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技術 粘着シート

出願人 日東電工株式会社
発明者 家田博基鈴木立也仲野武史
出願日 2018年8月10日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-152044
公開日 2020年2月20日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-026483
状態 未査定
技術分野 接着剤、接着方法 接着テープ
主要キーワード タコ糸 ケミカルライト 位置ズレ防止 両面接着性 ピーク感度波長 有機ケイ素含有 ライナー基材 ポリオルガノシロキサン構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

貼り付けの初期には低い粘着力を示し、その後に粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートを提供する。

解決手段

粘着剤層21が、Tgが0℃未満のポリマーAと、Tgが0℃以上100℃以下のポリマーBとを含み、該ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーの割合が10重量%未満であり、該粘着剤層21を含む粘着シート1において、ステンレス鋼板に貼り合わせて23℃で30分間経過後の粘着力N1が10N/25mm以下であり、かつ、ステンレス鋼板に貼り合わせて80℃で5分間加熱した後に23℃で30分間経過後の粘着力N2が上記粘着力N1の2倍以上である、粘着シート1。

概要

背景

粘着シートは、被着体に強固に接着することで、被着体同士の接着、被着体への物品の固定、被着体の補強等の目的で使用される。従来、このような目的には貼付け初期から高い粘着力を発揮する粘着シートが用いられていた。また、最近では、特許文献1〜3のように、被着体への貼り付け初期には低い粘着力を示し、その後、粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートが提案されている。このような特性を有する粘着シートによると、粘着力の上昇前には粘着シートの貼り間違いや貼り損ねによる歩留り低下の抑制に有用な貼り直し性(リワーク性)を発揮し、かつ、粘着力の上昇後には粘着シートの本来の使用目的に適した強粘着性を発揮することができる。

概要

貼り付けの初期には低い粘着力を示し、その後に粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートを提供する。粘着剤層21が、Tgが0℃未満のポリマーAと、Tgが0℃以上100℃以下のポリマーBとを含み、該ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーの割合が10重量%未満であり、該粘着剤層21を含む粘着シート1において、ステンレス鋼板に貼り合わせて23℃で30分間経過後の粘着力N1が10N/25mm以下であり、かつ、ステンレス鋼板に貼り合わせて80℃で5分間加熱した後に23℃で30分間経過後の粘着力N2が上記粘着力N1の2倍以上である、粘着シート1。

目的

本発明は、被着体への貼り付け初期には低い粘着力を示し、その後、粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートであって、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーへの依存の少ない粘着シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

粘着剤層を含む粘着シートであって、前記粘着剤層は、ポリマーAおよびポリマーBを含み、前記ポリマーAのガラス転移温度(TA)は0℃未満であり、前記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は0℃以上100℃以下であり、前記ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーの割合が10重量%未満であり、ステンレス鋼板に貼り合わせて23℃で30分間経過後の粘着力N1が10N/25mm以下であり、かつステンレス鋼板に貼り合わせて80℃で5分間加熱した後に23℃で30分間経過後の粘着力N2が前記粘着力N1の2倍以上である、粘着シート。

請求項2

前記ポリマーAはアクリル系ポリマーである、請求項1に記載の粘着シート。

請求項3

前記ポリマーBの重量平均分子量は1×104以上10×104以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。

請求項4

前記ポリマーBを形成するモノマー成分は、非環式モノマーの割合が50重量%以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項5

前記ポリマーBは、前記ポリマーAと架橋反応を生じる官能基を含まないポリマーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項6

前記ポリマーBはアクリル系ポリマーである、請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項7

前記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は前記ポリマーAのガラス転移温度(TA)より30℃以上高い、請求項1から6のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項8

前記粘着剤層は、前記ポリマーA100重量部に対して前記ポリマーBを1重量部以上100重量部以下含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項9

第一面および第二面を有する支持基材を備え、該支持基材の少なくとも前記第一面に前記粘着剤層が積層されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の粘着シート。

技術分野

0001

本発明は、粘着シートに関する。

背景技術

0002

粘着シートは、被着体に強固に接着することで、被着体同士の接着、被着体への物品の固定、被着体の補強等の目的で使用される。従来、このような目的には貼付け初期から高い粘着力を発揮する粘着シートが用いられていた。また、最近では、特許文献1〜3のように、被着体への貼り付け初期には低い粘着力を示し、その後、粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートが提案されている。このような特性を有する粘着シートによると、粘着力の上昇前には粘着シートの貼り間違いや貼り損ねによる歩留り低下の抑制に有用な貼り直し性(リワーク性)を発揮し、かつ、粘着力の上昇後には粘着シートの本来の使用目的に適した強粘着性を発揮することができる。

先行技術

0003

特許第6223836号公報
特許第5890596号公報
特許第5951153号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、粘着シートの用途のなかには、シロキサンの含有を嫌う用途がある。そのような用途(例えば、電子機器製造用途等)向けの粘着シートは、シロキサン源となる材料を使用しないか、かかる材料の使用量を抑制して得られたものであることが望ましい。

0005

そこで本発明は、被着体への貼り付け初期には低い粘着力を示し、その後、粘着力を大きく上昇させることのできる粘着シートであって、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーへの依存の少ない粘着シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

この明細書によると、粘着剤層を含む粘着シートが提供される。上記粘着剤層は、ポリマーAおよびポリマーBを含む。上記ポリマーAのガラス転移温度(TA)は0℃未満である。上記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は0℃以上100℃以下である。上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマー(以下、ポリオルガノシロキサン構造含有モノマーともいう。)の割合が10重量%未満である。上記粘着シートは、ステンレス鋼板に貼り合わせて23℃で30分間経過後の粘着力N1が10N/25mm以下であり、かつステンレス鋼板に貼り合わせて80℃で5分間加熱した後に23℃で30分間経過後の粘着力N2が上記粘着力N1の2倍以上である。

0007

このように粘着力N1(以下、初期粘着力ともいう。)に対して粘着力N2(以下、加熱後粘着力ともいう。)が2倍以上であってかつ初期粘着力が10N/25mm以下に制限された粘着シートは、貼付けの初期には低粘着性を示し、加熱により粘着力を大きく上昇させることができる。上記粘着剤層の構成成分としてTBが0℃以上100℃以下の範囲にあるポリマーBを用いることにより、該ポリマーBを形成するモノマー成分におけるポリオルガノシロキサン構造含有モノマーの割合を10重量%未満に制限しても、N2/N1(以下、粘着力上昇率ともいう。)が2以上であってかつ初期粘着力の低い粘着シートを実現することができる。

0008

上記ポリマーAとしては、ガラス転移温度の調節や粘着特性の制御の容易性等の観点から、アクリル系ポリマーを好ましく採用し得る。

0009

いくつかの態様において、上記ポリマーBの重量平均分子量は、1×104以上10×104であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるポリマーBによると、初期粘着力が低く、かつ加熱後粘着力の高い粘着シートが得られやすい。

0010

いくつかの態様において、上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、非環式モノマーの割合が50重量%以上であることが好ましい。かかる組成のモノマー成分に基づくポリマーBによると、初期粘着力が低く、かつ加熱後粘着力の高い粘着シートが得られやすい。

0011

いくつかの態様において、上記ポリマーBは、上記ポリマーAと架橋反応を生じる官能基を含まないポリマーであることが好ましい。かかるポリマーBによると、初期には低粘着性であって加熱により粘着力が大きく上昇する粘着シートが得られやすい。

0012

上記ポリマーBとしては、ガラス転移温度の調節やMwの制御容易性等の観点から、アクリル系ポリマーを好ましく採用し得る。上記ポリマーAがアクリル系ポリマーである場合、上記ポリマーBとしてアクリル系ポリマーを用いることは、相溶性の観点からも有利である。

0013

いくつかの態様において、上記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は、上記ポリマーAのガラス転移温度(TA)より30℃以上高いことが好ましい。かかるTA,TBの関係を満たすポリマーA,Bを組み合わせて用いることにより、粘着剤層内におけるポリマーBの移動性を適切に制御し得る。このことは、初期の低粘着性および加熱による粘着力上昇性という特性を信頼性よく発揮する観点から有利となり得る。

0014

上記粘着剤層において、上記ポリマーA100重量部に対する上記ポリマーBの含有量は、例えば1重量部以上100重量部以下の範囲とすることができる。このような組成の粘着剤層によると、初期には低粘着性であって加熱により粘着力が大きく上昇する粘着シートが得られやすい。

0015

ここに開示される粘着シートは、第一面および第二面を有する支持基材を備え、該支持基材の少なくとも上記第一面に上記粘着剤層が積層されている形態、すなわち基材付き粘着シートの形態で実施され得る。このような基材付き粘着シートは、取扱い性加工性のよいものとなり得る。上記支持基材としては、例えば、厚さが30μm以上のものを好ましく採用し得る。

0016

なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれ得る。

図面の簡単な説明

0017

一実施形態に係る粘着シートの構成を模式的に示す断面図である。
他の一実施形態に係る粘着シートの構成を模式的に示す断面図である。
他の一実施形態に係る粘着シートの構成を模式的に示す断面図である。

0018

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際に提供される製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。

0019

また、この明細書において「アクリル系ポリマー」とは、(メタアクリル系モノマー由来するモノマー単位ポリマー構造中に含む重合物をいい、典型的には(メタ)アクリル系モノマーに由来するモノマー単位を50重量%を超える割合で含む重合物をいう。また、(メタ)アクリル系モノマーとは、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーをいう。ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基包括的に指す意味である。したがって、ここでいう(メタ)アクリル系モノマーの概念には、アクリロイル基を有するモノマー(アクリル系モノマー)とメタクリロイル基を有するモノマー(メタクリル系モノマー)との両方が包含され得る。同様に、この明細書において「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸およびメタクリル酸を、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートを、それぞれ包括的に指す意味である。

0020

<粘着シートの構造例>
ここに開示される粘着シートは、粘着剤層を含んで構成されている。ここに開示される粘着シートは、上記粘着剤層が支持基材の片面または両面に積層された基材付き粘着シートの形態であってもよく、支持基材を有しない基材レス粘着シートの形態であってもよい。以下、支持基材を単に「基材」ということもある。

0021

一実施形態に係る粘着シートの構造を図1に模式的に示す。この粘着シート1は、第一面10Aおよび第二面10Bを有するシート状の支持基材10と、その第一面10A側に設けられた粘着剤層21とを備える基材付き片面粘着シートとして構成されている。粘着剤層21は、支持基材10の第一面10A側に固着している。粘着シート1は、粘着剤層21を被着体に貼り付けて用いられる。使用前(すなわち、被着体への貼付け前)の粘着シート1は、図1に示すように、粘着剤層21の表面(粘着面)21Aが、少なくとも粘着剤層21に対向する側が剥離性表面(剥離面)となっている剥離ライナー31に当接した形態の剥離ライナー付き粘着シート100の構成要素であり得る。剥離ライナー31としては、例えば、シート状の基材(ライナー基材)の片面に剥離処理剤による剥離層を設けることで該片面が剥離面となるように構成されたものを好ましく使用し得る。あるいは、剥離ライナー31を省略し、第二面10Bが剥離面となっている支持基材10を用い、粘着シート1を巻回することにより粘着面21Aを支持基材10の第二面10Bに当接させた形態(ロール形態)であってもよい。粘着シート1を被着体に貼り付ける際には、粘着面21Aから剥離ライナー31または支持基材10の第二面10Bを剥がし、露出した粘着面21Aを被着体に圧着する。

0022

他の一実施形態に係る粘着シートの構造を図2に模式的に示す。この粘着シート2は、第一面10Aおよび第二面10Bを有するシート状の支持基材10と、その第一面10A側に設けられた粘着剤層21と、第二面10B側に設けられた粘着剤層22と、を備える基材付き両面粘着シートとして構成されている。粘着剤層(第一粘着剤層)21は支持基材10の第一面10Aに、粘着剤層(第二粘着剤層)22は支持基材10の第二面10Bに、それぞれ固着している。粘着シート2は、粘着剤層21,22を、被着体の異なる箇所に貼り付けて用いられる。粘着剤層21,22が貼り付けられる箇所は、異なる部材のそれぞれの箇所であってもよく、単一の部材内の異なる箇所であってもよい。使用前の粘着シート2は、図2に示すように、粘着剤層21の表面(第一粘着面)21Aおよび粘着剤層22の表面(第二粘着面)22Aが、少なくとも粘着剤層21,22に対向する側がそれぞれ剥離面となっている剥離ライナー31,32に当接した形態の剥離ライナー付き粘着シート200の構成要素であり得る。剥離ライナー31,32としては、例えば、シート状の基材(ライナー基材)の片面に剥離処理剤による剥離層を設けることで該片面が剥離面となるように構成されたものを好ましく使用し得る。あるいは、剥離ライナー32を省略し、両面が剥離面となっている剥離ライナー31を用い、これと粘着シート2とを重ね合わせて渦巻き状に巻回することにより第二粘着面22Aが剥離ライナー31の背面に当接した形態(ロール形態)の剥離ライナー付き粘着シートを構成していてもよい。

0023

さらに他の一実施形態に係る粘着シートの構造を図3に模式的に示す。この粘着シート3は、粘着剤層21からなる基材レスの両面粘着シートとして構成されている。粘着シート3は、粘着剤層21の一方の表面(第一面)により構成された第一粘着面21Aと、粘着剤層21の他方の表面(第二面)により構成された第二粘着面21Bとを、被着体の異なる箇所に貼り付けて用いられる。使用前の粘着シート3は、図3に示すように、第一粘着面21Aおよび第二粘着面)21Bが、少なくとも粘着剤層21に対向する側がそれぞれ剥離面となっている剥離ライナー31,32に当接した形態の剥離ライナー付き粘着シート300の構成要素であり得る。あるいは、剥離ライナー32を省略し、両面が剥離面となっている剥離ライナー31を用い、これと粘着シート3とを重ね合わせて渦巻き状に巻回することにより第二粘着面21Bが剥離ライナー31の背面に当接した形態(ロール形態)の剥離ライナー付き粘着シートを構成していてもよい。

0024

なお、ここでいう粘着シートの概念には、粘着テープ粘着フィルム粘着ラベル等と称されるものが包含され得る。粘着シートは、ロール形態であってもよく、枚葉形態であってもよく、用途や使用態様に応じて適宜な形状に切断、打ち抜き加工等されたものであってもよい。ここに開示される技術における粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、これに限定されず、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムパターンに形成されていてもよい。

0025

<粘着剤層>
ここに開示される粘着シートは、ポリマーAとポリマーBとを含む粘着剤層を備える。このような粘着剤層は、ポリマーAまたはその前駆体と、ポリマーBと、を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり得る。粘着剤組成物の形態は特に制限されず、例えば水分散型溶剤型ホットメルト型活性エネルギー線硬化型(例えば光硬化型)等の、各種の形態であり得る。

0026

(ポリマーA)
ポリマーAとしては、粘着剤の分野において公知のアクリル系ポリマー、ゴム系ポリマーポリエステル系ポリマーウレタン系ポリマーポリエーテル系ポリマーポリアミド系ポリマーフッ素系ポリマー等の、室温域においてゴム弾性を示す各種のポリマーの一種または二種以上を用いることができる。

0027

ポリマーAのガラス転移温度(TA)は、典型的には0℃未満である。このようなポリマーAを含む粘着剤は、適度な流動性(例えば、該粘着剤に含まれるポリマー鎖運動性)を示すことから、初期には低粘着性であって加熱により粘着力が大きく上昇する粘着シートの実現に適している。加熱後粘着力の向上や低温特性の観点から、ポリマーAのTAは、通常、−10℃未満が適当であり、−20℃未満であることが好ましく、−30℃未満でもよく、−35℃未満でもよい。いくつかの態様において、ポリマーAのTAは、−40℃未満でもよく、−50℃未満でもよい。TAの下限は特に制限されない。材料の入手容易性や粘着剤層の凝集力向上の観点から、通常は、TAが−80℃以上、−70℃以上または−65℃以上のポリマーAを好ましく採用し得る。初期粘着力を抑制しやすくする観点から、いくつかの態様において、TAは、例えば−63℃以上であってよく、−55℃以上でもよく、−50℃以上でもよく、−45℃以上でもよい。

0028

ここで、本明細書においてポリマーのガラス転移温度(Tg)とは、文献やカタログ等に記載された公称値か、または該ポリマーの調製に用いられるモノマー成分の組成に基づいてFoxの式により求められるTgをいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率重量基準共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。Tgの特定に係る対象のポリマーがホモポリマーである場合、該ホモポリマーのTgと対象のポリマーのTgとは一致する。

0029

Tgの算出に使用するホモポリマーのガラス転移温度としては、公知資料に記載の値を用いるものとする。具体的には、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989年)に数値が挙げられている。上記Polymer Handbookに複数種類の値が記載されているモノマーについては、最も高い値を採用する。

0030

上記Polymer Handbookに記載のないモノマーのホモポリマーのガラス転移温度としては、以下の測定方法により得られる値を用いるものとする。
具体的には、温度計攪拌機窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガス流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機ティーエイインスツルメントジャパン社製機種名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70℃〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、tanδのピークトップ温度に相当する温度をホモポリマーのTgとする。

0031

特に限定するものではないが、ポリマーAの重量平均分子量(Mw)は、通常、凡そ5×104以上であることが適当である。かかるMwのポリマーAによると、良好な凝集性を示す粘着剤が得られやすい。いくつかの態様において、ポリマーAのMwは、例えば10×104以上であってよく、20×104以上であってもよく、30×104以上であってもよい。また、ポリマーAのMwは、通常、凡そ500×104以下であることが適当である。かかるMwのポリマーAは、適度な流動性(ポリマー鎖の運動性)を示す粘着剤を形成しやすいことから、貼付け初期の粘着力が低く、かつ加熱により粘着力が大きく上昇する粘着シートの実現に適している。

0032

なお、本明細書において、ポリマーAおよびポリマーBのMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算して求めることができる。より具体的には、後述する実施例において記載する方法および条件に準じてMwを測定することができる。

0033

ここに開示される粘着シートにおけるポリマーAとしては、ガラス転移温度(TA)の調節や粘着特性の制御の容易性等の観点から、アクリル系ポリマーを好ましく採用することができる。ポリマーAとしてアクリル系ポリマーを用いると、ポリマーBとの良好な相溶性が得られやすくなる傾向にある。ポリマーAとポリマーBとの相溶性が良いことは、粘着剤層内におけるポリマーBの移動性向上を通じて、初期粘着力の低減および加熱後粘着力の向上に寄与し得るので好ましい。

0034

アクリル系ポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を50重量%以上含有するポリマー、すなわち該アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量のうち50重量%以上が(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるポリマーであり得る。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜20の(すなわち、C1−20の)直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく用いられ得る。特性のバランスをとりやすいことから、モノマー成分全量のうち(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルの割合は、例えば50重量%以上であってよく、60重量%以上でもよく、70重量%以上でもよい。同様の理由から、モノマー成分全量のうち(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルの割合は、例えば99.9重量%以下であってよく、98重量%以下でもよく、95重量%以下でもよい。いくつかの態様において、モノマー成分全量のうち(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルの割合は、例えば90重量%以下であってよく、85重量%以下でもよく、80重量%以下でもよい。

0035

(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルの非限定的な具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等が挙げられる。

0036

これらのうち、少なくとも(メタ)アクリル酸C1−18アルキルエステルを用いることが好ましく、少なくとも(メタ)アクリル酸C1−14アルキルエステルを用いることがより好ましい。いくつかの態様において、アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸C4−12アルキルエステル(好ましくはアクリル酸C4−10アルキルエステル、例えばアクリル酸C6−10アルキルエステル)から選択される少なくとも一種を、モノマー単位として含有し得る。例えば、アクリル酸n−ブチル(BA)およびアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)の一方または両方を含むアクリル系ポリマーが好ましく、少なくとも2EHAを含むアクリル系ポリマーが特に好ましい。好ましく用いられ得る他の(メタ)アクリル酸C1−18アルキルエステルの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸n−ブチル(BMA)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(2EHMA)、アクリル酸イソステアリル(ISTA)等が挙げられる。

0037

アクリル系ポリマーを構成するモノマー単位は、主成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー(共重合性モノマー)を含んでいてもよい。共重合性モノマーとしては、極性基(例えば、カルボキシ基水酸基窒素原子含有環等)を有するモノマーを好適に使用することができる。極性基を有するモノマーは、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりするために役立ち得る。共重合性モノマーは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0038

共重合性モノマーの非限定的な具体例としては、以下のものが挙げられる。
カルボキシ基含有モノマー:例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートカルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸マレイン酸フマル酸クロトン酸イソクロトン酸等。
酸無水物基含有モノマー:例えば、無水マレイン酸無水イタコン酸
水酸基含有モノマー:例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロキシルメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等。
スルホン酸基またはリン酸基を含有するモノマー:例えば、スチレンスルホン酸アリスルホン酸ビニルスルホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等。
エポキシ基含有モノマー:例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルや(メタ)アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有アクリレートアリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル等。
シアノ基含有モノマー:例えば、アクリロニトリルメタクリロニトリル等。
イソシアネート基含有モノマー:例えば、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等。
アミド基含有モノマー:例えば、(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド等の、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等の、N−アルキル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルカルボン酸アミド類;水酸基とアミド基とを有するモノマー、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等の、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;アルコキシ基とアミド基とを有するモノマー、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド;その他、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等。
窒素原子含有環を有するモノマー:例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−(メタ)アクリロイル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルモルホリン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオン、N−ビニルピラゾール、N−ビニルイソオキサゾール、N−ビニルチアゾール、N−ビニルイソチアゾール、N−ビニルピリダジン等(例えば、N−ビニル−2−カプロラクタム等のラクタム類)。
スクシンイミド骨格を有するモノマー:例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシヘキサメチレンスクシンイミド等。
マレイミド類:例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等。
タコイミド類:例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルへキシルイタコンイミド、N−シクロへキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等。
(メタ)アクリル酸アミノアルキル類:例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル。
アルコキシ基含有モノマー:例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等の、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等の、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキレングリコール類
ビニルエステル類:例えば、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等。
ビニルエーテル類:例えば、例えば、メチルビニルエーテルエチルビニルエーテル等のビニルアルキルエーテル
芳香族ビニル化合物:例えば、スチレンα−メチルスチレンビニルトルエン等。
オレフィン類:例えば、エチレンブタジエンイソプレンイソブチレン等。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等。
芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:例えば、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等。
その他、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の複素環含有(メタ)アクリレート、塩化ビニルフッ素原子含有(メタ)アクリレート等のハロゲン原子含有(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のケイ素原子含有(メタ)アクリレート、テルペン化合物誘導体アルコールから得られる(メタ)アクリル酸エステル等。

0039

このような共重合性モノマーを使用する場合、その使用量は特に限定されないが、通常はモノマー成分全量の0.01重量%以上とすることが適当である。共重合性モノマーの使用による効果をよりよく発揮する観点から、共重合性モノマーの使用量をモノマー成分全量の0.1重量%以上としてもよく、1重量%以上としてもよい。また、共重合性モノマーの使用量は、モノマー成分全量の50重量%以下とすることができ、40重量%以下とすることが好ましい。これにより、粘着剤の凝集力が高くなり過ぎることを防ぎ、常温(25℃)でのタック感を向上させ得る。

0040

いくつかの態様において、アクリル系ポリマーは、モノマー単位として、下記一般式(M1)で表されるN−ビニル環状アミドおよび水酸基含有モノマー(水酸基と他の官能基とを有するモノマー、例えば水酸基とアミド基とを含有するモノマーであり得る。)からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーを含有することが好ましい。

0041

ここで、上記一般式(M1)中のR1は、2価の有機基である。

0042

N−ビニル環状アミドの使用により、粘着剤の凝集力や極性を調整し、加熱後粘着力を向上させ得る。N−ビニル環状アミドの具体例としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオン等が挙げられる。特に好ましくはN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−カプロラクタムである。

0043

N−ビニル環状アミドの使用量は、特に制限されないが、通常、アクリル系ポリマーを調製するためのモノマー成分全量の0.01重量%以上(好ましくは0.1重量%以上、例えば0.5重量%以上)とすることが適当である。いくつかの態様において、N−ビニル環状アミドの使用量は、上記モノマー成分全量の1重量%以上としてもよく、5重量%以上としてもよく、10重量%以上としてもよい。また、常温(25℃)でのタック感向上や低温における柔軟性向上の観点から、N−ビニル環状アミドの使用量は、通常、上記モノマー成分全量の40重量%以下とすることが適当であり、30重量%以下としてもよく、20重量%以下としてもよい。

0044

水酸基含有モノマーの使用により、粘着剤の凝集力や極性を調整し、加熱後粘着力を向上させ得る。また、水酸基含有モノマーは、後述する架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤)との反応点を提供し、架橋反応によって粘着剤の凝集力を高め得る。

0045

水酸基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等を好適に使用することができる。なかでも好ましい例として、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)が挙げられる。

0046

水酸基含有モノマーの使用量は、特に制限されないが、通常、アクリル系ポリマーを調製するためのモノマー成分全量の0.01重量%以上(好ましくは0.1重量%以上、例えば0.5重量%以上)とすることが適当である。いくつかの態様において、水酸基含有モノマーの使用量は、上記モノマー成分全量の1重量%以上としてもよく、5重量%以上としてもよく、10重量%以上としてもよい。また、常温(25℃)でのタック感向上や低温における柔軟性向上の観点から、水酸基含有モノマーの使用量は、通常、上記モノマー成分全量の40重量%以下とすることが適当であり、30重量%以下としてもよく、20重量%以下としてもよく、10重量%以下または5重量%以下としてもよい。

0047

いくつかの態様において、共重合性モノマーとして、N−ビニル環状アミドと水酸基含有モノマーとを併用することができる。この場合、N−ビニル環状アミドと水酸基含有モノマーとの合計量は、例えば、アクリル系ポリマーを調製するためのモノマー成分全量の0.1重量%以上とすることができ、1重量%以上としてもよく、5重量%以上としてもよく、10重量%以上としてもよく、15重量%以上としてもよく、20重量%以上としてもよく、25重量%以上としてもよい。また、N−ビニル環状アミドと水酸基含有モノマーとの合計量は、例えば、モノマー成分全量の50重量%以下とすることができ、40重量%以下とすることが好ましい。

0048

アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法エマルション重合法、バルク重合法懸濁重合法、光重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。いくつかの態様において、溶液重合法を好ましく採用し得る。溶液重合を行う際の重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃〜170℃程度(典型的には40℃〜140℃程度)とすることができる。

0049

重合に用いる開始剤は、重合方法に応じて、従来公知の熱重合開始剤光重合開始剤等から適宜選択することができる。重合開始剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。

0050

熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパンジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等);過硫酸カリウム等の過硫酸塩過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート過酸化ラウロイル等);レドックス系重合開始剤等が挙げられる。熱重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマーの調製に用いられるモノマー成分100重量部に対して0.01重量部〜5重量部、好ましくは0.05重量部〜3重量部の範囲内の量とすることができる。

0051

光重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。光重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマーの調製に用いられるモノマー成分100重量部に対して0.01重量部〜5重量部、好ましくは0.05重量部〜3重量部の範囲内の量とすることができる。

0052

いくつかの態様において、アクリル系ポリマーは、上述のようなモノマー成分に重合開始剤を配合した混合物紫外線(UV)を照射して該モノマー成分の一部を重合させた部分重合物アクリル系ポリマーシロップ)の形態で、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物に含まれ得る。かかるアクリル系ポリマーシロップを含む粘着剤組成物を所定の被塗布体に塗布し、紫外線を照射させて重合を完結させることができる。すなわち、上記アクリル系ポリマーシロップは、アクリル系ポリマーの前駆体として把握され得る。ここに開示される粘着剤層は、例えば、上記アクリル系ポリマーシロップとポリマーBとを含む粘着剤組成物を用いて形成され得る。

0053

(ポリマーB)
ポリマーBとしては、ガラス転移温度(TB)が0℃以上100℃以下のポリマーが用いられる。TBを上記範囲とすることにより、ポリマーBを形成するモノマー成分におけるポリオルガノシロキサン構造含有モノマーの割合が10重量%未満であっても、粘着力上昇比が2以上の粘着シートを好適に実現することができる。TBが0℃以上であることは、貼付けの初期において良好なリワーク性を得る観点から有利である。また、TBが100℃以下であることにより、その後の粘着力上昇性がよく、N2/N1が2以上の粘着シートが得られやすい。ポリマーBのガラス転移温度は、ポリマーAのガラス転移温度と同様、Foxの式により求められる。

0054

初期粘着力を抑制しやすくする観点から、TBは、例えば5℃以上であってよく、10℃以上でもよく、20℃以上でもよく、30℃以上でもよい。いくつかの態様において、TBは、40℃以上でもよく、50℃以上でもよい。また、粘着力上昇性を高める観点から、いくつかの態様において、TBは、例えば95℃以下であってよく、85℃以下でもよく、75℃以下でもよい。ここに開示される粘着シートは、TBが60℃以下のポリマーBを用いる態様でも好適に実施され得る。

0055

粘着剤層内におけるポリマーBの移動性を制御しやすくする観点から、ポリマーBのガラス転移温度(TB)は、ポリマーAのガラス転移温度(TA)より10℃以上高いことが好ましい。すなわち、TB−TA≧10℃を満たすことが好ましい。より高い効果を得る観点から、いくつかの態様において、TB−TAは、例えば20℃以上であってよく、30℃以上でもよく、40℃以上でもよく、50℃以上でもよい。TB−TAの上限は特に制限されないが、相溶性等の観点から、通常は180℃以下であることが好ましく、160℃以下でもよく、140℃でもよい。いくつかの態様において、TB−TAは、125℃以下でもよく、110℃以下でもよい。

0056

ポリマーBは、該ポリマーBを形成するモノマー成分のうちポリオルガノシロキサン構造含有モノマーの割合が10重量%未満である。このことによって、シロキサン含有量の少ない粘着シートを得ることができる。より高い効果を得る観点から、ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン構造含有モノマーの割合が、例えば5重量%未満であってよく、3重量%未満でもよく、1重量%未満でもよく、0重量%(すなわち、ポリオルガノシロキサン構造含有モノマーを含まない組成のモノマー成分)であってもよい。

0057

ポリマーBのMwは、特に限定されず、N2/N1が2以上の粘着シートが実現されるように設定することができる。ポリマーBのMwは、例えば1000以上であってよく、5000以上でもよい。ポリマーBのMwが低すぎると、粘着力の上昇が不十分になることがあり得る。いくつかの好ましい態様において、ポリマーBのMwは、例えば10000以上であってよく、12000以上でもよく、15000以上でもよく、17000以上でもよく、20000以上でもよい。また、初期粘着力を抑制しやすくする観点から、ポリマーBのMwは、通常、300000未満であることが適当であり、200000未満であることが好ましく、150000未満であることがより好ましい。粘着力上昇性を高める観点から、いくつかの態様において、ポリマーBのMwは、例えば120000以下であってよく、100000以下でもよく、50000以下でもよく、40000以下でもよく、30000以下でもよく、25000以下でもよい。ポリマーBのMwが上述したいずれかの上限値および下限値の範囲内であると、ポリマーBの粘着剤層内における相溶性や移動性を適度な範囲に調節しやすく、貼付け初期の良好なリワーク性と粘着力上昇後の強粘着性とを高レベル両立する粘着シートを実現しやすくなる。

0058

ポリマーBを形成するモノマー成分は、非環式モノマーを含むことが好ましい。ここで非環式モノマーとは、該モノマーの重合により、環状構造を含まないモノマー単位を形成するモノマーをいう。上記環状構造の例には、シクロアルキル基等の脂環構造フェニル基等の芳香環構造ピリジル基モルニル基等のヘテロ環構造が含まれる。このような非環式モノマーは、鎖状モノマー、すなわち該モノマーの重合によって鎖状構造のモノマー単位を形成するモノマーとしても把握され得る。ポリマーBを形成するモノマー成分に含まれる非環式モノマーは、ポリマーBの移動性を向上させることにより、粘着力上昇比
の向上に寄与し得る。かかる観点から、ポリマーBを形成するモノマー成分における非環式モノマーの割合は、例えば30重量%以上であってよく、50重量%以上でもよい。いくつかの態様において、上記非環式モノマーの割合は、70重量%以上でもよく、90重量%以上でもよく、95重量%以上でもよく、99重量%以上でもよく、100重量%でもよい。あるいは、ポリマーBを形成するモノマー成分は、TBの調節等の目的で、ポリマーBの移動性を過度に損なわない程度の環式モノマー、すなわち該モノマーの重合後により形成されるモノマー単位が環状構造を含むモノマーを含んでもよい。

0059

いくつかの態様において、ポリマーBとしては、ポリマーAと架橋反応を生じる官能基を含まないものを好ましく採用し得る。言い換えると、ポリマーBは、ポリマーAと化学結合していない形態で粘着剤層に含まれていることが好ましい。このような形態でポリマーBを含む粘着剤層は、加熱時におけるポリマーBの移動性がよく、粘着力上昇比の向上に適している。ポリマーAと架橋反応を生じる官能基は、該ポリマーAの有する官能基の種類によって異なり得るが、例えば、エポキシ基イソシアネート基、カルボキシ基、アルコキシシリル基アミノ基等であり得る。

0060

ポリマーBとしては、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー等の各種のポリマーの一種または二種以上を用いることができる。

0061

ここに開示される粘着シートにおけるポリマーBとしては、ガラス転移温度(TB)の調節やMwの制御容易性等の観点から、アクリル系ポリマーを好ましく採用することができる。特に、ポリマーAがアクリル系ポリマーである場合は、ポリマーBとしてアクリル系ポリマーを用いることにより、ポリマーAとの良好な相溶性が得られやすい。ポリマーAとポリマーBとの相溶性が良いことは、粘着剤層内におけるポリマーBの移動性向上を通じて、初期粘着力の低減および加熱後粘着力の向上に寄与し得るので好ましい。

0062

ポリマーBとして用いられるアクリル系ポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を50重量%以上含有するポリマー、すなわち該アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量のうち50重量%以上が(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるポリマーであり得る。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、材料の入手容易性や重合容易性の観点から、エステル末端に炭素数1〜22の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、すなわち(メタ)アクリル酸C1−22アルキルエステルが好ましく用いられ得る。(メタ)アクリル酸C1−22アルキルエステルの例としては、ポリマーAについて例示した(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸ヘンイコシルおよび(メタ)アクリル酸ベヘニルが挙げられる。モノマー成分全量のうち(メタ)アクリル酸C1−22アルキルエステルの割合は、例えば50重量%以上であってよく、60重量%以上でもよく、75重量%以上でもよく、85重量%以上でもよく、90重量%以上でもよく、95重量%以上でもよく、98重量%以上でもよい。ここに開示される技術におけるポリマーBは、一種または二種以上の(メタ)アクリル酸C1−22アルキルエステルからなる共重合体であり得る。

0063

いくつかの態様において、ポリマーBを形成するモノマー成分は、少なくともメチルメタクリレート(MMA)を含むことが好ましい。ポリマーBを形成するモノマー成分にMMAを含ませることにより、該ポリマーBの移動性を制御しやすくなる。このことは、初期粘着力の抑制および粘着力上昇比の向上の観点から有利となり得る。ポリマーBを形成するモノマー成分におけるMMAの割合は、例えば5重量%以上であってよく、10重量%以上でもよく、20重量%以上でもよく、25重量%以上でもよく、35重量%以上でもよい。いくつかの態様において、上記MMAの割合は、例えば40重量%超であってよく、50重量%超でもよく、55重量%超でもよい。上記MMAの割合の上限は、TBが100℃以下になるように設定することができる。上記MMAの割合は、通常は98重量%以下が適当であり、95重量%以下でもよく、90重量%以下でもよい。ポリマーBの移動性を高める観点から、上記MMAの割合を85重量%以下としてもよく、75重量%以下としてもよく、65重量%以下としてもよい。

0064

いくつかの態様において、ポリマーBを形成するモノマー成分は、少なくとも一種の(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルを含むことが好ましい。(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルを用いることにより、ポリマーAとの相溶性の向上、加熱後粘着力の向上等の効果が実現され得る。かかる効果を発揮しやすくする観点から、ポリマーBを形成するモノマー成分における(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルの割合は、例えば2重量%以上とすることができ、通常は5重量%以上が適当であり、10重量%以上でもよく、15重量%以上でもよく、20重量%以上でもよく、25重量%以上でもよい。同様の理由から、上記(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルの割合は、例えば90重量%以下であってよく、80重量%以下でもよく、75重量%以下でもよく、70重量%以下でもよく、65重量%以下でもよい。少なくとも一種のメタクリル酸C4−9アルキルエステルを用いることが特に好ましい。

0065

ここに開示される技術は、ポリマーBを形成するモノマー成分が一種または二種以上の(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとを組み合わせて含む態様で好ましく実施され得る。(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとを共重合させることにより、粘着剤層内におけるポリマーBの移動性を好適に調節し得る。メタクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとの組み合わせが特に好ましい。(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとの合計量は、ポリマーBを形成するモノマー成分全量のうち、例えば50重量%以上とすることができる。かかる態様によると、初期粘着力が抑制され、かつ粘着力上昇比の高い粘着シートが得られやすい。より高い効果を得る観点から、(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとの合計量は、ポリマーBを形成するモノマー成分全量の60重量%以上であってよく、75重量%以上でもよく、85重量%以上でもよく、90重量%以上でもよく、95重量%以上でもよく、98重量%以上でもよい。ポリマーBは、一種または二種以上の(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとからなる共重合体であってもよく、一種または二種以上のメタクリル酸C4−9アルキルエステルとMMAとからなる共重合体であってもよい。

0066

ポリマーBを形成するモノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のモノマーを含んでいてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のモノマーの一好適例として、エステル末端に直鎖または分岐鎖状のフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、すなわち(メタ)アクリル酸フッ化アルキルエステルが挙げられる。上記フッ化アルキル基とは、少なくとも1個の水素原子フッ素原子で置き換えられたアルキル基をいい、全部の水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキル基、すなわちパーフルオロアルキル基に限定されない。上記フッ化アルキル基の炭素原子数は、例えば1〜22であってよく、材料の入手容易性や重合容易性の観点から、通常は1〜12であることが好ましく、1〜9でもよく、2〜8でもよく、2〜6でもよい。

0067

ポリマーBを形成するモノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび(メタ)アクリル酸フッ化アルキルエステル以外のモノマーを含んでもよい。以下、そのようなモノマーを「その他モノマー」ともいう。ポリマーBを形成するモノマー成分に含まれ得る上記その他モノマーの例として、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート等の、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。

0068

ポリマーBを形成するモノマー成分に含まれ得る上記その他モノマーの他の例として、ポリマーAがアクリル系ポリマーである場合に用いられ得るモノマーとして例示したカルボキシ基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、水酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、アミド基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー、スクシンイミド骨格を有するモノマー、マレイミド類、イタコンイミド類、(メタ)アクリル酸アミノアルキル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、オレフィン類、芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、複素環含有(メタ)アクリレート、ハロゲン原子含有(メタ)アクリレート、テルペン化合物誘導体アルコールから得られる(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。

0069

ポリマーBを形成するモノマー成分に含まれ得る上記その他モノマーのさらに他の例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート;ポリオキシアルキレン骨格を有するモノマー、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレン鎖の一方の末端に(メタ)アクリロイル基、ビニル基アリル基等の重合性官能基を有し、他方の末端にエーテル構造(アルキルエーテル、アリールエーテルアリールアルキルエーテル等)を有する重合性ポリオキシアルキレンエーテル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の塩;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル等の多価(メタ)アクリレート:塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル等のハロゲン化ビニル化合物;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエチル等のアジリジン基含有モノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルラクトン類と(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの付加物等の水酸基含有ビニルモノマーフッ素置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の含フッ素ビニルモノマー;2−クロルエチルビニルエーテルモノクロロ酢酸ビニル等の反応性ハロゲン含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランアリルトリメトキシシラントリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシランのような有機ケイ素含有ビニルモノマー;その他、ビニル基を重合したモノマー末端ラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類;等を挙げることができる。

0070

上記その他モノマーを用いる場合における使用量は、特性のバランスをとりやすくする観点から、通常、ポリマーBを形成するモノマー成分全体の20重量%未満とすることが適当であり、10重量%以下でもよく、5重量%以下でもよい。

0071

ポリマーBは、例えば、上述したモノマーを、溶液重合法、エマルション重合法、バルク重合法、懸濁重合法、光重合法等の公知の手法により重合させることで作製することができる。

0072

ポリマーBの分子量を調整するために、必要に応じて連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤の例としては、オクチルメルカプタンラウリルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンメルカプトエタノール、α−チオグリセロール等のメルカプト基を有する化合物;チオグリコール酸チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステルネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル等のチオグリコール酸エステル類;α−メチルスチレンダイマー;等が挙げられる。連鎖移動剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。

0073

連鎖移動剤の使用量は、特に制限されず、所望の分子量を有するポリマーBが得られるように設定することができる。モノマー100重量部に対する連鎖移動剤の使用量は、例えば0.05重量部以上とすることができ、0.1重量部以上としてもよく、0.2重量部以下としてもよい、また、モノマー100重量部に対する連鎖移動剤の使用量は、通常、20重量部以上とすることが適当であり、15重量部以下としてもよく、10重量部以下としてもよい。このような連鎖移動剤の使用量によると、初期には低粘着性であって加熱により粘着力が大きく上昇する粘着シートの実現に適したポリマーBが得られやすい。

0074

特に限定するものではないが、ポリマーBの使用量は、ポリマーAの使用量100重量部に対して、通常、1重量部以上とすることが適当である。リワーク性向上等の観点から、ポリマーA100重量部に対するポリマーBの使用量は、例えば2重量部以上とすることができ、2.5重量部以上が好ましく、5重量部以上でもよく、8重量部以上でもよく、10重量部以上でもよく、15重量部以上でもよい。また、加熱後粘着力を高めやすくする観点から、ポリマーA100重量部に対するポリマーBの使用量は、通常、100重量部以下とすることが適当であり、80重量以下が好ましく、60重量部以下でもよく、50重量部以下でもよく、45重量部以下でもよく、35重量部以下でもよく、30重量部以下でもよい。

0075

(架橋剤)
粘着剤層には、凝集力の調整や初期粘着力の抑制等の目的で、必要に応じて架橋剤が用いられ得る。架橋剤としては、粘着剤の分野において公知の架橋剤を使用することができる。架橋剤の例としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤アジリジン系架橋剤、シランカップリング剤アルキルエーテル化メラミン系架橋剤金属キレート系架橋剤等が挙げられる。架橋剤の他の例として、一分子内に二以上の重合性官能基を有するモノマー、すなわち多官能性モノマーが挙げられる。架橋剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0076

イソシアネート系架橋剤の例としては、トリレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート水添キシリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートナフタリンジイソシアネートトリフェニルメタントリイソシアネートポリメチレンポリフェニルイソシアネート、および、これらとトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体を挙げることができる。あるいは、1分子中に少なくとも1つ以上のイソシアネート基と、1つ以上の不飽和結合を有する化合物、具体的には、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートなどもイソシアネート系架橋剤として使用することができる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0077

エポキシ系架橋剤としては、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテルポリエチレングリコールジグリシジルエーテルグリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリンジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0078

金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタンニッケルなど、キレート成分としてアセチレンアセト酢酸メチル乳酸エチルなどが挙げられる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0079

多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンエポキシアクリレートポリエステルアクリレートウレタンアクリレート、ブチルジオール(メタ)アクリレート、ヘキシルジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。

0080

初期の低粘着性と加熱後の強粘着性とをバランスよく両立する観点から、溶剤型の粘着剤組成物や水分散型の粘着剤組成物から形成される粘着剤層において好ましく採用し得る架橋剤の例として、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。光硬化性(例えば、紫外線硬化型)の粘着剤組成物から形成される粘着剤層では、架橋剤として多官能モノマーを好ましく採用し得る。多官能モノマーと他の架橋剤とを組み合わせて用いてもよい。

0081

多官能性モノマー以外の架橋剤を使用する場合におけるその使用量は、ポリマーA100重量部に対して0重量部を超える量であればよく、特に限定さない。架橋剤の使用量は、ポリマーA100重量部に対して、例えば0.01重量部以上とすることができ、0.05重量部以上とすることが好ましい。架橋剤の使用量の増大により、貼付け初期の粘着力が抑制され、リワーク性が向上する傾向にある。いくつかの態様において、ポリマーA100重量部に対する架橋剤の使用量は、0.1重量部以上であってもよく、0.5重量部以上であってもよく、1重量部以上であってもよい。一方、過度な凝集力向上によるタックの低下を避ける観点から、ポリマーA100重量部に対する架橋剤の使用量は、通常、15重量部以下とすることが適当であり、10重量部以下としてもよく、5重量部以下としてもよい。架橋剤の使用量が多過ぎないことは、粘着力上昇比の高い粘着シートを実現しやすくする観点からも有利となり得る。

0082

ここに開示される技術は、架橋剤として少なくともイソシアネート系架橋剤を用いる態様で好ましく実施され得る。イソシアネート系架橋剤と他の架橋剤とを組み合わせて用いてもよい。貼付け初期の良好なリワーク性と粘着力上昇後の強粘着性とを兼ね備えた粘着シートを実現しやすくする観点から、いくつかの態様において、ポリマーA100重量部に対するイソシアネート系架橋剤の使用量は、例えば0.1重量部以上5重量部以下とすることができ、0.3重量部以上4重量部以下としてもよく、0.5重量部以上3重量部以下としてもよい。

0083

特に限定するものではないが、粘着剤層がモノマー単位として水酸基含有モノマーを含む構成(例えば、ポリマーAを形成するモノマー成分が水酸基含有モノマーを含む構成)においてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、イソシアネート系架橋剤の使用量WNCOに対する水酸基含有モノマーの使用量WOHは、重量基準で、WOH/WNCOが2以上となる量とすることができる。このようにイソシアネート系架橋剤に対する水酸基含有モノマーの使用量を多くすることにより、貼付け初期の粘着力に対して加熱後粘着力を大きく上昇させるために適した架橋構造が形成され得る。いくつかの態様において、WOH/WNCOは、3以上であってよく、5以上であってもよく、10以上であってもよく、20以上であってもよく、30以上であってもよく、50以上であってもよい。WOH/WNCOの上限は特に制限されない。WOH/WNCOは、例えば500以下であってよく、200以下であってもよく、100以下であってもよい。

0084

上述したいずれかの架橋反応をより効果的に進行させるために、架橋触媒を用いてもよい。架橋触媒としては、例えばスズ系触媒(特にジラウリン酸ジオクチルスズ)を好ましく用いることができる。架橋触媒の使用量は特に制限されないが、例えば、ポリマーA100重量部に対して凡そ0.0001重量部〜1重量部とすることができる。

0085

架橋剤として多官能性モノマーを用いる場合におけるその使用量は、該多官能性モノマーの分子量や官能基数等により異なるが、通常は、ポリマーA100重量部に対して0.01重量部〜3.0重量部程度の範囲とすることが適当である。いくつかの態様において、多官能性モノマーの使用量は、ポリマーA100重量部に対して、例えば0.02重量部以上であってもよく、0.03重量部以上であってもよい。多官能性モノマーの使用量の増大により、貼付け初期の粘着力が抑制され、リワーク性が向上する傾向にある。一方、過度な凝集力向上によるタックの低下を避ける観点から、多官能性モノマーの使用量は、ポリマーA100重量部に対して2.0重量部以下であってよく、1.0重量部以下でもよく、0.5重量部以下でもよい。多官能性モノマーの使用量が多過ぎないことは、粘着力上昇比の高い粘着シートを実現しやすくする観点からも有利となり得る。

0086

粘着付与樹脂
粘着剤層には、必要に応じて粘着付与樹脂を含ませることができる。粘着付与樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系粘着付与樹脂テルペン系粘着付与樹脂フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂等が挙げられる。粘着付与樹脂は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。

0087

ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジンウッドロジントール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを重合、不均化、水添化などにより変性した変性ロジン重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンや、その他の化学的に修飾されたロジンなど)の他、各種のロジン誘導体などが挙げられる。
上記ロジン誘導体としては、例えば、
ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール系樹脂
未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物(未変性ロジンエステル)や、重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物(重合ロジンエステル、安定化ロジンエステル、不均化ロジンエステル、完全水添ロジンエステル、部分水添ロジンエステルなど)などのロジンエステル系樹脂
未変性ロジンや変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂
ロジンエステル系樹脂を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂
未変性ロジン、変性ロジン(重合ロジン、安定化ロジン、不均化ロジン、完全水添ロジン、部分水添ロジンなど)、不飽和脂肪酸変性ロジン系樹脂や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル系樹脂におけるカルボキシル基還元処理したロジンアルコール系樹脂;
未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等のロジン系樹脂(特に、ロジンエステル系樹脂)の金属塩などが挙げられる。

0088

テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。

0089

フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、各種フェノール類(例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノールレゾルシンなど)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂キシレンホルムアルデヒド系樹脂など)、上記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒付加反応させたレゾールや、上記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックなどが挙げられる。

0090

炭化水素系粘着付与樹脂の例としては、脂肪族系炭化水素樹脂芳香族系炭化水素樹脂脂肪族系環炭化水素樹脂脂肪族芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂クマロンインデン系樹脂等の各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。

0091

好ましく使用され得る重合ロジンエステルの市販品としては、荒川化学工業株式会社製の商品名「ペンセルD−125」、「ペンセルD−135」、「ペンセルD−160」、「ペンセルKK」、「ペンセルC」等が例示されるが、これらに限定されない。

0092

好ましく使用され得るテルペンフェノール系樹脂の市販品としては、ヤスハラケミカル株式会社製の商品名「YSポリスターS−145」、「YSポリスターG−125」、「YSポリスターN125」、「YSポリスターU−115」、荒川化学工業株式会社製の商品名「タマノル803L」、「タマノル901」、住友ベークライト株式会社製の商品名「スミライトレジンPR−12603」等が例示されるが、これらに限定されない。

0093

粘着付与樹脂の含有量は特に限定されず、目的や用途に応じて適切な粘着性能が発揮されるように設定することができる。ポリマーA100重量部に対する粘着付与樹脂の含有量(二種以上の粘着付与樹脂を含む場合には、それらの合計量)は、例えば5〜500重量部程度とすることができる。

0094

粘着付与樹脂としては、軟化点軟化温度)が凡そ80℃以上(好ましくは凡そ100℃以上、例えば凡そ120℃以上)であるものを好ましく使用し得る。上述した下限値以上の軟化点をもつ粘着付与樹脂によると、N80/N50≧5を満たす粘着シートが得られやすい。軟化点の上限は特に制限されず、例えば凡そ200℃以下(典型的には180℃以下)であり得る。なお、粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定することができる。

0095

その他、ここに開示される技術における粘着剤層は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、レベリング剤可塑剤軟化剤着色剤染料顔料等)、充填剤帯電防止剤老化防止剤紫外線吸収剤酸化防止剤光安定剤防腐剤等の、粘着剤に使用され得る公知の添加剤を必要に応じて含んでいてもよい。なお、シロキサンの含有を嫌う用途(例えば、電子機器の製造用途等)向けの粘着シートでは、シリコーン系の添加剤(例えば、シリコーン系のレベリング剤や消泡剤)の使用は避けることが望ましい。

0096

ここに開示される粘着シートを構成する粘着剤層は、粘着剤組成物の硬化層であり得る。すなわち、該粘着剤層は、水分散型、溶剤型、光硬化型、ホットメルト型等の粘着剤組成物を適当な表面に付与(例えば塗布)した後、硬化処理を適宜施すことにより形成され得る。二種以上の硬化処理(乾燥、架橋、重合、冷却等)を行う場合、これらは、同時に、または多段階にわたって行うことができる。モノマー成分の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を用いた粘着剤組成物では、典型的には、上記硬化処理として、最終的な共重合反応が行われる。すなわち、部分重合物をさらなる共重合反応に供して完全重合物を形成する。例えば、光硬化性の粘着剤組成物であれば、光照射が実施される。必要に応じて、架橋、乾燥等の硬化処理が実施されてもよい。例えば、光硬化性粘着剤組成物で乾燥させる必要がある場合は、乾燥後に光硬化を行うとよい。完全重合物を用いた粘着剤組成物では、典型的には、上記硬化処理として、必要に応じて乾燥(加熱乾燥)、架橋等の処理が実施される。

0097

粘着剤組成物の塗布は、例えば、グラビアロールコーターリバースロールコーターキスロールコーターディップロールコーターバーコーターナイフコータースプレーコーター等の慣用のコーターを用いて実施することができる。

0098

粘着剤層の厚さは特に限定されず、例えば1μm以上とすることができる。いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは、例えば3μm以上であってよく、5μm以上でもよく、8μm以上でもよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよく、20μm以上または20μm超でもよい。粘着剤層の厚さの増大により、加熱後粘着力が上昇する傾向にある。また、いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは、例えば300μm以下であってよく、200μm以下でもよく、150μm以下でもよく、100μm以下でもよく、70μm以下でもよく、50μm以下でもよく、40μm以下でもよい。粘着剤層の厚さが大きすぎないことは、粘着シートの薄型化や粘着剤層の凝集破壊防止等の観点から有利となり得る。なお、基材の第一面および第二面に第一粘着剤層および第二粘着剤層を有する粘着シートの場合、上述した粘着剤層の厚さは、少なくとも第一粘着剤層の厚さに適用され得る。第二粘着剤層の厚さも同様の範囲から選択され得る。また、基材レスの粘着シートの場合、該粘着シートの厚さは粘着剤層の厚さと一致する。

0099

特に限定するものではないが、粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率は、通常、20.0%〜99.0%の範囲にあることが適当であり、30.0%〜90.0%の範囲にあることが望ましい。ゲル分率を上記範囲とすることにより、貼付け初期のリワーク性と粘着力上昇後の強粘着性とを高レベルで両立する粘着シートを実現しやすくなる。ゲル分率は、以下の方法で測定される。

0100

[ゲル分率の測定]
約0.1gの粘着剤サンプル(重量Wg1)を平均孔径0.2μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜(重量Wg2)で巾着状に包み、口をタコ糸(重量Wg3)で縛る。上記多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜としては、商品名「ニトフロン登録商標NTF1122」(日東電工株式会社、平均孔径0.2μm、気孔率75%、厚さ85μm)またはその相当品を使用する。この包みを酢酸エチル50mLに浸し、室温(典型的には23℃)で7日間保持して粘着剤中のゾル分酢酸エチル可溶分)を上記膜外溶出させる。次いで、上記包みを取り出し、外表面に付着している酢酸エチルを拭き取った後、該包みを130℃で2時間乾燥させ、該包みの重量(Wg4)を測定する。各値を以下の式に代入することにより、粘着剤のゲル分率GCを算出することができる。
ゲル分率GC(%)=[(Wg4−Wg2−Wg3)/Wg1]×100

0101

<支持基材>
いくつかの態様に係る粘着シートは、支持基材の片面または両面に粘着剤層を備える基材付き粘着シートの形態であり得る。支持基材の材質は特に限定されず、粘着シートの使用目的や使用態様等に応じて適宜選択することができる。使用し得る基材の非限定的な例としては、ポリプロピレンエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンを主成分とするポリオレフィンフィルムポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等のポリエステルを主成分とするポリエステルフィルムポリ塩化ビニルを主成分とするポリ塩化ビニルフィルム等のプラスチックフィルムポリウレタンフォームポリエチレンフォームポリクロロプレンフォーム等の発泡体からなる発泡体シート;各種の繊維状物質、綿等の天然繊維、ポリエステル、ビニロン等の合成繊維アセテート等の半合成繊維、等であり得る。)の単独または混紡等による織布および不織布;和紙、上質紙クラフト紙、クレープ紙等の紙類アルミニウム箔銅箔等の金属箔;等が挙げられる。これらを複合した構成の基材であってもよい。このような複合基材の例として、例えば、金属箔と上記プラスチックフィルムとが積層した構造の基材、ガラスクロス等の無機繊維強化されたプラスチック基材等が挙げられる。

0102

ここに開示される粘着シートの基材としては、各種のフィルム基材を好ましく用いることができる。上記フィルム基材は、発泡体フィルムや不織布シート等のように多孔質の基材であってもよく、非多孔質の基材であってもよく、多孔質の層と非多孔質の層とが積層した構造の基材であってもよい。いくつかの態様において、上記フィルム基材としては、独立して形状維持可能な(自立型の、あるいは非依存性の)樹脂フィルムベースフィルムとして含むものを好ましく用いることができる。ここで「樹脂フィルム」とは、非多孔質の構造であって、典型的には実質的に気泡を含まない(ボイドレスの)樹脂フィルムを意味する。したがって、上記樹脂フィルムは、発泡体フィルムや不織布とは区別される概念である。上記樹脂フィルムとしては、独立して形状維持可能な(自立型の、あるいは非依存性の)ものが好ましく用いられ得る。上記樹脂フィルムは、単層構造であってもよく、二層以上の多層構造(例えば、三層構造)であってもよい。

0103

樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン6ナイロン66部分芳香族ポリアミド等のポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)等のフッ素樹脂アクリル樹脂ポリアクリレートポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂を用いることができる。上記樹脂フィルムは、このような樹脂の一種を単独で含む樹脂材料を用いて形成されたものであってもよく、二種以上がブレンドされた樹脂材料を用いて形成されたものであってもよい。上記樹脂フィルムは、無延伸であってもよく、延伸(例えば一軸延伸または二軸延伸)されたものであってもよい。

0104

樹脂フィルムを構成する樹脂材料の好適例として、ポリエステル系樹脂PPS樹脂およびポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ここで、ポリエステル系樹脂とは、ポリエステルを50重量%を超える割合で含有する樹脂のことをいう。同様に、PPS樹脂とはPPSを50重量%を超える割合で含有する樹脂のことをいい、ポリオレフィン系樹脂とはポリオレフィンを50重量%を超える割合で含有する樹脂のことをいう。

0105

ポリエステル系樹脂としては、典型的には、ジカルボン酸とジオールを重縮合して得られるポリエステルを主成分として含むポリエステル系樹脂が用いられる。ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。

0106

ポリオレフィン樹脂としては、一種のポリオレフィンを単独で、または二種以上のポリオレフィンを組み合わせて用いることができる。該ポリオレフィンは、例えばα−オレフィンのホモポリマー、二種以上のα−オレフィンの共重合体、一種または二種以上のα−オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体等であり得る。具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ−1−ブテンポリ−4−メチル−1−ペンテンエチレンプロピレンゴムEPR)等のエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。低密度(LD)ポリオレフィンおよび高密度(HD)ポリオレフィンのいずれも使用可能である。ポリオレフィン樹脂フィルムの例としては、無延伸ポリプロピレンCPP)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)フィルム、中密度ポリエチレン(MDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム、二種以上のポリエチレン(PE)をブレンドしたポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)をブレンドしたPP/PEブレンドフィルム等が挙げられる。

0107

ここに開示される粘着シートのベースフィルムとして好ましく利用し得る樹脂フィルムの具体例として、PETフィルムPENフィルムPPSフィルム、PEEKフィルム、CPPフィルムおよびOPPフィルムが挙げられる。強度や寸法安定性の観点から好ましいベースフィルムの例として、PETフィルム、PENフィルム、PPSフィルムおよびPEEKフィルムが挙げられる。基材の入手容易性等の観点からPETフィルムおよびPPSフィルムが特に好ましく、なかでもPETフィルムが好ましい。

0108

樹脂フィルムには、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤(染料、顔料等)、充填材スリップ剤アンチブロッキング剤等の公知の添加剤を、必要に応じて配合することができる。添加剤の配合量は特に限定されず、粘着シートの用途等に応じて適宜設定することができる。

0109

樹脂フィルムの製造方法は特に限定されない。例えば、押出成形インフレーション成形、Tダイキャスト成形カレンダーロール成形等の、従来公知の一般的な樹脂フィルム成形方法を適宜採用することができる。

0110

上記基材は、このようなベースフィルムから実質的に構成されたものであり得る。あるいは、上記基材は、上記ベースフィルムの他に、補助的な層を含むものであってもよい。上記補助的な層の例としては、光学特性調整層(例えば着色層反射防止層)、基材に所望の外観を付与するための印刷層ラミネート層帯電防止層下塗り層、剥離層等の表面処理層が挙げられる。

0111

基材の厚さは、特に限定されず、粘着シートの使用目的や使用態様等に応じて選択し得る。基材の厚さは、例えば1000μm以下であり得る。いくつかの態様において、粘着シートの取扱い性や加工性の観点から、基材の厚さは、例えば500μm以下であってよく、300μm以下であってもよく、250μm以下であってもよく、200μm以下であってもよい。粘着シートが適用される製品の小型化や軽量化の観点から、いくつかの態様において、基材の厚さは、例えば160μm以下であってよく、130μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、90μm以下であってもよく、70μm以下でもよく、50μm以下でもよく、25μm以下でもよく、10μm以下でもよく、5μm以下でもよい。基材の厚さが小さくなると、粘着シートの柔軟性や被着体の表面形状への追従性が向上する傾向にある。また、取扱い性や加工性等の観点から、基材の厚さは、例えば2μm以上であってよく、5μm以上でもよく、10μm以上でもよく、20μm以上でもよく、25μm以上または25μm超でもよい。いくつかの態様において、基材の厚さは、例えば30μm以上であってよく、35μm以上でもよく、55μm以上でもよく、75μm以上でもよく、120μm以上でもよい。例えば、被着体の補強、支持、衝撃緩和等の目的に使用され得る粘着シートにおいて、厚さ30μm以上の基材を好ましく採用し得る。

0112

基材の第一面には、必要に応じて、コロナ放電処理プラズマ処理紫外線照射処理酸処理アルカリ処理下塗り剤プライマー)の塗布による下塗り層の形成等の、従来公知の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、粘着剤層の基材への投錨性を向上させるための処理であり得る。例えば、樹脂フィルムをベースフィルムとして含む基材を備えた粘着シートにおいて、かかる投錨性向上処理が施された基材を好ましく採用し得る。上記表面処理は、単独でまたは組み合わせて適用することができる。下塗り層の形成に用いるプライマーの組成は特に限定されず、公知のものから適宜選択することができる。下塗り層の厚さは特に制限されないが、通常、0.01μm〜1μm程度が適当であり、0.1μm〜1μm程度が好ましい。必要に応じて基材の第一面に施され得る他の処理として、帯電防止層形成処理、着色層形成処理、印刷処理等が挙げられる。

0113

ここに開示される粘着シートが基材の第一面にのみ粘着剤層を有する片面粘着シートの形態である場合、基材の第二面には、必要に応じて、剥離処理帯電防止処理等の、従来公知の表面処理が施されていてもよい。例えば、基材の背面を剥離処理剤で表面処理することにより(典型的には、剥離処理剤による剥離層を設けることにより)、ロール状に巻回された形態の粘着シートの巻戻し力を軽くすることができる。剥離処理剤としては、シリコーン系剥離処理剤長鎖アルキル系剥離処理剤オレフィン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、脂肪酸アミド系剥離処理剤、硫化モリブデンシリカ粉等を用いることができる。また、印字性の向上、光反射性の低減、重ね貼り性向上等の目的で、基材の第二面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理等の処理が施されていてもよい。また、両面粘着シートの場合、基材の第二面には、必要に応じて、基材の第一面に施され得る表面処理として上記で例示したものと同様の表面処理が施されていてもよい。なお、基材の第一面に施される表面処理と第二面に施される表面処理とは、同一であってもよく異なってもよい。

0114

<粘着シート>
(粘着シートの特性等)
ここに開示される粘着シートは、粘着力N1(初期粘着力)に対する粘着力N2(加熱後粘着力)の比、すなわちN2/N1(粘着力上昇比)が2以上であることにより、貼付け初期には良好なリワーク性を示し得るとともに、その後の加熱等により粘着力を大きく上昇させることができる。リワーク性と使用時の強粘着性とをより高レベルで両立する観点から、N2/N1は、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。いくつかの態様において、粘着シートのN2/N1は、5以上でもよく、7以上でもよく、10以上でもよく、12以上でもよく、15以上でもよい。N2/N1の上限は、特に制限されない。粘着シートの製造容易性や経済性の観点から、いくつかの態様において、N2/N1は、例えば80以下であってよく、60以下でもよく、45以下でもよく、35以下でもよく、25以下でもよい。

0115

ここで、粘着力N1[N/25mm]は、被着体としてのステンレス鋼(SUS)板に圧着して23℃、50%RHの環境で30分間放置した後、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で180°引きはがし粘着力を測定することにより把握される。粘着力N2[N/25mm]は、被着体としてのSUS板に圧着して80℃で5分間加熱し、次いで23℃、50%RHの環境に30分間放置した後に、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で180°引きはがし粘着力を測定することにより把握される。被着体としては、粘着力N1、N2のいずれの測定においても、SUS304BA板が用いられる。測定にあたっては、必要に応じて、測定対象の粘着シートに適切な裏打ち材(例えば、厚さ25μm程度のPETフィルム)を貼り付けて補強することができる。粘着力N1、N2は、より具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。

0116

特に限定するものではないが、粘着力N1(初期粘着力)は、通常、10N/25mm以下であることが適当であり、10N/25mm未満であることが好ましい。リワーク性向上等の観点から、いくつかの態様において、粘着力N1は、8N/25mm未満であることが好ましく、7N/25mm未満でもよく、5N/25mm未満でもよく、3N/25mm未満でもよい。初期粘着力の下限は特に制限されず、例えば0.01N/25mm以上であり得る。被着体への貼付け作業性や、粘着力上昇前における位置ズレ防止の観点から、粘着力N1は、通常、0.1N/25mm以上であることが適当であり、0.3N/25mm以上であることが好ましい。より高い加熱後粘着力を得やすくする観点から、いくつかの態様において、初期粘着力は、例えば0.5N/25mm以上であってよく、0.7N/25mm以上でもよく、1N/25mm以上でもよく、1.2N/25mm以上でもよい。

0117

粘着力N2(加熱後粘着力)は、初期粘着力の2倍以上であればよく、特に限定されない。ここに開示される粘着シートによる接合信頼性を高める観点から、加熱後粘着力は、通常、3N/25mm以上であることが好ましく、4N/25mm以上であることがより好ましく、5N/25mm以上でもよく、7N/25mm以上でもよく、10N/25mm以上でもよく、15N/25mm以上でもよく、20N/25mm以上でもよい。加熱後粘着力の上限は特に制限されない。貼付け初期における良好なリワーク性との両立を容易とする観点から、いくつかの態様において、加熱後粘着力は、例えば70N/25mm以下であってよく、60N/25mm以下でもよく、50N/25mm以下でもよい。

0118

なお、本明細書において、粘着シートの加熱後粘着力は、該粘着シートの一特性を表すものであって、この粘着シートの使用態様を限定するものではない。言い換えると、ここに開示される粘着シートの使用態様は、80℃で5分間の加熱を行う態様に限定されず、例えば室温域(通常は20℃〜30℃、典型的には23℃〜25℃)以上に加熱する処理を特に行わない態様でも使用することができる。かかる使用態様においても長期的に粘着力が上昇し、強固な接合を実現することができる。また、ここに開示される粘着シートは、貼付け後の任意のタイミングで加熱処理を行うことによって粘着力の上昇を促進することができる。かかる加熱処理における加熱温度は、特に限定されず、作業性、経済性、粘着シートの基材や被着体の耐熱性等を考慮して設定することができる。上記加熱温度は、例えば150℃未満であってよく、120℃以下でもよく、100℃以下でもよく、80℃以下でもよく、70℃以下でもよい。また、上記加熱温度は、例えば35℃以上とすることができ、50℃以上でもよく、60℃以上でもよく、80℃以上でもよく、100℃以上でもよい。より高い加熱温度によると、より短時間の処理によって粘着力を上昇させ得る。加熱時間は特に限定されず、例えば1時間以下であってよく、30分以下であってもよく、10分以下でもよく、5分以下でもよい。あるいは、粘着シートや被着体に顕著な熱劣化が生じない限度で、より長期間の加熱処理を行ってもよい。なお、加熱処理は、一度に行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。

0119

(基材付き粘着シート)
ここに開示される粘着シートが基材付き粘着シートの形態である場合、該粘着シートの厚さは、例えば1000μm以下であってよく、600μm以下であってもよく、350μm以下でもよく、250μm以下でもよい。粘着シートが適用される製品の小型化、軽量化、薄型化等の観点から、いくつかの態様において、粘着シートの厚さは、例えば200μm以下であってよく、175μm以下であってもよく、140μm以下でもよく、120μm以下でもよく、100μm以下(例えば100μm未満)でもよい。また、粘着シートの厚さは、取扱い性等の観点から、例えば5μm以上であってよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよく、20μm以上でもよく、25μm以上でもよく、30μm以上でもよい。いくつかの態様において、粘着シートの厚さは、例えば50μm以上であってよく、60μm以上でもよく、80μm以上でもよく、100μm以上でもよく、130μm以上でもよい。粘着シートの厚さの上限は特に限定されない。
なお、粘着シートの厚さとは、被着体に貼り付けられる部分の厚さをいう。例えば図1に示す構成の粘着シート1では、粘着シート1の粘着面21Aから基材10の第二面10Bまでの厚さを指し、剥離ライナー31の厚さは含まない。

0120

ここに開示される粘着シートは、例えば、支持基材の厚さTsが粘着剤層の厚さTaより大きい態様、すなわちTs/Taが1より大きい態様で好適に実施され得る。特に限定するものではないが、Ts/Taは、例えば1.1以上であってよく、1.2以上であってもよく、1.5以上であってもよく、1.7以上であってもよい。例えば、被着体の補強、支持、衝撃緩和等の目的に使用され得る粘着シートにおいて、Ts/Taの増大により、粘着シートを薄型化しても良好な効果が発揮されやすくなる傾向にある。いくつかの態様において、Ts/Taは、2以上(例えば2より大)であってよく、3以上でもよく、4以上でもよい。また、Ts/Taは、例えば50以下とすることができ、20以下としてもよい。粘着シートを薄型化しても高い加熱後粘着力を発揮しやすくする観点から、Ts/Taは、例えば10以下であってよく、8以下であってもよい。

0121

粘着剤層は、支持基材に固着していることが好ましい。上記固着とは、被着体への貼付け後に粘着力が上昇した粘着シートにおいて、該粘着シートの被着体からの剥離時に粘着剤層と支持基材との界面での剥離が生じない程度に、粘着剤層が支持基材に対して十分な投錨性を示すことをいう。粘着剤層が支持基材に固着している基材付き粘着シートによると、被着体と支持基材とを強固に一体化することができる。このことによって、例えば、被着体の補強、支持、衝撃緩和等の機能を効果的に発揮することができる。粘着剤層が基材に固着している粘着シートの一好適例として、被着体への貼付け後、少なくとも3N/25mm、好ましくは5N/25mm以上、より好ましくは10N/25mm以上、例えば15N/25mm以上の粘着力(剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で測定される180°引きはがし粘着力)を発現しつつ上記被着体から剥離される際に、粘着剤層と支持基材との間での剥離(投錨破壊)が生じない粘着シートが挙げられる。加熱後粘着力が3N/25mm以上であって、該加熱後粘着力の測定時に投錨破壊が生じない粘着シートは、粘着剤層が基材に固着している粘着シートに該当する一好適例である。

0122

ここに開示される粘着シートは、例えば、液状の粘着剤組成物を基材の第一面に接触させることと、該第一面上で上記粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を形成することと、をこの順に含む方法により好ましく製造され得る。上記粘着剤組成物の硬化は、該粘着剤組成物の乾燥、架橋、重合、冷却等の一または二以上を伴い得る。このように液状の粘着剤組成物を基材の第一面上で硬化させて粘着剤層を形成する方法によると、硬化後の粘着剤層を基材の第一面に貼り合わせることで該第一面上に粘着剤層を配置する方法に比べて、粘着剤層の基材への投錨性を高めることができる。このことを利用して、粘着剤層が基材に固着した粘着シートを好適に製造することができる。

0123

いくつかの態様において、基材の第一面に液状の粘着剤組成物を接触させる方法としては、上記粘着剤組成物を基材の第一面に直接塗布する方法を採用することができる。基材の第一面上で硬化させた粘着剤層の第一面(粘着面)を剥離面に当接させることにより、該粘着剤層の第二面が基材の第一面に固着し、かつ該粘着剤層の第一面が剥離面に当接した構成の粘着シートを得ることができる。上記剥離面としては、剥離ライナーの表面や、剥離処理された基材背面等を利用し得る。

0124

また、例えば、モノマー成分の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を用いた光硬化型の粘着剤組成物の場合、例えば、該粘着剤組成物を剥離面に塗布した後、その塗布された粘着剤組成物に基材の第一面を被せることで未硬化の上記粘着剤組成物に基材の第一面に接触させ、その状態で、基材の第一面と剥離面との間に挟まれた粘着剤組成物に光照射を行って硬化させることで粘着剤層を形成してもよい。

0125

なお、上記で例示した方法は、ここに開示される粘着シートの製造方法を限定するものではない。ここに開示される粘着シートの製造にあたっては、基材の第一面に粘着剤層を固着させ得る適宜の方法を、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。そのような方法の例には、上述のように液状の粘着剤組成物を基材の第一面上で硬化させて粘着剤層を形成する方法や、基材の第一面に粘着剤層の投錨性を高める表面処理を施す方法等が挙げられる。例えば、基材の第一面に下塗り層を設ける等の手法により粘着剤層の基材への投錨性を十分に向上させ得る場合には、硬化後の粘着剤層を基材の第一面に貼り合わせる方法で粘着シートを製造してもよい。また、基材の材質の選択や、粘着剤の組成の選択によっても、粘着剤層の基材への投錨性を向上させ得る。また、基材の第一面上に粘着剤層を有する粘着シートに室温より高い温度を適用することにより、該粘着剤層の基材への投錨性を高めることができる。投錨性を高めるために適用する温度は、例えば35℃〜80℃程度であってよく、40℃〜70℃程度でもよく、45℃〜60℃程度でもよい。

0126

ここに開示される粘着シートが、基材の第一面に設けられた第一粘着剤層と、該基材の第二面に設けられた第二粘着剤層を有する粘着シート(すなわち、両面接着性の基材付き粘着シート)の形態である場合、第一粘着剤層と第二粘着剤層とは、同一の構成であってもよく、異なる構成であっていてもよい。第一粘着剤層と第二粘着剤層との構成が異なる場合、その相違は、例えば、組成の違いや構造(厚さ、表面粗さ、形成範囲形成パターン等)の違いであり得る。例えば、第二粘着剤層は、ポリマーBを含有しない粘着剤層であってもよい。また、第二粘着剤層の表面(第二粘着面)の粘着特性は、特に限定されない。例えば、第二粘着面の初期粘着力、加熱後粘着力および粘着力上昇比の各々は、上述した第一粘着面の特性と同程度であり得る。あるいは、第二粘着面は、第一粘着面とは異なる特性を示してもよい。例えば、第二粘着面の粘着力上昇比は、2未満であってもよく、1.5未満でもよく、1.2未満でもよく、1未満でもよい。

0127

<剥離ライナー付き粘着シート>
ここに開示される粘着シートは、粘着剤層の表面(粘着面)を剥離ライナーの剥離面に当接させた粘着製品の形態をとり得る。したがって、この明細書により、ここに開示されるいずれかの粘着シートと、該粘着シートの粘着面に当接する剥離面を有する剥離ライナーと、を含む剥離ライナー付き粘着シート(粘着製品)が提供され得る。

0128

剥離ライナーの厚さは、特に限定されないが、通常は5μm〜200μm程度が適当である。剥離ライナーの厚さが上記範囲内にあると、粘着剤層への貼り合わせ作業性と粘着剤層からの剥離作業性に優れるため、好ましい。いくつかの態様において、剥離ライナーの厚さは、例えば10μm以上であってよく、20μm以上でもよく、30μm以上でもよく、40μm以上でもよい。また、剥離ライナーの厚さは、粘着剤層からの剥離を容易化する観点から、例えば100μm以下であってよく、80μm以下でもよい。剥離ライナーには、必要に応じて、塗布型練り込み型蒸着型等の、公知の帯電防止処理が施されていてもよい。

0129

剥離ライナーとしては、特に限定されず、例えば、樹脂フィルムや紙(ポリエチレン等の樹脂がラミネートされた紙であり得る。)等のライナー基材の表面に剥離層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)のような低接着性材料により形成された樹脂フィルムからなる剥離ライナー等を用いることができる。表面平滑性に優れることから、ライナー基材としての樹脂フィルムの表面に剥離層を有する剥離ライナーや、低接着性材料により形成された樹脂フィルムからなる剥離ライナーを好ましく採用し得る。樹脂フィルムとしては、粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルムポリプロピレンフィルムポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエステルフィルム(PETフィルム、PBTフィルム等)、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。上記剥離層の形成には、例えば、シリコーン系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤、オレフィン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、脂肪酸アミド系剥離処理剤、硫化モリブデン、シリカ粉等の、公知の剥離処理剤を用いることができる。

0130

剥離層の厚さは特に制限されないが、通常は0.01μm〜1μm程度が適当であり、0.1μm〜1μm程度が好ましい。剥離層の形成方法は特に限定されず、使用する剥離処理剤の種類等に応じた公知の方法を適宜採用することができる。

0131

<用途>
この明細書により提供される粘着シートは、例えば、被着体に貼り合わせた後、室温でしばらくの間は粘着力が低く抑えられており、この間は良好なリワーク性を発揮することができるので、歩留りの抑制や該粘着シートを含む製品の高品質化に貢献し得る。また、上記粘着シートは、エージング(加熱、経時、これらの組合せ等であり得る。)により粘着力を大きく上昇させることができる。例えば、所望のタイミングで加熱することにより、粘着シートを被着体に強固に接着させることができる。これにより、例えば粘着シートを被着体に貼り合わせる工程を含む携帯型電子機器その他の電子機器の製造、あるいは自動車家電製品等の製造において、粘着シートの取り扱いの自由度が増す。したがって、上記粘着シートは、例えば電子機器、自動車、家電製品等における接合材として好適に使用することができる。また、例えば液晶ディスプレイプラズマディスプレイ有機ELディスプレイ等のような画像表示装置に用いられる光学フィルムの接着等の光学用途にも好ましく用いられ得る。ここに開示される粘着シートは、上述の光学フィルムを基材(支持基材)として用いた構成であってもよい。

0132

この明細書により開示される事項には、以下のものが含まれる。
(1)粘着剤層を含む粘着シートであって、
上記粘着剤層は、ポリマーAおよびポリマーBを含み、
上記ポリマーAのガラス転移温度(TA)は0℃未満であり、
上記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は0℃以上100℃以下であり、
上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーの割合が10重量%未満であり、
ステンレス鋼板に貼り合わせて23℃で30分間経過後の粘着力N1が10N/25mm以下であり、かつ
ステンレス鋼板に貼り合わせて80℃で5分間加熱した後に23℃で30分間経過後の粘着力N2が上記粘着力N1の2倍以上である、粘着シート。
(2) 上記ポリマーAはアクリル系ポリマーである、上記(1)に記載の粘着シート。
(3) 上記ポリマーBの重量平均分子量は1×104以上10×104以下である、上記(1)または(2)に記載の粘着シート。
(4) 上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、非環式モノマーの割合が50重量%以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート。
(5) 上記ポリマーBは、上記ポリマーAと架橋反応を生じる官能基を含まないポリマーである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート。
(6) 上記ポリマーBはアクリル系ポリマーである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート。
(7) 上記ポリマーBのガラス転移温度(TB)は上記ポリマーAのガラス転移温度(TA)より30℃以上高い、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着シート。
(8) 上記粘着剤層は、上記ポリマーA100重量部に対して上記ポリマーBを1重量部以上100重量部以下含む、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着シート。

0133

(9) 上記ポリマーAを調製するためのモノマー成分は、水酸基含有モノマーを含む、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の粘着シート。
(10) 上記ポリマーAを調製するためのモノマー成分は、N−ビニル環状アミドおよび水酸基含有モノマーを含む、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の粘着シート。
(11) 上記ポリマーAを調製するためのモノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50重量%以上含む、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の粘着シート。
(12) 上記粘着剤層にはイソシアネート系架橋剤が用いられている、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の粘着シート。
(13) 上記粘着剤層には多官能性モノマーが用いられている。上記(1)〜(12)のいずれかに記載の粘着シート。

0134

(14) 上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、ポリオルガノシロキサン骨格を有するモノマーの割合が1重量%未満である、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の粘着シート。
(15) 上記ポリマーBを形成するモノマー成分は、50重量%以上が(メタ)アクリル酸アルキルエステルである、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の粘着シート。
(16) 上記ポリマーBを調製するためのモノマー成分は、(メタ)アクリル酸C1−22アルキルエステルの割合が85重量%以上である、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の粘着シート。
(17) 上記ポリマーBを調製するためのモノマー成分は、メチルメタクリレートを含む、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の粘着シート。
(18) 上記ポリマーBを調製するためのモノマー成分は、(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルおよびメチルメタクリレートを含む、上記(1)〜(17)のいずれかに記載の粘着シート。
(19) 上記(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルとメチルメタクリレートとの合計量は、上記ポリマーBを調製するためのモノマー成分の85重量%以上である、上記(18)に記載の粘着シート。
(20) 上記粘着剤層の厚さが3μm以上100μm以下である、上記(1)〜(19)のいずれかに記載の粘着シート。
(21) 第一面および第二面を有する支持基材を備え、該支持基材の少なくとも上記第一面に上記粘着剤層が積層されている、上記(1)〜(20)のいずれかに記載の粘着シート。
(22) 上記支持基材の厚さは30μm以上である、上記(21)に記載の粘着シート。
(23) 上記粘着力N1が3N/25mm未満である、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の粘着シート。
(24) 上記粘着力N2が5N/25mm以上である、上記(1)〜(23)のいずれかに記載の粘着シート。

0135

以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。

0136

<ポリマーAの調製>
(ポリマーA1)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管および冷却器を備えた4つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)15部、メチルメタクリレート(MMA)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)15部、および重合溶媒として酢酸エチル200部を仕込み、60℃にて窒素雰囲気下で2時間撹拌した後、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を投入し、60℃で6時間反応を行って、ポリマーA1の溶液を得た。このポリマーA1のMwは110万であった。ポリマーA1のモノマー成分の組成から算出されるTgは−38.3℃である。

0137

(ポリマーA2)
2EHA86部と、NVP14部と、光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.05部および1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.05部とを混合し、窒素雰囲気下で紫外線を照射することにより、部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)の形態でポリマーA2を調製した。ポリマーA2のモノマー成分の組成から算出されるTgは−58.6℃である。

0138

<ポリマーBの調製>
(ポリマーb1)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、酢酸エチル100部、MMA20部、n−ブチルメタクリレート(BMA)30部、2−エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)50部および連鎖移動剤としてα−チオグリセロール0.8部を投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間撹拌した後、熱重合開始剤としてAIBN0.2部を投入し、70℃で2時間反応させた後に、熱重合開始剤としてAIBN0.1重量部を投入し、続いて80℃で5時間反応させた。このようにしてポリマーb1の溶液を得た。このポリマーb1のMwは1.9×104であった。

0139

(ポリマーb2〜b7)
モノマー成分の組成を表1に示すように変更し、α−チオグリセロールの使用量を適宜調節した他は、ポリマーb1の調製と同様にしてポリマーb2〜b7を調製した。各ポリマーのMwは、ポリマーb2が1.9×104、ポリマーb3が1.9×104、ポリマーb4が2.05×104、ポリマーb5が2.1×104、ポリマーb6が2.1×104、ポリマーb7が0.5×104であった。なお、表1において、DCPMAは、ジシクロペンタニルメタクリレートを表す。

0140

(ポリマーb8〜b12)
モノマー成分の組成を表2に示すように変更し、Mwが1.5×104〜2.5×104の範囲となるようにα−チオグリセロールの使用量を調節した他は、ポリマーb1の調製と同様にしてポリマーb8〜b12を調製した。各ポリマーのMwは、ポリマーb8が2.05×104、ポリマーb9が1.99×104、ポリマーb10が2.09×104、ポリマーb11が2.05×104、ポリマーb12が2.22×104であった。なお、表2において、STAはステアリルアクリレート、iSTAはイソステアリルアクリレート、SMAはステアリルメタクリレート、iSMAはイソステアリルメタクリレート、4Fは2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート(大阪有機化学工業製、商品名「ビスコート4F」)を表す。

0141

(ポリマーb13)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、酢酸エチル100部、オキシエチレン単位平均付加モル数が9であるメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油株式会社製、商品名「ブレンマーPME−400」)100部および連鎖移動剤としてチオグリコール酸メチル3部を投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤としてAIBN0.2部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で5時間反応させることにより、上記PME−400の単独重合体であるポリマーb13を得た。Mwは4300であった。

0142

上述した各ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー社製、HLC−8220GPC)を用いて下記の条件で測定を行い、ポリスチレン換算により求めた。
[GPC条件]
サンプル濃度:0.2wt%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF・流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ-H(1本)+TSKgel SuperHZM-H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH-RC(1本)
検出器示差屈折計RI

0143

<粘着シートの作製>
(例1)
上記ポリマーA1の溶液に、該溶液に含まれるポリマーA1の100部当たり、ポリマーb1を40部、イソシアネート系架橋剤(商品名:タケネートD110N、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート、三井化学社製)を2.5部添加し、均一に混合して粘着剤組成物C1を調製した。
支持基材としての厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「ルミラー」)の第一面に粘着剤組成物C1を直接塗布し、110℃で2分間加熱して乾燥させることにより、上記支持基材の第一面上に厚さ25μmの粘着剤層が積層された形態の粘着シート(基材付き片面粘着シート)を得た。この粘着シートの粘着面に剥離ライナーR1の剥離面を貼り合わせて剥離ライナー付き粘着シートの形態とした。剥離ライナーR1としては、三菱ケミカル社製の商品名「ダイアホイルMRF」(ポリエステルフィルムの片面がシリコーン系剥離処理剤による剥離面となっている剥離ライナー、厚さ38μm)を使用した。

0144

(例2〜例20)
ポリマーBの種類および使用量を表1に示すように変更した他は粘着剤組成物C1の調製と同様にして、粘着剤組成物C2〜C20を調製した。得られた粘着剤組成物C2〜C20をそれぞれ使用した他は例1に係る粘着シートの作製と同様にして、例2〜例20に係る粘着シートを作製した。

0145

(例21)
上記で調製したアクリル系ポリマーA2(アクリル系ポリマーシロップ)100部に対し、ポリマーb13部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「TMPTA」)0.1部を添加し、均一に混合して粘着剤組成物C21を調製した。
この粘着剤組成物C21を剥離ライナーR1の剥離面に塗布して塗布層を形成した。次いで、上記塗布層の表面に剥離ライナーR2を、その剥離面が上記塗布層側になるようにして被せることにより、上記塗布層を酸素から遮断した。剥離ライナーR2としては、三菱樹脂株式会社製の商品名「ダイアホイルMRE」(ポリエステルフィルムの片面がシリコーン系剥離処理剤による剥離面となっている剥離ライナー、厚さ38μm)を使用した。この積層シート(剥離ライナーR1/塗布層/剥離ライナーR2の積層構造を有する。)にケミカルライトランプ((株)東製))を用いて照度5mW/cm2の紫外線を360秒間照射することにより、上記塗布層を硬化させて厚さ25μmの粘着剤層を形成した。なお、上記照度の値は、ピーク感度波長約350nmの工業用UVチェッカー(トプコン社製、商品名「UVR−T1」、受光型式UD−T36)による測定値である。
得られた粘着剤層から剥離ライナーR1を剥がし、露出した粘着面に支持基材としての厚さ125μmのPETフィルム(東レ社製、商品名「ルミラー」)の第一面を貼り合わせることにより、上記支持基材の第一面上に厚さ25μmの粘着剤層が積層された形態の粘着シート(基材付き片面粘着シート)を得た。この粘着シートは、粘着面(粘着剤層の、支持基材に貼り合わされた側とは反対側の表面)上に剥離ライナーR2を有する剥離ライナー付き粘着シートを構成している。

0146

対SUS粘着力の測定>
各例に係る粘着シートを剥離ライナーごと25mm幅裁断したものを試験片とし、トルエン清浄化したSUS板(SUS304BA板)を被着体として、以下の手順で初期粘着力および加熱後粘着力を測定した。
(初期粘着力(N1)の測定)
23℃、50%RHの標準環境下にて、各試験片の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、露出した粘着面を被着体に、2kgのローラを1往復させて圧着した。このようにして被着体に圧着した試験片を上記標準環境下に30分間放置した後、万能引張圧縮試験機(装置名「引張圧縮試験機、TCM−1kNB」ミネベア社製)を使用して、JIS Z0237に準じて、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で、180°引きはがし粘着力(上記引張りに対する抵抗力)を測定した。測定は3回行い、それらの平均値を初期粘着力(N1)とした。
(加熱後粘着力(N2)の測定)
初期粘着力の測定と同様にして被着体に圧着した試験片を、80℃で5分間加熱し、次いで上記標準環境下に30分間放置した後に、同様に180°引きはがし粘着力を測定した。測定は3回行い、それらの平均値を加熱後粘着力(N2)とした。
(粘着力上昇比(N2/N1)の算出)
上記測定により得られた初期粘着力(N1)および加熱後粘着力(N2)に基づいて、粘着力上昇比(N2/N1)を算出した。

0147

得られた結果を表1〜3に示す。これらの表には、ポリマーb1〜b12の調製に使用したモノマー成分の組成に基づいて算出したTgの値を併せて示している。Tgの算出にあたり、各モノマーの単独重合体のTgとしては、それぞれ以下の値を使用した。
MMA:105℃、BMA:20℃、2EHA:−70℃、2EHMA:−10℃、STA:30℃、iSTA:−18℃、SMA:38℃、iSMA:30℃、DCPMA:175℃、4F:−4℃、PME−400:−69℃。

0148

0149

0150

0151

これらの表に示されるように、例2〜11および例13〜20に係る粘着シートは、初期にはリワーク可能な低粘着性を示し、加熱により粘着力が大きく上昇するものであった。これに対して、例1および例12の粘着シートは初期粘着力が高いためリワーク性に欠け、例21の粘着シートは加熱による粘着力上昇性が不十分であった。

実施例

0152

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

0153

1,2,3粘着シート
10支持基材
10A 第一面
10B 第二面
21粘着剤層(第一粘着剤層)
21A粘着面(第一粘着面)
21B 粘着面(第二粘着面)
22 粘着剤層(第二粘着剤層)
22A 粘着面(第二粘着面)
31,32剥離ライナー
100,200,300剥離ライナー付き粘着シート(粘着製品)

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