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技術 反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置

出願人 日東電工株式会社
発明者 橋本尚樹茂手木佑輔済木雄二
出願日 2018年8月23日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-156732
公開日 2020年2月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-030363
状態 未査定
技術分野 要素組合せによる可変情報用表示装置1 光学要素の表面処理 積層体(2)
主要キーワード 突起状物 変性ウレア ナノシリカ粒子 硫酸カルシウム粒子 取り出し角 中実シリカ粒子 架橋ポリメタクリル酸メチル粒子 紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

耐擦傷性に優れた反射防止フィルムを提供する。

解決手段

光透過性基材(A)11の少なくとも一方の面に、ハードコート層(B)12および反射防止層(C)13が、前記順序で積層され、反射防止層(C)13を構成する元素が、少なくとも炭素およびフッ素を含み、X線光電分光法により測定した反射防止層(C)13の原子数が、ハードコート層(B)12と反対側の表面では下記数式(1)および(2)を満たし、かつ、前記表面からの深さが15〜30nmの範囲では下記数式(3)を満たすことを特徴とする。7≦[(nF/ntotal)×100]≦27(1)、30≦[(nc/ntotal)×100]≦41(2)、[(nF/ntotal)×100]≦0.5(3)、(式中、ntotalは、炭素、窒素酸素ケイ素およびフッ素の原子数の合計であり、nFは、フッ素原子数であり、ncは、炭素原子数である。)

概要

背景

液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)およびエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の最表面には、外光反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、防眩性フィルム反射防止フィルム等が使用されている。反射防止フィルムについて記載された文献は多数あるが、例えば、特許文献1〜3等がある。

概要

耐擦傷性に優れた反射防止フィルムを提供する。光透過性基材(A)11の少なくとも一方の面に、ハードコート層(B)12および反射防止層(C)13が、前記順序で積層され、反射防止層(C)13を構成する元素が、少なくとも炭素およびフッ素を含み、X線光電分光法により測定した反射防止層(C)13の原子数が、ハードコート層(B)12と反対側の表面では下記数式(1)および(2)を満たし、かつ、前記表面からの深さが15〜30nmの範囲では下記数式(3)を満たすことを特徴とする。7≦[(nF/ntotal)×100]≦27(1)、30≦[(nc/ntotal)×100]≦41(2)、[(nF/ntotal)×100]≦0.5(3)、(式中、ntotalは、炭素、窒素酸素ケイ素およびフッ素の原子数の合計であり、nFは、フッ素原子数であり、ncは、炭素原子数である。)

目的

本発明は、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

光透過性基材(A)と、ハードコート層(B)と、反射防止層(C)とを含み、前記光透過性基材(A)の少なくとも一方の面に、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)が、前記順序で積層され、前記反射防止層(C)を構成する元素が、少なくとも炭素およびフッ素を含み、X線光電分光法により測定した前記反射防止層(C)の原子数が、前記ハードコート層(B)と反対側の表面では下記数式(1)および(2)を満たし、かつ、前記表面からの深さが15〜30nmの範囲では下記数式(3)を満たすことを特徴とする反射防止フィルム。 7≦[(nF/ntotal)×100]≦27(1)30≦[(nc/ntotal)×100]≦41(2)[(nF/ntotal)×100]≦0.5(3) 前記数式(1)〜(3)中、ntotalは、炭素、窒素酸素ケイ素およびフッ素の原子数の合計であり、nFは、フッ素原子数であり、ncは、炭素原子数である。

請求項2

前記ハードコート層(B)が、防眩性ハードコート層である請求項1記載の反射防止フィルム。

請求項3

前記反射防止層(C)が、中空粒子および中実粒子を含む請求項1または2記載の反射防止フィルム。

請求項4

前記中空粒子および前記中実粒子が、シリカ粒子である請求項3記載の反射防止フィルム。

請求項5

前記光透過性基材(A)と前記ハードコート層(B)との積層体における前記ハードコート層(B)上に、前記反射防止層(C)を、前記数式(1)〜(3)を満たすように形成する反射防止層(C)形成工程を含み、前記反射防止層(C)形成工程が、前記ハードコート層(B)上に反射防止層形成用塗工液を塗工する塗工工程と、塗工した前記反射防止層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程とを含み、前記反射防止層形成用塗工液が、樹脂と、フッ素元素含有添加剤と、希釈溶媒とを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の反射防止フィルムの製造方法。

請求項6

前記反射防止層(C)形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含む請求項5記載の製造方法。

請求項7

前記希釈溶媒が、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含む請求項5または6記載の製造方法。

請求項8

前記希釈溶媒が、さらに、TBA(ターシャリーブチルアルコール)を含む請求項7記載の製造方法。

請求項9

前記反射防止フィルムが、請求項3または4記載の反射防止フィルムであり、前記反射防止層形成用塗工液が、さらに、前記中空粒子および前記中実粒子を含む請求項5から8のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項10

請求項1から4のいずれか一項に記載の反射防止フィルムを含む光学部材

請求項11

偏光板である請求項10記載の光学部材。

請求項12

請求項1から4のいずれか一項に記載の反射防止フィルム、または請求項10もしくは11記載の光学部材を含む画像表示装置

技術分野

0001

本発明は、反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置に関する。

背景技術

0002

液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)およびエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の最表面には、外光反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、防眩性フィルムや反射防止フィルム等が使用されている。反射防止フィルムについて記載された文献は多数あるが、例えば、特許文献1〜3等がある。

先行技術

0003

特開2004−34002号公報
特開2003−315505号公報
特開2003−126768号公報

発明が解決しようとする課題

0004

反射防止フィルムは、良好な光学特性の観点から、傷がつきにくいこと、すなわち耐擦傷性が優れていることが必要である。しかしながら、反射防止フィルム表面は傷つきやすく、優れた耐擦傷性を得ることは困難である。

0005

そこで、本発明は、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムの提供を目的とする。さらに、本発明は、前記反射防止フィルムの製造方法、前記反射防止フィルムを用いた光学部材、前記反射防止フィルムを用いた画像表示装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

前記目的を達成するために、本発明の反射防止フィルムは、
光透過性基材(A)と、ハードコート層(B)と、反射防止層(C)とを含み、
前記光透過性基材(A)の少なくとも一方の面に、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)が、前記順序で積層され、
前記反射防止層(C)を構成する元素が、少なくとも炭素およびフッ素を含み、
X線光電分光法により測定した前記反射防止層(C)の原子数が、前記ハードコート層(B)と反対側の表面では下記数式(1)および(2)を満たし、かつ、前記表面からの深さが15〜30nmの範囲では下記数式(3)を満たすことを特徴とする。

7≦[(nF/ntotal)×100]≦27 (1)
30≦[(nc/ntotal)×100]≦41 (2)
[(nF/ntotal)×100]≦0.5 (3)

前記数式(1)〜(3)中、ntotalは、炭素、窒素酸素ケイ素およびフッ素の原子数の合計であり、nFは、フッ素原子数であり、ncは、炭素原子数である。

0007

本発明の反射防止フィルムの製造方法は、前記光透過性基材(A)と前記ハードコート層(B)との積層体における前記ハードコート層(B)上に、前記反射防止層(C)を、前記数式(1)〜(3)を満たすように形成する反射防止層(C)形成工程を含み、
前記反射防止層(C)形成工程が、前記ハードコート層(B)上に反射防止層形成用塗工液を塗工する塗工工程と、塗工した前記反射防止層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程とを含み、
前記反射防止層形成用塗工液が、樹脂と、フッ素元素含有添加剤と、希釈溶媒とを含むことを特徴とする、前記本発明の反射防止フィルムの製造方法である。

0008

本発明の光学部材は、前記本発明の反射防止フィルムを含む光学部材である。

0009

本発明の画像表示装置は、前記本発明の反射防止フィルム、または前記本発明の光学部材を含む画像表示装置である。

発明の効果

0010

本発明によれば、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムを提供することができる。さらに、本発明によれば、前記反射防止フィルムの製造方法、前記反射防止フィルムを用いた光学部材、前記反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本発明の反射防止フィルムの構成を例示する断面図である。
図2は、図1の反射防止フィルムにおける反射防止層の構成を示す断面図である。

0012

つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。

0013

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記ハードコート層(B)が、防眩性ハードコート層であってもよい。

0014

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記反射防止層(C)が、中空粒子および中実粒子を含んでいてもよい。前記中空粒子および前記中実粒子は、例えば、シリカ粒子であってもよい。

0015

本発明の反射防止フィルムの製造方法は、例えば、前記反射防止層(C)形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含んでいてもよい。

0016

本発明の反射防止フィルムの製造方法は、例えば、前記希釈溶媒が、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含んでいてもよい。また、例えば、前記希釈溶媒が、さらに、TBA(ターシャリーブチルアルコール)を含んでいてもよい。

0017

本発明の反射防止フィルムの製造方法は、例えば、前記反射防止フィルムが、前記中空粒子および前記中実粒子を含む反射防止フィルムであり、前記反射防止層形成用塗工液が、さらに、前記中空粒子および前記中実粒子を含んでいてもよい。

0018

本発明の光学部材は、例えば、偏光板であってもよい。

0019

[1.反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムは、前述のとおり、
光透過性基材(A)と、ハードコート層(B)と、反射防止層(C)とを含み、
前記光透過性基材(A)の少なくとも一方の面に、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)が、前記順序で積層され、
前記反射防止層(C)を構成する元素が、炭素およびフッ素を含み、
X線光電分光法により測定した前記反射防止層(C)の原子数が、前記ハードコート層(B)と反対側の表面では下記数式(1)および(2)を満たし、かつ、前記表面からの深さが15〜30nmの範囲では下記数式(3)を満たすことを特徴とする。

7≦[(nF/ntotal)×100]≦27 (1)
30≦[(nc/ntotal)×100]≦41 (2)
[(nF/ntotal)×100]≦0.5 (3)

前記数式(1)〜(3)中、ntotalは、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計であり、nFは、フッ素原子数であり、ncは、炭素原子数である。

0020

なお、X線光電分光法は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)またはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)ともいう。

0021

本発明の反射防止フィルムは、前記反射防止層(C)が前記数式(1)〜(3)を全て満たすことにより、耐擦傷性に優れる。

0022

前記反射防止層(C)に含まれる元素として、炭素およびフッ素は必須であるが、窒素、酸素およびケイ素は任意である。すなわち、前記反射防止層(C)は、元素として、窒素、酸素およびケイ素を、それぞれ含んでいても含んでいなくてもよい。また、前記反射防止層(C)は、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素以外の元素を、含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。

0023

前記数式(1)は、前記反射防止層(C)の、前記ハードコート層(B)と反対側の表面(以下、「最表面」または単に「表面」という場合がある。)における炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、フッ素原子数が7〜27%であることを意味する。前記最表面のフッ素原子数が7%未満の場合、前記反射防止層(C)のすべり性が低下するため、耐擦傷性も低下する。前記最表面のフッ素原子数が27%を超えると、前記反射防止層(C)のすべり性は高くなるが、強度が低下し、耐擦傷性も低下する。前記最表面のフッ素原子数は、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、例えば、10%以上、13%以上、14%以上、15%以上、または16%以上であってもよく、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、または21%以下であってもよい。

0024

前記数式(2)は、前記反射防止層(C)の最表面における炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、炭素原子数が30〜41%であることを意味する。前記炭素原子数が30%未満の場合、前記反射防止層(C)の強度が低下し、耐擦傷性も低下する。前記炭素原子数が41%を超えると、前記反射防止層(C)のすべり性が低下するため、耐擦傷性も低下する。前記最表面における炭素原子数は、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、例えば、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、または35%以上であってもよく、39%以下、38%以下、37%以下、または36%以下であってもよい。

0025

前記数式(3)は、前記反射防止層(C)の最表面からの深さが15〜30nmの範囲で、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、フッ素原子数が0.5%以下であることを意味する。前記フッ素原子数が0.5%を超えると、前記反射防止層(C)の強度が低下し、耐擦傷性も低下する。前記最表面からの深さが15〜30nmの範囲のフッ素原子数は、炭素、窒素、酸素、ケイ素およびフッ素の原子数の合計を100%として、例えば、0.45%以下、0.40%以下、0.35%以下、0.30%以下、または0.25%以下であってもよい。前記フッ素原子数の下限値は特に限定されないが、例えば、0またはX線光電分光法による検出限界値以下であってもよい。

0026

本発明の反射防止フィルムにおいて、前記反射防止層(C)は、前記数式(1)〜(3)を満たすこと以外は、特に限定されない。また、前記光透過性基材(A)および前記ハードコート層(B)も、特に限定されず、例えば、一般的な光学フィルムに用いられる光透過性基材およびハードコート層と同様またはそれに準じてもよい。また、前記ハードコート層(B)は、例えば、防眩性を有しないハードコート層であってもよいし、防眩性ハードコート層であってもよい。防眩性を有しないハードコート層は、例えば、透明性が高くてヘイズ値が低くてもよいが、これには限定されない。また、防眩性ハードコート層は、例えば、ヘイズ値が高くてもよいが、これには限定されない。

0027

図1の断面図に、本発明の反射防止フィルムの構成の一例を示す。また、図2の断面図に、図1の反射防止フィルムにおける反射防止層(C)の構成を示す。ただし、これらは例示であり、本発明の反射防止フィルムは、これに限定されない。

0028

図1に示すとおり、この反射防止フィルム10は、光透過性基材(A)11の一方の面に、ハードコート層(B)12および反射防止層(C)13が、前記順序で積層されている。ハードコート層(B)12は、樹脂層12a中に粒子12bが含まれている。ハードコート層(B)12の、光透過性基材(A)11と反対側の表面には、凹凸が形成され、その上に反射防止層(C)13が形成されている。反射防止層(C)13は、ハードコート層(B)12と反対側の表面(最表面)13Xにおいて、前記数式(1)および(2)を満たし、13Xからの深さ15〜30nmの範囲において、前記数式(3)を満たす。

0029

また、反射防止層(C)13は、図2に示すとおり、樹脂層13a中に中空粒子13bと中実粒子13cとが含まれている。反射防止層(C)13は、前述のとおり、前記数式(1)〜(3)を満たす以外は特に限定されないが、中空粒子および中実粒子を含むことが好ましい。詳しくは後述する。

0030

以下、前記光透過性基材(A)、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)のそれぞれについて、さらに例を挙げて説明する。なお、以下においては、主に、前記ハードコート層(B)が防眩性ハードコート層である場合について説明するが、前述のとおり、本発明はこれには限定されない。

0031

前記光透過性基材(A)は、特に制限されないが、例えば、透明プラスチックフィルム基材等があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材は、特に制限されないが、可視光光線透過率に優れ(好ましくは光線透過率90%以上)、透明性に優れるもの(好ましくはヘイズ値1%以下のもの)が好ましく、例えば、特開2008−90263号公報に記載の透明プラスチックフィルム基材があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材としては、光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。本発明の反射防止フィルムは、例えば、保護フィルムとして偏光板に使用することもでき、この場合には、前記透明プラスチックフィルム基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネートアクリル系ポリマー、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン等から形成されたフィルムが好ましい。また、本発明において、後述するように、前記透明プラスチックフィルム基材は、偏光子自体であってもよい。このような構成であると、TAC等からなる保護層を不要とし偏光板の構造を単純化できるので、偏光板若しくは画像表示装置の製造工程数を減少させ、生産効率の向上が図れる。また、このような構成であれば、偏光板を、より薄層化することができる。なお、前記透明プラスチックフィルム基材が偏光子である場合には、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)が、保護層としての役割を果たすことになる。また、このような構成であれば、反射防止フィルムは、例えば、液晶セル表面に装着される場合、カバープレートとしての機能を兼ねることになる。

0032

本発明において、前記光透過性基材(A)の厚みは、特に制限されないが、強度、取り扱い性などの作業性および薄層性などの点を考慮すると、例えば、10〜500μm、20〜300μm、または30〜200μmの範囲である。前記光透過性基材(A)の屈折率は、特に制限されない。前記屈折率は、例えば、1.30〜1.80または1.40〜1.70の範囲である。

0033

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)に含まれる前記樹脂が、アクリル樹脂を含んでいてもよい。

0034

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)が、アクリルフィルムであってもよい。

0035

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記防眩性ハードコート層(B)が、樹脂およびフィラーを含んでいてもよい。前記フィラーが、粒子およびチキソトロピー付与剤(thixotropic agent)の少なくとも一方を含んでいてもよい。

0036

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記防眩性ハードコート層(B)に含まれる前記樹脂が、アクリレート樹脂(アクリル樹脂ともいう)を含んでいてもよい。

0037

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記防眩性ハードコート層(B)に含まれる前記樹脂が、ウレタンアクリレート樹脂を含んでいてもよい。

0038

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記防眩性ハードコート層(B)に含まれる前記樹脂が、硬化型ウレタンアクリレート樹脂および多官能アクリレート共重合物であってもよい。

0039

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記防眩性ハードコート層(B)が、樹脂およびフィラーを含む防眩性ハードコート層形成材料を用いて形成されており、前記防眩性ハードコート層(B)が、前記フィラーが凝集することによって、前記防眩性ハードコート層(B)の表面に凸状部を形成する凝集部を有していてもよい。また、前記凸状部を形成する凝集部において、前記フィラーが、前記防眩性ハードコート層(B)の面方向における一方向に複数集まった状態で存在していてもよい。本発明の画像表示装置は、例えば、前記フィラーが複数集まった一方向と、前記ブラックマトリックスパターンの長辺方向とが一致するように、前記本発明の反射防止フィルムが配置されていてもよい。

0040

本発明の反射防止フィルムにおいて、前記チキソトロピー付与剤は、例えば、有機粘土酸化ポリオレフィンおよび変性ウレアからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。

0041

本発明の反射防止フィルムにおいて、前記防眩性ハードコート層(B)の前記樹脂100重量(質量)部に対し、例えば、前記チキソトロピー付与剤が0.2〜5重量部の範囲で含まれていてもよい。

0042

本発明の反射防止フィルムにおいて、前記防眩性ハードコート層(B)の前記樹脂100重量部に対し、前記粒子は、例えば、0.2〜12重量部または0.5〜12重量部の範囲で含まれていてもよい。

0043

本発明の反射防止フィルムの製造方法において、さらに、前記防眩性ハードコート層形成材料中における前記樹脂100重量部に対する前記粒子の重量部数を調整することにより、前記反射防止フィルムの表面形状を調整してもよい。

0044

粒子を凝集させた凝集部を有することで、例えば、反射防止フィルムの凹凸形状は、なだらかになり、前記防眩性ハードコート層(B)表面の平均凹凸間距離Sm(mm)は大きくなる。このような表面形状を有する反射防止フィルムは、蛍光灯等の映り込みを、効果的に防止することが可能である。ただし、本発明の反射防止フィルムは、これに限定されない。

0045

前記防眩性ハードコート層(B)は、例えば、後述するように、前記樹脂、前記フィラーおよび溶媒を含む塗工液を、前記光透過性基材(A)の少なくとも一方の面に塗工して塗膜を形成し、次いで、前記塗膜から前記溶媒を除去することで形成される。前記樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂があげられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能である。

0046

前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂ポリエステル樹脂ポリエーテル樹脂エポキシ樹脂ウレタン樹脂アルキッド樹脂スピロアセタール樹脂ポリブタジエン樹脂ポリチオールポリエン樹脂多価アルコール等の多官能化合物アクリレートメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0047

前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開2008−88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、防眩性ハードコート層(B)の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレートイソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0048

前記防眩性ハードコート層(B)を形成するための粒子は、形成される防眩性ハードコート層(B)表面を凹凸形状にして防眩性を付与し、また、前記防眩性ハードコート層(B)のヘイズ値を制御することを主な機能とする。前記防眩性ハードコート層(B)のヘイズ値は、前記粒子と前記樹脂との屈折率差を制御することで、設計することができる。前記粒子としては、例えば、無機粒子有機粒子とがある。前記無機粒子は、特に制限されず、例えば、酸化ケイ素粒子酸化チタン粒子酸化アルミニウム粒子酸化亜鉛粒子酸化錫粒子炭酸カルシウム粒子硫酸バリウム粒子タルク粒子カオリン粒子硫酸カルシウム粒子等があげられる。また、前記有機粒子は、特に制限されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末PMMA粒子)、シリコーン樹脂粉末ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末ポリエステル樹脂粉末ポリアミド樹脂粉末ポリイミド樹脂粉末ポリフッ化エチレン樹脂粉末等があげられる。これらの無機粒子および有機粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。

0049

前記粒子の粒子径(D)(重量平均粒子径)は、特に限定されないが、例えば、2.5〜10μmの範囲内である。前記粒子の重量平均粒子径を、前記範囲とすることで、例えば、より防眩性に優れ、かつ白ボケが防止できる反射防止フィルムとすることができる。前記粒子の重量平均粒子径は、より好ましくは、3〜7μmの範囲内である。なお、前記粒子の重量平均粒子径は、例えば、コールターカウント法により測定できる。例えば、細孔電気抵抗法を利用した粒度分布測定装置商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン・コールター社製)を用い、粒子が前記細孔を通過する際の粒子の体積に相当する電解液電気抵抗を測定することにより、前記粒子の数と体積を測定し、重量平均粒子径を算出する。

0050

前記粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。

0051

前記防眩性ハードコート層(B)における前記粒子の割合は、前記樹脂100重量部に対し、例えば、0.2〜12重量部、0.5〜12重量部、または1〜7重量部の範囲である。前記範囲とすることで、前記凝集部を好適に形成することができ、例えば、より防眩性に優れ、かつ白ボケが防止できる反射防止フィルムとすることができる。

0052

前記防眩性ハードコート層(B)において、前記フィラーが、粒子およびチキソトロピー付与剤であってもよい。前記チキソトロピー付与剤は、単独で含んでいてもよいし、前記粒子に加え、さらに、前記チキソトロピー付与剤を含んでいてもよい。前記チキソトロピー付与剤を含むことで、前記粒子の凝集状態の制御を容易に行うことができる。前記チキソトロピー付与剤としては、例えば、有機粘土、酸化ポリオレフィン、変性ウレア等があげられる。

0053

前記有機粘土は、前記樹脂との親和性を改善するために、有機化処理した層状粘土であることが好ましい。前記有機粘土は、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN、ソマシフME−100、ソマシフMAE、ソマシフMTE、ソマシフMEE、ソマシフMPE(商品名、いずれもコープケミカル株式会社製);エスベン、エスベンC、エスベンE、エスベンW、エスベンP、エスベンWX、エスベンN−400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ、エスベンNO12、エスベンNE、エスベンNZ、エスベンNZ70、オルガナイト、オルガナイトD、オルガナイトT(商品名、いずれも株式会社ホージュン製);クニピアF、クニピアG、クニピアG4(商品名、いずれもクニミネ工業株式会社製);チクソゲルVZ、クレイトンHT、クレイトン40(商品名、いずれもロックウッドアディティブズ社製)等があげられる。

0054

前記酸化ポリオレフィンは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ディスパロン4200−20(商品名、化成株式会社製)、フローノンSA300(商品名、共栄社化学株式会社製)等があげられる。

0055

前記変性ウレアは、イソシアネート単量体あるいはそのアダクト体有機アミンとの反応物である。前記変性ウレアは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、BYK410(ビッグケミー社製)等があげられる。

0056

前記チキソトロピー付与剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。

0057

前記防眩性ハードコート層(B)における前記チキソトロピー付与剤の割合は、前記樹脂100重量部に対し、0.2〜5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.4〜4重量部の範囲である。

0058

前記防眩性ハードコート層(B)の厚み(d)は、特に制限されないが、3〜12μmの範囲内にあることが好ましい。前記防眩性ハードコート層(B)の厚み(d)を、前記範囲とすることで、例えば、反射防止フィルムにおけるカールの発生を防ぐことができ、搬送性不良等の生産性の低下の問題を回避できる。また、前記厚み(d)が前記範囲にある場合、前記粒子の重量平均粒子径(D)は、前述のように、2.5〜10μmの範囲内にあることが好ましい。前記防眩性ハードコート層(B)の厚み(d)と、前記粒子の重量平均粒子径(D)とが、前述の組み合わせであることで、防眩性に優れる反射防止フィルムとすることができる。前記防眩性ハードコート層(B)の厚み(d)は、より好ましくは、3〜8μmの範囲内である。

0059

前記防眩性ハードコート層(B)の厚み(d)と前記粒子の重量平均粒子径(D)との関係は、0.3≦D/d≦0.9の範囲内にあることが好ましい。このような関係にあることにより、より防眩性に優れ、かつ白ボケが防止でき、さらに、外観欠点のない反射防止フィルムとすることができる。

0060

本発明における反射防止フィルムでは、例えば、前述のように、前記防眩性ハードコート層(B)は、前記フィラーが凝集することによって、前記防眩性ハードコート層(B)の表面に凸状部を形成する凝集部を有しており、前記凸状部を形成する凝集部において、前記フィラーが、前記防眩性ハードコート層(B)の面方向における一方向に、複数集まった状態で存在してもよい。これにより、前記凸状部が、異方性を有するなだらかな形状となる。前記反射防止フィルムは、このような形状の凸状部を有することで、蛍光灯の映り込み等を防止することができる。ただし、本発明の反射防止フィルムは、これに限定されない。

0061

防眩性ハードコート層(B)の表面形状は、防眩性ハードコート層形成材料に含まれるフィラーの凝集状態を制御することで、任意に設計することができる。前記フィラーの凝集状態は、例えば、前記フィラーの材質(例えば、粒子表面の化学的修飾状態、溶媒や樹脂に対する親和性等)、樹脂(バインダー)または溶媒の種類、組合せ等により制御できる。また、前記チキソトロピー付与剤により、前記粒子の凝集状態を精密にコントロールすることができる。この結果、本発明では、前記反射防止フィルムの表面形状を、広い範囲で制御(調整)することが可能であり、例えば、前記フィラーの凝集状態を前述のようにすることができ、前記凸状部を、なだらかな形状とすることができる。さらに、前述のように、前記防眩性ハードコート層形成材料中における前記樹脂100重量部に対する前記粒子の重量部数を調整することにより、前記反射防止フィルムの表面形状を、より広い範囲で制御(調整)することもできる。

0062

なお、本発明の反射防止フィルムは、前記凸状部が、なだらかな形状となり、外観欠点となる防眩性ハードコート層(B)表面の突起状物の発生を防止できるものであってもよいが、これに限定されない。また、本発明の反射防止フィルムは、例えば、防眩性ハードコート層(B)の厚み方向に直接または間接的に重なる位置で、前記粒子が多少存在していてもよい。

0063

本発明の反射防止フィルムは、例えば、へイズ値が0〜10%の範囲内であってもよい。前記ヘイズ値とは、JIS K 7136(2000年版)に準じた反射防止フィルム全体のヘイズ値(度)である。前記ヘイズ値は、0〜5%の範囲がより好ましく、さらに好ましくは、0〜3%の範囲である。ヘイズ値を上記範囲とするためには、前記粒子と前記樹脂との屈折率差が0.001〜0.02の範囲となるように、前記粒子と前記樹脂とを選択することが好ましい。ヘイズ値が前記範囲であることにより、鮮明な画像が得られ、また、暗所でのコントラストを向上させることができる。

0064

前記反射防止層(C)は、前述のとおり、前記数式(1)〜(3)を満たすこと以外は、特に限定されない。前記数式(1)〜(3)が示すとおり、前記反射防止層(C)は、元素として、炭素およびフッ素を必ず含む。また、前記数式(1)および(3)が示すとおり、前記反射防止層(C)の最表面ではフッ素が一定の割合で存在し、前記最表面から15〜30nmの範囲ではフッ素が存在しないか、極めて少ない。これらの条件を満たすために、前記反射防止層(C)は、例えば、樹脂中にフッ素元素含有添加剤を添加して製造してもよい。また、前記反射防止層(C)は、例えば、前述のとおり、樹脂中に中実粒子および中空粒子が含まれていてもよい。前記反射防止層(C)の形成材料および前記反射防止層(C)の形成方法について、詳しくは後述する。

0065

例えば、画像表示装置に反射防止フィルムを装着した場合、画像の視認性を低下させる要因のひとつに空気と前記防眩性ハードコート層(B)界面での光の反射があげられる。本発明の反射防止フィルムにおける前記反射防止層(C)は、その表面反射を低減させるものである。なお、前記防眩性ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)は、前記光透過性基材(A)の一方の面にのみ形成してもよいが、両面に形成してもよい。また、前記防眩性ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)は、それぞれ、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。

0066

本発明において、前記反射防止層(C)は、厚みおよび屈折率を厳密に制御した光学薄膜若しくは前記光学薄膜を二層以上積層したものであってもよい。前記反射防止層(C)は、光の干渉効果を利用して入射光反射光逆転した位相を互いに打ち消し合わせることで反射防止機能発現する。反射防止機能を発現させる可視光線波長領域は、例えば、380〜780nmであり、特に視感度が高い波長領域は450〜650nmの範囲であり、その中心波長である550nmの反射率を最小にするように前記反射防止層(C)を設計してもよい。

0067

また、例えば、汚染物付着防止および付着した汚染物の除去容易性の向上のために、さらに、フッ素基含有シラン系化合物若しくはフッ素基含有の有機化合物等から形成される汚染防止層を前記反射防止層(C)上に積層してもよい。

0068

[2.反射防止フィルムの製造方法]
本発明の反射防止フィルムの製造方法は、特に制限されず、どのような方法で製造されてもよいが、前記本発明の反射防止フィルムの製造方法により製造することが好ましい。

0069

前記反射防止フィルムの製造方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。

0070

まず、前記光透過性基材(A)と前記ハードコート層(B)との積層体を準備する。前記積層体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、前記光透過性基材(A)上に、前記防眩性ハードコート層(B)形成用の塗工液を塗工し、さらに、前記塗工液を乾燥させて製造してもよい。また、例えば、さらに、前記防眩性ハードコート層(B)の形成材料を硬化させてもよい。前記硬化は、例えば、前記乾燥の後に行なうことができるが、これに限定されない。前記硬化は、例えば、加熱、光照射等により行うことができる。前記光は、特に限定されないが、例えば、紫外線等であってもよい。前記光照射の光源も特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ等であってもよい。

0071

前記塗工液は、例えば、前記樹脂、前記粒子、前記チキソトロピー付与剤および溶媒を含む防眩性ハードコート層形成材料(塗工液)であってもよい。

0072

前記塗工液は、チキソ性を示していることが好ましく、下記式で規定されるTi値が、1.3〜3.5の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.4〜3.2の範囲であり、さらに好ましくは1.5〜3の範囲である。

Ti値=β1β2

上記式中、β1はHAKE社製レオストレスRS6000を用いてずり速度20(1/s)の条件で測定される粘度、β2はHAAKE社製レオストレスRS6000を用いてずり速度200(1/s)の条件で測定される粘度である。

0073

Ti値が、1.3以上であれば、外観欠点が生じたり、防眩性、白ボケについての特性が悪化したりする問題が起こりにくい。また、Ti値が、3.5以下であれば、前記粒子が凝集せずに分散状態となる等の問題が起こりにくい。

0074

また、前記塗工液は、チキソトロピー付与剤を含んでいても含んでいなくてもよいが、チキソトロピー付与剤を含む方が、チキソ性を示しやすいため好ましい。また、前述のように、前記塗工液が前記チキソトロピー付与剤を含むことで、前記粒子の沈降を防止する効果(チキソトロピー効果)が得られる。さらに、前記チキソトロピー付与剤自体のせん断凝集により、反射防止フィルムの表面形状を、さらに広い範囲で自在に制御することも可能である。

0075

前記溶媒は、特に制限されず、種々の溶媒を使用可能であり、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記樹脂の組成、前記粒子および前記チキソトロピー付与剤の種類、含有量等に応じて、本発明の反射防止フィルムを得るために、最適な溶媒種類や溶媒比率が存在する。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノールエタノールイソプロピルアルコールブタノール2−メトキシエタノール等のアルコール類アセトンメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ジイソプロピルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類エチレングリコールプロピレングリコール等のグリコール類エチルセロソルブブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサンヘプタンオクタン等の脂肪族炭化水素類ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。また、例えば、前記溶媒が、炭化水素溶媒と、ケトン溶媒とを含んでいてもよい。前記炭化水素溶媒は、例えば、芳香族炭化水素であってもよい。前記芳香族炭化水素は、例えば、トルエン、o−キシレンm−キシレンp−キシレンエチルベンゼン、およびベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記ケトン溶媒は、例えば、シクロペンタノン、およびアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンシクロヘキサノンイソホロンアセトフェノンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記溶媒は、例えば、前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒とを、90:10〜10:90の質量比で混合した溶媒であってもよい。前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒との質量比は、例えば、80:20〜20:80、70:30〜30:70、または40:60〜60:40等であってもよい。

0076

また、溶媒を適宜選択することによって、チキソトロピー付与剤を含有する場合において防眩性ハードコート層形成材料(塗工液)へのチキソ性を良好に発現させることができる。例えば、有機粘土を用いる場合には、トルエンおよびキシレンを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、酸化ポリオレフィンを用いる場合には、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルメーテルを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、変性ウレアを用いる場合には、酢酸ブチルおよびメチルイソブチルケトンを好適に、単独使用または併用することができる。

0077

前記防眩性ハードコート層形成材料には、各種レベリング剤を添加することができる。前記レベリング剤としては、塗工ムラ防止(塗工面の均一化)を目的に、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を用いることができる。本発明では、防眩性ハードコート層(B)表面に防汚性が求められる場合、または、後述のように反射防止層(低屈折率層)や層間充填剤を含む層が防眩性ハードコート層(B)上に形成される場合などに応じて、適宜レベリング剤を選定することができる。本発明では、例えば、前記チキソトロピー付与剤を含ませることで塗工液にチキソ性を発現させることができるため、塗工ムラが発生しにくい。この場合、例えば、前記レベリング剤の選択肢を広げられるという優位点を有している。

0078

前記レベリング剤の配合量は、前記樹脂100重量部に対して、例えば、5重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。

0079

前記防眩性ハードコート層形成材料には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料充填剤分散剤可塑剤紫外線吸収剤界面活性剤防汚剤酸化防止剤等が添加されてもよい。これらの添加剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上併用してもよい。

0080

前記防眩性ハードコート層形成材料には、例えば、特開2008−88309号公報に記載されるような、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。

0081

前記塗工液を前記光透過性基材(A)上に塗工して塗膜を形成する方法としては、例えば、ファンテンコート法ダイコート法スピンコート法スプレーコート法グラビアコート法ロールコート法、バーコート法等の塗工法を用いることができる。

0082

つぎに、前述のとおり、前記塗膜を乾燥および硬化させ、防眩性ハードコート層(B)を形成する。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でもよいし、風を吹きつけての風乾であってもよいし、加熱乾燥であってもよいし、これらを組み合わせた方法であってもよい。

0083

前記防眩性ハードコート層(B)形成用の塗工液の乾燥温度は、例えば、30〜200℃の範囲であってもよい。前記乾燥温度は、例えば、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、または100℃以上であってもよく、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、120℃以下、または110℃以下であってもよい。乾燥時間は特に限定されないが、例えば、30秒以上、40秒以上、50秒以上、または60秒以上であってもよく、150秒以下、130秒以下、110秒以下、または90秒以下であってもよい。

0084

前記塗膜の硬化手段は、特に制限されないが、紫外線硬化が好ましい。エネルギー線源照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜500mJ/cm2が好ましい。照射量が、50mJ/cm2以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される防眩性ハードコート層(B)の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm2以下であれば、形成される防眩性ハードコート層(B)の着色を防止することができる。

0085

以上のようにして、前記光透過性基材(A)と前記ハードコート層(B)との積層体を製造できる。つぎに、前記積層体における前記ハードコート層(B)上に前記反射防止層(C)を形成する反射防止層(C)形成工程を行なう。

0086

まず、前記反射防止層(C)を形成するための反射防止層形成用塗工液を準備する。前記反射防止層形成用塗工液は、例えば、樹脂、フッ素元素含有添加剤、中空粒子、中実粒子および希釈溶媒等を含んでいてもよく、例えば、これらを混合して製造できる。

0087

前記樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂があげられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能である。

0088

前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0089

前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開2008−88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、防眩性ハードコート層(B)の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。前記樹脂は、硬化前の重量平均分子量が、例えば、100以上、300以上、500以上、1,000以上、または2,000以上であってもよく、100,000以下、70,000以下、50,000以下、30,000以下、または10,000以下であってもよい。前記硬化前の重量平均分子量が高ければ、硬度は低下するが、屈曲させた際に割れが起こり難くなる傾向がある。一方、前記硬化前の重量平均分子量が低ければ、分子間架橋密度が向上し、硬度が高くなる傾向がある。

0090

前記硬化型樹脂の硬化のために、例えば、硬化剤を添加してもよい。前記硬化剤は、特に限定されず、例えば、公知の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤等)を適宜用いることができる。前記硬化剤の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、0.5重量部以上、1.0重量部以上、1.5重量部以上、2.0重量部以上、または2.5重量部以上であってもよく、15重量部以下、13重量部以下、10重量部以下、7重量部以下、または5重量部以下であってもよい。

0091

前記フッ素元素含有添加剤は、特に限定されないが、例えば、分子中にフッ素を含む有機化合物または無機化合物であってもよい。前記有機化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ素含有防汚コーティング剤、フッ素含有アクリル化合物、フッ素およびケイ素含有アクリル化合物等があげられる。前記有機化合物は、具体的には、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KY−1203」、100DIC株式会社製の商品名「メガファック」等があげられる。前記無機化合物も、特に限定されない。前記フッ素元素含有添加剤の添加量は、特に限定されないが、例えば、前記反射防止層形成用塗工液中の固形分全体の重量に対し、前記固形分中のフッ素元素の重量が、例えば、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.20重量%以上、または0.25重量%以上であってもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下であってもよい。また、例えば、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、前記フッ素元素含有添加剤の重量が、例えば、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.20重量%以上、または0.25重量%以上であってもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下であってもよい。前記数式(1)および(3)を満たす観点から、前記フッ素元素含有添加剤の添加量が、多すぎず少なすぎないことが好ましい。

0092

前記中空粒子は、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、アクリル粒子アクリルスチレン重合粒子等であってもよい。前記シリカ粒子は、例えば、日揮触媒化成工業株式会社製の商品名「スルーリア5320」、「スルーリア4320」等があげられる。前記中空粒子の重量平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、または70nm以上であってもよく、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、または110nm以下であってもよい。前記中空粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。前記中空粒子を添加することで、例えば、前記反射防止層(C)の低屈折率、良好な反射防止特性等を実現できる。前記中空粒子の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、30重量部以上、50重量部以上、70重量部以上、90重量部以上、または100重量部以上であってもよく、300重量部以下、270重量部以下、250重量部以下、200重量部以下、または180重量部以下であってもよい。反射防止層(C)の低屈折率化の観点からは、前記中空粒子の添加量が少なすぎないことが好ましく、反射防止層(C)の機械特性確保の観点からは、前記中空粒子の添加量が多すぎないことが好ましい。

0093

前記中実粒子は、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、酸化ジルコニウム粒子チタン含有粒子(例えば、酸化チタン粒子)等であってもよい。前記シリカ粒子は、例えば、日産化学工業株式会社製の商品名「MEK−2140Z−AC」、「MIBK−ST」、「IPA−ST」等があげられる。前記中実粒子の重量平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、または25nm以上であってもよく、3300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、または100nm以下であってもよい。前記中実粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。前記中実粒子を添加することで、例えば、前記フッ素元素含有添加剤が、塗工した前記反射防止層形成用塗工液の表面に偏在しやすくなり、前記反射防止層(C)が前記数式(1)および(3)を満たしやすくなる。前記反射防止層(C)の低屈折率、良好な反射防止特性等を実現できる。前記中実粒子の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、5重量部以上、10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、または25重量部以上であってもよく、150重量部以下、120重量部以下、重量部以下、100重量部以下、または80重量部以下であってもよい。機械特性確保・屈折率調整の観点からは、前記中実粒子の添加量が少なすぎないことが好ましく、散乱による塗膜の白濁防止の観点からは、前記中実粒子の添加量が多すぎないことが好ましい。

0094

前記希釈溶媒は、特に制限されず、種々の溶媒を使用可能であり、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記希釈溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、TBA(ターシャリーブチルアルコール)、2−メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素類等があげられる。例えば、複数の溶媒を任意の比率で混合することにより、前記希釈溶媒の極性を調整してもよい。

0095

前記希釈溶媒は、例えば、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含む混合溶媒でもよい。この場合の混合比率は特に限定されないが、MIBKの重量を100重量%とした場合、PMAの重量が、例えば、20重量%以上、50重量%以上、100重量%以上、150重量%以上、または200重量%以上であってもよく、400重量%以下、350重量%以下、300重量%以下、または250重量%以下であってもよい。

0096

前記希釈溶媒は、例えば、MIBKおよびPMAに加え、さらにTBA(ターシャリーブチルアルコール)を含む混合溶媒でもよい。この場合の混合比率は特に限定されないが、MIBKの重量を100重量%とした場合、PMAの重量が、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上、または100重量%以上であってもよく、200重量%以下、180重量%以下、150重量%以下、130重量%以下、または110重量%以下であってもよい。また、MIBKの重量を100重量%とした場合、TBAの重量が、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上、または100重量%以上であってもよく、200重量%以下、180重量%以下、150重量%以下、130重量%以下、または110重量%以下であってもよい。

0097

前記希釈溶媒の添加量も特に限定されないが、例えば、反射防止層形成用塗工液全体の重量に対する固形分の重量が、例えば、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、または1.5重量%以上となるようにしてもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下となるようにしてもよい。塗工性確保(ヌレ、レベリング)の観点からは、前記固形分の含有率が高すぎないことが好ましく、風乾ムラ白化など乾燥起因の外観不良防止の観点からは、前記固形分の含有率が低すぎないことが好ましい。

0098

つぎに、前記防眩性ハードコート層(B)上に、前記反射防止層形成用塗工液を塗工する(前記塗工工程)。塗工方法は特に限定されず、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の公知の塗工方法を適宜用いることができる。前記反射防止層形成用塗工液の塗工量も特に限定されないが、形成される前記反射防止層(C)の厚みが、例えば、0.1μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、1.0μm以上、または2.0μm以上となるようにしてもよく、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、または10μm以下となるようにしてもよい。

0099

つぎに、塗工した前記反射防止層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する(前記塗膜形成工程)。乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、30〜200℃の範囲であってもよい。前記乾燥温度は、例えば、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、または100℃以上であってもよく、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、120℃以下、または110℃以下であってもよい。乾燥時間は特に限定されないが、例えば、30秒以上、40秒以上、50秒以上、または60秒以上であってもよく、150秒以下、130秒以下、110秒以下、または90秒以下であってもよい。

0100

さらに、前記塗膜を硬化させてもよい(硬化工程)。前記硬化は、例えば、加熱、光照射等により行うことができる。前記光は、特に限定されないが、例えば、紫外線等であってもよい。前記光照射の光源も特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ等であってもよい。前記紫外線硬化におけるエネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜500mJ/cm2が好ましい。照射量が、50mJ/cm2以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される反射防止層(C)の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm2以下であれば、形成される反射防止層(C)の着色を防止することができる。

0101

以上のようにして、前記光透過性基材(A)の少なくとも一方の面に、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)が、前記順序で積層された本発明の反射防止フィルムを製造できる。なお、本発明の反射防止フィルムは、前述のとおり、前記光透過性基材(A)、前記ハードコート層(B)および前記反射防止層(C)以外の他の層を含んでいてもよい。

0102

また、本発明の反射防止フィルムの製造工程において、前記光透過性基材(A)および前記防眩性ハードコート層(B)の少なくとも一方に対し表面処理を行うことが好ましい。前記光透過性基材(A)表面を表面処理すれば、前記防眩性ハードコート層(B)または偏光子若しくは偏光板との密着性がさらに向上する。また、前記防眩性ハードコート層(B)表面を表面処理すれば、前記反射防止層(C)との密着性がさらに向上する。

0103

[3.光学部材および画像表示装置]
本発明の光学部材は、特に限定されないが、例えば、偏光板であってもよい。前記偏光板も、特に限定されないが、例えば、本発明の反射防止フィルムおよび偏光子を含んでいてもよいし、さらに、他の構成要素を含んでいてもよい。前記偏光板の各構成要素は、例えば、接着剤または粘着剤等により貼り合わせられていてもよい。

0104

本発明の画像表示装置も特に限定されず、どのような画像表示装置でもよいが、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等があげられる。

0105

本発明の画像表示装置は、例えば、本発明の反射防止フィルムを視認側表面に有する画像表示装置であって、前記画像表示装置がブラックマトリックスパターンを有していてもよい。

0106

本発明の反射防止フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)側を、粘着剤や接着剤を介して、LCDに用いられている光学部材に貼り合せることができる。なお、この貼り合わせにあたり、前記光透過性基材(A)表面に対し、前述のような各種の表面処理を行ってもよい。前述のとおり、本発明の反射防止フィルムの製造方法によれば、反射防止フィルムの表面形状を広い範囲で自在に制御可能である。このため、前記反射防止フィルムを、接着剤や粘着剤などを用いて他の光学部材と積層することによって得ることができる光学特性は、前記反射防止フィルムの表面形状に対応した広い範囲にわたる。

0107

前記光学部材としては、例えば、偏光子または偏光板があげられる。偏光板は、偏光子の片側または両側に透明保護フィルムを有するという構成が一般的である。偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合は、表裏の透明保護フィルムは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。偏光板は、通常、液晶セルの両側に配置される。また、偏光板は、2枚の偏光板の吸収軸が互いに略直交するように配置される。

0108

前記反射防止フィルムを積層した偏光板の構成は、特に制限されないが、例えば、前記反射防止フィルムの上に、透明保護フィルム、前記偏光子および前記透明保護フィルムを、この順番で積層した構成でもよいし、前記反射防止フィルム上に、前記偏光子、前記透明保護フィルムを、この順番で積層した構成でもよい。

0109

本発明の画像表示装置は、前記反射防止フィルムを特定の方向で配置する以外は、従来の画像表示装置と同様の構成である。例えば、LCDの場合、液晶セル、偏光板等の光学部材、および必要に応じ照明ステムバックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。

0110

本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニターノートパソコンコピー機等のOA機器携帯電話時計デジタルカメラ携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器ビデオカメラテレビ電子レンジ等の家庭用電気機器バックモニターカーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗インフォメーション用モニター等の展示機器監視用モニター等の警備機器介護用モニター、医療用モニター等の介護医療機器等である。

0111

つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例により制限されない。なお、下記実施例および比較例における各種特性は、下記の方法により評価または測定を行った。

0112

[実施例1]
以下のようにして、反射防止フィルムを製造した。

0113

〔防眩性ハードコート層形成用塗工液の調製〕
防眩性ハードコート層形成材料に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業株式会社製、商品名「UV1700B」、固形分100%)80重量部、および、ペンタリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)20重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、前記粒子として架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業株式会社製、商品名「テクポリマー」、重量平均粒子径:5μm、屈折率:1.51)を2重量部、前記チキソトロピー付与剤として有機粘土である合成スメクタイト(コープケミカル株式会社製、商品名「ルーセンタイトSAN」)を0.4重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア907」)を3重量部、レベリング剤(DIC株式会社製、商品名「PC4100」、固形分10重量%)を0.05重量部混合した。なお、前記有機粘土は、トルエンで固形分が6重量%になるよう希釈して用いた。この混合物を、固形分濃度が40重量%となるように、トルエン/シクロペンタノン(CPN)混合溶媒(重量比80/20)で希釈して、超音波分散機を用いて、防眩性ハードコート層形成材料(塗工液)を調製した。

0114

〔防眩性ハードコート層(B)の形成〕
光透過性基材(A)として、透明プラスチックフィルム基材(アクリルフィルム、日東電工株式会社製、商品名「HX−40UC」、厚さ:40μm、屈折率:1.52)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、前記防眩性ハードコート層形成材料(塗工液)を、ワイヤーバーを用いて塗布して塗膜を形成した(塗工工程)。ついで、95℃で1分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた(乾燥工程)。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み6.5μmの防眩性ハードコート層(B)を形成した。このようにして、前記光透過性基材(A)と前記防眩性ハードコート層(B)との積層体を得た。

0115

〔反射防止層形成用塗工液の調製〕
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)100重量部、中実ナノシリカ粒子(日産化学工業株式会社製、商品名「MEK−2140Z−AC」、固形分30重量%、重量平均粒子径10nm)、フッ素元素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY−1203」、固形分20重量%)12重量部、および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、希釈溶媒としてTBA(ターシャリーブチルアルコール)、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。

0116

〔反射防止層(C)の形成〕
前記防眩性ハードコート層(B)のハードコート面(前記光透過性基材(A)と反対側の表面)に、前記反射防止層形成用塗工液をワイヤーバーで塗工した(塗工工程)。前記塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した(乾燥工程)。乾燥後の前記塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化処理した(硬化工程)。これにより、前記塗膜を硬化させ、厚み0.1μmの反射防止層(C)を形成した(反射防止層(C)形成工程)。以上のようにして、本実施例の反射防止フィルムを製造した。

0117

[実施例2]
反射防止層形成用塗工液の調製において、前記フッ素元素含有添加剤の配合量を10重量部に変更したことと、希釈溶媒をPMA:MIBK=75:25重量比で混合した混合溶媒に変更したことと、前記希釈溶媒で全体の固形分が2重量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0118

[実施例3]
反射防止層形成用塗工液の調製において、前記フッ素元素含有添加剤の配合量を5重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0119

[比較例1]
反射防止層形成用塗工液の調製において、ビスコート#300の配合量を80重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0120

[比較例2]
反射防止層形成用塗工液の調製において、中実シリカ粒子を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0121

[比較例3]
反射防止層形成用塗工液の調製において、前記フッ素元素含有添加剤の配合量を10重量部に変更したことと、希釈溶媒に使用する溶媒のうちTBAをPGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0122

[比較例4]
反射防止層形成用塗工液の調製において、前記フッ素元素含有添加剤の配合量を3重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で反射防止フィルムを製造した。

0123

(XPS測定)
実施例および比較例の反射防止フィルムにおける前記反射防止層(C)の、前記ハードコート層(B)と反対側の表面からの深さ0〜30nmの範囲におけるC(炭素)原子およびF(フッ素)原子の原子数比を、XPS(X線光電分光法)により測定した。測定条件としては、下記に示す条件で測定した。前記原子数比は、測定した深さにおけるC(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、Si(ケイ素)およびF(フッ素)の原子数の合計を100%としたC(炭素)原子およびF(フッ素)原子の比率(%)として測定した。

XPS測定条件:
装置 ; ULVAC-PHI製 Quantera SXM
X線源モノクロAl Ka.
Xray Setting ; 100μmφ[15kV, 25W]
光電子取り出し角試料表面に対して45度
結合エネルギー補正; C-C結合由来ピークを285.0eVに補正(最表面)
中和条件 ;電子中和とArイオン銃(中和モード)の併用
C60イオン銃の加速電圧電流; 10kV, 5nA
C60イオン銃のラスターサイズ; 2.5mm×2.5mm
C60イオン銃のスパッタ速度; 2nm/min(SiO2換算値)

0124

(耐擦傷性)
実施例および比較例の反射防止フィルムにおける前記反射防止層(C)の耐擦傷性(耐SW性)は、以下の試験内容にて評価した。
(1)反射防止フィルムの中心部から150mm×50mmのサンプルを切り出し、反射防止層が形成されていない面を下にして、ガラス板に載せた。
(2)直径10mmの円柱の平滑な断面に、スチールウール#0000を均一に取り付け、前記サンプル表面(反射防止層表面)を、荷重1.0kgにて毎秒約100mmの速度で1000往復した後に、前記サンプル表面の状態を目視により観測し、以下の指標により判定した。

4:目視で確認できる傷無し
3:目視で確認できる傷が5本以下
2:目視で確認できる傷が5本以上あるが、傷が無い部分が多い
1:サンプル表面のほぼ全体に傷がある

0125

実施例および比較例の反射防止フィルムにおける、前記XPS測定によるC(炭素)原子およびF(フッ素)原子の比率(%)と、前記耐擦傷性の評価結果とを、下記表1にまとめて示す。

0126

0127

前記表1に示すとおり、実施例1〜3の反射防止フィルムは、C(炭素)原子およびF(フッ素)原子の比率(%)が、前記数式(1)〜(3)を全て満たしていた。また、実施例1〜3の反射防止フィルムは、耐擦傷性の評価が、全て「4」と良好であった。

0128

比較例1の反射防止フィルムは、深さ15nmに0.7%のF(フッ素)原子が観測され前記数式(3)を満たさず、耐擦傷性の評価が「3」で若干の傷が見られた。

0129

比較例2の反射防止フィルムは、深さ0nm(反射防止層(C)表面)でのC(炭素)原子の比率(%)が41%を超えており前記数式(2)を満たさず、深さ15〜30nmにF(フッ素)原子が観測され前記数式(3)を満たさず、耐擦傷性の評価が「3」で若干の傷が見られた。

0130

比較例3の反射防止フィルムは、深さ0nm(反射防止層(C)表面)でのC(炭素)原子の比率(%)が41%を超えており前記数式(2)を満たさず、深さ15〜30nmにF(フッ素)原子が観測され前記数式(3)を満たさず、耐擦傷性の評価が「2」で、やや多い傷が見られた。

実施例

0131

比較例4の反射防止フィルムは、前記数式(2)および(3)を満たしていたが、深さ0nm(反射防止層(C)表面)でのF(フッ素)原子の比率が7%未満で前記数式(1)を満たさず、耐擦傷性の評価が「1」で、多くの傷が見られた。

0132

以上、説明したとおり、本発明によれば、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムを提供することができる。さらに、本発明によれば、前記反射防止フィルムの製造方法、前記反射防止フィルムを用いた光学部材、前記反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供することができる。本発明の反射防止フィルムは、例えば、偏光板等の光学部材、液晶パネル、および、LCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機ELディスプレイ)等の画像表示装置に好適に使用でき、その用途は制限されず、広い分野に適用可能である。本発明は、例えば、視認性が重視される様々な用途をはじめ、広い用途および分野に適用可能である。

0133

10反射防止フィルム
11光透過性基材(A)
12ハードコート層(B)
12a樹脂層
12b粒子
13反射防止層(C)
13a 樹脂層
13b中空粒子
13c 中実粒子

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