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図面 (1)

課題

白斑白髪を予防又は改善することができる物質の提供。

解決手段

ケミカルシャペロンを有効成分とする白斑の予防又は改善剤

概要

背景

白斑は、メラノサイトが減少又は消失することによって、皮膚が脱色する疾患である。白斑をもたらす因子としては、免疫異常、酸化ストレス化学物質などがある。白斑を誘導する化学物質としては、白斑患者の皮膚の色むら軽減に使用されているモノベンゾンの他、ロドデンドロール(ロドデノール)が知られている。一方で、これらの因子が白斑におけるメラノサイトの減少又は消失を引き起こす詳しい機序は明らかにされていない。

従来、白斑の治療には、副腎皮質ステロイド外用薬が最も汎用されており、その他、活性型ビタミンD3外用薬、タクロリムス軟膏等の薬物や、紫外線療法が使用されている。ロドデンドロール誘導性の白斑に対しても同様の治療が試みられているが、その効果については、例えばステロイド外用薬を処方された患者のうち効果があった者は4割程度であったことが報告されており、十分とは言い難い。特許文献1には、オスモライト又はそれらの前駆体及び誘導体の群からの1種もしくはそれ以上の化合物を含む活性成分が、老化皮膚恒常性逸脱を非常に特別に改良し、水に対する表皮障壁を維持するために絶えず再生されなければならない脂質及び蛋白質の皮膚自身による代謝を刺激すること、該活性成分の局所適用により白斑を含む様々な皮膚症状処置及び予防できることが記載されている。しかし、当該活性成分に実際それらの生理効果があることは、特許文献1では報告されていない。

一方、特許文献2〜3には、ラノスタン型トリテルペノイド誘導体又は植物抽出物を有効成分とするアポトーシス抑制剤を、白斑や白髪の予防又は改善に使用することが記載されている。

概要

白斑や白髪を予防又は改善することができる物質の提供。ケミカルシャペロンを有効成分とする白斑の予防又は改善剤。なし

目的

本発明は、白斑や白髪を予防又は改善することができる物質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ケミカルシャペロンを有効成分とする白斑の予防又は改善剤

請求項2

前記ケミカルシャペロンが、浸透圧調節物質、ならびに胆汁酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1記載の予防又は改善剤。

請求項3

前記浸透圧調節物質が、アミノ酸及びその誘導体メチルアミン及びその誘導体、ならびに多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2記載の予防又は改善剤。

請求項4

前記ケミカルシャペロンが、タウリントリメチルアミン−N−オキサイドベタイン塩化カルニチンミオイノシトールトレハロースウルソデオキシコール酸及びその塩、ならびにタウロウルソデオキシコール酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項記載の予防又は改善剤。

請求項5

前記白斑が化学物質誘導性白斑である、請求項1〜4のいずれか1項記載の予防又は改善剤。

請求項6

前記化学物質がロドデンドロールである、請求項5記載の予防又は改善剤。

技術分野

0001

本発明は、白斑の予防又は改善剤に関する。

背景技術

0002

白斑は、メラノサイトが減少又は消失することによって、皮膚が脱色する疾患である。白斑をもたらす因子としては、免疫異常、酸化ストレス化学物質などがある。白斑を誘導する化学物質としては、白斑患者の皮膚の色むら軽減に使用されているモノベンゾンの他、ロドデンドロール(ロドデノール)が知られている。一方で、これらの因子が白斑におけるメラノサイトの減少又は消失を引き起こす詳しい機序は明らかにされていない。

0003

従来、白斑の治療には、副腎皮質ステロイド外用薬が最も汎用されており、その他、活性型ビタミンD3外用薬、タクロリムス軟膏等の薬物や、紫外線療法が使用されている。ロドデンドロール誘導性の白斑に対しても同様の治療が試みられているが、その効果については、例えばステロイド外用薬を処方された患者のうち効果があった者は4割程度であったことが報告されており、十分とは言い難い。特許文献1には、オスモライト又はそれらの前駆体及び誘導体の群からの1種もしくはそれ以上の化合物を含む活性成分が、老化皮膚恒常性逸脱を非常に特別に改良し、水に対する表皮障壁を維持するために絶えず再生されなければならない脂質及び蛋白質の皮膚自身による代謝を刺激すること、該活性成分の局所適用により白斑を含む様々な皮膚症状処置及び予防できることが記載されている。しかし、当該活性成分に実際それらの生理効果があることは、特許文献1では報告されていない。

0004

一方、特許文献2〜3には、ラノスタン型トリテルペノイド誘導体又は植物抽出物を有効成分とするアポトーシス抑制剤を、白斑や白髪の予防又は改善に使用することが記載されている。

先行技術

0005

特表2004−536838号公報
特開2005−068061号公報
特開2002−080382号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、白斑や白髪を予防又は改善することができる物質を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、ケミカルシャペロンとして知られる一連の物質により、ロドデンドロールにより引き起こされるメラノサイトの細胞生存率の低下が抑制されること、したがって、当該物質により、メラノサイトの減少によりもたらされる白斑や白髪を予防又は改善することができることを見出した。

0008

したがって、本発明は、ケミカルシャペロンを有効成分とする白斑の予防又は改善剤を提供する。
また本発明は、ケミカルシャペロンを有効成分とする白髪の予防又は改善剤を提供する。
また本発明は、ケミカルシャペロンを有効成分とするメラノサイトの傷害又は死滅抑制剤を提供する。

発明の効果

0009

本発明の有効成分は、化学物質等の白斑をもたらす因子によるメラノサイトの傷害又は死滅を抑制する作用を有し、白斑や白髪の予防又は改善に有用である。

図面の簡単な説明

0010

ロドデンドロール存在下でのメラノサイトの細胞生存率に対する試験物質の影響。図中の濃度は培養物中での最終濃度を表す。

0011

本明細書においては、「ケミカルシャペロン」とは、タンパク質高次構造の形成や安定化に関わる低分子化合物をいう。ケミカルシャペロンには、大きく分けて浸透圧調節物質及び胆汁酸の2群がある。浸透圧調節物質としては、アミノ酸及びその誘導体、メチルアミン及びその誘導体、多価アルコールなどが挙げられる(Prion,8(2):197−202,2014)。アミノ酸及びその誘導体としては、遊離アミノ酸又はその塩、タウリンなどが挙げられる。メチルアミン及びその誘導体としては、トリメチルアミン−N−オキサイド(TMAO)、ベタイン塩化カルニチンなどが挙げられる。多価アルコールとしては、ミオイノシトールトレハロースなどが挙げられる。胆汁酸としては、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などが挙げられる。また、胆汁酸として、胆汁酸の塩を用いてもよい。該塩は、生理的に許容される塩であればよい。

0012

本発明で有効成分として使用されるケミカルシャペロンは、上記に挙げたもののうち、いずれか1種又はいずれか2種以上の組み合わせであればよい。好ましくは、本発明で有効成分として使用されるケミカルシャペロンは、浸透圧調節物質、ならびに胆汁酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、そして該浸透圧調節物質は、好ましくは、アミノ酸及びその誘導体、メチルアミン及びその誘導体、ならびに多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種である。さらに好ましくは、本発明で有効成分として使用されるケミカルシャペロンは、タウリン、トリメチルアミン−N−オキサイド、ベタイン、塩化カルニチン、ミオイノシトール、トレハロース、ウルソデオキシコール酸及びその塩、ならびにタウロウルソデオキシコール酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である。

0013

上述したケミカルシャペロンは、後記実施例に示すように、ロドデンドロール存在下でのメラノサイトの細胞生存率の低下を抑制する作用を有する。メラノサイトの生存率が改善されれば、メラノサイトの減少又は消失が抑えられ、ひいては白斑や白髪の発症を予防し又はそれらを改善することができる。

0014

したがって、本発明は、メラノサイトの傷害又は死滅の抑制剤、白斑の予防又は改善剤、及び白髪の予防又は改善剤(以下、まとめて本発明の剤ともいう)を提供する。これらの本発明の剤は、ケミカルシャペロンを有効成分として含有する。

0015

本発明の剤により抑制されるメラノサイトの傷害又は死滅は、生体内で生成する活性酸素ラジカル等による酸化ストレスによるメラノサイトの傷害又は死滅であり、該酸化ストレスを誘導する要因としては、化学物質への暴露紫外線照射が挙げられる。好ましくは、本発明の剤により抑制されるメラノサイトの傷害又は死滅は、化学物質誘導性の傷害又は死滅である。該化学物質としては、例えばロドデンドロール、モノベンゾンなどが挙げられる。より好ましくは、本発明の剤は、ロドデンドロール誘導性のメラノサイトの傷害又は死滅を抑制する。

0016

好ましくは、本発明の剤により予防又は改善される白斑は、化学物質誘導性の白斑である。該化学物質としては、例えばロドデンドロール、モノベンゾンなどが挙げられる。より好ましくは、本発明の剤は、ロドデンドロール誘導性の白斑を予防又は改善する。例えば、本発明の剤は、ロドデンドロール誘導性の白斑の発生を抑制する。また例えば、本発明の剤は、ロドデンドロール誘導性の白斑が生じた皮膚の色を改善する。あるいは、本発明の剤は、モノベンゾン等の適用によって生じた白斑や過剰な皮膚の脱色を軽減することができる。

0017

本発明の剤は、有効成分としてケミカルシャペロンのみを含んでいてもよく、又は、該ケミカルシャペロンの機能が失われない限りにおいて、さらにメラノサイトの傷害又は死滅の抑制、あるいは白斑や白髪の予防又は改善のための他の有効成分、例えばアポトーシス抑制剤、メラニン産生促進剤など、を含有していてもよい。例えば、本発明の剤は、メラノサイトの傷害又は死滅の抑制、白斑の予防又は改善、あるいは白髪の予防又は改善のための組成物であり得る。あるいは、本発明の剤は、メラノサイトの傷害又は死滅の抑制、白斑の予防又は改善、あるいは白髪の予防又は改善のための組成物に対して、当該機能を付与するための有効成分として使用され得る。

0018

本発明により提供されるメラノサイトの傷害又は死滅の抑制、白斑の予防又は改善、あるいは白髪の予防又は改善のための組成物としては、例えば、医薬品、医薬部外品化粧品などが挙げられる。当該組成物は、ケミカルシャペロンを有効成分として含有する。さらに、当該組成物は、該ケミカルシャペロンの有効成分としての機能が失われない限りにおいて、必要に応じて他の成分(例えば、薬学的に又は化粧料に許容される担体、上述した他の有効成分、その他の薬理成分もしくは化粧成分等)を含有していてもよい。

0019

当該組成物の投与形態は任意であり、経口投与及び非経口投与の何れであってもよい。経口投与のための剤型としては、錠剤顆粒剤散剤カプセル剤のような固形製剤、ならびにエリキシルシロップ、懸濁液のような液体製剤が挙げられる。非経口投与のための剤型としては、皮膚外用経皮、経粘膜経鼻経腸、注射、坐剤、注射、吸入貼付等の各製剤が挙げられる。

0020

好適には、当該組成物は皮膚外用剤の形態であり、より具体的には、軟膏、乳化液クリーム乳液ローションジェルエアゾール等の種々の形態であり得る。また、当該化粧品の好ましい例としては、顔又はボディ用の洗浄料、頭部(頭髪又は頭皮)用の洗浄料(例えばシャンプーリンスコンディショナーなど)、顔、ボディ、又は頭部用の化粧料(例えば、ローション、ゲル、クリーム、パックなど)、メークアップ用化粧料ヘアカラー又は白髪染め、などが挙げられる。

0021

当該組成物は、有効成分であるケミカルシャペロンを、必要に応じて上述した他の成分(薬学的に又は化粧料に許容される担体、上述した他の有効成分、その他の薬理成分、化粧成分等)と組みあわせて、常法に従って製造することができる。当該薬学的に又は化粧料に許容される担体としては、例えば、各種油剤、界面活性剤ゲル化剤緩衝剤防腐剤酸化防止剤溶剤分散剤キレート剤増粘剤紫外線吸収剤乳化安定剤pH調整剤色素香料等が挙げられる。当該その他の薬理成分もしくは化粧成分としては、例えば、植物抽出物、殺菌剤保湿剤抗炎症剤抗菌剤角質溶解剤清涼剤、抗脂漏剤、洗浄剤、メークアップ成分等が挙げられる。

0022

本発明の剤及び組成物において、有効成分であるケミカルシャペロンの含有量は、投与に用いる剤の形態に応じて異なるため一概には言えないが、例えば皮膚外用に用いる剤及び組成物であれば、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、かつ、50質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。あるいは、本発明の皮膚外用剤におけるケミカルシャペロンの含有量は、0.001〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜20質量%であり、さらに好ましくは0.01〜10質量%である。なお、有効成分が塩(例えば胆汁酸塩)の形態である場合、その含有量は、対応する遊離体(例えば遊離胆汁酸)の含有量に換算するものとする。

0023

本発明の剤を適用する対象としては、メラノサイトのアポトーシス抑制、白斑の予防又は改善、あるいは白髪の予防又は改善を所望するヒト及び非ヒト動物が挙げられる。非ヒト動物としては、非ヒト哺乳動物などが挙げられ、非ヒト哺乳動物としては、例えば、類人猿、その他霊長類マウスラットハムスターウマウシブタヒツジヤギイヌネコ、およびコンパニオン動物などが挙げられる。

0024

本発明の剤は、治療目的で使用されてもよく、又は非治療目的で使用されてもよい。治療目的での使用の例としては、白斑患者に対する使用が挙げられる。非治療目的での使用の例としては、美容目的での白斑や白髪の予防又は軽減のための使用が挙げられる。

0025

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。

0026

市販のヒト表皮由来正常メラノサイトを、Human Melanocyte Growth Supplement(HMGS;Life Technologies)を含有するMCDB153HA培地に2.0×105cells/mLで懸濁し、24穴又は96穴カルチャープレートに0.5又は0.1mL/wellで播種した。細胞を37℃、5%CO2で2日間培養したのち、各種濃度のロドデンドロール(東京化成工業社)及び試験物質を培養物に添加した。24時間後、細胞生存率を評価した。試験物質には以下の化合物を用い、培地にて所定濃度となるように希釈して使用した:タウリン(シグマアルドリッチ社)、トリメチルアミン−N−オキサイド(TMAO)(シグマアルドリッチ社)、ベタイン(シグマアルドリッチ社)、塩化カルニチン(金剛化学社)、ミオイノシトール(シグマアルドリッチ社)、トレハロース(Treh)(シグマアルドリッチ社)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)(シグマアルドリッチ社)、及びタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)(メルクミリポア社)。細胞生存率の測定は、WST−8法により行った。すなわち、Hepesバッファーで細胞を1回洗浄した後、10分の1量のCell count reagentSF(Nacalai tesque)を混合したHepesバッファーを加え、37℃下でインキュベートした。得られた反応液における蛍光値(Excitation/Emission=560/590nm)をプレートリーダーで測定した。

実施例

0027

細胞生存率の測定結果図1に示す。試験物質非存在下では、0.1mM又はそれ以上の濃度のロドデンドロール(RD)は、ロドデンドロール無添加と比べて、メラノサイトの細胞生存率を50%以下に低下させた。一方、このロドデンドロールによる細胞生存率の低下は、試験物質の添加により抑制された。特に、100mMタウリン、100mMのTMAO、100mMベタイン、10mM塩化カルニチン、50〜150mMミオイノシトール、100mMトレハロース、1mMのUDCA、及び1〜3mMのTUDCAについて、細胞生存率への効果が明らかに観察された。これらの結果から、ロドデンドロールによるメラノサイトの傷害や減少が試験物質により抑制されたことが示された。

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