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技術 モード間損失差補償用ファイバ、光増幅器、および伝送路設計方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 山下陽子和田雅樹松井隆中島和秀
出願日 2018年8月7日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-148082
公開日 2020年2月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-024271
状態 未査定
技術分野 光通信システム レーザ(2) 光ファイバ、光ファイバ心線
主要キーワード マルチコア構造 各伝搬モード 伝搬モード数 多値位相変調信号 コアプロファイル ステップ形状 マルチモード伝送 容量拡大
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、モード間損失差を低減できるモード間損失差補償用ファイバ光増幅器、および伝送路設計方法を提供する。

解決手段

モード間損失差補償用ファイバ10は、光ファイバコア1に空洞部3もしくはリング状の高屈折率部を形成することで所望の伝搬モードに過剰損失を与える。コアのプロファイルの一部に空洞もしくはリング状の高屈折率部を付与することによってファイバを伝搬する特定のモードの電界分布を制御し、空洞部もしくはリング状の高屈折率部とこれを有しない領域との界面で伝搬モード毎に異なる損失を与える。

概要

背景

近年、サービス多様化によりインターネットトラヒックは未だ増加し続けており、伝送速度の高速化や波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)技術による波長多重数の増加により飛躍的に伝送容量を伸ばしてきた。また近年、検討が盛んに行われているデジタルコヒーレント技術によって更なる伝送容量の拡大が予想されている。デジタルコヒーレント伝送システムでは多値位相変調信号を用いることにより周波数利用効率を向上させてきたが、より高い信号雑音比が必要となってくる。しかし従来のシングルモードファイバ(Single mode fiber、SMF)を用いた伝送システムでは、理論的限界に加え非線形効果に起因する入力パワー制限のため伝送容量は100 Tbit/secを境に飽和することが予想されており、更なる大容量化は困難となってきている。

今後さらに伝送容量を増やしていくためには革新的な伝送容量拡大を実現する媒体が必要とされている。そこで、光ファイバ中の複数の伝搬モードチャネルとして用いることで信号雑音比と空間利用効率の向上が期待できるマルチモードファイバ(Multi mode fiber、 MMF)を用いたモード多重伝送が注目を集めている。これまでファイバ中を伝搬する高次のモードは信号劣化要因であったが、デジタル信号処理や合分波技術などの発展で積極的な利用が検討されている(例えば、非特許文献1、2を参照。)。

伝送容量の拡大に加えモード多重伝送の長距離化に向けた検討も行われており、3モード伝搬可能な非結合型の12コアファイバを用いた527km伝送の報告がなされている(例えば、非特許文献3を参照。)。

概要

簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、モード間損失差を低減できるモード間損失差補償用ファイバ、光増幅器、および伝送路設計方法を提供する。モード間損失差補償用ファイバ10は、光ファイバのコア1に空洞部3もしくはリング状の高屈折率部を形成することで所望の伝搬モードに過剰損失を与える。コアのプロファイルの一部に空洞もしくはリング状の高屈折率部を付与することによってファイバを伝搬する特定のモードの電界分布を制御し、空洞部もしくはリング状の高屈折率部とこれを有しない領域との界面で伝搬モード毎に異なる損失を与える。

目的

本発明は、上記課題を解決するために、簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、MDLを低減できるモード間損失差補償用ファイバ、光増幅器、および伝送路設計方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、クラッド部、及び前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部で構成され、光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、前記第1区間では、断面において前記コア部の領域の一部に半径a2(a2<a1)の空洞部が形成され、前記第2区間では、断面において前記コア部の領域には空洞部が形成されておらず、前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とするモード間損失差補償用ファイバ。

請求項2

前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、A1(5.6,0.65)B1(5.4,0.55)C1(5.33,0.53)D1(5.5,0.51)E1(6.0,0.45)F1(6.5,0.41)G1(7.0,0.38)H1(7.55,0.36)I1(7.0,0.42)J1(6.5,0.48)K1(6.0,0.575)を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つa2/a1<0.235を満たす前記空洞部の半径a2が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のモード間損失差補償用ファイバ。

請求項3

伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、クラッド部、及び前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部で構成され、光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、前記第1区間では、断面において前記コア部の領域に、前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ2である、内環径a2且つ外環径a3(a2<a3<a1)のリング形状の高屈折率部が形成され、前記第2区間では、断面において前記コア部の領域にはリング形状の高屈折率部が形成されず、前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とするモード間損失差補償用ファイバ。

請求項4

前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、A2(6.0,1.02)B2(5.9,0.95)C2(6.5,0.80)D2(7.0,0.71)E2(7.75,0.61)F2(7.0,0.75)G2(6.5,0.88)を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つ−0.02(Δ2—Δ1)+0.22<a2/a1<−0.19(Δ2—Δ1)+0.41を満たす前記リング形状の高屈折率部の半径a2及び比屈折率差Δ2が設定されていることを特徴とする請求項3に記載のモード間損失差補償用ファイバ。

請求項5

前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、A2(6.0,1.02)B2(5.9,0.95)C2(6.5,0.80)D2(7.0,0.71)E2(7.75,0.61)F2(7.0,0.75)G2(6.5,0.88)を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つX<a2/a1<−0.09(Δ2−Δ1)+0.56を満たす前記リング形状の高屈折率部の半径a2及び比屈折率差Δ2が設定されていることを特徴とする請求項3に記載のモード間損失差補償用ファイバ。ただし、XはΔ2—Δ1<0.4のとき、X=−0.04(Δ2—Δ1)+0.350.4<Δ2—Δ1<0.6のとき、X=0.35(Δ2—Δ1)+0.200.6<Δ2—Δ1<1.2のとき、X=0.07(Δ2—Δ1)+0.36である。

請求項6

前記第1区間の前段に前記他の伝搬モードのひとつと前記特定のモードとを変換するモード変換部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモード間損失差補償用ファイバ。

請求項7

伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光増幅する増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバを励起する励起光を送信する励起光源と、前記増幅用光ファイバを通過した信号光が入力される、少なくとも1つの請求項1から6のいずれかに記載のモード間損失差補償用ファイバと、を備える光増幅器

請求項8

伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光を増幅する光増幅器の各伝搬モードの利得を取得する利得取得手順と、前記利得取得手順で取得した利得のうち最小利得の伝搬モードと他の伝搬モードとの利得差ΔGLPmn(mnはモード番号)を算出する利得差算出手順と、前記他の伝搬モードのうちのひとつに対して過剰損失を与える損失補償器i(iはN−1以下の自然数)をそれぞれni台用意し、損失補償器i毎に各伝搬モード(LPmn)に与える損失αi_LPmnを取得する損失補償器特性取得手順と、前記伝搬モード毎に、前記光増幅器の利得と全ての前記損失補償器iで与えられる損失の合計(ΔDMGLPmn)を算出し、(a)いずれのΔDMGLPmnも10dB以下、且つ(b)ΔDMGLPmnの最大値最小値の差MDLが最小となる、それぞれの前記損失補償器iの数niを見出す探索手順と、を行う伝送路設計方法

技術分野

0001

本開示は、伝送路伝搬する信号光のモード間利得差補償するモード間損失差補償用ファイバ光増幅器、および伝送路設計方法に関する。

背景技術

0002

近年、サービス多様化によりインターネットトラヒックは未だ増加し続けており、伝送速度の高速化や波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)技術による波長多重数の増加により飛躍的に伝送容量を伸ばしてきた。また近年、検討が盛んに行われているデジタルコヒーレント技術によって更なる伝送容量の拡大が予想されている。デジタルコヒーレント伝送システムでは多値位相変調信号を用いることにより周波数利用効率を向上させてきたが、より高い信号雑音比が必要となってくる。しかし従来のシングルモードファイバ(Single mode fiber、SMF)を用いた伝送システムでは、理論的限界に加え非線形効果に起因する入力パワー制限のため伝送容量は100 Tbit/secを境に飽和することが予想されており、更なる大容量化は困難となってきている。

0003

今後さらに伝送容量を増やしていくためには革新的な伝送容量拡大を実現する媒体が必要とされている。そこで、光ファイバ中の複数の伝搬モードチャネルとして用いることで信号雑音比と空間利用効率の向上が期待できるマルチモードファイバ(Multi mode fiber、 MMF)を用いたモード多重伝送が注目を集めている。これまでファイバ中を伝搬する高次のモードは信号劣化要因であったが、デジタル信号処理や合分波技術などの発展で積極的な利用が検討されている(例えば、非特許文献1、2を参照。)。

0004

伝送容量の拡大に加えモード多重伝送の長距離化に向けた検討も行われており、3モード伝搬可能な非結合型の12コアファイバを用いた527km伝送の報告がなされている(例えば、非特許文献3を参照。)。

先行技術

0005

N.Hanzawa et al., “Demonstration of Mode−Division multiplexing Transmission Over 10 km Two−mode Fiber with Mode Coupler” OFC2011, paper OWA4
T.Sakamoto et al., “Modal Dispersion Technique for Long−haul Transmission over Few−mode Fiber withSIMO Configuration” ECOC2011, We.10.P1.82
K. Shibahara et al. ”Dense SDM(12−Core × 3−Mode) Transmission Over 527 km With 33.2−ns Mode−Dispersion Employing Low−Complexity ParallelMIMO Frequency−Domain Equalization,” J. Lightw. Technol., vol.34, no. 1 (2016).
X. Zhao et al. ”Mode converter based on the long−period fiber gratings written in the six−mode fiber,” ICOCN, 2017.
T. Fujisawa et al.,“One chip,PLC three−mode exchanger based on symmetric and asymmetric directional couplers with integrated mode rotator,” OFC 2017,Paper.W1b.2.
M. Salsi et al.,“A Six−mode erbium−doped fiber amplifier,”ECOC 2012,Paper. Th.3.A.6.
Y. Jung et al.,“Reconfigurable modal gain control of a few−mode EDFA supporting six spatial modes,”IEEE Photonics Technology Letters, vol.26,No.11,June (2014)

発明が解決しようとする課題

0006

モード多重伝送の長距離化を行う上で、長距離伝送を行うためには伝送路にて発生するモード間損失差(Differential modal attenuation:DMA)や光増幅器にて発生するモード間利得差(Differential modal gain:DMG)が重要となってくる。非特許文献3においても長距離伝送を実現するためにDMA及びDMGを含めたモード間損失差(Mode dependent loss:MDL)を1スパンの中で0.2dB以下になるように調整を行っている。非特許文献3においては空間フィルタ型のモード間損失差補償器を用いてLP01モードにLP11モードに比べ3dB程度大きい損失を与えることでMDLの低減に寄与している。

0007

しかし、非特許文献3のような空間型の利得等化器は、ファイバ以外に、レンズや特定のモードに損失を与えるためのフィルタ等を用いるため、構造が複雑である、及び伝搬モード間のクロストーク抑制するために精密なアライメント作業が必要であるという課題があった。

0008

そこで、本発明は、上記課題を解決するために、簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、MDLを低減できるモード間損失差補償用ファイバ、光増幅器、および伝送路設計方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明に係るモード間損失差補償用ファイバは、光ファイバのコアに空洞部もしくはリング状の高屈折率部を形成することで所望の伝搬モードに過剰損失を与えることとした。

0010

本発明に係るモード間損失差補償用ファイバは、伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、
クラッド部、及び前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部で構成され、
光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、
前記第1区間では、断面において前記コア部の領域の一部に半径a2(a2<a1)の空洞部が形成され、
前記第2区間では、断面において前記コア部の領域には空洞部が形成されておらず、
前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とする。
本モード間損失差補償用ファイバは、空間光素子を用いないため、構造が簡易である。従って、本発明は、簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、MDLを低減できるモード間損失差補償用ファイバを提供することができる。

0011

このモード間損失差補償用ファイバの具体的なパラメータとしては、前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、
A1(5.6,0.65)
B1(5.4,0.55)
C1(5.33,0.53)
D1(5.5,0.51)
E1(6.0,0.45)
F1(6.5,0.41)
G1(7.0,0.38)
H1(7.55,0.36)
I1(7.0,0.42)
J1(6.5,0.48)
K1(6.0,0.575)
頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つa2/a1<0.235を満たす前記空洞部の半径a2が設定されていることを特徴とする。
このモード間損失差補償用ファイバは、C帯の波長(1530〜1565nm)においてLP01モードとLP11モードを伝送することができ、LP11モードの損失を抑えつつ、LP01モードに大きな損失を与えることができる。

0012

また、本発明に係る他のモード間損失差補償用ファイバは、伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、
クラッド部、及び前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部で構成され、
光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、
前記第1区間では、断面において前記コア部の領域に、前記クラッド部に対する比屈折率差がΔ2である、内環径a2且つ外環径a3(a2<a3<a1)のリング形状の高屈折率部が形成され、
前記第2区間では、断面において前記コア部の領域にはリング形状の高屈折率部が形成されず、
前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とする。
本モード間損失差補償用ファイバも、空間光学素子を用いないため、構造が簡易である。従って、本発明は、簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、MDLを低減できるモード間損失差補償用ファイバを提供することができる。

0013

このモード間損失差補償用ファイバの具体的なパラメータとしては、前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、
A2(6.0,1.02)
B2(5.9,0.95)
C2(6.5,0.80)
D2(7.0,0.71)
E2(7.75,0.61)
F2(7.0,0.75)
G2(6.5,0.88)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つ
−0.02(Δ2—Δ1)+0.22<a2/a1<−0.19(Δ2—Δ1)+0.41
を満たす前記リング形状の高屈折率部の半径a2及び比屈折率差Δ2が設定されていることを特徴とする。
このモード間損失差補償用ファイバは、C帯の波長(1530〜1565nm)においてLP01モード、LP11モード、LP21モード、及びLP02モードを伝送することができ、LP01モード、LP21モード、及びLP02モードの損失を抑えつつ、LP11モードに大きな損失を与えることができる。

0014

このモード間損失差補償用ファイバの具体的な他のパラメータとしては、前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、
A2(6.0,1.02)
B2(5.9,0.95)
C2(6.5,0.80)
D2(7.0,0.71)
E2(7.75,0.61)
F2(7.0,0.75)
G2(6.5,0.88)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つ
X <a2/a1<−0.09(Δ2—Δ1)+0.56
を満たす前記リング形状の高屈折率部の半径a2及び比屈折率差Δ2が設定されていることを特徴とする。
ただし、Xは
Δ2—Δ1<0.4のとき、X=−0.04(Δ2—Δ1)+0.35
0.4<Δ2—Δ1<0.6のとき、X=0.35(Δ2—Δ1)+0.20
0.6<Δ2—Δ1<1.2のとき、X=0.07(Δ2—Δ1)+0.36
である。
このモード間損失差補償用ファイバは、C帯の波長(1530〜1565nm)においてLP01モード、LP11モード、LP21モード、及びLP02モードを伝送することができ、LP01モード、LP11モード、及びLP02モードの損失を抑えつつ、LP21モードに大きな損失を与えることができる。

0015

本発明に係るモード間損失差補償用ファイバは、さらに、前記第1区間の前段に前記他の伝搬モードのひとつと前記特定のモードとを変換するモード変換部を有することを特徴とする。構造的に所望の伝搬モードに過剰損失を与えることができないとき、前段において所望の伝搬モードから過剰損失を与えることができる伝搬モードへ変換を行うことで所望の伝搬モードに過剰損失を与えることができる。

0016

本発明に係る光増幅器は、
伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光を増幅する増幅用光ファイバと、
前記増幅用光ファイバを励起する励起光を送信する励起光源と、
前記増幅用ファイバを通過した信号光が入力される、少なくとも1つの請求項1から6のいずれかに記載の損失差補償用ファイバと、
を備える。
本光増幅器は、前記モード間損失差補償用ファイバを備えるため、モード間利得差を小さくすることができる。

0017

本発明に係る伝送路設計方法は、
伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光を増幅する光増幅器の各伝搬モードの利得を取得する利得取得手順と、
前記利得取得手順で取得した利得のうち最小利得の伝搬モードと他の伝搬モードとの利得差ΔGLPmn(mnはモード番号)を算出する利得差算出手順と、
前記他の伝搬モードのうちのひとつに対して過剰損失を与える損失補償器i(iはN−1以下の自然数)をそれぞれni台用意し、損失補償器i毎に各伝搬モード(LPmn)に与える損失αi_LPmnを取得する損失補償器特性取得手順と、
前記伝搬モード毎に、前記光増幅器の利得と全ての前記損失補償器iで与えられる損失の合計(ΔDMGLPmn)を算出し、
(a)いずれのΔDMGLPmnも10dB以下、且つ
(b)ΔDMGLPmnの最大値最小値の差MDLが最小
となる、それぞれの前記損失補償器iの数niを見出す探索手順と、
を行う。
本伝送路設計方法は、MDLを低減した伝送路を設計することができる。

発明の効果

0018

本発明は、簡易な構造で精密なアライメント作業を不要としながら、MDLを低減できるモード間損失差補償用ファイバ、光増幅器、および伝送路設計方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明に係るモード間損失差補償用ファイバの屈折率プロファイルを説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバの空洞部の位置と各モードの電界分布を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバを説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバの構造と損失の関係を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、許容されるLP01モードの過剰損失が0.1dBとなる領域に関する計算結果を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバを説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて損失と空洞部数の関係を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバの屈折率プロファイルを説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、C帯の波長において4LPモードが伝搬可能な領域を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、コア半径とリング形状の高屈折率部の内環径の比率と各伝搬モードの損失との関係を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、LP11モードに過剰損失を与えられるパラメータ範囲を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、LP21モードに過剰損失を与えられるパラメータ範囲を説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバを説明する図である。
本発明に係るモード間損失差補償用ファイバにおいて、コア半径と空洞部の半径の比率と各伝搬モードの損失との関係を説明する図である。
本発明に係る光増幅器を説明する図である。
本発明に係る伝送路設計方法を説明する図である。

実施例

0020

添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。

0021

(実施形態1)
図1は、本実施形態のモード間損失差補償用ファイバ10の構造を説明する図である。モード間損失差補償用ファイバ10は、伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、
クラッド部5、及びクラッド部5に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部1で構成され、
光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、
前記第1区間では、断面においてコア部1の領域の一部に半径a2(a2<a1)の空洞部3が形成され、
前記第2区間では、断面においてコア部1の領域には空洞部が形成されておらず、
前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とする。

0022

図1(A)は、モード間損失差補償用ファイバ10の第1区間の断面図である。図1(B)は、モード間損失差補償用ファイバ10の第1区間の半径方向における屈折率分布を示したものである。コア半径をa1、クラッド部5に対するコア部1の比屈折率差をΔ1とする。本実施形態ではステップ形状および円筒状の光ファイバとしたときの例を示すが、効果については他の屈折率形状、および導波路構造についても同様に考えることができる。

0023

一般的にマルチモード光ファイバにおいては、高次モードに比べ基本モード閉じ込めが強くなり曲げ損失を含む伝搬損失が小さくなる傾向がある。そこでモード多重伝送システムでMDLを小さくするためには基本モードに対して高次モードより大きな過剰損失を与えられる構造を考える必要がある。本実施形態ではコア1の中心に空洞部3を有する例を示す。

0024

空洞部3は、コア部1の内半径a2(0≦a2≦a1)の領域とする。このようにコアプロファイルの一部に空洞を付与することによって本ファイバを伝搬する特定のモードの電界分布を制御することができ、空洞部とこれを有しない領域との界面で伝搬モード毎に異なる損失を与えることが可能となる。

0025

光ファイバに空洞を付与する方法としては、フェムト秒レーザ光導波路照射する手法が知られており、照射条件を制御することによって屈折率変化や空洞部領域の作製を行うことができる。なお、モード間損失差補償用ファイバ10では空洞部3を中心に配置したが、任意のモードに対し任意の過剰損失を与えるため、空洞部は中心以外に所望の位置に配置できる。図2に示すように、各モードの電界が強くなる位置に空洞部3を配置することで任意のモードに対し過剰損失を与えることができる。

0026

以下、2LPモード伝搬可能な光ファイバにおけるa2と伝搬損失の関係について説明する。
図3は、モード間損失差補償用ファイバ10の全体を説明する図である。モード間損失差補償用ファイバ10は長手方向の一部に空洞部3を1箇所有する構造である。接続損失の計算には、空洞部を有するコア構造(第1区間)と付与していないコア構造(第2区間)を伝搬する電界分布を有限要素法により計算し、電界分布の重なりを求めることで算出している。なお、2LPモード以上のモードが伝搬する光ファイバにおいても同様に計算することが可能である。なお、空洞部3の幅(光ファイバ長手方向の長さ)は数μm程度である。

0027

図4は、LP01及びLP11モードの接続損失とa2/a1との関係を説明する図である。ここでa1=7μmおよびΔ1は0.4%としている。a2/a1の増大に伴い損失が増大すること、及び伝搬モードによって受ける損失が異なることが確認できる。モード間損失差補償用ファイバの特性として所望のモード(ここではLP01モード)以外の過剰損失をできるだけ小さくすることが求められる。所望のモード以外の過剰損失を0.1dB以下とするためには、図4よりa2/a1を0.22以下とする必要があることがわかる。

0028

図5は、a1をX軸、Δ1をY軸としたXY平面において、許容されるLP11モードの過剰損失が0.1dBとなるa2/a1の値を示した図である。図5において、点線は波長1530nmにおけるLP21モードの理論カットオフ(点線より下の領域はLP21が伝搬しない)、破線は波長1565nm,R=30mmにおけるLP11モードの曲げ損失が0.5dB/100turnとなる領域(破線より上の領域)を示している。両領域に挟まれる領域においてC帯(波長1530〜1565nm)で2LPモード伝送が可能となる。なお、一点鎖線は、LP01モードの実効断面積が80μm2以上となる領域(一点鎖線より下側)である。

0029

図5のXY平面においてLP11モードの過剰損失が0.1dB以下となるa2/a1の値を示しており、そのa2/a1の値は空洞部3の大きさの最大値を意味する。LP01モードの実効断面積が80μm2以上とするとΔ1は0.65%以下であることが望ましいため、5.5μm<a1<7.5μm、0.35%<Δ1<0.65%の範囲において、a2/a1<0.235、とすることでLP11モードの損失を抑えながら損失差を補償することができる。
より正確には、前記コア部の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、
A1(5.6,0.65)
B1(5.4,0.55)
C1(5.33,0.53)
D1(5.5,0.51)
E1(6.0,0.45)
F1(6.5,0.41)
G1(7.0,0.38)
H1(7.55,0.36)
I1(7.0,0.42)
J1(6.5,0.48)
K1(6.0,0.575)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に前記コア部の半径a1及び比屈折率差Δ1があり、且つa2/a1<0.235を満たす前記空洞部の半径a2が設定されている。

0030

しかしながらa2/a1が0.235以下の領域では、空洞部3がLP01モードに与える過剰損失に制限が生じてしまう。そこで図6に示すようにLP11モードへの過剰損失の小さいa2/a1(例えば、0.22以下)を有する空洞部3を光ファイバの長手方向に複数個並べる(すなわち、前記第1区間と前記第2区間とを複数回繰り返す)ことでLP11モードへの過剰損失を抑えながらLP01モードへ任意の損失を与える。

0031

図7は、a2/a1=0.14であるときの空洞部3の数と各モードの損失の関係を説明する図である。図7より、空洞部3の数を増加させることでLP11モードへの損失を0.6dB以下に抑えながらLP01モードへ20dB以上の損失を与えられることがわかる。

0032

上より図5で示したモード間損失差補償用ファイバ10と空洞部3の半径との関係において、空洞部3の半径を小さくし、長手方向に配置する個数を調整することで、MDLの補償範囲の設計の自由度が広がる。

0033

(実施形態2)
図8は、本実施形態のモード間損失差補償用ファイバ20の構造を説明する図である。モード間損失差補償用ファイバ20は、伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバに挿入されるモード間損失差補償用ファイバであって、
クラッド部5、及びクラッド部5に対する比屈折率差がΔ1である半径a1のコア部1で構成され、
光の伝搬方向に第1区間と第2区間があり、
前記第1区間では、断面においてコア部1の領域に、クラッド部5に対する比屈折率差がΔ2である、内環径a2且つ外環径a3(a2<a3<a1)のリング形状の高屈折率部7が形成され、
前記第2区間では、断面においてコア部1の領域にはリング形状の高屈折率部が形成されず、
前記伝搬モードの内、特定の伝搬モードに他の伝搬モードより大きい損失を与えることを特徴とする。

0034

図8(A)は、モード間損失差補償用ファイバ20の第1区間の断面図である。図8(B)は、モード間損失差補償用ファイバ20の第1区間の半径方向における屈折率分布を示したものである。コア半径をa1、クラッド部5に対するコア部1の比屈折率差をΔ1、クラッド部5に対する比屈折率差Δ2の高屈折率部7の内環径をa2、外環径をa3とする。このようにコアプロファイルの一部にリング状の高屈折率部を付与することによって本ファイバを伝搬する特定のモードの電界分布を制御することができ、高屈折率部とこれを有しない領域との界面で伝搬モード毎に異なる損失を与えることが可能となる。

0035

モード損失差補償用ファイバ20のコア形状相似形光ファイバ母材紡糸して得られるほか、実施形態1と同様に適切な条件でフェムト秒レーザを光ファイバもしくは純石英細線に照射することによって実現することができる。

0036

図9は、コア径a1をX軸、コアの比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、モード損失差補償用ファイバ20が4LPモードを伝搬可能な領域を示す。図9において、点線は波長1530nmにおけるLP31モードの理論カットオフ(点線より下の領域はLP31が伝搬しない)、破線は波長1565nm,R=30mmにおけるLP02モードの曲げ損失が0.5dB/100turnとなる領域(破線より上の領域)を示している。両領域に挟まれる領域においてC帯(波長1530〜1565nm)で4LPモード伝送が可能となる。なお、一点鎖線は、LP01モードの実効断面積が80μm2以上となる領域(一点鎖線より下側)である。

0037

4LPモード伝送が可能となる範囲をより正確に記載すると、
コア部1の半径a1をX軸、比屈折率差Δ1をY軸としたXY平面において、
A2(6.0,1.02)
B2(5.9,0.95)
C2(6.5,0.80)
D2(7.0,0.71)
E2(7.75,0.61)
F2(7.0,0.75)
G2(6.5,0.88)
を頂点とする多角形で囲まれる領域にコア部1の半径a1及び比屈折率差Δ1があるようにモード損失差補償用ファイバ20を設計する。

0038

図10は、モード損失差補償用ファイバ20の構造をa1=7.2μm、a2−a3=2μm、Δ1=0.7%、Δ2=1.2%としたときの各モードの損失とa2/a1の関係を説明する図である。a2/a1の変化に伴い各モードの損失が正弦波状に変動していることが確認できる。モード損失差補償用ファイバ20をモード補償器として利用するためには、過剰損失を与えたいモードの損失が他のモードと比べて高いこと、及び過剰損失を与えたいモード以外のモード間損失差の最大値ΔLLPmnが小さいことが重要である。ここでLPmnは過剰損失を与えたいモードを示す。図6に示すように、長手方向に高屈折率部7を複数個並べる(すなわち、前記第1区間と前記第2区間とを複数回繰り返す)ことを想定すると、ΔLLPmnは0.1dB以下に抑えることが望ましい。図10より、例えば、a2/a1=0.27とすればΔLLP11を0.1dB以下に抑えつつ、LP11モードと他のモードとの損失差を最大とすることができる。また、a2/a1=0.46とすればΔLLP21を0.1dB以下に抑えつつ、LP21モードの損失と他のモードとの損失差を最大とすることができる。

0039

モード損失差補償用ファイバ20の構造a1、Δ1及びΔ2を変化させても同様の効果が得られることを説明する。図11は、ΔLLP11が0.1dB以下かつ、LP11モードと他のモードとの損失差を最大とする、a2/a1とΔ2−Δ1との関係を説明する図である。図11では、図9で説明した4LPモードが伝搬可能である範囲より、6.0<a1<8.0、0.6<Δ1<1.1でa2/a1の最大範囲を示している。図11より、次式を満たす領域でΔLLP11を0.1dB以下に抑えつつ、LP11モードに過剰損失を与えることができるモード損失差補償用ファイバ20を構成できる。
(式1)
−0.02(Δ2—Δ1)+0.22
<a2/a1<
−0.19(Δ2—Δ1)+0.41
ただし、6.0<a1<8.0、0.6<Δ1<1.1である。

0040

同様に、図12は、ΔLLP21が0.1dB以下かつ、LP21モードと他のモードとの損失差を最大とする、a2/a1とΔ2−Δ1との関係を説明する図である。図12でも、図9で説明した4LPモードが伝搬可能である範囲より、6.0<a1<8.0、0.6<Δ1<1.1でa2/a1の最大範囲を示している。図12より、次式を満たす領域でΔLLP21を0.1dB以下に抑えつつ、LP21モードに過剰損失を与えることができるモード損失差補償用ファイバ20を構成できる。
(式2)
X <a2/a1 <−0.09(Δ2—Δ1)+0.56
ここで、Xは以下の値である。
Δ2—Δ1<0.4のとき X=−0.04(Δ2—Δ1)+0.35
0.4<Δ2—Δ1<0.6のとき X=0.35(Δ2—Δ1)+0.20
0.6<Δ2—Δ1<1.2のとき X=0.07(Δ2—Δ1)+0.36
ただし、6.0<a1<8.0、0.6<Δ1<1.1である。

0041

なお、実施形態1での同様に、モード損失差補償用ファイバ20のパラメータ(a1,a2,a3,Δ1、Δ2)をLPmnモードへの過剰損失が小さいものとして、図6のように高屈折率部7を光ファイバの長手方向に配置する個数を調整することで、MDLの補償範囲の設計の自由度が広がる。

0042

また本実施形態例では光ファイバの中心と高屈折率部7の中心とが一致する構造で説明したが、中心が光ファイバの中心と一致しない高屈折率部7を形成することも可能である。例えば、クラッドに複数の光導波路を有するマルチコア構造にも適用することができ、中心がコアの中心と一致するように高屈折率部7をコア毎に形成することができる。

0043

(実施形態3)
前述のように、MDM伝送では一般に高次モードのほうが損失を受けやすいため、低次モードに高次モードと比べて過剰損失を大きく与えることでMDLを補償することができる。しかし、図9に示す領域ではLP01モードに一番大きな損失を与えることは難しい。そこで、モード損失差補償用ファイバ20の前段でLP01モードを他の高次モードへと変換した後、変換した高次モードに対して過剰損失を与えれば、モード変換前のLP01モードに対して過剰損失を与えることができる。

0044

図13は、本実施形態のモード損失差補償器30を説明する図である。モード損失差補償器30は、モード損失差補償用ファイバ(10又は20)の前段に前記他の伝搬モードのひとつと前記特定のモードとを変換するモード変換部25を有する。

0045

例えば、モード損失補償用ファイバ10を用いた例を示す。本実施形態のモード損失補償用ファイバ10は4LPモードを伝搬できるように設計されている。図14は、モード損失補償用ファイバ10におけるLP01、LP11、LP21、LP02モードの損失とa2の関係を説明する図である。ここでa1=10μmおよびΔ1=0.4%としている。

0046

図14が示すように、LP02モードの損失が一番高くなっていることが確認できる。そこで、損失差補償用ファイバ10の前段にモードを変換可能なモード交換部25を配置し、LP01モードをLP02モードへ、LP02モードをLP01モードへ変換する。モード交換部25の配置によって、モード変換前のLP01モードに対して他のモードより高い過剰損失を与えることができる。

0047

例えば、a2/a1=0.02の構造を用いるとLP02モードに他のモードと比較して0.12dBの過剰損失を与えつつΔLLP02を0.1dB以下に抑えることができる。なお、他のモード交換部を損失差補償用ファイバ10の後段に挿入することで、LP02モードをLP01モードへ、LP01モードをLP02モードへ戻すことができる。

0048

LP01とLP02モードのモード変換部25は、例えば、長周期ファイバグレーティグ構造などを用いることによって実現できる(例えば、非特許文献4を参照。)。モード変換部25は長周期グレーティングに限らず非特許文献5に記載のモード変換機能を有するデバイス代用することができる。

0049

本実施形態ではLP01とLP02の間でモード変換することを説明したが、損失差補償用ファイバのLPmnに応じて変換するモードを選択することで、同様の効果を得ることができる。

0050

(実施形態4)
図15は、損失差補償用ファイバを有するマルチモード光増幅器(41、42)を説明する図である。光増幅器(41、42)は、
伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光を増幅する増幅用光ファイバ43と、
増幅用光ファイバ43を励起する励起光を送信する励起光源44と、
増幅用ファイバ43を通過した信号光が入力される、少なくとも1つの損失差補償用ファイバ(10、20)と、
を備える。

0051

マルチモード伝送用光増幅部47は、増幅用ファイバの希土類分布や励起光の条件によってモード間に利得差が生じるため(例えば、非特許文献6および7を参照。)、光増幅部47のモード間利得差を補償するための損失を付与する必要がある。例えば、実施形態1と2で説明したLP11モードに高い過剰損失を与える損失差補償用ファイバ20、LP21モードに高い過剰損失を与える損失差補償用ファイバ20、LP02モードに高い過剰損失を与える損失差補償用ファイバ10、及び実施形態3で説明したLP01とLP02とのモード変換器25を組み合わせて当該モード間利得差を補償する。

0052

光増幅部47の利得特性と反相関を持つ特性を設計することによって4LPモード光増幅器におけるモード間利得差の低減が可能となる。損失差補償用ファイバの過剰損失特性が光増幅部47の利得特性と反相関の特性であれば、光増幅部47の後段に当該損失差補償用ファイバのみを接続すればよい(図15(A)の光増幅器41)。しかし、単独の損失差補償用ファイバの過剰損失特性が光増幅部47の利得特性と反相関の特性でない場合、複数の損失差補償用ファイバ及びモード変換器を組み合わせ、組み合わせのトータルとして光増幅部47の利得特性と反相関の特性を作り出す(図15(B)の光増幅器42)。

0053

(実施形態5)
本実施形態では、光増幅器(41、42)やマルチモード伝送を行う光増幅部を有する光伝送路において、MDLを改善するために必要な損失差補償用ファイバの種類とその数を見積もる伝送路設計方法について説明する。

0054

図16は、本伝送路設計方法を説明するフローチャートである。本伝送路設計方法は、伝搬モード数がN(Nは2以上の整数)である光ファイバを伝搬する信号光を増幅する光増幅部の各伝搬モードの利得を取得する利得取得手順S01と、
前記利得取得手順で取得した利得のうち最小利得の伝搬モードと他の伝搬モードとの利得差ΔGLPmn(mnはモード番号)を算出する利得差算出手順S02と、
前記他の伝搬モードのうちのひとつに対して過剰損失を与える損失補償器i(iはN−1以下の自然数)をそれぞれni台用意し、損失補償器i毎に各伝搬モード(LPmn)に与える損失αi_LPmnを取得する損失補償器特性取得手順S03と、
前記伝搬モード毎に、前記光増幅器の利得と全ての前記損失補償器iで与えられる損失の合計(ΔDMGLPmn)を算出し、
(a)いずれのΔDMGLPmnも10dB以下、且つ
(b)ΔDMGLPmnの最大値と最小値の差MDLが最小
となる、それぞれの前記損失補償器iの数niを見出す探索手順S04と、
を行う。

0055

(1)利得取得手順S01
はじめに、光増幅部(例えば、増幅用光ファイバ)にて発生する各伝搬モードの利得の値を求める。利得を実測してもよいし、光増幅部の仕様から取得してもよい。

0056

(2)利得差算出手順S02
伝搬モードが2モードの場合、伝搬モード間の利得差を算出する。伝搬モードが3モード以上の場合、各伝搬モードの利得と利得が最も小さいモードとの利得差を算出する。

0057

(3)損失補償器特性取得手順S03
伝搬モードが2モードの場合、算出した利得差を補償器の損失差で割り、補償器の数を決定する。
伝搬モードが3モード以上の場合、利得が最小の伝搬モード以外の伝搬モードに過剰損失を与えられる補償器をそれぞれ用意し、MDLが最小となる補償器の数の組み合わせniを求める。

0058

本伝送路設計方法を具体的に説明する。
なお、実施形態1〜3で示した損失値界分布重なり積分から求めたものであり、接続点一箇所の損失値である。補償器をファイバで接続する際には、入射部と出射部の2箇所でモード不整合が生じるため、以下では2倍にした損失値を用いる。

0059

非特許文献7に記載の利得スペクトルから波長1546nmの利得を補償する例を示す。
(利得取得手順及び利得差算出手順)
光増幅器での利得は、LP01>LP11>LP21>LP02モードの順で高くなっており、利得が最小となるLP02との利得差は、それぞれΔGLP01=4.1dB、ΔGLP11=2.0dB、ΔGLP21=0.4dBとなる。

0060

(損失補償器特性取得手順)
補償器1として、LP01モードの補償器である、図14中のa2/a1=0.02の構造、およびその前後にLP01LP02モード交換部、を用いるとすると、各モードの損失は、
(α1 LP01, α1 LP11,α1 LP21,α1 LP02)
=(0.195, 1.8×10−6, 2.6×10−6, 0.076)
となる。
補償器2および3として、実施形態2で示したLP11、21モードの補償器を用いる。a1=7.2μm、a2−a3=2μm、Δ1=0.7%、Δ2=1.2%とし、それぞれ図9中のa2/a1=0.27、a2/a1=0.46の構造を用いるとすると、各モードの損失は
(α2 LP01、α2 LP11、α2 LP21、α2 LP02)=(0.376、0.700、0.359、0.331)、
(α3 LP01、α3 LP11、α3 LP21、α3 LP02)=(0.272、0.223、0.473、0.144)
となる。

0061

(探索手順)
伝搬モード毎に、増幅器の利得と補償器で与えられる過剰損失の合計(ΔDMGLPmn)を算出する(数3)。そして、それらの過剰損失の最大値と最小値の差MDLが、少なくとも各モードの損失の合計が10dB以下の領域内で最小となるような各補償器の数(ni)を算出する(数4)。

0062

例えば、n1=24、n2=9、n3=6とすると、MDLを最小とすることができ、非特許文献7に記載のモード間利得差を0.075dBに抑制できる。

0063

1:コア
3:空洞部
5:クラッド
7:高屈折率部
10、20:モード間損失差補償用ファイバ
25、25’:モード変換器
30:モード損失差補償器
41、42:光増幅器
43:増幅用光ファイバ
44:励起光源
47:光増幅部

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