、等張剤、血清タンパク質バッファー、若しくはその他のpH調整剤酸化防止剤増粘剤、荷電していないポリマー防腐剤、または凍結防止剤を含み得る。本発明の組成物中に使用される賦形剤は、等張剤、及びバッファー、またはその他のpH調整剤をさらに含む場合がある。これらの賦形剤は、好ましい範囲のpH(約6.0〜8.0)、及びオスモル濃度(約50〜400mmol/L)を達成するために、加えられる場合がある。適当なバッファーの例は、酢酸ホウ酸炭酸クエン酸、リン酸、及びスルホン化有機分子バッファーである。このようなバッファーは、0.01から1.0%(w/v)の濃度で組成物中に含まれる場合がある。等張剤は、例えば、マンニトールデキストロース、グルコース、及び塩化ナトリウム、またはその他の電解質といった、当分野で既知の任意の等張剤から選択されてもよい。好ましくは、等張剤は、グルコース、または塩化ナトリウムである。等張剤は、等張剤が導入される生物環境浸透圧と同一、または同程度の浸透圧を組成物に与える量で使用される場合がある。組成物中の等張剤の濃度は、使用される特定の等張剤の性質に依存するものであり、約0.1から10%の範囲に亘る場合がある。グルコースが使用される場合、等張剤は、好ましくは、1から5%w/v、特に、5%w/vの濃度で使用される。等張剤は、塩化ナトリウムである場合、好ましくは、1%w/v、特に、0.9%w/vまでの量で採用される。本発明の組成物は、防腐剤をさらに含む場合がある。防腐剤の例は、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩化ベンザルコニウム、(Purite(登録商標)として知られているものなどの)安定化オキシクロロ複合体フェニル酢酸塩クロロブタノールソルビン酸クロルヘキシジンベンジルアルコールパラベン、及びチメロサールである。一般的に、このような防腐剤は、約0.001から1.0%の濃度で含まれる。さらに、本発明の組成物は、凍結防止剤を含む場合もある。好ましい凍結防止剤は、グルコース、スクロース、マンニトール、ラクトーストレハロースソルビトールコロイド状二酸化ケイ素、好ましくは分子量が100,000g/mol未満のデキストラングリセロール、及び分子量が100,000g/mol未満のポリエチレングリコール、またはこれらの混合物である。最も好ましい凍結防止剤は、グルコース、トレハロース、及びポリエチレングリコールである。一般的に、このような凍結防止剤は、約0.01から10%の濃度で含まれる。

0136

医薬製剤は、目的の投与経路に適合するように製剤化され得る。例えば、経口投与のために、組成物は、賦形剤と組み合わされ得、錠剤、トローチ、例えば、ゼラチンカプセルといったカプセル、または例えば、腸溶コーティング(Eudragit(登録商標)、若しくはSureteric(登録商標))といったコーティングの形態で使用され得る。薬剤的に適合する結合剤、及び/または補助材料は、経口製剤中に含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似の性質の化合物のうち任意のものを含み得る:微結晶性セルローストラガカントゴム、若しくはゼラチンなどの結合剤;デンプン、若しくはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、若しくはコーンスターチなどの崩壊剤ステアリン酸マグネシウム、若しくはその他のステアリン酸などの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤ショ糖、若しくはサッカリンなどの甘味料;または、ペパーミントサリチル酸メチル、若しくは調味料などの香味剤

0137

製剤は、インプラント、及びマイクロカプセル化した送達系を含む放出制御製剤などの、急速な分解、または体内からの排泄に対して組成物を保護するための担体も含み得る。例えば、モノステアリン酸グリセリル、若しくはステアリン酸グリセリルなどの遅延性(time delay)材料が、単独で、またはワックスと組み合わさって、採用される場合がある。

0138

坐剤、及びその他の直腸内に投与可能な製剤(例えば、浣腸により投与可能な製剤)もまた、企図される。さらに、直腸内送達に関して、例えば、Song et al., Mucosal drug delivery: membranes, methodologies, and applications, Crit. Rev. Ther. Drug. Carrier Syst., 21:195−256, 2004; Wearley, Recent progress in protein and peptide delivery by noninvasive routes, Crit. Rev. Ther. Drug. Carrier Syst., 8:331−394, 1991を参照されたい。

0139

投与に適する他の医薬製剤が、当分野で知られており、本発明の方法、及び組成物に適用可能である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (1990) 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa.; The Merck Index (1996) 12th ed., Merck Publishing Group, Whitehouse, N.J.; and Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms, Technonic Publishing Co., Inc., Lancaster, Pa., (1993)を参照されたい)。

0140

投与

0141

一実施形態において、DD−キトサン核酸ポリプレックス中でのDD−キトサンの使用は、生理的pHでの持続したポリプレックスの安定性を提供する。このことは、効果的な全身投与、及び投与のその他の形式を提供する。

0142

多数の投与経路のうち任意の投与経路が、可能であり、特定の経路の選択は、部分的に標的組織に依存するであろう。注射器内視鏡カニューレ挿管チューブカテーテル、及びその他の物品が、投与のために使用される場合がある。

0143

対象を治療するための用量、または「有効量」は、障害、若しくは状態、若しくは症状の進行、または悪化を防止すること、または抑制することが、満足な結果ではあるが、好ましくは、状態の症状のうち、1つ、いくつか、または全てを、測定可能、または検出可能な程度回復するのに十分な量である。このように、標的組織で治療用核酸を発現することによって治療可能な状態、または障害の場合において、本発明の方法によって治療可能な状態を回復させるために製造された治療用RNA量、または治療用タンパク質量は、状態、及び所望の結果に依存するものであり、当業者によって容易に確かめられ得る。適当な量は、治療される状態、所望の治療効果、及び個々の対象(例えば、対象内での生物学的利用能性別年齢など)に依存するものである。有効量は、関連の生理学的効果を測定することによって確かめられ得る。

0144

獣医学への応用もまた、本発明によって企図される。従って、一実施形態において、本発明は、本発明のキトサン系ナノ粒子を治療が必要な人間以外の哺乳類に投与することを含む、人間以外の哺乳類を治療する方法を提供する。

0145

非経口投与

0146

本発明の化合物は、血流内、筋肉内、または内臓器官内に直接投与される場合がある。非経口投与の適当な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下を含む。非経口投与の適当な装置は、(極微針を含む)針のある注射器、針なし注射器、及び注入技術を含む。

0147

非経口製剤は、一般的に、塩、炭水化物、及び緩衝剤などの賦形剤を含む場合がある水溶液であるが、いくつかの用途において、非経口製剤は、無菌の非水溶液として、または無菌でパイロジェンを含まない水などの適当な担体と組み合わせて使用されるための乾燥形態として、より適当に製剤化される場合がある。

0148

例えば、凍結乾燥による、無菌条件下の非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術を使用して容易に達成し得る。

0149

非経口溶液の調製において使用される化合物の溶解性は、溶解性を高める薬剤の混合などの、適当な製剤化技術を使用して増大する場合がある。

0150

非経口投与のための製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化される場合がある。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出パルス放出制御放出標的化放出、及びプログラム化放出を含む。従って、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を提供する、注入デポー剤としての投与のために、固体半固体、またはチキソトロピー液として製剤化される場合がある。

0151

経口投与

0152

対象の組成物は、経口投与される場合がある。経口投与は、化合物が消化管に入るように、嚥下運動を含む。本発明の組成物は、直接消化管に投与される場合もある。

0153

経口投与に適当な製剤は、錠剤、カプセル、粒子、若しくはコーティングされた粒子、液体、または粉末を含むコーティングされたカプセル、(液体充填を含む)ロゼンジ咀嚼剤、多粒子及びナノ粒子、ゲルフィルム膣坐剤、並びにスプレーなどの固体製剤を含む。

0154

液体製剤は、懸濁液、溶液シロップ、及びエリキシルを含む。液体製剤は、固体の再構成によって調製される場合がある。

0155

錠剤の剤形は、一般的に、崩壊剤を含む。崩壊剤の例として、デンプングリコール酸ナトリウムカルボキシメチルセルロースナトリウムカルボキシメチルセルロースカルシウムクロスカルメロースナトリウムクロスポビドンポリビニルピロリドンメチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般的に、崩壊剤は、剤形の1重量%から25重量%、好ましくは、5重量%から20重量%を構成するものである。

0156

結合剤は、一般的に、錠剤に粘着性を与えるために使用される。適当な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然ゴム及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、ラクトース(一水和物噴霧乾燥した一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、及びリン酸水素カルシウム二水和物などの希釈剤も含む。

0157

錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、及びポリソルベート80などの表面活性化薬剤、並びに二酸化ケイ素、及びタルクなどの流動促進剤も所望により含む場合がある。これらが含まれる場合、表面活性化薬剤は、錠剤の0.2重量%から5重量%を構成する場合があり、流動促進剤は、錠剤の0.2重量%から1重量%を構成する場合がある。

0158

錠剤は、一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムステアリン酸亜鉛ステアリルフマル酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウムとステアリン酸マグネシウムの混合物などの潤滑剤も含む。潤滑剤は、一般的に、錠剤の0.25重量%から10重量%、好ましくは、0.5重量%から3重量%を構成する。

0159

その他の可能な成分は、抗酸化剤、着色剤、香味剤、防腐剤、及び矯味剤を含む。

0160

錠剤混合物を、直接的に、またはローラーによって圧縮して、錠剤を形成する場合がある。或いは、錠剤混合物、または混合物の一部を、錠剤化する前に、湿式、乾式、若しくは溶融造粒する、溶融凝固する、または押し出しをする場合がある。最終的な製剤は、1つ以上の層を含む場合があり、コーティングされている、またはコーティングされていない場合があり;カプセル化されている場合もある。

0161

錠剤の製剤化は、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1, by H. Lieberman and L. Lachman (Marcel Dekker, New York, 1980)において論じられている。

0162

人間、または家畜に使用するための消費可能な経口フィルムは、一般的に、速溶性、若しくは粘膜付着性である場合がある、水溶性、または水膨潤性成形しやすい薄膜剤形であり、一般的に、フィルム形成重合体、結合剤、溶媒、湿潤剤可塑剤、安定剤または乳化剤粘性調節剤、及び溶媒を含む。いくつかの製剤の成分は、1つ以上の機能を示す。

0163

本発明の組成物を含む多粒子性ビーズもまた、本発明に含まれる。

0164

その他の可能な成分は、抗酸化剤、着色剤、香味剤及び香味増強剤、保存剤、唾液刺激剤冷却剤、(油を含む)共溶媒、柔軟剤増量剤消泡剤界面活性剤、並びに矯味剤を含む。

0165

本発明に従ったフィルムは、一般的に、可剥性支持体、または紙の上にコーティングされた水性薄膜の蒸発乾燥によって調製される。このことは、乾燥オーブン若しくはトンネル内で、通常は複合コーター乾燥機内で、または凍結乾燥若しくは真空化によってなされる場合がある。

0166

経口投与のための固体製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化される場合がある。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、及びプログラム化放出を含む。

0167

高エネルギー分散、及び浸透性のコーティングされた粒子などのその他の適当な放出技術が知られている。

0168

局所投与

0169

本発明の化合物は、皮膚、または粘膜へ局所的に、すなわち、経皮的に(dermally)、または経皮的に(transdermally)投与される場合もある。この目的のための一般的な製剤は、ゲル、ヒドロゲルローション、溶液、クリーム軟膏散布剤包帯剤フォーム、フィルム、皮膚パッチオブラート、インプラント、スポンジ、繊維、絆創膏及びマイクロエマルジョンを含む。

0170

局所投与のその他の手段は、エレクトロポレーションイオントフォレーシスフォノフォレーシス、ソノフォレーシス、及びマイクロニードル注射または針なし(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)などの)注射による送達を含む。

0171

局所投与のための製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化される場合がある。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、及びプログラム化放出を含む。

0172

吸入/鼻腔内投与

0173

本発明の化合物は、一般的に、乾燥粉末の形態で(単独で、例えば、ラクトースとの乾燥混合物中で混合物として、または混合された成分粒子としてのいずれかで)乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾルスプレーとして、加圧容器ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーから、適当な噴霧剤を使用、または使用せずに、鼻腔内に投与、または吸入によって投与され得る。

0174

吸入器、または注入器で使用するためのカプセル、発泡剤、及びカートリッジは、本発明の化合物、ラクトース、またはデンプンなどの適当な粉末基剤、及びI−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤から成る粉末混合物を含むように、製剤化される場合がある。

0175

吸入/鼻腔内投与のための製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化される場合がある。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、及びプログラム化放出を含む。

0176

直腸内/内投与

0177

本発明の化合物は、直腸内、または経膣的に、例えば、坐剤、膣坐薬、または浣腸剤の形態で投与される場合がある。カカオ脂は、従来の坐剤基剤であるが、様々な代替物が、必要に応じて使用されてもよい。

0178

直腸内/経膣投与の製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化されてもよい。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、及びプログラム化放出を含む。

0179

眼/への投与

0180

本発明の化合物は、眼、または耳へ、一般的に、液滴の形態で直接投与される場合もある。眼、及び耳への投与に適するその他の製剤は、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えばシリコーン)インプラント、オブラート、レンズ、及び微粒子系を含む。製剤は、イオントフォレーシスによって送達されてもよい。

0181

眼/耳への投与のための製剤は、即時放出、及び/または調製放出であるように製剤化される場合がある。放出調節製剤は、遅延性放出、持続性放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、及びプログラム化放出を含む。

0182

使用法

0183

一実施形態において、本発明のDD−キトサン核酸ポリプレックス組成物は、治療のための処置のために使用される場合がある。このような組成物は、時々、本明細書で治療用組成物と呼ばれることもある。

0184

本発明の治療用タンパク質は、以下で論じるように、治療用核酸を含む本発明のポリプレックスによって製造される。以下に記載の対象のタンパク質の使用は、このようなタンパク質の使用に影響を与える対象のポリプレックスの使用に関する。

0185

本発明における使用のために企図される治療用タンパク質は、幅広い種類の活性を有し、幅広い種類の障害の治療において使用される。治療用タンパク質の活性、及び本発明の治療用タンパク質で治療可能な適応症に関する以下の説明は、例示的なものであって、網羅的なものを意図はしていない。用語「対象」は、好ましいとされる哺乳類、及び特に好ましいとされる人間を含む、動物を指す。

0186

治療用タンパク質、及び標的疾患の部分的なリストを、表4に示す。

0187

0188

別の実施形態において、本発明の治療用組成物は、治療用タンパク質をコードしない治療用核酸、例えば、治療用RNAを含む。例えば、疾患、及び/または望まない細胞の状態、または生理的状態の機構に含まれる遺伝子を標的とする治療用RNAを選択することによって、対象の組成物が、広範囲に亘る疾患、及び状態の治療において使用される場合がある。対象の組成物は、使用される治療用RNAが、標的の選択の範囲に関して制限されないような特性を有す。従って、対象の組成物は、適合する標的を含む、あらゆる疾患、または状態において使用される。

0189

好ましい組織、疾患、及び状態は、例示的なものであり、決して制限するものではない、以下を含む。

0190

高血糖、及び体重

0191

治療用タンパク質は、インスリン、及びインスリン類似体を含む。糖尿病は、膵臓β細胞からのインスリン産生がないこと(1型)、または不十分なこと(2型)によって引き起こされる衰弱代謝疾患である(Unger, R.H. et al., Williams Textbook of Endocrinology Saunders, Philadelphia(1998))。β細胞は、食後に放出するためのインスリンを産生、及び貯蔵する、特化した内分泌細胞であり(Rhodes, et. al. J. Cell Biol. 105:145(1987))、インスリンは、血中からグルコースを必要とする組織へのグルコースの運搬を促進するホルモンである。糖尿病の患者は、血糖値を頻繁にモニタリングしなければならず、患者の多くは、生きるために、毎日複数回のインスリン注射を必要とする。しかしながら、このような患者は、インスリン注射によって、理想的なグルコース値をほとんど達成していない(Turner, R. C. et al. JAMA 281:2005(1999))。さらに、インスリン値の上昇の持続は、低血糖ショック、及びインスリンに対する身体の反応の感度低下などの有害副作用をもたらし得る。従って、糖尿病患者は、さらに、心血管疾患腎疾患失明神経損傷、及び創傷治癒障害などの長期合併症発症する(UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group, Lancet 352, 837 (1998))。

0192

本発明の方法により治療可能な障害は、インスリン依存性(1型)、またはインスリン非依存性(2型)の糖尿病などの高血糖状態、及び高血糖状態に関連する、若しくは高血糖状態からもたらされる、生理的な状態、または障害を含む。このように、本発明の方法によって治療可能な高血糖状態は、慢性、または急性の高血糖(例えば、糖尿病)と関連する組織病理学的変化も含む。具体例は、膵臓の変性(β細胞破壊)、尿細管石灰化肝臓の変性、眼の損傷(糖尿病性網膜症)、糖尿病性病変、口や歯茎などの粘膜における潰瘍、過剰出血血液凝固及び創傷治癒の遅延、並びに冠状動脈心臓疾患、脳卒中、末梢血管疾患、脂質異常症、高血圧症、及び肥満症リスク増加を含む。

0193

対象の組成物は、グルコースの減少、耐糖性の改善、高血糖状態(例えば、糖尿病)の治療のため、または高血糖状態に関連する、若しくは高血糖状態からもたらされる、生理的な障害を治療するために有用である。このような障害は、例えば、糖尿病性(自律神経障害腎症腎損傷)、皮膚感染症及びその他の皮膚障害、(例えば、糖尿病性癰をもたらす)傷害または創傷緩徐な、または遅延した治癒、失明につながり得る目の損傷(網膜症白内障)、糖尿病性足病変、並びに加速歯周炎を含む。このような障害は、冠状動脈性心臓病、脳卒中、末梢血管疾患、脂質異常症、高血圧症、及び肥満症を発症するリスクの増加も含む。

0194

本明細書で使用される場合、用語「高血糖の」、または「高血糖」は、対象の状態に関連して使用される場合、一時的な、または慢性的な、対象の血中に存在するグルコースの異常高値に関する。前記状態は、(例えば、糖尿病を発症するリスクのあるグルコース不耐性の糖尿病予備(subdiabetic)の対象において、または糖尿病の対象において)対象がグルコース不耐性、若しくは正常な対象には一般的に見られない高いグルコース値の状態を示すような、グルコース代謝、またはグルコース吸収における遅延によって引き起され得る。空腹時血漿グルコースFPG)値は、正常血糖では、約110mg/dl未満であり、正常に機能していないグルコース代謝では、約110mg/dlと126mg/dlとの間であり、糖尿病では、約126mg/dlを超える。

0195

消化管の粘膜組織においてタンパク質を産生することによって治療可能な障害は、肥満症、または望ましくない体重も含む。レプチン、コレシストキニン、PYY、及びGLP−1は、空腹感を減少させる、エネルギー消費を増加させる、体重減少を引き起す、または正常なグルコース恒常性を提供する。このように、様々な実施形態において、肥満症、若しくは望ましくない体重、または高血糖を治療するための本発明の方法は、レプチン、コレシストキニン、PYY、またはGLP−1をコードする治療用核酸の使用を含む。別の実施形態において、グレリンを標的とする治療用RNAを使用する。グレリンは、食欲、及び空腹感を増加させる。このように、様々な実施形態において、肥満症、若しくは望ましくない体重、または高血糖を治療するための本発明の方法は、グレリンの発現を減少させるために、グレリンを標的とする治療用RNAの使用を含む。治療可能な障害は、例えば、異常高値の血清血漿LDL、VLDLトリグリセリドコレステロール、血管の狭窄または閉塞をもたらすプラークの形成、高血圧症/脳卒中、冠動脈性心疾患のリスク増加など、肥満症に一般的に関連する障害も含む。

0196

本明細書で使用される場合、用語「肥満の」、または「肥満症」は、年齢と性別とがマッチした正常な対象と比べて、体重が少なくとも30%多い対象に関する。「望ましくない体重」は、マッチした正常な対象より体重が1%〜29%大きい対象、及び体重に関して正常であるが、体重を減少させたい、または体重増加を防ぎたい対象に関する。

0197

一実施形態において、本発明の治療用タンパク質は、グルカゴンアンタゴニストである。グルカゴンは、膵島のβ細胞によって産生されるペプチドホルモンであり、グルコース代謝の主要な調節因子である(Unger R. H. & Orci L. N. Eng. J. Med. 304:1518(1981); Unger R. H. Diabetes 25:136 (1976))。インスリンのように、血中グルコース濃度は、グルカゴンの分泌を媒介する。しかしながら、インスリンとは対照的に、グルカゴンは、血中のグルコースの減少に応答して分泌される。従って、グルカゴンの循環濃度は、絶食時に最も高くなり、食事中に最も低くなる。グルカゴン値は、増加して、インスリンがグルコース貯蔵を促進するのを防ぎ、肝臓を刺激して、グルコースを血中に放出させる。グルカゴンアンタゴニストの具体例は、[des−His1,des−PHe6,Glu9]グルカゴン−NH2である。ストレプトゾトシン誘発糖尿病のラットにおいて、このグルカゴンアンタゴニストの静脈内ボーラス(0.75μg/体重g)の15分以内に、血糖値が37%下がった(Van Tine B. A. et. al. Endocrinology 137:3316 (1996))。別の実施形態において、本発明は、膵臓からのグルカゴン産生のレベルを減少させるために治療用RNAを使用することを含む、糖尿病、または高血糖を治療するための方法を提供する。

0198

別の実施形態において、高血糖状態、または望ましくない体重増加(例えば、肥満症)を治療するのに有用な本発明の治療用タンパク質は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)である。GLP−1は、食事中に腸のL細胞から放出され、膵臓のβ細胞を刺激して、インスリン分泌を増加させるホルモンである。GLP−1は、他の活性を有し、そのために、肥満症、及び糖尿病の治療にとって魅力的治療薬となっている。例えば、GLP−1は、胃内容排出を減少させ、食欲を抑制し、グルカゴン濃度を減少させ、β細胞量を増加させ、グルコースに依存する形式でインスリンの生合成と分泌とを刺激し、GLP−1は、インスリンに対する組織感受性を高める可能性がある(Kieffer T. J., Habener J. F. Endocrin. Rev. 20:876 (2000))。従って、食事と同時に起こる消化管におけるGLP−1の調節された放出は、高血糖状態、または望ましくない体重に対して、治療効果を与え得る。ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)に抵抗性であるGLP−1類似体は、長期間の作用を与え、治療価値を改善する。このように、GLP−1類似体は、好ましいとされる治療用ポリペプチドである。別の実施形態において、本発明は、DPP IVのレベルを減少させるために治療用RNAを使用することを含む、糖尿病、または高血圧を治療するための方法を提供する。

0199

別の実施形態において、高血糖状態を治療するのに有用な本発明の治療用タンパク質は、レジスチンというホルモンに対するアンタゴニストである。レジスチンは、肥満症の食事誘導性、及び遺伝性の形態において発現が上昇する、脂肪細胞由来の因子である。循環するレジスチンの中和は、肥満のマウスにおいて、血中のグルコース、及びインスリンの作用を改善する。逆に、正常なマウスへのレジスチンの投与は、耐糖性、及びインスリンの作用を損う(Steppan CM et. al. Nature 409:307 (2001))。従って、消化管におけるレジスチンの生物学的作用をアンタゴナイズするタンパク質の産生は、肥満症に関連する、インスリン抵抗性、及び高血糖状態に有効な治療を与え得る。別の実施形態において、本発明は、脂肪組織におけるレジスチンの発現レベルを減少させるために治療用RNAを使用することを含む、糖尿病、高血圧症を治療するための方法を提供する。

0200

別の実施形態において、高血糖状態、または望ましくない体重(例えば、肥満症)を治療するのに有用な本発明の治療用ポリペプチドは、レプチンである。レプチンは、脂肪細胞によって主に産生されるが、食事依存性の形式でにおいても少量産生される。レプチンは、脂肪細胞の代謝、及び体重に関する情報を、食物摂取を減少させるシグナルを出し(満腹感を促進する)、身体のエネルギー消費を増加させる脳の食欲中枢中継する。

0201

別の実施形態において、高血糖状態、または望ましくない体重(例えば、肥満症)を治療するのに有用な本発明の治療用ポリペプチドは、脂肪細胞補体関連タンパク質(adipocyte complement−related protein)(Acrp30)のC末端の球状頭部ドメインである。Acrp30は、分化した脂肪細胞によって産生されるタンパク質である。球状頭部ドメインから成るAcrp30のタンパク質切断産物のマウスへの投与は、著しい体重の減少をもたらす(Fruebis J. et al. Proc. Natl Acad. Sci USA 98:2005 (2001))。

0202

別の実施形態において、高血糖状態、または望ましくない体重(例えば、肥満症)を治療するのに有用な本発明の治療用ポリペプチドは、コレシストキニン(CCK)である。CCKは、消化管内の特定の栄養素に応じて腸から分泌される消化管ペプチドである。CCKの放出は、消費される食物の量に比例し、食事を終了させるために、脳にシグナルを送ると信じられている(Schwartz M. W. et. al. Nature 404:661−71(2000))。従って、上昇したCCKは、食事量を減らし得、体重減少、または体重の安定化を促進(すなわち、体重増加を防止、または抑制)し得る。

0203

PYYに関して、例えば、le Roux et al., Proc Nutr Soc. 2005 May; 64(2):213−6を参照されたい。

0204

免疫系障害

0205

一実施形態において、本発明の治療用組成物は、免疫調節性の活性を有す。例えば、本発明の治療用ポリペプチドは、免疫細胞の増殖、分化、または動因走化性)を活性化、または阻害することによって、免疫系の不全、または障害を治療するのに有用である場合がある。免疫細胞は、多能性幹細胞から骨髄系細胞血小板赤血球細胞好中球、及びマクロファージ)、並びにリンパ系細胞Bリンパ球、及びTリンパ球)を産生する、造血過程を通して、発生する。これらの免疫の不全、または障害の原因は、遺伝性、癌若しくは何らかの自己免疫障害などの体細胞性、(例えば、化学療法、若しくは毒素による)後天性、または感染性である場合がある。

0206

本発明の治療用組成物は、造血細胞の不全、または障害を治療するのに有用である場合がある。例えば、ある特定の(または多くの)種類の造血細胞の減少に関連するこれらの障害を治療する目的で、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化、または増殖を増大させるために、本発明の治療用ポリペプチドを使用することができる。免疫不全症候群の例として、血液タンパク質障害(例えば、無ガンマグロブリン血症異常ガンマグロブリン血症)、毛細血管拡張性運動失調症分類不能型免疫不全症ディジョージ症候群HIV感染症HTLV−BL感染症白血球接着不全症候群、リンパ球減少症貪食殺菌機能障害、重症複合免疫不全(SCID)、ウィスコット・アルドリッチ障害、貧血血小板減少症、またはヘモグロビン尿症が挙げられるが、これらに限定はされない。

0207

本発明の治療用組成物は、自己免疫障害を治療するのに有用である場合もある。多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって自己異物として不適切に認識することに起因する。この不適切な認識は、宿主組織の破壊につながる免疫応答をもたらす。従って、免疫応答、特に、T細胞の増殖、分化、または走化性を阻害する本発明の治療用組成物の投与は、自己免疫障害を防止するのに有効な治療である場合がある。

0209

同様に、喘息(特に、アレルギー性喘息)、またはその他の呼吸器系の問題などのアレルギー反応、及びアレルギー状態が、本発明の治療用組成物によって治療される場合もある。さらに、これらの分子は、アナフィラキシー抗原分子に対する過敏症、または血液型不適合を治療するのに使用され得る。

0210

本発明の治療用組成物は、臓器拒絶反応、または移植片対宿主病(GVHD)を治療、及び/または防止するために使用される場合もある。臓器拒絶反応は、宿主免疫細胞による免疫応答を通した移植組織の破壊によって起こる。同様に、免疫応答は、GVHDにも伴うが、この場合、外来移植免疫細胞が、宿主組織を破壊する。免疫応答、特に、T細胞の増殖、分化、または走化性を阻害する本発明の治療用組成物の投与は、臓器拒絶反応、またはGVHDを防止するのに有効な治療である場合がある。

0211

同様に、本発明の治療用組成物は、炎症を和らげるのに使用される場合もある。例えば、治療用ポリペプチドは、炎症反応に関係する細胞の増殖、及び分化を阻害する場合がある。これらの分子は、感染症(例えば、敗血症性ショック敗血症、若しくは全身性炎症反応症候群(SIRS))、虚血再灌流傷害、エンドトキシン致死(endotoxin lethality)、関節炎膵炎補体媒介超急性拒絶腎炎、サイトカイン若しくはケモカイン誘導性傷害、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病に関連する、またはサイトカイン(例えば、TNF若しくはIL−1)の過剰産生に起因する炎症を含む、慢性状態、及び急性状態炎症状態を治療するために使用され得る。一実施形態において、TNFαを標的にする治療用RNAが、炎症を治療するために、対象の組成物中で使用される。別の好ましい実施形態において、IL−1を標的にする治療用RNAが、炎症を治療するために、対象の組成物中で使用される。治療用RNAであるsiRNAが、特に好ましい。本発明における治療に対する目的の炎症性傷害は、慢性閉塞性肺疾患COPD)、間質性膀胱炎、及び炎症性腸疾患を含むが、これらに限定はされない。

0212

凝固障害

0213

いくつかの実施形態において、本発明の治療用組成物は、止血活性(出血を止めること)、または血栓溶解活性(血栓形成)を調節するために使用される場合もある。例えば、止血活性、または血栓溶解活性を増大させることによって、本発明の治療用組成物を使用して、血液凝固障害(例えば、無フィブリノーゲン血症、因子欠乏)、血小板異常(例えば、血小板減少症)、または外傷手術、若しくはその他の原因に起因する創傷を治療することができる。或いは、止血活性、または血栓溶解活性を増大させ得る本発明の治療用組成物を使用して、凝固を阻害、または溶解し得る。これらの治療用組成物は、心臓発作梗塞)、発作、または瘢痕化の治療において重要なものとなり得る。一実施形態において、本発明の治療用ポリペプチドは、血友病、またはその他の凝固障害の治療のために有用な凝固因子(例えば、第VIII、IX、またはX因子)である。

0214

過剰増殖性障害

0215

一実施形態において、本発明の治療用組成物は、細胞の増殖を調節できる。このような治療用ポリペプチドを使用して、腫瘍を含む過剰増殖性障害を治療し得る。

0216

本発明の治療用組成物によって治療され得る過剰増殖性障害の例として、腹部、骨、乳房消化器系、肝臓、膵臓、腹膜内分泌腺副腎副甲状腺下垂体精巣卵巣胸腺甲状腺)、眼、頭頸部、神経(中枢及び末梢)、リンパ系骨盤、皮膚、軟組織脾臓胸部、及び泌尿生殖器に位置する腫瘍が挙げられるが、これらに限定はされない。

0217

同様に、その他の過剰増殖性障害もまた、本発明の治療用組成物によって治療され得る。このような過剰増殖障害の例として、高ガンマグロブリン血症リンパ増殖性障害、パラプロテイン血症、紫斑病、サルコイドーシスセザリー症候群ワルデンシュトレームマクログロブリン血症ゴーシェ病組織球症、及び上記で挙げた器官系に位置する腫瘍以外のその他のあらゆる過剰増殖性疾患が挙げられるが、これらに限定はされない。

0218

循環器系への送達は、治療用タンパク質の幅広い種類の組織への到達を提供する。或いは、本発明の治療用組成物は、過剰増殖性障害を抑制し得るその他の細胞の増殖を刺激する場合がある。

0219

例えば、免疫応答を増大させることによって、特に、過剰増殖性障害の抗原の質を高めることによって、またはT細胞を増殖させること、分化させること、若しくは動因することによって、過剰増殖性障害を治療し得る。既存の免疫応答を高めること、または新しい免疫応答を開始させることのいずれかによって、この免疫応答を増大させる場合がある。或いは、免疫応答を減少させることは、化学療法剤を用いる方法などの、過剰増殖性障害を治療する方法である場合もある。

0220

感染症

0221

一実施形態において、本発明の治療用組成物を使用して、感染症を治療し得る。例えば、免疫応答を増大させること、特に、B細胞、及び/またはT細胞の増殖、及び分化を増大させることによって、感染症を治療する場合がある。既存の免疫応答を高めること、または新しい免疫応答を開始させることのいずれかによって、この免疫応答を増大させる場合がある。或いは、本発明の治療用組成物は、必ずしも免疫応答を誘発することなく、感染因子を直接阻害することもある。

0222

ウイルスは、本発明の治療用組成物によって治療され得る疾患、または症状を引き起し得る感染因子の一例である。ウイルスの例として、以下のDNA及びRNAウイルスファミリーが挙げられるがこれらに限定はされない:アルボウイルスアデノウイルス科アレナウイルス科アルテリウイルスビルナウイルス科、ブニヤウイルス科カリシウイルス科サーコウイルス科、コロナウイルス科フラビウイルス科ヘパドナウイルス科(肝炎)、ヘルペスウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス単純疱疹帯状疱疹など)、モノネガウイルス(例えば、パラミクソウイルス科モルビリウイルスラブドウイルス科)、オルソミクソウイルス科(例えばインフルエンザ)、パポバウイルス科パルボウイルス科ピコルナウイルス科ポックスウイルス科天然痘、または痘疹など)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウイルス)、及びトガウイルス科(例えば、ルビウイルス)。これらのファミリーに含まれるウイルスは、様々な疾患、または症状を引き起し得、前記疾患、または症状は以下を含むが、限定はされない:関節炎、細気管支炎脳炎眼感染症(例えば、結膜炎角膜炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A型、B型C型、E型、慢性活動性デルタ型)、髄膜炎日和見感染症(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫水痘出血熱麻疹流行性耳下腺炎パラインフルエンザ狂犬病、一般的な風邪ポリオ白血病風疹性感染症皮膚疾患(例えばカポジ肉腫いぼ)、及びウイルス血症。本発明の治療用組成物を使用して、あらゆるこれらの症状、または疾患を治療し得る。

0223

同様に、本発明の治療用組成物によって治療され得る疾患、若しくは症状を引き起し得る細菌因子、または真菌因子は、以下のグラム陰性菌ファミリー、及びグラム陽性菌ファミリー、並びに真菌を含むが、これらに限定はされない:放線菌目(例えば、コリネバクテリウムマイコバクテリウムノカルジア)、アスペルギルスバチルス科(例えば、炭疽菌クロストリジウム)、バクテロイデス科ブラストミセスボルデテラボレリアブルセラカンジダカンピロバクターコクシジオイデスクリプトコックス、皮膚真菌(Dermatocycoses)、腸内細菌科クレブシエラサルモネラセラチアエルシニア)、エリシペロスリクスヘリコバクターレジオネラレプトスピラリステリアマイコプラスマ目、ナイセリア科(例えば、アシネトバクター淋菌髄膜炎菌)、パスツレラ科感染症(例えばアクチノバチルス、ヘモフィラスパスツレラ)、シュードモナスリケッチア科クラミジア科梅毒、及びブドウ球菌。これらの細菌ファミリー、または真菌ファミリーは、以下の疾患、または症状を引き起こし得るが、前記疾患、または症状は以下のものに限定はされない:菌血症心内膜炎、眼感染症(結膜炎、結核ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感染症(例えば、AIDS関連感染症)、爪周囲炎プロテーゼ関連感染症、ライター病、例えば、百日咳または蓄膿症などの気道感染症、敗血症、ライム病、、引っかき病、赤痢パラチフス食中毒、肺腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎、クラミジア、梅毒、ジフテリアハンセン病パラ結核、結核、ループスボツリヌス中毒壊疽破傷風膿痂疹リウマチ熱猩紅熱、性感染症、皮膚疾患(例えば、蜂巣炎皮膚真菌症(dermatocycoses))、毒血症尿路感染症創傷感染。本発明の治療用組成物を使用して、あらゆるこれらの症状、または疾患を治療し得る。

0224

さらに、本発明の治療用組成物によって治療され得る疾患、若しくは症状を引き起す寄生虫因子は、以下のファミリーを含むが、これらに限定はされない:アメーバ症バベシア症コクシジウム症クリプトスポリジウム症二核アメーバ症、媾疫、外部寄生虫ジアルジア症蠕虫症、リーシュマニア症タイレリア症トキソプラズマ症トリパノソーマ症、及びトリコモナス。これらの寄生虫は、様々な疾患、または症状を引き起こし得、前記疾患、または症状は以下を含むが、以下に限定されるものではない:疥癬ツツガムシ病、眼感染症、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア症)、肝臓疾患肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリア妊娠合併症、及びトキソプラズマ症。本発明の治療用組成物を使用して、あらゆるこれらの症状、または疾患を治療し得る。

0225

再生

0226

本発明の治療用組成物を使用して、細胞を分化、増殖、及び誘引し、組織の再生を促進することができる(Science 276:59−87 (1997)を参照)。組織再生を使用すると、先天性欠損、外傷(創傷、火傷切開部、または潰瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗しょう症変形性関節症歯周病肝不全)、美容整形手術を含む手術、線維症再灌流傷害、または全身性サイトカイン損傷(systemic cytokine damage)によって損傷された組織を修復、置換、または保護することができる。

0227

本発明の治療用組成物は、器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋骨格筋、または心筋)、血管(血管内皮を含む)、神経、造血器官、及び骨格組織(骨、軟骨、及び靭帯)を含むが、これらに限定はされない様々な組織再生を促進する場合がある。好ましくは、再生は、少量の瘢痕化を起こすか、または瘢痕化なく再生が起こる。再生は、血管新生を含む場合もある。

0228

さらに、本発明の治療用組成物は、治癒しがたい組織の再生を増大させる場合がある。例えば、増大された腱/靭帯の再生は、損傷後の回復時間を早めるであろう。本発明の治療用組成物は、損傷を回避する目的で、予防的にも使用し得るだろう。治療され得る具体的な疾患は、腱炎手根管症候群、及びその他の腱または靭帯の欠陥を含む。治癒しない創傷の組織再生のさらなる例は、褥瘡、血管不全に伴う潰瘍、手術創傷、及び外傷性創傷を含む。

0229

同様に、神経組織、及び脳組織もまた、神経細胞を増殖、及び分化させるように本発明の治療用組成物を使用することによって、再生され得る。この方法を使用して治療され得る疾患は、中枢神経系及び末梢神経系疾患ニューロパシー、または機械的障害及び外傷性障害(例えば、脊髄障害頭部外傷脳血管疾患、及びストーク)を含む。特に、抹消神経障害、(例えば、化学療法、またはその他の医学療法からもたらされる)末梢性ニューロパシー、局所ニューロパシー、及び中枢神経系疾患(たとえば、アルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病筋萎縮性側索硬化症、及びシャイ・ドレーガー症候群)に関連する全疾患は、本発明の治療用組成物を使用して治療され得る。CNS障害に関連して、血液脳関門を破壊する方法、及び治療剤CNS中への輸送を提供する部分とを結合させる方法を含む、脳組織への治療的なアクセスを促進するための非常に多くの手段が、当分野で知られている。一実施形態において、治療用核酸は、融合タンパク質をコードするように設計され、前記融合タンパク質は、輸送部分と治療用タンパク質とを含む。或いは、対象の組成物は、直接CNSに送達される場合がある。

0230

走化性

0231

一実施形態において、本発明の治療用組成物は、走化性を調節し得る。例えば、一実施形態において、本発明の治療用ポリペプチドは、走化性活性を有す。走化性分子は、細胞(例えば、単球線維芽細胞、好中球、T−細胞、マスト細胞好酸球上皮細胞及び/または内皮細胞)を、炎症部位感染部位、または過剰増殖部位などの身体の特定の部位へ誘引、または動員する。動員された細胞は、次に、特定の外傷、または異常を、撃退、及び/または治癒し得る。

0232

例えば、本発明の治療用ポリペプチドは、特定の細胞の走化性活性を増加させる場合がある。次に、これらの走化性分子を使用して、身体の特定の位置を標的とする細胞の数を増加させることによって、炎症、感染症、過剰増殖障害、または任意の免疫系障害を治療し得る。例えば、走化性分子を使用して、免疫細胞を損傷した位置に誘引することによって、組織の創傷、及びその他の外傷を治療し得る。本発明の走化性分子は、創傷を治療するために使用され得る繊維芽細胞を誘引することも出来る。

0233

本発明の治療用組成物が、走化性活性を阻害する場合があることも企図される。これらの治療用組成物を使用して、障害を治療することもできる。このように、本発明の治療用組成物は、走化性阻害剤として使用され得る。

0234

標的組織の近くで活性化される治療前用タンパク質が、使用のために特に好ましい。

0235

使用のために企図されるさらなる治療用ポリペプチドは、以下を含むが、これらに限定はされない:成長障害または消耗症候群を治療するための成長因子(例えば、成長ホルモン、インスリン様成長因子1、血小板由来成長因子上皮成長因子、酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子トランスフォーミング成長因子βなど);並びに、外来抗原、若しくは病原体(例えば、ヘリコバクターピロリ)に対する対象の受動免疫、若しくは保護を提供するため、またはがん、関節炎、若しくは循環器疾患の治療を提供するための(例えば、ヒト、またはヒト化)抗体;サイトカイン、インターフェロン(例えば、インターフェロン(IFN)、IFN−α2b、IFN−2α、IFN−αN1、IFN−β1b、IFN−γ)、インターロイキン(例えば、IL−1からIL−10)、腫瘍壊死因子(TNF−α、TNF−β)、ケモカイン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)、ポリペプチドホルモン抗菌ポリペプチド(例えば、抗菌抗真菌抗ウイルス、及び/または抗寄生虫ポリペプチド)、酵素(例えば、アデノシンデアミナーゼ)、ゴナドトロピン走化性因子脂質結合タンパク質フィルガスチム(Neupogen)、ヘモグロビン、エリスロポエチン、インスリノトロピン(insulinotropin)、イミグルセラーゼサルブラモスチム(sarbramostim)、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、ウロキナーゼストレプトキナーゼフェニルアラニンアンモニアリアーゼ脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、トロンボポエチンTPO)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、アデノシンデアミダーゼカタラーゼカルシトニンエンドセリンL−アスパラギナーゼペプシンウリカーゼトリプシンキモトリプシンエラスターゼカルボキシペプチダーゼラクターゼスクラーゼ内因子、副甲状腺ホルモン(PTH)様ホルモン、可溶性CD4、及びこれらの抗体及び/または抗原結合断片(例えば、FAb)(例えば、オルソクローンOKT−e(抗CD3)、GPIIb/IIaモノクローナル抗体)。また、このような因子をコードする核酸を標的にする治療用RNAが企図される。

0236

ワクチン

0237

一実施形態において、本発明は、患者にワクチンを接種するための方法を提供する。前記方法は、所望のエピトープを産生可能な本発明の組成物を投与することを含む。好ましい実施形態において、前記組成物は、前記エピトープを含むタンパク質を発現可能な治療用核酸構築物を含む。

0238

化粧用途

0239

一実施形態において、本発明は、化粧用のDD−キトサン核酸ポリプレックスを提供する。対象の化粧品は、化粧用に適する製剤中にDD−キトサン核酸ポリプレックスを含む。

0240

実施例1:二重誘導体化キトサンの形成、及びDNAポリプレックスの形成

0241

キトサンを、周知の方法に従って、アルギニンとグルコン酸とで、またはアルギニンとトレオン酸とで二重誘導体化した(DD−キトサン)。DD−キトサンを、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)、またはルシフェラーゼsiRNAのいずれかをコードするDNAベクターでポリプレックス化した。

0242

実施例2:インビトロにおけるDNAポリプレックスを用いたトランスフェクション

0243

概して、インビトロにおけるDD−キトサン核酸ポリプレックス製剤を用いた293T細胞のトランスフェクションを、細胞の調製の後、トランスフェクションという2つの工程で実施した。

0244

実施例3:細胞株の維持

0245

293T細胞株は、ブリティッシュコロンビア大学(カナダバンクーバー)のTimothy Kieffer博士研究室から無料提供され、以下のように調製された。ヒト腎細胞を、SV40T抗原で形質転換し;10%のウシ胎仔血清(FBS)と、ペニシリンストレプトマイシンとを含む高グルコースダルベッコ変法イーグル培地DMEM)で成長させ;80%未満の培養密度で維持した。

0246

実施例4:トランスフェクションのための細胞の調製

0247

細胞を、以下のようにトランスフェクションのために調製した。トランスフェクションの前日、293T細胞を、3mLの完全培地(高グルコースのDMEM+10%FBS+ペニシリン/ストレプトマイシン)中の6ウェル組織培養プレート(4.5x105細胞/ウェル)に加えた。トランスフェクションの当日、細胞を1回リン酸緩衝食塩水PBS)で洗浄し、0.5mLの0.05%トリプシンで細胞をトリプシン処理し、0.5mLの完全培地を加え、血球計数器を使用して10μLを数えることによって、2つの選択されたウェルに関して、細胞数を決定した。細胞が約50%コンフルエント(約7x105細胞/ウェル)であった場合、次に、トランスフェクションを進めた。(細胞が低密度すぎた、またはコンフルエントすぎた場合、その後トランスフェクションを進ませなかった。)

0248

実施例5:細胞のトランスフェクション

0249

トランスフェクションを以下のように実施した。まず、培地を各ウェルから除去し、1mLのOpti−mem(pH7.4)を各ウェルに加え、穏やかに回転し、次に除去した。(細胞が除去されることを防ぐように、6個のウェルを同時に洗浄した)。次に、さらに1mLのOpti−mem(pH7.4)を、細胞を除去しないように注意しながら各ウェルに加えた。次に、ポリプレックス試料を各ウェルに加え(目的の2μgのDNA)、回転し、37℃で2時間インキュベートした。インキュベート後、培地を除去し、2mLの完全培地で置き換え、37℃で再びインキュベートした。必要な時点で、上澄みを除去し、−20℃でその後のSEAPアッセイのために保存した。

0250

実施例6:SEAPタンパク質アッセイ

0251

SEAPアッセイを、SEAP化学発光アッセイキット(Chemiluminescent Assay kit)を使用して実施した。アッセイのための全ての試薬を、使用前に、25℃で30分間、平衡化した。0.1%ウシ血清アルブミン、及び50%グリセロールを添加したキットからの1X希釈バッファー中で1mg/mLとなるように胎盤アルカリリン酸分解酵素を溶解し、次に、0.01pg/uLへのDMEMでの10倍段階希釈によって、アッセイの標準物質を調製した。次に、標準物質、及び解凍した試料を、希釈バッファーで1/4に希釈し、65℃で30分間熱失活し、上で2分間インキュベートし、(2分間室温で16100x rcfで)遠心分離し、上澄みを新しいチューブへ移した。25℃で5分間平衡化後、50uLの試料、及び標準物質を、マイクロライト−1プレートの各ウェルにそれぞれ加えた。次に、不活性化バッファー(50uL)を、各ウェルに加え、泡を作らないように、穏やかにピペット上げ下げして混合し、5分間インキュベートした。基質/エンハンサー試薬を、1:19の基質対エンハンサーの比で5分間インキュベートして調製した。次に、基質/エンハンサーを各ウェルに加え、20分間インキュベートし、次に、プレートを、1秒の積分時間でルミノメーター(Lmax11384、モレキュラーデバイス社)で読んだ。

0252

実施例7:結果

0253

図1〜3は、異なる%のアルギニン、またはグルコン酸で誘導体化されたキトサン、並びにグルコン酸、及びアルギニンの両方で二重誘導体化されたキトサンのトランスフェクション効率を示す。図1〜3は、キトサンが、アルギニン、及びグルコン酸の両方で二重誘導体化されている場合の相乗効果を示す。最も高い相乗効果が約3%のグルコン酸の最終官能化度で見られるが、相乗効果は、キトサンが、10%の最終官能化度でアルギニンで、3%から10%の最終官能化度でグルコン酸で二重官能化されている場合に見られ得る(図1)。最も高い相乗効果が約8%のグルコン酸の最終官能化度で見られるが、相乗効果は、キトサンが、52%の最終官能化度でアルギニンで、3%から8%に亘る最終官能化度でグルコン酸で、二重官能化されている場合にも見られ得る(図2)。また、26%と6%の最終官能化度でアルギニンとグルコン酸で二重官能化されているキトサンが、トランスフェクション効率における最大の相乗効果を示した(図3)。最後に、相乗効果は、キトサンが、アルギニン、及びグルコン酸の代わりにトレオン酸などの代替部分で二重誘導体化されている場合にも見られ得る。相乗効果は、キトサンが、29%の最終官能化度でアルギニンで、3%からの最終官能化度でトレオン酸で二重官能化されている場合に、観察される(図4)。

0254

実施例8:

0255

キトサンは、アルギニン、並びに2,3−ジヒドロキシルプロパン酸;2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシルヘプタナール;2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシルヘキサナール;2,3,4,5−テトラヒドロキシルヘキサナール;及び、2,3−ジヒドロキシルプロパナールから成る群から選択されるHPで二重誘導体化され(DD−キトサン)、実施例1〜7に従って分析される。DD−キトサンは、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)、またはルシフェラーゼsiRNAのいずれかをコードするDNAベクターでポリプレックス化される。

0256

全ての引用は、参照によってその全体が本明細書に明確に組み入れられる。

0257

本明細書に関連する全ての特許、及び特許公報は、参照によって本明細書に組み入れられる。

実施例

0258

上述の記載を読んだ上で、当業者が、ある特定の変更、及び改良を思いつくであろう。このような変更、及び改良が、簡明化と読み易さの目的で、本明細書から除外されているが、以下の特許請求の範囲内に適切に存在することが理解されるべきである。

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