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図面 (5)

課題

炎症に由来する2型糖尿病高血圧アテローム性動脈硬化等の予防、改善又は治療に有効な抗炎症剤の提供。

解決手段

6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン等のグルタミナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗炎症剤。

概要

背景

炎症は、生体組織に何らかの有害な刺激を起こす物質起炎物質)が作用したときに生体が示す、局所的な一過性の反応であり、生体防御反応一種である。しかしながら、炎症は生体組織に対してもダメージを与え、慢性化して慢性炎症となると過剰な炎症反応がかえって有害となる。

慢性炎症は、生活習慣病や癌を含む加齢関連疾患等の基盤病態となる(非特許文献1及び2)。また、慢性炎症は、時間の経過により患部組織障害構造変化(変形)を伴い、患部組織が有する本来の機能に障害をきたすものであり、血糖値上昇血圧上昇関節炎神経変性を伴う認知症等の原因となり得る。

従来の抗炎症剤として、ステロイド系抗炎症剤非ステロイド系抗炎症剤天然由来成分を用いた抗炎症剤等が実用化されている。

概要

炎症に由来する2型糖尿病高血圧アテローム性動脈硬化等の予防、改善又は治療に有効な抗炎症剤の提供。6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン等のグルタミナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗炎症剤。なし

目的

本発明は、炎症作用の予防、改善又は治療に有効な抗炎症剤の提供を目的とする

効果

実績

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請求項1

グルタミナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗炎症剤

請求項2

グルタミナーゼ阻害剤がDON又はCB−839である請求項1に記載の抗炎症剤。

請求項3

炎症に由来する疾患の予防、改善又は治療に用いられる請求項1又は2に記載の抗炎症剤。

請求項4

前記疾患が、2型糖尿病高血糖インスリン抵抗性高血圧アテローム性動脈硬化、NAFLD、脂肪肝、脂質異常症、関節炎アルツハイマー炎症性大腸炎喘息及び心疾患から選ばれる少なくとも1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗炎症剤。

請求項5

血糖値上昇血圧上昇、血中中性脂肪上昇、動脈硬化、関節炎、慢性膝関節痛若しくは認知症の抑制、予防又は改善作用脂質代謝の改善作用、並びに記憶学習機能及び認知機能の少なくとも一方の増強又は改善作用から選ばれる少なくとも1の作用を有する請求項1又は2記載の抗炎症剤。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗炎症剤を含有する飲食品

請求項7

請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗炎症剤を含有する医薬

技術分野

0001

本発明は、炎症を抑制する効果に優れる抗炎症剤に関する。

背景技術

0002

炎症は、生体組織に何らかの有害な刺激を起こす物質起炎物質)が作用したときに生体が示す、局所的な一過性の反応であり、生体防御反応一種である。しかしながら、炎症は生体組織に対してもダメージを与え、慢性化して慢性炎症となると過剰な炎症反応がかえって有害となる。

0003

慢性炎症は、生活習慣病や癌を含む加齢関連疾患等の基盤病態となる(非特許文献1及び2)。また、慢性炎症は、時間の経過により患部組織障害構造変化(変形)を伴い、患部組織が有する本来の機能に障害をきたすものであり、血糖値上昇血圧上昇関節炎神経変性を伴う認知症等の原因となり得る。

0004

従来の抗炎症剤として、ステロイド系抗炎症剤非ステロイド系抗炎症剤天然由来成分を用いた抗炎症剤等が実用化されている。

先行技術

0005

一郎著、慢性炎症と加齢関連疾患、日本老年医学雑誌、54巻2号、2017年4月、105〜113頁
Maya E.Kotas and Ruslan Medzhitov,Homeostasis,Inflammation,and Disease Susceptibility,Cell,160,February 26,2015,816−827

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来の抗炎症剤には、長期間の使用による副作用発現リスクが高い、単独での抗炎症作用が弱く多量の投与を要する、他の抗炎症剤との併用を要する等の欠点がある。そのため、優れた抗炎症作用を発揮する抗炎症剤の開発が望まれている。

0007

したがって、本発明は、炎症作用の予防、改善又は治療に有効な抗炎症剤の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、グルタミナーゼ阻害剤が抗炎症作用を有することを見出し、本発明を完成させた。

0009

本発明は、以下の通りである。
1.グルタミナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗炎症剤。
2.グルタミナーゼ阻害剤がDON又はCB−839である前記1に記載の抗炎症剤。
3.炎症に由来する疾患の予防、改善又は治療に用いられる前記1又は2に記載の抗炎症剤。
4.前記疾患が、2型糖尿病高血糖インスリン抵抗性高血圧アテローム性動脈硬化、NAFLD、脂肪肝、脂質異常症、関節炎、アルツハイマー炎症性大腸炎喘息及び心疾患から選ばれる少なくとも1である、前記1〜3のいずれか1に記載の抗炎症剤。
5.血糖値上昇、血圧上昇、血中中性脂肪上昇、動脈硬化、関節炎、慢性膝関節痛若しくは認知症の抑制、予防又は改善作用脂質代謝の改善作用、並びに記憶学習機能及び認知機能の少なくとも一方の増強又は改善作用から選ばれる少なくとも1の作用を有する前記1又は2記載の抗炎症剤。
6.前記1〜5のいずれか1に記載の抗炎症剤を含有する飲食品
7.前記1〜5のいずれか1に記載の抗炎症剤を含有する医薬

発明の効果

0010

本発明の抗炎症剤は、優れた抗炎症作用を発揮し得ることから、炎症に由来する疾患又は症状の予防、改善又は治療に有効である。

図面の簡単な説明

0011

図1Aは、通常食(以下、NDとも略す。)を摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びCB−839投与群(ND+CB)についてのマウスの代表的な画像及び体重のグラフを示す。また、図1Bは、高脂肪食(以下、HFDとも略す。)を摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)についてのマウスの代表的な画像及び体重のグラフを示す。コントロール群との比較において、*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001。データは平均±S.Dを示す。
図2Aは、NDを摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びCB−839投与群(ND+CB)における、体重に対する食物摂取量と体重に対する水分摂取量比率を示す。図2Bは、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)における、体重に対する食物摂取量と体重に対する水分摂取量の比率を示す。データは平均±S.Dを示す。
図3A〜Dは、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)における、各組織の画像及び体重に対する各組織の質量比を示す。図3Aは内臓脂肪組織(eWAT)、図3Bは皮下脂肪組織(iWAT)、図3Cは褐色脂肪組織(BAT)、図3Dは肝臓の結果を示す。HFD+CVとの比較において、*p<0.05。データは平均±S.Dを示す。
図4Aは、NDを摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びDON投与群(ND+DON)におけるマウスの体重を示す。図4Bは、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びDON投与群(HFD+DON)におけるマウスの体重を示す。HFD+CVとの比較において、*p<0.01;**p<0.001。データは平均±S.Dを示す。
図5A〜Eは、HFDを摂取させた場合のコントロール群(CV)及びCB−839投与群(CB)における各mRNA発現量内部標準に用いた18S遺伝子発現の比をRTPCRにより分析した結果を示す。図5AはTNF−α/18S、図5BはMCP−1/18S、図5CはF4/80/18S、図5DはCD11c/18S、図5EはCD206/18Sの結果である。CVとの比較において、*p<0.05。データは平均±S.Dを示す。

0012

明細書中において、「抗炎症」とは、炎症を予防すること、及び炎症を改善することのいずれも包含する概念である。

0013

本発明は、その一態様において、グルタミナーゼ阻害剤を含有する、抗炎症剤に関する。グルタミナーゼ阻害剤は、グルタミンからグルタミン酸を生成する酵素であるグルタミナーゼを阻害する化合物であればよい。阻害態様は特に限定されない。

0014

グルタミナーゼ阻害剤としては、特に限定されず、公知のグルタミナーゼ阻害剤が挙げられる。例えば、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン[(S)−2−アミノ−6−ジアゾ−5−オキソカプロン酸又はその塩(DON)]、CB−839ビス−2−(5−フェニルアセトアミド−1,3,4−チアジアゾール−2−イルエチルスルフィド(BPTES)、エブセレン(Ebselen)、Compound 968、GlutaDON(登録商標)(PEG−PGA+DON)(New Medical EnzymesAG社製)、GlutaChemo(PEG−PGA+理想的候補)(New Medical Enzymes AG社製)が挙げられる。グルタミナーゼ阻害剤は1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。

0015

グルタミナーゼ阻害剤は、TNFαの発現抑制作用脂肪炎症抑制作用マクロファージ(例えば、マクロファージ−1、マクロファージ−2)抑制作用などの作用を有することから、抗炎症剤[例えば、食品組成物、医薬、健康増進剤栄養補助剤(例えば、サプリメントなど)、食品添加剤など]の有効成分として、利用することができる。グルタミナーゼ阻害剤は、これをそのまま、又は慣用の成分とともに抗炎症剤となして、非ヒト動物及びヒトに適用(例えば、投与、摂取、接種など)できる。

0016

本発明に係る抗炎症剤は、炎症に由来する疾患の予防、改善又は治療に利用できる。炎症に由来する疾患としては、例えば、2型糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、高血圧、アテローム性動脈硬化、NAFLD、脂肪肝、脂質異常症、関節炎、アルツハイマー、炎症性大腸炎、喘息及び心疾患などが挙げられる。

0017

また、本発明に係る抗炎症剤の作用としては、例えば、血糖値上昇、血圧上昇、血中中性脂肪上昇、動脈硬化、関節炎、慢性膝関節痛及び認知症(例えば、脳内異物又は脳内老廃物蓄積を伴う認知症)から選ばれる少なくとも1の抑制、予防又は改善作用、脂質代謝の改善作用、並びに記憶学習機能及び認知機能の少なくとも一方の増強又は改善作用が挙げられる。

0018

前記脂質代謝の改善作用としては、例えば、血中中性脂肪値低下作用、small denseLDLコレステロール値の低下作用、全LDLに占めるsmall denseLDLコレステロールの割合の低下作用が挙げられる。

0019

本発明の抗炎症剤の適用形態については、特に制限されないが、例えば、経口、経皮経腸、経粘膜経静脈、経動脈、皮下、筋肉内等の任意の適用形態で使用できる。本発明の抗炎症剤は、任意の適用形態で使用して抗炎症作用を発揮できるので、飲食品、医薬、飼料ペットフード等の各種製品に適用することができる。本発明の抗炎症剤は、サプリメント等としてそのまま摂取(投与)してもよいし、飲食品等組成物に抗炎症作用を付与するための添加剤として使用してもよい。

0020

また、本発明の抗炎症剤の剤型は、固形状、半固形状、液状等のいずれであってもよく、当該製品の種類や用途に応じて適宜設定される。本発明の抗炎症剤には、その形態等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、水、油脂類ロウ類炭化水素類脂肪酸類高級アルコール類、エステル類植物抽出エキス類、水溶性高分子界面活性剤金属石鹸アルコール多価アルコールpH調整剤酸化防止剤紫外線防止剤防腐剤香料粉体増粘剤色素キレート剤等の添加剤を含有してもよい。

0021

また、本発明の抗炎症剤は、その形態や用途等に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の抗炎症成分を配合してもよい。このような抗炎症成分としては、例えば、ビタミンCスクワランナイアシンナイアシンアミド長鎖ヒアルロン酸プラセンタエキスソルビトールキチンキトサン、各種植物抽出物等が挙げられる。これらの配合量については、本発明の効果を損なわない限り限定されない。

0022

本発明の抗炎症剤を飲食品として用いる場合、グルタミナーゼ阻害剤を、そのまま又は他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調整して、前記所望の効果を奏する飲食品として提供される。

0023

このような飲食品としては、一般の飲食品の他、健康食品機能性食品栄養補助食品、サプリメントを包含し、疾病リスク低減表示を付した食品などの保健機能食品(例えば、特定保険用食品、栄養機能性食品及び機能性表示食品等)、病者用食品が挙げられる。

0024

これらの飲食品の形態として、特に制限されないが、具体的にはドリンク類スープ類非アルコール飲料アルコール飲料ゼリー状飲料及び機能性飲料等の液状食品ゼリー及びヨーグルト等の半固形状食品;みそ及び発酵飲料等の発酵食品クッキー及びケーキ等の洋菓子類饅頭及び羊羹等の和菓子類キャンディー類ガム類グミ冷菓並びに氷菓等の各種菓子類食用油ドレッシングマヨネーズ及びマーガリンなどの油分を含む製品;飯類餅類麺類パン類及びパスタ類等の炭水化物含有食品ハム及びソーセージ等の畜産加工食品;かまぼこ、干物塩辛等の水産加工食品漬物等の野菜加工食品カレー、あんかけ及び中華スープ等のレトルト製品インスタントスープ及びインスタントみそ等のインスタント食品電子レンジ対応食品を用いた加工品、及び魚介類又は畜肉の加工品;調味料;等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤カプセル剤、液状、ペースト状又はゼリー状に調製された健康飲食品も挙げられる。これらの飲食品は、前述する用途に供することが出来る。また、前記病者用食品は、炎症症状及び炎症性疾患の予防、改善又は治療が必要とされる患者用として、あるいは慢性炎症が基盤病態となっている疾患の予防、改善又は治療が必要とされる患者用として提供される。

0025

本発明の抗炎症剤を飲食品に使用する場合、飲食品に対するグルタミナーゼ阻害剤の配合量については、飲食品の形態等に応じて異なるが、当業者であれば使用するグルタミナーゼ阻害剤に応じて、既知情報動物試験等に基づいて効果を予測しつつ、適切に設定することができる。そのようにして設定することのできるグルタミナーゼ阻害剤の配合量としては、好ましくは0.00001〜100質量%、より好ましくは0.0001〜100質量%、更に好ましくは0.001〜100質量%、特に好ましくは0.01〜100質量%となる範囲が挙げられる。

0026

更に、本発明の抗炎症剤を飲食品に使用する場合、本発明の抗炎症剤を単独で、又は他の成分と組み合わせて、抗炎症用の食品用添加剤として提供することもできる。本発明の抗炎症剤を食品用添加剤として使用する場合、当該食品用添加剤中のグルタミナーゼ阻害剤の含有量、飲食品に対する当該食品用添加剤の添加量等は、添加対象となる飲食品中でグルタミナーゼ阻害剤が前述する含有量を充足できるように適宜設定すればよい。

0027

また、本発明の抗炎症剤を医薬に使用する場合、本発明の抗炎症剤を単独で、又は他の薬理活性成分薬学的に許容される基剤や添加成分等と組み合わせて所望の形態に調整して、前記所望の効果を奏する医薬として提供される。

0028

このような医薬の形態としては、特に制限されないが、具体的には、錠剤、顆粒剤粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤シロップ剤等の経口投与製剤液剤軟膏剤クリーム剤ゲル剤噴霧剤貼付剤吸入剤坐剤等の経皮又は経粘膜投与製剤;注射剤等が挙げられる。

0029

本発明の抗炎症剤を医薬に使用する場合、医薬に対するグルタミナーゼ阻害剤の配合割合は、医薬の形態等に応じて異なるが、例えば、経口投与製剤又は注射剤の場合であれば、好ましくは0.00001〜100質量%、より好ましくは0.0001〜100質量%、更に好ましくは0.001〜100質量%、特に好ましくは0.01〜100質量%となる範囲が挙げられる。

0030

本発明の抗炎症剤の適用(例えば、投与、摂取、接種など)は、有効量であれば特に制限されず、通常、有効成分のグルタミナーゼ阻害剤の質量として、一般に一日あたり好ましくは10mg〜30g、より好ましくは50mg〜10g、さらに好ましくは200mg〜5gである。上記適用量は1日1回以上(例えば、1日1〜3回)に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。

0031

以下に実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0032

[実施例1]階層クラスタリング解析及びKEGGパスウェイ解析
野生型C57BL/6雄性マウス(三協ラボサービス社製)について、通常食(以下、NDとも略す。)を摂取させた普通群(20匹)及び脂肪含有量が60kcal%である高脂肪食(以下、HFDとも略す。)(Research Diets社製、D12492)を摂取させた高脂肪食群(20匹)を調製した。0、3、6及び10日目にマウス(肥満耐糖能異常は未発症)各5匹の脂肪組織に関して、網羅的な発現変動遺伝子を抽出し、マイクロアレイを用いて階層クラスタリング解析を行った。その結果、初期段階(3日目)で普通餌群と高脂肪食群を振り分け可能なGroup12を検出した。

0033

Group12には83個のKEGGパスウェイヒットした。ヒットした83個のKEGGパスウェイに関して、PubMedにて「obesty(肥満)」、「diabetes(糖尿病)」で検索した結果、「グルタミナーゼ」のパスウェイが含まれていた。「グルタミナーゼ」のパスウェイについては、肥満及び糖尿病の領域での報告がなく、グルミナーゼと肥満との関連は初めて見出されたものであった。

0034

[実施例2]動物実験を用いたCB−839投与による効果の解析
動物実験により、CB−839の投与による効果を解析した。5週齢雄性野生型C57BL/6マウス(三協ラボサービス社製)を12時間の明暗サイクルを一定にして制御された温度で維持した。マウスには食物と水を自由に摂取させた。

0035

食物として、ND又はHFDを用いた。食物としてHFDを摂取させたマウス(以下、肥満C57BL/6マウスとも略す。)は、5週齢から開始して、HFDに自由にアクセスさせた。

0036

CB−839(200mg/kg)(ArctomChemicals社製)又は対照ビヒクルを週に2回経口投与した後の体重及び食物及び水の摂取量を測定した。対照ビヒクルは、10mmol/Lクエン酸塩(pH2)中の25%(w/v)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD;富士フィルム和光純薬社製)からなるものとした。CB−839は、対照として20mg/mL(w/v)の溶液として処方した[Rossmeisl M, et al., Diabetes, 2003, 52(8): 1958−1966.]。実験は、国立大学法人富山大学の動物実験委員会による承認後、動物倫理を念頭に置いて行った。

0037

図1Aに、食物としてNDを摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びCB−839投与群(ND+CB)についてのマウスの代表的な画像及び体重のグラフを示す。また、図1Bは、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)についてのマウスの代表的な画像及び体重のグラフを示す。

0038

図1Aに示すように、NDを摂取させた場合、コントロール群とCB−839投与群との間に体重の差異は観察されなかった。また、図1Bに示すように、HFDの摂取によって誘発された体重の増加は、CB−839によって有意に減少した。この結果から、CB−839の投与により、高脂肪食を摂取したマウスの体重増加減弱することがわかった。

0039

図2Aに、食物としてNDを摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びCB−839投与群(ND+CB)における、体重に対する食物摂取量と体重に対する水分摂取量の比率を示す。図2Bは、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)における、体重に対する食物摂取量と体重に対する水分摂取量の比率を示す。

0040

図2A及び図2Bに示すように、CB−839投与群は、コントロール群と比較して体重に対する食物摂取量と体重に対する水分摂取量に有意差は見られなかった。

0041

食物としてHFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びCB−839投与群(HFD+CB)における、各組織の画像及び体重に対する各組織の質量比を図3A〜Dに示す。

0042

図3A、B及びDに示すように、HFDを摂取させたマウスでは、CB−839投与群では対照群よりも体重に対するeWAT、iWATの比が有意に低かった。

0043

また、図3A〜Cに示すようにCB−839投与群では対照群と比較して、eWAT、iWAT、BATにおける肥大の抑制が観察された。さらに、図3Dに示すように、CB−839投与群ではコントロール群と比較して、肝臓がより透明な赤色状態であった。

0044

[実施例3]動物実験を用いたDON投与による効果の解析
動物実験により6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン(DON)の投与による効果を解析した。4週齢の野生型C57BL/6雄性マウス(三協ラボサービス社製)を12時間の明暗サイクルを一定にして制御された温度で維持した。マウスには食物と水を自由に摂取させた。

0045

肥満C57BL/6マウスは、4週齢から開始して、HFDに自由にアクセスさせた。

0046

DON(シグマ社製)又はPBSからなる対照ビヒクルの腹腔内注射後、体重及び食物及び水の摂取を測定した。DONは2.5mg/mL(w/v)の溶液として処方した。全ての群の用量は0.5mg/マウスとした。これらの実験は、国立大学法人富山大学の動物実験委員会の承認を経て動物倫理を念頭に置いて行った。

0047

図4Aに、NDを摂取させた場合の、コントロール群(ND+CV)及びDON投与群(ND+DON)におけるマウスの体重を示す。また、図4Bに、HFDを摂取させた場合の、コントロール群(HFD+CV)及びDON投与群(HFD+DON)におけるマウスの体重を示す。

0048

図4Aに示すように、食物としてNDを摂取させた場合において、DON投与群の体重は、コントロール群と比較して有意に低かった。また、図4Bに示すように、食物としてHFDを摂取させた場合において、DON投与群の体重は、コントロール群と比較して有意に低かった。

0049

[実施例4]リアルタイムRT−PCR
RT−PCRにより、CB−839の免疫学的効果を調べた。TRISure(日本ジェネティクス社製)を用いて、凍結eWATからtotal RNAを単離した。組織(100mg)を300μLのTRISureでホモジナイズした。TRISure(600μL)とクロロホルム(200μL)を加え、十分に混合した。

0050

室温にて3分間インキュベートした後、混合物を4℃にて12000rpmで15分間遠心分離した。遠心分離後、RNAは水相に存在し、DNA及びタンパク質間期及びフェノール相に存在した。水相を新鮮マイクロチューブに移し、500μLのイソプロパノールと混合し、12000rpmで4℃にて20分間遠心分離した。

0051

上清を除去し、75%エタノールを添加してRNAペレット洗浄した。ペレットを再び7500rpm、4℃にて5分間遠心分離した。上清を除去し、RNAペレットを室温(約15分間)で乾燥させた。RNAペレットを20μLのRNAseフリー水に溶解した。

0052

抽出したtotal RNAをNanoDrop 2000(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)で確認し、RNaseフリー水で250ng/μLに希釈した。cDNA合成は、PrimerScriptRT試薬キットを用いて行った。リアルタイムPCR(RT−PCR)は、MX3000P及びMX3005P(アジレント・テクノロジー社製)で行った。

0053

RT−PCRに使用したプライマーの配列を表1に示す。変性工程の後、95℃にて10秒間の40〜50サイクルPCR増幅及び62℃にて20秒間のアニーリング、次いで72℃における伸長反応を15秒間とした。Mx proソフトウェアバージョン4.10を使用して結果を分析した。

0054

0055

図5A〜Eは、HFDを摂取させた場合のコントロール群(CV)及びCB−839投与群(CB)における各mRNA発現量と内部標準に用いた18S遺伝子発現の比をRT−PCRにより分析した結果を示す。図5AはTNF−α(Tumor Necrosis Factor−α)、図5BはMCP−1(Monocyte Chemotactic Protein−1)、図5CはF4/80、図5DはCD11c、図5EはCD206に対する18Sの比の結果である。two−tailed Student’st検定を用いて、コントロール群とCB−839投与群とについて結果を比較した。データは、平均±S.Eとして示す。差はp<0.05である場合に、統計的に有意とした。

0056

図5A〜Eに示すように、eWATにおける、TNF−α、MCP1/18s、F4/80/18s、CD11c/18s、CD206/18sについてのmRNA発現比はそれぞれCB−839投与群とコントロール群とで有意に異なっていた。

0057

図5Aに示すようにTNF−αの発現比はCB−389投与群ではコントロール群よりも有意に低く、CB−389の摂取により炎症が阻害されたことが示唆された。

0058

また、図5Bに示すようにMCP1/18sの発現比はCB—389投与群ではコントロール群よりも有意に低く、CB−839の摂取により脂肪炎症が抑制されたことが示唆された。

0059

さらに、図5C〜Eに示すように、F4/80/18s、CD11c/18s及びCD206/18s発現比はCB—389投与群ではコントロール群よりも有意に低く、CB−839の摂取によりマクロファージ、マクロファージ−1及びマクロファージ−2の発現がそれぞれ減少したことが示唆された。

実施例

0060

従って、これらの結果から、CB−839は、脂肪組織における炎症を阻害し得ることがわかった。

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