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課題

特定の腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと、ヒトPD−L1に結合する特異的抗体との瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの提供。

解決手段

がん治療における併用療法としての使用のための、転移の予防又は治療における併用療法としての使用のための、炎症性疾患の治療における併用療法としての使用のための、腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する若しくは進行を遅延させることにおける併用療法としての使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける併用療法としての使用のための、特定の配列を持つヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを提供する。

概要

背景

がんは、経済的に先進国における主要な死因であり、発展途上国における死亡原因の第2位である。化学療法の近年の進歩及び癌細胞における増殖シグナル形質導入及び調節を妨げる分子レベルを標的とする薬剤の開発にもかかわらず、進行がん患者の予後は一般的に劣っているままである。結果として、容認できない毒性を引き起こさずに生存を増加させるために既存の治療法に加えることができる新しい治療法を開発するための、持続的かつ緊急の医学的必要性が存在する。

IL−2及び腫瘍標的化IL−2ベース免疫サイトカイン
インターロイキン2(IL−2)は、リンパ球及びナチュラルキラー(NK)細胞活性化するサイトカインである。IL−2は、抗腫瘍活性を有することが示されている;しかし、高レベルのIL−2は毒性をもたらし、IL−2の抗腫瘍活性は、多数の抑制性フィードバックループによって制限される。

その抗腫瘍効果に基づいて、高用量のIL−2(アルデスロイキン、Proleukin(登録商標)として市販されている)治療が、米国においては転移性腎細胞癌(RCC)及び悪性黒色腫患者での使用のために、及び欧州連合においては転移性RCC患者のために承認されている。しかしながら、IL−2の作用機序の結果として、IL−2の全身性及び非標的適用は、Treg細胞及びAICDの誘導を介して抗腫瘍免疫をかなり損なう可能性がある。全身性IL−2治療の更なる懸念は、重篤心血管疾患肺浮腫肝臓胃腸GI)、神経学的及び血液学的事象に関連する(Proleukin(aldesleukin)製品特性概要[SmPC]:http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/19322/SPC/(2013年5月27日にアクセス))。低用量のIL−2レジメンは、患者において試験されているが、最適以下の治療結果を犠牲にしている。まとめると、IL−2を利用する治療的なアプローチは、その適用に関連する不利益を克服することができる場合、がん治療に有用であり得る。腫瘍標的抗原結合部分及びIL−2ベースのエフェクター部分を含む免疫複合体は、例えば、国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されている。

PD−L1及びPD−L1抗体
T細胞に対する二つの異なるシグナルの共刺激又は提供は、抗原提示細胞APC)による静止Tリンパ球のリンパ球活性化の広く受け入れられたモデルである。Lafferty et al., Aust. J. Exp. Biol. Med. Sci. 53: 27-42 (1975)。

このモデルは更に、非自己からの自己の区別と免疫寛容とを提供する。Bretscher et al., Science 169: 1042-1049 (1970); Bretscher, P.A., P.N.A.S. USA 96: 185-190 (1999); Jenkins et al., J. Exp. Med. 165: 302-319 (1987)。一次シグナル又は抗原特異的シグナルは、主要組織適合性遺伝子複合体MHC)に関して提示される外来抗原ペプチドの認識に続いてT細胞受容体(TCR)により変換される。二次シグナル又は共刺激シグナルは、抗原提示細胞(APC)上に発現される共刺激分子によりT細胞に送達され、クローン増殖サイトカイン分泌及びエフェクター機能を促進するようにT細胞を誘導する。Lenschow et al., Ann. Rev. Immunol. 14:233 (1996)。共刺激の非存在下では、T細胞は、抗原刺激不応となることがあり、有効な免疫応答を有さず、更には外来抗原に対する枯渇又は耐性を招きうる。

TCRシグナルの強度は実際にT細胞の活性化及び分化に対して定量的な影響を有するため、単純な2シグナルモデルは過度単純化となりうる。Viola et al., Science 273: 104-106 (1996); Sloan-Lancaster, Nature 363: 156-159 (1993)。更に、T細胞の活性化は、TCRシグナル強度が高い場合、共刺激シグナルの非存在下においても起こりうる。更に重要なことには、T細胞はポジティブ及びネガティブ両方の二次的な共刺激シグナルを受け取る。このようなポジティブ及びネガティブなシグナルの調節は、免疫寛容を維持し、自己免疫を防ぎながら、宿主防御免疫応答最大化するために極めて重要である。

ネガティブな二次シグナルは、T細胞トレランスの誘導に必要と考えられ、ポジティブなシグナルはT細胞活性化を促進する。単純な2シグナルモデルは依然としてナイーブリンパ球の妥当説明となるが、宿主の免疫応答は動的な過程であり、やはり共刺激シグナルが抗原曝露T細胞に提供されうる。

共刺激シグナルの操作が、細胞に基づく免疫応答を亢進又は終了させる手段となることが示されているため、共刺激の機序は治療的関心事である。最近、T細胞の機能障害又はアネルギーが、抑制受容体、すなわちプログラム死ポリペプチド(PD−1)発現の誘導及び維持と同時に起こることが発見された。結果として、治療標的のPD−1と、PD−1との相互作用によりシグナル伝達する他の分子、例えばプログラム死リガンド1(PD−L1)及びプログラム死リガンド2(PD−L2)は、非常に興味深い領域である。PD−L1シグナル伝達の阻害は、がんの治療のためのT細胞免疫(例えば、腫瘍免疫)、並びに急性及び慢性(例えば、持続性)感染を含む感染を亢進する手段として提示された。しかしながら、この経路において標的に向けられた最適な治療は未だ商業化されておらず、未だ満たされていない極めて大きな医学的需要が存在している。PD−L1に対する抗体は、例えば国際公開第2010/077634号に記載されている。

概要

特定の腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと、ヒトPD−L1に結合する特異的抗体との瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの提供。がんの治療における併用療法としての使用のための、転移の予防又は治療における併用療法としての使用のための、炎症性疾患の治療における併用療法としての使用のための、腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する若しくは進行を遅延させることにおける併用療法としての使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける併用療法としての使用のための、特定の配列を持つヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを提供する。なし

目的

このモデルは更に、非自己からの自己の区別と免疫寛容とを提供する

効果

実績

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請求項1

がん治療における併用療法としての使用のための、転移の予防又は治療における併用療法としての使用のための、炎症性疾患の治療における併用療法としての使用のための、腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する若しくは進行を遅延させることにおける併用療法としての使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける併用療法としての使用のための、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであって、ここで、併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列、又はb)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又はc)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又はd)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列、又はe)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列、又はf)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又はg)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又はh)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列を含むことを特徴とし、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又はb)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又はc)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又はd)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又はe)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又はf)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又はg)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又はh)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又はi)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又はj)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又はk)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又はl)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又はm)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又はn)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又はo)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又はp)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項2

がんの治療における使用のための、請求項1に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項3

乳がん肺がん結腸がん、卵巣がんメラノーマがん、膀胱がん腎がん腎臓がん、肝臓がん頭頸部がん結腸直腸がん、メラノーマ、膵臓がん胃がん食道がん中皮腫前立腺がん白血病リンパ腫骨髄腫の治療における使用のための、請求項2に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項4

転移の予防又は治療における使用のための、請求項1に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項5

炎症性疾患の治療における使用のための、請求項1に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項6

腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する又は進行を遅延させることにおける使用のための、請求項1に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項7

T細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける使用のための、請求項1に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項8

i)免疫サイトカインの標的を発現する腫瘍における腫瘍増殖阻害;及び/又はii)免疫サイトカインの標的を発現する腫瘍を有する被験体生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおける使用のための、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであって、ここで、標的は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示され、ここで、併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又はb)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又はc)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又はd)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列、又はe)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又はf)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又はg)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又はh)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又はb)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又はc)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又はd)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又はe)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又はf)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又はg)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又はh)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又はi)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又はj)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又はk)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又はl)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又はm)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又はn)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又はo)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又はp)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項9

i)CEA発現腫瘍における腫瘍増殖の阻害;及び/又はii)CEA発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおける使用のための、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせたCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであって、ここで、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され;ここで、併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列、又はb)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又はc)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又はd)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又はb)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又はc)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又はd)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又はe)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又はf)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又はg)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又はh)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又はi)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又はj)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又はk)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又はl)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又はm)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又はn)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又はo)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又はp)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項10

i)FAP発現腫瘍における腫瘍増殖の阻害;及び/又はii)FAP発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおける使用のための、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせたFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであって、ここで、併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、a)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又はb)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又はc)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又はd)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又はb)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又はc)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又はd)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又はe)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又はf)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又はg)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又はh)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又はi)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又はj)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又はk)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又はl)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又はm)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又はn)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又はo)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又はp)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項11

CEA発現腫瘍又はCEAの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有するか、FAP発現腫瘍又はFAPの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有するか、あるいはCEA又はFAPの発現若しくは過剰発現に関連する腫瘍を有する患者の治療における使用のための、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであって、ここで免疫サイトカインは、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され、ここで、併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列、又はb)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又はc)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又はd)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列、又はe)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列、又はf)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又はg)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又はh)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又はb)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又はc)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又はd)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又はe)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又はf)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又はg)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又はh)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又はi)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又はj)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又はk)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又はl)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又はm)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又はn)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又はo)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又はp)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項12

併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインが、配列番号84、配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列;又は配列番号79、配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体が、a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載の、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項13

免疫サイトカインの抗体成分及び抗体が、ヒトIgGサブクラスのもの又はヒトIgG4サブクラスのものであることを特徴とする、請求項1から12の何れか一項に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項14

前記抗体が、低下した又は最少のエフェクター機能を有することを特徴とする、請求項1から13の何れか一項に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項15

最少のエフェクター機能が、エフェクターを有さない(effectorless)Fc変異に起因することを特徴とする、請求項1から14の何れか一項に記載のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

請求項16

エフェクターを有さない(effectorless)Fc変異が、L234A/L235A又はL234A/L235A/P329G又はN297A又はD265A/N297Aである、請求項1から15の何れか一項に記載の、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン。

技術分野

0001

本発明は、特定の腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと、ヒトPD−L1に結合する特異的抗体との併用療法に関する。

背景技術

0002

がんは、経済的に先進国における主要な死因であり、発展途上国における死亡原因の第2位である。化学療法の近年の進歩及び癌細胞における増殖シグナル形質導入及び調節を妨げる分子レベルを標的とする薬剤の開発にもかかわらず、進行がん患者の予後は一般的に劣っているままである。結果として、容認できない毒性を引き起こさずに生存を増加させるために既存の治療法に加えることができる新しい治療法を開発するための、持続的かつ緊急の医学的必要性が存在する。

0003

IL−2及び腫瘍標的化IL−2ベースの免疫サイトカイン
インターロイキン2(IL−2)は、リンパ球及びナチュラルキラー(NK)細胞活性化するサイトカインである。IL−2は、抗腫瘍活性を有することが示されている;しかし、高レベルのIL−2は毒性をもたらし、IL−2の抗腫瘍活性は、多数の抑制性フィードバックループによって制限される。

0004

その抗腫瘍効果に基づいて、高用量のIL−2(アルデスロイキン、Proleukin(登録商標)として市販されている)治療が、米国においては転移性腎細胞癌(RCC)及び悪性黒色腫患者での使用のために、及び欧州連合においては転移性RCC患者のために承認されている。しかしながら、IL−2の作用機序の結果として、IL−2の全身性及び非標的適用は、Treg細胞及びAICDの誘導を介して抗腫瘍免疫をかなり損なう可能性がある。全身性IL−2治療の更なる懸念は、重篤心血管疾患肺浮腫肝臓胃腸GI)、神経学的及び血液学的事象に関連する(Proleukin(aldesleukin)製品特性概要[SmPC]:http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/19322/SPC/(2013年5月27日にアクセス))。低用量のIL−2レジメンは、患者において試験されているが、最適以下の治療結果を犠牲にしている。まとめると、IL−2を利用する治療的なアプローチは、その適用に関連する不利益を克服することができる場合、がん治療に有用であり得る。腫瘍標的抗原結合部分及びIL−2ベースのエフェクター部分を含む免疫複合体は、例えば、国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されている。

0005

PD−L1及びPD−L1抗体
T細胞に対する二つの異なるシグナルの共刺激又は提供は、抗原提示細胞APC)による静止Tリンパ球のリンパ球活性化の広く受け入れられたモデルである。Lafferty et al., Aust. J. Exp. Biol. Med. Sci. 53: 27-42 (1975)。

0006

このモデルは更に、非自己からの自己の区別と免疫寛容とを提供する。Bretscher et al., Science 169: 1042-1049 (1970); Bretscher, P.A., P.N.A.S. USA 96: 185-190 (1999); Jenkins et al., J. Exp. Med. 165: 302-319 (1987)。一次シグナル又は抗原特異的シグナルは、主要組織適合性遺伝子複合体MHC)に関して提示される外来抗原ペプチドの認識に続いてT細胞受容体(TCR)により変換される。二次シグナル又は共刺激シグナルは、抗原提示細胞(APC)上に発現される共刺激分子によりT細胞に送達され、クローン増殖サイトカイン分泌及びエフェクター機能を促進するようにT細胞を誘導する。Lenschow et al., Ann. Rev. Immunol. 14:233 (1996)。共刺激の非存在下では、T細胞は、抗原刺激不応となることがあり、有効な免疫応答を有さず、更には外来抗原に対する枯渇又は耐性を招きうる。

0007

TCRシグナルの強度は実際にT細胞の活性化及び分化に対して定量的な影響を有するため、単純な2シグナルモデルは過度単純化となりうる。Viola et al., Science 273: 104-106 (1996); Sloan-Lancaster, Nature 363: 156-159 (1993)。更に、T細胞の活性化は、TCRシグナル強度が高い場合、共刺激シグナルの非存在下においても起こりうる。更に重要なことには、T細胞はポジティブ及びネガティブ両方の二次的な共刺激シグナルを受け取る。このようなポジティブ及びネガティブなシグナルの調節は、免疫寛容を維持し、自己免疫を防ぎながら、宿主防御免疫応答最大化するために極めて重要である。

0008

ネガティブな二次シグナルは、T細胞トレランスの誘導に必要と考えられ、ポジティブなシグナルはT細胞活性化を促進する。単純な2シグナルモデルは依然としてナイーブリンパ球の妥当説明となるが、宿主の免疫応答は動的な過程であり、やはり共刺激シグナルが抗原曝露T細胞に提供されうる。

0009

共刺激シグナルの操作が、細胞に基づく免疫応答を亢進又は終了させる手段となることが示されているため、共刺激の機序は治療的関心事である。最近、T細胞の機能障害又はアネルギーが、抑制受容体、すなわちプログラム死ポリペプチド(PD−1)発現の誘導及び維持と同時に起こることが発見された。結果として、治療標的のPD−1と、PD−1との相互作用によりシグナル伝達する他の分子、例えばプログラム死リガンド1(PD−L1)及びプログラム死リガンド2(PD−L2)は、非常に興味深い領域である。PD−L1シグナル伝達の阻害は、がんの治療のためのT細胞免疫(例えば、腫瘍免疫)、並びに急性及び慢性(例えば、持続性)感染を含む感染を亢進する手段として提示された。しかしながら、この経路において標的に向けられた最適な治療は未だ商業化されておらず、未だ満たされていない極めて大きな医学的需要が存在している。PD−L1に対する抗体は、例えば国際公開第2010/077634号に記載されている。

0010

本発明は、がん又は腫瘍の治療における使用のための、転移の予防又は治療における使用のための、炎症性疾患の治療における使用のための、免疫関連疾患(例えば、腫瘍免疫)を治療する若しくは進行を遅延させることにおける使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける使用のための、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと、ヒトPD−L1に結合する抗体との併用療法を含む。

0011

本発明は、がん又は腫瘍の治療における使用のための、転移の予防又は治療における使用のための、炎症性疾患の治療における使用のための、免疫関連疾患(例えば、腫瘍免疫)を治療する若しくは進行を遅延させることにおける使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける使用のための医薬の製造のための腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの使用を含み、ここで、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与される。

0012

本発明は、がん又は腫瘍の治療における使用のための、転移の予防又は治療における使用のための、炎症性疾患の治療における使用のための、免疫関連疾患(例えば、腫瘍免疫)を治療する若しくは進行を遅延させることにおける使用のための、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することにおける使用のための医薬の製造のためのヒトPD−L1に結合する抗体の使用を含み、ここで、ヒトPD−L1に結合する抗体は、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと組み合わせて投与される。

0013

本発明は、がん又は腫瘍の治療方法、転移の予防又は治療の方法、炎症性疾患の治療の方法、腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する若しくは進行を遅延させる方法、又はT細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激する方法を含み、該方法は、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとヒトPD−L1に結合する抗体との併用療法を投与することを含む。

0014

併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体、又はその抗原結合断片、及び
野生型IL−2、例えば配列番号2として示されるヒトIL−2と比較して)IL−2受容体のα−サブユニットへの結合親和性が低下したIL−2変異体、特にヒトIL−2の変異体、例えば、
i)配列番号2で示されるヒトIL−2の残基42,45及び72に対応する位置から選択される1つ、2つ又は3つの位置で1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換、例えば、3つの位置で3つの置換、例えば特定のアミノ酸置換F42A、Y45A及びL72G;
又は
ii)i)に示された特徴に加えて、配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3に対応する位置でのアミノ酸置換、例えば特異的アミノ酸置換T3A;又は
iii)配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3,42,45及び72に対応する位置に4つのアミノ酸置換、例えば特定のアミノ酸置換T3A、F42A、Y45A及びL72G
を含むIL−2など
を含むことを特徴とする。

0015

併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン並びに、2つのサブユニットからなり、2つの非同一ポリペプチド鎖のヘテロ二量化を促進する修飾を含むFcドメイン、及び
(野生型IL−2、例えば配列番号2として示されるヒトIL−2と比較して)IL−2受容体のα−サブユニットへの結合親和性が低下したIL−2変異体、特にヒトIL−2の変異体、例えば、
i)配列番号2で示されるヒトIL−2の残基42,45及び72に対応する位置から選択される1つ、2つ又は3つの位置で1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換、例えば、3つの位置で3つの置換、例えば特定のアミノ酸置換F42A、Y45A及びL72G;又は
ii)i)に示された特徴に加えて、配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3に対応する位置でのアミノ酸置換、例えば特異的アミノ酸置換T3A;又は
iii)配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3、42、45及び72に対応する位置に4つのアミノ酸置換、例えば特定のアミノ酸置換T3A、F42A、Y45A及びL72G
を含むIL−2など
を含むことを特徴とする。

0016

抗体は、腫瘍標的化IL−2変異型免疫グロブリンCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであるように、抗体の標的として癌胎児性抗原(CEA)又は線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に結合することができ、従って、免疫サイトカインの抗CEA抗体又は抗FAP抗体成分を有する。

0017

Fcドメイン修飾促進ヘテロ二量体化は、Fcドメインのサブユニットの1つにノブ修飾を含み、Fcドメインの2つのサブユニットのうちの他方にホール修飾を含むノブ・イントゥー・ホール修飾、2つのポリペプチド鎖の界面における1つ以上のアミノ酸残基荷電アミノ酸残基による置換を含む静電ステアリング効果を媒介する修飾、例えば1つのサブユニット上のDD変異(例えば、K392D、K409D;EU番号付け)、及び他のサブユニット上のKK変異(例えば、D356K、D399K;EU番号付け)であり得る。ヒトIgGFc領域の例示的な配列を配列番号1として示す。

0018

併用療法で使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであってもよく、これは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列を含み得、
又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであってもよく、これは
e)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
f)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
g)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
h)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列を含み得る。

0019

本併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0020

実施態様において、併用療法で使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであり、これは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列を含むことを特徴とし、
又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインであり、これは
a)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
c)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列、
を含むことを特徴とし、
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体が、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0021

実施態様において、併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号84、配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする。

0022

実施態様において、併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列を含むことを特徴とし;
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
b)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVLを含むことを特徴とする。

0023

実施態様において、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとの併用療法は、がん又は腫瘍の治療に使用するためのものである。がん又は腫瘍は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に抗原を提示し得る。併用療法の標的は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示され得る。がん又は腫瘍は、CEA又はFAPを発現又は過剰発現し得る。治療は固形腫瘍のためのものであり得る。固形腫瘍は、CEA又はFAPを発現又は過剰発現し得る。治療は癌のためのものであり得る。癌は、CEA又はFAPを発現又は過剰発現し得る。がんは、結腸直腸がん頭頸部がん非小細胞肺がん乳がん膵臓がん肝臓がん及び胃がんからなる群から選択され得る。がんは、肺がん結腸がん、胃がん、乳がん、頭頸部がん、皮膚がん、肝臓がん、腎臓がん、前立腺がん、膵臓がん、脳がん及び骨格筋のがんからなる群から選択され得る。

0024

実施態様において、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとの併用療法は、転移の予防又は治療に使用するためのものである。

0025

実施態様において、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとの併用療法は、炎症性疾患の治療に使用するためのものである。

0026

実施態様において、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとの併用療法は、腫瘍免疫などの免疫関連疾患を治療する又は進行を遅延させるためのものである。

0027

実施態様において、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインとの併用療法は、T細胞活性などの免疫応答又は機能を刺激することに使用するためのものである。

0028

本発明は、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを含み、ここで、免疫サイトカインは、
i)免疫サイトカインの標的を発現する腫瘍における腫瘍増殖の阻害;
ii)免疫サイトカインの標的を発現する腫瘍を有する被験体生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させること
に使用のために、上述のヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され、
ここで、標的は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示され得る。

0029

本発明は、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを含み、ここで、免疫サイトカインは、
i)CEA発現腫瘍における腫瘍増殖の阻害;
ii)CEA発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させること
に使用のために、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され、
ここで、併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0030

本発明は、FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを含み、ここで、免疫サイトカインは、
i)FAP発現腫瘍における腫瘍増殖の阻害;
ii)FAP発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させること
に使用のために、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され、
ここで、併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
c)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
d)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0031

本発明は、CEA発現腫瘍又はCEAの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有するか、FAP発現腫瘍又はFAPの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有するか、あるいはCEA又はFAPの発現若しくは過剰発現に関連する腫瘍を有する患者の治療における使用のための、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを含み、ここで、免疫サイトカインは、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与され、
ここで、併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列、又は
e)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
f)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
g)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
h)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0032

一実施態様では、免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒトIgG1サブクラス又はヒトIgG4サブクラスのものである。

0033

本発明は、
A)i)CEA発現腫瘍又はFAP発現腫瘍における腫瘍増殖の阻害;
ii)CEA発現腫瘍又はFAP発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上するための方法であって、
ここで、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与される方法、
又は
B)CEA発現腫瘍又はCEAの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有するか、又はFAP発現腫瘍又はFAPの発現若しくは過剰発現を特徴とする腫瘍を有する患者の治療の方法であって、ここで、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインはヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて投与される方法であって、
ここで、併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
ここで、併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
e)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
f)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
g)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
h)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
かつ併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする、
方法を含む。

0034

本明細書に記載される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン及び抗体の併用療法は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原を標的とする治療を必要とする患者のための利益を示す。本明細書に記載されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン及び抗体の併用療法は、CEA標的療法を必要とする患者のための利益を示す。本明細書に記載されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン及び抗体の併用療法は、FAP標的療法を必要とする患者のための利益を示す。本発明による腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、標的発現腫瘍に対する腫瘍増殖阻害活性において有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明による腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、標的発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおいて有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明による特異的CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEA発現腫瘍に対する腫瘍増殖阻害活性において有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される特異的抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明による特異的CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEA発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおいて有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される特異的抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明による特異的FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、FAP発現腫瘍に対する腫瘍増殖阻害活性において有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される特異的抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明による特異的FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、FAP発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上させることにおいて有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される特異的抗PD−L1抗体と組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。本発明によるヒトPD−L1に結合する特異的抗体は、CEA発現腫瘍又はFAP発現腫瘍を有する被験体の生存期間中央値及び/又は全生存期間を向上する有効性を示し、とりわけ本明細書に記載される特異的CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインと組み合わせたがん及び転移の治療において特に有用である。

図面の簡単な説明

0035

CEA−IL2v及びPD−L1 Mabを単独の薬剤として、及び組み合わせの設定で用いた有効性実験の結果を示す。MC38−CEAトランスフェクタント結腸直腸癌細胞株を、肝転移モデルにおける生存を研究するためにBlack 6−huCEA−hu FcγRIIItgマウス門脈に注射した。マウス1匹につきmg/kg単位で注射される抗体の量が、図の説明文に示されている。
CEA−IL2v及びPD−L1 Mabを単独の薬剤として、及び組み合わせの設定で用いた有効性実験の結果を示す。MC38−CEAトランスフェクタント結腸直腸癌細胞株を、皮下モデルにおいて腫瘍増殖阻害を研究するために、Black 6−huCEA−huFcγRIII tgマウスに皮下注射し、腫瘍サイズキャリパーを用いて測定した。マウス1匹につきmg/kg単位で注射される抗体の量が、図の説明文に示されている。
CEA−IL2v及びPD−L1 Mabを単独の薬剤として、及び組み合わせの設定で用いた有効性実験の結果を示す。Panc02−H7−CEAトランスフェクタント膵臓癌細胞株を、膵臓同所性同系モデルにおける生存を研究するために、Black 6−huCEA−huFcγRIII tgマウスの膵臓に注射した。マウス1匹につきmg/kg単位で注射される抗体の量が、図の説明文に示されている。
CEA標的化CEA−IL2v及びPD−L1 Mab又は非標的化DP47−IL2v及びPD−L1 Mabを、単独の薬剤として、及び組み合わせの設定で用いた有効性実験の結果(A)を示す。Panc02−H7−CEAトランスフェクタント膵臓癌細胞株を、膵臓の同所性同系モデルにおける生存を研究するために、Black 6−huCEA−huFcγRIII tgマウスの膵臓に注射した。マウス1匹につきmg/kg単位で注射される抗体の量が、図の説明文に示されている。(B)最初の投与後のIL2vの血清レベルが、異なる処置群について示されている。
ヒトPMBCとヒトA549肺がん細胞株との共培養において、CEA−IL2vによる処置が濃度依存的にA549細胞上のPD−L1のアップレギュレーションを誘導することを示すインビトロ研究の結果を示す。A549腫瘍細胞上のPD−L1発現を、10nM又は100nMのCEA−IL2v単独で(A)、又はE:T比が1:1(B)若しくは10:1(C)のPBMCの存在下で処置した後、フローサイトメトリーによって分析した。
FAP−IL2v及びPD−L1 Mabを単独の薬剤として、及び組み合わせの設定で用いた有効性実験の結果を示す。MC38−FAPトランスフェクタント結腸直腸癌細胞株を、皮下モデルにおいて腫瘍増殖阻害を研究するために、Black 6マウスに皮下注射した。(A)腫瘍のサイズ(キャリパーを用いて測定);(B)生存。n=14。

0036

発明の詳細な説明
IL−2経路
インビトロ及びインビボの両方でリンパ球及びNK細胞集団を増やして活性化するIL−2の能力は、IL−2の抗腫瘍効果を説明する。しかし、過剰な免疫応答及び潜在的な自己免疫を防ぐための調節機構として、IL−2は活性化誘導細胞死(AICD)をもたらし、活性化T細胞Fas媒介アポトーシス感受性にする。

0037

更に、IL−2は、末梢CD4+ CD25+Treg細胞の維持及び増殖に関与している(Fontenot JD, Rasmussen JP, Gavin MA, et al. A function for interleukin 2 in Foxp3 expressing regulatory T cells. Nat Immunol. 2005; 6:1142-1151; D'Cruz LM, Klein L. Development and function of agonist-induced CD25+Foxp3+ regulatory T cells in the absence of interleukin 2 signaling. Nat Immunol. 2005; 6:1152 1159; Maloy KJ, Powrie F. Fueling regulation: IL-2 keeps CD4+ Treg cells fit. Nat Immunol. 2005; 6:1071-1072)。これらの細胞は、細胞−細胞接触又はIL−10若しくはトランスフォーミング成長因子(TGF)−βなどの免疫抑制性サイトカインの放出を介して、エフェクターT細胞が自己又は標的を破壊するのを抑制する。Treg細胞の枯渇は、IL−2誘導性抗腫瘍免疫を増強することが示された(Imai H, Saio M, Nonaka K, et al. Depletion of CD4+CD25+ regulatory T cells enhances interleukin-2-induced antitumor immunity in a mouse model of colon adenocarcinoma. Cancer Sci. 2007; 98:416-423)。

0038

IL−2はまた、CD8+ T細胞の一次及び二次増殖の間の記憶CD8+ T細胞分化において重要な役割を果たす。IL−2は、一次抗原チャレンジ後のエフェクター機能の最適な拡大及び生成を担うようである。IL−2シグナルは、ほとんどの抗原特異的CD8+ T細胞がアポトーシスによって消失する免疫応答の収縮期に、細胞死からCD8+ T細胞を救うことができ、記憶CD8+ T細胞の持続的な増加を与える。記憶段階では、外因性IL−2の投与によってCD8+ T細胞頻度を高めることができる。更に、初期プライミングの間にIL−2シグナルを受け取ったCD8+ T細胞のみが、新たな抗原チャレンジ後の効率的な二次的増殖を媒介することができる。従って、免疫応答の異なる段階の間のIL−2シグナルは、CD8+ T細胞機能の最適化において重要であり、それによってこれらのT細胞の一次応答及び二次応答の両方に影響を及ぼす(Adv Exp Med Biol. 2010;684:28-41. The role of interleukin-2 in memory CD8 cell differentiation. Boyman O1, Cho JH, Sprent J)。

0039

その抗腫瘍効果に基づいて、高用量のIL−2(アルデスロイキン、Proleukin(登録商標)として市販されている)治療が、米国においては転移性腎細胞癌(RCC)及び悪性黒色腫患者での使用のために、及び欧州連合においては転移性RCC患者のために承認されている。しかしながら、IL−2の作用機序の結果として、IL−2の全身性及び非標的適用は、Treg細胞及びAICDの誘導を介して抗腫瘍免疫をかなり損なう可能性がある。全身性IL−2治療の更なる懸念は、重篤な心血管疾患、肺浮腫、肝臓、胃腸(GI)、神経学的及び血液学的事象に関連する(Proleukin(aldesleukin)製品特性の概要[SmPC]:http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/19322/SPC/(2013年5月27日にアクセス))。低用量のIL−2レジメンは、患者において試験されているが、最適以下の治療結果を犠牲にしている。まとめると、IL−2を利用する治療的なアプローチは、その適用に関連する不利益を克服することができる場合、がん治療に有用であり得る。

0040

癌胎児性抗原(CEA)及び線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)を含む、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に対する腫瘍標的抗原結合部分、及び例えば変異体IL−2を含むIL−2ベースのエフェクター部分を含んでなるイムノコンジュゲーは、例えば、国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されている。

0041

特に、変異体IL−2(例えば、IL−2qmとして知られている4重変異体)は、IL−2Rαサブユニット(CD25)への結合を排除することによって野生型IL−2(例えば、アルデスロイキン)又は第1世代のIL−2ベースの免疫サイトカインの限界を克服するように設計されている。この変異体IL−2 qmは、CEAに対するヒト化抗体及びFAPに対する抗体などの様々な腫瘍標的化抗体に結合されている。更に、抗体のFc領域は、Fcγ受容体及びC1q複合体への結合を防止するように改変されている。得られた腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン(例えば、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン及びFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン)は、インビトロ及びインビボの非臨床実験において、腫瘍細胞を排除することができることが示されている。

0042

従って、得られた免疫サイトカインは、IL−2Rαサブユニット(CD25)への結合を排除することによってIL−2の責務対処する一種の腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインである。

0043

用語「IL−2」又は「ヒトIL−2」は、野生型及び野生型IL−2のアミノ酸配列において1つ又は複数の変異を含むバリアント、例えば、ジスルフィド架橋されたIL−2二量体の形成を避けるためにC125A置換を有する配列番号2に示されるようなバリアントを含むヒトIL−2タンパク質を指す。IL−2は、N及び/又はO−グリコシル化部位を除去するように変異されてもよい。

0044

用語「CEA」は、様々な腫瘍型の細胞表面上で高度に発現されるタンパク質であるその免疫原性エピトープCAP−1及びCAP−2を含む癌胎児性抗原を指す。

0045

用語「FAP」は、細胞表面上に発現され、種々な腫瘍型の腫瘍細胞上又は様々な腫瘍型の腫瘍細胞環境中に提示されるタンパク質である、線維芽細胞活性化タンパク質を指す。

0046

PD−1/PD−L1/PD−L2経路
T細胞活性化を調節する重要なネガティブ共刺激シグナルは、プログラム死−1受容体(PD−1)(CD279)、そのリガンド結合パートナーPD−L1(B7−H1、CD274;配列番号88)及びPD−L2(B7−DC、CD273)によって提供される。PD−1のネガティブな調節の役割は、自己免疫を生じさせる傾向のあるPD−1のノックアウト(Pdcd1−/−)によって明らかになった。Nishimura et al., Immunity 11: 141-51 (1999); Nishimura et al., Science 291: 319-22 (2001)。PD−1は、CD28及びCTLA−4に関連しているが、ホモ二量体化を可能にする、膜近位システインを欠いている。PD−1の細胞質ドメインは、免疫受容体チロシン−ベース阻害モチーフ(ITIM、V/IxYxxL/V)を含む。PD−1はPD−L1とPD−L2にのみ結合する。Freeman et al., J. Exp. Med. 192: 1-9 (2000); Dong et al., Nature Med. 5: 1365-1369 (1999); Latchman et al., Nature Immunol. 2: 261-268 (2001); Tseng et al., J. Exp. Med. 193: 839-846 (2001)。

0047

PD−1は、T細胞、B細胞ナチュラルキラーT細胞、活性化された単球及び樹状細胞(DC)上に発現しうる。PD−1は、活性化されているが刺激されてはいないヒトCD4+及びCD8+T細胞、B細胞及び骨髄によって発現される。これは、CD28及びCTLA−4のより限定された発現とは対照的である。Nishimura et al., Int. Immunol. 8: 773-80 (1996); Boettler et al., J. Virol. 80: 3532-40 (2006)。活性化されたヒトT細胞からクローニングされた、少なくとも4つのPD−1のバリアントが存在し、それには(i)エクソン2,(ii)エクソン3,(iii)エクソン2及び3又は(iv)エクソン2〜4を欠く転写物が含まれる。Nielsen et al., Cell. Immunol. 235: 109-16 (2005)。PD−1Δex3を例外として、全ての変異体は、静止末梢血単核細胞(PBMC)中において完全長PD−1と同様のレベルで発現される。全ての変異体の発現は、抗CD3及び抗CD28によるヒトT細胞の活性化により有意に誘導される。PD−1Δex3変異体は、膜貫通ドメインを欠き、自己免疫において重要な役割を果たす可溶型CTLA−4に類似している。Ueda et al., Nature 423: 506-11 (2003)。この変異体は、関節リウマチ患者の骨液及び血清中において濃縮される。Wan et al., J. Immunol. 177: 8844-50 (2006)。

0048

2つのPD−1リガンドは、その発現パターンが異なる。PD−L1は、マウスT細胞及びB細胞、CD、マクロファージ間葉系幹細胞及び骨髄由来肥満細胞恒常的に発現される。Yamazaki et al., J. Immunol. 169: 5538-45 (2002)。PD−L1は、広い範囲の非造血細胞(例えば、角膜細胞肺細胞、血管上皮細胞、肝臓非実質細胞、間葉系幹細胞、膵島胎盤シンシチウム栄養芽層ケラチノサイトなど)に発現され [Keir et al., Annu. Rev. Immunol. 26: 677-704 (2008)]、活性化後複数の細胞型において上方制御される。I型及びII型両方のインターフェロンFNがPD−L1を上方制御する。Eppihimer et al., Microcirculation 9: 133-45 (2002); Schreiner et al., J. Neuroimmunol. 155: 172-82 (2004)。細胞株におけるPD−L1の発現は、MyD88、TRAF6及びMEKが抑制されると低下する。Liu et al., Blood 110: 296-304 (2007)。JAK2は、PD−L1誘発にも関係するとされている。Lee et al., FEBSLett. 580: 755-62 (2006); Liu et al., Blood 110: 296-304 (2007)。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)及びAktシグナル伝達を修飾する細胞ホスファターゼであるホスホターゼテンシンホモログ(PTEN)の欠失又は抑制は、がんにおける転写後のPD−L1発現を増加させた。Parsa et al., Nat. Med. 13: 84-88 (2007)。

0049

PD−L2の発現は、PD−L1より制限されている。PD−L2は、DC、マクロファージ、及び骨髄由来マスト細胞誘導的に発現される。PD−L2は、休止腹膜B1細胞の約半分から三分の二にも発現されるが、一般的なB2B細胞には発現されない。Zhong et al., Eur. J. Immunol. 37: 2405-10 (2007)。PD−L2+B1細胞は、ホスファチジルコリンに結合し、細菌抗原に対する自然免疫応答にとって重要であると思われる。IFN−ガンマによるPD−L2の誘発は、部分的にNF−κBに依存する。Liang et al., Eur. J. Immunol. 33: 2706-16 (2003)。PD−L2は、GM−CF、IL−4及びIFN−ガンマにより単球及びマクロファージにも誘導されうる。Yamazaki et al., J. Immunol. 169: 5538-45 (2002); Loke et al., PNAS 100:5336-41 (2003)。

0050

PD−1シグナル伝達は、典型的には、細胞増殖よりサイトカイン生成に大きな影響を有し、IFN−ガンマ、TNF−アルファ及びIL−2生成に大きな影響を有する。PD−1が媒介する抑制性シグナル伝達も、TCRシグナル伝達の強度に依存しており、低レベルのTCR刺激においてより大きな阻害が送達される。このような低減は、CD28による共刺激により[Freeman et al., J. Exp. Med. 192: 1027-34 (2000)]又はIL−2の存在により [Carter et al., Eur. J. Immunol. 32: 634-43 (2002)]克服されうる。

0051

PD−L1及びPD−L2によるシグナル伝達が二方向性であるという証拠蓄積されている。すなわち、TCR又はBCRシグナル伝達を修飾することに加えて、シグナル伝達は、PD−L1及びPD−L2を発現する細胞に戻るようにも送達される。ワルデンシュトレーム型ガンマグロブリン血症患者から単離された、天然にヒトの抗PD−L2抗体による樹状細胞の処置は、MHCII又はB7共刺激分子を上方制御することを見出されなかったが、このような細胞は、より多量の炎症誘発性サイトカイン、特にTNF−アルファ及びIL−6を生成し、T細胞の増殖を刺激した。Nguyen et al., J. Exp. Med. 196: 1393-98 (2002)。また、この抗体によるマウスの治療は、(1)移植されたb16メラノーマに対する耐性を亢進させ、腫瘍特異的CTLを急速に誘導し(Radhakrishnan et al., J. Immunol. 170: 1830-38 (2003); Radhakrishnan et al., Cancer Res. 64: 4965-72 (2004); Heckman et al., Eur. J. Immunol. 37: 1827-35 (2007));(2)アレルギー性喘息のマウスモデルにおける気道炎症性疾患の発生をブロックした(Radhakrishnan et al., J. Immunol. 173: 1360-65 (2004); Radhakrishnan et al., J. Allergy Clin. Immunol. 116: 668-74 (2005))。

0052

樹状細胞(「DC」)への逆シグナル伝達の更なる証拠は、可溶性PD−1と共に培養された骨髄由来のDCの研究により得られたものである(Ig定常領域に融合したPD−1ECドメイン−「s−PD−1」)。Kuipers et al., Eur. J. Immunol. 36: 2472-82 (2006)。このsPD−1は、抗PD−1の投与により可逆的に、DC活性化を阻害し、IL−10の生成を増大させた。

0053

更に、幾つかの研究では、PD−1とは独立したPD−L1又はPD−L2に対する受容体が示されている。B7.1は、既にPD−L1の結合パートナーとして同定されている。Butte et al., Immunity 27: 111-22 (2007)。化学的架橋の研究は、PD−L1及びB7.1がそれらのIgV様ドメインを介して相互作用しうることを示唆している。B7.1:PD−L1相互作用は、阻害シグナルをT細胞中に誘導することができる。B7.1によるCD4+ T細胞上でのPD−L1のライゲーション又はPD−L1によるCD4+ T細胞上でのB7.1のライゲーションは、阻害シグナルを送達する。CD28及びCTLA−4を欠くT細胞は、抗CD3+B7.1でコーティングされたビーズにより刺激したとき、増殖及びサイトカイン生成の低減を示す。B7.1の受容体の全て(すなわち、CD28、CTLA−4及びPD−L1)を欠くT細胞では、T細胞の増殖とサイトカインの生成はもはや抗CD3+B7.1コーティングビーズによって阻害されない。これは、B7.1が、CD28及びCTLA−4の非存在下においてT細胞上のPD−L1により特異的に作用することを示唆している。同様に、PD−1を欠くT細胞は、抗CD3+PD−L1コーティングビーズの存在下において刺激したとき、増殖とサイトカイン生成の低減を示した。これは、T細胞上でのB7.1に対するPD−L1ライゲーションの抑制効果を実証するものである。T細胞がPD−L1のすべての既知の受容体を欠いている場合(すなわち、PD−1及びB7.1なし)、T細胞増殖は、抗CD3+ PD−L1コーディングビーズによってもはや損なわれなかった。従って、PD−L1は、B7.1又はPD−1により、T細胞に対し抑制効果を発揮することができる。

0054

B7.1とPD−L1の直接的相互作用は、共刺激に対する現行の理解は不十分であり、T細胞上におけるこれら分子の発現に対する重要性過小評価していることを示唆する。PD−L1−/− T細胞の研究は、T細胞上のPD−L1が、T細胞のサイトカイン生成を下方制御できることを示す。Latchman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101: 10691-96 (2004)。PD−L1とB7.1の両方がT細胞、B細胞、DC及びマクロファージに発現されることから、これら細胞型においてB7.1とPD−L1とが方向性相互作用を有している可能性がある。加えて、非造血細胞上のPD−L1は、T細胞上のB7.1並びにPD−1と相互作用することができ、それらの調節にPD−L1が関与しているかという疑問を投げかけている。B7.1:PD−L1相互作用の阻害効果の一つの可能な説明は、T細胞PD−L1が、CD28との相互作用に基づいてAPCB7.1を捕獲又は分離させうるということである。

0055

結果として、PD−L1がPD−1、B7.1又はこれらの両方と相互作用することをブロックすることにより、PD−L1がネガティブな共刺激シグナルをT細胞及び他の抗原提示細胞に送ることを防ぐことを含むPD−L1によるシグナル伝達の拮抗作用は、感染症(例えば、急性及び慢性)に対する免疫性及び腫瘍免疫を亢進させると思われる。加えて、本発明の抗PD−L1は、PD−1:PD−L1シグナル伝達の他の成分のアンタゴニスト、例えば、アンタゴニスト抗PD−1抗体及び抗PD−L2抗体と組み合わせることができる。

0056

用語「ヒトPD−L1」は、ヒトタンパク質PD−L1(配列番号4、典型的にはPD−1シグナル伝達)を指す。本明細書で使用される「ヒトPD−L1への結合」又は「ヒトPD−L1に特異的に結合」又は「ヒトPD−L1に結合する」又は「抗PD−L1抗体」は、KD値1.0x10−8モル/l以下、一実施態様では、KD値1.0x10−9モル/l以下の結合親和性でヒトPD−L1抗原に特異的に結合する抗体に言及している。結合親和性は、表面プラズモン共鳴技術(BIAcore(登録商標)、GE−Healthcare Uppsala、Sweden)などの標準的な結合アッセイを用いて決定される。従って、本明細書で使用される「ヒトPD−L1に結合する抗体」は、KD値1.0x10−8モル/l以下(一実施態様では、1.0x10−8モル/l〜1.0x10−13モル/l)、一実施態様ではKD値1.0x10−9モル/l以下(一実施態様では、1.0x10−9モル/l〜1.0x10−13モル/l)の結合親和性でヒトPD−L1抗原に特異的に結合する抗体を指す。

0057

本明細書に詳細に記載するように、本発明者らは、PD−1/PD−L1経路アンタゴニストと組み合わせて使用すると、腫瘍標的化変異体IL−2がインビボで優れた治療効果を提供することを発見した。特に、本発明者らは、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン(CEA−IL2v又はCEA標的化IgG−IL−2qmと呼ばれる)又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン(FAP−IL2v又はFAP−標的化IgG−IL−2qmと呼ばれる)は、ヒトPD−L1に結合する抗体と組み合わせて使用すると、インビボで優れた治療効果を提供することを発見した。

0058

リンパ球及びナチュラルキラー(NK)細胞を増殖及び活性化するIL−2の能力は、IL−2の抗腫瘍活性の根底にある。IL−2αサブユニット(CD25)へのIL−2の結合を排除するように設計されたIL−2変異体は、IL−2の限界を克服し、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカイン又はFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインのような腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの一部として、腫瘍細胞を排除することができることが示されている。

0059

本発明者らは、本明細書に記載するように、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを用いたインビトロの処置が、腫瘍細胞に対するPD−L1上方制御を誘導することを見出した。例えば、ヒトPBMCとヒトA549肺がん細胞株との共培養は、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインが、濃度依存的に、IFNγの放出によって媒介される可能性が最も高い、A549細胞上のPD−L1の上方制御を誘導することを示した。「CEA−IL2v」(国際公開第2012/146628号、実施例1及び2に記載の配列番号84,86及び88として示される配列を有する、抗CEA抗体CH1A1A 98/99 2F1及びIL−2四重変異体(IL−2qm、配列番号3)に基づくCEA標的化IgG−IL−2qm融合タンパク質に対応する)と呼ばれるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインを使用すると、CEA−IL2v単独では、A549腫瘍細胞においてPD−L1を誘導することができなかった(図4)。しかし、PBMCの存在下では、PD−L1はA549細胞で上方制御され、この効果はIFNγの放出によって媒介される可能性が最も高い免疫細胞を介して媒介されることが示された。PD−L1の発現レベルは、CEA−IL2vの濃度の増加と共に、より高いE:T比で増加した。PD−L1上方制御はPD−1との相互作用を介してNK及びT細胞の活性にネガティブに影響を及ぼすことが知られている。従って、このネガティブフィードバックループは、PD−L1ブロッキング抗体の添加によって抑制され得る。

0060

本発明者らは更に、本明細書に記載されるように、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインによるインビボ処置及びPD−L1阻害が、特に同時に適用された場合に、i)マウス腫瘍細胞株の同系モデルにおいて、それぞれの単剤療法と比較して優れた腫瘍増殖阻害及びii)マウス腫瘍細胞株の同系モデルにおいて、生存期間中央値及び/又は全生存期間の優れた組み合わせをもたらすことを見いだした。腫瘍標的化IL−2バリアント免疫グロブリンのマウス化代用分子と抗マウスPD−L1代用抗体との組み合わせのインビボ抗腫瘍効果を評価するために、多数の前臨床試験が開始された。例えば、前臨床試験が開始され、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインCEA−IL2v(muCEA−muIL2vと称される)のマウス化代用分子、FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインFAP−IL2v(muFAP−muIL2vと称される)のマウス化代用分子の、抗マウスPD−L1代用抗体(例えば、FcγR相互作用を消失させるDAPG変異を含む図11に示される配列を有する国際公開第2010/077634号に記載のYW243.55.S70 PD−L1 muIgG1、又はヒト/マウス交差反応性抗PD−L1抗体)との組み合わせのインビボ抗腫瘍効果を評価した。

0061

免疫サイトカイン及び抗体
本明細書に記載される併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体、又はその抗原結合断片、及び
(野生型IL−2、例えば配列番号2として示されるヒトIL−2と比較して)IL−2受容体のα−サブユニットへの結合親和性が低下したIL−2変異体、特にヒトIL−2の変異体、例えば、
iv)配列番号2で示されるヒトIL−2の残基42,45及び72に対応する位置から選択される1つ、2つ又は3つの位置で1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換、例えば、3つの位置で3つの置換、例えば特定のアミノ酸置換F42A、Y45A及びL72G;又は
v)i)に示された特徴に加えて、配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3に対応する位置でのアミノ酸置換、例えば特異的アミノ酸置換T3A;又は
vi)配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3,42,45及び72に対応する位置に4つのアミノ酸置換、例えば特定のアミノ酸置換T3A、F42A、Y45A及びL72G
を含むIL−2など
を含む。

0062

本明細書に記載される併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン並びに、2つのサブユニットからなり、2つの非同一ポリペプチド鎖のヘテロ二量化を促進する修飾を含むFcドメイン、
(野生型IL−2、例えば配列番号2として示されるヒトIL−2と比較して)IL−2受容体のα−サブユニットへの結合親和性が低下したIL−2変異体、特にヒトIL−2の変異体、例えば、
iv)配列番号2で示されるヒトIL−2の残基42,45及び72に対応する位置から選択される1つ、2つ又は3つの位置で1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換、例えば、3つの位置で3つの置換、例えば特定のアミノ酸置換F42A、Y45A及びL72G;又は
v)i)に示された特徴に加えて、配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3に対応する位置でのアミノ酸置換、例えば特異的アミノ酸置換T3A;又は
vi)配列番号2として示されるヒトIL−2の残基3,42,45及び72に対応する位置に4つのアミノ酸置換、例えば特定のアミノ酸置換T3A、F42A、Y45A及びL72G
を含むIL−2など
を含み得る。

0063

併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列、
を含み得る。

0064

幾つかの実施態様において、併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号84、配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列を含む。

0065

併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
c)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
d)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列、
を含み得る。

0066

幾つかの実施態様において、併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号79、配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列を含む。

0067

これらの腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、抗原結合部分、Fcドメイン及びエフェクター部分のそれらの構成部分と共に、国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されたイムノコンジュゲートの例として記載される。例えば、配列番号84及び86及び88として示される配列を有する、抗CEA抗体CH1A1A 98/99 2F1及びIL−2四重変異体(qm)(配列番号3)に基づく特定の免疫サイトカイン「CEA標的化IgG−IL−2qm融合タンパク質」は、例えば国際公開第2012/146628号の実施例1及び2に記載されている。例えば、配列番号79及び80及び81として示される配列を有する、抗FAP抗体4B9とIL−2四重変異体(qm)(IL−2 qm、配列番号3)とに基づく特定の免疫サイトカイン「FAP標的化IgG−IL−2qm融合タンパク質」は、例えば国際公開第2012/146628号の実施例1及び2並びに国際公開第2012/107417号の実施例1に記載されている。

0068

国際公開第2012/146628号に記載されている特定のCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、本明細書に記載される以下のポリペプチド配列を含むことを特徴とする:

0069

国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されている特定のFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、本明細書に記載される以下のポリペプチド配列を含むことを特徴とする:

0070

国際公開第2012/146628号に記載されているように、IL−2変異体はIL−2受容体のα−サブユニットへの結合親和性が低下している。β−及びγ−サブユニット(それぞれCD122及びCD132としても知られている)と一緒に、α−サブユニット(CD25としても知られている)は、ヘテロ三量体高親和性IL−2受容体を形成し、一方β−及びγ−サブユニットのみからなる二量体受容体は、中等度親和性IL−2受容体と呼ばれている。国際公開第2012/146628号に記載されるように、IL−2受容体のαサブユニットへの結合が減少したIL−2変異体ポリペプチドは、野生型IL−2ポリペプチドと比較して、調節性T細胞におけるIL−2シグナル伝達を誘導する能力の低下を有し、T細胞においてより少ない活性化誘導細胞死(AICD)を誘導し、そしてインビボで減少した毒性プロファイルを有する。毒性が低下したそのようなIL−2変異体の使用は、Fcドメインの存在に起因して長い血清半減期を有する、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインにおいて特に有利である。IL−2変異体は、野生型IL−2と比較して、IL−2受容体のα−サブユニット(CD25)に対するIL−2変異体の親和性を減少又は消滅させるが、IL−2変異体の中等度親和性IL−2受容体(IL−2受容体のβサブユニット及びγサブユニットからなる)への親和性を保存する少なくとも1つのアミノ酸変異を含み得る。1つ又は複数のアミノ酸変異は、アミノ酸置換であり得る。IL−2変異体は、ヒトIL−2(配列番号2)の残基42、45及び72に対応する位置から選択されるる1つ、2つ又は3つの位置で、1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換を含み得る。IL−2変異体は、ヒトIL−2の残基42、45及び72に対応する位置で、3つのアミノ酸置換を含み得る。IL−2変異体は、ヒトIL−2の変異体であり得る。IL−2変異体は、アミノ酸置換F42A、Y45A及びL72Gを含むヒトIL−2であり得る。IL−2変異体は、IL−2のO−グリコシル化部位を除去するヒトIL−2の3位に対応する位置にアミノ酸変異を付加的に含み得る。特に、前記の付加的アミノ酸変異は、アラニン残基によってトレオニン残基を置換するアミノ酸置換である。本発明において有用な特定のIL−2変異体は、ヒトIL−2(配列番号2として示される)の残基3,42,45及び72に対応する位置に4つのアミノ酸置換を含む。具体的なアミノ酸置換はT3A、F42A、Y45A及びL72Gである。国際公開第2012/146628号の実施例に示されるように、前記四重変異体IL−2ポリペプチド(IL−2qm)は、CD25に対する検出可能な結合を示さず、T細胞におけるアポトーシスを誘導する能力が低下し、Treg細胞においてIL−2シグナル伝達を誘導する能力が低下し、インビボでの毒性プロファイルの低下を示す。しかし、それはエフェクター細胞においてIL−2シグナル伝達を活性化する能力を保持しており、エフェクター細胞の増殖を誘導し、NK細胞による二次的サイトカインとしてIFN−γを生成する。上記の記載の何れかによるIL−2変異体は、発現の増加又は安定性などの更なる利点を提供する更なる変異を含み得る。例えば、125位のシステインは、ジスルフィド架橋IL−2二量体の形成を回避するためにアラニンなどの中性アミノ酸で置換されてもよい。従って、IL−2変異体は、ヒトIL−2の残基125に対応する位置に更なるアミノ酸変異を含む。前記付加的アミノ酸変異はアミノ酸置換C125Aであり得る。IL−2変異体は、配列番号3のポリペプチド配列を含み得る。

0071

国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されているように、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの腫瘍標的化は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原を標的化することによって達成され得る。従って、免疫サイトカインは抗原結合部分を有する。抗原結合部分は、一般に、特定の抗原決定基に結合するポリペプチド分子であり、それが付着している実体(例えばエフェクター部分及びFcドメイン)を標的部位、例えば抗原決定基を有する特定のタイプの腫瘍細胞又は腫瘍間質に導くことができる。免疫サイトカインは、例えば、腫瘍細胞の表面上、他の異常細胞の表面上、血清中に遊離して、及び/又は細胞外マトリックス(ECM)中に見いだされる抗原決定基に結合することができる。抗原結合部分は、病理学的状態に関連する抗原、例えば腫瘍細胞上に提示される抗原、又は腫瘍細胞環境中又は炎症部位に向けられ得る。

0072

腫瘍抗原非限定的例には、MAGE、MART−1/メラン−A、gp100、ジペプチジルペプチターゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、癌胎児抗原(CEA)及びその免疫原性エピトープCAP−1及びCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異性抗原(PSA)及びその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2、及びPSA−3、前立腺特異性膜抗原(PSMA)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、腫瘍抗原のMAGEファミリー(例えば、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A5、MAGE−A6、MAGE−A7、MAGE−A8、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A11、MAGE−A12、MAGE−Xp2(MAGE−B2)、MAGE−Xp3(MAGE−B3)、MAGE−Xp4(MAGE−B4)、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−C4、MAGE−C5)、GAGE−腫瘍抗原ファミリー(例えば、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン及びγ−カテニン、p120ctn、gp100 Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Ig−イディオタイプ、p15、gp75、GM2及びGDガングリオシドウイルス生成物、例えばヒト乳頭腫ウイルスタンパク質、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp−1、P1A、EBVコード化核内抗原(EBNA)−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼSSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1及びCT−7、及びc−erbB−2が含まれる。ECM抗原非限定例は、シンデカンヘパラナーゼインテグリンオステオポンチンリンク、カドヘリン、ラミニン、ラミニンタイプEGF、レクチンフィブロネクチンノッチテネイシン、及びマトリシン(matrixin)を含む。細胞表面抗原の非限定的な例には、FAP、Her2、EGFR、IGF−1R、CD22(B−細胞受容体)、CD23(低親和性IgE受容体)、CD30(サイトカイン受容体)、CD33(骨髄系細胞表面抗原)、CD40(腫瘍壊死因子受容体)、IL−6R(IL6受容体)、CD20、MCSP、及びPDGFβR(β血小板由来増殖因子受容体)が含まれる。特定の実施態様では、抗原はヒト抗原である。

0073

特定の実施態様において、抗原結合部分は、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境において提示される抗原に向けられる。特定の実施態様において、抗原結合部分は、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)及び癌胎児性抗原(CEA)の群から選択される抗原に向けられる。免疫サイトカインは、2つ以上の抗原結合部分を含むことができ、これらの抗原結合部分のそれぞれは、同じ抗原決定基に特異的に結合する。

0074

抗原結合部分は、抗原決定基に特異的に結合することを保持する抗体又はその断片の任意のタイプとすることができる。抗体断片は、限定するものではないが、VH断片、VL断片Fab断片、F(ab’)2断片、scFv断片、Fv断片、ミニボディダイアボディトリアディ、及びテトラボディ(例えばHudson and Souriau, Nature Med 9, 129-134 (2003)を参照)を含む。特定の実施態様において、抗原結合部分は、Fab分子である。一実施態様において、前記Fab分子はヒトである。別の実施態様において、前記Fab分子はヒト化されている。また別の実施態様では、Fab分子は、ヒト重鎖及び軽鎖定常領域を含む。

0075

好ましい実施態様において、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの腫瘍標的化は、国際公開第2012/146628号に記載されるように、癌胎児性抗原(CEA)を標的化することによって達成され得る。CEA標的化は、抗CEA抗体又はその抗原結合断片により達成され得る。抗CEA抗体は、配列番号66又は配列番号68の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗CEA抗体は、配列番号65又は配列番号67の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗CEA抗体は、配列番号66の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアント、及び配列番号65の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗CEA抗体は、配列番号68の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアント、及び配列番号67の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗CEA抗体は、配列番号66の重鎖可変領域配列、及び配列番号65の軽鎖可変領域配列を含み得る。抗CEA抗体は、配列番号68の重鎖可変領域配列、及び配列番号67の軽鎖可変領域配列を含み得る。

0076

国際公開第2012/146628号に記載されているように、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEAに特異的なFab重鎖が、ノブ修飾を含むFcドメインサブユニットとカルボキシ末端ペプチド結合を共有し、これが次にIL−2ポリペプチドとカルボキシ末端ペプチド結合を共有するポリペプチド配列を含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号82、配列番号83及び配列番号84からなる群から選択されるポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEAに特異的なFab重鎖が、ホール修飾を含むFcドメインサブユニットとカルボキシ末端ペプチド結合を共有するポリペプチド配列を含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号85又は配列番号86のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、CEAに特異的なFab軽鎖を含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号87又は配列番号88のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号85、配列番号82及び配列番号87のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号84、配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合によって共有結合していてもよい。Fcドメインポリペプチド鎖は、アミノ酸置換L234A、L235A、及びP329G(LALA P329Gと呼ぶことができる)を含み得る。

0077

国際公開第2012/146628号に記載されているように、CEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、(例えば、国際公開第2012/146628号の実施例1及び2に記載の配列番号84,86及び88として示される配列を有する、抗CEA抗体CH1A1A 98/99 2F1及びIL−2四重変異体(IL−2qm、配列番号3)に基づくCEA標的化IgG−IL−2qm融合タンパク質であり得る。配列番号84,86及び88として示される配列を有するCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、本明細書では「CEA−IL2v」と呼ばれる。

0078

好ましい実施態様において、腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインの腫瘍標的化は、国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されるように、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)を標的化することによって達成され得る。FAP標的化は、抗FAP抗体又はその抗原結合断片により達成され得る。抗FAP抗体は、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62及び配列番号64からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である重鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗FAP抗体は、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61及び配列番号63からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である軽鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗FAP抗体は、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62及び配列番号64からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である重鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアント、及び配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61及び配列番号63からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である軽鎖可変領域配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。抗FAP抗体は、配列番号42の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、及び配列番号41の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号58の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、及び配列番号57の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号12の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、及び配列番号11の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号7の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である重鎖可変領域配列、及び配列番号6の配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号42の重鎖可変領域配列、及び配列番号41の軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号58の重鎖可変領域配列、及び配列番号57の軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号12の重鎖可変領域配列、及び配列番号11の軽鎖可変領域配列を含み得る。抗FAP抗体は、配列番号7の重鎖可変領域配列、及び配列番号6の軽鎖可変領域配列を含み得る。

0079

国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されているように、FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、FAPに特異的なFab重鎖が、ノブ修飾を含むFcドメインサブユニットとカルボキシ末端ペプチド結合を共有し、これが次にIL−2ポリペプチドとカルボキシ末端ペプチド結合を共有するポリペプチド配列を含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72及び配列番号73からなる群から選択されるポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、FAPに特異的なFab重鎖が、ホール修飾を含むFcドメインサブユニットとカルボキシ末端ペプチド結合を共有するポリペプチド配列を含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号74、配列番号75及び配列番号76からなる群から選択されるポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、FAPに特異的なFab軽鎖を含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号77又は配列番号78のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号77のポリペプチド配列、配列番号74のポリペプチド配列、及び配列番号69及び配列番号72からなる群から選択されるポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号75、配列番号70及び配列番号77のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号76、配列番号71及び配列番号78のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号77、配列番号74及び配列番号72のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号78、配列番号76及び配列番号73のポリペプチド配列、又は機能性を保持しているそのバリアントを含み得る。ポリペプチドは、例えばジスルフィド結合によって共有結合される。Fcドメインサブユニットは、アミノ酸置換L234A、L235A、及びP329G(LALA P329Gと呼ぶことができる)をそれぞれ含み得る。

0080

国際公開第2012/146628号及び国際公開第2012/107417号に記載されているように、FAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、(例えば、国際公開第2012/146628号の実施例1及び2並びに国際公開第2012/107417号の実施例1に記載される配列番号79、80及び81として示される配列を有する、抗FAP抗体4B9及びIL−2四重変異体(IL−2qm、配列番号3)に基づくFAP標的化IgG−IL−2qm融合タンパク質であり得る。配列番号79、80及び81として示される配列を有するFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、本明細書では「FAP−IL2v」と呼ばれる。

0081

本明細書に記載される併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体、及びIL−2受容体のサブユニットに対する結合親和性が低下したIL−2変異体を含み得る。腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体、及びIL−2受容体のサブユニットに対する結合親和性が低下したIL−2変異体から本質的になり得る。抗体は、IgG抗体、特にIgG1抗体であってもよい。腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、IL−2受容体のサブユニットへの結合親和性が低下した単一のIL−2変異体を含み得る(すなわち、せいぜい1つのIL−2変異体部分が存在する)。

0082

本明細書に記載されるように、本明細書に記載される併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン並びに、2つのサブユニットからなり、2つの非同一ポリペプチド鎖のヘテロ二量化を促進する修飾を含むFcドメインを含み得る。本明細書に記載される併用療法において使用される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の重鎖可変ドメイン及びノブ変異を含むFcドメインサブユニット、腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の重鎖可変ドメイン及びホール変異を含むFcドメインサブユニット、及び腫瘍細胞上又は腫瘍細胞環境中に提示される抗原に結合する抗体の軽鎖可変ドメイン、及びIL−2受容体のサブユニットに対する結合親和性が低減されたIL−2変異体を含む。免疫サイトカインは、2つの非同一ポリペプチド鎖のヘテロ二量体化を促進する修飾を含むFcドメインを含み得る。「ヘテロ二量体化促進修飾」は、ホモ二量体を形成する同一なポリペプチドとのポリペプチドの会合を低減するか防止する、ペプチド骨格の操作又はポリペプチドの翻訳後修飾である。本明細書中で使用されるヘテロ二量化を促進する修飾は、特に、2つのポリペプチドの会合を促進するように相互に相補的である、二量体を形成することが望まれる2つのポリペプチドのそれぞれになされる別々の修飾を含む。例えば、ヘテロ二量体化促進修飾は、その会合をそれぞれ立体的又は静電気的に好ましくするために、二量体を形成することが所望されるポリペプチドの一方又は双方の構造又は電荷を改変しうる。ヘテロ二量体化は、例えばFcドメインの2つのサブユニットなどの2つの同一ではないポリペプチド間で起こり、ここで各サブユニットに融合した更なるイムノコンジュゲート成分(例えば、抗原結合部分、エフェクター部分)は同じではない。本発明によるイムノコンジュゲートでは、ヘテロ二量体化促進修飾はFcドメインにある。幾つかの実施態様では、ヘテロ二量体化促進修飾は、アミノ酸変異、特にアミノ酸置換を含む。特定の実施態様では、ヘテロ二量体化促進修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットの各々における別々のアミノ酸変異、特にアミノ酸置換を含む。ヒトIgGのFcドメインの2つのポリペプチド鎖間の最も広範なタンパク質−タンパク質相互作用の部位は、FcドメインのCH3ドメインにある。従って、一実施態様では、前記修飾はFcドメインのCH3ドメイン内で行われる。特定の実施態様において、前記修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットの一つにおけるノブ修飾及びFcドメインの2つのサブユニットの他方におけるホール修飾を含む、ノブ・イントゥ・ホール(knob into hole)修飾である。

0083

ノブ・イントゥ・ホール技術は、例えば、米国特許第5731168号;同第7695936号;Ridgway et al., Prot Eng 9, 617-621 (1996)及びCarter, J Immunol Meth 248, 7-15 (2001)に記載されている。一般に、本方法は、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げるように、隆起が空洞内に配置することができるように、第一のポリペプチドの界面での突起(「ノブ」)及び第二ポリペプチドの界面における対応する空洞(「ホール」)を導入することを含む。隆起は、第1のポリペプチドの接触面由来の小さなアミノ酸側鎖を大きな側鎖(例えば、チロシン又はトリプトファン)で置き換えることにより構築される。隆起と同じか又は同様のサイズの相補的空洞は、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)で置き換えることにより、第2のポリペプチドの接触面に作り出される。隆起と空洞は、ポリペプチドをコードする核酸を、例えば部位特異的突然変異誘発により、又はペプチド合成により、変えることにより作り出すことができる。特定の実施態様において、ノブ修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットの片方でアミノ酸置換T366Wを含み、そしてホール修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットの他方でアミノ酸置換T366S、L368A及びY407Vを含む。更なる特定の実施態様において、ノブ修飾を含むFcドメインのサブユニットは、アミノ酸置換S354Cを更に含み、ホール修飾を含むFcドメインのサブユニットは、アミノ酸置換Y349Cを更に含む。これらの2つのシステイン残基の導入は、Fc領域の2つのサブユニット間のジスルフィド架橋の形成をもたらし、更に二量体を安定化させる(Carter, J Immunol Methods248, 7-15 (2001))。Fc領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。本明細書において使用されるFcドメインの「サブユニット」は、二量体Fcドメインを形成する二つのポリペプチドの一方、すなわち、免疫グロブリン重鎖C末端定常領域を含み、安定な自己会合能を有するポリペプチドを指す。例えば、IgGFcドメインのサブユニットは、IgG CH2及びIgG CH3定常ドメインを含む。

0084

別の実施態様において、2つの非同一ポリペプチド鎖のヘテロ二量体化を促進する修飾は、国際公開第2009/089004号に記載されるように、静電的ステアリング効果を媒介する修飾を含む。一般に、この方法は、ホモ二量体形成は静電的に不利になるが、ヘテロ二量体は静電的に有利になるように、2つのポリペプチド鎖の界面で、荷電したアミノ酸残基による一又は複数のアミノ酸残基の置換を含む。

0085

IL−2受容体のサブユニットへの結合親和性が低下したIL−2変異体は、ノブ修飾を含むFcドメインのサブユニットのカルボキシ末端アミノ酸に融合され得る。理論に束縛されることを望まないが、Fcドメインのノブ含有サブユニットへのIL−2変異体の融合は、2つのIL−2変異体ポリペプチドを含むホモ二量体免疫サイトカインの生成を更に最小限に抑えるであろう(2つのノブ含有ポリペプチドの立体的衝突)。

0086

国際公開第2012/146628号に記載されるように、免疫サイトカインのFcドメインは、Fc受容体に対する結合親和性が改変されるように、具体的には非操作型Fcドメインに比べて、Fcγ受容体に対する結合親和性を改変されるように操作され得る。補体成分、具体的にはC1qに対するFcドメインの結合は、国際公開第2002/146628号に記載されているように改変され得る。Fcドメインは、その標的組織における良好な蓄積及び好ましい組織−血液分配比率に寄与する長い血清半減期を含む好ましい薬物動態学的特性をイムノコンジュゲートに付与する。しかし、同時期に、好適な抗原保有細胞に対するよりもむしろFc受容体を発現する細胞に対するイムノコンジュゲートの所望されない標的化を導く。更に、Fc受容体シグナル伝達経路同時活性化サイトカイン放出につながる可能性があり、イムノコンジュゲートのエフェクター部分と長い半減期とが組み合わさって、サイトカイン受容体の過剰な活性化及び全身投与の際に重篤な副作用をもたらす。これに伴い、従来のIgG−IL−2イムノコンジュゲートは注入反応と関連していると記載されている(例えばKing et al., J Clin Oncol 22, 4463-4473 (2004)を参照)。

0087

従って、免疫サイトカインのFcドメインは、Fc受容体に対する結合親和性が低下するように操作され得る。一つのそうした実施態様において、Fcドメインは、FcドメインのFc受容体への結合親和性を低下させる1つ又は複数のアミノ酸突然変異を含む。典型的には、同一の一以上のアミノ酸変異がFcドメインの2つのサブユニットの各々に存在する。一実施態様において、前記アミノ酸変異は、FcドメインのFc受容体に対する結合親和性を少なくとも2倍、少なくとも5倍、又は少なくとも10倍低下させる。Fc受容体に対するFcドメインの結合親和性を低下させる複数のアミノ酸変異が存在する実施態様において、これらのアミノ酸変異は、FcドメインのFc受容体に対する結合親和性を少なくとも10倍、少なくとも20倍、又は更に少なくとも50倍低下させ得る。一実施態様において、操作されたFcドメインを含むイムノコンジュゲートは、非操作型Fcドメインを含んでなるイムノコンジュゲートと比較した場合、Fc受容体に対する結合親和性の20%未満、具体的には10%未満、より具体的には5%未満を示す。一実施態様では、Fc受容体は活性化Fc受容体である。特定の実施態様において、Fc受容体は、Fcγ受容体であり、より具体的にはFcγRIIIa、FcγRI又はFcγRIIa受容体である。好ましくは、これら受容体の各々への結合は低減する。幾つかの実施態様では、補体成分への結合親和性、特にC1qへの結合親和性も低下する。一実施態様では、新生児Fc受容体(FcRn)に対する結合親和性は低下しない。FcRnへの実質的に類似な結合、すなわち、前記受容体への免疫グロブリンの結合親和性の保存は、Fcドメイン(又は前記Fcドメインを含んでなるイムノコンジュゲート)が、FcRnに対し、非操作型形態のFcドメイン(又は前記非操作型形態のFcドメインを含んでなるイムノコンジュゲート)の約70%より大きな結合親和性を呈する場合に達成される。Fcドメイン又は前記Fcドメインを含む本発明のイムノコンジュゲートは、その親和性の約80%を越える、又は更に約90%を越える親和性を示す場合がある。一実施態様では、アミノ酸変異はアミノ酸置換である。一実施態様では、FcドメインはP329の位置にアミノ酸置換を含む。より特異的な実施態様では、アミノ酸置換は、P329A又はP329G、特にP329Gである。一実施態様では、Fcドメインは、S228、E233、L234、L235、N297及びP331から選択される位置に更なるアミノ酸置換を含む。より特定の実施態様では、更なるアミノ酸置換は、S228P、E233P、L234A、L235A、L235E、N297A、N297D又はP331Sである。特定の実施態様では、Fcドメインは、位置P329、L234及びL235にアミノ酸置換を含む。更に特定の実施態様では、Fcドメインはアミノ酸変異L234A、L235A及びP329G(LALA P329G)を含む。国際公開第2012/130831号に記載され、その全体が参照により本明細書に援用されるように、アミノ酸置換のこの組み合わせは、IgGのFcドメインのFcγ受容体結合をほとんど完全に消滅させる。国際公開第2012/130831号には、このような変異Fcドメインを調製する方法、及びFc受容体結合又はエフェクター機能などのその特性を決定する方法も記載されている。Fc領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。

0088

変異体Fcドメインは、当技術分野で良く知られており、国際公開第2012/146628号に記載されるように、遺伝子的又は化学的方法を用いて、アミノ酸の欠失、置換、挿入又は修飾によって調製することができる。遺伝学的方法は、コード化DNA配列部位特異的突然変異PCR遺伝子合成などを含みうる。正確なヌクレオチドの変化は、例えば配列決定により検証することができる。

0089

一つの実施態様において、Fcドメインは、国際公開第2012/146628号に記載されるように、非操作型Fcドメインと比較して、減少したエフェクター機能を有するように操作される。
エフェクター機能の減少は、限定されないが、以下の一つ又は複数を含み得る:抗体依存性細胞傷害ADCC)の減少、抗体依存性細胞貪食ADCP)の減少、サイトカイン分泌の減少、抗原提示細胞による免疫複合体媒介性の抗原取り込みの減少、NK細胞への結合の減少、マクロファージへの結合の減少、単球への結合の減少、多形核細胞への結合の減少、直接的シグナル伝達誘導性アポトーシスの減少、標的結合抗体架橋の減少、樹状細胞成熟の減少、又はT細胞プライミングの減少。

0090

IgG4抗体は、IgG1抗体と比較して、Fc受容体への結合親和性の低下及びエフェクター機能の減少を呈示する。従って、幾つかの実施態様において、本発明のT細胞活性化二重特異性抗原結合分子のFcドメインは、IgG4のFcドメイン、特にヒトIgG4 Fcドメインである。一実施態様では、IgG4 Fcドメインは、S228の位置におけるアミノ酸置換、具体的にはアミノ酸置換S228Pを含む。Fc受容体に対する結合親和性及び/又はそのエフェクター機能を更に低下させるために、一実施態様において、IgG4 Fcドメインは、位置L235でアミノ酸置換、具体的にはアミノ酸置換L235Eを含む。別の実施態様では、IgG4 Fcドメインは、P329の位置におけるアミノ酸置換、具体的にはアミノ酸置換P329Gを含む。特定の実施態様において、IgG4 Fcドメインは、位置S228、L235及びP329でのアミノ酸置換、具体的にはアミノ酸置換S228P、L235E及びP329Gを含む。このようなIgG4 Fcドメイン変異体とそれらのFcγ受容体結合特性は国際公開第2012/130831号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0091

本明細書に記載される併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
243.55.S70、243.55.H1、243.55.H12、243.55.H37、243.55.H70、243.55.H89、243.55.S1、243.55.5、243.55.8、243.55.30、243.55.34、243.55.S37、243.55.49、243.55.51、243.55.62、及び243.55.84からなる群より選択される。

0092

これら抗体は、国際公開第2010/77634号(配列は国際公開第2010/77634号の図11に示されている)に記載されており、本明細書に記載されるように以下のVH及びVL配列を含むことを特徴とする。

0093

本発明の実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号84若しくは配列番号86若しくは配列番号88のポリペプチド配列、又は
c)配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列、又は
d)配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
及び
本併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0094

本発明の実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
a)配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列;又は
b)配列番号79若しくは配列番号80若しくは配列番号81のポリペプチド配列、又は
c)配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列、又は
d)配列番号124及び配列番号125及び配列番号126のポリペプチド配列
を含むことを特徴とし、
及び
本併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
a)配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL、又は
b)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL、又は
c)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL、又は
d)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL、又は
e)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL、又は
f)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL、又は
g)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL、又は
h)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL、又は
i)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL、又は
j)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL、又は
k)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL、又は
l)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL、又は
m)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL、又は
n)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL、又は
o)配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL、又は
p)配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0095

実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号68の重鎖可変ドメインVH及び配列番号67の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列
含むことを特徴とする。

0096

実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列
を含むことを特徴とする。

0097

実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号108及び配列番号109及び配列番号110のポリペプチド配列
を含むことを特徴とする。

0098

実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号42の重鎖可変ドメインVH及び配列番号41の軽鎖可変ドメインVL、並びに配列番号3のポリペプチド配列
を含むことを特徴とする。

0099

実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列
を含むことを特徴とする。

0100

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0101

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号93の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0102

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号94の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0103

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号95の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0104

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号96の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0105

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号97の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0106

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号98の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0107

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号99の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0108

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号100の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0109

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号101の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0110

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号102の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0111

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号103の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0112

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号104の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0113

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号105の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0114

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号90の重鎖可変ドメインVH及び配列番号106の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0115

一実施態様において、併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号91の重鎖可変ドメインVH及び配列番号107の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0116

本発明の好ましい実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるCEA標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、配列番号84及び配列番号86及び配列番号88のポリペプチド配列を含むことを特徴とし、かつ
本併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0117

本発明の好ましい実施態様において、本明細書に記載される併用療法において使用されるFAP標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、
配列番号79及び配列番号80及び配列番号81のポリペプチド配列を含むことを特徴とし、かつ
本併用療法において使用されるヒトPD−L1に結合する抗体は、
配列番号89の重鎖可変ドメインVH及び配列番号92の軽鎖可変ドメインVL
を含むことを特徴とする。

0118

用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、様々な抗体構造包含し、限定されないが、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体、及び所望の抗原結合活性を示す限りにおいて抗体断片を含む。

0119

「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子(例えばscFv)、及び単一ドメイン抗体が含まれる。所定の抗体断片の総説については、Hudson et al., Nat Med 9, 129-134 (2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)のPluckthuenを参照;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び第5587458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつインビボ半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。ダイアボディは、二価又は二重特異性でありうる二つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号;国際公開第1993/01161号; Hudson et al., Nat Med 9, 129-134 (2003);及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)を参照。トリアボディ及びテトラボディもHudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全て又は一部、又は軽鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片である。ある実施態様において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis、Inc.、Waltham、MA;例えば、米国特許第6248516(B1)号を参照)。抗体断片は様々な技術で作製することができ、このような技術には、限定されないが、本明細書に記載するように、インタクトな抗体のタンパク質消化、並びに組換え宿主細胞(例えば、大腸菌又はファージ)による生産が含まれる。

0120

用語「抗原結合ドメイン」又は「抗体の抗原結合部分」は、本明細書中で使用される場合、抗原の一部又は全体に結合し、かつ抗原の一部又は全体に相補的な領域を含む抗体の部分を指す。従って、この用語は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。抗原結合ドメインは、例えば、一又は複数の抗体可変ドメイン抗体可変領域とも呼ばれる)により提供される。特に、抗原結合ドメインは、抗体軽鎖可変領域(VL)及び抗体重鎖可変領域(VH)を含む。抗体の抗原結合部分は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」又は「FR」領域は、ここで定義する超可変領域の残基以外の可変ドメイン残基である。従って、抗体の軽鎖及び重鎖可変ドメインは、NからC末端に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域であり、抗体の特性を定める。CDR及びFRは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991) の標準的定義に従って決定され、及び/又は「超可変ループ」からの残基である。

0121

用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖又は軽鎖のドメインを指す。通常、天然型抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、各々が四つの保存されたフレームワーク領域(FR)と三つの超可変領域(HVR)とを含む類似構造を有する。例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co. 91頁、 (2007)を参照。抗原結合特異性を付与するには、単一のVH又はVLドメインで十分である。

0122

「エピトープ」なる用語は、抗体に特異的に結合することが可能なCEA又はヒトPD−L1などの抗原のタンパク質決定基を意味する。エピトープは、通常、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の、化学的に活性な表面のグルーピングからなり、通常エピトープは特異的な三次元構造の特徴並びに特異的な電荷特性を有する。立体構造及び非立体構造のエピトープは、変性溶媒の存在下で、後者ではなく前者への結合が失われることにおいて区別される。

0123

本明細書の用語「Fcドメイン」又は「Fc領域」は、定常領域の少なくとも一部を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列Fc領域と変異体Fc領域を含む。IgG重鎖のFc領域の境界ははわずかに変化し得るが、ヒトIgG重鎖のFc領域は通常、Cys226から又はPro230から重鎖のカルボキシル末端伸展するように定義されている。しかし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は存在しているか、又は存在していない場合がある。本明細書に明記されていない限り、Fc領域又は定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991。抗体の「Fcドメイン」は、抗体の抗原への結合に直接的にかかわらないが、様々なエフェクター機能を示す。「抗体のFc部分」は、当業者に周知であり、抗体のパパイン切断に基づいて定義される用語である。抗体又は免疫グロブリンは、その重鎖定常領域のアミノ酸配列に応じて、IgAIgD、IgE、IgG及びIgMクラスに分類され、これらのうち幾つかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4、IgA1及びIgA2に更に分類され得る。重鎖定常領域に応じて、免疫グロブリンの異なるクラスは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。抗体のFcドメインは、補体活性化、C1q結合及びFc受容体結合に基づいて、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)並びにCDC(補体依存性細胞傷害)に直接関与する。補体活性化(CDC)は、ほとんどのIgG抗体サブクラスのFcドメインへの補体因子C1qの結合により開始される。補体系に対する抗体の影響は特定の条件に依存し、C1qへの結合は、Fcドメインに画定された結合部位により引き起こされる。そのような結合部位は、当該技術分野において知られており、例えば、Boackle, R.J., et al., Nature 282 (1979) 742-743; Lukas, T.J., et al., J. Immunol. 127 (1981) 2555-2560; Brunhouse, R., and Cebra, J.J., Mol. Immunol. 16 (1979) 907-917; Burton, D.R., et al., Nature 288 (1980) 338-344; Thommesen, J.E., et al., Mol. Immunol. 37 (2000) 995-1004; Idusogie, E.E., et al., J. Immunol.164 (2000) 4178-4184; Hezareh, M., et al., J. Virology 75 (2001) 12161-12168; Morgan, A., et al., Immunology 86 (1995) 319-324; EP 0 307 434により記載される。このような結合部位は、例えば、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331,及びP329である(Kabat、E.AのEUインデックスに従った番号付け、上記参照)。通常、サブクラスIgG1、IgG2及びIgG3の抗体は、補体活性化及びC1q及びC3結合を示すが、IgG4は補体系を活性化させず、C1q及びC3に結合しない。

0124

一実施態様では、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒト起源由来するFcドメイン及び好ましくはヒト定常領域の他の全ての部分を含む。本明細書で使用される場合、用語「ヒト起源由来のFcドメイン」とは、サブクラスIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のヒト抗体のFcドメインの何れか、好ましくはヒトIgG1サブクラスからのFcドメイン、ヒトIgG1サブクラスからの変異Fcドメイン(一実施態様において、L234A+L235Aにおける変異を含む)、ヒトIgG4サブクラスからのFcドメイン又はヒトIgG4サブクラスからの変異Fcドメイン(一実施態様において、S228Pにおける変異を含む)であるFcドメインを意味する。好ましい一実施態様では、ヒト重鎖定常領域は配列番号58(ヒトIgG1サブクラス)であり、別の好ましい実施態様ではヒト重鎖定常領域は配列番号59(変異L234A及びL235Aを有するヒトIgG1サブクラス)であり、別の好ましい実施態様ではヒト重鎖定常領域は配列番号60(ヒトIgG4サブクラス)であり、別の好ましい実施態様ではヒト重鎖定常領域は配列番号61(変異S228Pを有するヒトIgG4サブクラス)である。一実施態様では、前記抗体は、低下した又は最少のエフェクター機能を有する。一実施態様では、最少のエフェクター機能は、エフェクターを有さない(effectorless)Fc変異に起因する。一実施態様では、エフェクターを有さないFc変異は、L234A/L235A又はL234A/L235A/P329G又はN297A又はD265A/N297Aである。一実施態様では、エフェクターを有さないFc変異は、抗体の各々について、L234A/L235A、L234A/L235A/P329G、N297A及びD265A/N297A(EU番号付け)を含む(からなる)群から互いに独立して選択される。

0125

一実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒトIgGクラスのもの(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4サブクラスのもの)である。

0126

好ましい実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒトIgG1サブクラスのもの又はヒトIgG4サブクラスのものである。

0127

一実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒトIgG1サブクラスのものである。一実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、ヒトIgG4サブクラスのものである。

0128

一実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインの抗体成分又は抗体は、定常鎖がヒト起源のものであることを特徴とする。このような定常鎖は、先端技術において知られており、例えば、Kabat、E.A.により記載される(例えば、Johnson, G. and Wu, T.T., Nucleic AcidsRes. 28 (2000) 214-218を参照)。例えば、有用なヒト重鎖定常領域は、配列番号114のアミノ酸配列を含む。例えば、有用なヒト軽鎖定常領域は、配列番号113のカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。

0129

本発明で使用される「核酸」又は「核酸分子」なる用語は、DNA分子及びRNA分子を含むことを意図している。核酸分子は一本鎖又は二本鎖であってよいが、好ましくは二本鎖DNAである。

0130

この出願中において使用される「アミノ酸」なる用語は、アラニン(3文字コード:ala、1文字コード:A)、アルギニン(arg、R)、アスパラギン(asn、N)、アスパラギン酸(asp、D)、システイン(cys、C)、グルタミン(gln、Q)、グルタミン酸(glu、E)、グリシン(gly、G)、ヒスチジン(his、H)、イソロイシン(ile、I)、ロイシン(leu、L)、リジン(lys、K)、メチオニン(met、M)、フェニルアラニン(phe、F)、プロリン(pro、P)、セリン(ser、S)、スレオニン(thr、T)、トリプトファン(trp、W)、チロシン(tyr、Y)、及びバリン(val、V)を含む天然に生じるカルボキシα−アミノ酸の群を示す。

0131

参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントを得るように配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後の、いかなる保存的置換も配列同一性の一部とみなさない、参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、当分野の技術の範囲内にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成することができる。当業者であれば、比較する配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含めた、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書において、アミノ酸配列同一性%の値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、ジェネンテック社によって著作され、ソースコードは米国著作権ワシトンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。また、ALIGN−2は、ジェネンテック社(South San Francisco、California)から公的に入手可能であり、又はそのソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIX(登録商標)のV4.0Dを含めたUNIX(登録商標)オペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定されて変動しない。アミノ酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bとの又はそれに対する、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(あるいは、所与のアミノ酸配列Bと若しくはそれに対して、ある程度のアミノ酸配列同一性%を有するか又は含む所与のアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2により、そのプログラムのA及びBのアラインメントにおいて完全に一致するとされたアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限り、本明細書で使用される全ての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して、直前の段落で説明したように得られる。少なくとも、例えば、本発明の参照ヌクレオチド配列と少なくとも例えば95%「同一」であるヌクレオチド配列を有する核酸又はポリヌクレオチドにより、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と、ポリヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列のそれぞれ100のヌクレオチドにつき最大5ポイントの変異を含んでよいという点以外は同一であることが意図される。換言すれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列中最大5%のヌクレオチドが削除又は別のヌクレオチドで置換されてよいか、又は参照配列に含まれる全てのヌクレオチドの最大5%まで複数のヌクレオチドが参照配列に挿入されてよい。参照配列のこのような改変は、参照ヌクレオチド配列の5’又は3’末端の位置で、又はこれら末端の間の何れかで、参照配列に含まれる残基中において個々に散在して、又は参照配列内部の一又は複数の連続する群において生じ得る。実際に、何れか特定のポリヌクレオチド配列が、本発明のヌクレオチド配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるかどうかは、ポリペプチドについて上述したもの(例えばALIGN−2)などの既知のコンピュータープログラムを用いて常套的に決定することができる。

0132

発現カセット」という用語は、標的細胞中の特定の核酸の転写を可能にする一連の特定の核酸エレメントを用いて、組換え又は合成により生成されたポリヌクレオチドを指す。組換え発現カセットは、プラスミド染色体ミトコンドリアDNA色素体DNA、ウイルス又は核酸断片に組み込むことができる。典型的には、発現ベクターの組換え発現カセット部分は、とりわけ、転写されるべき核酸配列及びプロモーターを含む。ある実施態様では、本発明の発現カセットは、本明細書に記載されるポリペプチド又はその断片をコードするポリヌクレオチド配列を含む。

0133

用語「ベクター」又は「発現ベクター」は、「発現構築物」と同義であり、標的細胞内においてそれが作動可能に結合する特定の遺伝子を導入しその発現を誘導するために使用されるDNA分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、並びにそれが導入された宿主細胞ゲノムに組み込まれたベクターを含む。発現ベクターは、発現カセットを含む。発現ベクターは、大量の安定なmRNAの転写を可能にする。発現ベクターが標的細胞内部に入ると、遺伝子によってコードされるリボ核酸分子又はタンパク質が、細胞転写及び/又は翻訳機構によって産生される。一実施態様では、発現ベクターは、本明細書に記載されるポリペプチド又はその断片をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現カセットを含む。

0134

人工的」なる用語は、合成の又は非宿主細胞由来組成物、例えば化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを指す。

0135

用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」及び「宿主細胞培養」は、互換的に使用され、外因性の核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞は、「形質転換体」及び「形質転換された細胞」を含み、それには、継代の数に関係なく、それに由来する初代形質転換細胞及び子孫が含まれる。子孫は親細胞と核酸含量が完全に同一ではないかもしれないが、突然変異が含まれる場合がある。本明細書には、最初に形質転換された細胞においてスクリーニング又は選択されたものと同じ機能又は生物活性を有する変異型子孫が含まれる。宿主細胞は、本明細書に記載されるポリペプチドを生成するために使用され得る任意のタイプの細胞系である。一実施態様において、宿主細胞は、そのFc領域に修飾されたオリゴ糖を有するポリペプチドの産生を可能にするように操作される。特定の実施態様において、宿主細胞は、β(1,4)−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)活性を有する一以上のポリペプチドの増加したレベルを発現するように操作されている。特定の実施態様において、宿主細胞は、α−マンノシダーゼII(ManII)活性を有する一以上のポリペプチドの増加したレベルを発現するように更に操作されている。宿主細胞は、培養細胞、例えば幾つか例を挙げると、CHO細胞BHK細胞、NS0細胞、SP2/0細胞、YO骨髄腫細胞、P3X63マウス骨髄腫細胞、PER細胞、PER.C6細胞、又はハイブリドーマ細胞といった哺乳動物の培養細胞、酵母細胞昆虫細胞、及び植物細胞を含み、更には、トランスジェニック動物トランスジェニック植物、又は培養された植物若しくは動物組織内部に含まれる細胞も含む。

0136

本明細書に記載される腫瘍標的化IL−2バリアント免疫サイトカインは、例えば、固相ペプチド合成(例えばメリフィールド固相合成)又は組換え生成によって得ることができる。組換え産生のために、例えば上述したように、免疫サイトカイン(断片)をコードする一又は複数のポリヌクレオチドが単離され、宿主細胞内での更なるクローニング及び/又は発現のために一又は複数のベクターに挿入される。このようなポリヌクレオチドは、一般的な手順を使用して容易に単離され配列決定されうる。一実施態様において、ポリヌクレオチドの一又は複数を含むベクタ−、好ましくは発現ベクターが提供される。当業者によく知られている方法は、適切な転写/翻訳制御シグナルとともに、イムノコンジュゲート(断片)のコード配列を含む発現ベクターを構築するために使用することができる。これらの方法は、インビトロでの組換えDNA技術、合成技術及びインビボでの組換え/遺伝子組換えを含む。例えば、Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y. (1989);及びAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y (1989)に記載される技術を参照。発現ベクターはプラスミド、ウイルスの一部とすることができるか、又は核酸断片であり得る。発現ベクターは、免疫サイトカイン(断片)をコードするポリヌクレオチド(すなわちコーディング領域)がプロモーター及び/又は他の転写又は翻訳調節要素と作動可能に結合してクローン化される発現カセットを含む。本明細書で使用する「コード領域」は、アミノ酸に翻訳されるコドンからなる核酸の一部分である。「終止コドン」(TAG、TGA、又はTAA)はアミノ酸に翻訳されないが、存在する場合にはコード領域の一部であると考えられるが、任意の隣接配列、例えばプロモーター、リボソーム結合部位転写ターミネーターイントロン、5’及び3’非翻訳領域などは、コード領域の一部ではない。2つ以上のコード領域が、単一のポリヌクレオチド構築物中に、例えば単一のベクター上に、又は別々のポリヌクレオチド構築物中に、例えば別の(異なる)ベクター上に存在することができる。更に、任意のベクターは、単一のコード領域を含んでいてもよいし、2つ以上のコード領域を含んでいてもよく、例えばベクターは、タンパク質切断を介して、翻訳後又は翻訳と同時に最終タンパク質中に分離された一又は複数のポリペプチドをコードしてもよい。加えて、ベクター、ポリヌクレオチド、又は核酸は、免疫サイトカイン(断片)、又はバリアント又はその誘導体をコードするポリヌクレオチドに融合又は非融合された異種性コーディング領域をコードしうる。異種コード領域は、限定しないが、特殊化要素又はモチーフ、例えば分泌シグナルペプチド又は異種機能ドメインを含む。作動可能に結合とは、ポリペプチドなどの遺伝子産物のコード領域が、制御配列の影響下又は制御下において遺伝子産物の発現を配置するように、一又は複数の制御配列と結合するときである。(ポリペプチドコーディング領域及びそれに結合するプロモーターのような)二つのDNA断片は、プロモーター機能の誘導が所望の遺伝子産物をコードするmRNAの転写をもたらす場合、及び二つのDNA断片間の連結の性質が、遺伝子産物の発現を導く発現制御配列の能力を妨げないか又は転写されるべきDNA鋳型の能力を妨げない場合、「作動可能に結合している」。従って、プロモーター領域は、そのプロモータがその核酸の転写を行うことができるならば、ポリペプチドをコードする核酸と作動可能に会合するであろう。プロモーターは所定の細胞においてのみDNAの実質的な転写を導く細胞特異的プロモーターであってもよい。プロモーター以外の他の転写制御エレメント、例えばエンハンサーオペレーターリプレッサー、及び転写終止シグナルは、ポリヌクレオチドと作動可能に会合して細胞特異的転写を導くことができる。好適なプロモーター及び他の転写制御領域は本明細書に開示されている。様々な転写制御領域が当業者に知られている。これらには、限定されないが、脊椎動物細胞において機能する転写制御領域、例えば、限定されないが、サイトメガロウイルス由来のプロモーター及びエンハンサーセグメント(例えばイントロン−Aと連結した最初期プロモーター)、サルウイルス40(例えば初期プロモーター)、及び(例えばラウス肉腫ウイルスなど)レトロウイルスを含む。他の転写制御領域は、脊椎動物の遺伝子、例えばアクチン熱ショックタンパク質ウシ成長ホルモン及びウサギα−グロビン、並びに、真核細胞における遺伝子発現を調節することができる他の配列に由来するものを含む。更なる好適な転写調節領域は、組織特異的プロモーター及びエンハンサー並びに誘導性プロモーター(例えばプロモーター誘導性テトラサイクリン)を含む。同様に、様々な転写制御エレメントが当業者に知られている。これらには、限定するものではないが、リボソーム結合部位、翻訳開始及び終結コドン、及びウイルス系由来の要素(特に、配列内リボソーム進入部位、又はCITE配列とも呼ばれるIRES)を含む。発現カセットはまた、例えば、複製起点、及び/又はレトロウイルスの長い末端反復配列(LTR)又はアデノ随伴ウイルス(AAV)の末端逆位配列(ITR)など染色体組み込み要素など他の特徴を含んでいてもよい。

0137

本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び核酸コード領域は、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの分泌を指示する分泌ペプチド又はシグナルペプチドをコードする付加的コード領域と結合させることができる。例えば、免疫サイトカインの分泌が望まれる場合、シグナル配列をコードするDNAが免疫サイトカイン又はその断片をコードする核酸の上流に配置されうる。シグナル仮説によると、哺乳類細胞によって分泌されるタンパク質はシグナルペプチド又は分泌リーダー配列を有し、これは粗面小胞体上で成長するタンパク質鎖の排出が開始されると成熟タンパク質から切断される。当業者は、脊椎動物細胞によって分泌されるポリペプチドが通常、ポリペプチドの分泌型又は「成熟」型を生成するために翻訳されたポリペプチドから切断されるポリペプチドのN末端に融合されたシグナルペプチドを有することを認識している。特定の実施態様では、天然のシグナルペプチド、例えば免疫グロブリン重鎖又は軽鎖シグナルペプチド又は作動可能に結合しているポリペプチドの分泌を指示する能力を保持するその配列の機能的誘導体が使用される。或いは、異種哺乳動物シグナルペプチド、又はその機能的誘導体を使用することができる。例えば、野生型リーダー配列は、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子TPA)又はマウスβ−グルクロニダーゼのリーダー配列で置換されてもよい。分泌シグナルペプチドの例示的なアミノ酸及び対応するポリヌクレオチド配列を、配列番号115〜123に示す。

0138

後の精製を容易にし(例えば、ヒスチジンタグ)又は免疫サイトカインの標識化における補助のために使用されうる短タンパク質配列をコードするDNAは、ポリヌクレオチドをコードする免疫サイトカイン(断片)の中又は末端に含まれうる。

0139

更なる実施態様では、本明細書に記載される一又は複数のポリヌクレオチドを含む宿主細胞が提供される。ある実施態様では、本明細書に記載される一又は複数のベクターを含む宿主細胞が提供される。ポリヌクレオチド及びベクターは、ポリヌクレオチド及びベクターそれぞれに関連して本明細書に記載される特徴の何れかを単独で又は組み合わせて組み込むことができる。一つのそのような実施態様において、宿主細胞は、本明細書に記載される免疫サイトカイン(の一部)をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む(例えば該ベクターで形質転換又はトランスフェクトされる)。本明細書で使用される場合、「宿主細胞」なる用語は、免疫サイトカイン又はその断片を生成するように操作することができる任意の種類の細胞系を指す。免疫サイトカインの複製及び発現の補助に好適な宿主細胞は当技術分野で周知である。このような細胞は特定の発現ベクターで適切にトランスフェクト又は形質導入され得、大量のベクター含有細胞が、臨床利用のための十分な量の免疫サイトカインを得るために、大規模発酵槽での播種のために増殖されうる。適切な宿主細胞は、原核生物微生物、例えば大腸菌、又は様々な真核生物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、昆虫細胞などを含む。例えば、特に、グリコシル化が必要でない場合には、ポリペプチドは細菌中で生成することができる。発現の後、ポリペプチドは可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離され得、更に精製することができる。原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、菌類酵母菌株を含むポリペプチドをコードするベクターのための適切なクローニング宿主又は発現宿主であり、そのグリコシル化経路は「ヒト化」されており、部分的又は完全なヒトのグリコシル化パターンを有するポリペプチドの生成をもたらす。Gerngross, Nat Biotech 22, 1409-1414 (2004)、及びLi et al., Nat Biotech 24, 210-215 (2006)を参照。(グリコシル化)ポリペプチドの発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物無脊椎動物と脊椎動物)から派生している。無脊椎動物細胞の例は、植物細胞及び昆虫細胞を含む。多数のバキュロウイルス株が同定され、これらは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用することができる。植物細胞培養もまた宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5959177号、第6040498号、第6420548号、第7125978号及び第6417429号(トランスジェニック植物における抗体産生に関するPLNTBODIESTM技術を記載)を参照。脊椎動物細胞もまた宿主として用いることができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合した哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)で形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載された293細胞又は293T細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスのセルトリ細胞(例えば、Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるTM4細胞)、サル腎細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76)、ヒト子宮頚癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝臓細胞BRL3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(HepG2)、マウス乳腺腫瘍細胞(MMT060562)、(例えば、Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載される)TRI細胞、MRC5細胞、及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、dhfr−CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;及びYO、NS0、P3X63及びSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。タンパク質生成に適した特定の哺乳動物宿主細胞系の総説については、例えば、Yazaki and Wu, Methodsin Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ), pp. 255-268 (2003)を参照。宿主細胞は、培養細胞、例えば幾つか挙げると、哺乳動物の培養細胞、酵母細胞、昆虫細胞、細菌細胞及び植物細胞、並びにトランスジェニック動物、トランスジェニック植物又は培養植物又は動物組織内部に含まれる細胞を含む。一実施態様において、宿主細胞は、真核生物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞、又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。

0140

これらの系において外来遺伝子を発現する標準的な技術が当技術分野で知られている。抗体の重鎖又は軽鎖のどちらかを含むポリペプチドを発現する細胞は、発現された産物が重鎖及び軽鎖の両方を有する抗体であるように、抗体鎖の他方を発現するように操作されうる。

0141

一実施態様において、本明細書に記載される免疫サイトカインを生成する方法が提供され、その方法は、本明細書に与えられるように、免疫サイトカインの発現に適した条件下で、免疫サイトカインをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養すること、及び宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から免疫サイトカインを回収することを含む。

0142

免疫サイトカインの構成要素は、遺伝的に互いに融合されている。免疫サイトカインは、その成分が、お互いに直接的に又はリンカー配列を介して間接的に融合されるように設計することができる。リンカー組成及び長さは、当該技術分野で周知の方法に従って決定することができ、有効性について試験することができる。エフェクター部分とFcドメインとの間のリンカー配列の例は、配列番号69、70、71、72、73、79、82、83及び84に示される配列に見出される。望ましい場合、融合の個々の成分を分離するための切断部位を組み込むために、付加的配列、例えばエンドペプチダーゼ認識配列を含めることもできる。

0143

免疫サイトカインは、抗原決定基に結合することができる少なくとも抗体可変領域を含む。可変領域は、天然に又は非天然に存在する抗体及びその断片の一部を形成することができ、且つそのような抗体及び断片から誘導することができる。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を生成する方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Harlow and Lane, 「Antibodies, a laboratory manual」, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988)。天然に存在しない抗体は、固相−ペプチド合成を使用して構築されるか、組換えにより生成されるか(例えば、米国特許第4,186,567号に記載されているように)又は、例えば、可変重鎖及び可変軽鎖を含むコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる(例えば、McCaffertyの米国特許第5,969,108号を参照)。抗原結合部分及びその生産方法がまたPCT公開番号WO2011/020783に詳細に記載されており、その全体を出典明記によって本明細書に援用する。

0144

何れかの動物種の抗体、抗体断片、抗原結合ドメイン又は可変領域が、本明細書に記載される免疫サイトカインにおいて用いることができる。本発明において有用な非限定的抗体、抗体断片、抗原結合ドメイン又は可変領域は、マウス、霊長類、又はヒト起源のものでありうる。免疫サイトカインがヒトでの使用を意図する場合、抗体の定常領域がヒトに由来するキメラ形態の抗体が使用され得る。抗体のヒト化形態又は完全ヒト形態もまた、当該分野で周知の方法に従って調製することができる(例えばWinterの米国特許第5565332号を参照)。ヒト化は、様々な方法によって達成することができ、それらの方法には、限定されないが、(a)非ヒト(例えば、ドナー抗体)のCDRを、重要なフレームワーク残基(例えば、良好な抗原結合親和性又は抗体機能を維持するために重要であるもの)の保持を伴う又は伴わないヒト(例えば、レシピエント抗体)のフレームワーク領域及び定常領域の上に移植すること、(b)非ヒト特異性決定領域(SDR又はa−CDR;抗体−抗原相互作用に重要な残基)のみをヒトフレームワーク領域及び定常領域上に移植すること、又は(c)非ヒト可変ドメイン全体を移植するが、表面残基の置換によってヒト様切片で「覆い隠す」ことが含まれる。ヒト化抗体及びそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に総説され、更に、例えば、Riechmann et al., Nature 332, 323-329 (1988); Queen et al., Proc Natl Acad Sci USA 86, 10029-10033 (1989);米国特許第5821337号、同第7527791号、同第6982321号、及び同第7087409号;Jones et al., Nature 321, 522-525 (1986); Morrison et al., Proc Natl Acad Sci 81, 6851-6855 (1984); Morrison and Oi, Adv Immunol 44, 65-92 (1988); Verhoeyen et al., Science 239, 1534-1536 (1988); Padlan, Molec Immun 31(3), 169-217 (1994); Kashmiri et al., Methods36, 25-34 (2005) (SDR(a−CDR)移植を記述する);Padlan, Mol Immunol 28, 489-498 (1991) (「リサーフシング」を記述する); Dall'Acqua et al., Methods 36, 43-60 (2005) (「FRシャッフリング」を記述する);及びOsbourn et al., Methods 36, 61-68 (2005)及びKlimka et al., Br J Cancer 83, 252-260 (2000)(FRシャッフリングへの「誘導選択」アプローチを記述する)に記載されている。ヒト抗体及びヒト可変領域は、当技術分野で周知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的に、van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001) 及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。ヒト可変領域は、ハイブリドーマ法によって作製されたヒトモノクローナル抗体の一部を形成することができ、且つそのような抗体から誘導することができる(例えば、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987)を参照)。ヒト抗体及びヒト可変領域は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を持つインタクトな抗体を生成するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することもできる(例えば、Lonberg, Nat Biotech 23, 1117-1125 (2005)を参照)。ヒト抗体及びヒト可変領域はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変領域配列を単離することによっても生成され得る(例えば、Hoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178, 1-37 (O'Brien et al., ed., Human Press, Totowa, NJ, 2001);及びMcCafferty et al., Nature 348, 552-554; Clackson et al., Nature 352, 624-628 (1991))。ファージは、典型的には、一本鎖Fv(scFv)断片又はFab断片の何れかとして抗体断片を提示する。ファージディスプレイによるイムノコンジュゲートの抗原結合部分の調製の詳細な説明は、PCT公開番号WO2011/020783に添付される実施例に見出される。

0145

ある実施態様では、抗体は、例えばPCT公開番号WO2011/020783(親和性成熟に関する実施例を参照)又は米国特許出願公開番号2004/0132066(この全内容を出典明記によってここに援用する)に開示される方法に従い、増強された結合親和性を有するように操作される。特定の抗原決定基に結合する免疫サイトカインの能力は、酵素結合免疫吸着測定法ELISA)又は当業者によく知られている他の技術、例えば表面プラズモン共鳴技術(BIAcoreT100システムで解析される)(Liljeblad, et al., Glyco J 17, 323-329 (2000))及び伝統的な結合アッセイ(Heeley, Endocr Res 28, 217-229 (2002))の何れかによって測定することができる。競合アッセイを、特定の抗原への結合について参照抗体競合する抗体、抗体断片、抗原結合ドメイン又は可変ドメインを同定するため、例えばCEAへの結合についてCH1A1A 98/99 2F1抗体と競合する抗体を同定するために使用することができる。特定の実施態様では、このような競合する抗体は、参照抗体によって結合される同じエピトープ(例えば直鎖状又は立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための典型的な方法の詳細が、Morris (1996) “Epitope MappingProtocols," in Methodsin Molecular Biology vol. 66 (Humana Press, Totowa, NJ)に提供されている。典型的な競合アッセイにおいて、固定化抗原(例えばCEA)は、抗原(例えばCH1A1A 98/99 2F1抗体)に結合する第一の標識抗体と抗原へ結合について第一の抗体と競合するその能力について試験されている第二の非標識抗体とを含む溶液中でインキュベートされる。第二の抗体はハイブリドーマ上清に存在してもよい。対照として、固定化抗原が、第一の標識抗体を含むが第二の非標識抗体は含まない溶液中でインキュベートされる。第一の抗体の抗原への結合を許容する条件下でインキュベートした後、過剰な非結合抗体が除去され、固定化された抗原に結合した標識の量が測定される。固定化抗原に結合した標識の量が、対照試料と比較して試験試料中で実質的に減少している場合、それは、第二抗体が、抗原への結合において第一の抗体と競合していることを示している。Harlow and Lane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual ch.14 (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)を参照。

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