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課題

高濃度一酸化炭素および/又は二酸化炭素共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を円滑に進行させる触媒等として使用できる新規ホウ素化合物を提供すること。

解決手段

下記式(1)で表される新規なホウ素化合物を提供する。

化1

[上記式(1)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

概要

背景

従来、水素化反応に使用されてきた遷移金属触媒は、一酸化炭素により被毒されてしまうため粗水素ガス水素源として用いることは不可能であった。近年、金属の力を借りずに有機物のみを用いて分子状水素をヘテロティック開裂させることが可能なFLP(フラストレイテドルイスペア)と呼ばれる状態を生み出す触媒により、一酸化炭素の共存下でも水素化反応を進行させることが可能になった。非特許文献1、2には、イミンや、アルデヒドならびにケトンの水素化反応の触媒として、フッ素で一部置換されたフェニル基を有するホウ素化合物が記載されている。しかしながら、高濃度二酸化炭素の共存する条件下における触媒活性については検討されていない。

特許文献1では、トリス(ペンタフルオロフェニルボランを触媒として用いた不飽和化合物水素化方法が開示されている。しかしながら、二酸化炭素が高濃度で共存する条件下では、既存のFLP型触媒も活性が著しく低下し、反応を完結することはできなかった。このため、高濃度の二酸化炭素の共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を完結できる触媒が求められていた。

概要

高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を円滑に進行させる触媒等として使用できる新規なホウ素化合物を提供すること。下記式(1)で表される新規なホウ素化合物を提供する。[上記式(1)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]なし

目的

本発明の課題は、高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を円滑に進行させる触媒等として使用できる新規なホウ素化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

下記式(1)で表されるホウ素化合物。[上記式(1)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

請求項2

下記式(2)で表されるホウ素化合物。[上記式(2)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R3は炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

請求項3

請求項1または2に記載のホウ素化合物を含有する化学品組成物

請求項4

請求項1または2に記載のホウ素化合物を水素化触媒として用いる水素化物の製造方法。

請求項5

請求項1または2に記載のホウ素化合物を開始剤として用いる重合体の製造方法。

請求項6

請求項1または2に記載のホウ素化合物をルイス酸触媒として用いる付加体の製造方法。

請求項7

請求項1または2に記載のホウ素化合物を含む、粗水素ガス水素源とする不飽和化合物の水素化触媒。

技術分野

0001

本発明は、ホウ素化合物、およびそれを用いた水素化物重合体ならびに付加体の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、水素化反応に使用されてきた遷移金属触媒は、一酸化炭素により被毒されてしまうため粗水素ガス水素源として用いることは不可能であった。近年、金属の力を借りずに有機物のみを用いて分子状水素をヘテロティック開裂させることが可能なFLP(フラストレイテドルイスペア)と呼ばれる状態を生み出す触媒により、一酸化炭素の共存下でも水素化反応を進行させることが可能になった。非特許文献1、2には、イミンや、アルデヒドならびにケトンの水素化反応の触媒として、フッ素で一部置換されたフェニル基を有するホウ素化合物が記載されている。しかしながら、高濃度二酸化炭素の共存する条件下における触媒活性については検討されていない。

0003

特許文献1では、トリス(ペンタフルオロフェニルボランを触媒として用いた不飽和化合物水素化方法が開示されている。しかしながら、二酸化炭素が高濃度で共存する条件下では、既存のFLP型触媒も活性が著しく低下し、反応を完結することはできなかった。このため、高濃度の二酸化炭素の共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を完結できる触媒が求められていた。

0004

特開2017−206474号公報

先行技術

0005

Journal of Organometallic Chemistry,vol.847,2017,pp.258−262
ACS Catalysis,Vol.5,nb.9,2015,pp.5366−5372

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を円滑に進行させる触媒等として使用できる新規なホウ素化合物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、FLP型触媒として使用するホウ素化合物の安定性反応効率を向上させるべく、改良構造を設計して合成し、反応を実施した結果、特定の構造を有するホウ素化合物が、粗水素ガスを水素源とする水素化反応の触媒として極めて高い活性を示し、この触媒の使用により高収率目的物を取得できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0008

すなわち本発明のホウ素化合物は、下記式(1)で表される。



[上記式(1)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

0009

また、本発明の別のホウ素化合物は、下記式(2)で表される。



[上記式(2)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R3は、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

0010

本発明はまた、上記ホウ素化合物を含有する化学品組成物である。
また、本発明の水素化物の製造方法では、上記ホウ素化合物を水素化触媒として用いる。
さらに、本発明の重合体の製造方法では、上記ホウ素化合物を開始剤として用いる。
さらにまた、本発明の付加体の製造方法では、上記ホウ素化合物をルイス酸触媒として用いる。
またさらに、本発明の粗水素ガスを水素源とする不飽和化合物の水素化触媒は、上記ホウ素化合物を含む。

発明の効果

0011

本発明のホウ素化合物によれば、高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、反応を円滑に進行させる触媒等として使用できる新規なホウ素化合物を提供できる。

0012

1.ホウ素化合物
本発明のホウ素化合物は、下記式(1)で表される。



[上記式(1)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

0013

また、本発明の別のホウ素化合物は、下記式(2)で表される。



[上記式(2)中、X1は、水素原子又は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表し、X2は、フルオロ基以外の電子吸引性基を表す。R3は、炭素数1〜24の有機基を表し、該炭素数1〜24の有機基は置換基を有していても良い。]

0014

本発明のホウ素化合物の設計では、ホウ素化合物のアリール基について、以下の観点が重要である。
(1)アリール基に高い電子吸引性を付与するため、置換基として電子吸引性置換基を導入すること。
(2)反応中心であるホウ素近傍は嵩高くしすぎないこと。
(3)反応中心であるホウ素から遠い位置をやや嵩高くすること。
(4)芳香族求核置換反応を回避するため、ハロゲンを3個以上並べないこと、即ち、パラ位は無置換とすること。

0015

本発明のホウ素化合物では、アリール基のオルト位をフルオロ基とし、メタ位のX1、X2で表される基のうち少なくともX2で表される基をフルオロ基以外の電子吸引性基とし、さらにパラ位を無置換の水素原子とすることにより、上記(1)〜(4)の観点が満たされる。

0016

上記X1、X2で表される、フルオロ基以外の電子吸引性基としては、ニトロ基シアノ基トリフルオロメチル基トリフルオロメタンスルホニル基アルキルスルホニル基アリールスルホニル基等の置換スルホニル基クロロ基ブロモ基ヨード基が挙げられる。中でもトリフルオロメチル基、トリフルオロメタンスルホニル基、クロロ基が好ましく、トリフルオロメチル基、クロロ基がより好ましく、クロロ基が特に好ましい。

0017

上記R1〜R3で表される炭素数1〜24の有機基としては、特に限定されないが、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数3〜24のシクロアルキル基、炭素数3〜24のアリール基、炭素数1〜24のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数2〜24の鎖状もしくは環状アルコキシアルキル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、炭素数7〜24のアリールアルコキシ基、炭素数1〜24のアルキルチオ基、炭素数6〜24のアリールチオ基、炭素数7〜24のアリールアルキルチオ基等が挙げられる。

0018

炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基n−ヘキシル基、n-ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。

0019

炭素数3〜24のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基アダマンチル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数3〜18のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜12のシクロアルキル基がより好ましい。

0020

炭素数3〜24のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基インデニル基ビフェニル基、フェナンスニル基アントラセニル基、4−ピリジル基トリル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数3〜18のアリール基が好ましく、炭素数3〜15のアリール基がより好ましい。

0021

炭素数1〜24のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基がさらに好ましい。

0022

炭素数6〜24のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、p−エチルフェノキシ基、3,5−ジフェニルフェノキシ基、3,5−ビス(3’,4’−ビス(トリフルオロメチルフェニル)フェノキシ基、4−n−オクチルフェノキシ基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数6〜18のアリールオキシ基が好ましく、炭素数6〜15のアリールオキシ基がより好ましい。

0023

炭素数2〜24の鎖状もしくは環状アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基がより好ましい。

0024

炭素数7〜24のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数7〜18のアリールアルキル基が好ましく、炭素数7〜15のアリールアルキル基がより好ましい。

0025

炭素数7〜24のアリールアルコキシ基としては、ベンジルオキシ基クロロベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数7〜18のアリールアルコキシ基が好ましく、炭素数7〜15のアリールアルコキシ基がより好ましい。

0026

炭素数1〜24のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、i−プロピルチオ基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜18のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜15のアルキルチオ基がより好ましい。

0027

炭素数6〜24のアリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数6〜18のアリールチオ基が好ましく、炭素数6〜15のアリールチオ基がより好ましい。

0028

炭素数7〜24のアリールアルキルチオ基としては、メチルチオフェニル基エチルチオフェニル基、プロピルチオフェニル基、n−ブチルチオフェニル基、s−ブチルチオフェニル基、t−ブチルチオフェニル基、i−プロピルチオフェニル基等を挙げることができる。これらのうち、炭素数7〜18のアリールアルキルチオ基が好ましく、炭素数7〜15のアリールアルキルチオ基がより好ましい。

0029

上記炭素数1〜24の有機基が有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等の電子吸引性基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基およびその塩、アルコキシカルボニル基アシルオキシ基アロイルオキシ基、アミノ基、アミノカルボニル基、シアノ基、スルホン基及びその塩、アルキルスルホニル基、アルキルスルファニル基アルキルスルフィニル基アルキルスルフェニル基、アリールスルホニル基、アリールスルファニル基アリールスルフィニル基アリールスルフェニル基、鎖状もしくは環状アルキル基、鎖状もしくは環状アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、鎖状もしくは環状ジアルキルアミノ基、鎖状もしくは環状ジアルキルアミノカルボニル基、鎖状もしくは環状アルコキシアルキル基等が挙げられる。これらの置換基は、さらに置換基を有していても良い。なお、「置換基を有しても良い」とは、有機基の水素原子の1または2以上が置換基で置換されていることを意味し、例えば置換基を有するアルキル基とは、アルキル基の水素原子の1または2以上が置換基で置換されている構造のアルキル基を表す。
上記R1〜R3で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜24の有機基は、全体として、炭素数は2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、6以上であることがさらに好ましく、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。

0030

上記R1〜R3で表される炭素数1〜24の有機基は、電子吸引性置換基を有していることが好ましい。これにより、本発明のホウ素化合物におけるルイス酸性化合物部分のルイス酸性をより向上させることができ、FLP型触媒としての性能をより高めることができる。電子吸引性基としては、上記ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子の中でもハロゲン原子からなる基が好ましい。上記ハロゲン原子からなる基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、中でもフルオロ基及び/又はクロロ基が特に好ましい。
上記R1〜R3で表される炭素数1〜24の有機基は、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、置換基を有していても良いアリール基であることがより好ましい。

0031

上記R1〜R3で表される炭素数1〜24の有機基としては、具体的には、アリール基、ヘテロアリール基であることが好ましく、4−ピリジル基、2,5−ジフルオロ−4−ピリジル基、2,6−ジフルオロ−4−ピリジル基、2,3,6−トリフルオロ−4−ピリジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル基、2−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,3,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ジフルオロ−4−クロロフェニル基、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジフルオロ−3−クロロフェニル基,2,6−ジフルオロ−3,5−ジクロロフェニル基であることがより好ましく、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロ−3−クロロフェニル基,2,6−ジフルオロ−3,5−ジクロロフェニル基であることが更に好ましく、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロ−3,5−ジクロロフェニル基であることが特に好ましい。

0032

本発明のホウ素化合物としては、具体的には、下記式(11)で表されるホウ素化合物[(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン;以下、ASBという場合がある]、または(12)で表されるホウ素化合物[トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン;以下、MHBという場合がある]が特に好ましい。

0033

0034

0035

上記ホウ素化合物では、ホウ素化合物のアリール基について、以下の観点を満たすよう設計されているため、本発明の課題を解決できる。
(1)アリール基に高い電子吸引性を付与するため、置換基として電子吸引性置換基を導入すること。
(2)反応中心であるホウ素近傍は嵩高くしすぎないこと。
(3)反応中心であるホウ素から遠い位置をやや嵩高くすること。
(4)芳香族求核置換反応を回避するため、ハロゲンを3個以上並べないこと、即ち、パラ位は無置換とすること。

0036

2.化学品組成物
本発明の化学品組成物は、上記本発明のホウ素化合物を含有する。本発明の化学品組成物としては、後述する水素化物の製造における反応前の化学品組成物、反応後の水素化物を含む組成物、重合体の製造における反応前のモノマー組成物、反応後の樹脂を含む組成物、付加体の製造における反応前の化学品組成物、反応後の付加体を含む組成物等が挙げられる。

0037

3.水素化物の製造方法
本発明の水素化物の製造方法では、上記本発明のホウ素化合物を水素化触媒として用いる。本発明の水素化物の製造方法は、好ましくは、水素ガスまたは粗水素ガスを水素源とし、フラストレイテッドルイスペアの存在下で、不飽和化合物の少なくとも1つの不飽和結合に水素原子を添加する工程(「水素化工程」ともいう)を含む。なお、上記「水素化物」とは、不飽和化合物の少なくとも1つの不飽和結合に水素原子が付加された化合物を意味し、「水素化された化合物」ということもある。
上記不飽和化合物が2つ以上の不飽和結合を含む場合、1つのみの不飽和結合に水素原子を添加しても良いが、2つ以上の不飽和結合に水素原子を添加しても良い。よって、本発明の水素化物の製造方法における水素化物は、不飽和化合物である場合と、飽和化合物である場合とがある。

0038

上記「粗水素ガス」とは、天然ガスナフサ、重質油石炭石油排ガスシェールオイルなどの炭化水素や、メタノールエタノールなどのアルコール類バイオマス産業廃棄物プラスチックなどの有機性廃棄物から製造される水素を含む混合ガスであり、一酸化炭素および/または二酸化炭素を含む。大型の化学プラント生産した粗水素ガスを用いてもよいし、小型の家庭用改質装置から供給されるものでもよい。粗水素ガスの水素含有量は、使用する原料設備等によって任意に選択可能であるため、特に限定されるものではないが、水素化反応を円滑に進めるという観点で好ましい水素含有量は、水素と一酸化炭素と二酸化炭素の合計100モル%に対して、20モル%以上、99.9モル%未満であり、より好ましくは50モル%以上、99.9モル%未満であり、さらに好ましくは70モル%以上、99.9モル%未満である。

0039

本発明の水素化物の製造方法において、水素化反応に用いる不飽和化合物は、イミン、窒素含有複素環化合物、アルデヒド、ケトン、アルケンアルキン、不飽和結合を有するオリゴマーもしくはポリマー等であり、一種または二種以上を用いることができる。窒素含有不飽和複素環化合物としては、ピリジン類ピラジン類キノリン類アクリジン類、1,10−フェナントロリン類インドール類等を挙げることができる。また、不飽和結合を有するオリゴマーやポリマーは同一分子内に1つもしくは2つ以上の不飽和結合を有していてもよい。

0040

本発明の水素化物の製造方法で得られる水素化された化合物としては、アミン類ピペリジン類ピペラジン類テトラヒドロキノリン類、テトラヒドロフェナントロリン類、インドリン類等の窒素含有複素環化合物;アルコールアルカン、アルケン等が例示される。

0041

本発明の水素化物の製造方法では、溶剤を用いることができる。使用できる溶媒としては、水素化触媒としての本発明のホウ素化合物と反応せず、もしくは後段の不飽和化合物の水素化反応を阻害せず、本発明のホウ素化合物と不飽和化合物を適度に溶解できるものであることが好ましい。例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒アセトンなどのケトン系溶媒;メタノールなどのアルコール系溶媒テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒酢酸エチルなどのエステル系溶媒アセトニトリルなどのニトリル系溶媒ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒エチレンカーボネートなどの炭酸エステル系溶媒が上げられ、より好ましくは、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒;n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒である。また、上記溶媒2種以上の混合溶媒を使用することができる。なお、事前に本発明のホウ素化合物、不飽和化合物等を溶媒に溶かしておく場合、これらの溶液の溶媒は、同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。また、溶媒を使用せずに実施してもよい。

0042

本発明の水素化物の製造方法では、本発明のホウ素化合物、不飽和化合物を溶媒に溶かし、水素ガス、粗水素ガス等の水素源を混合することで水素化を実施することが好ましい。本発明に関わる水素化反応は、水素源を追加しながら反応を実施することもできる。本発明では、水素化反応を常圧付近、もしくは微加圧の条件下にて実施できることも特徴である。当該圧力は常圧でもよいが、加圧状態で行うことにより、効率的に水素化反応を実施することができる。加圧で行う場合、圧力が大きすぎると加圧に必要なエネルギーが大きく、非効率となりうるので、500気圧以下が好ましく、100気圧以下がより好ましく、50気圧以下が特に好ましい。

0043

本発明の水素化物の製造方法では、上記水素化工程を必須に含むが、その他の工程を含んでいても良い。例えば、精製工程、触媒不活性化工程、希釈工程、濃縮工程、抽出工程未反応原料回収工程、ろ過工程、触媒回収工程等が例示される。

0044

例えば、水素化された化合物が不溶化または結晶化して析出した場合、析出物をろ別する工程を設けても良い。水素化された化合物が固形の場合、n−ヘキサンなどの貧溶媒等で洗浄する工程を設けても良い。水素化された化合物が固形の場合、乾燥する工程を設けても良い。上記乾燥する工程は、減圧下で行っても良い。水素化された化合物が液体の場合は、蒸留などして精製する工程を設けてもよい。

0045

触媒を再利用する場合は、触媒を不溶化または結晶化して析出させて、ろ過工程により回収し、次の反応に再利用することもできる。

0046

4.重合体の製造方法
本発明の重合体の製造方法では、上記本発明のホウ素化合物を開始剤として用いる。本発明の重合体の製造方法では、例えば、オキシラン基オキシラン環)、オキセタン基オキセタン環)、エチレンスルフィド基ジオキソラン基、トリオキソラン基、ビニルエーテル基スチリル基等のカチオン重合性基を有する化合物を、上記本発明のホウ素化合物を開始剤として用いて重合できる。重合の諸条件としては、公知の条件が適用でき、熱を加えることで反応を促進することもできる。

0047

本発明の重合体の製造方法では、上記重合工程を必須に含むが、その他の工程を含んでいても良い。例えば、精製工程、触媒不活性化工程、希釈工程、濃縮工程、抽出工程、未反応原料の回収工程、ろ過工程、触媒回収工程等が例示される。

0048

例えば、重合した化合物が不溶化または結晶化して析出した場合、析出物をろ別する工程を設けても良い。重合した化合物が固形の場合、n−ヘキサンなどの貧溶媒等で洗浄する工程を設けても良い。重合した化合物が固形の場合、乾燥する工程を設けても良い。上記乾燥する工程は、減圧下で行っても良い。重合した化合物が液体の場合は、蒸留などして精製する工程を設けてもよい。重合して3次元架橋構造を形成する化合物の場合、開始剤を取り除かずに重合反応を継続し、そのまま重合生成物としてもよい。

0049

開始剤を再利用する場合は、開始剤を不溶化または結晶化して析出させて、ろ過工程により回収し、次の反応に再利用することもできる。

0050

5.付加体の製造方法
本発明の付加体の製造方法では、上記本発明のホウ素化合物をルイス酸触媒として用いる。本発明の付加体製造方法としては、酸素官能基窒素官能基ルイス酸的に活性化することによって促進される反応であれば、反応促進効果が期待されるため、特に限定されるものではない。例えば、アルデヒド、ケトン等のカルボニル化合物へのエノール誘導体アリルケ素化合物アリルホウ素化合物に代表される炭素求核剤付加反応、アルケン、α,β不飽和カルボニル化合物へのエノール誘導体、アリルケイ素化合物、アリルホウ素化合物に代表される炭素求核剤、アルコール類、フェノール類カルボン酸類アミド類、アミン類、チオール類ホスフィン類に代表されるヘテロ原子求核剤の付加反応、Diels−Alder反応等を、本発明のホウ素化合物をルイス酸触媒として用いることで収率良く行うことができる。

0051

本発明の付加体の製造方法では、上記付加反応工程を必須に含むが、その他の工程を含んでいても良い。例えば、精製工程、触媒不活性化工程、希釈工程、濃縮工程、抽出工程、未反応原料の回収工程、ろ過工程、触媒回収工程等が例示される。

0052

例えば、付加体が不溶化または結晶化して析出した場合、析出物をろ別する工程を設けても良い。付加体が固形の場合、n−ヘキサンなどの貧溶媒等で洗浄する工程を設けても良い。付加体が固形の場合、乾燥する工程を設けても良い。上記乾燥する工程は、減圧下で行っても良い。付加体が液体の場合は、蒸留などして精製する工程を設けてもよい。

0053

触媒を再利用する場合は、触媒を不溶化または結晶化して析出させて、ろ過工程により回収し、次の反応に再利用することもできる。

0054

6.粗水素ガスを水素源とする不飽和化合物の水素化触媒
粗水素ガスを水素源とする不飽和化合物の水素化反応では、上記本発明のホウ素化合物を水素化触媒として用いる。本発明の粗水素ガスを水素源とする不飽和化合物の水素化触媒によれば、高濃度の一酸化炭素および/又は二酸化炭素が共存する条件下においても、水素化反応における触媒被毒が抑制され、水素化反応を円滑に進行させ、高収率で目的物を取得することができる。ここで「粗水素ガス」とは、上記の通りである。

0055

以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0056

実施例1
下記反応式(3)に示すようにして、(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(ASB)の合成を行った。

0057

0058

窒素雰囲気下、1,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロ−3−ヨードベンゼン(3.01g,9.74mmol)をジエチルエーテル(30mL)に加えた後、iPrMgCl(2.0Mジエチルエーテル溶液,4.9mL,9.7mmol)をゆっくりと加え、(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)MgClを調製した。得られた混合物を、室温にて1時間撹拌した。
その後、(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)MgClのジエチルエーテル(5mL)懸濁液に、トリフルオロ(2,6−ジクロロフェニル)ホウ酸カリウム(1.17g,4.64mmol)を0℃で加え、混合物を室温にした後、一晩撹拌した。
続いて、全ての揮発物を除去し、窒素雰囲気下で温ヘキサン50mLを用いて5回抽出した。さらに揮発物を除去して固体を得た。固体を3回、冷ヘキサンで洗い、真空乾燥して、白色固体(1.46g,2.80mmol,収率60%)として(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボランを得た。
得られた固体を−35℃にてトルエン/ヘキサン溶液を用いて再結晶することで無色透明の結晶が得られたため、X線結晶構造解析を行った。

0059

NMRスペクトル
1H NMR(400MHz,C6D6):δ=6.80(t,J=7.4Hz,2H);6.76(d,J=8.0Hz,2H);6.46(t,J=8.0Hz,1H).
11B NMR(128MHz,C6D6):δ=63.0ppm.
13C{1H}NMR(100MHz,C6D6):δ=160.4(d,J=10.0Hz),157.9(d,J=10.0Hz),163.3,134.8,131.7,127.2,117.9(d,J=23.0Hz),117.8.
19F NMR(376MHz,C6D6):δ=−104.0(d,J=7.52Hz).

0060

X線データ
M=520.73,colorless,orthorhombic,Pbcn(#60),a=16.6550(3)Å,b=10.3237(2)Å,c=11.4217(2)Å,α=90°,β=90°,γ=90°,V=1963.86(6)Å3,Z=4,Dcalcd=1.761g/cm3,T=−150℃,R1(wR2)=0.0252(0.0641).

0061

実施例2
下記反応式(4)で示すようにして、トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(MHB)の合成を行った。

0062

0063

窒素雰囲気下、100mLナスフラスコに1,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロ−3−ヨードベンゼン(1.4g,4.5mmol)、ジエチルエーテル(15mL)を加えた後、iPrMgCl(1.0Mジエチルエーテル溶液、4.5mL,4.5mmol)を滴下し、反応溶液を室温にて2時間撹拌した。反応溶液にBF3・OEt2(181μL,1.5mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、温ヘキサンを用いて抽出した。溶媒を減圧留去し、白色固体(600mg,1.1mmol,収率73%)を得た。得られた固体をトルエン/ヘキサン溶液にて再結晶することで無色透明の結晶が得られたため、X線結晶構造解析を行った。

0064

*NMRスペクトル
1H NMR(400MHz,C6D6):δ=6.77(t,3H,4JH,F=7.3).
11B{1H}NMR(128MHz,C6D6):δ=60.4(br).
19F NMR (376MHz,C6D6):δ=−105.2(s).
13C NMR(100MHz,C6D6):δ=159.9(dd,2JC,H=10,2JC,F=253),138.0(s),119.7(d,1JC,H=22),119.7(br)

0065

*X線データ
colorless,monoclinic,C2/c(#15),a=14.1339(2)Å,b=15.9637(2)Å,c=20.7520(3)Å,α=90°,β=99.097(1)°,γ=90°,V=4623.37(11)Å3,Z=8,ρ=1.599g/cm3,T=143K,R1=0.0340,wR2=0.0970.

0066

実施例3、4、比較例1〜8
触媒10モル%での2−メチルキノリンの水素化実験

0067

12atmのH2/CO/CO2(1/1/1;容積比混合ガス雰囲気下、実施例1、2で得られたホウ素化合物とB1〜B8に示す種々のホウ素化合物(BAr3と称する場合がある)を触媒として10モル%用い、上記反応式(5)で示す2−メチルキノリンの2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンへの触媒的水素化反応を1.5Mのトルエン溶液中にて検討した。収率(モル%)の結果を表1に示す。収率は、ガスクロマトグラフィ分析にて内部標準物質テトラデカンとの面積比で決定した。

0068

0069

0070

表1より、ASB、MHB、B7、B8のホウ素化合物を触媒とした場合に、H2/CO/CO2(1/1/1;容積比)混合ガスを用いた水素化反応における触媒被毒が抑制され、収率が99モル%超となった。

0071

実施例5
触媒1モル%での2−メチルキノリンの水素化実験
12atmのH2/CO/CO2(1/1/1;容積比)混合ガス雰囲気下、1モル%のASBを触媒として用い、下記反応式(6)で示す2−メチルキノリンの2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンへの触媒的水素化反応を1.5Mのトルエン溶液中にて検討した。

0072

0073

具体的には、窒素雰囲気下、10mLのオートクレーブに2−メチルキノリン(101.3μL,0.75mmol)、ASB(3.9mg,0.0075mmol)、内部標準としてテトラデカン(60.8mg)、トルエン(500μL)を導入した。
一度密封し、H2/CO/CO2(1/1/1;容積比)[4atm H2:1.6mmol(297.15K)]で12atmに加圧し、100℃に加熱した。加熱後、得られた混合物を室温まで冷却、脱気し、ガスクロマトグラフィ分析を行った。収率は表2に示すように、87モル%と高い値を示した。

0074

比較例9〜11
ASBを下表2に示すホウ素化合物に変更した以外は実施例5と同様にして水素化実験を行った。表2中、ホウ素化合物B5,B7,B8は、表1中の記号と同じである。結果を下表2に示すが、収率から明らかなように本発明の実施形態におけるホウ素化合物では、比較例のホウ素化合物と比べ、高収率で目的物を取得することができた。

0075

0076

実施例6
無溶媒条件における2−メチルキノリンの水素化実験
窒素雰囲気下、10mLのオートクレーブに2−メチルキノリン(500μL,3.7mmol)、ASB(19.3mg,0.037mmol)、内部標準としてテトラデカン(187.9mg)を加えた。
一度密封し、H2/CO/CO2(1/1/1;容積比)混合ガス[15atm H2:6.1mmol(297.15K)]で45atmに加圧し、100℃に加熱した。
加熱後、得られた混合物を室温まで冷却、脱気し、ガスクロマトグラフィ分析を行った。その結果、収率は99モル%超であり、無溶媒条件においても円滑に反応が進行し完結した。

0077

実施例7
触媒10モル%での1−ナフトアルデヒドの水素化実験
60atmのH2/CO/CO2(1/1/1;容積比)混合ガス雰囲気下、1mol%のMHBを触媒として用い、下記反応式(7)で示す1−ナフトアルデヒドの1−ナフチルメタノールへの触媒的水素化反応を1.5Mの1,4−ジオキサン溶液中にて検討した。

0078

0079

具体的には、窒素雰囲気下、10mLのオートクレーブに1−ナフトアルデヒド(118.6μL,0.75mmol)、MHB(4.2mg,0.0075mmol)、内部標準としてテトラデカン(60.8mg)、1,4−ジオキサン(500μL)を導入した。
一度密封し、H2/CO/CO2(1/1/1;容積比)[20atm H2:8.2mmol(297.15K)]で60atmに加圧し、80℃に加熱した。加熱後、得られた混合物を室温まで冷却、脱気し、ガスクロマトグラフィ分析を行った。収率は表3に示すように、85モル%と高い値を示した。

0080

比較例12〜13
MHBを下表3に示すホウ素化合物に変更した以外は実施例7と同様にして水素化実験を行った。表3中、ホウ素化合物B5,B7は、表1中の記号と同じである。結果を下表3に示すが、収率から明らかなように本発明の実施形態におけるホウ素化合物では、比較例のホウ素化合物と比べ、高収率で目的物を取得することができた。

0081

0082

上述の結果から明らかなように、ホウ素化合物のアリール基について、以下の観点を満たすよう設計された本発明のホウ素化合物を触媒として用いることで、高濃度の一酸化炭素および二酸化炭素が共存する条件下においても、触媒が被毒されることなく、水素化反応を円滑に進行させ、高収率で目的物を取得することができる。
(1)アリール基に高い電子吸引性を付与するため、置換基として電子吸引性置換基を導入すること。
(2)反応中心であるホウ素近傍は嵩高くしすぎないこと。
(3)反応中心であるホウ素から遠い位置をやや嵩高くすること。
(4)芳香族求核置換反応を回避するため、ハロゲンを3個以上並べないこと、即ち、パラ位は無置換とすること。

0083

以下に、本発明のホウ素化合物を用いた重合反応の実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0084

製造例1
(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(ASB)/炭酸プロピレン混合溶液調製方法
(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(下記化合物)100質量部と炭酸プロピレン100質量部を常温で混合し、均一溶液とした。

0085

0086

製造例2
トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(MHB)/炭酸プロピレン混合懸濁溶液の調製方法
トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボラン(下記化合物)100質量部と炭酸プロピレン100質量部を常温で混合し、混合懸濁溶液とした。

0087

0088

実施例8
(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボランを用いた脂環式エポキシ樹脂セロサイド2021P)組成物の製造
トリアリールホウ素化合物を含む溶液として製造例1で製造した混合溶液1質量部を、重合性化合物としての脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、ダイセル社製、下記化合物)99質量部と0〜10℃の範囲で混合し、均一溶液とした。

0089

なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及びトリアリールホウ素化合物の総量に対する、トリアリールホウ素化合物の割合は、0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0090

実施例9
(2,6−ジクロロフェニル)ビス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボランを用いた芳香族エポキシ樹脂ビスフェノールジグリシジルエーテル)組成物の製造
トリアリールホウ素化合物を含む溶液として製造例1で製造した混合溶液1質量部を、重合性化合物としての芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、東京化成工業社製、下記化合物)99質量部と20〜30℃の範囲で混合し、均一溶液とした。

0091

なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及びトリアリールホウ素化合物の総量に対する、トリアリールホウ素化合物の割合は、0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0092

実施例10
トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボランを用いた脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)組成物の製造
トリアリールホウ素化合物を含む溶液として製造例2で製造した混合溶液1質量部を、重合性化合物としての脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、ダイセル社製)99質量部と0〜10℃の範囲で混合し、均一溶液とした。
なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及びトリアリールホウ素化合物の総量に対する、トリアリールホウ素化合物の割合は、0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0093

実施例11
トリス(3,5−ジクロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ボランを用いた芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)組成物の製造
トリアリールホウ素化合物を含む溶液として製造例2で製造した混合溶液1質量部を、重合性化合物としての芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、東京化成工業社製)99質量部と20〜30℃の範囲で混合し、均一溶液とした。
なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及びトリアリールホウ素化合物の総量に対する、トリアリールホウ素化合物の割合は、0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0094

比較例14
サンエイドSI−80Lを用いた脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)組成物の製造
開始剤を含む溶液としてサンエイドSI−80L(三新化学工業社製、下記化合物を50質量%の割合で含むγ−ブチロラクトン溶液)1質量部を、重合性化合物としての脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、ダイセル社製)99質量部と20〜30℃の範囲で混合し、均一溶液とした。
なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及び開始剤(下記式で表される化合物)の総量に対する、開始剤の割合は、0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0095

0096

比較例15
サンエイドSI−80Lを用いた芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)組成物の製造
開始剤を含む溶液としてサンエイドSI−80L(三新化学工業社製)1質量部を、重合性化合物としての芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、東京化成工業社製)99質量部と20〜30℃の範囲で混合し、均一溶液とした。
なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及び開始剤の総量に対する、開始剤の割合は0.5質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0097

比較例16
TPB・アミン錯体を用いた脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)組成物の製造
特許第5579859号の実施例2を参照して熱潜在性重合開始剤[下記化合物とトリスペンタフルオロフェニルボラン(TPB)との錯体化合物]を調製した。下記化合物(ピペリジン構造)/TPB比率は1.03(mol/mol)であった。

0098

この熱潜在性重合開始剤1質量部を、重合性化合物としての脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P、ダイセル社製)99質量部と20〜30℃の範囲で混合し、均一溶液とした。
なお、得られた溶液(組成物)において、重合性化合物及び開始剤の総量に対する、開始剤の割合は1質量%、TPBの割合は0.40質量%である。この溶液(組成物)について後述の重合性評価試験を行った。結果を表4に示す。

0099

重合性評価試験
実施例8〜11および比較例14〜16で得られた溶液について、所定温度でのゲル化試験を行った。ゲル化試験はJIS K6910(ゲル化時間、5.14)に準拠して実施し、所定温度でのゲル化時間(ゲルタイム)を測定した。
表4の結果からも明らかなように、実施例で得られた組成物は、比較例で得られた組成物に比べると、より低温での硬化が可能であり、硬化も速やかであることがわかった。特に芳香族エポキシ樹脂では本発明の実施形態のホウ素化合物を用いることにより、60−80℃で大幅に反応活性が向上した。

実施例

0100

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