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技術 人口推計システム

出願人 株式会社ケイズ
発明者 水戸翔一神庭公祐
出願日 2018年8月24日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-157046
公開日 2020年2月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-030727
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 空き家 各統計値 独身寮 算出モデル 機械学習モデル 入出力端末装置 人口情報 国勢調査データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

市区単位よりも更に小さい単位である小地域において、精度の高い将来の人口推計を行うことができ、また、小地域における精度の高い人口推計を簡単に行うことができる人口推計システムを提供する。

解決手段

大字地域の人口推計を行う人口推計システム1は、大字地域の人口情報を取得する人口情報取得部10と、大字地域の未婚率、借家率、単独世帯率の地域特性情報を取得する地域特性情報取得部20と、人口情報と地域特性情報を用い大字地域の人口推計を行う人口推計部30と、この推計結果を出力する結果出力部40と、を有する構成となっている。

概要

背景

地方自治体では、例えば、学校の統廃合介護施設の設置等、地域における様々な行政施策立案し、遂行している。このような施策の立案に際しては、必ずと言っていい程、将来の人口推計を基にして行われるため、将来の人口推計をどのように行うかということが極めて重要である。

この人口推計を行う方法としては、例えば、コーホート要因法が広く知られている。このコーホート要因法は、人口推計の標準的な方法として広く用いられており、国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研と記す)をはじめとして多くの機関等で使用されている。

コーホート要因法については、例えば、非特許文献1に記載されているように、ある時期の年齢別人口と、転入転出率(純移動率)、出生率死亡率から、将来の年齢別人口を求める方法である。なお、具体的な計算については、参考のため図7に示す。

そして、人口変化の要因となる純移動率、出生率、死亡率については、仮定値を設定して算出が行われている。例えば、社人研では国勢調査にあわせて5年に1回、市区単位での人口推計を行っているが、この時社人研では国勢調査のデータを基に現在の移動率をそのままあてはめたり、一律に2分の1にしたりする等、単純に設定した仮定値を用いて人口推計を行っている。
また、人口推計に関するものとして、特許文献1に記載されている人口推計方法等が知られている。

概要

市区町村単位よりも更に小さい単位である小地域において、精度の高い将来の人口推計を行うことができ、また、小地域における精度の高い人口推計を簡単に行うことができる人口推計システムを提供する。大字地域の人口推計を行う人口推計システム1は、大字地域の人口情報を取得する人口情報取得部10と、大字地域の未婚率、借家率、単独世帯率の地域特性情報を取得する地域特性情報取得部20と、人口情報と地域特性情報を用い大字地域の人口推計を行う人口推計部30と、この推計結果を出力する結果出力部40と、を有する構成となっている。

目的

本発明者は、市区町村単位よりも更に小さい単位である小地域において、精度の高い将来の人口推計を行うことができる人口推計システムを提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

地域の人口推計を行う人口推計システムであり、該地域の人口情報を取得する人口情報取得部と、該地域の地域特性情報を取得する地域特性情報取得部と、前記人口情報と、前記地域特性情報を用い該地域の人口推計を行う人口推計部と、前記人口推計部による推計結果を出力する結果出力部と、を有する人口推定システム

請求項2

前記地域特性情報は、該地域おける未婚率、借家率、単独世帯率の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の人口推定システム。

請求項3

前記人口推計部は、該地域の属する地域タイプを選定する地域タイプ選定部を備え、選定された前記地域タイプに基づいて人口推計を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の人口推計システム。

請求項4

前記人口推計部は、コーホート要因法に基づいて人口推計の演算を行っており、該地域の属する地域タイプを選定する地域タイプ選定部と、前記コーホート要因法における純移動率を算出する算出モデルを、選択された前記地域タイプに基づいて選定する算出モデル選定部と、選定された前記算出モデルに基づいて前記純移動率を算出する純移動率算出部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の人口推計システム。

請求項5

前記算出モデルを更新する算出モデル更新部を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の人口推計システム。

技術分野

0001

本発明は、将来人口推計を行う人口推計システムに関し、より詳しくは推計を行う地域の特性を踏まえた人口推計を行う人口推計システムに関する。

背景技術

0002

地方自治体では、例えば、学校の統廃合介護施設の設置等、地域における様々な行政施策立案し、遂行している。このような施策の立案に際しては、必ずと言っていい程、将来の人口推計を基にして行われるため、将来の人口推計をどのように行うかということが極めて重要である。

0003

この人口推計を行う方法としては、例えば、コーホート要因法が広く知られている。このコーホート要因法は、人口推計の標準的な方法として広く用いられており、国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研と記す)をはじめとして多くの機関等で使用されている。

0004

コーホート要因法については、例えば、非特許文献1に記載されているように、ある時期の年齢別人口と、転入転出率(純移動率)、出生率死亡率から、将来の年齢別人口を求める方法である。なお、具体的な計算については、参考のため図7に示す。

0005

そして、人口変化の要因となる純移動率、出生率、死亡率については、仮定値を設定して算出が行われている。例えば、社人研では国勢調査にあわせて5年に1回、市区単位での人口推計を行っているが、この時社人研では国勢調査のデータを基に現在の移動率をそのままあてはめたり、一律に2分の1にしたりする等、単純に設定した仮定値を用いて人口推計を行っている。
また、人口推計に関するものとして、特許文献1に記載されている人口推計方法等が知られている。

0006

特開2017−10173号公報

先行技術

0007

“選択する未来−人口推計から見えてくる未来像 第3章第1節Q7”、内府、[平成30年7月15日検索]、インターネット〈URL:http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_7.html〉

発明が解決しようとする課題

0008

最初に記した地方自治体が学校の統廃合を検討する場合、市区町村単位よりも狭い校区(学区)単位での人口推計が必要となる。また、介護施設の設置を検討する場合にも市区町村単位よりも狭い領域での人口推計が必要となる。

0009

このように様々な施策の検討時、市区町村単位よりも更に小さい単位、例えば、大字単位や、校区単位での人口推計を行う必要がある。本発明者は、市区町村単位よりも狭い単位(以下、小地域と記す)での人口推計において、まず社人研と同様の方法を採用し、その小地域における人口推計を行った。つまり、その小地域が属する市区町村の人口推計で用いられる純移動率等を用いてコーホート要因法によって人口推計を行った。ところが、この場合、算出した将来の推計値が実際の人口から大きく外れてしまう場合が多いという問題が生じた。

0010

この理由について、本発明者が様々な検討を行ったところ、社人研と同様の方法では、小地域毎の特性が反映されていないということがわかった。つまり、市区町村単位よりも更に小さい小地域でみた場合に、例えば、若い人が比較的多い地域(例えば、大学のある地域)、独身の人が多い地域(例えば、独身寮が多く存在する地域)、高齢者の多い地域(例えば、古くからの住宅街)等、小地域毎に地域の特性を持っている。

0011

このような地域特性のある小地域に対して、例えば、その小地域が属している市区町村単位の人口推計で用いられる純移動率等をそのまま用いて計算しても、推計結果に大きな違いが生じてしまうことになる。つまり、例えば、若い人が多い地域であれば、市区町村単位の純移動率に比べて、その地域での純移動率がより大きくなってしまう。このため、この地域における人口推計が実際とは大きく異なってしまうことになる。

0012

以上のことから、本発明者は、小地域における人口推計においては、小地域における地域の特性を考慮しなければ、精度の高い人口推計を行うことができない、ということに至った。

0013

また、特許文献1に記載されている人口推計についても、小地域における地域の特性を考慮して行われるものではないため、小地域における人口推計に利用したとしても、精度の高い推計値を実際に得ることは難しい。

0014

本発明者は、市区町村単位よりも更に小さい単位である小地域において、精度の高い将来の人口推計を行うことができる人口推計システムを提供することを目的とする。また、小地域における精度の高い人口推計を簡単に行うことができる人口推計システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するため、本発明の人口推計システムは、地域の人口推計を行う人口推計システムであり、該地域の人口情報を取得する人口情報取得部と、該地域の地域特性情報を取得する地域特性情報取得部と、前記人口情報と、前記地域特性情報を用い該地域の人口推計を行う人口推計部と、前記人口推計部による推計結果を出力する結果出力部と、
を有することを特徴とする。

0016

本発明の人口推計システムは、地域特性情報を用いて人口推計を行う構成であることから、地域の人口推計を行う際に、地域の特性を踏まえた推計を行うことができ、地域の特性を踏まえないで推計を行う場合に比べ、精度の高い人口推計を行うことが可能となる。

0017

なお、地域特性情報は、その地域における特徴を示す数値情報であり、例えば、車の台数、企業数等広く含まれるものではある。一方で、地域特性情報はできるだけ簡単に入手でき、またできるだけ最新で正確な情報であることが好ましい。様々な地域特性情報について本発明者が検討したが、地域特性情報として、地方自治体が有している住民基本台帳または全国で実施される国勢調査に含まれる情報が人口推計に使用する地域特性情報として好ましい。

0018

そして、住民基本台帳および国勢調査に含まれる情報についても様々な検討を行ったところ、その地域における未婚率、借家率、単独世帯率が人口推計の精度に特に大きく寄与することがわかった。
そのため、本発明の人口推計システムは、前記地域特性情報が、該地域おける未婚率、借家率、単独世帯率の少なくとも何れかであることを特徴とする。

0019

この構成により、その地域の特性を踏まえた精度の高い人口推計を行うことができる。未婚率、借家率、単独世帯率については、何れも国勢調査から取得できるため、簡単に取できる。また、未婚率と単独世帯率は住民基本台帳からも取得できるため、本システムを地方自治体が利用する場合であれば、簡単に取得できるとともに、最新の情報を取得することができる。

0020

また、人口推計システムの前記人口推計部は、該地域の属する地域タイプを選定する地域タイプ選定部を備え、選定された前記地域タイプに基づいて人口推計を行うことを特徴とする。
その地域が属する地域タイプを選定して、タイプ毎に人口推計を行うことで、効率的に精度の高い人口推計を行うことができる。

0021

また、人口推計システムの前記人口推計部は、コーホート要因法に基づいて人口推計の演算を行っており、該地域の属する地域タイプを選定する地域タイプ選定部と、前記コーホート要因法における純移動率を算出する算出モデルを、選択された前記地域タイプに基づいて選定する算出モデル選定部と、選定された前記算出モデルに基づいて前記純移動率を算出する純移動率算出部と、を備えることを特徴とする。

0022

コーホート要因法に基づいて人口推計の演算を行う場合に、純移動率の設定が重要となる。本発明では、その地域の属する地域タイプを選定し、その地域タイプに基づいた算出モデルにより純移動率を算出することから、コーホート要因法を用いた精度の高い人口推計を実現することができる。

0023

また、人口推計システムは、前記算出モデルを更新する算出モデル更新部を更に備えることを特徴とする。
算出モデルを更新できるようにすることで、より最適な純移動率を算出することができる。算出モデルの更新については、例えば国勢調査のデータを用いて5年毎に算出モデルについて機械学習させる方法が考えられる。

図面の簡単な説明

0024

実施形態における人口推計システムの基本構成を示す概念図である。
実施形態における人口推計システムの機能構成を示す概念図である。
実施形態の人口推計システムの地域タイプ選定部における分類の具体例を示す。
実施形態の人口推計ステムの算出モデル選定部における純移動率算出のためのモデル式の具体例を示す。
本発明の検証例における大字別純移動率、地域特性の一覧を示す。
本発明の検証例における検証結果を示す。
コーホート要因法を説明する概念図である。

実施例

0025

以下、本発明の具体例について図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための例示であって、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではなく、本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適応し得るものである。

0026

まず、図1を参照して本実施形態の人口推計システム1の基本的な構成を説明する。図1は、人口推計システム1の構成を示す概念図である。図1に示すように、本実施形態の人口推計システム1は、サーバ2と、複数の入出力端末装置3と、がネットワークNを介して通信可能に接続されて構成されている。

0027

本実施形態の人口推計システム1は、実際に人口推計の結果を必要とする地方自治体がそれぞれに入出力端末装置3を備えており、人口推計システム1を提供するサービス提供者がサーバ2を備えていることを想定したものとなっている。

0028

サーバ2は、コンピュータからなり、所定のプログラムや各種の情報が記憶される記憶部、各種の処理や制御を行う演算制御部、キーボードディスプレイ等からなる入出力部を備えたものである。
入出力端末装置3もコンピュータからなり、サーバ2と同様に記憶部、演算制御部、入出力部を備えたものである。

0029

ここで、人口推計システム1で行う人口推計の基本的な考え方について簡単に説明する。人口推計システム1は、図7で示したコーホート要因法を用いて人口推計を行う。コーホート要因法により人口推計を行う場合には、人口推計に必須となる同時期に出生した集団(コーホート)である各階級別の人口情報の他に、仮定値として純移動率、出生率、死亡率が必要となる。

0030

この純移動率、出生率、死亡率については、社人研が5年に1回行っている市区町村単位での人口推計で用いる仮定値を利用することができるが、解決したい課題でも記したように、市区町村単位よりも狭い小地域での人口推計に用いると、地域の特性が反映されないことから、精度の低い人口推計になってしまう。

0031

そこで、本実施形態において、純移動率については、後述するように地域特性情報を取得し、その地域特性情報も反映させた純移動率の仮定値を用いて人口推計を行う。なお、純移動率以外の出生率、死亡率についても地域特性情報を反映させた仮定値とすることもできるが、説明を簡略するために純移動率についてだけ説明する。また、死亡率については、実際のところ地域毎の特性はあまりないことから、本実施形態においては、死亡率の仮定値として、社人研が提供している市区町村の仮定値を用いることとしている。

0032

つぎに、図2を参照して人口推計システム1の機能構成を説明する。図2は、人口推計システム1の機能構成を示す図である。人口推計システム1は、人口情報取得部10と、地域特性情報取得部20と、人口推計部30と、結果出力部40と、算出モデル更新部50と、で構成されている。
なお、以下の説明においては、市区町村単位の地方自治体が、その市区町村よりも狭い大字単位で人口推計を行う場合を具体例として説明する。

0033

人口情報取得部10は、入出力端末装置3で構成され、人口推計に用いる階級別人口の情報の取得を行う。この人口情報取得部10で取得する階級別の人口情報は、具体的には、入出力端末装置3を備える地方自治体が持っている住民基本台帳の情報から取得する。このように、入出力端末装置3を備える地方自治体の住民基本台帳の情報から、人口情報を取得する構成とすることで、常に最新の人口情報を簡単に取得することができる。

0034

なお、住民基本台帳の情報が記憶された端末自身を入出力端末装置3として利用する構成としてもよい。また、人口情報は、住民基本台帳の情報以外には、国勢調査の情報から取得する構成としても構わない。

0035

地域特性情報取得部20も、入出力端末装置3で構成され、コーホート要因法による人口推計に用いる純移動率算出のための地域特性情報の取得を行う。この地域特性情報は、本実施形態では、未婚率、借家率、単独世帯率である。そして、この未婚率、借家率、単独世帯率については、国勢調査のデータから取得することができる。

0036

なお、この地域特性情報は、5年毎に行われる国勢調査のデータをサーバ2に記憶しておき、地域特性情報取得部20をサーバ2が備える構成としてもよい。また、地方自治体毎に国勢調査のデータを入出力端末装置3に記憶しておき、地域特性情報取得部20を地方自治体の入出力端末装置3が備える構成としてもよい。

0037

また、地域特性情報の全てを国勢調査のデータから取得するのではなく、例えば、住民基本台帳の情報から取得することが可能なデータであれば、住民基本台帳の情報から取得する構成にしてもよい。地方自治体の住民基本台帳の情報から取得できる情報を地域特性情報とすることで、人口推計を行う地域の最新の特性情報をより簡単に取得できる。このような地域特性情報として、未婚率や単独世帯率が考えられる。

0038

なお、未婚率とは、対象地域の総人口に対する未婚の人口の割合のことである。また、借家率とは、対象地域の総人口に対する借家で暮らす人員の割合のことである。なお、借家率については、民営の借家で暮らす民営借家率としても構わない。また、単独世帯率とは、対象地域の総人口に対する、単独世帯で暮らす人員の割合のことである。

0039

人口推計部30は、サーバ2で構成され、人口情報取得部10で取得する人口情報と、地域特性情報取得部20で取得する地域特性情報を用いてコーホート要因法により人口推計を行う。この人口推計部30では、今回人口推計を行う大字地域が、まずどの大字タイプに属するのか選定し、次に、この大字地域の純移動率を算出するモデル式を、大字タイプ毎に準備された算出モデルの中から選定し、選定した算出モデルを用いてその大字地域の純移動率を算出し、そして算出したこの純移動率を用いてこの大字地域の人口推計を行っている。
このような工程で人口推定を行う人口推計部30は、地域タイプ選定部31、算出モデル選定部32、純移動率算出部33を備えている。

0040

地域タイプ選定部31は、人口情報取得部10で取得する人口情報と、地域特性情報取得部20で取得する地域特性情報により、この大字地域がどの大字タイプに属するのか選定する。

0041

算出モデル選定部32は、事前に作成された大字タイプ毎の純移動率を算出するモデル式の中から、地域タイプ選定部31で選定された大字タイプに該当するモデル式の選定を行う。

0042

純移動率算出部33は、算出モデル選定部32で選定されたモデル式と、人口情報取得部10で取得する人口情報と、地域特性情報取得部20で取得する地域特性情報を用いて、この大字地域の純移動率の算出を行う。

0043

そして、人口推計部30は、コーホート要因法により、人口情報取得部10で取得する人口情報と、純移動率算出部33で算出されたこの大字地域の純移動率を用いて人口推計を行う。

0044

ここで、地域タイプ選定部31で行った選定の具体例を図3に示す。このように地域タイプ選定部31の選定では、大字の人口規模や、該当するコーホートの純移動率を基に大字タイプを分類しており、この分類により対象となる大字地域が属する大字タイプを選定する。なお、この例では大字タイプをタイプ1〜3に分類している。

0045

また、算出モデル選定部32で事前に作成、記憶されているタイプ1〜3の大字タイプ毎の純移動率算出のモデル式について、具体例を図4に示す。図4に示すように、大字タイプ毎の純移動率算出モデル式は、該当するコーホートの純移動率や、地域特性情報である未婚率、借家率(民営の借家世帯人員割合)、単独世帯率(単独世帯人員割合)を用いたモデル式となっている。

0046

なお、算出モデル選定部32には、純移動率を算出するモデル式が記憶されているが、純移動率を算出する代わりに、転入率と転出率とを別々に算出するモデル式を記憶しておき、純移動率=転入率−転出率としても構わない。また、例えば、大学周辺のように極端に転入が多い地域では、その地域のもともとの18人口よりも転入してくる18歳人口が大きく、転入率が200%を超えるというような、極端に転入率が高くなる場合がある。このような地域については、転入率としてではなく、例えば、直近数年の転入数の平均値を用いた推定値と転出率から、純移動率を算出するようなことが考えられる。

0047

ところで図3に示す分類や、図4に示す算出モデルについて、本実施形態では、機械学習を用いて作成した。具体的には、機械学習のモデルとして「モデル木」と呼ばれる決定木と数式を組み合わせた手法を採用した。図3の大字地域のタイプ選定は決定木による分類である。そしてタイプ別の数式は線形回帰によるモデル式である。そして、図3図4に示す機械学習モデルは、国勢調査のデータや住民基本台帳のデータを加工して、予め全国の大字データを作成し、機械学習により作成したものである。なお、図3図4については、後述する本発明の検証にても説明する。

0048

そして、結果出力部40は、入出力端末装置3で構成され、人口推定部30による推定結果を出力する。つまり、入出力端末装置3を備える地方自治体は、入出力端末装置3を介してサーバ2に提供した人口推計を必要とする大字地域の人口情報と地域特性情報に基づいて、サーバ2で行われた人口推定結果を、入出力端末装置3で確認することができる。

0049

また、算出モデル更新部50は、サーバ2で構成される。算出モデル更新部50は、人口推定部30の算出モデル選定部32で用いるモデル式の更新を行うものである。モデル式は、先に説明したように国勢調査や住民基本台帳のデータを基に予め全国の大字データを用いて機械学習により作成している。国勢調査は基本的に5年に1回行われるため、最新のデータが入手できれば、そのデータを反映させたモデル式を作成することができる。従って、算出モデル更新部50を備えておくことで、最新のデータにより作成した新たなモデル式に更新することができるため、より精度の高い人口推計を行うことができる。

0050

なお、本実施形態では、算出モデル選定部32のモデル式を算出モデル更新部50により更新している構成を示しているが、図示していない地域タイプ更新部を備え、図3に示す地域タイプ選定部31で行う分類についても更新を行う構成としても構わない。図3に示す分類も先に説明したように機械学習により作成しているため、最新のデータを反映させた分類に更新していくことでより精度の高い人口推計を実現することができる。

0051

以上のように、本実施形態の大字地域の人口推計を行う人口推計システム1は、大字地域の人口情報を取得する人口情報取得部10と、大字地域の未婚率、借家率、単独世帯率の地域特性情報を取得する地域特性情報取得部20と、人口情報と地域特性情報を用い大字地域の人口推計を行う人口推計部30と、この推計結果を出力する結果出力部40と、を有する構成となっている。

0052

そして、地域特性情報を用いて人口推計を行う構成であることから、推計結果を必要とする大字地域の人口推計を行う際に、大字地域の特性を踏まえた推計を行うことができるため、大字地域の特性を踏まえない推計に比べ精度の高い人口推計を行うことができる。特に地域特性情報が、何れも国勢調査の情報や地方自治体が有する住民基本台帳の情報から取得できる情報であることから、簡単に入手することができ、地方自治体が本システムを利用する場合であれば、簡単に最新の情報を取得することができる。

0053

また、本実施形態の人口推計システム1は、コーホート要因法に基づいて人口推計の演算を行っており、人口推計部30が、大字地域の属する地域タイプを選定する地域タイプ選定部31と、純移動率を算出する算出モデルを選択された大字の地域タイプに基づいて選定する算出モデル選定部32と、選定された算出モデルに基づいて純移動率を算出する純移動率算出部33と、を備える構成となっている。

0054

本実施形態では、大字地域の属する地域タイプを選定し、その地域タイプに基づいた算出モデルにより純移動率を算出することから、コーホート要因法を用いた精度の高い人口推計を実現することができる。なお、コーホート要因法以外の方法による人口推計であっても、本実施形態のようにその地域が属する地域タイプを選定する構成は、タイプ毎の人口推計を行うことができるため、効率的で精度の高い人口推計を実現することができる。

0055

次に、本発明による人口推計の検証結果について説明する。まず、本発明に基づく手法と、従来手法による人口推計により、大字地域の人口を年齢5歳区分(19区分)別・性別に推計した。その結果、本発明による改善効果が高い例として、20〜24歳男性の区分を挙げると、本発明による誤差は従来手法の0.588倍であり約41%改善していた。

0056

なお、この誤差とは、2000年、2005年、2010年の国勢調査に基づき本発明による手法と従来手法によって、それぞれ2015年の小地域の人口を予測した値と、2015年の国勢調査による実際の人口実績値とを比較することにより求めている。その結果、20〜24歳男性の区分では、本発明による手法の誤差は、372275.4であり、従来手法の誤差は、633502.5であり、誤差の比は、0.588であった。

0057

また、本発明による手法と従来手法の異なる点は、純移動率を求める手順であり、本発明では、実施形態で説明したように、純移動率を求めるにあたって、地域特性として未婚率や借家率等を用いている。一方、従来手法では、同じ市区町村内の大字は全て一律の純移動率と仮定しており、
大字の純移動率=0.707×市区町村の純移動率(1期前)

0058

とした。なお、大字のこの純移動率の仮定は、社人研の方法を模したものである。社人研が市区町村別の純移動率を仮定する際に、市区町村の純移動率(当期)=0.707×市区町村の純移動率(1期前)、としており、従来手法としての大字の純移動率もこの方法に基づいて行った。
また、誤差は、全国約3万ヶ所の小地域の絶対値誤差を算出し、合計したものである。

0059

次に、本発明による手法による改善をより具体的に示すために、取県米子市の10の大字(大字A:両三、大字B:ヶ崎、大字C:彦名町、大字D:米原、大字E:西福原、大字F:夜見町、大字G:富益町、大字H:上後、大字I:上福原、大字J:河崎)の結果について説明する。具体例として、20〜24歳の男性人口について示す。
図5は、10の大字別の1期前の純移動率、地域特性を示している。

0060

従来手法では、米子市の1期前の純移動率(15〜19歳→20〜24歳)は、−0.131であったので、それを0.707倍した−0.093を一律の米子市内の大字の予測純移動率とした。

0061

これに対し、本発明の手法では図5に示す地域特性を反映した予測純移動率を用いている。本発明の手法による純移動率は、図5に示す1期前の純移動率、地域特性によって大字タイプを分類し、大字タイプ毎に異なるモデル式によって純移動率を求める。

0062

この大字タイプの分類が先に説明した図3に示したものであり、大字タイプ毎に異なるモデル式が先に説明した図4に示したものである。なお、図4に示したモデル式は、2000年、2005年、2010年、2015年の全国、全大字の国勢調査データを基に、各統計値と将来の純移動率との関係を機械学習することで作成した。また、図3図4では、15〜19歳→20〜24歳と示すところを単に15〜19歳と略記している。また、図5には図3の分類に基づく10の各大字地域の大字タイプについても参考に示している。

0063

この結果、図6に示すような結果となった。つまり、10ヶ所では本発明の手法による誤差の合計は209.1であったのに対し、従来手法では484.9であり、本発明による手法の誤差の方が小さく、実際の実績人口に近い予測ができていることがわかる。
以上のことから、本発明による人口推計システムは、地域の特性を踏まえた推計を行うことで、精度の高い人口推計を行うことができることがわかる。

0064

なお、機械学習を用いて作成した図3の大字タイプの分類では、地域の人口と1期前の地域の年齢別移動率が用いられている。地域の純移動率の実績が特に大きい場合、その数字は特殊な事情による統計の外れ値であることが多く、その数字を基に人口推計を行うと、結果の精度が低くなることがわかった。そのため、純移動率が大きい地域は、地域タイプを変えて、図4のモデル式において、純移動率の実績の重みが減らされ、平均的な純移動率の重みを増やすことで、統計の外れ値の影響を低減していることがわかる。この点を反映させることで、より精度の高い人口推計システムを実現することができる。

0065

また、機械学習を用いて作成した図4のモデル式より、純移動率の算出において、2期前の未婚率、1期前の借家率、1期前・2期前の単独世帯率が重要であることがわかる。また、本発明者は、未婚率、借家率、単独世帯率の他に、国勢調査或は住民基本台帳から入手できる他の地域特性情報、例えば、労働力人口率、夫婦のみ世帯率、夫婦と子供のみ世帯率等も使って機械学習によるモデル式の作成を試みたが、未婚率、借家率、単独世帯率が特に純移動率に寄与することがわかった。従って、地域特性情報として、未婚率、借家率、単独世帯率の少なくとも何れか一つは用いることが好ましい。

0066

また、実施形態の説明においては、コーホート要因法における純移動率に着目し、地域特性情報を純移動率の算出に用いたが、純移動率に限定されるものではなく、出生率や死亡率の算出に対しても適用することができる。

0067

また、本発明はコーホート要因法を用いた人口推計だけでなく、他の方法でも適用できる。例えば、コーホート変化率法に対して適用する場合には、変化率の仮定値算出や出生率の仮定値算出に対して適用することが考えられる。

0068

また、本発明は人口推計システムとしているが、本発明は図2で示したような機能を備える人口推計装置とすることもでき、また、この機能を実現する人口推計用プログラムとすることもでき、また人口推計方法とすることもできる。

0069

また、本発明は単なる人口推計システムとしてだけではなく、人口推計を元に、地域別の要介護者数、地域別の痴呆症発症数、独居高齢世帯数空き家数、買い物難民の数などの地域における様々な推計サービスを提供することも可能となる。例えば、要介護者数や痴呆症発症数は、推計した高齢者数に発症率を乗ずることで算出することができる。また、空き家数や買い物難民の数については、ネットワークNを介して民間の住宅地図から建物データを補ったり、小売店所在地を補ったりして算出することができる。また、この地域における推計サービスによる情報を、地方自治体が活用することで、より具体的な介護高齢者支援施策を検討することも可能となる。

0070

また、本発明による人口推計システムは、単に地方自治体による人口推計の活用に限られるものではなく、民間企業病院等において、商圏人口予測のマーケティングデータとしての活用も可能である。この場合、活用対象が民間企業や病院となることから、地方自治体から住民基本台帳データを提供してもらえる地域では、毎月最新の予測情報が提供できることになる。また、住民基本台帳データが提供してもらえない地域では、国勢調査のデータにしたがって5年毎に予測情報を更新することが考えられる。

0071

また、本発明は、実施形態の説明において、市区町村単位の地方自治体が、その市区町村よりも狭い大字単位で人口推計を行う場合を具体例として説明したが、上記のような商圏人口の人口推計や、隣接する複数の大字を跨いだ一部の領域を単位として人口推計を行うようなことも可能である。このような場合には、住宅地図のデータを活用して、該当する領域の建物の数から必要な情報を算出すること等が考えられる。

0072

1…人口推計システム
2…サーバ
3…入出力端末装置
10…人口情報取得部
20…地域特性情報取得部
30…人口推計部
31…地域タイプ選定部
32…算出モデル選定部
33…純移動率算出部
40…結果出力部
50…算出モデル更新部

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