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技術 基板処理装置、処理液および基板処理方法

出願人 株式会社SCREENホールディングス
発明者 奥谷学阿部博史屋敷啓之
出願日 2018年8月24日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-157133
公開日 2020年2月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-031172
状態 未査定
技術分野 半導体の洗浄、乾燥
主要キーワード 加熱軸 スリット状噴出口 プレート昇降機 漸次上方 不活性ガス噴出口 蒸気層 カップ側壁 蒸気膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

意図しない液膜の破損を抑制する。

解決手段

基板処理装置1は、基板保持部2と、処理液供給部と、加熱部5と、液除去部とを備える。基板保持部2は、基板9を水平状態で保持する。処理液供給部は、IPAよりも表面張力が高い処理液を基板9の上面91に供給することにより、基板9の上面91を全面に亘って覆う処理液の液膜を形成する。加熱部5は、基板9を下面92側から加熱して液膜の一部を気化させることにより、基板9の上面91と液膜との間に気相層を形成する。液除去部は、気相層上の液膜を除去する。これにより、意図しない液膜の破損を抑制することができる。

概要

背景

従来、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板に対して様々な処理が施される。例えば、表面上にレジストパターン(すなわち、多数の微細構造体)が形成された基板上に、ノズルから薬液吐出することにより、基板の表面に対してエッチング等の薬液処理が行われる。

また、基板に対する薬液処理後には、基板に純水を供給して薬液を除去するリンス処理、および、基板を高速に回転して基板上の液体を除去する乾燥処理がさらに行われる。基板上に微細なパターンが形成されている場合、リンス処理および乾燥処理を順に行うと、乾燥途上において、隣接する2つのパターン要素の間に純水の液面が形成される。この場合、パターン要素に作用する純水の表面張力に起因して、パターン要素が倒壊するおそれがある。

そこで、特許文献1、特許文献2および特許文献3の基板処理装置では、リンス処理の実行後、基板の上面にIPA(イソプロピルアルコール)液を供給してリンス液置換し、基板上にIPAの液膜を形成する。そして、基板を加熱してIPAの液膜と基板上面との間にIPAの蒸気膜を形成することにより、IPAの液膜を基板上面から浮上させた後、当該液膜を基板上から除去する。液膜を基板上から除去する際には、液膜の中心部にノズルから窒素ガスを吹き付けて液膜を部分的に除去することにより小径乾燥領域を形成し、基板を回転させつつ中心部にさらに窒素ガスを吹き付けることにより、当該乾燥領域を拡大させて基板上面の全体に拡げる。これにより、パターン要素の倒壊を抑制しつつ基板の上面を乾燥させる。

また、特許文献3の基板処理装置では、液膜を基板上から除去する際に、液膜の中心部に乾燥領域を形成した後、ノズルの外周面に設けられた周状スリット開口から不活性ガスが吐出される。これにより、ノズルから斜め下方に向かう放射状の気流が形成され、当該気流により、乾燥領域の拡大が促進される。

概要

意しない液膜の破損を抑制する。基板処理装置1は、基板保持部2と、処理液供給部と、加熱部5と、液除去部とを備える。基板保持部2は、基板9を水平状態で保持する。処理液供給部は、IPAよりも表面張力が高い処理液を基板9の上面91に供給することにより、基板9の上面91を全面に亘って覆う処理液の液膜を形成する。加熱部5は、基板9を下面92側から加熱して液膜の一部を気化させることにより、基板9の上面91と液膜との間に気相層を形成する。液除去部は、気相層上の液膜を除去する。これにより、意しない液膜の破損を抑制することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板を処理する基板処理装置であって、基板を水平状態で保持する基板保持部と、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高い処理液を前記基板の上面に供給することにより、前記基板の前記上面を全面に亘って覆う前記処理液の液膜を形成する処理液供給部と、前記基板を下面側から加熱して前記液膜の一部を気化させることにより、前記基板の前記上面と前記液膜との間に気相層を形成する加熱部と、前記気相層上の前記液膜を除去する液除去部と、を備えることを特徴とする基板処理装置。

請求項2

請求項1に記載の基板処理装置であって、前記処理液の蒸気圧は、イソプロピルアルコールの蒸気圧よりも高いことを特徴とする基板処理装置。

請求項3

請求項2に記載の基板処理装置であって、前記処理液は、cis−1,2−ジクロロエチレントリクロロメタン酢酸メチル、1,3−ジオキソランテトラヒドロフラン、1,1,1−トリクロロエタンテトラクロロメタンベンゼンシクロヘキサンアセトニトリルトリクロロエチレンテトラヒドロピラン硝酸、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパンフルオロトリニトロメタンピロリジンアクリロニトリルシクロヘキセンのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする基板処理装置。

請求項4

請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記加熱部による前記基板の加熱は、前記処理液供給部から供給された前記処理液により前記基板の前記上面が全面に亘って覆われた後に開始されることを特徴とする基板処理装置。

請求項5

請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記基板の前記上面がイソプロピルアルコールにより全面に亘って覆われている状態で、前記処理液供給部から前記基板の前記上面に前記処理液が供給され、前記基板の前記上面上のイソプロピルアルコールが前記処理液により置換されることにより、前記処理液の前記液膜が形成されることを特徴とする基板処理装置。

請求項6

請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記処理液は、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高く蒸気圧が低い物質を、イソプロピルアルコールに混合した混合液であることを特徴とする基板処理装置。

請求項7

請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記液除去部は、前記液膜の中央部に向けてガス噴出するガス噴出部を備え、前記ガス噴出部からのガスにより、前記液膜の前記中央部から周囲に向かう放射状の気流を形成し、前記液膜の前記中央部から前記基板の外縁へと処理液を移動させて前記基板上から除去することを特徴とする基板処理装置。

請求項8

請求項7に記載の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記液膜の前記中央部に向けてガスを噴出する第1噴出口と、前記第1噴出口の周囲にて周状に配置され、前記液膜の前記中央部から周囲に向かう方向に放射状にガスを噴出する複数の第2噴出口と、を備えることを特徴とする基板処理装置。

請求項9

請求項7または8に記載の基板処理装置であって、前記基板保持部を内部空間に収容するチャンバと、前記チャンバの上部から前記内部空間にガスを送出し、前記基板の周囲にて前記基板の上側から下側へと向かう下降気流を形成する気流形成部と、をさらに備え、前記下降気流は、前記基板上から前記処理液を除去する際に、前記基板の前記上面の周縁部における前記処理液の前記外縁への移動を促進することを特徴とする基板処理装置。

請求項10

請求項9に記載の基板処理装置であって、前記基板保持部を回転する回転機構と、前記基板保持部の周囲に間隙を挟んで配置されて回転中の前記基板から飛散する液体を受けるカップと、前記カップを前記基板保持部に対して相対的に移動するカップ移動機構と、をさらに備え、前記基板上から前記処理液を除去する際に、前記カップ移動機構により前記カップが相対的に移動され、前記基板保持部と前記カップとの間の間隙が縮小されることを特徴とする基板処理装置。

請求項11

請求項9または10に記載の基板処理装置であって、前記加熱部による前記基板の加熱開始時に、前記気流形成部による前記下降気流の形成は停止されていることを特徴とする基板処理装置。

請求項12

請求項11に記載の基板処理装置であって、前記気流形成部による前記下降気流の形成は、前記加熱部による前記基板の加熱開始よりも前の前記処理液供給部による前記処理液の供給停止と同時に停止されることを特徴とする基板処理装置。

請求項13

請求項11または12に記載の基板処理装置であって、前記気流形成部による前記下降気流の形成は、前記基板の前記周縁部の温度が所定温度以上になった後に再開されることを特徴とする基板処理装置。

請求項14

基板の処理に使用される処理液であって、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高く、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の基板処理装置において前記基板の前記上面に供給されることを特徴とする処理液。

請求項15

基板を処理する基板処理方法であって、a)基板を水平状態で保持する工程と、b)イソプロピルアルコールよりも表面張力が高い処理液を前記基板の上面に供給することにより、前記基板の前記上面を全面に亘って覆う前記処理液の液膜を形成する工程と、c)前記基板を下面側から加熱して前記液膜の一部を気化させることにより、前記基板の前記上面と前記液膜との間に気相層を形成する工程と、d)前記気相層上の前記液膜を除去する工程と、を備えることを特徴とする基板処理方法。

技術分野

0001

本発明は、基板を処理する基板処理装置、当該基板処理装置で使用される処理液、および、基板を処理する基板処理方法に関する。

背景技術

0002

従来、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板に対して様々な処理が施される。例えば、表面上にレジストパターン(すなわち、多数の微細構造体)が形成された基板上に、ノズルから薬液吐出することにより、基板の表面に対してエッチング等の薬液処理が行われる。

0003

また、基板に対する薬液処理後には、基板に純水を供給して薬液を除去するリンス処理、および、基板を高速に回転して基板上の液体を除去する乾燥処理がさらに行われる。基板上に微細なパターンが形成されている場合、リンス処理および乾燥処理を順に行うと、乾燥途上において、隣接する2つのパターン要素の間に純水の液面が形成される。この場合、パターン要素に作用する純水の表面張力に起因して、パターン要素が倒壊するおそれがある。

0004

そこで、特許文献1、特許文献2および特許文献3の基板処理装置では、リンス処理の実行後、基板の上面にIPA(イソプロピルアルコール)液を供給してリンス液置換し、基板上にIPAの液膜を形成する。そして、基板を加熱してIPAの液膜と基板上面との間にIPAの蒸気膜を形成することにより、IPAの液膜を基板上面から浮上させた後、当該液膜を基板上から除去する。液膜を基板上から除去する際には、液膜の中心部にノズルから窒素ガスを吹き付けて液膜を部分的に除去することにより小径乾燥領域を形成し、基板を回転させつつ中心部にさらに窒素ガスを吹き付けることにより、当該乾燥領域を拡大させて基板上面の全体に拡げる。これにより、パターン要素の倒壊を抑制しつつ基板の上面を乾燥させる。

0005

また、特許文献3の基板処理装置では、液膜を基板上から除去する際に、液膜の中心部に乾燥領域を形成した後、ノズルの外周面に設けられた周状スリット開口から不活性ガスが吐出される。これにより、ノズルから斜め下方に向かう放射状の気流が形成され、当該気流により、乾燥領域の拡大が促進される。

先行技術

0006

特開2014−112652号公報
特開2016−136599号公報
特開2016−162847号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、基板処理装置では、IPAの液膜を形成および加熱する際に(すなわち、IPAの液膜の除去開始前に)、意図しない液膜の破損が生じるおそれがある。具体的には、基板の周縁またはチャックピンと液膜との接触部からIPAが流下する場合がある。あるいは、IPAの液膜下に生じたIPAの蒸気により液膜に亀裂が生じる場合がある。これにより、IPAの液膜を加熱する時間が減少する可能性がある。IPAの液膜を蒸気膜により基板上面から十分に浮上させて除去するという観点からは、IPAの液膜の加熱時間をある程度以上確保することが好ましい。

0008

本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、意図しない液膜の破損を抑制することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、基板を水平状態で保持する基板保持部と、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高い処理液を前記基板の上面に供給することにより、前記基板の前記上面を全面に亘って覆う前記処理液の液膜を形成する処理液供給部と、前記基板を下面側から加熱して前記液膜の一部を気化させることにより、前記基板の前記上面と前記液膜との間に気相層を形成する加熱部と、前記気相層上の前記液膜を除去する液除去部とを備える。

0010

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記処理液の蒸気圧は、イソプロピルアルコールの蒸気圧よりも高い。

0011

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理装置であって、前記処理液は、cis−1,2−ジクロロエチレントリクロロメタン酢酸メチル、1,3−ジオキソランテトラヒドロフラン、1,1,1−トリクロロエタンテトラクロロメタンベンゼンシクロヘキサンアセトニトリルトリクロロエチレンテトラヒドロピラン硝酸、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパンフルオロトリニトロメタンピロリジンアクリロニトリルシクロヘキセンのうち、少なくとも1つを含む。

0012

請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記加熱部による前記基板の加熱は、前記処理液供給部から供給された前記処理液により前記基板の前記上面が全面に亘って覆われた後に開始される。

0013

請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記基板の前記上面がイソプロピルアルコールにより全面に亘って覆われている状態で、前記処理液供給部から前記基板の前記上面に前記処理液が供給され、前記基板の前記上面上のイソプロピルアルコールが前記処理液により置換されることにより、前記処理液の前記液膜が形成される。

0014

請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記処理液は、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高く蒸気圧が低い物質を、イソプロピルアルコールに混合した混合液である。

0015

請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、前記液除去部は、前記液膜の中央部に向けてガス噴出するガス噴出部を備え、前記ガス噴出部からのガスにより、前記液膜の前記中央部から周囲に向かう放射状の気流を形成し、前記液膜の前記中央部から前記基板の外縁へと処理液を移動させて前記基板上から除去する。

0016

請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記液膜の前記中央部に向けてガスを噴出する第1噴出口と、前記第1噴出口の周囲にて周状に配置され、前記液膜の前記中央部から周囲に向かう方向に放射状にガスを噴出する複数の第2噴出口とを備える。

0017

請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の基板処理装置であって、前記基板保持部を内部空間に収容するチャンバと、前記チャンバの上部から前記内部空間にガスを送出し、前記基板の周囲にて前記基板の上側から下側へと向かう下降気流を形成する気流形成部とをさらに備え、前記下降気流は、前記基板上から前記処理液を除去する際に、前記基板の前記上面の周縁部における前記処理液の前記外縁への移動を促進する。

0018

請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の基板処理装置であって、前記基板保持部を回転する回転機構と、前記基板保持部の周囲に間隙を挟んで配置されて回転中の前記基板から飛散する液体を受けるカップと、前記カップを前記基板保持部に対して相対的に移動するカップ移動機構とをさらに備え、前記基板上から前記処理液を除去する際に、前記カップ移動機構により前記カップが相対的に移動され、前記基板保持部と前記カップとの間の間隙が縮小される。

0019

請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の基板処理装置であって、前記加熱部による前記基板の加熱開始時に、前記気流形成部による前記下降気流の形成は停止されている。

0020

請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の基板処理装置であって、前記気流形成部による前記下降気流の形成は、前記加熱部による前記基板の加熱開始よりも前の前記処理液供給部による前記処理液の供給停止と同時に停止される。

0021

請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の基板処理装置であって、前記気流形成部による前記下降気流の形成は、前記基板の前記周縁部の温度が所定温度以上になった後に再開される。

0022

請求項14に記載の発明は、基板の処理に使用される処理液であって、イソプロピルアルコールよりも表面張力が高く、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の基板処理装置において前記基板の前記上面に供給される。

0023

請求項15に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法であって、a)基板を水平状態で保持する工程と、b)イソプロピルアルコールよりも表面張力が高い処理液を前記基板の上面に供給することにより、前記基板の前記上面を全面に亘って覆う前記処理液の液膜を形成する工程と、c)前記基板を下面側から加熱して前記液膜の一部を気化させることにより、前記基板の前記上面と前記液膜との間に気相層を形成する工程と、d)前記気相層上の前記液膜を除去する工程とを備える。

発明の効果

0024

本発明では、意図しない液膜の破損を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0025

一の実施の形態に係る基板処理装置の側面図である。
液供給部およびガス供給部を示すブロック図である。
第1ノズルを拡大して示す側面図である。
基板の処理の流れを示す図である。
処理途上の基板および基板処理装置の一部を示す図である。
処理途上の基板および基板処理装置の一部を示す図である。
基板の上面近傍を拡大して示す縦断面図である。
基板の上面近傍を拡大して示す縦断面図である。
基板の処理の流れを示す図である。
処理途上の基板および基板処理装置の一部を示す図である。
処理途上の基板および基板処理装置の一部を示す図である。
処理途上の基板および基板処理装置の一部を示す図である。

実施例

0026

図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す側面図である。基板処理装置1は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、上面91に微細なパターンが形成されている基板9に薬液を供給して液処理を行う。図1では、基板処理装置1の構成の一部を断面にて示す。

0027

基板処理装置1は、基板保持部2と、回転機構3と、カップ部4と、加熱部5と、液供給部6と、ガス供給部7と、チャンバ11とを備える。基板保持部2、回転機構3、カップ部4、加熱部5、液供給部6の一部、および、ガス供給部7の一部は、チャンバ11の内部空間に収容される。

0028

基板保持部2は、基板9の周縁部に直接的に接触して基板9の位置を固定するメカニカルチャックである。基板9は、水平状態にて基板保持部2により保持される。回転機構3は、基板9および基板保持部2を、上下方向を向く中心軸J1を中心として回転する。回転機構3は、例えば電動モータである。基板保持部2および回転機構3は、基板9を保持して回転させるスピンチャックを構成する。

0029

基板保持部2は、ベース部21と、保持軸部22と、複数のチャックピン23とを備える。ベース部21は、中心軸J1を中心とする略円板状の部位である。保持軸部22は、ベース部21の中央部から下方に延びる略円筒状の部位である。保持軸部22は、ベース部21の下方に設けられた略有蓋円筒状カバー部24の内部に収容されている。カバー部24の内部には、保持軸部22を回転する回転機構3も収容されている。カバー部24の直径は、例えば、ベース部21の直径と略同じである。

0030

複数のチャックピン23は、ベース部21の上面から上方に突出する。複数のチャックピン23は、中心軸J1を中心とする周方向(以下、単に「周方向」とも呼ぶ。)において、略等角度間隔に配置される。複数のチャックピン23の数は、例えば3または4である。基板9は、複数のチャックピン23により周縁部を支持されることにより、ベース部21の上方においてベース部21の上面から離間した位置に配置される。

0031

カップ部4は、カップ41と、カップ移動機構42とを備える。カップ41は、基板9および基板保持部2の周囲に間隙を挟んで配置される。カップ41は、回転中の基板9から飛散する薬液、リンス液および処理液等の液体を受ける。カップ41は、カップ側壁部43と、カップ天蓋部44とを備える。カップ側壁部43は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部位である。カップ天蓋部44は、中心軸J1を中心とする略円環状の部位である。カップ天蓋部44は、カップ側壁部43の上端部から径方向内方へと延びる。図1に示す例では、カップ天蓋部44の内側面は、径方向内方に向かうに従って漸次上方へと向かう傾斜面である。回転中の基板9の周縁部から径方向外方へと飛散した液体は、例えば、カップ41の内側面に衝突した後にカップ41の底部へと落下し、当該底部に設けられた排出ポート45を介して、チャンバ11の外部へと排出される。

0032

カップ移動機構42は、カップ41を基板保持部2に対して相対的に移動する。図1に示す例では、カップ移動機構42は、カップ41を上下方向に移動する昇降機構である。カップ移動機構42は、例えば、上下方向を向くエアシリンダと、当該エアシリンダの可動部とカップ41とを接続する接続部材とを備える。なお、カップ移動機構42は、必ずしもカップ41を移動する機構である必要はなく、基板保持部2を上下方向に移動する機構であってもよい。

0033

加熱部5は、加熱プレート51と、加熱軸部52と、プレート昇降機構53とを備える。加熱プレート51は、中心軸J1を中心とする略円板状の部位である。加熱プレート51は、基板保持部2のベース部21と基板9との間に位置し、基板9の下面92と上下方向に対向する。加熱プレート51の上面は、基板9の下面92に略平行である。加熱プレート51の上面の直径は、基板9の直径よりも僅かに小さい。例えば、基板9の直径が300mmである場合、加熱プレート51の上面の直径は294mmである。加熱プレート51の内部には、図示省略のヒータが設けられる。

0034

加熱軸部52は、加熱プレート51の中央部に接続される略円筒状の部位である。加熱軸部52は、加熱プレート51から保持軸部22の内部を通過して下方に延びる。加熱軸部52には、プレート昇降機構53が接続されている。プレート昇降機構53は、例えば、電動モータである。プレート昇降機構53により加熱軸部52が昇降されることにより、加熱プレート51がベース部21と基板9との間で上下方向に移動する。具体的には、加熱プレート51は、図1において実線にて示す位置(以下、「待機位置」と呼ぶ。)と、二点鎖線にて示す位置(以下、「加熱位置」と呼ぶ。)との間で上下方向に移動する。

0035

加熱位置に位置する加熱プレート51の上面は、基板9の下面92に直接的に接触する。あるいは、加熱位置に位置する加熱プレート51の上面は、基板9の下面92との間にごく僅かな間隙(例えば、高さ約0.1mmの間隙)を挟んで、基板9の下面92から下方に離間する。加熱位置に位置する加熱プレート51において、内蔵されているヒータに電力が供給されることにより、加熱プレート51の上面が略全面に亘っておよそ均等に加熱され、基板9も略全面に亘っておよそ均等に加熱される。上述の待機位置は、加熱位置よりも下側の位置である。待機位置に位置する加熱プレート51は、基板9の下面92から比較的大きく下方に離間しているため、基板9を加熱することはない。なお、加熱プレート51および加熱軸部52は回転しない。

0036

図2は、基板処理装置1の液供給部6およびガス供給部7を示すブロック図である。図2では、液供給部6およびガス供給部7以外の構成も併せて示す。液供給部6は、基板9に複数種類の液体を個別に供給する。当該複数種類の液体には、例えば、薬液、リンス液および処理液が含まれる。図1および図2に示すように、液供給部6は、第1ノズル61と、第2ノズル62と、第3ノズル63とを備える。第1ノズル61、第2ノズル62および第3ノズル63はそれぞれ、基板9の上方から基板9の上面91に向けて液体を供給する。ガス供給部7は、気流形成部71を備える。上述の第1ノズル61は、ガス供給部7にも含まれる。

0037

図1に示す例では、第1ノズル61は、基板9の上方(例えば、基板9の中心の上方)の処理位置と、基板9の外縁よりも径方向外側の退避位置との間で移動可能である。第1ノズル61の移動は、第1ノズル移動機構610により行われる。第1ノズル移動機構610は、例えば、第1ノズル61を支持するアームと、第1ノズル61から側方に延びる当該アームを旋回および昇降する電動モータとを備える。

0038

第2ノズル62も、第1ノズル61と同様に、基板9の上方(例えば、基板9の中心の上方)の処理位置と、基板9の外縁よりも径方向外側の退避位置との間で移動可能である。第2ノズル62の移動は、第2ノズル移動機構620により行われる。第2ノズル移動機構620は、例えば、第2ノズル62を支持するアームと、第2ノズル62から側方に延びる当該アームを旋回および昇降する電動モータとを備える。

0039

第3ノズル63は、液体の吐出口を基板9の上面91の中心に向けて、基板9の上方にて固定されている。なお、第3ノズル63は、第1ノズル61および第2ノズル62と同様に、処理位置と退避位置との間で移動可能であってもよい。

0040

図3は、第1ノズル61を拡大して示す側面図である。第1ノズル61は、ノズル本体611と、処理液流路612と、第1ガス流路613と、第2ガス流路614とを備える。ノズル本体611は、略円柱状の部材である。処理液流路612、第1ガス流路613および第2ガス流路614は、ノズル本体611の内部に形成される。

0041

処理液流路612の吐出口615は、ノズル本体611の下端面の中央部に設けられる。第1ガス流路613の第1噴出口616も、ノズル本体611の下端面の中央部に設けられる。第1ノズル61が処理位置に位置する状態では、処理液流路612の吐出口615、および、第1ガス流路613の第1噴出口616は、基板9の上面91の中央部と上下方向に対向する。

0042

第2ガス流路614は、第1噴出口616の周囲にて周状に配置される複数の小さい第2噴出口617に接続される。図1に示す例では、複数の第2噴出口617は、第1ノズル61の外側面において、上下方向の略同じ位置に略等角度間隔にて周状に配列される。複数の第2噴出口617の形状および大きさは略同じである。各第2噴出口617の側面視における形状は、例えば略円形である。各第2噴出口617の直径は、例えば、第1噴出口616の直径よりも小さく、約1mmである。

0043

第1ノズル61の処理液流路612は、図2に示す配管641およびバルブ642を介して処理液供給源64に接続される。第1ノズル61が処理位置に位置する状態で、バルブ642が開かれることにより、処理液供給源64から配管641を介して処理液流路612へと処理液が供給され、吐出口615から基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。バルブ642が閉じられることにより、第1ノズル61からの処理液の吐出は停止される。第1ノズル61は、基板9の上面91に処理液を供給する処理液供給部である。当該処理液供給部には、配管641およびバルブ642も含まれてもよい。

0044

第1ノズル61から基板9に供給される当該処理液の表面張力は、同じ温度のイソプロピルアルコール(分子式:C3H8O)(以下、「IPA」と呼ぶ。)の表面張力よりも高い。また、当該処理液の蒸気圧は、同じ温度のIPAの蒸気圧よりも高いことが好ましい。換言すれば、当該処理液の沸点は、同じ圧力下におけるIPAの沸点よりも低い。以下において、複数の液体の表面張力、蒸気圧および沸点の大小関係を説明する際には、当該複数の液体の表面張力、蒸気圧および沸点は、同じ温度かつ同じ圧力下におけるものとする。なお、IPAの常温(25℃)、常圧(100kPa)における表面張力、蒸気圧および沸点は、20.8mN/m、5.87kPaおよび82.4℃である。処理液の表面張力は、例えば純水よりも低い。また、処理液の蒸気圧は、例えば純水よりも高い。

0045

当該処理液は、好ましくは、cis−1,2−ジクロロエチレン(分子式:C2H2Cl2)、トリクロロメタン(CHCl3)、酢酸メチル(C3H6O2)、1,3−ジオキソラン(C3H6O2)、テトラヒドロフラン(C4H8O)、1,1,1−トリクロロエタン(C2H3Cl3)、テトラクロロメタン(CCl4)、ベンゼン(C6H6)、シクロヘキサン(C6H12)、アセトニトリル(C2H3N)、トリクロロエチレン(C2HCl3)、テトラヒドロピラン(C5H10O)、硝酸(HNO3)、1,2−ジクロロエタン(C2H4Cl2)、1,2−ジクロロプロパン(C3H6Cl2)、フルオロトリニトロメタン(CFN3O6)、ピロリジン(C4H9N)、アクリロニトリル(C3H3N)、および、シクロヘキセン(C6H1O)のうち、少なくとも1つの液体を含む。

0046

上述の液体群に含まれる各液体の表面張力および蒸気圧は、IPAの表面張力および蒸気圧よりも高い。なお、当該処理液は、上述の液体群のうち2つ以上の液体の混合物であってもよい。また、当該処理液は、上述の液体群のうち、1つまたは2つ以上の液体が、溶媒により希釈されたものであってもよい。

0047

第1ガス流路613(図3参照)は、配管741およびバルブ742を介してガス供給源74に接続される。第2ガス流路614(図3参照)は、配管743およびバルブ744を介してガス供給源74に接続される。第1ノズル61が処理位置に位置する状態で、バルブ742が開かれることにより、ガス供給源74から配管741を介して第1ガス流路613へとガスが供給され、第1噴出口616(図3参照)から基板9の上面91の中央部に向けて噴出される。バルブ742が閉じられることにより、第1噴出口616からのガスの噴出は停止される。また、バルブ744が開かれることにより、ガス供給源74から配管743を介して第2ガス流路614へとガスが供給され、複数の第2噴出口617(図3参照)から、基板9の上面91の中央部から周囲に向かう斜め方向(すなわち、径方向外方に向かう斜め下)に放射状に噴出される。バルブ744が閉じられることにより、第2噴出口617からのガスの噴出は停止される。

0048

上述のように、第1ノズル61は、第1噴出口616および複数の第2噴出口617を備えるガス噴出部である。当該ガス噴出部には、配管741,743およびバルブ742,744も含まれてもよい。第1ノズル61では、第1噴出口616からのガスの噴出および停止と、第2噴出口617からのガスの噴出および停止とは、個別に制御可能である。また、第1噴出口616から噴出されるガスの流量と、第2噴出口617から噴出されるガスの流量とは、個別に制御可能である。ガス供給源74から第1ノズル61へと送出されるガスは、好ましくは不活性ガス(例えば、窒素(N2)、アルゴン(Ar)または清浄ドライエア等)である。図1に示す例では、第1ノズル61の第1噴出口616および第2噴出口617から窒素が噴出される。第1ノズル61から噴出されるガスは、不活性ガス以外のガスであってもよい。

0049

第2ノズル62は、配管651およびバルブ652を介して薬液供給源65に接続される。第2ノズル62が処理位置に位置する状態で、バルブ652が開かれることにより、薬液供給源65から配管651を介して第2ノズル62へと処理液が供給され、基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。バルブ652が閉じられることにより、第2ノズル62からの薬液の吐出は停止される。薬液は、酸、アルカリ等の液体である。当該薬液は、例えば、エッチング液または洗浄液である。具体的には、当該薬液として、フッ酸、SC1(アンモニア過酸化水素水との混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素水との混合液)、または、バッファードフッ酸(フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液)等が使用される。

0050

第3ノズル63は、配管661およびバルブ662を介してリンス液供給源66に接続される。バルブ662が開かれることにより、リンス液供給源66から配管661を介して第3ノズル63へとリンス液が供給され、基板9の上面91の中央部に向けて吐出される。バルブ662が閉じられることにより、第3ノズル63からのリンス液の吐出は停止される。リンス液としては、例えば、DIW(De−ionized Water)、炭酸水オゾン水または水素水等が利用される。図1に示す例では、DIWがリンス液として利用される。

0051

図1に示すように、気流形成部71は、チャンバ11の上部(すなわち、基板保持部2およびカップ部4よりも上側の位置)に設けられるファンユニット72を備える。図1に示す例では、ファンユニット72は、チャンバ11の天蓋部に設けられる。ファンユニット72は、図2に示す配管751およびバルブ752を介して、ガス供給源74とは異なる他のガス供給源75に接続される。バルブ752が開かれることにより、ガス供給源75から配管751を介してファンユニット72へとガスが供給され、チャンバ11の内部空間において下方へと送出される。バルブ752が閉じられることにより、ファンユニット72からのガスの送出は停止される。ガス供給源75からファンユニット72へと送出されるガスは、例えば、クリーンエア(すなわち、フィルタによって濾過された空気)である。当該ガスは、例えば、窒素またはアルゴン等の不活性ガスであってもよい。図1に示す例では、ファンユニット72からクリーンエアが送出される。

0052

ファンユニット72から送出されたガスは、カップ41の上部開口を通過してカップ41内を下方へと向かい、基板9の周囲にて基板9の上側から下側へと向かう下降気流(いわゆる、ダウンフロー)を形成する。カップ41の底部に到達したガスは、排出ポート45を介して、チャンバ11の外部へと排出される。排出ポート45は、例えば、チャンバ11の外部に配置される吸引機構(図示省略)に接続されている。基板処理装置1では、当該吸引機構および排出ポート45も、下降気流を形成する気流形成部71に含まれてもよい。

0053

次に、基板処理装置1による基板9の処理の流れの一例について図4を参照しつつ説明する。基板処理装置1において基板9が処理される際には、まず、チャンバ11内に搬入された基板9が、基板保持部2により水平状態で保持される(ステップS11)。チャンバ11内には、ファンユニット72からクリーンエアが送出されており、これにより、基板9の周囲に上述の下降気流が形成される。ファンユニット72からのクリーンエアの供給は、後述するステップS15における処理液の供給停止まで継続され、当該下降気流が維持される。

0054

続いて、回転機構3による基板9の回転が開始され、所定の回転速度にて基板9が回転される。また、第2ノズル移動機構620により、第2ノズル62が処理位置へと移動される。なお、第1ノズル61は退避位置に位置している。そして、回転中の基板9に対して、第2ノズル62から薬液の供給が開始される。基板9の上面91の中央部に供給された薬液は、遠心力により径方向外方へと移動し、基板9の上面91全体に広がる。基板9の周縁部に到達した薬液は、当該周縁部から径方向外方へと飛散し、図1に示すように基板9の周囲を囲むカップ41により受けられ、排出ポート45を介してチャンバ11外へと排出される。基板9に対する薬液の供給が所定時間継続されることにより、基板9に対する薬液処理が終了する(ステップS12)。

0055

薬液処理が終了すると、基板9に対する薬液の供給が停止され、第2ノズル62が処理位置から退避位置へと移動する。また、回転中の基板9に対して、第3ノズル63からリンス液の供給が開始される。基板9の上面91の中央部に供給されたリンス液は、遠心力により径方向外方へと移動し、基板9の上面91全体に広がる。これにより、基板9の上面91上の薬液が洗い流され、基板9上から除去される。基板9の周縁部に到達したリンス液は、当該周縁部から径方向外方へと飛散し、基板9の周囲を囲むカップ41により受けられ、排出ポート45を介してチャンバ11外へと排出される。基板9に対するリンス液の供給が所定時間継続されることにより、基板9に対するリンス処理が終了する(ステップS13)。

0056

リンス処理が終了すると、基板9に対するリンス液の供給が停止される。また、第1ノズル61が退避位置から処理位置へと移動され、回転中の基板9に対して、第1ノズル61から処理液の供給が開始される。基板9の上面91の中央部に供給された処理液は、遠心力により径方向外方へと移動し、基板9の上面91全体に広がる。これにより、基板9の上面91上のリンス液が洗い流され、処理液により置換される。すなわち、当該処理液は、基板9上にてリンス液と置換される置換液である。基板9の周縁部に到達した処理液は、当該周縁部から径方向外方へと飛散し、基板9の周囲を囲むカップ41により受けられ、排出ポート45を介してチャンバ11外へと排出される。基板9に対する処理液の供給が所定時間継続されることにより、リンス液から処理液への置換処理が終了する。

0057

置換処理が終了すると、第1ノズル61からの処理液の供給が継続された状態で、回転機構3による基板9の回転速度が低減され、基板9の回転が停止される。これにより、図5に示すように、静止状態の基板9の上面91を全面に亘って覆う比較的厚い処理液の液膜93が形成される(ステップS14)。換言すれば、基板9の上面91が処理液によりパドルされた状態となる。なお、基板9の回転は必ずしも停止される必要はなく、基板9上で処理液の液膜93が好適に維持される比較的低い回転速度にて回転していてもよい。

0058

続いて、第1ノズル61から基板9への処理液の供給が停止される(ステップS15)。また、処理液の供給停止と同時に、ファンユニット72によるクリーンエアの下降気流の形成が停止される(ステップS16)。これにより、基板9上の処理液の液膜93が、下降気流により乱されることを防止することができる。なお、処理液の供給停止は、次に説明する加熱プレート51による基板9の加熱開始直前まで行われてもよい。これにより、基板9上において処理液の液膜93が好適に維持される。

0059

次に、加熱部5のプレート昇降機構53により、予め昇温されている加熱プレート51が待機位置から加熱位置へと上昇し、加熱プレート51による基板9の加熱が開始される(ステップS17)。加熱プレート51による加熱は、静止状態の基板9に対して行われる。なお、加熱プレート51による加熱は、低回転数にて回転中の基板9に対して行われてもよい。この場合、加熱プレート51は、基板9から僅かな距離だけ下方に離間している。上述のように、基板9の加熱開始時には、ファンユニット72による下降気流の形成は停止されている。また、後述するように、下降気流の形成は、基板9が所定条件まで加熱されるまで、停止されたままである。

0060

そして、加熱プレート51により基板9が下面92側から加熱されて、基板9の上面91が処理液の沸点よりも高温とされることにより、処理液の液膜93のうち基板9の上面91に接触している部分において処理液が気化する。換言すれば、処理液の液膜93の一部が、基板9の上面91上において気化する。これにより、図6に示すように、基板9の上面91と処理液の液膜93との間に、処理液の気相層94が形成される(ステップS18)。図6では、気相層94の厚さを実際よりも厚く描いている。気相層94は、基板9の上面91全体に亘って形成される。これにより、処理液の液膜93は、基板9の上面91から上方に離間し、気相層94により下方から支持される。換言すれば、処理液の液膜93は、気相層94を介して基板9の上面91上に浮遊した状態で保持される。なお、処理液の気相層94は、処理液の気相膜、蒸気膜または蒸気層とも呼ばれる。

0061

図7は、ステップS14において液膜93が形成された状態の基板9の上面91近傍を拡大して示す縦断面図である。図8は、ステップS18において気相層94が形成された状態の基板9の上面91近傍を拡大して示す縦断面図である。図7に示す状態では、基板9上に設けられた微細なパターンを構成する凸状の構造体911の間の空間が、処理液の液膜93により満たされている。また、処理液の液膜93は、構造体911の上端(すなわち、基板9の上面91)よりも上側まで存在している。換言すれば、処理液の液膜93の上面は、構造体911の上端よりも上側に位置する。

0062

上述のように、加熱プレート51により基板9が加熱されて、処理液の沸点よりも高温(例えば、当該沸点よりも10℃〜50℃高い温度)とされると、基板9に接している処理液が気化(すなわち、蒸発)して処理液の気体が発生し、図8に示すように、気相層94が形成される。気相層94は、構造体911の間の空間を満たし、さらに、構造体911の上端よりも上側まで広がる。図8に示す状態では、処理液の気相層94と液膜93との界面95(すなわち、気相層94の上面)が、構造体911の上端よりも上側に位置する。したがって、処理液の液膜93(すなわち、液状の処理液)は、構造体911から上方に離間しており、構造体911とは非接触である。

0063

基板処理装置1では、基板9の周縁部の温度が所定温度(例えば、処理液の沸点よりも10℃〜50℃高い温度)以上となるまで、ファンユニット72による下降気流の形成が停止されている。そして、基板9の加熱開始から所定時間が経過することにより、基板9の周縁部の温度が当該所定温度以上になった後に、ファンユニット72による下降気流の形成が再開される(ステップS19)。換言すれば、基板9の周縁部においても、処理液の気相層94が形成されて液膜93が構造体911から上方に離間した後に、基板9の周囲における下降気流の形成が再開される。これにより、基板9の周縁部における気相層94の形成途上で、下降気流により処理液の温度が低下して気相層94の形成が阻害されることが防止または抑制される。ステップS19では、基板9の周縁部の温度が温度センサにより測定されてもよく、基板9の温度が上記所定温度以上になるまでの加熱時間が予め測定されており、当該加熱時間の経過により、基板9の周縁部の温度が上記所定温度以上になったと判断されてもよい。

0064

基板9の上面91上に全面に亘って処理液の気相層94が形成されると、気相層94上の液膜93が基板9上から除去される(ステップS20)。ステップS20では、処理液の液膜93は、基板9上の構造体911と非接触状態を維持したまま基板9上から除去される。このため、処理液の表面張力による構造体911の倒壊を防止しつつ、基板9上から処理液を除去することができる。

0065

ステップS20における処理液の液膜93の除去は、様々な方法により行われてよい。図9は、液膜93の除去処理の流れの一例を示す図である。図9に示すステップS31〜S33では、基板9は回転されることなく静止状態である。液膜93が除去される際には、まず、上述のステップS19の後、第1ノズル61の第1噴出口616から、基板9の中央部上に位置する液膜93の中央部に向けて不活性ガス(例えば、窒素)が噴出される。これにより、図10に示すように、液膜93の中央部に比較的小さい穴96が形成され、当該穴96から基板9の上面91の一部が露出する(ステップS31)。ステップS31において、第1噴出口616から噴出される不活性ガスの流量は、比較的小さい第1流量(例えば、3リットル/分)である。

0066

基板処理装置1では、第1噴出口616から噴出される不活性ガスにより、処理液の液膜93の中央部から周囲に向かう(すなわち、径方向外方に向かう)放射状の気流が形成される。そして、当該気流により、処理液の液膜93の穴96が拡大される。穴96の拡大に伴って、液膜93を構成する処理液は径方向外方へと移動し、基板9の周縁部上の処理液が、基板9の外縁から流れ落ちて基板9上から除去される。したがって、第1ノズル61は、液膜93を基板9上から除去する液除去部である。

0067

基板処理装置1では、第1噴出口616からの不活性ガスの噴出と並行して、加熱部5の加熱プレート51による基板9の加熱も継続されている。これにより、液膜93の穴96と重なる領域において基板9の温度が速やかに上昇し、基板9に温度勾配が生じる。気相層94上の液膜93は、高温側から低温側へと(すなわち、径方向外方へと)移動するため、当該温度勾配によっても液膜93の穴96が拡大される。上述のように、穴96の拡大に伴って、基板9の周縁部上の処理液が基板9上から除去されるため、加熱部5も、上述の液除去部に含まれてよい。

0068

上述のように、基板9の周囲では、クリーンエアの下降気流の形成が再開されているため、基板9の周縁部において気相層94上に支持されている液膜93は、下降気流によっても径方向外方へと移動される。換言すれば、当該下降気流により、基板9の上面91の周縁部における処理液の径方向外方への移動(すなわち、基板9の外縁への移動)が促進される。これにより、基板9の周縁部上の処理液の除去が促進される。

0069

また、基板処理装置1では、ステップS31と並行して、あるいは、ステップS31の直後に、カップ移動機構42によりカップ41が下方へと移動され、図11に示すように、カップ41のカップ天蓋部44の内周縁が、基板保持部2のベース部21と上下方向の同じ位置に配置される。換言すれば、カップ天蓋部44の内周縁は、上下方向において、ベース部21の上面と下面との間に位置する。これにより、ベース部21とカップ41との間の間隙が縮小され、ベース部21の周囲において、カップ41の上方からカップ41の内部へと流入する下降気流の流路面積が小さくなる(ステップS32)。その結果、基板9の周囲における下降気流の流速が増大し、基板9の周縁部上の処理液の除去がさらに促進される。なお、ステップS32は、ステップS14において基板9の回転が停止された後であれば、ステップS31よりも前に行われてもよい。

0070

図10に示す第1ノズル61の第1噴出口616からの不活性ガスの噴出開始から所定時間が経過すると、第1噴出口616から噴出される不活性ガスの流量が、第1流量よりも大きい第2流量(例えば、30リットル/分)に増大される。これにより、液膜93の穴96の拡大が促進される。また、プレート昇降機構53により加熱プレート51が待機位置へと下降され、加熱プレート51による基板9の加熱が停止される。

0071

図12に示すように、処理液の液膜93の穴96がある程度まで大きくなると、第1ノズル61の第1噴出口616からの不活性ガスの噴出に加えて、複数の第2噴出口617からも不活性ガスが噴出される(ステップS33)。複数の第2噴出口617からの不活性ガスは、液膜93の中央部(すなわち、基板9の中央部)から周囲に向かう方向に放射状に噴出される。これにより、処理液の液膜93の穴96がさらに拡大され、基板9の上面91上の処理液が、基板9の外縁から流れ落ちて基板9上から除去される。また、複数の第2噴出口617からの放射状の気流により、基板9の周縁部上の処理液を効率良く径方向外方へと移動することができるため、基板9の周縁部に処理液が残存することが好適に防止または抑制される。

0072

なお、処理液の液膜93の除去において、ステップS33(すなわち、複数の第2噴出口617からの不活性ガスの噴出)は省略されてもよい。この場合であっても、ステップS31〜S32により、基板9の上面91上の処理液の液膜93が、基板9の中央部から外縁へと移動されて、基板9上から除去される。

0073

処理液の液膜93の除去(ステップS20)が終了すると、基板9の乾燥処理が行われる(ステップS21)。ステップS21では、カップ41が上昇して基板9の周囲に位置する状態で、比較的高い回転速度にて基板保持部31を回転させる。これにより、基板9上に残存している可能性がある液成分が振り切られて除去され、基板9が乾燥される。ステップS21では、第1ノズル61からの不活性ガスの噴出が継続されている。このため、カップ41から跳ね返った液滴やミストが基板9の上面91等に再付着することが防止または抑制される。

0074

乾燥処理が終了した基板9は、基板処理装置1から搬出される。基板処理装置1では、上述のステップS11〜S21の処理が、複数の基板9に対して順次行われる。

0075

以上に説明したように、基板処理装置1は、基板保持部2と、処理液供給部と、加熱部5と、液除去部とを備える。基板保持部2は、基板9を水平状態で保持する。処理液供給部(上述の例では、第1ノズル61)は、IPAよりも表面張力が高い処理液を基板9の上面91に供給することにより、基板9の上面91を全面に亘って覆う処理液の液膜93を形成する。加熱部5は、基板9を下面92側から加熱して液膜93の一部を気化させることにより、基板9の上面91と液膜93との間に気相層94を形成する。液除去部(上述の例では、第1ノズル61)は、気相層94上の液膜93を除去する。

0076

このように、IPAよりも表面張力が高い処理液で液膜93を形成することにより、IPAで液膜を形成する場合に比べて、液膜93の除去前における意図しない液膜93の破損(例えば、基板9の周縁およびチャックピン23からの処理液の流下、あるいは、液膜93と基板9との間に生成された処理液の蒸気による液膜93の亀裂等)を抑制することができる。その結果、処理液の気相層94の形成に必要な加熱時間を確保することができ、液膜93を基板9の上方へと好適に浮上させることができる。したがって、基板9上のパターンの倒壊(すなわち、上述の構造体911の倒壊)を防止または抑制しつつ基板9上から安定して液膜93を除去することができる。

0077

上述のように、当該処理液の蒸気圧は、好ましくはIPAの蒸気圧よりも高い。これにより、IPAの液膜から気相層を形成する場合に比べて、低い温度にて処理液の気相層94を形成することができる。また、加熱温度が同じであれば、IPAの液膜から気相層を形成する場合に比べて、処理液の気相層94の形成に要する時間を短くすることができる。その結果、比較的短時間で液膜93を基板9の上方へと浮上させることができる。また、基板処理装置1における基板9の処理に要する時間を短縮することもできる。

0078

当該処理液は、好ましくは、cis−1,2−ジクロロエチレン(分子式:C2H2Cl2)、トリクロロメタン(CHCl3)、酢酸メチル(C3H6O2)、1,3−ジオキソラン(C3H6O2)、テトラヒドロフラン(C4H8O)、1,1,1−トリクロロエタン(C2H3Cl3)、テトラクロロメタン(CCl4)、ベンゼン(C6H6)、シクロヘキサン(C6H12)、アセトニトリル(C2H3N)、トリクロロエチレン(C2HCl3)、テトラヒドロピラン(C5H10O)、硝酸(HNO3)、1,2−ジクロロエタン(C2H4Cl2)、1,2−ジクロロプロパン(C3H6Cl2)、フルオロトリニトロメタン(CFN3O6)、ピロリジン(C4H9N)、アクリロニトリル(C3H3N)、および、シクロヘキセン(C6H1O)のうち、少なくとも1つを含む。これにより、処理液の表面張力および蒸気圧を、IPAの表面張力および蒸気圧よりも高くすることができる。

0079

上述のように、加熱部5による基板9の加熱(ステップS17)は、処理液供給部から供給された処理液により基板9の上面91が全面に亘って覆われた(ステップS14)後に開始されることが好ましい。これにより、処理液の供給前に基板が加熱される場合や、処理液により基板の上面全体が覆われるよりも前に基板が加熱される場合に比べて、基板9上に供給される処理液の急激な温度上昇や急速な気化を抑制することができる。その結果、基板9上において処理液の液膜93を安定して好適に形成することができる。

0080

基板処理装置1では、液除去部は、液膜93の中央部に向けてガスを噴出するガス噴出部(上述の例では、第1ノズル61)を備えることが好ましい。この場合、当該ガス噴出部からのガスにより、液膜93の中央部から周囲に向かう放射状の気流を形成し、液膜93の中央部から基板9の外縁へと処理液を移動させて基板9上から除去する。これにより、基板9上からの液膜93の除去を簡素な構造で実現することができる。

0081

当該ガス噴出部は、第1噴出口616と、複数の第2噴出口617とを備えることがさらに好ましい。第1噴出口616は、液膜93の中央部に向けてガスを噴出する。複数の第2噴出口617は、第1噴出口616の周囲にて周状に配置される。複数の第2噴出口617は、液膜93の中央部から周囲に向かう方向に放射状にガスを噴出する。これにより、液膜93の中央部に形成された穴96を迅速に拡大することができる。その結果、基板9上からの液膜93の除去を容易かつ迅速に行うことができる。また、比較的小さい複数の第2噴出口617が周状に設けられることにより、円周状のスリット状噴出口が設けられる場合に比べて、第2噴出口617から噴出されるガスの流速を増大させることができる。その結果、基板9の周縁部に処理液が残存することを好適に防止または抑制することができる。

0082

好ましくは、基板処理装置1は、チャンバ11と、気流形成部71とをさらに備える。チャンバ11は、基板保持部2を内部空間に収容する。気流形成部71は、チャンバ11の上部から当該内部空間にガスを送出し、基板9の周囲にて基板9の上側から下側へと向かう下降気流を形成する。当該下降気流は、基板9上から処理液を除去する際には、基板9の上面91の周縁部における処理液の外縁への移動を促進する。これにより、基板9上からの液膜93の除去を迅速に行うことができる。

0083

さらに好ましくは、基板処理装置1は、回転機構3と、カップ41と、カップ移動機構42とをさらに備える。回転機構3は、基板保持部2を回転する。カップ41は、基板保持部2の周囲に間隙を挟んで配置される。カップ41は、回転中の基板9から飛散する液体を受ける。カップ移動機構42は、カップ41を基板保持部2に対して相対的に移動する。基板9上から処理液を除去する際には、カップ移動機構42によりカップ41が相対的に移動され、基板保持部2とカップ41との間の間隙が縮小される。これにより、基板9の周囲における上述の下降気流の流速を増大させることができる。その結果、基板9上からの液膜93の除去をさらに迅速に行うことができる。

0084

上述のように、加熱部5による基板9の加熱開始時(ステップS17)に、気流形成部71による下降気流の形成は停止されていることが好ましい。これにより、液膜93の周縁部が下降気流により冷却されることを防止することができる。例えば、下降気流の形成を停止して所定時間加熱した基板9の周縁部の温度は、下降気流の形成が停止されない場合に比べて、約10℃〜20℃高くなった。その結果、液膜93全体をおよそ均等に加熱して気相層94を好適に形成することができる。また、基板9を所望の温度まで加熱するために要する時間を短くすることができる。

0085

さらに好ましくは、気流形成部71による下降気流の形成は、加熱部5による基板9の加熱開始(ステップS17)よりも前の処理液供給部による処理液の供給停止(ステップS15)と同時に停止される(ステップS16)。これにより、基板9上に形成された処理液の液膜93の周縁部が、下降気流により乱されることを抑制することができ、液膜93を安定して保持することができる。

0086

また、気流形成部71による下降気流の形成は、基板9の周縁部の温度が所定温度以上になった後に再開される(ステップS19)ことがさらに好ましい。これにより、基板9の周縁部における気相層94の形成途上で、下降気流により処理液の温度が低下して気相層94の形成が阻害されることを防止または抑制することができる。

0087

上述の基板処理方法は、基板9を水平状態で保持する工程(ステップS11)と、IPAよりも表面張力が高い処理液を基板9の上面91に供給することにより、基板9の上面91を全面に亘って覆う処理液の液膜93を形成する工程(ステップS14)と、基板9を下面92側から加熱して液膜93の一部を気化させることにより、基板9の上面91と液膜93との間に気相層94を形成する工程(ステップS18)と、気相層94上の液膜93を除去する工程(ステップS20)とを備える。これにより、上述のように、IPAで液膜を形成する場合に比べて、液膜93の除去前における意図しない液膜93の破損を抑制することができる。その結果、処理液の気相層94の形成に必要な加熱時間を確保することができ、液膜93を基板9の上方へと好適に浮上させることができる。したがって、基板9上のパターンの倒壊を防止または抑制しつつ基板9上から安定して液膜93を除去することができる。

0088

基板処理装置1では、上述のリンス液と処理液とがなじみにくい場合等、リンス処理(ステップS13)と、基板9に対する処理液の供給(ステップS14)との間に、基板9に対するIPA供給処理が行われてもよい。具体的には、基板9のリンス処理が終了した後、回転中の基板9に対してIPAが供給され、基板9の上面91全体に広がる。これにより、基板9の上面91上のリンス液が洗い流され、IPAにより置換される。その後、基板9へのIPA供給を停止し、上述のように、回転中の基板9に対して処理液が供給される。そして、処理液が基板9の中央部から上面91全体に広がることにより、基板9の上面91上のIPAが洗い流され、処理液により置換される。

0089

このように、基板処理装置1では、基板9の上面91がIPAにより全面に亘って覆われている状態で、処理液供給部(上述の例では、第1ノズル61)から基板9の上面91に処理液が供給されてもよい。そして、基板9の上面91上のIPAが処理液により置換されることにより、処理液の液膜93が形成される。処理液とIPAとは比較的なじみやすいため、処理液を基板9になじませて、パターンの構造体911の間に容易に進入させることができる。その結果、基板9上に処理液の液膜93を好適に形成することができる。

0090

上述の処理液は、IPAよりも表面張力が高く蒸気圧が低い物質をIPAに混合した混合液であってもよい。この場合も、上記と同様に、IPAで液膜を形成する場合に比べて、液膜93の除去前における意図しない液膜93の破損を抑制することができる。また、IPAとリンス液とは比較的なじみやすいため、ステップS14におけるリンス液と処理液との置換、または、上述のようにIPA供給を行う場合はIPAと処理液との置換を、容易に行うことができる。さらに、当該物質の蒸気圧はIPAの蒸気圧よりも低いため、処理液の液膜93を加熱して気相層94を形成する際に、IPAよりも先に当該物質のみが気化して処理液の表面張力が低下することを防止することができる。当該物質として、例えば、アリルアルコール(分子式:C3H6O) 、または、1−プロパノール(C3H8O)等が利用可能である。

0091

上述の基板処理装置1および基板処理方法では、様々な変更が可能である。

0092

例えば、第1ノズル61の外側面には、複数の第2噴出口617に代えて、あるいは、複数の第2噴出口617に加えて、中央部から周囲に向かう方向に放射状にガスを噴出する周状のスリット状噴出口が設けられてもよい。また、第1ノズル61の外側面には、ガスを噴出する噴出口は設けられなくてもよい。

0093

ステップS14において基板9に供給される処理液は、上記説明で例示した液体には限定されず、IPAよりも表面張力が高い様々な液体が当該処理液として利用可能である。例えば、IPAよりも表面張力が高く、かつ、蒸気圧がIPA以下の液体が、上記処理液として利用されてもよい。

0094

ステップS16における下降気流の形成停止は、必ずしもステップS15における処理液の供給停止と同時に行われる必要はなく、ステップS15よりも前または後に行われてもよい。また、ステップS19における下降気流の形成再開は、基板9の周縁部の温度とは無関係に行われてもよい。なお、ステップS11〜S21の間、下降気流の形成は停止されず、継続されてもよい。

0095

上述のように、加熱部5による基板9の加熱開始時に、気流形成部71による下降気流の形成が停止されることにより、液膜93全体をおよそ均等に加熱して気相層94を好適に形成することができる。したがって、処理液の液膜93全体をおよそ均等に加熱して気相層94を好適に形成するという観点からは、処理液は、必ずしもIPAよりも表面張力の高い液体である必要はなく、表面張力がIPA以下の液体であってもよい。例えば、処理液は、IPAであってもよい。

0096

ステップS17における基板9の加熱は、必ずしもステップS14における液膜93の形成よりも後に開始される必要はなく、ステップS14と同時に、あるいは、ステップS14よりも前に開始されてもよい。また、基板9を加熱する加熱部5は、加熱プレート51に代えて、例えば、基板9の下面92に光を照射して基板9を加熱する加熱ランプを備えていてもよい。

0097

ステップS20における液膜93の除去では、基板保持部2とカップ41との間の間隙は必ずしも縮小される必要はないため、ステップS32は省略されてもよい。また、ステップS20では、下降気流による処理液の移動促進は、必ずしも行われなくてもよい。

0098

ステップS20では、基板9が回転されることにより、液膜93の除去が促進されてもよい。この場合、基板9を回転する回転機構3も、上述の液除去部に含まれてよい。

0099

液除去部により液膜93の除去は、他の様々な方法により行われてよい。例えば、気相層94に支持されている液膜93中に挿入されて液膜93を吸引することにより基板9上から除去する吸引ノズルが液除去部として利用されてもよい。あるいは、気相層94上に支持されている液膜93の上面に接触して液膜93を吸収するスポンジ等が液除去部として利用されてもよい。また、基板9の直径よりも長いスリット状の不活性ガス噴出口から基板9の上面91に向けて帯状に不活性ガスを噴出させつつ、当該噴出口を基板9の上方で往復移動させることにより、基板9上から液膜93が除去されてもよい。

0100

上述の基板処理装置1は、半導体基板以外に、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の平面表示装置(Flat Panel Display)に使用されるガラス基板、あるいは、他の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。また、上述の基板処理装置1は、光ディスク用基板磁気ディスク用基板光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。

0101

上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。

0102

1基板処理装置
2基板保持部
3回転機構
5 加熱部
9基板
11チャンバ
41カップ
42カップ移動機構
61 第1ノズル
71気流形成部
91 (基板の)上面
92 (基板の)下面
93液膜
94気相層
616 第1噴出口
617 第2噴出口
S11〜S21,S31〜S33 ステップ

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