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技術 画像読取り装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 釜井康行山中智雄
出願日 2018年8月9日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-150304
公開日 2020年2月20日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-027959
状態 未査定
技術分野 FAXの走査装置 FAX画像信号回路
主要キーワード 分散荷重 開き角θ 次近似曲線 変形歪 歪状態 最大データ値 最小データ値 読取り品質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月20日)のものです。
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図面 (20)

課題

原稿台ガラス変形状態を示す情報を得る。

解決手段

原稿台ガラス20における主走査方向M1の一端部および他端部のそれぞれに、読取り品質を示すMTF値を算出するためのチャート24,25が配置され、原稿および複数のチャート24,25を撮像して画像データを出力する撮像部と、画像データにおける一端部および他端部に複数ずつ対応する4以上の設定位置X1〜X4のデータ値に基づいて、当該4以上の設定位置X1〜X4についてMTF値を算出する算出部と、算出された4以上のMTF値に基づいて、原稿台ガラス20の厚さ方向の変形による原稿載置面の変位量推定する推定部と、を有する。

概要

背景

フラットベッド型スキャナは、複写機およびMFP(Multi-functional Peripheral :多機能機または複合機)に備えられ、またはパーソナルコンピューター周辺機器として接続されるなどして用いられている。近年、この種のスキャナにおいて、原稿画像撮像する光学系は、縮小光学系から等倍光学系に置き換わりつつある。

スキャナにおける読取り品質を高めるための先行技術として、特許文献1〜3に記載の技術がある。

特許文献1には、原稿台の近傍に読み取りセンサの駆動方向の位置を示すパターンを形成しておき、原稿とともにパターンを読み取って得た位置情報に基づいて、読み取りセンサが所定に位置に駆動されるようにモータを制御することが開示されている。

特許文献2には、シートフィード型のスキャナにおいて、原稿が通る隙間を設けてコンタクトガラスと対向する背面板に読取りの解像度を算出するためのパターンを設け、コンタクトガラスを介して密着型センサによりパターンを読み取り、解像度が最大となるようにセンサと背面板とのギャップを調整することが開示されている。

特許文献3には、コンタクトガラスに読み取りMTF補正用のチャートを設け、チャートを読み取って主走査および副走査MTF特性を求め、MTF特性に応じて原稿の画像データを補正することが開示されている。

概要

原稿台ガラス変形状態を示す情報を得る。原稿台ガラス20における主走査方向M1の一端部および他端部のそれぞれに、読取り品質を示すMTF値を算出するためのチャート24,25が配置され、原稿および複数のチャート24,25を撮像して画像データを出力する撮像部と、画像データにおける一端部および他端部に複数ずつ対応する4以上の設定位置X1〜X4のデータ値に基づいて、当該4以上の設定位置X1〜X4についてMTF値を算出する算出部と、算出された4以上のMTF値に基づいて、原稿台ガラス20の厚さ方向の変形による原稿載置面の変位量推定する推定部と、を有する。

目的

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、原稿台ガラスの変形状態を示す情報を得ることができる画像読取り装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

原稿台ガラスに載置された原稿から画像を読み取る画像読取り装置であって、前記原稿台ガラスにおける主走査方向の一端部および他端部のそれぞれに、読取り品質を示すMTF値を算出するためのチャートが配置され、前記原稿および複数の前記チャートを撮像して画像データを出力する撮像部と、前記画像データにおける前記一端部および前記他端部に複数ずつ対応する4以上の設定位置のデータ値に基づいて、当該4以上の設定位置について前記MTF値を算出する算出部と、算出された4以上の前記MTF値に基づいて、前記原稿台ガラスの厚さ方向の変形による原稿載置面の変位量推定する推定部と、を有する、ことを特徴とする画像読取り装置。

請求項2

前記画像データにおける前記画像に対応するデータ値を、推定された前記変位量に応じて当該画像についての前記MTF値を基準値に一致させるよう補正する補正部を有する、請求項1記載の画像読取り装置。

請求項3

複数の前記チャートは、前記原稿台ガラスにおける最大原稿読取り領域の前記副走査方向の全長にわたって配置されており、前記算出部は、前記撮像部により撮像される領域を前記副走査方向に等距離ずつ区画した単位領域ごとに、前記4以上の設定位置について前記MTF値を算出し、前記推定部は、前記単位領域ごとに前記変位量を推定する、請求項1記載の画像読取り装置。

請求項4

前記単位領域ごとに、前記画像データにおける前記画像に対応するデータ値を、当該単位領域について推定された前記変位量に応じて、当該画像についての前記MTF値を基準値に一致させるよう補正する補正部を有する、請求項3記載の画像読取り装置。

請求項5

前記補正部は、前記MTF値を前記基準値に一致させるよう補正する処理として、前記変位量が大きいほど強度の大きいシャープネス処理を前記データ値に施す、請求項2または4記載の画像読取り装置。

請求項6

前記原稿台ガラスの端縁と平行な軸を中心に回転して開閉が可能に設けられた原稿カバーと、前記原稿カバーの状態が開状態であるか閉状態であるかを検知する開閉検知部と、前記原稿が、厚さが一様に設定値以上である厚い原稿であるか否かを判別する原稿判別部と、を有し、前記推定部は、前記原稿が前記厚い原稿である場合において、前記原稿カバーが前記閉状態であるときは、前記原稿載置面のうちの前記原稿における前記軸に近い側の端部に対応する領域に集中荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定し、前記原稿カバーが前記開状態であるときは、前記原稿載置面のうちの前記原稿に対応する領域に分布荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定する、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取り装置。

請求項7

前記原稿台ガラスの端縁と平行な軸を中心に回転して開閉が可能に設けられた原稿カバーと、前記原稿カバーの状態が開状態であるか閉状態であるかを検知する開閉検知部と、前記原稿が、厚さが一様に設定値以上である厚い原稿、第1方向の全長にわたって高い隆起部分を当該第1方向と直交する第2方向の中央部に有する見開きブック原稿、前記隆起部分を前記第2方向の端部に有する折り曲げ原稿、およびその他の原稿のいずれかであるかを判別する原稿判別部と、前記原稿が前記見開きブック原稿または前記折り曲げ原稿であると判別された場合に、当該原稿における前記第1方向が前記主走査方向であるか前記副走査方向であるかを判別する載置方向判別部と、を有し、前記推定部は、前記原稿カバーの状態の検知の結果、前記原稿の判別の結果、および前記第1方向の判別の結果に基づいて、前記原稿台ガラスに対する前記主走査方向における荷重の加わり方を判断して前記変位量を推定する、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取り装置。

請求項8

前記推定部は、前記原稿カバーが前記閉状態である場合において、前記原稿が前記厚い原稿であるときは、前記原稿載置面のうちの当該原稿における前記軸に近い側の端部に対応する領域に集中荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定し、前記原稿が前記見開きブック原稿または前記折り曲げ原稿であるときは、前記原稿載置面のうちの当該原稿における前記隆起部分のうちの前記軸に近い側の端部に対応する領域に集中荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定し、前記原稿カバーが前記開状態である場合において、前記原稿が前記見開きブック原稿でありかつ前記第1方向が前記主走査方向であるときは、前記原稿載置面のうちの前記原稿に対応する領域に集中荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定し、前記原稿が前記見開きブック原稿でありかつ前記第1方向が前記副走査方向であるときは、前記原稿載置面のうちの前記原稿に対応する領域に分布荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定し、前記原稿が前記折り曲げ原稿であるときは、前記原稿載置面のうちの当該原稿における前記隆起部分以外の部分に対応する領域に分散荷重が加わっていると判断して前記変位量を推定する、請求項7記載の画像形成装置

請求項9

前記推定部は、前記原稿載置面に集中荷重が加わっていると判断した場合は、前記算出された4以上の前記MTF値に基づいて、前記原稿台ガラスの前記主走査方向および前記厚さ方向に沿う断面の形状について2次以上のn次近似を行って当該原稿載置面における前記主走査方向の複数の位置について前記変位量を推定する、請求項6または8記載の画像読取り装置。

請求項10

前記推定部は、前記原稿載置面に分布荷重が加わっていると判断した場合は、前記算出された4以上の前記MTF値に基づいて、前記原稿台ガラスの前記主走査方向および前記厚さ方向に沿う断面の形状について1次近似を行って当該原稿載置面における前記主走査方向の複数の位置について前記変位量を推定する、請求項6または8記載の画像読取り装置。

請求項11

前記MTF値の算出、前記変位量の推定、および前記データ値の補正を、前記撮像部による前記原稿および複数の前記チャートの撮像と並行して行なう、請求項2または4記載の画像読取り装置。

請求項12

前記撮像部から出力された前記画像データを記憶する記憶手段を有し、前記MTF値の算出、前記変位量の推定、および前記データ値の補正を、前記撮像部による前記原稿および複数の前記チャートの撮像が終了した後に、前記記憶手段により記憶されている前記画像データを用いて行なう、請求項2または4記載の画像読取り装置。

技術分野

0001

本発明は、画像読取り装置に関する。

背景技術

0002

フラットベッド型スキャナは、複写機およびMFP(Multi-functional Peripheral :多機能機または複合機)に備えられ、またはパーソナルコンピューター周辺機器として接続されるなどして用いられている。近年、この種のスキャナにおいて、原稿画像撮像する光学系は、縮小光学系から等倍光学系に置き換わりつつある。

0003

スキャナにおける読取り品質を高めるための先行技術として、特許文献1〜3に記載の技術がある。

0004

特許文献1には、原稿台の近傍に読み取りセンサの駆動方向の位置を示すパターンを形成しておき、原稿とともにパターンを読み取って得た位置情報に基づいて、読み取りセンサが所定に位置に駆動されるようにモータを制御することが開示されている。

0005

特許文献2には、シートフィード型のスキャナにおいて、原稿が通る隙間を設けてコンタクトガラスと対向する背面板に読取りの解像度を算出するためのパターンを設け、コンタクトガラスを介して密着型センサによりパターンを読み取り、解像度が最大となるようにセンサと背面板とのギャップを調整することが開示されている。

0006

特許文献3には、コンタクトガラスに読み取りMTF補正用のチャートを設け、チャートを読み取って主走査および副走査MTF特性を求め、MTF特性に応じて原稿の画像データを補正することが開示されている。

先行技術

0007

特開2010−148070号公報
特開2006−237662号公報
特開2000−307870号公報

発明が解決しようとする課題

0008

フラットベッド型のスキャナは、シートフィード型とは違って、読み取るべき画像を有する原稿が可撓性のシートに限らないという利点を有する。原稿は原稿台ガラスに載置可能なものであればよく、立体を含む多様な原稿から画像を読み取ることができる。

0009

しかし、例えば分厚い書籍のように重い原稿が載置されることにより、目視では分からない程度ではあるが、原稿台ガラスの形状が歪む。すなわち下向きに撓む。また、原稿自体は重くなくても、例えば雑誌を見開いて載置した後、ユーザが見開き面の中央を原稿台ガラスに密着させようとして雑誌の背を押し付けることがしばしばある。このようにユーザがユーザが押さえることによって撓む場合もある。

0010

原稿台ガラスが撓むと、載置された原稿とそれを撮像するイメージセンサとの間の光路長が微妙に変化する。その変化量は、原稿における面方向の部位によって異なる。

0011

このため、原稿の一部分について結像ピントがずれて読取りの品質が低下するという問題があった。特に、等倍光学系を採用した場合には、縮小光学系と比べて被写界深度が浅いことから、原稿台ガラスの撓みが読取りの品質に大きく影響する。

0012

上に述べた特許文献1の技術において用いるパターンは、副走査方向の位置を特定するためのものであり、読取りの品質を検知するためのものではない。特許文献2、3の技術において、コンタクトガラスの変形は想定されていない。したがって、特許文献1〜3の技術は、原稿台ガラスの変形に起因する問題を解決することはできない。

0013

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、原稿台ガラスの変形状態を示す情報を得ることができる画像読取り装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明の実施形態に係る画像読取り装置は、原稿台ガラスに載置された原稿から画像を読み取る画像読取り装置であって、前記原稿台ガラスにおける主走査方向の一端部および他端部のそれぞれに、読取り品質を示すMTF値を算出するためのチャートが配置され、
前記原稿および複数の前記チャートを撮像して画像データを出力する撮像部と、前記画像データにおける前記一端部および前記他端部に複数ずつ対応する4以上の設定位置のデータ値に基づいて、当該4以上の設定位置について前記MTF値を算出する算出部と、算出された4以上の前記MTF値に基づいて、前記原稿台ガラスの厚さ方向の変形による原稿載置面の変位量推定する推定部と、を有する。

発明の効果

0015

本発明によると、原稿台ガラスの変形状態を示す情報を得ることができる。画像読取り装置において、または画像読取り装置から画像データを取得する外部装置において、原稿台ガラスの変形状態に応じて画像データを補正することが可能になる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態に係る画像読取り装置を備える画像形成装置外観の例を示す図である。
原稿台ガラスに関わる要部の構成を示す図である。
シート以外の原稿および原稿載置位置の例を示す図である。
画像読取り装置の機能的構成を示す図である。
チャートの撮影像の例を示す図である。
チャートの読取り品質と原稿台ガラスの状態との関係を示す図である。
原稿台ガラスの両端部の傾きと歪状態との関係を示す図である。
原稿台ガラスの歪の推定方法を示す図である。
撮像可能領域の区画の例を示す図である。
MTF補正方法の例を示す図である。
荷重判別の例を示す図である。
荷重の判別の例を示す図である。
荷重の判別の例を示す図である。
原稿の種類の判別方法の例を示す図である。
画像読取り装置における処理の流れを示す図である。
MTF算出処理の流れを示す図である。
検出処理の流れを示す図である。
推定処理の流れを示す図である。
MTF補正処理の流れを示す図である。

実施例

0017

図1には本発明の一実施形態に係る画像読取り装置1Aを備える画像形成装置1の外観の例が示されている。

0018

図1(A)において、画像形成装置1は、コピー機イメージリーダファクシミリ機などの機能を集約したMFP(Multi-functional Peripheral :多機能機または複合機)である。

0019

画像形成装置1は、フラットベッド型のスキャナ2、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)3、プリンタ部1B、給紙部1C、および操作パネル1Dを備えている。画像形成装置1のうち、スキャナ2と自動原稿送り装置3とが画像読取り装置1Aを構成している。

0020

プリンタ部1Bは、コピーネットワークプリンティング(PCプリント)、ファクシミリ受信、およびボックスプリントなどの印刷ジョブにおいて、給紙部5から供給された用紙の片面または両面にカラーまたはモノクロの画像を印刷する。コピージョブにおいては、スキャナ2により生成された画像データに基づいて画像を印刷する。印刷の方式は、電子写真式である。ただし、インクジェット式または他の方式でもよい。

0021

給紙部1Cは、プリンタ部1Bの下側に配置されており、引出し式の複数の用紙収納ユニットを有する。給紙部1Cは、複数の用紙収納ユニットのうちの選択された1つから用紙を取り出してプリンタ部1Bに供給する。

0022

操作パネル1Dは、ユーザによる操作のための画面を表示するタッチパネルディスプレイを有し、入力操作に応じた信号を出力する。この信号に応じて画像形成装置1の動作が制御される。

0023

スキャナ2は、プリンタ部1Bの上側に配置されている。スキャナ2は、図1(A)に示すように、原稿台ガラス(プラテンガラス)20およびスリットガラス21を有しており、載置方式および流し読取り式の読取りが可能に構成されている。

0024

自動原稿送り装置3は、原稿トレイ31、排紙トレイ32、および搬送機構部33を有する。自動原稿送り装置3の底面には、図1(B)に示すように、原稿をスリットガラス21に対向させるための開口330が設けられている。自動原稿送り装置3は、流し読取りにおいてシート状の原稿を原稿トレイ31から開口330を経由させて排紙トレイ32へ搬送する。

0025

自動原稿送り装置3は、原稿台ガラス20を覆うカバーとなるよう背面側の回転軸71を中心に回転して開閉可能に設けられている。すなわち、載置方式の読取りにおいて原稿を押さえかつ原稿の周囲の背景となる原稿カバー3bとして用いることができる。図1(A)には原稿カバー3bを完全に閉じた状態が、図1(B)には最大限に開いた状態が、それぞれ示されている。

0026

原稿カバー3bの開閉を検出する開閉センサ35が例えばスキャナ2の上面部に配置されている。開閉センサ35は、原稿カバー3bの開き角(スキャナ2の上面に対する自動原稿送り装置3の底面の傾斜角)θに応じた信号を出力する。最大限に開いた状態の開き角θは、例えば60°である。本実施形態では、開き角θが設定値(例えば30°)よりも小さい状態が閉じた状態であるものとする。

0027

なお、原稿カバー3bを開閉可能に支持するヒンジ機構において、軸71は、上下方向Zに数cm程度の範囲で移動可能とされている。ユーザが原稿台ガラス20に厚い原稿を載置して原稿カバー3bの前縁押し下げると、その力で軸71が上方に移動する。これにより原稿カバー3bを閉じたときの開き角θが小さくなる。

0028

なお、ユーザから原稿台ガラス20を見たとき、画像形成装置1の背面側が上端側となり、前面側は下端側となる。

0029

さて、画像読取り装置1Aは、原稿台ガラス20の荷重による歪状態(撓み状態)に応じて原稿から読み取った画像の画像データを補正する機能を有している。以下、この機能を中心に画像読取り装置1Aの構成および動作を説明する。

0030

図2には原稿台ガラス20に関わる要部の構成が、図3にはシート以外の原稿5および原稿載置位置の例が、それぞれ示されている。

0031

図2(A)に示すように、原稿台ガラス20の下方に、等倍光学系の撮像デバイスである密着イメージセンサCIS: Contact Image Sensor)22が配置されている。原稿台ガラス20は、厚さが数mm程度の光学ガラスである。密着イメージセンサ22は、原稿台ガラス20の主走査方向M1のほぼ全長にわたる範囲のカラー撮像が可能な長さを有するラインセンサであり、原稿を照らす光源を備えている。密着イメージセンサ22は、載置方式の読取りに際して副走査方向M2に一定の速度で移動するよう駆動される。

0032

主走査方向M1は、画像形成装置1の前後方向Xと平行な方向であり、例えば背面側から前面側へ向かう方向とされている。副走査方向M2は、画像形成装置1の左右方向Yと平行な方向であり、例えば左側から右側へ向かう方向とされている。

0033

図2(B)に示すように、原稿台ガラス20は、その周面と下面の周縁部とが接する形状のフレーム29に嵌め入れるよう載置されて支持される。図2(B)では、フレーム29のうちの主走査方向M1の両側の部分29A,29Bが描かれている。

0034

原稿台ガラス20の下面のうちフレーム29と接する端縁部を除いた大半の領域が支持されることなく露出している。密着イメージセンサ22は、原稿台ガラス20の下面と0.5〜2mm程度のギャップを隔てて対向し、このギャップおよび原稿台ガラス20を介して対向する原稿を撮像する。

0035

原稿台ガラス20の上面における主走査方向M1の一端部および他端部のそれぞれに、読取り品質を示すMTF値を算出するためのチャート24,25が配置されている。チャート24,25は、幅が2cm程度の帯状とされ、原稿台ガラス20における副走査方向M2のほぼ全長にわたって配置されている。したがって、原稿台ガラス20の上面のうち、2つのチャート24,25の間の部分が、原稿画像の読取りが可能な実質上の原稿載置面S5となる。

0036

チャート24,25における原稿台ガラス20と接する面には、図2(C)に示すように、黒色と白色とのラインペアパターンラダーパターン)が副走査方向M2の全長にわたって形成されている。ラインペア(lp)の密度は、例えば4〜8lp/mm程度とされる。

0037

図2(D)に示すように、密着イメージセンサ22を用いた主走査および副走査による撮像可能領域26は、最大原稿読取り領域27とその両側のチャート24,25とを含む領域である。

0038

最大原稿読取り領域27のサイズは、例えばA3サイズのシートに対応するサイズとされている。最大原稿読取り領域27の主走査方向M1の寸法は、約30cmであり、副走査方向M2の寸法は、約42cmである。つまり、チャート24,25が配置される原稿台ガラス20のサイズは、34×42cm以上である。

0039

なお、最大原稿読取り領域27の平面視における背面側の左隅の頂点原稿基準位置27Aとされている。すなわち、主走査および副走査は、原稿基準位置27Aを頂点とする矩形領域を対象として行われる。また、最大原稿読取り領域27内に光反射型原稿センサ23が設けられており、画像読取り装置1Aは、必要に応じて密着イメージセンサ22と原稿センサ23とを用いて原稿の有る位置と無い位置とを判別して原稿サイズを検知することができる。エリアセンサを配置して原稿サイズを検知してもよい。

0040

ところで、原稿台ガラス20は、原稿が載置されない状態において平坦な板状であり、普通紙のように薄い原稿が載置されても平坦性を保つ剛性を有している。しかし、重い原稿が載置された場合のように上方から荷重が加わると、僅かに形状が歪む。すなわち、下向きに凸となるよう変形する。

0041

例えば、図3(A)に示す厚い原稿5a、見開きブック原稿5b、または折り曲げ原稿5cの読取りに際して、原稿カバー3bを介してまたは直接に手で押さえられることにより、荷重が加わって原稿台ガラス20が歪む。また、図3(B)に示すように、原稿5が載置される位置が変わると、歪の大きさおよび歪が生じる位置も変わる。

0042

図4には画像読取り装置1Aの機能的構成が、図5にはチャート24,25の撮影像の例が、図6にはチャート24,25の読取り品質と原稿台ガラス20の状態との関係が、それぞれ示されている。また、図7には原稿台ガラス20の両端部20a,20bの傾きと歪状態との関係が、図8には原稿台ガラスの歪の推定方法が、図9には撮像可能領域26の区画の例が、図10にはMTF補正方法の例が、それぞれ示されている。

0043

図4において、画像読取り装置1Aは、制御回路100、駆動回路110、および信号処理回路120を有する。

0044

制御回路100は、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備え、画像形成装置1のメインコントローラ連携して画像読取り装置1Aを制御する。

0045

駆動回路110は、密着イメージセンサ22および密着イメージセンサ22を副走査方向M2に移動させる駆動源に、それぞれの動作に必要な電力を供給する。

0046

信号処理回路120は、密着イメージセンサ22の出力に基づいて原稿5の画像に対応する画像データD2を生成する。画像データD2は、例えばプリンタ1Bに送られて印刷に用いられる。

0047

信号処理回路120は、前処理部121、MTF算出部122、歪検出部123、歪推定部124、荷重判別部125、原稿種類判別部126、載置方向判別部127、およびMTF補正部128などを有している。これらの機能は、プロセッサおよび専用回路を含むハードウェア構成により、およびプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。

0048

前処理回路121は、密着イメージセンサ22の出力信号AD変換し、シェーディング補正を施し、シェーディング補正後の画像データD1を出力する。この前処理回路121と密着イメージセンサ22とにより、原稿5および複数のチャート24,25を撮像して画像データD1を出力する撮像部220が構成される。

0049

MTF算出部122は、原稿5および複数のチャート24,25を撮像したときに得られる画像データD1における4個の設定位置X1〜X4のデータ値に基づいて、当該4個の設定位置X1〜X4についてMTF値Dmftを算出する。

0050

設定位置X1〜X4は、図6に示すように、原稿台ガラス20における主走査方向M1の一端部および他端部に、すなわちチャート24,25に、2個ずつ対応しかつ副走査方向M2の位置が等しい位置である。設定位置X1,X2は、背面側のチャート24に対応し、設定位置X3,X4は、前面側のチャート25に対応する。X1とX2との距離およびX3とX4との距離は、共に0.8〜1.6cm程度でよい。これは、主走査方向M1の画素密度が例えば600dpiである場合に、189〜378画素分の長さである。

0051

なお、設定位置X1〜X4の個数は、1つのチャートあたり2個以上でかつ2つのチャート24,25に対して合計4以上であればよい。

0052

MTF値Dmtfは、空間分解能解像力)を表現するMTF(Modulation Transfer Function)により読取り品質を示す値であり、次の(1)式で表わされる。

0053

Dmtf=(Pmax−Pmin)/(Pmax+Pmin) …(1)
式中のPmaxは、図5に示すように、チャート24,25を撮影したときの撮像面の光強度(撮影像の輝度に相当)Pの最大値であり、Pminは、同じく光強度の最小値である。PmaxおよびPminは、密着イメージセンサ22が複数のラインペアと対向する所定の距離を移動する期間においてラインペアごとに得られる最大データ値を平均した値および最小データ値を平均した値とすることができる。

0054

画像形成装置1の工場出荷時には、4個のMTF値Dmtfが基準値最良値)Dmtf0となるよう密着イメージセンサ22の取付け位置および姿勢が調整される。したがって、算出したMTF値Dmtfが基準値Dmtf0よりも小さい場合は、密着イメージセンサ22と原稿台ガラス20との位置関係最良ではないことになる。

0055

歪検出部123は、算出された4個のMTF値Dmtfに基づいて、荷重による原稿台ガラス20の歪の有無を判断する。

0056

図6に示す〔1〕の場合は、設定位置X1〜X4のMTF値Dmtfがすべて基準値Dmtf0である。これは、原稿台ガラス20の両端部が密着イメージセンサ22に対して傾斜しておらずかつ原稿台ガラス20と密着イメージセンサ22との間のギャップが適正であることを意味する。この場合は、歪は無いと判断する。

0057

〔2〕の場合は、設定位置X1〜X4のMTF値Dmtfがすべてほぼ等しいが基準値Dmtf0よりも小さい。これは、ギャップは適正ではないが、原稿台ガラス20の両端部は密着イメージセンサ22に対して傾斜していないことを意味する。この場合も、歪は無いと判断する。

0058

〔3〕の場合は、設定位置X1のMTF値Dmtfよりも設定位置X1に対して内側である設定位置X2のMTF値Dmtfが小さい。また、設定位置X3のMTF値Dmtfよりも設定位置X3に対して外側である設定位置X4のMTF値Dmtfが小さい。これは、原稿台ガラス20の背面側の端部が内下がりに傾斜しており、前面側の端部が外下がりに傾斜していることを意味する。この場合は、例えば密着イメージセンサ22が原稿台ガラス20に対して傾いた取付け状態不良などの歪以外の不都合が発生していると考えられる。この場合も、歪は無いと判断する。

0059

〔4〕の場合は、設定位置X1のMTF値Dmtfよりも設定位置X2のMTF値Dmtfが小さく、設定位置X3のMTF値Dmtfよりも設定位置X4のMTF値Dmtfが大きい。これは、原稿台ガラス20の背面側の端部が内下がりに傾斜しており、前面側の端部も内下がりに傾斜していることを意味する。このように両断部が共に内下がりに傾斜している場合に、歪検出部123は、歪が有る、すなわち原稿台ガラス20が変形していると判断する。

0060

歪推定部124は、歪検出部123によって原稿台ガラス20が変形していると判断された場合に、MTF算出部122によって算出された4個のMTF値Dmtfに基づいて、原稿台ガラスの厚さ方向の変形による原稿載置面S5の変位量dzを推定する。詳しくは次の通りである。

0061

設定位置X1,X2のMTF値Dmtfの差を距離に換算するテーブルを用いて、図7に示す設定位置X2の変位量dz2を求める。変位量dz2は、画像形成装置1の上下方向Zにおける原稿台ガラス20の背面側の端部20aの設定位置X1での位置から設定位置X2での位置までの距離に相当し、端部20aの傾斜の大きさを表わす。

0062

同様に、前面側の端部20bについて、設定位置X3の変位量dz3を求める。変位量dz3は、上下方向Zにおける端部20bの設定位置X4での位置から設定位置X3での位置までの距離に相当し、端部20bの傾斜の大きさを表わす。

0063

図7(A)においては、変位量dz2と変位量dz3とがほぼ等しい。すなわち、端部20aと端部20bとが同程度に内下がりに傾斜している。この場合は、原稿台ガラス20における主走査方向M1の中央部に荷重が加わっていると考えられる。

0064

図7(B)においては、変位量dz2が変位量dz3よりも多い。すなわち、端部20aが端部20bよりも大きく傾斜している。この場合は、原稿台ガラス20における背面側の部位に荷重が加わっていると考えられる。

0065

図7(C)においては、変位量dz3が変位量dz2よりも多い。すなわち、端部20bが端部20aよりも大きく傾斜している。この場合は、原稿台ガラス20における前面側の部位に荷重が加わっていると考えられる。

0066

歪推定部124は、端部20a,20bの傾斜に大きさに基づいて、端部20aと端部20bとの間の原稿台ガラス20の表面形状を近似することによって、主走査方向M1の複数の位置(例えば各画素の位置)の変位量dzを推定する。変位量dzは、上下方向Zにおける変形がないときの原稿台ガラス20の既知の位置から変形した状態の推定位置までの長さ(ピント距離)である。

0067

表面形状の近似に際しては、荷重判別部125により判別された荷重の加わり方に応じて近似方法切り替える。

0068

比較的に狭い範囲に集中する集中荷重が加わっていると判別された場合には、図8(A)に示すように、原稿5の載置位置およびサイズを考慮することなく、2以上のn次近似を行う。なお、原稿基準位置27Aは歪の支点からずれているので、原稿5が何処に載置されても、歪の支点は変化することなく原稿台ガラス20は支点の間で湾曲する。

0069

これに対して、比較的に広い範囲に分散する分布荷重が加わっていると判別された場合には、図8(B)に示すように、端部20a,20bの傾きを表わす直線L1,L2をそれぞれ原稿5の最寄りの端縁の位置X51,X52まで延長する形で、位置X51,X52における上下方向Zの位置を推定する。

0070

そして、設定位置X2と位置X51との間、および設定位置X3と位置X52との間については、1次近似を行う。位置X51と位置X52との間については、1次近似を行うか、または図8(A)のようにn次近似を行う場合と比べて湾曲が緩やかになるよう2次以上の近似を行う。

0071

荷重判別部125は、開閉センサ35による検出信号、原稿種類判別部126による原稿5の種類の判別結果、および載置方向判別部126による原稿5の載置方向の判別結果に基づいて、集中荷重と分布荷重とのいずれが加わっているかを判別する。判別の例を後に挙げる。荷重判別部125は、原稿カバー3bが開状態であるか閉状態であるかを検知する開閉検知部の例である。

0072

原稿種類判別部126は、原稿が、厚い原稿5a、見開きブック原稿5b、折り曲げ原稿5c、およびその他の原稿のいずれかを判別する。厚い原稿5aは、厚さが一様に設定値以上である原稿5である。見開きブック原稿5bは、第1の方向の全長にわたって高い隆起部分を当該第1の方向と直交する第2の方向の中央部に有する原稿5である。折り曲げ原稿5cは、第1の方向の全長にわたって高い隆起部分を第2の方向の端部に有する原稿5である。

0073

原稿種類判別部126は、例えば操作パネル1Dを用いてユーザが入力した原稿種類を、原稿台ガラス20に載置された原稿5の種類として判別する。または、プレスキャン予備走査)を行うよう制御回路100に依頼し、プレスキャンで得られた画像データD1に基づいて、後に述べるように撮像の影を利用する手法により原稿5の種類を判別する。

0074

載置方向判別部127は、原稿5が見開きブック原稿5bまたは折り曲げ原稿5cであると判別された場合に、当該原稿5a、5bにおける隆起部分の方向(第1の方向)が主走査方向M1であるか副走査方向M2であるかを判別する。

0075

載置方向判別部127は、ユーザが原稿5の種類と載置方向とを入力する場合は、入力された載置方向と種類との関係から隆起部分の方向を判別する。または、プレスキャンで得られた画像データD1に基づいて判別する。

0076

MTF補正部128は、画像データD1における原稿5の画像に対応するデータ値を、歪推定部124によって推定された変位量dzに応じて、当該画像についてのMTF値Dmtfを基準値Dmtfに一致させるよう補正し、補正後の画像データD2を出力する。

0077

MTF補正部128は、MTF値Dmtfを基準値Dmtfに一致させるよう補正する処理として、変位量dzが大きいほど強度の大きいシャープネス処理を画像データD1のデータ値に施す。その際に、図9(A)に示す変位量dzとMTF値Dmtfとの対応情報換算テーブル)、および図9(B)に示すMTF差dDmtfとシャープネス強度とを対応づける補正テーブルT1を参照する。

0078

図9(A)において、チャート24,25のラインペアの密度が例えば4lp/mmであって、原稿載置面S5の主走査方向M1のある位置Xの変位量dzが0.2mmであったとする。この場合、位置XのMTF値Dmtfは、66%である。4lp/mmの場合の基準値Dmtf0は90%であるので、基準値Dmtf0とMTF値Dmtfとの差であるMTF差dDmtfは、24%である。図9(B)の補正テーブルT1において、24%に最も近いMTF差dDmtf(25%)に対応するシャープネス強度は5である。したがって、この例の場合、画像データD1の位置Xのデータ値に対して強度が5のフィルタを用いてシャープネス処理を施す。

0079

以上の機能を有する信号処理回路120は、MTF値Dmtfを算出して変位量dzを推定し、推定結果に基づいて画像データD1を補正する一連の処理を、図10に示す単位領域28ごとに行う。単位領域28は、撮像部220の密着イメージセンサ22により撮像される撮像可能領域26を副走査方向M2に等距離ずつ区画した領域である。単位領域28ごとに補正を行うことにより、原稿5の載置位置に依存する原稿台ガラス20の様々な歪状態に応じて、きめ細かく補正して読取り画像の全体にわたって画質を良好にすることができる。

0080

図11には原稿5の種類の判別方法の例が、図12図14には荷重の判別の例が、それぞれ示されている。

0081

図11(A)のように、原稿5の撮影像50aの周囲または一方向の両端に同程度の幅で原稿5の全長にわたる長さの影(暗部)が存在する場合は、原稿5を厚い原稿5aと判別する。

0082

図11(B)のように、原稿5の撮影像50bの中央部に全長にわたる太い帯状の影が存在する場合は、製本綴じた部位が盛り上がった隆起部分51が中央部に存在すると判断し、原稿5を見開きブック原稿5baと判別する。また、影の幅方向見開き方向であるとして原稿5の載置方向を判別する。

0083

図11(C)のように、原稿5の撮影像50cの端部に全長にわたる影が存在する場合は、折り曲げにより盛り上がった隆起部分52が存在すると判断して、原稿5を折り曲げ原稿5bcと判別する。また、影の幅方向が折り曲げ方向であるとして原稿5の載置方向を判別する。

0084

図12(A)のように、原稿カバー3bが閉状態である場合において、原稿5が厚い原稿5aであるときは、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における軸71に近い側の端部に対応する領域61に集中荷重が加わっていると判別(判断)する。

0085

なお、図示を省略するが、原稿カバー3bが開状態である場合において、原稿5が厚い原稿5aであるときは、原稿載置面S5のうちの当該原稿5に対応する領域(原稿領域)に分布荷重が加わっていると判別する。

0086

図12(B)のように、原稿カバー3bが閉状態である場合において、原稿5が見開きブック原稿5bでありかつ見開き方向が副走査方向M2であるときは、当該原稿5における隆起部分51のうちの軸71に近い側の端部に対応する領域62に集中荷重が加わっていると判別する。なお、見開き方向が副走査方向M2であるとき、隆起部分の長さ方向は主走査方向M1である。

0087

図12(C)のように、原稿カバー3bが閉状態である場合において、原稿5が見開きブック原稿5bでありかつ見開き方向が主走査方向M1であるときは、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における隆起部分51に対応する領域63に集中荷重が加わっていると判別する。

0088

図13(A)のように、原稿カバー3bが閉状態である場合において、原稿5が折り曲げ原稿5cでありかつ折り曲げが副走査方向M2であるときは、当該原稿5における隆起部分52のうちの軸71に近い側の端部に対応する領域64に集中荷重が加わっていると判別する。

0089

図13(B)のように、原稿カバー3bが閉状態である場合において、原稿5が折り曲げ原稿5cでありかつ折り曲げ方向が主走査方向M1であるときは、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における隆起部分52のうちの軸71に近い側の端部に対応する領域65に集中荷重が加わっていると判別する。

0090

図14(A)のように、原稿カバー3bが開状態である場合において、原稿5が見開きブック原稿5bでありかつ見開き方向が副走査方向M2であるときは、当該原稿5における隆起部分51が手で押さえられていると判断する。そして、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における隆起部分51に対応する領域66に分布荷重が加わっていると判別する。

0091

図14(B)のように、原稿カバー3bが開状態である場合において、原稿5が見開きブック原稿5bでありかつ見開き方向が主走査方向M1であるときは、当該原稿5における隆起部分51が手で押さえられていると判断する。そして、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における隆起部分51に対応する領域67に集中荷重が加わっていると判別する。

0092

図14(C)のように、原稿カバー3bが開状態である場合において、原稿5が折り曲げ原稿5cであるときは、折り曲げ方向の如何にかかわらず、当該原稿5における隆起部分52以外の部分53が手で押さえられていると判断する。そして、原稿載置面S5のうちの当該原稿5における隆起部分52以外の部分53に対応する領域68に分布荷重が加わっていると判別する。

0093

図15には画像読取り装置1Aにおける処理の流れが、図16にはMTF算出処理の流れが、図17には歪検出処理の流れが、図18には歪推定処理の流れが、図19にはMTF補正処理の流れが、それぞれ示されている。

0094

図15において、画像読取り装置1Aは、操作パネル1Dを用いてユーザにより指定される読取り条件(解像度、出力ファイル形式出力サイズなど)の設定を取得する(#201)。

0095

設定に従って原稿5を読み取り、同時に原稿台ガラス20の主走査方向M1の両端に配置されたチャート24,25のパターンを読み取る(#202)。

0096

読み取ったらチャート24,25のパターンを単位領域28の幅に定めた一定の距離分ずつ副走査方向M2に区画し、単位領域28ごとに複数の設定位置X1〜X4それぞれのMTF値Dmtfを算出する(#203)。また、スキャナ2の構成に応じて決定されるピント特性(距離−MTF特性)に基づいて、歪のないときの位置として定められている基準位置からの原稿台ガラス20の距離(変位量dz)を算出する。

0097

算出した距離に基づいて、原稿台ガラス20の両端部20a,20bの傾斜を判別し、共に内下がりに傾斜している場合に、原稿台ガラス20が荷重により歪んでいると判断する(#204)。

0098

原稿台ガラス20が歪んでいると判断した場合に、両端部20a,20bの傾きと原稿台ガラス20の主走査方向M1の長さとに基づいて原稿載置面S5における曲率を推定する(#205)。すなわち、両端部20a,20bの傾きに合致するn次近似曲線を求める。

0099

そして、推定した曲率で原稿台ガラス20が湾曲しているものとして、原稿台ガラス20と密着イメージセンサ22との間のギャップの変化によるMTF値Dmtfの低下を補正する(#206)。

0100

図16のMTF算出処理においては、設定位置X1〜X4のデータ値を取得し(#301)、画素値レベル(光強度)Pmax,Pminを抽出し(#302)、MTF値Dmtfを算出する(#303)。

0101

図17の歪検出処理においては、設定位置X1〜X4についてMTF値Dmtfをピント距離(上下方向Zの変位量dz)に換算し(#401)、原稿台ガラス20の両端部20a,20bの傾きを算出する(#402)。両端部20a,20bの傾きが共に内下がりである場合に(#403でYES)、原稿台ガラス20に荷重による歪が発生していると判断する(#404)。

0102

図18の歪推定処理においては、原稿5の種類を取得し(#501)、原稿5の載置方向を取得し(#502)、原稿カバー3bの開閉状態を検知する(#503)。

0103

荷重を判別し(#504)、集中荷重が加わっている場合は、両端部20a,20bの傾きからn次近似により歪を求める(#505)。分布荷重が加わっている場合は、原稿領域の両側の歪を1次近似し、原稿領域内の歪を1次近似またはn次近似する(#506)。

0104

図19のMTF補正処理においては、推定した歪に基づいて、原稿載置面S5における主走査方向M1の各位置のMTF値Dmtfを求める(#601)。各位置のMTF差dDmtfに応じて、当該位置の画素値に適用するシャープネス強度またはフィルタを決定する(#602)。決定した強度のシャープネス処理を画素値に施す(#603)。

0105

以上の実施形態によると、原稿台ガラス20の両端部にチャート24,25を設け、各端部における複数の位置X1〜X4のMTF値Dmtfを算出するので、原稿台ガラス20の変形状態を示す情報として変位量dzを得ることができる。そして、取得した変位量dzに基づいて、原稿5の画像を読み取った画像データD1を補正するので、原稿台ガラス20に変形歪が生じた場合であっても、変形歪が生じていない場合と同様の品質の画像データD2を出力することができる。

0106

上に述べた実施形態においては、画像読取り装置1Aにおいて、原稿台ガラス20の変形歪に応じたMTF補正を行う構成を挙げたが、これに限らない。画像読取り装置1Aから外部装置へ画像データD1とともに歪状態の推定結果を送り、外部装置においてMTF補正を行ってもよい。

0107

単位領域28ごとのMTF値Dmtfの算出、変位量dzの推定、および画像データD1のMTF補正を、撮像部220による原稿5および複数のチャート24,25の撮像と並行して行なってもよいし、撮像が終了した後にバッチ処理の形で行ってもよい。撮像が終了した後に行う場合は、撮像により得られた画像データD1をメモリに記憶させておけばよい。

0108

撮像可能領域26の副走査方向M2の全長にわたってチャート24,25を設ける例を挙げたが、必ずしも撮像可能領域26を多数の単位領域28に細分化して単位領域28ごとに4個のMTF値Dmtfを算出する必要はない。すなわち、単位領域28の副走査方向M2の寸法は、補正のきめ細かさの仕様に応じて適宜選定することができる。また、原稿5のサイズおよび種類がある程度限定される使用環境においては、副走査方向M2の1〜数個程度の位置についてのみ、主走査方向M1の両端部20a、20bの傾きを算出するようにしてもよい。予め両端部20a、20bの傾きと原稿台ガラス20の各部の歪状態との関係を調べておけば、1〜数個程度の位置の傾きの度合いに応じて原稿台ガラス20の全体について歪によるMTF値Dmtfの低下を補正することが可能である。

0109

光学系は、等倍光学系に限らず、縮小光学系であってもよい。

0110

なお、信号処理回路120において、背面側のチャート24の2個の設定位置X1,X2に対して、第1のMTF算出部122aおよび第1の歪推定部124aを設け、前面側のチャート25の2個の設定位置X3,X4に対して、第2のMTF算出部122bおよび第2の歪推定部124bを設けるようにしてもよい。

0111

また、例えば密着イメージセンサ22に代えてエリア撮像方式のイメージセンサを用いた場合などにおいては、設定位置X1〜X4は、副走査方向M2の位置が異なっていてもよい。

0112

その他、画像読取り装置1Aの全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミング、チャート24,25のパターン、原稿台ガラス20の寸法、取付け構造、原稿カバー3bの開閉方向などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。

0113


1A画像読取り装置
3b原稿カバー
5原稿
5a 厚い原稿
5b見開きブック原稿
5c 折り曲げ原稿
20原稿台ガラス
20a 端部(一端部)
20b 端部(他端部)
24チャート
25 チャート
26撮像可能領域(撮像される領域)
27 最大原稿読取り領域
28単位領域
51,52隆起部分
61〜68 領域
71 軸
122MTF算出部(算出部)
124 歪推定部(推定部)
125荷重判別部(開閉検知部)
126原稿種類判別部(原稿判別部)
127 載置方向判別部
128MTF補正部(補正部
220 撮像部
D1 画像データ
DmtfMTF値
Dmtf0基準値
dz変位量
M1
S5 原稿載置面
X1,X2,X3,X4 設定位置
Z 上下方向(厚さ方向)

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