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技術 意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品

出願人 鞍橋徹
発明者 鞍橋徹
出願日 2018年8月31日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-163106
公開日 2020年3月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-032683
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 装飾技術 流動性材料の適用方法、塗布方法
主要キーワード 隙間箇所 上がり層 組み合わせ形状 縦横ライン 合成塗料 皺模様 足付け 封入コーティング
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

意匠性物品耐久性および量産性を上げることができる意匠性塗膜塗装方法および意匠性物品を提供する。

解決手段

実施形態の意匠性塗膜の塗装方法は、一又は複数の加飾工程後に、箔を貼り付ける前の処理の箔下地工程と、透明性基材10の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて余白をあけて透明性基材10の裏面側に箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付工程と、箔の隙間と余白を当該箔と同系色メタリック色塗装し、透明性基材10の裏面側全体に疑似全箔貼付状態である疑似箔層18aに箔の層15aを形成する箔層形成工程と、箔の層15aを隣接した内側層に設けたクリアー層14と疑似箔層18aより外側層に設ける封入層17aとの樹脂材包み込む挟持層形成工程とを含む。

概要

背景

インテリア建築材内装品などにおいて、ガラス等の透明性基材を用いる場合の装飾方法として、フロスト加工ステンドグラス等の装飾・加工技術が利用されている。

なお、蒔絵技法による加飾を有するガラス製器において、透明なガラス製の器もしくは板を生地とし、その裏面に、通常とは逆の逆工程順序の描画工程によって蒔絵の加飾を施した上、蒔絵の加飾を施した部分を保護塗膜によって被覆することなどが知られている(例えば、特許文献1を参照)。

概要

意匠性物品耐久性および量産性を上げることができる意匠性塗膜塗装方法および意匠性物品を提供する。実施形態の意匠性塗膜の塗装方法は、一又は複数の加飾工程後に、箔を貼り付ける前の処理の箔下地工程と、透明性基材10の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて余白をあけて透明性基材10の裏面側に箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付工程と、箔の隙間と余白を当該箔と同系色メタリック色塗装し、透明性基材10の裏面側全体に疑似全箔貼付状態である疑似箔層18aに箔の層15aを形成する箔層形成工程と、箔の層15aを隣接した内側層に設けたクリアー層14と疑似箔層18aより外側層に設ける封入層17aとの樹脂材包み込む挟持層形成工程とを含む。

目的

本発明が解決しようとする課題は、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

意匠性物品に用いられる表面および裏面から見て透明な又は半透明素材の透明性基材に、当該透明性基材の裏面側に施す一又は複数の加飾工程を含む、当該透明性基材を表面側からみる意匠性塗膜塗装方法であって、前記一又は複数の加飾工程後に、前記透明性基材の裏面側に施す後工程として、下地処理工程プライマー又は透明樹脂で覆うクリアー層を設ける箔下地工程と、前記箔下地工程後に、前記透明性基材の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて余白をあけて、前記透明性基材の裏面側に金属からなる箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付工程と、前記箔貼付工程後に、前記箔の隙間と前記余白を当該箔と同系色メタリック色塗装し、前記透明性基材の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態である疑似箔層に箔の層を形成する箔層形成工程と、前記箔層形成工程後に、前記箔の層に隣接した内側層に設けたクリアー層と前記疑似箔層より外側層に設ける封入層との樹脂材包み込む挟持層形成工程と、を含むことを特徴とする意匠性塗膜の塗装方法。

請求項2

前記一又は複数の加飾工程には、前記透明性基材の前記裏面側に水性又は油性透明カラーにより予め定めた塗装範囲色濃度を変化させるグラデーション模様を施すように塗装するグラデーション加飾工程と、前記グラデーション加飾工程後に、前記グラデーション模様を覆うクリアー層を形成するグラデーションコーティング工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の意匠性塗膜の塗装方法。

請求項3

前記グラデーション模様における前記色濃度の相対的に濃い色範囲には、前記余白を前記箔と同系色のメタリック色で塗装した範囲を含むようにグラデーション模様を施すことを特徴とする請求項2に記載の意匠性塗膜の塗装方法。

請求項4

前記一又は複数の加飾工程には、前記透明性基材の前記裏面側に絵付け模様を施す絵付け加飾工程と、前記絵付け加飾工程後に、前記絵付け模様を覆うクリアー層を形成する絵付けコーティング工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の意匠性塗膜の塗装方法。

請求項5

前記絵付け模様は、しぶき模様であり、前記絵付け加飾工程において、当該しぶき模様を形成させるための塗料の粘度を40〜1000(mpa・s)の範囲にて、当該塗料を前記透明性基材又は前記絵付け模様を覆う前記クリアー層に対してスパッタリングすることを特徴とする請求項4に記載の意匠性塗膜の塗装方法。

請求項6

表面および裏面から見て透明な又は半透明な素材の透明性基材の裏面側に施された一又は複数の加飾模様を有する、当該透明性基材を表面側からみる意匠性物品であって、前記透明性基材と、前記透明性基材の裏面側に前記一又は複数の加飾模様と、前記一又は複数の加飾模様には当該加飾模様を透明樹脂で覆う一又は複数のクリアー層と、内層側で隣接する前記クリアー層上に金属からなる箔が貼り付けられた箔の層と、前記箔の層より外側層に設けられる封入層と、を有し、前記箔の層は、前記内層側で隣接する前記クリアー層上に、前記透明性基材の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて箔を敷き詰めない領域と、前記透明性基材の裏面側に箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付領域が設けられ、前記箔を敷き詰めない領域及び前記箔の隙間には前記箔と同系色のメタリック色で塗装されて、前記透明性基材の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態である疑似箔層が形成され、前記箔の層に隣接した前記内側層に設けられた前記クリアー層と前記疑似箔層より外側層に設けられた前記封入層との樹脂材で包み込まれたことを特徴とする意匠性物品。

技術分野

0001

本発明は、塗装対象として透明性基材に施す美観性および耐久性に優れた意匠性塗膜塗装方法および意匠性物品に関するものである。

背景技術

0002

インテリア建築材内装品などにおいて、ガラス等の透明性基材を用いる場合の装飾方法として、フロスト加工ステンドグラス等の装飾・加工技術が利用されている。

0003

なお、蒔絵技法による加飾を有するガラス製器において、透明なガラス製の器もしくは板を生地とし、その裏面に、通常とは逆の逆工程順序の描画工程によって蒔絵の加飾を施した上、蒔絵の加飾を施した部分を保護塗膜によって被覆することなどが知られている(例えば、特許文献1を参照)。

先行技術

0004

特開2004−195764号公報

発明が解決しようとする課題

0005

例えば、特許文献1のような例では、ガラス製品の裏面に通常とは逆の工程で、表面から見たときは箔の上に蒔絵が描かれていて裏面は樹脂コーティングで箔と蒔絵が被覆保護された発明が開示されている。

0006

しかし、ガラス裏面に貼り付けられた箔を保護する層は、箔の貼り付けと同じ領域にあるため、箔よりも広い面積で覆いかぶさるように保護層が施されていない。そのため、ガラス製品の縁から水が入りこみやすく、エッジ部分が損傷しやすい。

0007

箔の厚みは、通常数μm程度である一方、絵柄などの塗膜の厚さは数十〜数百μm程度あるため、箔を貼り付けた際、絵柄層凹凸で、絵柄のエッジ金箔との空間が発生し層間剥離の危険性が生じる。特に、多色又は多層色彩豊富な絵柄等では、それが顕著となる。また、箔の僅かな皺によって発生した空間から、層間剥離を引き起こす可能性がある。特に温度差のある屋外で、例えばアクリル板膨張による塗装剥離などの温度の変化によって樹脂は微妙に伸縮する。絵柄の塗装膜が厚い程、上記問題の発生率が上がる。

0008

蒔絵の次に箔を貼り付ける工程、蒔絵を描く際に生じた各色の膜厚による段差があるので、その後に箔を貼り付けると、蒔絵塗膜の影響で、箔に盛り上がり(表面から見るとくぼみ)や影が発生し、美的に欠けてしまう。

0009

図26は、従来の意匠性物品における箔貼付け方法の一例を示す画像である。図26に示す意匠性物品は、透明のアクリル製の部材であり、側面が曲面形状で、外形周縁にエッジ部分を有している。意匠性物品には、図26(a)に示す裏面側に金箔が貼り付けられている。図26(b)に示す表面から意匠性物品の金箔の貼り付け状態を観察することができる。

0010

金箔の厚みは、通常数μm程度である一方、意匠性物品等の基材に箔を貼り付けた際、図26(a)及び(b)に示すように、対象物の凹凸形状、エッジ等に金箔との空間が発生し層間剥離の危険性が生じやすい。また、エッジ部分において貼り付けた金箔が損傷しやすい。

0011

本発明が解決しようとする課題は、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法は、意匠性物品に用いられる表面および裏面から見て透明な又は半透明素材の透明性基材に、当該透明性基材の裏面側に施す一又は複数の加飾工程を含む、当該透明性基材を表面側からみる意匠性塗膜の塗装方法である。当該意匠性塗膜の塗装方法は、前記一又は複数の加飾工程後に、前記透明性基材の裏面側に施す後工程として、下地処理工程プライマー又は透明樹脂で覆うクリアー層を設ける箔下地工程と、前記箔下地工程後に、前記透明性基材の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて余白をあけて、前記透明性基材の裏面側に金属からなる箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付工程と、前記箔貼付工程後に、前記箔の隙間と前記余白を当該箔と同系色メタリック色で塗装し、前記透明性基材の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態である疑似箔層に箔の層を形成する箔層形成工程と、前記箔層形成工程後に、前記箔の層に隣接した内側層に設けたクリアー層と前記疑似箔層より外側層に設ける封入層との樹脂材包み込む挟持層形成工程と、を含むことを特徴とする。

0013

また、上記課題を解決するために、本発明に係る意匠性物品は、表面および裏面から見て透明な又は半透明な素材の透明性基材の裏面側に施された一又は複数の加飾模様を有する、当該透明性基材を表面側からみる意匠性物品である。当該意匠性物品は、前記透明性基材と、前記透明性基材の裏面側に前記一又は複数の加飾模様と、前記一又は複数の加飾模様には当該加飾模様を透明樹脂で覆う一又は複数のクリアー層と、内層側で隣接する前記クリアー層上に金属からなる箔が貼り付けられた箔の層と、前記箔の層より外側層に設けられる封入層と、を有している。前記箔の層は、前記内層側で隣接する前記クリアー層上に、前記透明性基材の裏面側の外周縁に沿って所定の幅で又は曲面形状に応じて箔を敷き詰めない領域と、前記透明性基材の裏面側に箔を敷き詰めて貼り付ける箔貼付領域が設けられ、前記箔を敷き詰めない領域及び前記箔の隙間には前記箔と同系色のメタリック色で塗装されて、前記透明性基材の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態である疑似箔層が形成され、前記箔の層に隣接した前記内側層に設けられた前記クリアー層と前記疑似箔層より外側層に設けられる前記封入層との樹脂材で包み込まれたことを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法によれば、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法による意匠性物品の第1の実施形態の構成を示す図である。
絵付けコーティング工程および絵付けコーティング均一化工程の概要を示す図である。
しぶき模様の塗膜と塗料粘度の関係を示す図である。
しぶき模様の塗装の一例を示す画像である。
グラデーション模様相対濃度の関係を示す図である。
グラデーション模様の一例を示す画像である。
箔の貼付け領域(箔の層)の外周に余白を設ける説明図である。
箔貼付工程を説明する説明図である。
図8に続く、箔貼付工程を説明する説明図である。
図9に続く、箔貼付工程を説明する説明図である。
図10に続く、箔貼付工程を説明する説明図である。
透明性基材の外周にマスキングテープを貼り付けた一例を示す画像である。
図12に示す外周のマスキングテープを拡大した画像である。
箔の層外周に余白を設けた透明性基材の一例を示す画像である。
図14に示す余白部分を拡大した画像である。
透明性基材に箔隙間埋め層を設けた一例を示す画像である。
箔の貼り付け困難箇所等を示す一例の図である。
箔の貼り付け困難箇所等の一例を示す画像である。
本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法による意匠性物品の第2の実施形態の構成を示す図である。
第2の実施形態の意匠性物品の一例(表面からみた画像例)である。
図20の意匠性物品の裏面側の側面方向からみた画像例である。
(a)第2の実施形態の意匠性物品と(b)他の意匠性物品との構成を比較する図である。
図22(a)に示す意匠性物品の温度試験結果の一例である。
図22(b)に示す他の意匠性物品との温度試験結果の一例である。
(a)第3の実施形態の意匠性物品と(b)他の意匠性物品との温度試験結果の一例である。
従来の意匠性物品における箔貼付け方法の一例の画像である。

実施例

0016

以下、本発明に係る実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品について、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで説明する下記の実施形態はいずれも、ガラス等の透明性基材を対象とした意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品の一例をとりあげて説明する。

0017

[第1の実施形態]
以下、本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品について、図1乃至図18を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法が用いられた意匠性物品1Aの第1の実施形態の構成を示す図である。また、図2は、絵付けコーティング工程および絵付けコーティング均一化工程の概要を示す図である。また、その他の図については、以降において、適宜説明する。

0018

図1に示す意匠性物品1Aは、例えばガラス、アクリル材ポリカーボネート、塩ビ、PET樹脂などの透明な素材、又は、予め着色材が配合されたカラー透明色などの半透明な素材の透明性基材10を有している。カラー透明色などの半透明な素材の透明性基材10とは、例えば透明なガラスや樹脂の製造工程において着色材を混ぜて作られる光の透過率50%以上の基材である。

0019

透明性基材10には、絵付け模様11が施され、絵付け模様11を覆うクリアー層12が設けられる。また、クリアー層12上に、グラデーション模様13が施され、グラデーション模様13を覆うクリアー層14が設けられる。さらに、意匠性物品1Aは、後述するような工法により、箔の層15a、箔隙間埋め層16aが形成されて、箔の層15a及び箔隙間埋め層16a(疑似箔層18a)を封入層17aで覆う構成に形成される。

0020

第1の実施形態の意匠性塗膜の塗装方法は、意匠性物品1Aに用いられる表面および裏面から見て透明な又は半透明な素材の透明性基材(ベース部材)10に、当該透明性基材10の裏面側に施す一又は複数の加飾工程を含むものである。

0021

また、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法には、一又は複数の加飾工程後に、透明性基材10の裏面側に施す後工程として、下地処理工程プライマー又はクリアー層を設ける箔下地工程と、箔下地工程後に、透明性基材10の外周縁に沿って、所定の幅で余白Wyをあけて箔を貼り付ける箔貼付工程と、を含むものである。

0022

さらに、箔貼付工程後に、箔の隙間と余白Wyを箔151と当該箔151と同系色のメタリック色で塗装し、透明性基材10全体に隙間なく箔151が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態(疑似箔層18a)に箔の層15aを形成する箔層形成工程と、箔層形成工程後に、箔の層15aを隣接した内側層に設けられる樹脂層と疑似箔層18aより外側層に設けられる封入層17aの樹脂同士で包み込む(挟みこむ)箔挟持層形成工程と、を含むものである。

0023

例えば、一又は複数の加飾工程には、図2(a)に示す透明性基材10の裏面側に絵付け模様11を施す絵付け加飾工程と、絵付け加飾工程後に、図2(b)に示す絵付け模様11を透明樹脂で覆う層(クリアー層12x)を形成する絵付けコーティング工程と、を含むものである。絵付け模様11は、例えばしぶき模様11aである。

0024

また、例えば、一又は複数の加飾工程には、透明性基材10の裏面側に水性又は油性透明カラーにより予め定めた塗装範囲色濃度を変化させるグラデーション模様13を施すように塗装するグラデーション加飾工程と、グラデーション加飾工程後に、グラデーション模様13を透明樹脂で覆う層を形成するグラデーションコーティング工程と、を含むものである。グラデーションコーティング方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0025

以降では、意匠性塗膜の塗装方法の各工程について、実施例などを交えて説明する。
(1)絵付け加飾工程
始めの工程として、絵付け加飾工程を説明する。絵付け加飾の方法として、例えば塗装、シール印刷フィルム転写等によって透明性基材又はクリアー層に絵付けを行うものである。なお、以降では、絵付け加飾工程の一例として、しぶき加飾工程を用いた場合について説明する。

0026

しぶき加飾工程は、透明性基材10の基盤の裏面側に、しぶき模様11aを入れる工程である。具体的には、しぶき加飾工程では、透明性基材10の裏面側に、しぶき模様11a(絵付け模様11)が施されて、しぶき模様11aによる塗膜部分と、それ以外の透明性基材10の裏面部分とにより凹凸面が形成される。

0027

そして、しぶきコーティング工程では、このしぶき模様11aによる凹凸面に、例えば透明性の2液硬化型ウレタンクリアコーティングをし、凹凸部分を覆う。しぶきコーティング方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0028

続けて、しぶきコーティング均一化工程では、図2(b)に示すようなコーティングされた面を研ぎ、コーティングされた面に凹凸をなくし、図2(c)に示すような平らなコーティングされたクリアー層12により覆われたしぶき模様11aを形成させる。以上のような工程により、その後の色付け塗装や箔付け等に影響を与えることがなくなる。

0029

なお、塗料や、溶剤添加量によって軟度が変わるため塗装膜厚・乾燥時間が変化する点に留意する。

0030

アクリルパネル裏面に対し600番〜800番で足付け(下地処理)表面を洗浄するため、アクリルパネルの表面上の汚れや油脂分を除去する脱脂処理が行われる。

0031

塗料の密着を良くするために、透明プライマーを塗装する。例えば株式会社染めQテクノロジ製品ミッチャクロンなど2液硬化型のウレタンクリアーエポキシ系でも良い。

0032

なお、例えばガラス製品に用いられるフロスト加工では、ガラス面に微細な凹凸が形成され、加飾用合成塗料密着強度が十分に確保されるので、塗料の付着性を高めるための下塗り工程を省略することが可能であり、下塗りを省略することによって生産効率を向上させることができる。また、フロスト加工の後に下塗り工程を入れた場合には、塗料の密着度を上げることができる。

0033

<しぶき模様作業>
主にスパッタリング技法を用いる。スパッタリング技法とは刷毛や棒状の任意の箇所に粘度のある塗料を付着させ、対象物に向けて、勢いよく刷毛や棒を振り付着した塗料を飛び散らせて対象物に柄を付ける技法である。

0034

例えば、スパッタリングは下記のような手順により、水性又は油性塗料を用いて、塗料の粘度を保持する場合には、溶剤の希釈を少なめにする。
1.白色を刷毛に染み込ませて勢いよくアクリル裏面に対しテーマに合った柄をつける。一旦塗料を乾燥させる。
2.灰色を刷毛に染み込ませて勢いよく、透明性基材10の裏面に対して、所望のしぶき模様11aをつける。一旦塗料を乾燥させる。
3.黒色を刷毛に染み込ませて勢いよく、透明性基材10の裏面に対して、所望のしぶき模様11aをつける。一旦塗料を乾燥させる。

0035

(しぶき模様の付け方)
粘度 1000mpa・s以下で、スパッタリングさせ、しぶき模様11aを付着させると、最初は、しぶき模様11aは発生するが、粘度が低いため塗料が乾燥する前に、しぶき模様11aの形状が崩れてしまう。透明性基材10が垂直形状の場合など、塗料垂れが発生してしまう。

0036

また、粘度が低いと、塗料がサラサラしているため、塗装面に必要以上にしぶき模様11aが付着してしまい、模様の美感上における品質が損なわれる。

0037

図4に、しぶき模様11aの一例を示す。図3に、しぶき模様の塗膜と塗料粘度の関係を示す。図4に示すしぶき模様11aは、図3に示すような(i)及び(ii)の条件によって、塗装されたものである。

0038

(i)しぶき模様11aとして、例えば水しぶきのような、適度な点模様
油性水性共に粘度 40〜50mpa・s

0039

(ii)しぶき模様11aとして、例えば糸状の、流れる模様
油性水性共に粘度 100〜1000mpa・s
が最適な結果(例えば、図3に示す結果)となった。

0040

(iii)この他の例として、粘度 2000mpa・s以上になると、スパッタリングして塗料が飛び散らず、また飛び散ったとしても、過度な塗装膜となるため、後工程での中研ぎ(段差取り)に悪影響を与えてしまう結果となった。なお、薄膜仕上げるために、溶剤で薄めてスパッタリングを行うと(低粘度のしぶき模様の場合)、滲んでしまい綺麗なしぶき模様は表現できない。

0041

以上説明したように、好ましくは、絵付け加飾工程において、しぶき模様11aを形成させるための塗料の粘度を40〜1000(mpa・s)の範囲にて、当該塗料を透明性基材10又はクリアー層に対してスパッタリングする。

0042

透明性基材10の塗装面には、例えば3色のしぶき模様11aが重なって入り、塗装膜厚にもばらつきがあり凸凹の状態になり、以降の工程(グラデーションの色付けや箔付け)に悪影響をあたえるので、後述するようなクリアコーティング等(しぶきコーティング工程・しぶきコーティング均一化工程)によって、しぶき模様11aを覆うクリアー層12の面をフラットに仕上げる必要がある。

0043

なお、色ごとにしぶき模様11aをクリアー層12で覆ってもよく、複数色のしぶき模様11aをまとめてクリアー層12で覆ってもよい。

0044

(2)絵付けコーティング工程・絵付けコーティング均一化工程
絵付け加飾工程の次の工程として、絵付け(しぶき)コーティング工程・絵付け(しぶき)コーティング均一化工程について説明する。しぶき模様11aの塗装膜厚が厚ければ厚いほど、透明性基材10の裏面側表面が凸凹になる。例えば、次の加飾工程にグラデーション模様を入れる工程の場合、しぶき模様11aの凹凸の際に塗料が偏りすぎたり、色が付着しないことがあるため、綺麗にグラデーションをつけることができない可能性がある。

0045

図2を参照しながら、絵付け模様がしぶき模様の場合における、しぶきコーティング工程およびしぶきコーティング均一化工程の概要を説明する。図2(a)に示すしぶき模様11aを施した透明性基材10の裏面側において、図2(b)に示すしぶきコーティング工程のように、一旦透明樹脂コーティングをする。図2(b)に示すしぶきコーティング工程では、クリアー層12xの表面が凹凸の不均一の形状である。好ましくは、しぶき模様の膜厚が30〜60μmで、クリアコーティングの膜厚は60〜70μm以上である。コーティング方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0046

次に、図2(b)のしぶきコーティング工程に示すクリアー層12xの乾燥後に、クリアー層12xの表面の凹凸に中研ぎをいれる。図2(c)のしぶきコーティング均一化工程に示すように、透明性基材10に塗装したしぶき模様11aを覆う透明樹脂コーティングによるクリアー層12の凹凸面を均一(レベリング)する。

0047

例えば、図2(a)〜(c)の工程について、以下に実施例を示す。
(a)しぶき模様11a上に二液性硬化型ウレタンクリアーでコーティングする。
・中研ぎをするため肉厚のある塗料を使用する。
・例えば パナロック2液ウレタン型マルチトップクリヤーSH速乾性肉持ちがある。
・一旦乾燥させる(常温約1日)強制乾燥は60℃ 約1時時間 中研ぎ工程は強制乾燥60℃ 約30分後に行うことができる。

0048

(b)表面を洗浄する(汚れや油分を除去するシリコンオフ等)
・コーティングしただけでは塗装面にしぶき模様の段差がまだあるので中研ぎ作業を入れる。

0049

(c)塗装面を均一にする(研ぎを入れる工程)
平板ペーパー(400番〜600番)をつけたもので研ぎ、塗装面を均一に仕上げる。
研ぎを入れる工程において、主に平板や研磨用フレキシブルパッドに400番〜600番程度のぺーパーを付けて、塗装面を均一にするように研ぎを入れる。研磨された粉の色は、通常クリアーの粉状で半透明白色をしている。砥いでいるうちに、次第にしぶき模様の色と同じ色の研いだ粉が発生した場合は、しぶき模様の塗装膜まで、研ぎが達したということになり、クリアー層としぶき模様の層が均一に近い状態になったといえる。

0050

また、過度な膜厚を抑える効果もでる。しぶき模様は、表面張力により通常は盛り上がりの形状をしているため、研ぎを入れすぎて、しぶき模様を削りすぎてしまっても、透明性基材表面からみた場合、デザイン的にほぼ影響を与えない。
・塗装面の段差が取れない場合は、再度クリアコーティングして、上記作業を繰り返す。

0051

例えば、研磨剤の粗さの度合いとして、以下のような目安等にする。
[#280〜#400粗目
塗装前の下地調整に最適、塗装時のノリが良くなり、塗装がはがれにくくなる。塗装しなくても充分な滑らかさに仕上げることができる。
[#400〜#800中目
重ね塗りする前の下地調整には最適な粗さである。また、刷毛跡を削ったり、ウェット研磨にも使われる。
[#1000〜#3000細目
金属の汚れやサビ落としなどに使用する。金属をピカピカに仕上げる鏡面仕上げに用いられる番手である。

0052

(3)グラデーション加飾工程
しぶきコーティング均一化工程の次の工程として、グラデーション加飾工程/コーティング工程について説明する。グラデーション加飾工程では、透明性基材10の裏面側に水性又は油性透明カラー(キャンディーブルーカラー)により予め定めた塗装範囲に色濃度を変化させるグラデーション模様13を施すように塗装する。グラデーション加飾方法としては、スプレーによって塗装される。

0053

透明色・不透明色でグラデーション模様13をいれる。グラデーション模様13における色濃度の相対的に濃い色範囲には、例えば余白Wyを箔と箔と同系色のメタリック色で塗装した範囲を含むようにグラデーション模様13を施す。

0054

反り返った複雑な形状の場合、細部などに箔を貼り付けることが難しくなる場合がある。そのような場合には、隠蔽性のある例えば黒色などで、細部にグラデーション模様13による塗装をいれることによって、全面に箔を貼り付けるよりは、高級感のある仕上がりになり作業性の向上や、箔の無駄が少なくなる。

0055

<グラデーション作業>
前述のしぶきコーティング均一化工程において、塗装面を均一にすると、次の工程(グラデーション加飾工程)に移る。グラデーション加飾工程において、グラデーション模様13の色付け具合は、所望の濃淡度合いに応じて調整される。ここで、図5に、グラデーション模様の相対濃度の関係を示す。

0056

例えば、グラデーション模様13としてブルーグラデーションを選定した場合に、図5(a)を透明性基材10の無色透明として相対的に表現すると、ブルーグラデーションの相対的な濃さを、図5(b)に示すような塗装する塗料の濃度におけるもっとも濃い部分を色濃度100として、薄い部分を色濃度0とする。

0057

透明ブラック(ブルーよりも濃い 色例、ダークブルーなど)の色付け具合は、図5(c)に示すように、ブルーグラデーションの色濃度50範囲内で、グラデーション模様13を入れると綺麗な仕上がりになる。

0058

<箔貼り付け困難部分について>
濃さが色濃度50を超えた位置にブラックが配色されると、全体的に発色がよくない。キャンバスの反り返りや複雑な形状をしていて箔を綺麗に全体的に貼ることが難しい場合、グラデーション模様13の濃い部分によって箔の貼り付けが困難な箇所(箔と同系色のメタリック色で塗装した部分など)を隠蔽することによって、あたかも全面に箔が貼られている、色鮮やかなグラデーション模様13の入った意匠性物品1Aに仕上げることができる。

0059

箔の貼り付けが困難な箇所などの場合、箔を隠蔽したい箇所に使用する塗料は、不透明色を使用する。ここで、不透明ブラックが染まりきってない場合、後工程で貼り付ける箔151や、箔151の貼り付けが困難で箔151の貼り付けが無い箇所等が、表面から透け見えてしまうため、隠蔽されているか下記の方法で確認をする。

0060

(i)不透明ブラックを塗った反対側(アクリル表面)から、ライトを当て光が透けていないか確認する。

0061

(ii)他の方法として、アクリル板表面(塗装しない面)に光を当てながらグラデーションをつけていく。リアルタイムで確認できながら色付けができるので、失敗するリスクが低減する。裏面からの塗装となるので基本的には、次の工程に進んでしまうと修正ができなくなる

0062

<グラデーション模様の一例>
図6に、グラデーション模様13の一例の画像を示す。図6に示すグラデーション模様13は、例えば以下のような塗料を用いて、水性又は油性透明カラー(キャンディーブルーカラー)にてグラデーションをかけるように塗装する。

0063

キャンディカラーは、下地のカラーを生かしながら着色し、奥行き感や色の深みをつけることができる。一般的な透明カラーでは、にごりが発生し、奥行き感や深みが低下し
高級感ある箔の色付けとしては、向いていない。
・AUTAIR COLORS製水性キャンディーカラー(CANDY20)
原液は非常に濃くバインダーが入っていないため同製品オートアカラーズ製のインターコートクリアーを任意の濃さに添加して調整する。

0064

又は、
ハウスオブカラー製 油性キャンディーカラー
原液は濃くバインダーが入っていないため同製品のインターコートクリアーを任意の濃さに添加して調整する。キャンディ混合用クリアー他には2液硬化型ウレタンクリアー、アクリル系樹脂、エポキシ系など透明色で混合でき、硬化するタイプのものが良い。

0065

グラデーション模様13の加飾工程を終えると、次の工程(グラデーションコーディング工程・グラデーションコーティング均一化工程)に移る。

0066

(4)グラデーションコーディング工程・グラデーションコーティング均一化工程
グラデーションコーティング工程では、グラデーション加飾工程後に、グラデーション模様13を透明樹脂で覆う層(クリアー層14)を形成する。グラデーション模様13の塗膜は色の薄い箇所は非常に繊細で、少しでもグラデーション模様13に傷が入ると部分的な修正ができないので、表面を保護するためにクリアコーティングを施す。クリアコーティングの膜厚は60〜70μm以上が好ましい。クリアコーティング方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0067

グラデーションコーディング工程・グラデーションコーティング均一化工程は、しぶき模様11aのクリアコーティング、中研ぎなどのしぶきコーディング工程・しぶきコーティング均一化工程と同内容の工程である。

0068

・強制乾燥は60℃ 約1時間 中研ぎ工程は強制乾燥60℃ 約30分後に行うことができる。
・乾燥後600番〜800番で足付け(下地処理)
・表面を洗浄する(汚れや油分を除去するシリコンオフ等)
以上のような作業により、グラデーション模様13をクリアー層14で覆うことができる。

0069

(5)箔貼付工程
グラデーションコーティング均一化工程の次の工程として、箔貼付工程について説明する。箔151を貼り付ける工程である。クリアー層14上に透明樹脂塗装を施し、乾燥する前に箔151を貼り付けていく。箔151は、例えば金属を薄くたたきのばしたもので表面に貼り付ける紙状の金属片、主に金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム、錫等の単金属またはこれらの金属の合金を素材としたものなどである。また、注意する事項として、樹脂塗装の種類や溶剤の添加割合、吹き付け量によって箔151の皺の付き方が変化する。

0070

<箔の貼り付け作業
箔151の接着剤として、や金箔用接着剤があるが、乾燥時間や肌荒れスプレー法などが使用できなく、また裏面などで使用する場合、無色透明でなければならない。例えば、使う塗料として、
使う塗料:パナロック製マルチトップハイクリヤー油性2液型
などは強度があり乾燥が遅めで、肌のび(ミカンの皮のような肌にならない)タイプになる。溶剤は専用シンナーで、クリアー塗料に対して20%ほど薄め 口径0.5mmミニガンタイプを使用エアブラシの場合は、
ノズル口径:0.3mm以上0.5mm未満
一方、ノズル口径0.5mm以上の通常塗装ガンを使用すると、細かい霧状のクリアー塗料が出ない。また、厚膜になってしまい、箔皺に影響する。

0071

<通常のクリアー塗料を使用したときの問題点>
箔151を綺麗に仕上げるには、接着剤(クリアー塗料)の膜厚を最大限下げる必要がある。クリアーの膜厚が高いと箔151を貼り付けた後、みかんの皮のような皺模様になってしまい、見栄えに劣ることになる。

0072

注意する点として、クリアーの乾燥が早く箔151を貼り付ける作業が追い付かない。また、強度がないクリアーの場合、層間剥離を引き起こす可能性がある。

0073

<箔貼り付け方の問題点>
通常、表面から箔151を貼り付ける場合、キャンバスに箔151のサイズに合わせて直接格子状のライン下書きして、箔の貼り付けをサポートしますが、裏面からでは格子ラインを書いてしまうと表面からラインが残ったままとなるので、この方法は使用できない。

0074

例えば、透明性基材10の表面に透明フィルム張り付け格子ラインを付ける方法もあるが、グラデーション模様13の濃い部分などラインが隠蔽されてうまく、ラインが表示されない。

0075

マスキングで箔を貼り付ける方法>
箔151の貼り付けは、通常箔151の小片を1枚ずつ手作業で貼る場合に、作業における基材上での縦横ズレが発生する。そのために、以下のような作業工程とする。

0076

図7は、箔貼付工程において、箔の貼付け領域(箔の層15a)の外周に余白Wyを設ける説明図である。図7に示すように、透明性基材10の外周縁に沿って少なくとも所定の幅Wyをマスクするマスキングテープ31を貼り付けた後に、透明性基材10の裏面側に箔151を敷き詰めて貼り付ける。そして、箔貼付工程後に、マスキングテープ31を剥がして、所定の幅Wyに箔151を貼り付けない余白を確保するものである。

0077

図8乃至図11に、箔151を貼り付ける作業工程(箔貼付工程)を示す。また、図12は、透明性基材10の外周にマスキングテープ31を貼り付けた一例を示す画像であり、図13は、図12に示す外周のマスキングテープ31を拡大した画像である。

0078

箔貼付工程において、対象物に透明樹脂塗装を施し乾燥する前に箔151を貼り付けるが、対象物にマスキングテープ31〜32を貼り付けて、正確かつ綺麗に箔151を敷き詰めて貼り付ける作業方法を示すものである。マスキングテープ31〜32は、例えば塗装用の溶剤に強いマスキングテープなどであり、片面側粘着性で、他の片面側が非粘着性である。

0079

例えば、図7図12等に示すように、箔の層15a外周に余白Wyをとるために、マスキングテープ31の幅をWy以上として、箔の層15a外周に貼り付ける。

0080

次に、図8(a)に示すように、クリアー層14上に縦横マスキングテープ32の幅を含めて箔151の幅よりも狭い間隔で、格子状にマスクする。更に、箔151を貼り付ける際のクリアーを付着させないために、格子状のマス目を1マスずつ覆うように第2のマスキング33をする。一度に全体を覆うマスキングをして、1マスずつ貼り付けに合わせてマスキングをカットして剥がしても良い。当該格子状の形状のサイズよりも、やや大きい箔151を用意する。当該格子状のマス目に接着用のクリアーを吹き付ける。

0081

箔151を一枚ずつ、例えば図8(b)での横方向に沿って、マスキングテープ32の格子状ごとに貼り付ける。例えば箔151(A)を一枚貼り、図8(c)に示すように、当該マスキングテープ32の箔151(A)と横方向で被さった箇所について、マスキングテープ32の一部をカッター等で切断する。これにより、箔151の傾きやズレが発生しても、カットした部分のマスキングテープ32xを剥がしたときに、マスキングテープ32に被さった箔151(A)の部分も一緒に剥がれるため、正方形に綺麗に貼り付けることができる。また、箔151を貼り付けるごと又は次の段の横列に移動するごとに、図8(c)に示すように、第2のマスキング33を1枚剥がす。

0082

以上のように、箔151(A)の貼り付けを終えたら、図9(a)に示すように、次の箔151(B)を用意して、箔151(A)の横方向の箇所に、箔151(B)の一部(例えば0.25mm幅)が重なるように貼り付ける。同様に、図9(b)に示すように、図示上での横方向に、箔151を貼り付ける。

0083

図9(c)の図示上での横方向の1列に箔151を敷き詰めた場合に、次の横方向の1列に、同様に箔151を敷き詰めていく。この際に、次の横方向の第2のマスキング33を1枚剥し、敷き詰め終えた横方向の1列にかかる横方向にマスキングされたマスキングテープ32を剥がす。

0084

以上のような手順で、さらに、図10(a)〜(c)及び図11(a)〜(c)に示すように、クリアー層14上に箔151(A)、箔151(B)等を順次貼り付けて、箔151でクリアー層14上を覆う。そして、最後に、図11(c)、図12及び図13に示すような対象物の外周に貼られたマスキングテープ31を剥がす。以上のような作業により、箔の層15aを形成することができる。箔が重なりあった箇所(左と上)は、やわらかい刷毛等、周知の技術を使用して、不要な箔を払い落とす。

0085

以上のような作業工程により得られた対象物の例を、図14に示す。図14では、透明性基材10の裏側に形成された箔の層15aの外周には、余白Wyが有り、その余白Wyからクリアー層14が見えることを示す画像である。また、図15は、図14に示す余白部分を拡大した画像である。

0086

なお、図8乃至図11等では、簡易な形状である正方形の箔貼り付け対象の一例で示したが、これ以外にも他の形状、曲面形状等の組み合わせ形状においても、予めマスキングテープ31〜33、一つの箔151の形状を箔貼り付け対象により適宜、変更してもよい。また、箔貼り付け対象をいくつかに分割して、マスキングテープ31〜33等により、分割したうちの貼り付け領域と、貼り付けない領域とに区分してよい。後述する図18(a)では、曲面形状等の組み合わせ形状による貼り付け領域と、貼り付けない領域とに区分した一例を示すものである。

0087

(6)箔層形成工程
箔貼付工程の次の工程として、図7図14図17等を参照しながら、箔層形成工程について説明する。図7に、箔の貼付け領域(箔の層)15aの外周に余白を設ける説明図を示す。また、図16は、透明性基材10に箔隙間埋め層16aを設けた一例を示す画像である。

0088

図7に示すように、例えば箔151の箔の層15aの外周に余白Wy=2mmをとる。図14及び図15に示すように、透明性基材10の裏側に形成された箔の層15aの外周には、余白Wyが有り、その余白Wyからクリアー層14が見える。

0089

箔151の貼付け後に、箔151と同じ色合いの二液硬化型塗料を、主に外周側に貼られた箔151の周辺からクリアー層14が表出する余白Wyにかけて塗装する。図16に示すように、箔の層15a側の面から見たときに、境目なく透明性基材10全面に箔151が貼りつけられたように見えるとともに、箔151と同じ色合いの二液硬化型塗料により箔の層15aを包み込む(挟み込む)ように層(箔隙間埋め層16a)が設けられる。

0090

疑似箔層18aは、箔151が貼り付けられた箔の層15aと、箔の層15aの外周の余白Wyおよび貼り付けた箔151の隙間、箔151の穴等と、曲面形状に応じて同系色の塗料で覆う箔隙間埋め層16aとによる、疑似全箔貼付状態である。疑似全箔貼付状態は、透明性基材10の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見える。

0091

箔隙間埋め層16aにより、意匠性物品1Aは箔の層15aの外周エッジからの損傷を防ぎ、耐久性を向上することができる。

0092

<曲面形状等の箔の貼り付け困難箇所等の対応>
図17は、意匠性物品1Acの断面に対応する図であり、例えば透明性基材10abの外周側が曲面形状等の箔151の貼り付け困難箇所等を示す一例である。図18は、箔151の貼り付け困難箇所等の一例を示す画像であり、特にエッジ部分、曲面形状等を有する透明性基材10acの箔貼り付け一例を示す画像である。

0093

公知の技術では、箔を粉砕した粉により箔貼り付け対象のエッジ部分などを補修する場合に、予め箔の縦横ラインをマスキングしておかないと、綺麗に補修ができない。また、粉砕した粉の箔をこすりつけて付着させても、粉どうしの重なり合った箇所が発生し、刷毛などで完全にふり払うことは難しくなる。例えば、刷毛で強く振り払うと、せっかく補修した箇所が剥がれて、再補修の必要が発生してしまう等である。

0094

粉の積層による補修は、職人技術的な要素が強く、個人差が顕著であり、さらに、粉の積層による補修箇所樹脂塗料の箇所に比べて、耐久性が低いので、経年劣化や、屋外の温度差による剥離が発生する可能性が高くなる。

0095

図17に示す意匠性物品1Abの構成は、図1に示す意匠性物品1Aの構成と同様なものとする。透明性基材10abの裏面側から絵付け模様11、クリアー層12、グラデーション模様13、クリアー層14が順位に形成されて、箔の層15ab、箔隙間埋め層16ab、封入層17abが形成されている。

0096

特に、図17に示す意匠性物品1Abの曲面形状部分の裏面側には、箔による箔の貼り付けが困難な部分であるため、箔の層15abにおける箔と同系色のメタリック塗料により当該曲面形状部分と箔の層15abの隙間等も含めて塗装されている。

0097

また、図18(c)に示す意匠性物品1Acの構成も、図1に示す意匠性物品1Aの構成と同様なものであり、図18(a)は、意匠性物品1Acを製作する途上の箔貼付工程の状態を示す画像であり、図18(b)は、意匠性物品1Acを製作する途上の箔層形成工程である。

0098

図18(a)に示す曲面形状の箔151の貼り付け困難箇所には、黒色系の濃い濃度のグラデーション模様13にクリアー層14で覆われている。さらに、図18(a)に示す曲面形状の箔151の貼り付け困難箇所と箔の層15acの隙間箇所とには、図18(b)に示すように、箔同系色の塗料によって塗装されて、箔隙間埋め層16acが形成されている。

0099

本実施形態では、箔貼り付け対象のエッジ部分(外周縁部分)などは余白Wyを予めマスキングしてから、箔151を貼り付ける。もし、図18(a)に示すような箔の層15acの端が切れたり、隙間ができたりなどで箔の層15acの補修が必要となった場合でも、余白部分や隙間部分を箔同系色の塗装をすることによって、同時に補修が可能となり、図18(b)に示すように、主に2液硬化型樹脂成分を含む塗料によって塗装されるので(箔隙間埋め層16acが形成される)、箔151と、箔の前の層(箔の層15acの隣接する内層)の細部までしっかりと接着できる。塗装方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0100

したがって、本実施形態の意匠性物品に対して、上記のような方法と、箔の粉砕した粉をこすりつける補修方法とを比べると、本実施形態の上記のような方法がより耐久性が向上し、同時に箔の貼付工程の作業効率も大幅に改善できる。

0101

以上のような本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、図18(c)に示すような意匠性物品1Acを製作することができる。意匠性物品1Acについて、図18(c)に示す透明性基材10acの表面側からみた箔の状態も良好に見えて美観性に優れているだけでなく、意匠性物品1Acの箔の貼り付け状態や、塗膜の塗装状態においても耐久性にも優れたものである。

0102

なお、箔の同系色塗料については、主に金属粉顔料金属(アルミ真鍮酸化鉄亜鉛チタンなど)を粉砕し加工した粉を含んだ2液性硬化ウレタン樹脂塗料(メタリック塗料)を使い、貼り付けで使用している箔の色調に合わせて、着色顔料を添加してメタリック塗料の色を調整する。2液性硬化ウレタン樹脂塗料の他にも、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などでもよい。

0103

また、箔を粉砕した粉を下記の成分に添加して、塗料としてコーティングしてもよい。例えば、2液性硬化ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などである。

0104

(7)保護コーティング工程
箔層形成工程の次の工程として、保護コーティング工程について説明する。透明性基材10の外周側の縁部分には、箔151の部分剥離、箔151の隙間等が生じやすい。このような状態を防ぐための箔挟持層を形成するために、箔隙間埋め層16aに、さらに箔の保護層(封入層17a)を形成するように樹脂コーティングを施す。保護コーティング方法としては、スプレー塗装が好ましい。

0105

封入層17aを形成するための塗料としては、主に、透明性を問わず2液型硬化型ウレタンクリアー、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などでもよい。保護層の膜厚は、50μm以上が好ましい。

0106

箔挟持層を形成する工程(箔挟持層形成工程)では、箔の層15aを隣接した内側層に設けられる樹脂層(クリアー層14)と箔の層15a及び箔隙間埋め層16aより外側層に設けられる封入層17aの樹脂同士で包み込む(挟み込む)。

0107

箔151の皺によって、1度の樹脂コーティングでは、箔151を覆いきれない場合は、水などの浸食や耐久性に影響が出てしまうため、樹脂コーティング乾燥後に中研ぎを入れて、箔151の皺と樹脂コーティング層を均一にして、仕上げに再度樹脂コーティングを行うとよい。

0108

以上のような保護コーティング工程により、箔の層15aの保護層である封入層17aを形成することができる。なお、樹脂コーティングが透明の場合は、更にこの上に模様を入れることによって、箔の両面側を使用した製品に仕上げることもできる。

0109

以上説明した意匠性塗膜の塗装方法によれば、(1)〜(4)の工程を組み合わせて一又は複数の加飾模様を施し、(5)〜(7)の工程を経て耐久性のある、本実施形態の意匠性物品を製作することができる。本実施形態の意匠性物品は、表面および裏面から見て透明な又は半透明な素材の透明性基材10の裏面側に施された一又は複数の加飾模様を有し、この一又は複数の加飾模様を当該透明性基材10の表面側からみる意匠性物品である。

0110

例えば、意匠性物品1Aは、透明性基材10と、透明性基材10の裏面側に一又は複数の加飾模様(例えばしぶき模様11a、グラデーション模様13)と、一又は複数の加飾模様には当該加飾模様を透明樹脂で覆う一又は複数のクリアー層12、14と、内層側で隣接するクリアー層14上に金属からなる箔151が貼り付けられた箔の層15aと、箔の層15aより外側層に設けられる封入層17aと、を有している。

0111

箔の層15aは、内層側で隣接するクリアー層14上に、前述したように、透明性基材10の裏面側の外周縁に沿って所定の幅Wyで又は曲面形状に応じて箔151を敷き詰めない領域と、透明性基材10の裏面側に箔151を敷き詰めて貼り付ける箔貼付領域が設けられる。

0112

箔151を敷き詰めない領域及び敷き詰めた箔の隙間には箔と同系色のメタリック色で塗装されて箔隙間埋め層16aが形成され、透明性基材10の裏面側全体に隙間なく箔が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態である疑似箔層18aが形成される。箔の層15aに隣接した内側層に設けられたクリアー層14と疑似箔層18aより外側層に設けられる封入層17aとの樹脂材で包み込まれている。

0113

以上説明したような本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品1Aの耐久性および量産性を上げることができる。

0114

本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品を、例えば家具雑貨什器食器・車の内外パーツショーウィンド等などの物品に適用可能である。また、建築用インテリア材装飾用ガラス、装飾タイル装飾ケース、装飾ブラインドパーテーション壁掛け飾りなどに用いることができる。

0115

例えば、通常、ブラインドパネルに用いられるガラス等では、曇りガラス、すりガラス等の単純な不透明性によるブラインドであるが、本発明による意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品として、ガラス、アクリル材等の透明部材を多層の意匠性塗膜、多層での光の屈折効果、箔での乱反射等により美的効果を生じる装飾で、かつ、ブラインド可能である。

0116

また、シール印刷、フィルム貼付のみ等による装飾では、低廉で、かつ、平面的なイメージである傾向に比べて、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品として、多層での光の屈折効果、箔での乱反射等により美的効果を生じる装飾にすることができ、高価な装飾のイメージを与えることができる。

0117

以上説明したように、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる。

0118

[第2の実施形態]
第2の実施形態の意匠性塗膜の塗装方法について、図19乃至図24を参照しながら説明する。ここで、図19は、本発明に係る意匠性塗膜の塗装方法による意匠性物品1Bの第2の実施形態の構成を示す図である。

0119

図19に示す意匠性物品1Bは、アクリル材の透明性基材10を有している。さらに、意匠性物品1Bは、第1の実施形態の意匠性塗膜の塗装方法と同様な方法により、透明性基材10には、しぶき模様11bが施され、しぶき模様11bを覆うクリアー層12が設けられる。クリアー層12上に、グラデーション模様13が施され、箔下地工程によりグラデーション模様13を覆うクリアー層14が設けられる。

0120

さらに、クリアー層14上において、箔の層15bを形成する箔層形成工程により金箔を用いた箔の層15bを形成する箔貼付工程を行う。箔貼付工程後に、箔の隙間と余白Wyを箔151と当該箔151と同系色のメタリック色で塗装し、透明性基材10全体に隙間なく箔151が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態(疑似箔層18b)となるように箔隙間埋め層16bを形成した。最後に、箔挟持層形成工程によって、箔隙間埋め層16bから表面の透明性基材10に到る側面を封入層17bで覆うことにより、意匠性物品1Bを製作したものである。

0121

ここで、図20は意匠性物品1Bを表面からみた画像例であり、図21図20に示す意匠性物品1Bの裏面側の側面方向からみた画像例である。なお、図20及び図21に示される封入層17bは、黒色系の顔料を含む樹脂材を用いて形成されたものである。図20及び図21に示すように、透明性基材10の表面側のエッジ部分に到る側面までを封入層17bで覆っていることがわかる。

0122

次に、図19に示す意匠性物品1Bと、以降で説明する他の意匠性物品200Bとを比較した試験結果について説明する。ここで、図22(a)は第2の実施形態の意匠性物品1Bと、図22(b)は他の意匠性物品200Bとの構成を比較する図である。図23図22(a)に示す意匠性物品1Bの温度試験結果の一例であり、図24図22(b)に示す他の意匠性物品200Bとの温度試験結果の一例である。

0123

以上のように製作された意匠性物品1Bについて、以下のような試験を実施した。容器に入れた水を沸騰(100℃)させ、意匠性物品1Bにおける評価面が容器の底に接しないように試料全体沸騰水中に浸漬し加熱しながら沸騰状態をそのまま1時間保持し、1時間後、試料を取り出し水分を拭き取り、変色、しみ、腐食、表面の劣化塗膜の剥離等の変化を観察したものである。

0124

<試験結果>
・1時間後沸騰を終了し、直ちに水分を拭き取り目視した結果
図23(a)〜(c)に示すように、1時間経過した後に目視で確認したところ、劣化するような変化は見られなかった。

0125

図23(b)及び(c)に示すように、意匠性物品1Bにおいて、基材のエッジ(端)については、箔の層15bに余白Wyを取り前後の層(樹脂層)で挟みこむ構造と基材の側面まで箔を包み込むようにコーティングし(封入層17b)、しぶき模様11bや装飾する層(グラデーション模様13)については、クリアコーティング層(クリアー層122、14)を設けて、塗装面を覆うクリアー層の凹凸のある面を均一に仕上げてから、箔を貼り付けたほうが、耐久性向上することが検証された。

0126

一方、意匠性物品200Bは、第2の実施形態の意匠性塗膜の塗装方法とは異なる以下の方法により製作されたものである。

0127

図22(b)に示す意匠性物品200Bは、アクリル材の透明性基材100bを有している。透明性基材100bには、しぶき模様110bが施されるが、そのしぶき模様110bをクリアー層で覆わず、塗装面の塗膜で凹凸状態のままでグラデーション模様130bを施して、このグラデーション模様130bにもクリアー層で覆わない処理をしたものである。すなわち、箔下地工程を施さずに、グラデーション模様130b等を形成したものである。そして、このグラデーション模様130b上に、透明性基材100bの外周縁に沿って、所定の幅で余白Wyをとらずに箔を貼り付ける箔貼付工程を施した。

0128

さらに、箔層形成工程により箔の層150bを形成し、箔の隙間を箔151と当該箔151と同系色のメタリック色で塗装し、透明性基材100b全体に隙間なく箔151が貼られている状態であるように見せる疑似全箔貼付状態となるように箔隙間埋め層160bを形成した。

0129

なお、箔隙間埋め層160bを形成後、箔隙間埋め層160bの表面にのみ封入層170bで覆って、意匠性物品200Bを製作したものである。したがって、箔隙間埋め層160bから表面の透明性基材100bに到る側面側を封入層170bで覆う処理(箔挟持層形成工程)を用いずに、意匠性物品200Bを製作したものである。

0130

以上のように製作された意匠性物品200Bについて、以下のような試験を実施した。水を沸騰(100℃)させ、意匠性物品200Bにおける評価面が水容器の底に接しないように試料全体を沸騰水中に浸漬し加熱しながら沸騰状態をそのまま1時間保持し、1時間後、試料を取り出し水分を拭き取り、変色、しみ、腐食、表面の劣化塗膜の剥離等の変化を観察した。

0131

<試験結果>
・1時間後沸騰を終了し、直ちに水分を拭き取り目視した結果
中研ぎ工程を入れていない、しぶき模様110bの凹凸部にできた空間は、沸騰試験中の高温によって膨張し膨れ上がり層間剥離を引き起こした。

0132

図24(b)に示すように、意匠性物品200Bにおいて、余白Wyを取っていないエッジ部分等も、めくれるように剥離減少が起きていることがわかった。また、図24(c)に示すように、エッジ部分の剥離を、任意で剥がして中身を観察してみると、グラデーション層は透明性基材に残り、箔の層が封入層と一緒に剥離していることが分かる。

0133

以上のような試験結果から、塗膜全体が透明性基材(アクリルパネル)から剥離したのではなく、図24(a)に示すようなクリアコーティング層を入れずに凹凸のある状態で箔を貼り付けた結果、細部に空間が生じて、更に高温による空間の膨張によって水ぶくれのような層間剥離現象が起きて、次第に面積が大きくなることがわかった。

0134

以上のような検証結果により、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、温度・湿度等の外部環境に対して耐久性のある意匠性物品を製作することができる。

0135

以上説明したように、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる。

0136

[第3の実施形態]
図25(a)は、第3の実施形態の意匠性物品1Cの温度試験結果の一例であり、図25(b)は、他の意匠性物品200Cの温度試験結果の一例である。

0137

図25(a)に示す意匠性物品1Cは、アクリル製の透明性基材10を用い、透明性基材10に、クリアーコーティングを施したクリアー層14を形成したものである。このクリアー層14上に箔の層15cを形成し、箔の層15cに余白Wyを取り、同系色のメタリックで塗装して、箔の層15cをクリアー層14と封入層17cおよび箔隙間埋め層16cによる包み込む(挟み込む)構造を設けたものである。そして、封入層17cでは、箔隙間埋め層16c、箔の層15c、クリアー層14および透明性基材10の外周側の側面を覆っている。

0138

一方、図25(b)に示す意匠性物品200Cは、アクリル製の透明性基材100cを用い、透明性基材100cに、クリアーコーティングを施したクリアー層140cを形成したものである。このクリアー層140c上に箔の層150cを形成し、箔の層150cに余白Wyを取らずに、箔の層150c上を樹脂で覆う封入層170cを形成したものである。

0139

図25(a)に示す意匠性物品1Cと図25(b)に示す意匠性物品200Cとを試料として、それぞれ、水を入れたビーカーの中に入れ、沸騰(100℃まで)させ、評価面がビーカーの底に接しないように試料全体を沸騰水中に浸漬し加熱しながら沸騰状態をそのまま1時間保持した。図25(a)及び(b)に示す画像は、1時間後に、試料を取り出し水分を拭き取り、変色、しみ、腐食、表面の劣化塗膜の剥離等の変化を観察したものを示す。

0140

・1時間後沸騰を終了し、直ちに水分を拭き取り目視した結果
図25(b)では、意匠性物品200Cにおいて、基材の隅の部分から箔の層150cとクリアー層140cが一緒に剥がれてきていた。

0141

一方、図25(a)では、意匠性物品1Cにおいて、箔の層15cに余白Wyを取り、余白Wyを同系色のメタリックで塗装し(箔隙間埋め層16c及び疑似箔層18cを形成)、箔の層15cをクリアー層14と封入層17cおよび箔隙間埋め層16cによる挟み込む構造で形成し、更に基材の立ち上がりの面(側面側)に対して、耐久性が向上する封入コーティング(封入層17c)を施したパネルであったため、何の変化も発生しなかった。

0142

また、図25(a)では、意匠性物品1Cにおいて、さらに1時間経過した後に目視で確認したところ、劣化するような変化は見られなかった。箔の層15cに余白Wyを取り前後の層(樹脂層)で挟みこむ構造と基材の側面まで箔を包み込むようにコーティングを施すことにより、飛躍的に耐久性が向上することが検証できた。

0143

以上のような検証結果により、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、温度・湿度等の外部環境に対して耐久性のある意匠性物品を製作することができる。

0144

以上説明したように、本実施形態の意匠性塗膜の塗装方法および意匠性物品によれば、意匠性物品の耐久性および量産性を上げることができる。

0145

[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、例えば各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0146

1、1A、1Ab、1Ac、1B、1C、200B、200C…意匠性物品、10、10ac、100b、100c…透明性基材、11…絵付け模様、11a、11b、110b…しぶき模様、12、12x、14、140c…クリアー層、13、130b…グラデーション模様、15a、15ab、15ac、15b、15c、150b、150c…箔の層、16a、16ab、16ac、16b、16c、160b…箔隙間埋め層、17a、17ab、17b、17c、170b、170c…封入層、18a、18b、18c…疑似箔層、31、32…マスキングテープ、33…第2のマスキング、151…箔

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