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図面 (20)

課題

インビトロにおいて、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法の提供。

解決手段

中間中胚葉細胞を、線維芽細胞増殖因子(9)および/または線維芽細胞増殖因子(20)、ならびに任意で、以下:骨形成タンパク質7;ヘパリン;Wntアゴニストレチノイン酸;およびRAアンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数と接触させる工程を含む、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞の両方を同時に生成するための方法。中間中胚葉細胞は、後部原始線条の段階を通じてヒト多能性幹細胞から最終的に得られる。ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞は、腎臓修復および再生、腎臓のバイオプリンティングならびに腎毒性に関する化合物スクリーニング等の最終用途を有し得る。

概要

背景

背景
末期腎疾患発病率は世界で毎年8%上昇しており1、腎臓再生戦略が至急必要とされている。腎臓は、中間中胚葉IM)から、尿管芽(UB)の形成およびこのと隣接するIM由来後腎間葉(MM)の間の相互作用を通じて分化する中胚葉臓器である2。ネフロンは、このMM由来のネフロン前駆集団から生じる3。IM自体は、後部原始線条に由来する4。腎臓の発生起源は十分理解されているが2、ヒト腎臓におけるネフロンの形成は、出生前に完了する5。したがって、失われたネフロンと置き換わることができる出生後幹細胞は存在しない。

ヒト多能性幹細胞は、腎疾患に対する細胞ベース処置構築に関して高い可能性を秘めている。しかし、臨床利用のための細胞供給源としておよび処置、例えば腎疾患に対する処置としてのヒト多能性幹細胞の実用化は、ネフロンおよび他の腎臓構造物を生じるのに必要となる細胞型生成方法の理解の欠如によって妨げられている。

概要

インビトロにおいて、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法の提供。中間中胚葉細胞を、線維芽細胞増殖因子(9)および/または線維芽細胞増殖因子(20)、ならびに任意で、以下:骨形成タンパク質7;ヘパリン;Wntアゴニストレチノイン酸;およびRAアンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数と接触させる工程を含む、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞の両方を同時に生成するための方法。中間中胚葉細胞は、後部原始線条の段階を通じてヒト多能性幹細胞から最終的に得られる。ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞は、腎臓修復および再生、腎臓のバイオプリンティングならびに腎毒性に関する化合物スクリーニング等の最終用途を有し得る。

目的

本発明の1つの局面は、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法であって、中間中胚葉(IM)細胞を、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)および/または線維芽細胞増殖因子20(FGF20)、ならびに任意で、以下:骨形成タンパク質7(BMP7);ヘパリン;Wntアゴニスト;レチノイン酸(RA)、アナログまたはアゴニスト;およびRAアンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数の作用物質と接触させ、それによってIM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程を含む方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

インビトロにおいて、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法であって、中間中胚葉IM)細胞を、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)単独と、または線維芽細胞増殖因子20(FGF20);骨形成タンパク質7(BMP7);ヘパリン;Wntアゴニストレチノイン酸(RA);およびRA受容体アンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程を含む、方法。

請求項2

FGF9が、20 ng/mL〜1μg/mLの範囲の濃度である、請求項1に記載の方法。

請求項3

BMP7が、25 ng/mL〜75 ng/mLの範囲の濃度で存在する、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

RAが存在し、IM細胞からの尿管上皮前駆細胞の相対的生成を増加させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

RAが、10 pM〜1μMの範囲の濃度で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

RA受容体アンタゴニストが存在し、IM細胞からのネフロン前駆細胞の相対的生成を増加させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

RA受容体アンタゴニストが、0.50 pM〜10μMの範囲の濃度で存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

Wntアゴニストが存在し、IM細胞からのネフロン前駆細胞の相対的生成を増加させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

Wntアゴニストが、0.1μM〜10μMの範囲の濃度で存在する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

ヘパリンが、0.1〜10μg/mLの範囲の濃度で存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

中間中胚葉(IM)細胞を、FGF9単独と、またはFGF20、BMP7、ヘパリン、Wntアゴニスト、RA、およびRA受容体アンタゴニストからなる群より選択される1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と、72〜360時間接触させる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞が、IM細胞から同期的にまたは同時に生成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

IM細胞が、後部原始線条細胞を、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させることにより調製される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

後部原始線条細胞が、ヒト多能性幹細胞(hPSC)を、該hPSCの後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させることにより調製される、請求項13に記載の方法。

請求項15

hPSCが、ヒト胚性幹細胞または人工ヒト多能性幹細胞である、請求項14に記載の方法。

請求項16

以下の連続工程を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法:(a)ヒト多能性(hPCS)細胞を、該hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;(b)後部原始線条細胞を、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;ならびに(c)IM細胞を、FGF9単独と、またはBMP7;RA;RA受容体アンタゴニスト;Wntアゴニスト;FGF20;およびヘパリンからなる群より選択される1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程。

請求項17

後部原始線条細胞と接触させる前記1つまたは複数の作用物質が、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)単独、またはFGF2および/もしくはFGF20と組み合わせたFGF9を含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

FGF9、FGF2および/またはFGF20が、100〜400 ng/mLの濃度である、請求項17に記載の方法。

請求項19

hPSCの分化を促進する前記1つまたは複数の作用物質が、BMP4、アクチビンAおよび/またはWntアゴニストを含む、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

(i)BMP4が5〜40 ng/mLの濃度であり;(ii)アクチビンAが3〜40 ng/mLの濃度であり;および/またはWntアゴニストが0.5〜50μMの範囲の濃度である、請求項19に記載の方法。

請求項21

以下の連続工程を含む、請求項16に記載の方法:(a)ヒト多能性幹(hPCS)細胞を、Wntアゴニストと接触させ、該hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する工程;(b)該後部原始線条細胞を、FGF9単独と、またはFGF9およびRA受容体アンタゴニストと接触させ、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する工程;ならびに(c)該IM細胞を、FGF9単独と、またはBMP7;RA;RA受容体アンタゴニスト;Wntアゴニスト;FGF20;およびヘパリンからなる群より選択される1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程。

請求項22

生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を同定する工程をさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の同定が、生存能力のあるネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞を同定または識別するマーカーとしての複数の核酸および/またはタンパク質共発現の測定または検出を含む、請求項22に記載の方法。

請求項24

請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法にしたがい生成された、単離、濃縮または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞。

請求項25

インビトロにおいて、腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する方法であって、請求項24に記載の単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞から腎臓または腎細胞もしくは腎組織に分化させ、それによって腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する工程を含む、方法。

請求項26

腎臓または腎細胞もしくは腎組織の生成において使用するための、請求項24に記載の単離、濃縮または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞。

請求項27

(i)腎臓移植もしくは慢性腎疾患処置のための全腎臓および腎組織のバイオプリンティングもしくはバイオエンジニアリングにおいて使用するための;(ii)全臓器脱細胞化された腎臓の再細胞化による再構成腎臓もしくは代替腎臓の作製において使用するための;または(iii)腎疾患および腎臓の状態の細胞療法において使用するための、請求項24に記載の単離、濃縮または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞。

請求項28

1つまたは複数の化合物腎毒性を決定する方法であって、1つまたは複数の化合物を、請求項26に記載の単離もしくは精製されたネフロン前駆細胞および/もしくは尿管上皮前駆細胞、またはそれらから分化させたもしくはそれ以外の方法で得た腎細胞もしくは腎組織と接触させ、それによって該1つまたは複数の化合物が腎毒性であるか否かを決定する工程を含む、方法。

請求項29

前記1つまたは複数の化合物を、(a)IM細胞、または(b)単離もしくは精製されたネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細、を分化させることによって得られる腎臓オルガノイドと接触させることによって実施される、請求項28に記載の方法。

請求項30

インビトロにおいて、腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する方法であって、(a)請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法によってネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を生成する工程、および(b)工程(a)のネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を腎臓または腎細胞もしくは腎組織に分化させ、それによって腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する工程を含む、方法。

請求項31

1つまたは複数の化合物の腎毒性を決定する方法であって、(a)請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法によってネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を生成する工程、および(b)1つまたは複数の化合物を、工程(a)のネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞、またはそれらから分化させた腎細胞もしくは腎組織と接触させ、それによって該1つまたは複数の化合物が腎毒性であるか否かを決定する工程を含む、方法。

技術分野

0001

本発明は、腎臓の発生に関連する。より具体的に、本発明は、究極的にはヒト多能性幹細胞からネフロン前駆細胞および尿管前駆細胞を生成するインビトロ方法に関する。

背景技術

0002

背景
末期腎疾患発病率は世界で毎年8%上昇しており1、腎臓再生戦略が至急必要とされている。腎臓は、中間中胚葉IM)から、尿管芽(UB)の形成およびこのと隣接するIM由来後腎間葉(MM)の間の相互作用を通じて分化する中胚葉臓器である2。ネフロンは、このMM由来のネフロン前駆集団から生じる3。IM自体は、後部原始線条に由来する4。腎臓の発生起源は十分理解されているが2、ヒト腎臓におけるネフロンの形成は、出生前に完了する5。したがって、失われたネフロンと置き換わることができる出生後幹細胞は存在しない。

0003

ヒト多能性幹細胞は、腎疾患に対する細胞ベース処置構築に関して高い可能性を秘めている。しかし、臨床利用のための細胞供給源としておよび処置、例えば腎疾患に対する処置としてのヒト多能性幹細胞の実用化は、ネフロンおよび他の腎臓構造物を生じるのに必要となる細胞型生成方法の理解の欠如によって妨げられている。

0004

概要
本発明者らは、通常の胚形成時に使用される成長因子を用いる完全に化学的に定義された単層培養条件下での後部原始線条および中間中胚葉(IM)を通じたヒト多能性幹細胞の分化の誘導成功した。この分化プロトコルは、インビトロで、ネフロン形成を含む自己組織化する構造を形成する尿管芽(UB)および後腎間葉(MM)を同期的に誘導する。そのようなhESC由来成分は、エクスビボで腎臓に関連する幅広潜在能力を示し、これにより多能性幹細胞ベースの腎臓再生の可能性が示された。

0005

したがって、本発明の1つの局面は、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法であって、中間中胚葉(IM)細胞を、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)および/または線維芽細胞増殖因子20(FGF20)、ならびに任意で、以下:骨形成タンパク質7(BMP7);ヘパリン;Wntアゴニストレチノイン酸(RA)、アナログまたはアゴニスト;およびRAアンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数の作用物質と接触させ、それによってIM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程を含む方法を提供する。

0006

1つの態様において、IM細胞は、後部原始線条細胞由来であるかまたはそれから分化したものである。

0007

1つの態様において、後部原始線条細胞は、ヒト多能性幹細胞(hPSC)由来であるかまたはそれから分化したものである。hPSCの非限定的な例は、ヒト胚性幹細胞(hESC)および人工ヒト多能性幹細胞(iPSC)を含む。

0008

好ましい形式において、この局面は、以下:
(i)hPSCを、hPSCの後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;
(ii)後部原始線条細胞を、後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;および
(iii)IM細胞を、FGF9単独と、またはBMP7;RA;RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;および/もしくはFGF20;ならびにヘパリンの1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによってIM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程
連続工程を含む方法を提供する。

0009

工程(ii)における1つまたは複数の作用物質は、好ましくは、FGF9を含む。1つの特定の態様において、FGF9は、工程(ii)および(iii)の両方の少なくとも一部にまたはそれらの全体を通じて存在する。特定の好ましい態様において、Wntアゴニスト、例えばCHIR99021は、工程(i)の間存在する。

0010

1つの態様において、この方法は、生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を同定する工程をさらに含む。

0011

特定の態様において、生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の同定は、生存能力のあるネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞のマーカーとしての複数の核酸および/またはタンパク質共発現の測定または検出を含む。

0012

別の局面において、本発明は、上記局面の方法にしたがい生成される単離、濃縮または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞を提供する。

0013

さらに別の局面において、本発明は、腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する方法であって、上記局面のネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞から腎臓または腎細胞もしくは腎組織に分化させ、それによって腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する工程を含む方法を提供する。

0014

いくつかの態様において、ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、腎臓移植のためまたは慢性腎疾患を処置するための全腎臓および腎組織のバイオプリンティングまたはバイオエンジニアリングのための供給源として使用され得る。

0015

他の態様において、ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、全臓器脱細胞化された腎臓の再細胞化による再構成腎臓または代替腎臓の作製のために使用され得る。

0016

他の態様において、ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、腎疾患および腎臓の状態の細胞療法のための供給源として使用され得る。

0017

さらなる局面において、本発明は、1つまたは複数の化合物腎毒性を決定する方法であって、1つまたは複数の化合物を、上記局面の単離もしくは精製されたネフロン前駆細胞および/もしくは尿管上皮前駆細胞、またはそれらから分化させたもしくはそれ以外の方法で得た腎細胞もしくは腎組織と接触させ、それによって1つまたは複数の化合物が腎毒性であるか否かを決定する工程を含む方法を提供する。

0018

1つの態様において、この局面は、ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞をバイオプリンティングして、腎毒性スクリーニングのための腎臓オルガノイドにすることを提供する。
[本発明1001]
ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法であって、中間中胚葉(IM)細胞を、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)および/または線維芽細胞増殖因子20(FGF20)、ならびに任意で、以下:骨形成タンパク質7(BMP7);ヘパリン;Wntアゴニスト;レチノイン酸(RA)、アナログまたはアゴニスト;およびRAアンタゴニストからなる群より選択される1つまたは複数と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程を含む、方法。
[本発明1002]
FGF9および/またはFGF20が、約20 ng〜1μg/mLの範囲;約50〜500 ng/mLの範囲;約100〜300 ng/mLの範囲;および約200 ng/mLからなる群より選択される濃度である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
BMP7が、約25〜75 ng/mLの範囲;約35〜60 ng/mLの範囲;約45〜55 ng/mLの範囲;および約50 ng/mLからなる群より選択される濃度で存在する、本発明1001または本発明1002の方法。
[本発明1004]
RA、アナログまたはアゴニストが、IM細胞からの尿管上皮前駆細胞の相対的生成を増加させる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1005]
RA、アナログまたはアゴニストが、約10 pM〜1μMの範囲;約30 pM〜0.5μMの範囲;約50 pM〜0.2μMの範囲;および約0.1μMからなる群より選択される濃度で存在する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1006]
RAアンタゴニストが、IM細胞からのネフロン前駆前駆細胞の相対的生成を増加させる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1007]
RAアンタゴニストが、約0.50 pM〜10μMの範囲;約0.01μM〜5μMの範囲;約0.1μM〜5μMの範囲;および約1μMからなる群より選択される濃度で存在する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1008]
Wntアゴニストが、IM細胞からのネフロン前駆前駆細胞の相対的生成を増加させる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1009]
Wntアゴニストが、約0.1μM〜10μMの範囲;約0.2μM〜5μMの範囲;および約1〜2μMの範囲からなる群より選択される濃度で存在する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1010]
ヘパリンが、約0.1〜10μg/mLの範囲の濃度で存在する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1011]
中間中胚葉(IM)細胞を、FGF9単独と、またはBMP7、RA、RAアンタゴニスト、Wntアゴニスト、FGF20および/もしくはヘパリンの1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と、約72〜360時間接触させる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1012]
ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞が、IM細胞から同期的にまたは同時に生成される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1013]
後部原始線条細胞を、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1014]
ヒト多能性幹細胞(hPSC)を、該hPSCの後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程を含む、本発明1013の方法。
[本発明1015]
hPSCが、ヒト胚性幹細胞または人工ヒト多能性幹細胞である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
以下の連続工程を含む、前記本発明のいずれかの方法:
(a)ヒト多能性(hPCS)細胞を、該hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;
(b)後部原始線条細胞を、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;ならびに
(c)IM細胞を、FGF9単独と、またはBMP7;RA;RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;FGF20;および/もしくはヘパリンの1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程。
[本発明1017]
後部原始線条細胞と接触させる前記1つまたは複数の作用物質が、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)単独、またはFGF2および/もしくはFGF20と組み合わせたFGF9を含む、本発明1013〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
FGF9、FGF2および/またはFGF20が、約100〜400 ng/mLの濃度である、本発明1017の方法。
[本発明1019]
hPSCと接触させる前記1つまたは複数の作用物質が、BMP4、アクチビンAおよび/またはWntアゴニストを含む、本発明1014〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
(i)BMP4が約5〜40 ng/mLの濃度であり;(ii)アクチビンAが約3〜40 ng/mLの濃度であり;および/またはWntアゴニストが約0.5〜50μMの範囲の濃度である、本発明1019の方法。
[本発明1021]
以下の連続工程を含む、本発明1016の方法:
(a)ヒト多能性幹(hPCS)細胞を、Wntアゴニストと接触させ、該hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する工程;
(b)該後部原始線条細胞を、FGF9単独と、またはFGF9およびRAアンタゴニストと接触させ、該後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する工程;ならびに
(c)該IM細胞を、FGF9単独と、またはBMP7;RA;RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;FGF20;および/もしくはヘパリンの1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させ、それによって該IM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程。
[本発明1022]
生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を同定する工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1023]
生存能力のあるネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の同定が、生存能力のあるネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞を同定または識別するマーカーとしての複数の核酸および/またはタンパク質の共発現の測定または検出を含む、本発明1022の方法。
[本発明1024]
本発明1001〜1023のいずれかの方法にしたがい生成された、単離、濃縮または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞。
[本発明1025]
腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する方法であって、本発明1024の単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞から腎臓または腎細胞もしくは腎組織に分化させ、それによって腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する工程を含む、方法。
[本発明1026]
腎臓または腎細胞もしくは腎組織の生成において使用するための、本発明1024の単離、濃縮または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞。
[本発明1027]
(i)腎臓移植もしくは慢性腎疾患の処置のための全腎臓および腎組織のバイオプリンティングもしくはバイオエンジニアリングのため;(ii)全臓器脱細胞化された腎臓の再細胞化による再構成腎臓もしくは代替腎臓の作製のため;または(iii)腎疾患および腎臓の状態の細胞療法のための、本発明1024の方法。
[本発明1028]
1つまたは複数の化合物の腎毒性を決定する方法であって、1つまたは複数の化合物を、本発明1026の単離もしくは精製されたネフロン前駆細胞および/もしくは尿管上皮前駆細胞、またはそれらから分化させたもしくはそれ以外の方法で得た腎細胞もしくは腎組織と接触させ、それによって該1つまたは複数の化合物が腎毒性であるか否かを決定する工程を含む、方法。
[本発明1029]
前記1つまたは複数の化合物を腎臓オルガノイドと接触させることによって実施される、本発明1028の方法。

図面の簡単な説明

0019

ヒト胚性幹細胞から後部原始線条および中間中胚葉への連続分化。a、内部細胞塊から腎臓系統への発生段階の概要。各段階で示されている遺伝子は、その段階の特異的マーカーである。b、3日間の培養後に異なる比のBMP4/アクチビンA(ng/mL)または8μMのCHIR99021で誘導されたMIXL1-GFP陽性後部原始線条細胞の比率を示すFACS分析(GFPおよび前方散乱FSC))。hESC、出発細胞;GFなし、基本培地で3日間培養。c、d、qRT-PCR分析(c)によって評価された各々の比のBMP4およびアクチビンA(ng/mL)の下での、第3日のSOX17、BRACHYURY(T)およびMIXL1の相対発現。異なる濃度のCHIR99021の下での同じqRT-PCR分析(d)。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。e、hESCからIMへの使用された分化プロトコルの概要。f、第2〜6日における200 ng/ml FGF9の存在下または非存在下でのIMのマーカー(PAX2、LHX1、OSR1)の発現を示す第6日のRT-PCR。g、第2〜6日における200 ng/ml FGF9の存在下または非存在下での第6日のPAX2タンパク質陽性細胞の比率の定量。BMP4/アクチビンA(B/A)およびCHIR99021(CHIR)を通じた両方の分化プロトコルは、誘導率80%を超えた。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験からの合計5つの視野)。h、BMP4/アクチビンA(B/A)またはCHIR99021(CHIR)のいずれかを用いた後部原始線条誘導を通じた第6日におけるPAX2(赤色)およびLHX1(緑色)タンパク質の存在および共発現(スケール=100μm)。i、第2〜6日のFGF9の濃度勾配の下での第6日におけるIM(PAX2、LHX1)、PM(TBX6)およびLPM(FOXF1)のマーカーの発現を示すqRT-PCR。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。j、第2〜6日のFGF9およびNOGまたはBMP4の存在下での第6日における中胚葉マーカーの発現変化を示すqRT-PCR。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。k、PAX2(赤色)により標識された主要なIM集団およびTBX6(緑色)により標識された重複しないPMを示す第6日のIF(スケール=100μm)。
後部原始線条の誘導。a、時間と共に多能性遺伝子の発現が減少することを示す、BMP4/アクチビンA(30/10 ng/ml)による誘導後の多能性マーカーOCT4およびNANOGのタイムコース定量RT-PCR。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。b、CHIR99021を用いた後部原始線条誘導の前(hESC)および後(第2日)のES細胞のマーカーNANOGおよびECADに関するIF(スケール=100μm)。c、CHIR99021を用いた後部原始線条誘導後(第2日)の後部原始線条マーカーTおよびMIXL1(GFP)に関するIF。MIXL1は、MIXL1内因性プロモーターにより誘導されるGFP発現として検出した(スケール=100μm)。d、3つの異なる比のBMP4およびアクチビンA(ng/mL)の下での培養後に時間と共に誘導された自発的なOSR1発現のレベル。hESCは、3つの異なる比のBMP4およびアクチビンAを3日間用いることにより胚様体を形成し、その後、第14日まで成長因子なしの条件下で自発的に分化した。これは、高BMP4および低アクチビンA(30/10)で誘導された細胞における改善されたOSR1発現を示している。OSR1は、IMおよびLPMを標識する。
IMタンパク質の誘導に対するFGFシグナルの影響。a、FGFシグナル阻害剤PD173074の存在下または非存在下、第2日までBMP4/アクチビンAでおよび第2〜6日にFGF2(200 ng/ml)、FGF8(200 ng/ml)、FGF9(200 ng/ml)または成長因子なし(GFなし)で処理した第6日のhESC培養物におけるPAX2タンパク質に関するIF(スケール=200μm)。b、IF(a)と同じプロトコルの第6日のPAX2、LHX1およびOSR1の相対発現レベルを試験する定量RT-PCR。網掛けのバーは、FGF阻害剤PD173074の添加の効果を示している。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。c、第2日までBMP4/アクチビンA(+FGF9(B/A))または8μM CHIR99021(+FGF9(CHIR))、その後第2〜6日に200 ng/mL FGF9または成長因子なし(GFなし)で処理した第6日のhESC培養物におけるIMマーカーPAX2ならびにLPMおよびIMの両方のマーカーであるOSR1に関するIF。2次抗体のみの対照陰性対照として使用した(2°Abのみ)(スケール=100μm)。d、第2日まで8μM CHIR99021で、その後第2〜6日に200 ng/mL FGF9で処理した第6日のhESC培養物における、PAX2-およびPAX2+細胞の合計(合計)またはLHX1-およびLHX1+と組み合わせた比率を示す表。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験からの合計5つの視野)。
初期中胚葉の側部〜中間部のパターン形成に対するBMPシグナルの影響。a、第2〜6日のBMP4(5もしくは50 ng/mL)またはBMPアンタゴニストNOG(25もしくは250 ng/mL)ありまたはなしの、200 ng/mL FGF9の存在下での第6日のDAPI(青色)およびPAX2(赤色)に関するIF(スケール=200μm)。b、第6日のPM(PARAXISおよびTBX6)ならびにLPM(FOXF1およびOSR1)マーカーの発現に対するこのBMP/NOG勾配の効果を調査するためのqRT-PCR。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。
初期腎臓発生時の特徴的な前駆細胞および派生細胞予想される遺伝子発現を示す図。PS、原始線条;IM、中間中胚葉;MM、後腎間葉;NP、ネフロン前駆細胞/腎性間葉;RV胞;DT、遠位曲尿細管;PT、近位曲尿細管;Pod、ポドサイト;ND、腎管;UB、尿管芽/尿管上皮;CD、集合管;MET、間葉〜上皮移行。すべての遺伝子がイタリック体で示されている、網掛けの長方形は、隣に示されている遺伝子の発現のタイミングおよび期間を示している。DT、PTおよびPodを標識する特定の遺伝子が、各細胞型の隣に示されている。UBおよびNPの間で起こることが公知の相互分化誘導が、UBからのFGF9(腎性間葉の生存)およびWnt9b(MET)の発現ならびにNPによるGDNF(尿管の枝分かれ)の発現により支持されている。
インビトロでのhES細胞からの尿管および後腎前駆細胞の段階的経時的誘導。a、腎臓発生を誘導するために使用した初期hESC誘導分化プロトコル(BMP4:アクチビンA/FGF9/FGF9:BMP7:RA)。直線下の数字は、分化の日数を示している。b、腎臓への分化の各段階を示す遺伝子に関する第0〜17日のタイムコースRT-PCR。これらは、後部原始線条(MIXL1、LHX1)、IM(LHX1、PAX2、OSR1)、MM(OSR1、SIX2、WT1、GDNF、HOXD11)およびUE(PAX2、CRET、HOXB7)の遺伝子を含む。PAX6は、外胚葉へのコミットメント証拠が存在しないことを確認するために含めた。NC、DNA鋳型を含まない陰性対照、c、PAX2(赤色)およびECAD(緑色)2重陽性上皮構造物(上パネル)ならびにこれらの上皮構造物を取り囲むWT1(赤色)陽性集団(下パネル)の形成を示す第6〜17日のタイムコースIF(スケール=200μm)。d、誘導分化過程を通じたhESC培養物中に存在するWT1+またはSIX2+細胞集団の定量。これらのタンパク質の共発現はMM/ネフロン前駆細胞(NP)集団を標識し、WT1タンパク質はその後分化するネフロンにおいても発現される。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。e、分化第14日は、ECAD+ UE周囲のMM(ECAD- SIX2+)の存在を明らかにした(スケール=200μm)。f、腎臓発生を誘導するために使用した別のhESC誘導分化プロトコル(CHIR99021/FGF9)の概要。直線下の数字は、分化の日数を示している。g、(b)に示される腎臓への分化の各段階を示すCHIR99021/FGF9を用いた分化を通じた第0〜18日のタイムコースRT-PCR。h、(c)に示されるタンパク質に関するCHIR99021/FGF9を用いた分化を通じた第0〜18日のタイムコースIF(スケール=200μm)。i、CHIR99021/FGF9を用いた分化後の(d)に記載される定量。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験からの合計5つの視野)。j、第14日の、ECAD+ UE構造物を取り囲むSIX2+の凝集した間葉細胞の存在(スケール=100μm)。k、PAX2+GATA3- MMの領域に隣接する第17日のPAX2+GATA3+ UEを示す第17日のIF顕微鏡画像(スケール=50μm)。
尿管上皮形成に対するRAの正の効果。a、分化第12日におけるEdU取り込みアッセイ。EdUによる30分間の暴露は、PAX2+プレ上皮構造物だけでなくPAX2陰性細胞も増殖性であることを明らかにした。白色の矢印は、PAX2+細胞におけるEdU取り込みを示している(スケール=100μm)。b、BMP4/アクチビンAを用いた後部原始線条誘導後の第6日のIM細胞を、FGF9および異なるRA濃度の下で11日間培養した。UEマーカーPAX2+ECAD+に関するIFは、UE構造物がRA量依存的な様式で誘導されることを示した(スケール=200μm)。c、BMP4:アクチビンA/FGF9/FGF9:BMP7:RAプロトコルを用いた分化の第22日におけるRT-PCRは、ポドサイトにおけるSYNPO、NPHS1およびWT1;遠位尿細管および集合管におけるAQP2およびSCNNB1ならびに近位尿細管におけるAQP1およびSLC3A1を含む、成熟腎細胞型への分化を示す遺伝子の発現を明らかにした。NC、DNA鋳型を含まない陰性対照。g、2つの鍵となるポドサイトマーカー:スリット隔膜タンパク質SYNPO(緑色)および核WT1(赤色)の共発現を示す、BMP4/アクチビンAを用いた分化の第22日のIF。DAPI(青色)を用いて核も染色した(スケール=50μm)。
腎臓に関連する潜在能力の評価およびCHIR99021/FGF9誘導分化後のhESCのネフロン誘導の証拠。a、第6日までのCHIR99021/FGF9を用いた初期誘導およびそれに続くFGF9および異なるRA濃度の存在下または成長因子の非存在下(GFなし)でのさらなる5日間の後の分化第12日のhESC由来細胞。PAX2およびECADタンパク質に関するIFは、UE構造物がRA量依存的な様式で誘導されることを示した(スケール=200μm)。b、主要な腎臓マーカー(SIX2、HOXD11、HOXB7、FOXD1)、多能性マーカー(OCT4)および生殖腺副腎皮質マーカー(SOX9、SF1、GATA6)に関するqRT-PCR。BMP4/アクチビンA(B/A)またはCHIR99021(CHIR)プロトコルのいずれかを用いた分化の第18日における遺伝子発現レベルをGAPDHに対して標準化し、その後に未分化hESCにおけるレベルと比較した。ヒト胎児腎臓RNAを陽性対照として使用した。エラーバーはs.d.である(n=3回の実験)。c、誘導第12日にいくつかのWT1+ MM細胞(赤色)がHOXD11+(緑色)でもあったことを示すIF。HOXD11は、MMおよび腎臓間質(HOXD11+WT1-)の両方を含む後腎領域の特異的マーカーである(スケール=200μm)。d、位相差およびWT1に関するIF(赤色)を用いた分化(CHIR99021/FGF9)の第18日の後の培養物の低拡大率像。腎臓において見られるような、UEを取り囲むWT1+間葉のクラスター(スケール=200μm)。e、第18日の、ECAD+ UE(緑色)を密に取り囲むWT1+およびSIX2+間葉(赤色)(スケール=50μm)。f、JAG1およびCDH6の存在によって評価される初期ネフロン/RVに囲まれたPAX2+ECAD+ UEを示す、第18日のIF共焦点顕微鏡像。点線で囲んだ領域は、PAX2+GATA3+ECAD+ UE構造物である。角括弧により示される領域が、隣の右パネルで拡大されている(スケール=25μm)(拡大されたスケール=10μm)。
腎臓系統へのH9 hES細胞株およびiPS細胞株の分化。a、b、H9 hESC(a)およびCRL2429 C11 iPS細胞(b)における分化第6日および第14日のDAPI(青色)、PAX2(赤色)またはSIX2(赤色)の免疫蛍光(スケール=200μm)。
マウス腎細胞の再集合体へのhESC由来腎臓前駆細胞の組み込み。a、腎臓に関連する潜在能力の再集合アッセイの概要。胎生12.5〜13.5日のマウス腎臓を解離して単一細胞にし、第12〜13日のhESC由来誘導腎細胞と組み合わせ、濾過膜上にペレット化し、空気・媒体界面で4日間培養した。hESC由来細胞 対 マウス腎細胞の比は、4対96であった。b、未分化hESC由来の大きな嚢胞の形成(緑色)を示す陰性対照としてGFPを構成的に発現する未分化hESC(ENVY細胞株)を用いた再集合アッセイ(スケール=200μm)。c、hESC由来分化第13日を用いたマウスE12.5〜13.5腎細胞の再集合アッセイ。すべての組み込まれたhES細胞由来細胞を、ヒトミトコンドリア抗体(HuMt)またはヒト核抗体(HuNu)(緑色)のいずれかによって検出した。白色矢印は、マウス腎臓構造物に組み込まれたヒト細胞を示している。PAX2+およびCALB+の小管は、UEを表している。CDH6+およびJAG1+構造物は、腎胞を表している。SIX2+およびWT1+非上皮細胞は、MM/NPを表している。hESCをBMP4:アクチビンA/FGF9/FGF9:BMP7:RAプロトコルを用いて分化させた場合のCALB+ UEおよびSIX2+ MMへの組み込みを除き、すべての画像が、CHIR99021/FGF9プロトコルを用いて分化させたhESCの組み込みを示している(スケール=50μm)。
自己組織化現象に対する3D培養環境の効果。a、再プレーティングアッセイの概要。第6日のIM細胞を収集し、高密度または低密度で再プレーティングした。次いで細胞を12日間(200 ng/mL FGF9と共に6日間、次いで成長因子なしでさらに6日間)培養した。高密度でプレーティングした細胞は単細胞層を形成し、低密度でプレーティングしたものはドーム状のコロニーを形成した。b、第18日に単層またはドーム状コロニーを形成するよう、第6日の誘導IM細胞を再プレーティングした。細胞を、UEについてはECADで、およびMMについてはWT1で染色した。おそらく相互誘導性の細胞集団の接近に起因する、より高度な構造物が、ドーム状コロニー内で観察された(スケール=100μm)。
分化させたhESCの3D培養後の自己組織化の証拠。a、3D培養に使用したプロセスの概要。分化(CHIR99021/FGF9)の第18日の後にhESC由来細胞を収集し、解離して単一細胞にし、ペレット化し、次いで濾過膜において空気・媒体界面で10%FCS/DMEMを用いて培養した。4日間の培養後、ペレットパラフィン包埋し、切片にした(スケール=200μm)。b、様々な鍵となるタンパク質(hESC由来細胞)の発現を示す3D培養ペレットのパラフィン包埋切片のIF。ECAD(緑色)は、上皮の存在を示している。PAX2+上皮はUEを表しており、PAX2+非上皮はMMおよびその派生物を示している。AQP2とECADの共発現は、UEの派生物である集合管の形成を表している。同図に示されているWT1染色は、MM/NPを標識している。MM/NPの上皮派生物は、JAG1によって標識された腎胞ならびにAQP1およびSLC3A1によって標識された近位尿細管を含む。対照として、マウス胎生13.5日腎細胞を、hESC由来細胞と同じ方法で解離し、ペレット化し、次いで培養して、その後分析した(E13.5 mEK細胞)(スケール=25μm)。
ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮への分化に必要とされる正確な成長因子濃度の階乗的最適化のためにマイクロバイオリアクターが使用できる証拠。このマイクロバイオリアクターは、10のウェルからなる27の列を含み、各列が3つの異なる成長因子FGF9、BMP7およびレチノイン酸の異なる組み合わせに供される。その読み取りは、E-カドヘリン(青色、上皮)、GATA3(緑色、尿管上皮)およびWT1(赤色、ネフロン形成性間葉)に関する免疫蛍光である。
その後の誘導段階の完了後のこれらの培養物の最終分化によって評価される、第1分化段階の最適化。第1段階においてCHIR99021を増量すると、E-カドヘリン陽性(緑色)尿管上皮の量を増加し、上皮 対 ネフロン前駆細胞(WT1に対する抗体により赤色で標識されている)の最適比は、6μM CHIR99021で見られる。示されている培養物は、第18日まで培養したものである。
多能性から後部原始線条への第1分化段階の最適化の結論の概要を示す図。結論は、初期CHIR99021誘導の濃度および期間が個々の出発細胞によって変化し得ることおよびこれは最適な腎臓分化のために最適化される必要があることである。
さらなる最適化工程の目標および適切な尾側後腎間葉集団の生成を保証するためのRAシグナルのアンタゴニストの導入の原理の概略を示す図。簡潔に言うと、発生期の胚には、その活性が頭側末端で最も高いRAシグナルの勾配が存在し、尾側の尾芽内でのRAの分解のための酵素の生成が胚のその末端でのRAシグナルを減少させている。永久腎(後腎)は、後肢のレベルで生じ、したがって比較的低いRA活性ゾーンに存在すると考えられ、他方、尿管芽を生じる上皮は、より早期に生じ、したがって比較的高いRA活性のゾーンに存在する。
分化の第2および第3段階のバリエーションを通じたネフロン前駆細胞誘導の最適化の図表示。これは、低レベルのCHIR99021(1μM)と共に1μMまたは5μMのいずれかで添加されるレチノイン酸受容体活性のアンタゴニストAGN193109の導入を含む。
分化の第12日または第18日のいずれかで評価した、後腎間葉マーカーHoxd11およびSix2の発現に対する分化の第4日からのCHIR99021および/またはAGN193109の添加の効果を示す定量PCRの結果。
分化の第18日で評価した、他のキャップ状間葉/ネフロン前駆細胞マーカー(Six1、Six2、Eya1、WT1)の発現に対する分化の第4日からのCHIR99021および/またはAGN193109の添加の効果を示す定量PCRの結果。
ネフロン前駆細胞および尿管上皮を含む腎臓オルガノイドへのヒトiPSC細胞株C11の誘導分化。この分化のために使用したプロトコルが、hESC株HES3の分化のために使用したそれと対比させて図示されている。これは、追加の2日間のCHIR99021を含むものであった。画像は、培養第20日後に生じたオルガノイドを示している。WT1+間葉(赤色)が、枝分かれした尿管上皮(緑色)を取り囲んでいる。
ネフロン前駆細胞および尿管上皮を含む腎臓オルガノイドへのヒトiPSC細胞株C32の誘導分化。画像は、培養第18日後に生じたオルガノイドを示している。WT1+間葉(赤色)が、枝分かれした尿管上皮(緑色)を取り囲んでいる。

0020

詳細な説明
本発明は、少なくとも部分的に、中間中胚葉(IM)からのネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞の同期的、同時的な分化を促進することに適した特定のインビトロ培養条件の発見に基づいている。より詳細に、FGF9が、ヘパリンのみと共に、または骨形成タンパク質7(BMP7)、レチノイン酸(RA)、RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;および/もしくはFGF20を含む1つもしくは複数の作用物質ならびにヘパリンとの組み合わせで、中間中胚葉のネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞への分化を促進することができる。これに加えて、このインビトロ培養法は、ヒト胚性幹細胞を、後部原始線条、IMおよび後腎間葉の段階を通じてネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生ずるよう分化させるシステムを提供する。有利な点として、特定の分子、例えばRA、RAアンタゴニストおよび/またはWntアゴニストの存在または非存在が、尿管上皮前駆細胞に対してネフロン前駆細胞を、またはその逆を、優先的に生成するよう操作され得る。

0021

ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞は、同時に誘導され、インビボで相互の分化を誘導し、そして尿管ツリーおよびネフロン前駆間葉を含む独特尿細管上皮構造物に発生することができ、その間この上皮構造物が尿管端と置き換わりネフロン前駆細胞を維持する。したがって、本発明にしたがい生成されるhESC由来尿管上皮および/またはネフロン前駆細胞は尿管および間葉の両方のコンパートメントから腎細胞へと分化するよう誘導され得ることが提案される。さらに、これらの細胞の「自己組織化」する能力は、したがって、例えば腎臓のバイオエンジニアリングによる腎臓の修復を促進するよう活用され得る。ネフロン前駆細胞、それら由来のネフロンまたは上記のように「自己組織化」された腎臓オルガノイドはまた、以前は試験に適した細胞を生成することができなかったことにより阻まれていた、腎毒性試験に適し得る。

0022

他に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の実施または試験には、本明細書に記載されているのと同様または同等の任意の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法および材料について記載する。

0023

本明細書で使用される場合、文脈上別段の解釈を必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」という用語およびこの用語の派生語、例えば「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「含まれる(comprised)」は、さらなる付加物、要素、成分または工程を排除することを意図していない。

0024

不定詞「a」および「an」は、単数の不定冠詞としてまたはその不定冠詞が参照している対象が1つより多いこともしくは単一より多いことを何らかの方法で排除するものとして読まれるべきでないことが理解されるであろう。例えば、細胞("a" cell)は、1つの細胞、1つまたは複数の細胞および複数の細胞を含む。

0025

本発明の目的上、「単離された」は、その自然状態から取り出されたまたはそれ以外の方法でヒトによる操作に供された物質を意味する。単離された物質(例えば、細胞)は、その自然状態で通常それに付随している要素を実質的にもしくは本質的に含まないものであり得、またはその自然状態で通常それに付随している要素と共に人工的状態にあるように操作されたものであり得る。

0026

「濃縮された」または「精製された」は、濃縮または精製前の以前の状態と比較して、特定の状態(例えば、濃縮または精製された状態)においてより高い発生率出現率または頻度を有することを意味する。

0027

「分化する(differentiate)」、「分化(differentiating)」および「分化した(differentiated)」という用語は、発生経路のより早期または初期段階から発生経路の後期またはより成熟した段階への細胞の進行に関連する。この文脈で、「分化した」は、その細胞が完全に分化し多能性またはその発生経路に沿ってもしくは他の発生経路に沿ってさらに進行する能力を喪失したことを意味または暗示しないことが理解されるであろう。分化は、細胞分裂によって達成され得る。

0028

「前駆細胞」は、自己再生性を有するまたは有さない、1つまたは複数の発生経路に沿って分化することができる細胞である。典型的に、前駆細胞は、単能性(unipotent)または複能性(oligopotent)であり、少なくとも限定的な自己再生を行うことができる。

0029

当技術分野でよく理解されているように、細胞の分化段階または分化状態は、複数のマーカーの中の1つの発現および/または非発現によって特徴づけられ得る。この文脈で、「マーカー」は、その発現または発現パターンが発生を通じて変化する、細胞、細胞集団、系統、コンパートメントまたはサブセットゲノムによってコードされる核酸またはタンパク質を意味する。核酸マーカーの発現は、核酸配列増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)および核酸ハイブリダイゼーション(例えば、マイクロアレイノーザンハイブリダイゼーション、インサイチューハイブリダイゼーション)を含むがそれらに限定されない当技術分野で公知の任意の技術によって検出または測定され得る。タンパク質マーカーの発現は、フローサイトメトリー免疫組織化学免疫ブロッティングタンパク質アレイ、タンパク質プロファイリング(例えば、2Dゲル電気泳動)を含むがそれらに限定されない当技術分野で公知の任意の技術によって検出または測定され得る。

0030

本発明の1つの局面は、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する方法であって、中間中胚葉(IM)細胞を、BMP7;レチノイン酸(RA);RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;線維芽細胞増殖因子9(FGF9)および/またはFGF20;ならびにヘパリンと接触させ、それによってIM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程を含む方法を提供する。

0031

本明細書における「レチノイン酸」または「RA」の言及は、すべての形態のレチノイン酸(例えば、全トランスRAおよび9-シスRAを含む)、RAと類似の生物学的活性を有するアナログおよび/またはレチノイン酸受容体(RAR)アゴニストを含む。様々な異なるRAアナログおよびRARアゴニスト(RARα、βまたはγに非選択的および選択的なアゴニストを含む)が、例えばR & D SystemsおよびTocris Bioscienceから市販されている。

0032

「RAアンタゴニスト」の各言及は、レチノイン酸受容体(RAR)アンタゴニストおよびRARを介するRAシグナルを阻害遮断または防止する任意の他の分子を含む。RARアンタゴニストの非限定的な例は、AGN193109、LE135、ER50891、BMS 493、BMS 453およびMM 11253を含むがそれらに限定されない。この定義は、RAアンタゴニストが同時にまたは代替的に、別のリガンドの結合からのRARを介するシグナルの遮断を模倣する可能性を排除しない。

0033

本明細書で使用される場合、「Wntアゴニスト」は、標準的なWntシグナル伝達経路においてGSK3(例えば、GSK3-β)を阻害するが、好ましくは他の非標準的なWntシグナル伝達経路においては阻害しない分子である。Wntアゴニストの非限定的な例は、CHIR99021、LiCl SB-216763、CAS 853220-52-7ならびにSanta Cruz BiotechnologyおよびR & D Systems等の供給元から市販されている他のWntアゴニストを含む。この定義は、WntアゴニストがGSK3β活性の1つまたは複数の他の阻害剤を模倣する可能性を完全に排除するものと読まれるべきではない。

0034

線維芽細胞増殖因子、例えばFGF9およびFGF20は、FGF9が好ましいものの、交換可能であり得ることも理解されるであろう。ヘパリンは、典型的に、線維芽細胞増殖因子、例えばFGF2、FGF9および/またはFGF20の生物学的活性を促進または増強するために含められる。

0035

FGF9、BMP7、レチノイン酸(RA);RAアンタゴニスト;Wntアゴニスト;FGF20およびヘパリンの各々の好ましい濃度は、本明細書の以降により詳細に記載されている。尿管上皮前駆細胞に対してネフロン前駆細胞の生成を、またはその逆を、優先的に促進する特定の分子、例えばRAアゴニストもしくはアナログ、RAアンタゴニストおよび/またはWntアゴニストの存在または非存在の制御または操作に対する言及もなされるであろう。

0036

本明細書で使用される場合、「ネフロン前駆細胞」は、初期間葉〜上皮移行を通じてすべてのネフロンセグメント(集合管以外)に分化することができる後腎間葉由来の前駆細胞であり、ネフロン上皮、例えば結合セグメント、遠位曲尿細管(DCT)細胞、遠位直尿細管(DST)細胞、近位直尿細管(PST)セグメント1および2、PST細胞、ポドサイト、糸球体内皮細胞、ヘンレの上行ループならびに/またはヘンレの下行ループを含むがそれらに限定されない。ネフロン前駆細胞はまた、自己再生することができる。

0037

後腎間葉を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、WT1、SIX1、SIX2、SALL1、GDNFおよび/またはHOXD11を含むがそれらに限定されない。ネフロン前駆細胞を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、WT1、SIX1、SIX2、CITED1、PAX2、GDNF、SALL1、OSR1およびHOXD11を含むがそれらに限定されない。

0038

「尿管上皮前駆細胞」は、腎組織および/または腎構造物、例えば集合管に発生することができる中腎管またはそこから派生する尿管芽由来であるか、それらから入手可能であるかまたはそれらを起源とする上皮前駆細胞を意味する。

0039

尿管上皮前駆細胞を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、HOXB7、cRET、GATA3、CALB1、E-カドヘリンおよびPAX2を含むがそれらに限定されない。

0040

明細書中の以前に記載されているように、ネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞は、FGF9のみまたはBMP7、レチノイン酸(RA)、アゴニストもしくはアナログ、RAアンタゴニスト、例えばAGN193109および/もしくはFGF20を含む1つもしくは複数の作用物質と組み合わされたFGF9ならびに好ましくはヘパリンの存在下で中間中胚葉(IM)細胞から分化する。

0041

「中間中胚葉(IM)」細胞は、後部原始線条から生じ、そして最終的に、尿管、腎臓および他の組織、例えば生殖腺を含む泌尿生殖器系に発生することができる胚の中胚葉細胞を意味する。中間中胚葉を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、PAX2、OSR1および/またはLHX1を含む。

0042

IM細胞の生成は、そのIM細胞が純粋または均質なIM細胞集団であり他の細胞型が存在しないことを暗示することを意味しないことも理解されるであろう。したがって、「IM細胞」または「IM細胞集団」の言及は、その細胞または細胞集団がIM細胞を含むことを意味する。

0043

適切に、本発明にしたがい、IM細胞は、本明細書中の以降でより詳細に記載されるように、後部原始線条細胞を、後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させることによって生成される。

0044

好ましくは、IM細胞は、後部原始線条細胞を、後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させることによって生成される。

0045

典型的に、1つまたは複数の作用物質は、線維芽細胞増殖因子9(FGF9)、ならびに任意でRAアンタゴニスト、例えばAGN193109および/または1つもしくは複数の他のFGF、例えばFGF2および/もしくはFGF20を含む。

0046

「後部原始線条(PPS)」細胞は、哺乳動物胚発生の初期段階で胞胚を形成する原始線条構造物の後端の細胞から入手可能な細胞、またはそれに機能的および/もしくは表現型的に対応する細胞を意味する。後部原始線条は、左右相称確立し、原腸形成の部位を決定し、そして胚葉形成を開始する。典型的に、後部原始線条は、中胚葉の前駆体(すなわち、推定中胚葉)であり、前部原始線条は、内胚葉の前駆体(すなわち、推定内胚葉)である。後部原始線条を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、Brachyury(T)を含む。前部原始線条を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、SOX17である。MIXL1は、後部および前部の両方の原始線条で発現され得る。

0047

後部原始線条細胞の生成は、その後部原始線条細胞が純粋または均質な後部原始線条細胞集団であり他の細胞型が存在しないことを暗示することを意味しないことも理解されるであろう。したがって、「後部原始線条細胞」または「後部原始線条細胞集団」の言及は、その細胞または細胞集団が後部原始線条細胞を含むことを意味する。

0048

適切に、本発明にしたがい、後部原始線条細胞は、本明細書中の以降でより詳細に記載されるように、hPSC細胞を、hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させることによって生成される。

0049

典型的に、1つまたは複数の作用物質は、骨形成タンパク質4(BMP4)、アクチビンAおよび/またはWntアゴニスト、例えばCHIR99021を含む。

0050

「ヒト多能性幹細胞」および「hPSC」という用語は、多能性を示すヒト組織由来であるか、それから入手可能であるかまたはそれを起源とする細胞を表す。hPSCは、ヒト胚性幹細胞またはヒト人工多能性幹細胞であり得る。

0051

ヒト多能性幹細胞は、内部細胞塊由来であり得るか、またはYamanaka因子を用いて多くの胎児または成体体細胞型から再プログラムされ得る。hPSCの生成は、体細胞核移植を用いて実現され得る。

0052

「ヒト胚性幹細胞」、「hES細胞」および「hESC」という用語は、自己再生性かつ多能性または全能性であり、成熟動物に存在するすべての細胞型を生じる能力を有する、ヒト胚または胚盤胞由来であるか、それから入手可能であるかまたはそれを起源とする細胞を表す。ヒト胚性幹細胞(hESC)は、例えば、ヒトイビボ着床前胚、インビトロ受精胚または胚盤胞段階展開された1細胞ヒト胚から得られるヒト胚盤胞から単離され得る。

0053

「人工多能性幹細胞」および「iPSC」という用語は、外因性遺伝子、例えば、OCT4、SOX2、KLF4およびc-MYCの好ましい組み合わせを含む転写因子、の発現を通じて多能性状態となるよう再プログラムされた任意のタイプのヒト成体の体細胞由来であるか、それから入手可能であるかまたはそれを起源とする細胞を表す。hiPSCは、hESCと同等の多能性レベルを示すが、分化および細胞送達前に同時に遺伝子矯正が行われるまたは行われない、自家療法患者由来であり得る。

0054

より一般的に、本明細書に開示される方法は、任意の患者由来の任意の多能性幹細胞または遺伝子編集を用いて変異モデルを生成するようその後に修飾されるhPSCまたは遺伝子編集を用いて矯正された変異hPSCに適用され得る。遺伝子編集は、CRISPR、TALENまたはZFヌクレアーゼ技術によるものであり得る。

0055

上記から、本発明の好ましい広い形態が、以下:
(i)hPSCを、hPSCの後部原始線条細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;
(ii)後部原始線条細胞を、後部原始線条細胞の中間中胚葉細胞への分化を促進する1つまたは複数の作用物質と接触させる工程;ならびに
(iii)中間中胚葉細胞を、FGF9、ならびに任意で、BMP7;レチノイン酸;RAアンタゴニスト、例えばAGN193109;Wntアゴニスト、例えばCHIR99021;FGF20;およびヘパリンの1つまたは複数と接触させ、それによって中間中胚葉細胞から後腎間葉細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程
の連続工程を含む方法を提供することが理解されるであろう。これらの連続工程は、以下のように、本明細書中の以降で説明されるであろう。

0056

(i)hPSCの後部原始線条への分化
上記から理解されるように、hPSCを、血清の非存在下で適切な培養培地、例えば、これに限定されないがAPEL分化培地(Ng et al., 2008, Nat. Protoc. 3:768)において、BMP4、アクチビンAおよび/またはCHIR99021と接触させ、それによって後部原始線条細胞を適切に含む後部原始線条細胞を生成する。hPSCは、hESCまたはiPSCであり得る。

0057

適切に、BMP4は約5〜40 ng/mLの濃度であり、アクチビンAは約3〜40 ng/mLの濃度である。1つの態様において、BMP4の濃度は約20〜35 ng/mLであり、またはより好ましくは約30 ng/mLである。1つの態様において、アクチビンAの濃度は、約5〜30 ng/mLまたはより好ましくは10 ng/mLである。適切に、最適な相対活性比は、3:1〜1:6の範囲のBMP4対アクチビンAである。好ましくは、最適な相対活性比は、3:1〜1:1の範囲のBMP4対アクチビンAである。

0058

いくつかの態様において、Wntアゴニスト、例えばCHIR99021は、約0.5〜50μMの範囲、好ましくは約4〜30μM、より好ましくは約5〜20μMの範囲または有利には約8μMの濃度であり得る。特定の態様において、CHIR99021は、BMP4およびアクチビンAの非存在下、単独で存在する。

0059

幹細胞の集団は、BMP4、アクチビンAおよび/またはWntアゴニスト、例えばCHIR99021を含む培地中で36〜120時間培養され得る。

0060

いくつかの非限定的な態様において、細胞を、hESCで必要とされるよりも長い期間、BMP4、アクチビンAおよび/またはCHIR99021と接触させ得る。例として、細胞、例えばiPSCを、最大96〜120時間、BMP4、アクチビンAおよび/またはCHIR99021と接触させ得る。

0061

培養培地は、24〜48時間毎に交換され得る。

0062

学説により拘束されることを望まないが、本明細書に開示されるhPSCとBMP4、アクチビンAおよび/またはWntアゴニスト、例えばCHIR99021との接触により、後部原始線条を含む原始線条(PS)が形成される。これは、中胚葉および内胚葉組織の生成に向けた最初の過程である。典型的に、hPSCの分化は、後部原始線条(すなわち、推定中胚葉)を特徴づけるマーカーを発現する細胞および前部原始線条(すなわち、推定内胚葉)を特徴づけるマーカーを発現する細胞を含む混合細胞集団に向かう。

0063

後部原始線条(推定中胚葉)を特徴づけるマーカーの非限定的な例は、Brachyury(T)を含む。

0064

前部原始線条(推定内胚葉)を特徴づけるマーカーの非限定的な例は、SOX17である。

0065

(ii)後部原始線条細胞の中間中胚葉(IM)への分化
適切に、後部原始線条細胞または後部原始線条細胞を含む混合原始線条集団を、血清の非存在下、適切な培養培地、例えばAPEL分化培地中で、少なくともFGF9および任意でFGF2および/もしくはFGF20を含む1つもしくは複数の線維芽細胞増殖因子(FGF)、ならびに/またはレチノイン酸(RA)アンタゴニストと接触させる。

0066

典型的に、レチノイン酸シグナル伝達アンタゴニストは、レチノイン酸受容体(RAR)阻害剤またはアンタゴニスト、例えばAGN193109である。

0067

適切に、FGF2、FGF9および/またはFGF20は、約100〜400 ng/mLの濃度である。好ましい態様において、FGF2、FGF9および/またはFGF20は、約150〜300 ng/MLまたは有利には約200 ng/mLの濃度である。1つの態様において、RAアンタゴニスト(例えば、AGN193109)の濃度は約0.1〜10μMまたはより好ましくは0.5〜5μMである。

0068

この細胞を、少なくとも約96時間、しかし約190〜200時間以下、FGF9単独と、またはFGF9ならびにFGF2および/もしくはFGF20および/もしくはRAアンタゴニスト(例えば、AGN193109)と接触させる。好ましくは、この細胞を、約96時間、FGF9単独と、またはFGF9ならびにFGF2および/もしくはFGF20および/もしくはRAアンタゴニスト(例えば、AGN193109)と接触させる。

0069

培養培地は、40〜48時間ごとに交換され得る。

0070

1つの態様において、(典型的に後部原始線条(推定中胚葉)および前部原始線条(推定内胚葉)を特徴づけるマーカーを発現する)後部原始線条細胞とFGF9単独またはFGF9ならびにFGF2および/もしくはFGF20との接触により、この細胞が、中間中胚葉(IM)を特徴づけるマーカーを発現する細胞集団へと分化する。中間中胚葉を特徴づけるマーカーの非限定的な例は、PAX2、LHX1およびOSR1を含む。

0071

(iii)中間中胚葉(IM)のネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞への分化
適切に、後部原始線条細胞とFGF2、FGF9および/またはFGF20との接触の後、生じたIM細胞を、血清の非存在下、適切な培養培地、例えばAPEL分化培地中で、FGF9単独またはBMP7、RA、RAアンタゴニスト、FGF20、Wntアゴニストおよび/もしくはヘパリンの1つもしくは複数と組み合わされたFGF9と接触させる。

0072

適切に、FGF9は、約20 ng〜1μg/mLの濃度である。好ましい態様において、FGF9は、約50〜500 ng/mL、より好ましくは約100〜300ng/mLまたは有利には約200 ng/mLの濃度である。典型的に、ヘパリンは、約0.1〜10μg/mL、好ましくは約0.3〜5μg/mL、0.5〜2μg/mLまたは有利には約1μg/mLの濃度で含まれる。

0073

1つの態様において、FGF20は、約20 ng〜1μg/mLの濃度である。好ましい態様において、FGF20は、約50〜500 ng/mL、より好ましくは約100〜300 ng/mL、有利には約200 ng/mLの濃度である。

0074

FGF20は、類似の生物学的活性を有するために、FGF9と置き換わり得るまたはFGF9を補助し得ることが理解されるであろう。

0075

1つの態様において、BMP7は、約25〜75 ng/mLの濃度である。好ましい態様において、BMP7は、約35〜60 ng/mL、45〜55 ng/mLまたは有利には約50 ng/mLの濃度である。

0076

1つの態様において、RAは、約10 pM〜1μMの濃度である。好ましい態様において、RAは、約30 pM〜0.5μM、より好ましくは約50 pM〜0.2μMまたは有利には約0.1μMの濃度である。本発明を束縛するものではないが、予備的データは、より高濃度のRAが尿管上皮前駆細胞の比率の相対的増加を促進し、より低濃度のRAが尿管上皮前駆細胞の比率の相対的減少を促進することを示唆している。

0077

1つの態様において、RAアンタゴニスト、例えばAGN193109は、約50 pM〜10μMの濃度である。好ましい態様において、AGN193109は、約0.01μM〜5μM、より好ましくは約0.1μM〜5μMまたは有利には約1μMの濃度である。本発明を束縛するものではないが、予備的データは、より高濃度のAGN193109が後腎間葉細胞の比率の相対的増加を促進することを示唆している。

0078

1つの態様において、Wntアゴニスト、例えばCHIR99021は、約0.1μM〜10μM、好ましくは約0.2μM〜5μMまたはより好ましくは約1〜2μMの範囲の濃度で存在する。

0079

本発明を束縛するものではないが、予備的データは、WntアゴニストがIM細胞からのネフロン前駆細胞の生成の相対的増加を促進することを示唆している。好ましくは、細胞を、少なくとも72時間であるが360時間以下の間、FGF9単独と、またはBMP7、RA、Wntアゴニスト、RAアンタゴニストおよび/もしくはFGF20ならびにヘパリンの1つもしくは複数と組み合わせたFGF9と接触させる。好ましくは、この細胞を、約160〜220時間またはより好ましくは約190〜200時間接触させる。

0080

培養培地は、48〜72時間ごとに交換され得る。

0081

典型的に、本明細書に開示される、中間中胚葉細胞と、FGF9のみまたはBMP7、RA、RAアンタゴニスト;Wntアゴニストおよび/もしくはFGF20の1つもしくは複数と組み合わせたFGF9ならびに好ましくはヘパリンとの接触は、中間中胚葉細胞を後腎間葉および尿管上皮細胞系統の細胞に分化させる。後腎間葉系統は、FGF9およびヘパリン下での約72時間の培養後に最適に生成されるネフロン前駆細胞を含む。この方法によって生成される後腎間葉に対するこの方法によって生成される尿管上皮の相対量を操作するために、RAアナログもしくはアゴニストおよび/またはRAアンタゴニストの存在、非存在および/または濃度が選択され得ることも提案される。上記のように、RAは、後腎間葉を犠牲にして尿管上皮の形成を促進し、RAアンタゴニスト、例えばAGN193109は、尿管上皮を犠牲にして後腎間葉の形成を促進する。Wntアゴニスト、例えばCHIR99021もまた、尿管上皮を犠牲にして後腎間葉の生存および/または形成を促進し得る。

0082

後腎間葉系統の細胞を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、WT1、SIX1、SIX2、SALL1、GDNFおよび/またはHOXD11を含むがそれらに限定されない。

0083

ネフロン前駆細胞を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、WT1、SIX2、CITED1、PAX2、GDNF、SALL1およびHOXD11を含むがそれらに限定されない。

0084

尿管上皮系統の細胞を特徴づけるまたは表すマーカーの非限定的な例は、HOXB7、GATA3、CALB1、E-カドヘリン、PAX2および/またはcRETを含むがそれらに限定されない。

0085

ネフロン前駆細胞は、WT1、SIX2、CITED1、PAX2、GDNF、SALL1およびHOXD11の共発現に基づき、hPSC細胞培養の開始からこの方法の開始後11〜15日後または有利には14日後(第11日〜第15日の範囲)に、最も生成されると考えられる。

0086

尿管上皮前駆細胞は、HOXB7、cRET、E-カドヘリンおよびPAX2の共発現に基づき、hPSC培養の開始からこの方法の開始後少なくとも10日後または有利には14日後に、最も生成され得る。

0087

この方法の好ましい形態において、FGF9は、本明細書に記載される工程(ii)および(iii)の両方の少なくとも一部または全体を通して存在する。より好ましくは、Wntアゴニスト、例えばCHIR99021が、本明細書に記載される工程(i)の少なくとも一部の間存在する。

0088

その特に好ましい方法は、以下:
(a)ヒト多能性幹(hPCS)細胞をCHIR99021と接触させ、hPSC細胞の後部原始線条細胞への分化を促進する工程;
(b)後部原始線条細胞を、FGF9単独と、またはFGF9およびRAアンタゴニスト、例えばAGN193109と接触させ、後部原始線条細胞のIM細胞への分化を促進する工程;ならびに
(c)IM細胞を、FGF9およびヘパリンのみと、またはFGF9およびヘパリンならびにRAアンタゴニスト、例えばAGN193109と接触させ、それによってIM細胞からネフロン前駆細胞および尿管上皮前駆細胞を生成する工程
の連続工程を含む。

0089

この好ましい形態にしたがい、約18〜20日の総培養期間で、hES細胞の初期集団から腎臓への分化を促進することができる。

0090

上記に照らして、タンパク質性作用物質、例えばBMP4、BMP7、アクチビンA、FGF2、FGF9およびFGF20の言及は、ヒト、マウスおよびラットを含むがそれらに限定されない任意の哺乳動物起源のネイティブまたは組み換えまたは化学合成タンパク質を包含するものと理解されるべきである。さらに、これらのタンパク質は、当技術分野で周知の化学的修飾、グリコシル化、脂質化、標識、例えばビオチンおよび追加のアミノ酸配列、例えばエピトープタグまたは融合パートナーを含み得る。典型的に、上記のタンパク質は、商業的に入手され得、および/または慣用的な研究もしくは製造手順により組み換えもしくは化学合成タンパク質として調製され得る。

0091

別の局面において、本発明は、本明細書に記載される方法にしたがい生成された単離または精製されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞を提供する。

0092

ネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、本明細書中の以前に記載されるように適当な期間の培養の後に入手され得、そしていくつかの任意の態様においてはさらに、表面マーカーの共発現にしたがい濃縮または精製され得る。細胞の濃縮または精製は、フローサイトメトリー細胞選別(例えば、FACS)、磁気免疫ビーズ(例えば、Dynabeads商標))による正または負の細胞選択パンニング密度分離補体媒介溶解等を含むがそれらに限定されない当技術分野で公知の任意の技術またはプロセスによるものであり得ることが理解されるであろう。

0093

腎臓の再生および移植
慢性腎疾患は、毎年3100万人の米国人および170万人のオーストラリア人に影響を及ぼしている深刻な医学的状態である。患者は、症状を示す前に腎機能の90%を失い、腎不全および透析または腎臓移植に至る可能性がある。後期段階の腎疾患に対する米国におけるMedicareの出費は、2010年度で280億ドル見積もられた。

0094

したがって、本発明の1つの局面は、単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞から腎臓または腎細胞もしくは腎組織に分化させ、それによって腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する工程を含む、腎臓または腎細胞もしくは腎組織を生成する方法を提供する。

0095

本発明は、尿管上皮および後腎間葉系統またはコンパートメントの細胞を生成する方法を提供する。好ましくは、これらの細胞は、インビボで同時に誘導され、かつ相互の分化を誘導する。これらの細胞は、尿管ツリーおよびネフロン前駆間葉を含む独特の管状上皮構造物に発生させることができる。したがって、本発明にしたがい生成されるhPSC細胞由来尿管上皮および/またはネフロン前駆細胞は、尿管および腸間膜間葉コンパートメントの両方から腎細胞に分化するよう誘導され得る。

0096

適当な条件下で、ネフロン前駆細胞は、ネフロン上皮、例えば結合セグメント、遠位曲尿細管(DCT)細胞、遠位直尿細管(DST)細胞、近位直尿細管(PST)セグメント1および2、PST細胞、ポドサイト、糸球体内皮細胞、ヘンレの上行ループならびに/またはヘンレの下行ループを含むがそれらに限定されない(集合管以外の)任意のネフロンセグメントに分化することができる。

0097

さらに、これらの細胞の「自己組織化」する能力は、したがって、例えば腎組織または臓器のバイオエンジニアリングによる腎臓の修復を促進するよう活用され得る。

0098

この局面の方法の1つの態様は、ヒトへの単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞の養子移入または移植による腎臓または腎細胞もしくは腎組織の生成を含み得ることが理解されるであろう。

0099

この態様にしたがい、腎臓または腎細胞もしくは腎組織への単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞の分化は、インビボで起こる。

0100

この局面の方法の別の態様は、インビトロでの単離または精製されたネフロンおよび/または尿管上皮前駆細胞の腎臓または腎細胞もしくは腎組織またはこれらの前駆細胞への少なくとも部分的な分化を含み得る。適切に、少なくとも部分的にインビトロ分化された腎臓または腎細胞もしくは腎組織またはその前駆細胞は、ヒトに養子移入または移植される。

0101

いずれかまたは両方の態様にしたがい、この腎臓、腎細胞または腎組織は、腎臓、その細胞または組織の再生を促進し得るまたはその再生に寄与し得る。

0102

1つの態様は、工学的または人工的な腎臓を生成するための単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の使用を提供する。例えば、単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、スキャホールド、例えば脱細胞化されたヒト腎臓、ポリエステルフリースまたは生分解性ポリマースキャホールドに組み込まれ、それによって再生腎臓管状構造物が生成され得る。

0103

本発明の別の態様は、腎臓透析を補助または促進するデバイスにおける、単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞から分化させた腎細胞または腎組織の使用を提供する。例えば、透析と並行して使用するための「腎臓補助デバイス」を生成するために、腎細胞またはそれらの前駆細胞をリアクター播種することによってバイオ人工腎臓が作製され得る。

0104

本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞から分化させたまたはそれ以外の方法で得られた腎細胞または腎組織を用いて「バイオプリント」された腎臓またはその他のネフロン含有臓器、オルガノイドまたは臓器様構造物も想定されている。

0105

例にすぎないが、Organovoは、Invetechと共同で、ヒト細胞を所望の配向で配置するヒドロゲルスキャホールドを使用してヒトの臓器を再製する臓器印刷機を開発した。本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞から分化させたまたはそれ以外の方法で得られた腎細胞または腎組織は、「バイオプリント」されたヒト腎臓オルガノイドまたは腎臓を構築するために、機械、例えば上記のOrganovo製機械で使用され得る。

0106

本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の誘導分化が細胞療法のための精製、分化した腎細胞サブタイプ潜在的供給源を提供し得ることも理解されるであろう。

0107

例えば、本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞は、特定の遺伝的な腎臓状態において遺伝子矯正の後に腎細胞または腎組織を生成するのに有用であり得る。例えば、アルポート症候群(COL4A3変異)および多発性嚢胞腎疾患PKD1、PKD2等)を含む単一遺伝子腎障害の矯正は、遺伝子矯正後の本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞からの腎組織の再生により補助または促進され得る。

0108

特定の態様において、遺伝的腎疾患を有する患者由来、該患者から得られるまたは該患者を起源とするiPSC系が、インビトロでの遺伝子変異の修復のために使用され得る。そのような細胞は、本発明の方法にしたがい使用され得、その後に自家細胞療法のために患者に投与され得る。

0109

腎毒性のスクリーニング
本明細書に記載される単離されたネフロン前駆細胞および/または尿管上皮前駆細胞の誘導分化は腎毒性スクリーニングのための精製、分化した腎細胞、腎臓オルガノイドまたは腎組織サブタイプの潜在的供給源を提供し得ることも理解されるであろう。

0110

薬物および細胞ベースの治療を含む疾患を予防することを目的とする介入の開発は、インビトロ薬物試験のための初代ヒト腎細胞の入手可能性の欠如により困難となっている。

0111

したがって、本発明の別の局面は、1つまたは複数の化合物の腎毒性を決定する方法であって、1つまたは複数の化合物を、オルガノイドとしてのもしくは単離および精製した後のいずれかの本明細書に記載されるネフロン前駆細胞および/もしくは尿管上皮前駆細胞、またはそれらから分化させたもしくはそれ以外の方法で得た腎細胞もしくは腎組織と接触させ、それによって1つまたは複数の化合物が腎毒性であるか否かを決定する工程を含む方法を提供する。

0112

好ましくは、この方法は、オルガノイドを用いてまたは単離もしくは精製されたネフロン前駆細胞もしくはネフロン前駆細胞由来の腎細胞もしくは腎組織から実施される。

0113

多くの有用な薬物は、腎毒性の副作用、例えば尿細管への直接的作用によるもの(例えば、アミノグリコシド系抗生物質シスプラチン放射線造影媒体、NSAID、ACE阻害剤)、間質性腎炎(例えば、βラクタム系抗生物質リチウム、CsA、抗てんかん薬、例えばフェニトイン)または糸球体腎炎、を有している。したがって、本明細書に記載される単離または精製されたネフロン前駆細胞から分化させたまたはそれ以外の方法で得られた定義された特定の腎細胞および腎組織タイプを用いて新規または既存の薬物を試験することが有利であり得る。本明細書中の以前に記載される「バイオプリント」された腎臓またはバイオプリントされた腎臓オルガノイドもまた、腎毒性スクリーニングに適用可能であり得る。

0114

腎毒性は、減少したクレアチニンクリアランスまたは、例えばQiagen製のHuman NephrotoxicityRT2 Profiler(商標)PCRArrayもしくはEurofins製のHigh Content Analysis (HCA) Multiplexed Nephrotoxicity Assayによるバイオマーカー発現を含むがそれらに限定されない、インビトロでの腎細胞機能に関する任意の適当な試験によって評価または測定され得る。

0115

本発明が容易に理解されそして現実の効果が得られるよう、以下の非限定的な実施例を参照する。

0116

材料および方法
hESCの培養および分化
HES3(MIXL1GFP/wt)細胞は、20%KnockOut血清代替物(Life Technologies)、100μMMEMNEAA(Life Technologies)、110μM2-メルカプトエタノール(Life Technologies)、1 xペニシリンストレプトマイシン(Life Technologies)、1 x Glutamax(Life Technologies)および10 ng/mL bFGF(R&D systems)を補充したF12/DMEM(Life Technologies)中、照射されたMEFフィーダー細胞上で慣用的に培養した。分化を開始する前日に、細胞を、Matrigelコート96ウェルプレート上に、12,000〜15,000細胞/cm2となるようプレーティングした。一晩の培養後、細胞を、以前に構築された無血清培地APEL中で2〜3日間、30 ng/mL BMP4(R&D systems)および10 ng/mLアクチビンA(R&D systems)または8μM CHIR99021に、次いでAPEL培地中で4日間、200 ng/mL FGF9および1μg/mLヘパリンに暴露し、IM細胞を誘導した。BMP4/アクチビンA誘導の場合、その後、細胞を、200 ng/mL FGF9、50 ng/mL BMP7、0.1μM RAおよび1μg/mLヘパリンに4〜11日間暴露した。CHIR99021誘導の場合、細胞を、200 ng/mL FGF9および1μg/mLヘパリンに6日間暴露し、その後APEL基本培地中でさらに6日間培養した。培地は2日毎に交換した。

0117

蛍光活性化細胞選別
未分化のまたは分化させたhESCから細胞懸濁物を調製した。hESCを、37℃で5分間TripLESelect(Life Technologies)を用いて収集し、先細ピペットを用いて解離した。40μmナイロンメッシュを通して細胞をろ過した後、それらを、0.5%FCSおよび1mMEDTAを含むPBS中に、2 x 106細胞/mlの最終密度となるよう再懸濁させた。死細胞を標識するため、ヨウ化プロピジウム(Sigma)を50 mg/mlの終濃度で添加した。FACS分析は、FACS Aria(Becton Dickinson)を用いて行った。死細胞を、ヨウ化プロピジウムに基づきプロットから除外した。すべてのFACS分析を3回超適当に繰り返し、代表結果を示した。

0118

免疫細胞化学
細胞を、PBS中4%パラホルムアルデヒドを用いて4℃で10分間固定し、その後にPBSで洗浄した。次いで細胞を、1%BSA、0.2%ミルク、0.3%Triton X/PBSを用いて室温で1時間ブロックし、そして一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。二次抗体を室温で1時間インキュベートした。以下の抗体および希釈物を使用した:ウサギ抗PAX2(1:200、#71-6000、Zymed Laboratories Inc.)、ヤギ抗OSR1(1:75、#sc-67723、Santa Cruz Biotechnology)、ヤギ抗LHX1(1:75、#sc-19341、Santa Cruz Biotechnology)、マウス抗TBX6(1:200、AF4744、R&D systems)、ヤギ抗SOX17(1:200、#AF1924、R&D systems)、ウサギ抗SIX2(1:200、#11562-1-AP、Proteintech)、マウス抗ECAD(1:200、#610181、BD Biosciences)、ウサギ抗WT1(1:100、#sc-192、Santa Cruz Biotechnology)、マウス抗HOXD11(1:200、#SAB1403944、Sigma-Aldrich)、ヤギ抗GATA3(1:200、AF2605、R&D systems)、ウサギ抗JAG1(1:200、#ab7771、Abcam)、ウサギ抗CDH6(1:100、#HPA007047、Sigma Aldrich)およびヤギ抗SYNPO(1:200、#sc-21537、Santa Cruz Biotechnology)。二次抗体は:Alexa-488結合ヤギ抗ウサギ、Alexa-594結合ロバ抗ウサギ、Alexa-488結合ロバ抗ヤギおよびAlexa-594結合ヤギ抗マウス(1:250、Life Technologies)であった。画像は、Nikon Ti-U顕微鏡またはZeiss LSM510 Meta UV共焦点顕微鏡を用いて撮影した。すべてのIF分析を3回超適当に繰り返し、代表画像を示した。

0119

免疫蛍光
ペレットを4℃で10分間、4%PFAで固定し、パラフィン包埋し、そして7μm厚の切片にした。切片を室温で1時間ヒツジ血清でブロックし、次いでAntigen Unmasking Solution(Vector labs)を用いて抗原回復を行った。一次抗体を4℃で一晩インキュベートし、そして二次抗体を室温で1時間インキュベートした。以下の抗体および希釈物を使用した:ウサギ抗CALB1(1:200、#C2724、Sigma-Aldrich)、ウサギ抗AQP1(1:200、sc-20810、Santa Cruz Biotechnology)、ウサギ抗AQP2(1:200、AB3274、Millipore)、ウサギ抗SLC3A1(1:100、16343-1-AP、Proteintech)およびウサギ抗ヒトミトコンドリア特異的(HuMt)(1:800、#ab92824、Abcam)。OCTコンパウンド(Sakura)に包埋した凍結切片を、抗ヒト核特異的(HuNu)(1:800、#MAB1281、Merck)による染色に使用した。画像は、Olympus BX-51顕微鏡またはZeiss LSM510 Meta UV共焦点顕微鏡を用いて撮影した。すべてのIF分析を3回超適当に繰り返し、代表画像を示した。

0120

遺伝子発現分析
総RNAを、RNeasyマイクロキット(QIAGEN)を用いて細胞から抽出し、そしてcDNAを、Super Script III逆転写酵素(Life Technologies)を用いて>100 ng RNAから合成した。定量RT-PCR(qRT-PCR)分析を、ABIPRISM7500リアルタイムPCR機によりSyber Green(Applied Biosystems)を用いて行った。すべての絶対データをまずGAPDHに対して標準化し、次いで対照サンプルに対して標準化した(デルタ-デルタ-Ct法)。従来的なRT-PCR分析を、OneTaqDNAポリメラーゼ(NEB)を製造元の指示にしたがい用いて行った。すべてのRT-PCR分析を3回超適当に繰り返し、代表画像を示した。RT-PCRおよびqRT-PCRに使用したプライマーの配列が列挙されている(表1および表2)。

0121

誘導された細胞の比率の定量
PAX2+、LHX1+、SOX17+、SIX2+またはWT1+に関して陽性の分化細胞の比率を定量するため、細胞を、核染料DAPIと共に各抗体で免疫蛍光染色した。総細胞に対する分化細胞の比率は、Olympus BX-51顕微鏡、10倍レンズを用いて1回の実験あたり1つまたは2つの代表的な視野(3回の独立した実験からの合計3〜5つの代表的な視野、合計1〜1.5 x 103細胞)においてImage Jを用いて手作業計数した。

0122

3D培養
分化第12〜13日にTripLEselect(Life Technologies)を用いてhESC由来誘導腎細胞を収集し、解離し、単一細胞にした。10 x 105細胞をx400gで2分間沈降させてペレットを形成し、次いで10μg/cm2のCollagen IV(Becton Dickinson)がコーティングされた13mm径の0.4μm孔を有するろ過膜(#7060-1304 Whatman)上にプレーティングした。このろ過膜を、10%FCS/DMEMの培養培地上に4日間浮かべた。

0123

再集合アッセイ
再集合アッセイは、以前に記載されたようにして実施した5,29。簡潔に言うと、ろ過膜に10μg/cm2のCollagen IV(Becton Dickinson)をコーティングした。組換えを行う胚腎臓細胞を調製するため、12.5〜13.5 dpcマウス由来の胚腎臓を、37℃で10分間Accutase(Life Technologies)で消化し、手作業のピペット操作により解離した。100μmナイロンメッシュを通じて細胞をろ過した後、4〜10 x 105の胚腎臓細胞を4%のhESC由来細胞と組み合わせ、次いでx400gで2分間遠心分離してペレットを形成した。このペレットを上記のようにして調製したろ過膜上にプレーティングし、そして10%FCS/DMEM培養培地を用いて4日間培養した。

0124

結果
本発明者らは、特定の最終結果を標識または排除する遺伝子を含む、発生期の腎臓の鍵となる細胞コンパートメントへのhESCの分化の3段階フレームワークを定義した6(図1a)。中胚葉および内胚葉の両方にとっての前駆体集団である原始線条は、アクチビンAを用いてマウスES細胞(mESC)から誘導することができ7、BMP4およびアクチビンAの反対勾配が、マウスにおける前部(内胚葉) 対 後部(中胚葉)原始線条を規定する8,9。標準的なWntシグナルもまた、マウスおよびヒトESCにおける原始線条の誘導因子として報告されている7,10。IMは後部原始線条から最初に生じるので、本発明者らはまず、hESCがマウスと同様の様式でこれらのモルフォゲン応答するかどうかを試験した。本発明者らは以前に、20/100(ng/mL)のBMP4/アクチビンAが、原始線条の堅固なマーカーであるMIXL1遺伝子座にGFPがノックインされているレポーターhESC系MIXL1GFP/wtからGFP+原始線条を誘導したことを示した11。このレポーター系を単層培養において用いて、本発明者らは、最適な分化に関して、BMP4およびアクチビンAの様々な組み合わせ(5/200、20/100、30/10、30/0および0/0 ng/mL)または異なる濃度の標準的WntシグナルアゴニストCHIR99021(5、7、9μM)を試験した。すべてのインビトロ実験を、化学的に定義された無血清培養条件下で行った12。MIXL1、T(後部原始線条)およびSOX17(前部原始線条)の発現比較は、高BMP4/低アクチビンA(30/10)または高CHIR99021(>7μM)が後部原始線条に最適であることを示唆した(図1c、d;図2a〜c)。両条件の下で、およそ90%の細胞がGFP+になった(図1b)。

0125

分化の第2段階は、原始線条からIMを誘導することであった。原腸形成後、最終的な中胚葉は、IM、沿軸(PM)および側板中胚葉(LPM)を発生させることができる。多能性細胞の腎臓分化を調査した以前の研究は、IM形成およびMM形成でさえも明確なマーカーとしてOSR1に依存していた13。しかし、OSR1発現は、胴部中胚葉で見られ、LPMに及んでいる14。原始線条の初期誘導(BMP4/アクチビンA(30/10)、3日間)後の自然分化は、OSR1発現を示した(図2d)が、RT-PCRまたは免疫蛍光(IF)のいずれによっても、より明確なIMマーカーであるPAX2およびLHX114〜16の証拠は見られなかった。これにより、次の段階に適切に誘導するためにさらなる成長因子が必要であることが示された。FGFシグナルは、1つの可能性のある要件であった。FGF8は、原始線条から後胴部中胚葉まで発現され、FGF9はIMおよびPMで発現される17,18。インビトロでのMMの生存は、FGF2/BMP719またはFGF920のいずれかの下での培養によって支持される。したがって本発明者らは、後部原始線条からIMを誘導する3つのFGFファミリーメンバーFGF2、FGF8およびFGF9の能力を試験した。hESCから誘導した後部原始線条を、IFおよびqRT-PCRを通じた分析の4日前に、200 ng/mLのFGF2、8または9で処理した(図1e)。FGF2またはFGF9の存在下で、OSR1、PAX2およびLHX1は>80%のPAX2+細胞で共発現され、これにより分化上のIM誘導が示唆されたが、FGF8の存在下ではそうならなかった(図1f〜h)。FGF2またはFGF9に応じたPAX2およびLHX1の誘導は、FGFR1およびFGFR3の化学的阻害剤であるPD173074によって劇的に阻害された(図3a、b)。FGF9によるIM誘導は、LPMマーカーFOXF1(図1i)およびOSR1(図3b)の抑制を伴う、用量依存的(200 ng/mlで最適)なものであった。BMP4/アクチビンAまたはCHIR99021のいずれかおよびその後のFGF9による初期誘導の後に、PAX2およびOSR1タンパク質の細胞共局在化が観察され、細胞の79.5%(±4.7% s.d.;n=5)でLHX1およびPAX2タンパク質が共局在化された(図3c、d)。したがって、FGFシグナルは、後部原始線条後にIMを効果的に特定するのに十分である。初期中胚葉発生において、BMPシグナルは、側部〜中間部のパターン形成を調節する鍵となるモルフォゲンである。低BMP4はIMを誘導し、高BMP4はLPMを誘導し、BMPシグナルのNOG(noggin)を介した拮抗は、PMに必要とされる21。本発明者らは、FGF9と共にBMP4およびNOGを用いてインビトロでこのパターン形成を再現した(図1j)。ここで、FOXF1はNOGにより効果的に抑制され、IMマーカーPAX2およびLHX1の誘導はFGF9単独または低NOGの存在下でのみ維持された(図1j;図4a、b)。PMマーカーTBX6はIMマーカーと同様の挙動を示したが(図4b)、発現は低かった。IFは、TBX6+細胞がPAX2+ IM細胞を完全に排除した小集団であることを明らかにした(図1k)。原始線条は内胚葉にも分化することができるが、IFは0.244%(±0.099% s.d.;n=5)のみの細胞が明確な内胚葉マーカーSOX17に関して陽性であることを示し、これにより中胚葉への分化の特異性が確認された。

0126

哺乳動物において、IMは、腎臓、生殖腺および副腎に分化する。形成される最初の構造物は腎管(ND)であり、これに沿って3対の排せつ器(頭から尾への順で前腎中腎、後腎)が同じ造腎索から形成される。最終的に永久腎となる後腎のみが生後も維持される。後腎の形成における鍵は、鍵となる細胞要素間の相互誘導現象である(図5)。MMは、GDNFの産生を通じて尿管芽(UB)/尿管上皮(UE)の成長を促す。UEは、FGF9の産生を通じてMMの生存を促進し、Wntシグナルを通じてネフロン形成を誘導する。形成後、各ネフロンは、ネフロンを含む多くの機能的に異なる細胞型を形成するよう伸長およびセグメント化する(図5)。レチノイン酸(RA)が尿管上皮の成長を促進することができ22、RAおよびBMP7がmESCから腎臓系統を誘導することが以前に示されており23、かつFGF9がインビトロでマウスネフロン前駆細胞を維持することができる20という証拠に基づき、本発明者らは、BMP4/アクチビンAを用いた初期誘導後第6日〜第17日まで200 ng/mL FGF9、50 ng/mL BMP7および0.1 nM RAを添加した(図6a)。分化プロトコル全体を通じたRT-PCR(図6b)は、原始線条(MIXL1、LHX1)からIM(OSR1、PAX2、LHX1)、次いでMM(SIX2、WT1、GDNF、HOXD11)への段階的分化を明らかにした。HOXD11の発現は、中腎ではなく後腎を示した24。重要なことは、ND/UE遺伝子の同時誘導(C-RET25およびHOXB726)もまた観察されたことである(図6b)。実際、IFは、第14日以降のECAD+PAX2+上皮構造物の形成を実証した(図6c)。これらの初期上皮構造物の形成は、RAによって用量依存的な様式で促進され(図7b)、これによってもUEの存在が支持された22,27。この集団と周囲の間葉の両方が、インビトロ増殖の証拠を示した(図7a)。発生期の腎臓において見られるように、SIX2およびWT1陽性の初期間葉領域がECAD+ UE構造物を取り囲んでおり(図6c、e)、第14日でこの集団の発生率がピークに達した(図6d)。WT1+細胞の比率は、おそらくネフロン前駆細胞およびより分化したネフロン構造物の両方におけるこのタンパク質の発現を反映して、この時点以降増加し続けた(図6c)。第22日のRT-PCRは、ポドサイト(SYNPO、NPHS1およびWT1)、近位尿細管(AQP1およびSLC3A1)ならびに集合管遺伝子(AQP2およびSCNNB1)の発現に基づくさらなる分化の証拠を示した(図7c)。IFは、WT1およびSYNPOタンパク質の同時存在を確認し、これにより、初期ネフロンマーカーは明らかでなかったものの、ポドサイトの形成が示唆された(図7d)。

0127

これらのデータは、腎臓発生に必要とされる複数の相互作用する細胞コンパートメントの協調的分化を示唆している。以前の研究は誘導プロトコルにおいてRAおよびBMP7を使用していたが、本発明者らのデータは、これがさらなる分化にとって最適でない可能性を示唆している。これは、発生期の腎臓におけるMMの特徴である、SIX2の一時的発現、分散した間葉の存在および間葉のPAX2発現の証拠の不存在に基づいている。初期CHIR99021誘導後のRA/FGF9の添加は、UE周囲の凝集したPAX2+ MMを犠牲にして強いUEを生成した(図8a)。対照的に、FGF9単独の下での長期分化(第12日以降のすべての因子の除去;図6f)もまた、PS、IMおよびMM/UEの両方の段階的誘導を誘導したが、より早い腎臓マーカーの誘導およびより長期的なMM遺伝子、例えばSIX2の発現を示した(図6g、h、i)。別のUEマーカーGATA3は、PAX2+ UEで共発現され、そしてより重要なことは、MMが、発生期の腎臓で見られるようにUE端の周囲に緊密に凝集するようであった(図6h、j、k)。明らかに、このプロトコルは、間葉および腎形成能をより示すUE(図6k)の両方においてPAX2発現の証拠を示した。最後に、WT1+およびWT1-の両細胞におけるHOXD11の発現は、腎臓間質のさらなる存在を実証し(図8c)、これはFOXD1の発現によっても支持された(図8b)。

0128

胚形成の間に、IMは、生殖腺および副腎皮質も生じる。これらの組織に関するマーカーの発現レベルは、ヒト胎児腎臓で見られるよりも高くなく(図8b)、これにより、これらの代替運命が有意に選択されないことが示唆された。1つのhESC細胞株から別の細胞へのこの分化プロトコルの転用性を、H9 hESC細胞株およびヒトiPS細胞株CRL2429 C11を用いて調査した(図9)。後部原始線条の初期誘導、その後のFGF9に応じたIMの誘導およびその先への分化は、これらの細胞株を用いても観察された。

0129

腎臓発生におけるすべての必須の細胞集団と考えられるものが形成されることは、これらの細胞が自己組織化組織を生成するよう相互の間でシグナル伝達している可能性を示唆した。明らかに、これはネフロンの形成を含んでいなければならない。これを起こす能力をさらに評価するため、本発明者らはまず、本発明者らのCHIR99021/FGF9誘導プロトコルおよびその後の第12〜18日の成長因子の除去を用いたこれらの2D培養の自然分化を試験した(図8d〜f)。第18日までに、伸長するECAD+ UEが、3つのMMマーカーWT1、SIX2およびPAX2に関して陽性の間葉の塊によって取り囲まれた(図8d〜f)。このMMは、JAG1およびCDH6タンパク質によって示されるように、初期ネフロン/腎胞(RV)であると考えられるものを形成した(図8f;図5)。本発明者らはまた、インビボでネフロンの成熟の間に起こるUEとRVをつなぐ管腔の形成を観察した(図8f、右下)。

0130

ネフロン形成は、セグメント化、パターン形成および分化の複雑なプロセス2を通じてRV後に進行し、特定のマーカーの発現が糸球体から近位尿細管を通じて遠位尿細管にいたる各ネフロンセグメントの存在および機能を定義する(図5)。腎組織への機能的統合を試験するため、本発明者らは、試験集団の、腎臓に関連する潜在能力の厳密なアッセイである以前に特徴づけられた再集合アッセイを使用した7,28,29(図10a)。このアッセイにおいて、マウス胚腎臓を単一細胞に解離し、次いで未分化hESC(対照)または腎臓分化第12〜13日のhESCのいずれかを含めて再集合させた。再集合体としての培養の4日後に、これらを切片化しIFを用いて試験した。hESC由来の細胞を、ヒトミトコロンドリアDNAに対する抗体を用いて同定した(図10cの矢印)。CHIR99021/FGF9プロトコルを用いて誘導したhESC由来細胞は、PAX2+CALB+ UE(上パネル)、CDH6+JAG1+初期ネフロン/RV(中央パネル)およびSIX2+WT1+ネフロン前駆間葉(下パネル)を含む発生期の腎臓のすべての主要な細胞コンパートメントに統合され、一方、BMP4:アクチビンA/FGF9/FGF9:BMP7:RAを用いて誘導したhESC由来細胞はMMおよびUEにのみ組み込まれた。そのような統合は、未分化hES細胞を含む再集合体においては起こらなかった。代わりに、これは、腎臓発生を完全にかく乱し、hES由来上皮に沿う大きな嚢胞を形成した(図10b)。

0131

インビボで、腎臓は3次元的に形成される。単離された胚腎臓は、空気・媒体界面でオルガノイドとして成長し、周囲のMMに応答して枝分かれした尿管上皮を適当に形成し、ネフロン形成、パターン形成および初期セグメンテーションを起こすことができる。hESCの分化を、自己組織化および形態発生に不利な環境であり得る単層として行った。自己組織化に対する培養形状の効果を試験するため、本発明者らは、異なる細胞密度でのIMのコミットメント(第6日)後に分化するhESC培養物を取り出し、再プレーティングし(図11a)、その後にCHIR99021/FGF9プロトコルにしたがい培養を継続した。第18日に、高密度で再プレーティングした培養物は、均一な単層を形成し、低密度で再プレーティングした培養物は、プレート全体に分離した多くの小さなドーム状のオルガノイドを生じた。WT1+ MMおよびECAD+ UEは両方の条件で存在したが、より小さなドーム状のコロニーが、密に詰まったより発達した構造物を形成し(図11b)、これによりより3D的な環境が自己組織化を強化することが示唆された。

0132

腎臓の形態発生にとってのすべての必須の細胞集団が存在する場合、腎臓分化に向かって誘導されたhESC培養物は、他の支持細胞の非存在下で腎臓オルガノイドを形成すると考えられる。これを試験するため、第18日まで分化させたhESC培養物を、4日間の移植片培養の前に、酵素により解離させ、次いで遠心分離を通じてペレット化させた(図12a)。これは、胚性マウス腎臓移植片培養物の標準的な培養条件(成長因子なしの10%FCS/DMEM)である。得られたペレットの組織学的分析は、UEマーカーPAX2およびAQP2または近位尿細管マーカーAQP1およびSLC3A1のいずれかの共IFを示したECAD+尿細管を明らかにした。JAG1+ ECAD+RV形成(図12bhESC由来)の証拠であった、ECAD+ UEを取り囲むWT1+PAX2+ MMの存在もまた観察された。これらの構造物はすべて、正常なマウス胚腎臓の解離および再集合を通じて形成された同一構造物(図12b E13.5 mEK)と区別できず、CHIR99021/FGF9誘導分化プロトコル後に存在する細胞の真正自己組織化能が確認された。3つの独立した実験由来のペレットを分析し、83%が自己組織化構造を示した(5/6ペレット)。同レベルの分化は、BMP4:アクチビンA/FGF9/FGF9:BMP7:RA後では観察されなかった。

0133

本明細書に開示される方法は、ネフロン形成間葉および尿管上皮の両方の同時誘導を促進し、これはこれらの発生期の細胞および組織の間の相互作用を含み、該相互作用によって生じる。両方の細胞および組織型は、FGF9単独によってさえも第2および3段階を通じて様々な程度に形成する。他の因子、例えばBMP7、RAおよびWntアゴニストの添加は、生成される間葉および尿管上皮の相対量の点で結果を変化させるであろう。

0134

間葉およびネフロンを最適に生成するために、第3段階におけるFGF9およびBMP7の添加が間葉を若干改善するものの、第2段階におけるFGF9が次の工程を形成するのに十分であるが、より重要なことは、尿管ツリーをより非「シート様」にすることである。多すぎるFGF9は、最終的には最適でないことも提案される。これは、マイクロバイオリアクター研究において評価され、その結果が図13に示されている。

0135

RAに関して、RAの増加は、間葉を犠牲にして尿管上皮の生成を増加させる(すなわち、より不適当なGATA3+間葉を生成する)。

0136

本発明者らはまた、CHIR99021の役割をさらに分析し、それが最初の2日間に培養物中により多く存在するほど、より多くの尿管芽が生成され、6μMが8μMよりも良いことを見出した(図14)。しかし、CHIR99021の下でのより長い時間(4対2日間)は、最終的により多くの成熟ポドサイトマーカーを形成する能力を示すより多くの間葉を有するより多くの管状構造物をシート状物と比較してもたらす。図15にまとめられているように、各細胞株が第1段階におけるCHIR99021の濃度および期間に関する最適化も必要とすると考えられる。

0137

加えて、間葉の生成は、本発明者らが第2および3段階を通じて1μMのCHIR99021(第1段階で使用したWntアゴニスト)を含めることを継続する場合および本発明者らがRAのアンタゴニスト(例えば、AGN193109)を添加する場合に改善される。この理由は、間葉を中腎(すなわち、発生中に退行する)に対して後腎(すなわち、永久腎を生じる)の方により後進(posteriorise)させるからである。本発明者らは、このより良い間葉の結果を、(後腎により特異的な)高いHOXD11発現およびSIX2、SIX1、WT1、EYA1(すなわち、すべて後腎においてより高い)の観点で決定している。本発明者らは依然として、尿管上皮をこれらの存在により生成するが、おそらくこれらなしまたはRAありほど多くはない。これは、図16〜19にまとめられている。この追加の最適化に基づき、異なる出発細胞(例えば、異なる患者由来の異なるhPSC)は各段階の量およびタイミングに対するそれらの応答が若干異なり、本発明者らは各々に対してより多いまたはより少ないCHIR、RAもしくはRAアンタゴニスト、FGF9および/またはBMP7を必要とし得ることを提案する。したがって、異なる患者細胞株の応答の最適化は細胞株ごとに行われると考えられる。より重要なことは、ネフロンにとって重要な遺伝子に変異を有する患者細胞株を調査するために、本発明者らは、第3段階でまたは第2および3段階でCHIR99021およびRAアンタゴニスト、例えばAGN193106を用いることによって生成される間葉を最大化する(例えば、より多くの後腎間葉を生成する)ことを選択し得る。逆に、集合管に影響する遺伝子に変異を有する患者においては、本発明者らは、最初により少ないCHIR99021を有し、第3段階でRAを添加することによって誘導される尿管上皮を最大化し得る(例えば、より多くの尿管芽を生成し得る)。

0138

図20および21は、本明細書に開示される方法が患者由来iPSCおよびhESCに対して有効である証拠を示している。2つの異なる患者細胞株からのデータが示されている。

0139

発生および創傷修復の両方の間に「自己組織化」する細胞の能力は、以前から報告されている30。「自己組織化」の際、異なる細胞型が相互に対して特定のパターンを取り、臓器内に存在する複雑な構造を構築する。このプロセスは特定の細胞・細胞認識を伴うと考えられており、適当なリガンド・受容体シグナル伝達および細胞・マトリックス相互作用を必要とするようである。hESCを培養下で分化するよう誘導した最近の研究は、組織の3D形態発生が眼杯と同程度に複雑であること、下垂体または腸が成分となる細胞の「自己組織化」を通じて生じ得ることを明らかにした31〜33。これは、パターン形成または「自己組織化」する細胞の複雑な集合体の精緻な能力を暗示している。いくつかの以前の研究は、hESCからIM、ポドサイトまたは近位尿細管への誘導分化を報告している6,13,34,35。使用された成長因子レジームは類似しているが、これらの中に、UBおよびMM由来構造物の同時誘導または自己組織化の証拠を報告したものはない。いくつかの決定的な差は、本発明者らのアプローチの中にある。これは、最近MMの生存に重要であることが示されたFGF9を利用する最初のアプローチである。FGF9およびFGF20の喪失は腎無形成を引き起こし、FGF9が欠如するとMMは継続的な発生を支持することができなくなる20。本発明者らは、これを、本発明者らのプロトコルの決定的かつ明確な要素とみなしている。第2に、特にIMの段階におけるエンドポイントを特定する遺伝子/タンパク質の組み合わせの共発現の厳格な要件により、本発明者らは、成功をより明確に評価できるようになった。加えて、本発明者らは、その後の分化のために部分集団選別せず、それ故、全体として周囲の非標的細胞型の影響が培養物全体に影響するようにした。腎臓発生の様々な段階におけるPMおよび尾芽のシグナル伝達に関して報告されている役割から36,37、これは、腎臓の形成に必要とされるすべての相互作用する細胞型の協調的分化を推進したと考えられる。

0140

記載されたhESCの分化プロセスは、自己組織化し初期ネフロンを形成することができる相互誘導性腎臓前駆集団を生成する。これは、多能性細胞供給源からの腎組織の生成への大きな前進である。しかし、通常の腎臓発生は、ネフロン前駆細胞の自己再生とそれらのネフロンへの分化の間の慎重バランスを伴うものである。本明細書に記載される分化したhESC培養物は、多くのRVの形成を示したが、Six2変異マウスにおいて見られた未成熟前駆細胞分化の表現型3を想起させる、経時的なネフロン前駆細胞の有意な喪失も示した。これは鍵となるチャレンジであり、分化プロトコルの改善の余地を示唆しており、胚腎臓のそれらをより十分に再現する成長因子、細胞外マトリックスおよび/または酸素圧20,38,39の代わりを潜在的に必要としている。バイオリアクターにおけるオルガノイド培養物への段階的移行もまた、より3D的な環境を促進し得る。

0141

まとめると、本発明者らは今回、多能性細胞の自己組織化腎臓への分化の成功を報告する。腎臓発生に関与する様々な鍵となる細胞集団からの細胞の協調的誘導はまた、複雑な形態発生構造物の形成における相互作用するニッチの必要性を実証している。インビトロで自己組織化を行うそのような集団の能力は、組織/臓器のバイオエンジニアリングの未来にとって良い前兆である。本発明者らが分化したhES細胞培養物単独からオルガノイドを形成することができるという事実は、組織ベースの腎毒性スクリーンの構築、インビトロ疾患モデルまたは腎機能を補充する移植可能なオルガノイドの開発の可能性を切り開く。後で精製するための特定の成熟腎細胞型の作製の実現可能性も示唆されている。

0142

この方法を用いて作製される細胞の具体的用途は:
・腎毒性スクリーニングのためのミニ腎臓オルガノイドもしくは精製された腎細胞の作製;
・共通のもしくは患者ごとのいずれかの疾患モデリングのためのミニ腎臓オルガノイドもしくは精製された腎細胞の作製;および/または
・腎疾患の治療的処置のための薬物スクリーニングのためのミニ腎臓オルガノイドもしくは精製された腎細胞の作製
を含み得る。

0143

これらは、マイクロバイオリアクターにおいてまたはより大きな形式のスクリーンへのバイオプリンティングの後に実施され得る。疾患モデリングまたは薬物スクリーニングについては、本発明者らは個々の細胞型を精製し、それらを特定の疾患に基づく有用情報を提供する様式または形式で培養すると考えられる。例えば、本発明者らはUBを単離し、そして(例えば、ネフロン等の疾患の場合)嚢胞形成を評価するためにマトリゲル培養下で成長させ得るまたは(例えば、フィンランド腎症またはアルポート症候群等の疾患の場合)ポドサイトを生成するためにMMを単離し得る。

0144

細胞療法および臓器置換または修復の具体例は:
・細胞療法(急性腎損傷もしくは慢性腎損傷)のための腎細胞型の作製;
・複数の小さな腎臓をひとつに連結し置換「臓器」を形成することを必要とし得る全臓器置換バイオエンジニアリングのための腎細胞型の作製;および/または
・脱細胞化スキャホールドの再細胞化のための腎細胞型の作製
を含み得る。

0145

本明細書を通じて、その目的は、本発明を任意の1つの態様または特定の特徴の集合に限定することなく本発明の好ましい態様を記載することであった。したがって、本開示に照らして、本発明の範囲から逸脱することなく例示されている特定の態様において様々な改変または変更がなされ得ることが当業者に理解されるであろう。

0146

本明細書で参照されているすべてのコンピュータープログラムアルゴリズム、特許および科学文献は、参照により本明細書に組み入れられる。

0147

(表1)RT-PCRに使用したプライマーの配列

0148

(表2)qRTPCRに使用したプライマーの配列

実施例

0149

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