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技術 選択的光透過抑制容器入りアルコール飲料

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 松本雄大
出願日 2018年8月31日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-163365
公開日 2020年3月5日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-031610
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 容器内空 定量イオン フタ部分 UVカットフィルム モルトウイスキー カーボネーター 液晶保護フィルム 振動式密度計
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課題

本発明の課題は、蒸留酒を含有し比較的低いアルコール度数を有する容器詰飲料であって、その飲料の状態を外部から視認できる飲料において、光存在下での劣化臭の生成を抑制することである。

解決手段

特定波長の光の透過を選択的に抑制することができる容器を用いる。

概要

背景

市場に出回っている容器詰飲料の多くは、ペットボトルガラス瓶のように透明である容器に含有されており、含有されている飲料の状態を外から視認することができる。消費者は、それらの容器を開封せずとも、含有された飲料の色を容器の外側から楽しむことができ、そのために当該飲料は販売時に消費者の興味を強く引き付けることができる。アルコール飲料にもそのような容器に含まれたものが存在する一方、品質保持の面で遮光が必要な商品群があり、例として、紫外線カットフィルムを巻いたペットボトルに含有されたマッコリや、褐色瓶に含有されたビールが挙げられる。

ウイスキー又はブランデーなどの蒸留酒希釈して調製されるアルコール飲料として、水割りハイボールなどが知られている。それらはいずれも優れた香りや味を有し、消費者に支持されており、そのいくつかは、容器詰飲料の形態で商品化されて販売されている。しかしながら、当該飲料の容器のほとんどはアルミ缶などの完全遮光容器である。

一方、近年、特定波長の光が様々な物質人体に及ぼす影響が明らかにされ、その影響を防止する方法や素材も提供されるようになってきた。例えば、電子機器モニターから発せられる特定波長を有する光の目に対する悪影響が懸念されており、その光を選択的に遮断する材料が開発されている(特許文献1及び2)。

概要

本発明の課題は、蒸留酒を含有し比較的低いアルコール度数を有する容器詰飲料であって、その飲料の状態を外部から視認できる飲料において、光存在下での劣化臭の生成を抑制することである。特定波長の光の透過を選択的に抑制することができる容器を用いる。なし

目的

本発明の課題は、蒸留酒を含有し比較的低いアルコール度数を有する容器詰飲料であって、その飲料の状態を外部から視認できる飲料において、光存在下での劣化臭の生成を抑制することである

効果

実績

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請求項1

蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である容器詰飲料であって、当該容器透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である、前記飲料。

請求項2

透明部分の当該少なくとも一部において、さらに、460nmを超えて540nm以下の波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下である、請求項1に記載の飲料。

請求項3

リノール酸を含有する、請求項1又は2に記載の飲料。

請求項4

蒸留酒がウイスキー及び/又はブランデーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。

請求項5

炭酸飲料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。

請求項6

果汁を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。

請求項7

蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法であって、当該飲料を容器に入れる工程を含み、当該容器が透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である、前記方法。

請求項8

蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法であって、当該飲料を容器に入れる工程、および当該容器が有する透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上であるように、当該容器を加工する工程、を含む前記方法。

技術分野

0001

本発明は、選択的に光透過を抑制する容器に含有されたアルコール飲料に関する。また、本発明には、アルコール飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法にも関する。

背景技術

0002

市場に出回っている容器詰飲料の多くは、ペットボトルガラス瓶のように透明である容器に含有されており、含有されている飲料の状態を外から視認することができる。消費者は、それらの容器を開封せずとも、含有された飲料の色を容器の外側から楽しむことができ、そのために当該飲料は販売時に消費者の興味を強く引き付けることができる。アルコール飲料にもそのような容器に含まれたものが存在する一方、品質保持の面で遮光が必要な商品群があり、例として、紫外線カットフィルムを巻いたペットボトルに含有されたマッコリや、褐色瓶に含有されたビールが挙げられる。

0003

ウイスキー又はブランデーなどの蒸留酒希釈して調製されるアルコール飲料として、水割りハイボールなどが知られている。それらはいずれも優れた香りや味を有し、消費者に支持されており、そのいくつかは、容器詰飲料の形態で商品化されて販売されている。しかしながら、当該飲料の容器のほとんどはアルミ缶などの完全遮光容器である。

0004

一方、近年、特定波長の光が様々な物質人体に及ぼす影響が明らかにされ、その影響を防止する方法や素材も提供されるようになってきた。例えば、電子機器モニターから発せられる特定波長を有する光の目に対する悪影響が懸念されており、その光を選択的に遮断する材料が開発されている(特許文献1及び2)。

先行技術

0005

特開2016−6184号公報
特許6315820号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ウイスキー又はブランデーなどの蒸留酒を含有する飲料は、光の存在下で保管すると、メタル臭やオイル臭などの劣化臭を生成することがある。そして、この劣化臭はアルコール度数が比較的低い場合に特に問題となる。このため、当該飲料を、含有されている飲料の状態を視認することができるような容器に入れて販売することは困難である。

0007

したがって、本発明の課題は、蒸留酒を含有し比較的低いアルコール度数を有する容器詰飲料であって、その飲料の状態を外部から視認できる飲料において、光存在下での劣化臭の生成を抑制することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、特定波長の光が蒸留酒を含有する飲料の劣化臭を生成させることを見出した。そして、当該光の透過を選択的に抑制することができる容器に当該飲料を入れると、当該飲料を容器の外部から視認でき、しかも当該劣化臭の生成を抑制できることを見出した。

0009

本発明は以下のものに関するが、これらに限定されない。
1.蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である容器詰飲料であって、当該容器が透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である、前記飲料。
2.透明部分の当該少なくとも一部において、さらに、460nmを超えて540nm以下の波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下である、1に記載の飲料。
3.リノール酸を含有する、1又は2に記載の飲料。
4.蒸留酒がウイスキー及び/又はブランデーである、1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
5.炭酸飲料である、1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
6.果汁を含有する、1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
7.蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法であって、当該飲料を容器に入れる工程を含み、
当該容器が透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である、前記方法。
8.蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法であって、当該飲料を容器に入れる工程、および
当該容器が有する透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上であるように、当該容器を加工する工程、
を含む前記方法。

発明の効果

0010

本発明の飲料の容器は、蒸留酒を含有する飲料中の光存在下での劣化臭、特にメタル臭の生成を抑制でき、しかも、当該飲料を容器の外部から視認することを可能とする。したがって、本発明は、当該飲料の品質を維持することができ、しかも消費者が飲料の色を楽しむことを可能とする。

0011

劣化臭の一種であるメタル臭とは、運動場にある鉄棒を手で握った際に手に残る臭いに似た金属的ピリピリとした臭いを意味する。後述する実施例に示されるように、1−オクテン−3−オンがメタル臭を生じる成分の一つであることを、本発明者は確認した。本発明はいかなる理論にも拘束されないが、1−オクテン−3−オンは特定波長の光によってリノール酸などの脂肪酸から生成し、その生成を本発明が抑制するものと考えられる。

0012

典型的には、本発明の飲料に対して20000ルクス照度の光を7日間照射しても、当該飲料中の1−オクテン−3−オンの濃度は10nmol/L以下である。

0013

以下、本発明の飲料を中心に本発明を説明する。
(蒸留酒)
本発明において用いられる蒸留酒は、その原料や製造方法によって限定されない。当該蒸留酒としては、例えば、スピリッツ(例えば、ウオツカ、ラムテキーラジンアクアビット、コルン)、リキュール類、ウイスキー類(例えば、ウイスキー及びブランデー)、焼酎が挙げられる。特に、リノール酸などの脂肪酸を含有する蒸留酒が好ましい。ウイスキー及びブランデーの多くにはリノール酸のような脂肪酸が含まれることが知られており、本発明ではウイスキー又はブランデーを用いることが好ましい。本発明の一態様においては、本発明の飲料は、リノール酸を0.01nmol/L〜25000nmol/L含有する。

0014

本明細書に記載のウイスキーとは、大麦ライ麦トウモロコシなどの穀物麦芽酵素糖化し、発酵させ、蒸留して得られる蒸留酒である。蒸留後、通常はオークなどの木製の樽で熟成させて最終製品を製造する。ウイスキーの例としてバーボン、テネシーウイスキー、スコッチウイスキー、アイルランドウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャニーズウイスキー、モルトウイスキーグレーンウイスキー、コーンウイスキー、ライウイスキー、及びまたはそれらをブレンドしたブレデッドウイスキーなどが挙げられる。本発明の飲料は、好ましくは、バーボンウイスキーを含有する。

0015

本明細書に記載のブランデーとは、果実酒を蒸留して得られる蒸留酒である。蒸留後、通常はオークなどの木製の樽で熟成させて最終製品を製造する。ブランデーの例としてコニャック、アルマニャックを始めとしたブドウ主原料としたものが代表例として挙げられるが、そのカテゴリーには限定されず、またリンゴ、洋ナシサクランボなどを原料としても良い。

0016

なお、本明細書におけるウイスキー、及びブランデーの定義は、日本の酒法における酒類の定義に拘束されない。
本発明の飲料に含まれるリノール酸などの脂肪酸や、1−オクテン−3−オンの含有量は、LCMSを使用して測定することができる。典型的な測定方法は、実施例に示されているとおりである。

0017

(容器)
本発明の飲料は、容器詰めの形態で提供される。当該容器は透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である。これは、前者の波長範囲の少なくとも50%の範囲における透過率の最大値が70%以下であり、後者の波長範囲の透過率の最低値が80%以上であることを意味する。

0018

当該容器は、その一部が透明であってもよいし、全体が透明であってもよい。たとえば、容器のフタ部分が非透明であり、それ以外の部分が全て透明でもよい。また、透明部分の領域内に非透明部分が存在してもよい。本発明の効果がわずかでも得られる限り、容器全体表面積に対する透明部分の面積の割合は特に限定されないが、たとえば、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%である。

0019

当該透明部分の少なくとも一部において、特定波長の光の透過が選択的に抑制される。当該透明部分の全体において、特定波長の光の透過が選択的に抑制されてもよい。本発明の効果がわずかでも得られる限り、透明部分の面積に対する光の透過が選択的に抑制される領域の面積の割合は特に限定されないが、たとえば、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%である。

0020

本発明において光の透過が抑制される波長範囲は、420nm〜460nmの波長範囲の好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは100%である。ある態様においては、さらに、460nmを超えて540nm以下の波長範囲の少なくとも50%の範囲においても光の透過が抑制される。この場合の透過が抑制される波長範囲は、当該波長範囲の好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは100%である。

0021

光の透過率が抑制されるべき上記の波長範囲において、それぞれ独立に、光の透過率は好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。

0022

一方、透明部分の当該少なくとも一部において、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率は高く維持される。その透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。

0023

好ましい態様において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも60%%の範囲における光の透過率が60%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率は80%以上である。別の好ましい態様において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも70%の範囲における光の透過率が50%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率は90%以上である。

0024

また、好ましい態様において、460nmを超えて540nm以下の波長範囲の少なくとも60%の範囲における光の透過率が60%以下であるか、又は当該波長範囲の少なくとも70%の範囲における光の透過率が50%以下である。

0025

光の透過率は、当業者に知られているいかなる方法を用いて測定してもよいが、たとえば、分光光度計を用いて実施例に示した方法で測定することができる。
本発明における容器の形態には、ペットボトルのような樹脂製のボトル、ガラス瓶などが含まれるが、これらに限定されない。

0026

光の透過を選択的に抑制するためには、波長選択的に光透過を抑制する能力を有する材料を用いて容器本体を製造してもよいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステルポリプロピレンポリエチレンポリ塩化ビニルトリセルロースアセテート、およびガラスなどから選択される材料でできた容器に、そのような能力を有する別の材料を適用して当該容器を加工してもよい。たとえば、容器に波長選択的光透過抑制能力を有する材料をコーティングしてもよいし、そのような材料を含むフィルムを容器の表面に付着させてもよい。そのような材料の例は、特許文献1及び2に記載されている。

0027

本発明における容器は透明部分を有しており、中に収容された飲料の状態を透明部分を通して視認することができる。本明細書において透明部分の「透明」とは、容器の外部から、当該透明部分を通して内部の飲料の状態を視認できる程度に当該部分がすきとおっていることを意味する。この条件を満たす限り、当該透明部分は着色していてもよい。

0028

アルコール含有量
本発明の飲料のアルコール含有量は1〜20v/v%であり、好ましくは1〜15v/v%であり、さらに好ましくは2〜10v/v%である。なお、本発明において、特に断りがない限り、「アルコール」とは、エタノールのことをいう。本明細書においては、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。

0029

炭酸
本発明の飲料は、炭酸ガスを含有する炭酸飲料であってもよい。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。

0030

本発明の飲料の液温が20℃である場合における炭酸ガス圧は、特に限定されないが、好ましくは0.7〜3.5kgf/cm2、より好ましくは0.8〜2.8kgf/cm2である。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、20℃における炭酸ガス圧を意味する。

0031

(果汁)
本発明の飲料は、果汁を含有してもよい。果汁は、果実を搾して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、透明果汁、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いることもできる。

0032

果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類果汁オレンジ果汁、うんしゅうかん果汁、グレープフルーツ果汁レモン果汁ライム果汁、柚子果汁、いよかん果汁、なつみかん果汁、はっさく果汁、ポンカン果汁、シイクワシャー果汁、かぼす果汁等)、リンゴ果汁ブドウ果汁モモ果汁、熱帯果実果汁パイナップル果汁グァバ果汁バナナ果汁、マンゴー果汁アセロラ果汁ライチ果汁、パパイヤ果汁パッションフルーツ果汁等)、その他果実の果汁(ウメ果汁、ナシ果汁、アンズ果汁スモモ果汁、ベリー果汁キウイフルーツ果汁等)、イチゴ果汁、メロン果汁などが挙げられる。これらの果汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。柑橘類果汁は、爽やかな味を飲料に付与することができるため、特に好ましい。本発明の飲料における果汁の含有量は、特に限定されない。

0033

(他の成分)
その他、本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、糖類や高甘味度甘味料等の甘味料酸味料香料ビタミン色素類、酸化防止剤乳化剤保存料エキス類食物繊維pH調整剤増粘剤、品質安定剤等を挙げることができる。

0034

(飲料の種類)
本発明が適用される飲料の種類は限定されず、蒸留酒を水や炭酸水などで希釈して得られる飲料、例えば水割り、ハイボール等であってもよい。

0035

(方法)
本発明は、別の側面では、蒸留酒を含有し、アルコール度数が1〜20v/v%である飲料の劣化臭の生成を抑制するための方法である。当該方法は、当該飲料を容器に入れる工程を含み、当該容器が透明部分を有し、当該透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上である。または、当該方法は、当該飲料を容器に入れる工程、および当該容器が有する透明部分の少なくとも一部において、420nm〜460nmの波長範囲の少なくとも50%の範囲における光の透過率が70%以下であり、540nmを超えて780nm以下の波長範囲における光の透過率が80%以上であるように、当該容器を加工する工程を含んでもよい。

0036

飲料中の成分の種類、その含有量、波長範囲、透過率、及びその好ましい範囲、並びにその調整、容器の加工方法などについては、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、又はそれらから自明である。上記の工程では、最終的に得られた飲料における含有量、光波長範囲、透過率などが所要の範囲にあればよい。

0037

なお、本明細書において用いられる「抑制」との用語は、完全に阻害することだけでなく、部分的に阻害することも含む。したがって、たとえば、劣化臭の原因物質生成量が、本発明の容器を用いない場合と比較してわずかでも少なければ、劣化臭が「抑制」されたといえる。

0038

数値範囲
明確化のために記載すると、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を含む。例えば、「1〜2
」により表される範囲は、1及び2を含む。

0039

以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
分析評価方法
本実施例においては、各サンプルの濃度測定官能評価を以下の方法にしたがって実施した。

0040

1−オクテン−3−オン濃度測定方法(LC−MS)
LC装置:Agilent Technologies 1290 Infinity、又はAgilent Technologies 1290 Infinity II
カラム:Waters Cortecs UPLC T3 1.6μm 2.1×150mm
カラム温度:40℃
定量イオン:1−オクテン−3−オン m/z=305.12553
移動相:A液 10mM酢酸アンモニウム
B液アセトニトリル
平衡化5min
脂肪酸分析方法(LC−MS)
LC装置:Agilent Technologies 1290 Infinity又は1290 Infinity II
カラム:Phenomenex Kinetex C18 1.3μm 2.1×50mm×2本直列
カラム温度:40℃
定量イオン:リノール酸m/z=279.23295
移動相:A液 アセトニトリル:水=80:20(1mMギ酸アンモニウム
B液 アセトニトリル:水=80:20(0.1%ギ酸
官能評価
各飲料について、6名のパネラーにより、光照射によって生じる劣化臭、具体的にはメタル臭(運動場にある鉄棒を手で握った際に手に残る臭いに似た金属的なピリピリとした臭い)の強さを評価した。具体的には、光照射による劣化がされていない飲料(具体的には後述する実験1のアルコール度数5%のサンプル)のメタル臭の強さを2点とし、無色透明容器に入った状態で蛍光灯の光を照射(20000ルクス、7日間:市場での7ヶ月相当)して劣化させた飲料(具体的には後述する実験2のアルコール度数5%のサンプル)のメタル臭の強さを8点とし、それらの間の強さのメタル臭を強度に応じて3〜7点とした。次いで、得られた点数平均点を求めた。なお、点数付け個人差を少なくするために、パネラー間では、点数2〜8に対応する評価基準となるサンプルを使用してメタル臭の強さとそれに対応する点数との関係を確認してから、官能評価を実施した。

0041

試験例1)
種々のアルコール度数を有する4つのウイスキー含有炭酸飲料を調製し、それらを複数種類の容器に入れて、試験用サンプルを製造した。それら試験用サンプルについて光照射前又は後の官能評価を実施し、1−オクテン−3−オンの濃度を測定した。

0042

アルコール度数5v/v%の飲料は、市販のウイスキーを炭酸水(高圧炭酸水と水との混合物)で8倍に希釈して調製した。アルコール度数10、20、および30v/v%の飲料は、上記のウイスキーを、種々のアルコール濃度を有するアルコール炭酸水溶液(高圧炭酸水と水とニュートラルスピリッツを種々の比率で混合して得た)を用いて8倍に希釈して調製した。得られたいずれの飲料も同じ量のウイスキーを含有しており、光照射試験前には、330nmol/Lのリノール酸濃度と、2.3kg/cm2の炭酸ガス圧を有していた。

0043

上記飲料をそれぞれ複数種類の容器に入れた。実験1〜8では無色透明なPET容器を用い、実験9では、透明なPET容器の表面全体UVカットフィルムリンテックコマース株式会社、すっきりクリアフィルムRT05L)を貼り付けて光の侵入を防ぎ、実験10では青色のガラス瓶を用い、実験11では色のガラス瓶を用い、実験12では無色透明なPET容器の表面全体にブルーライトカットフィルム(ブルーライトカット液晶保護フィルムEF−FL215WBLエレコム株式会社)を貼り付けて光の侵入を防いだ。

0044

実験1では、光を照射する前に官能評価と濃度測定を実施した。
実験2〜12では、光を7日間照射してから濃度測定と官能評価を実施した。実験2、9〜12では、20000ルクスの蛍光灯の光(白色光)を照射した。実験3〜8では、当該蛍光灯の光を、特定波長の光だけを通すフィルター(富士フィルム株式会社、特性波長透過フィルターバンドパスフィルター))を通過させてから照射した。サンプルに照射された光の波長にはある程度の幅があったが、通過した主な光の波長は表1及び2に記載されているとおりである。

0045

上記の実験の結果を以下の表に示す。

0046

0047

0048

実験1と2から明らかなとおり、光照射により劣化臭が生成した。劣化臭は、特に低いアルコール度数において多く生成した。劣化臭の原因と考えられる物質(1−オクテン−3−オン)は、劣化臭の強度に応じて増加した。

0049

実験3〜8から明らかなとおり、420〜460nmの波長の光が劣化臭の生成に強く影響し、460nmを超えて540nm以下の波長の光が劣化臭の生成に対して比較的強く影響し、540nmを超え700nm程度までの波長の光の劣化臭の生成に対する影響は比較的小さいことが明らかとなった。また、UVカットフィルム(波長380nm以下の光を主に遮断する)を用いた実験9から、420nmを下回る波長を有する光の、劣化臭の生成に対する影響が小さいことが明らかとなった。同様の傾向が、1−オクテン−3−オンの生成量についてもみられた。

0050

上記の結果を裏付けるように、420〜460nmの波長の光の透過性が高い青色ガラス瓶(590〜780nmの光を遮断する)を用いた実験10では劣化臭があまり抑制されず、420〜460nmの波長の光を遮断する茶色のガラス瓶(380〜780nmの光を遮断する)や、ブルーライトカットフィルム(380〜467nmの波長の光の透過率が70%以下であり、527〜780nmの波長の光の透過率が80%以上である)を用いた実験11と12では、効果的に劣化臭が抑制された。同様の傾向が、1−オクテン−3−オンの生成量についてもみられた。

0051

さらに、ブルーライトカットフィルムを用いた場合には、容器の中の飲料の状態を容易に視認することができた。
(試験例2)
試験例1と同様にして、種々のアルコール度数を有する4つのウイスキー含有飲料を調製し、それらを複数種類の容器に入れて、試験用サンプルを製造した。それらサンプルついて光照射前又は後の官能評価を実施し、1−オクテン−3−オンの濃度を測定した。炭酸水の代わりに水を用いて、炭酸を含有しない飲料を調製したこと以外は、試験例1と同じ方法を実施した。得られたいずれの飲料も、光照射試験前には330nmol/Lのリノール酸濃度を有していた。結果を以下の表に示す。試験例1と同様の傾向が見られた。

0052

0053

0054

(試験例3)
劣化臭の原因物質が1−オクテン−3−オンであることを確認するための実験を行った。

0055

市販のウイスキーを水で希釈して、アルコール度数5v/v%、リノール酸濃度100nmol/Lの試験用サンプルを調製した。当該サンプルに、3、5、10、15、又は20nmol/Lの1−オクテン−3−オンを添加して、新たに試験用サンプルを調製した。これらのサンプルの調製直後に、試験例1及び2で評価の対象となったメタル臭の強さについて官能評価を通じて検討した。結果を以下に示す。1−オクテン−3−オンがメタル臭に寄与していることが明らかとなった。

0056

0057

(試験例4)
劣化臭の原因物質が生成する原因について検討した。
市販のウイスキーを水で希釈して、アルコール度数5v/v%、リノール酸濃度100nmol/Lの試験用サンプルを調製した。当該サンプルに、100nmol/Lのリノール酸を添加して新たに試験用サンプルを調製した。これらのサンプルを無色透明のPET容器に入れて、それに蛍光灯の光(白色光)を20000ルクスで7日間照射し、その後に官能評価と1−オクテン−3−オンの濃度分析を行った。結果を以下に示す。リノール酸などの脂肪酸が1−オクテン−3−オンの生成、しいてはメタル臭の生成に関与していることが明らかとなった。

実施例

0058

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