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技術 二輪車の動力伝達装置

出願人 井坂義治
発明者 井坂義治
出願日 2018年8月10日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-159751
公開日 2020年2月20日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-026883
状態 未査定
技術分野 変速機構成
主要キーワード 点検調整 主軸ギヤ プッシュプレート 摺動ギヤ 摩擦ロス トップギヤ シフト段数 クランク回転数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

クランクからの駆動時よりもエンジンブレーキ時のエンジン回転数を低下させることによって惰性走行できる距離を長くできるようにして、二輪車燃費を改善する駆動装置を提供すること。

解決手段

クランク軸から減速して入力されクランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機から後輪を駆動するようになった1の動力伝達経路と、エンジンブレーキ時に後輪からクランク軸を駆動する2の動力伝達経路を備えて、上記2つの動力伝達経路を切り換え伝達経路切換装置を備え、同一車速におけるクランク軸回転数エンジンによる駆動時よりエンジンブレーキ時が低くなるようにした。

概要

背景

一般に二輪車軽快走行を可能とするため走行速度に対してエンジン回転数を高くして運転する設定となっている。そのためスロットル操作に素早くエンジン追従できるようなスロットル開度設定となっているが、二輪車は軽量であるので走行抵抗が小さいため、一定速度での滑らかな走行をするには慎重なスロットル操作が求められる。しかし実際の走行においては、走行速度が上昇した際、速度調整のためスロットルを少し戻した時にもエンジンが高回転であるため後輪からクランク軸を駆動するエンジンブレーキが強く作用することによって急激な減速が発生し、目標速度に合わせるために再度スロットルを開けるというような運転になりやすい。
このように高回転、高追従性という二輪車エンジンの特性のために強いエンジンブレーキが発生することによって惰性を利用して走行できる割合が少なくなっているわけで、交通の流れの良い郊外などでの運転で積極的に惰性を利用して燃費の良い走行を可能とするためにはエンジンブレーキ作用を抑えることが望ましい。

そのため、エンジンブレーキ発生状態検出手段とエンジンブレーキ力を所望の大きさにする吸入空気量調節用バルブバルブ開度演算手段と吸入空気量調節用バルブを制御するバルブ制御手段を備えて、エンジンブレーキの作用を調整するものとして下記特許文献1がある。

概要

クランクからの駆動時よりもエンジンブレーキ時のエンジン回転数を低下させることによって惰性で走行できる距離を長くできるようにして、二輪車の燃費を改善する駆動装置を提供すること。クランク軸から減速して入力されクランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機から後輪を駆動するようになった1の動力伝達経路と、エンジンブレーキ時に後輪からクランク軸を駆動する2の動力伝達経路を備えて、上記2つの動力伝達経路を切り換え伝達経路切換装置を備え、同一車速におけるクランク軸回転数がエンジンによる駆動時よりエンジンブレーキ時が低くなるようにした。

目的

本発明の目的は、エンジンの電子制御などを用いることなく、簡単な構造でエンジンブレーキ時にはクランクからの駆動時よりもエンジン回転数を低下させることによってエンジンブレーキ力を下げて惰性で走行できる距離を長くできるようにして、二輪車の燃費を改善する駆動装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

クランク軸から減速して入力されクランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機から後輪を駆動するようになった1の動力伝達経路と、エンジンブレーキ時に後輪からクランク軸を駆動する2の動力伝達経路を備えて、上記2つの動力伝達経路を切り換え伝達経路切換装置を備え、同一車速におけるクランク軸回転数エンジンによる駆動時よりエンジンブレーキ時が低くなる設定にしたことを特徴とする二輪車動力伝達装置

請求項2

変速機主軸上にはクラッチボスから入力されて主軸上で游動する入力軸を備え、入力軸と主軸との間で2つの動力伝達経路を切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の二輪車の動力伝達装置。

請求項3

クランクから駆動時する1の動力伝達経路とエンジンブレーキ時の2の動力伝達経路とを、入力軸に備えた捩れスプライン上のセレクタ軸方向移動によって切り換えるようになった動力切換装置を有することを特徴とする請求項1及び2に記載の二輪車の動力伝達装置。

請求項4

エンジンブレーキ時にセレクタに有した凸部と後輪から駆動されるエンブレドリブンギヤの凸部とがドグクラッチとして噛合うようになったことを特徴とする請求項1及び2に記載の二輪車の動力伝達装置。

請求項5

エンジンブレーキ時の動力伝達経路は変速機を通らず駆動軸歯車から主軸上の入力軸に伝えるようになったことを特徴とする請求項1及び2、3に記載の二輪車の動力伝達装置。

請求項6

エンジンブレーキ時の動力伝達経路は変速機を通して主軸上の歯車から駆動軸上の歯車に伝えて主軸上の入力軸に伝えるようになったことを特徴とする請求項1及び2、3に記載の二輪車の動力伝達装置。

請求項7

動力切換装置をクラッチカバー内に設けたことを特徴とする請求項1に記載の二輪車の動力伝達装置。

発明の詳細な説明

技術分野

0001

本発明は、クランク軸から減速して入力されクランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機から後輪を駆動する二輪車動力伝達装置に関する。

背景技術

0002

一般に二輪車は軽快走行を可能とするため走行速度に対してエンジン回転数を高くして運転する設定となっている。そのためスロットル操作に素早くエンジン追従できるようなスロットル開度設定となっているが、二輪車は軽量であるので走行抵抗が小さいため、一定速度での滑らかな走行をするには慎重なスロットル操作が求められる。しかし実際の走行においては、走行速度が上昇した際、速度調整のためスロットルを少し戻した時にもエンジンが高回転であるため後輪からクランク軸を駆動するエンジンブレーキが強く作用することによって急激な減速が発生し、目標速度に合わせるために再度スロットルを開けるというような運転になりやすい。
このように高回転、高追従性という二輪車エンジンの特性のために強いエンジンブレーキが発生することによって惰性を利用して走行できる割合が少なくなっているわけで、交通の流れの良い郊外などでの運転で積極的に惰性を利用して燃費の良い走行を可能とするためにはエンジンブレーキ作用を抑えることが望ましい。

0003

そのため、エンジンブレーキ発生状態検出手段とエンジンブレーキ力を所望の大きさにする吸入空気量調節用バルブバルブ開度演算手段と吸入空気量調節用バルブを制御するバルブ制御手段を備えて、エンジンブレーキの作用を調整するものとして下記特許文献1がある。

先行技術

特許第4434875号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に記載された発明では、エンジンの1燃焼サイクル中における吸気圧最大値からエンジンがエンジンブレーキにあることを検出してエンジン吸入空気量を制御するようにしているので、広い回転範囲での微小スロットル開度変化による吸気圧を検出するためには感度の良い精密なセンサを必要とし、更にまた空気量調節の緻密なバルブ制御も必要とされるため小型の二輪車には適用しにくいという問題があった。更に特許文献1に記載された発明では、エンジンブレーキ時に吸入空気量を増加させるために排気路中に設けられている排気ガス対策のための触媒温度を低下させてしまうことになるため、スロットルを開いて運転が再開された際に触媒活性遅れ排気ガス浄化効率が低下するという問題もあった。

0005

本発明の目的は、エンジンの電子制御などを用いることなく、簡単な構造でエンジンブレーキ時にはクランクからの駆動時よりもエンジン回転数を低下させることによってエンジンブレーキ力を下げて惰性で走行できる距離を長くできるようにして、二輪車の燃費を改善する駆動装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を達成するために、本願請求項1記載の発明による二輪車の動力伝達装置は、クランク軸から減速して入力されクランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機から後輪を駆動するようになった1の動力伝達経路と、エンジンブレーキ時に後輪からクランク軸を駆動する2の動力伝達経路を備えて、上記2つの動力伝達経路を切り換え伝達経路切換装置を備え、同一車速におけるクランク軸回転数がエンジンによる駆動時よりエンジンブレーキ時が低くなる設定にしている。

0007

これによって、エンジン駆動時よりもエンジンブレーキ時にはエンジン回転数を低くし惰性を利用して長く走行できる。

0008

請求項2に係る発明は、変速機主軸上にはクラッチボスから入力されて主軸上で游動する入力軸を備え、入力軸と主軸との間で2つの動力伝達経路を切り換えるようにしている。

0009

これによって、クラッチと変速機との間で簡単な構成で2つの動力伝達経路の切り換えができる。

0010

請求項3に係る発明は、クランクから駆動する1の動力伝達経路とエンジンブレーキ時の2の動力伝達経路とを、入力軸に備えた捩れスプライン上のセレクタ軸方向移動によって切り換えるようになった動力切換装置を有するようにしている。

0011

これによって、入力軸と変速機主軸との間の回転速度の違いによって動力伝達経路の切り換えができる。

0012

請求項4に係る発明は、エンジンブレーキ時にセレクタに有した凸部と後輪から駆動されるエンブレドリブンギヤの凸部とがドグクラッチとして噛合うようになっている。

0013

これによって、エンジンブレーキ時の後輪からの動力伝達が確実に行われる。

0014

請求項4に係る発明は、エンジンブレーキ時の動力伝達経路は変速機を通らず駆動軸歯車から主軸上の入力軸に伝えるようにしている。

0015

これによって、選択されている変速段がどこであろうと、エンジンブレーキ時には常にエンジン回転数を最も低くして走行できる。

0016

請求項5に係る発明は、エンジンブレーキ時の動力伝達経路は変速機を通して主軸上の歯車から駆動軸上の歯車に伝えて主軸上の入力軸に伝えるようにしている。

0017

これによって、変速段に応じたエンジンブレーキ作用が得られるとともに、エンジン駆動時よりもエンジンブレーキ時にはエンジン回転数を低くして走行できる。

0018

請求項6に係る発明は、動力切換装置をクラッチカバー内に設けるようにしている。

0019

これによって、点検調整が容易とでき動力切換装置の保全性が向上する。

発明の効果

0020

以上のように、本発明によれば、簡単な構造でエンジンブレーキ時にはクランクからの駆動時よりもエンジン回転数を低下させることによって惰性で走行できる距離を長くできるので、二輪車の燃費を改善することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を適用する二輪車の右側面図である。本発明の第1実施形態に係る動力伝達経路を示す断面図である。図2におけるIII−III断面図である。スプリング39の自由時形状を示す正面図である。エンジンブレーキ時における動力切換装置の作動を説明した要部の断面図である。図5におけるVI−VI断面図である。第2実施形態における動力切換装置の構造を説明した要部の断面図である。

実施例

0022

以下、本発明の第1実施形態である動力伝達装置を図面に基づいて説明する。

0023

図1において、二輪車1は前輪2と後輪3の車両中央下部にエンジン4を備え、上部にシート5備えてライダー乗車ハンドル6を操作して走行する。7はライダーの脚部の風圧を保護するレッグシールドである。

0024

図2に示すように、エンジン4はクランク11の動力を遠心クラッチ12を通して1次減速ギヤから多板式変速用クラッチ13に伝達し、クランク軸と平行に配置されて複数のギヤ対を用いた変速機14からスプロケット15に架けたチェーン16によって後輪を駆動する構成となっている。

0025

クランク11は左クランク17と右クランク18とをクランクピン19に圧入して一体となっている。クランクピン19にはコンロッド20によって上部に図示しないピストンが取り付けられ、ベアリング21とベアリング22で支承されて左右のクランクケース23、24に取り付けられている。

0026

遠心クラッチ12は右クランク18と一体で回転するクラッチシュー25の遠心力によって所定の回転数摩擦力によってクランクの回転をクラッチドラム26に伝える。クラッチドラム26によって1次減速ギヤを構成する1次減速ドライブギヤ27から減速されて1次減速ドリブンギヤ28が回転されるようになり、そしてクラッチハウジング29に動力が伝わる。なお、左クランクには発電器が取り付けられている

0027

変速用クラッチ13はクラッチハウジング29から複数の摩擦板30とクラッチ板31とがクラッチスプリング32によってプレッシャープレート33から加圧され、摩擦力によって動力をクラッチボス34に伝える。

0028

クラッチボス34はスプライン35によって入力軸36に一体に固定されているので、1次減速ドリブンギヤ28の回転は入力軸36に伝達される。動力切換装置を構成する入力軸36は左端に捩りスプライン37を一体に有してセレクタ38を取り付けている。

0029

セレクタ38を通る断面図を図3に示している。セレクタ38は溝部にスプリング39が挟まっており、スプリング39に有したヘアピン部39aがガイド40の外周椀部のスリットに嵌っている。スプリング39は図4に示したように、自由時形状のセレクタ38溝部への取り付け部長さが2点鎖線で示したセレクタ38溝部直径より短いので、取り付けることによって締め付けによる摩擦力が発生する。この締め付けによる摩擦力はセレクタ38と捩りスプライン37の摩擦力よりも大きい。

0030

ガイド40はスプラインによって変速機主軸41の右側とスペーサ42によって締め付け固定されている。そしてスペーサ42の上で入力軸36が遊動可能となっている。ここで、右から見て入力軸36が反時計回りに回転すると捩りスプライン37によって図2のようにセレクタ38が左端に押し付けられ、それによって入力軸36と変速機主軸41がガイド40を介し一体となって回転するように捩りスプライン37の角度が設定されている。

0031

変速機主軸41のクランクケース23、24内には複数のギヤ対を用いた変速機14が駆動軸43と一体で構成されている。図示例では左から2列目に配置されたギヤ対がトップギヤとなった常時噛合式段変速機の場合を示しており、スプラインを有する摺動ギヤを軸方向に移動選択してドグクラッチの噛合いによって変速する。主軸41及び駆動軸42はベアリングによって支承されて左右のクランクケース23、24に取り付けられている。

0032

駆動軸42の右端にはセレーションが形成され、ここにエンブレドライブギヤ44が固定されて、入力軸36上のエンブレドリブンギヤ45と噛合っている。エンブレドリブンギヤ45は入力軸36に遊動して取り付けられており、歯数は変速機トップギヤの主軸ギヤよりも大きく設定されている。なお、セレクタ38には複数の凸部38aが設けられ、エンブレドリブンギヤ45に設けた複数の凸部45aとでドグクラッチを構成している。

0033

このように、右クランクケース24の右側(外側)に設けた入力軸36、セレクタ38、スプリング39、ガイド40、エンブレドライブギヤ44、エンブレドリブンギヤ45などが動力切換装置としてクラッチカバー46内に設けられている。

0034

なお、図示しないシフトペダルの操作によって47のプッシュプレートがシフトペダルと連動してプッシュロッド48を右側に押し、プッシュピース49によってクラッチスプリング32の荷重に抗してプレッシャープレート33を摩擦板30から引き離してクラッチを切りシフト操作が円滑にできるようになっている。

0035

次に、上記構成の二輪車の動力伝達装置の作用について説明する。

0036

クランク11が所定の回転数になると、右クランク18上の遠心クラッチ12のクラッチシュー25からクラッチドラム26が回転され、1次減速ドライブギヤ27によって1次減速ドリブンギヤ28が減速されて回転し、変速用クラッチ13の摩擦板30とクラッチ板31の摩擦力でクラッチボス34が回転する。

0037

クラッチボス34によって入力軸36が回転するが、クラッチボス34の回転は右から見て反時計回りに回転するため捩りスプライン37によってセレクタ38が左端に押し付けられ、ガイド40と一体となって回転するため、ガイド40のスプラインから変速機主軸41が回転される。変速機主軸41のクランクケース内の選択されたギヤ対からドグクラッチを介して駆動軸43が回転し、スプロケット15からチェーン16によって後輪3を駆動する。以上がクランク軸11から後輪3が駆動される時の動力伝達経路である。

0038

所定の速度まで加速した後、目標速度で走行するためにスロットルを緩める操作をするが、この時二輪車1は惰性で走行するがクランク軸11は即座に回転が下げる。そのため、入力軸36には変速機主軸41と一体のガイド40から回転が伝わることになる。そのため図5に示したように、ガイド40外周椀部に嵌ったヘアピン部39aからスプリング39によって摩擦力を与えられたセレクタ38は捩りスプライン37上を右方向に移動し、セレクタ38の凸部38aとエンブレドリブンギヤ45の凸部45aとが噛合う。

0039

そのため、駆動軸43から回転されるエンブレドライブギヤ44によってエンブレドリブンギヤ45が回転されるが、この時エンブレドリブンギヤ44の歯数は変速機トップギヤの主軸ギヤよりも大きく設定されているため、変速機主軸41よりもエンブレドリブンギヤ44の回転数が低くなる。この時ガイド40外周椀部に嵌ったヘアピン部39aからスプリング39の摩擦力でセレクタ38は右側に移動し押し付けられるので、図6に示したように、セレクタ38の凸部38aとエンブレドリブンギヤ45の凸部45aとのドグクラッチとしての噛合いが行われる。そして、ドグクラッチによってエンジンブレーキ時の後輪3からの動力が確実に伝達される。スプリング39はセレクタ38の溝部とで回転数の差の分を吸収するため滑るが、これによる摩擦ロスは小さいので問題となることはない。以上が後輪3によってクランク軸11が駆動されるエンジンブレーキ時の動力伝達経路である。

0040

以上説明したように、エンジンからの駆動時と後輪からの駆動時とを変速機主軸と入力軸の回転数の違いとしてセレクタによって駆動経路を切り換えるので、走行中にスロットルを全閉にしたときは勿論、速度調整で僅かにスロットルを緩めた際にも確実に駆動経路の切り換えが行われる。そして、変速段数がどの位置であろうと常にエンジン駆動時よりもエンジンブレーキ時にはエンジン回転数を低くして走行できるので、惰性を利用しての長い距離が走行できるようになる。その結果、スロットルを開いてエンジンによって駆動する距離が減ることになるため燃費の良い運転が可能となる。従来のようなスロットルを開けて余分な空気を投入してエンジンブレーキ力を弱めているわけではないので、エンジンブレーキ時の同じ惰行走行距離での触媒温度の低下が少なくできる。
なお、加速のためにスロットルを開けると応答性良く瞬時にエンジン回転数が上昇するので、エンジンブレーキ時に回転数が低くなっていても、回転の遅れを感じることなく走行できる。

0041

また、変速機主軸上にクラッチボスから入力されて主軸上で游動する入力軸を備え、入力軸と主軸との間で動力伝達経路を切り換えるようにして、入力軸に備えた捩れスプライン上のセレクタの軸方向移動によって切り換えるので、入力軸と変速機主軸との間の回転速度の違いによって動力伝達経路の切り換えが瞬時に行われ、エンジンの加減速に後れを生じることなく作動できるとともに、簡単な構成で変速機には何ら手を付けることなく実施できる。

0042

動力切換装置をクラッチカバー内に設けるようにしたので、精密なセンサや電子制御を必要とせず機械だけで構成できるという高い信頼性と,クラッチカバーを外せば保守点検が可能という高い保全性も得られる。

0043

更に、実施例のような遠心クラッチを装着したものでは、走行中にローギヤなど低いギヤに不用意シフトダウンした場合、急激なエンジンブレーキが働いて運転が不安定になる場合があるが、シフト段に関わらずトップギヤでの駆動時よりも常にエンジンブレーキ回転数が低くできるので安心して運転できるという効果も得られる。

0044

なお、実施例では遠心クラッチ付きで説明したが、多板クラッチマニュアル操作するハンドクラッチ式でも良いし、変速段数は4段に限らず適用できることは勿論である。

0045

次に図7を用いて動力切換装置の第2実施例について説明する。第1実施形態と同じものには同じ番号を付与している。

0046

動力切換装置を構成する入力軸36は左端に捩りスプライン37を有してスプリング39によって摩擦力を与えられたセレクタ38を取り付けている。スプライン37によって変速機主軸41の右側とスペーサ42によって締め付け固定されたガイド50にはギヤが一体に形成されている。駆動軸51の右側は軸となっており、ガイド50に形成されたギヤに噛合うギヤとエンブレドリブンギヤ45に噛合うギヤの2つを左右に一体に有するエンブレドライブギヤ52が駆動軸51上に遊動している。なお、2つのギヤは回転を伝達できれば良いので、一体でなく分割してドグクラッチなどで接続するようにしてもよい。

0047

ガイド50のギヤの歯数よりもガイド50に噛合うエンブレドライブギヤ52の歯数が大きくなっており、更にエンブレドリブンギヤ45の歯数よりもエンブレドライブギヤ52の歯数が大きいので、ガイド50の回転数よりも減速されてエンブレドリブンギヤ45の回転数が低くなる。

0048

上記構成の第2実施例の動力切換装置の作用について説明する。

0049

クラッチボス34から入力軸36に回転が伝わるが、クラッチボス34の回転は右から見て反時計回りに回転するため捩りスプライン37によってセレクタ38が左端に押し付けられ、ガイド50と一体となって回転し、ガイド50のスプラインから変速機主軸41が回転される。変速機主軸41のクランクケース内の選択されたギヤ対からドグクラッチを介して駆動軸51が回転することで後輪を駆動する。以上がクランク軸から後輪が駆動される時の動力伝達経路である。これは第1実施例で説明したのと同じ作用である。

0050

エンジンブレーキ時の動力伝達経路については、所定の速度まで加速した後、目標速度で走行するためにスロットルを緩める操作をしたとき、この時二輪車1は惰性で走行するがクランク軸11は即座に回転が下げる。そのため、入力軸36には変速機主軸41と一体のガイド50から回転が伝わることになる。そのためスプリング39によって摩擦力を与えられたセレクタ38は捩りスプライン37上を右方向に移動し、セレクタ38の凸部38aとエンブレドリブンギヤ45の凸部45aとが噛合う。これは第1実施例の図5で説明したのと同じ作用である。

0051

ところで、エンブレドリブンギヤ45はガイド50に形成されたギヤからエンブレドライブギヤ52の2つのギヤを経て回転させられるが、この時ガイド50のギヤからエンブレドリブンギヤ45までの減速比が変速機トップギヤの減速比よりも小さく設定されているので、変速機主軸41の回転数よりもエンブレドリブンギヤ45の回転数が低くなる。

0052

そのため、変速機の変速段数の選択によって変わる変速機主軸41の回転速度に応じて変速機主軸41よりも低い回転数で入力軸36を回転する。従って、エンジンブレーキ時にはどの変速段数であってもクランク軸から後輪が駆動される時よりも低いクランク軸回転数が変速段数に応じて得られる。

0053

これは、長いや急な坂の降坂などの走行でシフト段数に応じたエンジンブレーキを用いた方が運転しやすい場合に適している。この場合でも、変速段数に応じて後輪から逆駆動してクランクを回転させる従来の場合に比べて、変速段数ごとのクランク回転数は低くなっているので惰性による走行が拡大できるため燃費改善効果は得られる。更に、従来のようなシフトダウンによるエンジンブレーキ効果も得られるので、二輪車としてのスポティな運転も楽しめる。

0054

本発明は小型の二輪車に好適であるが、鞍乗型三輪車不整地走行の四輪車(ATV)などにも適用できる。

0055

1二輪車
2前輪
3後輪
4エンジン
5シート
6ハンドル
7レッグシールド
11クランク
12遠心クラッチ
13変速用クラッチ
14変速機
17左クランク
18右クランク
25クラッチシュー
26クラッチドラム
27 1次減速ドライブギヤ
28 1次減速ドリブンギヤ
29クラッチハウジング
30摩擦板
31クラッチ板
34クラッチボス
35スプライン
36入力軸
37捩りスプライン
38セレクタ
38a セレクタの凸部
39スプリング
40ガイド
41変速機主軸
42スペーサ
43駆動軸
44エンブレドライブギヤ
45 エンブレドリブンギヤ
45a エンブレドリブンギヤの凸部
46クラッチカバー
50 ガイド
51 駆動軸
52 エンブレドライブギヤ

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