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技術 包装材用シーラントフィルム、包装材及び包装体

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 神戸晴夏西原嗣貴小沼健太
出願日 2018年8月27日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-158109
公開日 2020年3月5日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-032536
状態 未査定
技術分野 被包材 積層体(2)
主要キーワード 各温度雰囲気 付着エネルギー 変動割合 巻き位置 圧縮試験装置 巻取り長 賦形処理 評価表
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

滑剤ブリードアウト基材面への移行を抑え、保管環境によらず良好な滑り性を有する包装材を提供する。

解決手段

包装材用シーラントフィルムは、最表面を構成する樹脂層である表面層5には、滑剤としてポリシロキサン主骨格に持つシリコーンガムを含有すると共に、表面層5の表面には凹凸が形成される。表面層5に含まれるシリコーンガムは、表面層5を構成する樹脂成分に対し、0.25重量%以上3.0重量%以下の割合で添加される。表面層の凹凸は、算術平均粗さRaが、1.0μm以上4.5μm以下の範囲である。0.3MPaでの加圧状態で、−20℃及び50℃の各温度雰囲気保管1ヶ月間後における、JIS K 7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲である。

概要

背景

包装材シーラントフィルム(以下、単にシーラントフィルムとも記載する)を有する包装材は、例えば、食料品医療品等を包装する包装袋に使用されている。この包装袋の内容物は、液状、粉末状、ペースト状、固形状など、様々な状態を有している。この包装材に用いられるシーラントフィルムとして、一般には、ポリエチレンポリプロピレンエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体ポリアミドポリエステル等のフィルムが利用され、そのフィルムを利用したプラスチックフィルム製包装体がよく利用されている。包装材料に求められる物性としては、通常、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際に袋の破損がないこと、包装材料を開封する際の開封性、内容物が見える透明性等の物性、ならびに製造時の生産性が良いことが求められる。

前述の生産性においては、シーラントフィルム同士のブロッキングによるブロッキング跡の顕在化や、印刷ラミネート工程におけるフィルム破断テンション変動が発生せず、フィルムが安定して搬送できることが重要である。すなわち、滑り性が安定していることが重要である。この滑り性については、摩擦係数適性範囲とするために包装材の最表面の表面層を構成するポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などに対し滑剤や、アンチブロッキング剤を混合させる方法が用いられている。
例えば、特許文献1では、シーラントフィルムに配合する滑剤とアンチブロッキング剤を規定することで滑り性の最適化が図られている。具体的には、シーラントフィルムに対し、定形有機物よりなるフィラー及び脂肪酸アミド系の滑剤を適宜配合している。

概要

滑剤のブリードアウト基材面への移行を抑え、保管環境によらず良好な滑り性を有する包装材を提供する。包装材用シーラントフィルムは、最表面を構成する樹脂層である表面層5には、滑剤としてポリシロキサン主骨格に持つシリコーンガムを含有すると共に、表面層5の表面には凹凸が形成される。表面層5に含まれるシリコーンガムは、表面層5を構成する樹脂成分に対し、0.25重量%以上3.0重量%以下の割合で添加される。表面層の凹凸は、算術平均粗さRaが、1.0μm以上4.5μm以下の範囲である。0.3MPaでの加圧状態で、−20℃及び50℃の各温度雰囲気保管1ヶ月間後における、JIS K 7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲である。

目的

本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、滑剤のブリードアウトや基材面への移行を抑え、保管環境によらず良好な滑り性を有する包装材用シーラントフィルム、包装材及びその包装材を使用した包装体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

それぞれの樹脂成分が熱可塑性樹脂からなる1層又は2層以上の樹脂層からなる包装材シーラントフィルムであって、上記包装材用シーラントフィルムを構成する樹脂層のうち、最表面を構成する樹脂層である表面層には、滑剤としてポリシロキサン主骨格に持つシリコーンガムを含有すると共に、上記表面層の表面には凹凸が形成され、上記表面層に含まれるシリコーンガムは、表面層を構成する樹脂成分に対し、0.25重量%以上3.0重量%以下の割合で添加され、上記凹凸による表面層の表面は、JISB0601で規定される算術平均粗さRaが、1.0μm以上4.5μm以下の範囲であり、0.3MPaでの加圧状態且つ−20℃の温度雰囲気保管1ヶ月間後、ならびに0.3MPaでの加圧状態且つ50℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後における、JISK7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲であることを特徴とする包装材用シーラントフィルム。

請求項2

上記−20℃の温度雰囲気で保管後のシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数と、上記50℃の温度雰囲気で保管後のシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数との差が、0.1未満であることを特徴とする請求項1に記載した包装材用シーラントフィルム。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の包装材用シーラントフィルムの裏面に基材を設けた包装材。

請求項4

0.3MPaでの加圧状態且つ−20℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後、ならびに0.3MPaでの加圧状態且つ50℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後における、JISK7125の測定方法に準じた基材面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載した包装材。

請求項5

上記−20℃の温度雰囲気で保管後の基材面同士の静摩擦係数と、上記50℃の温度雰囲気で保管後の基材面同士の静摩擦係数との差が、0.1未満であることを特徴とする請求項4に記載した包装材。

請求項6

0.3MPaで加圧した状態で−20℃の温度雰囲気で1ヶ月間保管後における基材表面に存在する滑剤の移行量を基準とした、0.3MPaで加圧した状態で50℃の温度雰囲気で1ヶ月間保管後における基材表面に存在する滑剤の変動量が20.0%以内であることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載した包装材。

請求項7

請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載した包装材を用いた包装体

技術分野

0001

本発明は、包装材シーラントフィルム、その包装材用シーラントフィルムを有する包装材及びその包装材からなる包装体に関する。

背景技術

0002

包装材用シーラントフィルム(以下、単にシーラントフィルムとも記載する)を有する包装材は、例えば、食料品医療品等を包装する包装袋に使用されている。この包装袋の内容物は、液状、粉末状、ペースト状、固形状など、様々な状態を有している。この包装材に用いられるシーラントフィルムとして、一般には、ポリエチレンポリプロピレンエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体ポリアミドポリエステル等のフィルムが利用され、そのフィルムを利用したプラスチックフィルム製包装体がよく利用されている。包装材料に求められる物性としては、通常、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際に袋の破損がないこと、包装材料を開封する際の開封性、内容物が見える透明性等の物性、ならびに製造時の生産性が良いことが求められる。

0003

前述の生産性においては、シーラントフィルム同士のブロッキングによるブロッキング跡の顕在化や、印刷ラミネート工程におけるフィルム破断テンション変動が発生せず、フィルムが安定して搬送できることが重要である。すなわち、滑り性が安定していることが重要である。この滑り性については、摩擦係数適性範囲とするために包装材の最表面の表面層を構成するポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などに対し滑剤や、アンチブロッキング剤を混合させる方法が用いられている。
例えば、特許文献1では、シーラントフィルムに配合する滑剤とアンチブロッキング剤を規定することで滑り性の最適化が図られている。具体的には、シーラントフィルムに対し、定形有機物よりなるフィラー及び脂肪酸アミド系の滑剤を適宜配合している。

先行技術

0004

特許第5628132号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1では、滑剤が低分子量であるため、シーラントフィルム単体及びシーラントフィルムを基材と貼り合わせて包装材とした際に、脂肪酸アミドのフィルム表面へのブリードアウト量の変化や、各層への脂肪酸アミドの吸着により、滑り性が変動する。このため、包装材の安定した生産性を維持することが難しいといった課題がある。
また、特許文献1では、低分子量の滑剤の表面へのブリードアウト、各層への吸着などにおける、フィルム内での滑剤の移動速度は、熱可塑性樹脂の種類、接着剤の有無・種類、温度条件フィルム成形後における経時的な温度変更後によって変化する。そのため、保管条件製品加工条件により滑り性の変化を引き起こす原因となる。

0006

また、特許文献1では、滑剤のほかに定形有機系粒子及び不定形無機系粒子をシーラントフィルムに添加することで、加工性を得ている。しかし、シーラントフィルムの内部に分散している粒子は、フィルム表面の滑り性に寄与することは低く、プロセス上でフィルムから欠落し、装置の汚染に繋がる恐れがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、滑剤のブリードアウトや基材面への移行を抑え、保管環境によらず良好な滑り性を有する包装材用シーラントフィルム、包装材及びその包装材を使用した包装体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

課題を解決するために、本発明の一態様は、それぞれの樹脂成分が熱可塑性樹脂からなる1層又は2層以上の樹脂層からなる包装材用シーラントフィルムであって、上記包装材用シーラントフィルムを構成する樹脂層のうち、最表面を構成する樹脂層である表面層には、滑剤としてポリシロキサン主骨格に持つシリコーンガムを含有すると共に、上記表面層の表面には凹凸が形成され、上記表面層に含まれるシリコーンガムは、表面層を構成する樹脂成分に対し、0.25重量%以上3.0重量%以下の割合で添加され、上記凹凸による表面層の表面は、JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaが、1.0μm以上4.5μm以下の範囲であり、0.3MPaでの加圧状態且つ−20℃の温度雰囲気保管1ヶ月間後、ならびに0.3MPaでの加圧状態且つ50℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後における、JIS K 7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲であることを要旨とする。
また、上記一態様の包装材用シーラントフィルムの裏面に基材を設けて包装材を構成し、また、その包装材を用いて包装体を構成すると良い。

発明の効果

0008

本発明の態様の包装材用シーラントフィルム又は包装材によれば、シーラントフィルムの表面側に、滑剤としてポリシロキサンを主骨格に持つシリコーンガムが配合されている。したがって、本発明の態様によれば、シーラントフィルムの表面層において、表面自由エネルギーが低減し、脂肪酸アミドと異なり、主要な樹脂であるポリオレフィン樹脂や、他基材との貼り合せ時に塗布される接着剤への吸着が起こらない。この結果、シーラントフィルムの製造時や包装資材として使用する際に、接触する他基材や金属ロールに対する付着エネルギーの低減、安定化による良好な滑り適性を付与することが可能となる。
また、本発明の態様によれば、アンチブロッキング剤である有機系および無機系の粒子ではなく、賦形などによりシーラントフィルム表面に凹凸が設けられているため、当該フィルムを積層体として利用した場合、工程中での有機系および無機系粒子の欠落による製造装置の汚染を防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本発明に基づく実施形態に係る包装材の一例を示した断面図である。
包装材用シーラントフィルムが2層の積層体で構成される一例を示した断面図である。
包装材用シーラントフィルム表面層の評価方法の一例を示した概要図である。
包装材用シーラントフィルム裏面層の評価方法の一例を示した概要図である。

0010

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、各図は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示したものである。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示されたものであって、本発明の技術的思想は構成部品材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。したがって、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。

0011

本実施形態における包装材用シーラントフィルム1は、図1に示すように、その包装材用シーラントフィルム1の裏面に基材8が貼り付けられて包装材を構成する。更に、例えば、包装材を袋状として包装体が構成される。
基材8としては、ポリエチレンテレフタレートや6ナイロン、66ナイロン等のポリアミド等のフィルムを使用する。厚さは10μm以上30μm以下が好適である。
図1では、包装材用シーラントフィルム1が1層の樹脂層(表面層5)から構成されている場合を例示している。
包装材用シーラントフィルム1は、図1に示されるように、熱可塑性樹脂2に滑剤3が配合され、かつ一方のフィルム表面(表面層5の表面)は、賦形処理により凹凸4が形成されている。図1では、断面三角形状の複数の凸形状を付与する場合を例示しているが、凹凸4の形状はこれに限定されない。

0012

樹脂層(表面層5)は高温に加温可能な押出成形機により製膜される。このため、熱可塑性樹脂2の主材料としては、一般的な熱可塑性樹脂であれば使用することが可能である。ただし、包装材用シーラントフィルム1は、包装材料として好適に使用されるためには、適度な柔軟性を持ち、加工性が良い必要がある。このことから熱可塑性樹脂2として、例えば、オレフィンベースとした、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマーランダムコポリマーブロックコポリマー等を持つポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマーシクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマー及び、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体並びに複数を選択し適宜使用することができる。

0013

熱可塑性樹脂2には、包装材用シーラントフィルムの要求特性である、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の袋の破損がなく、包装材料を開封する開封性等を満たす特性が求められる。具体的には、シーラントフィルム単体または基材8と適宜積層して使用される際に、熱可塑性樹脂2は、袋状に加工するために適当な融点ならびに融解熱量を持つことが必要となる。これらの要求特性から、熱可塑性樹脂2として、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等を持つポリプロピレン系の樹脂等、ポリオレフィン系樹脂を選択し、単一または複合して使用することが好ましい。

0014

熱可塑性樹脂2は、良好な耐衝撃性低温ヒートシール性を備える材料であって、滑りにくい材料である。一方で、包装材用シーラントフィルム1に含まれる滑剤3として、本実施形態では、ポリシロキサンを主骨格に持つシリコーンガムを使用する。この滑剤3は、表面自由エネルギーが小さく、熱可塑性樹脂2に比べて滑りやすい材料であり、シロキサン主体とした原料である。中でも、滑剤3として、ジメチルポリシロキサン変性シリコーンである、メチルフェニルメチルハイドロジェンメチルビニルメチルフロロアルキル骨格に持つポリシロキサン等を適宜使用することが可能である。

0015

また、包装材用シーラントフィルム1には、滑剤3以外にもその他各種の添加剤が含まれていても良い。例えば、加工安定性を付与するための酸化防止剤などを適宜添加することが可能である。
滑剤3には、上記のポリシロキサンを使用することが可能であるが、シロキサン重合度が小さく、重合度2000以下である場合、流動性や、反対面へのポリシロキサンの移行による他基材との接着不良等の不具合が起こりやすいため、適用することが難しい。そのため、包装材用シーラントフィルム1の用途に好適なポリシロキサンは、重合度5000以上であり、平均分子量が40万以上であることが好ましい。また、重合方法としては、シラノールからの重合や、ポリシロキサン末端適宜触媒付加重合脱水縮合する方法等が挙げられるが、特に制限されるものではない。

0016

滑剤3の添加量は、フィルム搬送性等の製造上求められる物性以外に影響が出ない限り、特に制限されることはない。ただし、ポリシロキサンの重量濃度が樹脂分に対し2.0%を超える場合、ヒートシールに寄与する熱可塑性樹脂2の比率が減少して、ヒートシール性が低下するおそれがある。そのため、実用性の面からポリシロキサンの重量濃度は樹脂分に対し3.0%以下であることが好ましい。また、ポリシロキサン重量濃度が樹脂分に対し0.25%未満の場合では、ヒートシール性は十分であるが、滑り適性を付与することが難しいおそれがある。そのため、樹脂分に対するポリシロキサン重量濃度の範囲は0.25%以上3.0%以下の範囲であることが好ましい。

0017

図1では、包装材用シーラントフィルム1が単層の樹脂層(表面層5)で構成されている場合を例示しているが、これに限定されない。包装材用シーラントフィルム1は、図2に示すような、2層以上の樹脂層で構成されていても良い。例えば、包装材用シーラントフィルム1を、共押出法を用いて、図2に示すように、表面層5の裏面に裏面層7を積層して構成しても良い。更に、包装材用シーラントフィルム1として、別途、中間層を設けて、3層構造としてもよい。

0018

図2の場合、基材8と貼り合わされる裏面層6に滑剤3は含まれていない。このため包装材用シーラントフィルム1の巻取り時や、基材8と接着させ包装材として使用するときに、裏面層6同士がすり合わさることはない。つまり、裏面層6は包装材用シーラントフィルム1の巻取り時に、滑剤3が配合されている層である表面層5とすり合わされ、包装材用シーラントフィルム1を包装材に使用したときに、裏面層6は基材8または接着剤層7と接着することになる。そのため、裏面層6に滑剤3は含まれていなくとも、加工する上で適正な滑り性を得ることができる。更に、裏面層6に滑剤3を添加しないことで、滑剤3の使用量削減によるコストダウンを図ることができる。

0019

包装材用シーラントフィルム1は、積層する場合、厚さ範囲は特に制限されることはないが、十分な滑り性を付与し、他の包装資材の要求物性を満たすためには、包装材用シーラントフィルム1の層厚は20μm以上200μm以下の範囲であることが好ましい。総厚が20μm未満の場合、包装資材として使用する際に十分な衝撃耐性剛性を付与することが難しい。また、また200μmより厚い場合には、引裂き性の低下が起こり、包装資材として好適に使用することが難しくなる。
包装材用シーラントフィルム1の表面層5の平面内に凹凸4を形成することで、滑剤3のシリコーンガムの配合量を抑えることができる。この場合、フィルム1同士やフィルム1と搬送ロールとの摩擦係数を適度な値にすることができ、良好な滑性を得ることができる。

0020

一方、アンチブロッキング剤としてフィラー等の粒子を添加し、シーラントフィルム1の平滑面に凹凸4を形成し、当該シーラントフィルム1を積層体として利用する場合、工程中での粒子の欠落による装置汚染が生じる。また、シーラントフィルム内部に存在するフィラー等の粒子は、摩擦係数の改善について寄与せず、製品価格において不利になる。そのため、凹凸4は賦形により成形されることが好ましい。さらに、包装材用シーラントフィルム1表面の凹凸が大きなものであると、基材8と貼り合わせた後にロール状に巻取り長期間保管した際に、背面の凹凸表面形状被着体表面に打痕として転写されてしまい、欠陥となる問題が生じる。そのため、凹凸4が形成される包装材用シーラントフィルム1の表面層5の表面は、JIS B 0601−2001における表面算術平均粗さRaが、1.0μm以上4.5μm以下であることが好ましい。

0021

また、包装材用シーラントフィルム1の表面の最適摩擦係数の範囲は、JIS K 7125記載の方法に準拠し、静摩擦係数が0.20以上、0.50以下の範囲であれば好適に使用可能である。例えば、0.3MPaでの加圧状態且つ−20℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後、ならびに0.3MPaでの加圧状態且つ50℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後における、JIS K 7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲であれば好適に使用できる。
例えば、静摩擦係数が0.20より小さい場合、フィルムが滑り過ぎてしまうことがあるため、フィルムに蛇行が発生し、製袋工程等において不適となるおそれがある。また、静摩擦係数が0.50を超える場合には、フィルムの滑りが悪く、製袋品口開き性不良や製袋工程での送り不良が発生するため好ましくない。
また、シーラントフィルム単体における、上記の−20℃の温度雰囲気で保管後のシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数と、上記の50℃の温度雰囲気で保管後のシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数との差が、0.1未満であることが好ましい。

0022

さらに、保管環境が相違した場合や、加熱されるエージング工程から取り出した後の経過時間が異なると上記静摩擦係数は変化し、包装材用シーラントフィルム1を他のフィルム等の基材と貼り合せて巻き状態で保管する際に、巻芯に近い巻き位置では外側からの巻き圧力により、基材面への滑剤3の転移が生じて、基材面の静摩擦係数が変化する。また、包装材用シーラントフィルム1の表面の表面凹凸が潰れるなどして包装材用シーラントフィルム1表面の静摩擦係数が上昇する。そのため、包装材用シーラントフィルム1の表面を基材8貼り合せた状態での、包装材用シーラントフィルム1表面の静摩擦係数および、基材面の静摩擦係数は、巻芯部の加圧状態で、かつ、−20℃以上50℃以下の保管環境の範囲において、それぞれ0.20以上、0.50以下の範囲であることが好ましい。巻芯部の加圧状態は、例えば0.3MPaでの加圧である。例えば、0.3MPaでの加圧状態且つ−20℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後、ならびに0.3MPaでの加圧状態且つ50℃の温度雰囲気で保管1ヶ月間後における、JIS K 7125の測定方法に準じたシーラントフィルム表面同士の静摩擦係数が、それぞれ0.20以上0.50以下の範囲であれば好適に使用できる。

0023

更に、包装材用シーラントフィルム1表面の静摩擦係数および、基材面の静摩擦係数は、それぞれ上記温度差による静摩擦係数の差が0.1未満の範囲内であることが好ましい。
このとき、基材面については滑剤3の転移量の変動が20.0%以内であると、温度差による静摩擦係数の変動を0.20以下に抑えることができる。温度差による静摩擦係数変化が0.40よりも大きい場合には、保管環境や工程によって滑り性が変化し、生産設備運転しながら毎回整する必要があるため、現実的ではない。

0024

本実施形態の包装材用シーラントフィルム1を製作する方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。また、包装材用シーラントフィルム1は、熱可塑性樹脂2に滑剤3を分散させ、フィルム化した後、冷却して成形すればよい。
滑剤3の分散方法としては、例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後溶剤加熱除去する方法等を用いることが出来る。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが特に好ましい。単軸押出機を用いる場合には、フルフライトスクリューミキシングエレメントを持つスクリューバリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等特に制限されることなく、使用することが可能である。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、また、スクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。

0025

フィルム化の方法としては、押出成形機、ならびにフィードブロック、またはマルチマニホールドを介してTダイで製膜する方法や、インフレーション法を用いた製膜方法を用いることが可能である。このとき、複数の押出成形機を使用し、滑剤3を分散させた層と滑剤3を含んでいない層を共押出することにより、2層以上の層構成である包装材用シーラントフィルム1を得ることができる。
フィルムの冷却方法に関しては、上述の成形機に準じて使用することが可能である。例えばTダイ法では、エアーチャンバーバキュームチャンバーエアナイフ等の空冷方式冷水パン冷却ロールディッピングする等の水冷方式等、特に制限されることはないが、賦形による表面凹凸を付与する場合には、シリコーンゴム、NBRゴム、ならびにテフロン登録商標)等を加工したニップロールならびに金属を切削加工した冷却ロールを0.1MPa以上の圧力を印加した接触部に溶融樹脂を流入し、冷却する方式が特に好ましい。

0026

本実施形態によって得られる包装材用シーラントフィルム1は、単体フィルム及び他の基材と積層して使用され、また、包装材を包装体とする製袋様式に関して、特に制限されるものではない。単体フィルム及び積層して用いられる場合には、表面層5が内容物接触面となって、三方袋、合掌袋ガゼット袋スタンディングパウチスパウト注ぎ口)付きパウチビークくちばし状突起)付きパウチ等に用いることが可能である。
上述のように、シーラントフィルム1を単体フィルム(単層の樹脂層)とする場合、及びシーラントフィルム1の裏面に基材8を積層する場合のいずれでも、適宜、後工程における適性を向上するために、表面改質処理を実施することが可能である。例えば、単体フィルムとして使用時の印刷適性向上、積層使用時のラミネート適性を向上させるため、基材8と接触する面に対して表面改質処理を行うことが可能である。表面改質処理は、コロナ放電処理プラズマ処理フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることによって、官能基発現させる手法や、易接着層コーティング等のウェットプロセスによる改質を好適に用いることが可能である。

0027

以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
包装材用シーラントフィルム1は、図2に示すような、表面層5の裏面に裏面層6を積層した2層構成のフィルムとした。
熱可塑性樹脂として、表面層5は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂密度0.918g/cm3、MFR(MeltFlow Rate、メルトフローレート)3.8)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を95:5の割合で混合したものを使用し、滑剤としてポリジメチルシロキサンを主骨格とする数平均分子量が60万であるポリシロキサンを樹脂層を構成する樹脂成分に対し重量濃度で3%添加した。

0028

また、裏面層6は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR4.0)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を95:5の割合で混合したものを使用し、表面層5のようにアンチブロッキング剤のような粒子を添加していない。
これら表面層5、裏面層6を単軸共押出機により、それぞれ260℃に加熱溶融し、Tダイキャスト法にて、表面層5の厚さを15μm、裏面層の厚さを85μmとし、総厚100μmの包装材用シーラントフィルム1を製膜した。冷却は、冷却ロールの算術平均粗さRa=1.0μmのロール及びテフロン処理加工されたロール間で冷却し、包装材用シーラントフィルム1を得た。

0029

<実施例2>
実施例1と同様の作製方法において、層構成は同様に、冷却ロールの算術平均粗さRa=2.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例2のシーラントフィルム1を得た。
<実施例3>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=3.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例3のシーラントフィルム1を得た。

0030

<実施例4>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で3.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=3.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例4のシーラントフィルム1を得た。
<実施例5>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=4.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例5のシーラントフィルム1を得た。

0031

<実施例6>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=4.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例6のシーラントフィルム1を得た。
<実施例7>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で3.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=4.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、実施例7のシーラントフィルム1を得た。

0032

<比較例1>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=0.1μm以下の冷却ロールを用いて製膜し、比較例1のシーラントフィルム1を得た。
<比較例2>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=0.1μm以下の冷却ロールを用いて製膜し、比較例2のシーラントフィルム1を得た。

0033

<比較例3>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=0.1μm以下の冷却ロールを用いて製膜し、比較例3のシーラントフィルム1を得た。
<比較例4>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で3.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=0.1μm以下の冷却ロールを用いて製膜し、比較例4のシーラントフィルム1を得た。

0034

<比較例5>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=1.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例5のシーラントフィルム1を得た。
<比較例6>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=1.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例6のシーラントフィルム1を得た。

0035

<比較例7>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=1.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例7のシーラントフィルム1を得た。
<比較例8>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=2.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例8のシーラントフィルム1を得た。

0036

<比較例9>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=2.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例9のシーラントフィルム1を得た。
<比較例10>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=2.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例10のシーラントフィルム1を得た。

0037

<比較例11>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=3.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例11のシーラントフィルム1を得た。
<比較例12>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=3.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例12のシーラントフィルム1を得た。

0038

<比較例13>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=4.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例13のシーラントフィルム1を得た。
<比較例14>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンを配合せず、冷却ロールの算術平均粗さRa=5.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例14のシーラントフィルム1を得た。

0039

<比較例15>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で1.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=5.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例15のシーラントフィルム1を得た。
<比較例16>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で2.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=5.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例16のシーラントフィルム1を得た。

0040

<比較例17>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に添加する滑剤3のポリシロキサンの配合濃度を重量濃度で3.0%に調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=5.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例17のシーラントフィルム1を得た。
<比較例18>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に滑剤3のポリシロキサンを配合せず、エルカ酸アミドを重量濃度で300ppmに調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=1.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例18のシーラントフィルム1を得た。

0041

<比較例19>
実施例1と同様の作製方法において、表面層に滑剤3のポリシロキサンを配合せず、エルカ酸アミドを重量濃度で300ppmに調整し、冷却ロールの算術平均粗さRa=3.0μmの冷却ロールを用いて製膜し、比較例19のシーラントフィルム1を得た。
上記各実施例及び各比較例によって得られた包装材用シーラントフィルム1単体の、算術平均粗さRaと表面摩擦係数を測定した。表面摩擦係数は、枚葉形態で0.3MPaの圧力で加圧して1ヶ月間保管し、保管温度として、−20℃の温度雰囲気と、50℃の温度雰囲気で保管させたものについて測定したものである。

0042

また、基材8として、ONy(延伸ナイロン)エンブレム(登録商標) ON−15厚さ15μm(ユニチカ株式会社製)を用意した。
そして、各包装材用シーラントフィルム1を基材8に接着剤にて貼り合わせて包装材とした。具体的には、接着剤に、タケラックA626/タケラックA50(三井化学株式会社製)を用いて一般的なドライラミネーション法により、ドライ塗布量3.8g/m2となるように調整して貼り合わせ一体とし包装材とした。その包装材を、枚葉形態で0.3MPaの圧力で加圧して1ヶ月間保管した。このとき、保管温度として、−20℃の温度雰囲気と、50℃の温度雰囲気で保管させたものについて、包装材用シーラントフィルム1の表面の静摩擦係数、基材面の静摩擦係数、基材面の滑剤存在量、ブロッキング強度を測定した。

0043

(静摩擦係数)
静摩擦係数測定は、JIS K 7125に準じて、株式会社東洋精機製作所製の摩擦試験機型番TR−2)を用いて、−20℃保管、50℃環境室で0.3MPaで加圧させた状態で1ヶ月間保管し2種類のフィルムについて包装材用シーラントフィルム1の表面面同士の静摩擦係数と、包装材用フィルムと一体となった基材面表面同士の静摩擦係数の測定を行った。
評価結果は、包装材用シーラントフィルム1単体での静摩擦係数及び包装材における静摩擦係数について、0.2〜0.5の範囲内に入っているものは「〇」、それ以外のものを「×」とした。なお、フィルム表面が滑らず測定ができなかったものに関しては、「測定不可」と記載している。

0044

また、環境によらず滑り性は変化しないことが望ましいため、−20℃及び50℃の静摩擦係数の差分が0.1未満のものを「〇」、それ以上のものを「×」とした。
摩擦係数測定速度は、一般的なプラスチック用途である100mm/min、法線加重1.96N、接触面積40cm2となる様にフィルムをセットし、測定距離60mmの間の最大力から静摩擦係数を算出した結果をn=5で測定し、その平均値をそれぞれ記録した。

0045

(算術平均粗さRa)
算術平均粗さRaは、キーエンス社製のレーザーマイクロスコープ(型番VK−X200)を用いて、表面の算術平均粗さRaを算出した。表面の算術平均粗さRaは、1mm2の測定範囲内においてJIS B 0601−2001に準拠し、算出した。
評価結果は適正な滑り性を付与することができる1.0μm以上4.5μm以下の範囲に入っているものを「○」、それ以外のものを「×」とした。

0046

(ブロッキング強度)
包装材用シーラントフィルム1に関する耐ブロッキング性評価は、包装材用シーラントフィルム1を8枚重ねテスター産業製の圧縮試験装置にて0.3MPaの荷重をかけた状態で2日保持した後に、−20℃および50℃の保管環境下でそれぞれ1ヶ月間保管し、ブロッキング強度の測定をした。ブロッキング強度の測定は、ブロッキングしたフィルムを30mm×30mmの範囲のみブロッキングされているように30mm幅×100mm長に切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、せん断剥離強度を測定し、ブロッキング強度とした。
ブロッキング強度が10[N/30mm]以下のものを「○」、10[N/30mm]以上のものを「×」とした。

0047

(滑剤移行量
包装材用シーラントフィルム1に関する滑剤移行量評価は、滑剤の種類と評価装置相性があるため、滑剤の種類によって評価手法を分けて実施した。
シリコーン評価表面存在量方法
シリコーンの基材表面存在量については、アルバックファイ株式会社製のX線光電子分光分析装置(型番Quantum2000)を用いて−20℃保管、50℃保管の各環境室で0.3MPaで加圧した状態で1ヶ月間保管し、2種類のフィルムについて包装材用シーラントフィルム1と一体となった基材面表面の炭素(以下、Cと表記)と酸素(以下、Oと表記)と窒素(以下、Nと表記)とケイ素(以下、Siと表記)の相対元素濃度を算出した。

0048

(エルカ酸アミド表面存在量評価方法)
エルカ酸アミドの基材表面存在量については、−20℃保管、50℃環境室で0.3MPaで加圧した状態で1ヶ月間保管し、2種類のフィルムについて、図3のように包装材用シーラントフィルム1の表面に有機滑剤表面抽出治具41を固定し、その中に有機溶媒42としてクロロホルム注入した。注入後1分経過した時点でクロロホルムを抽出し、アジレンテクノロジー(株)製のガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出器で抽出したクロロホルムを測定することで、有機滑剤の表面52に存在していたエルカ酸アミドの量を測定した。カラムはHP−5MSを使用した。なお、この測定前に数点の濃度の異なるエルカ酸アミドが溶解したクロロホルム溶液標準液として測定を行い、ピーク面積と濃度の検量線を引くことで、表面存在量に換算している。上述したように、有機滑剤の表面存在量は、熱可塑性樹脂の種類、接着剤の種類、温度条件などによって変化するため、上記有機滑剤表面存在量の測定は、包装材用シーラントフィルム1と貼り合せた基材面に対して実施した。また、シーラントフィルム裏面におけるエルカ酸アミドの存在量についても同様の手法、手順にて存在量を測定するフィルム面を表面から反転させ、有機滑剤表面抽出用治具41に固定し、その中に有機溶媒42としてクロロホルムを注入し、抽出されたクロロホルムを測定することで、シーラントフィルムの裏面層6に存在していたエルカ酸アミドの量を測定した。

0049

(滑剤移行量の変動割合算出方法
上記のエルカ酸アミド表面存在量評価方法を用いて評価した包装材用シーラントフィルム1について、−20℃、及び50℃環境室で0.3MPaで加圧した状態で1ヶ月間保管した2種類のフィルムの滑剤移行量を、−20℃保管時の移行量を基準として、50℃保管時の移行量変動割合を算出した。移行量変動割合が20.0%以下のものを「○」、それ以外を「×」とした。

0050

総合評価
総合判定として、上記の包装材用シーラントフィルム1に関する評価の全てについて「○」判定であるものを「○」とし、一つでも「×」判定であったものは「×」とした。
上記各実施例及び各比較例のシーラントフィルム1の評価結果を表1に記載する。

0051

0052

表1に示される結果から、実施例1から7においては、総合判定で「○」となっていた。なお、実施例1から7については、包装材の状態においても総合判定で「○」となっていた。
一方、比較例1から比較例4では、滑剤3のポリシロキサン配合濃度を増加させても、冷却ロール面の算術平均粗さRaが小さく、フィルムの算術平均粗さRaが足りず、適正な静摩擦係数が得られていない。このため、比較例1から比較例4では、ブロッキング強度も大きく、総合判定が「×」となっている。

実施例

0053

比較例5から比較例13では、算術平均粗さRaを増加させても、滑剤3のポリシロキサン配合濃度が足りず、適正な静摩擦係数が得られていない。
比較例14から比較例17では、冷却ロール面の算術平均粗さRaが大きいため、適正な静摩擦係数が得られている。しかし、比較例14から比較例17では、ロール状に巻取り長期間保管した際に、背面の凹凸表面形状が被着体表面に打痕として転写してしまう恐れのあるフィルム算術平均粗さRaであるため、総合判定が「×」となった。
比較例18では、滑剤3として低分子量のエルカ酸アミドを用いており、フィルム内部に存在するエルカ酸アミドの基材面への移行量が保管環境によって増加している。この結果、比較例18では、基材面の静摩擦係数安定性が良好でないため、判定が「×」となっている。

0054

1包装材用シーラントフィルム
2熱可塑性樹脂
3滑剤
凸型形状
5表面層
6裏面層
7接着剤層
8基材
41有機滑剤表面抽出用治具
42 有機溶媒

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