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技術 導体の形成方法

出願人 日立化成株式会社
発明者 米倉元気江尻芳則納堂高明浦島航介明比龍史
出願日 2018年8月21日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-154648
公開日 2020年2月27日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-029579
状態 未査定
技術分野 粉末冶金 導電材料 金属質粉又はその懸濁液の製造 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 測定用冶具 輸送用機械 組み合わせ形状 チキソトロピーインデックス ジェットディスペンサ 光焼成 立体形 銅含有粒子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

基材上に基材から突出する所望の形状を有する導体を、簡便且つ短時間で形成することができる導体の形成方法を提供すること。

解決手段

基材上に該基材から突出する形状を有する導体を形成する方法であって、基材から0.05mm〜10.0mmの距離の位置から液滴状導体形成用組成物吐出することにより基材上に導体形成用組成物を積み上げる工程を備え、導体形成用組成物は、銅を含有する銅含有粒子と、銅含有粒子を分散させる分散媒とを含み、25℃における粘度が1〜800Pa・sであり、JIS Z3284に従って測定されるチキソトロピーインデックスが0.50〜0.90である。

概要

背景

半導体製造分野において、金属のバンプピラーピン、又はフィン等は、多くの用途に利用されている。用途としては、例えば、半導体を正常動作させるため、半導体に溜まった熱を放出させるヒートシンクや、シリコンチップ基板接合するフリップチップ実装におけるはんだバンプなどがある。

ヒートシンクは、半導体からの熱を効率よく放出するために、銅やアルミニウム等の金属製のピラー、ピン、又はフィンが多数立てられ、表面積が大きい構造を有している。ヒートシンクの製造方法としては、押出成形圧造によって作製された金属製のピラー、ピン、又はフィンを、基材ロウ付けする方法や、金属製の基材を押出成形、切削、又は金型成形することにより、基材と一体のピラー、ピン、又はフィンを形成する方法がある。

上記の方法には、ロウ付けする手間や熱移動ロスがあること、押出成形では作製可能な形状に制限があること、金型成形では少量多品種では高コストになること、切削では材料の無駄が多いこと等の問題がある。

フリップ実装においては、近年、更なる省スペース化のため、はんだバンプに代わって銅ピラーが注目されている。チップ上に銅ピラーを形成する方法としては、めっきを使用する方法がある。まず、チップ上にレジストを塗布する。続いて、露光現像によって円柱状の穴が開いた形状にレジスト層を加工する。めっきによって穴部分銅層充填させる。最後にレジストを除去することで、フリップチップ実装用の円柱状の銅ピラーが形成される。この方法は、レジストを形成してからめっきを行うため、工程数が多く、長時間を要する問題がある。

ところで、金属パターン形成方法として、銅等の金属粒子を含むインクペースト等の導電材料を、インクジェット印刷ディスペンサ印刷スクリーン印刷等により基材上に付与する工程と、導電材料を加熱して金属粒子を融着させ、導電性発現させる導体化工程とを含む、いわゆるプリンテッドエレクトロニクス法が知られている(例えば、下記特許文献1、2を参照)。

印刷方法に関しては、ペーストを液滴状にして吐出するジェットディスペンサ等の印刷装置が近年開発されている。ジェットディスペンサはペーストを吐出するため、塗布対象物から離れた位置から塗布可能である。このような非接触型の印刷装置は、印刷時間において改善が期待できる。

概要

基材上に基材から突出する所望の形状を有する導体を、簡便且つ短時間で形成することができる導体の形成方法を提供すること。 基材上に該基材から突出する形状を有する導体を形成する方法であって、基材から0.05mm〜10.0mmの距離の位置から液滴状の導体形成用組成物を吐出することにより基材上に導体形成用組成物を積み上げる工程を備え、導体形成用組成物は、銅を含有する銅含有粒子と、銅含有粒子を分散させる分散媒とを含み、25℃における粘度が1〜800Pa・sであり、JIS Z3284に従って測定されるチキソトロピーインデックスが0.50〜0.90である。 なし

目的

本発明は、上記事情に鑑み、基材上に基材から突出する所望の形状を有する導体を、簡便且つ短時間で形成することができる導体の形成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基材上に該基材から突出する形状を有する導体を形成する方法であって、前記基材から0.05mm〜10.0mmの距離の位置から液滴状導体形成用組成物吐出することにより前記基材上に前記導体形成用組成物を積み上げる工程を備え、前記導体形成用組成物は、銅を含有する銅含有粒子と、前記銅含有粒子を分散させる分散媒と、を含み、25℃における粘度が1〜800Pa・sであり、JISZ3284に従って測定されるチキソトロピーインデックスが0.50〜0.90である、導体の形成方法

請求項2

前記導体形成用組成物に含まれる前記銅含有粒子の含有量が、前記銅含有粒子及び前記分散媒の合計量100質量部に対して、50〜90質量部である、請求項1に記載の導体の形成方法。

請求項3

前記銅含有粒子が、銅を含むコア粒子と、前記コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機被覆層とを有する被覆銅粒子である、請求項1又は2に記載の導体の形成方法。

請求項4

前記銅含有粒子の平均粒径が50μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導体の形成方法。

請求項5

前記基材上に積み上げた前記導体形成用組成物を、250℃以下で加熱することにより焼結する工程を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導体の形成方法。

技術分野

0001

本発明は、導体形成方法に関する。

背景技術

0002

半導体製造分野において、金属のバンプピラーピン、又はフィン等は、多くの用途に利用されている。用途としては、例えば、半導体を正常動作させるため、半導体に溜まった熱を放出させるヒートシンクや、シリコンチップ基板接合するフリップチップ実装におけるはんだバンプなどがある。

0003

ヒートシンクは、半導体からの熱を効率よく放出するために、銅やアルミニウム等の金属製のピラー、ピン、又はフィンが多数立てられ、表面積が大きい構造を有している。ヒートシンクの製造方法としては、押出成形圧造によって作製された金属製のピラー、ピン、又はフィンを、基材ロウ付けする方法や、金属製の基材を押出成形、切削、又は金型成形することにより、基材と一体のピラー、ピン、又はフィンを形成する方法がある。

0004

上記の方法には、ロウ付けする手間や熱移動ロスがあること、押出成形では作製可能な形状に制限があること、金型成形では少量多品種では高コストになること、切削では材料の無駄が多いこと等の問題がある。

0005

フリップ実装においては、近年、更なる省スペース化のため、はんだバンプに代わって銅ピラーが注目されている。チップ上に銅ピラーを形成する方法としては、めっきを使用する方法がある。まず、チップ上にレジストを塗布する。続いて、露光現像によって円柱状の穴が開いた形状にレジスト層を加工する。めっきによって穴部分銅層充填させる。最後にレジストを除去することで、フリップチップ実装用の円柱状の銅ピラーが形成される。この方法は、レジストを形成してからめっきを行うため、工程数が多く、長時間を要する問題がある。

0006

ところで、金属パターンの形成方法として、銅等の金属粒子を含むインクペースト等の導電材料を、インクジェット印刷ディスペンサ印刷スクリーン印刷等により基材上に付与する工程と、導電材料を加熱して金属粒子を融着させ、導電性発現させる導体化工程とを含む、いわゆるプリンテッドエレクトロニクス法が知られている(例えば、下記特許文献1、2を参照)。

0007

印刷方法に関しては、ペーストを液滴状にして吐出するジェットディスペンサ等の印刷装置が近年開発されている。ジェットディスペンサはペーストを吐出するため、塗布対象物から離れた位置から塗布可能である。このような非接触型の印刷装置は、印刷時間において改善が期待できる。

先行技術

0008

特開2012−72418号公報
特開2014−148732号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上述したように、金属のバンプ、ピラー、ピン、又はフィン等の形成方法には、工程の簡略化、時間の短縮化などの要求がある。非接触型の印刷装置を用いて高アスペクト比のピラー等を形成する場合、塗布後のピラーへの接触を防ぐために形成するピラーよりも高い位置からペーストを吐出する必要があるが、対象物から離す距離が大きくなる程正確な塗布は困難になる。また、塗布後のペーストのだれによるパターン倒れ形状変化も問題となる。

0010

本発明は、上記事情に鑑み、基材上に基材から突出する所望の形状を有する導体を、簡便且つ短時間で形成することができる導体の形成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、基材上に該基材から突出する形状を有する導体を形成する方法であって、基材から0.05mm〜10.0mmの距離の位置から液滴状の導体形成用組成物を吐出することにより基材上に導体形成用組成物を積み上げる工程を備え、導体形成用組成物は、銅を含有する銅含有粒子と、銅含有粒子を分散させる分散媒とを含み、25℃における粘度が1〜800Pa・sであり、JIS Z3284に従って測定されるチキソトロピーインデックスが0.50〜0.90である導体の形成方法を提供する。

0012

導体の導電性又は熱伝導性の観点から、上記導体形成用組成物に含まれる銅含有粒子の含有量が、銅含有粒子及び分散媒の合計量100質量部に対して、50〜90質量部であることが好ましい。

0013

低温焼結性、導電性又は熱伝導性の観点から、上記銅含有粒子が、銅を含むコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機被覆層とを有する被覆銅粒子であることが好ましい。

0014

低温焼結性の観点から、上記銅含有粒子の平均粒径が50μm以下であることが好ましい。

0015

本発明の導体の形成方法は、基材上に積み上げた前記導体形成用組成物を、250℃以下で加熱することにより焼結する工程を更に備えていてもよい。

発明の効果

0016

本発明によれば、基材上に基材から突出する所望の形状を有する導体を、簡便且つ短時間で形成することができる導体の形成方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明に係る導体の形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。

0018

以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。

0019

本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。

0020

本明細書において「導体化」とは、金属含有粒子焼成して導体に変化させることをいう。「導体」とは、導電性を有する物体をいい、より具体的には体積抵抗率が300μΩ・cm以下である物体をいう。

0021

<導体の形成方法>
本実施形態の導体の形成方法は、基材から所定の距離の位置から液滴状の導体形成用組成物を吐出することにより基材上に導体形成用組成物を積み上げた堆積体を設ける工程(以下、「堆積工程」という場合もある)と、堆積体を加熱する工程(以下、「加熱工程」という場合もある)とを備える。

0022

図1は、本実施形態の導体の形成方法を説明するための模式断面図である。図1の(a)及び(b)は、堆積工程を示しており、基材10上に、導体形成用組成物の液滴20をジェットディスペンサのノズル30から吐出し、堆積体40を設けている。図中のLは、基材10とノズル30との距離を示す。堆積工程によって、基材10と、基材10から突出する形状を有する堆積体40とを備える堆積体付基材100が得られる(図1の(b))。図1の(c)は、上記加熱工程を経て得られる導体付基材200を示し、導体付基材200は、基材10と、基材10から突出する形状を有する導体50とを備える。

0023

本実施形態の方法によれば、上記工程を経て、基材上に、基材から突出する形状を有する導体を形成することができる。以下、各工程について説明する。

0024

基材の材質は、特に制限されず、導電性を有していても有していなくてもよい。基材としては、具体的には、Cu、Au、Pt、Pd、Ag、Zn、Ni、Co、Fe、Al、Sn等の金属、これら金属の合金、ITO、ZnO、SnO、Si、SiC等の半導体、ガラス黒鉛グラファイト等のカーボン材料樹脂、紙、これらの組み合わせなどを挙げることができる。

0026

基材の形状は、特に制限されず、板状、棒状、ロール状、フィルム状、球状、立方体状、直方体状等であってよい。また、これらを二つ以上組み合わせ形状、あるいはどれにも属さないような複雑な立体形状であってよい。

0027

基材は、導体との密着性の観点から、基材の表面にプライマー層を有していてよい。プライマー層は、例えば、シランカップリング剤を含む層や樹脂組成物等の高分子化合物を含む層で形成されている。

0028

導体形成用組成物は、銅を含有する銅含有粒子と、銅含有粒子を分散させる分散媒とを含むことができる。

0029

銅含有粒子は、主として金属銅から形成された銅粒子であってもよいし、主として金属銅から形成された銅粒子であるコア粒子とコア粒子の表面の一部又は全部を覆う有機被覆層とを有する被覆銅粒子であってもよい。銅粒子と被覆銅粒子とを組み合わせてもよい。被覆銅粒子の有機被覆層は、通常、導体形成用組成物の堆積体を焼結する際の加熱により熱分解して消失する。

0030

被覆銅粒子は、低温(例えば180℃以下)の加熱により融着して、導体を形成し易い。有機被覆層がコア粒子である銅粒子の保護材として機能し、コア粒子の酸化が抑制される。このため、大気中での長期保存後も低温での良好な融着性が維持され易い。例えば、ある実施態様では、被覆銅粒子中酸化物含有率が5質量%以下である。銅含有粒子中の酸化物の含有率は、例えばXRD(X−ray diffraction、X線回折)によって測定される。

0031

銅粒子又はコア粒子は、銅及び銅を含む合金からなる群より選択される少なくとも一種を含むことができる。また、銅粒子又はコア粒子は、金属銅以外の少量の他の成分を含むことができる。金属銅以外の成分の例としては、金、銀、白金、錫及びニッケル等の金属又はこれらの金属元素を含む金属化合物酸化銅塩化銅、並びに有機物が挙げられる。有機物は、後述の脂肪酸銅還元性化合物又は脂肪族アミン由来する物質であってもよい。導電性に優れる導体を形成する観点からは、銅粒子中の金属銅の含有率は、銅粒子の質量を基準として50〜100質量%、60〜100質量%、又は70〜100質量%であってもよい。

0032

銅含有粒子の形状は、例えば、球状、長粒状、扁平状、又は繊維状であってもよい。導体形成用組成物の印刷性の観点から、銅含有粒子が球状又は長粒状であってもよい。導体の導電性の観点からは、銅含有粒子が長粒状、扁平状又は繊維状であってもよい。異なる2種以上の形状の銅含有粒子を組み合わせてもよい。

0033

銅含有粒子の長軸の長さと短軸の長さの比(長軸/短軸)であるアスペクト比が、1.0〜10.0の範囲から選択されてよい。導体形成用組成物の粘度の調整を容易する上では、銅含有粒子のアスペクト比が1.5〜8.0であってもよい。本明細書において、「長軸の長さ」とは、銅含有粒子に外接し、互いの距離が最大となるように選ばれる2つの平面間の距離を意味する。「短軸の長さ」とは、銅含有粒子に外接し、互いの距離が最小となるように選ばれる2つの平面間の距離を意味する。

0034

銅含有粒子のアスペクト比の平均値が、1.0〜8.0、1.1〜6.0、又は1.2〜3.0であってもよい。銅含有粒子のアスペクト比の平均値は、無作為に選択される200個の銅含有粒子について、長軸の長さの算術平均値及び短軸の長さの算術平均値をそれぞれ求め、得られた長軸の長さの算術平均値を短軸の長さの算術平均値で除して得られる値である。銅含有粒子のアスペクト比の調整は、例えば、後述する銅含有粒子の製造方法において使用される脂肪酸炭素数等の条件を調節することによって行われる。

0035

導体形成用組成物に含まれる銅含有粒子の全数のうち、長軸の長さが50nm以下である粒子(以下「小径粒子」ともいう。)の個数の割合が、55%以下であってもよい。小径粒子の個数の割合は、無作為に選択される200個の銅含有粒子中に占める小径粒子の個数の割合であることができる。例えば、銅含有粒子200個中に小径粒子が110個存在する場合、小径粒子の個数の割合は55%である。小径粒子の個数の割合が55%以下であると、銅含有粒子が低温の加熱により融着して良好な導電性を有する導体をより形成し易い。その傾向は、特に有機被覆層を有する被覆銅粒子の場合に顕著である。同様の観点から、小径粒子の個数の割合は、50%以下、35%以下、又は20%以下であってもよい。

0036

なお、上記の条件で銅含有粒子が低温で融着しやすくなる理由は明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。銅含有粒子は本来、小さいほど溶融しやすい傾向にあるが、同時に粒子表面の触媒活性が高すぎて酸化しやすくなる。粒子が銅から酸化銅に酸化されると融着性は悪くなってしまう。一方、長軸の長さが50nmを超える銅含有粒子では、粒子表面の有機物が脱離しにくく酸化の影響を受けにくい、粒子表面の触媒活性が高すぎず溶融を妨げる物質を生成しにくい、粒子の比表面積が大きくならず酸化の影響を受けにくい、等の何らかの要因により、長軸の長さが小径粒子よりも大きいことで溶融しやすい場合がある。酸化等の表面変化が生じにくい点で、小径粒子の個数の割合が上記の範囲である銅含有粒子は、低温での融着性に優れる傾向にあると考えられる。

0037

特許文献1及び特許文献2には、平均粒径が50nm以下、又は平均粒径が20nmの銅粒子が記載されている。特許文献2には、銅粒子中に粒子径が10nm以下の銅粒子と、粒子径が100〜200nmの銅粒子とが混在していたことも記載されている。しかしながら、いずれの特許文献にも、銅粒子全体に占める小径粒子の割合に関する具体的な記載はなく、小径粒子の割合と融着性との関連性も示唆されない。

0038

低温での融着性の観点からは、導体形成用組成物に含まれる銅含有粒子の全数のうち、長軸の長さが70nm以上である粒子の個数の割合が、30%以上、50%以上、又は60%以上であってもよい。本明細書において、長軸の長さが70nm以上である粒子の個数の割合は、無作為に選択される200個の銅含有粒子中に占める当該粒子の個数の割合であることができる。

0039

低温での融着性の観点からは、銅含有粒子の長軸の長さの平均値が、55nm以上、70nm以上、又は90nm以上であてもよい。低温での融着性の観点からは、銅含有粒子の長軸の長さの平均値が、500nm以下、300nm以下、又は200nm以下であってもよい。本明細書において、長軸の長さの平均値とは、無作為に選択される200個の銅含有粒子について測定した長軸の長さの算術平均値である。

0040

導体の強度の観点からは、導体形成用組成物に含まれる銅含有粒子の全数のうち、長軸の長さが1μm以上である銅含有粒子の個数の割合が、0.05%以上、3%以上、又は5%以上であってもよい。

0041

低温での融着性の観点からは、銅含有粒子の長軸の長さの最大値が、350nm以下、300nm以下、又は250nm以下であってもよい。本明細書において銅含有粒子の長長軸の長さの最大値とは、無作為に選択される200個の銅含有粒子中で、長軸の長さが最長である銅含有粒子の長軸の長さである。

0042

低温での融着性の観点からは、銅含有粒子の長軸の長さの最小値が、5nm以上、8nm以上、又は10nm以上であってもよい。本明細書において銅含有粒子の長軸の長さの最小値は、無作為に選択される200個の銅含有粒子中で長軸の長さが最小である銅含有粒子の長軸の長さである。

0043

導体形成組成物吐出性の観点からは、銅含有粒子の平均粒径が、50μm以下、20μm以下、10μm以下、又は5μm以下であってもよい。銅含有粒子の平均粒径が適度に小さいと、導体形成組成物を吐出するディスペンサ等の装置のノズルが、銅含有粒子で詰まりにくい。詰まり抑制の観点からは、銅含有粒子の平均粒径が、導体形成用組成物が吐出されるノズルの内径の1/10以下であってもよい。ここで、「銅含有粒子の平均粒径」は、複数の銅含有粒子を含む凝集体二次粒子)が形成されている場合はその凝集体の粒径(長軸の長さ)を銅含有粒子の粒径とみなして求められる値である。銅含有粒子の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで測定することができる。あるいは、銅含有粒子を分散媒に分散させた分散液を光散乱法粒度分布測定装置で測定する方法により、銅含有粒子の平均粒径を測定することもできる。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としてはヘキサントルエンテルピネオール等を用いることができる。

0044

銅含有粒子の長軸の長さ、アスペクト比、平均粒径、及び後述する表面の凹凸の有無は、電子顕微鏡による観察等の通常の方法により測定することができる。電子顕微鏡で観察する場合の倍率は特に制限されないが、例えば20倍〜50000倍である。粒子径が3.0nm未満の銅含有粒子は、通常、測定の対象から除外される。

0045

市販の銅粒子等の銅含有粒子から、所望の長軸の長さを有する銅含有粒子を選択してもよい。有機被覆銅粒子の場合、後述する製造方法における原材料の種類、原材料を混合する際の温度、反応時間、反応温度洗浄工程、洗浄溶媒等の条件を調節することによって、長軸の長さを調節することができる。

0046

低温での融着を促進する観点からは、銅含有粒子が、凹凸表面を有する粒子を含んでいてもよい。凹凸表面を有する銅含有粒子は、例えば0.70〜0.99の円形度を有する粒子である。本明細書において粒子の円形度とは、4π×S/(周囲長さ)2で表される値である。Sは粒子の表面積である。円形度は、画像処理ソフトを用いて電子顕微鏡像解析することにより求めることができる。電子顕微鏡で観察する場合の倍率は特に制限されないが、例えば20倍〜50000倍である。粒子径が3.0nm未満の銅含有粒子は、測定の対象から除外される。

0047

なお、銅含有粒子が表面に凹凸を有する銅含有粒子を含むことで低温での融着が促進される理由は明らかではないが、銅含有粒子の表面に凹凸が存在することにより、いわゆるナノサイズ効果による融点低下が生じ、低温での融着性が促進されると推測される。

0048

被覆銅粒子において、コア粒子の表面を覆う有機被覆層の割合は、コア粒子及び有機被覆層の合計質量を基準として0.1〜20質量%であってもよい。有機被覆層の割合が0.1質量%以上であると、充分な耐酸化性が得られ易い傾向がある。有機被覆層の割合が20質量%以下であると、被覆銅粒子の低温での融着性がより良好となる傾向にある。同様の観点から、コア粒子及び有機被覆層の合計質量を基準とする有機被覆層の割合は、0.3〜10質量%、又は0.5〜5質量%であってもよい。

0049

被覆銅粒子は、例えば、脂肪酸銅、還元性化合物、及び脂肪族アミンを含む混合物を加熱する工程を含む方法によって製造される。この方法は、必要に応じて、加熱工程後遠心分離、洗浄等の工程を有していてもよい。

0050

上記方法において、脂肪酸銅は、銅前駆体として用いられる。これにより、銅前駆体としてシュウ酸銀等を用いる特許文献1に記載の方法と比較して、より沸点の低い(すなわち、分子量の小さい)脂肪族アミンを反応媒として使用することができる。沸点の低い脂肪族アミンを用いると、得られる被覆銅粒子の有機被覆層が、より熱分解又は揮発し易くなり、それにより、良好な導電性を有する導体をより低温での焼結により形成できると考えられる。

0051

脂肪酸銅を構成する脂肪酸は、RCOOH(Rは直鎖状又は分岐状の炭化水素基を示す。)で表される1価のカルボン酸である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。コア粒子を効率的に被覆して酸化を抑制する観点からは、脂肪酸は直鎖状の飽和脂肪酸であってもよい。脂肪酸は1種のみでも、2種以上であってもよい。

0052

脂肪酸の炭素数は、20以下であってもよく、9以下であってもよい。炭素数が20以下である飽和脂肪酸の例としては、デカン酸(炭素数10)、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数17)、オレイン酸(炭素数18)、及びアラキジン酸(炭素数20)が挙げられる。炭素数が9以下である飽和脂肪酸の例としては、酢酸(炭素数2)、プロピオン酸(炭素数3)、酪酸及びイソ酪酸(炭素数4)、吉草酸及びイソ吉草酸(炭素数5)、カプロン酸(炭素数6)、エナント酸及びイソエナント酸(炭素数7)、カプリル酸及びイソカプリル酸及びイソカプロン酸(炭素数8)、並びに、ノナン酸及びイソノナン酸(炭素数9)が挙げられる。炭素数が9以下である不飽和脂肪酸の例としては、上記の飽和脂肪酸の炭化水素基中に1つ以上の二重結合を有するものが挙げられる。

0053

脂肪酸の種類は、被覆銅粒子の分散媒への分散性、融着性等の性質に影響し得る。粒子形状の均一化の観点からは、炭素数が5〜9である脂肪酸と、炭素数が4以下である脂肪酸とを併用してもよい。例えば、炭素数が9であるノナン酸と、炭素数が2である酢酸とを併用してもよい。炭素数が5〜9である脂肪酸と炭素数が4以下である脂肪酸とを併用する場合のそれらの比率は、特に制限されない。

0054

脂肪酸銅を得る方法は特に制限されず、例えば、水酸化銅と脂肪酸とを溶媒中で反応せせる方法により得てもよい。市販の脂肪酸銅を用いてもよい。あるいは、水酸化銅、脂肪酸及び還元性化合物を溶媒中で混合することで、脂肪酸銅の生成と、脂肪酸銅と還元性化合物との間で形成される錯体の生成とを同じ工程中で行ってもよい。

0055

還元性化合物は、脂肪酸銅と反応して錯体等の複合化合物を形成すると考えられる。還元性化合物が脂肪酸銅中の銅イオンに対する電子ドナーとして機能し、それにより銅イオンが還元され易くなると考えられる。そのため、複合化合物を形成している脂肪酸銅は、複合化合物を形成していない状態の脂肪酸銅の場合と比較して、自発的な熱分解による銅原子遊離を生じさせ易いと考えられる。

0057

脂肪酸銅の構造を維持した状態で錯体を形成しやすい等の観点から、アミノ基を有する還元性化合物を用いてもよい。アミノ基を有する還元性化合物は、例えば、ヒドラジン及びその誘導体、並びに、ヒドロキシルアミン及びその誘導体から選ばれる化合物であってもよい。これらの還元性化合物は、窒素原子が銅原子との配位結合を形成することにより錯体を形成することができる。これらの還元性化合物は一般に脂肪族アミンと比較して還元力が強いため、生成した錯体が比較的穏和な条件で自発的な分解を生じ、銅原子の還元及び遊離が生じる傾向にある。そのため、脂肪酸銅、還元性化合物及び脂肪族アミンを含む混合物を加熱する工程における加熱温度を、例えば、脂肪族アミンの蒸発又は分解を生じない低い温度(例えば150℃以下)とすることができる。

0058

ヒドラジン誘導体及びヒドロキシルアミン誘導体を用いることにより、脂肪酸銅との反応性を調節して、所望の条件で自発分解を生じる錯体を生成させることができる。ヒドラジン誘導体の例としては、メチルヒドラジンエチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、イソブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジンイソペンチルヒドラジン、neo−ペンチルヒドラジン、t−ペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン、イソヘキシルヒドラジン、n−ヘプチルヒドラジン、n−オクチルヒドラジン、n−ノニルヒドラジン、n−デシルヒドラジン、n−ウンデシルヒドラジン、n−ドデシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−フェニルエチルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、及びアセトヒドラジンが挙げられる。ヒドロキシルアミンの誘導体の例としては、N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、及びN,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキシルアミンが挙げられる。

0059

脂肪酸銅に含まれる銅と還元性化合物の比率は、所望の錯体が形成される条件であれば特に制限されない。例えば、銅:還元性化合物のモル比が1:1〜1:4、1:1〜1:3、又は1:1〜1:2であってもよい。

0060

脂肪族アミンは、脂肪酸銅と還元性化合物とから形成される錯体の分解反応の反応媒として機能すると考えられる。脂肪族アミンは、更に、還元性化合物の還元作用によって生じるプロトン捕捉し、反応溶液酸性に傾いて銅原子が酸化されることを抑制すると考えられる。

0061

脂肪族アミンは、RNH2(Rは置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族基を示す。)で表される1級アミン、R1R2NH(R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族基を示す。)で表される2級アミン、脂肪族基及びこれを置換する2つのアミノ基を有するアルキレンジアミン、又はこれらの組み合わせであってもよい。脂肪族アミンは、1つ以上の二重結合を含む脂肪族基を有していてもよく、酸素ケイ素窒素イオウリン等の原子を含む置換基を有していてもよい。脂肪族アミンは、1種のみであっても2種以上であってもよい。

0063

2級アミンの例としては、ジエチルアミンジプロピルアミンジブチルアミンエチルプロピルアミン、エチルペンチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、及びジヘキシルアミンが挙げられる。

0064

アルキレンジアミンの例としては、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノへキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、及び1,12−ジアミノドデカンが挙げられる。

0065

脂肪族アミンの脂肪族基の炭素数は、7以下であってもよい。脂肪族アミンの脂肪族基の炭素数が7以下であると、脂肪族アミンが熱分解し易いため、低温での焼結により良好な導電性を有する導体が形成され易い傾向がある。脂肪族アミンの脂肪族基の炭素数は6以下であってもよく、3以上であってもよい。炭素数7以下の脂肪族基を有する脂肪族アミンと、炭素数8以上の脂肪族基を有する脂肪族アミンと併用してもよい。その場合、脂肪族アミン全体に占める炭素数7以下の脂肪族基を有する脂肪族アミンの割合が50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であってもよい。

0066

脂肪酸銅に含まれる銅と脂肪族アミンとの比率は、特に制限されない。例えば、銅:脂肪族アミンのモル比が1:1〜1:8、1:1〜1:6、又は1:1〜1:4であってもよい。

0067

脂肪酸銅、還元性化合物及び脂肪族アミンを含む、被覆金属粒子を形成するための混合物は、溶媒を更に含んでもよい。脂肪酸銅と還元性化合物による錯体の形成を促進する観点からは、混合物が極性溶媒を含んでいてもよい。ここで極性溶媒とは、25℃で水に溶解する溶媒を意味する。極性溶媒がアルコールであってもよい。アルコールを用いることで錯体の形成が促進される傾向にある。その理由は明らかではないが、固体である脂肪酸銅を溶解させながら水溶性である還元性化合物との接触が促進されるためと考えられる。溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0068

25℃で水に溶解するアルコールは、例えば、炭素数が1〜8で水酸基を1つ有するアルコールであってもよい。このようなアルコールの例としては、直鎖状のアルキルアルコールフェノール、2以上の炭化水素基及びこれらを結合するエーテル結合と水酸基とを有する化合物が挙げられる。より強い極性を発現する観点からは、2以上の水酸基を有するアルコールを用いてもよい。また、イオウ原子リン原子ケイ素原子等を含むアルコールを用いてもよい。

0069

アルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール2−プロパノールブタノールペンタノールヘキサノールヘプタノールオクタノールアリルアルコールベンジルアルコールピナコールプロピレングリコールメントールカテコールヒドロキノンサリチルアルコールグリセリンペンタエリスリトールスクロースグルコースキシリトールメトキシエタノールトリエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールトリエチレングリコールテトラエチレングリコール、及びペンタエチレングリコールが挙げられる。アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール、又は、1−プロパノール及び2−プロパノールから選択してもよく、1−プロパノールを選択してもよい。

0070

脂肪酸銅、還元性化合物及び脂肪族アミンを含む混合物を加熱する工程を実施するための方法は特に制限されない。その例としては、脂肪酸銅及び還元性化合物を溶媒と混合し、得られた混合物に脂肪族アミンを更に添加して、混合物を加熱する方法、脂肪酸銅及び脂肪族アミンを溶媒と混合し、得られた混合物に還元性化合物を更に添加して、混合物を加熱する方法、水酸化銅、脂肪酸、還元性化合物及び脂肪族アミンを溶媒と混合し、得られた混合物を加熱する方法が挙げられる。

0071

加熱温度は、例えば、150℃以下、130℃以下、又は100℃以下であってもよい。炭素数が9以下である脂肪酸銅を用いることにより、比較的低温で被覆金属粒子を形成することができる。

0072

導体形成用組成物は、銅含有粒子以外の金属粒子を含んでいてもよい。金属粒子を構成する金属成分としては、例えば、銀、ニッケル、ベリリウム、白金、コバルトアンチモンゲルマニウムタリウムイリジウム亜鉛ニオブ、金、パラジウムカドミウムルテニウムチタンインジウムタングステンモリブデン、アルミニウム、鉛、ビスマスロジウムクロム、スズ、鉄、バナジウムマンガン等の導電性を有する金属成分、又はこれらの金属成分を含む合金を挙げることができる。金属成分は、導電性の観点から、金及び銀並びにこれらの金属を含む合金からなる群より選択される少なくとも一種を用いることができ、耐酸化性の観点から、金及び銀、並びにこれらの金属を含む合金からなる群より選択される少なくとも一種を用いることができる。

0073

導体形成用組成物に含まれる分散媒の種類は特に制限されず、導体形成用組成物の用途に応じて一般に用いられる有機溶媒から1種又は2種以上を選択できる。導体形成用組成物の粘度及びTI値の制御の観点から、分散媒は、テルピネオール、シクロヘキサノンイソボルニルシクロヘキサノールトリブチリンジヒドロターピネオール及びジヒドロターピネオールアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。低温での融着を促進する観点からは、還元性のある分散媒を選択してもよく、その例としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノールデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールジプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリンジエチレングリコールモノブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。

0074

導体形成用組成物は、必要に応じて銅含有粒子及び分散媒以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、シランカップリング剤、高分子化合物、ラジカル開始剤還元剤粘度調整剤レベリング剤及びチキソ調整剤が挙げられる。

0075

導体形成用組成物の25℃における粘度は、1〜800Pa・sであってもよい。導体形成用組成物の25℃における粘度が1Pa・s以上であると、導体形成用組成物が濡れ広がりにくく、液滴状の導体形成用組成物を高く積み重ねやすくなり、形成される堆積体が大径化することを抑制しやすくなる。導体形成用組成物の25℃における粘度が800Pa・s以下であると、液滴状の導体形成用組成物の液滴を比較的小さい圧力で吐出し易いため、導体形成用組成物が吐出される位置と基材との距離が大きい場合であっても、吐出された導体形成組成物が飛び散りにくくなる傾向がある。同様の観点から、導体形成用組成物の25℃における粘度が、5Pa・s以上、又は10Pa・s以上であってもよく、300Pa・s以下、又は100Pa・s以下であってもよい。

0076

本明細書において、導体形成用組成物の粘度は、E型粘度計により25℃で回転数2.5rpmの条件で測定される値である。E型粘度計として、例えば東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV33(適用コーンプレートロータ:SPP、3°×R14)を用いることができる。測定用冶具として、例えば、コーンプレートを適用できる。

0077

導体形成用組成物のチキソトロピーインデックス(以下「TI値」ということがある。)は、0.50〜0.90であってもよい。導体形成用組成物のTI値がこの範囲内にあると、吐出のためのせん断力によって導体形成用組成物が低粘度化するため、導体形成用組成物を吐出しやすく、また、導体形成用組成物が基材に着弾後は静置によって粘度が回復して、堆積体の過度な濡れ広がりを抑えることができる。同様の観点から、導体形成用組成物のTI値は、0.65以上であってもよく、0.80以下であってもよい。本明細書において、TI値は、JIS Z3284に従って測定される値を意味する。より具体的には、E型粘度計を用いて、25℃で回転数2.5rpmの条件で測定された粘度がμ2.5で、25℃で回転数10rpmの条件で測定される粘度がμ10であるときに、TI値は、次式で算出される。
TI値={log(μ2.5/μ10)}/log(10/2.5)

0078

導体形成用組成物における銅含有粒子の含有量は、銅含有粒子及び分散媒の合計量100質量部に対して、50〜90質量部であってもよい。銅含有粒子の含有量がこの範囲にあると、導体形成用組成物が充分な吐出性と上述の範囲内にある粘度及びTI値とを有し易く、また、銅粒子が緻密に融着し良好な導電性を有する導電層が形成され易い。同様の観点から、銅含有粒子の含有量が、銅含有粒子及び分散媒の合計量100質量部に対して、60〜85質量部であってもよく、又は70〜80質量部であってもよい。

0079

本実施形態に係る導体形成用組成物は、導電塗料導電ペースト導電インク等の態様であってもよい。

0080

基材から所定の距離の位置から液滴状の導体形成用組成物を吐出する手段としては、ピエゾジェットディスペンサー及びメカニカルジェットディスペンサ等のジェットディスペンサ、及びエアロゾルジェットなどの非接触式印刷装置が挙げられる。

0081

基材から距離L(基材の表面と吐出口との距離)は、0.05mm〜10.0mmとすることができる。距離Lは、実装用のバンプ等の導体を形成する場合は、0.05mm〜5.0mmとすることができ、ヒートシンク用のピラー等の導体を形成する場合は、1.0mm〜10.0mmとすることができる。

0082

本実施形態に係る堆積工程によれば、基材上に高精度で導体形成用組成物を積み上げることができ、基材から突出する所望の形状を有する堆積体を得ることができる。

0083

導体は、例えば、上記堆積体を加熱して焼結することにより形成される。導体形成用組成物の焼結により、有機物が熱分解し、かつ、銅含有粒子同士が融着して、それにより導体形成用組成物が導体化する。焼結のための加熱温度は、例えば、300℃以下、250℃以下、230℃以下であってもよく、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上であってもよい。このような低温での焼結であれば、基材の耐熱性が高くない場合であっても、基材の損傷を伴わずに導体を形成することができる。焼結のための加熱温度は、通常、100℃以上である。特に、銅含有粒子が有機被覆層を有する被覆銅粒子である場合、低温での導体化が可能であるため、導体を形成するための加熱温度は、250℃以下、又は230℃以下であってもよい。

0084

焼結のための加熱温度は、一定でも、規則的又は不規則に変化してもよい。加熱の時間は特に制限されず、加熱温度、加熱雰囲気、銅含有粒子の量等を考慮して選択できる。加熱方法は、特に制限されないが、例えば、熱板赤外ヒータ光照射、又はパルスレーザによる加熱であってもよい。

0085

堆積体が加熱される雰囲気は、特に制限されないが、窒素、アルゴン等を含む不活性雰囲気であってもよく、水素ギ酸等の還元性物質を含む還元雰囲気であってもよい。圧力は特に制限されないが、減圧雰囲気で堆積体を加熱することでより、低温での導体化が促進される傾向がある。

0086

導体の体積抵抗率は、300μΩ・cm以下であってもよく、100μΩ・cm以下であってもよく、30μΩ・cm以下であってもよく、20μΩ・cm以下であってもよい。

0087

導体は基材から突出する形状を有しており、例えば、バンプ、ピラー、ピン、又はフィンの形状を有していてもよい。これらは、円錐状、多角推状、半球状、円柱状、多角柱状、板状、及び直方体状、並びに、これら形状の端部若しくは側面に丸み若しくは凹凸を帯びた形状のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものであってもよい。

0088

本実施形態の導体の形成方法によれば、基材上に高アスペクト比の堆積体を設けることができ、これにより基材上に高アスペクト比の導体を形成することができる。アスペクト比としては、堆積体及び導体の高さ/幅が、0.01〜10の範囲であってもよく、0.1〜6の範囲であってもよい。本明細書において、「堆積体又は導体の高さ」とは、互いの距離が最大となるように選ばれる、基材と堆積体又は導体とが接する面と、堆積体又は導体に外接する平面との間の距離を意味する。「堆積体又は導体の幅」とは、堆積体又は導体に外接し、互いの距離が最小となるように選ばれる2つの平面間の距離を意味する。

0089

導体の形成方法は、必要に応じてその他の工程を更に有していてもよい。その他の工程としては、堆積体の焼結のための加熱の前に、乾燥により堆積体中の揮発成分の少なくとも一部を除去する工程、堆積体を焼結した後、形成された導体を還元雰囲気下で更に加熱して、導体に含まれる酸化銅を還元する工程、導体の光焼成により、導体中の残存成分を除去する工程、及び、導体に対して荷重印加する工程等が挙げられる。

0090

本実施形態の導体の形成方法は、種々の電子部品の接合部、放熱部、配線被膜等の形成に適用することができる。本実施形態の導体の形成方法は、導体形成用組成物が銅含有粒子を含んでおり、例えば、円柱状の銅ピラーなどを形成することができることから、フリップチップ実装における銅ピラーの形成やヒートシンクの製造等に好適である。

0091

フリップチップ実装の用途において、現状のめっきで銅ピラーを作製する方法では銅ピラー作製後に続けてはんだ層をめっきで形成している。このはんだ層が接合材として働くため基板へ実装できる。本実施形態の導体の形成方法によれば、導体として銅ピラーを形成した後にめっきを施すことで銅ピラーにはんだ層を形成することができる。これ以外にも、ピラー状に設けた堆積体、乾燥後の堆積体又は焼成後の堆積体の上にはんだペーストを塗布することもできる。また、図1の(b)に示されるような堆積体付基材は、堆積体が接合材としても働くため、堆積体付基材と別の被着体とを重ねて焼成することで、はんだ層無しで接合することができる。

0092

本実施形態の導体の形成方法で形成される導体及び導体付基材は、種々の装置に用いることができる。導体及び導体付基材は、具体的には、電磁波シールド積層板太陽電池パネル照明ディスプレイトランジスタ半導体パッケージ積層セラミックコンデンサセンサ等の電子部品に使用される。また、上記電子部品を内蔵する電子機器家電産業用機械輸送用機械等も本実施形態に係る導体又は導体付基材を備える装置に含まれる。

0093

以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0094

1.銅含有粒子の準備
三井金属鉱業株式会社製の以下の型番の銅粒子を準備した。
・CH−0200(球形銅粒子、メジアン径:0.34μm)
・1050YF(扁平状銅粒子、メジアン径:1.4μm)

0095

なお、銅含有粒子の粒径は、サブミクロン粒子アナライザN5PLUS(ベックマンコールター製)を用いて光子相関法により測定し、得られた粒径の累積分布から、メジアン径を算出した。

0096

2.導体形成用組成物
銅含有粒子と、表1に示す分散媒とを、表1に示す配合比で混合して、実施例及び比較例の導体形成用組成物を調製した。2種の銅粒子の質量比は、CH−0200:1050YF=7:3とした。なお、表中の分散媒の詳細は以下のとおりである。
テルピネオール:テルピネオール(異性体混合物)(和光純薬工業株式会社製)
テルソルブMTPH:イソボルニルシクロヘキサノール(商品名:テルソルブMTPH、日本テルペン化学株式会社製)
エタノール(和光純薬工業株式会社製)

0097

3.評価
3−1.粘度
E型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV33)を用いて、導体形成用組成物の25℃における粘度を測定した。測定用冶具として、コーンプレート型ロータSSPまたは3°×R14を用い、回転数を2.5rpmとした。

0098

3−2.チキソトロピーインデックス(TI値)
TI値を、JIS Z3284に従って測定した。より具体的には、E型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV33)を用いて、25℃で回転数2.5rpm及び回転数10rpmの条件で粘度を測定した。回転数2.5rpmの粘度μ2.5、及び回転数10rpmの粘度μ10から、下記式によりTI値を算出した。
TI値={log(μ2.5/μ10)}/log(20/5)

0099

3−3.導体の形成
銅板上の一点に、各導体形成用組成物を、ジェットディスペンサ(HOTMELT SUPERJET MJET−S−HM、武蔵エンジニアリング株式会社製)を用いて、1秒間吐出し、堆積させた。ジェットディスペンサのノズルと銅板の表面との距離は、3.0mmであった。このときの吐出性及び堆積体の形状保持性を以下の方法で評価した。その後、堆積体を加熱することにより焼結し、導体を形成した。導体の加熱は、100%水素雰囲気中、昇温速度7℃/分で225℃まで昇温し、225℃で60分間保持することにより行った。導体の導電性を以下の方法で評価した。

0100

(吐出性)
導体形成用組成物の液滴がノズル先端に溜まることなく、あるいはノズル詰まりなく吐出できた場合は「A」、吐出できなかった場合は「F」として吐出性を評価した。

0101

(形状保持性)
堆積体の高さHと幅Wとのアスペクト比H/Wを測定し、以下の基準により、形状保持性を評価した。
A:アスペクト比H/Wが1.0以上
B:アスペクト比H/Wが0.50以上1.0未満
C:アスペクト比H/Wが0.20以上0.5未満
D:アスペクト比H/Wが0.2未満

0102

(導電性)
各導体形成用組成物を長さ10mmの直線形状に塗布し、これを焼成し、導体を形成した。なお、導体の加熱は、100%水素雰囲気中、昇温速度7℃/分で225℃まで昇温し、225℃で60分間保持することにより行った。形成された導体の体積抵抗率を、4端針面抵抗測定器で測定した面抵抗値と、非接触表面・層断面形状計測システム(VertScan、三菱ケミカルステム株式会社製)で測定した膜厚とから計算した。体積抵抗効率の値に基づく以下の基準により、導体の導電性を判定した。一般に、体積抵抗率が100μΩ・cm未満であれば、導電性に優れるといえる。
A:10μΩ・cm未満
B:10μΩ・cm以上30μΩ・cm未満
C:30μΩ・cm以上100μΩ・cm未満
D:100μΩ・cm以上

0103

実施例

0104

表1に示すように、特定の粘度及びTI値を有する実施例1〜8の導体形成用組成物は、充分な吐出性を示し、銅板から離れた位置から吐出しても堆積体が高いアスペクト比を有する形状を充分保持することができることが分かった。また、堆積体は加熱されることによって充分な導電性及び高いアスペクト比を保持した導体となることが確認された。

0105

10…基材、20…液滴(液滴状の導体形成用組成物)、30…ノズル、40…堆積体、50…導体、100…堆積体付基材、200…導体付基材。

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