図面 (/)

技術 電子ビーム装置、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法

出願人 株式会社ニコン
発明者 西根達郎村松浩二
出願日 2018年8月23日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-156628
公開日 2020年2月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-031156
状態 未査定
技術分野 電子顕微鏡(3) 電子源、イオン源 電子ビーム露光 荷電粒子線装置
主要キーワード 電子領域 点アライメント カットパターン ベローズ型 電場領域 有機LED 各発光デバイス 放出角
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

ターゲットに対して適切に電子ビーム照射することが可能な電子ビーム装置を提供する。

解決手段

電子ビーム装置は、電子ビームを射出する電子ビーム源と、電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、第1面と、ターゲット上の第2面とを共役にし、且つ射出光学系からの電子ビームをターゲットに照射する照射光学系とを備え、射出光学系の前側焦点位置が電子ビーム源に位置する。

概要

背景

近年、光を用いた露光技術(例えば、ArF光源を用いた液浸露光技術)と、荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)を用いた露光技術とを相補的に利用するコンプリメンタリリソグラフィが提案されている(例えば、特許文献1参照)。コンプリメンタリ・リソグラフィでは、光を用いた露光技術によって、単純なラインアンドスペースパターンが形成される。その後、荷電粒子ビームを用いた露光技術によって、ラインパターンの切断及びビアの形成の少なくとも一方が行われる。

コンプリメンタリ・リソグラフィに限らず、電子ビームをターゲット照射する電子ビーム装置では、ターゲットに対して適切に電子ビームを照射することが課題となる。

概要

ターゲットに対して適切に電子ビームを照射することが可能な電子ビーム装置を提供する。電子ビーム装置は、電子ビームを射出する電子ビーム源と、電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、第1面と、ターゲット上の第2面とを共役にし、且つ射出光学系からの電子ビームをターゲットに照射する照射光学系とを備え、射出光学系の前側焦点位置が電子ビーム源に位置する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

電子ビーム射出する電子ビーム源と、前記電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、前記第1面と、ターゲット上の第2面とを共役にし、且つ前記射出光学系からの電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記射出光学系の前側焦点位置が前記電子ビーム源に位置する電子ビーム装置

請求項2

前記射出光学系の後側焦点位置が前記第1面に位置する請求項1に記載の電子ビーム装置。

請求項3

前記電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する電子ビーム放出面を備える請求項1又は2に記載の電子ビーム装置。

請求項4

前記電子ビーム源は、前記電子ビーム放出面と前記射出光学系との間に配置され、前記電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記射出光学系に伝達する伝達光学系を備える請求項3に記載の電子ビーム装置。

請求項5

前記伝達光学系の後側焦点位置は前記射出光学系の前側焦点位置と一致している請求項4に記載の電子ビーム装置。

請求項6

前記伝達光学系の前側焦点位置は前記電子ビーム放出面に位置している請求項5に記載の電子ビーム装置。

請求項7

前記射出光学系及び前記伝達光学系は、前記電子ビーム放出面の像を前記第1面に形成する請求項4から6のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項8

前記照射光学系は、前記射出光学系からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャの前記開口を通過した電子ビームを前記ターゲットに照射する第2群とを備える請求項1から7のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項9

前記電子ビーム源は、前記アパーチャの前記開口と共役な位置に配置される請求項8に記載の電子ビーム装置。

請求項10

前記第2群の前側焦点位置は、前記アパーチャの位置に位置決めされる請求項8又は9に記載の電子ビーム装置。

請求項11

前記アパーチャは、前記第1群の後側焦点位置に位置決めされる請求項8から10のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項12

射出領域から電子ビームを射出する電子ビーム源と、前記電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、前記射出光学系からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャを通過した電子ビームをターゲットに照射する第2群とを備え、前記第1面と、前記ターゲット上の第2面とを共役にする照射光学系とを備え、前記射出光学系は、前記射出領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置。

請求項13

前記射出光学系は、前記射出領域内の中心から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口の中心を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する請求項12に記載の電子ビーム装置。

請求項14

前記射出光学系及び前記第1群は、前記射出領域の像を前記アパーチャの前記開口に形成する請求項12又は13に記載の電子ビーム装置。

請求項15

前記電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する電子ビーム放出面と、前記電子ビーム放出面と前記射出光学系との間に配置され、前記電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記射出光学系に伝達する伝達光学系とを備える請求項12から14のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項16

前記射出光学系及び前記伝達光学系は、前記電子ビーム放出面の像を前記第1面に形成する請求項15に記載の電子ビーム装置。

請求項17

前記電子ビーム放出面上の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームは、前記アパーチャの前記開口内の互いに異なる位置を通過する請求項15又は16に記載の電子ビーム装置。

請求項18

電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第1面上の第1位置に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第1面上の前記第1位置とは異なる第2位置に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2位置をそれぞれ通過した前記第1及び第2の電子ビーム源からの複数の前記電子ビームを、前記第1面と共役な第2面に表面が位置決めされたターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置決めされ、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置決めされる電子ビーム装置。

請求項19

前記第1光学系の後側焦点位置が前記第1面に位置し、前記第2光学系の後側焦点位置が前記第1面に位置する請求項18に記載の電子ビーム装置。

請求項20

前記第1及び第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1及び第2電子ビーム放出面をそれぞれ備える請求項18又は19に記載の電子ビーム装置。

請求項21

前記第1の電子ビーム源は、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に向けて射出する第3光学系を備え、前記第2の電子ビーム源は、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に向けて射出する第4光学系を備える請求項20に記載の電子ビーム装置。

請求項22

前記第3光学系の後側焦点位置は前記第1光学系の前側焦点位置と一致しており、前記第4光学系の後側焦点位置は前記第2光学系の前側焦点位置と一致している請求項21に記載の電子ビーム装置。

請求項23

前記第3光学系の前側焦点位置は前記電子ビーム放出面に位置しており、前記第4光学系の前側焦点位置は前記電子ビーム放出面に位置している請求項21又は22に記載の電子ビーム装置。

請求項24

前記第1及び第3光学系は、前記第1電子ビーム放出面の像を前記第1面上の前記第1位置に形成し、前記第2及び第4光学系は、前記第2電子ビーム放出面の像を前記第1面上の前記第2位置に形成する請求項21から23のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項25

前記照射光学系は、前記第1及び第2光学系のそれぞれからの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャの前記開口を通過した電子ビームを前記ターゲットに照射する第2群とを備える請求項18から24のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項26

前記第1の電子ビーム源は、電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面と、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に向けて射出する第3光学系とを備え、前記第2の電子ビーム源は、電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面と、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に向けて射出する第4光学系とを備え、前記第1及び第3光学系と前記第1群とは、前記第1の電子ビーム源を前記アパーチャの前記開口と共役にし、前記第2及び第4光学系と前記第1群とは、前記第2の電子ビーム源を前記アパーチャの前記開口と共役にする請求項25に記載の電子ビーム装置。

請求項27

前記第2群の前側焦点位置は、前記アパーチャの位置に位置決めされる請求項25又は26に記載の電子ビーム装置。

請求項28

前記アパーチャは、前記第1群の後側焦点位置に位置決めされる請求項25から27のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項29

第1面上の第1位置に配置され、電子ビームを放出する第1の電子ビーム源と、前記第1面上で前記第1位置から離れた第2位置に配置され、電子ビームを放出する第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第2面に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第2面に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2光学系をそれぞれ介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの複数の前記電子ビームを、前記第2面と共役な第3面に表面が位置決めされたターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記第1位置と前記第2位置との距離は、照射光学系の視野の大きさよりも小さく、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置決めされ、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置決めされる電子ビーム装置。

請求項30

第1面上の第1位置に位置する第1領域から電子ビームを放出する第1の電子ビーム源と、前記第1面上で前記第1位置から離れた第2位置に位置する第2領域から電子ビームを放出する第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第2面に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第2面に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2光学系からの複数の前記電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの前記複数の電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャを通過した前記複数の電子ビームをターゲットに照射する第2群とを備え、前記第2面と、ターゲット上の第3面とを共役にする照射光学系とを備え、前記第1位置と前記第2位置との距離は、照射光学系の視野の大きさよりも小さく、前記第1光学系は、前記第1領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置。

請求項31

電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射し、且つ前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置し、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置する電子ビーム装置。

請求項32

前記照射光学系は、前記照射光学系の物体面と前記ターゲットの表面とを共役にする請求項31に記載の電子ビーム装置。

請求項33

前記第1光学系の後側焦点位置が前記物体面に位置し、前記第2光学系の後側焦点位置が前記物体面に位置する請求項32に記載の電子ビーム装置。

請求項34

前記照射光学系は両側テレセントリック光学系である請求項32又は33に記載の電子ビーム装置。

請求項35

前記照射光学系は、前記第1及び第2光学系からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群の後側焦点位置に位置決めされ、前記第1群からの電子ビームが通過するアパーチャと、前側焦点位置が前記アパーチャの位置に位置決めされ、前記アパーチャを通過した電子ビームを前記ターゲットに照射する第2群とを備える請求項32から34のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項36

前記第1及び第2の電子ビーム源は、前記アパーチャと共役な位置に配置される請求項35に記載の電子ビーム装置。

請求項37

前記第1および第2光学系は、前記第1および第2の電子ビーム源からの電子ビームで前記物体面をケーラー照明する請求項32から36のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項38

前記第1の電子ビーム源上の第1位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第1光学系を介した後に互いに平行に前記物体面に入射し、前記第2の電子ビーム源上の第2位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第2光学系を介した後に互いに平行に前記物体面に入射する請求項32から37のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項39

前記第1の電子ビーム源上の前記第1位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第1光学系を介した後に前記第1光学系の光軸に平行となり、前記第2の電子ビーム源上の前記第2位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第2光学系を介した後に前記第2光学系の光軸に平行となる請求項38に記載の電子ビーム装置。

請求項40

前記第1光学系を介した前記第1の電子ビーム源上の前記第1位置からの前記複数の電子ビームと、前記第2光学系を介した前記第2の電子ビーム源上の前記第2位置からの前記複数の電子ビームとは、前記照射光学系の光軸に平行となる請求項38又は39に記載の電子ビーム装置。

請求項41

前記第1光学系を介した前記第1の電子ビーム源上の前記第1位置からの前記複数の電子ビームと、前記第2光学系を介した前記第2の電子ビーム源上の前記第2位置からの前記複数の電子ビームとは、前記第1及び第2光学系の光軸に交差する請求項38に記載の電子ビーム装置。

請求項42

前記第1光学系を介した前記第1の電子ビーム源上の前記第1位置からの前記複数の電子ビームと、前記第2光学系を介した前記第2の電子ビーム源上の前記第2位置からの前記複数の電子ビームとは、前記照射光学系の光軸に交差する請求項38又は41に記載の電子ビーム装置。

請求項43

前記照射光学系は、前記ターゲット側においてテレセントリック片側テレセントリック光学系である請求項38、41又は42に記載の電子ビーム装置。

請求項44

前記第1の電子ビーム源上の前記第1位置と異なる第3位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第1光学系を介した後に互いに平行に前記物体面に入射し、前記第2の電子ビーム源上の前記第2位置と異なる第4位置から互いに異なる方向に向けて放出される複数の電子ビームは、前記第2光学系を介した後に互いに平行に前記物体面に入射する請求項38に記載の電子ビーム装置。

請求項45

前記第1及び第2光学系は、前記電子ビームを収束可能な光学素子を含む請求項29から44のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項46

前記第1の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面を備え、前記第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第2電子ビーム放出面を備える請求項29から45のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項47

前記第1の電子ビーム源は、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に伝達する第3光学系を備え、前記第2の電子ビーム源は、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に伝達する第4光学系を備える請求項46に記載の電子ビーム装置。

請求項48

前記第3光学系の後側焦点位置は前記第1光学系の前側焦点位置と一致しており、前記第4光学系の後側焦点位置は前記第2光学系の前側焦点位置と一致している請求項47に記載の電子ビーム装置。

請求項49

前記第3光学系の前側焦点位置は前記第1電子ビーム放出面に位置しており、前記第4光学系の前側焦点位置は前記第2電子ビーム放出面に位置している請求項47又は48に記載の電子ビーム装置。

請求項50

前記照射光学系は、前記照射光学系の物体面と前記ターゲットの表面とを共役にし、前記第1及び第3光学系は、前記第1電子ビーム放出面の像を前記物体面に形成し、前記第2及び第4光学系は、前記第2電子ビーム放出面の像を前記物体面に形成する請求項47から49のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項51

前記第3及び第4光学系は、前記電子ビームを収束可能な光学素子を含む請求項47から50のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項52

前記光学素子は、電磁相互作用を利用して前記電子ビームを収束可能な電子レンズを含む請求項45又は51に記載の電子ビーム装置。

請求項53

前記光学素子は、回折を利用して前記電子ビームを収束可能な回折素子を含む請求項45、51又は52に記載の電子ビーム装置。

請求項54

電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射し、且つ前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置する第1電子光学部材と、前側焦点位置が前記第1電子光学部材の後側焦点位置に位置する第2電子光学部材とを備え、前記第2光学系は、前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置する第3電子光学部材と、前側焦点位置が前記第3電子光学部材の後側焦点位置に位置する第4電子光学部材とを備える電子ビーム装置。

請求項55

前記照射光学系は、前記照射光学系の物体面と前記ターゲットの表面とを共役にする請求項54に記載の電子ビーム装置。

請求項56

前記第3電子光学部材の後側焦点位置が前記物体面に位置し、前記第4電子光学部材の後側焦点位置が前記照射光学系の前記物体面に位置する請求項55に記載の電子ビーム装置。

請求項57

前記照射光学系は両側テレセントリック光学系である請求項55又は56に記載の電子ビーム装置。

請求項58

前記第1から第4電子光学部材のそれぞれは、前記電子ビームを収束可能な光学素子を含む請求項54から57のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項59

前記光学素子は、電磁相互作用を利用して前記電子ビームを収束可能な電子レンズを含む請求項58に記載の電子ビーム装置。

請求項60

前記光学素子は、回折を利用して前記電子ビームを収束可能な回折素子を含む請求項58又は59に記載の電子ビーム装置。

請求項61

第1及び第2領域から電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1及び第2の電子ビーム源からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群を介した電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記第1群及び前記アパーチャを介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射する第2群とを有する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前記第1領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置。

請求項62

前記第1領域内の前記1点からの前記複数の電子ビームが前記開口内を通過する位置と、前記第2領域内の前記1点からの前記複数の電子ビームが前記開口内を通過する位置とは一致している請求項61に記載の電子ビーム装置。

請求項63

前記第1領域内の前記1点は、前記第1領域の中心であり、前記第2領域内の前記1点は、前記第2領域の中心である請求項61又は62に記載の電子ビーム装置。

請求項64

前記第1の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面を備え、前記第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第2電子ビーム放出面を備え、前記第1領域は前記第1電子ビーム放出面であり、前記第2領域は前記第2電子ビーム放出面である請求項61から63のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項65

前記第1の電子ビーム源は、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に伝達する第3光学系を備え、前記第2の電子ビーム源は、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に伝達する第4光学系を備える請求項64に記載の電子ビーム装置。

請求項66

前記第1及び第2光学系がそれぞれ射出する前記第1及び第2領域の中心からの前記複数の電子ビームの進行方向が揃う請求項61から65のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項67

前記第1及び第2光学系は、それぞれの光軸と平行に前記第1及び第2領域の中心からの前記複数の電子ビームを射出する請求項61から66のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項68

前記照射光学系は、前記第1及び第2電子ビーム源側並びに前記ターゲット側の双方においてテレセントリックな両側テレセントリック光学系である請求項61から67のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項69

前記第1光学系が射出する前記第1領域の中心からの前記電子ビームの進行方向は、前記第2光学系が射出する前記第2領域の中心からの前記電子ビームの進行方向と異なる請求項61から65のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項70

前記第1光学系が放出する前記第1領域の中心からの前記電子ビームの進行方向は、前記第1光学系の光軸に非平行であり、前記第2光学系が放出する前記第2領域の中心からの前記電子ビームの進行方向は、前記第2光学系の光軸に平行である請求項69に記載の電子ビーム装置。

請求項71

前記第1光学系が放出する前記第1領域の中心からの前記電子ビームの進行方向は、前記第1光学系の光軸に非平行であり、前記第2光学系が放出する前記第2領域の中心からの前記電子ビームの進行方向は、前記第2光学系の光軸に非平行である請求項69に記載の電子ビーム装置。

請求項72

前記照射光学系は、前記ターゲット側においてテレセントリックな片側テレセントリック光学系である請求項69から71のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項73

前記第1光学系は、前記電子ビームを収束可能な光学素子を含み、前記光学素子の位置を変更可能である請求項69から72のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項74

前記第1光学系の光軸に交差する方向に沿って、前記光学素子の位置を変更可能である請求項73に記載の電子ビーム装置。

請求項75

前記第1光学系から放出される前記電子ビームが、前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記光学素子の位置を変更する請求項73又は74に記載の電子ビーム装置。

請求項76

前記第1の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面と、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に伝達する第3光学系とを備え、前記第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第2電子ビーム放出面と、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に伝達する第4光学系とを備え、前記第1及び第3光学系のうち少なくとも一方は、前記電子ビームを収束可能な光学素子を含み、前記光学素子の位置を変更可能である請求項69から75のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項77

前記第1光学系は、前記電子ビームに作用する電場領域又は磁場領域を形成可能な光学素子を含み、前記光学素子が電場領域又は磁場領域を形成する位置を変更可能である請求項69から76のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項78

前記第1光学系の光軸に交差する方向に沿って、前記光学素子が電場領域又は磁場領域を形成する位置を変更可能である請求項77に記載の電子ビーム装置。

請求項79

前記第1光学系から放出される前記電子ビームが、前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記光学素子が電場領域又は磁場領域を形成する位置を変更する請求項77又は78に記載の電子ビーム装置。

請求項80

前記第1の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面と、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に伝達する第3光学系とを備え、前記第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第2電子ビーム放出面と、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に伝達する第4光学系とを備え、前記第1及び第3光学系のうち少なくとも一方は、前記電子ビームに作用する電場領域又は磁場領域を形成可能な光学素子を含み、前記第1及び第3光学系のうちの少なくとも一方が備える前記光学素子が電場領域又は磁場領域を形成する位置を変更可能である請求項69から79のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項81

第1及び第2領域から電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1及び第2の電子ビーム源からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群を介した電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記第1群及び前記アパーチャを介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前記第1領域上の第1位置からの電子ビームと、前記第1領域上の前記第1位置と異なる第2位置からの電子ビームとが前記照射光学系の前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記第1及び第2位置からの電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域上の第3位置からの電子ビームと、前記第2領域上の前記第3位置と異なる第4位置からの電子ビームとが前記照射光学系の前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記第3及び第4位置からの電子ビームを射出する電子ビーム装置。

請求項82

前記第1の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第1電子ビーム放出面と、前記第1電子ビーム放出面と前記第1光学系との間に配置され、前記第1電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第1光学系に伝達する第3光学系とを備え、前記第2の電子ビーム源は、前記電子ビームを放出する第2電子ビーム放出面と、前記第2電子ビーム放出面と前記第2光学系との間に配置され、前記第2電子ビーム放出面からの前記電子ビームを前記第2光学系に伝達する第4光学系とを備える請求項81に記載の電子ビーム装置。

請求項83

前記電子ビーム源は、入射する光を光電変換して電子を射出する光電変換面を備える請求項1から17のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項84

前記第1及び第2の電子ビーム源は、入射する光を光電変換して電子を射出する光電変換面を備える請求項18から82のいずれか一項に記載の電子ビーム装置。

請求項85

前記第1の電子ビーム源は、前記光電変換面上の第1位置に位置し、前記第2の電子ビーム源は、前記光電変換面上で前記第1位置と異なる第2位置に位置する請求項80に記載の電子ビーム装置。

請求項86

請求項1から85のいずれか一項に記載の電子ビーム装置を備える露光装置

請求項87

前記電子ビーム装置を複数備える請求項82に記載の露光装置。

請求項88

前記電子ビーム装置からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射して前記ターゲットを露光する請求項86又は87に記載の露光装置。

請求項89

請求項1から85のいずれか一項に記載の電子ビーム装置からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射して前記ターゲットを露光する露光方法

請求項90

リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程は、ターゲット上にラインアンドスペースパターンを形成することと、請求項89に記載の露光方法を用いて、前記ラインアンドスペースパターンを構成するラインパターンの切断を行うこととを含むデバイス製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば、電子ビームターゲット照射する電子ビーム装置、電子ビームを用いてターゲットを露光する露光装置及び露光方法、並びに、電子ビームを用いてデバイスを製造するデバイス製造方法の技術分野に関する。

背景技術

0002

近年、光を用いた露光技術(例えば、ArF光源を用いた液浸露光技術)と、荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)を用いた露光技術とを相補的に利用するコンプリメンタリリソグラフィが提案されている(例えば、特許文献1参照)。コンプリメンタリ・リソグラフィでは、光を用いた露光技術によって、単純なラインアンドスペースパターンが形成される。その後、荷電粒子ビームを用いた露光技術によって、ラインパターンの切断及びビアの形成の少なくとも一方が行われる。

0003

コンプリメンタリ・リソグラフィに限らず、電子ビームをターゲットに照射する電子ビーム装置では、ターゲットに対して適切に電子ビームを照射することが課題となる。

先行技術

0004

米国特許出願公開第2015/0200074号明細書

0005

第1の態様によれば、電子ビームを射出する電子ビーム源と、前記電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、前記第1面と、ターゲット上の第2面とを共役にし、且つ前記射出光学系からの電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記射出光学系の前側焦点位置が前記電子ビーム源に位置する電子ビーム装置が提供される。

0006

第2の態様によれば、射出領域から電子ビームを射出する電子ビーム源と、前記電子ビーム源からの電子ビームを第1面に向けて射出する射出光学系と、前記射出光学系からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャを通過した電子ビームをターゲットに照射する第2群とを備え、前記第1面と、前記ターゲット上の第2面とを共役にする照射光学系とを備え、前記射出光学系は、前記射出領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置が提供される。

0007

第3の態様によれば、電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第1面上の第1位置に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第1面上の前記第1位置とは異なる第2位置に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2位置をそれぞれ通過した前記第1及び第2の電子ビーム源からの複数の前記電子ビームを、前記第1面と共役な第2面に表面が位置決めされたターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置決めされ、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置決めされる電子ビーム装置が提供される。

0008

第4の態様によれば、第1面上の第1位置に配置され、電子ビームを放出する第1の電子ビーム源と、前記第1面上で前記第1位置から離れた第2位置に配置され、電子ビームを放出する第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第2面に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第2面に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2光学系をそれぞれ介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの複数の前記電子ビームを、前記第2面と共役な第3面に表面が位置決めされたターゲットに照射する照射光学系とを備え、前記第1位置と前記第2位置との距離は、照射光学系の視野の大きさよりも小さく、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置決めされ、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置決めされる電子ビーム装置が提供される。

0009

第5の態様によれば、第1面上の第1位置に位置する第1領域から電子ビームを放出する第1の電子ビーム源と、前記第1面上で前記第1位置から離れた第2位置に位置する第2領域から電子ビームを放出する第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを第2面に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記第2面に向けて射出する第2光学系と、前記第1及び第2光学系からの複数の前記電子ビームが入射する第1群と、前記第1群からの前記複数の電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記アパーチャを通過した前記複数の電子ビームをターゲットに照射する第2群とを備え、前記第2面と、ターゲット上の第3面とを共役にする照射光学系とを備え、前記第1位置と前記第2位置との距離は、照射光学系の視野の大きさよりも小さく、前記第1光学系は、前記第1領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置が提供される。

0010

第6の態様によれば、電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射し、且つ前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系の前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置し、前記第2光学系の前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置する電子ビーム装置が提供される。

0011

第7の態様によれば、電子ビームを放出する第1および第2の電子ビーム源と、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射し、且つ前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前側焦点位置が前記第1の電子ビーム源に位置する第1電子光学部材と、前側焦点位置が前記第1電子光学部材の後側焦点位置に位置する第2電子光学部材とを備え、前記第2光学系は、前側焦点位置が前記第2の電子ビーム源に位置する第3電子光学部材と、前側焦点位置が前記第3電子光学部材の後側焦点位置に位置する第4電子光学部材とを備える電子ビーム装置が提供される。

0012

第8の態様によれば、第1及び第2領域から電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1及び第2の電子ビーム源からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群を介した電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記第1群及び前記アパーチャを介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射する第2群とを有する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前記第1領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域内の1点から互いに異なる方向に放出される複数の電子ビームが前記アパーチャの前記開口内を通過するように、前記複数の電子ビームを射出する電子ビーム装置が提供される。

0013

第9の態様によれば、第1及び第2領域から電子ビームを放出する第1及び第2の電子ビーム源と、前記第1及び第2の電子ビーム源からの電子ビームが入射する第1群と、前記第1群を介した電子ビームが通過する開口を備えるアパーチャと、前記第1群及び前記アパーチャを介した前記第1及び第2の電子ビーム源からの前記電子ビームをターゲットに照射する照射光学系と、前記第1の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第1の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第1光学系と、前記第2の電子ビーム源と前記照射光学系との間に配置され、前記第2の電子ビーム源からの前記電子ビームを前記照射光学系に向けて射出する第2光学系とを備え、前記第1光学系は、前記第1領域上の第1位置からの電子ビームと、前記第1領域上の前記第1位置と異なる第2位置からの電子ビームとが前記照射光学系の前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記第1及び第2位置からの電子ビームを射出し、前記第2光学系は、前記第2領域上の第3位置からの電子ビームと、前記第2領域上の前記第3位置と異なる第4位置からの電子ビームとが前記照射光学系の前記アパーチャの前記開口を通過するように、前記第3及び第4位置からの電子ビームを射出する電子ビーム装置が提供される。

0014

第10の態様によれば、上述した第1の態様から第9の態様によって提供される電子ビーム装置を備える露光装置が提供される。

0015

第11の態様によれば、上述した第1の態様から第9の態様のいずれかによって提供される電子ビーム装置からの前記電子ビームを前記ターゲットに照射する露光方法が提供される。

0016

第12の態様によれば、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程は、ターゲット上にラインアンドスペースパターンを形成することと、上述した第11の態様によって提供される露光方法を用いて、前記ラインアンドスペースパターンを構成するラインパターンの切断を行うこととを含むデバイス製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0017

図1は、第1実施形態の露光装置の構造を示す断面図である。
図2は、第1実施形態の露光装置における制御系ブロック構造を示すブロック図である。
図3(a)は、電子ビーム生成装置の第1の構造を示す断面図であり、図3(b)は、電子ビーム生成装置の第2の構造を示す断面図である。
図4は、電子ビーム光学系の構造を示す断面図である。
図5は、複数の射出光学系と複数の電子ビームとの対応関係を示す断面図である。
図6は、複数の射出光学系と複数の電子ビームとの対応関係を示す断面図である。
図7は、射出光学系を示す断面図である。
図8は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの伝搬経路を示す断面図である。
図9は、電子放出領域の断面形状及び二次光源面の断面形状を示す平面図である。
図10(a)から図10(c)のそれぞれは、電子放出領域のある電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線の伝搬経路を示す断面図である。
図11は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの中心線の伝搬経路を示す断面図である。
図12は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域からそれぞれ放出される複数の電子ビームが、複数の射出光学系をそれぞれ介してウェハに照射される様子を示す断面図である。
図13は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの中心線の伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域からそれぞれ放出される複数の電子ビームが、複数の射出光学系をそれぞれ介してウェハに照射される様子を示す断面図である。
図14は、第2実施形態の電子ビーム装置の第1の構造を示す断面図である。
図15は、第2実施形態の電子ビーム装置の第2の構造を示す断面図である。
図16は、伝達光学系及び射出光学系を示す断面図である。
図17は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの中心線の伝搬経路を示す断面図である。
図18は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの伝搬経路を示す断面図である。
図19は、電子放出領域の断面形状及び二次光源面の断面形状を示す平面図である。
図20は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの中心線の伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域からそれぞれ放出される複数の電子ビームが、複数の伝達光学系及び複数の射出光学系をそれぞれ介してウェハに照射される様子を示す断面図である。
図21は、電子放出領域の複数の電子放出部から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームの伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域からそれぞれ放出される複数の電子ビームが、複数の伝達光学系及び複数の射出光学系をそれぞれ介してウェハに照射される様子を示す断面図である。
図22は、第2実施形態の電子ビーム装置の第1変形例の構造を示す断面図である。
図23は、第2実施形態の電子ビーム装置の第2変形例の構造を示す断面図である。
図24は、第3実施形態の電子ビーム装置の構造を示す断面図である。
図25は、第3実施形態の露光装置の制御系のブロック構造を示すブロック図である。
図26(a)は、射出光学系の光軸に対して平行な方向に進行する電子ビームを射出光学系が射出する様子を示す断面図であり、図26(b)は、図26(a)に示す伝達光学系が備えるマイクロレンズの位置が変わることで、伝達光学系及び射出光学系から構成される光学系の状態が、射出光学系の光軸に対して平行な方向に進行する電子ビームを射出する状態から、射出光学系の光軸に対して非平行な方向に進行する電子ビームを射出する状態へと変わる様子を示す断面図である。
図27は、デバイス製造方法の流れを示すフローチャートである。

実施例

0018

以下、図面を参照しながら、電子ビーム装置、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法の実施形態について説明する。以下では、電子ビームEBをウェハWに照射して当該ウェハWを露光する露光装置(つまり、電子ビーム露光装置)EXを用いて、電子ビーム装置、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法の実施形態を説明する。露光装置EX1は、例えば、コンプリメンタリ・リソグラフィに用いられる。

0019

また、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、露光装置EXを構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。尚、Z軸方向は、露光装置EX1が備える後述の複数の電子ビーム光学系8のそれぞれの光軸AXに平行な方向でもある。更に、Y軸方向は、Z軸に垂直な平面内で後述する露光時にウェハWが移動する走査方向である。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。

0020

(1)第1実施形態の露光装置EX1
(1−1)第1実施形態の露光装置EX1の構造
(1−1−1)露光装置EX1の全体構造
初めに、図1及び図2を参照しながら、第1実施形態の露光装置EX1の全体構造について説明する。図1は、第1実施形態の露光装置EX1の全体構造を示す断面図である。図2は、第1実施形態の露光装置EX1における制御系のブロック構造を示すブロック図である。

0021

図1及び図2に示すように、露光装置EX1は、ステージチャンバ1(但し、図2では不図示)と、ステージシステム2と、光学システム3と、制御装置4(但し、図1では不図示)とを備える。

0022

ステージチャンバ1は、その内部に形成される露光室14を真空引き可能な真空チャンバである。尚、図1では、図面の簡略化のために、ステージチャンバ1のX軸方向の両端部の図示が省略されている。ステージチャンバ1は、図1に示すように、底壁11と、側壁12と、フレーム13とを備える。底壁11と側壁12とフレーム13とによって囲まれた空間が、露光室14となる。

0023

底壁11は、床面F上に配置されている。底壁11は、例えば、XY平面に平行な壁状(或いは、板状)の部材である。底壁11は、ステージチャンバ1の底部を構成する部材である。

0024

側壁12は、底壁11上に形成されている。側壁12は、例えば、底壁11の外縁に沿って底壁11を取り囲むように形成されている。側壁12は、例えば、XY平面に交差する筒状(例えば、円筒状、或いは角筒状)の部材である。

0025

フレーム13は、側壁12上に形成されている。この場合、側壁12は、フレーム13を下方から支持している。フレーム13は、例えば、XY平面に平行な板状の部材である。フレーム13は、ステージチャンバ1の天井壁(つまり、上壁)を構成する部材である。フレーム13には、円形の(或いは、その他の形状の)開口131が形成されている。開口131内には、光学システム3(特に、光学システム3が備える筐体6)が配置されている。具体的には、筐体6は、筐体6の上端部に、他の部分よりも外側に突き出たフランジ部611を備えている。フランジ部611の下面は、光学システム3が上方から開口131に挿入された状態において、フレーム13の上面に接触する。その結果、フランジ部611は、フレーム13によって下方から支持される。つまり、光学システム3は、フランジ部611を介して、フレーム13によって支持される。尚、開口131の内周面と筐体6の外周面との間は、シール部材によってシールされていてもよい。

0026

ステージシステム2は、ステージチャンバ1の内部の露光室14に配置される。ステージシステム2は、ステージチャンバ1の底壁11上に配置される。ステージシステム2は、図1及び図2に示すように、定盤21(但し、図2では不図示)と、ウェハステージ22(但し、図2では不図示)と、ステージ駆動系23(但し、図1では不図示)と、位置計測装置24(但し、図1では不図示)とを備える。

0027

定盤21は、底壁11上に配置される。定盤21は、複数の防振装置25を介して底壁11によって下方から支持されている。

0028

ウェハステージ22は、ウェハWを保持可能である。ウェハステージ22は、保持したウェハWをリリース可能である。ウェハWを保持するために、ウェハステージ22は、ウェハWを吸着可能な静電チャックを備えていてもよい。

0029

ウェハステージ22は、定盤21上に配置される。ウェハステージ22は、重量キャンセル装置26を介して定盤21によって下方から支持されている。重量キャンセル装置26は、例えば、金属製のベローズ型空気バネ261と、板状のベーススライダ262とを備える。空気ばね261の上端は、ウェハステージ22の下面に接続されている。空気ばね261の下端は、ベーススライダ262に接続されている。ベーススライダ262には、空気ばね261内部の空気を定盤22上に噴出する不図示の軸受部が形成されている。加圧空気を噴出する軸受部と定盤22の上面との間における静圧(つまり、隙間内圧力)により、重量キャンセル装置26、ウェハステージ22及びウェハWの自重が支持されている。尚、ベーススライダ262は、例えば差動排気型の空気静圧軸受を介して定盤22上に非接触で支持される。

0030

ウェハWは、例えば、半導体デバイスを製造するための半導体基板である。一例として、ウェハWは、電子線レジストが塗布された直径300mmの円形の半導体基板である。もちろん、ウェハWは、半導体基板に限らず、電子ビームEBの照射対象となり得る限りは、どのような基板であってもよい。

0031

ステージ駆動系23は、制御装置4の制御下でウェハステージ22を移動させるための駆動系である。ステージ駆動系23は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿ってウェハステージ22を移動させる。例えば、ステージ駆動系23は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿って、所定のストローク(例えば、50mmのストローク)でウェハステージ22を移動させてもよい。ステージ駆動系23は、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に加えて又は代えて、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってウェハステージ22を移動させてもよい。この場合、ステージ駆動系23は、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方においてウェハステージ22が移動するストロークよりも短いストロークで、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってウェハステージ22を移動させてもよい。ステージ駆動系23は、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってウェハステージ22を微動させてもよい。ウェハステージ22を移動させるために、ステージ駆動系23は、モータ(例えば、ムービングマグネット型のモータ又は超音波モータ)を備えていてもよい。尚、ステージ駆動系23がモータを備える場合、モータからの磁束漏れに起因する磁場変動(特に、ウェハWの上方の空間における磁場変動)が電子ビームEBの位置決めに与える影響は、無視できるレベルである。

0032

位置計測装置24は、ウェハステージ22の位置を計測するための計測装置である。具体的には、位置計測装置24は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおけるウェハステージ22の位置を計測可能である。位置計測装置24は、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方におけるウェハステージ22の位置に加えて又は代えて、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つにおけるウェハステージ22の位置を計測可能であってもよい。ウェハステージ22の位置を計測するために、位置計測装置24は、例えば、エンコーダ及びレーザ干渉計のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。位置計測装置24の計測結果は、制御装置4に出力される。

0033

光学システム3は、ステージシステム2の上方(特に、ウェハステージ22の上方)に配置されている。光学システム3は、ステージシステム2がウェハWを保持している状態でウェハWに対向可能な位置に配置されている。光学システム3は、図1に示すように、複数の(例えば、45個の)電子ビーム装置5と、筐体6とを備える。

0034

各電子ビーム装置5は、電子ビームEBを射出可能である。以下の説明では、各電子ビーム装置5は、複数の電子ビームEBを射出可能である例を用いて説明を進める。つまり、以下の説明では、各電子ビーム装置5が、複数の電子ビームEBを用いてウェハWを露光するマルチビーム型の電子ビーム装置である例を用いて説明を進める。電子ビーム装置5は、射出した複数の電子ビームEBをウェハWに照射可能である。

0035

複数の電子ビームEBをウェハWに照射するために、電子ビーム装置5は、図1及び図2に示すように、電子ビーム生成装置7と、電子ビーム光学系8とを備える。電子ビーム生成装置7は、制御装置4の制御下で、複数の電子ビームEBを生成可能である。電子ビーム光学系8は、制御装置4の制御下で、電子ビーム生成装置7が生成した複数の電子ビームEBがウェハWに照射されるように、複数の電子ビームEBをウェハWに向けて射出する。尚、電子ビーム生成装置7及び電子ビーム光学系8のそれぞれの構造については、図3及び図4を参照しながら後に詳述するため、ここでの説明を省略する。

0036

筐体6は、ベースプレート61と、周壁部62と、クーリングプレート63とを備える。ベースプレート61は、例えば、XY平面に平行な板状の部材である。ベースプレート61は、筐体6の天井壁(つまり、上壁)を構成する部材である。尚、ベースプレート61は、その外縁に、上述したフランジ部611を備えている。周壁部62は、ベースプレート61の外縁に沿ってベースプレート61を取り囲むように形成されている。周壁部62の上端は、ベースプレート61の下面に接続されている。周壁部62は、例えば、XY平面に交差する円筒状(或いは、角筒状)の部材である。周壁部62は、筐体6の側壁を構成する部材である。クーリングプレート63は、周壁部62の下端に接続されている。クーリングプレート63は、筐体6の底壁を構成する部材である。ベースプレート61と周壁部62とクーリングプレート63とによって囲まれた空間は、複数の電子ビーム装置5(特に、複数の電子ビーム光学系8)が配置される真空室64となる。尚、クーリングプレート63は、冷却機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。クーリングプレート63は、ウェハWに塗布された電子線レジストの表面からの反射電子がクーリングプレート63等の下面で反射することで周辺ドーズを加える現象であるフォギングを抑制する機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。

0037

ベースプレート61には、Z軸方向に沿ってベースプレート61を貫通する複数の貫通孔612が形成されている。複数の貫通孔612の数は、複数の電子ビーム装置5の数と同一である。複数の貫通孔612は、ベースプレート61の表面において、例えばマトリクス状分布していてもよい。例えば、上述したように光学システム3が45個の電子ビーム装置5を備えている場合には、45個の貫通孔612が、ベースプレート61の表面において、7行×7列のマトリクスの4隅を除いた配列で分布していてもよい。複数の貫通孔612には、それぞれ、複数の電子ビーム装置5がそれぞれ備える複数の電子ビーム生成装置7が配置されている。この場合、貫通孔612と電子ビーム生成装置7との間が、シール部材によってシールされていてもよい。更に、ベースプレート61の下面には、複数の貫通孔612を取り囲むように、複数の電子ビーム装置5がそれぞれ備える複数の電子ビーム光学系8が配置されている。

0038

クーリングプレート63には、Z軸方向に沿ってベースプレート61を貫通する複数の貫通孔631が形成されている。複数の貫通孔631の数は、複数の電子ビーム装置5の数と同一である。複数の貫通孔631は、クーリングプレート63の表面において、例えばマトリクス状に分布していてもよい。例えば、上述したように光学システム3が45個の電子ビーム装置5を備えている場合には、45個の貫通孔631が、クーリングプレート63の表面において、7行×7列のマトリクスの4隅を除いた配列で分布していてもよい。各電子ビーム装置5が射出した複数の電子ビームEBは、各電子ビーム装置5に対応する貫通孔612を通過する。つまり、各電子ビーム装置5は、各電子ビーム装置5に対応する貫通孔612を介して、複数の電子ビームEBをウェハWに照射する。このため、各貫通孔612は、各貫通孔612に対応する電子ビーム装置5が射出する複数の電子ビームEBが通過できる程度のサイズ(特に、径)を有している。

0039

制御装置4は、露光装置EX1全体の動作を制御する。例えば、制御装置4は、ウェハWが適切に露光されるように、位置計測装置24の計測結果に基づいてステージ駆動系23を制御してもよい。例えば、制御装置4は、ウェハWが適切に露光されるように、複数の電子ビーム装置5を制御してもよい。尚、図2に示す例では、露光装置EX1は、露光装置EX1全体の動作を制御する制御装置4を備えているが、露光装置EX1は、露光装置EX1全体の動作を制御する制御装置4に加えて、複数の電子ビーム装置5をそれぞれ制御する複数のサブ制御装置を備えていてもよい。この場合、複数のサブ制御装置は、制御装置4の制御下で、複数の電子ビーム装置5をそれぞれ制御してもよい。また、制御装置4が露光装置EX1の外部に設けられていてもよい。この場合、制御装置4は、露光装置EX1とネットワークを介して接続されていてもよい。

0040

(1−1−2)電子ビーム生成装置7の構造
続いて、図3(a)及び図3(b)を参照しながら、電子ビーム生成装置7の構造について更に説明する。図3(a)は、電子ビーム生成装置7の第1の構造を示す断面図である。図3(b)は、電子ビーム生成装置7の第2の構造を示す断面図である。

0041

図3(a)に示すように、電子ビーム生成装置7は、複数の発光デバイス71と、複数の投影レンズ72と、光電変換素子73とを備える。

0042

複数の発光デバイス71は、不図示の1枚の基板(例えば、半導体基板)上に形成される。但し、複数の発光デバイス71の一部が形成される基板と、複数の発光デバイス71の他の一部が形成される基板とが別体であってもよい。複数の発光デバイス71は、基板上において、所定の配列パターンで配列されている。例えば、複数の発光デバイス71は、基板上において、2次元アレイ状に(或いは、1次元アレイ状に)配列されていてもよい。この場合、複数の発光デバイス71は、発光デバイスアレイと称してもよい。尚、発光デバイス71の数は任意であるが、一例として、電子ビーム生成装置7は、72000個の発光デバイス71を備えていてもよい。この場合、72000個の発光デバイス71は、基板上において、6000行×12列の2次元アレイ状に配列されていてもよい。

0043

このような複数の発光デバイス71は、例えば、以下のように製造可能である。まず、エピタキシャル成長技術等を用いて、基板上に、発光デバイス71を構成する構造物(例えば、後述する量子井戸層711等の構造層)が形成される。その後、エッチング技術等を用いて、基板上に形成した構造物が複数の発光デバイス71の配列パターンに応じて選択的に除去される。この場合の構造物の除去は、各発光デバイス71を構成する構造体メサ構造として残したり、構造物として一体化されている複数の発光デバイス71を分離したりするために行われる。

0044

各発光デバイス71は、光ELを射出可能である。各発光デバイス71は、例えば、自発光型の発光デバイスである。この場合、各発光デバイス71は、自発光によって生じた光ELを、各発光デバイス71の外部に向けて(例えば、各発光デバイス71に対応する投影レンズ72に向けて)射出する。

0045

LED(Light Emitting Diode)は、自発光型の発光デバイスの一例である。従って、各発光デバイス71は、LED(一例として、マイクロLED)を含んでいてもよい。但し、各発光デバイス71は、マイクロLEDに限らず、他の種類のLEDを含んでいてもよい。他の種類のLEDの一例として、有機LED及び高分子LEDがあげられる。

0046

レーザダイオード(LD:Laser Diode)は、自発光型の発光デバイスの他の一例である。従って、各発光デバイス71は、レーザダイオードを含んでいてもよい。例えば、各発光デバイス71は、基板に垂直な方向に光ELを射出可能なレーザダイオードを含んでいてもよい。基板に垂直な方向に光ELを射出可能なレーザダイオードの一例として、垂直共振器面発光レーザVCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)及び垂直外部共振器面発光レーザVECSEL:Vertical External Cavity Surface Emitting Laser)の少なくとも一方があげられる。例えば、各発光デバイス71は、基板に平行な方向に光ELを射出可能なレーザダイオードを含んでいてもよい。

0047

複数の発光デバイス71の発光態様は、制御装置4の制御下で個別に制御可能である。例えば、制御装置4は、複数の発光デバイス71の状態を、光ELを射出している発光状態と光ELを射出していない非発光状態との間で個別に制御可能である。例えば、制御装置4は、複数の発光デバイス71がそれぞれ射出する複数の光ELの強度を個別に制御可能である。

0048

複数の投影レンズ72は、複数の発光デバイス71にそれぞれ対応するように配置される電子レンズである。このため、複数の投影レンズ72の数は、複数の発光デバイス71の数と同じである。つまり、電子ビーム生成装置7が72000個の発光デバイス71を備えている場合には、電子ビーム生成装置7は、72000個の投影レンズ72を備えていてもよい。 但し、図3(b)に示すように、電子ビーム生成装置7は、2つ以上の発光デバイス71に対応する投影レンズ720を一つ又は複数備えていてもよい。図3(b)に示す例では、電子ビーム生成装置7が、電子ビーム生成装置7が備える複数の発光デバイス71にまとめて対応する一つの投影レンズ720を備えている。もちろん、電子ビーム生成装置7は、電子ビーム生成装置7が備える複数の発光デバイス71のうちの2つ以上の発光デバイス71から構成される第1群の発光デバイス群に対応する一つの投影レンズ720と、第2群の発光デバイス群に対応する一つの投影レンズ720と、・・・、第K群の発光デバイス群に対応する一つの投影レンズ720とを備えていてもよい。この場合、投影レンズ720の数は、複数の発光デバイス71の数よりも少なくてもよい。

0049

尚、図3(a)及び図3(b)では、図面の簡略化のため、各投影レンズ72からの磁場又は電場が作用する領域(尚、図3では、光学レンズの如き形状を有する領域として擬似的に描画されている)を用いて、投影レンズ72を擬似的に表現している。

0050

図3(a)において、各投影レンズ72には、各投影レンズ72に対応する発光デバイス71が射出した光ELが入射する。各投影レンズ72は、例えばマイクロレンズであるが、その他の光学素子であってもよい。各投影レンズ72は、各投影レンズ72に対応する発光デバイス71が射出した光ELを、光電変換素子73(特に、光電変換素子73のうち各投影レンズ72に対応する特定領域)に照射する。各投影レンズ72は、各投影レンズ72に対応する発光デバイス71の発光面(例えば、光射出面719)の像を、光電変換素子73(特に、光電変換素子73のうち各投影レンズ72に対応する特定領域)に形成する。

0051

図3(b)においては、投影レンズ720には、複数の発光デバイス71が射出した複数の光ELが入射する。投影レンズ720は、複数の発光デバイス71が射出した複数の光ELを、光電変換素子73(特に、光電変換素子73のうち各発光デバイス71に対応する特定領域)に照射する。投影レンズ720は、複数の発光デバイス71の発光面(例えば、光射出面719)の像を、光電変換素子73(特に、光電変換素子73のうち各発光デバイスに対応する特定領域)に形成する。

0052

各投影レンズ72及び投影レンズ720のそれぞれは、縮小倍率を有する縮小光学系である。この場合、各投影レンズ72は、各投影レンズ72に対応する発光デバイス71の発光面の縮小像を、光電変換素子73に形成する。また、投影レンズ720は、複数の発光デバイス71の発光面の縮小像を光電変換素子73に形成する。各投影レンズ72および投影レンズ720のそれぞれは、等倍(つまり、±1倍)の倍率を有する等倍光学系であってもよい。各投影レンズ72及び投影レンズ720のそれぞれは、拡大倍率を有する拡大光学系であってもよい。

0053

各投影レンズ72の発光デバイス71側の開口数は、各投影レンズ72の光電変換素子73側の開口数よりも小さい。但し、各投影レンズ72の発光デバイス71側の開口数は、各投影レンズ72の光電変換素子73側の開口数よりも大きくてもよい。各投影レンズ72の発光デバイス71側の開口数は、各投影レンズ72の光電変換素子73側の開口数と同じであってもよい。

0054

同様に、投影レンズ720の発光デバイス71側の開口数は、投影レンズ720の光電変換素子73側の開口数よりも小さい。但し、投影レンズ720の発光デバイス71側の開口数は、投影レンズ720の光電変換素子73側の開口数よりも大きくてもよい。投影レンズ720の発光デバイス71側の開口数は、投影レンズ720の光電変換素子73側の開口数と同じであってもよい。

0055

光電変換素子73は、複数の投影レンズ72又は投影レンズ720からの複数の光ELを、複数の電子ビームEBに変換可能である。光電変換素子73は、複数の投影レンズ72又は投影レンズ720からの複数の光ELから、複数の電子ビームEBを生成可能である。複数の光ELを複数の電子ビームEBに変換するために、光電変換素子73は、板部材731と、遮光膜732と、アルカリ光電層733とを備える。光電変換素子73は、板部材731と遮光膜732とアルカリ光電層733とが一体化された構造体である。

0056

板部材731は、複数の光ELが通過可能な板状の部材である。板部材731は、例えば石英ガラスから構成される部材であるが、その他の材料から構成される部材であってもよい。

0057

遮光膜732は、板部材731の下面に形成されている。遮光膜732は、複数の光ELを遮光可能である。遮光膜732は、例えば、クロム等の膜である。図3(a)の例では、遮光膜732には、複数の投影レンズ72にそれぞれ対応する複数のアパーチャ7321が形成されている。このため、複数のアパーチャ7321の数は、複数の投影レンズ72の数と同一である。つまり、電子ビーム生成装置7が72000個の投影レンズ72を備えている場合には、遮光膜732には、72000個のアパーチャ7321が形成されていてもよい。また、図3(b)の例では、遮光膜732には、複数の発光デバイス71にそれぞれ対応する複数のアパーチャ7321が形成されている。このため、複数のアパーチャ7321の数は、複数の発光デバイス71の数と同一である。つまり、電子ビーム生成装置7が72000個の発光デバイス71を備えている場合には、遮光膜732には、72000個のアパーチャ7321が形成されていてもよい。

0058

図3(a)に戻って、各アパーチャ7321は、各アパーチャ7321に対応する投影レンズ72からの光ELが入射する位置に形成される。その結果、各投影レンズ72からの光ELは、板部材731を介して各投影レンズ72に対応するアパーチャ7321に入射する。つまり、各投影レンズ72は、各投影レンズ72からの光ELが各投影レンズ72に対応するアパーチャ7321に入射するように、光ELを光電変換素子73に投影する。この際、各投影レンズ72は、パーチャ7321よりも一回り大きい断面を有する光ELがアパーチャ7321に入射するように、光ELを光電変換素子73に投影する。

0059

但し、図3(b)に示したように1つの投影レンズ720が2つ以上の発光デバイス71に対応している場合には、1つの投影レンズ720からの2つ以上の光ELが、2つ以上のアパーチャ7321にそれぞれ入射してもよい。或いは、1つの投影レンズ72又は720が1つの発光デバイス71に対応している場合であっても、1つの投影レンズ72又は720からの1つの光ELが、2つ以上のアパーチャ7321のそれぞれに入射してもよい。この場合、各投影レンズ72又は投影レンズ720は、各投影レンズ72又は投影レンズ720からの光ELが、2つ以上のアパーチャ7321にまたがるビームスポットを形成するように、光ELを光電変換素子73に投影してもよい。これらの場合、複数のアパーチャ7321の数は、複数の投影レンズ72又は投影レンズ720の数よりも多くてもよい。

0060

アルカリ光電層733は、板部材731の下面のうちアパーチャ7321が形成されている部分(つまり、遮光膜732が形成されていない部分)及び遮光膜732の下面に形成されている。アルカリ光電層733は、2種類以上のアルカリ金属を用いたマルチアルカリフォトカソードである。マルチアルカリフォトカソードは、耐久性が高く、波長が500nm帯緑色光で電子を発生可能であり、光電効果量子効率QEが高い(例えば、10%程度)フォトカソードである。第1実施形態では、アルカリ光電層733は、光ELによる光電効果によって電子ビームEBを生成する電子銃として用いられるため、変換効率が10[mA/W]程度になる高効率のものが用いられてもよい。アルカリ光電層733の電子放出面は、アルカリ光電層733の下面(つまり、板部材731に対向する側の面とは逆側の面)である。

0061

各投影レンズ72又は投影レンズ720からの光ELは、板部材731及び各投影レンズ72に対応するアパーチャ7321を介して、アルカリ光電層733に入射する。このとき、各投影レンズ72は、各投影レンズ72に対応する発光デバイス71の発光面(例えば、光射出面719)の像を、板部材731及び各投影レンズ72に対応するアパーチャ7321を介して、アルカリ光電層733に形成する。その結果、光電効果(つまり、光電変換)により、アパーチャ7321の形状に対応する断面を有する電子ビームEBが、アルカリ光電層733から下方に向けて放出される。このとき、アルカリ光電層733が複数のアパーチャ7321を備え且つ複数のアパーチャ7321のそれぞれに光ELが照射されるため、アルカリ光電層733は、複数の電子ビームEBを放出可能である。つまり、アルカリ光電層733の電子放出面(実質的には、光電変換面)7330には、複数のアパーチャ7321にそれぞれ対応する位置において、複数の電子ビームEBをそれぞれ放出可能な複数の電子放出領域7331が設定される。電子放出面7330には、それぞれが電子ビーム源として機能可能な複数の電子放出領域7331が設定される。例えば、72000個のアパーチャ7321が形成されている場合には、72000個の電子放出領域7331が電子放出面7330に設定されていてもよい。この場合、第1のアパーチャ7321に対応する電子放出面7330上の第1の位置に第1の電子放出領域7331が設定され、第2のアパーチャ7321に対応する電子放出面7330上の第2の位置(つまり、第1の位置とは異なる(つまり、離れた)位置)に第2の電子放出領域7331が設定され、第3のアパーチャ7321に対応する電子放出面7330上の第2の位置(つまり、第1から第2の位置とは異なる(つまり、離れた)位置)に第3の電子放出領域7331が設定され、・・・、第K(但し、Kは、アパーチャ7321の数を示す)のアパーチャ7321に対応する電子放出面7330上の第Kの位置(つまり、第1から第K−1の位置とは異なる(つまり、離れた)位置)に第Kの電子放出領域7331が設定される。

0062

各電子放出領域7331は、各電子放出領域7331に対応する発光デバイス71が光ELを射出している場合には、電子ビームEBを放出する。一方で、各電子放出領域7331は、各電子放出領域7331に対応する発光デバイス71が光ELを射出していない場合には、電子ビームEBを放出しない。従って、制御装置4が複数の発光デバイス71の発光状態を個別に制御すれば、複数の電子ビームEBのオンオフ状態が個別に制御可能となる。

0063

(1−1−3)電子ビーム光学系8の構造
続いて、図4を参照しながら、電子ビーム光学系8の構造について説明する。図4は、電子ビーム光学系8の構造を示す断面図である。

0064

図4に示すように、電子ビーム光学系8は、筐体81と、加速器82と、複数の射出光学系83と、照射光学系88と、反射電子検出装置87とを備える。

0065

筐体81は、電磁場遮蔽可能な円筒状の筐体(言い換えれば、カラムセル)である。筐体81の上端は、ベースプレート61の下面に接続されている。筐体81の内部空間811には、加速器82と、複数の射出光学系83と、照射光学系88とが収容されている。但し、加速器82、複数の射出光学系83及び照射光学系88の少なくとも一部が筐体81の外部に配置されていてもよい。

0066

筐体81の内部空間811には、上述した電子ビーム生成装置7の少なくとも一部(特に、アルカリ光電層733)が配置されている。更に、内部空間811は、電子ビーム生成装置7が放出する複数の電子ビームEBが伝搬する空間となる。このため、筐体81の内部空間811は、アルカリ光電層73及び電子ビームEBが大気圧環境下に暴露されないように、真空空間となっている。内部空間811の真空度は、筐体81の外部の真空室64の真空度よりも高くてもよい。内部空間811の真空引きと、真空室64の真空引きとが別々に行われてもよい。尚、ベースプレート61の貫通孔612に配置される電子ビーム生成装置7が、内部空間811と筐体81の外部空間(特に、ステージチャンバ1の外部空間であって、非真空空間)との真空隔壁としても用いられてもよい。

0067

電子ビーム生成装置7が放出する複数の電子ビームEBのそれぞれは、複数の射出光学系83のうちの少なくとも一つに入射する。各射出光学系83は、各射出光学系83に入射した電子ビームEBを、各射出光学系83の後段に位置する加速器82に向けて、所望の射出態様で射出する。尚、加速器82は、各射出光学系83からの複数の電子ビームEBを加速するための引き出し電極である。但し、複数の電子ビームEBを加速させなくてもよい場合には、電子ビーム光学系8は、加速器82を備えていなくてもよい。また、複数の射出光学系83の構造及び光学特性は互いに同じであるが、異なっていてもよい。尚、射出光学系83の構造及び光学特性については、後に図5等を参照しながら詳述するため、ここでの説明は省略する。

0068

複数の射出光学系83からそれぞれ射出される複数の電子ビームEBは、加速器82を介して照射光学系88に入射する。照射光学系88は、複数の射出光学系83からそれぞれ射出される複数の電子ビームEBを、ウェハWに照射する。照射光学系88は、例えば、集束レンズ84と、アパーチャ板85と、対物レンズ86とを含んでいる。

0069

集束レンズ84は、複数の射出光学系83からそれぞれ射出される複数の電子ビームEBが入射する光学素子である。集束レンズ84は、複数の電子ビームEBを収束させるための電子レンズである。集束レンズ84は、複数の電子ビームEBに電場を作用させる電場レンズであってもよいし、複数の電子ビームEBに磁場を作用させる磁場レンズであってもよい。

0070

アパーチャ板85は、集束レンズ84によって収束した複数の電子ビームEBが通過可能な開口851が形成された絞り機構である。アパーチャ板85は、集束レンズ84の後側焦点位置に配置される。更に、アパーチャ板85の開口851は、電子ビーム生成装置7と光学的に共役な位置に配置される。具体的には、例えば、アパーチャ板85の開口851は、電子ビーム生成装置7の電子放出面7330(つまり、電子ビーム源)と光学的に共役な位置に配置される。つまり、アパーチャ板85の開口851は、電子ビーム生成装置7の電子放出面7330に設定される複数の電子放出領域7331(つまり、電子ビーム源)と光学的に共役な位置に配置される。この場合、集束レンズ84及び一の射出光学系83から構成される光学系は、アパーチャ板85の開口851と電子放出面7330(特に、複数の電子放出領域7331のうち一の射出光学系83に対応する一の電子放出領域7331)とを光学的に共役にする光学系であるとも言える。

0071

尚、アパーチャ板85の光軸方向に沿った位置は、集束レンズ84の後側焦点位置から、集束レンズ84の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよい。また、アパーチャ板85の光軸方向に沿った位置は、集束レンズ84の後側焦点位置から、集束レンズ84の焦点距離の±1/20の範囲内であってもよい。集束レンズ84の後側焦点位置にアパーチャ板85が配置されている状態は、これらの状態を含んでいてもよい。

0072

対物レンズ86は、アパーチャ板85の開口851を通過した複数の電子ビームEBをウェハWに照射する電子レンズである。特に、対物レンズ86は、複数の電子ビームEBを所定の縮小倍率でウェハWの表面に結像可能な電子レンズである。その結果、複数の電子ビームEBは、筐体81の下方端に形成される射出口811を介して電子ビーム光学系8からウェハWに向けて射出される。電子ビーム光学系8が射出した複数の電子ビームEBは、クーリングプレート63の貫通孔631を介してウェハWに照射される。尚、対物レンズ86は、複数の電子ビームEBに電場を作用させる電場レンズであってもよいし、複数の電子ビームEBに磁場を作用させる磁場レンズであってもよい。対物レンズ86を含む電子ビーム光学系8の縮小倍率は任意であるが、例えば、1/200、1/120又は1/80であってもよい。また、対物レンズ86の前側焦点位置には、アパーチャ板85が配置される。つまり、対物レンズ86は、対物レンズ86の前側焦点位置にアパーチャ板85が配置されるように、アパーチャ板85に対して位置決めされる。

0073

尚、アパーチャ板85の光軸方向に沿った位置は、対物レンズ86の前側焦点位置から、対物レンズ86の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよい。また、アパーチャ板85の光軸方向に沿った位置は、対物レンズ86の前側焦点位置から、対物レンズ86の焦点距離の±1/20の範囲内であってもよい。対物レンズ86の前側焦点位置にアパーチャ板85が配置されている状態は、これらの状態を含んでいてもよい。

0074

反射電子検出装置87は、筐体81の射出口811の下方において、複数の電子ビームEBの経路とは重複しない位置に配置される。図4に示す例では、反射電子検出装置87は、クーリングプレート63の貫通孔631の内部に配置されている。反射電子検出装置87は、pn接合pin接合半導体を使用した半導体形反射電子検出装置である。反射電子検出装置87は、例えば、ウェハWのアライメントを行うために、ウェハW上に形成されたアライメントマーク等から発生する反射電子を検出する。反射電子検出装置87の検出結果は、制御装置4に出力される。

0075

尚、電子ビーム光学系8は、電子ビームEBが所定の光学面(例えば、電子ビームEBの光路に交差する光学面)上に形成する像の回転量(つまり、θZ方向の位置)、当該像の倍率、及び、結像位置に対応する焦点位置のいずれか一つを調整可能な調整器(例えば、電磁レンズ)を含んでいてもよい。電子ビーム光学系8は、例えば、電子ビームEBを偏向可能な偏向器を備えていてもよい。

0076

第1実施形態では、光学システム3は複数の電子ビーム装置5を備えている(つまり、複数の電子ビーム光学系8)を備えているため、電子ビームEBの照射が、複数の電子ビーム装置5によって並列して行われる。ここで、複数の電子ビーム装置5は、ウェハW上の複数のショット領域に1対1で対応している。但し、電子ビーム装置5の数は、ショット領域Sの数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。各電子ビーム装置5は、複数の電子ビームEBを、矩形の(或いは、その他の形状の)照射領域内に照射可能である。このため、複数の電子ビーム装置5は、ウェハW上の複数のショット領域上にそれぞれ設定される複数の照射領域に対して、複数の電子ビームEBを同時に照射可能である。このような照射領域に対してウェハWを相対的に移動させながら、複数の電子ビーム装置5のそれぞれが電子ビームEBを照射すれば、ウェハW上の複数のショット領域が並列に露光される。その結果、露光装置EX1は、相対的に高いスループットでウェハWを露光することができる。

0077

一例として、上述したように、露光装置EX1が、45個の電子ビーム装置5を備えており、且つ、直径が300mmのウェハWを露光対象としている場合には、電子ビーム装置5の光軸(つまり、電子ビーム光学系8の光軸AX)の配置間隔は、43mmであってもよい。この場合、1つの電子ビーム装置5が露光するショット領域は、最大で43mm×43mmの矩形領域となる。このため、上述したように、ウェハステージ22の移動ストロークが50mmもあれば、全てのショット領域を適切に露光可能となる。但し、電子ビーム装置5の数は、45個に限られず、ウェハWの直径及びウェハステージ22のストローク等に基づいて設定されてもよい。

0078

(1−1−4)射出光学系83
(1−1−4−1)射出光学系83の構造
続いて、図5から図7を参照しながら、射出光学系83の構造について説明する。図5は、第1の構造にかかる電子ビーム生成装置7を用いた場合の複数の射出光学系83と複数の電子ビームEBとの対応関係を示す断面図であり、図6は、第2の構造にかかる電子ビーム生成装置7を用いた場合の複数の射出光学系83と複数の電子ビームEBとの対応関係を示す断面図である。図7は、射出光学系83を示す断面図である。

0079

図5及び図6に示すように、複数の射出光学系83は、複数の電子ビームEBにそれぞれ対応するように配置される。複数の射出光学系83は、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置される。このため、複数の射出光学系83の数は、複数の電子ビームEBの数と同一である。複数の射出光学系83の数は、電子ビーム生成装置7が備える光電変換素子73に形成されている複数のアパーチャ7321の数(つまり、複数の電子放出領域7331)と同一である。複数の射出光学系83の数は、電子ビーム生成装置7が備える複数の発光デバイス71の数と同一であるが、異なっていてもよい。複数の射出光学系83の数は、電子ビーム生成装置7が備える複数の投影レンズ72の数と同一であるが、異なっていてもよい。

0080

各電子ビームEBは、複数の射出光学系83のうちの各電子ビームEBに対応する一の射出光学系83に入射する。各射出光学系83は、各射出光学系83に対応する一の電子ビームEBを、各射出光学系83の後段に位置する照射光学系88に向けて、所望の射出態様で射出する。各射出光学系83が射出した電子ビームEBは、照射光学系88を介してウェハWに照射される。

0081

このように、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出された複数の電子ビームEBが、照射光学系88を介してウェハWに照射される。この場合、複数の電子放出領域7331のうちの任意の二つの電子放出領域7331の間の距離は、照射光学系88の視野の大きさよりも小さくてもよい。複数の電子放出領域7331のうちの最も離れた二つの電子放出領域7331の間の距離は、照射光学系88の視野の大きさよりも小さくてもよい。複数の電子放出領域7331は、照射光学系88の視野の大きさよりも小さい領域に分布していてもよい。この場合、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出された複数の電子ビームEBが、照射光学系88を介してまとめて(言い換えれば、同時に又は一度に)ウェハWに照射される。つまり、露光装置EX1は、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出された複数の電子ビームEBを、照射光学系88を介して、複数回に分けてウェハWに照射しなくてもよくなる。但し、複数の電子放出領域7331は、照射光学系88の視野の大きさと同じ又はより大きい領域に分布していてもよい。

0082

第1実施形態では、各射出光学系83は、各射出光学系83に対応する一の電子放出領域7331を光源(つまり、電子ビーム源)としてウェハWの少なくとも一部をケーラー照明することが可能な射出態様で、各射出光学系83に対応する一の電子ビームEBを射出する。具体的には、各射出光学系83は、各射出光学系83に対応する一の電子放出領域7331を光源として、一の電子領域7331に対応するウェハWの一の領域部分(具体的には、一の電子放出領域7331からの電子ビームEBが照射されるべきウェハWの一の単位領域Wp)をケーラー照明することが可能な射出態様で、各射出光学系83に対応する一の電子ビームEBを射出する。このため、各射出光学系83は、ケーラー照明光学系を構成していてもよい。

0083

尚、射出光学系83は、光に対する光学系ではなく、電子ビーム(つまり、荷電粒子ビーム)に対する光学系である。第1実施形態では、「ケーラー照明」は、電子ビームを用いた光学系におけるケーラー照明を意味している。電子ビームを用いた光学系におけるケーラー照明は、光を用いた光学系におけるケーラー照明と比較して、光を用いた照明(照射)であるか又は電子ビームを用いた照明(照射)であるかの違いはあるものの、その意味する状態は同じである。つまり、電子ビームを用いた光学系におけるケーラー照明は、被照射面に対して電子ビーム源を無限遠方に位置させて被照射面を均一に照明することを意味する点で、光を用いて被照射面を均一に照明することを意味する光を用いた光学系におけるケーラー照明と共通する。

0084

ウェハWの少なくとも一部をケーラー照明することが可能な射出態様で電子ビームEBを射出するために、射出光学系83は、図7に示すように、マイクロレンズ831を備える。マイクロレンズ831は、電子レンズである。マイクロレンズ831は、電子ビームEBを収束可能な光学素子である。マイクロレンズ831は、電子ビームEBに電場を作用させる電場レンズであってもよいし、電子ビームEBに磁場を作用させる磁場レンズであってもよい。

0085

マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに電子ビーム生成装置7が配置されるように、電子ビーム生成装置7に対して位置決めされている。より具体的には、マイクロレンズ831は、前側焦点位置831ffpに電子放出面7330が配置されるように、電子ビーム生成装置7に対して位置決めされている。マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831に対応する電子放出領域7331が前側焦点位置831ffpに配置されるように、電子ビーム生成装置7に対して位置決めされている。マイクロレンズ831は、電子ビーム生成装置7から(或いは、電子放出面7330又はマイクロレンズ831に対応する電子放出領域7331から)ウェハW側に向かって、マイクロレンズ831の焦点距離f831に相当する距離だけ離れた位置に配置される。

0086

尚、電子放出面7330の光軸方向に沿った位置は、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpから、マイクロレンズ831の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに電子ビーム生成装置7が配置される状態(マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに電子放出面7330が配置される状態)は、これらの状態を含んでいてもよい。

0087

ここで、一のマイクロレンズ831に対応する電子放出領域7331は、光電変換素子73が備える複数の電子放出領域7331のうち一のマイクロレンズ831に向けて電子ビームEBを放出する電子放出領域7331を意味する。第1実施形態では、複数の射出光学系83が複数の電子ビームEBと1:1で対応しているため、複数の射出光学系83がそれぞれ備える複数のマイクロレンズ831と光電変換素子73が備える複数の電子放出領域7331とは、1:1で対応している。このため、第1の射出光学系83が備える第1のマイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに、第1の射出光学系83に向けて電子ビームEBを放出する第1の電子放出領域7331が配置され、第2の射出光学系83が備える第2のマイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに、第2の射出光学系83に向けて電子ビームEBを放出する第2の電子放出領域7331が配置され、・・・、第N(但し、Nは、電子ビーム光学系8が備える射出光学系83の数を示す)の射出光学系83が備える第Nのマイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに、第Nの射出光学系83に向けて電子ビームEBを放出する第Nの電子放出領域7331が配置される。

0088

この場合、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の後側焦点位置831rfpに、二次光源面83osを形成する。つまり、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の後側焦点面(つまり、後側焦点位置831rfpに位置する、マイクロレンズ831の光軸に直交する仮想的な光学面)に、二次光源面83osを形成する。二次光源面83osは、電子ビームEBが放出されているとみなすことが可能な仮想的な光源(つまり、電子ビーム源であり、電子放出面)である。二次光源面83osは、面状の光源である。このため、マイクロレンズ831(つまり、射出光学系83)は、電子放出領域7331から放出される電子ビームEBを、二次光源面83osに向けて射出していると言える。

0089

尚、二次光源面83osの光軸方向に沿った位置は、マイクロレンズ831の後側焦点位置から、マイクロレンズ831の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。マイクロレンズ831の後側焦点位置831rfpに二次光源面83osを形成する状態は、これらの状態を含んでいてもよい。

0090

射出光学系83の後段に位置する照射光学系88は、複数の射出光学系73がそれぞれ形成する複数の二次光源面83osから複数の電子ビームEBがそれぞれ放出されていることを前提に設計されてもよい。もちろん、照射光学系88は、電子ビーム生成装置7(特に、複数の電子放出領域7331)から複数の電子ビームEBがそれぞれ放出されていることを前提に設計されてもよい。いずれの場合であっても、照射光学系88の構造に変わりはない。

0091

但し、第1実施形態では、照射光学系88は、複数の二次光源面83osのそれぞれとウェハWの表面とを光学的に共役にする光学系となるように、複数の射出光学系83及びウェハWに対して位置決めされる。具体的には、照射光学系88は、複数の射出光学系83がそれぞれ形成する複数の二次光源面83osが照射光学系88の物体面88osに位置するように、複数の射出光学系83に対して位置決めされている。つまり、照射光学系88は、複数の射出光学系83がそれぞれ備える複数のマイクロレンズ831のそれぞれの後側焦点位置831rfpが照射光学系88の物体面88osに位置するように、複数の射出光学系83に対して位置決めされている。例えば、照射光学系88は、複数の射出光学系83がそれぞれ備える複数のマイクロレンズ831のそれぞれの後側焦点位置831frpが集束レンズ84の前側焦点位置と一致するように、複数の射出光学系83に対して位置決めされていてもよい。更に、照射光学系88は、ウェハWの表面が照射光学系88の物体面88osと光学的に共役な面(例えば、照射光学系88の像面)に位置するように、ウェハW(或いは、ウェハステージ22)に対して位置決めされている。例えば、照射光学系88は、ウェハWの表面が対物レンズ86の後側焦点位置に位置するように、ウェハW(或いは、ウェハステージ22)に対して位置決めされていてもよい。その結果、複数の二次光源面83osのそれぞれとウェハWの表面とが光学的に共役な面になる。

0092

このように、第1実施形態では、マイクロレンズ831(つまり、射出光学系83)は、前側焦点位置831ffpに電子放出領域7331が配置され且つ後側焦点位置831rfpに二次光源面83osが形成される(物体面88osが配置される)、いわゆるf−f配置に準拠して配置されている。

0093

尚、複数の射出光学系83がそれぞれ備える複数のマイクロレンズ831のそれぞれの後側焦点位置831rfpの光軸方向に沿った位置は、集束レンズ84の前側焦点位置から、集束レンズ84の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。複数のマイクロレンズ831のそれぞれの後側焦点位置831frpが集束レンズ84の前側焦点位置と一致する状態は、これらの状態を含んでいてもよい。また、ウェハWの表面の光軸方向に沿った位置は、対物レンズ86の後側焦点位置から、対物レンズ84の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。ウェハWの表面が対物レンズ86の後側焦点位置に配置される状態は、これらの状態を含んでいてもよい。

0094

(1−1−4−2)各射出光学系83での電子ビームEBの伝搬経路
続いて、図8から図11を参照しながら、各射出光学系83での電子ビームEBの伝搬経路について説明する。図8は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの伝搬経路を示す断面図である。図9は、電子放出領域7331の断面形状及び二次光源面83osの断面形状を示す平面図である。図10(a)から図10(c)のそれぞれは、電子放出領域7331のある電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lの伝搬経路を示す断面図である。図11は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を示す断面図である。尚、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pは、電子放出領域7331内における互いに異なる位置にある部分とみなすことができる。

0095

まず、マイクロレンズ831からの電子ビームEBの伝搬経路の説明の前提として、上述したように、電子放出領域7331は、アパーチャ7321の形状に対応する断面を有する電子ビームEBを放出する。このため、電子放出領域7331は、アパーチャの形状に対応する断面を有する電子放出面を構成する。この場合、電子放出領域7331が構成する電子放出面のあらゆる位置から電子放出面の射出側のあらゆる方向に向けて電子が放出される。以下では、説明の便宜上、電子放出領域7331の電子放出面は、それぞれが電子放出面の射出側のあらゆる方向に向けて電子を放出する複数の仮想的な電子放出部Pに分割されているものと仮定する。この場合、各電子放出部Pは、ある特定の方向に向けて射出される電子の集合である電子線EB_lを、電子放出面の射出側のあらゆる方向に向けて複数射出しているとみなすことができる。以下では、説明の便宜上、各電子放出部Pから放出される複数の電子線EB_lの集合(つまり、各電子放出部Pからあらゆる方向に向けて放出される電子の集合)を、単位電子ビームEB_uと称する。この場合、電子放出領域7331が備える複数の電子放出部Pがそれぞれ放出する複数の単位電子ビームEB_uの集合が、電子放出領域7331が放出する電子ビームEBに相当する。以下、複数の電子放出部Pからの単位電子ビームEB_uの伝搬経路を説明することで、マイクロレンズ831からの電子ビームEBの伝搬経路について説明する。

0096

図8は、電子放出領域7331の中心に位置する電子放出部P1並びに電子放出部P1とは異なる位置(図8に示す例では、例えば、電子放出領域7331のX軸方向の両端部)に位置する電子放出部P2及び電子放出部P3からそれぞれ放出される3つの単位電子ビームEB_uの伝搬経路を示している。尚、第1実施形態における単位電子ビームEB_uは、複数の電子線EB_lの束(つまり、電子ビーム束)である。図8は、この電子ビーム束を用いて単位電子ビームEB_uの伝搬経路を実質的に示しているともいえる。この場合、電子ビーム束は、電子が分布する領域を意味していてもよい。従って、単位電子ビームEB_uの電子ビーム束は、単位電子ビームEB_uを構成する電子が分布する領域を意味していてもよい。図8に示すように、電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1は、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの全体に広がる。電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2もまた、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの全体に広がる。電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3もまた、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの全体に広がる。図8では説明の簡略化のために図示していないものの、複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれもまた、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの全体に広がる。このため、エネルギー量にばらつきがある複数の単位電子ビームEB_uを複数の電子放出部Pがそれぞれ放出していたとしても、二次光源面83osからは、エネルギー量のばらつきが相殺された電子ビームEBが放出される。つまり、エネルギー量の面内分布(具体的には、射出光学系83の光軸AX83に交差する面内でのエネルギー量の分布)にムラがある電子ビームEBを電子放出部7331が放出していたとしても、二次光源面83osからは、エネルギー量の面内分布のムラが相殺された電子ビームEBが放出される。

0097

電子放出領域7331が照射光学系88の物体面88osに対して無限遠方に位置するとみなされるため、射出光学系83は、複数の電子放出部Pのそれぞれから放出される単位電子ビームEB_uで照射光学系88の物体面88osをケーラー照明していると言える。つまり、射出光学系83は、電子放出領域7331から放出される電子ビームEBで照射光学系88の物体面88osをケーラー照明していると言える。

0098

但し、二次光源面83osの断面形状(具体的には、射出光学系83の光軸AX83に交差する方向に沿った軸を含む断面形状)は、電子放出領域7331の断面形状と一致しなくなる可能性がある。例えば、図9の左側には、断面形状が矩形になる電子放出領域7331が示されている。このような矩形の断面形状を有する電子放出領域7331は、断面形状が矩形になるアパーチャ7321を介して光ELがアルカリ光電層733に入射する場合に形成される。このような電子放出領域7331の複数の電子放出部Pのそれぞれからは、通常、ランバーシアン分布を有する単位電子ビームEB_u(つまり、エネルギー量が、電子放出部Pの正面方向とのなす角度の余弦値に比例する単位電子ビームEB_u)が放出される。その結果、図9の右側に示すように、断面形状が矩形から円形に変わってしまった二次光源面83osが形成される。このような二次光源面83osの断面形状の変化は、複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uが光軸方向又は光軸と平行な方向に沿った軸に関して異方性なく広がること、及び、マイクロレンズ831が電子線EB_lの進行方向の角度方向の成分を位置成分に変換する機能を有することが原因である。

0099

加えて、図8に示す単位電子ビームEB_u1の電子ビーム束は、単位電子ビームEB_u1を構成する電子が分布する領域を意味していることは上述したとおりである。つまり、図8に示す単位電子ビームEB_u1の電子ビーム束は、電子放出部P1から電子放出部P1の射出側におけるあらゆる方向に(つまり、互いに異なる方向に)放出される複数の電子線EB_lが集合したものである。この場合、図10(a)に示すように、電子放出部P1から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_l1(つまり、単位電子ビームEB_u1を構成する複数の電子線EB_l1)は、射出光学系83を通過した後に、互いに平行な状態で二次光源面83os(つまり、照射光学系88の物体面88os)に入射する。特に、電子放出領域7331の中心に位置する電子放出部P1から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB−l1は、射出光学系83を通過した後に、射出光学系83の光軸AX83に平行な状態で物体面88osに入射する。尚、射出光学系83の光軸AX83は、電子ビーム光学系8の光軸AXと平行である。図10(b)に示すように、電子放出部P2から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_l2(つまり、単位電子ビームEB_u2を構成する複数の電子線EB_l2)もまた、射出光学系83を通過した後に、互いに平行な状態で物体面88osに入射する。図10(c)に示すように、電子放出部P3から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_l3(つまり、単位電子ビームEB_u3を構成する複数の電子線EB_l3)もまた、射出光学系83を通過した後に、互いに平行な状態で物体面88osに入射する。但し、図10(b)及び図10(c)に示すように、電子放出領域7331の中心から離れた位置に位置する電子放出部P(例えば、電子放出部P2及びP3)から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、射出光学系83を通過した後に、射出光学系83の光軸AX83に交差する状態で物体面88osに入射する。

0100

続いて、図11は、3つの電子放出部P1からP3からそれぞれ放出される3つの単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を示している。尚、第1実施形態における中心線は、電子ビーム束の中心を通過する仮想的な線(つまり、電子ビーム束の中心を通過する電子の集合である電子線EB_lの軌跡を示す仮想的な線)を意味していてもよい。典型的には、中心線は、電子放出部Pから0度の射出角で放出された電子の集合である電子線EB_lの軌跡を示す仮想的な線を意味していてもよい。図11に示すように、電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1の中心線、電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2の中心線、及び、電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3の中心線は、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83os上において一点に重なる。図11では説明の簡略化のために図示していないものの、複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83os上において一点に重なる。更に、中心線に限らず、複数の電子放出部Pからそれぞれ同じ射出角(放出角)で放出される複数の電子線EB_l(つまり、ある広がり角をもって電子放出部Pから放出される単位電子ビームEB_uのうちある特定の方向に放出される電子から構成される電子線EB_l)もまた、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83os上において一点に重なる。尚、電子線EB_1の射出角は、マイクロレンズ831の光軸又は光軸と平行な軸に対する角度とすることができる。

0101

但し、複数の電子放出部Pからそれぞれ第1の射出角で放出される複数の電子線EB_lが二次光源面83os上で重なる位置と、複数の電子放出部Pからそれぞれ第1の射出角とは異なる第2の射出角で放出される複数の電子線EB_lが二次光源面83os上で重なる位置とは異なる。例えば、図8及び図11に示すように、複数の電子放出部Pからそれぞれ0度の射出角で放出される複数の電子線EB_l(つまり、図11に示す複数の単位電子ビームEB_uの中心線)が二次光源面83os上で重なる位置と、複数の電子放出部Pからそれぞれ+X側に向かって0度より大きい射出角で放出される複数の電子線EB_l(図8の、各電子放出部Pから右下方向に向かって延びる線)が二次光源面83os上で重なる位置と、複数の電子放出部Pからそれぞれ−X側に向かって0度より大きい射出角で放出される複数の電子線EB_l(図8の、各電子放出部Pから左下方向に向かって延びる線)が二次光源面83os上で重なる位置とは互いに異なる。

0102

この場合、ある広がり角(言い換えれば、発散角)をもって電子放出部Pから単位電子ビームEB_uが放出されると、二次光源面83os上において電子ビームEBのエネルギー量がばらつきかねない。具体的には、上述したように、電子放出部Pからは、通常、ランバーシアン分布を有する単位電子ビームEB_uが放出される。この場合、電子放出部Pからは、電子放出部Pの正面方向とのなす角度(つまり、射出角)が大きくなるほどエネルギー量が小さくなる複数の電子線EB_lが放出される。つまり、複数の電子線EB_lのエネルギー量は、複数の電子線EB_lの射出角に依存する。このため、電子放出部Pからは、射出角が異なる(放出方向が異なる)ことに起因してエネルギー量が異なる複数の電子線EB_lが放出される。その結果、第1の射出角で電子放出部Pから射出されたがゆえに第1のエネルギー量を有する電子線EB_lが二次光源面83os上で重なる位置と、第1の射出角とは異なる第2の射出角で電子放出部Pから射出されたがゆえに第1のエネルギー量とは異なる第2のエネルギー量を有する電子線EB_lが二次光源面83os上で重なる位置とが異なると、二次光源面83os上において電子ビームEBのエネルギー量がばらつきかねない。つまり、二次光源面83osのある位置における電子ビームEBのエネルギー量と、二次光源面83osの別の位置における電子ビームEBのエネルギー量とが異なるものとなりかねない。その結果、このような二次光源面83osから放出されているとみなされる電子ビームEBがウェハWに照射されるがゆえに、ウェハWのある位置における電子ビームEBのエネルギー量と、ウェハWの別の位置における電子ビームEBのエネルギー量とが異なるものとなりかねない。つまり、エネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが照射されかねない。但し、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因して二次光源面83os上において電子ビームEBのエネルギー量の面内分布にムラが生じたとしても、当該電子ビームEBによってウェハWを適切に露光することができることに変わりはない。つまり、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因して二次光源面83os上での電子ビームEBのエネルギー量の面枚分布のムラは、電子ビームEBによる露光に大きな影響を与えるほどに過度に大きくなることは殆どない。但し、後述する第1変形例では、二次光源面83os上での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラによる影響を打ち消すための対策が採用されている。

0103

(1−1−4−3)複数の射出光学系83を介した複数の電子ビームEBのウェハWへの照射
続いて、図12及び図13を参照しながら、複数の射出光学系83をそれぞれ介して複数の電子ビームEBがウェハWに照射される様子について説明する。図12は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_u伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBが、複数の射出光学系83をそれぞれ介してウェハWに照射される様子を示す断面図である。図13は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBが、複数の射出光学系83をそれぞれ介してウェハWに照射される様子を示す断面図である。

0104

尚、説明の便宜上、図12及び図13では、3つの電子放出領域7331からそれぞれ放出される3本の電子ビームEBが、3つの射出光学系83をそれぞれ介してウェハWに照射される様子について説明する。3つの電子放出領域7331は、それぞれ、電子放出領域7331−1、7331−2及び7331−3と称して互いに区別する。3つの射出光学系83は、それぞれ、射出光学系83−1、83−2及び83−3と称して互いに区別する。

0105

図12に示すように、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部P(図12に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−1に入射する。射出光学系83−1は、電子放出領域7331−1から放出された複数の単位電子ビームEB_uを、照射光学系88の物体面88osに向けて射出する。その結果、電子放出領域7331−1からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、照射光学系88の物体面88osに射出光学系83−1が形成する二次光源面83os−1の全体に広がる。二次光源面83os−1から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88を介して、ウェハWに照射される。具体的には、二次光源面83os−1から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、二次光源面83os−1に対応するウェハWの表面の単位領域Wp−1に照射される。この際、二次光源面83os−1とウェハWの表面とが光学的に共役であるため、複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、単位領域Wp−1の全体に広がる。その結果、射出光学系83−1及び照射光学系88は、電子放出領域7331−1から放出される複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEB(つまり、電子放出領域7331−1から放出される電子ビームEB)で、単位領域Wp−1をケーラー照明することができる。このため、露光装置EX1は、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのエネルギー量のばらつきに起因して生じかねない単位領域Wp−1内での電子ビームEBのエネルギー量のばらつきの影響を抑制しながら、単位領域Wp−1を露光することができる。つまり、露光装置EX1は、電子放出領域7331−1からエネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが放出されることに起因して生じかねない単位領域Wp−1内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響を抑制しながら、単位領域Wp−1を露光することができる。但し、単位領域Wp−1の適切な露光に影響は殆どないものの、上述したように、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの電子放出部Pからの射出角の違いに起因して生じかねない単位領域Wp−1内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響は残る可能性がある。

0106

電子放出領域7331−2の複数の電子放出部P(図12に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−2に入射する。射出光学系83−2は、電子放出領域7331−2から放出された複数の単位電子ビームEB_uを、照射光学系88の物体面88osに向けて射出する。その結果、電子放出領域7331−2からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、照射光学系88の物体面88osのうち二次光源面83os−1が形成される位置とは異なる位置に射出光学系83−2が形成する二次光源面83os−2の全体に広がる。二次光源面83os−2から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88を介して、ウェハW(特に、単位領域Wp−1とは異なる単位領域Wp−2)に照射される。このため、射出光学系83−2及び照射光学系88は、電子放出領域7331−2から放出される複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEB(つまり、電子放出領域7331−2から放出される電子ビームEB)で、単位領域Wp−2をケーラー照明することができる。その結果、露光装置EX1は、電子放出領域7331−2からエネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが放出されることに起因して生じかねない単位領域Wp−2内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響を抑制しながら、単位領域Wp−2を露光することができる。

0107

電子放出領域7331−3の複数の電子放出部P(図12に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−3に入射する。射出光学系83−3は、電子放出領域7331−3から放出された複数の単位電子ビームEB_uを、照射光学系88の物体面88osに向けて射出する。その結果、電子放出領域7331−3からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、照射光学系88の物体面88osのうち二次光源面83os−1から83os−2が形成される位置とは異なる位置に射出光学系83−3が形成する二次光源面83os−3の全体に広がる。二次光源面83os−3から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88を介して、ウェハW(特に、単位領域Wp−1及びWp−2とは異なる単位領域Wp−3)に照射される。このため、射出光学系83−3及び照射光学系88は、電子放出領域7331−3から放出される複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEB(つまり、電子放出領域7331−3から放出される電子ビームEB)で、単位領域Wp−3をケーラー照明することができる。その結果、露光装置EX1は、電子放出領域7331−3からエネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが放出されることに起因して生じかねない単位領域Wp−3内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響を抑制しながら、単位領域Wp−3を露光することができる。

0108

また、図示しないものの、射出光学系83−1から83−3以外の一の射出光学系83及び照射光学系88は、一の射出光学系83に対応する一の電子放出領域7331から放出される複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEB(つまり、一の電子放出領域7331から放出される電子ビームEB)で、一の射出光学系83に対応する一の単位領域Wpをケーラー照明することができる。このような単位領域WpがウェハW上に複数設定されることを考慮すれば、露光装置EX1は、ウェハWの少なくとも一部をケーラー照明することで、ウェハWの少なくとも一部を露光することができる。

0109

この際、各射出光学系83は、各電子放出領域7331から放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれがアパーチャ板85の開口851を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出する。つまり、各射出光学系83は、各射出光学系83に対応する電子放出領域7331から放出される電子ビームEBがアパーチャ板85の開口851を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出する。一例として、射出光学系83−1は、電子放出領域7331−1から放出される複数の単位電子ビームEB_u(つまり、電子放出領域7331−1内の複数の電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_l)のそれぞれがアパーチャ板85の開口851を通過するように、複数の単位電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出する。他の一例として、射出光学系83−2は、電子放出領域7331−2から放出される複数の単位電子ビームEB_u(つまり、電子放出領域7331−1内の複数の電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_l)のそれぞれがアパーチャ板85の開口851を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出する。

0110

アパーチャ板85の開口851が複数の電子放出領域7331と光学的に共役な位置に配置されるため、各射出光学系73及び集束レンズ84は、各射出光学系73に対応する電子放出領域7331の像(つまり、電子像であり、電子のエネルギー量に応じた像)を開口851に形成することができる。

0111

各射出光学系83は、各電子放出領域7331の電子放出部P1(つまり、各電子放出領域7331の中心に位置する電子放出部P1)から放出される単位電子ビームEB_u1が開口851内の同じ位置を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。特に、各射出光学系83は、各電子放出領域7331の電子放出部P1(つまり、各電子放出領域7331の中心に位置する電子放出部P1)から放出される単位電子ビームEB_u1が開口851の中心を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。つまり、射出光学系83−1は、電子放出領域7331−1の電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1が開口851の中心を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。射出光学系83−1以外の他の射出光学系83もまた、当該他の射出光学系83に対応する電子放出領域7331の電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1が開口851の中心を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。

0112

各射出光学系83は、各電子放出領域7331の電子放出部P1以外の対応する電子放出部P(つまり、各電子放出領域7331の中心とは異なる位置に位置する電子放出部P)から放出される単位電子ビームEB_uが開口851内の同じ位置を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。例えば、射出光学系83−1から83−3は、電子放出領域7331−1の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2、電子放出領域7331−2の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2及び電子放出領域7331−3の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2が、開口851の同じ位置を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。例えば、射出光学系83−1から83−3は、電子放出領域7331−1の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3、電子放出領域7331−2の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3及び電子放出領域7331−3の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3が、開口851の同じ位置を通過するように、電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出してもよい。

0113

更に、上述したように、各電子放出領域7331の電子放出部P1から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、各電子放出領域7331に対応する射出光学系83を通過した後に、互いに平行であり且つ各電子放出領域7331に対応する射出光学系83の光軸AX83に平行な状態で照射光学系88の物体面88osに入射する。複数の射出光学系83のそれぞれの光軸AX83が電子ビーム光学系8の光軸AX(つまり、照射光学系88の光軸AX88)に平行であるため、各電子放出領域7331の電子放出部P1から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、各電子放出領域7331に対応する射出光学系83を通過した後に、互いに平行であり且つ照射光学系88の光軸AX88に平行な状態で照射光学系88の物体面88osに入射する。一方で、各電子放出領域7331の電子放出部P1以外の他の電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、各電子放出領域7331に対応する射出光学系83を通過した後に、互いに平行であり且つ照射光学系88の光軸AX88に交差する状態で照射光学系88の物体面88osに入射する。

0114

加えて、図13に示すように、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部P(図13に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、単位領域Wp−1のある一点で重なる。電子放出領域7331−2の複数の電子放出部P(図13に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、単位領域Wp−2のある一点で重なる。電子放出領域7331−3の複数の電子放出部P(図13に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、単位領域Wp−3のある一点で重なる。この際、複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−1内で重なる点の単位領域Wp−1内での相対位置と、複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−2内で重なる点の単位領域Wp−2内での相対位置と、複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−3内で重なる点の単位領域Wp−3内での相対位置とは、互いに対応する。複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−1内で重なる点と単位領域Wp−1との間の位置関係と、複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−2内で重なる点と単位領域Wp−2との位置関係と、複数の単位電子ビームEB_uの中心線が単位領域Wp−3内で重なる点と単位領域Wp−3との位置関係とは、互いに同一になる。つまり、複数の単位電子ビームEB_uの中心線がある単位領域Wp内で重なる点と当該ある単位領域Wpとの間の位置関係は、複数の単位領域Wpの間で同一になる。

0115

更に、中心線に限らず、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部Pから同じ射出角でそれぞれ放出される複数の電子線EB_l1は、単位領域Wp−1のある一点で重なる。電子放出領域7331−2の複数の電子放出部Pから同じ射出角でそれぞれ放出される複数の電子線EB_l2は、単位領域Wp−2のある一点で重なる。電子放出領域7331−3の複数の電子放出部Pから同じ射出角でそれぞれ放出される複数の電子線EB_l3は、単位領域Wp−3のある一点で重なる。この場合も、同じ射出角で放出される複数の電子線EB_l1が単位領域Wp−1内で重なる点と単位領域Wp−1との間の位置関係と、同じ射出角で放出される複数の電子線EB_l2が単位領域Wp−2内で重なる点と単位領域Wp−2との位置関係と、同じ射出角で放出される複数の電子線EB_l3が単位領域Wp−3内で重なる点と単位領域Wp−3内との位置関係とは、互いに同一になる。つまり、同じ射出角で放出される複数の電子線EB_lがある単位領域Wp内で重なる点と当該ある単位領域Wpとの間の位置関係は、複数の単位領域Wpの間で同一になる。

0116

図13から分かるように、電子放出領域7331−1の電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1の中心線と、電子放出領域7331−2の電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1の中心線と、電子放出領域7331−3の電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1の中心線とは、二次光源面83osが形成される位置(つまり、照射光学系88の物体面88os)において互いに平行になる。電子放出領域7331−1の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2の中心線と、電子放出領域7331−2の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2の中心線と、電子放出領域7331−3の電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2の中心線とは、物体面88osにおいて互いに平行になる。電子放出領域7331−1の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3の中心線と、電子放出領域7331−2の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3の中心線と、電子放出領域7331−3の電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3の中心線とは、物体面88osにおいて互いに平行になる。

0117

つまり、複数の電子放出領域7331内の互いに対応する複数の位置(具体的には、電子放出領域7331に対する位置関係が同じになる複数の位置)にそれぞれ位置する複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、物体面88osにおいて互いに平行になる。中心線の方向が単位電子ビームEB_uの進行方向であると仮定すると、複数の電子放出領域7331内の互いに対応する複数の位置にそれぞれ位置する複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの進行方向は、物体面88osにおいて揃うと言える。

0118

更に、中心線に限らず、複数の電子放出領域7331内の互いに対応する複数の位置にそれぞれ位置する複数の電子放出部Pからそれぞれ同じ射出角で放出される複数の電子線EB_lの進行方向は、物体面88osにおいて互いに平行になる。複数の電子放出領域7331内の互いに対応する複数の位置にそれぞれに位置する複数の電子放出部Pからそれぞれ同じ射出角で放出される複数の電子線EB_lの進行方向は、物体面88osにおいて揃う。例えば、電子放出領域7331−1の電子放出部P1から第1の射出角で放出された電子線EB_l1の進行方向と、電子放出領域7331−2の電子放出部P1から同じ第1の射出角で放出された電子線EB_l2の進行方向と、電子放出領域7331−3の電子放出部P1から同じ第1の射出角で放出された電子線EB_l3の進行方向とは、物体面88osにおいて平行になる。

0119

(1−2)第1実施形態の露光装置EX1による露光動作
続いて、露光装置EX1による露光動作(つまり、露光方法)について説明する。上述したように、露光装置EX1は、コンプリメンタリ・リソグラフィに用いられる。このため、露光装置EX1によるウェハWの露光に先立って、光を用いてウェハWを露光する露光装置(例えば、ArF光源、KrF光源若しくはその他の光源からの光を用いてウェハWを露光する液浸露光装置又はドライ露光装置)等によって、ウェハWにラインアンドスペースパターン(以降、“L/Sパターン”と称する)が形成される。その後、コータ等によって、L/Sパターンが形成されたウェハWに、電子線レジストが塗布される。露光装置EX1は、このL/Sパターンが形成され且つ電子線レジストが塗布されたウェハWを露光対象としている。

0120

ウェハWを露光するにあたって、まず、ステージチャンバ1内において、ウェハステージ22がウェハWをロードされる。ウェハステージ22は、ロードしたウェハWを保持(例えば、吸着)する。

0121

その後、ウェハW上の複数のショット領域のそれぞれに対応してスクライブライン(つまり、ストリートライン)に形成された少なくとも1つのアライメントマークに対して、各ショット領域に対応する電子ビーム装置5が電子ビームEBを照射する。その後、反射電子検出装置87は、少なくとも1つのアライメントマークからの反射電子を検出する。その後、制御装置4は、反射電子検出装置87の検出結果(つまり、アライメントマークの検出結果)に基づいて、ウェハWの全点アライメント計測を行う。露光装置EX1は、この全点アライメント計測の結果に基づいて、ウェハW上の複数のショット領域に対する複数の電子ビーム装置5による露光を開始する。つまり、露光装置EX1は、ウェハW上に形成されたL/Sパターンにカットパターンを形成してL/Sパターンを切断するための露光を開始する。例えば、ウェハW上に形成されたX軸方向を周期方向とするL/Sパターンに対するカットパターンを形成する際に、露光装置EX1は、制御装置4の制御下で、ウェハWをY軸方向に走査しつつ、複数の電子ビームEBの照射タイミングを制御する。尚、露光装置EX1は、全点アライメント計測を行わずに、ウェハWの一部のショット領域に対応して形成されたアライメントマークの検出を行い、その結果に基づいて複数のショット領域の露光を開始してもよい。また、ステージチャンバ1の外部でアライメントマークの検出が行われてもよい。この場合、露光装置EX1は、ステージチャンバ1の内部でアライメントマークの検出を行わなくてもよい。

0122

ここで、電子ビーム生成装置7(特に、複数の発光デバイス71)を用いた露光シーケンスについて説明する。ここでは、ウェハW上のある領域内に互いに隣接してX軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿って並ぶように2次元配置された多数の単位領域Wp(例えば、各アパーチャ7321を介した光ELに起因した電子ビームEBの照射領域と一致する領域であって、例えば10nm角の領域)を仮想的に設定し、その全ての単位領域Wpを露光対象とする露光シーケンスについて説明する。また、ここでは、電子ビーム生成装置7が72000個の発光デバイス71を備えており、且つ、X軸方向に所定ピッチで並ぶ6000個の発光デバイス71を含む発光デバイスアレイがY軸方向に所定ピッチで12個並ぶように72000個の発光デバイス71が配列されている例を用いて説明を進める。尚、以下では、12個の発光デバイスアレイを、それぞれ、発光デバイスアレイA、発光デバイスアレイB、・・・、及び、発光デバイスアレイLと称する。

0123

発光デバイスアレイAに着目して説明すると、ウェハW上にX軸方向に並ぶある行(第k行とする)の連続した6000個の単位領域Wpに対して発光デバイスアレイAを用いた露光が開始される。この露光開始の時点では、発光デバイスアレイAからの光ELに対応する電子ビームEBは、ホームポジションにあるものとする。そして、露光装置EX1は、露光開始からウェハステージ22の+Y方向(或いは、−Y方向、以下同じ)の移動(つまり、スキャン)に追従させて、電子ビームEBをホームポジションから+Y方向に偏向しながら同一の6000個の単位領域Wpに対する露光を続行する。その結果、例えばTa秒で6000個の単位領域Wpの露光が完了したとすると、その間にウェハステージ22は、秒速ナノメートルで、例えばTa×Vナノメートルだけ進んでいる。ここで、説明の簡略化のため、Ta×V=96ナノメートルであるものとする。

0124

続いて、ウェハステージ22が秒速Vナノメートルで+Y方向に24ナノメートルだけ移動している間に、露光装置EX1は、電子ビームEBをホームポジションに戻す。このとき、実際にウェハWに塗布された電子線レジストが感光しないように、電子ビーム装置5は、電子ビームEBを実際には照射しない。

0125

このとき、露光開始時点からウェハステージ22は+Y方向に120ナノメートル進んでいるので、この時点で、第(k+12)行の連続した6000個の単位領域Wpが、露光開始時点における第k行の6000個の単位領域Wpと同じ位置にある。そこで、露光装置EX1は、第k行の6000個の単位領域Wpを露光する場合と同様に、第(k+12)行の連続した6000個の単位領域Wpを露光する。

0126

発光デバイスアレイAによる第k行の6000個の単位領域Wpの露光と並行して、第(k+1)行から第(k+11)行のそれぞれの6000個の単位領域Wpは、発光デバイスアレイBから発光デバイスアレイLによってそれぞれ露光される。デバイスアレイAによる第(k+12)行の6000個の単位領域Wpの露光と並行して、第(k+13)行から第(k+23)行のそれぞれの6000個の単位領域Wpは、発光デバイスアレイBから発光デバイスアレイLによってそれぞれ露光される。

0127

このようにして、露光装置EX1は、ウェハW上のX軸方向の長さ60マイクロメートルの幅の領域(つまり、6000個の単位領域Wpが分布する領域)については、ウェハステージ22をY軸方向にスキャンさせながらの露光することができる。その後、露光装置EX1は、ウェハステージ22を60マイクロメートルだけX軸方向にステップ移動させた後に同様のスキャン露光を行えば、露光済みの長さ60マイクロメートルの幅の領域に対してX軸方向に隣接する新たな長さ60マイクロメートルの幅の領域を露光することができる。従って、露光装置EX1は、ウェハステージ22をY軸方向に移動させながら電子ビームEBを偏向することでウェハWを露光するスキャン露光と、ウェハステージ22をX軸方向に移動させるステッピングとを交互に繰り返すことで、ウェハW上の1つのショット領域の露光を、1つの電子ビーム装置5を用いて行うことができる。また、実際には、複数の電子ビーム装置5が並行してウェハW上の互いに異なるショット領域を露光しているため、露光装置EX1は、ウェハW全面を露光することができる。

0128

更にスキャン露光中には、露光装置EX1は、複数の発光デバイス71のそれぞれの発光状態(つまり、オン・オフ)を適宜切り替えることで、L/Sパターンに対してカットパターンを形成するべき箇所に電子ビームEBを照射する一方で、L/Sパターンに対してカットパターンを形成しなくてもよい箇所に電子ビームEBを照射しない。つまり、複数の電子放出領域7331のうちカットパターンを形成するべき箇所に対応する電子放出領域7331が電子ビームEBを放出する一方で、複数の電子放出領域7331のうちカットパターンを形成しなくてもよい箇所に対応する電子放出領域7331が電子ビームEBを放出しない。その結果、露光装置EX1は、ウェハW上に形成されたL/Sパターンに対してカットパターンを適切に形成することができる。つまり、露光装置EX1は、ウェハW上に形成されたL/Sパターンを適切に切断することができる。

0129

(1−3)第1実施形態の露光装置EX1の技術的効果
第1実施形態では、露光装置EX1は、複数の発光デバイス71のオン・オフを切り替えることで、複数の電子ビームEBのオン・オフを切り替えることができる。このため、露光装置EX1は、ウェハW上に形成されたL/Sパターンに対してカットパターンを適切に形成することができる。例えば、露光装置EX1は、ウェハW上に設定された複数のショット領域のそれぞれに形成されたL/Sパターンのうちの所望のライン上の所望の位置にカットパターンを適切に形成することができる。

0130

更に、第1実施形態では、露光装置EX1は、ブランキング・アパーチャを用いて複数の電子ビームEBを偏向させることで複数の電子ビームEBのオン・オフを切り替えなくてもよい。このため、ブランキング・アパーチャにおける不要な電子(例えば、ウェハWの露光に寄与しない電子)の生成が抑制される。更に、チャージアップ磁化による複雑なディストーション発生源となり得るブランキング・アパーチャが根本的になくなる。このため、露光装置EX1から、ブランキング・アパーチャが存在することで生ずる長期的な不安定要素が排除される。

0131

更に、露光装置EX1は、射出光学系82を介して電子ビームEBをウェハW(特に、単位領域Wp)に照射することができる。つまり、露光装置EX1は、ウェハW(特に、単位領域Wp)をケーラー照明することができる。このため、露光装置EX1は、電子放出領域7331からエネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが放出されることに起因して生じかねない単位領域Wp内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響を抑制しながら、単位領域Wpを露光することができる。従って、露光装置EX1は、電子放出領域7331からエネルギー量の面内分布にムラがある電子ビームEBが放出されることに起因して生じかねない単位領域Wp内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響が抑制されない場合と比較して、電子ビームEBを用いてウェハWを適切に露光することができる。つまり、露光装置EX1は、ウェハWに対して適切に電子ビームEBを照射することができる。

0132

(2)第2実施形態の露光装置EX2
(2−1)第2実施形態の露光装置EX2の構造
続いて、第2実施形態の露光装置EX2について説明する。第2実施形態の露光装置EX2は、第1実施形態の露光装置EX1と比較して、複数の電子ビーム装置5に代えて、複数の電子ビーム装置5aを備えているという点で異なる。露光装置EX2のその他の特徴は、露光装置EX1のその他の特徴と同じであってもよい。このため、以下では、図14から図16を参照しながら、第2実施形態における電子ビーム装置5aについて説明する。図14は、第2実施形態の電子ビーム装置5aの第1の構造を示す断面図である。図15は、第2実施形態の電子ビーム装置5aの第2の構造を示す断面図である。図16は、伝達光学系及び射出光学系を示す断面図である。尚、既に説明済みの構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。

0133

図14及び図15に示すように、第2実施形態の電子ビーム装置5aは、第1実施形態の電子ビーム装置5と比較して、電子ビーム生成装置7に代えて電子ビーム生成装置7aを備えているという点で異なる。電子ビーム装置5aのその他の特徴は、電子ビーム装置5のその他の特徴と同じであってもよい。

0134

図14に示す第1の構造にかかる電子ビーム生成装置7aは、第1の構造にかかる電子ビーム生成装置7と比較して、複数の伝達光学系74aを更に備えているという点で異なり、図15に示す第2の構造にかかる電子ビーム生成装置7aは、第2の構造にかかる電子ビーム生成装置7と比較して、複数の伝達光学系74aを更に備えているという点で異なる。電子ビーム生成装置7aのその他の特徴は、電子ビーム生成装置7のその他の特徴と同じであってもよい。

0135

複数の伝達光学系74aは、複数の電子ビームEBにそれぞれ対応するように配置される。複数の伝達光学系74aは、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置される。このため、複数の伝達光学系74aの数は、複数の電子ビームEBの数と同一である。複数の伝達光学系74aの数は、電子ビーム生成装置7aが備える光電変換素子73に形成されている複数のアパーチャ7321の数(つまり、複数の電子放出領域7331)と同一である。複数の伝達光学系74aの数は、電子ビーム生成装置7aが備える複数の発光デバイス71の数と同一であるが、異なっていてもよい。複数の伝達光学系74aの数は、電子ビーム生成装置7aが備える複数の投影レンズ72の数と同一であるが、異なっていてもよい。

0136

複数の伝達光学系74aは、電子放出面7330と複数の射出光学系83との間に配置される。複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出された複数の電子ビームEBは、複数の伝達光学系74aをそれぞれ介して、電子ビーム光学系8(特に、複数の射出光学系83)に入射する。具体的には、各電子ビームEBは、複数の伝達光学系74aのうちの各電子ビームEBに対応する一の伝達光学系74aに入射する。各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに入射してくる一の電子ビームEBを、複数の射出光学系83のうち各伝達光学系74aに対応する一の射出光学系83に向けて、所望の射出態様で射出する(言い換えれば、伝達する)。このため、複数の伝達光学系74aは、複数の射出光学系83と1:1で対応するように配置される。複数の伝達光学系74aの数は、複数の射出光学系83の数と同一である。但し、複数の伝達光学系74aは、複数の射出光学系83とN:1又は1:Nで対応するように配置されてもよい。

0137

第2実施形態では、各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに対応する一の射出光学系83が形成する二次光源面83osに、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331の像が形成されるように、電子ビームEBを所望の射出態様で射出する。二次光源面83osが照射光学系88の物体面88osに形成されるため、各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331の像を物体面88osに形成することが可能な射出態様で電子ビームEBを射出する。各伝達光学系74a及び各伝達光学系74aに対応する一の射出光学系83は、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331の像を、物体面88osに形成する。

0138

更に、各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331から放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線が電子ビーム光学系8の光軸AXに平行な状態で一の電子ビームEBが物体面88osに入射するように、電子ビームEBを所望の射出態様で射出する。電子ビーム光学系8の光軸AXは、伝達光学74aの光軸AX74、射出光学系83の光軸AX83及び照射光学系88の光軸AX88に平行である。このため、各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331から放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線が光軸AX74、AX83及びAX88に平行な状態で一の電子ビームEBが物体面88osに入射するように、電子ビームEBを所望の射出態様で射出する。つまり、各伝達光学系74aは、各伝達光学系74aに対応する一の電子放出領域7331から放出される電子ビームEBがテレセントリックな状態で物体面88osに入射するように、電子ビームEBを所望の射出態様で射出する。

0139

電子放出領域7331の像を物体面88osに形成し且つテレセントリックな状態にある電子ビームEBを物体面88osに入射させるために、伝達光学系74aは、図16に示すように、マイクロレンズ741aを備える。マイクロレンズ741aは、電子レンズである。マイクロレンズ741aは、電子ビームEBを収束可能な光学素子である。マイクロレンズ741aは、電子ビームEBに電場を作用させる電場レンズであってもよいし、電子ビームEBに磁場を作用させる磁場レンズであってもよい。

0140

マイクロレンズ741aは、マイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpに、電子放出面7330が配置されるように、光電変換素子73に対して位置決めされている。マイクロレンズ741aは、マイクロレンズ741aに対応する電子放出領域7331が前側焦点位置741ffpに配置されるように、光電変換素子73に対して位置決めされている。マイクロレンズ741aは、電子放出面7330(特に、マイクロレンズ741aに対応する電子放出領域7331から)ウェハW側に向かって、マイクロレンズ741aの焦点距離f741に相当する距離だけ離れた位置に配置される。

0141

ここで、一のマイクロレンズ741aに対応する電子放出領域7331は、光電変換素子73が備える複数の電子放出領域7331のうち一のマイクロレンズ741aに向けて電子ビームEBを放出する電子放出領域7331を意味する。第2実施形態では、複数の伝達光学系74aが複数の電子ビームEBと1:1で対応しているため、複数の伝達光学系74aがそれぞれ備える複数のマイクロレンズ741aと光電変換素子73が備える複数の電子放出領域7331とは、1:1で対応している。このため、第1の伝達光学系74aが備える第1のマイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpに、第1の伝達光学系74aに向けて電子ビームEBを放出する第1の電子放出領域7331が配置され、第2の伝達光学系74aが備える第2のマイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpに、第2の伝達光学系74aに向けて電子ビームEBを放出する第2の電子放出領域7331が配置され、・・・、第M(但し、Mは、電子ビーム生成装置7aが備える伝達光学系74aの数を示す)の伝達光学系74aが備える第Mのマイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpに、第Mの伝達光学系74aに向けて電子ビームEBを放出する第Mの電子放出領域7331が配置され。

0142

この場合、マイクロレンズ741aは、マイクロレンズ741aの後側焦点位置741rfpに、二次光源面74osを形成する。つまり、マイクロレンズ741aは、マイクロレンズ741aの後側焦点面(つまり、後側焦点位置741rfpに位置する、マイクロレンズ741aの光軸に直交する仮想的な光学面)に、二次光源面74osを形成する。二次光源面74osは、電子ビームEBが放出されているとみなすことが可能な仮想的な光源(つまり、電子ビーム源であり、電子放出面)である。二次光源面74osは、面状の光源である。このため、マイクロレンズ741a(つまり、伝達光学系74a)は、電子放出領域7331から放出される電子ビームEBを、二次光源面74osに向けて射出していると言える。この場合、電子ビーム生成装置7aは、二次光源面74osから電子ビームEBを放出する電子ビーム生成装置と等価である。

0143

各伝達光学系74aの後段には、各伝達光学系74に対応する射出光学系83が位置する。第2実施形態においても、射出光学系83は、マイクロレンズ831を備えている。但し、第2実施形態では、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに二次光源面74osが配置されるように、電子ビーム生成装置7aに対して位置決めされている。マイクロレンズ831は、電子ビーム生成装置7aから(特に、伝達光学系74aが形成する二次光源面74osから)ウェハW側に向かって、マイクロレンズ831の焦点距離f831に相当する距離だけ離れた位置に配置される。つまり、第2実施形態では、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに電子放出面7330(特に、マイクロレンズ831に対応する電子放出領域7331)が配置されるように、電子ビーム生成装置7aに対して位置決めされていなくてもよい。

0144

この場合も、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831の後側焦点位置831rfpに(つまり、照射光学系88の物体面88osに)、二次光源面83osを形成する。但し、第2実施形態では、上述したように伝達光学系74aが射出光学系83と電子放出領域7331との間に配置される結果、マイクロレンズ831は、マイクロレンズ831に対応する電子放出領域7331の像を二次光源面83osに(つまり、物体面88osに)形成する。つまり、二次光源面83osは、電子放出領域7331と光学的に共役な仮想的な光源である。この場合、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、電子放出領域7331と光学的に共役な位置に二次光源面83osを形成する実像光学系であるとも言える。

0145

尚、電子放出領域7331の光軸方向に沿った位置は、マイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpから、マイクロレンズ741aの焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。マイクロレンズ741aの前側焦点位置741ffpに配置される状態は、これらの状態を含んでいてもよい。また、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpの光軸方向に沿った位置は、マイクロレンズ741aの後側焦点位置741rfpから、マイクロレンズ741aの焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpとマイクロレンズ741aの後側焦点位置741rfpとが一致する状態(つまり、マイクロレンズ741aが、マイクロレンズ831の前側焦点位置831ffpに二次光源面83osを形成する状態)は、これらの状態を含んでいてもよい。また、二次光源面83osの光軸方向の位置は、マイクロレンズ831の後側焦点位置831rfpから、マイクロレンズ831の焦点距離の±1/10の範囲内であってもよく、±1/20の範囲内であってもよい。マイクロレンズ831の後側焦点位置831rfpに二次光源面83osを形成する状態は、これらの状態を含んでいてもよい。

0146

このように、第2実施形態では、射出光学系83と電子放出領域7331との間に新たに配置されるマイクロレンズ741a(つまり、伝達光学系74a)は、前側焦点位置741ffpに電子放出領域7331が配置され且つ後側焦点位置741rfpに二次光源面74osが形成される(マイクロレンズ831(つまり、射出光学系83)の前側焦点位置831ffpが配置される)、いわゆるf−f配置に準拠して配置されている。

0147

(2−2)伝達光学系74a及び射出光学系83での電子ビームEBの伝搬経路
続いて、図17から図19を参照しながら、各伝達光学系74a及び各伝達光学系74aに対応する一の射出光学系83での電子ビームEBの伝搬経路について説明する。図17は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を示す断面図である。図18は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの伝搬経路を示す断面図である。図19は、電子放出領域7331の断面形状、二次光源面83osの断面形状及び二次光源面83osの断面形状を示す平面図である。

0148

図17は、3つの電子放出部P1からP3からそれぞれ放出される3つの単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を示している。図17に示すように、電子放出部P1から放出される単位電子ビームEB_u1の中心線、電子放出部P2から放出される単位電子ビームEB_u2の中心線、及び、電子放出部P3から放出される単位電子ビームEB_u3の中心線は、マイクロレンズ741aを介して、二次光源面74os上において一点に重なる。つまり、複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、マイクロレンズ741aを介して、二次光源面74os上において一点に重なる。なぜならば、第2実施形態における電子放出領域7331と伝達光学系74aとの関係は、第1実施形態における電子放出領域7331と射出光学系83との関係と等価であるからである。

0149

更に、二次光源面74osから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの位置において互いに平行になる。マイクロレンズ831により、二次光源面74osから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線の方向が、二次光源面83osの位置において揃う。つまり、マイクロレンズ831により、複数の電子放出部Pからそれぞれ0度の射出角で放出された複数の電子線EB_lが、二次光源面83osの位置において互いに平行になる。このため、二次光源面83osからは、中心線が平行な複数の単位電子ビームEB_uが放出されているとみなすことができる。尚、説明の便宜上図示しないものの、二次光源面74osからそれぞれ同じ射出角で放出されているとみなされる複数の電子線EB_lもまた、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの位置において互いに平行になる。

0150

特に、二次光源面74osから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線は、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osの位置において、電子ビーム光学系8の光軸AXに対して平行になる。このため、二次光源面83osからは、中心線が光軸AXに対して平行な複数の単位電子ビームEB_uが放出されているとみなすことができる。電子ビーム光学系8の光軸AXは、伝達光学系74aの光軸AX74、射出光学系83の光軸AX83及び照射光学系88の光軸AX88に平行である。このため、二次光源面83osからは、中心線が光軸AX74、AX83及びAX88に対して平行な複数の単位電子ビームEB_uが放出されているとみなすことができる。中心線の方向が単位電子ビームEB_uの進行方向であると仮定すると、二次光源面83osからは、進行方向が光軸AX(更には、光軸AX74、AX83及びAX88)に対して平行な複数の単位電子ビームEB_uが放出されているとみなすことができる。つまり、伝達光学系74a及び射出光学系83は、中心線が光軸AXに対して平行な複数の単位電子ビームEB_uを照射光学系88に向けて射出する。この場合、伝達光学系74a及び射出光学系83は、テレセントリックな状態にある電子ビームEBを照射光学系88に向けて射出していると言える。従って、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、テレセントリック光学系を構成していてもよい。

0151

尚、伝達光学系74a及び射出光学系83が電子ビームを用いる光学系であるため、本実施形態では、「テレセントリック光学系」は、電子ビームを用いるテレセントリック光学系を意味している。電子ビームを用いるテレセントリック光学系は、光に対するテレセントリック光学系と比較して、光を用いた照明(照射)であるか又は電子ビームを用いた照明(照射)であるかの違いはあるものの、その意味する状態は同じである。つまり、電子ビームEBを用いるテレセントリック光学系は、光学系の入射側及び/又は射出側において電子ビームの中心線が光学系の光軸と平行になる光学系を意味する点で、光学系の入射側及び/又は射出側において光の主光線が光学系の光軸と平行になる光学系を意味する光を用いるテレセントリック光学系と共通する。

0152

第2実施形態では、伝達光学系74aには、電子放出領域7331から、中心線が光軸AXに対して平行な複数の単位電子ビームEB_uが入射する。このため、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、テレセントリックな状態(つまり、複数の単位電子ビームEB_uの中心線のそれぞれが光軸AXに対して平行な状態)にある電子ビームEBが入射し且つテレセントリックな状態にある電子ビームEBを射出する両側テレセントリック光学系を構成する。但し、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、非テレセントリックな状態(つまり、複数の単位電子ビームEB_uの中心線の少なくとも一つが光軸AXに対して非平行な状態)にある電子ビームEBが入射し且つテレセントリックな状態にある電子ビームEBを射出する片側テレセントリック光学系を構成していてもよい。

0153

続いて、図18は、3つの電子放出部P1からP3からそれぞれ放出される3つの単位電子ビームEB_uの伝搬経路(つまり、単位電子ビームEB_uの電子ビーム束)を示している。図18に示すように、第2実施形態では、電子放出部P1からP3からそれぞれ放出される単位電子ビームEB_u1からEB_u3のそれぞれは、マイクロレンズ741aを介して、二次光源面74osの全体に広がる。つまり、複数の電子放出部Pからそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、マイクロレンズ741aを介して、二次光源面74osの全体に広がる。なぜならば、第2実施形態における電子放出領域7331と伝達光学系74aとの関係は、第1実施形態における電子放出領域7331と射出光学系83との関係と等価であるからである。

0154

更に、二次光源面74osから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uのそれぞれは、マイクロレンズ831を介して、二次光源面83osのある位置に集光される。例えば、電子放出部P1から放出された単位電子ビームEB_u1は、二次光源面83osのある位置(具体的には、電子放出部P1に対応する位置)に集光する。例えば、電子放出部P2から放出された単位電子ビームEB_u2は、二次光源面83osのある位置(具体的には、電子放出部P2に対応する位置)に集光される。例えば、電子放出部P3から放出された単位電子ビームEB_u3は、二次光源面83osのある位置(具体的には、電子放出部P3に対応する位置)に集光される。説明の簡略化のために図示しないものの、各電子放出部Pから放出された単位電子ビームEB_uは、二次光源面83osのある位置(具体的には、各電子放出部Pに対応する位置)に集光される。つまり、二次光源面83osには、電子放出領域7331の像が結像する。二次光源面83osには、電子放出領域7331の実像が形成される。

0155

更に、二次光源面83osに電子放出領域7331の実像が形成されるため、図19に示すように、第2実施形態では、二次光源面83osの断面形状は、電子放出領域7331の断面形状と相似になる。尚、二次光源面83osの断面のサイズと電子放出領域7331の断面のサイズとの比率は、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系の倍率(例えば、マイクロレンズ741aの焦点距離f741及びマイクロレンズ831の焦点距離f831等に基づいて定まる倍率)に依存する。例えば、焦点距離f741が焦点距離f831よりも小さければ、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は拡大光学系を構成する。この場合、二次光源面83osの断面のサイズは電子放出領域7331の断面のサイズよりも大きくなる。例えば、焦点距離f741が焦点距離f831よりも大きければ、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は縮小光学系を構成する。この場合、二次光源面83osの断面のサイズは電子放出領域7331の断面のサイズよりも小さくなる。

0156

加えて、第2実施形態では、伝達光学系741aが形成する二次光源面74os上において、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの電子放出部Pからの射出角の違いに起因して、電子ビームEBのエネルギー量の面内分布にムラが生ずる可能性がある。その理由は、第1実施形態において既に説明したとおりである。一方で、二次光源面74osから放出されているとみなされる電子ビームEBは、二次光源面83osにおいて電子放出領域7331の像を形成する。つまり、ある電子放出部Pから互いに異なる方向に放出された複数の電子線EB_lは、二次光源面83os上で同じ位置に重なる。従って、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因した電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラは、二次光源面83osにおいて生ずることはない。その結果、このような二次光源面83osから放出されているとみなされる電子ビームEBがウェハWに照射されるがゆえに、ウェハWのある位置における電子ビームEBのエネルギー量と、ウェハWの別の位置における電子ビームEBのエネルギー量とが、単位電子ビームEB_uを構成する複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因してばらつくことはない。このため、第2実施形態では、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、二次光源面74os上での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラによる影響を打ち消すことができる。伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因したエネルギー量の面内分布のムラが生じていない二次光源面83osを形成することができる。伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因したエネルギー量の面内分布のムラがウェハW上で生じてない電子ビームEBを、ウェハWに照射することができる。

0157

(2−3)複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83を介した複数の電子ビームEBのウェハWへの照射
続いて、図20及び図21を参照しながら、複数の射出光学系83をそれぞれ介して複数の電子ビームEBがウェハWに照射される様子について説明する。図20は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの中心線の伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBが、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83をそれぞれ介してウェハWに照射される様子を示す断面図である。図21は、電子放出領域7331の複数の電子放出部Pから放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uの伝搬経路を用いて、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBが、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83をそれぞれ介してウェハWに照射される様子を示す断面図である。

0158

尚、図20及び図21においても、図12及び図13と同様に、3つの電子放出領域7331−1から7331−3からそれぞれ放出される3本の電子ビームEBが、3つの射出光学系83−1から83−3をそれぞれ介してウェハWに照射される様子について説明する。

0159

図20に示すように、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部P(図20に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、伝達光学系74a−1に入射する。伝達光学系74a−1は、電子放出領域7331−1からの複数の単位電子ビームEB_uを、二次光源面74osが形成される仮想的な光学面7osに射出する。その結果、光学面7os上に二次光源面74os−1が形成される。尚、光学面7osは、アパーチャ85の開口と光学的に共役な仮想的な光学面である。二次光源面74os−1からの複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−1に入射する。その結果、射出光学系83−1は、電子放出領域7331−1の実像が形成された二次光源面83os−1を形成する。二次光源面83os−1から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88に入射する。このため、伝達光学系74a−1及び射出光学系83−1から構成される光学系は、照射光学系88に向けて、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEBを射出する。つまり、伝達光学系74a−1及び射出光学系83−1から構成される光学系は、照射光学系88に向けて、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある電子ビームEBを射出する。その結果、伝達光学系74a−1及び射出光学系83−1から構成される光学系を介して、照射光学系88には、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_u(つまり、このような複数の単位電子ビームEB_uから構成される、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある電子ビームEB)が入射する。

0160

電子放出領域7331−2の複数の電子放出部P(図20に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、伝達光学系74a−2に入射する。伝達光学系74a−2は、電子放出領域7331−2からの複数の単位電子ビームEB_uを光学面7osに向けて射出して、光学面7os上に二次光源面74os−2を形成する。二次光源面74os−2からの複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−2に入射する。その結果、射出光学系83−2は、電子放出領域7331−2の実像が形成された二次光源面83os−2を形成する。二次光源面83os−2から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88に入射する。その結果、伝達光学系74a−2及び射出光学系83−2から構成される光学系を介して、照射光学系88には、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_u(つまり、このような複数の単位電子ビームEB_uから構成される、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある電子ビームEB)が入射する。

0161

電子放出領域7331−3の複数の電子放出部P(図20に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、伝達光学系74a−3に入射する。伝達光学系74a−3は、電子放出領域7331−3からの複数の単位電子ビームEB_uを光学面7osに射出して、光学面7os上に二次光源面74os−3を形成する。二次光源面74os−3からの複数の単位電子ビームEB_uは、射出光学系83−3に入射する。その結果、射出光学系83−3は、電子放出領域7331−3の実像が形成された二次光源面83os−3を形成する。二次光源面83os−3から放出されているとみなされる複数の単位電子ビームEB_uは、照射光学系88に入射する。その結果、伝達光学系74a−3及び射出光学系83−3から構成される光学系を介して、照射光学系88には、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_uから構成される電子ビームEB(つまり、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある電子ビームEB)が入射する。

0162

図20には図示しないものの、その他の互いに対応する伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系もまた、照射光学系88に向けて、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_uを射出する。その結果、その他の互いに対応する伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系を介して、照射光学系88には、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の単位電子ビームEB_u(つまり、このような複数の単位電子ビームEB_uから構成される、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある電子ビームEB)が入射する。

0163

このように、第2実施形態では、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBが、中心線が光軸AXに対して平行な状態で照射光学系88に入射する。尚、電子ビームEBの中心線は、電子放出領域7331の中心から放出される単位電子ビームEB_uの中心線を意味していてもよい。この場合、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBは、複数の電子放出領域7331の電子放出部P1からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_u1の中心線が光軸AXに対して平行になる状態で照射光学系88に入射する。中心線の方向が電子ビームEBの進行方向であると仮定すると、複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBは、進行方向が揃った(典型的には、平行な)状態で照射光学系88に入射する。複数の電子放出領域7331からそれぞれ放出される複数の電子ビームEBは、複数の電子放出領域7331の電子放出部P1からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_u1の進行方向が揃った(典型的には、平行な)状態で照射光学系88に入射する。つまり、照射光学系88には、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBが入射する。

0164

第2実施形態では、照射光学系88は、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の電子ビームEBを射出する。照射光学系88は、進行方向が揃った(典型的には、平行な)複数の電子ビームEBを射出する。このため、照射光学系88は、テレセントリックな状態(つまり、中心線が光軸AXに対して平行な状態)にある複数の電子ビームEBが入射し且つテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを射出する両側テレセントリック光学系を構成する。

0165

逆に言えば、第2実施形態では、照射光学系88が両側テレセントリック光学系であることに合わせて、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83から構成される光学系は、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の電子ビームEBを照射光学系88が射出することができるように、複数の電子ビームEBをそれぞれ制御して照射光学系88に向けて射出していると言える。言い換えれば、照射光学系88が両側テレセントリック光学系であることに合わせて、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83から構成される光学系は、進行方向が揃った(典型的には、平行な)状態にある複数の電子ビームEBを照射光学系88が射出することができるように、複数の電子ビームEBをそれぞれ制御して照射光学系88に向けて射出していると言える。更に言い換えれば、照射光学系88が両側テレセントリック光学系であることに合わせて、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83から構成される光学系は、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを照射光学系88が射出することができるように、複数の電子ビームEBをそれぞれ制御して照射光学系88に向けて射出していると言える。

0166

その結果、ウェハWには、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の電子ビームEBが照射される。ウェハWには、進行方向が揃った(典型的には、平行な)状態にある複数の電子ビームEBが照射される。ウェハWには、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBが照射される。つまり、露光装置EX2は、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83(更には、照射光学系88)を介して、中心線が光軸AXに対して平行な状態にある複数の電子ビームEBでウェハWを露光することができる。露光装置EX2は、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83(更には、照射光学系88)を介して、進行方向が揃った(典型的には、平行な)状態にある複数の電子ビームEBでウェハWを露光することができる。露光装置EX2は、複数の伝達光学系74a及び複数の射出光学系83(更には、照射光学系88)を介して、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBでウェハWを露光することができる。

0167

更に、照射光学系88の物体面88osとウェハWの表面とが光学的に共役であるため、ウェハWの表面には、物体面88osの像(つまり、複数の二次光源面83osの像)が形成される。複数の二次光源面83osには複数の電子放出領域7331の像がそれぞれ形成されているため、ウェハWの表面には、複数の電子放出領域7331の像が形成される。このため、露光装置EX2は、複数の電子放出領域7331の像をウェハWの表面に投影してウェハWを露光することができる。

0168

また、照射光学系88の物体面88osとウェハWの表面との双方に複数の電子放出領域7331の像が形成される第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、アパーチャ板85の開口851に複数の電子放出領域7331の像が形成されなくてもよい。但し、アパーチャ板85の開口851は、電子ビーム生成装置7と光学的に共役な位置に配置されることに変わりはない。具体的には、例えば、アパーチャ板85の開口851は、電子ビーム生成装置7が形成する複数の二次光源面74a(つまり、電子ビーム源)と光学的に共役な位置に配置される。この場合、集束レンズ84及び一の射出光学系83から構成される光学系は、アパーチャ板85の開口851と複数の二次光源面74osのうち一の射出光学系83に対応する一の二次光源面74osとを光学的に共役にする光学系であるとも言える。二次光源面74osが伝達光学系74aによって形成されることを考慮すると、集束レンズ84及び一の射出光学系83並びに一の射出光学系83に対応する一の伝達光学系74aから構成される光学系は、アパーチャ板85の開口851と複数の二次光源面74osのうち一の射出光学系83に対応する一の二次光源面74os(つまり、一の伝達光学系74aが形成する一の二次光源面74os)とを光学的に共役にする光学系であるとも言える。

0169

更に、図21に示すように、電子放出領域7331−1の複数の電子放出部P(図21に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uは、伝達光学系74a−1、射出光学系83−1及び照射光学系88を介して、ウェハWの単位領域Wp−1の対応する位置にそれぞれ集光される。つまり、電子放出領域7331−1から放出される電子ビームEBは、ウェハWの単位領域Wp−1で結像する。このため、単位領域Wp−1は、電子ビームEBを構成する複数の電子線EB_lの電子放出部Pからの射出角の違いに起因して生じかねない単位領域Wp−1内での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラの影響を受けることなく、電子放出領域7331−1から放出される電子ビームEBによって適切に露光される。その他の単位領域Wpについても同様である。

0170

加えて、上述したように、複数の二次光源面74osとアパーチャ板85の開口851とが光学的に共役である。上述したように、第1実施形態の二次光源面74aが第2実施液体の二次光源83と等価であるため、二次光源面74aは、ケーラー照明される。つまり、二次光源面74aでは、電子放出部Pから放出される単位電子ビームEB_uが全体に広がる。言い換えれば、ある電子放出部Pから互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、二次光源面74a上で互いに異なる位置に入射する。このため、このような二次光源面74aと光学的に共役な開口851においても、ある電子放出部P(例えば、電子放出部P1からP3)から互いに異なる方向に放出される複数の電子線EB_lは、開口851内の互いに異なる位置を通過する。

0171

(2−4)第2実施形態の露光装置EX2の技術的効果
第2実施形態の露光装置EX2は、上述した露光装置EX1と同様に、複数の発光デバイス71のオン・オフを切り替えることで、複数の電子ビームEBのオン・オフを切り替えることができる。このため、露光装置EX2は、ウェハW上に形成されたL/Sパターンに対してカットパターンを適切に形成することができる。更に、露光装置EX2は、上述した露光装置EX1と同様に、ブランキング・アパーチャを用いて複数の電子ビームEBを偏向させることで複数の電子ビームEBのオン・オフを切り替えなくてもよい。このため、露光装置EX2から、ブランキング・アパーチャが存在することで生ずる長期的な不安定要素が排除される。

0172

更に、露光装置EX2は、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBをウェハWに照射することで、ウェハWを露光することができる。このため、露光装置EX2は、非テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBをウェハWに照射する比較例の露光装置と比較して、ウェハWをより適切に露光することができる。つまり、露光装置EX2は、ウェハWに対して複数の電子ビームEBをより適切に照射することができる。

0173

更に、第2実施形態では、上述したように、ウェハW上における電子ビームEBのエネルギー量の面内分布に、電子放出部Pから放出される複数の電子線EB_lの射出角の違いに起因したムラが生ずることはない。このため、露光装置EX2は、二次光源面74os上で生じている電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラによる影響を打ち消すことができる。その結果、露光装置EX2は、二次光源面74os(或いは、二次光源83os)上での電子ビームEBのエネルギー量の面内分布のムラによる影響を打ち消すことができない比較例の露光装置と比較して、ウェハWをより適切に露光することができる。つまり、露光装置EX2は、ウェハWに対して複数の電子ビームEBをより適切に照射することができる。

0174

尚、上述した説明では、複数の伝達光学系74aは、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置されており、且つ、複数の射出光学系83は、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置されている。しかしながら、複数の伝達光学系74aは、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置されていなくてもよい。複数の射出光学系83は、複数の電子ビームEBと1:1で対応するように配置されていなくてもよい。この場合、第2実施形態の電子ビーム装置5aの第1変形例の構造を示す断面図である図22に示すように、複数の伝達光学系74aは、複数の電子ビームEBと1:N(但し、Nは2以上の整数)で対応するように配置されていてもよい。複数の射出光学系83は、複数の電子ビームEBと1:N(但し、Nは2以上の整数)で対応するように配置されていてもよい。尚、図22は、複数の伝達光学系74aが複数の電子ビームEBと1:2で対応し且つ複数の射出光学系83が複数の電子ビームEBと1:2で対応する例を示している。この場合、一つの伝達光学系74aに複数の電子ビームEBが入射してもよい。一つの射出光学系83に複数の電子ビームEBが入射してもよい。複数の伝達光学系74aの数は、複数の電子ビームEBの数よりも少なくなってもよい。複数の射出光学系83の数は、複数の電子ビームEBの数よりも少なくなってもよい。複数の伝達光学系74aの数は、電子ビーム生成装置7が備える光電変換素子73に形成されている複数のアパーチャ7321の数(つまり、複数の電子放出領域7331)の数よりも少なくなってもよい。複数の射出光学系83の数は、複数の電子放出領域7331の数よりも少なくなってもよい。この場合であっても、上述した効果が享受可能であることに変わりはない。

0175

また、上述した説明では、電子ビーム生成装置7aが複数の伝達光学系74aを備えている。しかしながら、電子ビーム生成装置7aに代えて、電子ビーム光学系8が複数の伝達光学系74aを備えていてもよい。具体的には、第2実施形態の電子ビーム装置5aの第2変形例の構造を示す断面図である図23に示すように、第2変形例では、電子ビーム装置5aは、複数の伝達光学系74aを備えていない電子ビーム生成装置7と、複数の伝達光学系74aを更に備えている電子ビーム光学系8aとを備えていてもよい。この場合であっても、複数の伝達光学系74aとその他の光学素子(例えば、光電変換素子73及び複数の射出光学系83)との位置関係は同じでよい。その結果、上述した効果と同様の効果を享受することができる。

0176

(3)第3実施形態の露光装置EX3
続いて、第3実施形態の露光装置EX3について説明する。第3実施形態の露光装置EX3は、第2実施形態の露光装置EX2と比較して、複数の電子ビーム装置5aに代えて、複数の電子ビーム装置5bを備えているという点で異なる。露光装置EX3のその他の特徴は、露光装置EX2のその他の特徴と同じであってもよい。このため、以下では、図24を参照しながら、第3実施形態における電子ビーム装置5bについて説明する。図24は、第2実施形態の電子ビーム装置5bの構造を示す断面図である。尚、既に説明済みの構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。

0177

図24に示すように、第3実施形態の電子ビーム装置5bは、第2実施形態の電子ビーム5aと比較して、電子ビーム生成装置7aに代えて電子ビーム生成装置7bを備え、且つ、電子ビーム光学系8に代えて電子ビーム光学系8bを備えているという点で異なる。電子ビーム装置5bのその他の特徴は、電子ビーム装置5aのその他の特徴と同じであってもよい。

0178

電子ビーム光学系8bは、電子ビーム光学系8と比較して、照射光学系88に代えて照射光学系88bを備えているという点で異なる。尚、図24では、図面の簡略化のために、電子ビーム光学系8bが備える構成要件の一部の記載が省略されている。照射光学系88bは、非テレセントリックな状態(つまり、複数の単位電子ビームEB_uの中心線の少なくとも一つが光軸AXに対して非平行な状態)にある複数の電子ビームEBが入射し且つテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを射出する片側テレセントリック光学系を構成しているという点で、両側テレセントリック光学系を構成する照射光学系88とは異なる。但し、照射光学系88bに入射する複数の電子ビームEBの全ての中心線が光軸AXに対して非平行でなくてもよい。典型的には、光軸AXと重なる位置を通過してくる電子ビームEBの中心線は、光軸AXに対して平行であってもよい。電子ビーム光学系8bのその他の特徴は、電子ビーム光学系8のその他の特徴と同一であってもよい。

0179

照射光学系88bは、集束レンズ84bと、開口851bが形成されたアパーチャ板85bと、対物レンズ86bとを備えている。集束レンズ84b、アパーチャ板85b及び対物レンズ86bの特徴は、集束レンズ84、アパーチャ板85及び対物レンズ86の特徴と同一であってもよい。但し、集束レンズ84b、アパーチャ板85b及び対物レンズ86bは、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系を構成するように、その特性(例えば、光学特性や配置位置等)が設定される。

0180

この場合、図24に示すように、複数の射出光学系83のそれぞれは、各射出光学系83の光軸AX83に対して非平行な方向に進行する電子ビームEBを射出する。複数の射出光学系83のそれぞれは、電子ビーム光学系8bの光軸AX及び照射光学系88bの光軸AX88に対しても非平行な方向に進行する電子ビームEBを射出する。尚、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、電子ビームEBの進行方向は、電子放出領域7331の中心(つまり、電子放出部P1)から放出される単位電子ビームEB_uの進行方向を意味していてもよい。また、単位電子ビームEB_uの進行方向は、単位電子ビームEB_uの中心線の方向を意味していてもよい。但し、照射光学系88bに入射する複数の電子ビームEBのうちの少なくとも一つが光軸AXに対して平行になるべき状況では、この電子ビームEBを射出する射出光学系83は、当該射出光学系83の光軸AX83に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを射出してもよい。典型的には、光軸AX83が光軸AXと重なる射出光学系83は、当該射出光学系83の光軸AX83に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを射出してもよい。図24に示す例では、図24中に記載されている5つの射出光学系83のうちの中央の射出光学系83が、当該射出光学系83の光軸AX83に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを射出している。

0181

電子ビーム生成装置7bは、電子ビーム生成装置7aと比較して、複数の伝達光学系74aがそれぞれ備える複数のマイクロレンズ741aの少なくとも一つを移動可能であるという点で異なる。複数のマイクロレンズ741aの少なくとも一つを移動させるために、露光装置EX2の制御系のブロック構造を示すブロック図である図25に示すように、電子ビーム生成装置7bは、レンズ駆動系75bを備えている。電子ビーム生成装置7bのその他の特徴は、電子ビーム生成装置7aのその他の特徴と同じであってもよい。

0182

レンズ駆動系75bは、制御装置4の制御下で、各伝達光学系74aの光軸AX74に交差する(特に、直交する)方向に沿って、各伝達光学系74aが備えるマイクロレンズ741aを移動させる。マイクロレンズ741aが移動すると、マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域もまた、各伝達光学系74aの光軸AX74に交差する方向に沿って移動する。マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域が移動すると、当該マイクロレンズ741aを通過した電子ビームEB(つまり、マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域を通過した電子ビームEB)の振る舞いも変わる。典型的には、マイクロレンズ741aを通過した電子ビームEB進行方向が変わる。

0183

例えば、図26(a)は、射出光学系83の光軸AX88に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを射出光学系83が射出する様子を示す断面図である。尚、図26(a)中の太い点線は、複数の電子放出部P(図26(a)に示す例では、電子放出部P1からP3)からそれぞれ放出される複数の単位電子ビームEB_uの中心線を示している。従って、電子ビームEBの進行方向は、電子放出部P1を起点に延びる太い線で示される。図26(a)に示す状態にある伝達光学系74aにおいてマイクロレンズ741aが移動すると、図26(b)に示すように、マイクロレンズ741aを通過した電子ビームEBの進行方向が変わる。その結果、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系の状態は、伝達光学系74aの光軸AX74及び射出光学系83の光軸AX83に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを照射光学系88bに向けて射出する状態から、伝達光学系74aの光軸AX74及び射出光学系83の光軸AX83に対して非平行に進行な方向に進行する電子ビームEBを照射光学系88bに向けて射出する状態へと変わる。つまり、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、マイクロレンズ741aを移動させることで、電子ビームEBの射出方向(つまり、進行方向)を制御することができる。このため、伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系は、片側テレセントリック光学系である照射光学系83に合わせた射出態様で電子ビームEBを射出することができる。

0184

但し、マイクロレンズ741aの移動方向が伝達光学系74aの光軸AX74に交差する(特に、直交する)方向であるため、マイクロレンズ741aが移動したとしても、上述したf−f配置が崩れることはない。このため、図26(b)に示すように、伝達光学系74aの光軸AX74及び射出光学系83の光軸AX83に対して非平行な方向に進行する電子ビームEBを射出光学系83が射出している場合であっても、この電子ビームEBを構成する複数の単位電子ビームEB_uの中心線は互いに平行な状態に維持される。つまり、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、二次光源面83osからは、中心線が平行な複数の単位電子ビームEB_uが放出されているとみなすことができることに変わりはない。

0185

レンズ駆動系75bは、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを照射光学系88bが射出する状態を実現することが可能な所望の射出態様で複数の射出光学系83が複数の電子ビームEBをそれぞれ射出することができるように、複数の伝達光学系741aがそれぞれ備える複数のマイクロレンズ741aの少なくとも一つを移動させてもよい。特に、レンズ駆動系75bは、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせて、照射光学系88bがテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを射出する状態を実現することが可能な所望の射出態様で複数の射出光学系83が複数の電子ビームEBをそれぞれ射出することができるように、少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。この際、レンズ駆動系75bは、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系である場合であっても、複数の電子ビームEBが照射光学系88bのアパーチャ板85bの開口851bを通過してテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを照射光学系88bが射出する状態を実現することが可能な所望の射出態様で複数の射出光学系83が複数の電子ビームEBをそれぞれ射出することができるように、少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。その結果、複数の伝達光学系74aは、照射光学系88bがテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを射出するように、複数の電子ビームEBを複数の射出光学系83に向けてそれぞれ所望の射出態様で射出することができる。複数の射出光学系83は、照射光学系88bがテレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBを射出するように、複数の電子ビームEBを照射光学系88bに向けてそれぞれ所望の射出態様で射出することができる。

0186

照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせた射出態様で電子ビームEBを射出するために、例えば、レンズ駆動系75は、光軸AXと各射出光学系83との間の距離(特に、各射出光学系83の光軸AX83に交差する方向における距離)に応じて照射光学系88bに対する電子ビームEBの入射角θinが変わるように、少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動してもよい。具体的には、図24に示すように、片側テレセントリック光学系を構成する照射光学系88bでは、電子ビームEBが照射光学系88bに入射する位置が光軸AXから離れるほど、その電子ビームEBの照射光学系88bに対する入射角θinが大きくなる。このため、光軸AXから遠い射出光学系83ほど照射光学系88bに対する入射角θinが大きくなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。光軸AXに近い射出光学系83ほど照射光学系88bに対する入射角θinが小さくなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。尚、第3実施形態における「電子ビームEBの入射角θin」は、電子ビームEBの中心線の入射角を意味していてもよい。第3実施形態における「電子ビームEBの入射角θin」は、電子ビームEBの中心線が光軸AXに平行な軸に対してなす角を意味していてもよい。

0187

照射光学系88bに対する電子ビームEBの入射角θinは、射出光学系83からの電子ビームEBの射出角θemに依存する。このため、レンズ駆動系75は、光軸AXと各射出光学系83との間の距離(特に、各射出光学系83の光軸AX83に交差する方向における距離)に応じて射出光学系83からの電子ビームEBの射出角θemが変わるように、少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動してもよい。具体的には、光軸AXから遠い射出光学系83ほど射出光学系83からの射出角θemが大きくなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。光軸AXに近い射出光学系83ほど射出光学系83からの射出角θemが小さくなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。尚、第3実施形態における「電子ビームEBの射出角θem」は、電子ビームEBの中心線の射出角を意味していてもよい。第3実施形態における「電子ビームEBの射出角θem」は、電子ビームEBの中心線が光軸AXに平行な軸に対してなす角を意味していてもよい。

0188

射出光学系83からの電子ビームEBの射出角θemが変わることは、射出光学系83から射出される電子ビームEBの偏向量が変わることと実質的には等価であるとも言える。尚、第3実施形態における「電子ビームEBの偏向量」は、射出光学系83の光軸AX83を基準とする電子ビームEBの中心線の偏向量を意味していてもよい。このため、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせた射出態様で電子ビームEBを射出するために、レンズ駆動系75bは、光軸AXと各射出光学系83との間の距離に応じて電子ビームEBの偏向量が変わるように、少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動してもよい。具体的には、光軸AXから遠い射出光学系83ほど偏向量が多くなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。光軸AXに近い射出光学系83ほど偏向量が少なくなる電子ビームEBを射出するように、レンズ駆動系75が少なくとも一つのマイクロレンズ741aを移動させてもよい。

0189

照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせた射出態様で電子ビームEBを射出するために、各射出光学系83から射出される電子ビームEBの偏向方向は、光軸AXに対して各射出光学系83が位置する方向に基づいて決定されてもよい。尚、第3実施形態における「電子ビームEBの偏向方向」は、射出光学系83の光軸AX83を基準に対して電子ビームEBの中心線がシフトした方向を意味していてもよい。例えば、光軸AXに対して+X方向に位置する射出光学系83から射出される電子ビームEBは、この射出光学系83の光軸AX83に対して+X方向に偏向されていてもよい(図24中の、光軸AXよりも右側に位置する射出光学系83参照)。例えば、光軸AXに対して−X方向に位置する射出光学系83から射出される電子ビームEBは、この射出光学系83の光軸AX83に対して−X方向に偏向されていてもよい(図24中の、光軸AXよりも左側に位置する射出光学系83参照)。例えば、光軸AXに対して+Y方向に位置する射出光学系83から射出される電子ビームEBは、この射出光学系83の光軸AX83に対して+Y方向に偏向されていてもよい。例えば、光軸AXに対して−Y方向に位置する射出光学系83から射出される電子ビームEBは、この射出光学系83の光軸AX83に対して−Y方向に偏向されていてもよい。つまり、各射出光学系83から射出される電子ビームEBの偏向方向は、光軸AXに対して各射出光学系83が位置する方向と同じであってもよい。

0190

この場合、複数の射出光学系83は、別々の方向に進行する複数の電子ビームEBをそれぞれ射出してもよい。複数の射出光学系83は、進行方向が異なる複数の電子ビームEBをそれぞれ射出してもよい。但し、複数の射出光学系83のうちの少なくとも二つが、同じ方向に向けて少なくとも二つの電子ビームEBをそれぞれ射出してもよい。複数の射出光学系83のうちの少なくとも二つが、進行方向が同じになる少なくとも二つの電子ビームEBをそれぞれ射出してもよい。

0191

尚、図26(b)から分かるように、互いに対応する伝達光学系74a及び射出光学系83から構成される光学系に着目すると、マイクロレンズ741aが移動することで、マイクロレンズ741aの光軸AX74が、射出光学系83の光軸AX83に対してシフトする。つまり、マイクロレンズ741aの光軸AX74が、射出光学系83の光軸AX83から離れる。マイクロレンズ741aの光軸AX74が射出光学系83の光軸AX83から離れた状態にある場合には、当該射出光学系83は、当該射出光学系83の光軸AX83に対して非平行な方向に進行する電子ビームEBを照射光学系88bに対して射出してもよい。一方で、マイクロレンズ741aの光軸AX74が射出光学系83の光軸AX83と一致する状態にある場合には、当該射出光学系83は、当該射出光学系83の光軸AX83に対して平行な方向に進行する電子ビームEBを照射光学系88bに対して射出してもよい。

0192

以上説明したように、露光装置EX3は、上述した第2実施形態の露光装置EX2が享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。更に、第3実施形態では、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系である場合であっても、露光装置EX3は、テレセントリックな状態にある複数の電子ビームEBをウェハWに照射することができる。このため、露光装置EX3は、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系である場合であっても、ウェハWをより適切に露光することができる。つまり、露光装置EX3は、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系である場合であっても、ウェハWに対して複数の電子ビームEBをより適切に照射することができる。

0193

尚、射出光学系83は、制御装置4の制御下で、射出光学系83の光軸AX83に交差する(特に、直交する)方向に沿ってマイクロレンズ831を移動させることが可能なレンズ駆動系を備えていてもよい。この場合であっても、上述した効果と同様の効果を享受可能である。尚、この場合には、電子ビーム生成装置7bは、レンズ駆動系75bを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。

0194

上述した説明では、電子ビーム生成装置7bは、マイクロレンズ741aそのものを移動させている。しかしながら、マイクロレンズ741aそのものが移動しない場合であっても、マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域が移動すれば、電子ビームEBの進行方向が制御可能である。このため、電子ビーム生成装置7bは、マイクロレンズ741aそのものの位置を固定したまま(或いは、移動させると共に)、マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域を、伝達光学系74aの光軸AX74に交差する(特に、直交する)方向に沿って移動させてもよい。例えば、電子ビーム生成装置7bは、制御装置4の制御下で、マイクロレンズ741aに供給される制御電流を制御することで、マイクロレンズ741aが形成する磁場又は電場が作用する領域を移動させてもよい。この場合、電子ビーム生成装置7bは、レンズ駆動系75bを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。尚、電子ビーム生成装置7bがレンズ駆動系75bを備えていない場合には、レンズ駆動系75bからの漏れ磁場が電子ビームEBに与える影響がなくなるという利点もある。射出光学系83についても同様に、電子ビーム光学系8bは、マイクロレンズ831そのものの位置を固定したまま(或いは、移動させると共に)、マイクロレンズ831が形成する磁場又は電場が作用する領域を、射出光学系83の光軸AX83に交差する(特に、直交する)方向に沿って移動させてもよい。

0195

或いは、伝達光学系74aの製造時(或いは、伝達光学系74aの電子ビーム装置5b、光学システム3又は露光装置EX3への組み付け時)に、伝達光学系74aが備えるマイクロレンズ741aが、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせた適切な位置に予め組みつけられていてもよい(言い換えれば、固定されていてもよい)。この場合、伝達光学系74aは、レンズ駆動系75bを備えていなくてもよいが、備えていてもよい。射出光学系83についても同様に、射出光学系83の製造時(或いは、射出光学系83の電子ビーム装置5b、光学システム3又は露光装置EX3への組み付け時)に、射出光学系83が備えるマイクロレンズ831が、照射光学系88bが片側テレセントリック光学系であることに合わせた適切な位置に予め組みつけられていてもよい(言い換えれば、固定されていてもよい)。

0196

尚、上述した第1及び第2実施形態においても、マイクロレンズ741a及び/又は831を移動させてもよい。

0197

(4)変形例
上述した説明では、光学システム3は、複数の電子ビーム装置5を備えるマルチカラム型の光学システムである。しかしながら、光学システム3は、単一の電子ビーム装置5を備えるシングルカラム型の光学システムであってもよい。

0198

上述した説明では、光学システム3は、ステージチャンバ1の天井を構成するフレーム13を介して床面F上で支持されている。しかしながら、光学システム3は、クリーンルームの天井面又は真空チャンバの天井面に、防振機能を備えた吊り下げ支持機構によって吊り下げ支持されてもよい。

0199

上述した説明では、光学システム3の筐体6は、ベースプレート61と周壁部62とクーリングプレート63とを備えている。しかしながら、筐体6は、ベースプレート61、周壁部62及びクーリングプレート63の少なくとも一つを備えていなくてもよい。この場合、ステージチャンバ1の少なくとも一部の部材が、ベースプレート61、周壁部62及びクーリングプレート63の少なくとも一つとして機能してもよい。更に、真空室64と露光室14とが連通していてもよい。或いは、光学システム3は、筐体6を備えていなくてもよい。この場合、ステージチャンバ1の露光室14に複数の電子ビーム装置5が配置されてもよい。露光室14の真空度を維持するために、ステージチャンバ1のフレーム13には、開口131が形成されていなくてもよい。

0200

上述した説明では、露光装置EX1は、複数の電子ビームEBをそれぞれ射出する電子ビーム生成装置7(つまり、複数の電子放出領域7331を有する面放出型電子ビーム源)を各電子ビーム装置5が備える露光装置である。しかしながら、露光装置EX1は、複数の開口を有するブランキングアパーチャアレイを介して複数の電子ビームEBを生成し、描画パターンに応じて複数の電子ビームEBを個別にON/OFFしてパターンをウェハWに描画する露光装置であってもよい。

0201

上述した説明では、電子ビーム装置5は、複数の電子ビームEBを用いてウェハWを露光するマルチビーム型の電子ビーム装置である。しかしながら、電子ビーム装置5は、単一の電子ビームEBを用いてウェハWを露光するシングルビーム型の電子ビーム装置である。この場合、電子ビーム生成装置7は、単一の発光デバイス71と、単一の投影レンズ72とを備えていてもよい。露光装置EX1は、各電子ビーム装置5がウェハWに照射する電子ビームEBの断面をサイズ可変の矩形に成形する可変成形型の露光装置であってもよい。露光装置EX1は、各電子ビーム装置5がスポット状の電子ビームEBをウェハWに照射するポイントビーム型の露光装置であってもよい。露光装置EX1は、各電子ビーム装置5が所望形状のビーム通過孔が形成されたステンシルマスクを用いて電子ビームEBを所望形状に成形するステンシルマスク型の露光装置であってもよい。

0202

上述した説明では、電子ビーム生成装置7は、ベースプレート61の貫通孔612に配置されている。しかしながら、電子ビーム生成装置7の少なくとも一部が貫通孔612に配置されていなくてもよい。例えば、電子ビーム生成装置7の発光デバイス71が貫通孔612に配置される一方で、電子ビーム生成装置7の光電変換素子73が貫通孔612の下方(つまり、筐体81の内部空間811)に配置されてもよい。この場合、発光デバイス71が、筐体81の内部空間811と筐体81の外部空間とを隔離する真空隔壁としても用いられてもよい。或いは、例えば、発光デバイス71が貫通孔612の上方に配置される一方で、光電変換素子73が貫通孔612又は貫通孔612の下方に配置されてもよい。光電変換素子73が貫通孔612に配置される場合には、光電変換素子73が、筐体81の内部空間811と筐体81の外部空間とを隔離する真空隔壁としても用いられてもよい。光電変換素子73が貫通孔612の下方に配置される場合には、筐体81の内部空間811と筐体81の外部空間とを隔離する真空隔壁(但し、光ELが通過可能な真空隔壁)が貫通孔612に配置されてもよい。或いは、例えば、ベースプレート61に貫通孔612を形成することなく、筐体81内に(例えば、ベースプレート61の下面に)電子ビーム生成装置7が配置されてもよい。

0203

電子ビーム生成装置7は、複数の投影レンズ72を備えていなくてもよい。この場合、複数の発光デバイス71が射出した複数の光ELは、複数の投影レンズ72を介することなく、光電変換素子73に入射してもよい。電子ビーム生成装置7が複数の投影レンズ72を備えていない場合には、複数の発光デバイス71は、光電変換素子73と一体化されていてもよい。例えば、複数の発光デバイス71は、複数の発光デバイス71からの光ELが空間(例えば、真空空間及び気体空間の少なくとも一方)を介することなく光電変換素子73に入射するように、光電変換素子73と一体化されていてもよい。複数の発光デバイス71からの光ELが空間(例えば、真空空間及び気体空間の少なくとも一方)を介することなく光電変換素子73に入射する場合には、光ELの気体分子による吸収や散乱による影響がなくなる。このため、発光デバイス71として、気体分子による吸収の少ない波長(例えば、可視光領域から赤外光領域の一部に存在する波長であって、大気の窓と称される)の光を射出する発光デバイスのみならず、その他の波長の光を射出する発光デバイスを用いることができる。その結果、発光デバイス71が射出する光ELの波長の自由度が高くなる。このため、光ELの波長が適切に選択されれば、露光装置EX1は、光ELを用いて効率よく光電変換を行うことができ、相対的に高いエネルギーを有する電子ビームEBをウェハWに照射することができる。

0204

上述した説明では、光電変換素子73は、アルカリ光電層733を用いて、光ELを電子ビームEBに変換している。しかしながら、光電変換素子73は、アルカリ光電層733とは異なる種類の光電層を用いて、光ELを電子ビームEBに変換してもよい。このような光電層の一例として、金属光電層が挙げられる。

0205

上述した説明では、電子ビーム生成装置7は、アパーチャ7321を介して発光デバイス71からの光ELを、アルカリ光電層733に照射している。しかしながら、電子ビーム生成装置7は、アパーチャ7321を介することなく、発光デバイス71からの光ELを、アルカリ光電層733に照射してもよい。例えば、発光デバイス71が所望の断面形状(例えば、アパーチャ7321に対応する形状)の光ELを射出可能である場合には、電子ビーム生成装置7は、アパーチャ7321を介することなく、発光デバイス71からの光ELを、アルカリ光電層733に照射してもよい。この場合、光電変換素子73は、遮光膜732を備えていなくてもよい。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ニューフレアテクノロジーの「 荷電粒子発生装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】端子間の接触電気抵抗が不安定になることを抑制することができ、かつ、端子同士の摩耗による発塵を抑制することができる荷電粒子発生装置を提供する。【解決手段】本実施形態による荷電粒子発生装置は、電子... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 電子銃、電子管及び電子銃の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】簡易かつ低コストの構成で、部品間の同軸度を高めることができる電子銃、電子管及び電子銃の製造方法を提供する。【解決手段】電子を放出するカソード110と、カソード110が放出する電子を集束する集束... 詳細

  • 株式会社日立ハイテクノロジーズの「 欠陥観察装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】第1の撮像条件下の画像における欠陥座標を用いて第2の撮像条件下の画像における欠陥座標を算出できるようにして、欠陥観察のスループットを向上させる。【解決手段】荷電粒子顕微鏡と、この荷電粒子顕微鏡... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ