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技術 可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラム

出願人 株式会社東芝東芝インフラシステムズ株式会社
発明者 仕入英武永森泰彦茂庭忍小原卓巳大江真理
出願日 2018年8月23日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-156657
公開日 2020年2月27日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2020-028866
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 汚泥処理
主要キーワード 仕切り管 回収施設 熱媒体排出口 可溶化温度 保温ゾーン 降下温度 昇温ゾーン 水熱反応温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

より少ないエネルギ有機物可溶化することができる可溶化装置可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムを提供することである。

解決手段

実施形態の可溶化装置は、昇温部と、保温部と、制御部と、を持つ。昇温部は、複数の第1伝熱管の外部に熱媒体流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する。保温部は、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定時間の間、前記可溶化温度に保温する。制御部は、前記昇温部及び前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を、前記昇温部及び前記保温部のそれぞれで個別に制御する。

概要

背景

下水処理産業排水処理で発生する汚泥には生物由来有機物であるバイオマス資源が含まれており、これらのバイオマス資源をエネルギ源有価物として有効活用する試みがなされている。バイオマス資源を有効活用する試みの一つとして、汚泥の嫌気性消化によって生じるバイオガス回収が挙げられる。しかしながら、汚泥の嫌気性消化のみでは必ずしも投資コストに見合う量のバイオガスを回収できるとは限らない。そのため、バイオガスの回収に必要な設備を導入している下水処理場は全体のごく一部にとどまっているのが実情である。

このような課題を解決するため、近年では、エネルギ源を高密度に含む生ごみ家畜糞尿草木類等の湿潤系バイオマス資源を混合して汚泥を嫌気性消化することにより、バイオガスの回収効率を向上させる試みがなされている。この場合、湿潤系バイオマス資源の嫌気性消化を効率良く行うためには、消化対象をより消化しやすい形態に転換させる前処理が必要となる。従来、このような前処理としてバイオマス資源の可溶化処理が行われているが、前処理に必要なエネルギ導入コストも含めて考えると、従来の可溶化方法では必ずしも十分な費用対効果が得られない場合があった。

概要

より少ないエネルギで有機物を可溶化することができる可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムを提供することである。実施形態の可溶化装置は、昇温部と、保温部と、制御部と、を持つ。昇温部は、複数の第1伝熱管の外部に熱媒体流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する。保温部は、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定時間の間、前記可溶化温度に保温する。制御部は、前記昇温部及び前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を、前記昇温部及び前記保温部のそれぞれで個別に制御する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、より少ないエネルギで有機物を可溶化することができる可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の第1伝熱管の外部に熱媒体流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する昇温部と、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定時間の間、前記可溶化温度に保温する保温部と、前記昇温部及び前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を、前記昇温部及び前記保温部のそれぞれで個別に制御する制御部と、を備える可溶化装置

請求項2

前記昇温部と前記保温部とを接続する管路であって、前記複数の第1伝熱管によって加熱された有機性廃棄物を集約して前記第2伝熱管に供給する仕切り管をさらに備え、前記仕切り管は、前記昇温部における有機性廃棄物の加熱と、前記保温部における有機性廃棄物の保温とが互いに影響しないように、前記昇温部と前記保温部とを断熱して接続する、請求項1に記載の可溶化装置。

請求項3

前記制御部は、前記第1伝熱管の出口付近における有機性廃棄物の温度が前記可溶化温度となるように、前記昇温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する、請求項1又は2に記載の可溶化装置。

請求項4

前記制御部は、前記昇温部に対する有機性廃棄物の供給量と、前記有機性廃棄物の物性と、前記昇温部に供給する熱媒体の物性と、に基づいて、前記昇温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する、請求項1又は2に記載の可溶化装置。

請求項5

前記制御部は、前記第2伝熱管の出口付近における熱媒体の温度が前記可溶化温度となるように、前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の可溶化装置。

請求項6

前記昇温部から排出された熱媒体の一部又は全部が前記保温部に供給される、請求項1から5のいずれか一項に記載の可溶化装置。

請求項7

前記昇温部は、熱媒体の搬送路を複数形成する仕切り板をさらに備え、前記仕切り板によって形成される複数の前記搬送路のそれぞれに熱媒体を流通させることで、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱し、前記制御部は、複数の前記搬送路のそれぞれに供給される熱媒体の熱量又は供給量を、複数の前記搬送路のそれぞれで個別に制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載の可溶化装置。

請求項8

前記制御部は、第1伝熱管の内壁面における有機性廃棄物の温度が100℃以下となるように、前記昇温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の可溶化装置。

請求項9

複数の第1伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させる昇温部により、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する昇温ステップと、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させる保温部により、前記有機性廃棄物を所定時間の間、前記可溶化温度に保温する保温ステップと、前記昇温部及び前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を、前記昇温部及び前記保温部のそれぞれで個別に制御する制御ステップと、を有する可溶化方法

請求項10

複数の第1伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより前記有機性廃棄物を加熱する昇温部と、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を保温する保温部と、を備える可溶化装置を制御する可溶化制御装置であって、前記昇温部に供給される有機性廃棄物が所定の可溶化温度にまで加熱されるように、前記昇温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する第1制御部と、前記保温部に供給される有機性廃棄物が所定時間の間、前記可溶化温度に保温されるように、前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する第2制御部と、を備える可溶化制御装置。

請求項11

複数の第1伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより前記有機性廃棄物を加熱する昇温部と、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を保温する保温部と、を備える可溶化装置を制御するコンピュータに、前記昇温部に供給される有機性廃棄物が所定の可溶化温度にまで加熱されるように、前記昇温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する第1制御ステップと、前記保温部に供給される有機性廃棄物が所定時間の間、前記可溶化温度に保温されるように、前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を制御する第2制御ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラム

技術分野

0001

本発明の実施形態は、可溶化装置可溶化方法可溶化制御装置及びコンピュータプログラムに関する。

背景技術

0002

下水処理産業排水処理で発生する汚泥には生物由来有機物であるバイオマス資源が含まれており、これらのバイオマス資源をエネルギ源有価物として有効活用する試みがなされている。バイオマス資源を有効活用する試みの一つとして、汚泥の嫌気性消化によって生じるバイオガス回収が挙げられる。しかしながら、汚泥の嫌気性消化のみでは必ずしも投資コストに見合う量のバイオガスを回収できるとは限らない。そのため、バイオガスの回収に必要な設備を導入している下水処理場は全体のごく一部にとどまっているのが実情である。

0003

このような課題を解決するため、近年では、エネルギ源を高密度に含む生ごみ家畜糞尿草木類等の湿潤系バイオマス資源を混合して汚泥を嫌気性消化することにより、バイオガスの回収効率を向上させる試みがなされている。この場合、湿潤系バイオマス資源の嫌気性消化を効率良く行うためには、消化対象をより消化しやすい形態に転換させる前処理が必要となる。従来、このような前処理としてバイオマス資源の可溶化処理が行われているが、前処理に必要なエネルギ導入コストも含めて考えると、従来の可溶化方法では必ずしも十分な費用対効果が得られない場合があった。

先行技術

0004

特開2016−28800号公報
特開2008−229550号公報
特開2011−98249号公報
特開昭62−225586号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明が解決しようとする課題は、より少ないエネルギで有機物を可溶化することができる可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

実施形態の可溶化装置は、昇温部と、保温部と、制御部と、を持つ。昇温部は、複数の第1伝熱管の外部に熱媒体流通させ、前記第1伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する。保温部は、1つの第2伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、前記第2伝熱管の内部に前記昇温部によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、前記有機性廃棄物を所定時間の間、前記可溶化温度に保温する。制御部は、前記昇温部及び前記保温部に供給される熱媒体の温度又は供給量を、前記昇温部及び前記保温部のそれぞれで個別に制御する。

図面の簡単な説明

0007

従来の低温加熱方式の可溶化処理において汚泥を所定時間加熱したときの可溶化温度と可溶化率との関係性を例示する図。
従来の可溶化装置の構成の具体例を示す図。
第1の実施形態の可溶化装置の構成の具体例を示す図。
第1の実施形態における温度測定部の配置例を示す図。
第1の実施形態における制御部の構成の具体例を示す図。
第2の実施形態の可溶化装置の構成の具体例を示す図。
第2の実施形態における制御部の構成の具体例を示す図。

実施例

0008

以下、実施形態の可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。

0009

(概略)
従来、下水処理や産業排水処理で発生する汚泥等の廃棄物に含まれる有機物の嫌気性消化(以下単に「消化」ともいう。)により、廃棄物からメタン及び二酸化炭素を主成分とするバイオガスを回収する試みがなされている。消化によって回収されるバイオガスの約60%はメタンであり、回収されたメタンをエネルギ源として活用することで、外部から調達するエネルギ量を削減することができる。例えば、バイオガスの回収施設では、回収したメタンをガスボイラーで熱に変換し、その熱を消化槽の加温に必要なエネルギとして活用することができる。また、バイオガスの回収施設を備える水処理施設では、回収したメタンを用いてガスエンジン発電機発電し、その電力施設内で使用することにより、水処理施設全体での電力費を削減することができる。また、発電した電力を売却することで経済的な利益を得ることも可能である。しかしながら、バイオガスの回収施設を導入したとしても回収できるバイオガスの量が少ないと、十分な経済的利益を享受できない。そのため、バイオガスの回収効率を向上させる方法が研究されている。

0010

バイオガスの回収効率を向上させる方法の一つとして、汚泥を湿潤系バイオマスと混合して消化する方法がある。しかしながら、湿潤系バイオマスに含まれる有機物は下水処理等で発生する汚泥に比べて固形物含有率が高く、高分子物質を多く含んでいるため、湿潤系バイオマスが混合された汚泥(以下「混合汚泥」という。)を消化する場合、嫌気性消化工程が必ずしも効率良く進行しない場合がある。このような課題を解決するため、混合汚泥中の高分子有機物低分子化液化)する可溶化処理を嫌気性消化の前処理として行う方法が検討されている。なお、有機物の低分子化は、バイオガスの増産とともに、バイオガス回収後の汚泥量削減にも寄与するため、湿潤系バイオマスを混合しない場合において行われる場合もある。

0011

従来、高温高圧条件下での水熱処理超音波処理等による可溶化技術が開発されているが、可溶化処理に多くのエネルギを必要とすることから、バイオガスの回収のために投入するエネルギと回収可能なエネルギとの収支マイナスになってしまう場合があった。また、可溶化処理に多くのエネルギを必要とすることから装置が大型化し、そのために導入コストが高くなるという課題もあった。

0012

例えば、このような前処理の一例として、有機物を水熱反応温度より低い温度で加熱する低温加熱方式の可溶化技術が開発されている。低温加熱方式の可溶化処理では、高温高圧条件下での水熱処理や超音波処理等によって有機物を可溶化する方式に比べて投入するエネルギが少ないことにより耐圧容器が不要となり、設備コストを抑えられるというメリットがある。

0013

図1は、従来の低温加熱方式の可溶化処理において汚泥を所定時間加熱したときの可溶化温度と可溶化率との関係性を例示する図である。図1は、未処理汚泥のVSS(Volatile Suspended Solids揮発性浮遊物質)に対する、可溶化された汚泥のVSSの減少率を可溶化率と定義し、可溶化温度が80℃であるときの可溶化率を100%として表したものである。図1に示すように、可溶化率は可溶化温度に応じて変動することから、バイオガスを効率良く回収するためには、加熱中の可溶化温度を最適な温度に維持することが望ましい。なお、可溶化温度と可溶化率との関係性は汚泥の性状や加熱時間等によって変動しうる。図1に示す関係性はあくまで一例であり、可溶化温度と可溶化率との関係性は必ずしも図1に示す関係性に限定されない。

0014

図2は、従来の可溶化装置の構成の具体例を示す図である。図2は、従来構成として一般的な多管式熱交換器を備えた可溶化装置90の構成例を示す。可溶化装置90は、有機性廃棄物と熱媒体との熱交換によって有機性廃棄物を加熱する熱交換器として機能する。例えば、可溶化装置90は、熱媒体の搬送路を構成する筐体部91と、有機性廃棄物の搬送路となる伝熱管92と、有機性廃棄物の投入口93及び排出口94と、熱媒体の投入口95及び排出口96と、を備える。可溶化装置90は、投入口93から投入された有機性廃棄物が伝熱管92を介して熱媒体と接触しながら排出口94まで搬送されることにより、有機性廃棄物が熱媒体の熱によって加熱される。

0015

具体的には、可溶化装置90は、装置内に投入された有機性廃棄物を常温から可溶化温度まで上昇させる昇温ゾーンと、有機性廃棄物の温度を可溶化温度に維持する保温ゾーンと、に分けられる。ここで、可溶化温度と同じ温度の熱媒体を可溶化装置90に供給する場合(以下「第1のケース」という。)を考える。可溶化装置90は、有機性廃棄物が昇温ゾーンに滞留している間にその中心温度を可溶化温度に到達させる必要があるため、昇温ゾーンは、その分の滞留時間が確保される大きさに構成される。すなわち、この場合、昇温ゾーンは可溶化温度に応じた大きさで構成される必要があり、場合によっては装置が大型化してしまう可能性がある。

0016

なお、可溶化装置90による有機性廃棄物の加熱時間(すなわち、昇温ゾーンにおける滞留時間)は、有機性廃棄物の搬送速度や搬送路の長さ等によって調整される。例えば、有機性廃棄物の搬送速度は、可溶化装置90の内部に有機性廃棄物を供給するポンプ等の搬送機器(図示せず)の吐出圧力を制御することにより調整される。

0017

一方、可溶化温度より高い温度の熱媒体を可溶化装置90に供給する場合(以下「第2のケース」という。)を考える。この場合、有機性廃棄物の中心温度が可溶化温度に到達する時間が第1のケースよりも短くなるため、昇温ゾーンの大きさも第1のケースより小さくすることができる。その一方で、第2のケースでは、有機性廃棄物の中心温度が可溶化温度に達し、保温ゾーンに送られた有機性廃棄物は、保温ゾーンに滞留している間、可溶化温度よりも高い温度で加熱され続けることになるため、可溶化温度よりも高い温度に維持されることになる。具体的には、第2のケースにおいて供給される熱媒体の温度をY1[℃]とすると、Y1[℃]から熱交換による降下温度ΔY[℃]を引いたY2(=Y1−ΔY)[℃]で加熱され続けることになる。ここで、可溶化温度をX[℃]とすると、Y2[℃]はX[℃]よりも大きい場合を想定する。

0018

このため、第2のケースでは、第1のケースに比べて装置を小型化することができる一方で、保温ゾーンに滞留する有機性廃棄物の温度を適切な可溶化温度の範囲に維持することができなくなる可能性があり、可溶化効率が低下してしまう可能性がある。また、過度に加熱された有機性廃棄物は、伝熱管92の内部壁焦げ付いてしまう可能性がある。このような可溶化効率の低下や有機性廃棄物の焦げ付きは、必要以上のエネルギ消費をもたらす可能性がある。

0019

このような事情を鑑み、以下、より少ないエネルギで有機物を可溶化することができる可溶化装置、可溶化方法、可溶化制御装置及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。

0020

(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態の可溶化装置の構成の具体例を示す図である。第1の実施形態の可溶化装置1は、昇温ゾーンを構成する昇温部2、保温ゾーンを構成する保温部3、昇温部2と保温部3とを接続する仕切り管4を備える。昇温ゾーンは、複数の伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、伝熱管の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する領域である。保温ゾーンは、1つの伝熱管の外部に熱媒体を流通させ、伝熱管の内部に昇温ゾーンにおいて加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、有機性廃棄物を所定時間の間、可溶化温度に保温する領域である。昇温部2は、従来構成の可溶化装置と同様に、一般的な多管式熱交換器の構成を備える。具体的には、昇温部2は、筐体部21及び伝熱管22を備える。

0021

筐体部21は、昇温ゾーンにおける熱媒体の搬送路を構成する。具体的には、筐体部21は、熱媒体の投入口である第1の熱媒体投入口211と、熱媒体の排出口である第1の熱媒体排出口212とを有し、第1の熱媒体投入口211から順次投入される熱媒体を搬送路に送り出すとともに、搬送路を搬送されてきた熱媒体を第1の熱媒体排出口212から順次排出する。なお、筐体部21の内部には、熱媒体の移動方向を制限する1つ又は複数の邪魔板213が配置され、この移動方向の制限によって筐体部21の内部の熱媒体が蛇行しながら搬送される。このような熱媒体の搬送により、複数の伝熱管22によって搬送される有機性廃棄物を均等に加熱することができる。

0022

また、筐体部21は、有機性廃棄物の投入口である第1の有機性廃棄物投入口214と、有機性廃棄物の排出口である第1の有機性廃棄物排出口215とを有し、第1の有機性廃棄物投入口214から順次投入される有機性廃棄物を伝熱管22の内部に送り出すとともに、伝熱管22の内部を搬送されてきた有機性廃棄物を第1の有機性廃棄物排出口215から順次排出する。第1の有機性廃棄物排出口215から排出された有機性廃棄物は仕切り管4によって集約され、後段の保温部3に供給される。なお、仕切り管4は、昇温部2における有機性廃棄物の加熱と、保温部3における有機性廃棄物の保温とが互いに影響しないように、昇温部2と保温部3とを断熱して接続する。

0023

伝熱管22(第1伝熱管の一例である)は、昇温ゾーンにおける有機性廃棄物の搬送路となる配管である。伝熱管22は、その外部表面が筐体部21の内部を搬送される熱媒体に接触するように配置される。伝熱管22の内部を搬送される有機性廃棄物は、伝熱管22の菅壁を介して管外部の熱媒体と熱交換することによって加熱される。なお、図1には、6本の伝熱管22を備えた昇温部2が示されているが、昇温部2が備える伝熱管22の数は5本以下であってもよいし、7本以上であってもよい。

0024

また、伝熱管22には、伝熱管22の内部を搬送される有機性廃棄物の温度と、伝熱管22の外部を搬送される熱媒体の温度とを測定する温度測定部221が備えられる。温度測定部221の測定データは、後述する制御部5による熱媒体の温度又は供給量の制御に用いられる。図3は、伝熱管22の出口付近の温度を観測する場合における温度測定部221の配置例を示しているが、温度測定部221の設置位置は必要な観測点に応じて任意に変更されてもよいし、複数の温度測定部221が異なる観測点に設置されてもよい。

0025

図4は、第1の実施形態における温度測定部221の配置例を示す図である。図4は、3つの温度計222−1〜222−3を備えた温度測定部221の例を示す。温度計222−1は伝熱管22の中心部に配置され、伝熱管22の内部を紙面垂直方向に搬送される有機性廃棄物の中心温度を測定する。温度計222−2は、伝熱管22の内壁部に配置され、伝熱管22との接触面における有機性廃棄物の温度を測定する。温度計222−3は、伝熱管22の外壁部に配置され、伝熱管22の外部を搬送される熱媒体の温度を測定する。温度計222−1〜222−3は、後述する制御部5(図示せず)と通信可能に接続され、測定データを制御部5に送信する。

0026

続いて、保温部3について説明する。保温部3は、筐体部31と1本の伝熱管32とを備える。筐体部31は、保温ゾーンにおける熱媒体の搬送路を構成する。具体的には、筐体部31は、熱媒体の投入口である第2の熱媒体投入口311と、熱媒体の排出口である第2の熱媒体排出口312とを有し、伝熱管32の周囲にらせん状の搬送路を構成する。筐体部31は、第2の熱媒体投入口311から順次投入される熱媒体を搬送路に送り出すとともに、搬送路を搬送されてきた熱媒体を第2の熱媒体排出口312から順次排出する。

0027

また、筐体部31は、有機性廃棄物の投入口である第2の有機性廃棄物投入口313と、有機性廃棄物の排出口である第2の有機性廃棄物排出口314とを有し、仕切り管4を介して第2の有機性廃棄物投入口313から順次投入される有機性廃棄物を伝熱管32の内部に送り出すとともに、伝熱管32の内部を搬送されてきた有機性廃棄物を第2の有機性廃棄物排出口314から順次排出する。

0028

伝熱管32(第2伝熱管の一例である)は、保温ゾーンにおける有機性廃棄物の搬送路となる配管である。保温ゾーンでは、複数の伝熱管22で昇温ゾーンを搬送されてきた有機性廃棄物を1本の伝熱管32で搬送するため、伝熱管32は昇温ゾーンから送られる有機性廃棄物を受け入れられるだけの大口径を有する。伝熱管32の内部を搬送される有機性廃棄物は、伝熱管32の菅壁を介して管外部の熱媒体と熱交換することによって、所定の範囲内の可溶化温度に維持される。

0029

また、筐体部31には、保温ゾーンの出口側で熱媒体の温度を測定する温度測定部315が備えられる。温度測定部315は、後述する制御部5と通信可能に接続され、測定データを制御部5に送信する。

0030

図5は、第1の実施形態における制御部5の構成の具体例を示す図である。制御部5(第1制御部及び第2制御部の一例である)は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリ補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。制御部5は、プログラムの実行によって測定データ取得部51、昇温ゾーン制御部52及び保温ゾーン制御部53として機能する。なお、制御部5の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。

0031

測定データ取得部51は、昇温部2の温度測定部221から伝熱管22の内部を搬送される有機性廃棄物の温度の測定データと、伝熱管22の外部を搬送される熱媒体の温度の測定データと、を取得する。以下、これらの測定データを第1測定データという。測定データ取得部51は、取得した第1測定データを昇温ゾーン制御部52に出力する。

0032

測定データ取得部51は、保温部3の温度測定部315から保温ゾーンの出口側における熱媒体の温度の測定データを取得する。以下、この測定データを第2測定データという。測定データ取得部51は、取得した第2測定データを保温ゾーン制御部53に出力する。

0033

昇温ゾーン制御部52は、昇温部2に供給された有機性廃棄物の温度を制御する機能を有する。具体的には、昇温ゾーン制御部52は、筐体部21に流入する熱媒体の温度又は供給量を調節することにより有機性廃棄物の温度を制御する。ここで、熱媒体は図示しない加熱装置によって加熱され、図示しないポンプ等の搬送機器によって筐体部21の内部に供給されるものとし、昇温ゾーン制御部52はこれらの加熱装置及び搬送機器の制御によって、筐体部21に供給される熱媒体の温度又は供給量を調節可能であるものとする。

0034

例えば、昇温部2における有機性廃棄物の滞留時間がT1分である場合、昇温ゾーン制御部52は、昇温部2に供給された有機性廃棄物の中心温度がT1分の加熱によって可溶化温度X℃に到達するように、熱媒体の温度又は供給量を制御する。この場合、例えば、昇温ゾーン制御部52は、伝熱管22の出口付近における有機性廃棄物の中心温度(以下「出口温度」という。)を観測し、出口温度の目標値をX℃とするフィードバック制御を行ってもよい。また、昇温ゾーン制御部52は、有機性廃棄物の物性(例えば比熱)や温度、処理量、熱媒体の物性(例えば比熱)等に基づいて、出口温度をX℃とするために必要な熱媒体の温度又は供給量を決定してもよい。

0035

保温ゾーン制御部53は、保温部3に供給された有機性廃棄物の温度を制御する機能を有する。具体的には、保温ゾーン制御部53は、伝熱管32の内部を搬送される有機性廃棄物の温度を可溶化温度X℃に維持する(保温する)ように、筐体部31に流入する熱媒体の温度又は供給量を調節する。以下、この動作を保温動作という。ここで、熱媒体は図示しない加熱装置によって加熱され、図示しないポンプ等の搬送機器によって筐体部31の内部に供給されるものとし、保温ゾーン制御部53はこれらの加熱装置及び搬送機器の制御によって、筐体部31に供給される熱媒体の温度又は供給量を調節可能であるものとする。

0036

例えば、保温部3における有機性廃棄物の滞留時間がT2分である場合、保温ゾーン制御部53は、保温部3に供給された有機性廃棄物の中心温度がT2分の間、可溶化温度X℃に維持されるように、熱媒体の温度又は供給量を制御する。このとき、第2の熱媒体投入口311から投入された熱媒体は、有機性廃棄物に対して熱を供給することにより、供給した熱量分の温度低下を伴いながら筐体部31の内部を搬送される。そのため、この場合、例えば、保温ゾーン制御部53は、伝熱管32の出口付近における熱媒体の温度をX℃に維持するように、熱媒体の温度又は供給量を調節する。

0037

例えば、保温ゾーン制御部53は、伝熱管32の出口付近における熱媒体の温度を観測し、この温度の目標値をX℃とするフィードバック制御を行ってもよい。また、保温ゾーン制御部53は、有機性廃棄物の物性(例えば比熱)や温度、処理量、熱媒体の物性(例えば比熱)等に基づいて、出口温度をX℃とするために必要な熱媒体の温度又は供給量を決定してもよい。

0038

なお、保温部3の役割は、昇温ゾーンにおいて常温から可溶化温度X℃にまで加熱された有機性廃棄物の温度を可溶化温度X℃に維持する(保温する)ことであるため、保温部3には、昇温部2に供給される熱媒体よりも低温の熱媒体が供給される。一方、昇温部2に供給された熱媒体は、昇温部2の内部で有機性廃棄物に供給した熱量の分だけ温度が低下した状態で排出される。そこで、昇温部2から排出される熱媒体の熱量を有効活用するため、保温部3には昇温部2から排出された熱媒体の一部又は全部が供給されてもよい。この場合、昇温部2から排出された熱媒体に冷却媒体を混合するなどして温度調節を行ってもよい。

0039

ここで、有機性廃棄物を伝熱管32を介して間接的に加熱する場合、有機性廃棄物が水分を含んでいる間は、伝熱管32との接触面における有機性廃棄物の温度は100℃を超えることはない。ところが、接触面付近の水分が蒸発してしまうと接触面における有機性廃棄物の温度が上昇し、有機性廃棄物が接触面に焦げ付く可能性がある。そこで、実施形態の可溶化装置1は、伝熱管32の内壁における有機性廃棄物の焦げ付きを抑制するための手段として以下の構成1又は構成2を備える。

0040

構成1は、保温ゾーン制御部53が熱媒体の温度又は供給量を制御することにより有機性廃棄物の焦げ付きを抑制する構成である。具体的には、保温ゾーン制御部53は、保温動作を行っている間、伝熱管32の内壁面における有機性廃棄物の温度を観測し、この温度が100℃を超えないように熱媒体の温度又は供給量を制御することにより、有機性廃棄物の焦げ付きを抑制する。

0041

構成2は、攪拌機によって伝熱管32の内部の有機性廃棄物を攪拌することにより有機性廃棄物の焦げ付きを抑制する構成である。例えば、構成2は、伝熱管32の内部にラインミキサ等の撹拌機を設置することにより実現される。攪拌機は、搬送路の一部に設けられてもよいし、搬送路の全長に渡って設けられてもよい。構成2によれば、有機性廃棄物は攪拌機によって攪拌されながら伝熱管32の内部を搬送されるため、伝熱管32の内部における有機性廃棄物の温度分布が一様化される。これにより、伝熱管32の内壁面における有機性廃棄物の局所的な温度上昇が抑制され、内壁面における有機性廃棄物の焦げ付きを抑制することができる。

0042

また、伝熱管32の内部において有機性廃棄物の温度分布が一様化されることにより、有機性廃棄物の温度分布のムラによる可溶化効率の低下を抑制する効果も期待できる。さらに、伝熱管32の内部において有機性廃棄物の温度分布が一様化されれば、保温ゾーンに供給する熱量をより適切に調節することができるため、熱媒体による無駄な熱供給を抑制する効果も期待できる。

0043

なお、可溶化装置1は、有機性廃棄物の焦げ付きを抑制する手段として、構成1又は構成2のいずれか一方を備えてもよいし、構成1及び構成2の両方を備えてもよい。

0044

このように構成された第1の実施形態の可溶化装置1は、昇温ゾーンを構成する昇温部2と保温ゾーンを構成する保温部3とを備えることにより、昇温ゾーンにおける有機性廃棄物の加熱と、保温ゾーンにおける有機性廃棄物の加熱とをそれぞれで独立して制御することができる。このような構成を備えることにより、第1の実施形態の可溶化装置1は、1つの多管式伝熱管で昇温ゾーン及び保温ゾーンを構成する従来の可溶化装置に比べて、有機性廃棄物の可溶化に必要なエネルギを効率良く供給することが可能になり、より少ないエネルギで有機性廃棄物を可溶化することができる。

0045

また、第1の実施形態の可溶化装置1では、小口径の多管式の伝熱管22を用いて昇温部2が構成される。昇温部2は、処理対象の有機性廃棄物を複数の伝熱管22で分散して搬送するとともに、高熱量を有する熱媒体を伝熱管22の外壁に接触させながら搬送することにより、常温の有機性廃棄物を短時間で所定の可溶化温度にまで加熱することができる。このような昇温部2によれば、昇温ゾーンにおける有機性廃棄物の滞留時間を短縮させることができるため、可溶化装置の大きさを従来よりも小型化することが可能になる。

0046

また、第1の実施形態の可溶化装置1では、大口径の1つの伝熱管32を用いて保温部3が構成される。保温部3は、昇温部2から送られてくる有機性廃棄物を大口径の1つの伝熱管32で搬送するとともに、保温に必要な熱量を有する熱媒体を伝熱管32の外壁に接触させながら搬送することにより、搬送中の有機性廃棄物を所定の可溶化温度に維持する(保温する)ことができる。このような保温部3によれば、必要最低限の熱量の供給によって有機性廃棄物を保温することができ、有機性廃棄物の可溶化に必要なエネルギを削減することが可能になる。

0047

また、第1の実施形態の可溶化装置1では、保温ゾーンに供給された有機性廃棄物が、従来の多管式伝熱管に代えて大口径の1つの伝熱管32によって搬送される。この場合、伝熱管32は、従来の多管式伝熱管よりも短い長さで同じ容積を確保することができるため、可溶化装置の大きさを従来よりも小型化することが可能になる。

0048

(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の可溶化装置の構成の具体例を示す図である。可溶化装置1aは、昇温部2に代えて昇温部2aを備える点で第1の実施形態の可溶化装置1と異なる。昇温部2aは、邪魔板213に代えて仕切り板216を筐体部21の内部に備え、昇温ゾーンが仕切り板216によって第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンの3つの領域に分割される点で第1の実施形態における昇温部2と異なる。仕切り板216は、筐体部21の内部に、第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンのそれぞれに独立した熱媒体の搬送路を構成する。

0049

また、昇温部2aは、第1の熱媒体投入口211及び第1の熱媒体排出口212を第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンのそれぞれに備える点で第1の実施形態における昇温部2と異なる。第1の熱媒体投入口211−1及び第1の熱媒体排出口212−1は第1昇温ゾーンに、第1の熱媒体投入口211−2及び第1の熱媒体排出口212−2は第2昇温ゾーンに、第1の熱媒体投入口211−3及び第1の熱媒体排出口212−3は第3昇温ゾーンに、それぞれ対応する。

0050

また、昇温部2aは、伝熱管22の内部を搬送される有機性廃棄物の温度と、伝熱管22の外部を搬送される熱媒体の温度とを測定する温度測定部221を第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンのそれぞれに備える点で第1の実施形態における昇温部2と異なる。

0051

また、第2の実施形態の可溶化装置1aは、制御部5に代えて、第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンにおいて供給される熱媒体の温度又は供給量を、各昇温ゾーンごとに独立して調節可能である制御部5a(図7にて後述する)を備える点で第1の実施形態の可溶化装置1aと異なる。

0052

以上が、第1の実施形態の可溶化装置1と第2の実施形態の可溶化装置1aとの構成の違いであるが、その他の可溶化装置1aの構成は第1の実施形態の可溶化装置1と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の構成には図3と同じ符号を付すことにより説明を省略する。

0053

図7は、第2の実施形態における制御部5aの構成の具体例を示す図である。制御部5は、昇温ゾーン制御部52に代えて、昇温ゾーン制御部52aを備える点で第1の実施形態における制御部5と異なる。その他の構成は第1の実施形態における制御部5と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の構成には図5と同じ符号を付すことにより説明を省略する。

0054

昇温ゾーン制御部52aは、第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンの各昇温ゾーンにおいて、伝熱管22との接触面における有機性廃棄物の焦げ付きを抑制するように、各昇温ゾーンに供給される熱媒体の温度又は供給量を調節する。上述のとおり、有機性廃棄物の含水率が高い状態では、接触面における有機性廃棄物の温度が100℃を超える可能性が低い。そのため、昇温ゾーン制御部52aは、伝熱管22との接触面における有機性廃棄物の温度を第1昇温ゾーン、第2昇温ゾーン、第3昇温ゾーンのそれぞれについて観測し、その温度が100℃を超えない範囲では、高熱量を有する熱媒体を供給して急速に有機性廃棄物の温度を上昇させる。

0055

また、接触面における有機性廃棄物の温度が100℃を超えて上昇する場合には、昇温ゾーン制御部52aは、供給する熱媒体の温度又は供給量を低下させることで有機性廃棄物の焦げ付きを抑制する。

0056

このように構成された第2の実施形態の可溶化装置1aは、昇温ゾーンを複数に分割して熱媒体の温度又は供給量を調節することにより、有機性廃棄物の焦げ付きを抑制するとともに、効率良く有機性廃棄物を加熱することができる。また、昇温ゾーンにおける有機性廃棄物の加熱が効率化されることにより、可溶化装置のさらなる小型化も期待できる。なお、図6では、3つの昇温ゾーンを有する可溶化装置1aの例を示したが、第2の実施形態の可溶化装置において、昇温ゾーンの数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。

0057

また、制御部5又は5aは、可溶化装置1又は1aとは別体の可溶化制御装置として構成されてもよい。

0058

以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、複数の伝熱管22の外部に熱媒体を流通させ、伝熱管22の内部に有機性廃棄物を流通させることにより、有機性廃棄物を所定の可溶化温度にまで加熱する昇温部2と、1つの伝熱管32の外部に熱媒体を流通させ、伝熱管32の内部に昇温部2によって加熱された有機性廃棄物を流通させることにより、有機性廃棄物を所定時間の間、可溶化温度に保温する保温部3と、昇温部2及び保温部3に供給される熱媒体の温度又は供給量を、昇温部2及び保温部3のそれぞれで個別に制御する制御部5(又は5a)と、を持つことにより、より少ないエネルギで有機物を可溶化することができる。

0059

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0060

1,1a…可溶化装置、2,2a…昇温部、21…筐体部、211,211−1〜211−3…第1の熱媒体投入口、212,212−1〜212−3…第1の熱媒体排出口、213…邪魔板、214…第1の有機性廃棄物投入口、215…第1の有機性廃棄物排出口、216…仕切り板、22…伝熱管、221…温度測定部、222−1〜222−3…温度計、3…保温部、31…筐体部、311…第2の熱媒体投入口、312…第2の熱媒体排出口、313…第2の有機性廃棄物投入口、314…第2の有機性廃棄物排出口、315…温度測定部、32…伝熱管、4…仕切り管、5,5a…制御部、51…測定データ取得部、52,52a…昇温ゾーン制御部、53…保温ゾーン制御部、90…従来の可溶化装置、91…筐体部、92…伝熱管、93…有機性廃棄物の投入口、94…有機性廃棄物の排出口、95…熱媒体の投入口、96…熱媒体の排出口

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